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JP2013112905A - シート状物 - Google Patents

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JP2013112905A JP2011258764A JP2011258764A JP2013112905A JP 2013112905 A JP2013112905 A JP 2013112905A JP 2011258764 A JP2011258764 A JP 2011258764A JP 2011258764 A JP2011258764 A JP 2011258764A JP 2013112905 A JP2013112905 A JP 2013112905A
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Takahiro Tsucimoto
貴大 土本
Yukihiro Matsuzaki
行博 松崎
Gen Koide
現 小出
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】環境に配慮した製造工程により、シワ残留がなく、風合いが柔軟なシート状物を提供する。
【解決手段】平均単繊維直径が0.3〜7μmの極細繊維からなる不織布にポリウレタンを含有したシート状物であって、そのポリウレタンが、感熱凝固温度が40〜90℃であり、かつ乾式膜の100%モジュラスが0.1〜2MPaである水エマルジョン系ポリウレタン(PU1)と、感熱凝固温度が40〜90℃であり、かつ乾式膜の100%モジュラスが2.5〜5MPaである水エマルジョン系ポリウレタン(PU2)からなるシート状物。
【選択図】なし

Description

本発明は、製造工程に有機溶剤を使用しない環境に配慮したシート状物に関するものであり、特に、シワ残留がなく風合いが良好なシート状物に関するものである。
主として繊維質基材とポリウレタンからなるシート状物は、天然皮革にない優れた特徴を有しており、種々の用途に広く利用されている。とりわけ、ポリエステル系繊維質基材を用いたシート状物は、耐光性に優れているため、衣料や椅子張りおよび自動車内装材用途等にその使用が年々広がってきた。
かかるシート状物を製造するにあたっては、繊維質基材にポリウレタンの有機溶剤溶液を含浸せしめた後、得られた繊維質基材をポリウレタンの非溶媒である水または有機溶剤水溶液中に浸漬してポリウレタンを湿式凝固せしめる工程の組み合わせが、一般的に採用されている。かかるポリウレタンの溶媒である有機溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド等の水混和性有機溶剤が用いられる。しかしながら、一般的に有機溶剤は、人体や環境への有害性が高いことから、シート状物の製造に際しては有機溶剤を使用しない手法が強く求められている。
その具体的な解決手段として、例えば、従来の有機溶剤タイプのポリウレタンに代えて、水中にポリウレタンを分散させた水エマルジョン系ポリウレタンを用いる方法が検討されている。ここで、繊維質基材に水エマルジョン系ポリウレタンを含浸、付与したシート状物は、風合いが硬くなりやすいという課題がある。その主な理由は、マイグレーション現象の発生による繊維質基材中のポリウレタンの偏在によるものと、ポリウレタンが繊維質基材の繊維の交絡部分を強く把持することによるものの2点が挙げられ、それぞれについて解消検討がなされている。
前者の理由のマイグレーション抑制については、水分散型ポリウレタンに感熱凝固剤として無機塩を添加し、加熱によって水分散型ポリウレタンの流動性を消失させる手法が提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、この提案の場合には、後者の理由、すなわちポリウレタンが繊維質基材の繊維の交絡部分を強く把持することによる理由に対する検討については開示されていないため、シート状物の風合いはポリウレタン自体の柔軟性の影響を強く受けることとなる。このため、シート状物に柔軟な風合いを発現させるために、結晶性の低い柔軟なポリウレタンを適用することが考えられる。しかしながら、その場合はシワ回復性が低下するため、折り曲げるとシワが残り、シート状物として実使用に耐えないものとなる。
一方、後者の理由のポリウレタンの繊維交絡点の把持抑制については、水エマルジョン系ポリウレタンに会合型増粘剤を添加して繊維質基材内でのポリウレタンの構造を多孔質構造とすることが提案されている(特許文献2参照。)。この提案では、ポリウレタンを多孔質とすることにより繊維とポリウレタンとの接着面積が少なくなり、繊維の交絡点の把持力は弱まる。しかしながら、会合型増粘剤を水エマルジョン系ポリウレタンに添加すると、ポリウレタンを含浸、付与したシート状物は会合型増粘剤に起因するベトツキが発生するため、会合型増粘剤の洗浄工程が必要となり生産性は低いものとなる。
また別に、繊維交絡点の把持抑制として、海島型繊維質基材に柔軟な水エマルジョン系ポリウレタンを含浸し、海成分を除去した後、再度水エマルジョン系ポリウレタンを含浸するという方法が提案されている(特許文献3参照。)。この提案の場合には、最初に柔軟な水エマルジョン系ポリウレタンを付与することにより、繊維の交絡点を柔軟なポリウレタンで把持し、海成分除去後に付与する水エマルジョン系ポリウレタンによって製品の耐久性を発現させ、製品の柔軟性と耐久性を両立させるものであるが、2回の水エマルジョン系ポリウレタン含浸工程が必要であるため生産性は低いものとなる。
特許第3166054号公報 特開2000−297211号公報 特開2003−306878号公報
すなわち、上記のとおり、シート状物の製造に際して有機溶剤を使用しない工程での、シワ残留がなく風合いが良好なシート状物はこれまで得られていない。
