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JP2013104360A - 回転式圧縮機 - Google Patents

回転式圧縮機 Download PDF

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JP2013104360A
JP2013104360A JP2011248935A JP2011248935A JP2013104360A JP 2013104360 A JP2013104360 A JP 2013104360A JP 2011248935 A JP2011248935 A JP 2011248935A JP 2011248935 A JP2011248935 A JP 2011248935A JP 2013104360 A JP2013104360 A JP 2013104360A
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JP2011248935A
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Naoto Tomioka
直人 富岡
Takehiro Kanayama
武弘 金山
Koki Kamiishida
弘毅 上石田
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】回転式圧縮機において、スラスト軸受の摺動面における摺動損失及び摩耗を十分に低減する。
【解決手段】回転式圧縮機では、偏心部の下端面にリアヘッド(35)の上端面と摺接するスラスト軸受面が形成されている。リアヘッド(35)の上端面における駆動軸が挿通される孔部の周辺部には、駆動軸の軸心Oからブレードに向かう角度を0度として該0度から該駆動軸の回転方向に角度が増大するとした場合に、シリンダ(34)の内周面とピストン(50)の外周面との間の隙間が最小となる最小隙間角度以上360度未満の第1領域に重ならない第2領域の少なくとも一部であって90度を含む所定の角度範囲に、周方向に延びて内周縁部に弾性軸受を形成する円弧溝(61)を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転式圧縮機に関し、特にスラスト軸受面の焼き付き対策に係るものである。
従来からシリンダと、該シリンダ内に配置されて駆動軸の偏心部に外嵌されたピストンと、シリンダの軸方向の端部を閉塞する端板とを有し、シリンダ内においてピストンが偏心回転することによって流体が圧縮される回転式圧縮機が知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。
上記回転式圧縮機では、偏心部の下端面にリアヘッドの上端面と摺接するスラスト軸受面が形成され、該スラスト軸受面とリアヘッドの上端面とがスラスト軸受の摺動面を構成している。また、スラスト軸受の摺動面間には潤滑油が供給され、該潤滑油によって摺動面を冷却することによって該摺動面の焼き付きを抑制することとしている。
ところで、上述のような構成の回転式圧縮機では、圧縮室の内圧がピストンを介して駆動軸の偏心部に作用する。そのため、高負荷運転等の圧縮室の内圧が比較的高い際には駆動軸が大きく撓むおそれがあった。駆動軸が撓むと、リアヘッドの上端面と内周面とによって形成される角部が駆動軸の主軸部に摺接する所謂角当たりが生じてしまう。角当たりが生じると、接触面圧が増大して、リアヘッドの軸受部における摺動損失及び摩耗が増大し、回転式圧縮機の運転効率及び信頼性の低下を招いてしまう。
そこで、上記回転式圧縮機では、リアヘッドの上端面に環状溝を形成して駆動軸を弾性的に支持する所謂弾性軸受を構成することによって、角当たりによる接触面圧の増大を抑制するようにしている。
実公昭64−36692号公報
しかしながら、上述のようにリアヘッドの上端面に環状溝を設けると、偏心部のスラスト軸受面とリアヘッドの上端面との間の隙間に供給される潤滑油が上記環状溝に流入して減圧され、該潤滑油に溶け込んでいたガス流体が潤滑油から分離されてしまう。潤滑油から分離されたガス流体は潤滑油に比べて比重が軽いため、環状溝の上部に至り、やがてスラスト軸受の摺動面間に流入して摺動面の冷却を阻害してしまう。このように潤滑油から分離されたガス流体によってスラスト軸受の摺動面の潤滑油による冷却が阻害されると、スラスト軸受の摺動面の高圧室側では高温で厳しい摺動となるため、焼き付きが十分に抑制されないという問題があった。その結果、スラスト軸受の摺動面の面圧が増大して摺動損失及び摩耗が増大し、回転式圧縮機の運転効率及び信頼性の低下を招いていた。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転式圧縮機において、スラスト軸受の摺動面における摺動損失及び摩耗を十分に低減することにある。
第1の発明は、偏心部(26)が形成されて上下に延びる駆動軸(23)を有する駆動機構(20)と、上記偏心部(26)の外周を覆って筒状のシリンダ室(C2)を形成するシリンダ(34)と、上記シリンダ室(C2)内に配置されて上記偏心部(26)に外嵌されたピストン(50)と、該ピストン(50)の径方向に延びて上記シリンダ室(C2)を低圧室(C21)と高圧室(C22)とに仕切るブレード(51)と、上記シリンダ(34)の上端を閉塞する上端板(33)と、上記シリンダ(34)の下端を閉塞する下端板(35)とを有する圧縮機構(30)とを備え、上記偏心部(26)の下端面に上記下端板(35)の上端面と摺接するスラスト軸受面(26a)が形成された回転式圧縮機であって、上記下端板(35)の上端面における上記駆動軸(23)が挿通される孔部の周辺部には、上記駆動軸(23)の軸心から上記ブレード(51)に向かう角度を0度として該0度から該駆動軸(23)の回転方向に角度が増大するとした場合に、上記シリンダ(34)の内周面と上記ピストン(50)の外周面との間の隙間が最小となる最小隙間角度以上360度未満の第1領域に重ならない第2領域の少なくとも一部であって90度を含む所定の角度範囲に、周方向に延びて内周縁部に弾性軸受を形成する円弧溝(61)が形成されている。
