JP2013197240A - Nd−Fe−B系希土類焼結磁石及びその製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガス成分を除く純度が99.9wt%以上であって、硫黄、リンの含有量がそれぞれ30wtppm以下とする。
【選択図】なし
Description
永久磁石の用途として、パソコンでは、ハードディスクドライブ用ボイスコイルモーターやDVD/CDの光ピックアップ用部品、携帯電話では、マイクロスピーカーやバイブレーションモーター、家電や産業機器関連では、サーボモーターやリニアモーターなどの各種モーターがある。また、HEVなどの電気自動車には、1台当たり100個以上の永久磁石が使用されている。
例えば、特許文献1には、R−Fe−B系希土類永久磁石(Rは、Nd、Pr、Dy、Tb、Hoのうちの1種又は2種以上)に、Co、Al、Cu及びTiを同時に添加することにより、磁気特性を著しく改良することが開示されており、また、特許文献2には、組成を調整しながらGaを添加することで、最大エネルギー積(BH)maxを42MOe以上とすることが開示されている。
1)ガス成分を除く純度が99.9wt%以上であって、硫黄、リンの含有量がそれぞれ30wtppm以下であることを特徴とするNd−Fe−B系希土類永久磁石、
2)酸素含有量が500wtppm以下であることを特徴とする前記1)記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石、
3)炭素含有量が100wtppm以下であることを特徴とする前記1)又は2)に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石、
4)ガス成分を除く純度が99.99wt%以上であることを特徴とする前記1)〜3)のいずれか一に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石、
5)ガス成分を除く純度が99.999wt%以上であることを特徴とする前記1)〜3)のいずれか一に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石、
6)純度が99wt%である同一組成のNd−Fe−B系希土類永久磁石に比べて、最大エネルギー積(BH)maxの増加率が5%以上であることを特徴とする前記1)〜5)のいずれか一に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石、
7)純度が99wt%である同一組成のNd−Fe−B系希土類永久磁石に比べて、耐熱温度の上昇率が10%以上であることを特徴とする前記1)〜6)のいずれか一に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石、を提供する。
8)Nd原料、B原料をそれぞれ酸化物からのCa還元により純度99.9%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ30wtppm以下とし、Fe原料を水溶液電解により純度99.9%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ30wtppm以下とし、次に、これらを配合した配合物を真空溶解してインゴットとし、このインゴットを粉砕して粉末化した後、これをプレスにより成形し、その後、この成形体を焼結、熱処理を行った後、この焼結体を表面加工することを特徴とするNd−Fe−B系希土類永久磁石の製造方法、
9)Nd原料、B原料をそれぞれ酸化物からのCa還元と溶融塩電解により純度99.99%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ10wtppm以下とし、Fe原料を複数回の水溶液電解により純度99.99%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ10wtppm以下とすることを特徴とする前記8)記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石の製造方法、
10)Nd原料、B原料をそれぞれ酸化物からのCa還元と複数回の溶融塩電解により純度99.999%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ10wtppm以下とし、Fe原料を溶媒抽出と複数回の水溶液電解により純度99.999%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ10wtppm以下とすることを特徴とする前記9)記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石の製造方法、
本発明のNd−Fe−B系希土類永久磁石は、高純度のNd、Fe、Bを原料として使用することで、特に煩雑なプロセスを経ることなく、磁気特性を格段に向上させるものである。したがって、従来のように希土類永久磁石の成分組成を調整することにより、磁気特性の向上させるものではないので、永久磁石として通常の磁気特性を有するものであれば、成分組成に特に制限はない。
