JP2013124320A - アルキル変性ビニルアルコール系重合体を含有する組成物及びこれを用いた加水分解性セルロースの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造の際に、セルロース系バイオマスを含む混合物に好適な粘性を付与すること等により、セルロース系バイオマスの分子レベルの分断を容易に行うことができ、その結果、加水分解性セルロースを効率的に製造することができるPVAを提供すること。
【解決手段】セルロース系バイオマスを原料として加水分解性セルロースを製造する際に用いられる組成物であって、炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位を含有し、この単量体単位の含有率が0.05モル%以上5モル%以下であり、かつケン化度が20モル%以上99.99モル%以下であるアルキル変性ビニルアルコール系重合体、及び特定の界面活性剤を含有する組成物。
【選択図】なし
【解決手段】セルロース系バイオマスを原料として加水分解性セルロースを製造する際に用いられる組成物であって、炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位を含有し、この単量体単位の含有率が0.05モル%以上5モル%以下であり、かつケン化度が20モル%以上99.99モル%以下であるアルキル変性ビニルアルコール系重合体、及び特定の界面活性剤を含有する組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造に用いられる特定のアルキル変性ビニルアルコール系重合体及び特定の界面活性剤を含有する組成物、並びにこれを用いた加水分解性セルロースの製造方法に関する。
バイオマスとは、生物由来の再生可能な資源をいい、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」と定義することができる。このバイオマスの中でも、間伐材等の木材、稲わら、麦わら、籾殻、トウモロコシやサトウキビ等澱粉系作物の茎、アブラヤシの空房(EFB)など、未利用の植物系バイオマスの有効活用が求められている。
このような植物系バイオマスの成分の中でも、澱粉等の多くの多糖類は、酵素等により容易に単糖類に分解され、エネルギー源や食料等として利用されている。そこで、植物系バイオマスの有効活用のためには、植物細胞中の存在比率が高いセルロースをメタンや単糖類(グルコース)に分解し、エネルギー源や食料等として利用することが重要とされている。ただし、セルロースは細胞壁の大部分を形成していることからもわかるように、強固な構造を有し分解されにくいため、有効活用されていないのが実情である。
具体的にはセルロースは、細胞壁中で以下のような多重構造を有している。細胞壁を形成するセルロースは、大部分がミクロフィブリルと言われる直線状に密着した準結晶構造を有している。この準結晶構造を有するセルロース(ミクロフィブリル)同士は、ヘミセルロースやリグニン等の非セルロース成分を介して互いに結合している。これらのセルロース成分(ミクロフィブリル)及び非セルロース成分は、一般的にフィブリルと言われる更に大きな構造体として配列されている。このフィブリルは、通常、シート状に積層されて、細胞壁を構成している。上述の準結晶構造を有するセルロース(ミクロフィブリル)において、セルロースのポリマー鎖は、水素結合によって強く結びついている。この水素結合により、植物は強固な細胞壁を備えることとなる。
このような構造を有するセルロースをメタンに分解する手段としては、嫌気性微生物の分解消化による方法などがある。しかしながら、微生物を利用したセルロースの分解は、反応制御が複雑である等の理由から、実用性が十分ではない。
一方、触媒や酵素を用いて、セルロースを単糖類に加水分解することも、化学的には可能である。セルロースの化学的分解により得られた単糖類は、例えば醗酵によってエタノールに変換され、既存の内燃機関やタービンにエネルギー源として用いることができる。しかしながら、植物由来のセルロース系バイオマスを化学的に直接加水分解することは、上述のような細胞壁におけるセルロースの分子構造上、効率的ではない。これはセルロースの強固な構造が、水及び酵素等の準結晶構造内部への進入を妨げ、セルロース分解酵素の作用を大きく遅らせることに起因すると考えられる。すなわち酵素は、水素結合によって強く結びついた準結晶構造の内部に容易には進入できないため、グリコシド結合を直接には分解することができない。従って、酵素はセルロースの準結晶構造の表面から徐々に分解していくことしかできないため、セルロース系バイオマスを直接、酵素によって加水分解することは効率が高くない。
そこで、セルロース系バイオマスを酵素等による加水分解前に予め細かく分断して、加水分解しやすいセルロースを製造する方法が提案されている。この方法は、基本的には、準結晶構造を有するセルロースを徐々に水和させ、この水和によって隣接するセルロースのポリマー鎖間の水素結合を弱めるという化学的な作用と、セルロース系バイオマスに叩解、混練等により機械的に力を付与してセルロースポリマー鎖を分断するという物理的な作用とを利用するものである。この方法の具体的内容として、例えば(1)容器内でセルロース系バイオマス粒子を撹拌して粒子の浮遊体を生成し、その後、撹拌を継続しながら粒子の浮遊体の温度を上昇させると共に水を徐々に供給して水和させることによって微細な粉末を製造する技術(特許文献1参照)、(2)セルロース系バイオマス粒子を粘性のある水溶性ポリマー水溶液と混ぜて撹拌し、撹拌によって生じる機械的な力を効率的にセルロースポリマー鎖に伝え、セルロースポリマー鎖を互いに引き離すように分断する技術(特許文献2参照)等が提案されている。
しかしながら、(1)の技術では、セルロース系バイオマスの微粒子を浮遊体として存在させるための装置が複雑なものとなる。また、この技術の使用の際に多大なエネルギーを消費するため、生産性が高いとは言えない。一方、(2)の技術では、水溶液に粘性を付与するための水溶性高分子の使用により、セルロース系バイオマスの一定程度の易加水分解性の向上が認められる。しかしながら、実用化に向けての加水分解性の向上のためには、更なる改良が必要とされている。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造の際に、セルロース系バイオマスを含む溶液に好適な粘性を付与することで、セルロース系バイオマスの分子レベルの分断を容易に行うことができ、その結果、加水分解性セルロースを効率的に製造することができる組成物、及びこの組成物を用いた加水分解性セルロースの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の組成物は、
セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造に用いられる組成物であって、
炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位を含有し、この単量体単位の含有率が0.05モル%以上5モル%以下であり、かつケン化度が20モル%以上99.99モル%以下であるアルキル変性ビニルアルコール系重合体、及び下記式(I)で表される構造を有する界面活性剤を含有する。
セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造に用いられる組成物であって、
炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位を含有し、この単量体単位の含有率が0.05モル%以上5モル%以下であり、かつケン化度が20モル%以上99.99モル%以下であるアルキル変性ビニルアルコール系重合体、及び下記式(I)で表される構造を有する界面活性剤を含有する。
式(I)中、R1は、炭素数3〜5のアルキレン基である。R2は、単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基である。X1は、水素原子又は有機基である。X2は、親水基である。mは、1以上100以下の整数である。mが2以上の場合、複数存在するR1は、それぞれ独立して上記定義を満たす。
本発明の組成物は、上記特定の構造を有する界面活性剤を含有している。この界面活性剤は、上記アルキル変性ビニルアルコール系重合体及び水との相溶性が良く、さらに水中で温度によって疎水性が変化するため、高温では上記アルキル変性ビニルアルコール系重合体が有するアルキル基同士の疎水基相互作用を阻害し、低温ではその相互作用を促進させることができる。その結果、当該組成物の水溶液は、高温では低粘度で取扱性に優れ、低温では急激に増粘し低温ゲル化挙動を示す。この特徴は、比較的低温においては、当該組成物、水及びセルロース系バイオマスを好適な粘性で効率よくかつ均一に混ぜ合わせることができ、セルロース系バイオマスへ適当な剪断力を付加することができる。当該組成物を用いたこのような作業においては、粘性のある水溶液によってセルロースポリマー鎖同士が容易にひき離され、また、準結晶構造を有するポリマー鎖の内部に水及びアルキル変性ビニルアルコール系重合体が効率的に進入することでポリマー鎖間の水素結合を弱めていくことができる。さらには、このように引き裂かれたポリマー鎖間にアルキル変性ビニルアルコール系重合体が進入することで、この構造の再準結晶化を防ぐことができる。すなわち当該組成物によれば、セルロース系バイオマスにおけるセルロース鎖を効果的に分子レベルで分断し、酵素等によって容易に加水分解(糖化)されるセルロースを得ることができる。
上記X2は、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩又は下記式(II)で表される基であることが好ましい。
式(II)中、n1は、1以上200以下の整数である。