そこで本発明の目的は、上記従来技術の背景に鑑み、環境に配慮した製造工程により、シワ残留がなく風合いが柔軟なシート状物を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであり、本発明のシート状物は、平均単繊維直径が0.3〜7μmの極細繊維からなる不織布にポリウレタンを含有したシート状物であって、該ポリウレタンが、感熱凝固温度が40〜90℃であり、かつ乾式膜の100%モジュラスが0.1〜2MPaである水エマルジョン系ポリウレタン(PU1)と、感熱凝固温度が40〜90℃であり、かつ乾式膜の100%モジュラスが2.5〜5MPaである水エマルジョン系ポリウレタン(PU2)からなることを特徴とするシート状物である。
本発明のシート状物の好ましい態様によれば、前記のポリウレタンのPU1とPU2の質量比率は、PU1:PU2=1:9〜5:5である。
本発明のシート状物の好ましい態様によれば、前記のシート状物のポリウレタン含有量は、前記の不織布の質量に対して1〜40質量%である。
本発明によれば、環境に配慮した製造工程によりスウェード調の立毛を有する優美な外観を有し、折り畳み後、拡げた際にシワにならない良好なシワ回復性を有し、かつ衣料としても実用に耐える柔軟な風合いを有するシート状物を得ることができる。また、良好なシワ回復性と柔軟な風合いを両立させるための、複数回の含浸工程を必要としないため、生産性も良好である。
本発明のシート状物は、平均単繊維直径が0.3〜7μmの極細繊維からなる不織布に特定のポリウレタンを含有したシート状物である。その特定のポリウレタンは、感熱凝固温度が40〜90℃であり、かつ乾式膜の100%モジュラスが0.1〜2MPaである水エマルジョン系ポリウレタン(PU1)と、感熱凝固温度が40〜90℃であり、かつ乾式膜の100%モジュラスが2.5〜5MPaである水エマルジョン系ポリウレタン(PU2)からなるものである。
本発明で用いられる不織布としては、短繊維不織布および長繊維不織布のいずれでもよいが、風合いや品位の点では短繊維不織布が好ましく用いられる。
繊維長を好ましくは25mm以上とすることにより、絡合により耐摩耗性に優れたシート状物が得られる。また、繊維長を好ましくは90mm以下とすることにより、より風合いや品位に優れたシート状物が得られる。また、短繊維不織布における短繊維の繊維長は、30〜70mmであることがより好ましい。
本発明において、不織布は、繊維の束(繊維束)が絡合してなる構造を有するものであることが好ましい態様である。繊維が束の状態で絡合していることによって、シート状物の強度が向上する。かかる態様の不織布は、極細繊維発現型繊維同士をあらかじめ絡合した後に極細繊維を発現させることによって得ることができる。
不織布において、繊維あるいは繊維束を絡合させる方法としては、ニードルパンチやウォータージェットパンチを採用することができる。
不織布は、その内部に強度を向上させるなどの目的で、織物や編物を挿入することができる。かかる織物や編物を構成する繊維の平均単繊維直径は、0.3〜10μm程度が好ましい。
不織布を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリ乳酸などのポリエステル、6−ナイロンや66−ナイロンなどのポリアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、および熱可塑性セルロースなどの溶融紡糸可能な熱可塑性樹脂からなる繊維を用いることができる。中でも、強度、寸法安定性および耐光性の観点から、ポリエステル繊維を用いることが好ましい。また、不織布は、異なる素材の繊維が混合して構成されていてもよい。
不織布を構成する繊維の横断面形状は、丸断面でよいが、楕円、扁平、三角などの多角形、扇形および十字型などの異形断面のものを採用してもよい。
不織布を構成する繊維の平均単繊維直径は、0.3〜7μmであることが重要である。繊維の平均繊維直径を7μm以下、好ましくは6μm以下、更に好ましくは5μm以下とすることにより、不織布の触感は柔軟となる。一方、繊維の平均単繊維直径を0.3μm以上、好ましくは0.7μm以上、更に好ましくは1μm以上とすることにより、染色後の発色性やサンドペーパーなどによる研削など立毛処理時の繊維の分散性、さばけ易さに優れる。
また、極細繊維発現型繊維を用いることも好ましい態様である。極細繊維発現型繊維を用いることにより、前述した繊維束が絡合した形態を安定して得ることができる。
極細繊維発現型繊維としては、溶剤溶解性の異なる2成分の熱可塑性樹脂を海成分・島成分とし、海成分を溶剤などを用いて溶解除去することによって島成分を極細繊維とする海島型繊維や、2成分の熱可塑性樹脂を繊維断面に放射状または多層状に交互に配置し、各成分を剥離分割することによって極細繊維に割繊する剥離型複合繊維などを採用することができる。なかでも、海島型繊維は、海成分を除去することによって島成分間、すなわち極細繊維間に適度な空隙を付与することができるので、シート状物の柔軟性や風合いの観点からも好ましく用いられる。
海島型繊維には、海島型複合用口金を用い、海成分と島成分の2成分を相互配列して紡糸する海島型複合繊維や、海成分と島成分の2成分を混合して紡糸する混合紡糸繊維などがあるが、均一な繊度の極細繊維が得られる点、また十分な長さの極細繊維が得られシート状物の強度にも資する点から、海島型複合繊維が好ましく用いられる。
海島型繊維の海成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナトリウムスルホイソフタル酸やポリエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリエステル、ポリ乳酸、およびポリビニルアルコールなどを用いることができる。なかでも、有機溶剤を使用せずに分解可能なアルカリ分解性のスルホイソフタル酸ナトリウムやポリエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリエステル、ポリ乳酸、および熱水で溶解除去可能なポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
海島型繊維の島成分から得られる繊維の平均単繊維直径は、0.3〜7μmとすることが重要である。平均単繊維直径を7μm以下、好ましくは6μm以下、更に好ましくは5μm以下とすることにより、優れた柔軟性や立毛品位のシート状物を得ることができる。一方、平均単繊維直径を0.3μm以上、好ましくは0.7μm以上、更に好ましくは1μm以上とすることにより、染色後の発色性やサンドペーパーなどによる研削など立毛処理時の束状繊維の分散性、さばけ易さに優れる。
