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JP2013128018A - 交換スプリング磁石及び交換スプリング磁石の製造方法 - Google Patents

交換スプリング磁石及び交換スプリング磁石の製造方法 Download PDF

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JP2013128018A JP2011276451A JP2011276451A JP2013128018A JP 2013128018 A JP2013128018 A JP 2013128018A JP 2011276451 A JP2011276451 A JP 2011276451A JP 2011276451 A JP2011276451 A JP 2011276451A JP 2013128018 A JP2013128018 A JP 2013128018A
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Tomokazu Fukuzaki
智数 福崎
Kazutomo Abe
一智 阿部
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Abstract

【課題】均一な複合ナノ組織を有し、かつ、優れた保磁力及び残留磁束密度を有する交換スプリング磁石及び交換スプリング磁石の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る交換スプリング磁石は、所定の粒径を有するFeナノ粒子と、Feナノ粒子の周囲に設けられ、SmCoからなるSm−Co相と、Sm−Co相の周囲に設けられた非磁性膜と、を有する、粒径が10〜100nmのコア/シェル粒子からなり、コア/シェル粒子が複合化した構造を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交換スプリング磁石及び交換スプリング磁石の製造方法に関する。
交換スプリング磁石は、同一磁石内にFe等の軟磁性相と、SmCo等の硬磁性相と、が同一磁石内にナノサイズで分散した磁石である。この交換スプリング磁石は、両相の間に働く磁気的な交換結合により、軟磁性の高磁化と硬磁性の高保磁力とを同時に併せ持つ、新しい種類の永久磁石である。この交換スプリング磁石は、従来の焼結磁石の磁気特性を大幅に超える可能性が理論的に提唱されているため、その実用化が期待されている。
一般的に、SmCo系交換スプリング磁石は、液体急冷凝固法又は溶液合成法を用いて製造される。液体急冷凝固法は、溶融した金属合金を急冷してFeとSmCoの複合ナノ組織を得るものである。かかる液体急冷凝固法は、工業性に優れてはいるものの、合金組成の制限から目的とした組成や結晶粒径を持つ複合ナノ組織を得ることが難しく、十分な磁気特性を有する交換スプリング磁石が得られていない。
一方、溶液合成法は、例えばSm(acac),Co(acac)等といった金属錯体を有機溶媒中で反応させ、FeやSmCoのナノ粒子を製造し、複合化することで交換スプリング磁石を得るものである(例えば、以下の特許文献1〜特許文献4を参照。)。かかる溶液合成法を用いることで、目的の組成や結晶粒径を有するナノ粒子を得ることが可能となる。
特開2007−194463号公報 特開2008−300797号公報 特開2010− 13713号公報 特開2010−212501号公報
しかしながら、溶液合成法では、目的の組成や結晶粒径のナノ粒子は得られるものの、均一な混合が困難であり、目的とする複合ナノ組織を得ることができないという問題がある。そのため、上記特許文献1〜特許文献4に開示されているような溶液合成法を用いた場合には、十分な磁気特性を持つ交換スプリング磁石を得ることができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、均一な複合ナノ組織を有し、かつ、優れた保磁力及び残留磁束密度を有する交換スプリング磁石及び交換スプリング磁石の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定の粒径を有するFeナノ粒子と、前記Feナノ粒子の周囲に設けられ、SmCoからなるSm−Co相と、前記Sm−Co相の周囲に設けられた非磁性膜と、を有する、粒径が10〜100nmのコア/シェル粒子からなり、前記コア/シェル粒子が複合化した構造を有する交換スプリング磁石が提供される。
