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JP2013116051A - 腫瘍細胞のダサチニブへの感受性の判定方法およびその利用 - Google Patents

腫瘍細胞のダサチニブへの感受性の判定方法およびその利用 Download PDF

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JP2013116051A JP2011263884A JP2011263884A JP2013116051A JP 2013116051 A JP2013116051 A JP 2013116051A JP 2011263884 A JP2011263884 A JP 2011263884A JP 2011263884 A JP2011263884 A JP 2011263884A JP 2013116051 A JP2013116051 A JP 2013116051A
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圭吾 合田
Hidemiki Ishihara
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Abstract

【課題】操作が簡便で、短時間かつ低コストで実施できる、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】腫瘍細胞を含む生体試料から調製した測定用試料における所定のチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価することにより、該腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する方法およびコンピュータプログラムにより、上記の課題を解決する。
【選択図】図3

Description

本発明は、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する方法に関する。より詳細には、本発明は、腫瘍細胞を含む生体試料から調製した測定用試料における、所定のチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価することにより、該腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する方法に関する。また、本発明は、その方法をコンピュータに実現させることが可能なコンピュータプログラムに関する。
チロシンキナーゼは、細胞の分化や増殖などを調節するシグナル伝達に関与する分子である。このチロシンキナーゼの異常は、癌などの疾患を引き起こす原因であることが知られている。特に乳癌、大腸癌、白血病などの種々の癌の腫瘍細胞においては、チロシンキナーゼの発現量やその活性が過剰に亢進しており、これにより腫瘍細胞の増殖能などが活性化していることが知られている。そのため、チロシンキナーゼを標的として、その活性を阻害するための分子標的薬剤の研究および開発が進められてきた。
そのような分子標的薬剤の一つとして、ダサチニブが挙げられる。ダサチニブは、BCR-ABL、Src、c-KIT、PDGF受容体など種々のチロシンキナーゼの活性を阻害する抗癌剤である。ダサチニブは、慢性骨髄性白血病(CML)の有効な治療薬であるイマチニブに対して抵抗性のCML、再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の治療薬として用いられているが、乳癌の治療への臨床応用も期待されている。
しかしながら、ダサチニブは全ての患者に対して効果を示すとは限らない。このことは、Huang F.らの文献(非特許文献1)に示されるように、種々の乳癌由来細胞株においてダサチニブに感受性の細胞株もあれば、抵抗性の細胞株もあることからも示唆される。したがって、ダサチニブによる治療が検討されている患者について、検査によりダサチニブへの感受性を予測することは、不必要な治療を避けることができるので大変意義がある。また、そのような感受性の予測は、医療経済の観点からも有用である。
現在、ダサチニブへの感受性を判定する方法としては、非特許文献1に示されるような、乳癌細胞をダサチニブの存在下に培養し、該細胞に対する増殖阻害効果を検討することによりダサチニブの有効性を評価する方法が挙げられる。しかしながら、この方法では細胞を培養する工程を伴うので、結果を得るまでに時間がかかる。また、患者から得た組織などの生体試料から腫瘍細胞を取り出して均等に培養するためには熟練した技術が必要であり、さらに、測定環境などによって結果にばらつきが生じ易いので、正確な検査を行うことは困難である。
ダサチニブの感受性を判定する別の方法としては、Moulder S.らによる文献(非特許文献2)に記載の方法がある。この方法では、ダサチニブと高い親和性で結合する19種のキナーゼ群について遺伝子発現量をマイクロアレイにより測定し、平均発現量に基づいてダサチニブの感受性を予測している。しかしながら、マイクロアレイは高価であり、測定に時間がかかるという問題があるので、この方法を検査として普及させることは難しい。
Huang F.ら、Cancer Res. 2007; 67 (5): 2226-2238 Moulder S.ら、Mol Cancer Ther. 2010; 9 (5): 1120-1127
本発明は、上記のような事情に鑑みて、操作が簡便で、短時間かつ低コストで実施できる、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、驚くべきことに、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性と、該腫瘍細胞から調製した測定用試料における所定のチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能との間に相関があることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、
腫瘍細胞を含む生体試料から測定用試料を調製する工程と、
前記測定用試料における、4-(4'-フェノキシアニリノ)-6,7-ジメトキシキナゾリンおよび1-(1,1-ジメチルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4-アミンから選択される少なくとも一つのチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価する工程と、
前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能の評価結果に基づいて、前記腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する工程と
を含む、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する方法が提供される。
また、本発明によれば、
4-(4'-フェノキシアニリノ)-6,7-ジメトキシキナゾリンおよび1-(1,1-ジメチルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4-アミンから選択される少なくとも一つのチロシンキナーゼ阻害剤の存在下における、腫瘍細胞を含む生体試料から調製した測定用試料中のチロシンキナーゼの活性値を取得するステップと、
取得した活性値に基づいて、前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価するステップと、
評価結果に基づいて、前記腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定するステップと、
判定結果を出力するステップと
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが提供される。
上記の判定方法にしたがって、腫瘍細胞を含む生体試料から得た測定用試料についてチロシンキナーゼ活性を測定し、該試料における所定のチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能の高低を評価することにより、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を高精度かつ簡便に判定できる。
また、上記のコンピュータプログラムによれば、上記の判定方法をコンピュータにより実行させることができる。
上記の判定方法で得られた判定結果に基づいて、臨床現場の医師などは、生体試料を採取した癌患者にダサチニブを投与するか否かを決定する指標をより的確に得ることができる。
ダサチニブ感受性の判定システムのハードウエア構成を示すブロック図である。 CPU110aによる、腫瘍細胞のダサチニブ感受性を判定する処理を示すフローチャートである。 ダサチニブ感受性細胞株のグループおよび非感受性細胞株のグループにおける種々のチロシンキナーゼ阻害剤についての相対活性値の分布を示すグラフである。 ダサチニブ感受性細胞株のグループおよび非感受性細胞株のグループにおけるDasatinib Target indexの分布を示すグラフである。
