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JP2013112892A - ナノ構造体作製用型体の製造方法、製造装置、ナノ構造体作製用型体及びナノ構造体 - Google Patents

ナノ構造体作製用型体の製造方法、製造装置、ナノ構造体作製用型体及びナノ構造体 Download PDF

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JP2013112892A JP2011263152A JP2011263152A JP2013112892A JP 2013112892 A JP2013112892 A JP 2013112892A JP 2011263152 A JP2011263152 A JP 2011263152A JP 2011263152 A JP2011263152 A JP 2011263152A JP 2013112892 A JP2013112892 A JP 2013112892A
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Kazuya Sato
一也 佐藤
Yutaka Watanabe
裕 渡辺
Kazuaki Minemura
和明 峯村
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DNP Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜形成工程とエッチング工程を繰返し行なって得られるテーパー構造を持つナノ構造体作製用型体において、その表面の場所による均一性を向上させることであり、更には、それから得られるナノ構造体の場所による均一性を向上させること。
【解決手段】アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理する工程を繰り返し行って、テーパー形状を形成する型体の製造方法であって、該陽極酸化皮膜形成工程又は該エッチング工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度又はエッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する工程を含むナノ構造体作製用型体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面にナノ構造を有するナノ構造体を作製するための型体の製造方法に関するものであり、更には、ナノ構造体作製用型体の製造装置、該製造方法で製造されるナノ構造体作製用型体、及び、該ナノ構造体作製用型体を用いて得られる、光の反射防止用及び/又は光の透過改良用等のナノ構造体に関するものである。
液晶表示ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」と略記する)等は、その視認性確保のために、反射防止膜等の反射防止体の装着は必須である。また、陳列棚、額等の前面板;標本箱等の蓋板;窓、戸等の建築材料;オブジェ等の構造体の表面;等において、不要な反射の抑制が必要になる場合がある。
かかる反射防止体としては、(1)一般にドライ法と言われている方法、すなわち、誘電体多層膜を気相プロセスで作製し、光学干渉効果で低反射率を実現したもの、(2)一般にウエット法、すなわち、低屈折率材料を基板フィルム上にコーティングする方法で作製したもの等が知られている。
また、これらとは原理的に全く異なる技術として、(3)表面にナノ構造を付与することにより、低反射率を発現させたものが知られている。
上記(3)のナノ構造を表面に付与した反射防止体等のナノ構造体について、その反射防止性能等を好適に得る方法としては種々検討されており、例えば、アルミニウム材料に対して、陽極酸化による陽極酸化皮膜の形成と、その陽極酸化皮膜のエッチングとを組み合わせて、表面にテーパー形状を形成し、それを型体として、その表面形状を反射防止体等のナノ構造体に転写する方法が知られている(特許文献1〜特許文献6)。
かかるナノ構造体は、アルミニウム材料の表面に、陽極酸化とエッチング等の孔拡大処理とを交互に繰り返すことによりテーパー形状の孔を有する鋳型を作製し、この鋳型をナノ構造体形成材料に転写させることによって得られる。すなわち、特許文献2、4〜6には、下記の工程を有する、陽極酸化ポーラスアルミナからなる鋳型の製造方法が記載されている。
(1)アルミニウム材料に陽極酸化を施して、表面に細孔を有する陽極酸化皮膜層を形成する工程。
(2)上記細孔に、エッチング等の孔径拡大処理を施す工程。
(3)上記工程(2)の後、再び陽極酸化を施す工程。
(4)上記工程(2)および工程(3)を交互に繰り返す工程。
しかしながら、ナノ構造体の主用途である反射防止体において、反射率の場所による均一性等への要求は、ますます高くなってきており、かかる公知技術のみを用いて得られたナノ構造体作製用型体では、その表面形状を転写して得られたナノ構造体の均一性については不十分であり、更なる改善の余地があった。
特開2003−043203号公報 特開2005−156695号公報 特開2007−086283号公報 特開2009−299190号公報 特開2009−258743号公報 WO2006/059686公報
従来、ナノ構造体においては、その表面の反射率を如何に低下させるかということが大きな課題であり、ナノ構造体の場所による反射率の不均一性についてはあまり着目されておらず、従って解決すべき課題としてはあまり取り上げられていなかった。
しかし、特にFDPや商業ディスプレイに使用する場合等、大きな面積で使われる場合では、反射率のムラがあると画像にムラが発生して目立ち易く、商品価値を著しく下げてしまうため、反射率の場所による均一性は非常に高度に要求されるようになった。
また、特に型体が大型の場合は、型体の場所によるムラが発生し易いことも分かってきた。
そこで、本発明は、前記背景技術及び発明者が新たに見出した上記課題解決の必要性に鑑みてなされたものであり、本発明者は、まず、ナノ構造体の均一性を向上させるためには、その鋳型となるナノ構造体作製用型体の均一性を高度に向上させることが必要であると考えた。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜形成工程とエッチング工程を繰返し行なって得られるテーパー構造を持つナノ構造体作製用型体において、その表面の場所による均一性を向上させることであり、更には、それを鋳型として表面形状を転写して得られるナノ構造体の場所による均一性を向上させることである。
以下、本発明において、ナノ構造体作製用型体表面やナノ構造体表面の場所による均一性の無さを、単に「分布ムラ」と略記することがある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜形成工程とエッチング工程を繰返し行なって得られるテーパー構造を持つナノ構造体作製用型体の製造方法において、陽極酸化皮膜形成工程やエッチング工程における、処理液の液温やアルミニウム材料の処理面の温度の制御が極めて重要で、それぞれの工程前に、アルミニウム材料の処理面の温度を、それぞれの処理温度と近い温度に調整してから処理を行うと、テーパー構造を持つナノ構造体作製用型体の表面の「場所による均一性」が向上し、更には、それを鋳型として該表面形状を転写して得られるナノ構造体の場所による均一性が向上することを見出した。
更に、ナノ構造体作製用型体の色味ムラ等の均一性を示す指標、ナノ構造体の反射の刺激値(JIS Z 8701)の標準偏差等の均一性を示す指標は、極めて上記温度制御に敏感であり、それぞれの工程における温度制御を厳密にし、温度を特定の範囲内にすれば、得られるナノ構造体作製用型体、延いてはナノ構造体の反射率の場所による均一性が著しく向上することを見出して本発明に到達した。
すなわち、本発明は、アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する陽極酸化皮膜形成工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理するエッチング工程のふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状を有するテーパー形状層を形成するナノ構造体作製用型体の製造方法であって、該陽極酸化皮膜形成工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する工程を含むことを特徴とするナノ構造体作製用型体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する陽極酸化皮膜形成工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理するエッチング工程のふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状を有するテーパー形状層を形成するナノ構造体作製用型体の製造方法であって、該エッチング工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する工程を含むことを特徴とするナノ構造体作製用型体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する陽極酸化皮膜形成工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理するエッチング工程のふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状を有するテーパー形状層を形成するための、陽極酸化皮膜形成手段及びエッチング手段を少なくとも有する、ナノ構造体作製用型体の製造装置であって、該陽極酸化皮膜形成手段の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する手段を有することを特徴とするナノ構造体作製用型体の製造装置を提供するものである。