上記X2が、上記特定の基であると、当該組成物の水溶液は、高温での取扱性及び低温でのゲル化性能により優れる。
上記X1は、水素原子、炭素数1〜29のアルキル基又は親水基であることが好ましい。上記X1が、上記特定の基であると、当該組成物の水溶液は、高温での取扱性及び低温でのゲル化性能により優れる。
上記X1は、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、又は下記式(III)で表される基であることがより好ましい。
式(III)中、n2は、1以上200以下の整数である。
上記X1が、上記特定の基であると、当該組成物の水溶液は、高温での取扱性及び低温でのゲル化性能をさらに向上させることができる。
上記単量体単位は、下記式(IV)で表されることが好ましい。
式(IV)中、R3は、炭素数5〜29のアルキル基である。R4は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。
上記単量体単位が上記特定構造を有することで、当該組成物の水溶液は、粘度の制御性をより高めることができる。
上記式(IV)で表される単量体単位を含有する上記アルキル変性ビニルアルコール系重合体は、下記式(V)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合体をケン化することにより得られるものであることが好ましい。
式(V)中、R3及びR4の定義は、上記式(IV)と同様である。
当該組成物が含有されるアルキル変性ビニルアルコール系重合体が上記特定の単量体の共重合体をケン化することにより得られるものであることで、上記アルキル変性ビニルアルコール系重合体のケン化度等の調整が容易となり、粘度制御性等をさらに高めることができる。また、水との相溶性もより一層向上し、実用性に優れた溶液を作製することができる。
上記アルキル変性ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度は、200以上5,000以下であることが好ましい。当該アルキル変性ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度が上記範囲にあると、上記組成物の水溶液は、低温での優れたゲル化性能をさらに高めることができる。したがって、比較的低温では、当該アルキル変性ビニルアルコール系重合体の水溶液とセルロース系バイオマスとをより好適な粘性で、効率よく均一に混ぜ合わせることができ、かつ、このアルキル変性ビニルアルコール系重合体が引き裂かれたセルロースポリマー鎖間に容易に進入することができる。よって、このような組成物を用いることで、加水分解性がより高いセルロースを得ることができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造方法であって、
上記組成物の水溶液及びセルロース系バイオマスを含む混合物を得る混合工程と、
上記混合物に剪断力を付加してセルロース系バイオマスを分断する分断工程と
を有する製造方法である。
セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造方法であって、
上記組成物の水溶液及びセルロース系バイオマスを含む混合物を得る混合工程と、
上記混合物に剪断力を付加してセルロース系バイオマスを分断する分断工程と
を有する製造方法である。
当該加水分解性セルロースの製造方法によれば、上記組成物の水溶液とセルロース系バイオマスとを混合することで、適当な粘性を有する混合物とすることができる。また、当該製造方法によれば、この混合物に剪断力を付加することで、粘り気のある水溶液によってセルロースポリマー鎖同士が容易にひき離され、また、準結晶構造を有するポリマー鎖の内部に水及びアルキル変性ビニルアルコール系重合体が効率的に進入することでポリマー鎖間の水素結合を弱めていくことができる。すなわち、当該加水分解性セルロースの製造方法によれば、セルロース系バイオマスにおけるセルロース鎖を効果的に分子レベルで分断し、酵素等によって容易に加水分解(糖化)されるセルロースを得ることができる。
当該製造方法において、上記組成物の水溶液がゲル状であるとよい。このようにゲル状である組成物の水溶液を用いることで、分断工程における当初段階から混合物を好適な粘性とすることができ、また、その粘性を一定程度維持することができるため効率のよい加水分解性セルロースの製造を行うことができる。さらにはゲル状であることで、分断されたセルロース鎖間にこのゲル状水溶液が進入し、かつ留まることができるため、セルロース鎖の再準結晶化を防ぐことができ、分断能が向上することとなる。
ここで、「加水分解性セルロース」とは、セルロース系バイオマス等を原料とし、これを物理的に分断等して得られるセルロースであり、上記原料よりも加水分解性が高まったものをいう。
以上説明したように、本発明の組成物によれば、セルロース系バイオマスを原料として加水分解性セルロースを製造する際に、セルロース系バイオマスを含む溶液に好適な粘性を付与することで、セルロース系バイオマスの分子レベルの分断を容易に行うことができ、その結果、加水分解性セルロースを効率的に製造することができる。また、本発明の加水分解性セルロースの製造方法によれば、セルロース系バイオマスを原料として、効率よく加水分解性セルロースを製造することができる。
従って、本発明によれば、植物系のバイオマス原料を、効率よく食物やエネルギー資源として活用することができ、バイオマス活用の実現性を高めることができる。
以下、本発明の組成物に含有されるアルキル変性ビニルアルコール系重合体、界面活性剤及びその他の任意成分、並びに上記組成物を用いた加水分解性セルロースの製造方法の実施の形態を順に詳説する。
〔アルキル変性ビニルアルコール系重合体〕
本発明の組成物を構成するアルキル変性ビニルアルコール系重合体(以下、「アルキル変性PVA」ともいう。)とは、炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位を含有する。すなわち、当該アルキル変性PVAは、上記炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位と、ビニルアルコール単位との共重合体であり、さらに他の単量体単位を含有していてもよい。上記組成物に含有されるアルキル変性PVAが、上記特定のアルキル基を有することで、このアルキル変性PVAを含有する組成物を水溶液として用い、セルロース系バイオマスと混合した際に、好適な粘性で効率よく、かつ均一に混ぜ合わせることができ、その結果、セルロースポリマー鎖を効率的に分断し、加水分解を容易に行うことができる状態とすることができる。このアルキル基の炭素数が5未満の場合、アルキル基同士の相互作用が十分に発現しないため、低温でのゲル化性能が低下する。一方、このアルキル基の炭素数が29を超える場合、当該アルキル変性PVAの水溶性及び高温での取扱性が低下する。これらのうち、低温でのゲル化性能をより一層向上する観点から、炭素数8〜29のアルキル基が好ましく、炭素数12〜27のアルキル基がより好ましく、炭素数15〜26のアルキル基がさらに好ましく、炭素数17〜24のアルキル基が特に好ましい。
本発明の組成物を構成するアルキル変性ビニルアルコール系重合体(以下、「アルキル変性PVA」ともいう。)とは、炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位を含有する。すなわち、当該アルキル変性PVAは、上記炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位と、ビニルアルコール単位との共重合体であり、さらに他の単量体単位を含有していてもよい。上記組成物に含有されるアルキル変性PVAが、上記特定のアルキル基を有することで、このアルキル変性PVAを含有する組成物を水溶液として用い、セルロース系バイオマスと混合した際に、好適な粘性で効率よく、かつ均一に混ぜ合わせることができ、その結果、セルロースポリマー鎖を効率的に分断し、加水分解を容易に行うことができる状態とすることができる。このアルキル基の炭素数が5未満の場合、アルキル基同士の相互作用が十分に発現しないため、低温でのゲル化性能が低下する。一方、このアルキル基の炭素数が29を超える場合、当該アルキル変性PVAの水溶性及び高温での取扱性が低下する。これらのうち、低温でのゲル化性能をより一層向上する観点から、炭素数8〜29のアルキル基が好ましく、炭素数12〜27のアルキル基がより好ましく、炭素数15〜26のアルキル基がさらに好ましく、炭素数17〜24のアルキル基が特に好ましい。
上記炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位としては、例えば、1−オクテン、1−デセン等のα−オレフィン類に由来する単量体単位;ペンチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のビニルエーテル類に由来する単量体単位;下記式(IV)で表される単量体単位が好ましく、下記R3が炭素数8〜29のアルキル基である単量体単位がより好ましい。
上記式(IV)中、R3は、炭素数5〜29のアルキル基である。R4は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。
上記R3で表される炭素数5〜29のアルキル基としては、例えばペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ノナデシル基等が挙げられる。これらのうち、低温でのゲル化性能がより一層向上する観点から、炭素数8〜29のアルキル基が好ましく、炭素数12〜27のアルキル基がより好ましく、炭素数15〜26のアルキル基がさらに好ましく、炭素数17〜24のアルキル基が特に好ましい。