ダサチニブ(CAS番号:302962-49-8)とは、上記のとおり、種々のチロシンキナーゼの活性を阻害することが当該技術において知られ、抗癌剤として臨床利用されている化合物である。
本明細書において、「腫瘍細胞のダサチニブへの感受性」とは、ダサチニブの作用によって腫瘍細胞の生存および/または増殖が抑制または阻害される、腫瘍細胞が示す性質を意味する。すなわち、ダサチニブへの感受性がある腫瘍細胞は、ダサチニブにより生存および/または増殖が実質的に抑制または阻害される。反対に、そのような感受性がない腫瘍細胞は、ダサチニブによっても生存および/または増殖が実質的に抑制または阻害されない。なお、ダサチニブの作用による腫瘍細胞の生存および/または増殖の抑制もしくは阻害には、アポトーシス、ネクローシスなどの細胞死が引き起こされることも含まれる。
本発明の腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する方法(以下、単に「判定方法」ともいう)では、まず、腫瘍細胞を含む生体試料から測定用試料を調製する。
腫瘍細胞を含む生体試料は、生体からの検体に由来する試料であってもよいし、株化された腫瘍細胞を培養して得られる培養物に由来する試料であってもよい。生体からの検体としては、生体、例えばダサチニブによる癌の治療が検討されている患者から採取された腫瘍組織、臓器組織、リンパ節組織、血液、体腔洗浄液などが挙げられる。
上記の腫瘍細胞は、乳癌、肺癌、胃癌、大腸癌、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、口腔癌、肝臓癌、皮膚癌、脳腫瘍、白血病など、チロシンキナーゼの異常が関与することが知られている癌の腫瘍細胞であれば特に限定されないが、好ましくは乳癌細胞である。
本発明の実施形態においては、腫瘍細胞を含む生体試料から、チロシンキナーゼを含む細胞画分を得ることにより測定用試料を調製する。好ましくは、膜結合型チロシンキナーゼを含む細胞画分を得る。ここで、膜結合型チロシンキナーゼは、細胞膜に結合して細胞内に存在していることが当該技術において知られているチロシンキナーゼであれば特に限定されないが、好ましくはSrcである。Srcとは、生体内に偏在する非受容体型チロシンキナーゼの一種であり、Srcは自身のアシル鎖を介して細胞膜と結合することにより細胞質内に存在している。
チロシンキナーゼを含む細胞画分は、上記の腫瘍細胞を含む生体試料から、当該技術においてそれ自体公知の方法によって調製できる。そのような方法は、細胞内のチロシンキナーゼがその酵素活性を損なわない状態で含まれる細胞画分を得る方法であれば特に限定されないが、好ましくは上記の腫瘍細胞を含む生体試料から細胞質を分離する方法、すなわちチロシンキナーゼが結合した細胞膜画分を細胞質から分離する方法である。より好ましくは、上記の腫瘍細胞を含む生体試料を適切な緩衝液(以下、「ホモジナイズ試薬」という)中で破砕し、得られた破砕液から不溶性画分を取得し、該不溶性画分と界面活性剤を含む可溶化液とを混合し、得られた混合液から可溶性画分を得ることを含む方法である。
上記のホモジナイズ試薬を用いる破砕により得られる破砕液は、例えば遠心分離などの適切な方法により、可溶性画分(例えば上清)と不溶性画分(例えば沈殿物)とに分けることができる。該可溶性画分には細胞質由来のタンパク質などが含まれ、該不溶性画分にはEGFR、HER2などの受容体型チロシンキナーゼおよびSrcなどの膜結合型チロシンキナーゼを含む種々のチロシンキナーゼを保持している細胞膜の断片が含まれている。
上記の混合液は、例えば遠心分離などの適切な方法により可溶性画分(例えば上清)と不溶性画分(例えば沈殿物)とに分けることができる。該可溶性画分には種々のチロシンキナーゼを保持する細胞膜が界面活性剤により可溶化(ミセル化)されて含まれており、該不溶性画分には不溶性タンパク質、DNAなどが含まれる。
上記の細胞の破砕は、細胞膜を断片化する方法により行うことができる。例えば、ピペットによる吸引排出、凍結融解による細胞破砕、ボルテックスミキサーによる撹拌、ブレンダーによる破砕、ペッスルによる加圧、超音波処理装置による破砕などの当該技術において公知の方法が挙げられる。
上記のホモジナイズ試薬は、細胞を破砕する際にチロシンキナーゼが変性するのを防ぐために用いることができる。ホモジナイズ試薬のpHは、チロシンキナーゼを変性および失活させることなく、安定した状態で回収できる範囲であれば特に限定されない。ホモジナイズ試薬のpHは、好ましくはpH 4.0〜9.0、より好ましくはpH 4.5〜8.5、さらに好ましくはpH 5.0〜8.0である。
ホモジナイズ試薬は緩衝剤を含むことが好ましい。緩衝剤としては、例えばリン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、MOPS(3-モルホリノプロパンスルホン酸)、HEPES(2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸)、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、トリシン(N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン)などが挙げられる。
上記の可溶化液に含まれる界面活性剤は、断片化した細胞膜をミセル化でき、細胞膜に含まれるチロシンキナーゼを分解および変性しない界面活性剤であれば特に限定されない。電荷を有する界面活性剤はチロシンキナーゼに結合してその立体構造を変化させる可能性があるので、チロシンキナーゼに実質的に結合しない非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。そのような非イオン性界面活性剤としては、例えばドデシルエーテル、セチルエーテル、ステアリルエーテル、p-t-オクチルフェニルエーテルなどを基本構造として有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、非イオン界面活性剤として、ノニデットP-40(NP-40:Shell International Petroleum Company Limitedの登録商標)、Triton-X(Union Carbide Chemicals and Plastics Inc.の登録商標)、Tween(ICI Americas Inc.の登録商標)、Brij(ICI Americas Inc.の登録商標)、Emulgen(株式会社花王の登録商標)などが挙げられる。可溶化液中の界面活性剤の濃度は、通常0.05〜5%、好ましくは0.1〜3%、より好ましくは0.1〜1%である。
上記の可溶化液は、ホモジナイズ試薬に用いられる緩衝剤と同様の緩衝剤を含むことが好ましい。また、該可溶化液は、ホモジナイズ試薬と同程度のpHを有することが好ましい。
なお、上記のホモジナイズ試薬および可溶化液は、プロテアーゼ阻害剤、脱リン酸化酵素阻害剤、メルカプト基(SH基)の酸化を防ぐための試薬(以下、「SH基安定剤」という)などを含有してもよい。
プロテアーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼが細胞中のプロテアーゼによって分解されることを防ぐために用いることができる。プロテアーゼ阻害剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)などのメタロプロテアーゼ阻害剤、フッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)、トリプシン阻害剤、キモトリプシンなどのセリンプロテアーゼ阻害剤、ヨードアセトアミド、E-64などのシステインプロテアーゼ阻害剤などが挙げられる。これらのプロテアーゼ阻害剤は単独で用いてもよいし、複数の阻害剤を混合して用いてもよい。
また、プロテアーゼ阻害剤カクテル(シグマ社)のような、あらかじめ複数のプロテアーゼ阻害剤が混合された市販品を用いることもできる。
脱リン酸化酵素阻害剤は、チロシンキナーゼ活性が細胞の脱リン酸化酵素によって低下することを防ぐために用いることができる。脱リン酸化酵素阻害剤としては、例えばオルトバナジン酸ナトリウム(Na3VO4)、フッ化ナトリウム(NaF)、オカダ酸などが挙げられる。脱リン酸化阻害剤は単独で用いてもよいし、複数の阻害剤を混合して用いてもよい。
SH基安定剤は、チロシンキナーゼの失活を防ぐために用いることができる。酵素が有するSH基は、酸化されてより安定なジスルフィドを形成しやすい。ジスルフィドの形成は、酵素の立体構造を変化させるので、酵素の失活の原因となることがある。このようなSH基の酸化を防ぐためのSH基安定化剤としては、SH基を含有する試薬が挙げられる。SH基安定化剤としては、例えばジチオスレイトール(DTT)、2-メルカプトエタノール、グルタチオン、システイン、ホモシステイン、補酵素A、ジヒドロリポ酸などが挙げられる。
上記のホモジナイズ試薬および/または可溶化液中のSH基安定化剤の濃度は、例えばDTTであれば、通常0.05〜2mM、好ましくは0.07〜1.7 mM、より好ましくは0.1〜1.5 mMである。また、例えば2-メルカプトエタノールであれば、通常0.1〜15 mM、好ましくは0.3〜13 mM、より好ましくは0.5〜12 mMである。