海島型繊維を用いた場合の脱海処理は、不織布へのポリウレタンの付与前に行ってもよいし、付与後に行ってもよい。ポリウレタン付与前に脱海処理を行うと、極細繊維に直接ポリウレタンが密着する構造となって極細繊維を強く把持できることから、シート状物の耐摩耗性が良好となる。一方、ポリウレタン付与後に脱海処理を行うと、ポリウレタンと極細繊維間に、脱海された海成分に起因する空隙が生成することから、極細繊維を直接ポリウレタンが把持せずにシート状物の風合いが柔軟となる。
脱海処理は、溶剤中に海島型繊維を浸漬し、窄液することによって行うことができる。海成分を溶解する溶剤としては、海成分がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の場合にはトルエンやトリクロロエチレンなどのそれぞれの海成分ポリマーを溶解できる有機溶剤を用い、また、海成分が共重合ポリエステルやポリ乳酸等のアルカリ水溶液に溶解可能なポリマーの場合には水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液、海成分がポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーの場合には熱水を用いることができる。
本発明で用いられるポリウレタンとしては、ポリマージオールと有機ジイソシアネートと鎖伸長剤との反応により得られるポリウレタンが好ましく用いられる。
ポリマージオールとしては、例えば、ポリカーボネート系ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、シリコーン系ジオールおよびフッ素系ジオールを採用することができ、これらを組み合わせた共重合体を用いてもよい。中でも耐加水分解性の観点からは、ポリカーボネート系ジオールおよびポリエーテル系ジオールを用いることが好ましい。また、耐光性と耐熱性の観点からは、ポリカーボネート系ジオールおよびポリエステル系ジオールを用いることが好ましい。耐加水分解性と耐熱性と耐光性のすべてのバランスの観点からは、ポリカーボネート系ジオールとポリエステル系ジオールがより好ましく、特に好ましくはポリカーボネート系ジオールが好ましく用いられる。
ポリカーボネート系ジオールは、アルキレングリコールと炭酸エステルのエステル交換反応、あるいはホスゲンまたはクロル蟻酸エステルとアルキレングリコールとの反応などによって製造することができる。
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの直鎖アルキレングリコールや、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの分岐アルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂環族ジオール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールなどが挙げられる。それぞれ単独のアルキレングリコールから得られるポリカーボネート系ジオールでも、2種類以上のアルキレングリコールから得られる共重合ポリカーボネート系ジオールのいずれでも良い。
ポリエステル系ジオールとしては、各種低分子量ポリオールと多塩基酸とを縮合させて得られるポリエステルジオールを挙げることができる。
低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、およびシクロヘキサン−1,4−ジメタノールから選ばれる一種または二種以上を使用することができる。また、ビスフェノールAに各種アルキレンオキサイドを付加させた付加物も使用可能である。
また、多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびヘキサヒドロイソフタル酸から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。
ポリエーテル系ジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびそれらを組み合わせた共重合ジオールを挙げることができる。
ポリマージオールの数平均分子量は、500〜4000であることが好ましい。ポリマージオールの数平均分子量を好ましくは500以上、より好ましくは1500以上とすることにより、風合いが硬くなるのを防ぐことができる。また、数平均分子量を好ましくは4000以下、より好ましくは3000以下とすることにより、ポリウレタンとしての強度を維持することができる。
有機ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネートや、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネートが挙げられ、またこれらを組み合わせて用いてもよい。中でも、耐光性の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよびイソフォロンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネートが好ましく用いられる。
鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、メチレンビスアニリン等のアミン系の鎖伸長剤、およびエチレングリコール等のジオール系の鎖伸長剤を用いることができる。また、ポリイソシアネートと水を反応させて得られるポリアミンを鎖伸長剤として用いることもできる。
本発明で用いられるポリウレタンは、耐水性、耐摩耗性および耐加水分解性等を向上させる目的で、架橋剤を併用してもよい。架橋剤は、ポリウレタンに対し、第3成分として添加する外部架橋剤でもよく、またポリウレタン分子構造内に予め架橋構造となる反応点を導入する内部架橋剤でもよい。ポリウレタン分子構造内により均一に架橋点を形成することができ、柔軟性の減少を軽減できる点から、内部架橋剤を用いることが好ましい。
架橋剤としては、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、エポキシ基、メラミン樹脂、およびシラノール基などを有する化合物を用いることができる。ただし、架橋が過剰に進むとポリウレタンが硬化してシート状物の風合いも硬くなる傾向にあるため、反応性と柔軟性とのバランスの点ではオキサゾリン基、カルボジイミド基、シラノール基を有するものが好ましく用いられる。
