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JP2013188924A - 複合封止体 - Google Patents

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JP2013188924A
JP2013188924A JP2012056081A JP2012056081A JP2013188924A JP 2013188924 A JP2013188924 A JP 2013188924A JP 2012056081 A JP2012056081 A JP 2012056081A JP 2012056081 A JP2012056081 A JP 2012056081A JP 2013188924 A JP2013188924 A JP 2013188924A
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Abstract

【課題】異種の導電性プラスチックが接着剤を介して強固に接着し、かつ耐溶剤性が高い複合封止体を提供する。
【解決手段】光硬化性樹脂及び第1の導電性フィラーを含む光硬化性組成物の硬化物で形成された第1の導電層と、結晶性樹脂及び第2の導電性フィラーを含む結晶性樹脂組成物で形成された第2の導電層とを、酸変性オレフィン系樹脂で形成された接着層を介して一体化した複合封止体を形成する。前記光硬化性樹脂は、3官能以上の多官能ビニル系化合物と、単官能及び/又は2官能ビニル系化合物とを含む。前記2官能ビニル系化合物は、鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。前記2官能ビニル系化合物は、さらに脂肪族環及び/又は芳香族環を有する環含有2官能(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。前記多官能ビニル系化合物は、3〜6官能(メタ)アクリレートであってもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気二重層コンデンサー、リチウムイオン電池、電子部品、半導体素子などに利用される複合封止体に関する。
従来より、耐溶剤性を有する材料としては、金属やガラスなどの無機材料が知られており、溶剤を封入する場合、無機材料を用いて封入するのが一般的な技術であった。一方、液体においては、プラスチックで形成された軟質包装材料で溶剤を含む内容物を包装して熱シールすることにより封入する技術も知られていた。しかし、溶剤にはプラスチック材料を膨潤又は溶解させる溶媒も多く、ある種の溶剤にはプラスチック材料を使用できなかった。プラスチックを膨潤又は溶解させる溶剤としては、例えば、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどのプラスチックに対して溶解性の高い極性溶媒を用いるリチウムイオン電池の電解質液が挙げられる。
現在主流のリチウムイオン電池は、正極活物質層と負極活物質層との間に電解質液を含む電解質層を介在させ、正極活物質層及び負極活物質層に集電体を積層した単電池層をさらに複数層積層した構造を有している。このような構造を有するリチウムイオン電池には、正極活物質層及び負極活物質層の各々に集電体が積層され、単電池層が並列に積層された汎用の電池(非双極型電池)、集電体の両面に正極及び負極が各々積層され、単電池層が直列に積層された双極型(バイポーラ)電池が含まれる。いずれのタイプでも、集電体には、導電性が要求されるため、従来は主として金属箔が利用されていたが、近年、リチウムイオン電池の軽量化及び小型化の要望に伴って、プラスチック(高分子又は樹脂)及び導電性フィラーで形成された導電性フィルムが集電体として提案されている。
しかし、導電性フィルムを薄肉化するためには、樹脂成分として軟質なエラストマーなどを使用する必要があるが、エラストマーなどの軟質樹脂や非晶性樹脂は耐溶剤性が低い。さらに、導電性フィラーを含むプラスチックで形成された集電体では、薄肉化するために導電性フィラーの割合を低下させる必要があり、導電性を維持しながら、薄肉化することは困難である。
特開2010−170833号公報(特許文献1)には、樹脂と導電材とを有する層を1層以上備えてなる構造であって、前記樹脂として、120℃以上の融点を有する結晶性樹脂を用いる双極型二次電池用集電体が開示されている。この文献には、集電体の厚さ方向(膜厚方向)の体積抵抗率が10Ω以下、好ましくは10〜10−5Ωの範囲が好ましいと記載されている。さらに、実施例では、ポリプロピレンなどの結晶性樹脂に10重量%濃度のケッチェンブラックを添加してペレットを調製した後、このペレットを圧延機で混練・圧延して厚み50μmの集電シートを製造している。得られた集電シートの厚み方向の電気抵抗は10〜100Ω(1cm厚み当たりの体積固有抵抗率に換算すると、2000〜20000Ω・cm)であり、耐薬品性、酸素バリア性、耐熱プレス性が良好であり、リチウムイオン電池など二次電池の集電体として有用であることが記載されている。
しかし、この集電体は耐溶剤性が低い。さらに、混練・圧延処理で薄肉フィルムを製造しているため、導電性フィラーの含有量が少量に限定されるとともに、導電性が低い。
さらに、リチウムイオン電池では、電解質液が漏洩しないように封止されている必要があり、通常、対向する集電体の端部同士を接着剤(シール剤)で封止している。
例えば、特開2007−250449号公報(特許文献2)には、正極活物質層、電解質層及び負極活物質層がこの順に積層されてなる単電池を包囲するように、集電体上にシール部材を配置させた双極型二次電池が開示されている。この文献には、集電体として、金属箔、金属めっき材、金属粉末を主成分としてエポキシ樹脂などのバインダー(樹脂)を含むペーストの加熱成形体などが記載されている。さらに、シール部材としては、ポリオレフィン系樹脂及び熱硬化性樹脂が例示され、ポリプロピレン、ポリエチレン、エポキシ樹脂が好ましいと記載されている。
このようなシール部材(接着剤)には、電解質液が漏洩しないために、集電体と強固に接着して電解質液を封止するための接着性に加えて、集電体と同様に、耐溶剤性も要求される。
一方、特開2001−76689号公報(特許文献3)には、電解液の液漏れを防止するための外装袋内面の熱接着樹脂層と、金属箔で形成された導出端子とを封止するために、金属箔に下地層として熱硬化性樹脂層を形成した後、この熱硬化性樹脂層と前記熱接着樹脂層との間に、熱圧着した酸変性ポリオレフィン樹脂を介在させた中間層を有するリチウム二次電池が開示されている。この文献には、熱接着樹脂層として、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂層が記載され、熱硬化性樹脂層として、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層が記載されている。さらに、酸変性ポリオレフィン樹脂として、マレイン酸無水化物をグラフト重合して得られた酸変性ポリプロピレン樹脂が記載され、カルボキシル基が熱硬化性樹脂の水酸基又はアミノ基と共有結合を形成すると記載されている。実施例では、エポキシ樹脂を60℃で1時間硬化させた後、酸変性ポリプロピレンフィルムを熱圧着した後、さらに80℃で3時間硬化させている。
しかし、前記中間層には、導電性フィラーが含まれていない上に、耐溶剤性が低い。
特開2010−170833号公報(特許請求の範囲、段落[0088]、実施例) 特開2007−250449号公報(請求項1、段落[0028]〜[0031]、[0068]〜[0070]) 特開2001−76689号公報(特許請求の範囲、段落[0015]、[0020]〜[0024]、実施例)