また、本発明の高純度ネオジム系希土類永久磁石は、純度が99wt%(2Nレベル)である同一組成の永久磁石に比べて、耐熱温度の上昇率が10%以上であることが好ましい。ネオジム系永久磁石は、用途によっては耐熱性が要求される。一般にジスプロシウムなどを添加することで、耐熱温度を上昇させることが行われているが、本発明ではこのような元素を添加することなしに、耐熱性を向上させることができるという優れた効果を有する。
次いで、Nd原料及びB原料を酸化物からのCa還元と溶融塩電解により、硫黄、リンの含有量を30wtppm以下、酸素、炭素の含有量を100wtppm以下、純度4N〜5NレベルのNd、Bが得られる。また、Fe原料を溶媒抽出と1回又は2回以上の水溶液電解により、硫黄、リンの含有量を10wtppm以下、酸素、炭素の含有量を10wtppm以下、純度5N〜6NレベルのFeが得られる。
なお、含有量が少ない成分、例えば、Bについては高純度化せずそのまま使用することも可能である。
次いで、これらの原料を高周波溶解炉にて、加熱溶解してインゴットを形成する。なお、加熱温度は1250℃程度とするのが好ましい。このインゴットも、硫黄、リンの含有量が10wtppm以下、酸素、炭素の含有量が100wtppm以下であった。
その後、このインゴットをジェットミル等の公知の手法を用いて、粉砕する。このとき、混合中の酸化の問題を考慮すると、不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で混合することが好ましい。粉砕粉の平均粒径は3〜5μm程度とするのが好ましい。
次に、得られた成形体を焼結炉で焼結し、その後、この焼結体を熱処理炉で熱処理する。このとき、焼結炉の温度を1100〜1150℃とし、また熱処理炉の温度を500〜1000℃とするのが好ましい。それぞれの炉内の雰囲気は、真空中で行うことが好ましい。なお、焼結と熱処理を同一の炉内にて行うことも可能である。
本発明の高純度希土類永久磁石は、Nd、Fe、Bを成分として含有する全ての永久磁石に適用できる。したがって、他の成分、含有量については、特に制限のないことは容易に理解できるであろう。つまり、既に公知の成分からなる希土類永久磁石に特に有用である。
(参照例1)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を31kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を68kg用意した。また、市販の純度2Nレベルのボロンを1kg用意した。
次に、上記の原料を高周波溶解炉において、加熱温度を1250℃程度にて、加熱溶解してインゴットを製造した。その後、製造したインゴットを、不活性ガスアルゴン雰囲気中、ジェットミルを用いて粉砕した。このとき、粉砕粉の平均粒径を4μm程度とした。
次に、このように合金化させた粉砕粉を、窒素雰囲気中、磁場強度20KOe、成形密度4.5g/ccとして、磁場プレス機を用いて成形した。その後、この成形体を焼結炉にて焼結した後、この焼結体を熱処理炉で熱処理した。このとき、焼結炉の温度を1150℃、熱処理炉の温度を700℃とした。また、それぞれの炉内の雰囲気を真空とした。
このようにして製造した焼結体を、スライシングマシンを用いて切断加工し、その後、表面や外周部分を研磨器や研削盤を用いて最終表面処理を行った。なお、一般に、この後に酸化防止のためメッキ処理を施すことがあるが、今回は行わなかった。
その結果、参照例1で作製したネオジム系希土類永久磁石の純度、磁気特性及び耐熱温度をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、参照例1のネオジム系希土類永久磁石の純度は2N(99wt%)レベルであり、Pの含有量は45ppm、Sの含有量は120ppm、O含有量は920ppm、C含有量は320ppmであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが46MOeであった。また、耐熱温度が105℃であり、耐熱性は後述する実施例1−3に比べて劣る結果をなった。なお、耐食性は、「JIS Z 2371(塩水噴霧試験方法)」を用い、各種試料の状態を観察して、比較評価した。
純度2Nレベルのネオジム原料を、3Nレベルのネオジム酸化物を4Nレベルのカルシウムを用いて還元することにより純度3Nレベルとし、それを31kg製造した。また、純度3Nレベルの鉄原料を、カソライトを塩酸系(アノライトは硫酸系)の水溶液にした隔膜電解により純度4Nレベルと、それを68kg製造した。また、ボロン原料については、市販の純度2Nレベルを1kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例1で作製したネオジム系希土類永久磁石の純度、磁気特性及び耐熱温度をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例1のネオジム系希土類永久磁石の純度は3N(99.9wt%)レベルであり、Pの含有量は30ppm、Sの含有量は30ppm、O含有量は500ppm、C含有量は100ppmであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが49MOeであり、参照例1に比べて7%上昇していた。また、耐熱温度が140℃であり、参照例1に比べて33%上昇していた。さらに、耐食性も参照例1に比べて良好な結果を示した。