上記R4で表される炭素数1〜8のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基等が挙げられる。これらのうち、メチル基が好ましい。
上記R4としては、合成の容易性等の観点から、水素原子、メチル基が好ましい。
なお、上記R3及びR4で表されるアルキル基は、本発明の趣旨が損なわれない範囲であれば、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよいが、これらの置換基を有していないことが好ましい。
上記アルキル変性PVAにおける炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位の含有率は、0.05モル%以上5モル%以下であることが重要であり、0.1モル%以上2モル%以下が好ましく、0.2モル%以上1モル%以下がより好ましい。当該単量体単位の含有率が上記範囲にあることで、このアルキル変性PVAを含有する組成物を水溶液として用い、セルロース系バイオマスと混合した際に、好適な粘性で効率よく、かつ均一に混ぜ合わせることができ、その結果、セルロースポリマー鎖を効率的に分断し、加水分解を容易に行うことができる状態とすることができる。なお、本明細書における炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位の含有率とは、アルキル変性PVAを構成する全構造単位のモル数に占める炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位のモル数の割合である。
炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位の含有率が5モル%を超えると、上記アルキル変性PVA一分子あたりに含まれる疎水基の割合が高くなり、アルキル変性PVAの水溶性が低下する。一方、炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位の含有率が0.05モル%未満の場合、上記アルキル変性PVAの水溶性は優れているものの、このアルキル変性PVA中に含まれるアルキル基の数が少なく、本発明の組成物のアルキル変性に基づく高粘性等の物性が発現しない。
炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位の含有率は、上記アルキル変性PVAから求めても、その前駆体であるアルキル変性ビニルエステル系重合体から求めてもよく、いずれもプロトンNMRから求めることができる。
この際、例えば、上記アルキル変性ビニルエステル系重合体が、上記式(IV)で表される単量体単位以外のアルキル変性単量体単位を含まず、かつ、R3が直鎖状であり、さらにR4が水素原子である場合、以下の方法にて算出できる。すなわち、アルキル変性ビニルエステル系重合体の主鎖メチンに由来するピークα(4.7〜5.2ppm)と、アルキル基R3の末端メチル基に由来するピークβ(0.8〜1.0ppm)とから、下記式を用いて、上記式(IV)で表される単量体単位の含有率(S)を算出する。
S(モル%)
={(βのプロトン数/3)/(αのプロトン数+(βのプロトン数/3))}×100
S(モル%)
={(βのプロトン数/3)/(αのプロトン数+(βのプロトン数/3))}×100
上記アルキル変性PVAの粘度平均重合度は、200以上5,000以下であることが好ましく、500以上4,000以下がより好ましく、1,000以上3,000以下がさらに好ましい。なお、粘度平均重合度を単に重合度と呼ぶことがある。当該アルキル変性PVAの粘度平均重合度を上記範囲とすることで、このアルキル変性PVAを含有する組成物を水溶液として用い、セルロース系バイオマスと混合した際に、好適な粘性で効率よく、かつ均一に混ぜ合わせることができ、その結果、セルロースポリマー鎖を効率的に分断し、加水分解を容易に行うことができる状態とすることができる。また、このように重合度の高いPVAを用いることで、少ない量のホウ酸塩等でゲル化させることができる。
当該アルキル変性PVAの重合度が5,000を超えると、上記アルキル変性PVAの生産性が低下するおそれがある。逆に、この重合度が200未満の場合、当該アルキル変性PVA水溶液の低温でのゲル化性能が低下し、本発明の組成物の水溶液においても十分なゲル化性能が発現せず、結果として、混練の際にセルロースポリマー鎖同士を物理的に引き離す力が弱くなるおそれがある。
当該アルキル変性PVAの粘度平均重合度(P)は、JIS−K6726:1994年に準じて測定される。すなわち、アルキル変性PVAを再ケン化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式により求められる。
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
上記アルキル変性PVAのケン化度は、20モル%以上99.99モル%以下であり、40モル%以上99.95モル%以下が好ましく、50モル%以上99.9モル%以下がより好ましい。当該アルキル変性PVAのケン化度を上記範囲とすることで、このアルキル変性PVAを含有する組成物を水溶液として用い、セルロース系バイオマスと混合した際に、好適な粘性で効率よくかつ均一に混ぜ合わせることができ、その結果、セルロースポリマー鎖を効率的に分断し、加水分解を容易に行うことができる状態とすることができる。
当該アルキル変性PVAのケン化度が20モル%未満の場合には、該アルキル変性PVAを含有する組成物の水溶性や低温ゲル化性能が低下する。逆に、このケン化度が99.99モル%を超えると、アルキル変性PVAの生産が困難になるので実用的でない。なお、上記アルキル変性PVAのケン化度は、JIS−K6726:1994年に準じて測定される。
(アルキル変性PVAの製造方法)
上記アルキル変性PVAを製造する方法は特に制限されないが、下記式(V)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行い、得られるアルキル変性ビニルエステル系重合体(共重合体)をケン化する方法が好ましい。当該アルキル変性PVA溶液が含有するアルキル変性PVAが上記特定の単量体の共重合体をケン化することにより得られるものであることで、上記アルキル変性PVAのケン化度等の調整が容易となり、粘度制御性等をさらに高めることができる。また、水との相溶性もより一層向上し、実用性に優れた組成物を作製することができる。ここで、上記の共重合はアルコール系溶媒中又は無溶媒で行うことが好ましい。
上記アルキル変性PVAを製造する方法は特に制限されないが、下記式(V)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行い、得られるアルキル変性ビニルエステル系重合体(共重合体)をケン化する方法が好ましい。当該アルキル変性PVA溶液が含有するアルキル変性PVAが上記特定の単量体の共重合体をケン化することにより得られるものであることで、上記アルキル変性PVAのケン化度等の調整が容易となり、粘度制御性等をさらに高めることができる。また、水との相溶性もより一層向上し、実用性に優れた組成物を作製することができる。ここで、上記の共重合はアルコール系溶媒中又は無溶媒で行うことが好ましい。
上記式(V)中、R3及びR4の定義は、上記式(IV)と同様である。
上記式(V)で表される不飽和単量体としては、例えばN−オクチルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、N−ヘキサコシルアクリルアミド、N−オクチルメタクリルアミド、N−デシルメタクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド、N−オクタデシルメタクリルアミド、N−ヘキサコシルメタクリルアミド等が挙げられる。これらのうち、N−オクタデシルアクリルアミド、N−オクチルメタクリルアミド、N−デシルメタクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド、N−オクタデシルメタクリルアミド、N−ヘキサコシルメタクリルアミドが好ましく、N−オクタデシルアクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド、N−オクタデシルメタクリルアミドがより好ましく、N−オクタデシルアクリルアミド、N−オクタデシルメタクリルアミドがさらに好ましい。
上記ビニルエステル系単量体としては、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。これらのうち、酢酸ビニルが好ましい。
上記式(V)で表される不飽和単量体と上記ビニルエステル系単量体との共重合に際して、本発明の趣旨を損なわない範囲で他の単量体を共重合してもよい。使用し得る他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリル等のアリル化合物類;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物類;酢酸イソプロペニル等が挙げられる。
また、上記式(V)で表される不飽和単量体と上記ビニルエステル系単量体との共重合に際し、得られる共重合体の重合度を調節すること等を目的として、本発明の趣旨を損なわない範囲で連鎖移動剤を添加してもよい。この連鎖移動剤としては、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;2−ヒドロキシエタンチオール等のメルカプタン類;トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;ホスフィン酸ナトリウム1水和物等のホスフィン酸塩類等が挙げられる。これらのうち、アルデヒド類、ケトン類が好ましい。
