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JP2013119684A - 開繊された炭素繊維束及びその製造方法 - Google Patents

開繊された炭素繊維束及びその製造方法 Download PDF

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JP2013119684A
JP2013119684A JP2011268172A JP2011268172A JP2013119684A JP 2013119684 A JP2013119684 A JP 2013119684A JP 2011268172 A JP2011268172 A JP 2011268172A JP 2011268172 A JP2011268172 A JP 2011268172A JP 2013119684 A JP2013119684 A JP 2013119684A
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Takeshi Naito
猛 内藤
Tsubasa Ono
翼 大野
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

【課題】開繊された炭素繊維束及びその製造方法、ならびに開繊された炭素繊維束より得られる炭素繊維製品を提供する。
【解決手段】炭素繊維束に、サイジング剤および水を含む分散液を付与し、水分を乾燥させる工程を経て開繊工程に供する、開繊された炭素繊維束の製造方法であり、
サイジング剤は、芳香族ビニル化合物と、酸及び/又は酸無水物とを共重合成分とする共重合ポリオレフィンと、20℃で液体のノニオン系界面活性剤とを含有し、
該ノニオン系界面活性剤の含有量が、該共重合ポリオレフィン100重量部に対して10重量部以上かつ60重量部未満である、開繊された炭素繊維束の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、開繊された炭素繊維束及びその製造方法、ならびに開繊された炭素繊維束より得られる炭素繊維製品に関する。
炭素繊維は、樹脂の強度を高め、同時に樹脂が炭素繊維の脆弱破壊を緩衝するために、樹脂との複合材料として多くの応用が行なわれている材料である。
一方、炭素繊維は、多数本の極細フィラメントで構成されていることから、伸度が小さく機械的摩擦などによって毛羽が発生しやすい。この問題を改善するため、樹脂との複合化の際のマトリックス樹脂との接着性を向上させ、且つ、炭素繊維の収束性・取扱性を向上させる目的で、炭素繊維にサイジング剤を付与するのが一般的である。
例えば、特許文献1には、炭素繊維表面と熱可塑性樹脂の界面に用いるサイジング剤として、変性ポリオレフィン樹脂をエマルジョン化して用いることが提案されている。しかしながら、上記特許文献にて得られる炭素繊維束は、一般に使用される室温付近では風合いが硬くなり、開繊性が低いという問題があった。
また、特許文献2には、非イオン界面活性剤と陰イオン活性剤をサイジング剤に含有させ、これを炭素繊維に付与することにより、マトリックス樹脂に対する濡れ性が向上し、優れた工程通過性、安定した機械物性が得られることが開示されている。しかしながら、当該技術は主にエポキシ樹脂特有の課題を解決するものであり、熱可塑性樹脂用のサイジング剤における開繊性の問題について課題とするものではない。
特開2005−256206号公報 特開2006−124844号公報
本発明は、熱可塑性樹脂用のサイジング剤を付与した炭素繊維束において、マトリックス樹脂との接着性に優れ、かつ開繊性を向上させた炭素繊維束、ならびにそれからの炭素繊維製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、共重合ポリオレフィンと、20℃で液体のノニオン系界面活性剤とを含有するサイジング剤を付与した炭素繊維束とすることで、標記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、炭素繊維束に、サイジング剤および水を含む分散液を付与し、水分を乾燥させる工程を経て開繊工程に供する、開繊された炭素繊維束の製造方法であり、
サイジング剤は、芳香族ビニル化合物と、酸及び/又は酸無水物とを共重合成分とする共重合ポリオレフィンと、20℃で液体のノニオン系界面活性剤とを含有し、該ノニオン系界面活性剤の含有量が、該共重合ポリオレフィン100重量部に対して10重量部以上かつ60重量部未満である、開繊された炭素繊維束の製造方法である。
また、本発明は、サイジング剤の付着量が、炭素繊維100重量部に対して、0.01〜10重量部である、上記の方法で得られる開繊された炭素繊維束、またそれからの炭素繊維製品である。
本発明により、取扱性に優れ、かつ開繊性を向上させた炭素繊維束とそれからの炭素繊維製品を得ることができる。取扱性とは、具体的に繊維をカットする工程や、繊維束を開繊させる工程において、絡みつきなどのトラブルが少なくなることを指し、開繊性を向上するとは、繊維を開繊する工程を供することで、求める炭素繊維製品の形態に合う炭素繊維束の状態を作ることができることを指す。
テーパー管の概略説明図。 引張せん断強度測定方法の説明図。
