関連出願の相互参照
本特許協力条約国際特許出願は、2010年2月24日に出願された米国仮特許出願番号61/307560の利益を主張し、これによりその内容全体を本出願に引用し援用する。
本発明の洗浄用組成物は、(1)組成物に約4以下のpHを与えるのに十分な量の活性酸成分、(2)抗菌活性ジアミン界面活性剤、(3)個別に、又は組み合わせにより、アミンオキシド、第四級アミン、アルコキシ化脂肪族アルコール、アルコキシ化脂肪族アミンのような界面活性剤及び共界面活性剤を含む界面活性剤混合物、(4)脱イオン水のような水、及び任意に(5)香料、そして(6)水溶性染料を含む。洗浄用組成物は、表面消毒や衛生化の面で優れた洗浄性能を有しており、表面拡散と接触、表面粘着、表面接触時間の面で改良された流動特性を示すように、増粘剤が無くても、驚くほど高い粘度を備えている。
本発明の組成物は、本質的に酸性であり、本発明の組成物のpHを4未満とするために十分な量である少なくとも1つの無機及び/又は有機酸を含む。一般的に、有用な無機酸には、水溶性の無機及び鉱酸が含まれている。有用な酸の非限定的な例には、塩酸、リン酸、硫酸などが個別に、又は組み合わせにより含まれる。
有機酸については、非限定的な例として、本発明の組成物において有効であるとみなされ得る既知の有機酸はどのようなものでも含まれる。一般的に有用な有機酸は、少なくとも1つの炭素原子を含み、その構造内に少なくとも1つのカルボキシル基(−COOH)を含む。より具体的には、有用な有機酸は、1個から約6個の炭素原子を含み、少なくとも1つのカルボキシル基を有し、水溶性である。非限定的な例として、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、ギ酸、プロピオン酸などが含まれる。
本発明の一実施形態において、唯一存在する酸は塩酸であり、他の酸は除外される。本発明に使用する有効な塩酸含有成分の適切な範囲は、本発明の組成物中の純粋な塩酸(100%)に対し、重量で約2%から20%である。
酸に加えて、本発明の組成物は、少なくとも1つの抗菌活性界面活性剤を含む。このような界面活性剤は、本発明の洗浄用組成物に消毒と衛生面で効果を与える。本発明の抗菌活性界面活性剤は、非イオン性、両性、又は双性イオン性の界面活性剤となりうる、C10−20アルキルジアミンを含む。
一般的に、抗菌活性界面活性剤は、有害微生物の成長を阻害し、及び/又は有害微生物を破壊するのに有効である抗菌剤又は殺生物剤を含む。特に興味深いのは、細菌、菌類、藻類、ウイルスのような、周知の一般的に発生する望ましくない微生物に対する有効性が実証されている界面活性剤であり、それぞれ抗菌剤、抗カビ剤、抗藻剤、抗ウイルス剤として指定されている。一般に複数のタイプの微生物に対して有効である抗菌活性界面活性剤は、抗微生物剤として知られている。
非限定的な例として、抗菌剤として作用する抗菌活性界面活性剤が効果的に阻害又は破壊し得る細菌のリストには、セレウス菌、バシラス・ステアロサーモフィルス、枯草菌、気管支敗血症菌、カンピロバクター・ジェジュニ、ウェルシュ菌、コリネバクテリウム・ゼロシス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・ヒラエ、エリシペロスリックス・インシディオサ、大腸菌、ヘモフィルス・プレウロニューモニエ、肺炎桿菌、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・クルゼイ、ラクトバチルス・リンドネリ、リステリア・モノサイトゲネス、ミクロコッカス・ルテウス、パスツレラ・ムルトシダ、ペディオコッカス・ダムノサス、プロテウス・ミラビリス、緑膿菌、サルモネラ・エンテリティデス、サルモネラ・パナマ、ネズミチフス菌、セラチア・マルセスセンス、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、大便連鎖球菌、腸炎ビブリオ、エルシニア・エンテロコリチカが含まれる。
