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JP2013119650A - 部分めっき工法 - Google Patents

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JP2013119650A
JP2013119650A JP2011268106A JP2011268106A JP2013119650A JP 2013119650 A JP2013119650 A JP 2013119650A JP 2011268106 A JP2011268106 A JP 2011268106A JP 2011268106 A JP2011268106 A JP 2011268106A JP 2013119650 A JP2013119650 A JP 2013119650A
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Shoko Tsumura
渉子 津村
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】加工に要する時間を低減しながら、シアン焼けを抑制する部分めっきを実施することを可能とする部分めっき工法を提供することを目的としている。
【解決手段】内部が中空の機械要素部品1の全体に施された銅めっきの一部を剥離する部分めっき工法であって、機械要素部品1の全体に銅めっきを施し、機械要素部品1の内側であって、銅めっきを剥離する部分31と銅めっきを剥離しない部分30との境界部80におけるめっき層の表面の少なくとも一部を平滑化した後に、機械要素部品1の銅めっきを剥離する部分31を、シアン化合物の水溶液に浸漬させて、当該剥離する部分31に施された銅めっきを剥離する。
【選択図】図4

Description

本発明は、部分めっき工法に関するものであり、特に、シアン化合物の水溶液にて銅めっきを部分剥離除去する部分めっき工法に関するものである。
空気調和装置の熱交換器などの冷媒配管には、銅管を用いることが多いが、この銅管に接続される要素部品が鉄鋼材製である場合、そのままではろう付けが困難となる。このように、配管同士の接続において、双方の配管を構成する金属が異なるとろう付けが困難となるため、一方の配管の接続位置に、他方の配管の金属と同じ金属のめっきを部分的に施し、ろう付けを可能とする技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、ステンレス部材11(被めっき物)の表面に、銅管3に接合する部分に、たとえばりん銅ろう付が容易な材質のめっきを施してから、銅管3とステンレス部材11をろう付するものである。
ここで、被めっき物に部分的にめっきを施すにあたり、マスキングによる部分めっき、又は全めっき後に、一部を剥離して部分めっきとするめっき工法がある。「マスキングによる部分めっき工法」とは、被めっき物の素材表面を露出させようとする部分、つまりめっきしない部分にキャップなどでマスキングを施してからめっき処理を行うものである。この「マスキングによる部分めっき工法」は、被めっき物の形状によってはマスキングがしにくいといった理由により、採用することができない場合がある。特に、被めっき物が中空形状であると、被めっき物の内部の一部にマスキングを施すことは困難である。
そこで、このような場合には、「全めっき後に一部を剥離して部分めっきとするめっき工法」とする工法が採用される。「全めっき後に一部を剥離して部分めっきとするめっき工法」とは、化学溶液として、シアン化合物の水溶液などを用い、たとえば、被めっき物をシアン化合物の水溶液に浸漬させ、化学的にめっきを剥離除去を行うものである。この「全めっき後に一部を剥離して部分めっきとするめっき工法」では、その水溶液の液面にて剥離位置を管理する。
特開平8−267228号公報(たとえば、段落[0030]〜[0033]、及び図1参照)
銅管と鉄鋼管とを接続するにあたり、鉄鋼管に銅めっきを行う。このとき鉄鋼管に対して銅の「全めっき後に一部を剥離して部分めっきとするめっき工法」を行うと、鉄鋼管をシアン化合物の水溶液に浸漬させた際に、剥離境界面の表面にいわゆる「シアン焼け」と呼ばれる変色を生じることがある。なお、この変色は炭酸銅が生成されたことによるものである。このように、鉄鋼管に炭酸銅が残ってしまうと、接続する配管同士の物質が異なるためにろう付けされにくくなる可能性がある。