本発明の好ましい実施形態において、測定用試料として調製された、チロシンキナーゼを含む細胞画分は、キナーゼ活性を保持した受容体型チロシンキナーゼおよび膜結合型チロシンキナーゼを含む。例えば、チロシンキナーゼを含む細胞画分は、受容体型チロシンキナーゼがホモ2量体およびヘテロ2量体のような多量体を形成でき、且つSrcが該多量体と複合体を形成できる程度に立体構造を保った状態および/またはSrcが有する脂質化されるドメインに付加されたアシル鎖によりSrcが細胞膜にアンカーされた状態で細胞膜に保持されているチロシンキナーゼを含むことができる。
本発明の判定方法は、上記の測定用試料における、4-(4'-フェノキシアニリノ)-6,7-ジメトキシキナゾリン(以下、「SrcキナーゼインヒビターI」ともいう)および1-(1,1-ジメチルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4-アミン(以下、「PP1」ともいう)から選択される少なくとも一つのチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価する。なお、本明細書において、4-(4'-フェノキシアニリノ)-6,7-ジメトキシキナゾリンおよび1-(1,1-ジメチルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4-アミンには、それらの塩およびそれらの溶媒和物が含まれる。
本明細書において、「チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能」とは、測定用試料に含まれるチロシンキナーゼの酵素活性が、上記のチロシンキナーゼ阻害剤によって阻害される度合いを意味する。なお、SrcキナーゼインヒビターI およびPP1はいずれもSrcに対するATP拮抗阻害剤として公知であり、SrcのATP結合部位に結合することによりSrcの酵素活性を阻害する。これらのチロシンキナーゼ阻害剤はいずれも市販されており、一般に入手可能である。各チロシンキナーゼ阻害剤の製造業者およびCAS番号を、表1に示す。
本発明の実施形態においては、SrcキナーゼインヒビターI およびPP1はそれぞれ単独で用いてもよいし、混合して用いてもよいが、単独で用いることが好ましい。
測定用試料におけるチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能は、具体的には、該チロシンキナーゼ阻害剤の存在下において測定用試料中のチロシンキナーゼの活性値を測定し、測定された活性値に基づいて評価される。好ましくは、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能は、該阻害剤の非存在下における測定用試料中のチロシンキナーゼの活性値もさらに測定し、該阻害剤の存在下および非存在下でそれぞれ測定された活性値に基づいて評価される。この場合、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能は、測定用試料における、チロシンキナーゼ阻害剤の存在下で測定されたチロシンキナーゼ活性値(以下、「第1活性値」ともいう)と、該チロシンキナーゼ阻害剤の非存在下で測定されたチロシンキナーゼ活性値(以下、「第2活性値」ともいう)との差または比の値に基づいて評価されることが好ましい。
第1活性値と第2活性値との差の値としては、例えば「(第1活性値)−(第2活性値)」および「(第2活性値)−(第1活性値)」の値が挙げられる。
第1活性値と第2活性値との比の値としては、例えば「(第1活性値)/(第2活性値)」および「(第2活性値)/(第1活性値)」の値が挙げられる。なお、「(第1活性値)/(第2活性値)」の値は、相対活性値とも呼ばれる。
また、第1活性値と第2活性値との比の値は、相対活性値を用いて算出される阻害率、すなわち「100−{(第1活性値)/(第2活性値)}×100」の値(%)であってもよい。
なお、チロシンキナーゼの活性値の測定方法は、公知の方法であれば特に制限されない。チロシンキナーゼの活性値の測定方法としては、例えば、チロシンキナーゼの自己リン酸化を検出する方法が挙げられる。具体的には、細胞をインキュベートした後に、この培養細胞の細胞膜からチロシンキナーゼを回収し、放射性物質で標識したリン酸化チロシン認識抗体を用いて自己リン酸化を検出する。あるいは、上記の方法を実施するための市販のキットを用いることにより、チロシンキナーゼの活性値を測定してもよい。
上記の第1活性値は、例えば、次のようにして測定される。まず、上記のように調製して得られた測定用試料とチロシンキナーゼ阻害剤とを接触させる。この接触は通常、測定用試料の溶液中で行われる。そして、該阻害剤と接触させた測定用試料とチロシンキナーゼの基質とを接触させ、リン酸化された基質を検出することにより第1活性値を測定する。
なお、測定用試料との接触時のチロシンキナーゼ阻害剤の終濃度は、該阻害剤の種類、チロシンキナーゼの基質の濃度、後述するリン酸基供与体(例えばATP)の濃度などにより適宜設定できるが、例えばリン酸基供与体としてのATPの終濃度に対して0.1〜10倍程度に設定できる。
上記の第2活性値は、測定用試料と上記のチロシンキナーゼ阻害剤とを接触させないことを除いて、第1活性値と同様にして測定できる。
第1活性値および第2活性値の測定は、測定用試料、上記の基質およびリン酸基供与体を混合し、チロシンキナーゼの活性によりリン酸化された基質を検出することにより行われることが好ましい。このチロシンキナーゼが介する反応によってリン酸基供与体のリン酸基が基質に取り込まれるので、リン酸化された基質を検出することによりチロシンキナーゼの活性を測定できる。
チロシンキナーゼの基質としては、チロシンキナーゼの種類に対して特異性の低い基質(以下、「ユニバーサル基質」という)および特異性の高い基質が挙げられる。
特定のチロシンキナーゼに対して特異性の高い基質は、例えばEGFRに対して特異性の高い基質としてGrb2、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、ヒストンH2B(HH2B)、ホスホリパーゼCガンマなどが挙げられる。また、GST-EGFR substrate(ストラタジーン社)のような市販の基質をEGFRに対して特異性の高い基質として用いることもできる。このGST-EGFR substrateは、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)と、EGFRの酵素活性によってリン酸化されるように合成された基質との融合タンパク質である。
また、Srcに対して特異性の高い基質として、例えば、CDCP1、p130Cas、パキシリン、コルタクチンなどが挙げられる。また、ProFluor(商標)Src-Family Kinase Assay(Promega社)のような市販のキットに添付されている基質を、Srcに対して特異性の高い基質として用いることもできる。
上記のユニバーサル基質はチロシンキナーゼの種類に対する特異性が低いので、多種類のチロシンキナーゼに対する基質として使用可能である。したがって、ユニバーサル基質としては、チロシンキナーゼの種類に対する特異性が低くなるように合成された公知の合成ペプチドが好ましい。そのような合成ペプチドは、具体的には、グルタミン酸残基およびチロシン残基を含むアミノ酸配列からなるペプチドが好ましい。該合成ペプチドとしては、例えばPoly-Glu4-Tyrビオチンコンジュゲート(Upstate社)のような市販されている合成ペプチドが挙げられる。また、合成ペプチドとしては、例えばNorio Sasakiら, The Journal of Biological Chemistry, vol.260, p.9793〜9804 (1985)、Sergei Braunら, The Journal of Biological Chemistry, vol.259, p.2051〜2054 (1984)およびM. Abdel-Ghanyら, Proceeding of The National Academy of Science, vol.87, p.7061〜7065 (1990)などの文献において、チロシンキナーゼの基質として記載される合成ペプチドが挙げられる。これら文献に記載される合成ペプチドは、グルタミン酸残基(Glu)およびチロシン残基(Tyr)を含むアミノ酸配列からなり、Tyrが2種類以上のチロシンキナーゼによってリン酸化されるように設計されている。
上記の合成ペプチドのアミノ酸配列は、具体的には以下の配列が例示できる;
・4つのGluと1つのTyrからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列(以下、「アミノ酸配列A」という)、
・1つのGluと1つのTyrからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列(以下、「アミノ酸配列B」という)、
・6つのGluと1つのTyrと3つのアラニン残基(Ala)からなる配列が2回以上繰り返さ
れたアミノ酸配列(以下、「アミノ酸配列C」という)、
・1つのGluと1つのTyrと1つのAlaからなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列
(以下、「アミノ酸配列D」という)、および
・2つのGluと1つのTyrと6つのAlaと5つのリジン残基(Lys)からなる配列が2回以上繰り返されたアミノ酸配列(以下、「アミノ酸配列E」という)。