かかる構成によれば、Feコアの周囲にSm−Co相が形成され、かつ、Sm−Co相の周囲に非磁性膜の形成されたコア/シェル粒子が形成される。このコア/シェル粒子を複合化(コンポジット化)することで、Sm−CO相とFeとが交互に分散している交換スプリング磁石を得ることができる。かかる交換スプリング磁石では、FeコアがSm−Co相により被覆されるとともにSm−Co相が非磁性膜により分断されているため、保磁力及び残留磁束密度を向上させることが可能となる。
前記非磁性膜の膜厚は、1〜5nmであってもよい。かかる非磁性膜が形成されることで、保磁力及び残留磁束密度を更に向上させることが可能となる。
前記非磁性膜は、Smを主成分とするサマリウム酸化物又は炭素からなるものであってもよい。かかる非磁性膜が形成されることで、保磁力及び残留磁束密度を更に向上させることが可能となる。
前記コア/シェル粒子における前記Sm−Co相は、前記コア/シェル粒子の体積に対して、30〜50体積%であってもよい。かかるSm−Co相が形成されることで、Feコア同士の接触を防止することが可能となる。
前記Feナノ粒子の粒径は、5〜50nmであってもよい。Feナノ粒子の粒径がかかる大きさとなることで、保磁力及び残留磁束密度を更に向上させることが可能となる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、Feを含むFe錯体と、Coを含むCo錯体と、を所定の有機溶媒中で反応させ、Co/Feコア/シェル粒子を生成するステップと、生成した前記Co/Feコア/シェル粒子と、Smを含むSm錯体と、を所定の有機溶媒中で反応させ、Sm/Co/Fe粒子を生成するステップと、生成した前記Sm/Co/Fe粒子を所定の温度で熱処理して、SmCo/Feコア/シェル粒子を生成するステップと、生成した前記SmCo/Feコア/シェル粒子の表面に非磁性膜を形成するステップと、前記非磁性膜の生成された前記SmCo/Feコア/シェル粒子を焼結して複合化するステップと、を含み、前記非磁性膜の形成されたSmCo/Feコア/シェル粒子の粒径は、10〜100nmである交換スプリング磁石の製造方法が提供される。
かかる構成によれば、Feコアの周囲にSm−Co相が形成され、かつ、Sm−Co相の周囲に非磁性膜の形成されたコア/シェル構造を実現することができ、かかるコア/シェル構造を複合化(コンポジット化)することで、Sm−CO相とFeとが交互に分散している交換スプリング磁石を得ることができる。かかる交換スプリング磁石では、FeコアがSm−Co相により被覆されるとともにSm−Co相が非磁性膜により分断されているため、保磁力及び残留磁束密度を向上させることが可能となる。
前記SmCo/Feコア/シェル粒子におけるSmCoの体積率を、当該SmCo/Feコア/シェル粒子の体積に対して、30〜50%としてもよい。
前記SmCo/Feコア/シェル粒子に形成される前記非磁性膜の膜厚は、1〜5nmであってもよい。
前記非磁性膜は、Smを主成分とするサマリウム酸化物又は炭素からなるものであってもよい。
前記SmCo/Feコア/シェル粒子におけるFeの粒径は、5〜50nmであってもよい。
以上説明したように本発明によれば、Sm−CO相とFeとが交互に分散した均一な複合ナノ組織が形成され、かつ、Sm−Co相が非磁性膜により分断されることとなるため、交換スプリング磁石の保磁力及び残留磁束密度を向上させることが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る交換スプリング磁石を説明するための説明図である。 同実施形態に係る交換スプリング磁石の製造方法の流れの一例を示した流れ図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
上記特許文献1〜特許文献4に示したように、溶液合成法を用いてCoナノ粒子又はFeナノ粒子と、SmCo粒子とを製造し、Co又はFe粒子とSmCo粒子とからなる交換スプリング磁石の製造方法が提供されている。これらの方法は、粒子と粒子とを混合して交換スプリング磁石を製造する方法であるが、均一な複合ナノ組織を形成することが困難であり、十分な磁気特性を有する交換スプリング磁石を製造することは困難であった。