本発明は、炭素繊維束に、サイジング剤および水を含む分散液を付与し、水分を乾燥させる工程を経て開繊工程に供する、開繊された炭素繊維束の製造方法であり、サイジング剤は、芳香族ビニル化合物と、酸及び/又は酸無水物とを共重合成分とする共重合ポリオレフィンと、20℃で液体のノニオン系界面活性剤とを含有し、該ノニオン系界面活性剤の含有量が、該共重合ポリオレフィン100重量部に対して10重量部以上かつ60重量部未満である、開繊された炭素繊維束の製造方法、ならびに該製造方法により得られる開繊された炭素繊維束である。
本発明における開繊された炭素繊維束の開繊率は、例えば、炭素繊維束を20mmにカットし、炭素繊維投入口直径20mm、かつ吹き出し口直径55mm、かつ管の長さが投入口から吹き出し口まで400mmであるテーパ管内に導入し、テーバ管に導入する圧縮空気圧力が0.25MPaであるようにして圧縮空気を流すことで、吹き付けた後の繊維全体中に存在する幅0.6mm未満の繊維束の重量割合で評価できる。このように開繊率を定義した際に、本発明の開繊された炭素繊維束は、該開繊率が40%以上であることが好ましい。開繊率は得ようとする炭素繊維製品により適宜選択できるが、好ましくは45〜90%であり、より好ましくは45〜80%である。
以下本発明を詳細に説明する。
<共重合ポリオレフィン>
本発明においてサイジング剤を構成する共重合ポリオレフィンは、芳香族ビニル化合物と酸および又は酸無水物を共重合成分として含有している。
芳香族ビニル化合物と酸および又は酸無水物を共重合成分として含有する共重合ポリオレフィンは、プロピレン−芳香族ビニル化合物−酸および又は酸無水物共重合体、プロピレン−α−オレフィン−芳香族ビニル化合物−酸および又は酸無水物共重合体、エチレン−芳香族ビニル化合物−酸および又は酸無水物共重合体、エチレン−α−オレフィン−芳香族ビニル化合物−酸および又は酸無水物共重合体、1−ブテン−芳香族ビニル化合物−酸および又は酸無水物共重合体、および1−ブテン−α−オレフィン−芳香族ビニル化合物−酸および又は酸無水物共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
ここで、プロピレン−α−オレフィン−芳香族ビニル化合物−酸および又は酸無水物共重合体とは、プロピレンを主体としてこれとα−オレフィン、芳香族ビニル化合物および−酸および又は酸無水物を共重合したものである。
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどの、炭素原子数2または4〜20のα−オレフィンが挙げられる。
本発明に用いられる芳香族ビニル化合物は、下記一般式(1)
ArCH=CH (1)
(Ar:炭素数6〜15の芳香族基)
で表されることが好ましい。
Arとしては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フェナントリル基等のアリール基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、メチルナフチル等のアルキルアリール基、メトキシフェニル基、ブトキシフェニル基等のアルコキシアリール基、トリメチルシリロキシフェニル基等のシリロキシフェニル基、ブロモフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等のハロゲン化フェニル基等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、トリメチルシリロキシスチレン、ジビニルベンゼン、クロロスチレン等のスチレン類、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、ビニルフェナンスレン等が挙げられる。これらのうちスチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレンが特に好ましい。
共重合ポリオレフィンにおけるオレフィンと芳香族ビニル化合物の共重合比は、モル比で表すとオレフィン100に対し芳香族ビニル化合物が0.1から10であることが好ましい。モル比が0.1より小さいと、炭素繊維束と樹脂との接着性が低下する傾向になる。また、モル比が10を超えると、共重合ポリオレフィン中のポリオレフィン含量が相対的に減少するために、炭素繊維と樹脂との接着性が低下することがある。より好ましくはモル比でオレフィン100に対し芳香族ビニル化合物が1〜5である。
オレフィンはプロピレン、および/またはプロピレンとα−オレフィンの共重合であることが好ましい。ここでプロピレンとα−オレフィンの共重合比にとくに限定はないが、好ましくはモル比でプロピレン100に対しα−オレフィン2〜200であり、より好ましくはプロピレン100に対しα−オレフィン10〜150である。さらに好ましくは、プロピレン100に対しα−オレフィン20〜100である。プロピレン成分の存在量が多いほど、ポリプロピレン樹脂等の樹脂基材に対する密着性が高まる傾向にある。
本発明に用いられる酸および又は酸無水物は、カルボン酸およびその酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。カルボン酸としては例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸、酸無水物としては例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらの中でも無水マレイン酸、無水イタコン酸が好ましい。