なお、Tony Hunter, The Journal of Biological Chemistry, vol.257, p.4843〜4848 (1982)の文献において、チロシンキナーゼによるTyrのリン酸化には酸性アミノ酸残基が重要であるという報告がある。それゆえ、上記の基質としては、酸性アミノ酸残基のGluを多く含有するアミノ酸配列Aやアミノ酸配列Cが特に好ましい。
上記のリン酸基供与体としては、例えばアデノシン三リン酸(ATP)、アデノシン5'-O-(3-チオトリホスフェート)(ATP-γS)、32P標識したアデノシン5'-O-(3-トリホスフェート)(γ-〔32P〕-ATP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン一リン酸(AMP)などが挙げられる。
上記のリン酸化された基質の検出は、リン酸化された基質を他のタンパク質から分離し、該基質を検出することにより行われることが好ましい。
リン酸化された基質を他のタンパク質から分離するために、チロシンキナーゼの基質はアフィニティータグを有することができる。アフィニティータグを有する基質と該アフィニティータグと結合可能な物質(以下、「結合物質」という)を有する固相とを用いることにより、リン酸化された基質を他のタンパク質から分離して回収することが容易になる。具体的には、リン酸化された基質と上記固相との複合体を回収し、該複合体におけるアフィニティータグと固相が有する結合物質との結合を解離させることにより、リン酸化された基質を回収できる。
上記のアフィニティータグは、対応する結合物質が存在し、かつ基質とチロシンキナーゼとの結合および基質のリン酸化を妨げない物質であれば特に限定されない。アフィニティータグとしては、例えばポリペプチド、ハプテンなどを用いることができる。具体的には、GST、ヒスチジン、マルトース結合タンパク質、FLAGペプチド(シグマ社)、Mycタグ、ヘマグルチニン(HA)タグ、Strepタグ(IBA GmbH社)、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンなどを用いることができる。
上記のアフィニティータグを有する基質は、上記のアフィニティータグと上記の基質とを化学的に結合させることにより得られるものであってよい。あるいは、アフィニティータグがポリペプチドである場合は、アフィニティータグと基質との融合タンパク質をコードする組み換え遺伝子を含むベクターを宿主に導入し、宿主が産生した融合タンパク質を回収することにより得られるものを用いることもできる。
上記のアフィニティータグに対応する結合物質は、アフィニティータグと可逆的に結合できる物質であれば、特に限定されない。結合物質としては、例えば、グルタチオン、ニッケル、アミロース、抗FLAG抗体(シグマ社)、抗Myc抗体、抗HA抗体、Strep-Tactin(IBA GmbH社)などが挙げられる。
上記の固相は、上記の結合物質と結合できる担体であれば特に限定されない。固相の材質としては、例えば、多糖類、プラスチック、ガラスなどが挙げられる。固相の形状としては、例えば、ビーズ、ゲルなどが挙げられる。固相の具体例としては、セファロースビーズ、アガロースビーズ、磁性ビーズ、ガラスビーズ、シリコーンゲルなどが挙げられる。これらの固相は、カラムに充填して用いることもできる。
アフィニティータグと結合物質を有する固相との組み合わせとしては、以下のような例が挙げられる。
アフィニティータグとしてGSTを選択した場合、固相として、例えばグルタチオンセファロースビーズ(以下、「グルタチオンビーズ」という)を用いることができる。この組み合わせの場合における、具体的なチロシンキナーゼ活性の測定は、例えば次のようにして行うことができる。チロシンキナーゼ阻害剤と接触させた細胞膜画分を、GSTが結合した基質と接触させ、ここにグルタチオンビーズを加えることにより、リン酸化された基質が結合したグルタチオンビーズを得る。そして、このグルタチオンビーズを回収した後、還元型グルタチオンを添加して、GSTとグルタチオンビーズとの結合を解離させ、基質を回収する。
あるいは、GSTが結合した基質をまずグルタチオンビーズと接触させて、該基質とグルタチオンビーズとの複合体を得る。次いで、チロシンキナーゼ阻害剤と接触させた細胞膜画分を該複合体に接触させ、これを回収する。これに還元型グルタチオンを添加し、GSTとグルタチオンビーズとの結合を解離させ、基質を回収することもできる。
アフィニティータグとしてヒスチジンを用いる場合、結合物質を有する固相として、例えばニッケルアガロースビーズを用いることができる。ヒスチジンとニッケルとの結合は、例えばグリシン-HClなどの酸またはイミダゾールを用いて解離させることができる。
アフィニティータグとしてマルトース結合タンパク質を用いる場合、結合物質を有する固相として、例えばアミロース磁性ビーズを用いることができる。マルトース結合タンパク質とアミロースとの結合は、例えば遊離アミロースを用いて解離させることができる。
アフィニティータグとしてFLAGペプチドを用いる場合、結合物質を有する固相として、例えばFLAGアフィニティーゲル(シグマ社)を用いることができる。FLAGペプチドとFLAGアフィニティーゲルとの結合は、例えばグリシン-HClなどの酸または3×FLAGペプチド(シグマ社)を用いて解離させることができる。
アフィニティータグとしてMycタグを用いる場合、結合物質を有する固相として、例えば抗Myc抗体を結合したアガロースビーズを用いることができる。
アフィニティータグとしてHAタグを用いる場合、結合物質を有する固相として、例えば抗HA抗体を結合したアガロースビーズを用いることができる。
Mycタグと抗Myc抗体との結合、HAタグと抗HA抗体との結合はどちらも、例えば酸またはアルカリを加えてタンパク質を変性させることにより解離させることができる。この場合、変性したタンパク質を元の状態に戻すことのできる酸またはアルカリを選択することが好ましい。具体的には、酸としては塩酸など、アルカリとしては水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
アフィニティータグとしてStrepタグを選択した場合、結合物質を有する固相として、例えばStrep-Tactin固相化ゲルカラム(IBA GmbH社)を用いることができる。StrepタグとStrep-Tactinとの結合は、例えばストレプトアビジンと可逆的に反応するデスチオビオチンを用いて解離させることができる。
チロシンキナーゼと上記の基質とを接触させた後であって、リン酸化された基質を回収する前に、加熱、冷却またはEDTAなどの酵素阻害剤の添加などの処理により酵素反応を停止させてもよい。このように酵素反応を停止すれば、基質を回収する間に酵素反応がさらに進むことによる、試料ごとの測定結果のばらつきの発生を回避できる。
上記のようにして固相から分離されたリン酸化された基質に標識物質を結合させ、該標識物質を検出することにより、リン酸化された基質を測定することが好ましい。標識物質としては、例えば蛍光物質、酵素、放射性同位元素などが挙げられるが、これらに限定されない。蛍光物質としては、例えばフルオレセイン、クマリン、エオシン、フェナントロリン、ピレン、ローダミン、Cy3、Cy5、FITC、Alexa Fluor(登録商標)などが挙げられる。酵素としては例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼなどが挙げられる。放射性同位元素としては例えば、32P、33P、131I、125I、3H、14C、35Sなどが挙げられる。
標識物質として酵素を用いる場合、上記検出は、これらの酵素に対する基質との反応に由来する発色を検出することにより行うことができる。酵素がアルカリホスファターゼである場合、基質としてはニトロテトラゾリウムブルークロライド(NBT)および5-ブロモ-4-クロロ-3-インドキシルホスフェイト(BCIP)の混合物が挙げられる。酵素がペルオキシダーゼである場合、基質としてはジアミノベンジジン(DAB)が挙げられる。
リン酸化された基質と標識物質との結合は、当該技術において公知の様式により行うことができる。例えば、標識物質を有する、リン酸化された基質に特異的に結合できる抗体(以下、「リン酸化基質認識抗体」という)を用いることにより、リン酸化された基質に標識物質を結合させることができる。
リン酸化された基質と標識物質との結合はまた、リン酸化基質認識抗体と、該リン酸化基質認識抗体に結合可能であり且つ標識物質を有する抗体(以下、「二次抗体」という)とを用いることにより行うこともできる。この場合、リン酸化基質認識抗体と二次抗体とを介して、標識物質をリン酸化された基質に実質的に結合させることができる。
リン酸化された基質と標識物質との結合はまた、リン酸化基質認識抗体と、ビオチンを有する二次抗体と、標識物質を有するアビジンとを用いることにより行うことができる。この場合、リン酸化基質認識抗体と二次抗体とビオチンとアビジンとを介して、標識物質をリン酸化された基質に実質的に結合させることができる。なお、二次抗体がアビジンを有し、ビオチンが標識物質を有していてもよい。
リン酸化された基質と標識物質との結合はまた、ビオチンを有するリン酸化基質認識抗体と、標識物質を有するアビジンとを用いるか、またはアビジンを有するリン酸化基質認識抗体と、標識物質を有するビオチンとを用いることにより行うこともできる。
