JP2013230744A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】面内曲げ剛性を高めてコーナリングフォースを向上すると共に、面外曲げ剛性を低減して接地性を向上してラップタイムを改善した空気入りタイヤにおいて、バックリングを抑制し耐ドロップ性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】
カーカス層4と少なくとも2層の非金属材料からなるベルト層7とを有する空気入りタイヤであって、ベルト層7とカーカス層4との層間にベルト下補強層10を配置し、ベルト下補強層10を構成する補強コード10aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θを0±10°の範囲にすると共に、ベルト下補強層10の幅wを最内ベルト層71の幅Wの10%以上110%以下にする。
【選択図】図1
【解決手段】
カーカス層4と少なくとも2層の非金属材料からなるベルト層7とを有する空気入りタイヤであって、ベルト層7とカーカス層4との層間にベルト下補強層10を配置し、ベルト下補強層10を構成する補強コード10aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θを0±10°の範囲にすると共に、ベルト下補強層10の幅wを最内ベルト層71の幅Wの10%以上110%以下にする。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、サーキット走行時のラップタイムを改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
近年、レーシングタイヤでは、ラップタイムを短縮するために、面内曲げ剛性を高めてコーナリングフォースを向上する一方で、面外曲げ剛性を低減して接地性を向上することが求められている。即ち、面外曲げ剛性を低減してトレッド面を撓み易くすることで接地面を広げ、その広い接地面において高い面内曲げ剛性による優れたコーナリングフォースを得ることで、これらの相乗によりコーナリング性能を一段と向上し、ラップタイムを短縮することが出来る。
従来、空気入りタイヤにおいて、ベルト構造にアラミド繊維コード等の高強度の有機繊維コード(非金属材料)を使用することが為されている(例えば、特許文献1参照)。このような高強度の有機繊維コードをベルト層に用いた場合、コードの曲げ剛性が低いため面外曲げ剛性を低減することが出来、その一方で、コードの引張剛性が高いため面内曲げ剛性は高く保つことが出来るので、上述のように低い面外曲げ剛性と高い面内曲げ剛性との相乗によるコーナリング性能の向上が見込める。
しかし、上述のように有機繊維コードを用いた場合、面外曲げ剛性が低いことによって、タイヤの接地面の中央部付近が浮き上がるバックリングが生じ易くなり、却って実接地面積(実際に接地する面積)が減少すると云う問題がある。このようにバックリングが生じて実接地面積が減少すると、特に継続走行時に発生する局部的なゴム劣化がタイヤ性能に大きく影響するようになる。即ち、バックリングが生じたタイヤでは、実接地面積が小さい分、局部的なゴム劣化が生じた部分が実接地面内で占める割合が大きくなり、ゴム劣化によるタイヤ性能の悪化が顕著に現れるようになる。
そのため、ベルト層に有機繊維コードを用いることで高い面内曲げ剛性と低い面外曲げ剛性とを両立してコーナリング性能を高める場合に、上述のバックリングの発生を抑制して、ラップタイムの急落を抑制する(耐ドロップ性を向上する)ことが求められている。
本発明の目的は、上述する問題点を解決するもので、高い面内曲げ剛性と低い面外曲げ剛性とによってコーナリング性能を高めてラップタイムを改善した空気入りタイヤにおいて、バックリングを抑制して耐ドロップ性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された少なくとも2層の非金属材料からなるベルト層とを有する空気入りタイヤであって、前記ベルト層と前記カーカス層との層間にベルト下補強層を配置し、該ベルト下補強層を構成する補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度を0±10°の範囲にすると共に、前記ベルト下補強層の幅を前記ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内ベルト層の幅の10%以上110%以下にしたことを特徴とする。
