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JP2013225398A - 燃料電池スタック - Google Patents

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JP2013225398A
JP2013225398A JP2012096589A JP2012096589A JP2013225398A JP 2013225398 A JP2013225398 A JP 2013225398A JP 2012096589 A JP2012096589 A JP 2012096589A JP 2012096589 A JP2012096589 A JP 2012096589A JP 2013225398 A JP2013225398 A JP 2013225398A
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JP2012096589A
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Osamu Sakai
修 酒井
Seiichi Imakura
精一 今倉
Hideo Kasahara
英男 笠原
Aoi Muta
あおい 牟田
Jun Matsumura
潤 松村
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Panasonic Corp
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Panasonic Corp
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Abstract

【課題】触媒層の厚みと反応ガスの流れ方向との関係において、機能の向上が図られた燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック(10)は、アノード側触媒層(38)、カソード側触媒層(42)、高分子電解質膜(32)を有する膜−触媒層接合体(26)と、アノード側ガス拡散層(40)及びカソード側ガス拡散層(44)と、アノード側セパレータ(28)及びカソード側セパレータ(30)と、燃料ガス流路(29)と、酸化剤ガス流路(31)と、を備え、燃料ガス流路の全体的な(巨視的な)燃料ガスの流れ方向と酸化剤ガス流路の全体的な(巨視的な)酸化剤ガスの流れ方向とが平行であり、アノード側触媒層の厚さが、燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に変化するように形成され、かつ、カソード側触媒層の厚さが、酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に変化するように形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池スタックに関し、特に、膜−触媒層接合体の構造に関する。
従来の燃料電池スタックは、高分子電解質膜及び一対のガス拡散電極から構成されるMEA(Membrane-Electrode-Assembly:膜−電極積層体)と、これを挟む一対のセパレータと、を有している。これらのセパレータには、ガス拡散電極と当接する主面に反応ガス流路が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−87311号公報
しかしながら、上述した従来の燃料電池スタックでは、触媒層の厚みと反応ガスの流方向との関係について十分に検討されていなかった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、触媒層の厚みと反応ガスの流れ方向との関係において、従来技術に比べて機能の向上が図られた燃料電池スタックを提供することを目的としている。
本発明のある態様に係る、燃料電池スタックは、アノード側触媒層、カソード側触媒層、及び前記アノード側触媒層と前記カソード側触媒層とに挟まれる高分子電解質膜を有する膜−触媒層接合体と、前記膜−触媒層接合体を挟むようにして互いに対向するアノード側ガス拡散層及びカソード側ガス拡散層と、アノード側ガス拡散層及びカソード側ガス拡散層を挟むようにして互いに対向するアノード側セパレータ及びカソード側セパレータと、前記アノード側セパレータと前記アノード側ガス拡散層との間に設けられた燃料ガス流路と、前記カソード側セパレータと前記カソード側ガス拡散層の間に設けられた酸化剤ガス流路と、を備え、前記燃料ガス流路の全体的な(巨視的な)燃料ガスの流れ方向と前記酸化剤ガス流路の全体的な(巨視的な)酸化剤ガスの流れ方向とが平行であり、前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に変化するように形成され、かつ、前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に変化するように形成された。
本発明は、燃料電池スタックにおいて、触媒層の厚みと反応ガスの流れ方向との関係において、機能の向上が図られるという効果を奏する。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタックを含む燃料電池システムの構成を示す機能ブロック図である。 図1に示す燃料電池スタックを模式的に示す断面図である。 図1の燃料電池スタックにおける反応ガスの流れの一例を示す模式図である。 図1の燃料電池スタックにおける反応ガスの流れの他の例を示す模式図である。 図2に示す膜−触媒層接合体の製造システムを示す模式図である。 図4の製造システムにおける第1圧力計により検出された吐出圧力と、時間との関係を示すグラフである。 図4の製造システムにより製造された触媒層に含まれる触媒の単位面積当たりの重量(触媒目付)と、触媒層におけるX方向の位置との関係を示すグラフである。 カソード側触媒層に含まれる触媒の単位面積当たりの重量(触媒目付)と、セル電圧との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタックを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る燃料電池スタックを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態4に係る燃料電池スタックを模式的に示す断面図である。