また、「シアン焼け」による炭酸銅が発生し易いのは、配管のように、内部が中空になった筒状形状の部品の内側である。そこで、この炭酸銅を塩酸にて洗浄することで除去可能であるが、銅めっきが表面から炭化しているため、除去することでめっき厚が減少してしまう。めっき厚が減少した状態では、ろう付けが確実にされなくなる可能性がある。
さらに、「シアン焼け」を塩酸で洗浄してもめっき厚を確保することができるように、炭酸銅の発生を見越して、銅めっき厚を厚くすると、その分だけ配管加工時間が長くなってしまう可能性がある。
なお、塩酸洗浄は、被めっき物が使用される環境によっては用いり難い場合もある。たとえば、塩酸洗浄後の洗浄工程の不十分により、被めっき物に残留塩素が付着する可能性がある。これにより、被めっき物が冷媒回路で使用される配管であった場合には、その残留塩素が、冷媒回路を循環する冷凍機油を劣化させてしまう可能性がある。
本発明は、以上のような課題のうちの少なくとも1つを解決するためになされたもので、加工に要する時間を低減しながら、シアン焼けを抑制する部分めっきを実施することを可能とする部分めっき工法を提供することを目的としている。
本発明に係る部分めっき工法は、内部が中空の機械要素部品の全体に施された銅めっきの一部を剥離する部分めっき工法であって、機械要素部品の全体に銅めっきを施し、機械要素部品の内側であって、銅めっきを剥離する部分と銅めっきを剥離しない部分との境界部におけるめっき層の表面の少なくとも一部を平滑化した後に、機械要素部品の銅めっきを剥離する部分を、シアン化合物の水溶液に浸漬させて、当該剥離する部分に施された銅めっきを剥離するものである。
本発明に係る部分めっき工法によれば、機械要素部品の銅めっきを部分剥離する前に、機械要素部品の銅めっきを剥離する部分と、剥離しない部分との境界部の近傍を平滑化するので、加工に要する時間を低減しながら、シアン焼けを抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る部分めっき工法が実施される配管がろう付けされた圧縮機の概要構成図である。 図1に示す配管の構成及び銅めっき剥離により生じる変色についての説明図である。 図2(b)に示す配管及び図2(d)に示す配管に発生した変色部分の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る部分めっき工法の銅めっき処理の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る部分めっき工法のバフがけの説明図である。 複数の配管にバフがけを行い、配管ごとの面粗度を示したものである。 図7(a)が部分めっき工法の工程図であり、図7(b)が部分めっき工法を採用しないときの工程図である。 本発明の実施の形態2に係る部分めっき工法のフローチャートである。 図8に示すステップS21のめっき処理の説明図である。 本発明の実施の形態3に係る部分めっき工法のバフがけの説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る部分めっき工法が実施される配管1がろう付けされた圧縮機60の概要構成図である。実施の形態1では、部分めっき工法が施される対象、つまり機械要素部品が、圧縮機60の一部を構成する配管1である場合を例に説明する。
本実施の形態1に係る部分めっき工法は、圧縮機60に供給される冷媒が流れる配管1(被めっき物)に対して用いられるものであり、当該配管1の加工時間を低減しながら、シアン焼けを抑制する改良が加えられたものである。
[配管1の構成]
圧縮機60は、圧縮機60から発生する駆動音や振動音などを低減するマフラー12と、マフラー12に接続され、銅で構成されるマフラー配管10と、マフラー配管10に接続され、本実施の形態1の部分めっき工法が施される配管1と、配管1に接続され、銅で構成される本体接続配管11と、配管1に接続され、鉄で構成されるシリンダー21とを有している。なお、圧縮機60は、マフラー12、マフラー配管10、配管1、本体接続配管11、及びシリンダー21以外に、固定子や回転子などを有しているが図1では図示を省略している。
配管1は、マフラー配管10とシリンダー21とを接続する配管である。配管1は、一方にマフラー配管10が圧入されて接続され、他方にシリンダー21が圧入されて接続されている。そして、配管1は、本体接続配管11を介して圧縮機60本体に固定されている。
すなわち、配管1の一方の内側表面には、銅で構成されるマフラー配管10が接触して接続され、配管1の他方の外側表面には、鉄で構成されるシリンダー21が接触して接続されている。また、配管1には、シリンダー21に接続されていない方であって、配管1の外側表面において、銅で構成される本体接続配管11が接触して接続されている。