従って、本発明の目的は、異種の導電性プラスチック(光硬化性樹脂を含む導電性プラスチックフィルム及び結晶性樹脂を含む導電性プラスチックフィルム)が接着剤を介して強固に接着し、かつ耐溶剤性が高い複合封止体を提供することにある。
本発明の他の目的は、アルキレンカーボネートなどの極性溶媒(非プロトン性極性溶媒など)に対しても安定で耐溶剤性が高く、かつ溶剤透過性も低い複合封止体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、薄肉及び軽量であっても、導電性及び熱伝導性が高く、柔軟性などの機械的特性にも優れた導電性プラスチックフィルムが強固に接着し、かつ耐溶剤性が高い複合封止体を提供することにある。
本発明の別の目的は、簡便な方法で、異種の導電性プラスチックフィルムが強固に接着された複合封止体を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の光硬化性樹脂及び第1の導電性フィラーを含む光硬化性組成物の硬化物で形成された第1の導電層と、結晶性樹脂及び第2の導電性フィラーを含む結晶性樹脂組成物で形成された第2の導電層とを、酸変性オレフィン系樹脂で形成された接着層(接着剤又はシール剤)を介して一体化することにより、異種の導電性プラスチック(特に異種のプラスチックフィルム)を接着剤を介して強固に接着でき、かつ耐溶剤性も向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の複合封止体は、光硬化性樹脂及び第1の導電性フィラーを含む光硬化性組成物の硬化物で形成された第1の導電層と、結晶性樹脂及び第2の導電性フィラーを含む結晶性樹脂組成物で形成された第2の導電層とが、酸変性オレフィン系樹脂で形成された接着層を介して一体化した複合封止体であって、前記光硬化性樹脂が、3官能以上の多官能ビニル系化合物と、単官能及び/又は2官能ビニル系化合物とを含む。前記2官能ビニル系化合物は、鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。前記2官能ビニル系化合物は、さらに脂肪族環及び/又は芳香族環を有する環含有2官能(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。前記多官能ビニル系化合物は、3〜6官能(メタ)アクリレートであってもよい。
前記結晶性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂であってもよい。前記第1及び第2の導電性フィラーは導電性カーボンブラックであってもよい。結晶性樹脂と第2の導電性フィラーとの割合(重量比)は、前者/後者=90/10〜55/45程度であってもよい。第1の導電層の平均厚みは3〜50μm程度であってもよく、第2の導電層の平均厚みは15〜100μm程度であってもよい。第1の導電層と第2の導電層との平均厚み比は、第1の導電層/第2の導電層=1/1〜1/20程度であってもよい。
前記酸変性オレフィン系樹脂は無水マレイン酸のグラフト共重合体であってもよい。前記酸変性オレフィン系樹脂の融点は120〜150℃程度であってもよい。
本発明の複合封止体は、第1の導電層にさらに第2の導電層と同一の導電層が積層され、かつ第2の導電層にさらに第1の導電層と同一の導電層が積層されていてもよい。
なお、本明細書では、アクリロイル基及びメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と総称し、アクリレート及びメタクリレートを(メタ)アクリレートと総称する。
本発明では、特定の光硬化性樹脂及び第1の導電性フィラーを含む光硬化性組成物の硬化物で形成された第1の導電層と、結晶性樹脂及び第2の導電性フィラーを含む結晶性樹脂組成物で形成された第2の導電層とが、酸変性オレフィン系樹脂で形成された接着層を介して一体化されているため、光硬化性樹脂を含む導電性プラスチックフィルムと結晶性樹脂を含む導電性プラスチックフィルムとを接着剤を介して強固に接着でき、かつ耐溶剤性も向上できる。特に、リチウムイオン電池などに利用されるアルキレンカーボネートなどの極性溶媒(非プロトン性極性溶媒など)に対しても安定で耐溶剤性が高く、かつ溶剤透過性も低い。さらに、導電性カーボンブラックなどのカーボン系の導電性フィラーを用いると、カーボン系の導電性フィラーを高密度で導電層に充填できる。そのため、薄肉及び軽量であっても、導電性及び熱伝導性が高く、柔軟性などの機械的特性にも優れた導電性プラスチックフィルムを強固に接着でき、かつ耐溶剤性を向上できる。さらに、熱圧着することにより、簡便な方法で、異種の導電性プラスチックフィルムを強固に接着できる。
[複合封止体]
本発明の複合封止体は、光硬化性樹脂及び第1の導電性フィラーを含む光硬化性組成物の硬化物で形成された第1の導電層と、結晶性樹脂及び第2の導電性フィラーを含む結晶性樹脂組成物で形成された第2の導電層とが、酸変性オレフィン系樹脂で形成された接着層を介して一体化した複合封止体である。
(第1の導電層)
第1の導電層は、光硬化性樹脂及び第1の導電性フィラーを含む光硬化性組成物の硬化物で形成されている。
(A)光硬化性樹脂
光硬化性樹脂は、3官能以上の多官能ビニル系化合物と、単官能及び/又は2官能ビニル系化合物とを含む。
(a)多官能ビニル系化合物
多官能ビニル系化合物としては、分子内に3以上(例えば、3〜8程度)の重合性基(例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基などのα,β−エチレン不飽和結合)を有していればよく、具体的には、3以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートが汎用される。
多官能(メタ)アクリレートとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。さらに、これらの多官能(メタ)アクリレートにおいて、多価アルコールは、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのC2−4アルキレンオキシド)の付加体であってもよい。アルキレンオキシドの平均付加モル数は、例えば、0〜30モル(特に1〜10モル)程度の範囲から選択できる。これらの多官能(メタ)アクリレートは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの多官能ビニル系化合物のうち、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの3〜6官能(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの3〜4官能(メタ)アクリレートが汎用される。さらに、多官能ビニル系化合物は、アミンで変性されていない多官能ビニル化合物(マイケル付加などによりアミン類が付加していない多官能ビニル化合物)が好ましい。
(b)単官能及び/又は2官能ビニル系化合物
単官能及び/又は2官能ビニル系化合物としては、分子内に1又は2つの重合性基(α,β−エチレン不飽和結合)を有していればよく、具体的には、スチレンやジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物などであってもよいが、光重合性などの点から、1又は2つの(メタ)アクリロイル基を有する単官能又は2官能(メタ)アクリレートが汎用される。
(b1)単官能ビニル系化合物