本発明の第1の態様に係る燃料電池スタックは、アノード側触媒層、カソード側触媒層、及び前記アノード側触媒層と前記カソード側触媒層とに挟まれる高分子電解質膜を有する膜−触媒層接合体と、前記膜−触媒層接合体を挟むようにして互いに対向するアノード側ガス拡散層及びカソード側ガス拡散層と、アノード側ガス拡散層及びカソード側ガス拡散層を挟むようにして互いに対向するアノード側セパレータ及びカソード側セパレータと、前記アノード側セパレータと前記アノード側ガス拡散層との間に設けられた燃料ガス流路と、前記カソード側セパレータと前記カソード側ガス拡散層の間に設けられた酸化剤ガス流路と、を備え、前記燃料ガス流路の全体的な(巨視的な)燃料ガスの流れ方向と前記酸化剤ガス流路の全体的な(巨視的な)酸化剤ガスの流れ方向とが平行であり、前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に変化するように形成され、かつ、前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に変化するように形成されている。
この構成によれば、触媒層の厚みと反応ガスの流れ方向との関係において、機能の向上が図られるという効果を奏する。
本発明の第2の態様に係る燃料電池スタックでは、第1の態様において、前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に小さくなるように形成され、前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に大きくなるように形成されてもよい。
この構成によれば、燃料電池スタックで発電された電圧の向上が図られる。また、燃料ガスに含まれるアンモニアによる燃料電池スタックの機能の低下が抑制される。
本発明の第3の態様に係る燃料電池スタックでは、第1の態様において、前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に大きくなるように形成され、前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に小さくなるように形成されてもよい。
この構成によれば、空気中の汚染物質による燃料電池スタックの機能の低下が抑制される。また、逆拡散水に含まれる汚染物質による燃料電池スタックの機能の低下が抑制される。
本発明の第4の態様に係る燃料電池スタックでは、第1の態様において、前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に小さくなるように形成され、前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に小さくなるように形成されてもよい。
この構成によれば、空気中の汚染物質による燃料電池スタックの機能の低下が抑制される。また、燃料ガスに含まれるアンモニアによる燃料電池スタックの機能の低下が抑制される。
本発明の第5の態様に係る燃料電池スタックでは、第1の態様において、前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に大きくなるように形成され、前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に大きくなるように形成されてもよい。
この構成によれば、燃料電池スタックで発電された電圧の向上が図られる。また、逆拡散水に含まれる汚染物質による燃料電池スタックの機能の低下が抑制される。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[燃料電池システムの構成]
図1は、実施の形態1に係る燃料電池スタック10およびこれを含む燃料電池システム12の構成を示す機能ブロック図である。
燃料電池システム12は、燃料電池スタック(以下、「スタック」と称す。)10、酸化剤ガス供給器14、原料ガス供給器16、改質器18、燃焼器20および制御器22を備える。
酸化剤ガス供給器14は、酸化剤ガス供給路を介してスタック10に接続され、スタック10に酸化剤ガスを供給する。酸化剤ガスとしては、たとえば、空気や酸素などが挙げられる。酸化剤ガス供給器14には、たとえば、空気を送風するファンやブロアなどの送風機、酸素ボンベなどが用いられる。酸化剤ガス供給器14は、制御器22からの制御信号に応じて酸化剤ガスを送出する流量を調整する流量調整機能を有する。
原料ガス供給器16は、原料ガス供給路を介して改質器18に接続され、改質器18に原料ガスを供給する。原料ガス供給器16は、たとえば、原料ガスボンベ、原料ガス供給インフラストラクチャに接続されるブースタ、開閉弁および流量調整弁等で構成される。原料ガス供給器16は、原料ガスを供給する機能と原料ガスの流量(flow rate)を調整する機能とを有する。原料ガスとしては、たとえば、天然ガス等の炭化水素系ガス、プロパンガス等の他の炭化水素系ガス、灯油等の常温で液体の炭化水素系燃料、メタノールなどの炭化水素以外の有機系燃料が挙げられる。