上記連鎖移動剤の添加量としては、添加する連鎖移動剤の連鎖移動定数及び目的とするアルキル変性ビニルエステル系重合体の重合度、ひいてはアルキル変性PVAの重合度に応じて決定することができるが、一般にビニルエステル系単量体に対して0.1質量%以
上10質量%以下が好ましい。
上10質量%以下が好ましい。
上記式(V)で表される不飽和単量体と上記ビニルエステル系単量体との共重合を行う際に採用される温度としては、0℃〜200℃が好ましく、30℃〜140℃がより好ましい。共重合を行う温度が0℃より低い場合は、十分な重合速度が得られにくい。また、重合を行う温度が200℃より高い場合、本発明で規定するアルキル基を有する単量体単位の含有率を満足するアルキル変性PVAを得られにくい。共重合を行う際に採用される温度を0℃〜200℃に制御する方法としては、例えば、重合速度を制御することで、重合により生成する発熱と反応器の表面からの放熱とのバランスをとる方法や、適当な熱媒を用いた外部ジャケットにより制御する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、安全性の面からは適当な熱媒を用いた外部ジャケットにより制御する方法が好ましい。
上記式(V)で表される不飽和単量体と上記ビニルエステル系単量体との共重合を行うのに用いられる重合方式としては、例えば回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合等が挙げられる。重合方法としては、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等公知の方法を用いることができる。これらのうち、無溶媒又はアルコール系溶媒中で重合を行う塊状重合法、溶液重合法が好適に採用され、高重合度の共重合物の製造を目的とする場合は乳化重合法が採用される。
上記アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの溶媒は2種類以上を混合して用いることができる。
上記式(V)で表される不飽和単量体と上記ビニルエステル系単量体との共重合に使用される開始剤としては、重合方法に応じて従来公知のアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等を用いることができる。
上記アゾ系開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
上記過酸化物系開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等が挙げられる。さらには、上記開始剤に過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を組み合わせて開始剤とすることもできる。
上記レドックス系開始剤としては、例えば上記の過酸化物と、亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤とを組み合わせたもの等が挙げられる。
なお、上記式(V)で示される不飽和単量体と上記ビニルエステル系単量体との共重合を高い温度で行った場合、ビニルエステル系単量体の分解に起因するアルキル変性PVAの着色等が見られることがある。この場合には、着色防止の目的で重合系に酒石酸のような酸化防止剤を、ビニルエステル系単量体に対して1〜100ppm程度添加するのがよい。
上記共重合により得られたアルキル変性ビニルエステル系共重合体のケン化反応には、公知の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド等の塩基性触媒又はP−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用いた加アルコール分解反応又は加水分解反応を適用することができる。
上記ケン化反応に使用し得る溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。なお、これらの溶媒は単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ケン化反応としては、メタノール、又はメタノール/酢酸メチル混合溶液を溶媒とし、水酸化ナトリウムを触媒として用いて行う方法が簡便であり好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明の組成物に含有される界面活性剤は、下記式(I)で表される構造を有する化合物である。
本発明の組成物に含有される界面活性剤は、下記式(I)で表される構造を有する化合物である。
上記式(I)中、R1は、炭素数3〜5のアルキレン基である。R2は、単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基である。X1は、水素原子又は有機基である。X2は、親水基である。mは、1以上100以下の整数である。mが2以上の場合、複数存在するR1は、それぞれ独立して上記定義を満たす。
上記界面活性剤は、上記特定のアルキル変性PVA及び水との相溶性が良く、相分離することなく高濃度の溶液を作製することができる。さらに、上記界面活性剤は、高温では上記特定のアルキル変性PVAが有するアルキル基同士の相互作用を阻害し、低温ではその相互作用を促進させることができる。このような効果が発現する理由は十分解明されてはいないが、例えば、炭素数3〜5のアルキレンオキシ基が、水溶液の温度が高い状態では疎水性を示し、温度が低くなると親水性を示すからではないかと推測される。そのため、上記界面活性剤を含有することで、当該組成物の水溶液は、高温では低粘度で取扱性に優れ、低温では急激に増粘し低温ゲル化挙動を示す。このような挙動により、比較的低温では、この組成物を水溶液として用い、セルロース系バイオマスと混合した際に、好適な粘性で効率よくかつ均一に混ぜ合わせることができ、その結果、セルロースポリマー鎖を効率的に分断し、加水分解を容易に行うことができる状態とすることができる。
上記X2は、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩又は下記式(II)で表される基が好ましい。ここで、カルボキシル基の塩又はスルホン酸基の塩におけるカウンターカチオンとしては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のカチオン;カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属のカチオン;アンモニウムイオンなどが挙げられる。上記X2が、このような特定の親水基であることにより、当該アルキル変性PVA溶液の高温での取扱性、低温でのゲル化挙動がより一層向上する。これらのうち、上記X2は、スルホン酸若しくはその塩又は下記式(II)で表される基であることがより好ましく、下記式(II)で表される基であることがさらに好ましい。
上記式(II)中、n1は、1以上200以下の整数である。
上記n1としては、2以上100以下の整数であることが好ましく、2以上40以下の整数であることがより好ましく、3以上20以下の整数であることがさらに好ましい。
上記X1としては、水素原子、炭素数1〜29のアルキル基又は親水基が好ましい。X1が、このような特定の基であることにより、当該組成物の水溶液の態や、低温でのゲル化挙動がより一層向上する。これらのうち、上記X1は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基又は親水基であることがより好ましく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は親水基であることがさらに好ましく、親水基であることが特に好ましい。
上記X1としては、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩又は下記式(III)で表される基であることが好ましい。X1が、このような特定の親水基であることにより、高温での取扱性、低温でのゲル化挙動がより一層向上する。これらのうち、下記式(III)で表される基であることがより好ましい。
上記式(III)中、n2は、1以上200以下の整数である。
上記n2としては、2以上100以下の整数であることが好ましく、2以上40以下の整数であることがより好ましく、3以上20以下の整数であることがさらに好ましい。
上記R1で表される炭素数3〜5のアルキレン基としては、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基が挙げられる。これらのうち、界面活性剤が適度な疎水性を有する観点から、プロパンジイル基、ブタンジイル基が好ましく、プロパンジイル基がより好ましい。
上記R2で表される炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エタンジイル基、プロパンジイル基等が挙げられる。なお上記R2としては、単結合が好ましい。
上記mとしては、2以上60以下の整数が好ましく、2以上50以下の整数がより好ましく、3以上30以下の整数がさらに好ましい。
