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JP2013215678A - 逆浸透膜の阻止率向上剤、阻止率向上方法、および逆浸透膜 - Google Patents

逆浸透膜の阻止率向上剤、阻止率向上方法、および逆浸透膜 Download PDF

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Abstract

【課題】分子量の異なる2種以上の有機化合物を含むRO膜の阻止率向上剤における、凝集物の生成や水への溶解不良、加水分解などを防止して、阻止率向上剤をRO膜の阻止率向上処理に効果的に使用する。
【解決手段】分子量の異なる2種以上の有機化合物として、少なくとも分子量が60以上500未満のアミノ基を有する有機化合物と、タンニン酸とを含む逆浸透膜の阻止率向上剤において、前記アミノ基を有する有機化合物と前記タンニン酸とが、互いに異なる2つの粉体状薬剤として保管されることを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上剤。
【選択図】図2

Description

本発明は、逆浸透(RO)膜、特に芳香族ポリアミド系RO膜であって、その使用過程において阻止率(脱塩率)が低下したRO膜に対して、透過水量を著しく低下させることなく、高い阻止率向上効果が得られる阻止率向上剤に係り、特に、RO膜の透過水が飲料水、生活水として使用されること、濃縮水が環境中に排出されることを鑑み、RO膜の阻止率向上過程において透過水側に漏出した場合でも安全であり、また、濃縮側に排出されても環境に高負荷を与えることのないRO膜の阻止率向上剤に関する。
本発明はまた、この阻止率向上剤を用いたRO膜の阻止率向上方法と、この阻止率向上剤により阻止率向上処理がなされたRO膜に関する。
現在、全世界的な水供給の不足を補うために、海水・かん水の淡水化、水回収が、RO膜システムを用いて行われている。RO膜システムにおいては、バイオファウリング抑制のため、前処理工程において、原水(RO膜の被処理水。以下「RO給水」と称す場合もある。)に塩素(次亜塩素酸ソーダなど)や過酸化水素などの酸化剤の添加が行われている。
しかし、これらの酸化剤は強力な酸化分解作用があるため、これらの酸化剤が添加された後、還元処理が不十分な状態で原水がRO膜に供給されると、RO膜が劣化することが知られている。
また、原水中の酸化剤を分解させるために、重亜硫酸ソーダなどの還元剤を原水に添加してRO膜に供給する場合も多いが、重亜硫酸ソーダが過剰に添加されている還元環境下では、原水中にCu、Coなどの金属が共存するとRO膜が劣化して阻止率が低下することも知られている
(特許文献1、非特許文献1)。
従来、RO膜の阻止率向上方法としては、以下のようなものが提案されているが、いずれもそれぞれ問題点があり、その改良が望まれている。
i) アニオン又はカチオンのイオン性高分子化合物を膜表面に付着させることにより、RO膜の阻止率を向上させる方法(特許文献2)。
この方法は、劣化の少ないRO膜や未使用のRO膜に対して、特に電解質の阻止率を向上させる効果があるが、非電解質の阻止率の向上や、劣化の大きいRO膜の阻止率の向上に対しては効果が低い。
ii) ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物を膜表面に付着させることにより、RO膜の阻止率を向上させる方法(特許文献3)。
この方法は、非電解質の阻止率向上に対しても効果があるが、劣化の大きいRO膜の阻止率向上に対しては効果が低くなる場合があり、また、透過流束の低下の問題があり、未使用のRO膜と比較して透過流束を20%以上低下させることがある。
iii) RO膜に対し、ノニオン系界面活性剤を吸着させる方法(特許文献4)。
ノニオン界面活性剤の中にはポリアルキレングリコール鎖を含むものがあり、この場合は特許文献3に含まれるが、界面活性剤の性質上、界面活性剤は疎水基を有しており、これをRO膜に吸着させることで透過流束を大きく低下させてしまう。
iv) タンニン酸などをRO膜に付着させて脱塩率を改善させる方法(非特許文献2)。
この方法による阻止率向上効果も大きくはなく、例えば、劣化したRO膜であるES20(日東電工社製)、SUL−G20F(東レ社製)の脱塩率を本方法で改善しても、改善後の膜の透過水の溶質濃度を改善前の膜の透過水溶質濃度の1/2にすることはできない。
v) タンニン酸と高分子(ポリビニルメチルエーテル)を併用添加してRO膜の阻止率を向上させる方法(非特許文献3)。
この方法では、タンニン酸だけによる方法よりも効果は改善されていると考えられるが、透過流束が平均的に20%程度低下し、また、その阻止率向上効果も、脱塩率が90.5%に低下したRO膜の脱塩率を92.5%にするなど、透過水の溶質濃度を1/2以下にできない場合もある。
なお、RO膜が塩素系酸化剤によって酸化劣化すると、カルボキシル基が生成することが知られており(非特許文献4,5)、本発明者らは、芳香族ポリアミド系RO膜の表面には、例え未使用であってもカルボキシル基が存在しており、アルカリや過酸化水素などの塩素系酸化剤以外の要因で膜が劣化しても、カルボキシル基が増加することを突き止めている。ここで、カルボキシル基の検出は、表面修飾を行ってカルボキシル基の検出感度を上げたXPS法で行うことができる。