また、本発明は、アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する陽極酸化皮膜形成工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理するエッチング工程のふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状を有するテーパー形状層を形成するための、陽極酸化皮膜形成手段及びエッチング手段を少なくとも有する、ナノ構造体作製用型体の製造装置であって、該エッチング手段の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する手段を有することを特徴とするナノ構造体作製用型体の製造装置を提供するものである。
また、本発明は、上記のナノ構造体作製用型体の製造方法を使用して製造されたものであることを特徴とするナノ構造体作製用型体を提供するものである。
また、本発明は、上記のナノ構造体作製用型体に、ナノ構造体形成材料を埋め込んだ後に、該ナノ構造体形成材料又は該ナノ構造体形成材料が硬化した材料を、該ナノ構造体作製用型体から剥離してなることを特徴とするナノ構造体を提供するものである。
本発明によれば、前記問題点と課題を解決し、アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜形成工程とエッチング工程を繰返し行なって得られるテーパー構造を持つナノ構造体作製用型体において、その表面の場所による均一性を向上させることができる。また、それを鋳型として表面形状を転写して得られるナノ構造体の場所による均一性を向上させることができる。
更に詳細には、陽極酸化皮膜形成工程もエッチング工程も何れも発熱工程であるが、それぞれの処理工程の直前に、アルミニウム材料の処理面の温度を制御するという工程をあえて追加することによって、それぞれの処理工程中に、常にアルミニウム材料の表面の温度ムラ等を抑制することができ、その結果、陽極酸化皮膜の厚さの分布ムラ、エッチング量の分布ムラ、ナノ構造体作製用型体のポアの形状の分布ムラ、微細な凹凸の高さ若しくは深さの分布ムラ等を抑制することができる。
その結果、該型体を用いて作製したナノ構造体の反射率、透過率、ヘイズ等の光学的性質の分布ムラ;ナノ構造体を斜め方向から見たときの色味ムラ等の外観不良等が抑制できる。
本発明のナノ構造体は、主に、反射防止用及び/又は光の透過改良用に用いられるが、該ナノ構造体からなる反射防止体では、反射率の場所による均一性が極めて高いものができる。
本発明のナノ構造体作製用型体を用いたナノ構造体の製造方法の一例を示す模式図である。 本発明のナノ構造体作製用型体を用い連続的にナノ構造体を製造する製造方法の一例を示す模式図である。 ナノ構造体作製用型体の場所による均一性を「色味ムラ」で評価するときの評価方法を示す図である。 ナノ構造体の反射の刺激値(Y値)を測定した箇所に該当する、それぞれのナノ構造体作製用型体の場所を示す図である。 ナノ構造体の場所による均一性を「色味ムラ」で評価するときの評価方法を示す図である。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明のナノ構造体作製用型体の製造方法は、アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する陽極酸化皮膜形成工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理するエッチング工程のふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状を有するテーパー形状層を形成するナノ構造体作製用型体の製造方法であって、
(1)該陽極酸化皮膜形成工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する工程を含む、又は、
(2)該エッチング工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する工程を含む、
ことを特徴とする。
[ナノ構造体]
ナノ構造体作製用型体(以下、単に「型体」と略記することがある)は、ナノ構造を利用した反射防止体等のナノ構造体を作製するためのものである。
本発明におけるナノ構造体は、表面に光の反射防止機能を有する反射防止体、光の透過率が向上した高透過率体等を包含する。また、本発明におけるナノ構造体の表面の凹凸形態としては、前記特許文献の何れかの文献に記載のものも挙げられる。
ナノ構造体は、例えば、表面にモスアイ(蛾の眼)構造と呼ばれる構造を有しており、一般には空気等の気体に接する最表面からナノ構造体の内部に入っていくに従って、徐々にナノ構造体の部分が多くなり、そのため屈折率がナノ構造体の内部に入っていくに従って、徐々に大きくすることで反射を防止する。なお、一般に、屈折率が急激に(不連続に)変化する表面があると、正反射率が大きくなる。
ナノ構造体の好ましい形態は、その表面に平均高さ100nm以上1000nm以下の凸部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凹部を有し、その凸部又は凹部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在しているものである。平均高さ又は平均深さが、小さすぎると、良好な光学特性が発現されない場合があり、大きすぎると、製造が困難になる等の場合がある。
凸部と凹部が連結して波打った構造を有している場合では、最高部(凸部の上)と最深部(凹部の下)の平均長さは、100nm以上1000nm以下であることが同様の理由から特に好ましい。
ナノ構造体は、その表面に、上記凸部又は凹部が、少なくともある一の方向の平均周期が、50nm以上400nm以下となるように配置されていることが好ましい。凸部又は凹部は、ランダムに配置されていてもよいし、規則性を持って配置されていてもよい。また、何れの場合でも、上記凸部又は凹部は、ナノ構造体の表面全体に実質的に均一に配置されていることが反射防止性や透過改良性の点で好ましい。また、少なくとも、ある一の方向について、平均周期が、50nm以上400nm以下となるように配置されていればよく、全ての方向に、その平均周期が50nm以上400nm以下となっている必要はない。
[ナノ構造体作製用型体]
本発明のナノ構造体作製用型体は、アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜が形成されたものであり、該陽極酸化皮膜は、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下でポアを有している。
ナノ構造体作製用型体は、その表面の形状を転写させて、上記のようなナノ構造体を作製するためのものであるので、本発明におけるナノ構造体作製用型体の方も、表面に上記形態を有していることが好ましい。
<アルミニウム材料>
本発明におけるアルミニウム材料とは、主成分がアルミニウムである材料であればよく、純アルミニウム(1000系)、アルミニウム合金の何れでもよい。本発明における純アルミニウムとは、純度99.00%以上のアルミニウムであり、好ましくは純度99.50%以上、より好ましくは純度99.85%以上である。アルミニウム合金は特に限定はないが、例えば、Al−Mn系合金(3000系)、Al−Mg系合金(5000系)、Al−Mg−Si系合金(6000系)等が挙げられる。これらの中でも、純アルミニウム(1000系);Mgの添加量が比較的少ないために加工性、耐食性に優れている点、良好なナノ構造体作製用型体が得られる点で、アルミニウム合金5005;アルミニウム合金5005の改良合金(例えば、日本軽金属製58D5)等が好ましい。
また、本発明におけるアルミニウム材料は、基材の表面にアルミニウムを蒸着したものも好ましく使用することができる。基材としては、ステンレス鋼、銅、チタン、アルミニウム等の金属類;ガラス;セラミックス;プラスチック等を好ましく用いることができる。アルミニウムの蒸着は常法を用いることができ、蒸着膜厚は1〜30μmが好ましい。
本発明におけるアルミニウム材料は特に限定はなく、コスト低減や加工簡略化のために工業的に圧延されたままのアルミニウム板、押出管、引き抜き管等を用いてもよいし、圧延のむら、表面のキズ、腐食、汚れ等を取るため、表面を「通常の研摩」をしてから用いてもよく、また、ナノ構造体のヘイズ等の光の透過性能を向上させるために、よりレベルの高い研摩を行ってもよい。
かかる「レベルの高い研摩」を行った際のRaは、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.03μm以下、特に好ましくは0.02μm以下である。また、Ryは、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.35μm以下である。ここで、Ra及びRyは、JIS B0601(1994)により求めた値であり、Raは「算術平均粗さ」であり、Ryは「最大高さ」である。
<陽極酸化皮膜>
本発明における陽極酸化皮膜とは、酸溶液中で、アルミニウム材料を陽極として電流を流し、水が電気分解して発生する酸素とアルミニウムとが反応して形成される、表面にポアを有する酸化アルミニウムの皮膜である。
<ポア>
本発明における陽極酸化皮膜は、その表面にポアを有している。本発明のナノ構造体作製用型体の製造方法では、該ポアを、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在させるようにする。このようなポアを形成させるためには、後述するように、陽極酸化皮膜形成工程及びエッチング工程を制御する。
上記ポアの平均周期は、少なくとも、ある一の方向に対し50nm以上であるが、100nm以上が好ましい。また、400nm以下であるが、250nm以下が好ましい。
また、少なくとも、ある一の方向について、平均周期が、50nm以上400nm以下となるように配置されていればよく、全ての方向に、その平均周期が50nm以上400nm以下となっている必要はない。平均周期は短すぎても長すぎても、それを鋳型として作製されるナノ構造体において反射防止効果が充分に得られない場合がある。
<ナノ構造体作製用型体の例>
本発明のナノ構造体作製用型体の製造方法においては、上記ポアは、テーパー形状部のみを形成していてもよいが、テーパー形状部とその下部にある細孔形状部を形成していてもよい。