酸および又は酸無水物変性としては、具体的にはオレフィンと芳香族ビニル化合物の共重合体に、カルボキシル基などの有機酸基を有する成分をさらにグラフト共重合させることが好ましい。なかでもオレフィンと芳香族ビニル化合物の共重合体に、不飽和ジカルボン酸およびその酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種をグラフト共重合させることが好ましい。
すなわち本発明で用いられるの芳香族ビニル化合物と酸および又は酸無水物を共重合成分として含有する共重合ポリオレフィンとは、プロピレン−芳香族ビニル化合物共重合体およびプロピレン−α−オレフィン−芳香族ビニル化合物共重合体に対し、不飽和ジカルボン酸およびその酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種をグラフト共重合した化合物であることが好ましい。
さらにこの場合の共重合ポリオレフィンにおけるオレフィンと酸および又は酸無水物の共重合比は、モル比で表すとオレフィン100に対し酸および又は酸無水物が0.01〜5であることが好ましく、0.1〜2がより好ましい。
上記範囲よりもグラフト量が少ないと、炭素繊維束と樹脂との接着性が低下する傾向になる。また、逆にグラフト量が多すぎても、共重合ポリオレフィン中のポリオレフィン含量が相対的に減少するために、炭素繊維とポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂との接着性が低下する傾向になる。
共重合ポリオレフィンの重量平均分子量は、35,000〜100,000であるのが好ましい。重量平均分子量が35,000より小さいと、炭素繊維束と樹脂との接着性が劣ることがあり、100,000より大きくなると乳化が困難になることがある。また、乳化できてもエマルジョンの粒径が大きく不安定になり、長期間の操業が困難になることがある。尚、重量平均分子量の測定法としては、高温GPC法など公知の方法を使用することができる。
<ノニオン系界面活性剤>
本発明においてサイジング剤を構成するノニオン系界面活性剤は、少なくとも20℃で液体であることを特徴とする。
本発明のノニオン系界面活性剤は、20℃で液体であれば特に限定されないが、好ましい化合物として例えば、下記式(2)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが挙げられる。
2m2+1m2−O−(X−O)n2−H (2)
(m2=8〜22の整数、n2=2〜20の整数、X:炭素数1〜5のアルキレン基)
の炭素数は2〜5が好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオイレルエーテル等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のノニオン系界面活性剤の含有量は、前記共重合ポリオレフィン100重量部に対して10重量部以上かつ60重量部未満である。当該範囲であれば開繊性が担保でき、またマトリックス樹脂に対するノニオン系界面活性剤の量が十分少なく、本発明の炭素繊維束を用いた各種材料の機械的物性を低下させることがないため好ましい。ノニオン系界面活性剤の含有量の上限値は55重量部が好ましく、30重量部がさらに好ましい。また得られる炭素繊維束の開繊性の観点から、ノニオン系界面活性剤の含有量の下限値は、10重量部が好ましく、15重量部が更に好ましい。
<炭素繊維>
本発明の炭素繊維束には、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系など、何れの炭素繊維も使用することができる。特に、PANを原料としたPAN系炭素繊維が、工業規模における生産性及び機械的特性に優れており好ましい。
炭素繊維は、平均直径5〜10μmのものを使用するのが好ましい。また、1000〜50000本のモノフィラメントが繊維束となったものを使用するのが好ましい。炭素繊維とマトリックス樹脂との接着性を高めるため、表面処理によって炭素繊維の表面に含酸素官能基を導入したものを使用することも好ましい。
<サイジング剤と水とからなる分散液>
炭素繊維束に付与する分散液において、サイジング剤と水との量比にとくに限定はなく、均一な分散液が得られれば良い。好ましい量比としては、共重合ポリオレフィン100重量部に対し、水を900〜999900重量部とすることが好ましく、より好ましくは共重合ポリオレフィン100重量部に対し、水を1900〜99900重量部である。
<浸漬工程>
浸漬工程において、炭素繊維束100重量部に対して、好ましくはサイジング剤が0.01〜10重量部付着するように分散液を付与する。炭素繊維束に、サイジング剤と水とからなる分散液を付与する方法にとくに限定はなく、炭素繊維束表面にサイジング剤を均一に塗布することができればよく、従来公知の方法を用いることができる。具体的方法としては、例えばスプレー法、ローラー浸漬法、ローラー転写法などが挙げられ、これらを単独もしくは組み合わせで使用する方法などもある。これらサイジング法のうちでも、生産性、均一性に優れるものとして、ローラー浸漬法が好ましい。炭素繊維ストランドを水性エマルジョンあるいは溶液に浸漬する際には、エマルジョン浴中に設けられた浸漬ローラーを介して、開繊と絞りを繰り返し、ストランドの中まで水性エマルジョンあるいは溶液を含浸させることが肝要である。炭素繊維に対するサイジング剤の付着量の調整は、炭素繊維用サイジング剤の濃度調整や、絞りローラーの調整などによって行うことができる。