(vi) RO膜にカルボキシル基が存在し、劣化によってこれが増加するという知見に基づき、本発明者らは、アミノ基を有する化合物を用い、カルボキシル基と結合させることでRO膜の阻止率を向上させる方法を見出している(特許文献5,6)。これら特許文献5,6の基本的な技術思想は、劣化の激しい部分にはカルボキシル基が多く存在することから、その部分に重点的に分子量1000以下のアミノ基を有する化合物を吸着させるという点にある。
本発明者らはまた、RO膜の阻止率向上に、RO膜への低分子化合物の吸着が不可欠であることを見出している(特許文献7)。
即ち、芳香族ポリアミド系RO膜のイソプロピルアルコール(IPA)阻止率は80〜95%である。IPAの分子量は60であることから、非電解質に対するRO膜の分画分子量は60前後と考えることができる。RO膜の阻止率の低下が、RO膜の緻密層の間隙が広がったことによると考えると、広がったRO膜の緻密層の間隙を、分画分子量よりも若干大きい物質で埋めることが望ましいと考えられる。また、間隙の大きさはまちまちであると考えられることから、複数の分子量を持った物質を使用することがより望ましいとも考えられる。最終的にそれら低分子よりも比較的大きい分子量を有する物質を使用することで、低分子の定着が進むと考えられる。
この特許文献7のRO膜の阻止率向上方法は、分子量200未満の第1の有機化合物と、分子量200以上500未満の第2の有機化合物と、分子量500以上の第3の有機化合物とを含む水溶液を逆浸透膜に通水するものであり、第1、第2の有機化合物としては、アミノ酸又はアミノ酸誘導体が好ましく、また、第3の有機化合物としては、膜のカルボキシル基と作用する官能基(カチオン基:1〜4級アミノ基)、阻止率向上剤中のアミノ基を有する化合物と作用するもの(アニオン基:カルボキシル基、スルホン基、芳香族のヒドロキシル基(フェノール性水酸基))、ポリアミド膜と作用する官能基(ヒドロキシル基)を有するもの、又は環状構造を有するものを用いることができる。
以下に、特許文献7による劣化膜の修復のメカニズムを図1,2を参照して説明する。
RO膜、例えば、芳香族ポリアミド系RO膜の正常なアミド結合は図1(a)の正常膜に示すような構造をとっている。この膜が塩素などの酸化剤で劣化した場合、アミド結合のC−N結合が分断され、最終的には図1(b)の劣化膜に示すような構造となる。
図1(b)の劣化膜に示されるように、アミド結合の分断で、アミノ基は消失することがあるが、この分断部分の少なくとも一部にカルボキシル基が形成される。
劣化が進行すると、RO膜の緻密層の間隙が大きくなり、様々な大きさの間隙が形成される。このようなRO膜に対して、図2に示す如く、間隙の大きさに応じて分子量の異なる第1〜第3の有機化合物A〜C(分子量は、有機化合物A<有機化合物B<有機化合物Cの順)を定着させることにより、劣化膜の種々のサイズの各穴(緻密層の間隙)が修復され、膜の阻止率が回復する。
特許文献7では、分子量や骨格(構造)の異なる複数のアミノ化合物(第1、第2の有機化合物)を含む水溶液を劣化膜に透過させることにより、各々の化合物が膜を透過する際に互いに障害となり、膜内の劣化箇所に滞留する時間が長くなることにより、膜のカルボキシル基と低分子量アミノ化合物のアミノ基との接触確率が高くなり、膜の修復効率が向上する。更に、分子量500以上の第3の有機化合物を併用することにより、膜の大きな劣化箇所を塞ぐことができ、修復効率がより一層高まる。
特開平7−308671号公報 特開2006−110520号公報 特開2007−289922号公報 特開2008−86945号公報 国際公開WO2011/040354A1パンフレット 特願2011−051525号公報 特開2011−051530号公報
Nagai et al. Desalination, Vol.96(1994),291-301 佐藤、田村、化学工学論文集、Vol.34(2008),493-498 S.T.Mitrouli, A.J.Karabelas, N.P.Isaias, D.C. Sioutopoulos, and A.S. Al Rammah, Reverse Osmosis Membrane Treatment Improves Salt-Rejection Performance, IDA Journal I Second Quarter 2010, p22-34 植村ら,Bulletin of the Society of Sea Water Science,Japan,57,498-507(2003) 神山義康,表面,vol.31,No.5(1993),408-418
特許文献7の阻止率向上方法により、RO膜の阻止率を効果的に向上させることができるが、分子量の異なる複数の有機化合物を水溶液中に混合溶解させる際、凝集物が生成し、薬液タンクに付着したり、膜モジュールの流路阻害を起こしたり、薬剤としての効果を低下させるなどの問題があった。また、一部の有機化合物は、水に対する溶解度が低く、なかなか溶けないなどの問題もあった。また、アミド結合やエステル結合を有する有機化合物を水溶液の状態で保存すると加水分解が起こり、薬剤の劣化が起こる可能性もあった。更には、水溶液としての保管時において、保管温度の低下による沈殿の生成の問題、保管温度の上昇による微生物の繁殖の問題もあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、分子量の異なる2種以上の有機化合物を含むRO膜の阻止率向上剤における、凝集物の生成や水への溶解不良、加水分解などを防止して、阻止率向上剤をRO膜の阻止率向上処理に効果的に使用する技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね、次のような知見を得た。
