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JP2013190561A - 反射防止フィルム及びその製造方法、偏光板、透過型液晶ディスプレイ - Google Patents

反射防止フィルム及びその製造方法、偏光板、透過型液晶ディスプレイ Download PDF

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JP2013190561A
JP2013190561A JP2012056032A JP2012056032A JP2013190561A JP 2013190561 A JP2013190561 A JP 2013190561A JP 2012056032 A JP2012056032 A JP 2012056032A JP 2012056032 A JP2012056032 A JP 2012056032A JP 2013190561 A JP2013190561 A JP 2013190561A
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antireflection
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Atsuko Aoki
敦子 青木
Takahiro Morinaga
貴大 森永
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Abstract

【課題】1回の塗工により多層構成とすることでき、硬度、光学特性に優れた反射防止フィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】低屈折率粒子と、分子中に水酸基を有する硬化性樹脂と、硬化剤として水酸基との熱硬化反応性基を2つ以上有する化合物と、透明基材を溶解・膨潤させる成分を含む塗液を、塗液を透明基材上に塗布する。これにより、透明基材と、透明基材上に積層されたハードコート層と、ハードコート層上に積層された反射防止層とを備え、ハードコート層は、透明基材の成分とバインダーマトリックス成分とが混合した混合層よりなる反射防止フィルムを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止フィルム、該反射防止フィルムを用いた偏光板、該反射防止フィルムを用いた表示装置、該反射防止フィルムの製造に適した反射防止フィルムの製造方法に関する。
一般に、画像表示装置には、外光が表示画面上に映りこむことによって画像を認識しづらくなるという問題がある。また、最近では、画像表示装置が屋内で使用されるだけでなく屋外に持ち出される機会も増加しており、表示画面上への外光の映り込みや高度な耐久性がより重要な課題になっている。そこで、屈折率の異なる層を反射防止層として積層した積層体を反射防止フィルムとし、該反射防止フィルムを表示装置表面に設けることが提案されている。
また、反射防止フィルムでは、表面硬度、耐擦傷性を付与するために、硬度に優れたハードコート層を積層体内部に配置することが行われている。
また、反射防止フィルムに偏光層を設け、表示装置などに用いる偏光板として用いることが提案されている。
例えば、液晶表示パネル(LCDパネル)に用いる偏光板として、反射防止フィルムに偏光層を設けた構成が知られている(特許文献1参照)。
上述のような反射防止フィルムの製造方法として、湿式成膜法を用いることが提案されている。湿式成膜法は、各層ごとに塗液を調整し、各層ごとに塗液を塗工することにより積層体を形成する方法である。
例えば、反射防止層/ハードコート層/透明基材が、観察面からみてこの順で積層された反射防止フィルムを、湿式成膜法を用いて製造することが知られている(特許文献2参照)。
反射防止フィルムにあっては、多層構成とすることにより反射防止性能といった光学特性やその他の特性を良好とすることができる。しかしながら、湿式成膜法を用いてハードコート層を有する反射防止フィルムを製造する場合、ハードコート層、反射防止層、など、各層ごとに材料を分散した塗液を調整し、塗液を塗工する必要があり、このため、製造工程数が増加し、製造効率が低下するという問題があった。この問題に対し、1回の塗工により多層構成とすることができ、光学特性に優れる反射防止フィルムを製造できる製造方法も報告されている(特許文献3参照)。
特開2000−321428号公報 特開2005−199707号公報 特開2010−237648号公報
製造効率が高く、1回の塗工により多層構造を形成することができる製造方法では、低屈折率粒子、バインダーマトリックス及び透明基材を溶解・膨潤する成分を含む塗液を透明基材に塗工することより、透明基材/透明基材が溶解・膨潤した混合層/低屈折率粒子が局在した低屈折率層がこの順で積層された多層構造を形成する。十分な光学特性を得るためには混合層上に形成される低屈折率粒子を最表面に局在化させることが必要である。この場合、透明基材が溶解・膨潤した混合層がハードコート層としての機能を担うことになる。しかしながら、この混合層では、基材成分とハードコート層を形成する硬化性樹脂成分が架橋反応しないため、硬度が低くなるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、1回の塗工により多層構造を形成することできる製造方法で、優れた硬度と光学特性を持った反射防止フィルムを提供することを目的とする。
本発明に係る反射防止フィルムは、透明基材と、透明基材上に積層されたハードコート層と、ハードコート層上に積層された反射防止層とを備える。ハードコート層は、透明基材の成分とバインダーマトリックスとが混合した混合層である。ハードコート層と反射防止層とを形成する樹脂組成物は、分子中に水酸基を有する硬化性樹脂と、硬化剤として水酸基との熱硬化反応性基を2つ以上有する化合物とが架橋された化合物を含む。
上記の反射防止フィルムにおいて、透明基材がトリアセチルセルロースフィルムからなることが好ましい。
上記の反射防止フィルムにおいて、混合層と反射防止層とが光学的に分離していることが好ましい。
上記の反射防止フィルムにおいて、反射防止層中の低屈折率粒子の含有率は0.5wt%以上5.0wt%未満であり、反射防止層中の単位面積あたりの低屈折率粒子の含有量は0.05g/m2以上0.50g/m2以下の範囲内であることが好ましい。
上記の反射防止フィルムにおいて、反射防止層は、低屈折率粒子が局在した低屈折率層を有し、低屈折率層の屈折率が1.29以上1.43以下の範囲内であり、かつ、低屈折率層の光学膜厚が110nm以上140nm以下の範囲内であることが好ましい。
また、本発明に係る偏光板は、上記の反射防止フィルムに偏光層を設けたものである。
また、本発明に係る表示装置は、上記の反射防止フィルムを備える。
本発明に係る反射防止フィルムの製造方法は、少なくとも低屈折率粒子と、バインダーマトリックスとを溶媒に溶解または分散させ、透明基材を溶解・膨潤させる成分を含む塗液を調整する塗液調整工程と、塗液を透明基材上に塗布する塗布工程と、透明基材上に塗布された塗液を乾燥させ、透明基材上に塗膜を形成する乾燥工程とを備える。バインダーマトリックスは、分子中に水酸基を有する硬化性樹脂と、硬化剤として水酸基との熱硬化反応性基を2つ以上有する化合物とを含有する。
上記の反射防止フィルムの製造方法において、塗液における溶媒の占める割合は、55wt%以上85wt%以下の範囲内にあり、溶媒における透明基材を溶解・膨潤させる成分の占める割合は30wt%以上90wt%以下の範囲内にあることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、低屈折率粒子及びバインダーマトリックスを含み、透
