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JP2013192579A - 刺繍データ作成装置、刺繍データ作成プログラムおよび刺繍データ作成プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な媒体 - Google Patents

刺繍データ作成装置、刺繍データ作成プログラムおよび刺繍データ作成プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な媒体 Download PDF

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健司 山田
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Abstract

【課題】元の画像の特徴を効果的に表現しつつ刺繍独特の風合いを自然に加味した縫目を形成できる刺繍データを作成する刺繍データ作成装置を提供する。
【解決手段】刺繍模様の元となる元画像が入力され(S1)、元画像を構成する複数の画素のうち、角度特徴の強度が所定の閾値未満である第二画素に加味される設定角度特徴が取得される(S3)。全ての画素について、元画像の画像データに基づき、角度特徴とその強度が算出され(S5)、強度が閾値以上の第一画素と閾値未満の第二画素が特定される(S7)。第二画素について、周辺画素の角度特徴を加味した角度特徴が再算出され(S9)、更に、再算出された角度特徴と設定角度特徴とから、最終的な角度特徴が算出される(S11)。第一画素、第二画素の順に、算出された角度特徴に基づいて線分が配置され(S13)、刺繍データが作成される(S19)。
【選択図】図3

Description

本発明は、ミシンを用いて刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置、刺繍データ作成プログラムおよび刺繍データ作成プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体に関する。
刺繍縫製可能なミシンによって写真等の画像データに基づく図柄を刺繍縫製するための刺繍データ作成装置が知られている。例えば、特許文献1に開示されている刺繍データ作成装置によれば、イメージスキャナ装置で読み込まれた画像から取得された画像データに基づいて、画像内の各部の角度特徴とその強度が算出され、算出された角度特徴とその強度に従って線分が配置される。角度特徴とは、色の連続性の高い方向を示す情報であり、その強度は、色の変化の大きさを示す情報である。その後、各線分が配色され、同じ色の線分が接続され、縫目を示すデータに変換されることで、刺繍データが作成される。
特開2001−259268号公報
上記刺繍データ作成装置では、画像全体の特徴を効果的に反映するために、強度が強い角度特徴を優先して線分が配置される。一方、角度特徴の強度が弱い部分には、周囲の画素の角度特徴を加味する方法、または、角度特徴を一定方向に限定する方法で線分が配置される。しかし、周囲の画素の角度特徴を加味する方法では、元の画像の特徴を効果的に表現できるが、刺繍独特の風合いは表現できない場合がある。また、角度特徴を一定方向に限定する方法では、角度特徴が弱い部分に形成される一定方向の縫目が際立ちすぎる場合がある。
本発明は、元の画像の特徴を効果的に表現しつつ刺繍独特の風合いを自然に加味した縫目を形成できる刺繍データを作成する刺繍データ作成装置、刺繍データ作成プログラムおよび刺繍データ作成プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な媒体を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様に係る刺繍データ作成装置は、複数の画素の集合体である画像の画像データに基づいて、ミシンにより刺繍縫製を行うための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置である。前記刺繍データ作成装置は、第一算出手段と、第一配置手段と、第二算出手段と、取得手段と、第三算出手段と、第二配置手段と、作成手段とを備えている。前記第一算出手段は、前記画像データに基づいて、前記複数の画素の各々について、前記画像中の色の連続性の高い方向を示す情報である角度特徴と、前記色の変化の大きさを示す前記角度特徴の強度を算出する。前記第一配置手段は、前記第一算出手段によって算出された前記角度特徴に基づいて、前記複数の画素のうち、前記第一算出手段によって算出された前記強度が予め設定された閾値以上の画素である第一画素に対応する第一線分を配置する。前記第二算出手段は、前記複数の画素のうち、前記第一算出手段によって算出された前記強度が前記閾値よりも小さい画素である第二画素について、前記第一算出手段によって算出された前記第二画素の周囲の少なくとも一つの画素の前記角度特徴から、新たな角度特徴を算出する。前記取得手段は、前記第二画素に加味される角度特徴として予め設定された設定角度特徴を示す情報を取得する。前記第三算出手段は、前記第二算出手段によって算出された前記新たな角度特徴と、前記取得手段によって取得された前記情報が示す前記設定角度特徴とから、更に新たな角度特徴を算出する。前記第二配置手段は、前記第三算出手段によって算出された前記新たな角度特徴に基づいて、前記第二画素に対応する第二線分を配置する。前記作成手段は、前記第一配置手段によって配置された前記第一線分および前記第二配置手段によって配置された前記第二線分に対応する縫目を少なくとも示すデータを、刺繍データとして作成する。
