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JP2014040874A - 軸部材の潤滑構造 - Google Patents

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JP2014040874A
JP2014040874A JP2012183804A JP2012183804A JP2014040874A JP 2014040874 A JP2014040874 A JP 2014040874A JP 2012183804 A JP2012183804 A JP 2012183804A JP 2012183804 A JP2012183804 A JP 2012183804A JP 2014040874 A JP2014040874 A JP 2014040874A
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Shinya Matsumoto
真也 松本
Hisafumi Sakuyama
尚史 作山
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】軸部材の外周側から内側中空部へとオイルを供給するものにおいて、ベアリングの軸方向外側に配置されるオイルシールを取付けることが容易で且つオイルシールからオイルが外側に漏れることが防止され、軸部材の内側中空部の潤滑を可能とする軸部材の潤滑構造。
【解決手段】軸部材9をベアリング7Lを介して回転自在に軸支するケース1の軸受開口部1eの内周面に、ベアリングより軸方向外側に少なくとも1つの環状オイルシール40が軸部材を挿通させて内嵌され、オイルを供給するケース側オイル通路yが、ベアリングと環状オイルシールの間の内周面に油路開口1xを有するように軸受開口部に穿設され、軸部材の内側中空部へ外周側からオイルを供給する軸部材側オイル孔12xが軸部材に穿設された軸部材の潤滑構造において、環状オイルシールの軸方向内側で、且つ油路開口より軸方向外側に、軸部材を挿通させて環状ラビリンスシール41が設けられた。
【選択図】図17

Description

本発明は、回転自在に軸支される軸部材の内側中空部に潤滑用のオイルを導入する潤滑構造に関する。
円筒状の軸部材がケースの軸受部にベアリングを介して回転自在に支持される構造の場合、軸部材の端部にケース側の蓋部を被せ、蓋部内の油路を経て軸部材の内側中空部に潤滑用のオイル(以下、単に「オイル」という)を導入するのが一般的である。
しかし、軸部材の両端に種々の機構が取り付けられて、油路を形成することが困難な場合、軸部材の中間部のベアリング付近外周側から内側中空部への潤滑油路構造を採るものが、例えば下記特許文献1に示されている。
特許文献1は、本出願人により先に出願した多段変速機の潤滑構造に係る発明であり、特許文献1に開示された多段変速機は、メイン歯車軸に一体の歯車とカウンタ歯車軸に相対回転自在に軸支された歯車とが常時噛合い、カウンタ歯車軸内の係合切換え機構によりカウンタ歯車軸に有効に作用する歯車を選択して変速を行うものである。
内部に係合切換え機構を備えるカウンタ歯車軸は、一端に出力スプロケットが設けられ、他端に変速用シフト機構が設けられているため、軸端部から内側中空部の係合切換え機構にオイルを導入することができないので、軸部材としてのカウンタ歯車軸の外周側からオイルを導入している。
特許文献1に示されるものにおいては、軸部材のベアリングの軸方向外側に二重構造のオイルシールが設けられ、二重のオイルシールの中間において軸部材には外周側から内側中空部に通じるオイル供給孔が穿設されている。
一方、ベアリングを支持するケースの軸受開口部にはオイルを供給するケース側オイル通路が穿設されて、二重のオイルシールの中間において開口している。
このような構造によれば、軸部材の中間部の外周側から内側中空部内へのオイル供給路を設定することができる。
しかしながら、そのような構造の場合、二重のオイルシールの間には油圧がかかるため、たとえば、オイルシールの取付け時にオイルシールの弾性リップ部がめくれてしまうとオイルが漏れるおそれがあり、取り付けには注意を要するという課題があった。
特開2012−77795号公報(図3、図5、図15〜図20)
本発明は、上記従来技術に鑑み、軸部材の中間部のベアリング近傍の外周側から内側中空部へと、オイルを供給するものにおいて、ベアリングの軸方向外側に配置されるオイルシールを取付けることが容易で且つオイルシールからオイルが外側に漏れることが防止され、軸部材の内側中空部の潤滑を可能とする油路構造を有する軸部材の潤滑構造を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸部材をベアリングを介して回転自在に軸支するケースの軸受開口部の内周面に、前記ベアリングより軸方向外側に少なくとも1つの環状オイルシールが前記軸部材を挿通させて内嵌され、オイルを供給するケース側オイル通路が、前記ベアリングと前記環状オイルシールの間の前記内周面に油路開口を有するように前記軸受開口部に穿設され、前記軸部材の内側中空部へ外周側からオイルを供給する軸部材側オイル孔が同軸部材に穿設された軸部材の潤滑構造において、前記環状オイルシールの軸方向内側で、且つ前記油路開口より軸方向外側に、前記軸部材を挿通させて環状ラビリンスシールが設けられたことを特徴とする軸部材の潤滑構造である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の軸部材の潤滑構造において、前記ベアリングのインナレースとアウタレースの間にはシール部が設けられ、同シール部と前記環状ラビリンスシールとの間隙が、前記ケース側オイル通路と前記軸部材側オイル孔とをつなぐオイル流路部をなすことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の軸部材の潤滑構造において、前記ケースの軸受開口部には、前記環状オイルシールと前記環状ラビリンスシールとの間に開口し、同ケース内に通じるオイル逃がし通路が設けられたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の軸部材の潤滑構造において、前記環状ラビリンスシールには、その軸方向外側面に、放射状に延びる放射状リブが設けられたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の軸部材の潤滑構造において、前記環状ラビリンスシールは、その内周縁に径方向内側向きの複数の環状リブを有して構成されたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の軸部材の潤滑構造において、前記軸部材は、前記内側中空部と軸部材側オイル孔を備える軸本体と、同軸本体に外嵌され、前記環状オイルシールと前記環状ラビリンスシールが外装される円筒状カラー部材とを備え、同円筒状カラー部材は、その軸方向内側端部が前記ベアリングのインナレースの軸方向外側端面に当接されるとともに、前記軸方向内側端部には径方向の切欠き溝が設けられ、且つ同切欠き溝から前記軸部材側オイル孔に至るまでの拡径内周部が設けられたことを特徴とする。
請求項1の発明の軸部材の潤滑構造によれば、ケース側オイル通路から軸部材側オイル孔へ流れる軸受開口部の内周面内のオイルを、環状ラビリンスシールと環状オイルシールにより軸方向外側に漏れ難くし、かつ、二重のオイルシール間がオイル流路部となって油圧がかかる構造ではなくすることができる。従って、環状オイルシールの軸方向外側にオイルが漏れることを防ぎながら、軸部材側オイル孔へオイルを流して、軸部材の内側中空部へオイルを供給することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、オイル流路部からベアリング側へのオイルの漏れを防ぎ、より確実に軸部材側オイル孔へとオイルを導くことができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、環状ラビリンスシールから外方に漏れるオイルがあっても、漏れたオイルは、軸方向外側の環状オイルシールによってシールされ、オイル逃がし通路からケース内に戻すことができる。
請求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、環状オイルシールを、ケースの軸受開口部に圧入する場合、環状オイルシールと環状ラビリンスシールの間に、放射状リブによって軸方向の隙間を確保しながら圧入することができ、環状オイルシールの取り付け性を向上させつつ、環状オイルシールと環状ラビリンスシールの間に、オイル逃がし空間を形成することができ、オイル逃がし通路へのオイルの流れが良好となる。
請求項5の発明によれば、請求項2ないし請求項4のいずれか一項の発明の効果に加え、簡素な構造で、環状ラビリンスシールを構成して設けることができる。
請求項6の発明によれば、請求項2ないし請求項5のいずれか一項の発明の効果に加え、環状オイルシールおよび環状ラビリンスシールが軸部材の円筒状カラー部材に外装される場合も、簡単な形状でオイル流路部から軸部材側オイル孔へのオイル通路を形成することができる。