該テーパー形状部は、陽極酸化皮膜の表面では広く開口しており、深部に入るに従って徐々に細くなっていくテーパー形状となっており、該細孔形状部は、実質的に等しい径の細孔形状となっており、該テーパー形状部を有するテーパー形状層の下側に連続して細孔形状部を有する細孔形状層を形成する。
上記ポアがテーパー形状部のみを形成している場合(細孔形状層を有さないナノ構造体作製用型体の場合)、テーパー形状層の層厚は、100nm以上であることが好ましく、150nm以上であることがより好ましく、250nm以上であることが特に好ましい。また、1000nm以下であることが好ましく、600nm以下であることがより好ましく、400nm以下であることが特に好ましい。
テーパー形状層の層厚が薄すぎると、それを鋳型に形成されるナノ構造体の反射率低減の効果が得られない場合があり、一方、厚すぎると、テーパー形状部の形状が作り難かったり、陽極酸化やエッチングの工程時間が長くなりすぎ、無駄になったりする以外に、型体としての耐久性が劣ったり、それを鋳型に形成されるナノ構造体の機械的特性が劣ったりする場合がある。
細孔形状層を有するナノ構造体作製用型体は、アルミニウム材料の表面に、陽極酸化皮膜の形成と該陽極酸化皮膜のエッチングのふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状部を有する陽極酸価皮膜を形成し、更に、陽極酸化を行って、該テーパー形状層の下部に、陽極酸化皮膜を形成させて細孔形状層を形成させる。
このようなポアを有するナノ構造体作製用型体では、連続的又は断続的に繰り返しナノ構造体を作製しても、該型体に大きい又は細かい傷が付き難い、型体が摩滅し難い、ナノ構造が破壊されない等、該型体の機械的な強度、耐久性等が向上する。
このような細孔形状層を有するナノ構造体作製用型体においては、テーパー形状層の層厚及び好ましい範囲は、上記した上記ポアがテーパー形状部のみを形成している場合(細孔形状層を有さないナノ構造体作製用型体の場合)と同様である。
上記細孔形状層の層厚は該テーパー形状層の層厚以上であることが好ましく、具体的には、600nm以上であることが好ましく、2000nm以上であることがより好ましく、4000nm以上であることが特に好ましい。一方、上限は50000nm以下であることが好ましく、10000nm以下であることがより好ましく、8000nm以下であることが特に好ましい。
細孔形状層の層厚が厚すぎると、クレーター状の欠陥が多く発生したり、表面が荒れてきて、該型体で作製したナノ構造体のヘイズが大きくなったりする場合がある。また、厚すぎると陽極酸化時間が長くなり、型体のコストが高くなる場合がある。
<ナノ構造体作製用型体の物性>
ナノ構造体作製用型体のビッカース硬度は、40以上が好ましく、60以上がより好ましく、200以上が特に好ましく、300以上が更に好ましく、600以上が最も好ましい。上記した形態を有していれば、及び/又は、後記する製造方法を用いれば、かかるビッカース硬度の値が達成できる。
[ナノ構造体作製用型体の作製]
本発明のナノ構造体作製用型体は、前記アルミニウム材料の表面に、陽極酸化皮膜の形成と該陽極酸化皮膜のエッチングのふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状部を有する陽極酸価皮膜を形成する。
要すれば、更に、陽極酸化処理を行って、該テーパー形状部を有する陽極酸化皮膜の下部に、細孔形状部を有する陽極酸化皮膜の形成を行なって細孔形状層を形成してもよい。
本発明のナノ構造体作製用型体の製造方法は、上記工程を少なくとも有していればよく、形態的に前記したようなナノ構造体作製用型体が実質的に製造できれば、途中若しくは後にエッチング処理や陽極酸化処理を行ってもよく、そのような製造方法も本発明に含まれる。
前記アルミニウム材料の表面は、陽極酸化皮膜の形成を行う前に研摩されていてもよい。前記アルミニウム材料の表面を研摩する方法としては、機械研摩、化学研摩、電解研摩の何れか1つでもよく、又はこれらを任意に組み合わせてもよい。
例えば、電解研摩単独、機械研摩単独、電解研摩と化学研摩の組合せ、機械研摩と化学研摩の組合せ、電解研摩と機械研摩の組合せ、電解研摩と機械研摩と化学研摩の組合せが好ましく、その中でも、電解研摩単独又は電解研摩を含んだ組合せがより好ましい。
更にその中でも、処理の容易な点で、機械研摩をした後に電解研摩する方法が特に好ましい。アルミニウム材料の表面を研摩することによって、アルミニウム材料の表面が均一になり、それを加工して得られた型体は、ヘイズが小さくて光の透過性能が著しく向上したナノ構造体を作製できる。
<陽極酸化皮膜形成工程>
本発明における陽極酸化の電解液としては、酸溶液であれば特に制限はなく、例えば、硫酸系、シュウ酸系、リン酸系又はクロム酸系等の何れでもよいが、所望のテーパー形状部4の寸法や形状が得られる点でシュウ酸系の電解液が好ましい。
陽極酸化の条件は、前記の形状の型体ができる条件であれば特に限定はないが、電解液としてシュウ酸を用いる場合の条件は以下の通りである。
すなわち、濃度は0.01〜0.5Mが好ましく、0.02〜0.3Mがより好ましく、0.03〜0.1Mが特に好ましい。印加電圧は20〜120Vが好ましく、40〜110Vがより好ましく、60〜105Vが特に好ましく、80〜100Vが更に好ましい。
液温は0〜50℃が好ましく、1〜30℃がより好ましく、2〜10℃が特に好ましい。
1回の処理時間は5〜500秒が好ましく、10〜250秒がより好ましく、15〜200秒が特に好ましく、20〜100秒が更に好ましい。
かかる範囲の条件で陽極酸化を行えば、下記のエッチング条件と組み合わせて、前記ナノ構造体作製用型体の陽極酸化皮膜におけるテーパー形状層が製造できる。なお、他の酸でも上記とほぼ同じ条件が好ましい。
電圧が大きすぎる場合には、形成されるテーパー形状部の平均間隔が大きすぎるようになり、この型体によって得られたナノ構造体の表面に形成された凸部又は凹部の平均周期が大きくなりすぎる場合がある。
一方、電圧が小さすぎる場合には、形成されるテーパー形状部の平均間隔が小さすぎるようになり、この型体によって得られたナノ構造体の表面に形成された凸部又は凹部の平均周期が小さくなりすぎる場合がある。
本発明のナノ構造体作製用型体は、その表面に存在するポアが、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在することが必須であるので、電圧はこの範囲に入るように調整される。
すなわち、上記テーパー形状を有するテーパー形状層の陽極酸化皮膜を、シュウ酸濃度0.01M以上0.5M以下の浴液を用い、印加電圧20V以上120V以下、かつ液温0℃以上50℃以下で形成する工程を少なくとも含む上記のナノ構造体作製用型体の製造方法が特に好ましい。
上記陽極酸化処理とエッチング処理は組み合わせて、所望のテーパー形状層を得る。「組み合わせる」とは、先に陽極酸化処理をして、次にエッチング処理をする工程を交互に繰り返すことをいう。各処理の間には水洗をすることも好ましい。陽極酸化処理とエッチング処理の回数は所望の形状が得られるように適宜調節すればよいが、組み合わせの回数として、5〜20回が好ましく、7〜18回がより好ましく、10〜14回が特に好ましい。最後は、陽極酸化処理で終わっても、エッチング処理で終わってもよい。
本発明のナノ構造体作製用型体の製造方法において、陽極酸化皮膜のテーパー形状層を得る場合、特に好ましい組み合わせは、シュウ酸水溶液で陽極酸化をし、リン酸水溶液でエッチングをすることである。全体の好ましい条件は上記の各好ましい条件の組み合わせである。
<<陽極酸化皮膜形成工程の直前のアルミニウム材料の処理面の温度調整>>
本発明のナノ構造体作製用型体の製造方法においては、陽極酸化皮膜形成工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する工程を含むことが必須である。
ここで、「陽極酸化皮膜形成工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、」とは、「陽極酸化処理直前時の該アルミニウム材料の処理面の温度を、」を意味するものとする。
すなわち、「陽極酸化皮膜形成工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する」とは、「アルミニウム材料を陽極酸化処理電解液に浸漬する直前の該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理電解液の温度の±5℃の範囲に調整する」ことをいう。
また、「陽極酸化処理温度」とは、陽極酸化処理電解液の温度をいう。
アルミニウム材料の処理面の温度は、接触式表面温度計を用いて、処理面に直接接触させ測定し、そのように測定したものとして定義される。
陽極酸化皮膜形成工程の直前に、アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整することによって、ナノ構造体作製用型体の表面の「場所による均一性」が向上し(すなわち分布ムラが抑制され)、更には、それを鋳型として該表面形状を転写して得られるナノ構造体の場所による均一性が向上する(すなわち分布ムラが抑制される)。
具体的には、ナノ構造体作製用型体の色味の分布ムラ(色味ムラ)が抑制され、その結果、ナノ構造体のJIS Z 8701で規定されている反射の刺激値(例えば刺激値Y)等の分布ムラ、目視による色味の分布ムラ(色味ムラ)が抑制され、優れた反射防止性能を有するナノ構造体を得ることができる。
ナノ構造体作製用型体の色味は、陽極酸化皮膜がほぼ無色透明であるために、最終的な陽極酸化皮膜の厚さが場所によって変化していれば、入射した可視光の干渉によって出てくるものである。従って、「色味ムラ」を目視で観測すれば、最終的な陽極酸化皮膜の厚さの分布ムラの有無と程度が分かる。
更に、最終的な陽極酸化皮膜の厚さの分布ムラの有無と程度が分かれば、それは、陽極酸化皮膜形成速度、エッチング量(速度)、陽極酸化皮膜に存在するポアの形状、ピッチ等の分布ムラも反映しているはずであるので、「色味ムラ」を目視で観測すれば、ナノ構造体作製用型体の表面のあらゆる形態・物性の「場所による均一性」を評価できると考えられる。
ナノ構造体作製用型体の「色味ムラ」は、実施例に記載の方法で、白色光を照射し、図3に[A]で示したように、斜めの方向から目視によって評価する。
ナノ構造体作製用型体を鋳型にして、該ナノ構造をナノ構造体形成材料(又はそれが硬化した材料)に転写してナノ構造体を製造する。