[配管1の銅めっき]
ここで、配管1は、配管1の外側において、シリンダー21が接続される外側表面部分には銅めっきを形成しないが、本体接続配管11が接続される外側表面部分には銅めっきを形成する。すなわち、「部分めっき工法」を用いて、配管1の全体を銅めっきが行われた後に、配管1の銅めっきの部分剥離が行われる。より詳細には、以下の通りである。
配管1には、配管1の外側全体及び内側全体に銅めっきが施されるものである。しかし、配管1はシリンダー21に圧入して固定するため、配管1の外側表面のうちシリンダー21と接触する外側表面に銅めっきが形成されていると、配管1とシリンダー21のシール性が低減する可能性がある。そこで、配管1の外側表面のうちシリンダー21と接触する外側表面の銅めっきは、シアン化合物によって部分剥離される。なお、本実施の形態1では、配管1のうち銅めっきを剥離する部分をシアン化合物の水溶液に浸漬させて除去するものとする。
一方、配管1の外側表面のうち本体接続配管11と接触する外側表面の銅めっきについては、剥離しないで残す。これにより、配管1と本体接続配管11との銅ろう付けが可能となっている。
また、配管1は、配管1の内側において、銅で構成されるマフラー配管10が接続され、マフラー配管10が接続される内側表面部分には銅めっきが形成されているものである。すなわち、シリンダー21がシアン化合物の水溶液に浸漬された際に、配管1の外側表面のうちシリンダー21と接触する外側表面の銅めっきだけでなく、当該外側表面に対応する内側表面の銅めっきも剥離される。しかし、マフラー配管10と接触する内側表面については、銅めっきを剥離しないで残しているということである。これにより、配管1ととの銅ろう付けが可能となっている。
[配管1の銅めっきの部分剥離]
図2は、図1に示す配管1の構成及び銅めっき剥離により生じる変色についての説明図である。図2(a)は配管1の外側表面を示し、図2(b)は図2(a)の配管1を紙面と平行な面で割り、配管1の内側表面を示している。また、図2(c)は、図2(a)の配管1とは異なる形状の配管1Aの外側表面を示し、図2(d)は図2(c)の配管1Aを紙面と平行な面で割り、配管1Aの内側表面を示している。なお、配管1Aは、配管1とは異なる形状の配管であり、長手方向に縮径した形状を有するものである。
図3は、図2(b)に示す配管1及び図2(d)に示す配管1Aに発生した変色部分34の断面図である。図3(a)は銅めっきを部分剥離する前の配管1を示し、図3(b)が銅めっきを部分剥離した後の配管1を示している。なお、図3(a)及び図3(b)は、配管1に銅めっきを施し、配管1の外側表面に銅めっきを約50(μm)形成し、配管1の内側表面に銅めっきを約30(μm)形成した場合の断面図である。
図2及び図3を参照して、配管1に発生する変色について説明する。
図2(a)及び図2(b)に示す配管1は、全体を銅めっきした後に、銅めっきの一部を剥離したものである。すなわち、配管1の外側表面は、銅めっき部分30及び銅めっき剥離部分31からなる。また、配管1の内側表面は、外側表面と対応しており、銅めっき部分30及び銅めっき剥離部分31からなる。なお、配管1の外側表面と内側表面の両方で、銅めっき部分30及び銅めっき剥離部分31が形成されるのは、銅めっきを剥離する際に、配管1にマスキングなどをせずに、銅めっき剥離部分31側をシアン化合物の水溶液に浸漬させるためである。
なお、マスキングによる部分めっき工法は、被めっき物の素材表面を露出させようとする部分にキャップなどでマスキングを施してめっき処理を行うものである。中空である配管1のような形状の部材にマスキングを施すことは困難であるため、本実施の形態1に係る部分めっき工法はマスキングによる部分めっき工法を採用していない。
ここで、図2(b)に示すように、銅めっき部分30と銅めっき剥離部分31との境界部80には、「シアン焼け」と呼ばれる変色部分32が形成される。なお、境界部80とは、銅めっき部分30のめっき層の表面部分であって、銅めっき部分30と銅めっき剥離部分31との境界及び当該境界近傍の部分である。また、図2(d)に示すように、配管1の一方が縮径された形状を有している配管1Aにおいても、同様に、銅めっき部分30Aと銅めっき剥離部分31Aとの境界部80には、「シアン焼け」と呼ばれる変色部分32Aが形成される。