第1の発明では、駆動軸(23)が回転すると、偏心部(26)に外嵌されたピストン(50)がシリンダ室(C2)内において偏心回転する。これにより、低圧室(C21)及び高圧室(C22)の形状が変化し、低圧室(C21)には流体が吸入される一方、高圧室(C22)では流体が圧縮される。ところで、ピストン(50)がシリンダ室(C2)の最も下側(ブレード(51)と逆側)の位置(下死点)にある際に、ピストン(50)を介して偏心部(26)に加わる高圧室(C22)の内圧が作用する受圧面の面積が最大となり、駆動軸(23)に加わる荷重が最大になる。このとき、軸心からブレード(51)に向かう角度を0度として駆動軸(23)の回転方向に角度が増大するとした場合に、ピストン(50)の外周面の180度〜360度の範囲が受圧面となり、駆動軸(23)に加わる荷重の方向は90度の方向となる。
第1の発明では、下端板(35)の上端面における駆動軸(23)が挿通される孔部の周辺部には、90度を含む所定の角度範囲に周方向に延びて内周縁部に弾性軸受を形成する円弧溝(61)が形成されている。つまり、駆動軸(23)に加わる荷重が最大となるピストン(50)の下死点において駆動軸(23)に荷重が加わる方向に弾性軸受が設けられている。そのため、駆動軸(23)は流体圧による荷重が最大の位置において、弾性軸受によって弾性的に支持されることとなる。その結果、駆動軸(23)の撓みによる角当たりが回避される。
ところで、上述のような回転式圧縮機では、通常、吐出開始直前の高圧室(C22)が最大圧力となる回転角度付近においてシリンダ(34)の内周面とピストン(50)の外周面との間の隙間(以下、CP隙間と称する)が最小となるように設計されている(例えば、特許第4019620号公報参照)。これは、吐出開始直前の最高圧力時における高圧室(C22)から低圧室(C21)への流体の漏れを抑制するためである。つまり、駆動軸(23)の回転角度が、CP隙間が最小となる最小隙間角度以上且つ吐出が完了する360度未満である際には、高圧室(C22)の圧力及び温度が最も高くなっている。そのため、スラスト軸受の摺動面の最小隙間角度以上360度未満の第1領域では、摺動が厳しくなり、焼き付きのおそれが上記第1領域に重ならない第2の領域よりも各段に大きくなる。
第1の発明では、円弧溝(61)は、下端板(35)の上端面におけるCP隙間が最小となるときの駆動軸(23)の回転角度である最小隙間角度以上360度未満の第1領域に重ならない第2領域の少なくとも一部に形成されている。つまり、上記円弧溝(61)は、焼き付きのおそれが他の箇所よりも各段に高い第1領域には形成されていない。そのため、上記回転式圧縮機では、他の箇所よりも高温で焼き付きが生じ易い第1領域が潤滑油によって十分に冷却される。
第2の発明は、第1の発明において、上記円弧溝(61)は、上記下端板(35)の上端面における0度以上180度以下の角度範囲に形成されている。
第2の発明では、下端板(35)の上端面における0度以上180度以下の角度範囲に円弧溝が設けられている。ここで、スラスト軸受の摺動面における0度以上180度以下の領域は、180度から360度までの間の領域と比較すると、吸入側に位置するために温度が低く、摺動による焼き付きが生じるおそれが低いため、潤滑油による冷却の必要性が低い。一方、下端板(35)の0度以上180度以下の領域は、高圧室(C22)の内圧が比較的高くなる際(駆動軸(23)の回転角度が180〜360度の際)に、高圧室(C22)の高い内圧によって駆動軸(23)に加わる荷重を受け止める箇所となる。そのため、上述のように下端板(35)の上端面における0度以上180度以下の角度範囲に円弧溝(61)を形成して弾性軸受を構成することによって、駆動軸(23)が大きく撓んだとしても角当たりが回避される一方、円弧溝(61)において潤滑油から分離されたガス流体がスラスト軸受の摺動面の円弧溝(61)の外周側に流入して潤滑油による冷却が阻害されたとしても焼き付きが生じるおそれがない。
第3の発明は、第2の発明において、上記下端板(35)の360度未満の角度位置であって360度付近には、上記高圧室(C22)において圧縮された流体を吐出するための吐出ポート(56)が形成されると共に、該吐出ポート(56)の出口には該吐出ポート(56)を開閉する吐出弁(57)が設けられ、上記円弧溝(61)は、上記下端板(35)の上端面における50度以上180度以下の角度範囲に形成されている。
第3の発明では、高圧室(C22)の流体が昇圧されて吐出弁(57)が開くと、吐出ポート(56)を介して高圧室(C22)の圧縮流体が吐出される。このとき、吐出ポート(56)の容積分は流体が吐出されずに残るため、死容積となる。そのため、通常、下端板(35)の吐出ポート(56)付近(0度付近)の領域は、厚みを可能な限り薄くして死容積を低減することとしているが、このような領域に円弧溝(61)を形成すると、さらに厚みが薄くなって強度を確保することができなくなるおそれがある。しかしながら、上記構成では、下端板(35)の上端面における50度以上180度以下の角度範囲に円弧溝(61)が設けられている。つまり、下端板(35)の吐出ポート(56)からある程度離れた角度位置に円弧溝(61)が設けられている。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記駆動軸(23)は、上記偏心部(26)の上方に上側偏心部(25)をさらに備え、上記圧縮機構(30)は、上記上側偏心部(25)の外周を覆って筒状の上側シリンダ室(C1)を形成する上側シリンダ(32)と、該上側シリンダ室(C1)内に配置されて上記上側偏心部(25)に外嵌された上側ピストン(40)と、該上側ピストン(40)の径方向に延びて上記上側シリンダ室(C1)を低圧室(C11)と高圧室(C12)とに仕切る上側ブレード(41)と、上記上側シリンダ(32)の上端を閉塞する最上端板(31)とをさらに備え、上記上側シリンダ(32)の下端は上記上端板(33)によって閉塞されている。
第4の発明では、圧縮機構(30)が2つのシリンダ室(C1,C2)を有する所謂2気筒の圧縮機構に構成されている。このような2気筒の圧縮機構では、1気筒の圧縮機構に比べて軸方向の長さが長くなるため、主軸受と副軸受間の距離も長くなる。その結果、高圧室(C22)の内圧による駆動軸(23)の撓みが1気筒の圧縮機構に比べて大きくなり、所謂角当たりが起こり易い。しかしながら、上記構成では、ピストン(50)が下死点にある際に駆動軸(23)に加わる荷重が最大となるが、その際に駆動軸(23)に荷重が加わる方向に弾性軸受が設けられている。そのため、駆動軸(23)は流体圧による荷重が最大の位置において、弾性軸受によって弾性的に支持されることとなり、下端板(35)の上端面と内周面とによって形成される角部が駆動軸(23)の主軸部に摺接する所謂角当たりが回避される。