そうして得られたナノ構造体の反射率や透過率の分布ムラを抑制することが最終的な目的であるが、ナノ構造体の反射率や透過率の分布ムラも、ナノ構造体の「反射の刺激値(例えば刺激値Y)(JIS Z 8701)」の分布ムラ(例えば、複数点測定したときの標準偏差の大きさに反映される)、目視による色味の分布ムラ(色味ムラ)によって明確に評価可能である。
むしろ、ナノ構造体の反射率の場所による微妙な差を測定するよりも、感度良く評価可能であるため、本発明では、実施例に示した方法で、ナノ構造体の反射率等の光学的物性の分布ムラの有無と程度を、反射の刺激値や色味の分布ムラの測定によって評価した。
また、ナノ構造体に、「反射の刺激値」や「色味」に分布ムラがあれば、反射率の分布ムラがたとえ問題にならない程度に軽微であったとしても、商品としては問題になる場合があるので、「反射の刺激値」や「色味」の分布ムラの有無や程度は、ナノ構造体の直接的な評価にもなっている。
なお、ナノ構造体を透過率改善や反射防止等の光学的な用途に使用する時には、可視光の透過率が極めて高い場合が多い。そのため、目視による色味の分布ムラ(色味ムラ)を評価するには、ナノ構造体の表面に微細な凹凸を持つ面とは逆の側に黒い板を密接して配置して観察する。
本発明においては、陽極酸化皮膜形成工程に入る直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整することが必須であるが、±4℃の範囲に調整することが好ましく、±3℃の範囲に調整することがより好ましく、±2℃の範囲に調整することが特に好ましく、±1℃の範囲に調整することが更に好ましく、±0.5℃の範囲に調整することが最も好ましい。
陽極酸化皮膜形成工程に入る直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に、更には上記した好ましい所定の温度範囲に調整する方法は、特に限定はないが、陽極酸化皮膜形成工程の直前に、
(1)上記アルミニウム材料を液浴に浸漬する、又は
(2)上記アルミニウム材料に液体をスプレーする、又は、
(3)上記アルミニウム材料を気流中に存置する
ことによって調整することが、温度の調節自体が容易にできる、アルミニウム材料の処理面の温度の分布ムラを抑制できる、アルミニウム材料を傷つけ難い等の点から好ましい。 上記方法の他、発熱体、ヒーター、冷却体、クーラー等を用いる方法で行ったり、これらの方法を併用したりしてもよい。
また、アルミニウム材料の内部の温度も、アルミニウム材料の処理面の温度と同等の温度に調整されていることが好ましい。アルミニウム材料で厚いもの(例えば、1mm厚以上のアルミロールや、1mm厚以上の平板)の場合には、アルミニウム材料内部の温度によって、処理中に表面の温度が変化してしまう場合があるからである。
更に、アルミニウム材料に取り付けられた冶具の温度も、アルミニウム材料の処理面の温度と同等の温度に調整されていることがより好ましい。冶具の温度の影響によって、処理中にアルミニウム材料の表面の温度が変化してしまうことがあるからである。
このことは、上記した、(1)液浴に浸漬、(2)液体をスプレー、(3)気流中に存置、の何れの場合にもいえる。
上記(1)上記アルミニウム材料を液浴に浸漬する場合の液浴中の液の種類は、特に限定はなく、アルミニウム材料の表面の形状や化学的性質に変化を与えないものが特に好ましい。具体的には、水;シュウ酸等の酸の希釈水溶液;有機溶剤;等が好ましく、水又はシュウ酸の希釈水溶液が特に好ましい。
また、アルミニウム材料の処理面の温度を調整する工程は、アルミニウム材料の処理面を洗浄する工程を兼ねるものであってもよい。すなわち、上記液は洗浄水であってもよい。
液浴中の液の温度は、陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整することが好ましく、±4℃の範囲に調整することがより好ましく、±2℃の範囲に調整することが特に好ましく、±1℃の範囲に調整することが更に好ましく、±0.5℃の範囲に調整することが最も好ましい。
また、浸漬時間は特に限定はないが、5秒〜120分が好ましく、10秒〜60分がより好ましく、30秒〜40分が特に好ましい。
浸漬時間が短すぎると、アルミニウム材料の処理面の温度が所定の温度にならなかったり、処理面の温度に分布ムラが生じたりする場合がある。一方、浸漬時間が長すぎると、時間が無駄になり生産効率が落ちる場合がある。
アルミニウム材料の内部の温度が処理面の温度と異なる場合には、該内部温度の影響を受けて陽極酸化処理中に処理面の温度が変化する場合がある。そのため、陽極酸化処理中の処理面の温度が所定の範囲となるように注意し、浸漬時間を調整することが好ましい。
上記(2)上記アルミニウム材料に液体をスプレーする場合の液体の種類は、特に限定はなく、アルミニウム材料の表面の形状や化学的性質に変化を与えないものが特に好ましい。上記した「アルミニウム材料を液浴に浸漬する場合の液浴中の液」と同様の種類のものが用いられる。また、スプレーする上記液体は洗浄水を兼用するものであってもよい。
スプレーする液体の温度は、陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整することが好ましく、±4℃の範囲に調整することがより好ましく、±2℃の範囲に調整することが特に好ましく、±1℃の範囲に調整することが更に好ましく、±0.5℃の範囲に調整することが最も好ましい。
また、スプレー時間は特に限定はないが、5秒〜120分が好ましく、10秒〜60分がより好ましく、30秒〜40分が特に好ましい。
スプレー時間が短すぎても長すぎても、上記した「アルミニウム材料を液浴に浸漬する場合」と同様のことが起こる場合がある。
上記(3)上記アルミニウム材料を気流中に存置する場合の気流中の気体の種類は、特に限定はなく、アルミニウム材料の表面の形状や化学的性質に変化を与えないものが特に好ましい。具体的には、空気;窒素等の不活性気体;等が挙げられる。
気流の温度は、陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整することが好ましく、±4℃の範囲に調整することがより好ましく、±2℃の範囲に調整することが特に好ましく、±1℃の範囲に調整することが更に好ましく、±0.5℃の範囲に調整することが最も好ましい。
また、気流中に存置する時間は特に限定はないが、5秒〜120分が好ましく、10秒〜60分がより好ましく、30秒〜40分が特に好ましい。
気流中に存置する時間が短すぎても長すぎても、上記した「アルミニウム材料を液浴に浸漬する場合」と同様のことが起こる場合がある。
上記(1)ないし(3)の中でも、上記(1)が好ましく、上記アルミニウム材料を浸漬する液浴中の液が、陽極酸化皮膜形成工程で用いる陽極酸化処理電解液と同じ組成の液であることがより好ましく、陽極酸化皮膜形成工程で用いる陽極酸化処理電解液自体であることが特に好ましい。
すなわち、上記陽極酸化皮膜形成工程の直前に、上記アルミニウム材料を、上記陽極酸化皮膜形成工程で用いる陽極酸化処理電解液に通電しない状態で浸漬することによって、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整することが特に好ましい。
陽極酸化処理電解液の槽以外に処理槽を設ける必要がなく、設備コストが掛からない、新たな設置場所が不要等の理由からである。
通常のアルマイト作製等の陽極酸化皮膜形成工程で用いる陽極酸化処理電解液では、通電しなくてもアルミニウム材料の溶解が起こるので、通電しない状態で電解液に浸漬することは常法ではないことは勿論のこと、実質的に通電しない状態であえて電解液に浸漬することはない。
しかしながら、ナノ構造体作製用型体の製造方法においては、陽極酸化処理電解液の温度、濃度、電解液の種類等がマイルドであるため、通電しない状態ではアルミニウム材料に実質的に影響を与えない。そのため、陽極酸化皮膜形成工程の直前に、そこで用いる陽極酸化処理電解液に通電しない状態で浸漬することによって温度調整することが特に好ましい方法となる。
通電しない状態で陽極酸化処理用の電解液に浸漬する場合の好ましい浸漬時間等は、上記(1)で記載した範囲と同様である。
陽極酸化処理とエッチング処理の組み合わせの回数は、前記した通り、5〜20回が好ましく、7〜18回がより好ましく、10〜14回が特に好ましいが、毎回、陽極酸化皮膜形成工程の直前に(陽極酸化処理の直前に)、該アルミニウム材料の処理面の温度を上記範囲に調整することがより好ましい。
ナノ構造体作製用型体の製造装置としては、陽極酸化皮膜形成手段の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する手段を有することを特徴とする。
上記アルミニウム材料の処理面の温度を該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する手段は、上記アルミニウム材料を浸漬する液浴(以下、「バッファー槽」と略記することもある)、上記アルミニウム材料に液体をスプレーするスプレー装置、又は、上記アルミニウム材料を気流中に存置するチャンバーである上記のナノ構造体作製用型体の製造装置であることが好ましい。
上記バッファー槽が、陽極酸化皮膜形成手段の直前にアルミニウム材料を洗浄するための洗浄槽を兼ねていることも好ましい。また、上記アルミニウム材料に液体をスプレーするスプレー装置が、温度調整だけではなく、アルミニウム材料の洗浄も兼ねた洗浄スプレー装置であることも好ましい。
該バッファー槽の形状は温度調整するために使用する液を貯めることができ、該アルミニウム材料を液に浸漬できるものであれば特に限定はなく、該バッファー槽の材質は温度調整するために使用する液に腐食し難い材質であればよい。
また、バッファー槽の液にアルミニウム材料を浸漬する際の方向に限定はなく、例えば、アルミニウム材料が円筒形状の場合は、液面に対して円筒を、縦方向、横方向、斜め方向の何れの方向で液に浸漬してもよいが、液面の表面積を小さくすることができ、液の蒸発や温度変化を抑えることができるため、縦方向に浸漬することが好ましい。また、該バッファー槽には、攪拌装置、対流装置、バブリング装置、温度調整装置、蓋、の何れか1つ又は2つ以上を備えていることが好ましい。
<エッチング工程>