「シアン焼け」と呼ばれる変色部分32は、銅めっきの部分剥離によって生じるものである。ここで、配管1の銅めっきを部分剥離する際には、配管1の銅めっき剥離部分31側を下に向けて、シアン化合物の水溶液に浸漬させる。この浸漬時において、シアン化合物の水溶液の液面は、銅めっき部分30と銅めっき剥離部分31との境界面に位置しているが、毛細管現象によってシアン化合物水溶液の一部が当該境界面から吸い上げられる。この毛細管現象により吸い上げられたシアン化合物の水溶液が、銅めっき部分30の一部に付着した結果、変色部分32が形成される。
図2(a)〜図2(d)に示すように、「シアン焼け」は、内部が中空になった筒状形状の部品の内側に形成されやすい。その理由は以下の通りである。
筒状形状の部品が、たとえば絞り加工などによって形成されるため、内側の方が外側よりも面が粗い(面粗度が大きい)場合が多い。また、粗い面に対して銅めっきがされた場合の面粗度と、平滑な面に対して銅めっきがされた場合の面粗度とは、粗い面に対して銅めっきがされた場合の方が粗くなる。すなわち、内部が中空になった筒状形状の部品の内側は、内側と比較すると平滑な外側よりも面が粗いために、銅めっき後においても面が粗く、シアン化合物水溶液を毛細管現象で吸い上げやすいということである。
なお、この変色部分32は、シアン化合物の水溶液によって銅めっき部分30の銅めっきが炭化して、炭酸銅が生成されたことに起因するものである。
この炭酸銅により、銅で構成されるマフラー配管10と配管1の銅めっき部分30の内側表面との銅ろう付け、及び銅で構成される本体接続配管11と配管1の銅めっき部分30の外側表面との銅ろう付けがされにくくなる可能性がある。すなわち、銅と炭酸銅とは異なる物質であるため、ろう付けされにくいということである。
また、この変色部分32の炭酸銅は、たとえば塩酸濃度7%の酸性水溶液で、配管1を15秒程度振り洗いすることにより除去することは可能である。しかし、図3(b)に示すように、変色部分32は、銅めっきが表面から深部まで炭化しているため、除去することで銅めっき部分30のめっき厚が減少してしまう。具体的には、図3(a)に示すように、内側表面に形成された銅めっきは約30(μm)形成されているが、銅めっきを部分剥離すると、図3(b)に示すように、剥離部分の表面から約27(μm)ほどが酸化してしまう。これにより、この炭酸銅を酸性水溶液などで部分洗浄すると、酸化部分が除去され、残っためっき部分が約3(μm)となってしまう。そして、銅めっき厚が減少した状態で、ろう付けを実施すると、配管同士が確実に固定されない可能性がある。
本実施の形態1に係る部分めっき工法では、銅めっき部分30をシアン化合物の水溶液に浸漬させた際の毛細管現象を抑制し、銅めっき部分30にシアン焼けが形成されないようにする。すなわち、以下に説明する部分めっき工法を実施して、毛細管現象を抑制する。
図4は、実施の形態1に係る部分めっき工法の銅めっき処理の説明図である。図5は、実施の形態1に係る部分めっき工法のバフがけの説明図である。図6は、複数の配管1にバフがけを行い、配管1ごとの面粗度を示したものである。図4の銅めっき処理は、後述の図7のステップS11に対応し、図5のバフがけは、図7のステップS14に対応するものである。
[めっき処理]
図5に示すバレルめっき装置50は、配管1の銅めっきをするものである。このバレルめっき装置50は、銅めっき液4が貯留されるめっき槽5と、めっき槽5の銅めっき液が流入するバレル2と、めっき槽5の中でバレル2を回転させる回転装置3とを有している。なお、図示は省略しているが、バレルめっき装置50は、正極及び負極の電極が設けられている。
めっき槽5は、銅めっき液4を貯留するものである。めっき槽5には、銅めっき中において、バレル2が浸漬される。
バレル2は、配管1などを収容するものであり、たとえば、複数の貫通穴が形成された略箱形状のものである。そして、バレル2は、めっき槽5に浸漬させられたときに、その貫通穴を介して銅めっき液4が流入するようになっているものである。また、バレル2は、その両側面が、回転装置3によって回転自在に支持されている。
回転装置3は、バレル2を回転させるものであり、バレル2の両側面(紙面左右の両側面)を回転自在に支持し、配管1に銅めっきがムラ無く行われるようにするものである。
[バフがけ]
図5に示すバフがけは、配管1の銅めっきを部分剥離する前に、配管1の銅めっきを剥離する部分(図2及び図3の剥離部分31)と、剥離しない部分(図2及び図3の銅めっき部分30)との境界部80の近傍を平滑化するものである。なお、バフがけする範囲は、境界部80である。すなわち、バフがけする範囲は、銅めっき部分30のめっき層の表面部分であって、銅めっき部分30と銅めっき剥離部分31との境界及び当該境界近傍の部分である。バフがけは、配管1を平滑化するバフツール6を回転駆動させて配管1に接触させることで実施する。なお、バフツール6は、たとえば布などで構成される。