明基材を溶解・膨潤する成分を含む塗液を透明基材に塗工することより、1回の塗工によ
り、透明基材/透明基材が溶解・膨潤した混合層/低屈折率粒子が局在した低屈折率層をこの順で積層した多層構成の反射防止フィルムを形成することができる。このため、十分な光学特性を備えるだけでなく、製造コストの低い反射防止フィルムを製造することができる。
実施形態に係る反射防止フィルムの一例を示す概略図 実施形態に係る偏光板の一例を示す概略図 実施形態に係る表示装置の一例を示す概略図
本発明の反射防止フィルム製造方法では、低屈折率粒子と、分子中に水酸基を有する硬化性樹脂と、硬化剤として水酸基との熱硬化反応性基を2つ以上有する化合物と、透明基材を溶解・膨潤する成分とを含む塗液を透明基材に塗工する。この製造方法によれば、1回の塗工で、透明基材/透明基材が溶解・膨潤した混合層/低屈折率粒子が局在した低屈折率層がこの順で積層された多層構造の反射防止フィルムを形成することができる。
本発明の反射防止フィルム製造方法では、「透明基材を溶解・膨潤させる成分を含む塗液」を透明基材上に塗布する。このとき、「透明基材を溶解・膨潤させる成分」が透明基材へと浸透すると同時に、分子中に水酸基を有する硬化性樹脂と、水酸基との熱硬化反応性基を2つ以上有する化合物も透明基材側へと浸透する。これによりトリアセチルセルロース等の基材の水酸基の一部と、水酸基との熱硬化反応性基を有する化合物とが架橋し、この架橋した化合物が、さらに塗液中に含まれる、水酸基を有する硬化性樹脂、水酸基との熱硬化性反応基を有する化合物と架橋する。この2つの架橋反応が、透明基材の成分とバインダーマトリックスとが混合した混合層の硬度向上に寄与する。また、透明基材の成分とバインダーマトリックスとが勾配をもって混合された混合層が形成される。また、塗液内に分散した低屈折率粒子は、溶解・溶融したバインダーマトリックスと比較して嵩高いため、透明基材側には浸透しにくい。よって、低屈折率粒子は観察表面側へと偏析し混合層と反射防止層(低屈折率層)とが層分離する。
また、本発明の反射防止フィルム製造方法では、「透明基材を溶解・膨潤させる成分を含む塗液」を透明基材上に塗布するにあたり、透明基材側から塗布した塗液側へと透明基材の成分が移動する。このため、塗布された塗液内では透明基材側から表面側の方向へ物質移動による流れが発生する。このとき、塗液内に分散した低屈折率粒子は、物質移動による流れに沿って拡散移動する。よって、観察表面側に低屈折率粒子が偏析し、低屈折率粒子が局在した低屈折率層が形成される。
上述したように、本発明の反射防止フィルム製造方法では、混合層を形成することにより、ハードコート層(混合層)と反射防止層(低屈折率層)とを好適に層分離できる。よって、1回の塗工で効率よく反射防止フィルムとして利用できる多層の積層体を形成することができる。また、混合層形成の際に、「透明基材を溶解・膨潤させる成分」が透明基材へと浸透すると同時に、分子中に水酸基を有する硬化性樹脂と、水酸基との熱硬化反応性基を2つ以上有する化合物も透明基材側へと浸透する。これによりトリアセチルセルロース等の基材の水酸基の一部と水酸基との熱硬化反応性基を有する化合物とが架橋し、架橋した化合物が、さらに塗液中に含まれる、水酸基を有する硬化性樹脂、水酸基との熱硬化性反応基を有する化合物と架橋するため、混合層の硬度向上に寄与する。混合層中では、透明基材の成分とバインダーマトリックスの成分とが濃度勾配を形成するため、混合層の屈折率は、透明基材の屈折率から混合層のバインダーマトリックスの屈折率まで漸次変化する。よって、混合層と透明基材の界面において屈折率の差により発生する干渉縞の発生を防ぐことができる。また、透明基材と混合層との界面が不明瞭であることから、層界面での剥離を抑制することができる。
なお、上述の説明のように層形成が行われるため、透明基材/混合層/低屈折率層の各層ごとの物理的境界は明瞭ではないが、各層は「光学的には分離している」ものである。「光学的に分離している」とは、本発明の反射防止フィルムの低屈折率層側から5°の入射角で可視光(380nm以上800nm以下)での分光反射率を求め、この分光反射率について光学シミュレーションを行った際に、混合層、低屈折率層に起因する干渉ピークを確認することができる状態を指す。
以下、本発明の反射防止フィルム製造方法について説明を行う。
<塗液調製工程>
まず、低屈折率粒子と、バインダーマトリックスとを溶媒に分散させ、透明基材を溶解・膨潤させる成分を含む塗液を調整する。
低屈折率粒子には、LiF、MgF2、3NaF・AlF3(いずれも、屈折率1.4)、または、Na3AlF6(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折材を用いることができる。また、粒子内部に空隙を有する粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有する粒子にあっては、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができるため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子となる。具体的には、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子を用いることができる。また、空隙を有する粒子は比重が小さく、混合層を形成するとき、好適に表面側へ偏析させることができることから、本発明の反射防止フィルムに用いる低屈折粒子として好ましい。
また、低屈折率粒子の粒径は、1nm以上100nm以下程度の範囲にあることが好ましく、50nm以上80nm以下程度の範囲にあることがより好ましい。粒径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、反射防止層が白化して反射防止フィルムの透明性が低下する傾向にある。一方、粒径が1nm未満の場合、粒子の凝集による反射防止層における粒子の不均一性等の問題が生じる。
本発明のバインダーマトリックス形成材料中の硬化剤としては、水酸基との熱硬化反応性基を2つ以上有する化合物を含むことが好ましい。バインダーマトリクスに含まれる、水酸基を有する硬化性樹脂と、熱硬化反応性基を有する化合物とが架橋すると同時に、トリアセチルセルロース等の基材中の水酸基との架橋反応が可能となり、混合層の硬度向上に寄与する。具体的には、分子中に少なくとも2つ以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。
バインダーマトリックス形成材料中の硬化剤の例として、市販品では、旭化成ケミカルズ(株)製 デュラネートHDI,三井化学(株)製 MDI、TDI、XDI、IPDI、HDI等が挙げられる。
バインダーマトリックス形成材料として、電離放射線硬化型材料を含む。電離放射線硬化型材料としては、特に水酸基を有する硬化性材料が好ましい。また、硬化性アクリル系材料を好ましく用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような単官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線硬化型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニルフェノールアクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタン及びアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、1.54 エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これらの(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