以下で説明する本発明の第1の実施形態に係る交換スプリング磁石の製造方法では、Feナノ粒子の周囲にSmCo相及び非磁性膜を形成したコア/シェル(Core/Shell)粒子を製造し、このコア/シェル粒子を複合化(コンポジット化)することで、交換スプリング磁石を製造する。このようにして得られる交換スプリング磁石は、コア/シェル構造を有する粒子が複合化されているという従来とは異なる微細構造を有するものであり、均一な複合ナノ組織を有し、優れた磁気特性(高保磁力及び高残留磁束密度)という特徴を有するものである。
以下では、本実施形態に係る交換スプリング磁石及び交換スプリング磁石の製造方法について、詳細に説明する。
<交換スプリング磁石の構成について>
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係る交換スプリング磁石の構成について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る交換スプリング磁石について説明するための説明図である。
本実施形態に係る交換スプリング磁石は、図1の左側に示したようなコア/シェル粒子10を用いて形成されるものである。かかるコア/シェル粒子10は、Feナノ粒子11と、Feナノ粒子11の周囲に設けられたSm−Co相13と、Sm−Co相の周囲に設けられた非磁性膜15と、を有している。かかるコア/シェル粒子10において、Feナノ粒子11が軟磁性相として機能し、Sm−Co相13が硬磁性相として機能する。
Feナノ粒子11は、所定の結晶粒径を有するα−Feを用いて形成される。Feナノ粒子11の結晶粒径は、5nm〜50nmであることが好ましく、更に好ましくは、10nm〜30nmである。
Feナノ粒子11の結晶粒径が5nm〜50nmとなることで、本実施形態に係る交換スプリング磁石は、所望の残留磁束密度(磁化)を実現することが可能となる。また、Feナノ粒子11の結晶粒径が5nm未満である場合には、Feナノ粒子11の結晶性を維持することが困難となり、Feナノ粒子11の結晶粒径が50nm超過である場合には、コア/シェル粒子10における相対的なFeナノ粒子11の割合が大きくなり、保磁力及び残留磁束密度の双方を兼ね備えることが困難となる。Feナノ粒子11の結晶粒径は、更に好ましくは、10nm〜30nmである。
Feナノ粒子11の表面上に形成されるSm−Co相13は、SmCoから形成される、希土類元素(サマリウム:Sm)と遷移金属元素(コバルト:Co)からなる硬磁性相である。本実施形態に係る交換スプリング磁石では、このSm−Co相13とFeナノ粒子11とが互いに相互作用(交換相互作用)を及ぼし合うことで、優れた磁気特性を実現することができる。
このSm−Co相13は、図1左側に示したコア/シェル粒子10の体積に対して、30〜50体積%であることが好ましい。Sm−Co相13の体積率が30体積%未満である場合には、後述する焼結工程によりコア/シェル粒子10を複合化する際に、Feナノ粒子11同士が接触してしまう可能性があるため、好ましくない。また、Sm−Co相13の体積率が50体積%超過である場合には、コア/シェル粒子10における相対的なSm−Co相13の割合が大きくなり、保磁力及び残留磁束密度の双方を兼ね備えることが困難となる。
Sm−Co相13の表面上には、非磁性膜15が形成される。この非磁性膜15は、Sm−Co相13を構成するSmCoが酸化されることで生成するSmを主成分とするサマリウム酸化物で形成されていてもよく、炭素によって形成されていてもよい。なお、上記物質はあくまでも一例であって、本実施形態に係る非磁性膜15の構成成分は、上記物質に限定されるわけではない。
Sm−Co相13の表面に形成される非磁性膜15の膜厚は、1nm〜5nmであることが好ましい。非磁性膜15の膜厚が1nm未満である場合には、後述する焼結処理によってコア/シェル粒子10を複合化した際に、互いに隣り合うSm−Co相13同士の交換相互作用を遮断することが困難となり、好ましくない。また、非磁性膜15の膜厚が5nm超過となる場合には、コア/シェル粒子10における非磁性膜15の割合が相対的に大きくなり、コア/シェル粒子10の磁気特性が低下してしまう。