本発明の一実施形態に係る軸部材の潤滑構造を用いた多段変速機が組み込まれた内燃機関の一部省略した右側面図である。 図1中II−II矢視による、内燃機関の多段変速機の断面展開図である。 カウンタ歯車軸およびその周りの構造を示す断面図(図5、図6中III−III矢視による断面図)である。 カウンタ歯車軸およびその周りの構造を示す別の断面図(図5、図6中IV−IV矢視による断面図)である。 図3、図4中V−V矢視による断面図である。 図3、図4中VI−VI矢視による断面図である。 シフトロッドとロストモーション機構の分解斜視図である。 シフトロッドにロストモーション機構を組み付けた状態とカムロッド等の分解斜視図である。 カウンタ歯車軸およびピン部材とスプリングの一部の分解斜視図である。 図9中X矢視による、カウンタ歯車軸の左側面図である。 揺動爪部材および支軸ピン、ピン部材、スプリングの分解斜視図である。 カウンタ歯車軸に変速駆動機構の一部および係合手段を組み付けた状態を示す斜視図である。 図12に示す状態のカウンタ歯車軸に1つの軸受カラー部材を外装した状態を示す斜視図である。 シフトアップする過程の1状態を示す説明図である。 下側機関ケースの上面図である。 同左側面図である。 図16中XVII−XVII矢視による、カウンタ歯車軸の左側のベアリング近傍の拡大断面図である。 同カウンタ歯車軸の左側のベアリング近傍の分解拡大断面図である。 環状オイルシールおよび環状ラビリンスシールと円筒状カラー部材の分解拡大断面図である。 カウンタ歯車軸の潤滑構造を示す図17の要部を拡大した断面図である。
以下、本発明に係る一実施形態について図1ないし図20に基づいて説明する。
本実施形態に係る多段変速機10は、図示しない自動二輪車に搭載される内燃機関Eに組み込まれて構成されている。
図1は、図示しない自動二輪車に搭載された状態の姿勢で示す内燃機関Eの一部省略した右側面図であり、図2は多段変速機10の断面展開図(図1のII−II矢視による断面展開図)であり、図1および図2に示すように、多段変速機10は、内燃機関Eと共通の機関ケース1に設けられている。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る内燃機関を、図示しない自動二輪車に取り付けた図1に示す状態での車両(自動二輪車)の向きに従うものとし、図1において、図示右方が車両前方、図示上方が車両上方、図示向こう側が車両左方、図示手前側が車両右方である。
以降、図中、矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
機関ケース1の右側面図である図1に示すように、機関ケース1は、左右水平方向に指向するクランク軸6を境に上下割りの上側機関ケース1Uと下側機関ケース1Lが合体して構成されており、機関ケース1は変速室2を一体に形成しており、変速室2内に多段変速機10のメイン歯車軸11とカウンタ歯車軸12が互いに平行に左右水平方向に指向して回転自在に軸支される。
上側機関ケース1Uと下側機関ケース1Lは、クランク軸6およびクランク軸6と同じ高さ位置で変速室2内の高い位置にあるカウンタ歯車軸12を上下から挟むように軸支して合体する。
図2に示されるように、合体した機関ケース1の後半部に変速室2が形成され、機関ケース1は変速室2内のメイン歯車軸11とカウンタ歯車軸12の左側部位を軸支するが、右側は大きく開いた変速室開口が形成され、同変速室開口を軸受蓋部材8が覆い、機関ケースの一部をなす軸受蓋部材8がメイン歯車軸11とカウンタ歯車軸12の右側部位を軸支する。
メイン歯車軸11は、下側機関ケース1Lの側壁と軸受蓋部材8にベアリング3L、3Rを介して回転自在に軸支され、右ベアリング3Rを貫通して変速室2から突出した右端部には多板式の摩擦クラッチ5が設けられている。
摩擦クラッチ5の左側には、クランク軸6の回転が伝達されるプライマリ被動ギヤ4がメイン歯車軸11に回転自在に軸支されている。
内燃機関Eのクランク軸6(図1参照)の回転がプライマリ被動ギヤ4から係合状態の摩擦クラッチ5を介してメイン歯車軸11に伝達される。
図2に示されるように、メイン歯車軸11は中空円筒状をなし、中空内は比較的大きな内径の長尺の大径孔部11aと右側部の若干縮径した小径孔部11bとからなり、大径孔部11aに長尺プッシュロッド15lが挿入され、小径孔部11bに短尺プッシュロッド15sが摺動自在に嵌挿され、長尺プッシュロッド15lの右端部15lrは小径孔部11bに挿入され、短尺プッシュロッド15sの左端部との間に3個のボール16を挟んでいる。
ボール16は小径孔部11bに軸方向の同位置に3個が入る外径を有し、長尺プッシュロッド15lの右端部15lrと短尺プッシュロッド15sの左端部の互いに対向する端面には円環状に浅い環状溝が形成されていて3個のボール16を安定して挟持することができる。
長尺プッシュロッド15lの左端部は、下側機関ケース1Lを左方に貫通して、クラッチ油圧アクチュエータ17のピストン17pに嵌着されている。
一方、短尺プッシュロッド15sの右端部は、メイン歯車軸11から右方に突出して摩擦クラッチ5のプレッシャプレート5pの中心部に当接している。
したがって、クラッチ油圧アクチュエータ17が作動してピストン17pが長尺プッシュロッド15lを右方に押すと、ボール16を介して短尺プッシュロッド15sが押されて、プレッシャプレート5pをクラッチスプリング5sの弾性力に抗して右方に移動させて、クラッチスプリング5sの弾性力により係合していた摩擦クラッチ5の係合を解除することができる。
3個のボール16はスラストベアリングの役割をなし、短尺プッシュロッド15sの回転を長尺プッシュロッド15lに伝達しない。
カウンタ歯車軸12は、内側中空部12iを有して中空筒状に形成され、その左側部位が上側機関ケース1Rと下側機関ケース1Lの両側壁間に挟まれたベアリング7Lを介して軸支され、右端部が軸受蓋部材8にベアリング7Rを介して軸支される。
メイン歯車軸11には、左右のベアリング3L、3Rの間に駆動変速歯車m群がメイン歯車軸11と一体に回転可能にメイン歯車軸11に構成されている。
右ベアリング3Rに沿って第1駆動変速歯車m1がメイン歯車軸11に一体に形成され、メイン歯車軸11の第1駆動変速歯車m1と左ベアリング3Lとの間に形成されたスプラインに右から左へ順に順次径を大きくした第2、第3、第4、第5、第6駆動変速歯車m2、m3、m4、m5、m6がスプライン嵌合されている。
他方、カウンタ歯車軸12には、左右のベアリング7L、7Rの間に被動変速歯車n群が円環状の軸受カラー部材13を介して回転自在に軸支されている(図3、図4参照)。
カウンタ歯車軸12において、図3および図4に示すように、右ベアリング7Rの左に介装されたカラー部材14Rを介して外装された右端の軸受カラー部材13と、左ベアリング7Lの右に介装されたカラー部材14Lを介して外装された左端の軸受カラー部材13との間に、等間隔に5つの軸受カラー部材13が外装され、全部で7つの軸受カラー部材13の隣り合う軸受カラー部材13、13間に跨るようにして右から左へ順に順次径を小さくした第1、第2、第3、第4、第5、第6被動変速歯車n1、n2、n3、n4、n5、n6が回転自在に軸支されている。
メイン歯車軸11と一体に回転する第1、第2、第3、第4、第5、第6駆動変速歯車m1、m2、m3、m4、m5、m6は、カウンタ歯車軸12に回転自在に軸支される対応する第1、第2、第3、第4、第5、第6被動変速歯車n1、n2、n3、n4、n5、n6にそれぞれ常時噛み合っている。
第1駆動変速歯車m1と第1被動変速歯車n1の噛合が、最も減速比の大きい1速を構成し、第6駆動変速歯車m6と第6被動変速歯車n6の噛合が、最も減速比の小さい6速を構成し、その間順次減速比が小さくなって2速、3速、4速、5速が構成される。
カウンタ歯車軸12に変速段が奇数段の奇数段歯車(第1、第3、第5被動変速歯車n1、n3、n5)と変速段が偶数段の偶数段歯車(第2、第4、第6被動変速歯車n2、n4、n6)が交互に配列されることになる。
同軸芯の中空筒状の内側中空部12iを備えたカウンタ歯車軸12は、各被動変速歯車nと係合可能な係合手段20が後記するように組み込まれ、後記するように係合手段20の1構成要素である種類ごと2本ずつ4種類の計8本のカムロッドC(Cao、Cao、Cae、Cae、Cbo、Cbo、Cbe、Cbe)がカウンタ歯車軸12の内側中空部12iの内周面に形成された後記するカム案内溝12gに嵌合して軸方向に移動自在に設けられる。
カムロッドCを駆動して変速する変速駆動機構50の1構成要素であるシフトロッド51が、カウンタ歯車軸12の中空中心軸に挿入されており、シフトロッド51の軸方向の移動は、ロストモーション機構52、53を介して連動してカムロッドCを軸方向に移動する。
シフトロッド51を軸方向に移動する機構が、軸受蓋部材8に設けられている。
シフトロッド51の軸方向の移動は、ロストモーション機構52、53を介してカムロッドCを軸方向に連動し、カムロッドCの移動がカウンタ歯車軸12に組み込まれた係合手段20により各被動変速歯車nを選択的にカウンタ歯車軸12と係合して変速を行う。
カウンタ歯車軸12に設けられ、カウンタ歯車軸12と各被動変速歯車nとを選択的に係合する係合手段20について以下に説明する。
図7に示されるように、変速駆動機構50のシフトロッド51は、円柱棒状をなし、軸方向の左右2か所に縮径して形成された外周凹部51a、51bがそれぞれ所定長さに亘って形成されている。
シフトロッド51の右端は雄ねじが形成された雄ねじ端部51bbとなっており、雄ねじ端部51bbの手前に6角形状のナット部51cが形成されている。
このシフトロッド51の左右の外周凹部51a、51bにそれぞれ対応してロストモーション機構52、53が組み付けられる。
左右のロストモーション機構52、53は、同じ構造のものを互いに左右対称になるように配設している。