非限定的な例として、抗カビ剤として作用する抗菌活性界面活性剤が効果的に阻害又は破壊し得るカビや酵母を含む菌類のリストには、アブシディア・コリムビフェラ、アスペルギルス・フラバス、クロコウジカビ、カンジダ・アルビカンス、ゲオトリクム・カンディダム、ハンセヌラ・アノマラ、石膏状小胞子菌、モニリア属、ケカビ属、ペニシリウム・イクパンザム、クモノスカビ属、ロドトルラ属、サッカロマイセス・バヤヌス、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス、サッカロマイセス・ウバルム、出芽酵母、サッカロマイセス・ディアスタティカス、毛瘡白癬菌、チゴサッカロミセス・バイリーが含まれる。
非限定的な例として、殺藻剤として作用する抗菌活性界面活性剤が効果的に阻害又は破壊し得る藻類のリストには、クロレラ・ピレノイドサ、デスモデスムス・スブスピカツス、セレナストルム・カプリコルヌタムが含まれる。
非限定的な例として、抗ウイルス剤として作用する抗菌活性界面活性剤が効果的に阻害又は破壊し得るウイルスのリストには、B型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ロタウイルスWa株、ワクシニアウイルス、牛ウイルス性下痢ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス、牛コロナウイルス、SARSウイルス、鳥インフルエンザウイルス、A型インフルエンザウイルスが含まれる。
本発明の抗菌活性ジアミン界面活性剤は、抗菌活性に加えて、液体洗浄用組成物の粘度もまた驚くほど上昇させる。抗菌活性界面活性剤には、両性又は双性イオン性界面活性剤となりうる、C10−C24アルキルジアミンが含まれる。そのような抗菌活性ジアミン界面活性剤を酸性水性洗浄用組成物に含めることは、便器表面を消毒する優れた抗菌活性を提供するだけでなく、従来型の殺生物性界面活性剤を使用した同様の洗浄用組成物に比べてさらに洗浄用組成物粘度の相当な上昇をもたらす。
一般的に知られている洗浄用組成物は、典型的には、一般式:RR’N+(CH3)2Cl−の第四級アンモニウム界面活性剤のような、従来型の殺生物性界面活性剤を含んでいる。R及びR’は、C10−C20のような独立した別個のアルキル直鎖を表す。第四級アンモニウム殺生物性界面活性剤を含む洗浄用組成物は、典型的には約12.5センチポアズの粘度を有する。また、そのような洗浄用組成物配合の個々の成分は使用時に分離する傾向がある。比較では、抗菌活性ジアミン界面活性剤を同等量含む洗浄用組成物は、少なくとも100センチポアズの粘度を有する。
抗菌活性と少なくとも100センチポアズという非常に高い粘度とを同時に備えた洗浄用組成物を提供する、代表的な抗菌活性ジアミン界面活性剤には、アルキルアミノジアミンやアルキルジアミノカルボン酸が含まれるが、これらに限定されない。適切なアルキルアミノジアミン界面活性剤は、RN(R’NH2)2という化学式を有しており、RはC8からC24のアルキル基、2つのアミン基(NH2)各々は異なる炭素原子に結合し、R’はC1からC5の低級アルキル基である。本発明の洗浄用組成物に有用である抗菌活性アルキルアミノジアミン界面活性剤の具体的であるが、非限定的な例には、ロンザ社によって商品名ロンザバック(Lonzabac)(登録商標)で販売されているN−(3−アミノプロピル)−N−ドデシルプロパン−1,3−ジアミンがある。