<乾燥工程>
前述の分散液を付与した炭素繊維束から、乾燥処理によって、水分を除去する。乾燥処理の方法はとくに限定はなく、熱処理や風乾、遠心分離などが挙げられるが、なかでも熱処理が好ましい。乾燥処理を熱処理とすることにより、サイジング処理後の炭素繊維束から水分を除去することに加え、サイジング剤を炭素繊維の表面に均一に分散させることができる。熱処理の加熱手段としては、例えば、熱風、熱板、ローラー、赤外線ヒーターなどを使用することができる。
水性エマルジョンにて炭素繊維用サイジング剤を付与した場合には、物温(炭素繊維温度)80℃〜150℃程度で水分を除去するのが好ましい。この温度域であれば、サイジング剤の樹脂、ひいては炭素繊維束を劣化させることなく、目的の炭素繊維束を得ることができる。乾燥後の水の含有量は、炭素繊維100重量部に対し、0〜1重量部が好ましい。
<開繊工程>
上記の乾燥工程を経た繊維束を、開繊工程に供する。炭素繊維束を開繊させる方法は特に限定されないが、好ましくは丸棒で繊維をしごく方法、気流を用いる方法、超音波等で繊維を振動させる方法等が挙げられる。炭素繊維束に空気を吹き付けることにより、繊維束を開繊させる方法では、開繊の程度を空気の圧力等により適宜コントロールすることができる。これらの開繊工程に供する繊維は連続繊維でも不連続繊維でもよい。
<炭素繊維束および得られる炭素繊維製品>
本発明方法により開繊された炭素繊維束が得られ、それを加工することで炭素繊維製品が得られる。
炭素繊維束におけるサイジング剤の付着量は特に限定されないが、炭素繊維100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。
本発明の炭素繊維束に付与されるサイジング剤は、共重合ポリオレフィンと、20℃で液体のノニオン系界面活性剤を含有し、該ノニオン系界面活性剤の含有量が該共重合ポリオレフィン100重量部に対して10重量部以上かつ60重量部未満である。
本発明で用いられる20℃で液体のノニオン系界面活性剤は、エマルジョン化の過程において分散剤としての役割を果たすが、サイジング剤が炭素繊維に付着する際に、該ノニオン系界面活性剤も同時に炭素繊維表面に付着し、上記開繊工程を経て得られる炭素繊維束の開繊性を向上させる。本発明は、共重合ポリオレフィンのエマルジョン化に要する量を超えて20℃で液体のノニオン系界面活性剤を含有させることにより、得られる炭素繊維束の開繊性が向上することを初めて見出したものである。
本発明の炭素繊維束を用いて得られる炭素繊維製品は、複合化させるマトリックス樹脂の含浸が十分に行われ、また強度ムラなどが少ない高品位なものとなる。このような炭素繊維製品としては、例えば、後に詳述するランダムマットや、一軸配向炭素繊維複合材料、織物などが挙げられる。
該炭素繊維製品には、本発明の目的を損なわない範囲で各種の添加剤を含んでも良い。添加剤として例えば、20℃で液体のノニオン系界面活性剤以外の界面活性剤が挙げられる。また、開繊された炭素繊維束以外に含まれている物として、炭素繊維単糸、1種類以上の熱可塑性樹脂が挙げられる。
<ランダムマット>
本発明の炭素繊維束を用いて得られるランダムマットとは、ランダムマットの面内において、強化繊維は特定の方向に配向しておらず、無作為な方向に分散して配置されているものを指す。また、ランダムマットにおける強化繊維の平均繊維長5〜100mm以下であり、好ましくは10〜100mmであり、より好ましくは15mm以上100mm以下であり、さらに好ましくは15mm以上80mm以下である。更には20mm以上60mm以下が好ましく、これらの繊維長の1つ、もしくは2つ以上を組み合わせて形成してもよい。
本発明において、ランダムマットとは、繊維長2〜60mmの開繊された炭素繊維束と、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とを含んで構成され、炭素繊維が25〜3000g/mの目付けにて実質的に面内ランダムに配向しているものであることが好ましい。
用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されないが、公知の樹脂、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂等が挙げられる。用いられる熱硬化性樹脂は特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル等が挙げられる。
樹脂としては熱可塑性樹脂が好ましく、これらの中でポリオレフィン系樹脂、なかでもポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレン単位の他、共重合成分としては、エチレン、プロピレン以外のα−オレフィン、環状オレフィン、不飽和酸及びその誘導体、不飽和酸およびその酸無水物などが挙げられる。上記のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。また環状オレフィンモノマーとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、4−メチルシクロペンテン、4,4−ジメチルシクロペンテン、シクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、4,4−ジメチルシクロヘキセン、1,3−ジメチルシクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、1,3−シクロヘプタジエン、1,3,5−シクロヘプタトリエン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、シクロドデセン等を挙げることができる。