実施の形態1におけるバフがけは、境界部80のめっき層の表面の少なくとも一部を平滑化するものである。すなわち、境界部80のうち配管1の内側1bの境界部80を平滑化し、境界部80のうち配管1の外側1aの境界部80については平滑化しない。これは、上述したように、内部が中空になった筒状形状の部品の内側は、面が粗いため、内側と比較すると平滑な外側よりも、シアン化合物水溶液が毛細管現象で吸い上げられやすいためである。
バフがけによりどの程度、配管1の内側1bを平滑化するかについて説明する。
実験により、シアン焼けは、銅めっき処理後の配管1の内側1bの面粗度が約Rz=13(μm)(Rz.JIS=9.5(μm))以上で形成されてしまうことを確認している。なお、配管1の内側1bの面粗度がRz=13(μm)であるとき、図6(a)に示すような面粗度データを得た。
また、シアン焼けは、配管1の内側1bの面粗度がRz=6(μm)(Rz.JIS=4.5(μm))以下で形成されないことを確認している。なお、配管1の内側1bの面粗度がRz=6(μm)以下であるとき、図6(b)〜図6(f)に示すような面粗度データを得た。
このように、配管1の内側1bの面粗度は、バフがけにより、Rz=6(μm)(Rz.JIS=4.5(μm))以下とするとよい。
なお、配管1の外側1aはバフがけを実施していないが、面粗度がRz=2(μm)(Rz.JIS=1(μm))であったため、同実験において配管1の外側1aにはシアン焼けが確認されていない。
図7は、図7(a)が部分めっき工法の工程図であり。図7(b)が部分めっき工法を採用しないときの工程図である。次に、図7(a)を参照して、本実施の形態1に係る部分めっき工法の工程について説明する。
(ステップS11)
配管1をバレルめっき装置50に入れて、配管1全体を銅めっきする。
(ステップS12)
ステップS11で配管1に付着した銅めっき液4を水洗して除去する。
(ステップS13)
ステップS12で配管1に付着した水を乾燥させる。
(ステップS14)
ステップS11で形成された配管1の銅めっきを部分剥離する前に、配管1の銅めっきを剥離する部分(図2及び図3の剥離部分31)と、剥離しない部分(図2及び図3の銅めっき部分30)との境界部80の近傍をバフがけして平滑化する。
(ステップS15)
ステップS14のバフがけにより生じた屑などを除去するため水洗する。
(ステップS16)
ステップS15で配管1に付着した水を乾燥させる。
(ステップS17)
配管1のうち、剥離する部分をシアン化合物の水溶液に浸漬させて、銅めっきを部分剥離する。
(ステップS18)
ステップS17で配管1に付着したシアン化合物の水溶液を水洗して除去する。
(ステップS19)
ステップS18で配管1に付着した水を乾燥させる。
ここで、図7(a)のステップS11〜13、S17〜S19と、図7(b)の通常工程のステップS1〜S3、S4、S5、S10とは同様である。すなわち、通常工程においては、図7(a)のステップS14〜S16を有していないが、ステップS6〜S9を有している。
そこで、通常工程のステップS1〜S3、S4、S5、S10については説明を省略し、ステップS6〜S9の説明をする。
(ステップS6)
通常工程では、バフがけを実施しないため、ステップS4で配管1をシアン化合物の水溶液に浸漬させることでシアン焼けが発生している。そこで、ステップS4で形成されたシアン焼けを除去するために、酸性水溶液(塩酸など)で洗浄して除去する。
(ステップS7)
ステップS6で配管1に付着した酸性水溶液を水洗して除去する。
(ステップS8)
ステップS7で配管1に残留する塩酸を中和するために、アルカリ性水溶液(水酸化ナトリウムなど)で中和する。
(ステップS9)
ステップS8で配管1に付着したアルカリ性水溶液を水洗して除去する。
このように、本実施の形態1に係る部分めっき工法は、通常工程にはないステップS14〜S16の工程を有している。このため、シアン焼けを抑制することが可能となっている。また、本実施の形態1に係る部分めっき工法では、通常工程のステップS6〜S9がない分、配管1の加工時間を抑制することができる。
[実施の形態1に係る部分めっき工法の有する効果]