改質器18は、燃料ガス供給路を介してスタック10に接続される。改質器18には、原料ガス供給器16から原料ガスが供給される。さらに、改質器18には、改質方式(水蒸気改質方式、部分酸化方式、又はオートサーマル方式)に応じて、水蒸気及び又は空気などの酸素含有ガスが図示されない供給経路を通じて供給される。改質器18は、たとえば、水蒸気改質方式の場合、燃焼器20の近傍に配置され、これらからの熱を利用して原料ガスを改質し、水素を含む燃料ガスを生成する。そして、この燃料ガスをスタック10に供給する。
スタック10は、後述するように、燃料ガスと酸化剤ガスとを酸化還元反応(発電反応)させることにより発電する。このスタック10には温度検出器(図示せず)が設けられる。温度検出器により検出されたスタック10内の温度は制御器22へ出力される。
燃焼器20は、発電ガス排出路を介してスタック10に接続され、燃焼器20にスタック10から発電排ガスが供給される。発電排ガスは、発電反応に用いられなかった燃料ガス及び酸化剤ガスと発電反応により生成された水(水蒸気)とを含む。燃焼器20は、改質器18の近傍に配置され、発電排ガスを燃焼することにより改質器18を加熱する。燃焼器20における燃焼により生成された燃焼排ガスは、図示されない排出経路を通じて燃料電池システム12の外部に排出される。
制御器22は、演算処理機能を備えるものであればよい。制御装置として、マイクロコントローラ、CPU、MPU、論理回路、PLC(Programmable Logic Controller)等が例示される。制御器22は、温度検出器で検出されるスタック10の温度などに基づいて原料ガス供給器16および酸化剤ガス供給器14などを制御する。なお、酸化剤ガス供給路及び燃料ガス供給路の少なくともいずれかに図示されない加湿器が設けられてもよい。
[スタックの構成]
図2は、スタック10に含まれる膜−触媒層接合体26を示す模式図である。図3Aは、スタック10における反応ガスの流れの一例を示す模式図である。図3Bは、スタック10における反応ガスの流れの他の例を示す模式図である。なお、図3Aおよび図3Bにおいては、燃料ガス流路29および酸化剤ガス流路31が線で示されているが、これらは1以上の燃料ガス流路29および酸化剤ガス流路31をそれぞれ代表している。
スタック10は、複数のセル24が積層されて形成される。セル24は、互いに対向するアノード側セパレータ28とカソード側セパレータ30との間に挟まれる。セル24は、膜−触媒層接合体26と、これを挟むようにして互いに対向するアノード側ガス拡散層40及びカソード側ガス拡散層44と、を備える。膜−触媒層接合体26は、アノード側触媒層38、カソード側触媒層42、及びアノード側触媒層38とカソード側触媒層42との間に配置される高分子電解質膜(以下、「電解質膜」と称する。)32を有する。このアノード側触媒層38およびアノード側ガス拡散層40によりアノードが構成される。また、カソード側触媒層42およびカソード側ガス拡散層44によりカソードが構成される。
電解質膜32は、好ましくは、湿潤な状態で水素イオン伝導性を有する高分子膜である。電解質膜32は、本実施の形態では、略矩形状である。電解質膜32の材料は、水素イオンを選択的に移動させるものであれば特に限定されない。電解質膜32は、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなるフッ素系電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(登録商標)、旭硝子(株)製のFlemion(登録商標)など)や各種炭化水素系電解質膜を使用できる。
各触媒層38、42は、好ましくは、水素または酸素の酸化還元反応に対する触媒を含む層である。各触媒層38、42は、導電性を有し、かつ水素および酸素の酸化還元反応に対する触媒能を有するものであれば特に限定されない。各触媒層38、42は、本実施の形態では、略矩形状である。各触媒層38、42は、例えば白金族金属触媒を担持したカーボン粉末とプロトン導電性を有する高分子材料とを主成分とした多孔質な部材から構成される。各触媒層38、42に用いるプロトン導電性高分子材料は、電解質膜32と同じ種類であっても、異なる種類であってもよい。
アノード側触媒層38の厚さが、図2に示すX方向において、燃料ガス流路29の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部29aから下流端部29bに向かって単調に変化するように形成される。ここでは、たとえば、この厚さが、燃料ガス流路29の上流端部29aから下流端部29bに向かって単調に小さくなるように形成される。
カソード側触媒層42の厚さも、図2に示すX方向において、酸化剤ガス流路31の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部31aから下流端部31bに向かって単調に変化するように形成される。ここでは、たとえば、この厚さが、酸化剤ガス流路31の上流端部31aから下流端部31bに向かって単調に大きくなるように形成される。
各ガス拡散層40、44は、好ましくは、導電性を有する多孔質の部材である。各ガス拡散層40、44は、板状で、略矩形状である。各ガス拡散層40、44は、導電性を有し、かつ反応ガスが拡散できるものであれば特に限定されない。各ガス拡散層40、44は、ガス透過性を持たせるために、カーボン微粉末、造孔材、カーボンペーパー、又はカーボンクロスなどを用いて作製された多孔質構造を有する導電性基材を用いることができる。また、ガス拡散層40、44に排水性を持たせるために、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子などをガス拡散層40、44の中に分散させてもよい。さらに、ガス拡散層40、44に電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維、又はカーボン微粉末などの電子伝導性材料でガス拡散層40、44を構成してもよい。また、ガス拡散層40、44の触媒層38、42と接する面には、撥水性高分子とカーボン粉末とで構成される撥水カーボン層を設けてもよい。また、各ガス拡散層40、44には、例えば、基材として炭素繊維を用いず、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分として構成された多孔質部材が用いられてもよい。なお、アノード側ガス拡散層40とカソード側ガス拡散層44は、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