また、不飽和酸としてはマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、不飽和酸無水物としては無水マレイン酸を挙げることができる。これらの共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体の構造をとることができる。共重合成分を含む場合の好ましい共重合モル比は0.1〜50%である。また上記ポリプロピレン系の樹脂は他の樹脂と配合して用いることができる。このような樹脂としてはエチレン−プロピレン共重合体エラストマー(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマー(EPDM)、エチレン−ブテン−1共重合体エラストマー(EBM)、超低密度ポリエチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエンランダム共重合体エラストマー、スチレン−イソプレンブロック共重合体エラストマー等を例示することができる。また上記ポリプロピレン系の樹脂には無機フィラーを配合することができる。無機フィラーとして、タルク、珪酸カルシウム、ワラストナイト、モンモリロナイトや各種の無機ナノフィラーを挙げることができる。また上記ポリプロピレン系の樹脂には、必要に応じて、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、軟化剤、分散剤、充填剤、着色剤、滑剤など、従来からポリオレフィン組成物に配合されている他の添加剤を、配合することができる。
ランダムマットにおける樹脂の存在量は、炭素繊維100重量部に対し、50〜1000重量部であることが好ましい。より好ましくは、炭素繊維100重量部に対し、熱可塑性樹脂55〜500重量部、更に好ましくは、強化繊維100重量部に対し、熱可塑性樹脂60〜300重量部である。
ランダムマットにおいて、熱可塑性樹脂が、繊維状、粉末状、又は粒状で存在することが好ましい。
当該ランダムマットは
1.上記の炭素繊維束をカットする工程、
2.カットされた炭素繊維を管内に導入し、空気を繊維に吹き付ける事により、繊維束を開繊させる工程、
3.開繊させた炭素繊維を拡散させると同時に、熱可塑性樹脂とともに吸引しつつ、炭素繊維と熱可塑性樹脂を同時に散布する塗布工程、
4.塗布された炭素繊維および熱可塑性樹脂を定着させる工程、
により好ましく得ることができる。
熱可塑性樹脂マトリクス中の炭素繊維の開繊程度をコントロールし、特定本数以上の炭素繊維束で存在するものと、それ以外の開繊された炭素繊維を特定の割合で含むランダムマットとすることが好ましい。本発明の製造方法によれば、開繊程度を適切にコントロールすることが可能であり、種々の用途、目的に適したランダムマットを提供することができる。
ランダムマット構成する開繊された炭素繊維束の開繊率は、上述の例えば、炭素繊維束を20mmにカットし、炭素繊維投入口直径20mm、かつ吹き出し口直径55mm、かつ管の長さが投入口から吹き出し口まで400mmであるテーパ管内に導入し、テーバ管に導入される圧縮空気圧力が0.25MPaであるようにして圧縮空気を流すことで、吹き付けた後の繊維全体中に存在する幅0.6mm未満の繊維束の重量割合で評価できる。ランダムマットにおける炭素繊維束の開繊率は好ましくは45〜90%であり、より好ましくは45〜80%である。
適切な開繊率でのランダムマットを作製することにより、より緻密に炭素繊維と熱可塑性樹脂を密着させ、高い物性を達成することが可能となる。
<一軸配向炭素繊維複合材料>
本発明の開繊された炭素繊維束を引き揃え、溶融した熱可塑性樹脂と接触させることにより炭素繊維束と熱可塑性樹脂とが複合されてなる一軸配向炭素繊維複合材料を得ることができる。この際に用いられる熱可塑性樹脂はランダムマットの項に記載したものが同様に挙げられる。一軸配向炭素繊維複合材料は、複数の一軸配向炭素繊維複合材料を積層してなるものとしてもよい。
一軸配向炭素繊維複合材料層を製造する方法はとくに限定はなく、例えばプルトリュージョン法などで得ることができる。プルトリュージョン法による場合は炭素繊維が熱可塑性樹脂により含浸されているものが好適に得られる。熱可塑性樹脂による含浸を抑えたもの、すなわち半含浸の層とした場合は、例えば熱可塑性樹脂からなるシート上に炭素繊維の一方向に引き揃えて、必要によりプレスしつつ加熱する方法等で好ましく得ることができる。
複合材料の形状は円柱状、あるいは角柱状であることが好ましい。炭素繊維束を熱可塑性樹脂で固めたストランドを得て、これを切断することにより炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる長繊維ペレットを得ることができる。角柱状の場合、高さ(厚み)を薄くすることでシート状とすることもできる。シート状としたときの好ましい厚みは40〜3000μmである。
一軸配向炭素繊維複合材料における熱可塑性樹脂の存在量が、炭素繊維100重量部に対し、10〜500重量部であることが好ましい。より好ましくは20〜250重量部である。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