アルキルアミノジアミン界面活性剤に加えて、適切なアルキルジアミノカルボン酸界面活性剤は、化学式RNH(R’NH)nCOOHを持つ。Rは、カルボニル、エーテル、アルコール等を含むがこれらに限定されるものではない酸素含有基を任意で含むC10からC24のアルキル基である。R’はC1からC5の低級アルキル基である。数字のnは、アルキルアミノジアミン界面活性剤が、少なくとも2つのアミン基を含むような、1から4までの可変の整数である。1つがアミノ酸基である複数のアミン基を有する化合物の非限定的な例は、たとえば、6−ドデシル−2,6−ジアザヘキサン−1−カルボン酸のようなグリシンが含まれる。あるいは、メチルカルボキシル基は、いくつかが任意で複数のカルボキシル基を有するアミノ酸基を形成するために、アミン水素を置換することができる。
本発明の洗浄用組成物中に使用するのに適切なアルキルジアミノカルボン酸界面活性剤は、その内容全体が参照により本明細書の一部として引用され援用されている、両性界面活性剤の合成方法という名称のグリュニングらの米国特許第5,491,245号に記載されている、アミンの部分的又は完全なカルボキシメチル化もさらに含む。米国特許第5,491,245号に記載されているように、化学式1のアミンは、アンフォグリシネート、ポリベタイン、グリシン等を含むがこれらに限定されるものではない両性界面活性剤を生成するため、クロロ酢酸やその塩のようなハロゲンアルキルカルボン酸と反応させられる。米国特許第5,491,245号において開示されている化学式1アミンの非限定的な例としては、化学式A、B、Cがある。米国特許第5,491,245号において開示されている有用なアルキルジアミノカルボン酸界面活性剤のより具体的な例には、エボニックインダストリーズ社によって商品名レオシド(REWOCID)WK30として販売されている両性界面活性剤であり、N−アルキルアミノプロピルグリシンである、アミン、N−C10−16−アルキルトリメチレンジとクロロ酢酸の反応生成物が含まれる。
代表的な洗浄用組成物は、抗菌活性ジアミン界面活性剤を含有するほか、個々の界面活性剤又は界面活性剤混合物もさらに含む。一般的に実施されるように、界面活性剤は液体と硬質面との間の界面張力を変えるために界面活性化剤として使用される。このような界面活性化剤は、典型的には疎水基と親水基との両方を含んでいる。いかなる特定の理論に拘束されることなく、これらの界面活性剤は、液体自体の表面張力を低下させ、硬質面での界面張力を低下させる湿潤剤として働き、拡散を容易にする。洗浄用組成物の硬質面接触や拡散のような特性を制御するのに有用な界面活性剤には、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、両性、及び双性イオン性界面活性剤又は界面活性剤の適切な組み合わせがあり得る。また、多くの個々の界面活性剤は、抗菌活性ジアミン界面活性剤を阻害することなく、効果的な表面消毒性を維持しながら、洗浄剤濃度、硬質面での拡散や粘着性の面で最適な流体特性や性能を発揮させるように混合させることが可能である。
本発明の洗浄用組成物は、アミンオキシド、第四級アミン、アルコキシ化脂肪族アルコール、アルコキシ化脂肪族アミンのような界面活性剤と共界面活性剤とを、個別に、又は組み合わせにより有する、界面活性剤混合物を含む。一実施形態において、界面活性剤混合物は、1種以上の陽イオン性共界面活性剤との組み合わせで、1種以上のアルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤を含む。任意の分岐を有する長鎖アルキルアミンオキシドは、非イオン性界面活性剤として使用され、一般式RNOを持っている。RはC10からC24の直線状のn−アルキルである。界面活性剤混合物に用いることができるn−アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤の適切な混合物には、少なくとも2つのそのようなアミンオキシド界面活性剤が含まれている。約60%のN、N−ジメチルテトラデカン−1−アミンオキシド及び約40%のN、N−ジメチルヘキサデカン−1−アミンオキシドを含む、n−アルキルジメチルアミンオキシドの混合物は、界面活性剤混合物として利用することができる。また、組合せ又は混合物は、低鎖長又は高鎖長のアルキルジメチルアミンオキシド少量を含み得る。他の実施形態では、界面活性剤混合物は、例えばエトキシ化脂肪族アルコール及びエトキシ化脂肪族アミンの混合のような、アルコキシ化脂肪族アルコール、アルコキシ化脂肪族アミンを含む界面活性剤の混合となる。