上記界面活性剤としては、上記式(I)で表される構造を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリペンチレングリコール等のジブロック共重合体又はランダム共重合体;ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール−ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール−ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリペンチレンレングリコール−ポリエチレングリコール等のトリブロック共重合体;ポリプロピレングリコール−硫酸エステルナトリウム塩、ポリテトラメチレングリコール−硫酸エステルナトリウム塩、ポリブチレングリコール−硫酸エステルナトリウム塩、ポリペンチレングリコール−硫酸エステルナトリウム塩;ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アルキルエーテル等が挙げられる。これらのうち、当該組成物が上記特定溶液の高温での優れた取扱性及び低温での優れたゲル化性能をより一層高める観点から、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールのジブロック共重合体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのトリブロック共重合体が好ましく、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのトリブロック共重合体がより好ましい。
当該組成物におけるアルキル変性PVAと上記界面活性剤との質量比は、特に限定されるものではなく、状況に応じて選択することができるが、通常は、アルキル変性PVA/界面活性剤(質量比)は、100/0.1から100/500を満たすことが好ましく、100/0.2から100/400を満たすことがより好ましく、100/0.3から100/300を満たすことがさらに好ましく、100/0.5から100/200を満たすことが特に好ましい。当該組成物におけるアルキル変性PVAと界面活性剤との質量比を上記範囲とすることで、当該組成物は、高温での取扱性及び低温でのゲル化挙動をより一層向上させることができる。すなわち、比較的低温では、この組成物を水溶液として用い、セルロース系バイオマスと混合した際に、好適な粘性で効率よくかつ均一に混ぜ合わせることができ、その結果、セルロースポリマー鎖を効率的に分断し、加水分解を容易に行うことができる状態とすることができる。上記組成物において該質量比が上記範囲を逸脱する場合には、低温での粘度の上昇が著しくなり過ぎたり、逆に、アルキル変性PVAの溶解性が低下するおそれがある。
〔その他の任意成分〕
当該組成物は、アルキル変性PVA、上記特定の界面活性剤以外に、各種可塑剤、消泡剤、紫外線吸収剤、充填材、pH調整剤、耐水化剤等の添加剤を本発明の趣旨を損なわない範囲で含有していてもよい。
当該組成物は、アルキル変性PVA、上記特定の界面活性剤以外に、各種可塑剤、消泡剤、紫外線吸収剤、充填材、pH調整剤、耐水化剤等の添加剤を本発明の趣旨を損なわない範囲で含有していてもよい。
当該組成物は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、当該組成物が含有する上述のアルキル変性PVA以外の公知の各種PVA、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の他の水溶性高分子を含有していてもよい。これらの他の水溶性高分子の配合量は、当該アルキル変性PVA溶液が含有する上記アルキル変性PVA100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましい。
〔加水分解性セルロースの製造方法〕
セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造方法は、上記組成物の水溶液及びセルロース系バイオマスを含む混合物を得る混合工程と、上記混合物に剪断力を付加してセルロース系バイオマスを分断する分断工程とを少なくとも有する。なお、混合工程に先駆けて、セルロース系バイオマス原料を切断して、セルロース系バイオマスを適当なサイズの粒子とするセルロース系バイオマス切断工程、同じく混合工程に先駆けて、該組成物の水溶液をゲル状にするゲル化工程を有することが好ましい。以下加水分解性セルロースの製造工程に沿って順に説明する。
セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造方法は、上記組成物の水溶液及びセルロース系バイオマスを含む混合物を得る混合工程と、上記混合物に剪断力を付加してセルロース系バイオマスを分断する分断工程とを少なくとも有する。なお、混合工程に先駆けて、セルロース系バイオマス原料を切断して、セルロース系バイオマスを適当なサイズの粒子とするセルロース系バイオマス切断工程、同じく混合工程に先駆けて、該組成物の水溶液をゲル状にするゲル化工程を有することが好ましい。以下加水分解性セルロースの製造工程に沿って順に説明する。
(1)セルロース系バイオマス原料切断工程
本工程においては、以降の工程における処理を効率的にするために、セルロース系バイオマス原料を切断し、適当なサイズの粒子とする。ここで用いられるセルロース系バイオマス原料としては特に限定されず植物由来のバイオマスを好ましく用いることができる。具体的には、例えば、間伐材等の木材、稲わら、麦わら、籾殻、バガス、トウモロコシやサトウキビ等澱粉系作物の茎、アブラヤシの廃棄物(EFB等)、ヤシの実の殻などを挙げることができる。このようなセルロース系バイオマス原料を、可能な限り土等の不要分を取り除いた後、剪断、叩解等の各種切断手段により、粒子状に小さくする。この切断工程においては、例えば、特表2004−526008号公報に記載の分断器や、パルプチップを製造する際に用いられる装置等を好適に採用することができる。
本工程においては、以降の工程における処理を効率的にするために、セルロース系バイオマス原料を切断し、適当なサイズの粒子とする。ここで用いられるセルロース系バイオマス原料としては特に限定されず植物由来のバイオマスを好ましく用いることができる。具体的には、例えば、間伐材等の木材、稲わら、麦わら、籾殻、バガス、トウモロコシやサトウキビ等澱粉系作物の茎、アブラヤシの廃棄物(EFB等)、ヤシの実の殻などを挙げることができる。このようなセルロース系バイオマス原料を、可能な限り土等の不要分を取り除いた後、剪断、叩解等の各種切断手段により、粒子状に小さくする。この切断工程においては、例えば、特表2004−526008号公報に記載の分断器や、パルプチップを製造する際に用いられる装置等を好適に採用することができる。
この切断工程を経たセルロース系バイオマス粒子のサイズとしては、平均粒径2mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましく、100μm以下が特に好ましく、20μm以上70μm以下がさらに特に好ましい。セルロース系バイオマス粒子の平均粒径を2mm以下とすることで、以降の混合工程や、特に分断工程を効率よく行うことができ、短時間で加水分解性の優れたセルロースを得ることができる。
(2)水溶液調製工程
本工程においては、該組成物を水に溶解して水溶液とする。この組成物の水溶液中のアルキル変性PVAの濃度としては、特に限定されないが、3質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。該組成物の水溶液中のアルキル変性PVAの濃度を上記範囲とすることで、水溶液に適当な粘性を付与することができる。従って、水溶液の濃度を上記範囲とすることで、混練の際に、水溶液を介してセルロース系バイオマスへ物理的な力が効果的に伝わる、すなわち水溶液によってセルロース鎖が引き剥がされることで、セルロース系バイオマスの分子レベルの分断を効果的に行うことができる。該組成物の水溶液中のアルキル変性PVAの濃度が3質量%未満の場合は、水溶液が適当な粘性を有さず物理的な作用による分断機能が十分に発揮されないおそれがある。逆に、該組成物の水溶液中のアルキル変性PVAの濃度が30質量%を超えると、水溶液の粘性が高すぎ、混練しにくくなるため、分断工程における作業性が低下するおそれがある。
本工程においては、該組成物を水に溶解して水溶液とする。この組成物の水溶液中のアルキル変性PVAの濃度としては、特に限定されないが、3質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。該組成物の水溶液中のアルキル変性PVAの濃度を上記範囲とすることで、水溶液に適当な粘性を付与することができる。従って、水溶液の濃度を上記範囲とすることで、混練の際に、水溶液を介してセルロース系バイオマスへ物理的な力が効果的に伝わる、すなわち水溶液によってセルロース鎖が引き剥がされることで、セルロース系バイオマスの分子レベルの分断を効果的に行うことができる。該組成物の水溶液中のアルキル変性PVAの濃度が3質量%未満の場合は、水溶液が適当な粘性を有さず物理的な作用による分断機能が十分に発揮されないおそれがある。逆に、該組成物の水溶液中のアルキル変性PVAの濃度が30質量%を超えると、水溶液の粘性が高すぎ、混練しにくくなるため、分断工程における作業性が低下するおそれがある。
なお、上記の組成物の水溶液は、上記アルキル変性PVA以外のPVAをさらに含有してもよい。他のPVAを含有する場合、本発明のアルキル変性PVAの含有率は、PVA全体の含有量に対して50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。この場合、他のPVAを含むPVA全体としての濃度が、上記濃度範囲となっていることが好ましい。また、PVA水溶液には、PVA以外の他の化合物等が溶解又は分散されていてもよい。
(3)ゲル化工程
上述したセルロース系バイオマス切断工程によって得られたセルロース系バイオマスの粒子と、当該組成物の水溶液とを混合するに先駆けて、この組成物の水溶液をゲル化すると好ましい。このようなゲル状の組成物の水溶液を用いることで、後の分断工程において混合物が混練の初期段階から高い粘性を有するため、混練の物理的作用がセルロース系バイオマスに効果的に伝わり、このセルロース系バイオマスを分子レベルで効率的に分断することができる。さらには、ゲル状の組成物の水溶液を用いることで、分断されたセルロース鎖間にこのゲル状水溶液が進入し、かつ留まることができるため、セルロースポリマー鎖の再準結晶化を防ぐことができ、分断能が向上することとなる。