アクリル系材料として多官能ウレタンアクリレートを用いることもできる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。具体的には、共栄社化学社製、UA−306H、UA−306T、UA−306I等、日本合成化学社製、UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学社製、U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー社製、Ebecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業社製、UN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を挙げることができるがこの限りではない。
またこれらの他にも、電離放射線硬化型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
また、バインダーマトリックス形成材料は熱可塑性樹脂を含むこともできる。熱可塑性樹脂を含むことにより、反射防止フィルム自体の反りの発生を抑制できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。
光重合開始剤は、電離放射線が照射された際にラジカルを発生するものであれば良い。例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、の光重合開始剤を用いることができる。また、光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化型材料100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下程度の範囲内であることが好ましく、さらには1重量部以上7重量部以下程度であることが好ましい。
溶媒は、透明基材に選択した材料に応じて、バインダーマトリックスに用いた材料を分散・溶解可能な適宜公知の材料を用いてよい。また、溶媒は、複数の材料が混合された混合溶媒であってもよい。混合溶媒を用いることにより、「透明基材を溶解・膨潤させる溶媒」と「透明基材を溶解・膨潤させない溶媒」との比率を調整することで塗液内の「透明基材を溶解・膨潤させる成分」の量の多寡を調整することができ、混合層を好適に形成可能な塗液を調整することができる。
混合溶媒を用いる場合、全溶媒のうち「透明基材を溶解・膨潤させる溶媒」の占める比率は、30wt%以上90wt%以下程度の範囲内にあることが好ましく、40wt%以上80wt%以下程度の範囲内、50wt%以上70wt%以下程度の範囲内、がより好ましい。30wt%以上90wt%以下程度の範囲内にあることにより、好適に混合層を形成し、低屈折粒子を偏析し低屈折率層を形成することができる。30wt%より少ない場合、充分に透明基材を溶解・膨潤できず、好適に混合層を形成することができない。また、90wt%より大きい場合、混合層の厚みが増大して反射防止フィルムの硬度が低下する、偏在層の低屈折率粒子が凝集して必要以上のヘイズが発生する、など不適である。
また、前記塗液における溶媒の占める割合は、55wt%以上85wt%以下の範囲内にあることが好ましい。上記範囲内とすることにより、塗布塗膜中の低屈折率粒子の偏析による低屈折率層の形成及び透明基材の溶解・膨潤による混合層の形成を好適に行うことができる。55wt%に満たない場合、塗膜が急激に乾燥してしまい充分に偏析を行えない虞がある。また、85wt%を越える場合、乾燥時間を長くする必要があり大量生産に不向きとなってしまう。
また、塗液に含まれる溶媒は、沸点の高い揮発性溶媒が好ましい。具体的には、沸点が100℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。沸点が高いほうが、混合層及び低屈折率層の形成に重要な要素となる乾燥工程の時間を調整しやすいためである。
透明基材にトリアセチルセルロースフィルムを用いる場合、「透明基材を溶解・膨潤させる溶媒」としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノン等の一部のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、及びγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、その他としてN−メチル−2−ピロリドン(N−メチルピロリドン)、炭酸ジメチル、などが挙げられる。また、上記溶媒は1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
透明基材にトリアセチルセルロースフィルムを用いる場合、「透明基材を溶解・膨潤させない溶媒」としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、ジアセトンアルコールなどの一部のケトン類などが挙げられる。また、上記溶媒は1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、透明基材にトリアセチルセルロースフィルムを用いる場合、溶媒はN−メチルピロリドンを含むことが好ましい。N−メチルピロリドンは、沸点が高く、トリアセチルセルロースとN−メチルピロリドンとの相性が良く、好適に混合層及び低屈折率層を形成することができる。
また、塗液に添加剤を添加しても良い。例えば、添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤、などを用いてもよい。
<塗布工程>
次に、前記塗液を透明基材上に塗布する。
透明基材に用いる材料は、特に、トリアセチルセルロースフィルムが好ましい。トリアセチルセルロース基材の成分であるセルロースポリマーに存在する水酸基と、バインダーマトリックス中に含まれる熱硬化反応性基とが架橋反応を起こし、混合層の硬度を向上させる効果をもたらす。また、トリアセチルセルロースフィルムは、複屈折率が小さく、透明性が良好なフィルムである。このため、特に、液晶ディスプレイ表面に設ける反射防止フィルムとして、好適に用いることができる。
また、透明基材の厚みは25μm以上200μm以下程度の範囲内にあることが好ましく、40μm以上80μm以下程度の範囲内にあることがより好ましい。ただし、本発明の反射防止フィルム製造方法に用いる透明基材の厚みは上記範囲に限定されるものではない。また、透明基材は、複数の層を積層させた多層の基材であってもよい。
塗布方法は、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーター、などを用いた塗布方法を用いることができる。
<乾燥工程>
次に、前記透明基材上に塗布された塗液を乾燥させ、塗液内の溶媒を除去し、透明基材上に塗膜を形成する。乾燥は、適宜公知の乾燥手段を用いて行えばよい。例えば、乾燥手段として、加熱、送風、熱風、などを用いることができる。
また、乾燥工程は、複数段階の乾燥を行うことが好ましい。本発明の反射防止フィルム製造方法では、塗液によって透明基材を溶解・膨潤することにより混合層を形成するため、塗液を塗工後ただちに急激な乾燥を行うと混合層の形成が阻害される。このため、複数段階の乾燥を行い、段階毎に乾燥条件を変更することで、混合層を形成しつつ、好適に乾燥を行うことができる。またこれにより、基材中の水酸基の一部と水酸基との熱硬化反応性基を有する化合物とが架橋し、架橋した化合物が、さらに塗液中の水酸基を有する硬化性樹脂、水酸基との熱硬化性反応基を有する化合物と架橋する。この2つの架橋反応が、透明基材の成分とバインダーマトリックスとが混合した混合層の硬度向上に寄与する。