また、ポリウレタンは、分子構造内に親水性基を有していることが好ましい。分子構造内に親水性基を有することにより、水分散型ポリウレタンとしての分散・安定性を向上させることができる。
親水性基としては、例えば、4級アミン塩等のカチオン系、スルホン酸塩やカルボン酸塩等のアニオン系、ポリエチレングリコール等のノニオン系、およびカチオン系とノニオン系の親水性基の組み合わせ、およびアニオン系とノニオン系の親水性基の組み合わせのいずれの親水性基も採用することができる。なかでも、光による黄変や中和剤による弊害の懸念のないノニオン系の親水性基が特に好ましい。
すなわち、アニオン系の親水性基の場合は中和剤が必要となるが、例えば、中和剤がアンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミンおよびジメチルエタノールアミン等の第3級アミンである場合は、製膜・乾燥時の熱によってアミンが発生・揮発し、系外へ放出される。そのため、大気放出や作業環境の悪化を抑制するために、揮発するアミンを回収する装置の導入が必須となる。
また、アミンは、加熱によって揮発せずに最終製品であるシート状物中に残留した場合、製品の焼却時等に環境へ排出されることも考えられる。これに対し、ノニオン系の親水性基の場合は、中和剤を使用しないためアミン回収装置を導入する必要はなく、アミンのシート状物中への残留の心配もない。また、中和剤が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の水酸化物等である場合、ポリウレタン部分が水に濡れるとアルカリ性を示すこととなるが、ノニオン系の親水性基の場合は中和剤を使用しないため、ポリウレタンの加水分解による劣化を心配する必要もない。
本発明のシート状物に含有されるポリウレタンは、乾式膜の100%モジュラスが0.1〜2MPaのポリウレタン(PU1)と、2.5〜5MPaのポリウレタン(PU2)からなることが重要である。また、シート状物に含有されるポリウレタンは、乾式膜の100%モジュラスが0.7〜1.5MPaのポリウレタン(PU1)と、3〜4.6MPaのポリウレタン(PU2)からなることがより好ましい態様である。乾式膜の100%モジュラスは、ポリウレタンの硬さを表す指標であり、100%モジュラスが前者の範囲(0.1〜2MPa)であるPU1のみを含有するシート状物では、風合いは柔軟となるが、シワが発生すると回復しにくいものとなる。また、100%モジュラスが後者の範囲(2.5〜5MPa)であるPU2のみを含有するシート状物では、PU2自体が硬いために、不織布を構成する繊維の拘束力が強く、シワになりにくいが、風合いは硬くなり、実用に耐えないものとなる。
乾式膜の100%モジュラスは、ポリウレタン分子構造内におけるイソシアネートや鎖伸長剤に起因するハードセグメント構造の割合や、ポリオール、イソシアネート等の種類により調整することができる。
本発明では、PU1、PU2をそれぞれ単独で用いる場合には柔軟な風合いと良好なシワ回復性の両立は得られないが、PU1とPU2を混合して用いることにより、柔軟な風合いと良好なシワ回復性を両立するものである。
本発明で用いられるポリウレタンは、PU1とPU2の混合物からなり、PU1とPU2のそれぞれの質量比率は、PU1:PU2=1:9〜5:5であることが好ましい。PU1の比率が低すぎると、シート状物の柔軟性は低下し、PU2の比率が低すぎるとシワ回復性が低下することから、上記の質量比率は、より好ましくはPU1:PU2=2:8〜4:6である。上記の100%モジュラスは、ポリウレタン分子構造内におけるイソシアネートや鎖伸長剤に起因するハードセグメント構造の割合や、ポリオール、イソシアネート等の種類により調整することができる。
本発明で用いられるPU1とPU2は、水中に分散・安定化された水エマルジョン系ポリウレタンである。水エマルジョン系ポリウレタンは、界面活性剤を用いて強制的に分散・安定化させる強制乳化型ポリウレタンと、ポリウレタン分子構造中に親水性構造を有し、界面活性剤が存在しなくても水中に分散・安定化する自己乳化型ポリウレタンに分類される。本発明ではいずれを用いてもよい。
水エマルジョン系ポリウレタンの濃度(水エマルジョン系ポリウレタン液に対するポリウレタンの含有量)は、水エマルジョン系ポリウレタン液の貯蔵安定性の観点から、5質量%〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは8質量%〜40質量%である。
本発明では、ポリウレタン液を繊維質基材である不織布に付与後、それを凝固させることにより不織布にポリウレタンを付与するが、不織布の厚み方向に均一にポリウレタンを付与することが好ましいことから、ポリウレタン液は感熱凝固性を示すことが好ましい。感熱凝固性を示さない場合、ポリウレタン液は乾式凝固の際に不織布の表層に集中するマイグレーション現象が発生し、ポリウレタン付きシート状物の風合いは硬化する傾向にある。感熱凝固性とは、ポリウレタン液を加熱した際に、ある温度(感熱凝固温度)に達するとポリウレタン液の流動性が減少し、凝固する性質のことを言う。
本発明において、ポリウレタンの感熱凝固温度は、PU1、PU2ともに40℃〜90℃であることが好ましい。感熱凝固温度を40℃以上とすることにより、ポリウレタン液の貯蔵時の安定性が良好となり、操業時のマシンへのポリウレタンの付着等を抑制することができる。また、感熱凝固温度を90℃以下とすることにより、不織布中でのポリウレタンのマイグレーション現象を抑制することができる。感熱凝固温度は、より好ましくは50℃〜80℃である。PU1またはPU2のどちらかが感熱凝固温度を有さない場合は、感熱凝固温度を有さないポリウレタンのみがマイグレーションすることから、本発明ではPU1、PU2ともに感熱凝固温度を有することが必要である。また、PU1とPU2の感熱凝固温度は5℃以上、より好ましくは10℃以上異なると、感熱凝固の際のPU1とPU2の相分離が明確に発生し、より柔軟性とシワ回復性を両立しやすい。