上述したセルロース系バイオマス切断工程によって得られたセルロース系バイオマスの粒子と、当該組成物の水溶液とを混合するに先駆けて、この組成物の水溶液をゲル化すると好ましい。このようなゲル状の組成物の水溶液を用いることで、後の分断工程において混合物が混練の初期段階から高い粘性を有するため、混練の物理的作用がセルロース系バイオマスに効果的に伝わり、このセルロース系バイオマスを分子レベルで効率的に分断することができる。さらには、ゲル状の組成物の水溶液を用いることで、分断されたセルロース鎖間にこのゲル状水溶液が進入し、かつ留まることができるため、セルロースポリマー鎖の再準結晶化を防ぐことができ、分断能が向上することとなる。
この組成物の水溶液のゲル化の方法としては、当該組成物の水溶液の低温ゲル化性能を利用して比較的低温にするか、又はホウ酸塩、チタニウム酢酸塩、その他の金属塩等様々な化学物質を添加し、当該組成物に含まれるアルキル変性PVAを架橋させる方法などを挙げることができる。
当該組成物の低温ゲル化性能を利用して組成物の水溶液をゲル化させる方法としては、その組成物の組成に起因する低温ゲル化性能の度合いにより適宜選択できるが、例えば、ゲル化が起こる温度以下にすればよい。
また、ホウ酸塩を添加して当該組成物の水溶液をゲル化させる場合には、例えば、組成物の水溶液中に5質量%のアルキル変性PVAを含む場合、その組成物の水溶液100質量部に対して、四ホウ酸ナトリウムの飽和水溶液を0.1〜10質量部加えて混ぜ合わせることで行うことができる。このようにしてゲル状にされた組成物の水溶液は、当該製造において好適な粘性を有し、また、セルロース系バイオマスと混ぜ合わされて混練され続けても粘度が上昇(硬化)しにくいため容易かつ効率的に混練を行うことができる。なお、このゲル化された組成物の水溶液は、酸性であることが好ましく、具体的にはpHが4以上6以下であることが好ましい。
(4)混合工程
上記工程にて得られた組成物の水溶液、好ましくは上記ゲル化工程においてゲル状にされたアルキル変性PVAを含有する組成物の水溶液、及び上記工程にて好ましいサイズに切断されるなどしたセルロース系バイオマスを混合して、これらを含む混合物を得る。
上記工程にて得られた組成物の水溶液、好ましくは上記ゲル化工程においてゲル状にされたアルキル変性PVAを含有する組成物の水溶液、及び上記工程にて好ましいサイズに切断されるなどしたセルロース系バイオマスを混合して、これらを含む混合物を得る。
セルロース系バイオマスの混合量としては、特に限定されないが、混合物全体に対するセルロース系バイオマスの混合量が5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。セルロース系バイオマスの混合量が5質量%未満の場合は、混合物の粘性が低く物理的な作用による分断機能が十分に発揮されないおそれがあると共に、セルロース系バイオマスの処理量が低いため、作業効率が低下する。逆にセルロース系バイオマスの混合量が50質量%を超えると、バイオマスによる吸水性が強く、混合物の粘性が高すぎて、混練しにくくなるため、作業性が低下する。この混合物の粘度としては、例えば5.0×104mPa・s以上1.0×106mPa・s以下が好ましい。
(5)分断工程
上述の混合工程にて得られた混合物に剪断力を付加することによって、セルロース系バイオマスを分子レベル(準結晶構造レベル)で分断する。つまり、準結晶構造を有するセルロースが部分的に水和され、また、アルキル変性PVAが進入し、このセルロース分子間の水素結合が弱まり、加えて、剪断力の付加による物理的な力により、分子間の結合が弱まった状態でセルロースポリマー鎖同士が互いに引き離されることで、細胞壁の微視的な構造が分断されることとなる。
上述の混合工程にて得られた混合物に剪断力を付加することによって、セルロース系バイオマスを分子レベル(準結晶構造レベル)で分断する。つまり、準結晶構造を有するセルロースが部分的に水和され、また、アルキル変性PVAが進入し、このセルロース分子間の水素結合が弱まり、加えて、剪断力の付加による物理的な力により、分子間の結合が弱まった状態でセルロースポリマー鎖同士が互いに引き離されることで、細胞壁の微視的な構造が分断されることとなる。
ここで、上述の特定の組成物の水溶液を用いることで、混合物に適度な粘性を付与できるため、セルロース分子間の水素結合の低下という化学的な作用と、剪断力の付加という機械的な操作によってセルロース分子間を物理的に引き離す作用とを共に効果的に発揮することができる。
更には、ゲル状とされたPVA水溶液を用いることで、剪断力の付加の最初の段階から常に好ましい粘性を有した混合物とすることができ、セルロース系バイオマスの分子レベルの分断を効率的に行うことができる。
この分断工程における混合物に剪断力を付加する方法としては特に限定されず、例えば、混合物を練り混ぜる方法などが挙げられる。また、この分断工程に用いられる装置としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂の成形の際に一般的に使用される二軸押出成形機等が好適に用いられる。この分断工程に要する時間としては、混合物の量等に応じて適宜設定されるが、例えば、30分以上10時間以内程度である。なお、この分断工程の際、粘度が減少した場合は、適宜、四ホウ酸ナトリウム水溶液の添加などによって、粘性を調整するとよい。
この加水分解性セルロースの製造方法によれば、上述の各工程を経ることで、セルロース系バイオマスは、準結晶構造が分断された容易に加水分解されるセルロースとなる。
(6)後工程
なお、このようにして得られた加水分解性セルロースは、混合物中に例えば、公知の加水分解酵素を用いることで容易に糖化され、生じたグルコースが水溶液中に溶け出す。上記加水分解酵素としては、例えば、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、マンナーゼ、アミラーゼ、メイセラーゼ、アクレモニウムセルラーゼ(Acremonium cellulolyticus菌から得られるセルラーゼ)等を挙げることができる。また、糖化の際、セルロース系バイオマス中に含まれるヘミセルロース由来のキシロース等も、併せて水溶液中に溶け出す。この際、セルロース系バイオマスに含まれるリグニンが不溶な粒子として存在することがあるが、このリグニンは、例えば、ろ過や遠心分離によって分離することができる。このようにして得られた可溶性のグルコース等の糖類は、醗酵によってエタノールとし、燃料資源などとして好適に使用することができる。
なお、このようにして得られた加水分解性セルロースは、混合物中に例えば、公知の加水分解酵素を用いることで容易に糖化され、生じたグルコースが水溶液中に溶け出す。上記加水分解酵素としては、例えば、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、マンナーゼ、アミラーゼ、メイセラーゼ、アクレモニウムセルラーゼ(Acremonium cellulolyticus菌から得られるセルラーゼ)等を挙げることができる。また、糖化の際、セルロース系バイオマス中に含まれるヘミセルロース由来のキシロース等も、併せて水溶液中に溶け出す。この際、セルロース系バイオマスに含まれるリグニンが不溶な粒子として存在することがあるが、このリグニンは、例えば、ろ過や遠心分離によって分離することができる。このようにして得られた可溶性のグルコース等の糖類は、醗酵によってエタノールとし、燃料資源などとして好適に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[アルキル変性率]
アルキル変性PVAのアルキル変性率は、n−ヘキサン/アセトンでアルキル変性ビニルエステル系重合体の再沈精製を3回以上十分に行った後、50℃の減圧下で乾燥を2日間行い、分析用のサンプルを作製する。このサンプルをCDCl3に溶解させ、500MHzのプロトンNMR(JEOL GX−500)を用いて室温で測定した。
アルキル変性PVAのアルキル変性率は、n−ヘキサン/アセトンでアルキル変性ビニルエステル系重合体の再沈精製を3回以上十分に行った後、50℃の減圧下で乾燥を2日間行い、分析用のサンプルを作製する。このサンプルをCDCl3に溶解させ、500MHzのプロトンNMR(JEOL GX−500)を用いて室温で測定した。
[合成例1]PVA1の製造
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、コモノマー滴下口及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250g及びN−オクタデシルメタクリルアミド1.1gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。また、ディレー溶液としてN−オクタデシルメタクリルアミドをメタノールに溶解して濃度5%としたコモノマー溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始した。ディレー溶液を滴下して重合溶液中のモノマー組成(酢酸ビニルとN−オクタデシルメタクリルアミドとの比率)が一定となるようにしながら、60℃で3時間重合した後、冷却して重合を停止した。重合を停止するまで加えたコモノマーの総量は4.8gであった。また重合停止時の固形分濃度は29.9%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、アルキル変性ビニルエステル系重合体(アルキル変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したアルキル変性PVAcのメタノール溶液771.4g(溶液中のアルキル変性PVAc200.0g)に、27.9gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してケン化を行った。