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JP2014040519A - フッ化ビニリデン系重合体の製造方法 - Google Patents

フッ化ビニリデン系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フッ化ビニリデン系重合体を重合する際に発生する、重合缶等の重合容器へのポリマー付着を軽減すること、および懸濁重合により発生する排水中の浮遊物質の量を低減することが可能であり、優れた生産性でフッ化ビニリデン系重合体を得ることが可能なフッ化ビニリデン系重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーを、懸濁剤を含む水性媒体中に分散し、懸濁重合を行うことにより、フッ化ビニリデン系重合体を製造する方法であり、前記懸濁重合が、多価カルボン酸および多価カルボン酸塩から選択される少なくとも1種の多価カルボン酸系化合物の存在下で行われることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明はフッ化ビニリデン系重合体の製造方法に関する。
フッ化ビニリデン系重合体は、耐薬品性、耐候性、耐汚染性等に優れ、溶融成型して各種フィルムや成形品を製造するための材料として利用されている。また、フッ化ビニリデン系重合体は、塗料やバインダー樹脂としても利用されている。
フッ化ビニリデン系重合体は、様々な重合法により合成することができるが、工業的生産では、乳化重合法、懸濁重合法により合成されている。乳化重合法では、0.2〜0.5μm程度の小粒径のラテックスが生成するため、重合後、凝集剤を用いた造粒処理が施されているが、乳化剤や凝集剤等を充分に除去するためには複雑な後処理が必要となる。一方、懸濁重合法では50〜300μm程度の粒径のビーズが生成し、簡易な洗浄処理で不純物の少ない重合体が得られる。
フッ化ビニリデンを懸濁重合により製造する場合には、重合容器や攪拌装置等にポリマーが付着するという問題がある。一般に重合容器の壁面にポリマーが付着すると、重合容器の伝熱が悪化し、連続生産等により付着物の堆積が進むと除熱が困難になる。
また、付着物が剥離して製品中に混入した場合には製品品質の悪化につながるという問題がある。
ポリマーの付着および堆積は、生産性および製品品質の観点から望ましくないため、付着したポリマーを除去する工程が必要となるが、付着したポリマーは、強固に固着することもあるため、その除去作業は生産性悪化の一因となっており、ポリマーの付着を低減することが望まれていた。
また、懸濁重合においては、重合反応中に水相に微粉が発生し、排水中の浮遊物質量が高くなりやすい。浮遊物質量が高くなれば環境負荷も大きくなるため、排水から浮遊物質を除去する為の排水処理設備が必要となる。一般に浮遊物質量の増大を防ぐ手段としては、重合禁止剤の添加や攪拌条件の最適化がなされるが、効果が不充分な場合や、重合反応の遅延、製品色調の変化が発生する場合があり、簡便な方法で浮遊物質量を低減することが望まれていた。
従来から、懸濁工程と、超臨界重合工程を有するフッ化ビニリデン系重合体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の実施例では、ピロリン酸ナトリウム存在下でフッ化ビニリデンを重合しており、特許文献1に記載されたフッ化ビニリデン系重合体の製造方法では、有機溶媒に対する溶解性に優れ、非水系電池用電極バインダーとして有用な高重合度のフッ化ビニリデン系重合体を得ている。
しかしながら、特許文献1に記載されたフッ化ビニリデン系重合体の製造方法では、浮遊物質量については特に検討がされていなかった。
国際公開第2009/047969号パンフレット
本発明は、フッ化ビニリデン系重合体を重合する際に発生する、重合缶等の重合容器へのポリマー付着を軽減すること、および懸濁重合により発生する排水中の浮遊物質の量を低減することが可能であり、優れた生産性でフッ化ビニリデン系重合体を得ることが可能なフッ化ビニリデン系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するため鋭意研究を重ねた結果、フッ化ビニリデン系重合体を特定の多価カルボン酸系化合物の存在下で懸濁重合を行うことにより製造すると、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーを、懸濁剤を含む水性媒体中に分散し、懸濁重合を行うことにより、フッ化ビニリデン系重合体を製造する方法であり、前記懸濁重合が、多価カルボン酸および多価カルボン酸塩から選択される少なくとも1種の多価カルボン酸系化合物の存在下で行われることを特徴とする。
前記懸濁重合が、多価カルボン酸および多価カルボン酸塩の存在下で行われることが好ましい。
前記多価カルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸およびクエン酸から選択される少なくとも1種の多価カルボン酸であり、前記多価カルボン酸塩が、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩およびクエン酸塩から選択される少なくとも1種の多価カルボン酸塩であることが好ましく、前記多価カルボン酸が、クエン酸であり、前記多価カルボン酸塩が、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムから選択される少なくとも1種のクエン酸塩であることがより好ましく、前記多価カルボン酸が、クエン酸であり、前記多価カルボン酸塩が、クエン酸ナトリウムであることが特に好ましい。