前記刺繍データ作成装置によれば、画像の特徴的な部分に該当する第一画素については、画像データに基づいて算出された角度特徴に基づいて第一線分が配置される。一方、特徴が弱い部分に該当する第二画素については、周囲の画素の角度特徴が加味された新たな角度特徴に、予め設定された設定角度特徴が更に加味された新たな角度特徴が算出された後、これに基づいて第二線分が配置される。そして、これらの線分のデータから、ミシンにより刺繍縫製を行うための刺繍データが作成される。従って、刺繍独特の風合いを表現可能な角度特徴(例えば、所定方向の縫目の繰り返しパターン等)を設定角度特徴として予め設定しておけば、第二線分の配置方向にはそれが反映されるので、周囲の画素の角度特徴を加味するだけの場合に比べ、第二線分に対応する縫目によって刺繍独特の風合いを表現することができる。また、第二線分の配置方向には周囲の画素の角度特徴が反映されるので、第二画素に対して設定角度特徴のみが適用される場合に比べ、第二線分が際立ちすぎず、第一線分とより馴染む縫目を形成することができる。つまり、前記刺繍データ作成装置によれば、元の画像の特徴を効果的に表現しつつ刺繍独特の風合いを自然に加味した縫目を形成できる刺繍データを作成することができる。
前記刺繍データ作成装置は、領域設定手段と、第三配置手段とを更に備えてもよい。前記領域設定手段は、前記第三算出手段によって算出された前記新たな角度特徴に基づいて、前記第二配置手段によって前記第二線分が配置される領域を設定する。前記第三配置手段は、前記第二算出手段によって算出された前記新たな角度特徴に基づいて、前記領域設定手段によって設定された前記領域外にある前記第二画素に対応する前記第二線分を配置する。この場合に、前記第三算出手段は、前記領域設定手段によって設定された前記領域内にある前記第二画素についてのみ、前記新たな角度特徴を算出し、前記第二配置手段は、前記領域内にある前記第二画素に対応する前記第二線分を配置してもよい。そして、前記作成手段は、前記第一配置手段によって配置された前記第一線分、前記第二配置手段によって配置された前記第二線分、および前記第三配置手段によって配置された前記第二線分に対応する縫目を示すデータを、前記刺繍データとして作成してもよい。
この場合、設定された領域内にある第二画素についてのみ、周囲の画素の角度特徴と設定角度特徴とが加味され、領域外の第二画素には、周囲の画素の角度特徴のみが加味される。従って、例えば、人物の背景のような、画像中の色の変化が特に少ない領域だけを指定して、刺繍独特の風合いを加味することが可能となる。
前記刺繍データ作成装置は、複数種類の前記設定角度特徴を示す前記情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記複数種類の前記情報のうち一つを指定する指定手段とを更に備えてもよい。そして、前記取得手段は、前記指定手段によって指定された前記情報を取得してもよい。
この場合、ユーザは予め設定された複数種類の設定角度特徴のうち所望の種類の設定角度特徴を指定することで、第二線分により、所望の刺繍の風合いを加味することができる。
本発明の第二の態様に係る刺繍データ作成プログラムは、前記第一の態様に係る刺繍データ作成装置の各種処理手段として、刺繍データ作成装置のコンピュータを機能させるためのプログラムである。したがって、刺繍データ作成プログラムがコンピュータによって実行されることにより、第一の態様に係る刺繍データ作成装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第三の態様に係るコンピュータ読取り可能な媒体は、前記第二の態様に係る刺繍データ作成プログラムを記憶している。したがって、媒体に記憶された刺繍データ作成プログラムがコンピュータによって実行されることにより、第一の態様に係る刺繍データ作成装置と同様の効果を奏することができる。
刺繍データ作成装置1の電気的構成を示すブロック図である。 ミシン3の外観図である。 刺繍データ作成処理のフローチャートである。 刺繍データ作成の元画像の一例を示す図である。 同心円状の縫目パターンの説明図である。 正弦波状の縫目パターンの説明図である。 市松模様状の縫目パターンの説明図である。 同心円状の縫目パターンに対応するマトリクスの説明図である。 第二画素に周辺画素の角度特徴のみを加味して作成された刺繍データに基づく縫製結果の例を示す図である。 第二画素に設定角度特徴のみを加味して作成された刺繍データに基づく縫製結果の例を示す図である。 本実施形態の刺繍データ作成処理により作成された刺繍データに基づく縫製結果の例を示す図である。 変形例に係る刺繍データ作成処理のフローチャートである。 適用領域の一例を示す図である。 設定角度特徴の算出方法の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、刺繍データ作成装置1の構成について説明する。刺繍データ作成装置1は、後述のミシン3(図2参照)によって刺繍模様を縫製するのに使用される刺繍データを作成する装置である。本実施形態の刺繍データ作成装置1は、写真等の画像に基づく図柄を刺繍縫製するための刺繍データを作成することができる。
刺繍データ作成装置1は、例えば、所謂パーソナルコンピュータ等の汎用型の装置である。図1に示すように、刺繍データ作成装置1は、刺繍データ作成装置1の制御を司るコントローラであるCPU11を備えている。CPU11には、RAM12と、ROM13と、入出力(I/O)インタフェイス14とが接続されている。RAM12は、CPU11による演算処理で得られた演算結果等、各種のデータを一時的に記憶する。ROM13は、BIOS等を記憶する。I/Oインタフェイス14は、データの受け渡しの仲介を行う。I/Oインタフェイス14には、ハードディスク装置(HDD)15、入力機器であるマウス22、ビデオコントローラ16、キーコントローラ17、CD−ROMドライブ18、メモリカードコネクタ23、およびイメージスキャナ装置25が接続されている。また、図1には図示されていないが、刺繍データ作成装置1は、外部機器やネットワークとの接続のための外部インタフェイスを備えていてもよい。