このような3つの層からなるコア/シェル粒子10の結晶粒径は、10nm〜100nmである。コア/シェル粒子10の結晶粒径が10nm未満である場合、及び、コア/シェル粒子10の結晶粒径が100nm超過である場合には、かかるコア/シェル粒子10を複合化した交換スプリング磁石において、所望の磁気特性を実現することができない。また、かかるコア/シェル粒子10の結晶粒径は、更に好ましくは、10nm〜50nmである。
なお、本実施形態に係るコア/シェル粒子10は、図1左側に示したように、Feナノ粒子11をコアとし、Sm−Co相13及び非磁性膜15をシェルとするコア/シェル構造を有するものである。一方で、本実施形態に係るコア/シェル粒子10とコア/シェル構造を逆転させた、SmCoからなる硬磁性のナノ粒子をコアとし、α−Feからなる軟磁性相をシェルとするコア/シェル構造も考えうる。しかしながら、α−Fe相をシェルとしてコア/シェル粒子を複合化した場合には、Feの粒成長に伴ってFe相同士が接触してしまう可能性があるため、α−Fe相の大きさを制限しなくてはならず、高い残留磁束密度(磁化)を得ることが困難となってしまう。逆に、本実施形態に係るコア/シェル粒子10のようにα−Feをコアとし、SmCoをシェルとするコア/シェル構造を採用することで、α−Fe同士が接触しないよう複合化することができるため、α−Feの存在量の上限値を更に上昇させ、残留磁束密度を更に向上させることが可能となる。
本実施形態では、以上説明したようなコア/シェル粒子10を、図1右側に示したように熱処理(焼結処理)によって複合化(コンポジット化)して、交換スプリング磁石とする。本実施形態に係るコア/シェル粒子10が複合化されることで、図1右側にその一部を模式的に示したように、本実施形態に係る交換スプリング磁石では、Feコア粒子11とSm−Co相13とが交互に分散する均一な複合ナノ組織を実現することが可能となり、Feコア粒子11同士が直接接触することがない。また、隣り合うSm−Co相13の間にサマリウム酸化物又は炭素等からなる非磁性膜15が存在することによって、Sm−Co相13同士が非磁性膜15により分断され、Sm−Co相間で交換相互作用が働くことを防止することが可能となる。その結果、本実施形態に係る交換スプリング磁石では、Feナノ粒子11とSm−Co相13との間の交換相互作用により、高い保磁力及び残留磁束密度を有するという優れた磁気特性を備えた永久磁石を実現することが可能となる。
また、本実施形態に係る交換スプリング磁石を永久磁石型モータに適用した場合、トルクTは、以下の式10によって決定されることとなる。
T∝P・Ψ・i ・・・(式10)
ここで、上記式10において、Pはモータ極数を示し、Ψは回転子磁石の磁束を示し、iは固定子巻線の電流を示す。本実施形態に係る交換スプリング磁石は、従来よりモータ等に利用されているネオジム磁石と比較して磁束Ψが大きいため、モータ出力の大幅な向上を図ることが可能となる。
ここで、本実施形態に係るコア/シェル粒子10において、Feナノ粒子11、Sm−Co相13及び非磁性膜15が形成されているか否かは、製造したコア/シェル粒子10を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)で観察したり、X線回折分析を行い、Feに由来する回折ピーク及びSmCo5に由来する回折ピークが存在しているか否かを判断したりすることで、確認することができる。
また、本実施形態に係るコア/シェル粒子10における結晶粒径は、X線回折の測定結果を利用し、以下の式11に示したホール(Hall)の式に基づく方法(ホールの方法)を利用することで、特定することができる。このホールの方法は、単結晶とみなせる微小結晶(結晶子)の大きさ(すなわち、結晶粒径)と、不均一歪みの双方に起因するX線回折ピークの拡がりを評価する方法である。
Figure 2013128018
・・・(式11)
ここで、上記式11において、Bは、結晶子の大きさεに起因する回折X線のピークの拡がり(積分幅)を表すパラメータであり、2ηは、隣接結晶子間又は同一の結晶子内における大きさの歪み(不均一歪み)を表すパラメータである。また、θは、回折X線における回折角であり、λは、用いたX線の波長である。