(1) 阻止率向上剤に使用される複数種の有機化合物のうち、例えば、単独で水に溶解させたときの水溶液のpHが7以上となる有機化合物と、pHが7未満となる有機化合物は、高濃度で水に混合溶解させると、凝集物を生成する場合がある。基本的にpHが7以上となる有機化合物はアルカリ性であり、7未満となる有機化合物は酸性である。アミノ基を有する有機化合物は弱アルカリ性物質と言える。一方で、これと併用する有機化合物が弱酸性であったり、分子量が大きかった場合、これらを高濃度水溶液とすると、不溶性の塩が生成し、これが凝集物となる。従って、阻止率向上剤に含まれる有機化合物が2種類以上の場合は、高濃度で溶解させても凝集が起こらないように溶解させる前の段階、即ち、粉体の段階で2つに分ける必要がある。例えば、アルギニンとタンニン酸をそれぞれ1重量%濃度となるように水に溶解させると、凝集物が生成してしまうため、アルギニンを含む粉体と、タンニン酸を含む粉体は分ける必要がある。
(2) アスパルテームは、フェニルアラニンのメチルエステルとアスパラギン酸がアミド結合した物質であり、水に対する溶解性が低いが、アルカリ性水溶液に対しては溶解度が上昇する。従って、このものは、アルギニンなどの、水に溶解させるとpHが7以上となる有機化合物と混合して混合粉体とし、この混合粉体を用いて水溶液を調製することにより、水溶液にする場合の溶解性を上げることができる。また、アスパルテームはアルカリ性条件で長く保存すると加水分解する性質があるが、粉体の状態で保管することにより、加水分解による変性を抑制することもできる。ここで、アルギニンは有機化合物であるが、炭酸塩や燐酸塩などの無機化合物によって、溶解後のpHを調整しても構わない。
(3) 2つに分けた粉体状の薬剤を用いて、RO膜の阻止率向上処理を行う場合に、実際に使用する濃度である0.1〜200mg/Lに一気に水に溶解させることは、均一な水溶液を得る上で有効ではない。一方で、2つの有機化合物が高濃度の状態で接触すると、凝集物が生成する危険性もある。このため、これら2つの粉体状薬剤は、一旦、それぞれ1〜200g/Lに溶解させ、その後希釈水溶液とすることが好ましい。また、上記のようにアミド結合やエステル結合を有する物質は、アルカリ性条件、もしくは酸性条件で加水分解する可能性があるため、水に溶解させた後は、できるだけ速く使用濃度に希釈してRO膜の阻止率向上処理に使用する必要がある。そこで、一旦各有機化合物濃度が1〜200g/Lとなるように溶解させた2つの粉体状薬剤は、次の段階で、0.1〜200mg/Lの濃度に希釈して使用する。この有機化合物濃度0.1〜200mg/Lの水溶液であれば、全ての有機化合物が同じ水溶液中に存在していても、想定される生成塩の濃度が溶解度以下となり、凝集物を生成しなくなる。従って、全ての有機化合物が溶解した水溶液をRO膜の阻止率向上処理に使用することができる。また、別法として、各有機化合物濃度1〜200g/Lに溶解させた2つの粉体状薬剤の水溶液を、ライン注入させて、ライン中で希釈混合することもできる。また、2つの粉体状薬剤を各有機化合物濃度が1〜200g/Lとなるように溶解させた後、混合後の各有機化合物濃度が0.1〜200mg/Lとなるように希釈して別々にRO膜に接触させる方法を採用することも可能である。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 分子量の異なる2種以上の有機化合物を含む逆浸透膜の阻止率向上剤であって、該2種以上の有機化合物として、少なくとも分子量が60以上500未満のアミノ基を有する有機化合物と、タンニン酸とを含む逆浸透膜の阻止率向上剤において、前記アミノ基を有する有機化合物と前記タンニン酸とが、互いに異なる2つの粉体状薬剤として保管されることを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上剤。
[2] [1]において、前記2つの粉体状薬剤を、それぞれ、各有機化合物の濃度が1〜200g/Lの水溶液としたとき、前記アミノ基を有する有機化合物を含む一方の粉体状薬剤の水溶液のpHが7以上で、前記タンニン酸を含む他方の粉体状薬剤の水溶液のpHが7未満であることを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上剤。
[3] [1]又は[2]に記載の阻止率向上剤の水溶液を用いて逆浸透膜を処理する逆浸透膜の阻止率向上方法であって、前記2つの粉体状薬剤のうちの少なくとも一方の粉体状薬剤を水に溶解させて有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、該粉体状薬剤が2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす)が1〜200g/Lの水溶液を調製する工程と、該水溶液の有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、該粉体状薬剤が2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす)が0.1〜200mg/Lとなるように該水溶液を希釈する工程とを含むことを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上方法。
[4] [1]又は[2]に記載の阻止率向上剤の水溶液を用いて逆浸透膜を処理する逆浸透膜の阻止率向上方法であって、前記2つの粉体状薬剤をそれぞれ水に溶解させ、得られた水溶液を混合することにより、各有機化合物の濃度が1〜200mg/Lの水溶液を調製する工程を含むことを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上方法。