ビデオコントローラ16には、表示機器であるディスプレイ24が接続され、キーコントローラ17には、入力機器であるキーボード21が接続されている。CD−ROMドライブ18には、CD−ROM54を挿入することができる。例えば、刺繍データ作成プログラムのセットアップ時には、刺繍データ作成プログラムを記憶するCD−ROM54がCD−ROMドライブ18に挿入される。そして、刺繍データ作成プログラムが読み込まれ、HDD15のプログラム記憶エリア153に記憶される。外部機器からまたはネットワーク経由で取得された刺繍データ作成プログラムがプログラム記憶エリア153に記憶されてもよい。メモリカードコネクタ23には、メモリカード55を接続して、メモリカード55の情報の読み取り及びメモリカード55に情報の書き込みを行うことができる。本実施形態で刺繍データ作成の元となる画像は、例えばイメージスキャナ装置25を介して刺繍データ作成装置1に読み込まれる。
HDD15の記憶エリアについて説明する。図1に示すように、HDD15は、画像データ記憶エリア151、刺繍データ記憶エリア152、プログラム記憶エリア153、および設定値記憶エリア154を含む複数の記憶エリアを有する。画像データ記憶エリア151には、刺繍データ作成の元となる画像等、各種画像の画像データが記憶される。刺繍データ記憶エリア152には、本実施形態の刺繍データ作成処理によって作成された刺繍データが記憶される。プログラム記憶エリア153には、後述する刺繍データ作成プログラム等、刺繍データ作成装置1で行われる各種処理のためのプログラムが記憶される。設定値記憶エリア154には、各種処理で使用される各種設定値が記憶される。本実施形態では、設定値の一つとして、設定角度特徴に関する情報が記憶される。
図2を参照して、刺繍データ作成装置1で作成された刺繍データに基づいて刺繍模様を縫製することが可能なミシン3について、簡単に説明する。図2に示すように、ミシン3は、ベッド部30、脚柱部36、アーム部38、および頭部39を有する。ベッド部30は、縫製者に対して左右方向に長い、ミシン3の土台部である。脚柱部36は、ベッド部30の右端部から上方へ延びる。アーム部38は、ベッド部30に対向して脚柱部36の上端から左方へ延びる。頭部39は、アーム部38の左端に連結する部位である。ベッド部30の上方には、刺繍が施される加工布を保持する刺繍枠41を配置可能である。
刺繍縫製時には、刺繍枠41は、ベッド部30上に配置されるY方向駆動部42、および本体ケース43内に収容されたX方向駆動機構(図示せず)によって、ミシン3に固有のX・Y座標系で示される針落ち点に移動される。刺繍枠41が移動されるのと合わせて、縫針44が装着された針棒35及び釜機構(図示せず)が駆動されることにより、加工布上に刺繍模様が形成される。なお、Y方向駆動部42、X方向駆動機構、針棒35等は、刺繍データに基づき、ミシン3に内蔵されたマイクロコンピュータ等を含む制御装置(図示せず)によって制御される。
ミシン3の脚柱部36の側面には、メモリカード55を着脱可能なメモリカードスロット37が搭載されている。例えば、刺繍データ作成装置1で作成された刺繍データは、メモリカードコネクタ23を介してメモリカード55に記憶される。その後、メモリカード55がミシン3のメモリカードスロット37に装着され、記憶された刺繍データが読み出されて、ミシン3に刺繍データが記憶される。ミシン3の制御装置(図示せず)は、メモリカード55から読み出された刺繍データに基づいて、上記の要素による刺繍模様の縫製動作を制御する。このようにして、刺繍データ作成装置1で作成された刺繍データに基づき、ミシン3を用いて刺繍模様を縫製することができる。
以下に、図3〜図11を参照して、本実施形態の刺繍データ作成装置1で行われる刺繍データ作成処理について説明する。図3に示す刺繍データ作成処理は、ユーザが処理を開始する指示を入力すると、HDD15のプログラム記憶エリア153に記憶された刺繍データ作成プログラムが起動されることで開始され、CPU11がこのプログラムを実行することにより行われる。
図3に示すように、まず、刺繍データ作成の元となる画像(以下、元画像という)の画像データが刺繍データ作成装置1に入力される(S1)。画像データの入力方法は特に限定されないが、例えば、イメージスキャナ装置25によって、写真や図柄が読み込まれ、取得された画像データが用いられる。その他、予めHDD15の画像データ記憶エリア151に記憶された画像データや、CD−ROM114、メモリカード55、CD−R等の外部記憶媒体に記憶された画像データが入力されてもよい。なお、以下では、S1で図4に示す写真の画像データが入力され、この画像データに基づいて刺繍データが作成される場合を例として説明する。
続いて、設定角度特徴に関する情報が取得される(S3)。設定角度特徴とは、強度が所定の閾値よりも小さい画素に加味される角度特徴として、予め設定され、HDD15の設定値記憶エリア154に記憶されている角度特徴である。角度特徴は、画像中の色の連続性の高い方向を示す情報であり、角度特徴の強度は、色の変化の大きさを示す情報である。つまり、角度特徴の強度が所定の閾値以上である画素(以下、第一画素という)は、画像の特徴的な部分に該当する。一方、強度が閾値未満の画素(以下、第二画素という)は、特徴が弱い部分に該当する。
従来の刺繍データ作成方法では、角度特徴と強度とに基づいて縫目に対応する線分を配置して、刺繍データが作成される。より詳細には、特徴的な部分である第一画素を中心とする線分が優先的に配置された後、第二画素のうち、既に配置された線分に重なり合わない第二画素を中心とした線分が配置される。このとき、その第二画素の周囲の画素(以下、周辺画素という)の角度特徴を加味した角度特徴が再算出された上で、再算出された角度特徴に基づいて、第二画素を中心とする線分が配置される。つまり、特徴の弱い部分の縫目の方向は、周囲の縫目の方向により近い方向に修正されるのに等しい。この方法によれば、特徴の弱い部分の縫目は周囲の縫目に馴染むので、元画像の特徴的な部分を効果的に表現することができる。