本発明の実施例は、下記に示す方法で評価を行った。
<炭素繊維束の開繊性評価試験>
炭素繊維束をロータリーカッターを用いて約20mmの長さにカットした。カットした繊維束を、図1にあるような、炭素繊維投入口直径20mm、かつ吹き出し口直径55mm、かつ管の長さが投入口から吹き出し口まで400mmあり、かつ管内に1mmの穴を数箇所あけてあるラッパ型テーパ管内に導入し、テーバ管の前の圧縮空気圧力が0.25MPaであるようにして圧縮空気を流すことで吹き付けた後炭素繊維束の幅を、光学顕微鏡を使用して測定し、以下に分類した。
a:0.6mm未満
b:0.6mm以上
この分類を行い、以下の式(3)を用いて、開繊率を計算した。
開繊率x = a/(a+b) ×100 (%) (3)
ここで、xが大きいほど開繊率が高いといえる。
<炭素繊維束を用いた引張せん断強度測定方法>
サイジングした炭素繊維束から炭素繊維束を所定の長さで2本用意し、2本の間に対してはポリプロピレンフィルム(トーセロ社製プロピレンフィルム、CPS#50)を接着部の長さ7mmで温度230℃を2分30秒かけて接着する。所定の長さとは、接着部の長さ+50mmとする。
この繊維束からなる試験片の両端に、#320の荒さの紙やすり2枚でそれぞれを挟むことですべり止め加工を行う(図2)。このサンプルを最終的な試験片とし、オートグラフ(島津製作所、AGS-X 5kN)を用いてJIS K6850に準拠した引張せん断強度測定を、試験速度3mm/分で荷重を与え、そのときの引張強度を測定した。同サンプルを7本測定し、その平均値を引張せん断強度とした。
<炭素繊維ランダムマット複合材料成型板の曲げ物性測定方法>
成形板から 幅15mm×長さ100mmの試験片を切り出し、JIS K7074に準拠した中央荷重とする3点曲げにて評価した。支点間距離を80mmとしたr=2mmの支点上に試験片を置き、支点間中央部にr=5mmの圧子にて、試験速度5mm/分で荷重を与えた場合の最大荷重および中央たわみ量を測定し、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
[実施例1]
プロピレン・スチレン共重合体(プロピレン100に対するスチレンのモル比は1)280重量部、無水マレイン酸25重量部、ジクミルパーオキサイド7重量部およびトルエン420重量部を、撹拌機を取り付けたオートクレーブ中に加え、窒素置換を約5分間行った後、加熱撹拌しながら140℃で5時間反応を行った。反応終了後、反応液を大量のメチルエチルケトン中に投入し、粗共重合ポリオレフィンを析出させた。粗共重合ポリオレフィンをさらにメチルエチルケトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去したのち、減圧乾燥することにより、共重合ポリオレフィンの固形物を得た。赤外吸収スペクトルの測定結果から、無水マレイン酸の共重合比はモル比でプロピレン100に対して0.7であった。また、高温GPC測定による重量平均分子量は86000であった。
次に、共重合ポリオレフィン100重量部にトルエン400重量部を加え、攪拌しながら加温して、均一に溶解させた。一方、別の容器に20℃で液体のノニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル登録商標「エマルゲン103」)30重量部を水400重量部に加えて溶解させた。共重合ポリオレフィンのトルエン溶液と界面活性剤水溶液とを乳化器に入れて攪拌し、プレエマルジョンを得た。この20℃で液体のノニオン系界面活性剤は、エマルジョン化のための役割と後述の開繊率の向上に寄与するものである。
このプレエマルジョンにモルフォリンを加えて、プレエマルジョンの温度を45℃に保ち、ロータリーエバポレーターを使用して、100〜200Torrで系内のトルエンを減圧蒸留した。
最終的に得られた共重合ポリオレフィン水性エマルジョンは、平均粒径0.7μmであり、ポリオレフィン100重量部に対して、水は400重量部であった。
得られた共重合ポリオレフィン水性エマルジョンを、共重合ポリオレフィン100重量部に対して、水の量は4000重量部となるように調製して、水性エマルジョンを作製した後、水性エマルジョンの浴に、未サイジングの炭素繊維ストランド(東邦テナックス社製、登録商標「テナックスSTS−24K N00」、直径7μm×24000フィラメント、繊度1.6g/m、引張強度4000MPa(408kgf/mm)、引張弾性率238GPa(24.3ton/mm))を連続的に浸漬させ、フィラメント間に水性エマルジョンを含浸させた。これを120℃〜150℃の乾燥炉に約40秒間通し、乾燥し、幅約15mmの炭素繊維束を得た。
また、得られた炭素繊維束中のサイジング剤の付着量は、炭素繊維重量100重量部に対して、1.2重量部であった。サイジング剤の付着量は、1.0mの炭素繊維束を2本採取し、これらを500℃に昇温した炉で10分間焼成し、重量減少した分をサイジング剤の付着分として以下の式(4)によって計算されたものの平均である。
サイジング剤の付着量=(焼成前重量−焼成後重量)/焼成後重量 ×100 (%) (4)
得られた炭素繊維束中の界面活性剤の付着量は、サイジング剤における量比より求めた結果、炭素繊維重量100重量部に対して、0.28重量部であった。炭素繊維束とマトリックス樹脂との接着性の評価として、引張せん断強度を測定した。得られた炭素繊維束を2本用意し、この間にポリプロピレンフィルム(トーセロ社製プロピレンフィルム、CPS#50)を挟み、230℃で接着した後、JIS K6850に準拠して接着部の長さ7mmで引張せん断強度を測定したところ、表1に示すとおり高い引張せん断強度が得られた。