本実施の形態1に係る部分めっき工法は、配管1の銅めっきを剥離する部分(図2及び図3の剥離部分31)と、剥離しない部分(図2及び図3の銅めっき部分30)との境界部80の近傍を平滑化する工程を、配管1の銅めっきを部分剥離する工程の前に設けている。これにより、当該境界部80にシアン焼けが形成されてしまうことを抑制することができる。その結果、確実なろう付けを実施することができる。
また、シアン焼けが形成されないため、塩酸などの酸性水溶液で洗浄する必要がない。すなわち、酸性水溶液で除去することで銅めっき厚が減少することがない。そのため、確実なろう付けを実施することができる。
また、塩酸などの酸性水溶液で洗浄する工程が必要でないため、配管1の加工時間が長くなることを抑制することができる。
さらに、塩酸などの酸性水溶液で洗浄する工程を省略が必要でないため、配管1に残留塩素が付着することはない。これにより、配管1が圧縮機60に設けられても、冷媒回路を循環する冷凍機油を劣化させてしまうことを防止することができる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る部分めっき工法のフローチャートである。図9は、図8に示すステップS21のめっき処理の説明図である。なお、本実施の形態2では、実施の形態1と同一部分には同一符号とし、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態2に係る部分めっき工法は、配管1に加えて配管1の表面をバレルめっき中に平滑化することが可能なメディア7を、図9に示すバレル2に収容して銅めっきを実施する。
メディア7は、配管1とメディア7が擦れ合って、配管1を平滑化するものである。メディア7は、銅めっき処理時に、バレルめっき装置50のバレル2に収納される。そして、メディア7は、回転装置3によってバレル2が回転させられることにより、配管1とともにバレル2内で撹拌される。メディア7は、その撹拌される過程で配管1と擦れ合い、配管1の表面を平滑化することが可能となっている。
メディア7の径は、配管1の内側1bを平滑化することができるように、配管1の内径よりも小さいものとする。また、メディア7の径は、バレル2に形成された貫通穴より小さいと、銅めっき中にバレル2の貫通穴から出ていってしまう。したがって、メディア7の径は、配管1の内径よりも小さく、バレル2の貫通穴よりも大きくするとよい。
なお、メディア7の形状は、特に限定されるものではなく、たとえば球や三角錐など、種々の形状を採用できる。また、メディア7は、たとえばセラミックなどで構成するとよい。
本実施の形態2に係る部分めっき工法は、実施の形態1に係るステップS12、S13、S17〜S19とは同様である。なお、図9に示すように、実施の形態1に係る部分めっき工法は、実施の形態1の平滑化の工程、平滑化後の洗浄及び乾燥(ステップS14〜S16)を省略することができる。
これは、ステップS21のバレルめっき装置50の銅めっき処理時に、実施の形態1のステップS14のバフがけに対応する平滑化を実施するためである。すなわち、ステップS21の銅めっき処理により、メディア7の作用で配管1の内側1bを平滑化し、面粗度を6(μm)以下とするということである。
このように、本実施の形態2に係る部分めっき工法は、通常工程のめっき処理工程とは異なり、メディア7を用いためっき処理工程を有している。このため、シアン焼けが発生することを抑制することができる。また、本実施の形態2に係る部分めっき工法では、通常工程のステップS6〜S9がない分、配管1の加工時間を抑制することができる。
なお、本実施の形態2に係る部分めっき工法では、実施の形態1のステップS14〜S16を有さない場合を説明したが、たとえばメディア7の平滑化では不十分である場合には、バフがけを実施してもよいことは言うまでもない。
[実施の形態2に係る部分めっき工法の有する効果]
本実施の形態2に係る部分めっき工法は、実施の形態1に係る部分めっき工法の奏する効果に加えて以下の効果を奏する。
すなわち、本実施の形態2に係る部分めっき工法は、配管1の銅めっきを部分剥離する工程の前にバレル2にメディア7を収容して銅めっきを実施する。そして、配管1の銅めっきを部分剥離する工程の前に、配管1の全体を平滑化できる。その結果、配管1の銅めっきを剥離する部分(図2及び図3の剥離部分31)と、剥離しない部分(図2及び図3の銅めっき部分30)との境界部80の近傍も平滑化できる。
これにより、内側1bの境界部80及び外側1aの境界部80にシアン焼けが形成されてしまうことを抑制することができ、確実なろう付けを実施することができる。
実施の形態3.