左側のロストモーション機構52は、シフトロッド51を摺動自在に嵌挿するスプリングホルダ52hが長尺ホルダ52hlと短尺ホルダ52hsの連結で構成され、内周面にシフトロッド51の外周凹部51aに対応する内周凹部52haが形成されている。
このスプリングホルダ52hにシフトロッド51を貫通させてスプリングホルダ52hを外周凹部51aに位置させたとき、スプリングホルダ52hの内周凹部52haとシフトロッド51の外周凹部51aの両空間が共通の空間を構成する。
スプリングホルダ52hの内周凹部52haとシフトロッド51の外周凹部51aの両空間に跨るようにスプリング受けである左右一対のコッタ52c、52cが対向して嵌挿され、両コッタ52c、52c間にシフトロッド51に巻回される圧縮コイルスプリング52sが介装されて両コッタ52c、52cを離間する方向に付勢する。
なお、コッタ52cは、スプリングホルダ52hの内周凹部52haの内径を外径とし、シフトロッド51の外周凹部51aの外径を内径とした中空円板状をなし、組み付けのため半割りにされている。
右側のロストモーション機構53(スプリングホルダ53h、長尺ホルダ53hl、短尺ホルダ53hs、内周凹部53ha、コッタ53c、圧縮コイルスプリング53s)も同じ構造をしてシフトロッド51の外周凹部51bに配設される。
したがって、シフトロッド51が軸方向に移動すると、左右のロストモーション機構52、53の圧縮コイルスプリング52s、53sを介してスプリングホルダ52h、53hが軸方向に移動する。
図8に示されるように、シフトロッド51の左右の外周凹部51a、51bに取り付けられたロストモーション機構52、53のスプリングホルダ52h、53hの外周面に、8本のカムロッドC(Cao、Cao、Cae、Cae、Cbo、Cbo、Cbe、Cbe)が放射位置にあって当接される。
カムロッドCは、断面が矩形で軸方向に長尺に延びる角柱棒状部材であり、スプリングホルダ52h、53hと接する内周側面の反対側の外周側面がカム面を形成しており、カム面にカム溝vが所要3か所に形成され、内周側面にはスプリングホルダ52h、53hのいずれか一方を左右から挟むように係止する一対の係止爪pが突出している。
カムロッドCは、断面が特別な形状をしておらず概ね外形が単純な矩形の角柱棒状部材であるので、カムロッドCを容易に製造することができる。
カム溝v1、v3、v5が奇数段歯車(第1、第3、第5被動変速歯車n1、n3、n5)に対応する3か所に形成された奇数段用カムロッドCao、Cboには、正回転(加速時に被動変速歯車nからカウンタ歯車軸12に力が加わる回転方向)用と逆回転(減速時に被動変速歯車nからカウンタ歯車軸12に力が加わる回転方向)用の2種類があり、一方の正回転奇数段用カムロッドCaoは、内周側面に右側スプリングホルダ53hに係止する係止爪pを有し、他方の逆回転奇数段用カムロッドCboは、内周側面に左側スプリングホルダ52hに係止する係止爪pを有する。
同様に、カム溝v2、v4、v6が偶数段の偶数段歯車(第2、第4、第6被動変速歯車n2、n4、n6)に対応する3か所に形成された偶数段用カムロッドCae、Cbeには、正回転用と逆回転用の2種類があり、一方の正回転偶数段用カムロッドCaeは、内周側面に左側スプリングホルダ52hに係止する係止爪pを有し、他方の逆回転偶数段用カムロッドCbeは、内周側面に右側スプリングホルダ53hに係止する係止爪pを有する。
したがって、シフトロッド51の軸方向の移動により、右側のロストモーション機構53の圧縮コイルスプリング53sを介してスプリングホルダ53hとともに正回転奇数段用カムロッドCaoと逆回転偶数段用カムロッドCbeが軸方向に連動し、左側のロストモーション機構52のコイルスプリング52sを介してスプリングホルダ52hとともに逆回転奇数段用カムロッドCboと正回転偶数段用カムロッドCaeが軸方向に連動する。
図8に示されるように、シフトロッド51のナット部51cより右側の右端部分には、円筒状をしたシフトロッド操作子55が、その内側に嵌装されたボールベアリング56を介して取り付けられる。
ボールベアリング56は、軸方向に2個連結したもので、シフトロッド51のナット部51cより右側の右端部分に嵌入され、雄ねじ端部51bbに螺合されるナット57によりナット部51cとの間で挟まれて締結される。
したがって、シフトロッド操作子55は、シフトロッド51の右端部を回転自在に保持している。
シフトロッド操作子55の螺着されたナット57より右側に延出した円筒部に直径方向に穿孔したピン孔55hが形成されており、ピン孔55hにシフトピン58が貫通する。
シフトピン58は、シフトロッド操作子55を貫通して一方にのみ突出するもので(図2参照)、図8に示すように、その突出する端部が、後記するシフトドラム67のシフト案内溝Gに摺動自在に係合する円柱状の係合部58aであり、シフトロッド操作子55を貫通する小径円柱部58cと係合部58aとの間に直方体状をした摺動部58bが形成されている。
図1および図2に示されるように、メイン歯車軸11とカウンタ歯車軸12の右端部位をベアリング3R、7Rを介して軸支する軸受蓋部材8には、カウンタ歯車軸12と同軸に右方に突出して筒状ガイド部8gが形成されている。
筒状ガイド部8gは、シフトロッド操作子55が摺動する円孔8ghを備え、その下部が斜め下方に切り欠かれてガイド長孔8glが軸方向に長尺に形成されている。
軸受蓋部材8の筒状ガイド部8gの斜め下方には支軸65が植設され、支軸65にベアリング66を介して円筒状のシフトドラム67が回動自在に軸支されている。
筒状ガイド部8gの円孔8ghにシフトロッド操作子55を嵌挿すると同時に、シフトロッド操作子55を貫通するシフトピン58の直方体状をした摺動部58bを筒状ガイド部8gのガイド長孔8glに摺動自在に嵌挿し、シフトピン58の端部の係合部58aをシフトドラム67のシフト案内溝Gに摺動自在に係合させる。
変速用モータ等の変速用アクチュエータ(図示せず)の動力(または手動のシフト操作の作動力)を、シフトドラム67の側縁に形成されたギヤ67gに伝達してシフトドラム67を順次変速段位置に回動する。
このシフトドラム67の回動によりシフトピン58を介してシフトロッド51を軸方向に移動するシフトロッド移動機構(シフトドラム67、シフトピン58、シフトロッド操作子55)は、メイン歯車軸11の右端の摩擦クラッチ5とカウンタ歯車軸12上の被動変速歯車nとの間にコンパクトに配設される(図2参照)。
シフトドラム67のシフト案内溝Gは、ドラム外周面に2周以上に亘って螺旋を描くように形成され、その間に所定回動角度(例えば150度)毎に1速から6速までの各変速段位置が順に形成されている。
なお、1速の前にニュートラルNの位置がある。
シフトドラム67の回動は、シフト案内溝Gに係合部58aを係合させたシフトピン58を軸受蓋部材8の筒状ガイド部8gのガイド長孔8glにガイドされて軸方向に平行移動してシフトロッド操作子55を介してシフトロッド51を軸方向に移動し、シフトロッド51の移動がロストモーション機構52、53を介して係合手段20の8本のカムロッドCao、Cao、Cae、Cae、Cbo、Cbo、Cbe、Cbeを連動する。
ロストモーション機構52、53が組み付けられたシフトロッド51は、カウンタ歯車軸12の内側中空部12i内に挿入され中心軸に配設される。
中空円筒状のカウンタ歯車軸12は、内径がロストモーション機構52、53のスプリングホルダ52h、53hの外径に略等しく、シフトロッド51に取り付けられたスプリングホルダ52h、53hを摺動自在に嵌挿する。
そして、カウンタ歯車軸12の内側中空部12iの内周面における8か所の放射位置に断面が矩形の8本のカム案内溝12gが軸方向に指向して延出形成されている(図10参照)。
8本のカムロッドCao、Cao、Cae、Cae、Cbo、Cbo、Cbe、Cbeは、図8に示す配列で対応するカム案内溝12gに摺動自在に嵌合する。
同種類のカムロッドCは、中心軸に関して対称位置に配設される。
カウンタ歯車軸12に対するカム部材Cの回り止めとなるカム案内溝12gは、断面コ字状の単純な形状をして簡単に加工成形できる。
カム案内溝12gの深さはカムロッドCの放射方向の幅に等しく、よってカムロッドCの外周側面であるカム面はカム案内溝12gの底面に摺接し、内周側面は中空内周面と略同一面をなしてスプリングホルダ52h、53hの外周面に接し、内周側面から突出した係止爪pはスプリングホルダ52h、53hのいずれかを両側から挟むようにして掴む。
図9に示されるように、中空筒状をなすカウンタ歯車軸12は、軸受カラー部材13を介して被動変速歯車nが軸支される中央円筒部12aの左右両側に外径が縮径された左側円筒部12bと右側円筒部12cが形成されている。
カウンタ歯車軸12の右側円筒部12cにはワッシャ14Rを介してベアリング7Rが嵌合される(図3、図4参照)。
図9および図18に示されるように、カウンタ歯車軸12の左側円筒部12bは、ベアリング7Lのインナレース7Liが嵌合されるジャーナル部12jより外側(左側)に突出した軸端部が、最外端に形成された雄ねじ12eと、雄ねじ12eの内側に形成されたスプライン溝12sと、同スプライン溝12sの雄ねじ12eとの境目部分に周方向に形成された外周溝12fとからなる。
そして、ジャーナル部12jとスプライン溝12sとの間に、カウンタ歯車軸12の外周側と内側中空部12iとを連通するオイル導入孔(本発明の「軸部材側オイル孔」)12xが周方向に複数穿孔されている。
なお、カウンタ歯車軸12の内側中空部12iの左端開口は栓部材39により閉塞される。