導電性粒子の材料としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、活性炭等のカーボン材料が挙げられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、バルカン等が挙げられ、これらの材料を単独で使用してもよく、また、複数の材料を組み合わせて使用してもよい。ま、上記カーボン材料の原料形態としては、粉末状、繊維状、粒状等のいずれの形状でもよい。
また、高分子樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等が挙げられ、耐熱性、撥水性、耐薬品性の観点からPTFEが有利である。PTFEの原料としては、ディスパージョン及び粉末状の形状があげられるが、ディスパージョンが、作業性の点から有利である。なお、高分子樹脂は、導電性粒子同士を結着するバインダとしての機能を有する。また、高分子樹脂は、撥水性を有するため、燃料電池の内部にて水を系内に閉じ込める機能(保水性)も有する。
基材として炭素繊維を用いない、各ガス拡散層40、44は、高分子樹脂と導電性粒子とを含む混合物を混練して、押出し、圧延してから、焼成することにより製造される。具体的には、導電性粒子であるカーボンと分散溶媒、界面活性剤を攪拌・混錬機に投入した後、これを混錬し粉砕・造粒して、カーボンを分散溶媒中に分散させる。ついで、高分子樹脂であるフッ素樹脂を攪拌・混錬機にさらに投下して、攪拌および混錬して、カーボンとフッ素樹脂を分散する。得られた混錬物を圧延してシートを形成し、焼成して分散溶媒、界面活性剤を除去することで各ガス拡散層40、44を形成するシートが製造される。
アノード側ガス拡散層40はアノード側触媒層38上に配され、カソード側ガス拡散層44はカソード側触媒層42上に配される。これにより、アノード側ガス拡散層40及びカソード側ガス拡散層44は、膜−触媒層接合体26を挟持するようにして互いに対向するように配置されている。
各セパレータ28、30は、好ましくは、膜−電極接合体を機械的に固定するとともに、隣接する膜−電極接合体同士を互いに電気的に直列に接続するための部材である。膜−電極接合体は、アノードと、カソードと、これらの間に挟まれる電解質膜32とにより構成される。これにより、アノード側セパレータ28及びカソード側セパレータ30は、アノード側ガス拡散層40及びカソード側ガス拡散層44を挟持するようにして互いに対向するように配置される。
各セパレータ28、30は、好ましくは、カーボンを含む材質や金属を含む材質で構成される。各セパレータ28、30がカーボンを含む材質で構成される場合、各セパレータ28、30は、カーボン粉末と樹脂バインダとを混合した原料粉を金型に供給し、金型に供給された原料粉に圧力と熱を加えることによって形成される。また、各セパレータ28、30が金属を含む材質で構成される場合、各セパレータ28、30は、金属プレートからなるものであってもよい。各セパレータ28、30は、チタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。なお、各セパレータ28、30は、導電性を有する多孔質のプレートで形成されてもよい。
各セパレータ28、30は、たとえば、略矩形状の平板で形成される。各セパレータ28、30の一方の主面(電極面)に、図3に示すように、反応ガス流路29、31である溝が形成される。また、他方の主面(冷却面)に冷却媒体流路(図示せず)である溝が形成される。溝は、適宜な方法(例えば、プレス機等を用いた成型や、切削機等を用いた切削)により各セパレータ28、30に形成される。なお、反応ガス流路29、31および冷却媒体流路は各セパレータ28、30に設けられてなくてもよい。この場合、各流路29、31は、各セパレータ28、30とは別の部材に設けられてもよいし、各セパレータ28、30に隣接する部材、たとえば、各ガス拡散層40、44などに設けられてもよい。
各セパレータ28、30に、各マニホールド孔29c、29d、31c、31dが設けられる。マニホールド孔29cは燃料ガス流路29の流入側が接続され、マニホールド孔29dは燃料ガス流路29の流出側が接続される。また、マニホールド孔31cは酸化剤ガス流路31の流入側が接続され、マニホールド孔31dは酸化剤ガス流路31の流出側が接続される。これらのマニホールド孔29c、29d、31c、31dは、セパレータ28、30において互いに対応する位置に形成され、各セパレータ28、30を貫通する。このため、その厚み方向に積み重ねられたセパレータ28、30において、各マニホールド孔29c、29d、31c、31dが繋がり、燃料ガス流入マニホールド、燃料ガス流出マニホールド、酸化剤ガス流入マニホールドおよび酸化剤ガス流出マニホールドが形成される。
アノード側セパレータ28は、燃料ガス流路29がアノード側ガス拡散層40に対向するように、アノード側ガス拡散層40上に配される。これにより、この燃料ガス流路29は、アノード側セパレータ28とアノード側ガス拡散層40との間に設けられる。燃料ガス流入マニホールドから燃料ガス流路29の上流端部29aへ流入した燃料ガスは、アノード側ガス拡散層40に接触するように燃料ガス流路29を流れる。この際、燃料ガスはアノード側ガス拡散層40を介してアノード側触媒層38に供給される。そして、スタック10で余剰となった水、および発電反応に用いられなかった未利用の余剰ガスが燃料ガス流路29の下流端部29bから燃料ガス流出マニホールドへ排出される。
