JP2013205374A - 抗原試料の定量方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、イムノクロマトグラフィー用キットを用い、安価で簡便に、抗原試料を定量する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 イムノクロマトグラフィー用担体を有し、前記担体上に、抗原試料を添加するための抗原添加部、第1の標識抗体と前記抗原試料の複合体に結合する第2の抗体が固定化された検出ライン、及び第2の抗体が固定化された対照ラインをこの順で有するイムノクロマトグラフィー用キットを用い、前記複合体を前記抗原添加部から前記対照ラインまで、前記担体上を展開させた後、前記標識によって得られた検出ラインにおける第1のシグナル強度及び対照ラインにおける第2のシグナル強度を測定する工程と、第1のシグナル強度と、第1のシグナル強度と第2のシグナル強度の和と、の比率を算出する工程と、前記比率から、前記抗原試料の量を算出する工程と、を含む定量方法とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 イムノクロマトグラフィー用担体を有し、前記担体上に、抗原試料を添加するための抗原添加部、第1の標識抗体と前記抗原試料の複合体に結合する第2の抗体が固定化された検出ライン、及び第2の抗体が固定化された対照ラインをこの順で有するイムノクロマトグラフィー用キットを用い、前記複合体を前記抗原添加部から前記対照ラインまで、前記担体上を展開させた後、前記標識によって得られた検出ラインにおける第1のシグナル強度及び対照ラインにおける第2のシグナル強度を測定する工程と、第1のシグナル強度と、第1のシグナル強度と第2のシグナル強度の和と、の比率を算出する工程と、前記比率から、前記抗原試料の量を算出する工程と、を含む定量方法とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、抗原試料の定量方法に関する。
近年、インフルエンザウイルス検査、妊娠検査などに、簡便なイムノクロマトグラフィー用キットが用いられている。このキットは、簡便性が重視され、定性的に抗原を検出できるが、定量性を求めようとすると、高価なイムノクロマトリーダーなどの検出装置が必要であった。そこで、キットを用いて得られた結果を画像データとして処理する際には、バックグラウンド(背景色)の影響を除去するなどの工夫がなされてきた(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、イムノクロマトグラフィー用キットを用い、安価で簡便に、抗原試料を定量する方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施態様は、イムノクロマトグラフィー用キットにおける、抗原試料の定量方法であって、前記キットは、イムノクロマトグラフィー用担体を有し、前記担体上に、抗原試料を添加するための抗原添加部、第1の標識抗体と前記抗原試料の複合体に結合する第2の抗体が固定化された検出ライン、及び第2の抗体が固定化された対照ラインをこの順で有し、前記複合体を前記抗原添加部から前記対照ラインまで、前記担体上を展開させた後、前記標識によって得られた検出ラインにおける第1のシグナル強度及び対照ラインにおける第2のシグナル強度を測定する工程と、第1のシグナル強度と、第1のシグナル強度と第2のシグナル強度の和と、の比率を算出する工程と、前記比率から、前記抗原試料の量を算出する工程と、を含む。本定量方法において、既知の抗原量を有する、前記抗原試料と同じ複数の抗原を用いて算出した、第1のシグナル強度と、第1のシグナル強度と第2のシグナル強度の和と、の比率を用いて、予め作成された、前記抗原量と前記比率の関係を表す標準曲線を用いて、前記抗原試料の量が算出されてもよい。また、本定量方法は、前記複合体が前記担体上を前記対照ラインまで展開した後、前記キットの画像データを得る工程をさらに含み、前記画像データにおいて、各シグナルにおける所定の濃度以上のピクセルにおける濃度の総和を算出することによって、各シグナル強度が測定されてもよい。なお、前記画像データは、スキャナーまたはデジタルカメラを用いて得られることが好ましい。