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、重合中に重合缶等の重合容器へポリマーが付着することを軽減することが可能であり、排水中の浮遊物質の量を低減することが可能である。このため本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、重合容器の壁に付着したポリマーの除去を行う頻度を従来の製造方法よりも減らすことができ、排水中の浮遊物質の量が少ないため、従来の製造方法よりも環境負荷が少なく、生産性にすぐれる。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーを、懸濁剤を含む水性媒体中に分散し、懸濁重合を行うことにより、フッ化ビニリデン系重合体を製造する方法であり、前記懸濁重合が、多価カルボン酸および多価カルボン酸塩から選択される少なくとも1種の多価カルボン酸系化合物の存在下で行われることを特徴とする。
〔フッ化ビニリデンを主成分とするモノマー〕
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法では、フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーを原料として用いる。
なお、フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーとは、モノマー100モル%あたり、フッ化ビニリデンを50モル%以上含むモノマーを意味し、通常はフッ化ビニリデンを80モル%以上含むモノマーであり、好ましくは95モル%以上含むモノマーである。
フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーとしては、フッ化ビニリデン以外のモノマー(以下、他のモノマーとも記す。)を、50モル%以下含んでいてもよく、他のモノマーが含まれる場合には通常は20モル%以下、好ましくは5モル%以下含まれる。
なお、フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーとしては、フッ化ビニリデン系重合体として、フッ化ビニリデン単独重合体を製造する場合には、フッ化ビニリデンのみをモノマーとして用い、フッ化ビニリデン系重合体として、フッ化ビニリデンと他のモノマーとの共重合体を製造する場合には、フッ化ビニリデンと他のモノマーとを用いる。
前記他のモノマーとしては、例えばフッ化ビニリデンと共重合可能なフッ素系単量体あるいはエチレン、プロピレン等の炭化水素系単量体、カルボキシル基含有モノマー、カルボン酸無水物基含有モノマーが挙げられる。なお、他のモノマーは、一種単独でも、二種以上でもよい。
前記フッ化ビニリデンと共重合可能なフッ素系単量体としては、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロメチルビニルエーテルに代表されるペルフルオロアルキルビニルエーテル等を挙げることができる。
前記カルボキシル基含有モノマーとしては、不飽和一塩基酸、不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸のモノエステル等が好ましい。
前記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート等が挙げられる。前記不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、シトラコン酸等が挙げられる。また、前記不飽和二塩基酸のモノエステルとしては、炭素数5〜8のものが好ましく、例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル等を挙げることができる。中でも、カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、シトラコン酸、マレイン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステルが好ましい。また、カルボキシル基含有モノマーとしてはアクリロイロキシエチルコハク酸、メタクリロイロキシエチルコハク酸、アクリロイロキシエチルフタル酸、メタクリロイロキシエチルフタル酸等を用いてもよい。
前記カルボン酸無水物基含有モノマーとしては、前記不飽和二塩基酸の酸無水物、具体的には、無水マレイン酸、無水シトラコン酸が挙げられる。
〔懸濁剤〕
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法では、懸濁剤を用いる。
本発明の懸濁重合法において用いる懸濁剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、部分鹸化ポリ酢酸ビニル、アクリル酸系重合体等を好ましく挙げることができる。
懸濁剤としては特に、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが造粒性の面から好ましく、中でもハンドリング性のよい大粒径の粉体としてフッ化ビニリデン系重合体が得られるメチルセルロースが最も好ましい。
懸濁剤の使用量としては、懸濁重合を行う際に使用する全モノマー(フッ化ビニリデンを主成分とするモノマー)100質量部に対して0.02質量部以上、0.25質量部未満存在することが好ましく、0.03質量部以上、0.2質量部未満存在することがより好ましく、0.05質量部以上、0.1質量部以下存在することが特に好ましい。前記範囲内では、モノマーの懸濁粒子が安定であり、気泡の発生も少なく好ましい。