純度2Nレベルのネオジム原料を、3Nレベルのネオジム酸化物を4Nレベルのカルシウムを用いて還元及び溶融塩電解することにより純度4Nレベルとし、それを31kg製造した。また、純度3Nレベルの鉄原料を、カソライトを塩酸系(アノライトは硫酸系)の水溶液にした隔膜電解を2回行うことにより純度4Nレベルとし、それを68kg製造した。また、ボロン原料については、市販の純度2Nレベルを1kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例2で作製したネオジム系希土類永久磁石の純度、磁気特性及び耐熱温度をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例2のネオジム系希土類永久磁石の純度は4N(99.99wt%)レベルであり、Pの含有量は10ppm、Sの含有量は10ppm、O含有量は80ppm、C含有量は20ppmであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが54MOeであり、参照例1に比べて17%上昇していた。また、耐熱温度が170℃であり、参照例1に比べて62%上昇していた。さらに、耐食性も参照例1に比べて非常に良好な結果を示した。
純度2Nレベルのネオジム原料を、3Nレベルのネオジム酸化物を4Nレベルのカルシウムを用いて還元及び2回の溶融塩電解することにより純度5Nレベルとし、それを31kg製造した。また、純度3Nレベルの鉄原料を、塩酸系の電解液を溶媒抽出により不純物を除去し、その液をカソライトとして用い、アノライトは硫酸系の水溶液の隔膜電解を2回繰り返すことにより純度5Nレベルとし、それを68kg製造した。また、ボロン原料については、市販の純度6Nレベルを1kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例3で作製したネオジム系希土類永久磁石の純度、磁気特性及び耐熱温度をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例3のネオジム系希土類永久磁石の純度は5N(99.999wt%)レベルであり、Pの含有量は<10ppm、Sの含有量は<10ppm、O含有量は<10ppm、C含有量は<10ppmであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが58MOeであり、参照例1に比べて26%上昇していた。また、耐熱温度が220℃であり、参照例1と比べて110%上昇していた。さらに、耐食性も参照例1に比べて非常に良好な結果を示した。
(参照例2)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を26kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を68kg用意した。また、市販の純度2Nレベルのボロンを1kg用意した。さらに、市販の純度2Nレベルのジスプロシウム原料を5kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、参照例2で作製したネオジム系希土類永久磁石の純度、磁気特性及び耐熱温度をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、参照例2のネオジム系希土類永久磁石の純度は2N(99wt%)レベルであり、Pの含有量は64ppm、Sの含有量は160ppm、O含有量は1200ppm、C含有量は560ppmであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが41MOeであった。また、耐熱温度が150℃であり、耐熱性は後述する実施例4に比べて劣る結果をなった。
純度2Nレベルのネオジム原料を、3Nレベルのネオジム酸化物を4Nレベルのカルシウムを用いて還元及び溶融塩電解することにより純度4Nレベルとし、それを26kg製造した。また、純度3Nレベルの鉄原料を、カソライトを塩酸系(アノライトは硫酸系)の水溶液を用いた隔膜電解を2回繰り返すことにより純度4Nレベルとし、それを68kg製造した。また、ボロン原料については、市販の純度2Nレベルを1kg用意した。また、純度2Nレベルのジスプロシウムを、真空蒸留法により純度4Nレベルとし、5kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例4で作製したネオジム系希土類永久磁石の純度、磁気特性及び耐熱温度をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例4のネオジム系希土類永久磁石の純度は4N(99.99wt%)レベルであり、Pの含有量は<10ppm、Sの含有量は10ppm、O含有量は170ppm、C含有量は20ppmであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが44MOeであり、参照例2に比べて7%上昇していた。また、耐熱温度が170℃であり、参照例2に比べて13%上昇していた。さらに、耐熱性も参照例2に比べて良好な結果を示していた。