このように標識物質を用いることにより、該標識物質が発生するシグナルを検出して、リン酸化された基質を検出でき、これによりチロシンキナーゼの活性を測定できる。
上記のリン酸化基質認識抗体および二次抗体は、従来公知の方法により得られる抗体であってよい。抗体を得る方法としては、抗原で免疫した動物の血液から得る方法、遺伝子組み換えにより得る方法などが挙げられる。該抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれであってもよく、抗体のフラグメントおよびその誘導体であってもよい。また、これらの抗体を2種類以上混合した混合物を用いることもできる。抗体のフラグメントおよびその誘導体としては、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、F(ab)2フラグメント、sFvフラグメントなど(Blazarら, Journal of Immunology, vol.159, p.5821〜5833 (1997)およびBirdら, Science, vol.242 p.423〜426 (1988))が挙げられる。抗体のクラスはIgG、IgMなどのいずれであってもよい。
リン酸化された基質を検出する方法は、標識物質の種類により適宜選択できる。例えば、標識物質が蛍光物質または酵素である場合、ウエスタンブロッティングによってリン酸化された基質を検出できる。SDS-PAGEなどの電気泳動により分離したリン酸化された基質をメンブレンにブロッティングし、リン酸化基質認識抗体を含む緩衝液中で該メンブレンをインキュベートして該抗体とリン酸化された基質とを結合させ、さらに標識物質を有する二次抗体をリン酸化基質認識抗体に結合させ、この標識物質を検出することによりリン酸化された基質を測定できる。リン酸化された基質が上記のアフィニティータグを有する場合は、該アフィニティータグを用いてリン酸化された基質を分離し、ウエスタンブロッティングの代わりにスロットブロットを行うことにより、ウエスタンブロッティングの場合と同様にしてリン酸化された基質を測定できる。
リン酸化された基質の検出は、標識物質が蛍光物質である場合、リン酸化された基質を含む溶液をチューブに収容し、ここに該蛍光物質を有するリン酸化基質認識抗体を加えてリン酸化された基質と結合させ、蛍光強度を測定することにより行うこともできる。
標識物質が酵素である場合、リン酸化された基質の検出は酵素結合免疫吸着法(ELISA法)により行うことができる。ELISA法には直接吸着法とサンドイッチ法とが含まれる。
直接吸着法は、固相にリン酸化された基質が直接吸着することを含む方法であり、例えば、リン酸化された基質を固相の表面に吸着させ、酵素を有するリン酸化基質認識抗体をリン酸化された基質と結合させ、リン酸化基質認識抗体が有する酵素を該酵素に対する基質を用いて発色させ、該発色を検出することを含む方法である。
サンドイッチ法は、リン酸化された基質の異なる部位を認識する2種類のリン酸化基質認識抗体を用いてリン酸化された基質を検出する方法である。この方法は、例えば、固相にリン酸化基質認識抗体を結合させ(以下、「固相抗体」という)、リン酸化された基質を固相抗体と結合させ、酵素を有するリン酸化基質認識抗体(以下、「標識抗体」という)を、該リン酸化された基質と結合させ、該標識抗体が有する酵素と該酵素に対する基質との反応に由来する発色を検出することにより行うことができる。
標識物質が放射性同位元素である場合、リン酸化された基質の検出は放射線免疫検定法(RIA)によって行うことができる。具体的には、放射性同位元素を有するリン酸化基質認識抗体をリン酸化された基質に結合させ、その放射線をシンチレーションカウンターなどにより測定する。
上記のとおり、第1活性値はチロシンキナーゼ阻害剤の存在下で測定されたキナーゼ活性値であり、第2活性値は該阻害剤の非存在下で測定されたキナーゼ活性値であるので、第1活性値は通常、第2活性値よりも小さいと予測されるが、第1活性値が第2活性値と同じ値であるか、または第2活性値よりも大きい場合もある。
したがって、上記のチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能の評価では、第1活性値と第2活性値との差の値として、例えば「(第2活性値)−(第1活性値)」の値を用いる場合、該差の値が小さい(0および負の値を含む)ときにチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能は低いと評価できる。反対に、「(第2活性値)−(第1活性値)」の値が大きいときに該阻害能は高いと評価できる。
また、第1活性値と第2活性値との比の値として、例えば「(第1活性値)/(第2活性値)」の値を用いてチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価する場合、該比の値が大きいときに該阻害能は低いと評価できる。反対に、「(第1活性値)/(第2活性値)」の値が小さいときに該阻害能は高いと評価できる。さらに、測定用試料におけるチロシンキナーゼ阻害剤の阻害率、すなわち「100−{(第1活性値)/(第2活性値)}×100」の値を用いて該阻害剤の阻害能を評価する場合、該値が小さい(0および負の値を含む)ときに該阻害能は低いと評価できる。反対に、阻害率が大きいときに該阻害能は高いと評価できる。
上記のチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能の評価は、ダサチニブに感受性および非感受性の腫瘍細胞についての第1活性値および第2活性値のデータの蓄積により経験的に行うことができるが、より高精度に評価する観点から、測定用試料におけるチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能は、第1活性値と第2活性値との差または比の値と後述する閾値とを比較し、比較結果に基づいて評価されることが好ましい。
すなわち、上記の評価では、第1活性値と第2活性値との差の値として、例えば「(第2活性値)−(第1活性値)」の値を用いる場合、該差の値と閾値とを比較し、該差の値が閾値より小さいときにチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能は低いと評価できる。反対に、「(第2活性値)−(第1活性値)」の値と閾値とを比較し、該差の値が閾値以上であるときに該阻害能は高いと評価できる。
また、第1活性値と第2活性値との比の値として、例えば「(第1活性値)/(第2活性値)」の値を用いてチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価する場合、該比の値と閾値とを比較し、該比の値が閾値より大きいときに該阻害能は低いと評価できる。反対に、「(第1活性値)/(第2活性値)」の値と閾値とを比較し、該比の値が閾値以下であるときに該阻害能は高いと評価できる。さらに、測定用試料におけるチロシンキナーゼ阻害剤の阻害率、すなわち「100−{(第1活性値)/(第2活性値)}×100」の値を用いて該阻害剤の阻害能を評価する場合、該阻害率と閾値とを比較し、該阻害率が閾値より小さいときに該阻害能は低いと評価できる。反対に、阻害率と閾値とを比較して、該阻害率が閾値以上であるときに該阻害能は高いと評価できる。
上記の閾値は、チロシンキナーゼ阻害剤の種類および腫瘍細胞の種類に応じて適宜設定できる値である。閾値は、例えばダサチニブへの感受性が既知の腫瘍細胞と、SrcキナーゼインヒビターIまたはPP1とを用いて、上述したチロシンキナーゼ活性の測定と同様にして第1活性値および第2活性値を取得し、これらに基づいて設定できる。閾値を、例えば阻害剤による阻害率として算出した場合、閾値は通常30〜80%、好ましくは35〜75%、より好ましくは40〜70%の範囲内で設定できる。
本発明の判定方法では、上記のチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能の評価結果に基づいて、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する。
本発明の好ましい実施形態においては、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能が高いと評価された場合に、腫瘍細胞はダサチニブへの感受性があると判定し、および/または該チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能が低いと評価された場合に、腫瘍細胞はダサチニブへの感受性がないと判定する。
あるいは、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能が高いと評価された場合に、腫瘍細胞はダサチニブへの感受性が高いと判定し、および/または該チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能が低いと評価された場合に、腫瘍細胞はダサチニブへの感受性が低いと判定してもよい。なお、本明細書において、上記の判定結果における、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性の高低は、ダサチニブへの感受性の有無と同じ意味であってもよい。
本発明のコンピュータプログラムについて、以下に説明する。