感熱凝固温度を前記のとおりの範囲(40℃〜90℃)とするために、適宜感熱凝固剤を添加することができる。感熱凝固剤としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムおよび塩化カルシウム等の無機塩や、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾビスイソブチロニトリル、および過酸化ベンゾイル等のラジカル反応開始剤が挙げられる。
本発明で用いられる水エマルジョン系ポリウレタン液は、各種の添加剤、例えば、カーボンブラックなどの顔料、リン系、ハロゲン系、シリコーン系および無機系などの難燃剤、フェノール系、イオウ系およびリン系などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系およびオキザリックアシッドアニリド系などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系やベンゾエート系などの光安定剤、ポリカルボジイミドなどの耐加水分解安定剤、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、柔軟剤、撥水剤、凝固調整剤、染料、防腐剤、抗菌剤、消臭剤、セルロース粒子等の充填剤、およびシリカや酸化チタン等の無機粒子などを含有していてもよい。
水エマルジョン系ポリウレタン液には、貯蔵安定性や製膜性向上のために、水溶性有機溶剤をポリウレタン液に対して40質量%以下含有していてもよいが、製膜環境の保全等の点から、有機溶剤の含有量は1質量%以下含有とすることが好ましい。
水エマルジョン系ポリウレタン液を、不織布に含浸、塗布等し、乾熱凝固、湿熱凝固、湿式凝固、あるいはこれらの組み合わせによりポリウレタンを凝固させることができる。
湿熱凝固の温度は、ポリウレタンの感熱凝固温度以上であればよく、例えば、40℃〜200℃であることが好ましい。湿熱凝固の温度を好ましくは40℃以上、より好ましくは80℃以上とすることにより、ポリウレタンの凝固までの時間を短くしてマイグレーション現象をより抑制することができる。一方、湿熱凝固の温度を好ましくは200℃以下、より好ましくは160℃以下とすることにより、ポリウレタンの熱劣化を防ぐことができる。
また、湿式凝固の温度は、ポリウレタンの感熱凝固温度以上であればよく、例えば、40℃〜100℃であることが好ましい。熱水中での湿式凝固の温度を好ましくは40℃以上、より好ましくは80℃以上とすることにより、ポリウレタンの凝固までの時間を短くしてマイグレーション現象をより抑制することができる。
乾式凝固温度および乾燥温度は、80℃〜160℃であることが好ましい。乾式凝固温度および乾燥温度を好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上とすることにより、生産性に優れる。一方、乾式凝固温度および乾燥温度を好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下とすることにより、ポリウレタンの熱劣化を防ぐことができる。
本発明により得られるシート状物に対するポリウレタンの含有量は、不織布質量に対して1〜40質量%であることが好ましい。ポリウレタンの含有量比率を好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上とすることにより、シート強度を得ると共に繊維の脱落を防ぐことができる。また、ポリウレタンの含有量比率を好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下とすることにより、風合いが硬くなるのを防ぎ、良好な立毛品位を得ることができる。
不織布にポリウレタンの付与後、ポリウレタン付与シート状物をシート厚み方向に半裁ないしは数枚に分割することは、生産効率に優れ好ましい態様である。
後述する起毛処理の前に、ポリウレタン付与シート状物にシリコーンエマルジョンなどの滑剤を付与することもできる。また、起毛処理の前に帯電防止剤を付与することは、研削によってシート状物から発生した研削粉がサンドペーパー上に堆積しにくくする上で好ましい態様である。
シート状物の表面に立毛を形成するために、起毛処理を行うこともできる。起毛処理は、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて研削する方法などにより施すことができる。
シート状物は、染色してもよい。染色方法としては、シート状物を染色すると同時に揉み効果を与えてシート状物を柔軟化することができることから、液流染色機を用いることが好ましい。染色温度は、高すぎるとポリウレタンが劣化する場合があり、逆に低すぎると繊維への染着が不十分となるため、繊維の種類により設定することが好ましい。染色温度は、一般に80℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは110℃〜130℃である。
染料は、不織布を構成する繊維の種類にあわせて、選択することができる。例えば、ポリエステル系繊維であれば分散染料を用い、ポリアミド系繊維であれば酸性染料や含金染料を用い、更にそれらの組み合わせを用いることができる。分散染料で染色した場合は、染色後に還元洗浄を行ってもよい。
また、染色時に染色助剤を使用することも好ましい態様である。染色助剤を用いることにより、染色の均一性や再現性を向上させることができる。また、染色と同浴または染色後に、シリコーン等の柔軟剤、帯電防止剤、撥水剤、難燃剤、耐光剤および抗菌剤等を用いた仕上げ剤処理を施すことができる。
本発明により得られるシート状物は、家具、椅子および壁材や、自動車、電車および航空機などの車輛室内における座席、天井および内装などの表皮材として非常に優美な外観を有する内装材、シャツ、ジャケット、カジュアルシューズ、スポーツシューズ、紳士靴および婦人靴等の靴のアッパー、トリム等、鞄、ベルト、財布等、およびそれらの一部に使用した衣料用資材、ワイピングクロス、研磨布およびCDカーテン等の工業用資材として好適に用いることができる。
以下、本発明のシート状物とその製造方法について、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例における評価方法は、次のとおりである。
[評価方法]
(1)平均単繊維直径