(参照例3)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を21kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を68kg用意した。また、市販の純度2Nレベルのボロンを1kg用意した。さらに、市販の純度2Nレベルのジスプロシウム原料を10kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、参照例3で作製したネオジム系希土類永久磁石の純度、磁気特性及び耐熱温度をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、参照例3のネオジム系希土類永久磁石の純度は2N(99wt%)レベルであり、Pの含有量は89ppm、Sの含有量は210ppm、O含有量は1500ppm、C含有量は680ppmであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが36MOeであった。また、耐熱温度が220℃であり、耐熱性は後述する実施例5に比べて劣る結果をなった。
純度2Nレベルのネオジム原料を、3Nレベルのネオジム酸化物を4Nレベルのカルシウムを用いて還元及び溶融塩電解することにより純度4Nレベルとし、それを21kg製造した。また、純度3Nレベルの鉄原料を、カソライトを塩酸系(アノライトは硫酸系)の水溶液を用いた隔膜電解を2回繰り返すことにより純度4Nレベルとし、それを68kg製造した。また、ボロン原料については、市販の純度2Nレベルを1kg用意した。また、純度2Nレベルのジスプロシウムを、真空蒸留法により純度4Nレベルとし、10kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例5で作製したネオジム系希土類永久磁石の純度、磁気特性及び耐熱温度をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例5のネオジム系希土類永久磁石の純度は4N(99.99wt%)レベルであり、Pの含有量は<10ppm、Sの含有量は10ppm、O含有量は250ppm、C含有量は30ppmであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが40MOeであり、参照例3に比べて11%上昇していた。また、耐熱温度が250℃であり、参照例3に比べて14%上昇していた。さらに耐熱性も参照例3に比べて良好な結果を示していた。
Claims (10)
- ガス成分を除く純度が99.9wt%以上であって、硫黄、リンの含有量がそれぞれ30wtppm以下であることを特徴とするNd−Fe−B系希土類永久磁石。
- 酸素含有量が500wtppm以下であることを特徴とする請求項1記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石。
- 炭素含有量が100wtppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石。
- ガス成分を除く純度が99.99wt%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石。
- ガス成分を除く純度が99.999wt%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石。
- 純度が99wt%である同一組成のNd−Fe−B系希土類永久磁石に比べて、最大エネルギー積(BH)maxの増加率が5%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石。
- 純度が99wt%である同一組成のNd−Fe−B系希土類永久磁石に比べて、耐熱温度の上昇率が10%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石。
- Nd原料、B原料をそれぞれ酸化物からのCa還元により純度99.9%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ30wtppm以下とし、Fe原料を水溶液電解により純度99.9%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ30wtppm以下とし、次に、これらを配合した配合物を真空溶解してインゴットとし、このインゴットを粉砕して粉末化した後、これをプレスにより成形し、その後、この成形体を焼結、熱処理を行った後、この焼結体を表面加工することを特徴とするNd−Fe−B系希土類永久磁石の製造方法
- Nd原料、B原料をそれぞれ酸化物からのCa還元と溶融塩電解により純度99.99%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ10wtppm以下とし、Fe原料を複数回の水溶液電解により純度99.99%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ10wtppm以下とすることを特徴とする請求項8記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石の製造方法
- Nd原料、B原料をそれぞれ酸化物からのCa還元と複数回の溶融塩電解により純度99.999%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ10wtppm以下とし、Fe原料を溶媒抽出と複数回の水溶液電解により純度99.999%以上、硫黄、リン含有量をそれぞれ10wtppm以下とすることを特徴とする請求項9記載のNd−Fe−B系希土類永久磁石の製造方法。
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