本実施形態のコンピュータプログラムは、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定するための判定方法をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムである。本実施形態のプログラムを実行する判定装置100と測定用試料のキナーゼ活性測定装置200とを含む、ダサチニブの感受性判定システムのハードウエア構成を示すブロック図を、図1に示す。
感受性判定システムは、判定装置100と、キナーゼ活性値の測定装置200とを有し、これらはケーブル300で接続されている。測定装置200で測定されたキナーゼ活性の測定値などのデータは、ケーブル300を介して判定装置100に送られる。判定装置100は、測定装置200から出力されたデータを解析して腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定し、判定結果を出力するための装置である。なお、判定装置100と測定装置200とは一体の装置として構成されてもよい。
判定装置100は本体110と、表示部120と、入力デバイス130とから主として構成される。本体110において、CPU(Central Processing Unit)110aと、ROM(Read Only Memory)110bと、RAM(Random Access Memory)110cと、ハードディスク110dと、読出装置110eと、入出力インターフェース110fと、画像出力インターフェース110gとは、バス110hによって互いにデータ通信可能に接続されている。
CPU110aは、ROM110bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM110cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。ROM110bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成され、CPU110aにより実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータが記録されている。
RAM110cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成される。RAM110cは、ROM110bおよびハードディスク110dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM110cは、CPU110aがこれらのコンピュータプログラムを実行するときの作業領域として利用される。
ハードディスク110dには、オペレーティングシステムおよびアプリケーションシステムプログラムなどの、CPU110aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。後述する本実施形態の判定方法を判定装置100に実現させるためのコンピュータプログラム140aおよびチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能の評価で用いられる閾値も、ハードディスク110dにインストールされている。
読出装置110eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されている。読出装置110eは、可搬型記憶媒体140に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記憶媒体140には、コンピュータがオペレーションを実行するためのアプリケーションプログラム140aが格納されている。CPU110aが可搬型記憶媒体140から当該アプリケーションプログラム140aを読み出し、アプリケーションプログラム140aをハードディスク110dにインストールすることも可能である。
ハードディスク110dには、例えば米国マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインターフェース環境を提供するオペレーションシステムがインストールされている。
以下の説明において、ダサチニブ感受性の判定に係るコンピュータプログラム140aは、該オペレーティングシステム上で動作するものとする。
入出力インターフェース110fは、例えばUSB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインターフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインターフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインターフェースなどから構成される。入出力インターフェース110fには、キーボードおよびマウスからなる入力デバイス130が接続されている。そのため、ユーザーが該入力デバイス130を使用することにより、コンピュータ本体110に測定用試料の測定により得られたチロシンキナーゼ活性値(第1活性値および第2活性値)のデータを入力できる。また、入出力インターフェース110fに、測定用試料におけるチロシンキナーゼ活性の測定が可能な測定装置200を接続することもできる。この場合、測定装置200からコンピュータ本体110に上記の第1活性値および第2活性値のデータを入力できる。
画像出力インターフェース110hは、LCDまたはCRTなどで構成される表示部120に接続されており、CPU110aから与えられる画像データに応じて映像信号を表示部120に出力する。表示部120は、入力された映像信号にしたがって、画像データを出力する。また、表示部120は、後述するCPU110aから与えられた判定結果を出力する。
図2は、CPU110aによる、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性判定の処理を示すフローチャートである。
腫瘍細胞を含む生体試料から調製した測定用試料と基質とを、SrcキナーゼインヒビターIおよびPP1から選択される少なくとも一つのチロシンキナーゼ阻害剤の存在下および非存在下に接触させ、該基質と接触させた測定用試料中のリン酸化された基質から発せられるシグナルを測定装置200によって検出して、第1活性値および第2活性値を測定する。
判定装置100のCPU110aは、第1活性値および第2活性値を測定装置200から入出力インターフェース110fを介して取得し(ステップS11)、取得した第1活性値および第2活性値をRAM110cに記憶させる。
CPU110aは、RAM110cに記憶させた第1活性値および第2活性値を読み出し、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値を算出し(ステップS12)、この値をRAM110cに記憶させる。
なお、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値は、測定用試料におけるSrcキナーゼインヒビターIまたはPP1の阻害能を評価できる値であれば、特に制限されない。例えば、上記の第1活性値と第2活性値との差の値、第1活性値と第2活性値との比の値およびチロシンキナーゼ阻害剤の阻害率などが挙げられる。第1活性値と第2活性値との差としては、例えば、「(第2活性値)−(第1活性値)」の値や、「(第1活性値)−(第2活性値)」の値などが挙げられる。第1活性値と第2活性値との比の値としては、「(第1活性値)/(第2活性値)」の値や、「(第2活性値)/(第1活性値)」の値などが挙げられる。チロシンキナーゼ阻害剤の阻害率としては、「100−{(第1活性値)/(第2活性値)}×100」の値(%)が挙げられる。
本実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値として、「100−{(第1活性値)/(第2活性値)}×100」の値(%)を算出した。
CPU110aは、ハードディスク110dに予め記憶させていた閾値を読み出して、該閾値とチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値とを比較する(ステップS13)。ここで、閾値は、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値に応じて、設定すればよく、特に制限されない。本実施形態では「100−{(第1活性値)/(第2活性値)}×100」の値(%)の閾値をSrcキナーゼインヒビターIに対して44.9%、PP1に対して68.7%に設定した。
なお、ここでは、閾値はハードディスク110dに予め記憶されていたが、これに限られない。例えば、CPU110aは、入力デバイスから入力された閾値のデータを、入出力インターフェース110fを介して受信することもできる。また、CPU110aは、外部記憶装置に記憶された閾値のデータを、インターネットに接続された入出力インターフェース110fを介して受信することもできる。さらに、CPU110aは、可搬型記憶媒体140に記録された閾値のデータを読出装置で読み出すことで、これらを受付けることもできる。