[5] [1]又は[2]に記載の阻止率向上剤の水溶液を用いて逆浸透膜を処理する逆浸透膜の阻止率向上方法であって、前記2つの粉体状薬剤をそれぞれ水に溶解させて得られた水溶液を、それぞれ別の位置からライン注入して希釈混合する工程を含むことを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上方法。
[6] [1]又は[2]に記載の阻止率向上剤を用いて阻止率向上処理された逆浸透膜。
[7] [3]ないし[5]のいずれかに記載の阻止率向上方法により阻止率向上処理された逆浸透膜。
本発明によれば、次のような作用効果が奏され、分子量の異なる2種以上の有機化合物を含むRO膜の阻止率向上剤における、凝集物の生成や水への溶解不良、加水分解などを防止して、阻止率向上剤をRO膜の阻止率向上処理に効果的に使用して、効率的なRO膜の阻止率向上処理を行うことができる。
(1) 高濃度で混合すると凝集物を生成する可能性のある阻止率向上剤の構成成分であるアミノ基を有する有機化合物とタンニン酸とを2つの粉体に分け、これを水に溶解させて水溶液を調製する際には、まず、各有機化合物濃度が1〜200g/Lとなる濃度に別々に溶解させ、さらにこれを各有機化合物濃度が0.1〜200mg/Lとなる濃度に希釈混合することにより、凝集物の生成を抑制することができる。このため凝集物による前述の問題を回避することができる。
(2) アミノ基を有する有機化合物のような通常のpHでは溶解し難い阻止率向上剤の構成成分を、溶解させるとアルカリ性もしくは酸性を示す物質と混合して容易に濃度1〜200g/Lの水溶液を調製することが可能となる。
(3) アミド結合やエステル結合を有し、水溶液中で加水分解を起こしやすい阻止率向上剤の構成成分を粉体状で保管することで、加水分解を抑制することができ、加水分解による薬剤効果の低下を防止することができる。
(4) 粉体として保管するため、水溶液として保管した場合の温度の低下に伴う沈殿の生成や温度の上昇に伴う微生物の繁殖等の問題を回避することができる。これは有機化合物が食品添加物である場合に特に有効となる。
正常膜と劣化膜を示す、化学構造式の説明図である。 特許文献7による阻止率向上処理のメカニズムを示す、化学構造式の説明図である。 実施例で用いた平膜試験装置を示す模式図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[阻止率向上剤]
本発明のRO膜の阻止率向上剤は、分子量の異なる2種以上の有機化合物を含む逆浸透膜の阻止率向上剤であって、該2種以上の有機化合物として、少なくとも分子量が60以上500未満のアミノ基を有する有機化合物と、タンニン酸とを含み、互いに異なる有機化合物を含む2つの粉体状薬剤として保管されることを特徴とするものである。
本発明の阻止率向上剤の構成成分となる分子量が60以上500未満のアミノ基を有する有機化合物(以下「低分子量アミノ化合物」と称す場合がある。)としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
芳香族アミノ化合物:例えば、アニリン(分子量93)、ジアミノベンゼン(分子量108)などのベンゼン骨格とアミノ基を有するもの
芳香族アミノカルボン酸化合物:例えば、3,5−ジアミノ安息香酸(分子量152)、3,4−ジアミノ安息香酸(分子量152)、2,4−ジアミノ安息香酸(分子量152)、2,5−ジアミノ安息香酸(分子量152)、2,4,6−トリアミノ安息香酸(分子量167)などのベンゼン骨格と2つ以上のアミノ基とアミノ基の数より少ないカルボキシル基を有するもの。
脂肪族アミノ化合物:例えば、メチルアミン(分子量31)、エチルアミン(分子量45)、オクチルアミン(分子量129)、1,9−ジアミノノナン(本明細書中では「NMDA」と略記することがある。)(C18(NH)(分子量158)等の炭素数1〜20程度の直鎖炭化水素基と1個又は複数のアミノ基を有するもの、及び、1−アミノペンタン(本明細書中では「IAAM」と略記することがある。)(NH(CHCH)(分子量87)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン(本明細書中では「MODA」と略記することがある。)(NHCHCH(CH)(CHNH)(分子量158)等の炭素数1〜20程度の分岐炭化水素基と1個又は複数のアミノ基を有するもの。
脂肪族アミノアルコール:4−アミノ−2−メチル−1−ブタノール(本明細書中では「AMB」と略記することがある。)(NH(CHCH(CH)CHOH)(分子量103)等の直鎖又は分岐の炭素数1〜20の炭化水素基にアミノ基と水酸基を有するもの。
複素環アミノ化合物:テトラヒドロフルフリルアミン(本明細書中では「FAM」と略記することがある。)(下記構造式)(分子量101)などの複素環とアミノ基を有するもの。
Figure 2013215678
アミノ酸化合物:例えば、アルギニン(分子量174)やリシン(分子量146)等の塩基性アミノ酸化合物、アスパラギン(分子量132)やグルタミン(分子量146)等のアミド基を有するアミノ酸化合物、グリシン(分子量75)やフェニルアラニン(分子量165)等のその他アミノ酸化合物。