カソード側セパレータ30は、酸化剤ガス流路31がカソード側ガス拡散層44に対向するように、カソード側ガス拡散層44上に配される。これにより、酸化剤ガス流路31は、カソード側セパレータ30とカソード側ガス拡散層44の間に設けられる。酸化剤ガス流入マニホールドから酸化剤ガス流路31の上流端部31aへ流入した酸化剤ガスは、カソード側ガス拡散層44に接触するように酸化剤ガス流路31を流れる。この際、酸化剤ガスはカソード側ガス拡散層44を介してカソード側触媒層42に供給される。そして、発電反応に用いられなかった未利用の余剰ガスが発電反応により生じた生成水とともに酸化剤ガス流路31の下流端部31bから酸化剤ガス流出マニホールドへ排出される。
燃料ガス流路29および酸化剤ガス流路31は、たとえば、図3Aに示すY方向に延びながら、X方向へ曲がる折れ線状に形成される。部分的(微視的)には、この酸化剤ガス流路31のY方向に延びる向きと、燃料ガス流路29のY方向に延びる向きとは相反する。ただし、燃料ガス流路29の全体的な(巨視的な)燃料ガスの流れ方向51も、酸化剤ガス流路31の全体的な(巨視的な)酸化剤ガスの流れ方向52も、図3Aに示すX方向である。よって、これらの全体的な(巨視的な)流れ方向は、図2に示すように、平行である。なお、燃料ガス流路29および酸化剤ガス流路31は、例えば、図3Bに示すように互いに平行な複数の直線状に形成されてもよい。つまり、燃料ガス流路29および酸化剤ガス流路31は、それぞれにおけるガスの全体的な流れ方向51、52が平行なものであれば、特に限定されない。
各セパレータ28、30の冷却面に形成された冷却媒体流路に水や不凍液などの冷却媒体が流れる。これにより、膜−電極接合体の発電時に発生する熱が除去される。
[膜−電極接合体の製造装置の構成]
図4は、膜−触媒層接合体26の製造システム50を示す模式図である。
膜−触媒層接合体26の製造システム50は、ロール51と、ダイ52と、ポンプ53と、第1および第2バルブ54、55と、第1および第2圧力計56、57とを備える。
ロール51は、たとえば、円筒形状の部材である。ロール51は、支持シートの原反の巻き出し部(図示せず)と製品巻き取り部(図示せず)との間に配置される。ロール51に架け渡された支持シートの外面には、電解質膜32が貼り付けられている。電解質膜32のX方向は、支持シートの原反の長手方向に合わせられる。
ダイ52は、たとえば、薄い膜状に塗布が可能なスロットダイである。ダイ52は、ロール51と対向する位置に配置されている。ダイ52は、触媒層38、42を形成するための触媒インクをロール51に向けて吐出する。
触媒インクは、白金系金属触媒を担持したカーボン微粒子とプロトン導電性高分子を溶媒で混合した触媒インクである。金属触媒としては、例えば、プラチナ、ルテニウム、ロジウム、及びイリジウムなどを用いることができる。カーボン粉末としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、及びアセチレンブラックなどを用いることができる。溶媒としては、水、エタノール、n−プロパノール、及びn−ブタノールなどのアルコール系、並びに、エーテル系、エステル系、及びフッ素系などの有機溶剤を用いることができる。白金系金属触媒インクの溶媒を乾燥することで、金属触媒を坦持したカーボン粉末を主成分とする各触媒層38、42を形成することができる。
ポンプ53は、供給経路58を介して、タンクなどの触媒インク供給部(図示せず)に接続される。ポンプ53は、一定流量の触媒インクを触媒インク供給部から供給経路58へ単調に送り出す。
供給経路58は、吐出経路59および回収経路60に分岐する。これにより、供給経路58は、吐出経路59および回収経路60へ触媒インクを導く。
吐出経路59は、ダイ52に接続され、ポンプ53により供給経路58を介して供給された触媒インクをダイ52へ導く。
第1バルブ54は、吐出経路59に設けられ、開閉することにより吐出経路59を遮断または連通させる。第1バルブ54が開くことにより、供給経路58からの触媒インクは吐出経路59を通りダイ52に供給される。
第1圧力計56は、第1バルブ54とダイ52との間において吐出経路59に設けられ、この吐出経路59を通過する触媒インクの圧力を検出する。第1圧力計56の検出値により、ポンプ53によりダイ52へ供給される圧力、つまり、ダイ52から吐出される触媒インクの圧力(吐出圧力)が求められる。
第2バルブ55は、回収経路60に設けられ、開閉することにより回収経路60を遮断または連通させる。第2バルブ55は第1バルブ54と交互に開く。これにより、第1バルブ54が開いて第2バルブ55が閉じると、供給経路58からの触媒インクは吐出経路59に流入する。一方、第1バルブ54が閉じて第2バルブ55が開くと、供給経路58からの触媒インクは回収経路60に流入する。また、第2バルブ55は、開度を変化させることにより、回収経路60における触媒インクの流量を調整する。このため、第2バルブ55の開度が小さいほど、回収経路60における触媒インクの流量が少なくなる。これにより、第2バルブ55が閉じて第1バルブ54が開いた際、吐出経路59に流れる流量が多くなる。
回収経路60は、その上流端が第2バルブ55に接続され、下流端が回収タンクや触媒インク供給部などの回収部(図示せず)に接続される。このため、回収経路60を通過した触媒インクは、回収部に回収される。
第2圧力計57は、第2バルブ55と回収部との間において回収経路60に設けられ、この回収経路60を通過する触媒インクの圧力を検出する。
[膜−電極接合体の製造方法]