第1の発明によれば、下端板(35)の駆動軸(23)を支持する軸受部(駆動軸(23)が挿通される孔部の周辺部)のうちの90度を含む所定の角度範囲の部分を、弾性軸受に構成した。つまり、駆動軸(23)に加わる荷重が最大となるピストンの下死点において駆動軸(23)に荷重が加わる方向に弾性軸受を設けたため、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重が最大となる回転角度において、弾性軸受によって駆動軸(23)を弾性的に支持することができる。従って、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重と共に駆動軸(23)の撓みが増大しても、下端板(35)の上端面と内周面とによって形成される角部が駆動軸(23)の主軸部に摺接する所謂角当たりを抑制することができる。その結果、角当たりによる接触面圧の増大を抑制でき、下端板(35)の軸受部における摺動損失及び摩耗の増大を抑制することができる。
また、第1の発明によれば、下端板(35)の上端面における駆動軸(23)が挿通される孔部の周辺部の全周に溝を設けるのではなく、最小隙間角度以上360度未満の第1領域に重ならない第2領域の少なくとも一部であって90度を含む所定の角度範囲に円弧溝(61)を形成して部分的に弾性軸受を構成することとした。つまり、円弧溝(61)は、下端板(35)の上端面において焼き付きのおそれが他の箇所よりも各段に高い最小隙間角度以上360度未満の第1領域には形成されていない。そのため、スラスト軸受の摺動面の焼き付きのおそれが高い第1領域に潤滑油から分離されたガス流体が流入することを防止することができる。従って、スラスト軸受の摺動面を潤滑油によって十分に冷却して焼き付きを防止することができる。
つまり、第1の発明によれば、下端板(35)の上端面において角当たりのおそれが他の箇所よりも各段に高い90度を含む所定の角度範囲には弾性軸受を形成する円弧溝(61)を形成する一方、焼き付きのおそれが他の箇所(第2領域)よりも各段に高い箇所(第1領域)には弾性軸受を形成する円弧溝(61)を形成しないこととすることで、角当たりによる下端板(35)の軸受部の焼き付きとスラスト軸受の摺動面における焼き付きとを抑制することができる。従って、下端板(35)の軸受部及びスラスト軸受における摺動損失及び摩耗の増大を抑制することができる。
また、第2の発明によれば、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重と共に駆動軸(23)の撓みが増大しても、下端板(35)の上端面と内周面とによって形成される角部が駆動軸(23)の主軸部に摺接する所謂角当たりを抑制することができる。また、円弧溝(61)がスラスト軸受の摺動面における比較的潤滑油による冷却の必要性が低い箇所に形成されている。そのため、円弧溝(61)において潤滑油に溶け込んでいたガス流体が分離されて摺動面に流入して該摺動面の潤滑油による冷却性能が低下したとしても、摺動面が焼き付くおそれが低い。従って、下端板(35)の軸受部及びスラスト軸受における摺動損失及び摩耗の増大を抑制することができる。
また、第3の発明によれば、下端板(35)の吐出ポート(56)からある程度離れた角度位置に円弧溝(61)を形成したため、下端板(35)の吐出ポート(56)付近の強度を確保することができる。
また、第4の発明によれば、高圧室(C12,C22)の内圧による駆動軸(23)の撓みが大きくなり易い所謂2気筒の圧縮機構(30)を備えた回転式圧縮機において、駆動軸(23)に加わる荷重が最大となるピストン(50)の下死点において駆動軸(23)に荷重が加わる方向に弾性軸受を設けたため、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重が最大となる回転角度において、弾性軸受によって駆動軸(23)を弾性的に支持することができる。従って、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重と共に駆動軸(23)の撓みが増大しても、下端板(35)の上端面と内周面とによって形成される角部が駆動軸(23)の主軸部に摺接する所謂角当たりを抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る圧縮機の縦断面図である。 図2は、図1のII−II断面図である。 図3は、図1の圧縮機の圧縮機構の横断面図である。 図4は、図1の圧縮機のリアヘッドの平面図である。 図5は、本発明の実施形態2に係る圧縮機のリアヘッドの平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係る回転式圧縮機(10)は、例えば空気調和装置の冷媒回路に設けられ、蒸発器から吸入した冷媒を圧縮して放熱器へ吐出する。図1に示すように、回転式圧縮機(10)は、ケーシング(11)と電動機(20)と圧縮機構(30)とを備えている。
上記ケーシング(11)は、円筒状の胴部(12)と、該胴部(12)の上端側を閉塞する上部鏡板(13)と、該胴部(12)の下端側を閉塞する下部鏡板(14)とを備えている。上記胴部(12)には、該胴部(12)の下側部分を貫通して第1吸入管(15a)及び第2吸入管(15b)が取り付けられている。また、上部鏡板(13)の上側部分には、該鏡板(13)を貫通するように吐出管(16)が取り付けられている。ケーシング(11)には、上記電動機(20)及び圧縮機構(30)が収容されている。また、下部鏡板(14)の底部には、上記圧縮機構(30)の摺動部を潤滑する潤滑油が貯留される油溜まり(17)が形成されている。
上記電動機(20)は、円筒状のステータ(21)と円筒状のロータ(22)と駆動軸(23)とを備えている。ステータ(21)は上記ケーシング(11)の胴部(12)に固定されている。一方、ロータ(22)は、ステータ(21)の中空部に配置されている。ロータ(22)の中空部には、該ロータ(22)を貫通するように駆動軸(23)が固定されている。