界面活性剤混合物は、アミンオキシド又はその混合物に加えて、1つ以上の陽イオン性界面活性剤を含むことが可能である。適切な陽イオン性界面活性剤は、一般式RR’3N+(CH3)2Cl−の第4級アンモニウム化合物を含む。RはC10−C20のような長いアルキル直鎖を表し、R’はC1−C3のような短いアルキル直鎖を表す。第四級アンモニウム界面活性剤のより具体的な例は、商品名アーカード(Arquad)(登録商標)でアクゾ・ノーベル・サーフェス・ケミストリー社によって販売されているヘキサデシル(トリメチル)アンモニウムクロライドである。
界面活性剤混合物は、固体表面上の液体拡散、固体表面への液体粘着性、液体可塑性、及び硬質面上の液体の重力流動の点で、洗浄用組成物の流体特性を調整するために適合可能である。いかなる特定の理論に拘束されるものではないが、そのような調整は、液体と界面の表面張力を制御することによって実現される。本発明の洗浄用組成物に有用な界面活性剤混合物の非限定的な例には、n−アルキルジメチルアミンオキシド混合物が約70%−80%、たとえば約75%で、その残り約25%はn−アルキル(トリメチル)アンモニウムクロライドからなるものが含まれる。
本発明で利用可能なその他の水溶性界面活性剤混合物は、アルコキシ化脂肪族アルコール、アルコキシ化脂肪族アミン、これらのアルコール及びアミンのブレンドを含む。アルコキシ化脂肪族アルコールは、一般的に界面活性剤の非イオン性又は陽イオン性の類型として商業的に知られており、一般式ROH(R’O)nHを持つ。RはC8からC24の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、R’はC1からC5のアルキル基であり、nは1から30、又はそれ以上の範囲であり得る数値である。このタイプのアルコール界面活性剤は、アルコキシ化脂肪族アルコールの混合物を生成するため、第一級又は第二級の高級アルコールを、18モルまでのアルキルオキシド又はそれ以上のものと縮合された縮合生成物となり得る。脂肪酸鎖の長さやアルコキシ化の度合は、界面活性剤の正しい疎水性と親水性の特性を達成するために様々に変えることが可能である。様々な量のエチレンオキシドで縮合されたラウリル又はミリスチルアルコールの生成物のようなエトキシ化脂肪族アルコールは、本発明の洗浄用組成物に有益有用なアルコキシ化脂肪族アルコールの非限定的な例である。
アルコキシ化脂肪族アミンとして、これらのアミンは、一般的に界面活性剤の陽イオン性の種類としても商業的に知られており、一般式RNH(R’O)nHを有する。RはC8からC24の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、R’はC1からC5のアルキル基であり、nは1から30又はそれ以上の範囲を取りうる数値である。この類型のアミン界面活性剤は、エトキシ化脂肪族アミンの混合物を生成するため、第一級、第二級、又は第三級脂肪族アミンが、18モルまでのエチレンオキシド又はそれ以上のものと縮合された縮合生成物となり得る。脂肪酸鎖の長さやエトキシ化の程度は、界面活性剤の正しい疎水性と親水性との特性を達成するために様々に変えることが可能である。様々な量のエチレンオキシドで縮合されたラウリル又はミリスチルアルコールの生成物のようなエトキシ化脂肪族アルコールは、本発明の洗浄用組成物に有益有用なアルコキシ化脂肪族アルコールの非限定的な例である。