図5は、第1圧力計56により検出された吐出圧力と、時間との関係を示すグラフである。なお、縦軸は、吐出圧力の測定値を所定値で規格化した吐出圧力を示している。図6は、触媒層に含まれる触媒の単位面積当たりの重量(触媒目付)と、触媒層におけるX方向の位置との関係を示すグラフである。なお、縦軸は、触媒目付の測定値を所定値で規格化した触媒目付を示している。
なお、ここでは、アノード側触媒層38の形成後に、カソード側触媒層42を形成する場合について説明する。ただし、これらの触媒層38、42を形成する順番は反対でもよい。
支持シートは、巻き出し部により支持シートの原反から引き出される。支持シートの原反は、その内面がローラ側になるようにロール51上に架け渡されて、ロール51によって支えられる。支持シートの外面に貼り付けられた電解質膜32はロール51上を移動する。この際、電解質膜32のX方向と移動方向とは一致する。
電解質膜32がダイ52に対向する位置に達するまで、たとえば、図5に示すtaとtbとの間、tcとtdとの間では、第2バルブ55が開き第1バルブ54が閉じられている。これにより、触媒インクは、供給経路58から回収経路60に流れて回収される。このため、触媒インクは供給経路58から吐出経路59に流入せず、第1圧力計56により検出された圧力、つまり、吐出経路59における触媒インクの圧力は0となる。
電解質膜32がダイ52に対向する位置に達すると、たとえば、図5に示すtbおよびtdのとき、第2バルブ55が閉じ第1バルブ54が開く。これにより、触媒インクは、供給経路58から吐出経路59に流れる。この際の吐出経路59における触媒インクの圧力は、第1バルブ54が開くまで、つまり、第1バルブ54が閉じ第2バルブ55が開いている間(ta〜tb、tc〜td)の第2バルブ55の開度により異なる。
つまり、第2バルブ55の開度が、たとえば、水準2である場合、図5に示すように、第1バルブ54を開いて(tb)から少しの後(tb1)、吐出経路59における触媒インクの圧力はPになった。その後、触媒インクの圧力はほぼ一定に維持された。
第2バルブ55の開度が、たとえば、水準2より小さな水準3である場合、供給経路58から回収経路60へ流入する触媒インクの量は少ない。このため、図5に示すように、第1バルブ54を開いて(tb)から少しの後(tb1)、吐出経路59における触媒インクの圧力は急激に高くなる。そして、吐出経路59の触媒インクがダイ52から吐出されるに伴い、吐出経路59における触媒インクの圧力は徐々に低下してPとなる。
これに対し、第2バルブ55の開度が、たとえば、水準2より大きい水準1である場合、供給経路58から回収経路60へ流入する触媒インクの量は多い。このため、図5に示すように、第1バルブ54を開いた際に、吐出経路59における触媒インクの圧力は低い。そして、触媒インクが供給経路58から吐出経路59へ流入するに応じて、吐出経路59における触媒インクの圧力は徐々に増加しPとなる。
このように吐出経路59を通過した触媒インクはダイ52から電解質膜32に向けて吐出されて、電解質膜32上に触媒インクが塗られる。この電解質膜32が移動するため、電解質膜32には薄膜が形成される。そして、触媒インクが塗布された電解質膜32は乾燥装置(図示せず)により乾燥されて、アノード側触媒層38が電解質膜32上に形成される。
この電解質膜32上のアノード側触媒層38の厚みは、吐出経路59における触媒インクの圧力に依存する。つまり、触媒インクの圧力が高いほど、ダイ52から吐出される触媒インクの量が多くなり、電解質膜32上に塗布された触媒インクの厚みが大きくなって、アノード側触媒層38は厚くなる。このため、図5に示すように、吐出経路59における触媒インクの圧力は吐出時間に応じて変化する場合、これに伴い、図6に示すように、アノード側触媒層38の厚みはX方向における位置により変化する。なお、このアノード側触媒層38の厚みは、触媒層に含まれる触媒の単位面積当たりの重量(触媒目付)にほぼ比例する。このため、触媒の重量が大きいほど、アノード側触媒層38の厚みは大きくなる。また、カソード側触媒層42の厚みも、このアノード側触媒層38の厚みと同様である。
たとえば、第2バルブ55の開度が水準2である場合、図5に示すように、第1バルブ54が開いている間、吐出経路59における触媒インクの圧力はほぼ一定であった。このため、図6に示すように、触媒目付、つまり、アノード側触媒層38の厚みはX方向における位置に対してほぼ一定である。
また、第2バルブ55の開度が水準3である場合、図5に示すように、第1バルブ54が開いている間、吐出経路59における触媒インクの圧力は時間に伴い減少する。このため、図6に示すように、触媒目付、つまり、アノード側触媒層38の厚みもX方向における位置が進むにつれ減少する。
これに対して、第2バルブ55の開度が水準1である場合、図5に示すように、第1バルブ54が開いている間、吐出経路59における触媒インクの圧力は時間に伴い徐々に増加する。このため、図6に示すように、触媒目付、つまり、アノード側触媒層38の厚みはX方向における位置が進むにつれ増加する。
このように電解質膜32の外面上にアノード側触媒層38が形成された後、アノード側触媒層38の上に形状保持シートが貼られる。この形状保持シートと支持シートとの間にアノード側触媒層38および電解質膜32が挟まれた積層体が形成される。次いで、この積層体が巻き取り部に巻き取られる。
次いで、巻き取られた積層体は、巻き出し部より引き出され、ロール51上に架け渡される。このローラ上に、形状保持シート、アノード側触媒層38、電解質膜32、および支持シートの順で積層される。そして、電解質膜32がロール51上を電解質膜32のX方向に移動する。これに伴い、支持シートが電解質膜32の内面上から剥がされ、電解質膜32の内面が外部に現れる。そして、上述のアノード側触媒層38と同様に、カソード側触媒層42が電解質膜32の内面上に形成される。これにより、膜−触媒層接合体26が製造される。
[作用効果]