ここで、ケン化溶液におけるアルキル変性PVAc濃度は25%、アルキル変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比は0.03であった。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してケン化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2,000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してアルキル変性PVA(PVA1)を得た。PVA1の平均重合度、ケン化度等を表1に示す。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、コモノマー滴下口及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250g及びN−オクタデシルメタクリルアミド1.1gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。また、ディレー溶液としてN−オクタデシルメタクリルアミドをメタノールに溶解して濃度5%としたコモノマー溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始した。ディレー溶液を滴下して重合溶液中のモノマー組成(酢酸ビニルとN−オクタデシルメタクリルアミドとの比率)が一定となるようにしながら、60℃で3時間重合した後、冷却して重合を停止した。重合を停止するまで加えたコモノマーの総量は4.8gであった。また重合停止時の固形分濃度は29.9%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、アルキル変性ビニルエステル系重合体(アルキル変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したアルキル変性PVAcのメタノール溶液771.4g(溶液中のアルキル変性PVAc200.0g)に、27.9gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してケン化を行った。ここで、ケン化溶液におけるアルキル変性PVAc濃度は25%、アルキル変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比は0.03であった。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してケン化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2,000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してアルキル変性PVA(PVA1)を得た。PVA1の平均重合度、ケン化度等を表1に示す。
[合成例2〜18]PVA2〜18の製造
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するアルキル基を有する不飽和単量体の種類や添加量等の重合条件、ケン化時におけるアルキル変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のケン化条件を変更し各種のアルキル変性PVA(PVA2〜18)を製造した。PVA2〜18の平均重合度、ケン化度等を表1に示す。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するアルキル基を有する不飽和単量体の種類や添加量等の重合条件、ケン化時におけるアルキル変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のケン化条件を変更し各種のアルキル変性PVA(PVA2〜18)を製造した。PVA2〜18の平均重合度、ケン化度等を表1に示す。
[合成例19]PVA19の製造
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250g、及びオクタデシルビニルエーテル57.3gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0gを添加し重合を開始した。60℃で2時間重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の固形分濃度は30.4%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、アルキル変性ビニルエステル系重合体(アルキル変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したアルキル変性PVAcのメタノール溶液792.9g(溶液中のアルキル変性PVAc200.0g)に、7.0gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してケン化を行った。ここで、ケン化溶液のアルキル変性PVAc濃度は25%、アルキル変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比は0.0075であった。アルカリ溶液を添加後約12分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してケン化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2,000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してアルキル変性PVA(PVA19)を得た。PVA19の平均重合度、ケン化度等を表1に示す。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250g、及びオクタデシルビニルエーテル57.3gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0gを添加し重合を開始した。60℃で2時間重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の固形分濃度は30.4%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、アルキル変性ビニルエステル系重合体(アルキル変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したアルキル変性PVAcのメタノール溶液792.9g(溶液中のアルキル変性PVAc200.0g)に、7.0gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してケン化を行った。ここで、ケン化溶液のアルキル変性PVAc濃度は25%、アルキル変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比は0.0075であった。アルカリ溶液を添加後約12分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してケン化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2,000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してアルキル変性PVA(PVA19)を得た。PVA19の平均重合度、ケン化度等を表1に示す。
[実施例1]
界面活性剤としてポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのトリブロック共重合体(式(I)で表される構造を有する、界面活性剤Aとして表2に示した化合物)1質量部と、蒸留水89質量部との質量比である混合物に対して、10質量部のPVA1を室温で加え、スリーワンモーターを用いて30分間撹拌した。次に、この溶液を撹拌しながら90℃まで昇温し、そのまま1時間撹拌した後、室温まで冷却し、PVA1を10質量%の濃度で含有する組成物の水溶液を得た。この組成物の水溶液は40℃以上の温度では水より僅かに粘性を有するものであったが、40℃以下においては極めて粘度が高くなった。この組成物の水溶液100質量部を30℃とし、セルロース系バイオマス粒子としてEFB(直径20〜70μmの粒子)50質量部をこの組成物の水溶液に加えて、室温下でミキサー型混練機を用いて練り混ぜた。この混合物は、混練当初は比較的低粘性を有していたが、混練を続けるうちに、EFB(セルロース系バイオマス粒子)が水を吸収し、粘度が向上した。この混合物はローラで容易に伸ばし、練ることができた。一定時間混練を行う毎に、混合物の一部を取り出し、顕微鏡によって粒子サイズを確認した。この分断工程を進めるにつれて、粒子のサイズが減少すること、及び細胞構造が分断されることが観察できた。
界面活性剤としてポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのトリブロック共重合体(式(I)で表される構造を有する、界面活性剤Aとして表2に示した化合物)1質量部と、蒸留水89質量部との質量比である混合物に対して、10質量部のPVA1を室温で加え、スリーワンモーターを用いて30分間撹拌した。次に、この溶液を撹拌しながら90℃まで昇温し、そのまま1時間撹拌した後、室温まで冷却し、PVA1を10質量%の濃度で含有する組成物の水溶液を得た。この組成物の水溶液は40℃以上の温度では水より僅かに粘性を有するものであったが、40℃以下においては極めて粘度が高くなった。この組成物の水溶液100質量部を30℃とし、セルロース系バイオマス粒子としてEFB(直径20〜70μmの粒子)50質量部をこの組成物の水溶液に加えて、室温下でミキサー型混練機を用いて練り混ぜた。この混合物は、混練当初は比較的低粘性を有していたが、混練を続けるうちに、EFB(セルロース系バイオマス粒子)が水を吸収し、粘度が向上した。この混合物はローラで容易に伸ばし、練ることができた。一定時間混練を行う毎に、混合物の一部を取り出し、顕微鏡によって粒子サイズを確認した。この分断工程を進めるにつれて、粒子のサイズが減少すること、及び細胞構造が分断されることが観察できた。