単官能ビニル系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのC1−24アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどの橋架け環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレート又はC2−10アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートなどのフルオロC1−10アルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのアリールオキシアルキル(メタ)アクリレート;フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアリールオキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;グリセリンモノ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールモノ(メタ)アクリレート;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基又は置換アミノ基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;ビニルピロリドンなどが例示できる。
(b2)2官能ビニル系化合物
2官能ビニル系化合物としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどのビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールSなど)のC2−4アルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどのアルカンポリオール部分エステルのジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどの橋架け環式ジ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
さらに、2官能ビニル系化合物としては、例えば、エポキシジ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレートなど)、ポリエステルジ(メタ)アクリレート(例えば、脂肪族ポリエステル型ジ(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル型ジ(メタ)アクリレートなど)、(ポリ)ウレタンジ(メタ)アクリレート(ポリエステル型ウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリエーテル型ウレタンジ(メタ)アクリレートなど)、シリコーン(メタ)アクリレートなどのオリゴマー又は樹脂も例示できる。
これらのビニル系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのビニル系化合物のうち、反応性や耐溶剤性などの点から、2官能(メタ)アクリレートが好ましく、硬化物の柔軟性を向上できる点から、鎖状脂肪族骨格を有する鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートを含む2官能(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(b2−1)鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレート
鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートとしては、アルキレン鎖を有していればよく、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのC2−12アルカンジオールジ(メタ)アクリレート;アルカンポリオール脂肪酸エステルのジ(メタ)アクリレート;脂肪族ポリエステル型ジ(メタ)アクリレート;脂肪族ポリエステル型ウレタンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、脂肪族環及び/又は芳香族環を有する(メタ)アクリレートに鎖状脂肪族骨格が導入されていてもよい。さらに、鎖状脂肪族骨格を構成するアルキレン鎖の炭素数は、例えば、3〜20程度の範囲から選択できるが、柔軟性と耐溶剤性とのバランスの点から、例えば、4〜12、好ましくは4〜10、さらに好ましくは4〜8(特に5〜8)程度が好ましい。これらの鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
さらに、鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートは、ラクトン由来の単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位を含むのが特に好ましい。
ラクトンとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、エナントラクトン(7−ヒドロキシヘプタン酸ラクトン)などのC3−10ラクトンなどが挙げられる。これらのラクトンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのラクトンのうち、バレロラクトンやカプロラクトンなどのC4−8ラクトン(特にC5−8ラクトン)が好ましい。
脂肪族ポリエステルとしては、例えば、脂肪族ジカルボン酸又はその無水物(コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC4−20アルカンジカルボン酸)と、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコールなどのC2−10アルカンジオールなど)との反応生成物、開始剤に対して前記ラクトンを開環付加重合させた反応生成物などが挙げられる。ポリエステル単位の重合度は、例えば、2〜100程度の範囲から適宜選択でき、例えば、3〜90、好ましくは5〜80、さらに好ましくは10〜70程度であってもよい。
ラクトン由来の単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位を含む鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、カプロラクトンなどのC5−8ラクトンが開環重合したポリエステル単位を有する脂肪族ポリエステル型ジ(メタ)アクリレート、前記ポリエステル単位を有するウレタンジ(メタ)アクリレート、前記ポリエステル単位を有するエポキシジ(メタ)アクリレートなどが利用できる。
さらに、ポリエステル型ウレタンジ(メタ)アクリレートのポリイソシアネート単位としては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートのいずれでもよく、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネートなどが汎用される。前記ポリエステル単位を有するエポキシジ(メタ)アクリレートは、ビスフェノールAなどのビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートであってもよい。
(b2−2)環含有2官能(メタ)アクリレート
単官能及び/又は2官能ビニル系化合物は、耐溶剤性を向上させる点から、前記鎖状脂肪族骨格を有するビニル系化合物に加えて、さらに脂肪族環及び/又は芳香族環を有する(メタ)アクリレート(環含有(メタ)アクリレート)を含んでいてもよい。