上記駆動軸(23)は、上下に延びる主軸部(24)と、該主軸部(24)の下端寄りに該主軸部(24)と一体に形成された2つの偏心部(25,26)とを有している。該2つの偏心部(25,26)は、上方の上側偏心部(25)と該上側偏心部(25)の下方に設けられた下側偏心部(26)とによって構成され、いずれも主軸部(24)よりも大径に形成されている。上側偏心部(25)及び下側偏心部(26)は、それぞれの軸心が主軸部(24)の軸心に対して所定距離だけ偏心している。なお、本実施形態1では、上側偏心部(25)と下側偏心部(26)の主軸部(24)に対する偏心方向は180度ずれている。また、下側偏心部(26)の下端面には、後述するリアヘッド(35)の上端面と摺接するスラスト軸受面(26a)が形成されている。スラスト軸受面(26a)は、図2に示すように、下側偏心部(26)の下端面のその他の部分よりも下方に位置するように下方に突出する突出部の端面によって構成されている。
図1に示すように、駆動軸(23)の下端には、油溜まり(18)に浸漬する遠心ポンプ(27)が設けられている。駆動軸(23)の内部には、遠心ポンプ(27)が汲み上げた潤滑油が流通する給油通路(油通路)(70)が軸方向に形成されている。給油通路(70)には、第1〜第5通路(70a〜70e)が接続されている。第1〜第5通路(70a〜70e)は、それぞれ駆動軸(23)の径方向に延び、それぞれの流出端が駆動軸(23)の外周面において開口している。第1通路(70a)は、給油通路(70)の内部で発泡した冷媒ガスを排出するための排ガス通路であり、第2〜第5通路(70b〜70e)は、給油通路(70)に汲み上げられた潤滑油を流出させるための油流出通路である。
具体的には、第1通路(70a)は、駆動軸(23)の圧縮機構(30)の上端の上側近傍に形成されている。第2通路(70b)は、駆動軸(23)の上側偏心部(25)の上側近傍に形成され、第3通路(70c)は、上側偏心部(25)の内部に形成されている。第4通路(70d)は、下側偏心部(26)の内部に形成され、第5通路(70e)は、駆動軸(23)の下側偏心部(26)の下側近傍に形成されている。上側偏心部(25)に形成された第3通路(70c)と下側偏心部(26)に形成された第4通路(70d)とは、各偏心部(25,26)の偏心方向に対して120°位相がずれ、且つ互いに180°位相がずれる方向に延びている。
駆動軸(23)の外周面には、第1及び第2縦溝(71,72)が形成されている。第1縦溝(71)は、駆動軸(23)の上側偏心部(25)の外周面において軸方向に延び、上記第3通路(70c)の流出端が開口している。第1縦溝(71)は、上側偏心部(25)の上端面の潤滑油を下端面と後述するミドルプレート(33)の上端面との間に導く。第2縦溝(72)は、駆動軸(23)の下側偏心部(26)の外周面において軸方向に延び、上記第4通路(70d)の流出端が開口している。第2縦溝(72)は、下側偏心部(26)の上端面の潤滑油を下端面と後述するリアヘッド(35)の上端面(35b)との間に導く。
また、駆動軸(23)の外周面には、第1及び第2環状溝(73,74)が形成されている。第1環状溝(73)は、駆動軸(23)の上側偏心部(25)の上側近傍の外周面において周方向に延び、上記第2通路(70b)の流出端が開口している。第1環状溝(73)は、第2通路(70b)から流出した潤滑油を周方向に導いて上側偏心部(25)の上端面と後述するフロントヘッド(31)の下端面との間に流入させる。第2環状溝(74)は、駆動軸(23)の下側偏心部(26)の下側近傍の外周面において周方向に延び、上記第5通路(70e)の流出端が開口している。第2環状溝(74)は、第5通路(70e)から流出した潤滑油を周方向に導いて下側偏心部(26)の下端面と後述するリアヘッド(35)の上端面との間に流入させる。
このような構成により、上記駆動軸(23)の回転に伴って上記遠心ポンプ(27)によって上記油溜まり(17)の潤滑油が給油通路(70)へ汲み上げられる。給油通路(70)に汲み上げられた潤滑油は、第2〜第5通路(70b〜70e)のそれぞれから流出し、第1及び第2縦溝(71,72)や第1及び第2環状溝(73,74)を介して圧縮機構(30)の摺動部に流れて該摺動部を潤滑及び冷却する。
上記圧縮機構(30)は、環状に形成されたフロントヘッド(31)、上側シリンダ(32)、ミドルプレート(33)、下側シリンダ(34)及びリアヘッド(35)を有している。これらの環状部材(31〜35)は、上側から下側に向かって順に積層され、軸方向に延びる複数のボルトによって締結されている。上記駆動軸(23)は、上記環状部材(31〜35)を上下に貫通している。
上記上側シリンダ(32)及び下側シリンダ(34)は、それぞれ肉厚の円筒部材によって構成されている。一方、フロントヘッド(31)、ミドルプレート(33)及びリアヘッド(35)は、肉厚の円板部材によって構成され、それぞれ中心部に上述した駆動軸(23)が挿通される孔部が形成されている。上記フロントヘッド(31)及びリアヘッド(35)における孔部を形成する内周縁部は、それぞれ上記駆動軸(23)の主軸部(24)を回転自在に支持する滑り軸受部(31a,35a)を構成している。なお、実施形態1では、フロントヘッド(31)が主軸受を構成し、リアヘッド(35)が副軸受を構成している。
上側シリンダ(32)は、上端がフロントヘッド(31)によって閉塞される一方、下端がミドルプレート(33)によって閉塞され、内部の閉空間が上側シリンダ室(C1)を構成している。該上側シリンダ室(C1)内には、上記駆動軸(23)の上側偏心部(25)に摺動自在に外嵌された上側ピストン(40)が収容されている。図3に示すように、上側ピストン(40)の外周面には、該外周面から径方向外側へ延びる上側ブレード(41)が一体に形成されている。上側シリンダ室(C1)は、上側ブレード(41)によって第1吸入管(15a)に連通する低圧室(C11)と後述する上側吐出ポート(46)が開口する高圧室(C12)とに仕切られている。
なお、図3は、圧縮機構(30)の上側シリンダ室(C1)付近の横断面図であるが、下側シリンダ室(C2)付近の横断面の構成も上側シリンダ室(C1)付近の横断面の構成とほぼ同様であるため、下側シリンダ室(C2)における各構成部材の符号を括弧内に記載して図示を省略している。