スプライン溝12sにスプライン嵌合される出力スプロケット32の組付構造およびオイル導入孔12xを用いる潤滑構造は後記する。
カウンタ歯車軸12の内側中空部12i内は、カム案内溝12gが形成される内径がスプリングホルダ52h、53hの外径に等しい小径内周面と、同小径内周面の軸方向両側の内径がカム案内溝12gの底面と略同一周面をなす大径内周面とが形成されている(図3、図4参照)。
右側の拡大内径部の内側に前記シフトロッド操作子55が半分程挿入されている。
このように、カウンタ歯車軸12の内側中空部12i内に、シフトロッド51とロストモーション機構52、53と、8本のカムロッドCao、Cao、Cae、Cae、Cbo、Cbo、Cbe、Cbeが組み込まれると、これら全てが一緒に連れ回りして、シフトロッド51が軸方向に移動すると、左側ロストモーション機構52のコイルスプリング52sを介して逆回転奇数段用カムロッドCboと正回転偶数段用カムロッドCaeが軸方向に連動し、右側ロストモーション機構53のコイルスプリング53sを介して正回転奇数段用カムロッドCaoと逆回転偶数段用カムロッドCbeが軸方向に連動する。
カウンタ歯車軸12の軸受カラー部材13を介して被動変速歯車nが軸支される中央円筒部12aは、図9に示されるように、外径が大きく厚肉に構成されており、この厚肉の外周部に周方向に一周する幅狭の周方向溝12cvが第1、第2、第3、第4、第5、第6被動変速歯車n1、n2、n3、n4、n5、n6に対応して軸方向に亘って等間隔に6本形成されるとともに、軸方向に指向した軸方向溝12avが周方向に亘って等間隔に4本形成されている。
さらに、カウンタ歯車軸12の中央円筒部12aの外周部には、4本の軸方向溝12avで区画された4つの部分が各周方向溝12cvにおいて周方向溝12cvの溝幅を隣り合う軸方向溝12av、12av間に亘って長尺に左右均等に拡大した長尺矩形凹部12pと、周方向溝12cvの溝幅を隣り合う軸方向溝12av、12av間の一部で左右均等に拡大した短尺矩形凹部12qとが、軸方向に交互に形成されている。
長尺矩形凹部12pの底面の周方向に離れた2か所に軸方向に長尺の楕円形をして周方向溝12cvに跨って若干凹んだスプリング受部12d、12dが形成されている。
また、短尺矩形凹部12qと軸方向溝12avとの間の厚肉部で周方向溝12cv上にピン孔12hが前記カム案内溝12gまで径方向に穿孔されている。
すなわち、カウンタ歯車軸12の内側中空部12iの内周面から周方向の8か所に刻設されたカム案内溝12gの放射方向にピン孔12hが穿孔される。
各周方向溝12cv上にはそれぞれ4か所ピン孔12hが形成される。
スプリング受部12dには、楕円形に巻回された圧縮スプリング22がその端部を嵌装させて設けられる。
ピン孔12hにはピン部材23が摺動自在に嵌挿される。
なお、ピン孔12hが連通するカム案内溝12gの幅は、ピン部材23の外径幅より小さい。
したがって、ピン孔12hを進退するピン部材23がカム案内溝12gに脱落することがないので、カウンタ歯車軸12への係合手段20の組み付けを容易にする。
ただし、ピン孔12hは、カム案内溝12gの内周端までは至らないが、カムロッドCのカム溝vの底部にピン部材23が到達できるまでカム案内溝12gと重複して穿孔される。
カム案内溝12gにはカムロッドCが摺動自在に嵌合されるので、ピン孔12hに嵌挿されたピン部材23は中心側端部が対応するカムロッドCのカム面に接し、カムロッドCの移動でカム溝vがピン孔12hに対応するとピン部材23がカム溝vに落ち込み、カム溝v以外の摺接面が対応するとピン部材は摺接面に乗り上げ、カムロッドCの移動により進退する。
ピン孔12h内でのピン部材23の進退は、その遠心側端部を周方向溝12cvの底面より外側に出没させる。
以上のような構造のカウンタ歯車軸12の中央円筒部12aの外周部に形成された長尺矩形凹部12pと短尺矩形凹部12qと両凹部間を連通する周方向溝12cvに、揺動爪部材Rが埋設され、軸方向溝12avに揺動爪部材Rを揺動自在に軸支する支軸ピン26が埋設される。
このようにして、全ての揺動爪部材Rが組み付けられた状態を図12に示す。
図11の分解斜視図には、奇数段歯車(第1、第3、第5被動変速歯車n1、n3、n5)に対応する周方向溝12cvおよび長尺矩形凹部12p、短尺矩形凹部12qに埋設される4個の揺動爪部材Rと、偶数段の偶数段歯車(第2、第4、第6被動変速歯車n2、n4、n6)に対応する周方向溝12cvおよび長尺矩形凹部12p、短尺矩形凹部12qに埋設される4個の揺動爪部材Rとが、互いの相対角度位置関係を維持した姿勢で図示されており、加えて各揺動爪部材Rを軸支する支軸ピン26および各揺動爪部材Rに作用する圧縮スプリング22とピン部材23が示されている。
揺動爪部材Rは、全て同じ形状のものを使用しており、軸方向視で略円弧状をなし、中央に支軸ピン26が貫通する貫通孔の外周部が欠損して軸受凹部Rdが形成されており、同軸受凹部Rdの揺動中心に関して一方の側に長尺矩形凹部12pに揺動自在に嵌合する幅広矩形の係合爪部Rpが形成され、他方の側にはピン孔12hが形成された周方向溝12cvに揺動自在に嵌合する幅狭のピン受部Rrが延出し、その端部は短尺矩形凹部12qに至り幅広に拡大した幅広端部Rqが形成されている。
揺動爪部材Rは、ピン受部Rrがピン孔12hが形成された周方向溝12cvに嵌合し、一方の係合爪部Rpが長尺矩形凹部12pに嵌合するとともに軸受凹部Rdが軸方向溝12avに合致し、他方の幅広端部Rqが短尺矩形凹部12qに嵌合する。
そして、合致した軸受凹部Rdと軸方向溝12avに支軸ピン26が嵌合される。
揺動爪部材Rは、嵌合する周方向溝12cvに関して左右対称に形成されており、一方の幅広矩形の係合爪部Rpが他方のピン受部Rrおよび幅広端部Rqより重く、支軸ピン26に軸支されてカウンタ歯車軸12とともに回転したとき、遠心力に対して係合爪部Rpが重錘として作用して遠心方向に突出するように揺動爪部材Rを揺動させる。
揺動爪部材Rは、ピン受部Rrが揺動中心に関して反対側の係合爪部Rp側より幅が狭く形成されている。
また、ピン受部Rrは、ピン部材23を受け止めるだけの幅を具えれば足りるので、揺動爪部材Rを小型に形成することができ、かつ他方の係合爪部Rpの遠心力による揺動を容易にすることができる。
周方向に隣り合う揺動爪部材Rは、互いに対称な姿勢にカウンタ歯車軸12に組み付けられるので、互いに所定間隔を存して対向する係合爪部Rp、Rpは共通の長尺矩形凹部12pに嵌合し、他方の互いの近接する幅広端部Rqは共通の短尺矩形凹部12qに嵌合する。
揺動爪部材Rの係合爪部Rpの内側にカウンタ歯車軸12のスプリング受部12dに一端を支持された圧縮スプリング22が介装され、ピン受部Rrの内側にピン孔12hに嵌挿されたピン部材23がカムロッドCとの間に介装される。
このようにして、揺動爪部材Rが、支軸ピン26に揺動自在に軸支されてカウンタ歯車軸12の長尺矩形凹部12p、短尺矩形凹部12q、周方向溝12cvに埋設され、一方の係合爪部Rpが圧縮スプリング22により外側に付勢され、他方のピン受部Rrがピン部材23の進退により押圧されることで、圧縮スプリング22の付勢力に抗して揺動爪部材Rが揺動する。
ピン部材23が遠心方向に進行して揺動爪部材Rを揺動したときは、揺動爪部材Rは係合爪部Rpが長尺矩形凹部12pに没してカウンタ歯車軸12の中央円筒部12aの外周面より外側に突出するものはない。
また、ピン部材23が退行したときは、圧縮スプリング22により付勢された係合爪部Rpがカウンタ歯車軸12の中央円筒部12aの外周面より外側に突出し被動変速歯車nと係合可能とする。
奇数段歯車(第1、第3、第5被動変速歯車n1、n3、n5)に対応する4個の揺動爪部材Rと、偶数段の偶数段歯車(第2、第4、第6被動変速歯車n2、n4、n6)に対応する4個の揺動爪部材Rは、互いに軸中心に90度回転した相対角度位置関係にある。
奇数段歯車(第1、第3、第5被動変速歯車n1、n3、n5)に対応する4個の揺動爪部材Rは、歯車の正回転方向で当接して各奇数段被動変速歯車n1、n3、n5とカウンタ歯車軸12とが同期して回転するように係合する正回転奇数段揺動爪部材Raoと、歯車の逆回転方向で当接して各奇数段被動変速歯車n1、n3、n5とカウンタ歯車軸12とが同期して回転するように係合する逆回転奇数段係合部材Rboとが、それぞれ対称位置に一対ずつ設けられる。
同様に、偶数段歯車(第2、第4、第6被動変速歯車n2、n4、n6)に対応する4個の揺動爪部材Rは、歯車の正回転方向で当接して各偶数段被動変速歯車n2、n4、n6とカウンタ歯車軸12とが同期して回転するように係合する正回転偶数段揺動爪部材Raeと、歯車の逆回転方向で当接して各偶数段被動変速歯車n2、n4、n6とカウンタ歯車軸12とが同期して回転するように係合する逆回転偶数段係合部材Rbeとが、それぞれ対称位置に一対ずつ設けられる。
正回転奇数段揺動爪部材Raoが前記正回転奇数段用カムロッドCaoの移動により進退するピン部材23により揺動し、逆回転奇数段係合部材Rboが前記逆回転奇数段用カムロッドCboの移動により進退するピン部材23により揺動する。
同様に、正回転偶数段揺動爪部材Raeが前記正回転偶数段用カムロッドCaeの移動により進退するピン部材23により揺動し、逆回転偶数段係合部材Rbeが前記逆回転偶数段用カムロッドCbeの移動により進退するピン部材23により揺動する。
カウンタ歯車軸12に係合手段20を組み込む場合、図13に示されるように、まず右端の軸受カラー部材13を中央円筒部12aの外周端部に外装し、その軸受カラー部材13の内側の軸方向溝12avに支軸ピン26の一端を嵌入するようにして右端の係合手段20を組み込み、次の軸受カラー部材13を前記支軸ピン26の他端を覆うように外装し、被動変速歯車nを組み入れた後に、前段と同じようにして次段の係合手段20を組み込むことを、順次繰り返して、最後に左端の軸受カラー部材13を外装して終了する。