環含有2官能(メタ)アクリレートとしては、分子内に脂肪族環及び/又は芳香族環を有していればよく、例えば、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどのC6−20(特にC8−12)橋架け2〜4環式ジ(メタ)アクリレート;2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどのビスフェノール類(ビスフェノールA、Sなど)−C2−4アルキレンオキシド付加体[アルキレンオキシドの平均付加モル数0〜30モル(特に1〜10モル)程度]のジ(メタ)アクリレート;オリゴマー[ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。これらの2官能(メタ)アクリレートは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの環含有2官能(メタ)アクリレートのうち、硬化物の耐溶剤性及び強度が高い点から、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどの多環式脂環族骨格を有するジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートなどのビスフェノール骨格を有するジ(メタ)アクリレートが好ましく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどのC8−12橋架け2〜4環式脂環族骨格を有するジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
環含有2官能(メタ)アクリレートの割合は、目的の粘弾性に応じて、鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレート100重量部に対して0〜500重量部程度の範囲から適宜選択でき、例えば、5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部(例えば、20〜80重量部)、さらに好ましくは30〜60重量部(特に40〜50重量部)程度である。本発明では、このような割合で鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートと環含有2官能(メタ)アクリレートとを組み合わせることにより、耐溶剤性を維持しながら、柔軟性を向上できる。
単官能及び/又は2官能ビニル系化合物の割合は、前記多官能ビニル系化合物100重量部に対して1〜1000重量部程度の範囲から選択でき、例えば、5〜500重量部、好ましくは10〜300重量部程度である。
本発明では、単官能及び/又は2官能ビニル系化合物の種類に応じて、前記範囲から選択でき、例えば、単官能及び/又は2官能ビニル系化合物が鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートと環含有2官能(メタ)アクリレートとの組み合わせである場合、単官能及び/又は2官能ビニル系化合物の割合は、多官能ビニル系化合物100重量部に対して、例えば、30〜500重量部、好ましくは50〜300重量部、さらに好ましくは100〜200重量部(特に120〜150重量部)程度である。
また、単官能及び/又は2官能ビニル系化合物が鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートである場合、単官能及び/又は2官能ビニル系化合物の割合は、多官能ビニル系化合物100重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部(特に20〜30重量部)程度である。
(B)第1の導電性フィラー
第1の導電性フィラーとしては、例えば、炭素材(例えば、人造黒鉛、膨張黒鉛、天然黒鉛、コークス、導電性カーボンブラック、炭素繊維など)、金属単体又は合金(例えば、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、金、白金、亜鉛、マンガン、ステンレスなど)、セラミックス類(例えば、フェライト、トルマリン、珪藻土など)などが挙げられる。これらの導電性フィラーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの導電性フィラーのうち、軽量性の点から、カーボン系導電性フィラーが好ましい。カーボン系導電性フィラーは、金属フィラーに比べて軽量性に優れ、多量のフィラーを配合しても、軽量性が大きく損なわれない。
カーボン系導電性フィラー、とりわけナノレベルの粒子状フィラーの真比重を求めることは難しいものの、カーボン系導電性フィラーの比重としては2.5以下であり、例えば、0.30〜2.5、好ましくは0.45〜2.0、さらに好ましくは1.0〜2.0(特に1.4〜1.9)程度である。
さらに、本発明では、カーボン系導電性フィラーの中でも、導電性や軽量性などの点から、導電性カーボンブラックが好ましい。
導電性カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ガスブラック、アセチレンブラック、アークブラック、ケッチェンブラックなどが例示できる。これらの導電性カーボンブラックは、用途に応じて選択でき、例えば、油分の少ないアセチレンブラックを用いて難燃性を向上してもよく、中空シェル構造のケッチェンブラックを用いて軽量性を向上してもよい。これらの導電性カーボンブラックのうち、導電性などの点から、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが好ましい。さらに、導電性カーボンブラックは、これらの導電性カーボンブラックを組合せた導電性複合カーボンブラックでもよい。
導電性カーボンブラックの市販品としては、ケッチェンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル(株)製「EC600JD」、「EC300J」、「MBP1853」)、アセチレンブラック(電気化学工業(株)製「デンカブラックHS−100」)、ファーネスカーボンブラック(東海カーボン(株)製「トーカブラック#5500」、「トーカブラック#4300」や三菱化学(株)製「#3030B」、「#3400B」)など、粒子径や凝集性など各種特性が異なる導電性カーボンブラックが挙げられる。
第1の導電性フィラーの形状としては、例えば、粒子状(粉末状)、板状(又は鱗片状)、繊維状、不定形状などが挙げられる。これらの形状のうち、略球状や多角体状などの粒子状が汎用される。
第1の導電性フィラー(特に、導電性カーボンブラック)の平均一次粒径(透過型電子顕微鏡観察で得られる算出平均粒径)は、10μm以下程度の範囲から適宜選択できるが、薄肉の層中に分散できる点から、1μm以下が好ましく、さらに第1の導電層の平滑性、薄肉化した場合のピンホールや裂けを抑制できる点などから、例えば、1〜1000nm、好ましくは5〜100nm、さらに好ましくは10〜60nm(特に10〜50nm)程度である。
第1の導電層(導電成形体)において、第1の導電性フィラー(特に、導電性カーボンブラック)は、このような一次粒径を有しているが、導電層中の一次粒子は、凝集体(アグリゲート)をさらに形成していると推定できる。このアグリゲート構造は、薄肉化された場合の層中においても維持され、粒子間の接触点が多いネットワーク構造を形成し、導電層の導電性を向上させると推定できる。