また、テーパ管内にφ1mmの穴を5ヶ所あけ、外側より0.5MPa圧力をかけ、圧縮空気を繊維束に直接吹き付けることにより開繊しつつ、テーパ管出口の下部に設置したテーブル上に散布した。得られた炭素繊維束について上述した方法で開繊率を測定したところ、表1に示すとおり、高い開繊率が得られた。
[実施例2]
ポリオキシエチレンラウリルエーテルの量を10重量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性エマルジョンを得た。そして、実施例1と同様の方法でサイジングした炭素繊維束を得た後、付着量、引張せん断強度、開繊率を測定したところ、表1に示すとおり、高い引張せん断強度と高い開繊率が得られた。
[実施例3]
ポリオキシエチレンラウリルエーテルの量を15重量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性エマルジョンを得た。そして、実施例1と同様の方法でサイジングした炭素繊維束を得た後、付着量、引張せん断強度、開繊率を測定したところ、表1に示すとおり、高い引張せん断強度と高い開繊率が得られた。
[実施例4]
ポリオキシエチレンラウリルエーテルの量を55重量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性エマルジョンを得た。そして、実施例1と同様の方法でサイジングした炭素繊維束を得た後、付着量、引張せん断強度、開繊率を測定したところ、表1に示すとおり、高い引張せん断強度と高い開繊率が得られた。
[実施例5]
ポリオキシエチレンラウリルエーテルを20℃で液体のノニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテルであるエマルゲン404(登録商標、花王社製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性エマルジョンを得た。そして、実施例1と同様の方法でサイジングした炭素繊維束を得た後、付着量、引張せん断強度、開繊率を測定したところ、表1に示すとおり、高い引張せん断強度と高い開繊率が得られた。
[比較例1]
ポリオキシエチレンラウリルエーテルの量を5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性エマルジョンを得た。そして、実施例1と同様の方法でサイジングした炭素繊維束を得た後、付着量、引張せん断強度、開繊率を測定したところ、表1に示すとおり、引張せん断強度は高かったが、開繊率は低値を示した。
[比較例2]
ポリオキシエチレンラウリルエーテルの量を8重量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性エマルジョンを得た。そして、実施例1と同様の方法でサイジングした炭素繊維束を得た後、付着量、引張せん断強度、開繊率を測定したところ、表1に示すとおり、引張せん断強度は高かったが、開繊率は低値を示した。
[比較例3]
ポリオキシエチレンラウリルエーテルを20℃で固体のノニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンラウリルエーテルであるエマルゲン120(登録商標、花王社製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性エマルジョンを得た。そして、実施例1と同様の方法でサイジングした炭素繊維束を得た後、付着量、引張せん断強度、開繊率を測定したところ、表1に示すとおり引張せん断強度は高かったが、開繊率は低値を示した。
[比較例4]
ポリオキシエチレンラウリルエーテルを20℃で液体のアニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルであるアントックスEHD−PNA(登録商標、日本乳化剤社製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性エマルジョンを得た。そして、実施例1と同様の方法でサイジングした炭素繊維束を得た後、付着量、引張せん断強度、開繊率を測定したところ、表1に示すとおり引張せん断強度及び開繊率は低値を示した。
[比較例5]
プロピレン・スチレン共重合体280重量部に変えて、プロピレン280重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、水性エマルジョンを得た。そして、実施例1と同様の方法でサイジングした炭素繊維束を得た後、付着量、引張せん断強度、開繊率を測定したところ、表1に示すとおり開繊率は高かったが、引張せん断強度は低値を示した。
[実施例6]
マトリックス樹脂として、プライムポリマー製のポリプロピレン“プライムポリプロJ108M”(登録商標)ペレットを冷凍粉砕し、更に、20メッシュ、及び30メッシュにて分級した平均粒径約1mmパウダーを用意し、実施例1で得られた炭素繊維束を16mmにカットしたもの、およびポリプロピレンパウダーを、炭素繊維の供給量を600g/min、ポリプロピレンパウダーの供給量を580g/minにセットしてテーパ管内に導入した。