平均単繊維直径は、不織布またはシート状物表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率2000倍で撮影し、円形または円形に近い楕円形の繊維をランダムに100本選び、単繊維直径を測定して平均値を計算することで算出した。
不織布またはシート状物を構成する極細繊維が異形断面の場合は、異形断面の外周円直径を単繊維直径として算出する。また、円形断面と異形断面が混合している場合、繊維直径が大きく異なるものが混合している場合等は、それぞれが同数程度となるように100本を選び算出する。
(2)ポリウレタン乾式膜の100%モジュラス
20質量%水エマルジョン系ポリウレタン液を5cm×10cm×1cmのポリエチレン製トレーに入れ、8時間25℃で風乾後、120℃の温度の熱風乾燥機で2時間熱処理して、厚さ1mmのポリウレタン乾式膜を得た。このポリウレタン乾式膜について、引張試験機JIS−L1096−8.12.1(1999)記載のA法(ストリップ法)に従い、100%伸長時の引張強さを100%モジュラスとして測定した。
(3)水エマルジョン系ポリウレタン液の感熱凝固温度
ポリウレタンの固形分を10質量%に調製した水エマルジョン系ポリウレタン液20gを、内径12mmの試験管に添加して、温度計を差し込んだ後、試験管を封止し、95℃の温度の温水浴に浸漬し、温度を上げて調製液が流動性を失った温度を感熱凝固温度として測定した。
(4)風合い
JIS L1096−8.19.1(1999)記載のA法(45°カンチレバー法)に基づき、タテ方向とヨコ方向へそれぞれ2×15cmの試験片を5枚作成し、45℃の温度の斜面を有する水平台へ置き、試験片を滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したときのスケールを読み、5枚の平均値を求めた。
(5)シワ回復性
JIS L1059−1(1998)記載のモンサント法に基づき、10Nの荷重装置を用い、試験片5枚でのシワ回復角を測定して、8.3記載の防シワ率の式、
・防シワ率(%)=α×100÷180(α=シワ回復角(°))
によってシワ回復性を算出し、5枚の平均値を求めた。
(6)外観品位
シート状物の外観品位は、健康な成人男性と成人女性各10名ずつ、計20名を評価者として、目視と官能評価によって下記のように5段階評価し、最も多かった評価を外観品位とした。なお、外観品位は3級〜5級を良好とし、4級と5級が合格である。
5級:均一な繊維の立毛があり、繊維の分散状態は良好で、外観は良好で天然皮革のようである。
4級:5級と3級の間の評価である。
3級:繊維の分散状態はやや良くない部分があるが、繊維の立毛はあり、外観はまずまず良好で人工皮革の風貌である。
2級:3級と1級の間の評価である。
1級:繊維の立毛は少なく、また、全体的に繊維の分散状態は非常に悪く、外観は不良である。
実施例で用いられるポリウレタン液の調整は、次のとおりである。
[ポリウレタン液Aの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリオールにポリヘキサメチレンカーボネートと3−メチルペンタンカーボネートの共重合ポリカーボネートジオールを適用し、イソシアネートにイソフォロンジイソシアネートを適用した、カルボン酸トリエチルアミン塩含有ポリカーボネート系強制乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として硫酸ナトリウム15質量部を加え、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Aとした。
[ポリウレタン液Bの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリオールにポリヘキサメチレンカーボネートと3−メチルペンタンカーボネートの共重合ポリカーボネートジオールを適用し、イソシアネートにイソフォロンジイソシアネートを適用した、カルボン酸トリエチルアミン塩含有ポリカーボネート系強制乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として硫酸ナトリウム20質量部を加え、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Bとした。
[ポリウレタン液Cの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリオールにポリテトラメチレングリコールを適用し、イソシアネートにジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを適用した、カルボン酸トリエチルアミン塩含有ポリエーテル系強制乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として硫酸ナトリウム5質量部を加え、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Cとした。
[ポリウレタン液Dの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリウレタン液Aで用いたポリウレタン液に対し、感熱凝固剤を添加せずに、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Dとした。
[ポリウレタン液Eの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリオールにポリテトラメチレングリコールを適用し、イソシアネートにヘキサメチレンジイソシアネートを適用した、カルボン酸トリエチルアミン塩含有ポリエーテル系強制乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として硫酸ナトリウム5質量部を加え、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Eとした。