〔水性媒体〕
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法では、前述のように水性媒体中に前記フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーを分散させ、懸濁重合を行う。
水性媒体としては、水または水を主成分70質量%以上とする水と、1,1,2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパン、モノヒドロペンタフルオロジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素媒体との混合媒体等を用いることができる。水性媒体としては水が好ましく、前記水としては、イオン交換水、純水等の精製された水を用いることが好ましい。
懸濁重合を行う際の水性媒体の使用量としては、使用する全モノマー(フッ化ビニリデンを主成分とするモノマー)100質量部に対して100〜1000質量部であることが好ましく、より好ましくは200〜500質量部である。
〔多価カルボン酸系化合物〕
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、懸濁重合を多価カルボン酸および多価カルボン酸塩から選択される少なくとも1種の多価カルボン酸系化合物の存在下で行うことを特徴とする。
なお、多価カルボン酸とは、分子内に複数のカルボキシル基を有する化合物であり、多価カルボン酸塩とは、多価カルボン酸のカルボキシル基の少なくとも一部が、塩基由来の陽イオンとイオン結合した化合物である。
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法としては、多価カルボン酸系化合物の存在下で懸濁重合を行うが、多価カルボン酸系化合物としては、多価カルボン酸のみでもよく、多価カルボン酸塩のみでもよいが、多価カルボン酸および多価カルボン酸塩を用いると、多価カルボン酸系化合物が緩衝剤としても作用するため好ましい。また、多価カルボン酸、多価カルボン酸塩はそれぞれ一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
多価カルボン酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸が挙げられる。多価カルボン酸塩としては、これらの多価カルボン酸の塩が挙げられる。
多価カルボン酸塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられ、好ましくはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩であり、より好ましくはナトリウム塩である。
多価カルボン酸系化合物としては、ラジカルによる水素引き抜き反応の起こり難い化合物が好ましい。ラジカルによる水素引き抜き反応の起こり難い多価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸およびクエン酸が挙げられ、多価カルボン酸塩としてはこれらの塩すなわち、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩およびクエン酸塩が挙げられる。
多価カルボン酸としては、クエン酸が最も好ましく、多価カルボン酸塩としてはクエン酸塩が最も好ましい。クエン酸塩としては、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムが好ましく、クエン酸ナトリウムが最も好ましい。
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、懸濁重合を前記多価カルボン酸系化合物の存在下で行うことにより、重合中に起こる重合缶等の重合容器へポリマーが付着することを軽減することが可能であり、排水中の浮遊物質の量を低減することが可能である。
この理由は明らかではないが、本発明の製造方法では、重合中に重合媒体が接触しない気相部の壁面や上鏡へのポリマーの付着を顕著に低減することができ、付着したポリマーが脱落、混入することによる品質低下を軽減することが可能である。また、本発明の製造方法では、排水中の浮遊物質量(SS)も低減することが可能であるため、環境負荷が少なく、排水処理上も有効であるため、生産性にも優れる。
前記多価カルボン酸系化合物の使用量としては、懸濁重合を行う際に使用する全モノマー(フッ化ビニリデンを主成分とするモノマー)100質量部に対して0.01〜1質量部存在することが好ましく、0.02〜0.5質量部存在することがより好ましく、0.05〜0.3質量部存在することが特に好ましい。前記範囲内では、前記効果を充分に発揮することができるため好ましい。
また、前記多価カルボン酸系化合物として、多価カルボン酸および多価カルボン酸塩を用いる場合には、その割合としては特に限定はないが、多価カルボン酸:多価カルボン酸塩が重量比で、通常は99:1〜1:99であり、好ましくは9:1〜1:9である。前記範囲内では、多価カルボン酸系化合物が緩衝剤としても好適に作用するため好ましい。
〔懸濁重合〕
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、前述のようにフッ化ビニリデンを主成分とするモノマーを、懸濁剤を含む水性媒体中に分散し、懸濁重合を行うが、該懸濁重合が、前記多価金属カルボン酸系化合物の存在下で行われることを特徴とする。