第1の導電性フィラー(特に、導電性カーボンブラック)のDBP(ジブチルフタレート)吸油量(JIS K6221のA法)は、用途に応じて、10〜1000cm/100g(例えば、30〜500cm/100g)程度の範囲から選択でき、窒素吸着BET比表面積は20m/g以上、好ましくは30m/g以上(例えば、30〜2000m/g)、さらに好ましくは100m/g以上(例えば、100〜1500m/g)程度の範囲から選択できる。
第1の導電性フィラーの割合は、光硬化性樹脂(多官能ビニル系化合物と単官能及び/又は2官能ビニル系化合物との総量)100重量部に対して1〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、3〜80重量部、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部(特に15〜35重量部)程度であり、特に、硬化物の柔軟性を確保する点から、45重量部以下(特に5〜40重量部程度)であってもよい。
(C)有機溶媒
光硬化性組成物は有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチルなど)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機溶媒のうち、メチルエチルケトンなどのケトン類、トルエンなどの芳香族炭化水素などが汎用される。なお、塗布性などの特性を改良する目的を兼ねて、スチレンなどの単官能ビニル系化合物や、(メタ)アクリル酸などの前記他のビニル系化合物を反応性希釈剤として使用してもよい。
溶媒の割合は、光硬化性樹脂100重量部に対して10〜1000重量部程度の範囲から選択でき、例えば、50〜500重量部、好ましくは80〜300重量部、さらに好ましくは100〜200重量部(特に120〜180重量部)程度である。
(D)他の添加剤
光硬化性組成物は、さらに慣用の添加剤、例えば、重合開始剤(例えば、光重合開始剤、光増感剤など)、高分子、可塑剤、他の導電性フィラー、導電性ポリマー、安定化剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤など)、分散剤、帯電防止剤、着色剤、潤滑剤、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、耐衝撃改良剤、補強剤、発泡剤、抗菌剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の割合は、光硬化性樹脂及び導電性フィラーの合計100重量部に対して、例えば、10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部(特に0.1〜2重量部)程度である。
但し、光硬化性組成物は、電子線で硬化する場合、重合開始剤(例えば、光重合開始剤、光増感剤、熱重合開始剤など)を実質的に含有していなくてもよい。さらに、光硬化性組成物は、耐溶剤性の点から、樹脂成分として、熱可塑性樹脂(特に、ポリフェニレンオキシド系樹脂)を実質的に含有しないのが好ましい。
(光硬化性組成物の硬化物)
硬化物で形成された第1の導電層は、後述するように前記光硬化性組成物を光照射して硬化することにより得られ、昇温速度5℃/分及び周波数10Hzの条件で−50℃から250℃まで測定した動的粘弾性試験において、ゴム状領域における貯蔵弾性率E′が200〜2000MPaであり、好ましくは300〜1500MPa、さらに好ましくは350〜1200MPa(特に400〜1000MPa)程度である。なお、ゴム状領域とは、貯蔵弾性率−温度曲線が、1010Pa程度のガラス状領域から、温度の上昇と共に大きく低下する転移領域を経た後で、10〜10Pa付近でほぼ平坦になる領域を意味する。
第1の導電層(硬化物)は、このような貯蔵弾性率E′を有するため、適度な架橋密度を有しており、耐溶剤性に優れ、かつ導電性フィラーを含有して導電性にも優れているにも拘わらず、適度な柔軟性を有している。特に、耐溶剤性と柔軟性との関係、さらに導電性フィラーの配合による導電性の向上効果と前記特性の向上効果との関係はいずれもトレードオフの関係にあり、これらの特性をバランス良く充足するのは困難であるが、第1の導電層は、樹脂成分の種類や比率、官能基数、分子量(粘度)、導電性フィラーの種類及び配合量などを調整して、光硬化物の粘弾性を前記範囲に制御することにより、両特性を併せ持つ。
第1の導電層は、導電性に優れ、体積固有抵抗率が10Ω・cm以下であってもよく、例えば、10Ω・cm以下(例えば、0.01〜10Ω・cm)、好ましくは10Ω・cm以下(例えば、0.1〜10Ω・cm)、さらに好ましくは10Ω・cm以下(特に10Ω・cm以下)であってもよい。
第1の導電層の形状は、特に限定されないが、通常、シート状又はフィルム状である。第1の導電層の平均厚みは、用途に応じて1〜100μm程度の範囲から選択でき、例えば、1〜80μm、好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μm(特に8〜20μm)程度である。
第1の導電層は、接着性を向上させるため、表面処理されていてもよく、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理、有機溶剤を用いた洗浄処理、酸やアルカリなどを用いた化学処理、研磨紙やサンドブラストなどによる研磨処理などで表面処理されていてもよい。
第1の導電層は、接着層を介して第2の導電層と一体化(接着)するが、第2の導電層と接着する側の反対側の面には、機械的特性などの点から、さらに他の層が積層されていてもよい。他の層との積層構造は、二層構造に限定されず、三層以上の多層構造であってもよい。
他の層は、ガラス、セラミック、金属、プラスチックなどで形成されていてもよいが、硬化物との密着性などの点から、プラスチックが好ましい。プラスチックとしては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶質ポリオレフィンなど)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12など)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルなど)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらのうち、耐熱性などに優れる点から、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが好ましい。さらに、プラスチックは、前記導電性フィラーを含有していてもよい。また、他の層は、機能層(ハードコート層、他の導電層、帯電防止層、光学層など)であってもよい。
特に、本発明では、薄肉及び軽量であっても、導電性及び熱伝導性が高く、柔軟性などの機械的特性にも優れる点から、他の層は、後述する第2の導電層と同一の導電層であってもよい。他の層を第2の導電層と同一の導電層で形成すると、第1の導電層と第2の導電層とが積層された導電性積層フィルム(接着層を介することなく積層した導電性積層フィルム)が得られるが、本発明の複合封止体は、この導電性積層フィルムを2層以上(特に3層以上)積層した複合封止体であってもよい。すなわち、このような導電性積層フィルム同士を第1の導電層側と第2の導電層側とが接触するように積層し、接触する第1の導電層と第2の導電層とを接着層を介して接着することにより、3層以上積層された複合封止体(3枚以上の導電性積層フィルムを第1の導電層と第2の導電層との間に接着層を介在させて接着した複合封止体)を作製できる。このような複合封止体は、例えば、多数の集電体を積層するリチウムイオン電池のバイポーラ電池などに適している。
(第2の導電層)