[ポリウレタン液Fの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリオールにポリヘキサメチレンカーボネートを適用し、イソシアネートにジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを適用した、ポリオキシエチレン鎖含有ポリカーボネート系自己乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として過硫酸アンモニウム2質量部を加え、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Fとした。
[ポリウレタン液Gの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリオールにポリヘキサメチレンカーボネートを適用し、イソシアネートにジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを適用した、ポリウレタン液Fで用いたポリウレタンよりもハードセグメント量を増加させた組成によるカルボン酸トリエチルアミン塩含有ポリカーボネート系強制乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として硫酸ナトリウム10質量部を加え、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Gとした。
[ポリウレタン液Hの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリオールにヘキサメチレンカーボネートを適用し、イソシアネートにジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを適用した、ポリウレタン液Gで用いたポリウレタンよりもハードセグメント量を増加させた組成によるカルボン酸トリエチルアミン塩含有ポリカーボネート系強制乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として硫酸ナトリウム18質量部を加え、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Hとした。
[ポリウレタン液Iの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリオールにヘキサメチレンカーボネートを適用し、イソシアネートにイソフォロンジイソシアネートを適用した、カルボン酸トリエチルアミン塩含有ポリカーボネート系強制乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として硫酸ナトリウム5質量部を加え、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Iとした。
[ポリウレタン液Jの調製]
水エマルジョン系ポリウレタン樹脂として、ポリオールにヘキサメチレンカーボネートを適用し、イソシアネートにジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを適用した、カルボン酸トリエチルアミン塩含有ポリエーテル系強制乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として硫酸ナトリウム5質量部を加え、水によって全体を固形分10質量%に調製し、これをポリウレタン液Jとした。
上記で調整したポリウレタン液A〜Jの組成と性状を、表1に示す。
Figure 2013112905
[実施例1]
海成分として、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島成分として、ポリエチレンテレフタレートを用い、海成分45質量%、島成分55質量%の複合比率で、島数36島/1フィラメント、平均単繊維直径17μmの海島型複合繊維を得た。得られた海島型複合繊維を、繊維長51mmにカットしてステープルとし、カードおよびクロスラッパーを通して繊維ウェブを形成し、ニードルパンチ処理により不織布とした。
この不織布を98℃の温度の湯中に2分間浸漬させて収縮させ、100℃の温度で5分間、乾燥させた。次いで、この不織布に、PU1として上記で調整したポリウレタン液Aと、PU2として上記で調整したポリウレタン液Fを、ポリウレタン(AとF)の質量比率がA:F=3:7となるように混合した水エマルジョン系ポリウレタン液を含浸し、100℃の温度の湿熱雰囲気下で5分間処理後、乾燥温度120℃の温度で5分間熱風乾燥させることにより、不織布の島成分質量に対するポリウレタン質量が30質量%となるように、ポリウレタンを付与したシートを得た。
次に、このようにして得られたシートを、95℃の温度に加熱した濃度10g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。得られた脱海シート表面の平均単繊維直径は、2μmであった。そして、脱海シート表面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機を用いて分散染料により染色し還元洗浄を行い、シート状物を得た。得られたシート状物の外観品位、風合いおよびシワ回復率は良好であった。
[実施例2]
実施例1において、表2のようにポリウレタン液を変更し、ポリウレタン(CとG)の質量比率がC:G=2:8となるように混合した水エマルジョン系ポリウレタン液を含浸したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物の外観品位、風合いおよびシワ回復率は良好であった。
[実施例3]
実施例1において、表2のようにポリウレタン液を変更し、ポリウレタン(AとG)の質量比率がA:G=4:6となるように混合した水エマルジョン系ポリウレタン液を含浸したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物の外観品位、風合いおよびシワ回復率は良好であった。
[実施例4]
実施例1において、表2のようにポリウレタン液を変更し、ポリウレタン(BとF)の質量比率がB:F=4:6となるように混合した水エマルジョン系ポリウレタン液を含浸したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物の外観品位、風合いおよびシワ回復率は良好であった。
[実施例5]