しかしながら、刺繍というのは、縫目の方向によって様々な風合いを醸し出すことができるのがその大きな魅力の一つである。例えば、図4に示す写真が元画像である場合、少女の背景部分にはほとんど色の変化がないため、上記の従来の方法では、特徴に乏しい縫目が形成されることになる。このような部分に、例えば、所定方向の縫目の繰り返しパターン等を適用すれば、画像中の特徴的な部分である少女の頭部では元画像を自然に表現できる一方で、背景部分の縫目によって刺繍特有の魅力も発揮できると考えられる。そこで、本実施形態では、特徴が弱い部分に刺繍独特の風合いを加味するために、設定角度特徴が使用される。
図5〜図8を参照して、設定角度特徴を示す情報についてより詳細に説明する。本実施形態では、HDD15の設定値記憶エリア154には、複数種類の設定角度特徴を示す情報が記憶されている。例えば、複数の所定方向の縫目の繰り返しパターンとして、図5に示す同心円状の縫目パターン、図6に示す正弦波状の縫目パターン、図7に示す市松模様状の縫目パターンが適用される場合、これらのパターンの縫目の方向を示す角度特徴が予め算出され、設定角度特徴を示す情報が作成される。
具体的には、まず、各パターンについて、画像を構成する画素の各々に対応する角度特徴が算出される。そして、画像と同じサイズのマトリクスが用意され、マトリクス中の各要素に、対応する画素について算出された角度特徴が設定されることで、各パターンの設定角度特徴を示すマトリクスを作成することができる。図5に示す同心円状の縫目パターンの場合、図8に示すように、斜線が付された第5行第6列の要素を中心として、各要素に、同心円を形成する縫目の向きを示す角度特徴が設定されたマトリクスが作成できる。なお、角度特徴は、各画素を中心として、画像中の右方向を0度、下方向を90度、左方向を180度とした角度で表される。また、図8では、図を簡略化するために10行10列のマトリクスが例示されているが、実際には、画像と同じサイズの(全画素に対応する要素を含む)マトリクスが使用される。図6に示す正弦波状の縫目パターンや図7に示す市松模様状の縫目パターンについても、同様にして、設定角度特徴を示すマトリクスを作成することができる。
このように、複数の縫目パターンに対応する複数種類のマトリクスが予め設定値記憶エリア154に記憶されている場合、図3に示す刺繍データ作成処理のS5では、図5〜図7に示すような、記憶されたマトリクスに対応する縫目パターンの画像がディスプレイ24に選択可能な状態で表示される。そして、ユーザは、マウス22またはキーボード21を操作して、これらの縫目パターンのうち所望の1つを指定する。すると、指定された縫目パターンに対応するマトリクスが設定値記憶エリア154からRAM12に取得される。
設定角度特徴を示す情報(マトリクス)が取得された後、元画像を構成する複数の画素の全てについて、各々の角度特徴と角度特徴の強度が算出される(S5)。角度特徴およびその強度は、いかなる方法で算出されてもよいが、例えば、特開2001−259268に詳述されている方法を用いて算出することができる。よって、ここでは詳細な説明は省略し、概略のみを説明する。まず、元画像を構成する複数の画素のうち1つを注目画素として、注目画素とその周囲の所定数(例えば8個)の画素を注目領域とする。注目領域内の各画素の色に関する属性値(例えば、輝度値)に基づいて、注目領域内における色の連続性の高い方向が特定され、注目画素の角度特徴とされる。なお、角度特徴は、注目画素を中心として、画像中の右方向を0度、下方向を90度、左方向を180度とした角度で表される。また、注目領域内における色の変化の大きさを示す値が算出されて、注目画素の角度特徴の強度とされる。
このように角度特徴およびその強度を算出する処理が、元画像を構成する画素の全てについて、順に行われる。各画素の角度特徴とその強度を示すデータは、RAM12の所定の記憶エリアに記憶される。なお、複数の画素を注目画素として、同様の処理が行われてもよい。また、角度特徴およびその強度は、上記の方法以外に、PrewittのオペレータやSobelのオペレータを用いて算出されてもよい。
算出された角度特徴の強度に基づき、元画像を構成する画素の各々が、第一画素と第二画素の何れかに特定され、その情報がRAM12に記憶される(S7)。具体的には、元画像を構成する画素のうち、角度特徴の強度が所定の閾値以上である画素は第一画素とされ、角度特徴の強度が所定の閾値未満である画素は第二画素とされる。なお、ここで使用される閾値は、予め設定され、HDD15の設定値記憶エリア154に記憶された固定値であってもよいし、S5で算出された全画素の角度特徴の強度に基づいてCPU11が決定した値であってもよい。あるいは、S5で算出された全画素の角度特徴の強度をみてユーザが入力した値が使用されてもよい。
S7で第二画素と特定された画素の各々について、周辺画素の角度特徴を加味した角度特徴が再算出され、RAM12に記憶される(S9)。再算出の方法として、例えば、特開2001−259268に詳述されている方法を採用することができる。よって、ここでは詳細な説明は省略し、概略のみを説明する。
まず、第二画素のうち1つを注目画素として、周辺画素(注目画素が1つの場合、例えば、注目画素に隣接する8画素)が順に走査される。周辺画素に角度特徴の強度が閾値以上である第一画素が1つまたは複数含まれる場合、その1つまたは複数の第一画素の角度特徴のcos値と角度特徴の強度の積の和Sum1、角度特徴のsin値と角度特徴の強度の積の和Sum2とが算出される。そして、Sum2をSum1で割って得られた値(Sum2/Sum1)のアークタンジェント値(tan−1(Sum2/Sum1))が、注目画素とされた第二画素の新たな角度特徴とされる。このように、順次第二画素について角度特徴の再算出を行う。なお、それ以後に処理を行う第二画素の角度特徴の再算出において、既に再算出された第二画素の角度特徴が周囲にある場合は、その角度特徴を第一画素の角度特徴と同様、計算の元とする。周辺画素に第一画素も再算出済みの第二画素も含まれない場合、その第二画素の再算出後の角度特徴として、元の角度特徴がそのまま設定される。