第2の導電層は、結晶性樹脂及び第2の導電性フィラーを含む結晶性樹脂組成物で形成されている。本発明では、第1の導電層と第2の導電層とを接着層を介して一体化することにより、薄肉及び軽量であっても、導電性及び熱伝導性が高く、柔軟性などの機械的特性にも優れた複合封止体が得られる。
(A)結晶性樹脂
結晶性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂(高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、スチレン系樹脂(シンジオタクチックポリスチレンなど)、ポリアセタール系樹脂(ポリオキシメチレンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート、液晶ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(脂肪族ポリアミドなど)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど)などが挙げられる。これらの結晶性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの結晶性樹脂のうち、耐熱性や機械的特性などに優れる点から、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどが好ましく、耐溶剤性や成形性、軽量性などに優れる点から、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂が特に好ましい。
(A1)ポリプロピレン系樹脂
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンホモポリマー(プロピレン単独重合体)の他、プロピレンコポリマー(プロピレン系共重合体)であってもよい。コポリマーとしては、プロピレンとα−オレフィン類[例えば、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−メチルペンテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどのプロピレン以外のα−C2−16オレフィン(特にエチレンやブテンなどのα−C2−6オレフィン)など]との共重合体、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム三元共重合体などが挙げられる。本発明では、耐溶剤性や耐熱性などの点から、マレイン酸や(メタ)アクリル酸などの極性基を有する共重合性単位及び/又はスチレンなどの芳香族ビニル単位を実質的に含有しないのが好ましい。共重合体の形態としては、ブロック共重合、ランダム共重合、グラフト共重合などが挙げられる。
共重合体において、プロピレンとα−オレフィン(特にエチレン)との割合(モル比)は、プロピレン/α−オレフィン=90/10〜100/0、好ましくは95/5〜100/0、さらに好ましくは99/1〜100/0程度である。α−オレフィンの割合が少なすぎると、結晶性が低下し、耐溶剤性や耐熱性が低下する。本発明では、ホモポリマーが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、アタクチック重合体であってもよいが、結晶性を向上できる点から、アイソタクチック、シンジオタクチックなどの立体規則性を有する構造が好ましく、アイソタクチック重合体が特に好ましい。
さらに、ポリプロピレン系樹脂は、チーグラー触媒などを用いた重合体であってもよいが、低分子量のタック成分が少なくかつ分子量分布の狭い重合体が得られる点から、メタロセン触媒を用いたメタロセン系樹脂(特にメタロセン系共重合体)を少なくとも含むのが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の比重は1.00以下(特に0.95以下)であり、例えば、0.80〜0.95、好ましくは0.85〜0.95、さらに好ましくは0.87〜0.93(特に0.89〜0.91)程度である。
ポリプロピレン系樹脂の融点(示差走査熱量計DSCでの融解ピーク温度)は、例えば、100〜170℃程度の範囲から選択できるが、耐熱性の点から、例えば、110〜170℃、好ましくは120〜168℃、さらに好ましくは130〜166℃(特に160〜166℃)程度である。なお、本明細書では、結晶性樹脂におけるポリプロピレン系樹脂の融点は、導電性フィラーと溶融混合して調製されたペレットの状態で測定される。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠した方法で、例えば、0.3〜60g/10分、好ましくは0.2〜20g/10分、さらに好ましくは1〜7g/10分程度である。
(A2)ポリアミド系樹脂
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ジアミンとジカルボン酸とを重縮合して得られるポリアミド、アミノカルボン酸を重縮合して得られるポリアミド、ラクタムを開環重合して得られるポリアミド、これらのモノマーを組み合わせて重合して得られるポリアミドなどが挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン;ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環族ジアミンが挙げられる。また、フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンを併用してもよい。これらのジアミンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、オクタデカン二酸などのC4−20脂肪族ジカルボン酸;二量体化脂肪酸(ダイマー酸);シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸やシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸やテレフタル酸、ナフタレンカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
アミノカルボン酸としては、例えば、アミノヘプタン酸、アミノノナン酸、アミノウンデカン酸などのC4−20アミノカルボン酸が例示される。アミノカルボン酸も一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのアミノカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ラクタムとしては、例えば、ブチロラクタム、ビバロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカラクタムなどのC4−20ラクタムが挙げられる。これらのラクタムは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12などの脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸および/又はイソフタル酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミンなど)とから得られるポリアミド、芳香族及び脂肪族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸とアジピン酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)とから得られるポリアミドなどが挙げられる。これらのポリアミド系樹脂は、ホモポリアミドに限らずコポリアミドであってもよい。これらのポリアミド系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのポリアミド系樹脂のうち、結晶性が高く、耐熱性に優れる点から、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12などの脂肪族ポリアミドが好ましい。これらの脂肪族ポリアミドは、用途に応じて選択でき、耐熱性やガスバリア性が重要な用途など、結晶性を向上させる場合には、C2−12アルキレン鎖を有する脂肪族ポリアミド(特に、ポリアミド46やポリアミド66などのC3−8アルキレン鎖を有する脂肪族ポリアミド)が好ましい。また、成形性や耐溶剤性が重要な用途では、C8−16アルキレン鎖を有する脂肪族ポリアミド(特に、ポリアミド11やポリアミド12などのC10−14アルキレン鎖を有する脂肪族ポリアミド)が好ましい。