CPU110aは、算出されたチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値が閾値以上であれば、上記の腫瘍細胞がダサチニブへの感受性があると判定する(ステップS14)。また、CPU110aは、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値が閾値より小さければ、該腫瘍細胞がダサチニブへの感受性がないと判定する(ステップS15)。ここで、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値としては、「(第2活性値)−(第1活性値)」の値、「(第2活性値)/(第1活性値)」の値、または「100−{(第1活性値)/(第2活性値)}×100」の値(%)が挙げられる。
なお、ステップS14およびS15における判定は、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値に応じて適宜変更すればよく、上記の記載に限定されるものではない。例えば、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値が「(第1活性値)−(第2活性値)」の値、「(第1活性値)/(第2活性値)」の値、または「100−{(第2活性値)/(第1活性値)}×100」の値である場合、CPU110aは、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値が閾値より小さければ、上述の腫瘍細胞はダサチニブへの感受性があると判定することができる。また、CPU110aは、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値が閾値以上であれば、上記の腫瘍細胞はダサチニブへの感受性がないと判定することができる。
CPU110aは、上記の判定結果をハードディスク110dに記憶させるとともに、画像出力インターフェース110gを介して表示部120に出力する(ステップS16)。
なお、ここでは、CPU110aは判定結果のみを出力したが、腫瘍細胞を含む生体試料を採取した癌患者に対してダサチニブによる治療を行うか否かの指示をさらに出力してもよい。すなわち、CPU110aが、腫瘍細胞がダサチニブへの感受性がないと判定した場合には、判定結果と共にダサチニブによる治療を行わない指示を表示部120に出力する。反対に、CPU110aが、腫瘍細胞がダサチニブへの感受性があると判定した場合には、判定結果と共にダサチニブによる治療を行う指示を表示部120に出力してもよい。
以下に、実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例
(1)細胞培養
本実施例において用いた乳癌細胞株を、表2に示した。培養条件に示される全ての基本培地には、ペニシリン(100 units/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)、アムホテリシンB(0.25μg/ml)が含まれている。なお、これらの細胞株はいずれもAmerican Type Culture Collection(ATCC)から購入できる。また、各細胞株の培養に用いられる基本培地、ウシ胎仔血清(FBS)、ウシインスリンおよびグルタチオンは市販されており、一般に入手可能である。
各乳癌細胞株を、表2に示した培養条件下で150 mmディッシュに80%コンフルエント程度まで培養した後、PBSおよびスクレイパーを用いて回収し、遠心操作(900×g、5分間、4℃)により細胞ペレットを得た。細胞ペレットを液体窒素で凍結し、測定用試料を調製するまで−80℃で保存した。
なお、上記の細胞株については、それらのダサチニブへの感受性がHuang F.らにより検討されている(非特許文献1参照)。Huang F.らの文献の記載に従い、増殖アッセイにおけるIC50の値に基づいて、上記の細胞株をダサチニブ感受性株とダサチニブ非感受性株との2グループに分類した。以下の表3に、各グループに分類された細胞株を示す。
(2)測定用試料の調製
細胞ペレットに、500μlのNP40(-)可溶化バッファー(20 mM HEPES(pH 7.4)、10 (w/v)%グリセロール、0.2%プロテアーゼインヒビターカクテル(#P8340:Sigma-Aldrich社(製品組成:104 mM AEBSF、80μMアプロチニン、4mMベスタチン、1.4 mM E-64、2mMロイペプチン、1.5 mMペプスタチンA))、50 mM NaFおよび200μM Na3VO4)を加え、ボルテックスミキサーを用いて2秒間の撹拌を3回行った。10分間静置した後、遠心操作(20000×g、30分間、4℃)により可溶性画分を除去した。得られたペレットを500μlのNP40(-)可溶化バッファーに再懸濁した後、遠心操作(20000×g、20分間、4℃)により可溶性の画分を再び除去し、ペレットを洗浄した。該ペレットに500μlのNP40(+)可溶化バッファー(NP40(-)可溶化バッファーにNP-40を終濃度1%で添加したバッファー)を加えてピペッティング操作を50回行い、2秒間、3回のボルテックス操作により再懸濁した。10分間静置した後、遠心操作(20000×g、40分間、4℃)により膜タンパク質を含む細胞膜画分を得た。得られた細胞膜画分のタンパク質濃度をDC protein assay(#500-0116JA:Bio-Rad社)により測定した後、該細胞膜画分を測定用試料として以降の実験に用いた。測定用試料を液体窒素で凍結し、以下のキナーゼ活性の測定に用いるまで−80℃で保存した。
(3)測定用試料における、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能の評価
NeutrAvidin Coated Plates (HBC)(96ウェルの白色プレート;#15509:Pierce社)を300μlのTBS-T(20 mM Tris-HCl(pH 7.4)、150 mM NaCl、0.1% tween)で3回洗浄した後、TBS(20 mM Tris-HCl(pH 7.4)、150 mM NaCl)で1μg/mlに希釈したPoly-Glu4-Tyrビオチンコンジュゲート(#12440:Upstate社)を各ウェルに100μlずつ添加した。37℃、400 rpmで90分間振盪した後、各ウェルを300μlのTBS-Tで3回洗浄して、測定用プレートを得た。
上記の測定用試料を、キナーゼバッファー(20 mM HEPES(pH 7.4)、25 mM MgCl2、1.25 mM MnCl2、250μM Na3VO4、12.5 (w/v)%グリセロール)で希釈して、タンパク質濃度を6.25μg/mlに調整した。この希釈した測定用試料を96ウェルVボトムプレートの各ウェルに移した。チロシンキナーゼ阻害剤として、Srcの阻害剤として知られているSrcキナーゼインヒビターI(CAS No. 179248-59-0:Calbiochem社)、PP1(CAS No. 172889-26-8:Biomol社)および下記の構造式(I)で示されるSrcキナーゼインヒビターII(Calbiochem社)を用いた。これらの阻害剤をそれぞれ含むDMSO溶液(阻害剤濃度:5mM)を、希釈した測定用試料に対して1:160の割合で各ウェルに添加して混合した。また、コントロールとして、希釈した測定用試料にDMSOを阻害剤の溶液と同じ割合で添加した。
構造式(I)
各チロシンキナーゼ阻害剤の添加後、上記の測定用試料と該阻害剤との混合溶液を室温で10分間静置した。該混合溶液の40μlを上記の測定用プレートの各ウェルに移し、リン酸基供与体としてATP溶液(20 mM HEPES(pH 7.4)、125 mM ATP)を各ウェルに10μlずつ添加した。なお、ウェル中の溶液の組成は次のとおりである:タンパク質濃度5μg/ml、20 mM HEPES(pH 7.4)、20 mM MgCl2、1mM MnCl2、200μM Na3VO4、10 (w/v)%グリセロール、25μM ATP、25μM キナーゼ阻害剤。
測定用プレートを37℃、400 rpmで60分間振盪した後、測定用プレートから溶液を除き、300μlのTBS-Tで各ウェルを3回洗浄した。ブロッキング液としてStarting Block T20 (TBS)(#37543:Pierce社)を各ウェルに100μlずつ添加して37℃、400 rpmで10分間ブロッキングした。測定用プレートからブロッキング液を除き、Starting Block T20 (TBS)で1:1000の割合で希釈したHRP標識抗リン酸化チロシン抗体(#sc-508HRP:Santa Cruz社)の溶液を各ウェルに100μlずつ添加して37℃、400 rpmで90分間振盪した。そして、300μlのTBS-Tで各ウェルを5回洗浄した。基質としてSuperSignal ELISA Pico Chemiluminescent Substrate(#37070:Pierce社)を各ウェルに100μlずつ添加し、室温で1分間振盪を行なった後、各ウェルからの発光をGENiosマイクロプレートリーダ(Tecan社製)で測定した。各阻害剤の存在下でのチロシンキナーゼ活性の測定値と、コントロール(阻害剤の非存在下)での測定値との比の値を、相対活性値(以下、「RA」ともいう)として算出した。具体的には、RAは以下の式に基づいて算出した。なお、ダサチニブ感受性株およびダサチニブ非感受性株のRAを、それぞれ表4および5に示す。
(RA)=(阻害剤の存在下での活性測定値)/(阻害剤の非存在下での活性測定値)