エッチングは主にポアのテーパー形状部の孔径拡大と所望の形状を得るために行われる。上記の陽極酸化とエッチングとを組み合わせることで、アルミニウム材料の表面の陽極酸化皮膜に形成されたテーパー形状部の、孔径、高さ、深さ、テーパー形状等を調整することができる。
エッチングの方法は通常知られている方法であれば特に制限なく用いることができる。例えば、エッチング液としては、リン酸、硝酸、酢酸、硫酸、クロム酸等の酸溶液、又はこれらの混合液を用いることができる。好ましくは、リン酸又は硝酸であり、必要な溶解速度が得られる点、より均一な面が得られる点で、特に好ましくはリン酸である。
また、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ溶液又はこれらの混合溶液を用いることもできる。
エッチング液の濃度や浸漬時間、温度等は、所望の形状が得られるように適宜調節すればよいが、リン酸の場合の条件は以下の通りである。
すなわち、エッチング溶液の濃度は、1〜20質量%が好ましく、1.2〜10質量%がより好ましく、1.5〜2.5質量%が特に好ましい。
液温は、30〜90℃が好ましく、35〜80℃がより好ましく、40〜70℃が特に好ましい。
1回の処理時間(浸漬時間)は10秒〜60分が好ましく、30秒〜40分がより好ましく、45秒〜20分が特に好ましく、1分〜10分が更に好ましい。
かかる範囲の条件でエッチングを行えば、上記の陽極酸化条件との組み合わせで、前記のテーパー形状層が製造できる。なお、他の酸でも上記とほぼ同じ条件が好ましい。
<<エッチング工程の直前のアルミニウム材料の処理面の温度調整>>
本発明のナノ構造体作製用型体の製造方法においては、エッチング工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する工程を含むことを特徴とするナノ構造体作製用型体の製造方法±5℃の範囲に調整する工程を含むことが必須である。
ここで、「エッチング処理温度」とは、エッチング液の温度をいう。
また、アルミニウム材料の処理面の温度は、上記と同様に測定する。
エッチング工程の直前に、アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整することによって、ナノ構造体作製用型体の表面の「場所による均一性」が向上し(すなわち分布ムラが抑制され)、更には、それを鋳型として該表面形状を転写して得られるナノ構造体の場所による均一性が向上する(すなわち分布ムラが抑制される)。
具体的には、ナノ構造体作製用型体の反射率、色味等の分布ムラが抑制され、その結果、ナノ構造体のJIS Z 8701で規定されている反射の刺激値(例えば刺激値Y)等の分布ムラが抑制され、優れた反射防止性能を有するナノ構造体を得ることができる。
エッチング工程に入る直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整することが必須であるが、±4℃の範囲に調整することが好ましく、±3℃の範囲に調整することがより好ましく、±2℃の範囲に調整することが特に好ましく、±1℃の範囲に調整することが更に好ましく、±0.5℃の範囲に調整することが最も好ましい。
エッチング工程に入る直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、エッチング処理温度の±5℃の範囲に、更には上記した好ましい所定の温度範囲に調整する方法は、特に限定はないが、エッチング工程の直前に、
(1’)上記アルミニウム材料を液浴に浸漬する、又は
(2’)上記アルミニウム材料に液体をスプレーする、又は、
(3’)上記アルミニウム材料を気流中に存置する
ことによって調整することが、温度の調節自体が容易にできる、アルミニウム材料の処理面の温度の分布ムラを抑制できる等のために好ましい。
ここで、「エッチング工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、」とは、「エッチング処理直前時の該アルミニウム材料の処理面の温度を、」を意味するものとする。
すなわち、「エッチング工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する」とは、「アルミニウム材料をエッチング液に浸漬する直前の該アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング液の温度の±5℃の範囲に調整する」ことをいう。
また、「エッチング処理温度」とは、エッチング液の温度をいう。
アルミニウム材料の処理面の温度は、接触式表面温度計を用いて、処理面に直接接触させ測定し、そのように測定したものとして定義される。
また、アルミニウム材料の内部の温度も、アルミニウム材料の処理面の温度と同等の温度に調整されていることが好ましい。アルミニウム材料で厚いもの(例えば、1mm厚以上のアルミロールや、1mm厚以上の平板)の場合には、アルミニウム材料内部の温度によって、処理中に表面の温度が変化してしまう場合があるからである。
更に、アルミニウム材料に取り付けられた冶具の温度も、アルミニウム材料の処理面の温度と同等の温度に調整されていることがより好ましい。冶具の温度の影響によって、処理中にアルミニウム材料の表面の温度が変化してしまうことがあるからである。
このことは、上記した、(1’)液浴に浸漬、(2’)液体をスプレー、(3’)気流中に存置、の何れの場合にもいえる。
上記(1’)上記アルミニウム材料を液浴に浸漬する場合の液浴中の液の種類は、特に限定はなく、アルミニウム材料の表面の形状や化学的性質に変化を与えないものが好ましいが、水が特に好ましい。
また、アルミニウム材料の処理面の温度を調整する工程は、アルミニウム材料の処理面を洗浄する工程を兼ねるものであってもよい。すなわち、上記液は洗浄水であってもよい。
液浴中の液の温度は、エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整することが好ましく、±4℃の範囲に調整することがより好ましく、±2℃の範囲に調整することが特に好ましく、±1℃の範囲に調整することが更に好ましく、±0.5℃の範囲に調整することが最も好ましい。
また、浸漬時間は特に限定はないが、5秒〜60分が好ましく、10秒〜60分がより好ましく、30秒〜40分が特に好ましい。
浸漬時間が短すぎると、アルミニウム材料の処理面の温度が所定の温度にならなかったり、処理面の温度に分布ムラが生じたりする場合がある。一方、浸漬時間が長すぎると、時間が無駄になり生産効率が落ちる場合がある。
上記(2’)上記アルミニウム材料に液体をスプレーする場合の液体の種類は、アルミニウム材料の表面の形状に変化を与えないものであれば特に限定はなく、上記した「アルミニウム材料を液浴に浸漬する場合の液浴中の液」と同様の種類のものが用いられる。また、上記液体は洗浄水を兼用するものであってもよい。
スプレーする液体の温度は、エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整することが好ましく、±4℃の範囲に調整することがより好ましく、±2℃の範囲に調整することが特に好ましく、±1℃の範囲に調整することが更に好ましく、±0.5℃の範囲に調整することが最も好ましい。
また、スプレー時間は特に限定はないが、5秒〜120分が好ましく、10秒〜60分がさらに好ましく、30秒〜40分が特に好ましい。
スプレー時間が短すぎても長すぎても、上記した「アルミニウム材料を液浴に浸漬する場合」と同様のことが起こる場合がある。
上記(3’)上記アルミニウム材料を気流中に存置する場合の気流中の気体の種類は、特に限定はないが、アルミニウム材料の表面の形状に変化を与えないものが好ましい。具体的には、空気;窒素等の不活性気体が、特に好ましいものとして挙げられる。
気流の温度は、エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整することが好ましく、±4℃の範囲に調整することがより好ましく、±2℃の範囲に調整することが特に好ましく、±1℃の範囲に調整することが更に好ましく、±0.5℃の範囲に調整することが最も好ましい。
陽極酸化処理とエッチング処理の組み合わせの回数は、前記した通りであるが、毎回、エッチング処理工程の直前に(エッチング処理の直前に)、該アルミニウム材料の処理面の温度を上記範囲に調整することがより好ましい。
ナノ構造体作製用型体の製造装置としては、エッチング手段の直前に、アルミニウム材料の処理面の温度を、エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する手段を有することを特徴とする。
上記アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する手段が、上記アルミニウム材料を浸漬する液浴(以下、「バッファー槽」と略記することもある)、上記アルミニウム材料に液体をスプレーするスプレー装置、又は、上記アルミニウム材料を気流中に存置するチャンバーである上記のナノ構造体作製用型体の製造装置であることが好ましい。
上記バッファー槽は、エッチング手段の直前にアルミニウム材料を洗浄するための洗浄槽を兼ねていることも好ましい。また、上記アルミニウム材料に液体をスプレーするスプレー装置が、温度調整だけではなく、アルミニウム材料の洗浄も兼ねた洗浄スプレー装置であることも好ましい。
該バッファー槽の形状は温度調整するために使用する液を貯めることができ、該アルミニウム材料を液に浸漬できるものであれば特に限定はなく、該バッファー槽の材質は温度調整するために使用する液に腐食し難い材質であればよい。
また、バッファー槽の液にアルミニウム材料を浸漬する際の方向に限定はなく、例えば、アルミニウム材料が円筒形状の場合は、液面に対して円筒を、縦方向、横方向、斜め方向の何れの方向で液に浸漬してもよいが、液面の表面積を小さくすることができ、液の蒸発や温度変化を抑えることができるため、縦方向に浸漬することが好ましい。また、該バッファー槽には、攪拌装置、対流装置、バブリング装置、温度調整装置、蓋、の何れか1つ又は2つ以上を備えていることが好ましい。
<<細孔形状層を有するナノ構造体作製用型体>>
細孔形状層を有するナノ構造体作製用型体の場合、細孔形状層を形成するための陽極酸化の電解液や形成条件は、テーパー形状部を有する陽極酸化皮膜の項で記載した陽極酸化の電解液(種類、濃度等)や形成条件(液温、印加電圧等)が使用でき、好ましい範囲も同様である。