一方、下側シリンダ(34)は、図1に示すように、上端がミドルプレート(33)によって閉塞される一方、下端がリアヘッド(35)によって閉塞され、内部の閉空間が下側シリンダ室(C2)を構成している。該下側シリンダ室(C2)内には、上記駆動軸(23)の下側偏心部(26)に摺動自在に外嵌された下側ピストン(50)が収容されている。図3に示すように、下側ピストン(50)の外周面には、該外周面から径方向外側へ延びる下側ブレード(51)が一体に形成されている。下側シリンダ室(C2)は、下側ブレード(51)によって第2吸入管(15b)に連通する低圧室(C21)と後述する下側吐出ポート(56)が開口する高圧室(C22)とに仕切られている。
また、本実施形態1では、下側シリンダ(34)及び下側ピストン(50)は、下側シリンダ(34)の内周面と下側ピストン(50)との隙間(以下、単に「CP隙間」と称する)が、吐出開始直前の高圧室(C22)が最大圧力となる回転角度付近において最小となるように設計されている。具体的には、本実施形態1では、上記CP隙間が最小となる角度位置を最小隙間角度θとすると、該最小隙間角度θが270度となるように下側シリンダ(34)及び下側ピストン(50)とが設計されている。これは、吐出開始直前の最高圧力時における高圧室(C22)から低圧室(C21)への冷媒の漏れを抑制するためである。
図3に示すように、上側シリンダ(32)には、平面視で円形の溝が形成されている。該円形溝は、一対のブッシュ(43,43)を収容するブッシュ溝(42)に構成されている。該ブッシュ溝(42)には、平面視で半月状に形成された一対のブッシュ(43,43)が上側ブレード(41)を挟むような状態で内嵌されている。一方、下側シリンダ(34)にも、上側シリンダ(32)と同様に、平面視で円形の溝が形成されている。該円形溝は、一対のブッシュ(53,53)を収容するブッシュ溝(52)に構成されている。該ブッシュ溝(52)には、平面視で半月状に形成された一対のブッシュ(53,53)が下側ブレード(51)を挟むような状態で内嵌されている。
また、上側シリンダ(32)には、内周面と外周面との間を径方向へ貫通する吸入貫通路(44)が形成されている。該吸入貫通路(44)に、第1吸入管(15a)の端部が挿入されている(図1参照)。一方、下側シリンダ(34)には、内周面と外周面との間を径方向へ貫通する吸入貫通路(54)が形成されている。該吸入貫通路(54)には、第2吸入管(15b)の端部が挿入されている。
図1に示すように、上記フロントヘッド(31)の上面には、上方に向かって開口する凹部が形成され、該凹部は内側カバー(36)によって覆われている。また、該内側カバー(36)の上面は、外側カバー(37)によって覆われている。上記凹部が形成されたフロントヘッド(31)の上面と内側カバー(36)との間には内側吐出空間(81)が形成される一方、内側カバー(36)と外側カバー(37)との間には外側吐出空間(82)が形成されている。
上記フロントヘッド(31)には、上下方向に貫通して内側吐出空間(81)と上側シリンダ室(C1)の高圧室(C12)とを連通する上側吐出ポート(46)が形成されている。また、フロントヘッド(31)には、上側吐出ポート(46)を開閉するための吐出弁(47)が取り付けられている。該吐出弁(47)が開閉することによって上側吐出ポート(46)は、上側シリンダ(32)の内部に形成される高圧室(C12)に間欠的に連通する。さらに、内側カバー(36)には、内側吐出空間(81)と外側吐出空間(82)とを連通する貫通孔(図示省略)が形成され、外側カバー(37)には、外側吐出空間(82)とケーシング(11)の内部空間とを連通する貫通孔(図示省略)が形成されている。
上記リアヘッド(35)の下面には、周方向に延びて下方に向かって開口する凹部が形成され、該凹部は閉塞板(38)によって覆われ、内部に閉空間が形成されている。該閉空間は、下側吐出空間(83)を構成している。該下側吐出空間(83)は、リアヘッド(35)、下側シリンダ(34)、ミドルプレート(33)、上側シリンダ(32)及びフロントヘッド(31)を貫通する冷媒貫通孔(84)を介してフロントヘッド(31)と内側カバー(36)との間に形成された内側吐出空間(81)と連通している。
上記リアヘッド(35)には、上下方向に貫通して下側吐出空間(83)と下側シリンダ室(C2)における高圧室(C22)とを連通する下側吐出ポート(56)が形成されている。また、リアヘッド(35)には、下側吐出ポート(56)を開閉するための吐出弁(57)が取り付けられている。該吐出弁(57)が開閉することによって下側吐出ポート(56)は、下側シリンダ(34)の内部に形成される高圧室(C22)に間欠的に連通する。さらに、リアヘッド(35)の上記吐出弁(57)が取り付けられる周辺部分は他の部分よりも薄肉に形成されている。
ここで、上述のように、リアヘッド(35)の孔部を形成する内周縁部は、駆動軸(23)の主軸部(24)の下端部を回転自在に支持する滑り軸受部(35a)に構成されている。また、図4に示すように、リアヘッド(35)には、上端面における駆動軸(23)が挿通される孔部の周辺部に平面視において円弧状の溝部(61)が形成されている。
上記溝部(61)は、駆動軸(23)の軸心Oから下側ブレード(51)に向かう角度位置を0度として駆動軸(23)の軸心O回りに該駆動軸(23)の回転方向(図4の矢印方向)に角度が増大するとした場合に、90度の角度位置を含む所定の角度範囲に周方向に延びるように形成されている。より具体的には、上記溝部(61)は、リアヘッド(35)の上端面において50度以上180度以下の角度範囲に形成されている。また、言い換えると、上記溝部(61)は、リアヘッド(35)の上端面における最小隙間角度θ(270度)以上360度未満の第1領域に重ならない第2領域(0度以上270度未満の領域)の一部の角度範囲に形成されている。
リアヘッド(35)の上端面に上述のような円弧状の溝部(61)を形成することにより、リアヘッド(35)の駆動軸(23)の主軸部(24)の下端部を支持する滑り軸受部(35a)のうちの上記溝部(61)の内側の部分が、駆動軸(23)を弾性的に支持する所謂弾性軸受に構成される。つまり、駆動軸(23)の主軸部(24)の下端部に溝部(61)方向に荷重が加えられた場合に、滑り軸受部(35a)の上記溝部(61)の内側の部分が撓んで溝部(61)内に陥入することによって、駆動軸(23)が弾性的に支持される。