上記の表4および5に示されるデータに基づいて、ダサチニブ感受性細胞株および非感受性細胞株のそれぞれのグループにおける各チロシンキナーゼ阻害剤の相対活性値の分布を示す箱ひげ図を作成した。作成した箱ひげ図を、図3に示す。なお、図3においてpは、Studentのt検定における有意確率を示す。
図3より、SrcキナーゼインヒビターIおよびPP1では、ダサチニブ感受性株における相対活性値が低く、非感受性株における相対活性値は高い傾向にあることが明らかになった。他方、SrcキナーゼインヒビターIIでは、ダサチニブ感受性株と非感受性株との間で相対活性値の分布に有意な差は認められなかった。
したがって、SrcキナーゼインヒビターIまたはPP1の阻害能を、上記の測定用試料におけるチロシンキナーゼの活性値に基づいて評価することにより、腫瘍細胞のダサチニブに対する感受性を予測することができることが示された。
(比較例)
本発明の判定方法と、非特許文献2(Moulder S.ら、Mol Cancer Ther. 2010; 9 (5): 1120-1127)に記載の方法とを比較して、それぞれの方法の判定精度を検討した。
非特許文献2に記載の方法では、ダサチニブに高い親和性で結合する19種のキナーゼについて、マイクロアレイで測定した遺伝子発現量に基づいて定義されるDasatinib Target index(T index)を感受性の判定指標としている。
非特許文献2の記載および公開された細胞株のマイクロアレイデータ(GSE6569)に基づいてT indexを再現し、ダサチニブ感受性細胞株および非感受性細胞株のそれぞれのグループにおけるT indexの分布を示す箱ひげ図を作成した。作成した箱ひげ図を、図4に示す。なお、図4においてpは、Studentのt検定における有意確率を示す。
図4より、ダサチニブ感受性株におけるT indexは高く、非感受性株におけるT indexは低い傾向にあることが確認された。
本発明の判定方法および非特許文献2に記載の方法の判定性能をROC解析により検討した。解析により得られたROC曲線の曲線下面積(AUC)を表6に示す。なお、AUCとは、その値が1に近いほど精度の高い判定ができることを示す指標である。それぞれの指標において、「感度+特異度−1」で定義されるYouden Indexが最大となる点に閾値を設定し、感度、特異度、陽性的中率(PPV)および陰性的中率(NPV)を評価した。これらの結果も表6に示す。
表6より、チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能に基づく本発明の判定方法は、キナーゼの遺伝子発現量から導かれた判定指標に基づく方法と同等程度のAUCを示した。すなわち、本発明の判定方法は、非特許文献2に記載の方法とほぼ同等の判定性能を有していることが示された。
100 判定装置
110 本体
110a CPU
110b ROM
110c RAM
110d ハードディスク
110e 読出装置
110f 入出力インターフェース
110g 画像出力インターフェース
110h バス
120 表示部
130 入力デバイス
140 可搬型記憶媒体
140a アプリケーションプログラム
200 測定装置
300 ケーブル

Claims (14)

  1. 腫瘍細胞を含む生体試料から測定用試料を調製する工程と、
    前記測定用試料における、4-(4'-フェノキシアニリノ)-6,7-ジメトキシキナゾリンおよび1-(1,1-ジメチルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4-アミンから選択される少なくとも一つのチロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価する工程と、
    前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能の評価結果に基づいて、前記腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する工程と
    を含む、腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定する方法。
  2. 腫瘍細胞が乳癌細胞である、請求項1に記載の判定方法。
  3. 調製工程が、腫瘍細胞を含む生体試料から膜結合型チロシンキナーゼを含む細胞画分を得ることにより測定用試料を調製する工程である、請求項1または2に記載の判定方法。
  4. 細胞画分が膜画分である、請求項3に記載の判定方法。
  5. 評価工程が、前記チロシンキナーゼ阻害剤の存在下における測定用試料中のチロシンキナーゼの活性値を測定し、得られた活性値に基づいて前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価する工程である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の判定方法。
  6. 評価工程が、前記チロシンキナーゼ阻害剤の非存在下における測定用試料中のチロシンキナーゼの活性値をさらに測定する工程である、請求項5に記載の判定方法。
  7. 評価工程が、前記チロシンキナーゼ阻害剤の存在下で測定された活性値と、前記チロシンキナーゼ阻害剤の非存在下で測定された活性値との差または比の値を取得し、取得した値に基づいて前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価する工程である、請求項6に記載の判定方法。
  8. 評価工程が、前記取得した値と閾値とを比較し、比較結果に基づいて前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価する工程である、請求項7に記載の判定方法。
  9. 判定工程が、前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能が高いと評価された場合に、前記腫瘍細胞はダサチニブへの感受性があると判定し、および/または前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能が低いと評価された場合に、前記腫瘍細胞はダサチニブへの感受性がないと判定する工程である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の判定方法。
  10. 4-(4'-フェノキシアニリノ)-6,7-ジメトキシキナゾリンおよび1-(1,1-ジメチルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[3, 4-d]ピリミジン-4-アミンから選択される少なくとも一つのチロシンキナーゼ阻害剤の存在下における、腫瘍細胞を含む生体試料から調製した測定用試料中のチロシンキナーゼの活性値を取得するステップと、
    取得した活性値に基づいて、前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価するステップと、
    評価結果に基づいて、前記腫瘍細胞のダサチニブへの感受性を判定するステップと、
    判定結果を出力するステップと
    をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
  11. 取得ステップが、前記チロシンキナーゼ阻害剤の非存在下における測定用試料中のチロシンキナーゼの活性値をさらに取得するステップである、請求項10に記載のコンピュータプログラム。
  12. 取得ステップにおいて取得した活性値に基づいて、前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値を算出するステップをさらに含み、
    評価ステップが、算出した阻害能を示す値に基づいて、前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を評価するステップである、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
  13. 算出ステップが、前記チロシンキナーゼ阻害剤の存在下における活性値と、前記チロシンキナーゼ阻害剤の非存在下における活性値との差または比の値を、前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能を示す値として算出するステップであり、
    評価ステップが、前記阻害能を示す値と閾値とを比較し、比較結果に基づいて該阻害能を評価するステップである、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
  14. 判定ステップが、前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能が高いと評価された場合に、前記腫瘍細胞はダサチニブへの感受性があると判定し、および/または前記チロシンキナーゼ阻害剤の阻害能が低いと評価された場合に、前記腫瘍細胞はダサチニブへの感受性がないと判定するステップである、請求項10〜13のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
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