例えば、一次乾燥した後、二次乾燥を行っても良い。このとき、一次乾燥は、乾燥温度20℃以上30℃以下程度の範囲内で行い、二次乾燥として乾燥温度50℃以上150℃以下程度の範囲内行うことが好ましい。
また、乾燥工程では、透明基材上の塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間が2秒以上60秒以下程度の範囲内であることが好ましい。「塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となる」という乾燥の初期において、乾燥時間を上記範囲にすることにより、混合層の形成及び反射防止層(低屈折率層)の偏析を好適に行うことができる。乾燥時間が2秒より少ない場合、塗液の急激な乾燥により、反射防止層の偏析が阻害される。また、乾燥時間が60秒より大きい場合、生産にかかるタクトタイムが増加し、コスト増の要因となる。特に、本発明の反射防止フィルム製造方法をロール・ツー・ロール方式により実施する場合、乾燥時間が長いと、(1)透明基材の搬送速度を低下させる、(2)塗膜を乾燥するための乾燥ユニットを長くするなどの対処が必要となる。このため、乾燥時間が60秒より大きくなると、連続的に製造することが困難となり現実的ではない。なお、塗布された塗液中に含まれる溶媒の量は、重量を測定することにより求めることができる。また、赤外線モニタによっても測定することができる。
また、乾燥工程は、溶媒濃度が0.2vol%以上10vol%以下の溶媒雰囲気下で行うことが好ましい。ここで、「溶媒濃度」は、塗液に含まれる溶媒のうちから選ばれた少なくとも1種類以上の溶媒の濃度をいう。溶媒濃度が0.2vol%より小さい溶媒雰囲気下の場合、乾燥が急激となり、反射防止層の偏析が阻害される。また、溶媒濃度が10vol%より大きい溶媒雰囲気下の場合、乾燥時間が増加し、生産にかかるタクトタイムが増加することになり、コスト増の要因となる。
<電離放射線照射工程>
次に、塗膜に電離放射線を照射し、塗膜を硬化させる。この工程により反射防止フィルム表面に高い表面硬度を付与することができ、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムとすることができる。
電離放射線としては、紫外線、電子線などを用いればよい。紫外線硬化の場合、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、などの光源が利用できる。また、電子線硬化の場合、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。用いる電子線は、50KeV以上1000KeV以下程度のエネルギーを有するのが好ましく、100KeV以上300KeV以下程度のエネルギーを有する電子線がより好ましい。
また、本発明の反射防止フィルム製造方法は、(1)枚葉状の透明基材に塗布する枚葉方式、(2)ロール状の透明基材に塗布し、製造された反射防止フィルムを巻き取るロール・ツー・ロール方式のいずれの方式で実施しても良い。特に、ロール・ツー・ロール方式は反射防止フィルムを連続的に形成でき、本発明の反射防止フィルム製造方法の実施方式として好ましい。例えば、ロール・ツー・ロール方式を用いて本発明の反射防止フィルム製造方法の実施する場合、透明基材を、巻き出し部/塗布ユニット/乾燥ユニット/電離放射線照射ユニット/巻き取り部の順で通過させ、連続的に反射防止フィルムを製造することができる。
以上の工程より、透明基材/透明基材が溶解・膨潤した混合層/低屈折率粒子が局在した低屈折率層がこの順で積層された反射防止フィルムを製造することができる。
以下、本発明の反射防止フィルムについて説明を行う。本発明の反射防止フィルムは、透明基材と、透明基材上に積層されたハードコート層と、ハードコート層上に積層された反射防止層とを備える。ハードコート層は、透明基材の成分とバインダーマトリックスとが混合した混合層である。反射防止層は、少なくとも、低屈折率粒子が局在した低屈折率層を有する。
本発明の反射防止フィルムにおいて、バインダーマトリックスは、混合層/低屈折率層にそれぞれ含有されている。本発明の反射防止フィルムを構成する各層におけるバインダーマトリックスの存在量は蛍光X線分析及びラマン分光分析により求めることができる。また、各層に占める低屈折率粒子の存在量(含有率)は、蛍光X線分析により測定することができる。また、各層に占める透明基材成分の存在量(含有率)についてはラマン分光分析による断面プロファイルの測定により求めることができる。また、各層に占める低屈折率粒子及び透明基材成分の存在量を全体から差し引くことで各層におけるバインダーマトリックスの存在量(含有率)を求めることができる。なお、本明細書中で述べる各層の成分の濃度とは、特に断りのない限り、各層全体での平均された成分の濃度を指す。特に、混合層ではその組成が勾配をもって変化しているため、濃度といってもその計測部分によって組成が変化してしまい定まらないためである。
混合層には、透明基材の成分とバインダーマトリックスの成分とが混合されており、透明基材と混合層との物理的境界は明瞭ではない。このため、各層ごとに塗工して製造された従来の反射防止フィルムと比較して、(1)層界面での光の干渉によって発生する干渉縞、(2)層界面における物理的剥離を抑制することができる。また、本発明の反射防止フィルムでは、混合層と透明基材とは光学的に分離していない。上述したように、本明細書において、「光学的に分離していない」とは、反射防止フィルムの表面から5°の入射角で可視光(380nm以上800nm以下)での分光反射率を求め、この分光反射率について光学シミュレーションを行った際に、混合層に起因する分光スペクトルを観測できない状態をいう。
また、本発明の反射防止フィルムでは、混合層と低屈折率層(反射防止層)とは光学的に分離している。本発明の反射防止フィルムの製造方法によれば、混合層を形成することにより、混合層と低屈折率層との層分離を促進することができる。このため、光学測定を行ったときに混合層と反射防止層とが光学的に分離する程度に層分離させることができる。なお、繰り返しになるが、本明細書において「光学的に分離している」とは、反射防止フィルムの表面から5°の入射角で可視光(380nm以上800nm以下)での分光反射率を求め、この分光反射率について光学シミュレーションを行った際に、各層に起因する分光スペクトルを観測することができる状態をいう。
また、本発明の反射防止フィルムでは、低屈折率層の屈折率が1.29以上1.43以下の範囲内であり、且つ、低屈折率層の光学膜厚が110nm以上140nm以下の範囲内である。これにより、低屈折率層の光学膜厚を可視光波長の1/4波長程度とすることができる。よって、上記数値範囲を満たす低屈折率層を形成することにより、広い波長域に渡って高い反射防止性能を有する反射防止層とすることができる。
低屈折率層の光学膜厚が上記数値範囲内である場合、反射防止フィルムの観察面側から求められる分光反射率曲線を、500nm近傍で極小値をとる曲線とすることができる。分光反射率曲線が500nm近傍で極小値をとるようにすることで、可視光の波長領域で、分光反射率曲線の極小値を基準としたときの分光反射率の短波長方向への急峻な上昇を抑制できるため、反射色相が小さく、且つ、色ムラの発生の少ない反射防止フィルムとすることができる。光学的に分離していない混合層と、光学的に分離している反射防止層とを備えた反射防止フィルムの分光反射率曲線は、極小値を基準として短波長方向への上昇カーブが長波長方向への上昇カーブと比較して急峻な傾向を示す。このとき、分光反射率曲線の極小値を基準としたときの短波長方向への急峻な上昇カーブは、反射防止フィルムの反射光の色味の原因となり、また、偏在層に膜厚のムラが発生したときに反射防止フィルムの色ムラの発生原因となる。