更に、第二画素の各々について、S9で再算出された角度特徴と、S3で取得された情報が示す設定角度特徴とから、線分の配置方向を決定するための最終的な角度特徴が算出され、RAM12に記憶される(S11)。第二画素の最終的な角度特徴は、例えば、以下に説明する方法で算出される。まず、処理対象の第二画素の角度特徴の強度をSとし、S7において、第一画素と第二画素とを判別するのに使用された角度特徴の強度の閾値をTとする。また、S9で従来の方法によって再算出された処理対象の第二画素の角度特徴をθ1、S3で取得されたマトリクスにおいて処理対象の第二画素に対応する要素が示す設定角度特徴をθ2、第二画素の最終的な角度特徴をθ3とする。そして、これらの値を用いて、以下の式からdXおよびdYを夫々算出する。
dX=cosθ1×S+cosθ2×(T−1−S)
dY=sinθ1×S+sinθ2×(T−1−S)
そして、以下の式に示すように、dYをdXで割って得られた値(dY/dX)のアークタンジェント値が、第二画素の最終的な角度特徴θ3とされる。
θ3=tan−1(dY/dX)
なお、上記の式で、cosθ1(sinθ1)に、第二画素の角度特徴の強度Sをそのまま乗じる一方で、cosθ2(sinθ2)に、閾値Tから1と第二画素の角度特徴の強度Sとを引いた値を乗じるのは、第二画素は特徴が弱い部分であることから、周辺画素中の第一画素の角度特徴が加味されたθ1に、設定角度特徴θ2よりも重みを付けるためである。これにより、第二画素のうちで、角度特徴がより強い第二画素の角度特徴は、周辺画素中の第一画素の角度特徴が加味されたθ1により近いものとなる。反対に、第二画素のうちで、角度特徴がより弱い第二画素の角度特徴は、設定角度特徴θ2により近いものとなる。つまり、特徴が強い部分に近い第二画素については、従来のように、周囲の縫目の方向により近くなるように角度特徴が修正される一方で、周囲にも特徴が強い部分がほとんどない第二画素については、予め設定された縫目パターンの縫目の方向により近くなるように角度特徴が修正される。
なお、ここで説明した第二画素の最終的な角度特徴の算出方法はあくまでも例示であり、他の方法で算出されてもよいことはもちろんである。例えば、以下の式からdXおよびdYを夫々算出し、θ3を算出してもよい。なお、αは、0より大きく1より小さい固定値であり、全ての画素に共通に適用される。
dX=cosθ1×α+cosθ2×(1−α)
dY=sinθ1×α+sinθ2×(1−α)
この場合、dX、dYは、第二画素の角度特徴の強度に依存しない。αが1に近づくほどθ3はθ1に近づき、αが0に近づくほどθ3はθ2に近づく。よって、αの値を操作することで、設定角度特徴θ2の影響の度合いをユーザが好きなように指定することができる。
さらに、以下の式からdXおよびdYを夫々算出し、θ3を算出してもよい。
dX=cosθ1×S×α+cosθ2×(T−1−S)×(1−α)
dY=sinθ1×S×α+sinθ2×(T−1−S)×(1−α)
この場合、第二画素の角度特徴の強度に依存しつつ、さらに、設定角度特徴θ2の影響の影響の度合いをユーザが指定できる。
第二画素の最終的な角度特徴が算出されると、刺繍模様の縫目に対応する線分を配置する処理が行われる(S13)。線分の配置処理はいかなる公知の方法で行われてもよいが、例えば、特開2001−259268に詳述されている方法を採用することができる。この方法では、なるべく画像全体を埋めるように、なるべく重なり合わない線分が配置される。以下に概略のみを説明する。画像を構成する画素を左から右、上から下へ走査しながら、まずはS7で特定された第一画素について、順に、線分が配置されていく。このとき、第一画素を中心として、所定の長さ(予め設定された長さまたはユーザが入力した長さ)を有し、S5で算出された角度特徴が示す方向に伸びる線分が配置される。つまり、画像中の特徴を直接的に示す線分が配置される。各線分の端点を示す情報(座標)は、RAM12に記憶される。
全ての第一画素に対して線分の配置が終了すると、画像を構成する画素を左から右、上から下へ走査しながら、S7で特定された第二画素のうち、第一画素に対応する線分と重なり合わない第二画素について、順に、線分が配置される。なお、既に第二画素に対応する線分が作成されている場合は、作成済みの第二画素に対応する線分とも重なり合わない第二画素についてのみ、線分が配置される。第二画素に対応する線分は、第二画素を中心として、所定の長さを有する線分であって、S11で算出された角度特徴が示す方向に伸びるものである。つまり、第二画素については、その角度特徴の強度に応じて、予め設定された縫目パターン(図5〜図7参照)のうち選択された縫目パターンの縫目の方向と、周囲の第一画素に対応する線分の配置方向が融合された方向に伸びる線分が配置されることになる。各線分の端点を示す情報は、RAM12に記憶される。
このようにして、第一画素、第二画素に対応する線分の配置が終了すると、各線分の色を決定する処理(S15)、同じ色の線分を接続する処理(S17)、線分のデータから、ミシン3(図2参照)で使用可能な刺繍データを作成する処理(S19)が行われて、図3に示す刺繍データ作成処理は終了する。S15、S17、S19の処理については、いかなる公知の方法で行われてもよいが、例えば、特開2001−259268に詳述されている方法を採用することができる。よって、ここでは詳細な説明は省略し、以下に概略のみを説明する。
まず、各線分の色を決定する処理(S15)では、元画像において、注目画素を中心とする所定の範囲が、元画像の色を参照する範囲(参照領域)として設定される。そして、元画像の参照領域内の色の平均値と、注目画素を中心とする参照領域と同じサイズの領域に配置された線分に対してすでに決定された色の平均値が等しくなるように、注目画素に対応する線分の色が決定される。つまり、元画像の色とすでに決定された線分の色とに基づいて、線分の各々の色が決定されていく。さらに、決定された線分の色に基づいて、各線分に対応する縫目の縫製に使用される糸の色(糸色)が決定される。各線分に対応する糸色は、例えば、刺繍縫製に使用可能な複数の糸の色のうち、決定された線分の色に最も近い色に決定すればよい。具体的には、使用可能な糸の色の各々のRGB値と線分の色のRGB値とのRGB空間での空間距離を求め、その距離が最小となる糸色を、その第2線分色とすればよい。