細孔形状層を有するナノ構造体作製用型体の場合、細孔形状層を形成するための陽極酸化処理の直前には、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する必要はないが、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整することが好ましい。特に好ましい温度範囲等も上記と同様である。
<型体の他の態様>
上記型体を鋳型とし、1度若しくは2度転写して、金属等の材料により製造された同一又は反転の形状を有する新たな型体を得ることもできる。すなわち、本発明の上記型体は、後述するナノ構造体形成材料に転写して、直接、ナノ構造体を製造するのみならず、金属等の新たな材料に転写して、該新たな材料からなる型体を製造するためにも用いられる。その後、その新たな型体を用いてナノ構造体を製造することができる。
また、上記型体に、金属等、例えば、NiやW等の硬度の高い材料からなる層を公知の方法で積層することもできる。
[ナノ構造体の構成・作製]
本発明のナノ構造体は、前記ナノ構造体作製用型体に、ナノ構造体形成材料を埋め込んだ後に、該ナノ構造体形成材料又は該ナノ構造体形成材料が硬化した材料を、該ナノ構造体作製用型体から剥離して得られる。ナノ構造体形成材料を埋め込んだ後に、要すれば、光照射、電子線照射及び/又は加熱によってナノ構造体形成材料を硬化させた後に型体から剥離して得られる。
そのため、上記ナノ構造体は、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で凸部又は凹部が存在するという極めて微細な表面構造を有している。更に、一般に「モスアイ(蛾の眼)構造」と呼ばれる構造を有していることが、良好な反射防止性能を有している点で好ましい。
上記ナノ構造体形成材料としては、特に制限はなく、熱可塑性組成物、硬化性組成物の何れでも好適に使用し得る。上記ナノ構造に適した機械的強度を与えるため、また、型となる陽極酸化皮膜からの剥離性等の点から硬化性組成物を用いることが好ましい。
<熱可塑性組成物>
熱可塑性組成物としては、ガラス転移温度又は融点まで加熱することによって軟らかくなるものであれば特に制限はないが、例えば、アクリロニトリル−スチレン系重合体組成物、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン系重合体組成物、スチレン−(メタ)アクリレート系重合体組成物、ブダジエン−スチレン系重合体組成物等のスチレン系重合体組成物;塩化ビニル系重合体組成物、エチレン−塩化ビニル系重合体組成物、エチレン−酢酸ビニル系重合体組成物、プロピレン系重合体組成物、プロピレン−塩化ビニル系重合体組成物、プロピレン−酢酸ビニル系重合体組成物、塩素化ポリエチレン系組成物、塩素化ポリプロピレン系組成物等のポリオレフィン系組成物;ケトン系重合体組成物;ポリアセタール系組成物;ポリエステル系組成物;ポリカーボネート系組成物;ポリ酢酸ビニル系組成物、ポリビニル系組成物、ポリブタジエン系組成物、ポリ(メタ)アクリレート系組成物等が挙げられる。
<硬化性組成物>
硬化性組成物とは、光照射、電子線照射及び/又は加熱によって硬化する組成物である。中でも、光照射又は電子線照射により硬化する硬化性組成物が、上記した点から好ましい。
<<光照射又は電子線照射により硬化する硬化性組成物>>
「光照射又は電子線照射により硬化する硬化性組成物」(以下、「光硬化性組成物」と略記する)としては特に限定はなく、アクリル系重合性組成物又はメタクリル系重合性組成物(以下、「(メタ)アクリル系重合性組成物」と略記する)、光酸触媒で架橋し得る組成物等、何れも使用できるが、(メタ)アクリル系重合性組成物が、上記ナノ構造に適した機械的強度を与えるため、型体1からの剥離性、化合物群が豊富なため種々の物性のナノ構造体を調製できる等の点から好ましい。
<<熱硬化性組成物>>
本発明における熱硬化性組成物とは、加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して元に戻らなくなる組成物であれば特に制限はないが、例えば、フェノール系重合性組成物、キシレン系重合性組成物、エポキシ系重合性組成物、メラミン系重合性組成物、グアナミン系重合性組成物、ジアリルフタレート系重合性組成物、尿素系重合性組成物(ユリア系重合性組成物)、不飽和ポリエステル系重合性組成物、アルキド系重合性組成物、ポリウレタン系重合性組成物、ポリイミド系重合性組成物、フラン系重合性組成物、ポリオキシベンゾイル系重合性組成物、マレイン酸系重合性組成物、メラミン系重合性組成物、(メタ)アクリル系重合性組成物等が挙げられる。フェノール系重合性組成物としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂等である。エポキシ系重合性組成物としては、例えば、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン樹脂、エポキシノボラック樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、多官能性エポキシ等である。不飽和ポリエステル系重合性組成物としては、例えば、オルソフタル酸系、イソフタル酸系、アジピン酸系、ヘット酸系、ジアリルフタレート系等である。中でも、熱硬化性組成物としては、(メタ)アクリル系重合組成物が好ましい。
また、上記ナノ構造体形成材料11には、更に、バインダーポリマー、微粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、離型剤、潤滑剤、レベリング剤等を配合することもできる。これらは、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
<ナノ構造体の作製方法>
本発明のナノ構造体作製用型体1を用いたナノ構造体の作製方法としては、限定されるわけではないが、例えば下記の方法が好ましい。
すなわち、上記ナノ構造体形成材料11を基材13上に採取、バーコーター若しくはアプリケーター等の塗工機又はスペーサーを用いて、均一膜厚になるように塗布する。ここで、「基材」としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略記する)、トリアセチルセルロース等のフィルムが好適である。
そして、本発明の型体1を貼り合わせる。貼り合わせた後、硬化性組成物の場合には、該フィルム面から紫外線照射若しくは電子線照射及び/又は熱により硬化させる。あるいは、前記型体1の上に、直接、ナノ構造体形成材料11を乗せ、塗工機やスペーサー等で均一膜厚の塗布膜を作製してもよい。その後、得られたナノ構造体を該型体1から剥離させてナノ構造体を作製する。
この作製方法を、更に図1を用いて具体的に説明するが、本発明は図1の具体的態様に限定されるものではない。
すなわち、ナノ構造体作製用型体1にナノ構造体形成材料11を適量供給又は塗布し(図1(a))、ローラー14の側を支点に基材13を斜めから貼り合せる(図1(b))。ナノ構造体作製用型体1とナノ構造体形成材料11と基材13とが一体となった貼合体を、ローラー14へと移動し(図1(c))、ローラー圧着させることにより、ナノ構造体作製用型体1が有するテーパー形状部の構造をナノ構造体形成材料11に転写、賦型させる(図1(d))。このとき、ナノ構造体作製用型体1に、ナノ構造体形成材料11が埋め込まれる。その後、要すればこれを硬化させた後、該ナノ構造体作製用型体1から剥離して(図1(e))、ナノ構造体15を得る。
図2は、連続的にナノ構造体15を製造する方法・装置の一例の模式図であるが、本発明はこの模式図の示す範囲に限定されるものではない。すなわち、ナノ構造体作製用型体1にナノ構造体形成材料11を付着させ、ローラー14により力を加え、基材13をナノ構造体作製用型体1に対して斜めの方向から貼り合せて、ナノ構造体作製用型体1が有するテーパー形状部の構造をナノ構造体形成材料11に転写させる。これを、要すれば硬化装置16を用いて硬化させた後、ナノ構造体作製用型体1から剥離することにより、ナノ構造体15を得る。支持ローラー17は、ナノ構造体15を上部に引き上げるように設置されている。
貼り合わせる際、ローラー14を用いて、斜めから貼り合わせることによって、気泡が入らず欠陥のないナノ構造体15が得られる。また、ローラー14を用いれば線圧(ニップ圧)を加えることになるため圧力を大きくでき、そのため大面積のナノ構造体の製造が可能になり、また、圧力の調節も容易になる。また、基材13と一体となった均一な膜厚と、所定の光学物性を有するナノ構造体15の製造が可能になり、更に、連続的に製造できるため生産性に優れたものになる。
ナノ構造体は、熱可塑性樹脂で形成されていてもよいが、光照射、電子線照射及び/又は加熱によって硬化性樹脂が重合したものであることも好ましい。その場合、光照射の場合の光の波長については特に限定はない。可視光線及び/又は紫外線を含有する光であることが、要すれば光重合開始剤の存在下で良好に(メタ)アクリロイル基の炭素間二重結合を重合させる点で好ましい。特に好ましくは紫外線を含有する光である。光源は特に限定はなく、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、ハロゲンランプ、各種レーザー等公知のものが用いられ得る。電子線の照射の場合、電子線の強度や波長には特に限定はなく、公知の方法が用いられ得る。
熱によって重合させる場合は、その温度は特に限定はないが、80℃以上が好ましく、100℃以上が特に好ましい。また、200℃以下が好ましく、180℃以下が特に好ましい。重合温度が低過ぎる場合は重合が充分に進行しない場合があり、高過ぎる場合は重合が不均一になったり、基材の劣化が起こったりする場合がある。加熱時間も特に限定はないが、5秒以上が好ましく、10秒以上が特に好ましい。また、10分以下が好ましく、2分以下が特に好ましく、30秒以下が更に好ましい。
得られたナノ構造体は、光の反射防止用及び/又は光の透過改良用として、FPD、額等の前面板、標本箱等の蓋板、建築材料、オブジェ等に好適に用いられる。
<作用・原理>