図10は、実施の形態3に係る部分めっき工法のバフがけの説明図である。なお、本実施の形態3では、実施の形態1、2と同一部分には同一符号とし、実施の形態1、2との相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態1のバフがけは配管1の内側1bの剥離部に対して実施するものであるが、実施の形態3に係る部分めっき工法は外側1aの剥離部に対してもバフがけを実施するものである。
外側1aであっても、たとえば配管1の加工状態などによって面が粗い場合もある。このような場合には、内側1bと同様に、配管1の外側1aに対しても面粗度が6(μm)以下となるようにバフがけを実施することで、シアン焼けが形成されてしまうことを抑制することができ、確実なろう付けを実施することができる。
実施の形態1〜3に記載された事項は、適宜組み合わせてもよい。たとえば、実施の形態2と実施の形態3とを組み合わせて、メディア7で配管1を平滑化するとともに、配管1の内側1b及び外側1aに対してバフがけを実施してもよい。
[実施の形態3に係る部分めっき工法の有する効果]
本実施の形態3に係る部分めっき工法は、実施の形態1に係る部分めっき工法の奏する効果に加えて以下の効果を奏する。
すなわち、本実施の形態3に係る部分めっき工法は、配管1の銅めっきを部分剥離する工程の前にバレル2にメディア7を収容して銅めっきを実施する。そして、配管1の銅めっきを部分剥離する工程の前に、配管1の内側1bの銅めっきを剥離する部分(図2及び図3の剥離部分31)と、剥離しない部分(図2及び図3の銅めっき部分30)との境界部80の近傍を平滑化する。さらに、配管1の銅めっきを部分剥離する工程の前に、配管1の外側1aの銅めっきを剥離する部分(図2及び図3の剥離部分31)と、剥離しない部分(図2及び図3の銅めっき部分30)との境界部80の近傍を平滑化する。
これにより、内側1bの境界部80及び外側1aの境界部80にシアン焼けが形成されてしまうことを抑制することができ、確実なろう付けを実施することができる。
1 配管、1A 配管、1a 外側、1b 内側、2 バレル、3 回転装置、4 銅めっき液、5 めっき槽、6 バフツール、7 メディア、10 マフラー配管、11 本体接続配管、12 マフラー、21 シリンダー、30 銅めっき部分、30A 銅めっき部分、31 銅めっき剥離部分、31A 銅めっき剥離部分、32 変色部分、32A 変色部分、34 変色部分、50 バレルめっき装置、60 圧縮機、80 境界部。

Claims (6)

  1. 内部が中空の機械要素部品の全体に施された銅めっきの一部を剥離する部分めっき工法であって、
    前記機械要素部品の全体に銅めっきを施し、
    前記機械要素部品の内側であって、銅めっきを剥離する部分と銅めっきを剥離しない部分との境界部におけるめっき層の表面の少なくとも一部を平滑化した後に、
    前記機械要素部品の銅めっきを剥離する部分を、シアン化合物の水溶液に浸漬させて、当該剥離する部分に施された銅めっきを剥離する
    ことを特徴とする部分めっき工法。
  2. 前記平滑化により、
    前記機械要素部品の内側の前記境界部の銅めっき層の表面面粗度をRz=6μm以下としている
    ことを特徴とする請求項1に記載の部分めっき工法。
  3. 前記機械要素部品の内側の前記境界部の近傍をバフにより研磨して前記平滑化する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の部分めっき工法。
  4. 前記銅めっきされた前記機械要素部品の内側の前記境界部に加えて、当該境界部に対応する外側の境界部をバフにより研磨して前記平滑化した後に、
    前記機械要素部品の銅めっきを剥離する部分を、シアン化合物の水溶液に浸漬させて前記銅めっきを剥離する
    ことを特徴とする請求項3に記載の部分めっき工法。
  5. 銅めっき液が貯留されるめっき槽と、
    複数の貫通穴が形成され、前記めっき槽に浸漬させるバレルと、
    前記めっき槽の中で前記バレルを回転させる回転装置と、
    を有するバレルめっき装置によって、前記機械要素部品に前記銅めっきを施す
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の部分めっき工法。
  6. 前記機械要素部品の前記中空部より小径であって、前記バレルの前記貫通穴より大径の複数のメディアを前記バレルに収容して、前記バレルめっき装置で前記銅めっきを施し、
    前記銅めっき中に、前記機械要素部品の表面を平滑化する
    ことを特徴とする請求項5に記載の部分めっき工法。
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