具体的には、複数の回折ピークについて、ピーク高さが同一であり面積が等しい長方形の幅を表す積分幅を算出し、Bcosθとsinθとを座標軸とするグラフを作成する。上記式11から明らかなように、Bcosθとsinθとの間には、直線の相関が存在するため、グラフに現れる直線の傾きに基づいて不均一歪み2ηを特定することができ、Bcosθ軸における切片に基づいて結晶子の大きさεを特定することができる。
また、Sm−Co相13の体積率や、非磁性膜15の厚みは、本実施形態に係るコア/シェル粒子10を透過型電子顕微鏡で観察し、透過率に関するコントラスト像を画像処理することで特定することができる。
また、本実施形態に係る交換スプリング磁石の備える磁気特性(例えば、保磁力や残留磁束密度)は、公知の方法により測定可能であるが、例えば、振動試料型磁力計を利用して測定することができる。
なお、本実施形態で利用可能な結晶粒径や、体積率や、非磁性膜の測定方法は、上記方法に限定されるわけではなく、他にも公知の方法を利用することが可能である。
以上、図1を参照しながら、本実施形態に係る交換スプリング磁石について、詳細に説明した。
<交換スプリング磁石の製造方法について>
次に、本実施形態に係る交換スプリング磁石の製造方法について説明する。
先だって説明したように、従来の溶液合成法では、所望の組成及び結晶粒径を有する均一な複合ナノ組織を形成することが困難であったが、以下で説明する本実施形態に係る交換スプリング磁石の製造方法では、所望の組成及び結晶粒径を有し、かつ、均一な複合ナノ組織を有する交換スプリング磁石を、溶液合成法により製造することが可能となる。
以下では、図2を参照しながら、本実施形態に係る交換スプリング磁石の製造方法について、その流れを詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る交換スプリング磁石の製造方法の流れの一例について示した流れ図である。
本実施形態に係る交換スプリング磁石の製造方法は、図2に例示したように、大きく分けて以下の5つの工程からなる。
(1)Co/Feコア/シェル粒子の生成(ステップS101)
(2)Sm/Co/Feコア/シェル粒子の生成(ステップS103)
(3)SmCo/Feコア/シェル粒子の生成(ステップS105)
(4)非磁性膜の形成(ステップS107)
(5)複合化(ステップS109)
[Co/Feコア/シェル粒子の生成]
Co/Feコア/シェル粒子を生成するためには、溶液合成法に基づいて、α−Feを含む金属錯体(以下、Fe錯体と称する。)と、Coを含む金属錯体(以下、Co錯体と称する。)と、を所定の有機溶媒中で反応させる。
より詳細には、Fe錯体と、Co錯体とを所定の有機溶媒中で混合した上で、所定の温度まで所定の昇温速度で加熱し、加熱後の溶液を所定時間保持した上で、室温まで温度を低下させる。これにより、FeがコアとなりCoがシェルとなるコア/シェル構造を有するCo/Feコア/シェル粒子を生成することができる。
ここで、上記Fe錯体としては、例えば、Feペンタカルボニル(化学式:Fe(CO))等を使用することが可能である。また、上記Co錯体としては、例えば、Coオクタカルボニル(化学式:Co(CO))等を使用することが可能である。なお、上記のFe錯体及びCo錯体の例はあくまでも一例であって、本実施形態において利用可能なFe錯体及びCo錯体が上記の例に限定されるわけではない。
また、上記反応に利用する有機溶媒としては、例えば、オレイルアミン(C1837N)、オレイン酸(C1834)、テトラリン(C1012)等を使用することが可能である。なお、上記の有機溶媒の例はあくまでも一例であって、本実施形態において利用可能な有機溶媒が上記の例に限定されるわけではない。
[Sm/Co/Feコア/シェル粒子の生成]
次に、生成したCo/Feコア/シェル粒子と、Smを含む金属錯体(以下、Sm錯体と称する。)とを、サマリウムとコバルトのモル比が1:5.2となるように所定の有機溶媒中で混合し、溶液合成法に基づいて反応させる。その上で、溶液を所定の温度まで所定の昇温速度で加熱し、加熱後の溶液を所定時間保持した上で、室温まで温度を低下させる。これにより、Co相の上に、サマリウム酸化物(Sm)からなる相が形成されることとなる。その結果、Feがコアとなり、CoやSmがシェルとなるコア/シェル構造を有するSm/Co/Feコア/シェル粒子を生成することができる。