本発明は、上述のように、ベルト層を非金属材料から構成しているので、面外曲げ剛性を低減して接地面積を大きくしながら、面内曲げ剛性を高度に維持してコーナリングフォースを向上して、広い接地面において優れたコーナリングフォースを発揮してコーナリング性能を改善することで最速ラップタイムを短縮することが出来る。その一方で、ベルト層とカーカス層との層間に、最内ベルト層の幅の10%以上110%以下の幅を有し、タイヤ周方向に対する傾斜角度が0±10°の範囲にある補強コードからなるベルト下補強層を配置しているので、面外曲げ剛性の低下に伴うバックリングを抑制し、継続走行時のラップタイムの急落を抑制する(耐ドロップ性を向上する)ことが出来る。
本発明においては、ベルト下補強層の幅を最内ベルト層の幅の30%以上100%以下にすることが好ましい。このようにベルト下補強層の幅を規定することで、より効果的にバックリングを抑制し、耐ドロップ性を向上することが出来る。
本発明においては、ベルト層の外周側に少なくとも1層のベルトカバー層を配置すると共に、下記(1)式で表わされるベルトカバー層の1層当たりの剛性係数GC と下記(2)式で表わされるベルト下補強層の1層当たりの剛性係数GU との比GU /GC を0.3〜1.0の範囲にすることが好ましい。
GC =MC ×π×dC 2 ×EC /50 (1)
GU =MU ×π×dU 2 ×EU /50 (2)
(但し、MC はベルトカバー層の補強コードの初期モジュラス(MPa)、dC はベルトカバー層の補強コードの半径(mm)、EC はベルトカバー層の断面幅50mm当たりの補強コードの打ち込み本数(本/50mm)、MU はベルト下補強層の補強コードの初期モジュラス(MPa)、dU はベルト下補強層の補強コードの半径(mm)、EU はベルト下補強層の断面幅50mm当たりの補強コードの打ち込み本数(本/50mm))
GC =MC ×π×dC 2 ×EC /50 (1)
GU =MU ×π×dU 2 ×EU /50 (2)
(但し、MC はベルトカバー層の補強コードの初期モジュラス(MPa)、dC はベルトカバー層の補強コードの半径(mm)、EC はベルトカバー層の断面幅50mm当たりの補強コードの打ち込み本数(本/50mm)、MU はベルト下補強層の補強コードの初期モジュラス(MPa)、dU はベルト下補強層の補強コードの半径(mm)、EU はベルト下補強層の断面幅50mm当たりの補強コードの打ち込み本数(本/50mm))
このようにベルトカバー層を設けると共に剛性係数の比GU /GCを限定することで、よりベルト剛性のバランスを良好にすることが出来るので、優れた耐ドロップ性を維持しながら、最速タイムを改善することが出来る。
このとき、ベルトカバー層を構成する補強コードの打ち込み本数ECに対するベルト下補強層を構成する補強コードの打ち込み本数EU の比EU /EC を0.3〜1.0の範囲にすることが好ましい。また、ベルトカバー層を構成する補強コードのコード径DC に対するベルト下補強層を構成する補強コードのコード径DU の比DU /DC を0.55〜1.00の範囲にすることが好ましい。このように打ち込み本数の比EU /EC やコード径の比DU /DC を限定することで、上述の剛性係数の関係を達成し、ベルト剛性のバランスを良好にして、優れた耐ドロップ性を維持しながら、最速タイムを改善することが出来る。
本発明においては、ベルト下補強層を構成する補強コードがナイロン繊維コード、ポリエステル繊維コード、アラミド繊維コードのいずれかであることが好ましい。このようにベルト下補強層を特定の有機繊維コードから構成することで、面外曲げ剛性を低く維持したまま効果的にバックリングを抑制することが出来る。
本発明においては、ベルト層を構成する非金属材料がアラミド繊維コードであることが好ましい。このようにアラミド繊維コードを用いることで、面外曲げ剛性を低減しながら面内曲げ剛性を高めることが出来るので、コーナリング性能と接地性を両立してラップタイムを改善することが出来る。
本発明の空気入りタイヤは、レーシング用空気入りタイヤとして好適に用いることが出来る。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態からなるレーシング用空気入りタイヤを示す。図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間には1層のカーカス層4が装架され、このカーカス層4の端部がビードコア5の周りにタイヤ内側から外側に折り返されている。ビードコア5の外周側にはゴムからなる断面三角形状のビードフィラー6が配置されている。トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、タイヤ径方向内側から1層のベルト下補強層10、2層の非金属材料からなるベルト層71,72、ベルトカバー層8がいずれもタイヤ全周に亘って配置されている。