本発明によって、イムノクロマトグラフィー用キットを用い、安価で簡便に、抗原試料を定量することができるようになった。
以下、上記知見に基づき完成した本発明の実施の形態を、添付図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明の目的、特徴、利点、および、そのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
==イムノクロマトグラフィー用キットの構造==
本発明の、抗原試料の定量方法に用いられるイムノクロマトグラフィー用キットの一例を図1に示す。
本発明の、抗原試料の定量方法に用いられるイムノクロマトグラフィー用キットの一例を図1に示す。
定量する対象の抗原試料となる抗原は、特異的に結合して本発明の定量に使用できる抗体が得られるものであれば、特に限定されず、例えば、低分子化合物、糖やタンパク質などの高分子化合物、金属などが挙げられる。
イムノクロマトグラフィー用キット1は、イムノクロマトグラフィー用担体2を有し、前記担体上に、抗原試料を添加するための抗原添加部3、第1の標識抗体と前記抗原試料の複合体に結合する第2の抗体が固定化された検出ライン4、及び第2の抗体が固定化された対照ライン5をここの順で有する。抗原添加部3と検出ライン4の間に、第1の標識抗体を供給するための試薬供給部6が設けられてもよい。抗原添加部3の材料としては、ガラス繊維、セルロース濾紙などの濾紙、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、及び綿布のような吸水性の多孔性のものが用いられ、通常パッド状に形成される。試薬供給部6の材料としては、ガラス繊維、濾紙、吸水紙、フェルト状繊維体、不織布、脱脂綿のような吸水性の多孔性のものが用いられ、通常パッド状に形成される。イムノクロマトグラフィー用担体2は、イムノクロマトグラフィーに用いられる多孔性膜であれば、特に限定されず、例えば、ニトロセルロース膜、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維、不織布、布、または糸などが挙げられる。また、イムノクロマトグラフィー用担体1の展開方向の下流側に、吸水性材料からなる吸水パッド7が設けられていてもよい。この吸水性材料としては、例えば、ニトロセルロース、不織布、布、セルロースアセテート、紙などが挙げられる。
第1の標識抗体に結合している標識物質は、例えば、金コロイド、酵素、蛍光物質などが挙げられるが、簡便さの面で、金コロイドが好ましい。なお、酵素の例としては、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
第1の標識抗体は、抗原試料に結合するものであれば特に限定されないが、その結合の特異性が高いほど好ましい。第2の抗体は、第1の標識抗体と抗原試料の複合体に結合するものであれば特に限定されないが、その結合の特異性が高いほど好ましく、抗原試料に対する抗体であることが好ましく、第1の抗体と同じであってもよいが、標識の検出を阻害してはならない。なお、第2の抗体は、イムノクロマトグラフィー用担体2の検出ライン4及び対照ライン5に固定化されているが、抗原試料が流れる方向と垂直な線状に固定化されていることが好ましい。検出ライン4に固定化されている第2の抗体の量は、特に限定されないが、抗原試料に結合した第1の標識抗体を捕捉し、標識による発色が検出できる量であることが好ましい。対照ライン5に固定化されている第2の抗体の量は、検出ラインに捕捉されなかった第1の標識抗体を全て捕捉できる量であることが好ましい。
==抗原試料の定量方法==
上述したイムノクロマトグラフィー用キット1を用いて、抗原試料の定量方法の一例を詳述する。
上述したイムノクロマトグラフィー用キット1を用いて、抗原試料の定量方法の一例を詳述する。
まず、試薬供給部6を設けない場合、複数の既知量の、抗原試料と同じ抗原を、第1の標識抗体と混合し、抗原と第1の標識抗体を結合させ、それらの複合体を作製する。この複合体を、イムノクロマトグラフィー用キット1上の抗原添加部3に添加する。抗原と第1の標識抗体の複合体は、複合体が含まれている液体成分を展開溶液とする毛管現象によって、イムノクロマトグラフィー用担体2上を対照ライン5まで展開するが、展開は対照ライン5を超えても構わない。吸水パッド7を設けると、この展開速度を速めるのに役立つ。