なお、上記下側吐出ポート(56)は、リアヘッド(35)の360度未満の角度位置であって360度付近に形成されている。つまり、上記溝部(61)は、リアヘッド(35)の下側吐出ポート(56)からある程度離れた角度位置に設けられている。
−運転動作−
上記回転式圧縮機(10)では、上記電動機(20)が起動されて駆動軸(23)が回転に伴って、各偏心部(25,26)に外嵌された各ピストン(40,50)が各シリンダ室(C1,C2)内において偏心回転する。これにより、各ピストン(40,50)と各シリンダ室(C1,C2)の低圧室(C11,C21)と高圧室(C12,C22)との容積が周期的に変動し、該高圧室(C12,C22)において冷媒の吸入動作、圧縮動作及び吐出動作が連続的に行われる。
上記各吸入管(15a,15b)から上記各シリンダ室(C1,C2)の低圧室(C11,C21)へ吸入された冷媒は、各シリンダ室(C1,C2)の高圧室(C12,C22)で圧縮された後、各吐出ポート(46,56)から吐出される。上側吐出ポート(46)から吐出された冷媒は、上記内側吐出空間(81)へ流入する。一方、上記下側吐出ポート(56)から下側吐出空間(83)に吐出された冷媒は、冷媒貫通孔(84)を介して内側吐出空間(81)に流入し、該内側吐出空間(81)において上側シリンダ室(C1)から吐出された冷媒と合流する。内側吐出空間(81)において合流した上側シリンダ室(C1)と下側シリンダ室(C2)の吐出冷媒は、内側カバー(36)に形成された貫通孔を介して外側吐出空間(82)へ流入した後、外側カバー(37)に形成された貫通孔を介してケーシング(11)の内部空間に流入し、やがて吐出管(16)からケーシング(11)の外部へ流出する。
ところで、上記回転式圧縮機(10)では、下側偏心部(26)の下端面にリアヘッド(35)の上端面と摺接するスラスト軸受面(26a)が形成され、該スラスト軸受面(26a)とリアヘッド(35)の上端面とがスラスト軸受の摺動面を構成している。また、上記回転式圧縮機(10)では、各シリンダ室(C1,C2)の内圧が各ピストン(40,50)を介して駆動軸(23)の各偏心部(25,26)に作用する。そのため、高負荷運転等の各シリンダ室(C1,C2)の内圧が比較的高い際には駆動軸(23)が大きく撓むおそれがあった。駆動軸(23)が撓むと、リアヘッド(35)の上端面と内周面とによって形成される角部が駆動軸(23)の主軸部(24)に摺接する所謂角当たりが生じてしまう。角当たりが生じると、接触面圧が増大して、リアヘッド(35)の滑り軸受部(35a)における摺動損失及び摩耗が増大し、回転式圧縮機の運転効率及び信頼性の低下を招いてしまう。
特に、下側ピストン(50)が下側シリンダ室(C2)の最も下側(下側ブレード(51)と逆側)の位置(下死点)にある際に、下側ピストン(50)を介して下側偏心部(26)に加わる高圧室(C22)の内圧が作用する受圧面の面積が最大となり、駆動軸(23)に加わる荷重が最大になる。このとき、下側ピストン(50)の外周面の180度〜360度の範囲が受圧面となり、駆動軸(23)に加わる荷重の方向は90度の方向となる。
そこで、本実施形態1では、上述のように、リアヘッド(35)の上端面における90度を含む所定の角度範囲に平面視において円弧状の溝部(61)を形成して、滑り軸受部(35a)の溝部(61)の内側の部分を弾性軸受に構成している。これにより、駆動軸(23)は流体圧(冷媒の圧力)による荷重が最大となる位置において、弾性軸受によって弾性的に支持される。その結果、駆動軸(23)の撓みによる所謂角当たりが回避される。
−潤滑油による冷却−
上記駆動軸(23)が回転すると、遠心ポンプ(27)によって油溜まり(17)の潤滑油が駆動軸(23)の内部の給油通路(70)に汲み上げられる。給油通路(70)に汲み上げられた潤滑油は、下方から上方に向かって流れた後、遠心力を受けて第2〜第5通路(70b〜70e)から駆動軸(23)の外周面に流出する。
第2通路(70b)から流出した潤滑油は、第1環状溝(73)に溜まる。第1環状溝(73)に溜まった潤滑油は、フロントヘッド(31)の滑り軸受部(31a)の内周面に形成された図示しない螺旋溝を伝ってフロントヘッド(31)の上端まで導かれ、その際に、フロントヘッド(31)の滑り軸受部(31a)と駆動軸(23)の主軸部(24)との間の摺動面を潤滑すると共に冷却する。また、第1環状溝(73)に溜まった潤滑油は、上側ピストン(40)の上端面とフロントヘッド(31)の下端面との間の摺動面に流入し、該摺動面を潤滑すると共に冷却する。
第3通路(70c)から流出した潤滑油は、第1縦溝(71)に溜まる。第1縦溝(71)に溜まった潤滑油は、駆動軸(23)の上側偏心部(25)と上側ピストン(40)の滑り軸受部との間の摺動面に流入し、該摺動面間を潤滑すると共に冷却する。また、第1縦溝(71)に溜まった潤滑油は、上側ピストン(40)の下端面とミドルプレート(33)の上端面との間の摺動面間に流入し、該摺動面を潤滑すると共に冷却する。
第4通路(70d)から流出した潤滑油は、第2縦溝(72)に溜まる。第2縦溝(72)に溜まった潤滑油は、駆動軸(23)の下側偏心部(26)と下側ピストン(50)の滑り軸受部との間の摺動面に流入し、該摺動面間を潤滑すると共に冷却する。また、第2縦溝(72)に溜まった潤滑油は、下側ピストン(50)の上端面とミドルプレート(33)の下端面との間の摺動面及び駆動軸(23)の下側偏心部(26)の下端面のスラスト軸受面(26a)とリアヘッド(35)の上端面(35b)との間の摺動面間に流入し、各摺動面間を潤滑すると共に冷却する。
第5通路(70e)から流出した潤滑油は、第2環状溝(74)に溜まる。第2環状溝(74)に溜まった潤滑油は、リアヘッド(35)の滑り軸受部(35a)と駆動軸(23)の主軸部(24)との間の摺動面及び駆動軸(23)の下側偏心部(26)の下端面のスラスト軸受面(26a)とリアヘッド(35)の上端面(35b)との間の摺動面、即ち、スラスト軸受の摺動面間に流入し、各摺動面間を潤滑すると共に冷却する。