同じ糸の色の線分を順に接続する処理(S17)では、まず、画像の左端に対応する位置に最も近い線分を接続順が1番目の線分として、その2つの端点のうち一方が始点とされ、他方が終点とされる。次に、同じ糸色の他の線分のうち、1番目の線分の終点に最も近い位置にある端点を有する線分が、接続先である2番目の線分とされる。同様にして、順に、すでに接続された線分の終点に、同じ糸色の線分の最も近い位置にある端点を接続していく。その後、糸色毎に接続された線分群を、近い端点同士で接続することにより、全ての線分が接続される。そして、接続された全ての線分の端点の位置(座標)、接続順、および糸色を示すデータが作成される。
刺繍データを作成する処理(S19)では、全ての線分の端点の座標がミシン3に固有の座標系の座標に変換され、針落ち点、縫い順、および糸色を示すデータとされることで、刺繍データが作成される。作成された刺繍データは、HDD15の刺繍データ記憶エリア152に記憶される。
ここで、図9〜図11に、本実施形態の刺繍データ作成処理を適用した場合の効果を例示する。図9は、図4に示す元画像において、第二画素に対して、図12のS9の処理で従来法により再算出された角度特徴のみに基づいて線分を配置し、刺繍データを作成した場合の縫製結果を示している。この例では、元画像全体が自然な縫目で表現されている。ここでは特に、少女の額の領域及び背景領域に注目する。いずれも元の画像の特徴が弱く、周囲の特徴の強い部分の影響を受ける形で縫い目が形成されており、周囲に馴染む様に効果的に表現されている。一方で、特に背景部分においては、刺繍独特の風合いは十分に表現されていない。
図10は、図4に示す元画像において、第二画素に対して、図8に示す同心円状の縫目パターンを示すマトリクスで設定された設定角度特徴のみに基づいて線分を配置し、刺繍データを作成した場合の縫製結果を示している。この例では、背景部分および少女の頭部に同心円状の縫目が形成されており、刺繍独特の風合いが顕著に見られる。一方で、同心円状の縫目が際立ちすぎる傾向がある。よって、特徴的な少女の頭部(額)の印象が若干弱くなっている。
図11は、図4に示す元画像を基に、本実施形態の刺繍データ作成処理によって刺繍データを作成した場合の縫製結果を示している。つまり、第二画素には、図12のS9で再算出された角度特徴と、図10の例の同心円状の縫目パターンの設定角度特徴とから決定された最終的な角度特徴に基づいて線分が配置された例である。この例では、特に特徴が弱い部分には同心円状の縫目パターンが活かされる一方、特徴的な少女の頭部(額)では同心円状の縫目が際立ちすぎず、元画像の効果的な表現が実現されている。
以上に説明したように、本実施形態の刺繍データ作成装置1によれば、元画像の特徴的な部分に該当する第一画素については、画像データに基づいて算出された角度特徴(S5)に基づいて線分が配置される。一方、特徴が弱い部分に該当する第二画素については、周囲の画素の角度特徴が加味されて再算出された角度特徴(S9)に、予め設定された設定角度特徴が更に加味された最終的な角度特徴(S11)が算出され、これに基づいて線分が配置される。そして、これらの線分のデータから、ミシン3により刺繍模様の縫目を形成するための刺繍データが作成される。
従って、刺繍独特の風合いを表現可能な角度特徴を設定角度特徴として予め設定しておけば、第二画素に対応する線分の配置方向にはそれが反映されるので、周辺画素の角度特徴を加味するだけの場合に比べ、第二画素に対応する縫目によって刺繍独特の風合いを表現することができる。また、第二画素に対応する線分の配置方向には周辺画素の角度特徴が反映されるので、第二画素に対して設定角度特徴のみが適用される場合に比べ、第二画素に対応する線分が際立ちすぎず、第一画素に対応する線分とより馴染む縫目を形成することができる。つまり、本実施形態の刺繍データ作成装置1によれば、元画像の特徴を効果的に表現しつつ刺繍独特の風合いを自然に加味した縫目を形成できる刺繍データを作成することができる。
また、本実施形態では、HDD15の設定値記憶エリア154に、設定角度特徴を示す情報として、予め、刺繍独特の風合いを表現可能な複数種類の縫目パターン(図5〜図7参照)に対応する複数のマトリクスが記憶されている。そして、ユーザがこれらの縫目パターンのうち所望の種類の一つを、第二画素に適用される設定角度特徴として指定することができる。これにより、ユーザは、特徴の弱い部分に対して所望の刺繍の風合いを加味することができる。
本実施形態では、HDD15は本発明の「記憶手段」に相当し、キーボード21およびマウス22は、「指定手段」に相当する。図3の刺繍データ作成処理のS3で、指定された縫目パターンに対応するマトリクスを取得する処理を行うCPU11は、「取得手段」に相当する。S5で、全ての画素について角度特徴とその強度を算出する処理を行うCPU11は、「第一算出手段」に相当する。S9で、周辺画素の角度特徴を加味した第二画素の角度特徴を再算出する処理を行うCPU11は、「第二算出手段」に相当する。S11で、S9で再算出された角度特徴と設定角度特徴とから、第二画素の最終的な角度特徴を算出する処理を行うCPU11は、「第三算出手段」に相当する。S13で、第一画素および第二画素に対応する線分を夫々配置する処理を行うCPU11は、「第一配置手段」および「第二配置手段」に相当する。S19で、配置された線分のデータから刺繍データを作成する処理を行うCPU11は、「作成手段」に相当する。