試薬供給部6を設ける場合、予め、第1の標識抗体を、固定化せずに移動できる状態で、試薬供給部6に含ませておく。抗原を抗原添加部3に添加すると、溶液の展開と共に抗原が移動し、試薬供給部6で複合体が形成され、溶液の展開とともに移動することになる。
展開溶液が検出ライン4及び対照ライン5を通過する時、展開溶液中の複合体が、各ラインに固定化されている第2の抗体に捕捉される。対照ライン5には、多量の抗体が固定化されているので、検出ライン4に捕捉されなかった第1の標識抗体を事実上全て捕捉する。
その後、標識が酵素の場合、基質を検出ライ4ン及び対照ライン5に添加してシグナルを発色させる。簡便に発色できるように、基質溶液を滴下するのが好ましい。標識が金コロイドの場合、検出ライン4及び対照ライン5で濃縮されて可視化する。
このようにして得られた、検出ライン4における第1のシグナル強度及び対照ライン5における第2のシグナル強度を測定する。測定には、イムノクロマトリーダーを用いてもよいが、以下のように行なうのが簡便である。まず、スキャナーまたはデジタルカメラを用いて、各シグナルの画像データを作製する。画像データは、特定の範囲の波長の色を抽出する方がシグナル強度測定の精度が高まるので、グレースケールであることが好ましい。そして、画像データにおいて、各シグナルにおける所定の濃度以上のピクセルについて、濃度の総和を算出し、各シグナルの強度を測定する。例えば、画像解析ソフト(Scion image またはNIH Imageなど)を用いて、図2のようにシグナルの強度をグラフ化し、一定レベル以上の部分の山の面積を測定すればよい。そして、第1のシグナル強度と第2のシグナル強度の和を計算し、第1のシグナル強度と和の比率を算出し、図3のように、用いた抗原量と算出した比率の相関をグラフ化し、標準曲線とする。
次に、定量したい抗原試料について、標準曲線を作製した場合と同様にして、第1のシグナル強度と、第1のシグナル強度と第2のシグナル強度の和と、の比率を算出する。そして、予め作製した標準曲線を用いて、抗原試料の濃度を算出することができる。
まず、7.7cm x 2.0cm(厚さ0.5cm)のムラサキイガイ付着期幼生検出用イムノクロマトグラフィー用キット1を作製し、一端から、1.5cm、4.0cm、4.5cmの部位を、抗原試料滴下部位3、テストライン4(上記検出ラインに相当)、コントロールライン5(上記対照ラインに相当)とし、テストライン4及びコントロールライン5には、それぞれ抗ムラサキイガイ付着期幼生モノクローナル抗体 0.75μg及びマウス抗IgG抗体(Mouse,Goat-Poly)0.3μgをライン塗布機(BioDot 日本カンタム・デザイン株式会社製)により直線状にメンブレーンに塗布し、乾燥させた。また試薬パッドには金コロイド標識した抗ムラサキイガイ付着期幼生モノクローナル抗体0.61μg(金コロイドを含まない重量として)を均等に塗布し、乾燥させた。
一方、飼育下で得られたムラサキイガイ付着期幼生1、10、および100個体を、1mLの海水を入れた15mL遠沈管にとり、ホモジナイザーにより破砕した。5分間静置した後、上清部分0.1mLを抗原試料とした。なお、コントロールとして、幼生抽出液の入っていない海水0.1mLを用いた。これらの抗原試料を抗原試料滴下パッド3に滴下し、担体2上をテストラインまで展開させた。その後、シグナルが得られたキット1の検出枠部分をスキャナー(canoscan 9950F、キャノン株式会社製)で撮影し(画像解像度1200dpi、グレースケール)、画像ファイル(tiffファイル)を作製した。その後、画像解析ソフト(Socion Image)でシグナル強度をグラフ化した。その一例を図2(A,B)に示す。Bでは、目視では観察できないシグナル(点線で囲われた部分)が検出されており、本方法の感度が高いことを示している。
そして、各抗原試料について解析を行ったところ、表1に示すようなシグナル強度が得られた(cont:コントロールラインのシグナル強度、test:テストラインのシグナル強度)。その結果を図3にグラフ化した。