図2に示す実施の形態1の構成の膜−触媒層接合体26によれば、カソード側触媒層42の厚さが、酸化剤ガス流路31の上流端部31aから下流端部31bに向かって単調に大きくなるように形成される。このように、酸化剤ガス流路31の下流(下流端部31b)側に向かってカソード側触媒層42が厚くなるに伴い、カソード側触媒層42に含まれる触媒の量が増える。このため、図7に示すように、触媒目付(触媒層の厚み)が酸化剤ガス流路31の下流側に向かって増加するセル24の電圧は、触媒目付が酸化剤ガス流路31の下流側に向かって減少するセル24の電圧に比べて、たとえば、10mV大きくなる。このときの、酸化剤ガス流路31の下流側に向かって増加するカソード側触媒層42の厚みは、上流部で5〜12μm、下流部で8〜15μmである。また、酸化剤ガス流路31の下流側に向かって減少するカソード側触媒層42の厚みは、上流部で8〜15μm、下流部で5〜12μmである。このような電圧の違いは、セル24の電流密度分布の偏在により生じる。つまり、低加湿運転では酸化剤ガス流路31の下流側ほど、水分量が多く、電流密度が大きくなる。この電流密度の大きくなるほど、カソード側触媒層42において触媒量が多いことにより、触媒が有効活用されている。
また、アノード側触媒層38の厚さが、燃料ガス流路29の上流端部29aから下流端部29bに向かって単調に小さくなるように形成される。このように、燃料ガス流路29の上流(上流端部29a)側に向かってアノード側触媒層38が厚くなるに伴い、アノード側触媒層38に含まれる触媒の量が増えることにより、燃料ガスに含まれるアンモニアによるスタック10の機能の低下が抑制される。つまり、燃料ガスの元になる原料ガスには都市ガスやプロパンガスなどが用いられ、原料ガスに窒素が含まれていることがある。この場合、微量のアンモニアが、原料ガスの改質反応により生成され、燃料ガスに含まれる。このアンモニアが燃料ガス流路29を通ってアノード側触媒層38に供給されると、アンモニアがアノード側触媒に吸着し被毒する。このアンモニアは上流側のアノード側触媒に付着し易い。しかし、燃料ガス流路29の上流側においてアノード側触媒が多いため、一部のアノード側触媒層38が被毒されても、活性のあるアノード側触媒が残る。これにより、アノード側触媒層38のX方向の全長に亘ってアノード側触媒の活性が維持され、スタック10の電圧や耐久性の低下が抑制される。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2に係る膜−触媒層接合体26を示す模式図である。
カソード側触媒層42の厚さが、酸化剤ガス流路31の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部31aから下流端部31bに向かって、つまり、図8のX方向に、単調に小さくなるように形成される。
アノード側触媒層38の厚さが、燃料ガス流路29の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部29aから下流端部29bに向かって、つまり、図8のX方向に、単調に大きくなるように形成される。
上記構成の膜−触媒層接合体26によれば、酸化剤ガス流路31の上流(上流端部31a)側に向かってカソード側触媒層42が厚くなる。これに伴い、カソード側触媒層42に含まれる触媒の量が増えるため、空気中の汚染物質によるスタック10の機能の低下が抑制される。つまり、カソード側触媒層42に供給される空気には窒素酸化物などの汚染物質が含まれている。この汚染物質により上流側ほどカソード側触媒が被毒され易い。しかし、酸化剤ガス流路31の上流側ほどカソード側触媒が多いため、一部のカソード側触媒が被毒されても、活性のあるカソード側触媒が残る。これにより、カソード側触媒層42のX方向の全長に亘ってカソード側触媒の活性が維持され、スタック10の電圧や耐久性の低下が抑制される。
また、燃料ガス流路29の下流(下流端部29b)側に向かってアノード側触媒層38が厚くなる。これに伴い、アノード側触媒層38に含まれる触媒の量が増えることにより、逆拡散水によるスタック10の機能の低下が抑制される。つまり、発電反応により水が生成されるためカソードの水分量は下流側ほど多くなる。このため、低加湿運転では、下流側の水が逆拡散により電解質膜32を経由してアノード側触媒層38に移動する割合が多くなる。この逆拡散した水に窒素酸化物などの汚染物質が付随してアノード側触媒層38に至ると、汚染物質がアノード側触媒を被毒する。しかし、燃料ガス流路29の下流側においてアノード側触媒が多いため、一部のアノード側触媒層38が被毒されても、活性のあるアノード側触媒が残る。これにより、アノード側触媒層38のX方向の全長に亘ってアノード側触媒の活性が維持され、スタック10の電圧や耐久性の低下が抑制される。
(実施の形態3)
図9は、実施の形態3に係る膜−触媒層接合体26を示す模式図である。
カソード側触媒層42の厚さが、酸化剤ガス流路31の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部31aから下流端部31bに向かって、つまり、図9のX方向に、単調に小さくなるように形成される。
アノード側触媒層38の厚さが、燃料ガス流路29の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部29aから下流端部29bに向かって、つまり、図9のX方向に、単調に小さくなるように形成される。
上記構成の膜−触媒層接合体26によれば、酸化剤ガス流路31の上流(上流端部31a)側に向かってカソード側触媒層42が厚くなる。これに伴い、カソード側触媒層42に含まれる触媒の量が増えるため、実施の形態2と同様に、空気中の汚染物質によるスタック10の機能の低下が抑制される。