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法においては、前記多価金属カルボン酸系化合物が存在する以外は、従来の懸濁重合と同様の方法で行うことができる。なお、本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法において用いる、フッ化ビニリデンを主成分とするモノマー、懸濁剤、水性媒体、多価金属カルボン酸系化合物の種類や使用量としては、前述の通りである。
懸濁重合においては、通常重合開始剤を用いるが、重合開始剤としては、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルペルオキシジカーボネート、ジノルマルヘプタフルオロプロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、イソブチリルペルオキサイド、ジ(クロロフルオロアシル)ペルオキサイド、ジ(ペルフルオロアシル)ペルオキサイド、t−ブチルペルオキシピバレート等が使用できる。その使用量は、懸濁重合に使用する全モノマー(フッ化ビニリデンを主成分とするモノマー)を100質量部とすると、0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜2質量部である。
また、酢酸エチル、酢酸メチル、炭酸ジエチル、アセトン、エタノール、n−プロパノール、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、プロピオン酸エチル、四塩化炭素等の連鎖移動剤を添加して、得られるフッ化ビニリデン系重合体の重合度を調節することも可能である。その使用量は、通常は、懸濁重合に使用する全モノマー(フッ化ビニリデンを主成分とするモノマー)を100質量部とすると、0.1〜5質量部、好ましくは0.4〜3質量部である。
また、懸濁重合における重合温度Tは、重合開始剤の10時間半減期温度T10に応じて適宜選択され、通常はT10−25℃≦T≦T10+25℃の範囲で選択される。例えば、t‐ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートおよびジノルマルプロピルペルオキシジカーボネートのT10はそれぞれ、54.6℃、40.5℃および40.3℃である。したがって、t‐ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートおよびジノルマルプロピルペルオキシジカーボネートを重合開始剤として用いた重合では、その重合温度Tはそれぞれ29.6℃≦T≦79.6℃および15.5℃≦T≦65.5℃、15.3℃≦T≦65.3℃の範囲で適宜選択される。
重合時間は特に制限されないが、生産性等を考慮すると100時間以下であることが好ましい。
重合時の圧力は通常加圧下で行われ、好ましくは2.0〜8.0MPa‐Gである。
また、pH調整剤を添加し、懸濁重合中のpHを任意の範囲に調整してもよい。pH調整剤としては、特に限定されないが、ホウ酸緩衝液やリン酸緩衝液が挙げられる。
上記の条件でフッ化ビニリデンを主成分とするモノマーの懸濁重合を行うことにより、フッ化ビニリデン系重合体を得ることができる。
本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、懸濁重合を前記多価金属カルボン酸系化合物の存在下で行うことにより実施可能であり、付帯設備の増加を必要としないで前述の効果を有する。
〔フッ化ビニリデン系重合体〕
本発明の製造方法で得られるフッ化ビニリデン系重合体の平均粒径としては、特に限定はないが、通常は80〜250μmであり、好ましくは130〜230μmである。平均粒径が大きくなると、重合後の洗浄・脱水、加工時のハンドリング性が改善され、生産性の観点から好ましい。
また、本発明の製造方法で得られるフッ化ビニリデン系重合体のインヘレント粘度(樹脂4gを1リットルのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた溶液の30℃における対数粘度。以下、同様)は、0.5〜5.0dl/gの範囲内の値であることが好ましく、0.8〜4.0dl/gの範囲内の値であることがより好ましい。
本発明の製造方法で得られるフッ化ビニリデン系重合体としては、従来の製法により得られるフッ化ビニリデン系重合体が用いられる各種用途に用いることが可能である。すなわち、本発明の製造方法で得られるフッ化ビニリデン系重合体は、溶融成型して各種フィルムや成形品を製造するための材料として用いてもよく、塗料やバインダー樹脂として用いてもよい。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例、比較例で得られたフッ化ビニリデン系重合体粉末の物性は以下の方法で測定した。
〔インヘレント粘度〕
1リットルのN,N−ジメチルホルムアミドに、フッ化ビニリデン系重合体粉末4gを添加し、80℃で8時間かけて溶解させた溶液を調製した。この溶液および溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドを30℃に保持してウベローデ粘度計でそれぞれの流出時間を測定し、下式によりインヘレント粘度を求めた。
[η]=ln(ηrel)/C
ここでηrelは、試料溶液の流出時間/溶媒の流出時間、Cは試料溶液の濃度(0.4g/dl)を表す。
〔平均粒径〕
フッ化ビニリデン系重合体粉末の粒度分布を、(株)平工製作所製ロータップ式II型ふるい振とう機D型を用い、JIS K 0069−3.1に従って、乾式ふるい分け法により測定した。平均粒径の算出は、粒度分布の測定結果を元に、対数正規分布法にて求めた。平均粒径は、粒度累積分布において、50%累積値(D50)を示す粒径とした。