前述したように、界面活性剤混合物は、個々の界面活性剤であってもよく又は界面活性剤の混合であってもよい。アルコキシ化脂肪族アルコール及びアルコキシ化脂肪族アミンの有用なブレンドは、エトキシ化脂肪族アルコール及びエトキシ化脂肪族アミンのブレンドであってもよい。本発明の洗浄用組成物に有益に用いることが可能なエトキシ化脂肪族アルコール及びエトキシ化脂肪族アミン界面活性剤の混合のような非限定的な例としては、商品名アリポン(ARLYPON)(登録商標)VPCとしてコグニス社により販売されている界面活性剤が含まれる。
洗浄用組成物はまた、任意で香料や染料のような追加の成分を含めることも可能である。これらの追加成分は、エンドユーザーの消費者にとって組成物をより魅力的にするため、組成物の香りと外観とを向上させるため、洗浄用組成物に含めることができる。洗浄用組成物中で用いるのに適している従来の臭気化合物には香料やより複雑な香水がある。香料及び香水は天然のもの又は人工的に合成可能なものであってもよく、個々の化合物や化学物質又はこれらの組み合わせにすることも可能である。洗浄用組成物中に使用するのに適した香料及び香水には、酸互換性及び酸安定性のある化合物が含まれる。このような香料の非限定的な例には、高砂香料工業株式会社によって販売されているTNF4707がある。適切な酸安定性のある香料は、約0.05%から1.0%の水準まで含まれてもよい。
香料のほかに、組成物の外観を変更してユーザーを楽しませる色と色合いを生成するために有用である1つ以上の着色剤を、洗浄用組成物に添加することができる。着色剤は、処理済み表面、特に便器の内側表面に塗布された洗浄用組成物の視認性の向上にも有用である。洗浄用組成物着色剤として有用な既知の顔料及び染料には、食品・医薬品・化粧品(FD&C)向け米国食品医薬局のリストの承認済み染料が含まれるが、これらに限定されるものではない。一般的に、非常に少量の酸安定性着色剤は洗浄用組成物に色を付けるのに有用である。洗浄用組成物の着色剤の例としては、約0.005%で添加されるアシッドブルー9が含まれる。
[用途と使用]
上述した洗浄用組成物は、便器クリーナーとして用いられる粘性のある液体である。便器クリーナーとして、洗浄用組成物を用いる方法は、以下の工程を含む:i)酸と抗菌活性ジアミン界面活性剤とを含む洗浄用組成物、4未満のpHと少なくとも100センチポアズの粘度とを有する洗浄用組成物を提供すること、ii)便器表面に付着した汚染物質を有する便器表面の汚れた部分と洗浄用組成物とを接触させる工程、及び、iii)トイレを水洗することによって表面に供給される水流で、便器表面の汚れた部分から汚染物質と一緒に洗浄用組成物を除去する工程。
また、便器表面を消毒洗浄する便器クリーナー及び表面に洗浄用組成物を用いる方法は、洗浄用組成物と便器表面上の微生物との接触を通して便器の内側表面のような表面を消毒することをさらに含む。
[配合]
抗菌活性ジアミン界面活性剤を有する本発明の洗浄用組成物が100センチポアズより大きい液体粘度を有することを示すため、本発明に係る洗浄用組成物の例を以下に記載する。当分野の技術者には、本発明の洗浄用組成物は、多くの一般的に知られている望ましくない微生物に対して有効である抗菌活性ジアミン界面活性剤を有する適切な水性酸性組成物となりうることが理解されるであろう。
水のほかに、酸は重量ベースで洗浄用組成物の主要な成分である。塩酸は、洗浄用組成物を酸性化するために使用される典型的な酸である。
水や酸に加えて、洗浄用組成物は、多くの異なるタイプの界面活性剤を含む。界面活性剤の1つは、抗菌活性ジアミンである。このタイプの界面活性剤は、表面を洗浄し消毒するように作用するだけでなく、本発明の洗浄用組成物に含まれる場合、そのジアミン界面活性剤は洗浄用組成物の粘度を大きく上昇させる。抗菌活性ジアミン界面活性剤は、N−(3−アミノプロピル)−N−ドデシルプロパン−1,3−ジアミン(ロンザバック(Lonzabac)(登録商標)−12.100)のような、アルキルアミノジアミン界面活性剤、及び、アミン、N−C10−16−アルキルトリメチレンジとクロロ酢酸(レオシド(REWOCID)WK30)の反応生成物のようなアルキルジアミノカルボン酸界面活性剤を含むが、これらに限定されない。