このような断面形状を有する空気入りタイヤにおいて、カーカス層4、ベルト下補強層10、ベルト層71,72、ベルトカバー層8は、図2に示すように配置される。即ち、カーカス層4はタイヤ径方向に対して傾斜するカーカスコード4aを含み、このカーカスコード4aのタイヤ周方向に対する傾斜角度αが45°以上90°未満に設定されている。また、2層のベルト層71,72は、タイヤ周方向に対して傾斜するベルトコード71a,72aを含み、かつ層間でこれらベルトコード71a,72aが互いに交差するように配置され、ベルトコード71a,72aのタイヤ周方向に対する傾斜角度βは10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側に設けられたベルトカバー層8は、略タイヤ周方向に配列されたコード8aを含む。尚、略タイヤ周方向とは、タイヤ周方向に対して0±10°の範囲を含む。
本発明の空気入りタイヤは、このように構成することで、面内曲げ剛性を高めてコーナリングフォースを向上する一方で面外曲げ剛性を低減して接地性を向上し、広い接地面において優れたコーナリングフォースを発揮するようにし、コーナリング性能を向上してラップタイムを改善している。このとき、カーカスコード4aの傾斜角度αが45°より小さいと、カーカスコード4aがタイヤ周方向に沿って配列するようになるので面内曲げ剛性が低減してコーナリング性能を充分に向上することが出来ない。また、ベルトコード71a,72aの傾斜角度βが10°より小さいとトレッド部1の剛性が高くなり過ぎてコントロール性が低下する。逆に、この傾斜角度βが40°より大きいとトレッド部1の剛性が低くなりタイヤ接地形状が悪化することになる。
一方、カーカス層4とベルト層7との層間に設けられたベルト下補強層10は、タイヤ周方向に対して傾斜する補強コード10aから構成され、この補強コード10aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θは0±10°の範囲に設定されている。また、このベルト下補強層10の幅wは、ベルト層7のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内ベルト層71の幅Wの10%以上110%以下に設定されている。
このようにベルト下補強層10を設けることで、上述のように面外曲げ剛性を低減した結果発生し易くなるバックリングを抑制して、耐ドロップ性を向上することが出来る。即ち、上記ベルト下補強層10によってバックリングを抑えて実接地面積を大きく維持することが出来るので、継続走行時に局部的なゴム劣化が発生しても、局部的なゴム劣化が生じた部分が実接地面内で占める割合が小さく、ゴム劣化が生じていない部分によってタイヤ性能が保たれるので、タイヤ全体としての性能が良好に維持され、継続走行時のラップタイムの急落を抑制する(耐ドロップ性を向上する)ことが出来る。
このとき、補強コード10aがタイヤ周方向に対して10°よりも大きく傾斜していると、直線性が損なわれるので最速ラップタイムが悪化する。また、ベルト下補強層10の幅wが最内ベルト層71の幅Wの10%より小さいと、ベルト下補強層10を設けてもバックリングを抑制する効果が得られない。逆に、ベルト下補強層10の幅wが最内ベルト層71の幅Wの110%より大きいと、タイヤ剛性が過多になり、最速ラップタイムを向上することが出来ない。
尚、ベルト下補強層10は、どのような幅であってもタイヤ赤道面Eを含む位置に配置する。これによりタイヤ接地面の中で最もタイヤ周方向の接地長が長くバックリングが生じ易いタイヤ赤道面E上の領域をベルト下補強層10で補強することが出来る。
ここで、上述のように構成した本発明の空気入りタイヤの効果について、特にサーキット走行時のラップタイムの推移を以って説明する。図3は、本発明及び従来の空気入りタイヤのサーキット走行時のラップタイムの推移を示す。この図3では、ラップタイムを走行時間の逆数で示しており、グラフの頂点(最速ラップタイム)が最もラップタイムが短くなっている。
図3の点線は、従来の空気入りタイヤのサーキット走行時のラップタイムの推移を示す。即ち、従来の空気入りタイヤでは、一般的に、走行開始から徐々にラップタイムが向上するが、周回を繰り返し、周回回数(ラップ)が一定数を超えるとゴム劣化等の影響が大きくなり徐々にラップタイムが悪化する。一方、単純にベルト層7に非金属材料を用いて面内曲げ剛性及び面外曲げ剛性を設定した場合、図3の一点鎖線に示すように、最速ラップタイムを改善することが出来るものの、その後、上述のバックリングの影響によりラップタイムの急落(ドロップ)が発生し、従来の空気入りタイヤよりも多数周回後のラップタイムが悪化する。これに対して、上述のベルト下補強層10を備えた本発明の空気入りタイヤでは、図3の実線に示すように、最速ラップタイムを改善するだけでなく、その後のラップタイムの悪化を抑制し、多数周回後であっても優れたラップタイムを維持することが出来る。