これらの低分子量アミノ化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、本発明においては、これらの低分子量アミノ化合物のうち、分子量200未満の第1の低分子量アミノ化合物と、分子量200以上500未満の第2の低分子量アミノ化合物とを併用することが好ましく、この場合、第1の低分子量アミノ化合物としては、アミノ酸又はアミノ酸化合物が好適であり、例えば、塩基性アミノ酸である、アルギニン(分子量174)、リシン(分子量146)、又はヒスチジン(分子量155)や分子量がより小さいグリシン(分子量75)が好適である。第2の低分子量アミノ化合物としては、ペプチドあるいはその誘導体として、例えば、フェニルアラニンとアスパラギン酸のジペプチドのメチルエステルであるアスパルテーム(分子量294)が好適である。
アミノ酸は一般的に水に対する溶解性が高く、その水溶液は安定であり、膜のカルボキシル基と反応してRO膜に結合し、不溶性の塩を形成して、膜の劣化により生じた穴を塞ぎ、これにより膜の阻止率を高める。
これらの低分子量アミノ化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。分子量や骨格構造の異なる2種以上の低分子量アミノ化合物を含む水溶液をRO膜に透過させると、各々の化合物が膜を透過する際に互いに障害となり、膜内の劣化箇所に滞留する時間が長くなることにより、膜のカルボキシル基と低分子量アミノ化合物のアミノ基との接触確率が高くなり、膜の修復効果が高められる。
また、これらの低分子量アミノ化合物と共に、分子量500以上のタンニン酸を併用することにより、膜の大きな劣化箇所を塞ぐことができ、修復効率が高められる。
本発明においては、上記の低分子量アミノ化合物とタンニン酸とが、それぞれが互いに異なる2つの粉体状薬剤となるように保管される。この2つの粉体状薬剤は、各粉体状薬剤を用いて、当該粉体状薬剤に含まれる各有機化合物の濃度が1〜200g/Lとなる水溶液としたとき、アミノ基を有する有機化合物を含む一方の粉体状薬剤の水溶液のpHが7以上で、タンニン酸を含む他方の粉体状薬剤の水溶液のpHが7未満であるような組み合わせであることが好ましい。
このように、水溶液としたときに、pH7以上のアルカリ性となる有機化合物と、pH7未満の酸性となる有機化合物とを別々の粉体状薬剤として保管し、各々水溶液を調製するようにすることにより、これらが反応することによる凝集物の生成を防止することができる。
前述の如く、アスパルテームはアルカリ性水溶液に対する溶解度は比較的高いため、アルギニンのように水に溶解させるとpH7以上のアルカリ性水溶液となる低分子量アミノ化合物と混合して粉体状薬剤とし、この混合粉体を水に溶解させて水溶液を調製することが好ましい。なお、低分子量アミノ化合物を水に溶解させる際には、炭酸塩や燐酸塩等の無機化合物をpH調整剤として用い、溶解度の高いpHに調製してもよく、そのために、これらのpH調製剤を予め低分子量アミノ化合物と混合して粉体状薬剤としてもよい。
本発明の阻止率向上剤において、2種以上の有機化合物を含む粉体状薬剤中の当該2種以上の有機化合物の含有割合は、阻止率向上剤としての使用時に好適な使用割合となるように、その使用割合に対応した粉体状薬剤中含有割合として調製すればよい。
[阻止率向上方法]
本発明のRO膜の阻止率向上方法は、上述のような2つの粉体状薬剤からなる本発明の阻止率向上剤を用いてRO膜の阻止率向上処理を行うものであり、具体的にRO膜に本発明の阻止率向上剤の水溶液を通水することにより、劣化したRO膜の阻止率を向上させる。以下、RO膜の阻止率向上処理のためにRO膜に通水する阻止率向上剤の水溶液を「阻止率向上処理水」と称す。
本発明の阻止率向上方法において、阻止率向上処理水中の阻止率向上剤の構成成分である前述の低分子量アミノ化合物及びタンニン酸の濃度は、各々、1〜200mg/Lであることが好ましく、1〜100mg/Lであることがより好ましい。阻止率向上処理水中の各成分の濃度が上記下限よりも低いと、十分な阻止率向上効果を得ることができず、上記上限よりも高いと凝集物が生成するおそれがある。
前述の如く、本発明の阻止率向上剤を用いてRO膜の阻止率向上処理を行う際、本発明の阻止率向上剤である2つの粉体状薬剤を用いて、直接上述のような希薄濃度の阻止率向上処理水を調製することは、均一な水溶液を得ることができない場合があり、好ましくない。
従って、2つの粉体状薬剤を用いて、まず、各有機化合物濃度が1〜200g/Lの高濃度水溶液を調製し、これらを用いて、RO膜への通水時には各々の有機化合物濃度が1〜200mg/Lの水溶液となるように、希釈混合することが好ましい。
従って、例えば、粉体状薬剤Aと粉体状薬剤Bとからなる阻止率向上剤の場合、次のような態様を採用して、水への溶解と混合希釈を行うことが好ましい。
(1) 粉体状薬剤Aを用いて、有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、粉体状薬剤Aが2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす。)が1〜200g/Lの水溶液を調製し、一方、粉体状薬剤Bを用いて有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、粉体状薬剤Bが2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす。)が1〜200g/Lの水溶液を調製し、これらの水溶液を希釈混合して、各有機化合物の濃度が0.1〜200mg/Lの阻止率向上処理水とする。