図13に示すように、軸受カラー部材13は、中央円筒部12aの長尺矩形凹部12pおよび短尺矩形凹部12q以外の軸方向位置に外装され、それは軸方向溝12avに一列に連続して埋設される支軸ピン26の隣り合う支軸ピン26、26に跨って配置され、支軸ピン26および揺動爪部材Rの脱落を防止する。
カウンタ歯車軸12の中央円筒部12aの軸方向溝12avに埋設される支軸ピン26は、中央円筒部12aの外周面に接する深さに埋設されるので、軸受カラー部材13が外装されると、ガタなく固定される。
7個の軸受カラー部材13がカウンタ歯車軸12に等間隔に外装され、隣り合う軸受カラー部材13、13間に跨るようにして被動変速歯車nが回転自在に軸支される。
各被動変速歯車nは、左右内周縁部(内周面の左右周縁部)に切欠きが形成されて左右切欠きの間に薄肉環状の突条30が形成されており、この突条30を挟むように左右の軸受カラー部材13、13が切欠きに滑動自在に係合する(図3、図4参照)。
この各被動変速歯車nの内周面の突条30に、係合凸部31が周方向に等間隔に6箇所形成されている(図5、図6参照)。
係合凸部31は、側面視(図5、図6に示す軸方向視)で薄肉円弧状をなし、その周方向の両端面が前記揺動爪部材Rの係合爪部Rpと係合する係合面をなす。
正回転奇数段揺動爪部材Rao(正回転偶数段揺動爪部材Rae)と逆回転奇数段係合部材Rbo(逆回転偶数段係合部材Rbe)は、互いに対向する側に係合爪部Rp、Rpを延出しており、正回転奇数段揺動爪部材Rao(正回転偶数段揺動爪部材Rae)は被動変速歯車n(およびカウンタ歯車軸12)の正回転方向で係合凸部31に当接して係合し、逆回転奇数段係合部材Rbo(逆回転偶数段係合部材Rbe)は被動変速歯車nの逆の回転方向で、係合凸部31に当接して係合する。
なお、正回転奇数段揺動爪部材Rao(正回転偶数段揺動爪部材Rae)は被動変速歯車nの逆の回転方向では係合爪部Rpが外側に突出していても係合せず、同様に、逆回転奇数段係合部材Rbo(逆回転偶数段係合部材Rbe)は被動変速歯車nの正回転方向では係合爪部Rpが外側に突出していても係合しない。
こうして6個の被動変速歯車nがカウンタ歯車軸12に組み付けられた状態で、カウンタ歯車軸12が機関ケース1の側壁および軸受蓋部材8に左右のベアリング7L、7Rを介して回転自在に軸支されると、6個の被動変速歯車nと7個の軸受カラー部材13が交互に組み合わされて左右から挟まれ、軸方向の位置決めがなされる。
軸受カラー部材13は、各被動変速歯車nの軸方向の力を支え、軸方向の位置決めとスラスト力を受けることができる。
カムロッドCがニュートラル位置にあると、全ての被動変速歯車nは、それぞれ対応する係合手段20のカムロッドCの移動位置によりピン部材23が突出して揺動爪部材Rのピン受部Rrを内側から押し上げ係合爪部Rpを内側に引っ込めた係合解除状態にあって、カウンタ歯車軸12に対して自由に回転する。
一方、係合手段20のカムロッドCのニュートラル位置以外の移動位置によりピン部材23がカム溝vに入り揺動爪部材Rが揺動して係合爪部Rpを外側に突出した係合可能状態となれば、対応する被動変速歯車nの係合凸部31が係合爪部Rpに当接して、その被動変速歯車nの回転がカウンタ歯車軸12に伝達されるか、またはカウンタ歯車軸12の回転がその被動変速歯車nに伝達される。
変速駆動機構50において、変速用アクチュエータの駆動または手動のシフト操作によってシフトドラム67を所定量回動し、シフトドラム67の回動がシフト案内溝Gに嵌合したシフトピン58を介してシフトロッド51を軸方向に所定量移動し、ロストモーション機構52、53を介して係合手段20の8本のカムロッドCao、Cao、Cae、Cae、Cbo、Cbo、Cbe、Cbeを連動する。
カムロッドCが軸方向に移動することで、カムロッドCのカム面に摺接するピン部材23がカム溝vに入ったり抜けたりして進退し、揺動爪部材Rを揺動して、被動変速歯車nとの係合を解除し、他の被動変速歯車nと係合してカウンタ歯車軸12と係合する被動変速歯車nを変えることで変速が行われる。
内燃機関の動力は、摩擦クラッチ5を介してメイン歯車軸11に伝達されて、第1、第2、第3、第4、第5、第6駆動変速歯車m1、m2、m3、m4、m5、m6を一体に回転しており、これらにそれぞれ常時噛合する第1、第2、第3、第4、第5、第6被動変速歯車n1、n2、n3、n4、n5、n6をそれぞれの回転速度で回転させている。
図3ないし図6は、1速状態を示しており、図5では第1被動変速歯車n1が矢印方向に回転し、図6では第2被動変速歯車n2が矢印方向に回転しており、第1被動変速歯車n1よりも第2被動変速歯車n2が高速で回転している。
第1被動変速歯車n1に対応する係合手段20のピン部材23のみが正回転奇数段用カムロッドCaoのカム溝v1に入っており(図3参照)、したがって、その係合手段20の正回転奇数段揺動爪部材Raoが係合爪部Rpを外側に突出して、回転する第1被動変速歯車n1の係合凸部31が正回転奇数段揺動爪部材Raoの係合爪部Rpに係合して(図5参照)、カウンタ歯車軸12を第1被動変速歯車n1とともに第1被動変速歯車n1と同じ回転速度で回転している。
この1速状態では、第2被動変速歯車n2は、対応する係合手段20のピン部材23が偶数段用カムロッドCae、Cbeのカム溝v2から出て突出し(図4参照)、その係合手段20の偶数段揺動爪部材Rae、Rbeが係合爪部Rpを内側に引っ込めているので、空回りしている。
他の第3、第4、第5、第6被動変速歯車n3、n4、n5、n6も同様で空回りしている(図3、図4参照)。
ここで、2速に変速すべくシフトセレクトレバーの手動操作があり、シフトドラム67が回動してシフトロッド51が軸方向右方に移動し始めると、ロストモーション機構52、53のコイルスプリング52s、53sを介して8本のカムロッドCao、Cao、Cae、Cae、Cbo、Cbo、Cbe、Cbeを連動して軸方向右方に移動しようとする。
以下、内燃機関の駆動による加速時に、1速状態から減速比が1段小さい2速状態にシフトアップする過程の1状態を、図14に示し説明する。
図14(a)は当該状態の図3の歯車等を省略した断面図であり、図14(b)は当該状態の図4の歯車等を省略した断面図であり、図14(c)は図14(a)、図14(b)のc−c矢視断面図(第1被動変速歯車n1の断面図)、図14(d)は図14(a)、図14(b)のd−d矢視断面図(第2被動変速歯車n2の断面図)である。
図14(d)に示されるように、正回転偶数段用カムロッドCaeの移動で、カム溝v2にピン部材23が入り、よって第2被動変速歯車n2に対応する正回転偶数段揺動爪部材Raeが圧縮スプリング22の付勢力および係合爪部Rpの遠心力により揺動して係合爪部Rpを外側に突出し、第2被動変速歯車n2に係合可能となり、第1被動変速歯車n1とともに回転するカウンタ歯車軸12より高速で回転する第2被動変速歯車n2の係合凸部31が、正回転偶数段揺動爪部材Raeの外側に突出した係合爪部Rpに追いつき当接する。
図14は、第2被動変速歯車n2の係合凸部31が、正回転偶数段揺動爪部材Raeの外側に突出した係合爪部Rpに追いつく直前の状態を示しており、図14(c)で第1被動変速歯車n1の係合凸部31が正回転奇数段揺動爪部材Raoと係合した状態で、同時に図14(d)に示すように第2被動変速歯車n2の係合凸部31が正回転偶数段揺動爪部材Raeの外側に突出した係合爪部Rpに追いつく直前である。
なお、図14(c)において、有効に動力伝達している揺動爪部材Rと係合凸部31には格子ハッチングを施している。
図14に示す状態から、第2被動変速歯車n2の係合凸部31が、正回転偶数段揺動爪部材Raeの外側に突出した係合爪部Rpに追いつくと、より高速で回転する第2被動変速歯車n2によりカウンタ歯車軸12が第2被動変速歯車n2と同じ回転速度で回転し始め、第1被動変速歯車n1の係合凸部31から正回転奇数段揺動爪部材Raoの係合爪部Rpが離れ、実際の1速から2速へのシフトアップが実行される。
第1被動変速歯車n1の係合凸部31から正回転奇数段揺動爪部材Raoの係合爪部Rpが離れることで、正回転奇数段揺動爪部材Raoを固定する摩擦抵抗が無くなり、ロストモーション機構53のコイルスプリング53sにより付勢されていた正回転奇数段用カムロッドCaoが後れて右方に移動してカム溝v1に入っていたピン部材23が抜け出し、正回転奇数段揺動爪部材Raoを揺動してその係合爪部Rpを内側に引っ込める。
以上のように、1速の加速状態から減速比が1段小さい2速状態にシフトアップする際に、第1被動変速歯車n1の係合凸部31が正回転奇数段揺動爪部材Raoの係合爪部Rpに当接して係合しカウンタ歯車軸12を第1被動変速歯車n1と同速度で回転させている状態で、より高速で回転する第2被動変速歯車n2の係合凸部31が正回転偶数段揺動爪部材Raeの係合爪部Rpに追いつき当接してカウンタ歯車軸12を第2被動変速歯車n2とともにより高速度で回転させて変速するので、第1被動変速歯車n1の係合凸部31から正回転奇数段揺動爪部材Raoの係合爪部Rpは自然と離れていき係合が円滑に解除されるため、係合解除に力を要せず滑らかに作動して滑らかなシフトアップを行うことができる。