界面活性剤混合物は、抗菌活性ジアミン界面活性剤に加え、多くの追加界面活性剤をさらに含むことが可能であり、本発明の洗浄用組成物の一部である。このような界面活性剤及び混合物は、洗浄用組成物の流動や表面相互作用性のような流体特性を変えるために用いられる。この点で、適切な界面活性剤混合物は、約60%のN、N−ジメチルテトラデカン−1−アミンオキシドと40%のN、N−ジメチルヘキサデカン−1−アミンオキシド(アンモニックス(Ammonyx)(登録商標)X2182)のブレンドのような、約75重量%のアルキルジメチルアミンオキシドと、ヘキサデシル(トリメチル)アンモニウムクロライド(アーカード(Arquad)(登録商標)16−29)のような第四級アンモニウム界面活性剤を約25重量%含む。
当分野の技術者には、洗浄用組成物は、香料及び/又は着色剤のような任意成分をさらに含むことが可能であると理解されるであろう。水性酸性洗浄用組成物中に用いるのに適した酸可溶性及び酸安定性の香料には、高砂香料工業株式会社によって販売されている高砂TNF4707が含まれるが、これに限定されない。そのような洗浄用組成物中に用いるのに適した着色剤や染料には、アシッドブルー9が含まれるが、これに限定されない。
本発明に係る洗浄用組成物の配合の一例は次のとおりである。
(1)界面活性剤混合物は、確認された各界面活性剤を個別に、又は他の確認された界面活性剤との組み合わせにより含むことができる。
[実験結果]
実施例1:特定の洗浄用組成物配合の試料が、様々な成分の混合を含む一連の手順を用いて調合された。洗浄用組成物調合のためのどの特定のやり方にも拘束されることなく、どのように本実施例の洗浄用組成物が調合されたかについて記述する。
最初の酸性水溶液は、脱イオン水に塩酸(32%)を混合することにより調合された。界面活性剤混合物が酸性水溶液に添加された。実験では界面活性剤の添加は特定の順序でなされたが、界面活性剤混合物の添加は、多くのやり方で進めることが可能である。1つの方法は、個々の界面活性剤を一緒に添加して混合し、それから酸性水溶液に界面活性剤混合物を添加するやり方である。あるいは、個々の界面活性剤をそれぞれ酸性水溶液中に直接添加し混合することも可能である。界面活性剤混合物又は直接酸性水溶液中への個々の界面活性剤の添加の順序は様々なものが可能である。しかしながら、洗浄用組成物の特性は、添加が個別であっても混合物としてであっても、酸性水溶液への界面活性剤の添加の順序とは無関係であると考えられている。
この実施例では、界面活性剤混合物を構成する個々の界面活性剤成分は、酸性水溶液に直接添加され、溶液は次の界面活性剤成分が添加される前に混ぜ合わせられた。最後の界面活性剤が添加された後に、得られた酸性水溶液もまた混ぜ合わせられた。この実施例ではより具体的には、第四級アミン(アーカード(Arquad)(登録商標)16−29)が酸性水溶液に添加され、得られた溶液が混ぜ合わせられ、その後アミンオキシド混合物(アンモニックス(Ammonyx)(登録商標)X2182)が添加され、得られた溶液が混ぜ合わせられた。
界面活性剤混合物の添加後、酸性水溶液への任意成分、香料及び色が添加された。香料、高砂TNF4707が添加され、溶液が混ぜ合わせられた。次に染料、アシッドブルー9が添加され、得られた溶液が混ぜ合わせられた。
酸性水溶液に抗菌活性ジアミン界面活性剤が添加される前に、溶液の視覚的及び物理的特性が観察され、測定された。溶液中に存在する成分を混ぜ合わせた後に観察された視覚的特徴は、成分の分離であった。測定された溶液の物理的特性は、12.5センチポアズという比較的低い粘度であった。