本発明においては、ベルト下補強層10の幅wは、より好ましくは最内ベルト層71の幅Wの30%以上100%以下に設定すると良い。これにより、より効果的に継続走行時のラップタイムの急落を抑制する(耐ドロップ性を向上する)ことが出来る。また、最速ラップタイムを向上する効果との両立が図れる。
本発明では、図1,2に示すように、ベルト層の外周側に少なくとも1層のベルトカバー層8を配置する場合、下記(1)式で表わされるベルトカバー層8の1層当たりの剛性係数GC と下記(2)式で表わされるベルト下補強層10の1層当たりの剛性係数GU との比GU /GC を0.3〜1.0の範囲にすることが好ましい。
GC =MC ×π×dC 2 ×EC /50 (1)
GU =MU ×π×dU 2 ×EU /50 (2)
(但し、MC はベルトカバー層8の補強コード8aの初期モジュラス(MPa)、dC はベルトカバー層8の補強コード8aの半径(mm)、EC はベルトカバー層8の断面幅50mm当たりの補強コード8aの打ち込み本数(本/50mm)、MU はベルト下補強層10の補強コード10aの初期モジュラス(MPa)、dU はベルト下補強層10の補強コード10aの半径(mm)、EU はベルト下補強層10の断面幅50mm当たりの補強コード10aの打ち込み本数(本/50mm))
GC =MC ×π×dC 2 ×EC /50 (1)
GU =MU ×π×dU 2 ×EU /50 (2)
(但し、MC はベルトカバー層8の補強コード8aの初期モジュラス(MPa)、dC はベルトカバー層8の補強コード8aの半径(mm)、EC はベルトカバー層8の断面幅50mm当たりの補強コード8aの打ち込み本数(本/50mm)、MU はベルト下補強層10の補強コード10aの初期モジュラス(MPa)、dU はベルト下補強層10の補強コード10aの半径(mm)、EU はベルト下補強層10の断面幅50mm当たりの補強コード10aの打ち込み本数(本/50mm))
このようにベルトカバー層8を設けると共に剛性係数の比GU /GC を限定することで、よりベルト剛性のバランスを良好にすることが出来るので、優れた耐ドロップ性を維持しながら、最速ラップタイムを改善することが出来る。
このとき、剛性係数の比GU /GC が0.3より小さいと最速ラップタイムを改善する効果が充分に得られないうえ、耐ドロップ性も十分ではなくなってしまう。また、剛性係数の比GU /GC が1.0より大きくても最速ラップタイムを改善する効果が充分に得られない。
剛性係数GU ,GC は、上述のように補強コードの打ち込み本数EC ,EU や半径dC ,dU によって定義される値であるので、ベルト下補強層10を構成する補強コード10aの打ち込み本数EU に対するベルトカバー層8を構成する補強コード8aの打ち込み本数EC の比EU /EC を0.3〜1.0の範囲にすることや、ベルト下補強層10を構成する補強コード10aのコード径DU に対するベルトカバー層8を構成する補強コード8aのコード径DC の比DU /DC を0.55〜1.00の範囲にすることで、上述の剛性係数の関係を達成することが出来る。即ち、打ち込み本数の比EU /EC や、コード径の比DU /DC を特定の範囲に限定することで、よりベルト剛性のバランスを良好にして、優れた耐ドロップ性を維持しながら、最速タイムを改善することが出来る。尚、補強コードの半径dC ,dU は、それぞれ補強コードのコード径DC ,DU の1/2倍の値である。
このとき、打ち込み本数の比EU /EC が0.3より小さいと最速ラップタイムを改善する効果が充分に得られないうえ、耐ドロップ性も十分ではなくなってしまう。また、打ち込み本数の比EU /EC が1.0より大きくても最速ラップタイムを改善する効果が充分に得られない。また、コード径の比DU /DC が0.55より小さいと最速ラップタイムを改善する効果が充分に得られないうえ、耐ドロップ性も十分ではなくなってしまう。また、コード径の比DU /DC が1.00より大きくても最速ラップタイムを改善する効果が充分に得られない。
本発明では、カーカスコード4aの材質は特に限定されないが、カーカスコード4aとしては、ナイロン繊維コード,レーヨン繊維コード,アラミド繊維コード等の有機繊維コードを挙げることが出来る。図示の例では、1層のカーカス層4が設けられているが、カーカス層4は1層以上を設ければ、特に層数については限定されない。
本発明では、ベルトコード71a,72aの材質は非金属材料であれば特に限定されないが、ベルトコード71a,72aとしては、好ましくはアラミド繊維コードを用いると良い。アラミド繊維コードであれば、面外曲げ剛性を低減する一方で面内曲げ剛性を高めることが出来るので、コーナリング性能と接地性とを両立してラップタイムを向上することが出来る。尚、図示の例では、2層のベルト層71,72とが設けられているが、ベルト層7は2層以上を設ければ、特に層数については限定されない。