また、アノード側触媒層38の厚さが、燃料ガス流路29の上流端部29aから下流端部29bに向かって単調に小さくなるように形成される。このように、燃料ガス流路29の上流(上流端部29a)側に向かってアノード側触媒層38が厚くなるに伴い、アノード側触媒層38に含まれる触媒の量が増えることにより、実施の形態1と同様に、燃料ガスに含まれるアンモニアによるスタック10の機能の低下が抑制される。
(実施の形態4)
図10は、実施の形態4に係る膜−触媒層接合体26を示す模式図である。
カソード側触媒層42の厚さが、酸化剤ガス流路31の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部31aから下流端部31bに向かって、つまり、図10のX方向に、単調に大きくなるように形成される。
アノード側触媒層38の厚さが、燃料ガス流路29の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部29aから下流端部29bに向かって、つまり、図10のX方向に、単調に大きくなるように形成される。
上記構成の膜−触媒層接合体26によれば、カソード側触媒層42の厚さが、酸化剤ガス流路31の上流端部31aから下流端部31bに向かって単調に大きくなるように形成される。このように、酸化剤ガス流路31の下流(下流端部31b)側に向かってカソード側触媒層42が厚くなる。これに伴い、カソード側触媒層42に含まれる触媒の量が増えるため、実施の形態1と同様に、スタック10における電圧が高まる。
また、燃料ガス流路29の下流(下流端部29b)側に向かってアノード側触媒層38が厚くなる。これに伴い、アノード側触媒層38に含まれる触媒の量が増えることにより、実施の形態2と同様に、逆拡散水に含まれる汚染物質によるスタック10の機能の低下が抑制される。
なお、上記全実施の形態において、図3に示すように、1本の折れ線状の燃料ガス流路29がアノード側セパレータ28に設けられ、1本の折れ線状の酸化剤ガス流路31がカソード側セパレータ30に設けられた。ただし、燃料ガス流路29および酸化剤ガス流路31の各セパレータ28、30に設けられる数および形状はこれに限定されない。たとえば、複数の直線状の燃料ガス流路29および酸化剤ガス流路31の各セパレータ28、30に設けられてもよい。
また、上記全実施の形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の燃料電池スタック10は、触媒層の厚みと反応ガスの流れ方向との関係において、機能の向上が図られた燃料電池スタック10等として有用である。
10 スタック
26 膜−触媒層接合体
28 アノード側セパレータ
29 燃料ガス流路
29a 上流端部
29b 下流端部
30 カソード側セパレータ
31 酸化剤ガス流路
31a 上流端部
31b 下流端部
32 電解質膜
38 アノード側触媒層
40 アノード側ガス拡散層
42 カソード側触媒層
44 カソード側ガス拡散層

Claims (5)

  1. アノード側触媒層、カソード側触媒層、及び前記アノード側触媒層と前記カソード側触媒層とに挟まれる高分子電解質膜を有する膜−触媒層接合体と、
    前記膜−触媒層接合体を挟むようにして互いに対向するアノード側ガス拡散層及びカソード側ガス拡散層と、
    アノード側ガス拡散層及びカソード側ガス拡散層を挟むようにして互いに対向するアノード側セパレータ及びカソード側セパレータと、
    前記アノード側セパレータと前記アノード側ガス拡散層との間に設けられた燃料ガス流路と、
    前記カソード側セパレータと前記カソード側ガス拡散層の間に設けられた酸化剤ガス流路と、を備え、
    前記燃料ガス流路の全体的な(巨視的な)燃料ガスの流れ方向と前記酸化剤ガス流路の全体的な(巨視的な)酸化剤ガスの流れ方向とが平行であり、
    前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に変化するように形成され、
    かつ、
    前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に変化するように形成された、燃料電池スタック。
  2. 前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に小さくなるように形成され、
    前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に大きくなるように形成された、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に大きくなるように形成され、
    前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に小さくなるように形成された、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  4. 前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に小さくなるように形成され、
    前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に小さくなるように形成された、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  5. 前記アノード側触媒層の厚さが、前記燃料ガス流路の全体的な燃料ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に大きくなるように形成され、
    前記カソード側触媒層の厚さが、前記酸化剤ガス流路の全体的な酸化剤ガスの流れにおける上流端部から下流端部に向かって単調に大きくなるように形成された、請求項1に記載の燃料電池スタック。
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