なお、上述のように、本実施形態1では、リアヘッド(35)の上端面の駆動軸(23)が挿通される孔部の周辺部の全周に溝部(61)を設けるのではなく、所定の角度範囲に円弧状の溝部(61)を形成して部分的に弾性軸受を構成している。ここで、弾性軸受を形成するための溝部(61)が環状に形成されている場合には、該溝部(61)において潤滑油から分離されたガス冷媒が、スラスト軸受の摺動面の全域に流入してしまう。しかしながら、上記構成によれば、所定の角度範囲のみに円弧状の溝部(61)を形成しているため、スラスト軸受の摺動面の所定の角度範囲以外の領域へのガス冷媒の流入を防止することができる。
また、上記回転式圧縮機(10)では、駆動軸(23)の回転角度が最小隙間角度θ(270度)以上360度未満である際には、高圧室(C22)の温度が最小隙間角度θ(270度)未満の回転角度の際よりも高温となる。そのため、スラスト軸受の摺動面の最小隙間角度θ(270度)以上360度未満の第1領域では、摺動が厳しくなり、焼き付きのおそれが上記第1領域に重ならない第2領域よりも各段に大きくなる。
そこで、本実施形態1では、上述のように、円弧状の溝部(61)は、リアヘッド(35)の上端面における最小隙間角度θ(270度)以上360度未満の第1領域に重ならない第2領域の少なくとも一部に形成されている。言い換えると、溝部(61)は、リアヘッド(35)の上端面の最小隙間角度θ(270度)以上360度未満の第1領域には形成されていない。つまり、リアヘッド(35)の上端面において焼き付きのおそれが他の箇所よりも各段に高い第1領域には、上記円弧状の溝部(61)が形成されていない。そのため、リアヘッド(35)の上端面において焼き付きのおそれが他の箇所(第2領域)よりも各段に高い箇所(第1領域)に、上記溝部(61)において潤滑油から分離されたガス冷媒が流入することがなく、リアヘッド(35)の上端面の上記角度範囲が潤滑油によって十分に冷却されることとなる。
−実施形態1の効果−
実施形態1によれば、リアヘッド(35)の駆動軸(23)を支持する軸受部(35a)のうちの90度を含む所定の角度範囲の部分を弾性軸受に構成した。つまり、下側ピストン(50)が下死点にある際には駆動軸(23)に加わる荷重が最大となるが、その際に駆動軸(23)に荷重が加わる方向に弾性軸受を設けたため、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重が最大となる回転角度において、弾性軸受によって駆動軸(23)を弾性的に支持することができる。従って、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重と共に駆動軸(23)の撓みが増大しても、下端板(35)の上端面と内周面とによって形成される角部が駆動軸の主軸部(24)に摺接する所謂角当たりを抑制することができる。その結果、角当たりによる接触面圧の増大を抑制でき、リアヘッド(35)の滑り軸受部(35a)における摺動損失及び摩耗の増大を抑制することができる。
また、実施形態1によれば、リアヘッド(35)の上端面における駆動軸(23)が挿通される孔部の周辺部の全周に溝を設けるのではなく、最小隙間角度以上360度未満の第1領域に重ならない第2領域の少なくとも一部であって90度を含む所定の角度範囲に円弧溝(61)を形成して部分的に弾性軸受を構成することとした。つまり、円弧溝(61)は、リアヘッド(35)の上端面において焼き付きのおそれが他の箇所よりも各段に高い最小隙間角度以上360度未満の第1領域には形成されていない。そのため、スラスト軸受の摺動面の焼き付きのおそれが高い箇所(第1領域)に潤滑油から分離されたガス冷媒が流入することを防止することができる。従って、スラスト軸受の摺動面を潤滑油によって十分に冷却して焼き付きを防止することができる。
つまり、実施形態1によれば、リアヘッド(35)の上端面において角当たりのおそれが他の箇所よりも各段に高い箇所には弾性軸受を形成する一方、焼き付きのおそれが他の箇所よりも各段に高い箇所には弾性軸受を形成するための溝を形成しないこととすることで、角当たりによるリアヘッド(35)の滑り軸受部(35a)の焼き付きとスラスト軸受の摺動面における焼き付きとを抑制することができる。従って、リアヘッド(35)の滑り軸受部(35a)及びスラスト軸受における摺動損失及び摩耗の増大を抑制することができる。
また、実施形態1では、リアヘッド(35)の上端面において比較的温度が低いために摺動による焼き付きが生じるおそれが低く、潤滑油による冷却の必要性の低い0度以上180度以下の角度範囲に円弧溝(61)を設けた。一方、高圧室(C22)の高い内圧によって駆動軸(23)に加わる荷重を受け止めるリアヘッド(35)の0度以上180度以下の角度範囲に円弧溝(61)を形成して弾性軸受を構成することとしている。そのため、実施形態1によれば、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重と共に駆動軸(23)の撓みが増大しても、リアヘッド(35)の上端面と内周面とによって形成される角部が駆動軸(23)の主軸部(24)に摺接する所謂角当たりを抑制することができる。また、円弧溝(61)がスラスト軸受の摺動面における比較的潤滑油による冷却の必要性が低い箇所に形成されている。そのため、円弧溝(61)において潤滑油に溶け込んでいたガス冷媒が分離されて摺動面に流入して該摺動面の潤滑油による冷却性能が低下したとしても、摺動面が焼き付くおそれが低い。従って、リアヘッド(35)の滑り軸受部(35a)及びスラスト軸受における摺動損失及び摩耗の増大を抑制することができる。
ところで、下側シリンダ室(C2)の高圧室(C22)において冷媒が昇圧されて吐出弁(57)が開くと、吐出ポート(56)を介して高圧室(C22)の圧縮冷媒が吐出される。このとき、吐出ポート(56)の容積分は冷媒が吐出されずに残るため、死容積となる。そのため、通常、リアヘッド(35)の吐出ポート(56)付近(0度付近)の領域は、厚みを可能な限り薄くして死容積を低減することとしているが、このような領域に円弧溝(61)を形成すると、さらに厚みが薄くなって強度を確保することができなくなるおそれがある。しかしながら、実施形態1によれば、リアヘッド(35)の上端面における50度以上180度以下の角度範囲に円弧溝(61)を設けることで、リアヘッド(35)の吐出ポート(56)からある程度離れた角度位置に円弧溝(61)を形成することとした。そのため、リアヘッド(35)の吐出ポート(56)付近の強度を確保することができる。