2速から3速、3速から4速、4速から5速、5速から6速の各シフトアップも同様に、被動変速歯車nが揺動爪部材Rに係合している状態で、減速比が1段小さい被動変速歯車nが揺動爪部材Rに係合してシフトアップがなされるので、係合解除に力を要せず滑らかに作動して変速用のクラッチを必要とせず、かつシフトアップ時の切換え時間に全くロスがなく、駆動力の抜けがないとともに変速ショックも小さく、滑らかなシフトアップを行うことができる。
シフトダウンも同様に、被動変速歯車nが揺動爪部材Rに係合している状態で、減速比が1段大きい被動変速歯車nに揺動爪部材Rが係合してシフトダウンがなされるので、係合解除に力を要せず滑らかに作動して変速用のクラッチを必要とせず、かつシフトダウン時の切換え時間に全くロスがなく、駆動力の抜けがないとともに変速ショックも小さく、滑らかなシフトダウンを行うことができる。
カウンタ歯車軸12は、内側中空部12iにシフトロッド51、8本のカムロッドC、ロストモーション機構52、53などが収容され、これらの摺動する部材に潤滑用のオイルを供給する必要があるが、図2に示すように、カウンタ歯車軸12の左端部には出力スプロケット32が設けられ、右端部に変速駆動機構50の一部が設けられているため、両端からオイルを導入できない。
そこで、本実施形態のカウンタ歯車軸12は、左ベアリング7Lによる軸支部の左側に外周側から内側中空部12iへ通じるオイル導入孔12xを形成して、外周側からオイルを導入する潤滑構造を採用している。
以下、カウンタ歯車軸12の内側中空部12iにオイルを供給する潤滑構造について図15ないし図20に基づき説明する。
図15および図16の下側機関ケース1Lの上面図と左側面図に示されるように、下側機関ケース1Lのベアリング7Lを嵌合支持する軸受開口部1eには、ベアリング7Lのアウタレース7Loを支持するベアリング支持部1ebと、ベアリング支持部1ebの軸方向外側のシール支持部1esが備えられている。
ベアリング支持部1ebとシール支持部1esの各内周面の軸方向外側寄りには、内周溝1bv、1svが形成されている。
また、シール支持部1esの内周面の軸方向内側端には、内周突条1spが形成されている(図18参照)
なお、上側機関ケース1Rにも、ベアリング7Lを嵌合支持する軸受開口部1eが設けられ、ベアリング7Lのアウタレース7Loを支持するベアリング支持部1ebと、ベアリング支持部1ebの軸方向外側のシール支持部1esが備えられ、内周溝1bv、1sv、内周突条1spも形成されている。
図15および図16に示されるように、下側機関ケース1Lには主油路Yが形成されていて、主油路Yから分岐した枝油路(本発明の「ケース側オイル通路」)yが軸受開口部1e内に延在して、軸受開口部1eのベアリング支持部1ebにおいてベアリング7Lのアウタレース7Loより軸方向外側の内周面に油路開口1xを形成している(図17、図18参照)。
一方、カウンタ歯車軸12は、ジャーナル部12jにベアリング7Lを最大外径の中央円筒部12aとの間にワッシャ14Lを挟んで嵌着した状態(図17参照)で、ベアリング7Lが軸受開口部1eのベアリング支持部1ebにアウタレース7Loを、内周溝1evに嵌められた止め輪45で位置決めされて嵌合されると、図18に示すように、軸受開口部1eの内周面とカウンタ歯車軸12の外周面との間に環状空間47が構成され、下側機関ケース1Lの枝油路yの油路開口1xとカウンタ歯車軸12のオイル導入孔12xとが環状空間47に開口している。
図17、図18に示されるように、カウンタ歯車軸12(本発明の「軸本体」)の外周面には、軸受開口部1eのシール支持部1esに対応して、円筒状カラー部材33が外嵌され一体の軸部材9を構成している。
円筒状カラー部材33は軸方向内側端部33aを、ベアリング7Lのインナレース7Liに当接させるとともに、軸方向外側端部33bの環状切欠き33cを皿バネ34に係合させ、皿バネ34は、カウンタ歯車軸12のスプロケット溝12sにスプライン嵌合された出力スプロケット32に押接される。
スプロケット溝12sにスプライン嵌合された出力スプロケット32に対して、カウンタ歯車軸12上において、左側から押さえるように一対の半割コッタ35、35がカウンタ歯車軸12の外周溝12fに嵌合し、環状をなす一対の半割コッタ35、35に環状リテーナ36が外嵌される。
環状リテーナ36は、環状に合体した半割コッタ35、35の外周面と外側面に対向する外周壁と環状側壁とからなり、環状側壁が半割コッタ35、35の外側面に当接すると外周壁が半割コッタ35、35の外周面を覆い、半割コッタ35、35を保持する。
そして、カウンタ歯車軸12の最外端の雄ねじ12eに袋状のナット部材37を螺合させ、環状リテーナ36を半割コッタ35との間に挟んで固定する。
このようにカウンタ歯車軸12にスプライン嵌合した出力スプロケット32は、環状リテーナ36に当接して軸方向の移動を規制され、ベアリング7Lのインナレース7Liに当接した円筒状カラー部材33との間に介装された皿バネ34により、半割コッタ35に弾性的に押圧されている。
したがって、チェーン38(図2参照)の巻き掛けにより出力スプロケット32に作用する軸方向に振れる力成分を皿バネ34により吸収しながら所要の軸方向範囲内に出力スプロケット32を常に位置させて、安定した動力伝達を可能としている。
カウンタ歯車軸12は、出力軸であり、スプライン嵌合された出力スプロケット32にチェーン38が巻き掛けられて、チェーン38を介して後輪側に動力が伝達され、図示しない自動二輪車が走行する。
軸受開口部1eのシール支持部1esの内周面には、円筒状カラー部材33の外周側との間に、内周溝1svに嵌合された止め輪46によって軸方向外側寄りに位置決めされ、円筒状カラー部材33を挿通させて環状オイルシール40が内嵌される。
図19に示すように、環状オイルシール40は、円筒部と内フランジ部とで断面L字に屈曲した環状金属片にゴム部材が焼き付けられた大径の外側環状シール部片40aを有し、外側環状シール部片40aのゴム部材は、内フランジ部の内周縁部が軸方向内側に向け若干中心軸側に斜めに延出して環状弾性リップ部40bが形成されており、円筒状カラー部材33の外周側に押接される。なお、環状弾性リップ部40bの先端近傍にはリングバネ40cが外嵌される。
また、軸受開口部1eのシール支持部1esの内周面には環状オイルシール40の軸方向内側に隣接して、円筒状カラー部材33の外周側との間に、内周突条1spによって軸方向内側寄りに位置決めされ、円筒状カラー部材33を挿通させて環状ラビリンスシール41が内嵌される。
図19に示すように、環状ラビリンスシール41は、外周端がシール支持部1esの内周面と内周突条1spに圧接される外周縁部41aをなし、内周縁には、径方向内側向きの2条の環状リブ41bを備えている。環状リブ41bは、3条以上あってもよい。
環状リブ41bの内径dslは、円筒状カラー部材33との間に僅かな隙間を有するように円筒状カラー部材33の外径d1より大きい公差に設定される。
そのため、単純な環状部材の内周縁に複数の環状リブ41bを設けるという簡単な構造でラビリンスシールが構成されている。
また、図19に示されるように、環状ラビリンスシール41には、その外周縁部41aの軸方向外側面41cに、放射状に延びる放射状リブ41dが設けられており、その間が部分円弧状凹部41eとなっている。
円筒状カラー部材33は、軸方向内側端部33aには、外周側にテーパ面33tが設けられるとともに、径方向の切欠き溝33xが周方向に分散して複数箇所、例えば4箇所設けられている。
また、図17に示されるように、カウンタ歯車軸12に円筒状カラー部材33が嵌装された状態で、軸方向内側端部33aからカウンタ歯車軸12のオイル導入孔12xに至るまでの内周面が拡径されて拡径内周部33xiが形成されている。
一方、ベアリング7Lは片側シール形ベアリングであり、インナレース7Liとアウタレース7Loの間の軸方向左側にはベアリングシール部(本発明の「シール部」)7Lsが設けられている。
枝油路yの油路開口1xは、ベアリング7Lと環状オイルシール40および環状ラビリンスシール41との間に位置しているから、ベアリングシール部7Lsと環状ラビリンスシール41との間隙1exは、円筒状カラー部材33の径方向の切欠き溝33xと拡径内周部33xiを介して、カウンタ歯車軸12のオイル導入孔12xに連通している。
したがって、軸受開口部1eの内周面と、軸部材9をなすカウンタ歯車軸12および円筒状カラー部材33との間において、ベアリングシール部7Lsと環状ラビリンスシール41との間隙1exが、枝油路yの油路開口1xからオイル導入孔12xとをつなぐオイル流路部をなしている。
また、円筒状カラー部材33は、カウンタ歯車軸12のオイル導入孔1xを覆って外嵌されていても、切欠き溝33xと拡径内周部33xiという簡単な構造で、上記オイル流路部からオイル導入孔12xへのオイル通路を形成している。
そのため、枝油路yの油路開口1xからオイル導入孔12xへ流れる軸受開口部1eの内周面内のオイルは、ベアリングシール部7Lsと環状ラビリンスシール41との間隙1exを通って、さらに円筒状カラー部材33の径方向の切欠き溝33xと拡径内周部33xiを介して、カウンタ歯車軸12のオイル導入孔12xに流入するので、オイルは、ベアリング7L側に漏れることなくより確実にオイル導入孔12xに供給されるほか、オイルは、軸方向外側に対して環状ラビリンスシール41と環状オイルシール40とで二重にシールされることとなり、軸方向外側へのオイルの漏れが効果的に防止される。
また、従来技術として説明したような、カウンタ歯車軸12に装着した二重のオイルシールの間をオイル流路部とすることによってオイルシール間に油圧がかかり、外側のオイルシールから軸方向外側にオイルが漏れることを、回避することができる。