洗浄用組成物を生成するため、比較的低粘度の酸性溶液に添加される最後の成分は、抗菌活性ジアミン界面活性剤であった。ロンザバック(Lonzabac)(登録商標)12.100(90%活性)は、この最初の実施例で用いられた抗菌活性ジアミン界面活性剤であった。ジアミン界面活性剤が添加された後、溶液は混ぜ合わされた。また、追加の脱イオン水は、他の実施例の配合との比較のため、洗浄用組成物の仕上げのために必要に応じて添加され混ぜ合わされた。
酸性水溶液に抗菌活性ジアミン界面活性剤を添加し、混合したところ、結果として得られた洗浄用組成物の視覚的及び物理的特性の面で、劇的な驚くべき結果がもたらされた。この実施例では、結果として得られた洗浄用組成物は、成分分離が観察されなかったという点で、優れた成分安定性を示した。また、洗浄用組成物の粘度は、抗菌活性ジアミン界面活性剤が添加される前の溶液粘度である12.5センチポアズを大幅に上回る、275センチポアズという驚くべき高い値であった。このように、約260センチポアズという粘度増加は、ロンザバック(Lonzabac)(登録商標)12.100界面活性剤の添加に起因するものであった。
実施例1の洗浄用組成物の配合は次のとおりである。
(1)抗菌活性ジアミン界面活性剤はロンザバック(Lonzabac)(登録商標)−12.100(90%活性)である。
実施例2:洗浄剤組成物の第二配合が調合された。第二配合例を調合するために使われたやり方は、前述の実施例の組成物を調合するために用いられたものと同じであった。再び、抗菌活性ジアミン界面活性剤を添加する前に、酸性水溶液が調合された。この第二配合溶液もまた、脱イオン水、塩酸(32%)、界面活性剤混合物(アーカード(Arquad)(登録商標)16−29及びアモニックス(登録商標)X2182)、香料(高砂TNF4707)及び染料(アシッドブルー9)を含有していた。成分は列挙された順番で添加され混ぜ合わせられた。
前出の実施例にあるように、酸性水溶液に抗菌活性ジアミン界面活性剤が添加される前に、溶液の視覚的及び物理的特徴の観察及び測定が行われた。混合後、再び視覚的観察が行われ、溶液中の成分が分離し始めることが確認され、溶液の不安定性が明らにとなった。物理的特徴については、前出の実施例と同じように、測定された溶液粘度は比較的低い12.5センチポアズというものであった。
最初の実施例にあるように、再び抗菌活性を有するジアミン界面活性剤が比較的低粘度の溶液に添加され混ぜ合わせられた。この実験で使用された抗菌活性ジアミン界面活性剤はレオシド(REWOCID)WK(30%活性)であった。
酸性水溶液に抗菌活性ジアミン界面活性剤を添加し、混合したところ、視覚的及び物理的特性の面で、劇的かつ全く驚くべき結果がもたらされた。この実施例については、成分分離が観察されなかったという点で、結果として得られた洗浄用組成物は優れた成分安定性を示した。また、最初の実施例で測定された粘度よりもさらに高い高粘度が観察された。洗浄用組成物の粘度は予想外の上昇で438センチポアズに達したが、これは抗菌活性ジアミン界面活性剤が添加される前の溶液粘度12.5センチポアズから相当な上昇となった。したがって、洗浄用組成物粘度における約425センチポアズの上昇は、レオシド(REWOCID)WK(30%活性)界面活性剤の添加に起因するものであった。
実施例2の洗浄用組成物の配合は次のとおりである。
(1)抗菌活性ジアミン界面活性剤はレオシド(REWOCID)WK(30%活性)である。
実施例3:洗浄用組成物の別の配合が調合された。この第三配合を調合するための手法は、上述した前の実施例で使用された手法と同様のものであった。第三配合用に、殺生物性界面活性剤を加える前に酸性水溶液が調合された。この実施例では、殺生物性界面活性剤は、実施例1及び実施例2で用いられた抗菌活性ジアミン界面活性剤とは、まったく異なる第四級アミンであった。