(2) 粉体状薬剤Aを用いて有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、粉体状薬剤Aが2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす。)が1〜200g/Lの水溶液を調製し、一方、粉体状薬剤Bを用いて有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、粉体状薬剤Bが2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす。)が1〜200g/Lの水溶液を調製し、これらの水溶液をそれぞれ希釈し、希釈水溶液を混合して各有機化合物の濃度が0.1〜200mg/Lの阻止率向上処理水とする。
(3) 粉体状薬剤Aを用いて有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、粉体状薬剤Aが2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす。)が1〜200g/Lの水溶液を調製し、一方、粉体状薬剤Bを用いて有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、粉体状薬剤Bが2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす。)が1〜200g/Lの水溶液を調製し、これらをそれぞれ別の位置から、RO給水の供給配管にライン注入し、各有機化合物の濃度が0.1〜200mg/Lの阻止率向上処理水とする。
なお、阻止率向上処理水中における有機化合物のうち最も濃度が低い有機化合物の濃度Cminと、最も濃度が高い有機化合物の濃度Cmaxとの比Cmin/Cmaxは0.1〜1.0であることが好ましい。この値が0.1よりも小さいと、修復できる穴の大きさに偏りが生じるおそれがある。各有機化合物の濃度はすべて等しくてもよい。
また、阻止率向上処理水には、トレーサーとして、食塩(NaCl)等の無機電解質やイソプロピルアルコールやグルコース等の中性有機物、ポリマレイン酸などの低分子ポリマーなどを添加してもよく、これにより、逆浸透膜の透過水への食塩やグルコースの透過の程度を分析して、膜の修復の程度を確認することができる。
阻止率向上処理水をRO膜に通水するときの給水圧力は、過度に高いと劣化していない箇所への吸着が進むという問題があり、過度に低いと劣化箇所への吸着も進まないことから、当該RO膜の通常運転圧力の20〜150%、特に50〜130%とすることが好ましい。RO膜の膜が超低圧膜の場合、装置の入口圧力は0.1〜1.0MPaであることが好ましい。RO膜の膜が低圧膜の場合、装置の入口圧力は0.1〜2.0MPaであることが好ましい。RO膜の膜が海水淡水化膜の場合、装置の入口圧力は0.1〜7.0MPaであることが好ましい。
また、本発明では、下記式で算出される膜単位面積当りの最小有機化合物接触量が2500mg/m以上、好ましくは2500〜1000000mg/m、特に好ましくは3000〜100000mg/mとなるように阻止率向上処理水をRO膜に通水、すなわち透過させるのが好ましい。
最小有機化合物接触量(mg/m)=[最小有機化合物濃度(mg/L)×処理時間(hr)×処理時透過水量(m/hr)/膜面積(m)]×1000
(ここで、最小有機化合物濃度は、阻止率向上処理水中における有機化合物のうちの最も濃度が低い有機化合物の濃度である。)
かかる最小有機化合物接触量とすることにより、RO膜の阻止率が十分に向上する。たとえば、2種類の前記低分子量アミノ化合物を用い、第1の低分子量アミノ化合物の阻止率向上処理水中濃度をC(mg/L)、第2の低分子量アミノ化合物の阻止率向上処理水中濃度をC(mg/L)、タンニン酸の阻止率向上処理水中濃度をC(mg/L)、C〜Cのうち最も濃度の低いものをCminとした場合、膜単位面積当りの最小有機化合物接触量は次式で算出される。
膜単位面積当りの最小有機化合物接触量=[(Cmin)×処理時間(Hr)×処理時透過水量(m/Hr)/膜面積(m)]×1000
本発明方法において、阻止率向上処理時のRO膜透過水の線速度は圧力、水温、膜の形状等に関わるが、0.1〜5m/dであることが好ましい。理由は上述と同様、過度に高いと劣化していない個所への吸着が進むという問題があり、過度に低いと劣化個所への接触効率が悪化するためである。
また、阻止率向上処理時の阻止率向上処理水の水温は、常温、例えば10〜35℃程度が好ましい。水温が低すぎると透過水量が低下し、接触効率が悪化する。阻止率向上処理水の温度が高すぎると膜素材が変性するおそれがある。
阻止率向上処理水を通水する時間としては、RO膜中を各有機化合物が十分に透過する時間とすることが好ましい。RO膜装置を定常運転していないときに阻止率向上処理水を通水する場合、3〜100時間程度、特に6〜50時間程度通水することが好ましい。通水時間が過度に短いと、有機化合物の定着性が十分得られないまま処理を終了させることになり、付着した有機化合物が剥離してしまうことがある。
阻止率向上処理は、RO膜装置の定常運転時に行われてもよく、例えば阻止率向上処理剤から調製した水溶液をRO膜装置の定常運転時にRO給水に添加することにより行われてもよい。RO給水に阻止率向上処理剤の水溶液を添加する時間は、1〜500時間程度が好適であるが、阻止率向上処理剤の水溶液をRO給水に常時添加してもよい。
RO膜装置を長時間運転することにより、膜汚染が生じて透過流束が低下している場合は、膜洗浄を行った後に阻止率向上処理を行ってもよい。
この場合に用いる膜洗浄の薬剤としては、酸洗浄では、塩酸、硝酸、硫酸などの鉱酸、クエン酸、シュウ酸といった有機酸を挙げることができる。アルカリ洗浄では、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。一般的に、酸洗浄ではpH2付近とし、アルカリ洗浄ではpH12付近とする。