一方、シグナルが得られたキットをイムノクロマトリーダーでテストラインのみの吸光度を測定し(吸光度法)、その結果を、本発明の画像解析法の結果とともに図4にグラフ化した。なお、表1及び図4に記載の本発明の画像解析法によるシグナル強度は、イムノクロマトリーダーの値と直接比較できるように、生データを270倍した値を記載した。
このようにして作製できる標準曲線を用いれば、目的とする抗原試料を簡便に定量できる。
1 イムノクロマトグラフィー用キット
2 イムノクロマトグラフィー用担体
3 抗原試料滴下パッド(抗原添加部)
4 テストライン(検出ライン)
5 コントロールライン(対照ライン)
6 試薬パッド(試薬供給部)
7 吸水パッド
2 イムノクロマトグラフィー用担体
3 抗原試料滴下パッド(抗原添加部)
4 テストライン(検出ライン)
5 コントロールライン(対照ライン)
6 試薬パッド(試薬供給部)
7 吸水パッド
Claims (4)
- イムノクロマトグラフィー用キットにおける、抗原試料の定量方法であって、
前記キットは、イムノクロマトグラフィー用担体を有し、前記担体上に、抗原試料を添加するための抗原添加部、第1の標識抗体と前記抗原試料の複合体に結合する第2の抗体が固定化された検出ライン、及び第2の抗体が固定化された対照ラインをこの順で有し、
前記複合体を前記抗原添加部から前記対照ラインまで、前記担体上を展開させた後、前記標識によって得られた検出ラインにおける第1のシグナル強度及び対照ラインにおける第2のシグナル強度を測定する工程と、
第1のシグナル強度と、第1のシグナル強度と第2のシグナル強度の和と、の比率を算出する工程と、
前記比率から、前記抗原試料の量を算出する工程と、
を含む定量方法。 - 既知の抗原量を有する、前記抗原試料と同じ複数の抗原を用いて算出した、第1のシグナル強度と、第1のシグナル強度と第2のシグナル強度の和と、の比率を用いて、予め作成された、前記抗原量と前記比率の関係を表す標準曲線を用いて、前記抗原試料の量が算出されることを特徴とする請求項1に記載の定量方法。
- 前記複合体が前記担体上を前記対照ラインまで展開した後、前記キットの画像データを得る工程をさらに含み、
前記画像データにおいて、各シグナルにおける所定の濃度以上のピクセルにおける濃度の総和を算出することによって、各シグナル強度が測定されることを特徴とする請求項1または2に記載の定量方法。 - 前記画像データは、スキャナーまたはデジタルカメラを用いて得られることを特徴とする請求項3に記載の定量方法。
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016031334A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 分析方法及び自動分析装置 |
| JP2019142811A (ja) * | 2018-02-21 | 2019-08-29 | コージンバイオ株式会社 | イムノクロマトグラフィー用のニューデリーメタロβ−ラクタマーゼ(NDM型MBL)に対するモノクローナル抗体、NDM型MBL用のイムノクロマトグラフィー装置及びそのキット、並びにNDM型MBLの検出方法 |
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|---|---|---|---|---|
| JP2002340897A (ja) * | 2001-05-14 | 2002-11-27 | Iatron Lab Inc | 複数項目及び総含有量の同時分析可能なイムノクロマトグラフ法及びイムノクロマトグラフ用ストリップ |
| JP2005522698A (ja) * | 2002-04-10 | 2005-07-28 | レスポンス バイオメディカル コーポレイション | 高感度の免疫クロマトグラフィーアッセイ法 |
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2012
- 2012-03-29 JP JP2012077555A patent/JP2013205374A/ja active Pending
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