なお、本明細書において、「色ムラ」とは、反射防止層の膜厚ムラに起因する反射色ムラのことであり、面内の色バラツキが大きくなると外観不良となる現象をいう。また、「干渉縞」とは、光学干渉による色ムラの一種であり、主として透明基材と乾燥膜厚との境界における屈折率差に起因し、複数の光学干渉が同時に発生し虹色状に色ムラが観察される現象をいう。
また、反射防止層中の低屈折率粒子の含有率は0.5wt%以上5.0wt%未満であることが好ましい。本発明の反射防止フィルムは偏析により低屈折率層を形成することから、従来と比較して全体に含有される量としては少ない含有率で十分な反射防止性能を発現させることができ、低屈折粒子の過度の添加による反射防止フィルムの機械強度の低下を防ぐことができる。低屈折率粒子の含有率が0.5wt%に満たない場合、十分な量の低屈折率粒子を偏析させることができず、反射防止フィルムとして十分な反射防止性能を得られなくなってしまう虞がある。また、低屈折率粒子の含有率が5wt%を超える場合、得られる反射防止フィルムの可視光透過率の低下、機械強度の低下、コスト高に繋がる虞がある。
また、前記反射防止層中の単位面積あたりの低屈折率粒子の含有量は0.05g/m2以上0.50g/m2以下の範囲内であることが好ましい。低屈折率粒子の含有量が0.05g/m2に満たない場合、十分な量の低屈折率粒子を偏析させることができず、反射防止フィルムとして十分な反射防止性能を得られなくなってしまう虞がある。また、単位面積あたりの低屈折率粒子の含有量が0.5g/m2を超える場合、得られる反射防止フィルムの可視光透過率が低下し、機械強度が低下し、コスト高となる虞がある。
また、1回の塗布で形成されるハードコート層(混合層)、反射防止層(低屈折率層)の2層の合計膜厚は、2.5μm以上15μm以下程度の範囲内であることが好ましい。2層の合計膜厚が2.5μmより小さい場合、十分なハードコート性を備えず、反射防止フィルムの硬度が不十分となってしまい好ましくない。また、2層の合計膜厚が15μmより大きい場合、(1)用いる塗液の量の増加によるコスト増、(2)可撓性の低下、(3)塗膜の硬化収縮による反射防止フィルムのカールの発生などの観点から好ましくない。ただし、本発明の反射防止フィルムにおけるハードコート層及び反射防止層の合計膜厚は上記範囲に限定されるものではない。
また、本発明の反射防止フィルムでは、観察面側の視感平均反射率は、0.3%以上2.0%以下程度の範囲内にあることが好ましく、0.5%以上1.5%以下程度の範囲内であることがより好ましい。観察面側の反射防止フィルム表面での視感平均反射率が2.0%より大きい場合、十分な反射防止性能を備える反射防止フィルムとすることができない。また、観察面側の反射防止フィルム表面での視感平均反射率が0.3%より小さい場合、光学干渉により反射防止フィルムとして機能することが困難である。
図1に、実施形態に係る反射防止フィルム1の一例を示す。図1は、透明基材20の上層に積層され、ハードコート層となる混合層12と、混合層12の上層に積層された反射防止層11とを備える反射防止フィルム1の断面模式図である。図1において、反射防止層11は、低屈折率粒子が局在した低屈折率層からなる。
以下、本発明の偏光板について説明を行う。本発明の偏光板は、上述の反射防止フィルムに偏光層を設けたものである。
偏光層は、透過したとき偏光させる物性を示す材料を適宜公知の材料から選択して形成すればよい。例えば、PVA偏光フィルムなどを用いてもよい。PVA偏光フィルムは、主として延伸配向したポリビニルアルコールフィルム及びその誘導体にヨウ素を配向させて吸着させることにより偏光性能を示すフィルムである。
図2に、実施形態に係る偏光板の一例を示す。図2は、本発明の反射防止フィルム1の透明基材20と偏光板透明基材21とで偏光層22を矜持した偏光板2の模式断面図である。偏光板透明基材21は、反射防止フィルム1の透明基材21と同じ材料で形成してもよい。例えば、偏光板透明基材21として、トリアセチルセルロースからなるフィルムを用いてもよい。
以下、本発明の表示装置について説明を行う。本発明の表示装置は、上述の反射防止フィルムを備える。例えば、本発明の表示装置として、表示パネルの観察面側に本発明の反射防止フィルムを貼り付けた表示装置や、上述した本発明の偏光板を内部に組み込んだ表示装置などが挙げられる。
また、本発明の表示装置は、本発明の反射防止フィルム及び偏光板の他に、他の機能性部材を備えても良い。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルム、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルムなどが挙げられる。
図3に、実施形態に係る表示層の一例として、偏光板を内部に組み込んだ透過型液晶ディスプレイを示す。図3は、観察面側から見て、偏光板2/液晶セル3/第二偏光板4/バックライトユニット5がこの順で配置された表示装置の模式断面図である。偏光板2は、本発明の反射防止フィルム1の透明基材20と偏光板透明基材21とで偏光層22を矜持した構成である。また、第二偏光板4は、第二偏光板偏光層42を第二偏光板透明基材上層40と第二偏光板透明基材下層41とで矜持した構成である。また、バックライトユニット5は観察面方向に向け光を投射する。バックライトユニット5から投射された光は、第二偏光板4/液晶セル3/偏光板2を順に透過し、観察面に画像を表示する。
<実施例1>
まず、透明基材を溶解・膨潤させる成分を含む塗液を調製した。以下に組成を示す。
(塗液:実施例1)
・低屈折粒子:中空シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20wt%/イソプロピルアルコール分散)6.0重量部
・バインダーマトリックス(電離放射線硬化型材料):ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)23.3重量部、(硬化剤)HDI(旭化成ケミカルズ社製)15.6重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバ・ジャパン社製)2.0重量部
・溶媒:メチルエチルケトン:イソプロピルアルコール:N−メチルピロリドン=6:2:2(重量比)で混合した混合溶媒55.2重量部
尚、塗液中の固形分:40wt%、塗液に占める溶媒:60wt%、溶媒に占める透明基材を溶解・膨潤させる成分:55wt%である。
次に、塗液を透明基材上に塗布した。透明基材としては、トリアセチルセルロースフィルム(屈折率1.49、厚さ80μm)を使用した。また、透明基材への塗液の塗布はワイヤーバーコーターを用いて行った。
次に、塗布された塗液を乾燥させ、透明基材上に塗膜を形成した。このとき、一次乾燥と二次乾燥とに分けて、2段階の乾燥を行った。一次乾燥及び二次乾燥の乾燥条件を以下に示す。
(乾燥条件)
・一次乾燥:2vol%以上5vol%以下の溶媒雰囲気下の半密閉空間にて30秒25℃で室温乾燥
・二次乾燥:オーブンで80℃1分乾燥
尚、一次乾燥において、透明基材上の塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間は4秒とした。
次に、塗膜に電離放射線を照射し、塗膜を硬化させた。このとき、電離放射線として紫外線を照射した。また、紫外線の照射は、コンベア式紫外線硬化装置を用いて露光量400mJ/cm2とした。