[RO膜]
本発明において阻止率向上処理の処理対象となるRO膜の膜構造としては、非対称膜、複合膜などの高分子膜などを挙げることができる。RO膜の素材としては、例えば、芳香族系ポリアミド、脂肪族系ポリアミド、これらの複合材などのポリアミド系素材、酢酸セルロースなどのセルロース系素材などを挙げることができる。これらの中で、芳香族系ポリアミド素材のRO膜であって、劣化することによりC−N結合の分断でカルボキシル基を多く有するRO膜に、本発明の阻止率向上剤及び阻止率向上方法を特に好適に適用することができ、特に阻止率向上処理前のRO膜の脱塩率が95%以下、特に90%以下である場合、本発明方法を適用するのに好適である。
RO膜モジュールの形式に特に制限はなく、例えば、管状膜モジュール、平面膜モジュール、スパイラル膜モジュール、中空糸膜モジュールなどを挙げることができる。
[水処理方法]
本発明の水処理方法は、本発明の阻止率向上剤又は阻止率向上方法により阻止率向上処理されたRO膜を用いるものであって、電子デバイス製造分野、半導体製造分野、その他の各種産業分野で排出される高濃度ないし低濃度TOC含有排水の回収・再利用のための水処理、あるいは工業用水や市水からの超純水製造、その他の分野の水処理に有効に適用される。
本発明に係るRO膜装置で処理される被処理水は特に限定されるものではないが、電解質含有水が好適であり、例えば電気伝導度2〜10000mS/m、好ましくは10〜7000mS/m程度の有機物含有水が好適である。このような有機物含有水としては電子デバイス製造工場排水、輸送機械製造工場排水、有機合成工場排水又は印刷製版・塗装工場排水など、あるいはそれらの一次処理水など挙げることができるが、これらに限定されない。
以下に比較例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下において、性能評価装置としては、図3に示す平膜試験装置を用いた。
この平膜試験装置は、有底有蓋の円筒状容器1の高さ方向の中間位置に平膜セル2を設けて容器内を原水室1Aと透過水室1Bとに仕切り、この容器1をスターラー3上に設置し、ポンプ4で被処理水を配管11を介して原水室1Aに給水すると共に、容器1内の攪拌子5を回転させて原水室1A内を攪拌し、透過水を透過水室1Bより配管12を介して取り出すと共に、濃縮水を原水室1Aより配管13を介して取り出すものである。濃縮水取り出し配管13には圧力計6と開閉バルブ7が設けられている。
また、評価膜のRO透過流束、脱塩率(NaCl除去率)、IPA除去率はそれぞれ以下の式より算出した。
透過流束[m/(md)]=透過水量[m/d]/膜面積[m]×温度換算係数[−]
脱塩率[%]=(1−透過水の導電率[mS/m]/濃縮水の導電率[mS/m])×100
IPA除去率[%]=(1−透過水のTOC[mg/L]/濃縮水のTOC[mg/L])×100
[阻止率向上試験I]
平膜試験装置の平膜セル2の膜として次の劣化膜を用い、以下の阻止率向上剤、性能評価被処理水、性能評価条件で試験を行った。
劣化膜:日東電工社製超低圧逆浸透膜ES20を、過酸化水素を1重量%、塩化第二鉄を鉄分として1mg/L含む水溶液に24時間浸漬して加速劣化させたもの。この劣化膜の透過流束、脱塩率、IPA除去率はそれぞれ1.1m/(m・d)、90%、72%であり、オリジナル膜(新品の劣化していないES20膜)の透過流束、脱塩率、IPA除去率はそれぞれ0.8m/(m・d)、98%、88%である。
阻止率向上剤の構成成分:アルギニン(味の素ヘルシーサプライ製、分子量174)、アスパルテーム(味の素ヘルシーサプライ製、分子量294)、タンニン酸AL(以下タンニン酸、富士化学工業製、分子量500以上)、いずれも食品添加物
性能評価被処理水:NaCl500mg/L、IPA100mg/Lを超純水に溶解したもの
性能評価条件:運転圧力0.75MPa、温度24℃±2℃
<比較例1>
阻止率向上剤の構成3成分を、それぞれ10g/Lとなるように粉体から直接純水に溶解させたところ、不溶性の凝集物が生成し、阻止率向上処理に供することができなかった。
<実施例1>
アルギニンとアスパルテームを1:1の重量割合で粉体のまま混合し、タンニン酸とは別に各成分が10g/Lとなるように純水に溶解させた。アスパルテームはアルギニンと共存することで容易に溶解した。アスパルテーム及びアルギニン含有水溶液のpHは9.0で、タンニン酸含有水溶液のpHは3.7であった。
その後、各成分の濃度がそれぞれ50mg/Lとなるように、純水中にこれらの2つの水溶液を滴下して希釈混合したところ清澄な水溶液が得られた。
得られた混合水溶液を劣化膜に5時間通水して阻止率向上処理を行ったところ、処理後のRO膜の透過流束、脱塩率、IPA除去率はそれぞれ0.8m/(m・d)、98.5%、87%に回復した。
[阻止率向上試験II]
平膜試験装置の平膜セル2の膜として次の劣化膜を用い、以下の阻止率向上剤、性能評価被処理水、性能評価条件で試験を行った。
劣化膜:日東電工社製超低圧逆浸透膜ES20を、過酸化水素を1重量%、塩化第二鉄を鉄分として1mg/L含む水溶液に24時間浸漬して加速劣化させたもの。この劣化膜の透過流束、脱塩率、IPA除去率はそれぞれ0.95m/(m・d)、95%、81%である。オリジナル膜(新品の劣化していないES20膜)の透過流束、脱塩率、IPA除去率は前述の通りである。
阻止率向上剤の構成成分:グリシン(和光純薬製、分子量75)、アルギニン(味の素ヘルシーサプライ製、分子量174)、タンニン酸AL(以下タンニン酸、富士化学工業製、分子量500以上)
性能評価被処理水:NaCl500mg/L、IPA100mg/Lを超純水に溶解したもの