テーパ管内で空気を炭素繊維に吹き付けて繊維束を部分的に開繊しつつ、ポリプロピレンパウダーとともにテーパ管出口の下部に設置したテーブル上に散布した。散布された炭素繊維およびポリプロピレンパウダーを、テーブル下部よりブロワにて吸引し、定着させて、厚み5mm程度の炭素繊維ランダムマットを得た。
得られた炭素繊維ランダムマットを、240℃に加熱したプレス装置にて、3MPaにて 5分間加熱し、繊維と樹脂の全目付け2420g/m、厚み2.0mm、繊維体積含有率35Vol%の炭素繊維ランダムマット複合材料成型板を得た。
得られた成形板に未含浸部はなく、曲げ物性は、曲げ強度200MPa、曲げ弾性率19GPaであった。結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例2の炭素繊維束を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、表2に示すとおり高い曲げ強度・曲げ弾性率を得た。
[実施例8]
実施例3の炭素繊維束を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、表2に示すとおり高い曲げ強度・曲げ弾性率を得た。
[実施例9]
実施例4の炭素繊維束を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、表2に示すとおり高い曲げ強度・曲げ弾性率を得た。
[実施例10]
実施例5の炭素繊維束を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、表2に示すとおり高い曲げ強度・曲げ弾性率を得た。
[比較例6]
比較例1の炭素繊維束を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、成形板に未含浸部を生じ、表2に示すとおり曲げ強度が低値を示した。
[比較例7]
比較例2の炭素繊維束を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、成形板に未含浸部を生じ、表2に示すとおり曲げ強度が低値を示した。
[比較例8]
比較例3の炭素繊維束を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、成形板に未含浸部を生じ、表2に示すとおり曲げ強度が低値を示した。
[比較例9]
比較例4の炭素繊維束を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、成形板に未含浸部を生じ、表2に示すとおり曲げ強度が低値を示した。
[比較例10]
比較例5の炭素繊維束を用いて、実施例6と同様の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、成形板に未含浸部はなかったが、表2に示すとおり曲げ強度が低値を示した。
[実施例11]
実施例1で得られた炭素繊維束を丸棒でしごきながら、一方向に引き揃えて、シート状として、シートの上下に、炭素繊維100体積部に対してポリプロピレン樹脂100体積部となる様にポリプロピレン樹脂フィルム(プライムポリマー製、ポリプロピレン“プライムポリプロJ108M”(登録商標)を用い、30μ厚みのフィルムにしたもの)を乗せ、240℃の加熱ローラーにて一軸配向炭素繊維複合材料シートを得た。一軸配向炭素繊維複合材料シートの炭素繊維目付は、100g/m2で、炭素繊維含有率は50vol%であった。
シートの断面を顕微鏡観察したところ、ポリプロピレン樹脂の未含浸部はなかった。この一軸配向炭素繊維複合材料シートを一方向に18枚重ね、240℃に加熱したプレス装置にて、3.0MPaにて5分間加熱し、t=2.0mmの成形板を得た。
得られた成形板の一軸方向の曲げ物性は、曲げ強度780MPa、曲げ弾性率101GPaであった。

Claims (6)

  1. 炭素繊維束に、サイジング剤および水を含む分散液を付与し、水分を乾燥させる工程を経て開繊工程に供する、開繊された炭素繊維束の製造方法であり、
    サイジング剤は、芳香族ビニル化合物と、酸及び/又は酸無水物とを共重合成分とする共重合ポリオレフィンと、20℃で液体のノニオン系界面活性剤とを含有し、
    該ノニオン系界面活性剤の含有量が、該共重合ポリオレフィン100重量部に対して10重量部以上かつ60重量部未満である、開繊された炭素繊維束の製造方法。
  2. 炭素繊維束100重量部に対して、サイジング剤が0.01〜10重量部付着するように分散液を付与する、請求項1に記載の開繊された炭素繊維束の製造方法。
  3. サイジング剤の付着量が、炭素繊維100重量部に対して、0.01〜10重量部である、請求項1または2に記載の方法で得られる開繊された炭素繊維束。
  4. 炭素繊維束を20mmにカットし、炭素繊維投入口直径20mm、かつ吹き出し口直径55mm、かつ管の長さが投入口から吹き出し口まで400mmであるテーパ管内に導入し、テーバ管に導入する圧縮空気圧力が0.25MPaであるようにして圧縮空気を流すことで吹き付けた後の繊維全体中に存在する幅0.6mm未満の繊維束の重量割合を開繊率とするとき、該開繊率が40%以上の請求項3に記載の開繊された炭素繊維束。
  5. 請求項3〜4のいずれかに記載の開繊された炭素繊維束より得られる炭素繊維製品。
  6. ランダムマットである、請求項5に記載の炭素繊維製品。
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