本発明では、ベルトカバー層8を構成するコード8aの材質は特に限定されないが、好ましくはナイロン繊維コード,レーヨン繊維コード、アラミド繊維コード等を用いると良い。図示の例では、1層のベルトカバー層8が設けられているが、複数層を設けても構わない。逆に、ベルトカバー層8を設けない場合であっても、上述のようにベルト下補強層10を配置すれば、最速ラップタイムを改善すると共に、多数周回後のラップタイムを維持する効果を得ることが出来る。また、ベルトカバー層8は、図示のようにベルト層7の全幅を覆うものでなく、ベルト層7の一部のみを覆うものであっても構わない。
本発明では、ベルト下補強層10を構成する補強コード10aの材質は特に限定されないが、好ましくはナイロン繊維コード、ポリエステル繊維コード、アラミド繊維コードのいずれかであると良い。これら材質を選択することで、面外曲げ剛性を低く維持したまま効果的にバックリングを抑制することが出来る。尚、ベルト下補強層10として、上述の繊維(ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維)からなるコードではなくモノフィラメントを用いることは、荷重耐久性の低下を招くため好ましくない。
本発明のベルト下補強層10における補強コード10aの打ち込み本数は30〜65本/50mmの範囲であることが好ましい。また、ベルト下補強層10を構成する補強コード10aとしては、下記式で表わされる撚り係数Kが800〜4000のものを用いることが好ましい。同様に、本発明のベルトカバー層8における補強コード8aの打ち込み本数は30〜65本/50mmの範囲であることが好ましい。また、ベルトカバー層8を構成する補強コード8aとしては、下記(3)式で表わされる撚り係数Kが800〜4000のものを用いることが好ましい。
K=T×D1/2 (3)
(但し、Tは補強コードの撚り数(回/10cm)であり、Dは補強コードの総繊度(dtex)である。)
K=T×D1/2 (3)
(但し、Tは補強コードの撚り数(回/10cm)であり、Dは補強コードの総繊度(dtex)である。)
上記説明では、サーキットを超高速で走行するレーシング用空気入りタイヤを例示したが、本発明の空気入りタイヤは、乗用車用空気入りタイヤ等にも用いることが出来る。
タイヤサイズが330/710R18であり、ナイロン繊維コードを用いた1層のカーカス層を備えた図1に示す断面構造の空気入りタイヤにおいて、ベルト層の材質、ベルト下補強層の有無、最内ベルト層幅に対するベルト下補強層の幅、ベルト下補強層のコード角度、ベルト下補強層のコード打ち込み本数EU 、ベルト下補強層のコード径DU 、ベルト下補強層の剛性係数GU 、ベルト下補強層の材質、ベルトカバー層の有無、最内ベルト層幅に対するベルトカバー層の幅、ベルトカバー層のコード角度、ベルトカバー層のコード打ち込み本数EC 、ベルトカバー層のコード径DC 、ベルトカバー層の剛性係数GC 、ベルトカバー層の材質、剛性係数の比、コード打ち込み本数の比、コード径の比を表1,2のように異ならせた従来例1、比較例1〜5、実施例1〜17の23種類の試験タイヤを製作した。
尚、ベルト下補強層として用いたナイロン繊維コード(表1,2中では「ナイロンコード」と記載)は撚り係数Kが1600である。また、ベルトカバー層として用いたナイロン繊維コード(表1,2中では「ナイロンコード」と記載)は撚り係数Kが1600である。
これら23種類の試験タイヤについて、下記の評価方法により最速ラップタイム、20ラップのラップタイム、荷重耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
最速ラップタイム
各試験タイヤをリムサイズ13Jのホイールに組み付け、空気圧を120kPaとして排気量3500ccのGT車に装着し、1周約3.7kmの競技用のサーキットを20周走行し、1周にかかる走行時間(秒)を1周毎に計測した。測定された1周にかかる走行時間(ラップタイム)のうち最速のものを最速ラップタイムとした。評価結果は、測定された実数値にて示した。この値が小さいほど最速ラップタイムが小さいことを意味する。
各試験タイヤをリムサイズ13Jのホイールに組み付け、空気圧を120kPaとして排気量3500ccのGT車に装着し、1周約3.7kmの競技用のサーキットを20周走行し、1周にかかる走行時間(秒)を1周毎に計測した。測定された1周にかかる走行時間(ラップタイム)のうち最速のものを最速ラップタイムとした。評価結果は、測定された実数値にて示した。この値が小さいほど最速ラップタイムが小さいことを意味する。
20ラップのラップタイム