本発明において、陽極酸化皮膜形成工程の直前に、アルミニウム材料の処理面の温度を陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整したり、エッチング工程の直前に、アルミニウム材料の処理面の温度をエッチング処理温度の±5℃の範囲に調整したりするとナノ構造体作製用型体の場所による均一性が向上する作用・原理は明らかではないが、以下のことが考えられる。ただし本発明は、以下の作用・原理の範囲に限定されるわけではない。
陽極酸化皮膜形成工程もエッチング工程も何れも発熱工程である。しかも、何れの工程も温度が高い方が、反応が進行し易い方向であるため、アルミニウム材料の表面に初期にわずかの温度ムラがあると、そこに反応が集中すると考えられる。
従って、それぞれの処理工程の直前に、アルミニウム材料の処理面の温度を制御することによって、各処理の開始時から温度ムラを無くすことができるため、各工程中、常にアルミニウム材料の表面の温度ムラ等を抑制することができて、陽極酸化皮膜の厚さの分布ムラ、エッチング量の分布ムラ、ナノ構造体作製用型体のポアの形状の分布ムラ等を抑制することができたと考えられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに限定されるものではない。
実施例1
アルミニウム材料として、99.85%のアルミニウムロール材(5mm厚)を片面平面バフ研摩盤(Speedfam社製)により、アルミナ系の研摩材(フジミ研摩材社製)を用いて、10分間研摩して鏡面を得た。研摩面をスクラブ洗浄後、非浸食性の脱脂処理を行った。
更に、以下に示す陽極酸化条件と、以下に示す形成された陽極酸化皮膜のエッチング処理条件との組み合わせによりテーパー形状部を有するテーパー形状層を作製した。
<陽極酸化処理の条件>
電解液 :0.05Mシュウ酸水溶液
電圧 :80Vの直流電圧
電解液の温度:5.0℃
時間 :30秒
<エッチング処理の条件>
エッチング液 :2質量%リン酸水溶液
エッチング液の温度:50.0℃
時間 :2分
陽極酸化処理とエッチング処理を交互に10回ずつ繰り返し、最後は陽極酸化処理で終了した。
計11回の全ての陽極酸化皮膜形成処理の直前に、アルミニウム材料の処理面の温度を、上記陽極酸化処理温度(陽極酸化処理電解液の温度)である5.0℃を中心に、±0.5℃、±1.0℃、±2.0℃、±3.0℃、±4.0℃、±5.0℃、±6.0℃、±7.0℃、±8.0℃と変化させて、計19点のナノ構造体作製用型体を得た。
実際には、陽極酸化皮膜形成処理の直前に、アルミニウム材料を浸漬する液浴(バッファー槽)を設け、液として水を用い、該液の温度を上記19点変化させ、それぞれ、液の撹拌下に10分間浸漬させた。
陽極酸化皮膜形成処理の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度が上記温度になっていることは、接触式表面温度計で測定した。
何れも、平均周期200nm、テーパー形状の開口部の直径160nm、深さ300nmのテーパー形状部を有するテーパー形状層を有するナノ構造体作製用型体が得られた。
実施例2
実施例1の陽極酸化処理の条件とエッチング処理の条件で、陽極酸化処理とエッチング処理を交互に10回ずつ繰り返し、最後は陽極酸化処理で終了した。
計10回の全てのエッチング処理の直前に、アルミニウム材料の処理面の温度を、上記エッチング処理の温度(エッチング液の温度)である50.0℃を中心に、±0.5℃、±1.0℃、±2.0℃、±3.0℃、±4.0℃、±5.0℃、±6.0℃、±7.0℃、±8.0℃と変化させて、計19点のナノ構造体作製用型体を得た。
実際には、エッチング処理の直前に、アルミニウム材料を浸漬する液浴(バッファー槽)を設け、液として脱塩水を用い、該液の温度を上記19点変化させ、それぞれ、液の撹拌下に10分間浸漬させた。
エッチング処理の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度が上記温度になっていることは、アルミニウム材料をエッチング処理液に浸漬する直前に接触式表面温度計を使用して測定した。
何れも、平均周期200nm、テーパー形状の開口部の直径160nm、深さ300nmのテーパー形状部を有するテーパー形状層を有するナノ構造体作製用型体であった。
実施例3
陽極酸化皮膜形成工程において、アルミニウム材料を浸漬する液浴(バッファー槽)を設けず、陽極酸化処理電解液に通電しない状態で、10分間浸漬した後に通電を開始した以外は実施例1と同様にしてナノ構造体作製用型体を得た。
陽極酸化皮膜形成工程の直前には、アルミニウム材料の処理面の温度は、該陽極酸化処理温度の5℃±0.0℃となっていた。
実施例4
実施例1、2において、アルミニウム材料を浸漬する液浴(バッファー槽)の代わりに、アルミニウム材料に液体をスプレーするスプレー装置を設けて、スプレーする液体の温度を実施例1、2と同様に変化させてナノ構造体作製用型体を得た。
実施例5
実施例1、2において、アルミニウム材料を浸漬する液浴(バッファー槽)の代わりに、上記アルミニウム材料を気流中に存置するチャンバーを設けて、気流の温度を実施例1、2と同様に変化させてナノ構造体作製用型体を得た。
<ナノ構造体の作製>
ナノ構造体形成材料である下記に示す光硬化性組成物を、無色透明の厚さ75μmのPETフィルム上に採取、バーコーターNO.28にて、均一な膜厚になるよう塗布した。
その後、上記で得られた型体を貼り合わせ、テーパー形状部に光硬化性組成物が充填されたことを確認して、紫外線を照射して重合硬化させた。硬化後、膜を型体から剥離することで、表面に、平均高さ300nmの凸部が平均周期200nmで存在するナノ構造体を得た。ナノ構造体の厚さは、PETフィルムの厚さも含めて、85μmであった。
<光硬化性組成物の調製>
下記式(1)で示される化合物(1)11.8質量部、下記化合物(2)23.0質量部、テトラエチレングリコールジアクリレート45.2質量部、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート20.0質量部、及び、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.0質量部を配合して光硬化性組成物を得た。
上記化合物(1)は、下記の式(1)で示される化合物である。
Figure 2013112892
[式(1)中、Xは、ジペンタエリスリトール(6個の水酸基を有する)残基を示す。]
上記化合物(2)は、
2HEA−−IPDI−−(アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールとの重量平均分子量3500の末端水酸基のポリエステル)−−IPDI−−2HEA
で示される化合物である。ここで、「2HEA」は、2−ヒドロキシエチルアクリレートを示し、「IPDI」は、イソホロンジイソシアネートを示し、「−−」は、イソシアネート基と水酸基の通常の下記の反応による結合を示す。
−NCO + HO− → −NHCOO−
評価例1
<ナノ構造体作製用型体の色味ムラの評価方法>
上記実施例1ないし実施例5で得られたナノ構造体作製用型体の表面の場所による均一性を評価するために、図3に示したようにセッティングして、昼光色の蛍光灯20(500ルクス以上)を用いて、図3における[A]の方向から目視で、表面に現れる色の変化を目視で観察し、以下の基準で判定した。
<ナノ構造体作製用型体の色味ムラの判定基準>
○○○:全体に色味ムラが全くない
○○ :色味ムラがない
○ :色味ムラが殆どない
△ :一部に若干の色味ムラがあるが合格範囲
× :色味ムラがあり不合格範囲
×× :強い色味ムラがある
×××:全体に強い色味ムラがある
評価例2
<ナノ構造体のY値の標準偏差の測定方法>
上記実施例1ないし実施例5で得られたナノ構造体作製用型体の場所による均一性を評価した。
図4におよその位置を示したように、ナノ構造体作製用型体の9箇所について、賦型した際に相当する位置のナノ構造体のJIS Z 8701(制定1952年、改正1995年、確認2005年)で規定されている反射の刺激値を測定した。
反射による物体色の三刺激値は、JIS Z 8701の式(2)で表わされるが、XYZ表色系における反射による物体色の刺激値Yをナノ構造体の9箇所について求め、その9箇所の標準偏差を用いて、ナノ構造体の反射率の分布ムラ、すなわち、表面の場所による均一性を評価した。
評価例3
<ナノ構造体の色味ムラの評価方法>
上記実施例1ないし実施例5で得られたナノ構造体作製用型体を用い、上記<ナノ構造体の作製>に記載のようにして得られたナノ構造体の場所による均一性を目視で評価した。
すなわち、ナノ構造体の裏面(観察側とは反対側、ナノ構造がない側)に黒い板21を粘着フィルムで密着させた。
次いで、図5に示したように、遮光ボックス22の内部にセッティングして、昼光色の蛍光灯20(500ルクス)を用いて、図5における[B]の方向から目視で、表面に色の変化が現れる角度αを見つけ、その角度αの方向から、色味ムラを目視で観察した。評価結果は表中に記載した。
評価例4
<可視光線のヘイズ、全光線透過率>
村上色彩技術研究所製、ヘイズメーター「HM−150」を用いて、可視光線のヘイズ、及び、全光線透過率を測定した。
評価結果1
実施例1で、陽極酸化皮膜形成処理の直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、陽極酸化処理温度(陽極酸化処理電解液の温度)である5.0℃を中心に変化させて得られたナノ構造体作製用型体の評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2013112892
陽極酸化皮膜形成工程の直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、陽極酸化処理温度(陽極酸化処理電解液の温度)の±5℃の範囲に調整して得られたナノ構造体作製用型体(型体番号AD04〜AD16)では、型体の色味ムラは、「△〜○○○」であり、何れも合格範囲であったが、±6℃〜±8℃の範囲に調整して得られたナノ構造体作製用型体(型体番号AD01〜AD03、AD17〜AD19)では、型体の色味ムラは、「×〜×××」であり、何れも不合格範囲であった。