性能評価条件:運転圧力0.75MPa、温度24℃±2℃
<比較例2>
グリシン、アルギニン、タンニン酸をそれぞれ30g/Lとなるように別々に純水に溶解させ、これらを混合して、それぞれの濃度が10g/Lになるようにしたところ、混合直後に凝集物が生成し、阻止率向上処理に供することができなかった。
<比較例3>
グリシン、アルギニン、タンニン酸をそれぞれ30g/Lとなるように別々に溶解させ、各々−5℃で1ヶ月保管したところ、それぞれ凍結した。これらを常温に戻して融解させたところ、タンニン酸水溶液に沈殿が生成し、阻止率向上処理に供することができなかった。
<比較例4>
グリシン、アルギニン、タンニン酸の等量を粉体の状態で混合した。得られた混合粉体を−5℃で1ヶ月保管したところ、粉末の状態に変化は見られなかったが、この混合粉体をそれぞれの濃度が10g/Lになるように純水に溶解させたところ、凝集物が生成し、阻止率向上処理に供することができなかった。
<実施例2>
グリシンとアルギニンを1:1の重量割合で粉体の状態で混合し、タンニン酸は単独で粉体の状態とした。各粉体状薬剤を温度−5℃で1ヶ月保管した。その後、2つの粉体状薬剤を、各成分の濃度が10g/Lになるように別々に純水に溶解させた。グリシンとアルギニンを含む水溶液のpHは9.6で、タンニン酸水溶液のpHは3.7であった。このグリシン・アルギニン水溶液とタンニン酸水溶液を用いて、以下の方法で劣化膜の阻止率向上処理を行った。
即ち、被処理水の流量に対して、それぞれの水溶液の流量が1/5000、即ち、被処理水と合流した後の各成分の濃度が2mg/Lとなるように調整して、被処理水の流路にグリシン・アルギニン水溶液とタンニン酸水溶液を別々にライン注入した。注入開始後、劣化膜の性能は変化し、72時間後には、透過流束、脱塩率、IPA除去率はそれぞれ0.8m/(m・d)、98.7%、89%となった。
[考察]
以上の結果から次のことが分かる。
(1) アルギニンとアスパルテームを混合して粉体状薬剤とし、一方、タンニン酸をそのまま粉体状薬剤とし、それぞれを高濃度水溶液した後、これらを希釈混合することにより、凝集物を生成させることなく、RO膜の阻止率向上処理に有効に用いることができる。
(2) グリシンとアルギニンを混合して粉体状薬剤とし、一方、タンニン酸をそのまま粉体状薬剤としてそれぞれ保管すると、その後、水に溶解させた時に凝集物を生成させることなく、均一かつ安定な水溶液を調製することができ、これらをライン注入により希釈混合することにより、凝集物を生成させることなく、RO膜の阻止率向上処理に有効に用いることができる。
1 容器
1A 原水室
1B 透過水室
2 平膜セル
3 スターラー

Claims (7)

  1. 分子量の異なる2種以上の有機化合物を含む逆浸透膜の阻止率向上剤であって、該2種以上の有機化合物として、少なくとも分子量が60以上500未満のアミノ基を有する有機化合物と、タンニン酸とを含む逆浸透膜の阻止率向上剤において、前記アミノ基を有する有機化合物と前記タンニン酸とが、互いに異なる2つの粉体状薬剤として保管されることを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上剤。
  2. 請求項1において、前記2つの粉体状薬剤を、それぞれ、各有機化合物の濃度が1〜200g/Lの水溶液としたとき、前記アミノ基を有する有機化合物を含む一方の粉体状薬剤の水溶液のpHが7以上で、前記タンニン酸を含む他方の粉体状薬剤の水溶液のpHが7未満であることを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上剤。
  3. 請求項1又は2に記載の阻止率向上剤の水溶液を用いて逆浸透膜を処理する逆浸透膜の阻止率向上方法であって、前記2つの粉体状薬剤のうちの少なくとも一方の粉体状薬剤を水に溶解させて有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、該粉体状薬剤が2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす)が1〜200g/Lの水溶液を調製する工程と、該水溶液の有機化合物濃度(この有機化合物濃度は、該粉体状薬剤が2種以上の有機化合物を含む場合、各々の有機化合物濃度をさす)が0.1〜200mg/Lとなるように該水溶液を希釈する工程とを含むことを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上方法。
  4. 請求項1又は2に記載の阻止率向上剤の水溶液を用いて逆浸透膜を処理する逆浸透膜の阻止率向上方法であって、前記2つの粉体状薬剤をそれぞれ水に溶解させ、得られた水溶液を混合することにより、各有機化合物の濃度が1〜200mg/Lの水溶液を調製する工程を含むことを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上方法。
  5. 請求項1又は2に記載の阻止率向上剤の水溶液を用いて逆浸透膜を処理する逆浸透膜の阻止率向上方法であって、前記2つの粉体状薬剤をそれぞれ水に溶解させて得られた水溶液を、それぞれ別の位置からライン注入して希釈混合する工程を含むことを特徴とする逆浸透膜の阻止率向上方法。
  6. 請求項1又は2に記載の阻止率向上剤を用いて阻止率向上処理された逆浸透膜。
  7. 請求項3ないし5のいずれか1項に記載の阻止率向上方法により阻止率向上処理された逆浸透膜。
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