各試験タイヤをリムサイズ13Jのホイールに組み付け、空気圧を120kPaとして排気量3500ccのGT車に装着し、1周約3.7kmの競技用のサーキットを20周走行し、20ラップの際に1周にかかる走行時間(秒)を20ラップのラップタイムとして計測した。評価結果は、測定された実施例にて示した。この値が小さいほど20ラップのラップタイムが小さいことを意味する。
各試験タイヤをリムサイズ13Jのホイールに組み付け、空気圧を120kPaとして排気量3500ccのGT車に装着し、1周約3.7kmの競技用のサーキットを20周走行し、20ラップの際に1周にかかる走行時間(秒)を20ラップのラップタイムとして計測した。評価結果は、測定された実施例にて示した。この値が小さいほど20ラップのラップタイムが小さいことを意味する。
荷重耐久性
各試験タイヤを、リムサイズ13Jのホイールに組み付け、空気圧120kPaを充填し、キャンバー角2.5°、速度250k/h、試験温度25°の条件で、直径1707mmのドラム試験機を用い、6.0kNの荷重を負荷して20分走行後、20分おきに荷重を0.5kNずつ増加させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど荷重耐久性が優れていることを意味する。
各試験タイヤを、リムサイズ13Jのホイールに組み付け、空気圧120kPaを充填し、キャンバー角2.5°、速度250k/h、試験温度25°の条件で、直径1707mmのドラム試験機を用い、6.0kNの荷重を負荷して20分走行後、20分おきに荷重を0.5kNずつ増加させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど荷重耐久性が優れていることを意味する。
表1〜2から判るように、実施例1〜17はいずれもベルト層にスチールコードを用いる一方でベルト下補強層を有さない従来例1よりも最速ラップタイムを短縮すると共に、20ラップのラップタイムを短縮した。即ち、継続走行時のラップタイムの急落(ドロップ)を抑制した。また、荷重耐久性を良好に維持した。特に、ベルト下補強層の幅を好ましい範囲に限定した実施例1,2,4,5は最速ラップタイムの短縮と20ラップのラップタイムの短縮とを効果的に両立した。
更に、ベルトカバー層を追加し、ベルトカバー層とベルト下補強層との物性の関係を好ましい範囲に限定した実施例7,8,11,12,15,16は20ラップのラップタイムの短縮効果を高度に維持しながら、効果的に最速ラップタイムを短縮した。
一方、ベルト層をアラミド繊維コードのみから構成してベルト下補強層を用いない比較例1は、最速ラップタイムは向上するものの、20ラップのラップタイムが大幅に悪化した。また、ベルト下補強層の材質をナイロンモノフィラメントとした比較例2は、荷重耐久性が悪化した。ベルト下補強層のコード角度が大き過ぎる比較例3は、継続走行時のラップタイムの悪化は抑制できるものの最速ラップタイムが悪化した。ベルト下補強層の幅が狭い比較例4は、従来例1に対して最速ラップタイムや20ラップのラップタイムを改善する効果が得られなかった。ベルト下補強層の幅が大き過ぎる比較例5は、継続走行時のラップタイムの悪化は抑制できるものの最速ラップタイムが悪化した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
71 最内ベルト層
8 ベルトカバー層
10 ベルト下補強層
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
71 最内ベルト層
8 ベルトカバー層
10 ベルト下補強層
Claims (8)
- 一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された少なくとも2層の非金属材料からなるベルト層とを有する空気入りタイヤであって、前記ベルト層と前記カーカス層との層間にベルト下補強層を配置し、該ベルト下補強層を構成する補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度を0±10°の範囲にすると共に、前記ベルト下補強層の幅を前記ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内ベルト層の幅の10%以上110%以下にしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 前記ベルト下補強層の幅を前記最内ベルト層の幅の30%以上100%以下にしたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルト層の外周側に少なくとも1層のベルトカバー層を配置すると共に、下記(1)式で表わされる該ベルトカバー層の1層当たりの剛性係数GC と下記(2)式で表わされる前記ベルト下補強層の1層当たりの剛性係数GU との比GU /GC を0.3〜1.0の範囲にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