ここで、上記Sm錯体としては、例えば、Smトリアセチルアセトナート(化学式:Sm(acac))等を使用することが可能である。また、有機溶媒としては、上記と同様のものを使用することが可能である。なお、上記のSm錯体の例はあくまでも一例であって、本実施形態において利用可能なSm錯体が上記の例に限定されるわけではない。
[SmCo/Feコア/シェル粒子の生成]
続いて、生成したSm/Co/Feコア/シェル粒子を所定の温度で所定時間保持することで、当該コア/シェル粒子に対して熱処理を行い、SmCo/Feコア/シェル粒子を生成する。これにより、Feナノ粒子をコアとし、SmCoからなるSm−Co相をシェルとしたコア/シェル構造を有する、SmCo/Feコア/シェル粒子を生成することができる。
なお、SmCoからなるSm−Co相の体積率は、サマリウムとコバルトとのモル比や、上記ステップS101〜ステップS105における保持時間の長さ等を調整することで、制御することが可能である。
[非磁性膜の生成]
次に、生成したSmCo/Feコア/シェル粒子の表面を、酸化被膜又は炭素等の非磁性膜でコーティングする。非磁性膜の生成方法は、公知の方法により実施することが可能であるが、例えば酸化被膜を形成する場合には、反応雰囲気に酸素を徐々に導入することによって、SmCoの表面にSmを主成分とする酸化被膜を形成することができる。
以上のような処理により、図1左側に示したようなコア/シェル粒子10を製造することが可能となる。
[複合化]
続いて、非磁性膜が生成されたSmCo/Feコア/シェル粒子を、所定の温度で加圧焼結することで、図1左側に示したようなコア/シェル粒子10を複合化する。これにより、図1右側に示したような均一な複合ナノ組織を有する交換スプリング磁石を製造することができる。
以上、図2を参照しながら、本実施形態に係る交換スプリング磁石の製造方法について、詳細に説明した。
続いて、実施例を参照しながら、本発明に係る交換スプリング磁石について、更に具体的に説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
<交換スプリング磁石の製造>
有機溶媒であるオレイルアミンと、以下の表1に示した結晶粒径を有するFeペンタカルボニルとを混合し、200℃程度の温度に加熱した後、室温まで温度を下げた。その後、Fe錯体を含む溶液にCoオクタカルボニルを混合し、300℃程度の温度まで2℃/minの昇温速度で加熱し、2時間以上保持した。その後、溶液の温度を室温まで温度を下げ、Co/Feコア/シェル粒子を生成した。
続いて、オレイルアミンとオレイン酸とを混合した溶媒に、生成したCo/Feコア/シェル粒子と、Smトリアセチルアセトナートとを、サマリウム:コバルト比がモル比1:5.2となるように混合し、2℃/minの昇温速度で250℃まで加熱し、4時間以上保持した。その後、溶液の室温まで温度を下げ、Sm/Co/Feコア/シェル粒子を生成した。
次に、生成したSm/Co/Feコア/シェル粒子と、Ca粉末及びKCl粉末とを混合し、900℃で1時間以上保持した後、室温まで温度を下げ、SmCo/Feコア/シェル粒子を生成した。
その後、生成したSmCo/Feコア/シェル粒子の表面を酸化被膜でコーティングし、図1左側に示したようなコア/シェル粒子を製造した。
得られたコア/シェル粒子について、X線回折解析を行い、コア/シェル粒子の結晶粒子径を特定するとともに、Sm−Co相の体積率及び非磁性膜の厚みを、透過型電子顕微鏡を用いた画像処理により測定した。得られた結果は、以下の表1に示した。
次に、得られたコア/シェル粒子を、900℃以下の温度で加圧焼結し、図1右側に示したようなSmCo/Fe交換スプリング磁石を製造した。
ここで、以下の表1に示した実施例1〜3では、SmCoの体積率を一定としてコア/シェル粒子の粒子径を変化させた。また、以下の表1に示した実施例4及び5では、コア/シェル粒子の粒子径を一定として、SmCoの体積率を変化させた。
このようにして製造した交換スプリング磁石について、振動試料型磁力計を用いて、保磁力及び残留磁束密度を測定した。