〔嵩密度〕
フッ化ビニリデン系重合体粉末の嵩密度は、JIS K 6721−3.3「かさ比重」の測定法に従って測定した。具体的には、充分にかき混ぜた粉末試料約120mlを嵩比重測定装置のダンパーを差し込んだ漏斗に入れた後、速やかにダンパーを引抜き、試料を受器に落とす。受器から盛り上がった試料は、ガラス棒ですり落とした後、試料の入った受器の質量を0.1gまで正確に量り、次の式によって嵩密度を求めた。
S=(C−A)/B
S:嵩密度(g/cm3
A:受器の質量(g)
B:受器の内容積(cm3
C:試料の入った受器の質量(g)
測定は3回行い、平均値を算出した。試験結果は、小数点以下3桁まで測定した数値を、3桁目を四捨五入することにより丸めて表示した。
〔浮遊物質量の測定〕
重合完了後、重合体スラリーを遠心脱水して排水を回収した。遠心脱水においては通気性(JIS L1096)が70cm3/cm2・secのろ布を用いた。得られた排水について、JIS K0102記載の懸濁物質の測定方法に従い得られた懸濁物質量を浮遊物質量(SS)とした。
〔重合缶(オートクレーブ)への付着物〕
重合完了後、重合缶から重合体スラリーを排出し、重合缶内を流水で洗い流した後、重合缶の壁面および上鏡へのポリマーの付着を目視によって観察した。
〔実施例1〕
内容積14.5リットルのオートクレーブに、イオン交換水250部、メチルセルロース0.05部、フッ化ビニリデン100部、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート0.6部、酢酸エチル1.0部、クエン酸0.03部、クエン酸三ナトリウム0.16部を仕込み、26℃で懸濁重合を行い、収率92%の時点で重合を停止した。
重合完了後、重合体スラリーを遠心脱水し、排水を浮遊物質量の測定に供した。遠心脱水した重合体は水に再分散し、95℃で30分間熱処理した後、遠心脱水、水洗し、さらに80℃で20時間乾燥してフッ化ビニリデン系重合体粉末を得た。
〔実施例2〕
酢酸エチルを2.7部とした以外は実施例1と同様に行った。
〔比較例1〕
内容積14.5リットルのオートクレーブに、イオン交換水250部、メチルセルロース0.05部、フッ化ビニリデン100部、ジーnープロピルパーオキシジカーボネート0.6部、酢酸エチル1.4部、ピロリン酸二水素二ナトリウム0.12部、ピロリン酸四ナトリウム0.07部を仕込み、26℃で懸濁重合を行い、収率92%の時点で重合を停止した。
重合完了後、重合体スラリーを遠心脱水し、排水を浮遊物質量の測定に供した。遠心脱水した重合体は水に再分散し、95℃で30分間熱処理した後、遠心脱水、水洗し、さらに80℃で20時間乾燥してフッ化ビニリデン系重合体粉末を得た。
〔比較例2〕
酢酸エチルを2.9部とした以外は比較例1と同様に行った。
実施例、比較例の重合条件、得られたフッ化ビニリデン系重合体の物性を表1に示す。
Figure 2014040519
前記表1より明らかなように、本発明のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法は、浮遊物質量が少なく、重合缶壁へのポリマーの付着を低減することが可能であるため、生産性に優れる。

Claims (5)

  1. フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーを、懸濁剤を含む水性媒体中に分散し、懸濁重合を行うことにより、フッ化ビニリデン系重合体を製造する方法であり、
    前記懸濁重合が、多価カルボン酸および多価カルボン酸塩から選択される少なくとも1種の多価カルボン酸系化合物の存在下で行われることを特徴とするフッ化ビニリデン系重合体の製造方法。
  2. 前記懸濁重合が、多価カルボン酸および多価カルボン酸塩の存在下で行われる、請求項1に記載のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法。
  3. 前記多価カルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸およびクエン酸から選択される少なくとも1種の多価カルボン酸であり、
    前記多価カルボン酸塩が、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩およびクエン酸塩から選択される少なくとも1種の多価カルボン酸塩である請求項1または2に記載のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法。
  4. 前記多価カルボン酸が、クエン酸であり、
    前記多価カルボン酸塩が、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムから選択される少なくとも1種のクエン酸塩である請求項1または2に記載のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法。
  5. 前記多価カルボン酸が、クエン酸であり、
    前記多価カルボン酸塩が、クエン酸ナトリウムである請求項1または2に記載のフッ化ビニリデン系重合体の製造方法。
JP2012183282A 2012-08-22 2012-08-22 フッ化ビニリデン系重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP5916562B2 (ja)

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