また、実施形態1では、圧縮機構(30)が2つのシリンダ室(C1,C2)を有する所謂2気筒の圧縮機構に構成されている。このような2気筒の圧縮機構では、1気筒の圧縮機構に比べて軸方向の長さが長くなるため、主軸受(フロントヘッド(31))と副軸受(リアヘッド(35))間の距離も長くなる。その結果、下側シリンダ室(C2)の高圧室(C22)の内圧による駆動軸(23)の撓みが1気筒の圧縮機構に比べて大きくなり、所謂角当たりが起こり易い。しかしながら、実施形態1では、ピストン(50)が下死点にある際に、駆動軸(23)に加わる荷重が最大となるが、その際に駆動軸(23)に荷重が加わる方向に弾性軸受を設けることとした。そのため、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重が最大となる回転角度において、弾性軸受によって駆動軸(23)を弾性的に支持することができる。従って、駆動軸(23)に加わる流体圧による荷重と共に駆動軸(23)の撓みが増大しても、リアヘッド(35)の上端面と内周面とによって形成される角部が駆動軸(23)の主軸部(24)に摺接する所謂角当たりを抑制することができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2の回転式圧縮機(10)は、実施形態1の溝部(61)の形成箇所を変更したものである。具体的には、図5に示すように、溝部(61)は、リアヘッド(35)の上端面において0度以上180度以下の角度範囲に形成されている。このように形成することとしても実施形態1と同様の効果を奏することができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、回転式圧縮機(10)は、圧縮機構(30)が2つのシリンダ室(C1,C2)を有する所謂2気筒の圧縮機構に構成されていた。しかしながら、本発明に係る回転式圧縮機の圧縮機構は、下側シリンダ室(C2)のみを有する所謂1気筒の圧縮機構であってもよい。具体的には、下側シリンダ(34)は、上端がフロントヘッド(31)によって閉塞される一方、下端がリアヘッド(35)によって閉塞され、内部の閉空間によって下側シリンダ室(C2)が構成されるものであってもよい。このような1気筒の圧縮機構であってもリアヘッド(35)の上端面に平面視において円弧形状の溝部(61)を形成することにより、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、回転式圧縮機について有用である。
10 回転式圧縮機
20 電動機(駆動機構)
23 駆動軸
24 主軸部
25 上側偏心部
26 下側偏心部(偏心部)
26a スラスト軸受面
30 圧縮機構
31 フロントヘッド(最上端板)
32 上側シリンダ
33 ミドルプレート(上端板)
34 下側シリンダ(シリンダ)
35 リアヘッド(下端板)
35a 軸受部
40 上側ピストン
41 上側ブレード
50 下側ピストン
51 下側ブレード
56 下側吐出ポート(吐出ポート)
57 吐出弁
61 溝部(円弧溝)
C1 上側シリンダ室
C2 下側シリンダ室(シリンダ室)
C11 低圧室
C12 高圧室
C21 低圧室
C22 高圧室

Claims (4)

  1. 偏心部(26)が形成されて上下に延びる駆動軸(23)を有する駆動機構(20)と、
    上記偏心部(26)の外周を覆って筒状のシリンダ室(C2)を形成するシリンダ(34)と、上記シリンダ室(C2)内に配置されて上記偏心部(26)に外嵌されたピストン(50)と、該ピストン(50)の径方向に延びて上記シリンダ室(C2)を低圧室(C21)と高圧室(C22)とに仕切るブレード(51)と、上記シリンダ(34)の上端を閉塞する上端板(33)と、上記シリンダ(34)の下端を閉塞する下端板(35)とを有する圧縮機構(30)とを備え、
    上記偏心部(26)の下端面に上記下端板(35)の上端面と摺接するスラスト軸受面(26a)が形成された回転式圧縮機であって、
    上記下端板(35)の上端面における上記駆動軸(23)が挿通される孔部の周辺部には、上記駆動軸(23)の軸心から上記ブレード(51)に向かう角度を0度として該0度から該駆動軸(23)の回転方向に角度が増大するとした場合に、上記シリンダ(34)の内周面と上記ピストン(50)の外周面との間の隙間が最小となる最小隙間角度以上360度未満の第1領域に重ならない第2領域の少なくとも一部であって90度を含む所定の角度範囲に、周方向に延びて内周縁部に弾性軸受を形成する円弧溝(61)が形成されている
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記円弧溝(61)は、上記下端板(35)の上端面における0度以上180度以下の角度範囲に形成されている
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記下端板(35)の360度未満の角度位置であって360度付近には、上記高圧室(C22)において圧縮された流体を吐出するための吐出ポート(56)が形成されると共に、該吐出ポート(56)の出口には該吐出ポート(56)を開閉する吐出弁(57)が設けられ、
    上記円弧溝(61)は、上記下端板(35)の上端面における50度以上180度以下の角度範囲に形成されている
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記駆動軸(23)は、上記偏心部(26)の上方に上側偏心部(25)をさらに備え、
    上記圧縮機構(30)は、上記上側偏心部(25)の外周を覆って筒状の上側シリンダ室(C1)を形成する上側シリンダ(32)と、該上側シリンダ室(C1)内に配置されて上記上側偏心部(25)に外嵌された上側ピストン(40)と、該上側ピストン(40)の径方向に延びて上記上側シリンダ室(C1)を低圧室(C11)と高圧室(C12)とに仕切る上側ブレード(41)と、上記上側シリンダ(32)の上端を閉塞する最上端板(31)とをさらに備え、上記上側シリンダ(32)の下端は上記上端板(33)によって閉塞されている
    ことを特徴とする回転式圧縮機。
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