なお、本実施形態に係る交換スプリング磁石の比較例として、液体急冷法で1合金組成からSmCo/Fe交換スプリング磁石を作製したもの(比較例1)と、溶液合成法を用いてSmCoとFeを別々に製造し、混合することでSmCo/Fe交換スプリング磁石を作製したもの(比較例2)と、を製造した。
このようにして製造した交換スプリング磁石についても、同様にして、保磁力及び残留磁束密度を測定した。
ここで、以下に示した表1において、
1[Oe](エルステッド)=(10/4π)[A/m]
1[emu]=4π×10−10[Wb・m]
である。
Figure 2013128018
上記表1から明らかなように、液体急冷凝固法で製造した交換スプリング磁石や、溶液合成法で製造した交換スプリング磁石では、高い保磁力及び高い残留磁束密度を得ることができない一方で、本実施形態に係る製造方法で製造した交換スプリング磁石は、優れた保磁力及び残留磁束密度を得ることができた。
このように、本実施形態に係る交換スプリング磁石の製造方法を利用することで、高保磁力及び高残留磁束密度を有する交換スプリング磁石を製造することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 コア/シェル粒子
11 Feナノ粒子
13 Sm−Co相
15 非磁性膜

Claims (10)

  1. 所定の粒径を有するFeナノ粒子と、
    前記Feナノ粒子の周囲に設けられ、SmCoからなるSm−Co相と、
    前記Sm−Co相の周囲に設けられた非磁性膜と、
    を有する、粒径が10〜100nmのコア/シェル粒子からなり、
    前記コア/シェル粒子が複合化した構造を有する
    ことを特徴とする、交換スプリング磁石。
  2. 前記非磁性膜の膜厚は、1〜5nmである
    ことを特徴とする、請求項1に記載の交換スプリング磁石。
  3. 前記非磁性膜は、Smを主成分とするサマリウム酸化物又は炭素からなる
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の交換スプリング磁石。
  4. 前記コア/シェル粒子における前記Sm−Co相は、前記コア/シェル粒子の体積に対して、30〜50体積%である
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の交換スプリング磁石。
  5. 前記Feナノ粒子の粒径は、5〜50nmである
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の交換スプリング磁石。
  6. Feを含むFe錯体と、Coを含むCo錯体と、を所定の有機溶媒中で反応させ、Co/Feコア/シェル粒子を生成するステップと、
    生成した前記Co/Feコア/シェル粒子と、Smを含むSm錯体と、を所定の有機溶媒中で反応させ、Sm/Co/Fe粒子を生成するステップと、
    生成した前記Sm/Co/Fe粒子を所定の温度で熱処理して、SmCo/Feコア/シェル粒子を生成するステップと、
    生成した前記SmCo/Feコア/シェル粒子の表面に非磁性膜を形成するステップと、
    前記非磁性膜の生成された前記SmCo/Feコア/シェル粒子を焼結して複合化するステップと、
    を含み、
    前記非磁性膜の形成されたSmCo/Feコア/シェル粒子の粒径は、10〜100nmである
    ことを特徴とする、交換スプリング磁石の製造方法。
  7. 前記SmCo/Feコア/シェル粒子におけるSmCoの体積率を、当該SmCo/Feコア/シェル粒子の体積に対して、30〜50%とする
    ことを特徴とする、請求項6に記載の交換スプリング磁石の製造方法。
  8. 前記SmCo/Feコア/シェル粒子に形成される前記非磁性膜の膜厚は、1〜5nmである
    ことを特徴とする、請求項6又は7に記載の交換スプリング磁石の製造方法。
  9. 前記非磁性膜は、Smを主成分とするサマリウム酸化物又は炭素からなる
    ことを特徴とする、6〜8の何れか1項に記載の交換スプリング磁石の製造方法。
  10. 前記SmCo/Feコア/シェル粒子におけるFeの粒径は、5〜50nmである
    ことを特徴とする、請求項6〜9の何れか1項に記載の交換スプリング磁石の製造方法。
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