以上の条件で各工程の処理を行い、透明基材/混合層/低屈折率層がこの順で積層された反射防止フィルムを得た。
<実施例2>
実施例1と同様の工程で反射防止フィルムを製造した。ただし、塗液の組成を、バインダーマトリックス中の硬化剤としてMDIを含む、以下の組成のものとした。
(塗液:実施例2)
・低屈折粒子:中空シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20wt%/イソプロピルアルコール分散)6.0重量部
・バインダーマトリックス(電離放射線硬化型材料):ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)23.3重量部、(硬化剤)MDI(三井化学社製)15.6重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバ・ジャパン社製)2.0重量部
・溶媒:メチルエチルケトン:ジアセトンアルコール:N−メチルピロリドン=5:3:2(重量比)で混合した混合溶媒55.2重量部
尚、塗液中の固形分:40wt%、塗液に占める溶媒分:60wt%、溶媒に占める透明基材を溶解・膨潤させる成分:55wt%である。
<実施例3>
実施例1と同様の工程で反射防止フィルムを製造した。ただし、塗液の組成を、バインダーマトリックス中の硬化剤としてXDIを含む、以下の組成のものとした。
(塗液:実施例3)
・低屈折粒子:中空シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20wt%/イソプロピルアルコール分散)6.0重量部
・バインダーマトリックス(電離放射線硬化型材料):ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)23.3重量部、(硬化剤)XDI(三井化学社製)15.6重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバ・ジャパン社製)2.0重量部
・溶媒:メチルエチルケトン:ジアセトンアルコール:N−メチルピロリドン=5:3:2(重量比)で混合した混合溶媒55.2重量部
尚、塗液中の固形分:40wt%、塗液に占める溶媒分:60wt%、溶媒に占める透明基材を溶解・膨潤させる成分:55wt%である。
<実施例4>
実施例1と同様の工程で反射防止フィルムを製造した。ただし、塗液の組成を、バインダーマトリックスに2−ヒドロキシエチルアクリレートを含み、バインダーマトリックス中の硬化剤としてHDIを含み、中空粒子の重量部を増加させたものを用いた、以下の組成のものとした。
(塗液:実施例4)
・低屈折粒子:中空シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20wt%/イソプロピルアルコール分散)7.0重量部
・バインダーマトリックス(電離放射線硬化型材料):2−ヒドロキシエチルアクリレート23.3重量部、(硬化剤)HDI(旭化成ケミカルズ社製)15.6重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバ・ジャパン社製)2.0重量部
・溶媒:メチルエチルケトン:イソプロピルアルコール:ジアセトンアルコール=6:6:2(重量比)で混合した混合溶媒55.2重量部
尚、塗液中の固形分:40wt%、塗液に占める溶媒分:60wt%、溶媒に占める透明基材を溶解・膨潤させる成分:64wt%である。
<実施例5>
実施例1と同様の工程で反射防止フィルムを製造した。ただし、塗液の組成を、バインダーマトリックスに2−ヒドロキシエチルアクリレートを含み、バインダーマトリックス中の硬化剤としてXDIを含み、中空粒子の重量部を増加させたものを用いた、以下の組成のものとした。
(塗液:実施例5)
・低屈折粒子:中空シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20wt%/イソプロピルアルコール分散)7.0重量部
・バインダーマトリックス(電離放射線硬化型材料):2−ヒドロキシエチルアクリレート23.3重量部、(硬化剤)XDI(三井化学社製)15.6重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバ・ジャパン社製)2.0重量部
・溶媒:メチルエチルケトン:イソプロピルアルコール:ジアセトンアルコール=6:6:2(重量比)で混合した混合溶媒55.2重量部
尚、塗液中の固形分:40wt%、塗液に占める溶媒分:60wt%、溶媒に占める透明基材を溶解・膨潤させる成分:64wt%である。
<比較例1>
実施例1と同様の工程で反射防止フィルムを製造した。ただし、塗液の組成を、バインダーマトリックスにペンタエリスリトールテトラアクリレートを含む、以下の組成のものとした。
(塗液:比較例1)
・低屈折粒子:中空シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20wt%/イソプロピルアルコール分散)6.0重量部
・バインダーマトリックス(電離放射線硬化型材料):ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)38.9重量部、
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバ・ジャパン社製)2.0重量部
・溶媒:メチルエチルケトン:ジアセトンアルコール:N−メチルピロリドン=5:3:2(重量比)で混合した混合溶媒55.2重量部
尚、塗液中の固形分:40wt%、塗液に占める溶媒分:60wt%、溶媒に占める透明基材を溶解・膨潤させる成分:55wt%である。
<比較例2>
実施例1と同様の工程で反射防止フィルムを製造した。ただし、塗液の組成を、バインダーマトリックスにトリメチロールプロパントリアクリレートを含み、硬化剤としてHDIを含む、以下の組成のものとした。
(塗液:比較例2)
・低屈折粒子:中空シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20wt%/イソプロピルアルコール分散)6.0重量部
・バインダーマトリックス(電離放射線硬化型材料):トリメチロールプロパントリアクリレート23.3重量部、(硬化剤)HDI(旭化成社製)15.6重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバ・ジャパン社製)2.0重量部
・溶媒:メチルエチルケトン:ジアセトンアルコール:N−メチルピロリドン=5:3:2(重量比)で混合した混合溶媒55.2重量部
尚、塗液中の固形分:40wt%、塗液に占める溶媒分:60wt%、溶媒に占める透明基材を溶解・膨潤させる成分:55wt%である。
<比較例3>
実施例1と同様の工程で反射防止フィルムを製造した。ただし、塗液の組成を、バインダーマトリックスにペンタエリスリトールテトラアクリレートを含み、硬化剤としてODIを含む、以下の組成のものとした。
(塗液:比較例3)
・低屈折粒子:中空シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20wt%/イソプロピルアルコール分散)6.0重量部
・バインダーマトリックス(電離放射線硬化型材料):ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)23.3重量部、(硬化剤)ODI(保土ヶ谷化学社製)15.6重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバ・ジャパン社製)2.0重量部