混練によるセルロースの分断が十分にされたことを顕微鏡により確認し、加水分解性セルロースの水溶液を得た。この後、混合物に蒸留水を添加し、粘性を低下させた。加水分解酵素の至適pHに調整するため、この混合物に更に水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを6.0に調整した。この混合物は、溶けたチョコレート程度の粘性を有した。この混合物に、加水分解酵素として、メイセラーゼ(明治製菓株式会社製)及びアクレモニウムセルラーゼ(Acremonium cellulolyticus菌から得られるセルラーゼ:明治製菓株式会社製)をEFB100質量部に対してそれぞれ0.5質量部ずつ添加し、50℃の温度で反応容器内で撹拌した。酵素を加えて数十分で、この混合物の粘性は目立って減少した。この撹拌を6時間行い、グルコース溶液を得た。
[実施例2]
実施例1において、PVA1を10質量%の濃度で含有する組成物の水溶液100質量部を30℃とし、ホウ酸(H3BO3)の飽和水溶液0.4mLを加えて混合した。得られた水溶液のpHは5.0であった。更にこの水溶液に四ホウ酸ナトリウムの飽和水溶液0.1mLを加えて混合することで、水溶液を粘性のあるゲル状体とした。このゲル状体のpHは6.5であった。次に、セルロース系バイオマス粒子としてEFB(直径20〜70μmの粒子)50質量部をこのゲル状体に加えて、その後は、実施例1と同様にし、グルコース溶液を得た。
実施例1において、PVA1を10質量%の濃度で含有する組成物の水溶液100質量部を30℃とし、ホウ酸(H3BO3)の飽和水溶液0.4mLを加えて混合した。得られた水溶液のpHは5.0であった。更にこの水溶液に四ホウ酸ナトリウムの飽和水溶液0.1mLを加えて混合することで、水溶液を粘性のあるゲル状体とした。このゲル状体のpHは6.5であった。次に、セルロース系バイオマス粒子としてEFB(直径20〜70μmの粒子)50質量部をこのゲル状体に加えて、その後は、実施例1と同様にし、グルコース溶液を得た。
[実施例3〜24、比較例1〜8]
PVA及び界面活性剤の種類、並びにそれぞれの添加量などを表3に示すように代えたこと以外は実施例2と同様にして、実施例3〜24及び比較例1〜8を行い、加水分解性セルロース水溶液を得て、最終的にグルコース溶液を得た。なお、比較例4及び5で用いた株式会社クラレ製のPVA−217及びPVA−205(いずれも、炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位を含有していない)の重合度及びケン化度を以下に示す。
PVA−217:重合度 1,700、ケン化度 88.2モル%
PVA−205:重合度 550、ケン化度 88.2モル%
PVA及び界面活性剤の種類、並びにそれぞれの添加量などを表3に示すように代えたこと以外は実施例2と同様にして、実施例3〜24及び比較例1〜8を行い、加水分解性セルロース水溶液を得て、最終的にグルコース溶液を得た。なお、比較例4及び5で用いた株式会社クラレ製のPVA−217及びPVA−205(いずれも、炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位を含有していない)の重合度及びケン化度を以下に示す。
PVA−217:重合度 1,700、ケン化度 88.2モル%
PVA−205:重合度 550、ケン化度 88.2モル%
[比較例9〜10]
界面活性剤を用いず、さらにPVA1に代えて株式会社クラレ製のPVA−217及びPVA−205を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較例9〜10を行い、加水分解性セルロース水溶液を得て、最終的にグルコース溶液を得た。
界面活性剤を用いず、さらにPVA1に代えて株式会社クラレ製のPVA−217及びPVA−205を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較例9〜10を行い、加水分解性セルロース水溶液を得て、最終的にグルコース溶液を得た。
[評価]
(糖化効率)
得られたグルコース溶液に蒸留水を加えて400mLとした後、このグルコース溶液のサンプル溶液を2mL(全溶液の0.5%)採取し、100℃にて5分間殺菌した。サンプル溶液を冷却した後、遠心分離器を用いて3,000rpmで30分間遠心分離し、ろ過して、固形物を取り除いた後、ろ液を液体クロマトグラフィーに供して単糖類(グルコースなど)を検量した。用いたEFB(50g)に占めるセルロース及びヘミセルロースの質量比を50%と定めて、以下の計算式にて糖化効率(%)を求めた。測定結果を表1に示す。
糖化効率=〔サンプル溶液中の単糖類質量(g)/{50(g)×0.005×0.5}〕×100(%)
(糖化効率)
得られたグルコース溶液に蒸留水を加えて400mLとした後、このグルコース溶液のサンプル溶液を2mL(全溶液の0.5%)採取し、100℃にて5分間殺菌した。サンプル溶液を冷却した後、遠心分離器を用いて3,000rpmで30分間遠心分離し、ろ過して、固形物を取り除いた後、ろ液を液体クロマトグラフィーに供して単糖類(グルコースなど)を検量した。用いたEFB(50g)に占めるセルロース及びヘミセルロースの質量比を50%と定めて、以下の計算式にて糖化効率(%)を求めた。測定結果を表1に示す。
糖化効率=〔サンプル溶液中の単糖類質量(g)/{50(g)×0.005×0.5}〕×100(%)
(混和性)
実施例1〜24及び比較例1〜10において、EFBをゲル状体に加えて、室温下でミキサー型混練機を用いて練り混ぜてから1時間後に混合物の一部を取り出した。顕微鏡を用いて、取り出した混合物におけるEFBの凝集を目視にて観察し、まったく凝集が見られなかった場合を「非常に良好」と判定し、そして該粒子がほとんど凝集していない場合を「良好」と判定し、該粒子が若干凝集している場合を「やや凝集」と判定し、該粒子が凝集している場合を「凝集」と判定した。
実施例1〜24及び比較例1〜10において、EFBをゲル状体に加えて、室温下でミキサー型混練機を用いて練り混ぜてから1時間後に混合物の一部を取り出した。顕微鏡を用いて、取り出した混合物におけるEFBの凝集を目視にて観察し、まったく凝集が見られなかった場合を「非常に良好」と判定し、そして該粒子がほとんど凝集していない場合を「良好」と判定し、該粒子が若干凝集している場合を「やや凝集」と判定し、該粒子が凝集している場合を「凝集」と判定した。
表1に示されるように、実施例1〜24は、本発明の特定の組成物を用いたため、いずれも糖化効率が80%を超え、セルロースが容易に加水分解される状態に分断されていることがわかった。一方、比較例1〜10は、本発明の範囲外の組成物であったためセルロースが容易に加水分解される状態にまで十分に分断されていないことがわかった。
以上説明したように、本発明の組成物は、セルロース系バイオマスを原料として加水分解性セルロースを製造する際に好適に用いることができる。従って、本発明によれば、植物系のバイオマス原料を、効率よく食物やエネルギー資源として活用することができ、バイオマスの活用の実現性を高めることができる。
Claims (9)
- セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造に用いられる組成物であって、
炭素数5〜29のアルキル基を有する単量体単位を含有し、この単量体単位の含有率が0.05モル%以上5モル%以下であり、かつケン化度が20モル%以上99.99モル%以下であるアルキル変性ビニルアルコール系重合体、及び下記式(I)で表される構造を有する界面活性剤を含有する組成物。
(式(I)中、R1は、炭素数3〜5のアルキレン基である。R2は、単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基である。X1は、水素原子又は有機基である。X2は、親水基である。mは、1以上100以下の整数である。mが2以上の場合、複数存在するR1は、それぞれ独立して上記定義を満たす。) - 上記X1が、水素原子、炭素数1〜29のアルキル基又は親水基である請求項1又は2に記載の組成物。
- 上記アルキル変性ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度が、200以上5,000以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- セルロース系バイオマスを原料とした加水分解性セルロースの製造方法であって、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物の水溶液及びセルロース系バイオマスを含む混合物を得る混合工程と、
上記混合物に剪断力を付加してセルロース系バイオマスを分断する分断工程と
を有する加水分解性セルロースの製造方法。 - 上記水溶液がゲル状である請求項8に記載の製造方法。
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|---|---|---|---|---|
| JP5525110B2 (ja) * | 2011-10-14 | 2014-06-18 | 株式会社クラレ | アルキル変性ビニルアルコール系重合体溶液 |
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