他の実施例のように、酸性水溶液には、脱イオン水、塩酸(32%)、界面活性剤混合物(アーカード(Arquad)(登録商標)16−29とアモニックス(Ammonyx)(登録商標)X2182)、香料(高砂TNF4707)、染料(アシッドブルー9)が含まれていた。本実施例の成分は列挙された順番で添加され混ぜ合わせられた。これは前の実施例で用いられた手順と同じものである。
酸性水溶液に殺生物性界面活性剤が添加される前に、再び溶液の視覚的及び物理的特徴の観察測定が行われた。前出の2つの実施例とは異なり、殺生物性界面活性剤が添加される前と後とでは、溶液の視覚的及び物理的特徴の本質的変化は観察されなかった。この実施例については、最終的な不安定な混合溶液の成分が互いに物理的に分離する様子が観察された。溶液粘度の測定値は変化せず、比較的低い12.5センチポアズであった。
実施例3で使用された殺生物性第四級アミン界面活性剤は、実施例1及び2で使用された抗菌活性ジアミン界面活性剤とは、化学的には別物であった。そうであったとしても、同等量の殺生物性第四級アミン界面活性剤が、比較的低粘度の酸性水溶液に添加され混ぜ合わせられた。この実施例については、前の実施例での抗菌活性ジアミン界面活性剤の場合に用いられたレベルと同等のレベルである、0.300重量パーセント濃度の殺生物性界面活性剤(アーカード(Arquad)(登録商標)2.10(50%活性))が溶液に加えられた。ただし、この第三配合については、粘度については変化が無いことに留意されたい。また、殺生物性第四級アミン界面活性剤が添加される前と後との両方において、最終的に得られた洗浄用組成物の成分が分離することが観察された。したがって、アーカード(Arquad)(登録商標)2.10界面活性剤の添加は、洗浄用組成物粘度と成分分離の両方において、影響が無いか、あったとしても最小限のものとなった。
実施例4:洗浄用組成物の第四配合には、前の実施例とは異なる界面活性剤混合物が含まれることとなった。第四配合を調合するにあたって用いられた手法は、異なる界面活性剤混合物であることを除けば上述した前の実施例で用いられている手法と同様のものであった。第四配合については、実施例2で使用された界面活性剤と同じものである、抗菌活性ジアミン界面活性剤レオシド(REWOCID)WK(30%活性)が添加される前に、酸性水溶液が調合された。
この実施例では、酸性水溶液には、脱イオン水、塩酸(32%)、界面活性剤混合物(アリポン(ARLYPON)(登録商標)VPC)、香料(ノースマン(Norseman))、染料(アシッドブルー9)が含まれていた。本実施例の成分は、前の実施例で用いられた手法と矛盾しないやり方で添加され混ぜ合わせられた。
この洗浄用組成物配合で使用された抗菌活性ジアミン界面活性剤は、実施例2のように、再びレオシド(REWOCID)WK(30%活性)であった。
洗浄用組成物を生成するために、抗菌活性ジアミン界面活性剤を酸性水溶液に添加したところ、視覚的及び物理的特性が改善された。この実施例に関しては、成分分離が観察されなかったという点で、最終的に得られた洗浄用組成物は高い成分安定性を示した。また、413センチポアズという比較的高い粘度が測定された。この粘度は、界面活性剤アリポン(ARLYPON)(登録商標)VPCのみを含む酸性水溶液の粘度を超えるものであった。したがって、この実施例は、この実施例ではレオシド(REWOCID)WK(30%活性)であった抗菌活性ジアミン界面活性剤に起因する粘度の驚くべき上昇を再び示している。
実施例4の洗浄用組成物の配合は次のとおりである。
(1)抗菌活性ジアミン界面活性剤はレオシド(REWOCID)WK(30%活性)である。
本文に開示されている発明の実施形態が現在好ましいとされているが、発明の範囲から離れること無く、様々な変更や修正を加えることが可能である。発明の範囲は添付の特許請求の範囲に記載されており、等価物の意味及び範囲に含まれる全ての変更は本発明に包含されることが意図されている。