なお、本記実施形態の刺繍データ作成処理(図3参照)では、S9、S11において、全ての第二画素について最終的な角度特徴を算出しなおした後、S13で線分を配置する。これに代えて、線分が配置される第二画素についてのみ、最終的な角度特徴を算出しなおしてもよい。なぜなら、前述のように、線分の配置処理においては、第一画素が優先されるので、全ての第二画素に対して線分が配置されるとは限らないからである。この場合、S7の処理の後、特定された第一画素に対応する線分が、上記実施形態と同じ方法で先に配置される。その後、第一画素に対応する線分および既に配置された第二画素に対応する線分と重なり合わない第二画素についてのみ、S9、S11の処理と同様に、最終的な角度特徴の算出処理が行われ、対応する線分が配置されればよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態の刺繍データ作成処理では、元画像中の全ての第二画素について、設定角度特徴を加味した最終的な角度特徴が算出されている。しかしながら、第二画素に設定角度特徴を加味する領域、つまり、刺繍独特の風合いを加味したい領域が設定できるように処理が変更されてもよい。以下に、図12、図4および図13を参照して、このような変形例に係る刺繍データ作成処理について説明する。なお、以下では、図12に示す変形例の刺繍データ作成処理において、上記実施形態の刺繍データ作成処理(図3参照)と同一内容の処理については同一のステップ番号を付して説明を簡略化し、上記実施形態とは異なる処理の詳細について説明する。
図12に示すように、変形例に係る刺繍データ作成処理でも、画像が入力され、設定角度特徴を示す情報が取得される処理(S1、S3)は上記実施形態と同じである。その後、設定角度特徴を加味した最終的な角度特徴を第二画素に適用する領域(以下、適用領域という)を設定する処理が行われる(S4)。例えばユーザが指定した領域が適用領域として設定されればよい。
この場合、例えば、まず、元画像(図4参照)を含む領域設定画面(図示略)がディスプレイ24に表示される。そして、ユーザは、マウス22を操作して、領域設定画面上で任意の閉領域を指定すればよい。具体的には、例えば、ユーザは、マウス22を移動しながら、領域設定画面上で任意の点でマウス22をクリックする操作を繰り返す。そして、最初の点で再度マウス22がクリックされると、閉領域の指定が終了する。CPU11は、クリックされた点に対応する画像中の位置を順に線分でつないでいくことで、適用領域を設定すればよい。
あるいは、ユーザがフリーハンドでマウス22をドラッグし、そのポインタ(図示略)の移動軌跡を境界線として、適用領域が設定されてもよい。この場合、ポインタの移動軌跡が閉じていない場合には、移動軌跡の始点と終点とを結んで適用領域が設定されればよい。なお、設定された適用領域の境界線を示す情報はRAM12に記憶される。
例えば、図4に示す元画像の少女の背景部分のみに刺繍独特の風合いを加味したい場合、ユーザは、上記の方法を用いてこの背景部分のみを適用領域として指定する。この場合、図13に黒塗りで示す領域が、適用領域として設定されることになる。
全ての画素について、元画像の画像データに基づいて角度特徴とその強度を算出する処理(S5)、第一画素および第二画素を特定する処理(S7)と、第二画素について、従来の方法で周辺画素の角度特徴を加味した角度特徴を再算出する処理(S9)は、上記実施形態と同じである。
続いて、適用領域内の第二画素について、S9で再算出された角度特徴とS3で取得された情報が示す設定角度特徴とから、適用領域内の第二画素の最終的な角度特徴が算出される(S12)。最終的な角度特徴の算出方法は、基本的には上記実施形態のS11の処理について説明した方法と同じであるが、対象とされる第二画素が、元画像の全領域内の第二画素ではなく、適用領域内の第二画素のみであるという点で、処理が異なる。
続くS14の線分の配置処理では、第一画素については上記実施形態と同様に線分が配置される。一方、第二画素に対応する線分の配置方法は、処理対象の第二画素が適用領域内にあるか否かでその方法が異なる。まず、適用領域内(境界線上を含む)にある第二画素については、上記実施形態と同様の方法で線分が配置される。つまり、第二画素を中心として、所定の長さを有し、S12で算出された角度特徴が示す方向に伸びる線分が配置される。一方、適用領域外にある第二画素については、S9で従来の方法により再算出された、第二画素の元々の角度特徴に周辺画素の角度特徴を加味した角度特徴が適用される。つまり、第二画素を中心として、所定の長さを有し、S9で算出された角度特徴が示す方向に伸びる線分が配置される。
その後の線分の色を決定する処理(S15)、線分を接続する処理(S17)、および刺繍データを作成する処理(S19)は、上記実施形態と同じである。
以上に説明したように、変形例に係る刺繍データ作成処理では、設定された適用領域内にある第二画素にのみ、周辺画素の角度特徴と設定角度特徴とが加味され、適用領域外の第二画素には、周辺画素の角度特徴のみが加味される。従って、特定の領域(例えば、人物の背景のような、画像中の色の変化が特に少ない領域)だけを指定して、刺繍独特の風合いを加味することが可能となる。
本変形例において、図12の刺繍データ作成処理のS4で適用領域を設定する処理を行うCPU11は、本発明の「領域設定処理」に相当する。S12で、適用領域内にある第二画素についてのみ、設定角度特徴を加味した角度特徴を算出する処理を行うCPU11は、「第三算出手段」に相当する。S14で、適用領域内にある第二画素について、設定角度特徴を加味した角度特徴に基づき線分を配置し、適用領域外にある第二画素については、周辺画素の角度特徴のみを加味した角度特徴に基づき処理を行うCPU11は、「第二配置手段」および「第三配置手段」に相当する。
なお、本変形例においても、S14で全ての線分の配置処理をまとめて行う必要はない。具体的には、S7で特定された第一画素に対応する線分のみを配置した後、適用領域内にある第二画素についてのみ、S9、S12の処理を行って最終的な角度特徴を算出してから線分を配置し、更に、適用領域外にある第二画素について、S9の処理を行って角度特徴を再算出してから線分を配置する処理としてもよい。
上記変形例に限らず、その他の変更が加えられてもよい。例えば、設定角度特徴を示す情報(例えば、上記実施形態のマトリクス)は、必ずしも複数種類用意して選択可能とする必要はない。1種類の設定角度情報が一律で使用されてもよい。また、設定角度特徴を示す情報は、上記実施形態で例示した所定方向の縫目の繰り返しパターンに関連するものである必要はない。