ポリアミド系樹脂の比重は1.05以下であり、例えば、0.80〜1.04、さらに好ましくは0.85〜1.02程度である。
ポリアミド系樹脂の融点(示差走査熱量計DSCでの融解ピーク温度)は、例えば、100〜250℃程度の範囲から選択できるが、耐熱性の点から、例えば、140〜220℃、好ましくは150〜200℃、さらに好ましくは160〜190℃(特に170〜180℃)程度である。なお、本明細書では、ポリアミド系樹脂の融点は、導電性フィラーと溶融混合して調製されたペレットの状態で測定される。
これらの結晶性樹脂のうち、前記特性に加えて、耐薬品性、ガスバリア性、靱性、経済性にも優れる点から、ポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。特に、ポリプロピレン系樹脂を用いると軽量化の効果が著しい。さらに、水分透過性もしくは吸水性が低いことが求められる用途においても、ポリプロピレン系樹脂がより好ましく用いられる。
(B)第2の導電性フィラー
第2の導電性フィラーとしては、光硬化性樹脂組成物の導電性フィラー(第1の導電性フィラー)の項で例示された導電性フィラーを使用できる。第2の導電性フィラーとしても、多量のフィラーを前記結晶性樹脂に配合しても、軽量性が大きく損なわれない点から、カーボン系導電性フィラーが好ましく、導電性カーボンブラックが特に好ましい。第2のカーボン系フィラーの比重も第1のカーボン系フィラーと同様である。第2の導電性カーボンブラックとしても、第1の導電性フィラーの項で例示された導電性カーボンブラックを使用できる。
第2の導電性フィラー(特に、第2の導電性カーボンブラック)の形状、平均一次粒径、DBP吸油量、比表面積も第1の導電性フィラーと同様である。特に、第2の導電層を平均一次粒径を調整することにより、押出成形などにより薄肉化してもピンホールや裂けを抑制できる。
結晶性樹脂と第2の導電性フィラーとの割合(重量比)は、前者/後者=90/10〜55/45であり、好ましくは85/15〜55/45、さらに好ましくは85/15〜60/40(特に80/20〜60/40)程度である。第2の導電性フィラーの含有量が少なすぎると、薄肉の第2の導電層の体積固有抵抗値が高くなり、逆に多すぎると、フィルム成形性やフィルム物性が低下する傾向がある。
なお、第2の導電性フィラーがカーボン系導電性フィラーである場合、中空構造やチューブ構造などの内部空隙又は空洞を有する特殊なフィラー(ケッチェンブラックなど)では、見掛け密度が小さいため、樹脂組成物に対する添加重量に対し、体積が大きくアグリゲート構造を形成し易い一方、混錬や溶融押出特性におけるフィラーの影響がより大きくなる。従って、少量の添加量でも組成物の真比重が低く、導電性が高いフィルムを得ることができるものの、組成物の加工性から添加重量の上限は、他の見かけ密度の大きなカーボン系フィラーに比べて低い傾向となる。また、内部空隙又は空洞を実質的に有さないフィラー、例えば、アセチレンブラックなどに比べ、混錬、押出成形、延伸、圧延などの機械的なせん断力により空隙又は空洞を有する構造が破壊される傾向がある。そのため、内部に空隙を有するフィラーを使用する場合は、各工程での条件に注意する必要がある。
結晶性樹脂と第2のカーボン系導電性フィラーとの割合は、カーボン系導電性フィラーの比重に応じて調整してもよく、ナノレベルの粒状カーボンブラックの真比重を求めることは難しいものの、例えば、比重が2.0〜1.7(特に1.9〜1.8)のフィラー(例えば、アセチレンブラック)の場合、結晶性樹脂/第2のカーボン系導電性フィラー=80/20〜55/45、好ましくは75/25〜55/45、さらに好ましくは70/30〜60/40程度であってもよい。また、比重が0.3〜1.6(特に0.4〜1.5)のフィラー(例えば、アセチレンブラック)の場合、結晶性樹脂/第2のカーボン系導電性フィラー=90/10〜70/30、好ましくは90/10〜80/20、さらに好ましくは90/10〜85/15程度であってもよい。
(C)他の添加剤
第2の導電層は、さらに慣用の添加剤、例えば、他の高分子(非晶性樹脂、非晶性エラストマー、結晶性エラストマー、ゴムなど)、可塑剤、他の導電性フィラー、導電性ポリマー、安定化剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤など)、分散剤、帯電防止剤、着色剤、潤滑剤、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、耐衝撃改良剤、補強剤、発泡剤、抗菌剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の割合は、結晶性樹脂及び第2の導電性フィラーの合計100重量部に対して、例えば、10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部(特に0.1〜2重量部)程度である。
第2の導電層は、前記割合であれば、エラストマーやゴムなどの軟質成分を含有していてもよいが、エラストマーやゴムなどの軟質成分(特に非晶性エラストマーなどのエラストマー)を実質的に含有していなくてもよい。本発明では、軟質成分を含有することなく、樹脂成分として実質的に結晶性樹脂で形成されているにも拘わらず、薄肉で導電性の高い第2の導電層を調製できる。
(第2の導電層の特性)
第2の導電層の形状は、特に限定されないが、通常、シート状又はフィルム状である。第2の導電層は、平均厚み200μm以下の薄肉の層であってもよい。詳しくは、第2の導電層の平均厚みは、5〜150μm(例えば、5〜120μm)程度の範囲から選択でき、好ましくは10〜110μm、さらに好ましくは15〜100μm(特に20〜100μm)程度であり、薄肉が要求される用途では、例えば、25〜50μm(特に30〜45μm)程度であってもよい。
第2の導電層は、厚みの均一性も高く、厚み変動比(最大厚み/最小厚み)が、例えば、1.5以下(例えば、1〜1.5)、好ましくは1.01〜1.4、さらに好ましくは1.03〜1.3(特に1.05〜1.25)程度であり、例えば、1.1〜1.2程度であってもよい。第2の導電層は、均一な厚みを有するため、例えば、複数のフィルムを積層しても大きな空隙が生じることなく、密着性が高い上に、導電性の均一性及び安定性も高い。厚み変動比の測定方法は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
第2の導電層は、薄肉でありながら、高い導電性を有する。すなわち、第2の導電層の体積固有抵抗率は0.1〜1500Ω・cmであり、好ましくは1〜1000Ω・cm、さらに好ましくは2〜500Ω・cm(特に3〜100Ω・cm)程度であり、例えば、1〜50Ω・cm(特に2〜10Ω・cm)程度であってもよい。また、第2の導電層の体積抵抗値は、例えば、0.001〜5Ω、好ましくは0.01〜3Ω、さらに好ましくは0.1〜1Ω程度である。