GC =MC ×π×dC 2 ×EC /50 (1)
GU =MU ×π×dU 2 ×EU /50 (2)
(但し、MC はベルトカバー層の補強コードの初期モジュラス(MPa)、dC はベルトカバー層の補強コードの半径(mm)、EC はベルトカバー層の断面幅50mm当たりの補強コードの打ち込み本数(本/50mm)、MU はベルト下補強層の補強コードの初期モジュラス(MPa)、dU はベルト下補強層の補強コードの半径(mm)、EU はベルト下補強層の断面幅50mm当たりの補強コードの打ち込み本数(本/50mm)) - 前記ベルト下補強層を構成する補強コードの打ち込み本数EU に対する前記ベルトカバー層を構成する補強コードの打ち込み本数EC の比EU /EC を0.3〜1.0の範囲にしたことを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルト下補強層を構成する補強コードのコード径DU に対する前記ベルトカバー層を構成する補強コードのコード径DC の比DU /DC を0.55〜1.00の範囲にしたことを特徴とする請求項3又は4に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルト下補強層を構成する補強コードがナイロン繊維コード、ポリエステル繊維コード、アラミド繊維コードのいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルト層を構成する非金属材料がアラミド繊維であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- レーシング用空気入りタイヤであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2012103274A JP2013230744A (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012103274A JP2013230744A (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
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Cited By (3)
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|---|---|---|---|---|
| JP2021167170A (ja) * | 2020-04-13 | 2021-10-21 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
| EP4570519A1 (en) * | 2023-12-14 | 2025-06-18 | Toyo Tire Corporation | Pneumatic tire |
| EP4570520A1 (en) * | 2023-12-14 | 2025-06-18 | Toyo Tire Corporation | Pneumatic tire |
-
2012
- 2012-04-27 JP JP2012103274A patent/JP2013230744A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021167170A (ja) * | 2020-04-13 | 2021-10-21 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
| WO2021210581A1 (ja) * | 2020-04-13 | 2021-10-21 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
| JP7311459B2 (ja) | 2020-04-13 | 2023-07-19 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
| EP4570519A1 (en) * | 2023-12-14 | 2025-06-18 | Toyo Tire Corporation | Pneumatic tire |
| EP4570520A1 (en) * | 2023-12-14 | 2025-06-18 | Toyo Tire Corporation | Pneumatic tire |
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