・溶媒:メチルエチルケトン:イソプロピルアルコール:N−メチルピロリドン=6:6:2(重量比)で混合した混合溶媒55.2重量部。
尚、塗液中の固形分:40wt%、塗液に占める溶媒分:60wt%、溶媒に占める透明基材を溶解・膨潤させる成分:55wt%である。
<比較例4>
実施例1と同様に反射防止フィルムを製造した。ただし、塗液の組成を、溶媒をトルエ
ンとし、透明基材を溶解・膨潤させる成分を含まず、混合層を形成しない以下の組成のも
のとした。
(塗液:比較例4)
・低屈折粒子:中空シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20wt%/イソプロピルアルコール分散)6.0重量部
・バインダーマトリックス(電離放射線硬化型材料):ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)23.3重量部、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学製)15.6重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバ・ジャパン社製)2.0重量部
・溶媒:トルエン55.2重量部
尚、塗液中の固形分:40wt%、塗液に占める溶媒分:60wt%、溶媒に占める透明基材を溶解・膨潤させる成分:0wt%とした。
<比較例5>
透明基材/ハードコート層/低屈折率層がこの順で積層された反射防止フィルムを、湿式成膜法により各層ごとに積層し、反射防止フィルムを製造した。
まず、透明基材にハードコート層形成用塗液を塗工し、乾燥、紫外線照射を行い、透明基材上にハードコート層を形成した。このとき、透明基材はトリアセチルセルロースフィルムを用いた。また、塗工にはワイヤーバーコーターを用いた。また、乾燥条件は、オーブンで80℃1分乾燥とした。また、紫外線照射は、コンベア式紫外線硬化装置を用いて露光量400mJ/cm2とした。また、形成されたハードコート層の厚みは5μmであった。以下、ハードコート層形成用塗液の組成を以下に示す。
(ハードコート層形成用塗液:比較例5)
・電離放射線硬化型材料:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)10重量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)30重量部、ウレタンアクリレート(共栄社化学株式会社製UA−306T)10重量部
・光重合開始剤:イルガキュア184(チバジャパン株式会社製)2.5重量部
・溶媒:メチルエチルケトン25重量部、酢酸ブチル25重量部
次に、ハードコート層上に低屈折率層形成用塗液を塗工し、乾燥させて、低屈折率層を形成した。このとき、塗工にはワイヤーバーコーターを用いた。また、乾燥条件は、オーブンで120℃1分間加熱乾燥とした。以下、低屈折率層形成用塗液の調製法を示す。
(低屈折率層形成用塗液:比較例5)
テトラエトキシシランと1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリメトキシシランとをmol比で95:5となるように混合し、イソプロピルアルコール及び0.1N塩酸を加えて加水分解し、有機ケイ素化合物の重合体を含む溶液を得た。有機ケイ素化
合物の重合体を含む溶液に、内部に空隙を有する低屈折率シリカ微粒子分散液(一次粒子径30nm/固形分20重量%)を混合し、イソプロピルアルコールを加え、低屈折率層形成用塗液100重量部中に有機ケイ素化合物2.0重量部、低屈折率シリカ微粒子2.0重量部を含む低屈折率層形成用塗液を得た。
以上の工程を経て、透明基材/ハードコート層/低屈折率層がこの順で積層された反射防止フィルムを得た。
<測定・評価>
得られた実施例1〜5、比較例1〜5の反射防止フィルムについて、(1)反射防止層における低屈折率粒子の含有量、反射防止層単位面積あたりの低屈折率粒子の含有量の測定、(2)分光反射率の測定、(3)視感平均反射率の測定、(4)混合層の有無、(5)鉛筆硬度、(6)干渉縞の測定をそれぞれ行った。表1に結果をまとめて示す。
(1)反射防止層における低屈折率粒子の含有量、反射防止層単位面積あたりの低屈折率粒子の含有量の測定
蛍光X線分析により、反射防止層(低屈折率層及び高屈折率層)における低屈折率粒子の存在量(wt%)を測定した。また、低屈折率粒子の存在量(wt%)と反射防止層の厚みから、反射防止層単位面積あたりの低屈折率粒子の含有量(g/m2 )を得た。
(2)分光反射率の測定
反射防止フィルムの観察面と反対側の面とを黒色艶消しスプレーにより黒色に塗装し、自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用いて観察面側の分光反射率を測定した。このとき、測定条件は、C光源、2度視野、入射角5°とした。また、得られた分光反射率曲線から光学シミュレーション法により、低屈折率層及び高屈折率層の有無、光学膜厚、低屈折率層の屈折率、及び高屈折率層の屈折率を求めた。ここで、光学膜厚(nd)は対象となる層の屈折率(n)と層厚(d)をかけることにより得られる値である。よって、光学シミュレーションにより求められた光学膜厚が想定膜厚よりも厚い場合、低屈折粒子が局在した低屈折率層が形成されたと判断することができる。また、反射防止フィルムから得られる分光反射率から乾燥塗膜の想定膜厚に対応した干渉ピーク(分光スペクトルの波形に多数のリップルが観測される)のみが確認された場合、バインダーマトリックスにさらに透明基材成分が含まれている層が存在しないということであり、これは混合層が存在しないことを示している。
(3)視感平均反射率の測定
反射防止フィルムの観察面と反対側のと面を黒色艶消しスプレーにより黒色に塗装し、自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用いて観察面側の分光反射率を測定した。このとき、測定条件は、C光源、2度視野、入射角5°とした。また、得られた分光反射率から平均視感反射率(Y%)を算出した。このとき、比視感度は明所視標準比視感度を用いた。
(4)混合層の有無
反射防止フィルムについて、ミクロトームによる断面出しをし、断面を電子顕微鏡を用いて観察した。このとき、透明基材との境界が不明瞭であると混合層が形成されたものとした。また、混合層が形成されたと判断したとき、混合層の断面プロファイルは0.5μm以上であることを確認した。
(5)鉛筆硬度測定
反射防止フィルムの表面をJIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JISK5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N加重)を行い評価した。
(6)干渉縞の測定
反射防止フィルムの観察面側に蛍光灯を映りこませ、反射光を目視観察することにより、干渉縞の有無を確認した。表1での評価として、干渉縞が確認されなかった場合を「○」とし、干渉縞が確認された場合を「×」とした。
Figure 2013190561
表1より、混合層が形成された実施例1〜5の反射防止フィルムでは、低屈折率粒子が局在した低屈折率層が形成されたことが確認された。よって、混合層を形成することにより低屈折率粒子を局在化させることができ、塗液の1回の塗工で多層の積層体を有する反射防止フィルムを製造できることが確認された。
また、実施例1では、バインダーマトリックス中の硬化剤としてHDIを用いることにより、混合層が形成されるが、鉛筆硬度は3Hと硬度に優れ、反射防止フィルムとして好適に用いることができることが確認された。
また、実施例2では、バインダーマトリックス中の硬化剤としてMDIを用いることにより、鉛筆硬度は3Hと硬度に優れ、反射防止フィルムとして好適に用いることができることが確認された。