実施例1において、表2のようにポリウレタン液を変更し、ポリウレタン(AとJ)の質量比率がA:J=3:7となるように混合した水エマルジョン系ポリウレタン液を含浸したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物の外観品位、風合いおよびシワ回復率は良好であった。
[実施例6]
実施例1において、表2のようにポリウレタン液を変更し、ポリウレタン(EとI)の質量比率がE:I=3:7となるように混合した水エマルジョン系ポリウレタン液を含浸したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物の外観品位、風合いおよびシワ回復率は良好であった。
[実施例7]
海成分として、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島成分として、ポリエチレンテレフタレートを用い、海成分20質量%、島成分80質量%の複合比率で、島数16島/1フィラメント、平均単繊維直径20μmの海島型複合繊維を得た。得られた海島型複合繊維を、繊維長51mmにカットしてステープルとし、カードおよびクロスラッパーを通して繊維ウェブを形成し、ニードルパンチ処理により不織布とした。
この不織布を98℃の温度の湯中に2分間浸漬させて収縮させ、100℃の温度で5分間、乾燥させた。次いで、この不織布に、PU1として上記で調整したポリウレタン液Aと、PU2として上記で調整したポリウレタン液Fを、ポリウレタン(AとF)の質量比率がA:F=3:7となるように混合した水エマルジョン系ポリウレタン液を含浸し、100℃の温度の湿熱雰囲気下で5分間処理後、乾燥温度120℃の温度で5分間熱風乾燥させることにより、不織布の島成分質量に対するポリウレタン質量が30質量%となるように、ポリウレタンを付与したシートを得た。
次に、このようにして得られたシートを、95℃の温度に加熱した濃度10g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。得られた脱海シート表面の平均単繊維直径は、4.6μmであった。そして、脱海シート表面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機を用いて分散染料により染色し還元洗浄を行い、シート状物を得た。得られたシート状物の外観品位、風合いおよびシワ回復率は良好であった。
[実施例8]
海成分として、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島成分として、ポリエチレンテレフタレートを用い、海成分60質量%、島成分40質量%の複合比率で、島数376島/1フィラメント、平均単繊維直径17μmの海島型複合繊維を得た。得られた海島型複合繊維を、繊維長51mmにカットしてステープルとし、カードおよびクロスラッパーを通して繊維ウェブを形成し、ニードルパンチ処理により不織布とした。
この不織布を98℃の温度の湯中に2分間浸漬させて収縮させ、100℃の温度で5分間、乾燥させた。次いで、この不織布に、PU1として上記で調整したポリウレタン液Aと、PU2として上記で調整したポリウレタン液Fを、ポリウレタン(AとF)の質量比率がA:F=3:7となるように混合した水エマルジョン系ポリウレタン液を含浸し、100℃の温度の湿熱雰囲気下で5分間処理後、乾燥温度120℃の温度で5分間熱風乾燥させることにより、不織布の島成分質量に対するポリウレタン質量が30質量%となるように、ポリウレタンを付与したシートを得た。
次に、このようにして得られたシートを、95℃の温度に加熱した濃度10g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。得られた脱海シート表面の平均単繊維直径は、0.4μmであった。そして、脱海シート表面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機を用いて分散染料により染色し還元洗浄を行い、シート状物を得た。得られたシート状物の外観品位、風合いおよびシワ回復率は良好であった。
[比較例1]
実施例1において、表2のようにポリウレタン液を変更し、ポリウレタン(AとH)の質量比率がA:H=5:5となるように混合した水エマルジョン系ポリウレタン液を含浸したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物のシワ回復率は良好であったが、風合いは硬くなった。
[比較例2]
実施例1において、表2のようにポリウレタン液を変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物の風合いは良好だが、シワ回復率は悪くなった。
[比較例3]
実施例1において、表2のようにポリウレタン液を変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物のシワ回復率は良好であったが、風合いは硬くなり、さらに外観品位は不良となった。
[比較例4]
実施例1において、表2のようにポリウレタン液を変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。得られたシート状物のシワ回復率は良好であったが、風合いは硬くなり、さらに外観品位は不良となった。
上記の各実施例と各比較例で得られたシート状物の評価結果を表2に示す。
Figure 2013112905

Claims (3)

  1. 平均単繊維直径が0.3〜7μmの極細繊維からなる不織布にポリウレタンを含有したシート状物であって、該ポリウレタンが、感熱凝固温度が40〜90℃であり、かつ乾式膜の100%モジュラスが0.1〜2MPaである水エマルジョン系ポリウレタン(PU1)と、感熱凝固温度が40〜90℃であり、かつ乾式膜の100%モジュラスが2.5〜5MPaである水エマルジョン系ポリウレタン(PU2)からなることを特徴とするシート状物。
  2. ポリウレタンのPU1とPU2の質量比率が、PU1:PU2=1:9〜5:5であることを特徴とする請求項1記載のシート状物。
  3. シート状物のポリウレタン含有量が、不織布質量に対して1〜40質量%であることを特徴とする請求項1または2記載のシート状物。
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