また、図17に示されるように、環状ラビリンスシール41と環状オイルシール40との間において、軸受開口部1eのシール支持部1esの内周面には、軸受開口部1eに穿設されたオイル逃がし通路1zの一端が開口するように設けられ、オイル逃がし通路1zの他端は機関ケース1内に開口している。
したがって、環状ラビリンスシール41から軸方向外側に仮にオイルが漏れても、環状オイルシール40には油圧が実質的に掛からないので環状オイルシール40の外側への漏れを防止することができる。
また、環状ラビリンスシール41と環状オイルシール40が近接していても、環状ラビリンスシール41の外周縁部41aの軸方向外側面41cの、放射状リブ41dの間の部分円弧状凹部41eによってオイル逃がし空間41fが形成されて、オイル逃がし通路1zの一端側はオイル逃がし空間41fによって支障なく開通し、漏れたオイルを機関ケース1内に還流させることができる。
環状オイルシール40の最大外径は、外側環状シール部片40aの円筒部のゴム部材の外周面がなす外径で、軸受開口部1eのシール支持部1esの内径より幾らか大きいが、弾性変化する。
環状オイルシール40の外力が加わらないときの最小内径は、環状弾性リップ部40bがなす内径dsである(図19参照)。なお、オイルシール40の内径は弾性変化する。
また、環状ラビリンスシール41の最大外径は、軸受開口部1eのシール支持部1esの内径より幾らか大きいが、弾性変化する。
一方で、オイルシール40の内周面が嵌装される円筒状カラー部材33は、図19に示されるように、外径d1であり、内側弾性リップ部42iの内径dsより大きいが、軸方向内側端部33aの先端部は、先細りとなってテーパ面33tが形成され、テーパ面33tの先端縁の外径d2は、内側弾性リップ部42iの内径dsより小さい。
また、円筒状カラー部材33の外径d1は、上述のように環状ラビリンスシール41の内径dslより小さい。
すなわち、d2<ds<d1、d1<dslの関係にある。
図20に示すように、環状オイルシール40が環状ラビリンスシール41とともに、機関ケース1の軸受開口部1eのシール支持部1esに挿入され、シール支持部1esの内周面所定位置に内嵌し、内周溝1svに嵌合された止め輪46により位置決めされると、環状ラビリンスシール41の外周縁部41aが内周突条1epに圧接する。
このように軸受開口部1eに内嵌されたオイルシール40および環状ラビリンスシール41の内周面とカウンタ歯車軸12の外周面との間に、円筒状カラー部材33が嵌挿される。
円筒状カラー部材33は、環状オイルシール内径dsより小さい外径d2の軸方向内側端部33a側(テーパ面33t側)から環状オイルシール40に嵌挿されるので、軸方向内側端部33aの先端のテーパ面33tがまず環状弾性リップ部40bに接し拡径して貫通し、環状弾性リップ部40bは円筒状カラー部材33の外周面に弾性的に圧接する。
次いで軸方向内側端部33eの先端の傾斜したテーパ面33tが、円筒状カラー部材33の外径d1より大きい内径dslの環状ラビリンスシール41に容易に挿通される。
上記のように、環状オイルシール40を、機体ケース1の軸受開口部1eのシール支持部1esに圧入する場合、環状オイルシール40と環状ラビリンスシール41の間に、放射状リブ41dによって軸方向の隙間を確保しながら圧入することができ、環状オイルシール41の取り付け性を向上させつつ、環状オイルシール40と環状ラビリンスシール41の間に、オイル逃がし空間41fを形成することができる。
上記したように円筒状カラー部材33がベアリング7Lのインナレース7Liに当接して嵌装されると、カウンタ歯車軸12と円筒状カラー部材33とが一体の軸部材9として、環状オイルシール40と環状ラビリンスシール41の二重のシールを備えて機体ケース1に軸支され、枝油路yの油路開口1xから、ベアリングシール部7Lsと環状ラビリンスシール41との間隙1exがなすオイル流路部を通って、さらに円筒状カラー部材33の径方向の切欠き溝33xと拡径内周部33xiを介して、カウンタ歯車軸12のオイル導入孔12xに至るオイル通路が、簡単な形状の円筒状カラー部材33によって形成される。
こうして、カウンタ歯車軸12の内側中空部12iに供給する本実施形態の潤滑構造が構成される。
すなわち、本実施形態の潤滑構造は、図20に矢印で示すように、下側機関ケース1Lの主油路Yから分岐した枝油路yに分流したオイルが、軸受開口部1eのベアリング支持部1ebの内周面に開口した油路開口1xからベアリングシール部7Lsと環状ラビリンスシール41との間隙1exがなすオイル流路部に流入し、円筒状カラー部材33の径方向の切欠き溝33xと拡径内周部33xiを介して、カウンタ歯車軸12のオイル導入孔12xに導かれて、オイル導入孔12xよりカウンタ歯車軸12の内側中空部12iに供給される。
ここで、本実施形態の多段変速機10のカウンタ歯車軸12における潤滑構造について説明する。
図10のカウンタ歯車軸12の左側面図に示すように、カウンタ歯車軸12の中空の内周面には、前記8か所のカム案内溝12gを2つおきにした4か所の放射位置(周方向に等間隔位置)に軸方向給油溝12yがカム案内溝12gに平行に削成されている(図5、図6参照)。
各軸方向給油溝12yは所要のピン部材23が存在する軸方向位置で径方向に穿孔された径方向給油孔12zに連通し、径方向給油孔12zは軸方向給油溝12yと揺動爪部材Rが嵌合される周方向溝12cvとを連通する。
なお、各軸方向給油溝12yはピン部材23が位置する軸方向位置のうち隣り合う軸方向位置で穿孔された径方向給油孔12zには連通せず、1つおきの軸方向位置の径方向給油孔12zと連通する。
すなわち、4本の軸方向給油溝12yのうち一方の対向する2本の軸方向給油溝12yは、奇数段歯車(第1、第3、第5被動変速歯車n1、n3、n5)に対応するピン部材23が位置する周方向溝12cvに開口する径方向給油孔12zに連通し(図11参照)、他方の対向する2本の軸方向給油溝12yは、偶数段歯車(第2、第4、第6被動変速歯車n2、n4、n6)に対応するピン部材23が位置する周方向溝12cvに開口する径方向給油孔12zに連通する(図12参照)。
オイル導入孔12xによりカウンタ歯車軸12の中空端部に導入されたオイルを、軸方向給油溝12yがカウンタ歯車軸12の中空部内周面に沿って軸方向に導くので、軸方向の通油の油路抵抗を小さくして小型の給油アクチュエータでも係合切換機構(揺動爪部材R、ピン部材23、圧縮スプリング22等の係合手段20およびカムロッドC)の全体に円滑に給油を行い十分潤滑することができる。
軸方向給油溝12yは4本形成され、各軸方向給油溝12yは、ピン部材23が位置する軸方向位置のうち隣り合う軸方向位置で穿孔された径方向給油孔12zには連通しないので、軸方向給油溝12yの一端から供給されたオイルを他端まであまり油圧を下げることなく通油でき、軸方向に配列された係合切換機構に略均等に給油することができる。
以下、本実施形態の軸部材の潤滑構造の特徴を纏めて述べる。
すなわち、軸部材9をなすカウンタ歯車軸12をベアリング7Lを介して回転自在に軸支する機関ケース1の軸受開口部1eの内周面に、ベアリング7Lより軸方向外側に1つの環状オイルシール40が軸部材9を挿通させて内嵌され、潤滑用のオイルを供給する機関ケース1側の枝油路yが、ベアリング7Lと環状オイルシール40の間の前記内周面に油路開口1xを有するように軸受開口部1eに穿設され、軸部材9の内側中空部12iへ外周側からオイルを供給するオイル導入孔12xが軸部材9に穿設された軸部材の潤滑構造において、環状オイルシール40の軸方向内側で、且つ油路開口1xより軸方向外側に、軸部材9を挿通させて環状ラビリンスシール41が設けられている。
そのため、機関ケース1側の枝油路yからオイル導入孔12xへ流れる軸受開口部1eの内周面内のオイルを、環状ラビリンスシール41と環状オイルシール40により軸方向外側に漏れ難くし、従来のような二重のオイルシール間がオイル流路部となって油圧がかかる構造ではなくすることができる。従って、環状オイルシール40の軸方向外側にオイルが漏れることを防ぎながら、オイル導入孔12xへオイルを流して、軸部材9の内側中空部12iへオイルを供給することができる。
また、ベアリング7Lのインナレース7Liとアウタレース7Loの間には、ベアリングシール部7Lsが設けられ、ベアリングシール部7Lsと環状ラビリンスシール41との間隙1exが、機関ケース1側の枝油路yとオイル導入孔12xとをつなぐオイル流路部をなしている。
そのため、オイル流路部をなす間隙1exからベアリング7L側へのオイルの漏れを防ぎ、より確実にオイル導入孔12xへとオイルを導くことができる。
また、機関ケース1の軸受開口部1eには、環状オイルシール40と環状ラビリンスシール41との間に、機関ケース1内に通じるオイル逃がし通路1zが設けられている。
そのため、環状ラビリンスシール41から外方に漏れるオイルがあっても、漏れたオイルは、軸方向外側の環状オイルシール40によってシールされ、オイル逃がし通路1zから機関ケース1内に戻すことができる。
また、環状ラビリンスシール41には、その軸方向外側面41cに、放射状に延びる放射状リブ41dが設けられている。
そのため、環状オイルシール10を、機関ケース1の軸受開口部1eに圧入する場合、環状オイルシール40と環状ラビリンスシールの41間に、放射状リブ41dによって軸方向の隙間を確保しながら圧入することができ、環状オイルシール40の取り付け性を向上させつつ、環状オイルシール40と環状ラビリンスシール41の間に、オイル逃がし空間41fを形成することができ、オイル逃がし通路1zへのオイルの流れが良好となる。