また、実施例3では、バインダーマトリックス中の硬化剤として、反応性の高いXDIを使用した。すると、鉛筆硬度4Hとなり硬度が向上することが確認された。よって、反射防止フィルムとして好適に用いることができることが確認された。
また、実施例4では、バインダーマトリックスとして、2−ヒドロキシエチルアクリレートを使用し、バインダーマトリックス中の硬化剤としてHDIを使用し、中空粒子の重量部を増加させた結果、中空粒子の重量部を増加させたことに起因して平均視感反射率(%)は、0.38となり、実施例1〜3と比較して平均視感反射率を下げることができた。それと同時に、バインダーマトリックスとして使用した2−ヒドロキシエチルアクリレートの有する水酸基と硬化剤の有する熱硬化反応性基との架橋反応により硬度が向上し、鉛筆硬度が3Hとなることが確認された。よって、反射防止フィルムとして好適に用いることができることが確認された。
また、実施例5では、バインダーマトリックスとして、2−ヒドロキシエチルアクリレートを使用し、バインダーマトリックス中の硬化剤としてXDIを使用し、中空粒子の重量部を増加させた結果、中空粒子の重量部を増加させたことに起因して平均視感反射率(%)は、0.38となり、実施例1〜3と比較して平均視感反射率を下げることができた。それと同時に、硬化剤として反応性の高いXDIを使用したため、硬度が向上し、鉛筆硬度が4Hとなることが確認された。よって、反射防止フィルムとして好適に用いることができることが確認された。
これに対して、比較例1では、バインダーマトリックスとして、にペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いることにより、混合層が形成され、低屈折率層が局在化するが、混合層の鉛筆硬度が2Hとなり、硬度が低下することがわかった。本来ハードコート層として機能する層が、透明基材が溶解・膨順した混合層になり、硬化剤が含まれない場合、基材成分とハードコート層を形成する硬化性樹脂成分とが架橋反応しないため、硬度が低くなった。
また、比較例2では、バインダーマトリックスとして、トリメチロールプロパントリアクリレートを用い、硬化剤として、HDIを用いることにより、混合層が形成され、局在した低屈折率層が形成されたが、鉛筆硬度は2Hとなり比較例1と同等の硬度となった。バインダーマトリックスとして水酸基を有さない樹脂を使用したため、当該樹脂が水酸基との熱硬化性反応基を有する化合物と架橋せず、硬度が低下した。
また、比較例3では、バインダーマトリックスにペンタエリスリトールテトラアクリレートを含み、硬化剤としてODIを用いることにより、混合層が形成され、局在した低屈折率層が形成されたが、鉛筆硬度は2Hとなり比較例1と同等の硬度となった。硬化剤として使用したODIが水酸基との熱硬化性反応基を1つしか持たず、架橋する反応基が少ないため、硬度が低下した。
また、比較例4では、塗液に透明基材を溶解・膨潤させる成分が含まれないことから、混合層が形成されなかった。このため、低屈折粒子が偏析せず、充分に低屈折率層が形成されなかった。また、混合層が形成されなかったことから、乾燥塗膜と透明基材と間の境界は明確化され、乾燥塗膜と透明基材との層厚に起因する干渉縞の発生が確認された。よって、充分な反射防止性能を備えた反射防止フィルムを得ることはできなかった。
また、比較例5では、湿式成膜法を用いて各層ごとに製造したことから、各層の境界は明確化され、各層間の屈折率差に起因する干渉縞の発生が確認された。よって、充分な反射防止性能を備えた反射防止フィルムを得ることはできなかった。また、比較例2では、各層ごとに塗液を調整し、塗布する必要があり、実施例1〜5と比較して、製造に有する工程数は多かった。
本発明は、外光が反射することを防止することを目的として設けられる反射防止フィルムとして利用が期待される。また、反射防止フィルムに偏光層を設けることにより偏光板としての利用が期待される。例えば、(1)液晶ディスプレイ(LCD)、透過型液晶ディスプレイ(LCD)、CRTディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、などの表示装置、(2)ガラス、プラスチックフィルム、などのウィンドウ表面、(3)光学レンズ、眼鏡などの光学部材の表面、などに用いられる反射防止フィルム及び偏光板、として利用が期待される。
1……反射防止フィルム
11……反射防止層
12……ハードコート層
20……透明基材
2……偏光板
21……偏光板透明基材
22……偏光層
3……液晶セル
4……第二偏光板
40……第二偏光板透明基材上層
41……第二偏光板透明基材下層
42……第二偏光板偏光層
5……バックライトユニット

Claims (9)

  1. 反射防止フィルムであって、
    透明基材と、
    前記透明基材上に積層されたハードコート層と、
    前記ハードコート層上に積層された反射防止層とを備え、
    前記ハードコート層は、前記透明基材の成分とバインダーマトリックスとが混合した混合層であり、
    前記ハードコート層と反射防止層とを形成する樹脂組成物は、分子中に水酸基を有する硬化性樹脂と、硬化剤として水酸基との熱硬化反応性基を2つ以上有する化合物とが架橋された化合物を含むことを特徴とする、反射防止フィルム。
  2. 前記透明基材がトリアセチルセルロースフィルムからなることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記混合層と反射防止層とが光学的に分離していることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記反射防止層中の前記低屈折率粒子の含有率は0.5wt%以上5.0wt%未満であり、
    前記反射防止層中の単位面積あたりの低屈折率粒子の含有量は0.05g/m2以上0.50g/m2以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  5. 前記反射防止層は、低屈折率粒子が局在した低屈折率層を有し、
    前記低屈折率層の屈折率が1.29以上1.43以下の範囲内であり、かつ、前記低屈折率層の光学膜厚が110nm以上140nm以下の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルムに偏光層を設けたことを特徴とする、偏光板。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルムを備えた、表示装置。
  8. 透明基材と、前記透明基材上に積層されたハードコート層と、前記ハードコート層上に積層された反射防止層とを備える反射防止フィルムの製造方法であって、
    少なくとも低屈折率粒子と、バインダーマトリックスとを溶媒に溶解または分散させ、透明基材を溶解・膨潤させる成分を含む塗液を調整する塗液調整工程と、
    前記塗液を透明基材上に塗布する塗布工程と、
    前記透明基材上に塗布された前記塗液を乾燥させ、透明基材上に塗膜を形成する乾燥工程とを備え、
    前記バインダーマトリックスが、分子中に水酸基を有する硬化性樹脂と、硬化剤として水酸基との熱硬化反応性基を2つ以上有する化合物とを含有することを特徴とする、反射防止フィルムの製造方法。
  9. 前記塗液における溶媒の占める割合は、55wt%以上85wt%以下の範囲内にあり前記溶媒における透明基材を溶解・膨潤させる成分の占める割合は30wt%以上90wt%以下の範囲内にあることを特徴とする、請求項8に記載の反射防止フィルム製造方法。
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