また、陽極酸化皮膜形成工程の直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、陽極酸化処理温度(陽極酸化処理電解液の温度)の±5℃の範囲に調整して得られたナノ構造体作製用型体(型体番号AD04〜AD16)を用いて得られたナノ構造体では、ナノ構造体のY値の標準偏差は十分に小さく、また、ナノ構造体の色味ムラは何れも合格範囲であったが、±6℃〜±8℃の範囲に調整して得られたナノ構造体作製用型体(型体番号AD01〜AD03、AD17〜AD19)では、ナノ構造体のY値の標準偏差は大きく、また、ナノ構造体の色味ムラは何れも不合格範囲であった。
評価結果2
実施例2で、エッチング処理の直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、エッチング処理の温度(エッチング液の温度)である50.0℃を中心に変化させて得られたナノ構造体作製用型体の評価結果を以下の表2に示す。
Figure 2013112892
陽極酸化皮膜形成工程の直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、エッチング処理温度(エッチング液の温度)の±5℃の範囲に調整して得られたナノ構造体作製用型体(型体番号ET04〜ET16)では、型体の色味ムラは、「△〜○○○」であり、何れも合格範囲であったが、±6℃〜±8℃の範囲に調整して得られたナノ構造体作製用型体(型体番号ET01〜ET03、ET17〜ET19)では、型体の色味ムラは、「×〜×××」であり、何れも不合格範囲であった。
また、陽極酸化皮膜形成工程の直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、エッチング処理温度(エッチング液の温度)の±5℃の範囲に調整して得られたナノ構造体作製用型体(型体番号ET04〜ET16)を用いて得られたナノ構造体では、ナノ構造体のY値の標準偏差は十分に小さく、また、ナノ構造体の色味ムラは何れも合格範囲であったが、±6℃〜±8℃の範囲に調整して得られたナノ構造体作製用型体(型体番号ET01〜ET03、ET17〜ET19)では、ナノ構造体のY値の標準偏差は大きく、また、ナノ構造体の色味ムラは何れも不合格範囲であった。
評価結果3
実施例3で得られたナノ構造体作製用型体及びそれから得られたナノ構造体は、表1のAD10と同一の結果が得られた。
これより、陽極酸化皮膜形成工程の直前のアルミニウム材料の処理面の温度を、陽極酸化処理電解液に通電しない状態で浸漬することによって調整してもよいことが分かった。
バッファー槽の代わりに陽極酸化処理電解液槽自体を用いることも可能であることが分かった。
また、実施例4及び実施例5で得られたナノ構造体作製用型体は、温度差が同一であれば、表1及び表2の結果と同一の結果が得られた。
これより、アルミニウム材料に液体をスプレーするスプレー装置を設けて、スプレーする液体の温度を所定の範囲に調整しても、アルミニウム材料を気流中に存置するチャンバーを設けて、気流の温度を所定の範囲に調整しても、何れも可能であることが分かった。
評価結果4
AD10の全光線透過率は95.9%、ヘイズは0.6で、AD01〜09、AD11〜19も同等だった。
評価結果5
上記実施例で得られたナノ構造体作製用型体の、表面硬度、耐久性等の基本性能は、何れも優れたものであった。
また、上記実施例で得られたナノ構造体作製用型体を用いて得られたナノ構造体の、反射率、ヘイズ等の基本性能は、何れも優れたものであった。
本発明のナノ構造体作製用型体は分布ムラがないので、それを転写して分布ムラのない「光の反射防止用及び/又は光の透過改良用であるナノ構造体」を製造するために利用できる。
そして、得られたナノ構造体は、反射率、透過率等の光学的物性のみならず、斜めから見たときの色ムラ等が抑制され外観的にも良好であるため、優れた視認性を確保するために反射防止性能等を必要とする、LCD、PDP等のFPD;陳列棚、額等の前面板;標本箱等の蓋板;窓、戸等の建築材料;オブジェ等の構造体の表面;等、反射の抑制等が必要になる用途・分野に広く好適に利用されるものである。
1 ナノ構造体作製用型体
11 ナノ構造体形成材料
13 基材
14 ローラー
15 ナノ構造体
16 硬化装置
17 支持ローラー
20 蛍光灯
21 黒い板
22 遮光ボックス

Claims (14)

  1. アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する陽極酸化皮膜形成工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理するエッチング工程のふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状を有するテーパー形状層を形成するナノ構造体作製用型体の製造方法であって、該陽極酸化皮膜形成工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する工程を含むことを特徴とするナノ構造体作製用型体の製造方法。
  2. 上記陽極酸化皮膜形成工程の直前に、上記アルミニウム材料を液浴に浸漬する、上記アルミニウム材料に液体をスプレーする、又は、上記アルミニウム材料を気流中に存置することによって、該アルミニウム材料の処理面の温度を、陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する請求項1に記載のナノ構造体作製用型体の製造方法。
  3. 上記アルミニウム材料を浸漬する液浴の温度、上記アルミニウム材料にスプレーする液体の温度、又は、上記アルミニウム材料を気流中に存置する該気流の温度を、上記陽極酸化皮膜形成工程で用いる陽極酸化処理電解液の±5℃の範囲に調整する請求項2に記載のナノ構造体作製用型体の製造方法。
  4. 上記陽極酸化皮膜形成工程の直前に、上記アルミニウム材料を、上記陽極酸化皮膜形成工程で用いる陽極酸化処理電解液に通電しない状態で浸漬することによって、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する請求項1に記載のナノ構造体作製用型体の製造方法。
  5. アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する陽極酸化皮膜形成工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理するエッチング工程のふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状を有するテーパー形状層を形成するナノ構造体作製用型体の製造方法であって、該エッチング工程の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する工程を含むことを特徴とするナノ構造体作製用型体の製造方法。
  6. 上記エッチング工程の直前に、上記アルミニウム材料を液浴に浸漬する、上記アルミニウム材料に液体をスプレーする、又は、上記アルミニウム材料を気流中に存置することによって、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する請求項5に記載のナノ構造体作製用型体の製造方法。
  7. 上記アルミニウム材料を浸漬する液浴の温度、上記アルミニウム材料にスプレーする液体の温度、又は、上記アルミニウム材料を気流中に存置する該気流の温度を、上記エッチング工程で用いるエッチング液の±5℃の範囲に調整する請求項6に記載のナノ構造体作製用型体の製造方法。
  8. アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する陽極酸化皮膜形成工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理するエッチング工程のふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状を有するテーパー形状層を形成するための、陽極酸化皮膜形成手段及びエッチング手段を少なくとも有する、ナノ構造体作製用型体の製造装置であって、該陽極酸化皮膜形成手段の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する手段を有することを特徴とするナノ構造体作製用型体の製造装置。
  9. 上記アルミニウム材料の処理面の温度を該陽極酸化処理温度の±5℃の範囲に調整する手段が、上記アルミニウム材料を浸漬する液浴、上記アルミニウム材料に液体をスプレーするスプレー装置、又は、上記アルミニウム材料を気流中に存置するチャンバーである請求項8に記載のナノ構造体作製用型体の製造装置。
  10. アルミニウム材料の表面に、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で、テーパー形状を有するポアを形成するように、該アルミニウム材料の表面を陽極酸化処理する陽極酸化皮膜形成工程と該陽極酸化皮膜をエッチング処理するエッチング工程のふたつの工程を繰り返し行って、テーパー形状を有するテーパー形状層を形成するための、陽極酸化皮膜形成手段及びエッチング手段を少なくとも有する、ナノ構造体作製用型体の製造装置であって、該エッチング手段の直前に、該アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する手段を有することを特徴とするナノ構造体作製用型体の製造装置。
  11. 上記アルミニウム材料の処理面の温度を、該エッチング処理温度の±5℃の範囲に調整する手段が、上記アルミニウム材料を浸漬する液浴、上記アルミニウム材料に液体をスプレーするスプレー装置、又は、上記アルミニウム材料を気流中に存置するチャンバーである請求項10に記載のナノ構造体作製用型体の製造装置。
  12. 請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載のナノ構造体作製用型体の製造方法を使用して製造されたものであることを特徴とするナノ構造体作製用型体。
  13. 請求項12に記載のナノ構造体作製用型体に、ナノ構造体形成材料を埋め込んだ後に、該ナノ構造体形成材料又は該ナノ構造体形成材料が硬化した材料を、該ナノ構造体作製用型体から剥離してなることを特徴とするナノ構造体。
  14. 光の反射防止用及び/又は光の透過改良用である請求項13に記載のナノ構造体。
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