また、所定方向の縫目の繰り返しパターンの場合、設定角度情報を示す情報として、予め図8に例示したようなマトリクスが用意されている必要はない。この場合、刺繍データ作成処理(図3参照)のS5では、設定角度特徴を示す情報として、適用する縫目パターンを示す情報だけを取得し、S11で、その情報に応じた角度特徴を算出し、設定角度特徴として用いてもよい。
例えば、図5に示す同心円状の縫目パターンの場合、次のようにして、第二画素の各々の設定角度特徴を算出することができる。図14に示すように、画像の中心に位置する画素を中心画素C、その座標を(Cx,Cy)とする。設定角度特徴を算出する対象の第二画素を注目第二画素P、その座標を(Px,Py)、注目第二画素Pの設定角度特徴をθとする。同心円の場合、設定角度特徴θは、中心画素Cを中心とし、線分CPを半径とする円の注目第二画素Pにおける接線の角度である。よって、dx=Cx−Px、dy=Cy−Pyとした場合、θは、次の式で算出できる。
θ=tan−1{dx/(−dy)}
正弦波(図6参照)、市松模様(図7参照)等、その他の繰り返しパターンの場合も同様に、基準となる画素との関係で第二画素の設定角度特徴を算出する式が設定されていれば、マトリクスが用意されていなくてもよい。
また、設定角度特徴を示す情報として、例えば、刺繍データ作成処理(図3参照)のS9で周辺画素の角度特徴を加味して再算出された角度特徴を回転させる角度を示す情報であってもよい。例えば、「時計回りに30度」という情報が設定角度特徴を示す情報として設定されていた場合、S11では、第二画素の最終的な角度特徴(角度)として、S9で算出された角度特徴(角度)に30度を加えた角度(180度を超える場合は更に180度を差し引く)が得られる。また、このような設定角度特徴が、図12に示す変形例に係る刺繍データ作成処理に適用されると、適用領域内の第二画素に対応する線分のみが設定された角度だけ回転されるので、適用領域内に、他の領域とは異なる風合いの縫目を形成することができる。
1 刺繍データ作成装置
3 ミシン
11 CPU
15 HDD
21 キーボード
22 マウス

Claims (5)

  1. 複数の画素の集合体である画像の画像データに基づいて、ミシンにより刺繍縫製を行うための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置であって、
    前記画像データに基づいて、前記複数の画素の各々について、前記画像中の色の連続性の高い方向を示す情報である角度特徴と、前記色の変化の大きさを示す前記角度特徴の強度を算出する第一算出手段と、
    前記第一算出手段によって算出された前記角度特徴に基づいて、前記複数の画素のうち、前記第一算出手段によって算出された前記強度が予め設定された閾値以上の画素である第一画素に対応する第一線分を配置する第一配置手段と、
    前記複数の画素のうち、前記第一算出手段によって算出された前記強度が前記閾値よりも小さい画素である第二画素について、前記第一算出手段によって算出された前記第二画素の周囲の少なくとも一つの画素の前記角度特徴から、新たな角度特徴を算出する第二算出手段と、
    前記第二画素に加味される角度特徴として予め設定された設定角度特徴を示す情報を取得する取得手段と、
    前記第二算出手段によって算出された前記新たな角度特徴と、前記取得手段によって取得された前記情報が示す前記設定角度特徴とから、更に新たな角度特徴を算出する第三算出手段と、
    前記第三算出手段によって算出された前記新たな角度特徴に基づいて、前記第二画素に対応する第二線分を配置する第二配置手段と、
    前記第一配置手段によって配置された前記第一線分および前記第二配置手段によって配置された前記第二線分に対応する縫目を少なくとも示すデータを、刺繍データとして作成する作成手段とを備えたことを特徴とする刺繍データ作成装置。
  2. 前記第三算出手段によって算出された前記新たな角度特徴に基づいて、前記第二配置手段によって前記第二線分が配置される領域を設定する領域設定手段と、
    前記第二算出手段によって算出された前記新たな角度特徴に基づいて、前記領域設定手段によって設定された前記領域外にある前記第二画素に対応する前記第二線分を配置する第三配置手段とを更に備え、
    前記第三算出手段は、前記領域設定手段によって設定された前記領域内にある前記第二画素についてのみ、前記新たな角度特徴を算出し、
    前記第二配置手段は、前記領域内にある前記第二画素に対応する前記第二線分を配置し、
    前記作成手段は、前記第一配置手段によって配置された前記第一線分、前記第二配置手段によって配置された前記第二線分、および前記第三配置手段によって配置された前記第二線分に対応する縫目を示すデータを、前記刺繍データとして作成することを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ作成装置。
  3. 複数種類の前記設定角度特徴を示す前記情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記複数種類の前記情報のうち一つを指定する指定手段とを更に備え、
    前記取得手段は、前記指定手段によって指定された前記情報を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の刺繍データ作成装置。
  4. 請求項1から3の何れかに記載の刺繍データ作成装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための刺繍データ作成プログラム。
  5. 請求項4に記載の刺繍データ作成プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
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