また、環状ラビリンスシール41は、その内周縁に径方向内側向きの複数の環状リブ41bを有して構成されている。
したがって、簡素な構造で、環状ラビリンスシール41を構成して設けることができる。
そして、軸部材9は、内側中空部12iとオイル導入孔12xを備える軸本体となるカウンタ歯車軸12と、カウンタ歯車軸12に外嵌され、環状オイルシール40と環状ラビリンスシール41が外装される円筒状カラー部材33とを備え、円筒状カラー部材33は、その軸方向内側端部33aがベアリング7Lのインナレース7Liの軸方向外側端面に当接されるとともに、軸方向内側端部33aには径方向の切欠き溝33xが設けられ、且つ切欠き溝33xからオイル導入孔12xに至るまでの拡径内周部33xiが設けられている。
そのため、環状オイルシール40および環状ラビリンスシール41が軸部材9の円筒状カラー部材33に外装される場合も、簡単な形状で、オイル流路をなすベアリングシール部7Lsと環状ラビリンスシール41との間隙1exとオイル導入孔12xとをつなぐオイル通路を形成することができる。
なお、上記のような本実施形態においては、機関ケース1内に各一対のベアリング3L、3Rおよび7L、7Rを介して回転自在に架設された互いに平行なメイン歯車軸11、カウンタ歯車軸12に、それぞれ複数の駆動変速歯車m1〜m6と被動変速歯車n1〜n6が変速段毎に常時噛み合い状態で軸支され、一方の駆動変速歯車m1〜m6がメイン歯車軸11に固定され、他方の被動変速歯車n1〜n6とカウンタ歯車軸12との間で歯車軸12と各歯車n1〜n6の係合を歯車ごとに切り換える係合切換機構が備えられ、変速駆動機構により係合切換機構が駆動されて変速を行う多段変速機10であって、
係合切換機構は、各歯車n1〜n6の内周面の周方向複数箇所に周方向に係合面を有して設けられた係合凸部31と、カウンタ歯車軸12に軸支され揺動する一端が係合凸部31の係合面と係合および係合解除を行う揺動爪部材Rと、揺動爪部材Rの揺動する他端に径方向内側から接するピン部材23と、カウンタ歯車軸12の中空部内周面に軸方向に指向して削成されたカム案内溝12gに嵌って軸方向に移動しピン部材23に摺接す23を介して揺動爪部材Rを作動する複数のカムロッドCとを備え、
変速駆動機構が、カムロッドCの内側でカウンタ歯車軸12の中空中心軸に嵌挿され軸方向の移動によりカムロッドCを移動させるシフトロッド51を備えた多段変速機10において、
軸部材9をなすカウンタ歯車軸12をベアリング7Lを介して回転自在に軸支する機関ケース1の軸受開口部1eの内周面に、ベアリング7Lより軸方向外側に1つの環状オイルシール40が軸部材9を挿通させて内嵌され、潤滑用のオイルを供給する機関ケース1側の枝油路yが、ベアリング7Lと環状オイルシール40の間の前記内周面に油路開口1xを有するように軸受開口部1eに穿設され、軸部材9の内側中空部12iへ外周側からオイルを供給するオイル導入孔12xが軸部材9に穿設された軸部材の潤滑構造であって、環状オイルシール40の軸方向内側で、且つ油路開口1xより軸方向外側に、軸部材9を挿通させて環状ラビリンスシール41が設けられている軸部材の潤滑構造を用いた多段変速機10が示されている。
本実施形態に示される多段変速機10によれば、機関ケース1内に各一対のベアリング3L、3Rおよび7L、7Rを介して回転自在に架設された互いに平行なメイン歯車軸11、カウンタ歯車軸12に、それぞれ複数の駆動変速歯車m1〜m6と被動変速歯車n1〜n6が変速段毎に常時噛み合い状態で軸支され、変速駆動機構により前記係合切換機構が駆動されて変速を行う多段変速機10において、
機関ケース1側の枝油路yからオイル導入孔12xへ流れる軸受開口部1eの内周面内のオイルを、環状ラビリンスシール41と環状オイルシール40により軸方向外側に漏れ難くし、従来のような二重のオイルシール間がオイル流路部となって油圧がかかる構造ではなくすることができる。従って、環状オイルシール40の軸方向外側にオイルが漏れることを防ぎながら、オイル導入孔12xへオイルを流して、軸部材9の内側中空部12iへオイルを供給することができ、内側中空部12i内の変速駆動機構と係合切換機構の潤滑が行なえる。
また、上記の多段変速機10においては、ベアリング7Lのインナレース7Liとアウタレース7Loの間には、ベアリングシール部7Lsが設けられ、ベアリングシール部7Lsと環状ラビリンスシール41との間隙1exが、機関ケース1側の枝油路yとオイル導入孔12xとをつなぐオイル流路部をなしているので、オイル流路部をなす間隙1exからベアリング7L側へのオイルの漏れを防ぎ、より確実にオイル導入孔12xへとオイルを導くことができる。
以上、本発明の一実施形態に係る軸部材の潤滑構造について説明したが、本発明は各請求項の要旨の範囲内で、上記実施形態と異なる態様を含むことは勿論である。
例えば、本発明の軸部材の潤滑構造は、請求項1の構成を備える軸部材であれば、上記実施形態の自動二輪車に搭載される内燃機関に組み込まれる多段変速機に用いられる軸部材に限定されない。
E…内燃機関、m1〜m6…第1〜第6駆動変速歯車、n1〜n6…第1〜第6被動変速歯車、y…枝油路(本発明の「ケース側オイル通路」)、1…機関ケース、1U…上側機関ケース、1L…下側機関ケース、1e…軸受開口部、1eb…ベアリング支持部、1es…シール支持部、1sp…内周突条、1ex…間隙、1x…油路開口、1z…オイル逃がし通路、7L…(左)ベアリング、7Li…インナレース、7Lo…アウタレース、7Ls…ベアリングシール部(本発明の「シール部」)、9…軸部材、10…多段変速機、11…メイン歯車軸、12…カウンタ歯車軸、12i…内側中空部、12x…オイル導入孔(本発明の「軸部材側オイル孔」)、33…円筒状カラー部材、33a…軸方向内側端部、33b…軸方向外側端部、33c…環状切欠き、33t…テーパ面、33x…切欠き溝、33xi…拡径内周部、40…環状オイルシール、41…環状ラビリンスシール、41a…外周縁部、41b…環状リブ、41c…軸方向外側面、41d…放射状リブ、41e…部分円弧状凹部、41f…オイル逃がし空間、46…止め輪(オイルシール40の)、47…環状空間

Claims (6)

  1. 軸部材(9)をベアリング(7L)を介して回転自在に軸支するケース(1)の軸受開口部(1e)の内周面に、前記ベアリング(7L)より軸方向外側に少なくとも1つの環状オイルシール(40)が前記軸部材(9)を挿通させて内嵌され、
    オイルを供給するケース側オイル通路(y)が、前記ベアリング(7L)と前記環状オイルシール(40)の間の前記内周面に油路開口(1x)を有するように前記軸受開口部(1e)に穿設され、
    前記軸部材(9)の内側中空部(12i)へ外周側からオイルを供給する軸部材側オイル孔(12x)が同軸部材(9)に穿設された軸部材の潤滑構造において、
    前記環状オイルシール(40)の軸方向内側で、且つ前記油路開口(1x)より軸方向外側に、前記軸部材(9)を挿通させて環状ラビリンスシール(41)が設けられたことを特徴とする軸部材の潤滑構造。
  2. 前記ベアリング(7L)のインナレース(7Li)とアウタレース(7Lo)の間にはシール部(7Ls)が設けられ、同シール部(7Ls)と前記環状ラビリンスシール(41)との間隙(1ex)が、前記ケース側オイル通路(y)と前記軸部材側オイル孔(12x)とをつなぐオイル流路部をなすことを特徴とする請求項1に記載の軸部材の潤滑構造。
  3. 前記ケース(1)の軸受開口部(1e)には、前記環状オイルシール(40)と前記環状ラビリンスシール(41)との間に開口し、同ケース(1)内に通じるオイル逃がし通路(1z)が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の軸部材の潤滑構造。
  4. 前記環状ラビリンスシール(41)には、その軸方向外側面(41c)に、放射状に延びる放射状リブ(41d)が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の軸部材の潤滑構造。
  5. 前記環状ラビリンスシール(41)は、その内周縁に径方向内側向きの複数の環状リブ(41b)を有して構成されたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の軸部材の潤滑構造。
  6. 前記軸部材(9)は、前記内側中空部(12i)と軸部材側オイル孔(12x)を備える軸本体(12)と、同軸本体(12)に外嵌され、前記環状オイルシール(40)と前記環状ラビリンスシール(41)が外装される円筒状カラー部材(33)とを備え、同円筒状カラー部材(33)は、その軸方向内側端部(33a)が前記ベアリング(7L)のインナレース(7Li)の軸方向外側端面に当接されるとともに、前記軸方向内側端部(33a)には径方向の切欠き溝(33x)が設けられ、且つ同切欠き溝(33x)から前記軸部材側オイル孔(12x)に至るまでの拡径内周部(33xi)が設けられたことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の軸部材の潤滑構造。
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CN104669109A (zh) * 2015-01-22 2015-06-03 德州德隆(集团)机床有限责任公司 成对角接触球轴承之间隔垫的加工辅助工具、隔垫加工方法、隔垫及成对角接触球轴承组

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