第2の導電層は、耐溶剤性にも優れており、25℃でテトラヒドロフラン中に24時間浸漬後の重量変化率(重量増加率)が10重量%以下であり、例えば、0.05〜8重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%、さらに好ましくは0.5〜4.0重量%程度であり、高い耐溶剤性を要求される用途などでは、例えば、0.5〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%、さらに好ましくは0.5〜1.5重量%(特に0.5〜1.0重量%)程度であってもよい。
第2の導電層の比重は、例えば、0.75〜1.20、好ましくは0.80〜1.18、さらに好ましくは0.85〜1.15(特に0.90〜1.15)程度である。結晶性樹脂がポリプロピレン系樹脂である場合、第2の導電層の比重は、例えば、0.95〜1.2、好ましくは0.96〜1.18、さらに好ましくは0.97〜1.15(特に1.0〜1.1)程度であってもよい。
第2の導電層も、第1の導電層と接着する側の反対側の面には、さらに他の層が積層されていてもよい。他の層としては、第1の導電層における他の層で例示された層であってもよく、前述のように、他の層は、第1の導電層と同一の導電層であってもよい。
(第1及び第2の導電層の特性)
第1の導電層及び第2の導電層は、いずれも耐溶剤性に優れ、薄肉であるにも拘わらず、導電性も高い。第1の導電層及び第2の導電層は、それぞれ、体積抵抗率が10Ω・cm以下(例えば、0.01〜10Ω・cm程度)であってもよく、例えば、10Ω・cm以下(例えば、0.1〜10Ω・cm程度)、好ましくは10Ω・cm以下(例えば、1〜10Ω・cm程度)、さらに好ましくは10Ω・cm以下(特に10Ω・cm以下)であってもよい。
特に、第1の導電層と第2の導電層とを接着層を介することなく積層した導電性積層フィルムは、柔軟性などの機械的特性も維持しながら、導電性及び耐溶剤性を向上できる。導電性積層フィルムの体積固有抵抗率は10Ω・cm以下であってもよく、例えば、1〜10000Ω・cm(例えば、2〜1000Ω・cm)、好ましくは3〜500Ω・cm、さらに好ましくは5〜100Ω・cm(特に10〜50Ω・cm)程度であってもよい。
第1の導電層及び第2の導電層は、耐溶剤性が高く、特に極性溶媒に対する透過性が低い。具体的には、導電性積層フィルムにおいて、後述する実施例に記載の方法に準拠して、第2の導電層同士を対向させて積層した2枚の導電性積層フィルムの間にプロピレンカーボーネートを封入し、14日間経過後の重量変化率(重量増加率)は、例えば、5重量%以下、好ましくは1重量%以下(例えば、0.01〜1重量%)、さらに好ましくは0.5重量%以下(例えば、0.1〜0.5重量%)であってもよい。
導電性積層フィルムの平均厚みは、用途に応じて1〜300μm程度の範囲から選択でき、例えば、1〜250μm(例えば、5〜200μm)程度の範囲から選択でき、好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは15〜120μm(特に20〜100μm)程度であり、通常、25〜90μm(例えば、30〜80μm)程度である。
導電性積層フィルムにおいて、第1の導電層と第2の導電層との平均厚み比は、第1の導電層/第2の導電層=10/1〜1/100程度の範囲から選択できるが、5/1〜1/50、好ましくは3/1〜1/30、さらに好ましくは1/1〜1/20(特に1/2〜1/15)程度であり、1/2〜1/10(例えば、1/3〜1/9)程度であってもよい。
導電性積層フィルムは、柔軟性にも優れ、シート化してロール・ツー・ロール方式での製造が可能であるため、生産性が高く、工業的な価値が高い。
(第1の導電層の製造方法)
光硬化性組成物の硬化物で形成された第1の導電層は、基材の上に液状の光硬化性組成物を塗布する塗布工程、塗布された前記光硬化性組成物に光照射して硬化する硬化工程を経て製造される。
光硬化性組成物の塗布方法としては、慣用の方法、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、リバースコーター、バーコーター、コンマコーター、ディップ・スクイズコーター、ダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、シルクスクリーンコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法などが挙げられる。これらの方法のうち、バーコーター法やグラビアコーター法などが汎用される。なお、必要であれば、塗布液は複数回に亘り塗布してもよい。
光硬化性組成物が有機溶媒を含有する場合など、塗布後は、必要に応じて乾燥を行ってもよい。乾燥は、例えば、30〜150℃、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは50〜70℃程度の温度で行ってもよい。
光硬化性組成物を光照射する方法としては、放射線(ガンマー線、X線など)、紫外線、可視光線、電子線(EB)などの光エネルギー線を照射する方法を利用できる。これらの方法のうち、紫外線、電子線を照射する方法が好ましい。
紫外線を照射する方法において、光源としては、例えば、紫外線の場合は、Deep UV ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、レーザー光源(ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマレーザーなどの光源)などを用いることができる。照射光量(照射エネルギー)は、塗膜の厚みにより異なるが、例えば、50〜10000mJ/cm、好ましくは70〜7000mJ/cm、さらに好ましくは100〜5000mJ/cm程度であってもよい。
電子線を照射する方法としては、電子線照射装置などの露光源によって電子線を照射する方法などが利用できる。照射量(線量)は、塗膜の厚みにより異なるが、例えば、1〜200kGy(グレイ)、好ましくは10〜180kGy、さらに好ましくは30〜150kGy(特に50〜120kGy)程度である。加速電圧は、例えば、10〜1000kV、好ましくは50〜500kV、さらに好ましくは100〜300kV程度である。
なお、電子線の照射は、必要であれば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなど)雰囲気中で行ってもよい。
本発明では、重合開始剤を使用せずに重合ができ、高い耐候性を有する硬化物を製造できる点から、電子線で照射する方法が特に好ましい。
(第2の導電層の製造方法)
第1の導電層と第2の導電層とを積層した導電性積層フィルムの場合、前記基材の代わりに、予め第2の導電層を製造してもよい。
第2の導電層は、結晶性樹脂組成物を押出成形した後、得られたシートを加熱しながら延伸又は圧延処理してもよい。
結晶性樹脂組成物は、結晶性樹脂と第2の導電性フィラーとを予め溶融混練することにより調製したペレットであってもよい。溶融混練の方法としては、慣用の方法、例えば、加圧ニーダー混錬機、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどの混合機を用いる方法を利用できる。さらに、溶融混錬後にフィーダールーダーなどを用いてペレット化してもよい。本発明では、ペレット化することにより、シート加工の各工程間の調整などの作業性を向上できる。なお、溶融混錬の方法としては、各成分をヘンシェルミキサーやリボンミキサーで乾式混合し、単軸又は二軸押出機などを用いて溶融混錬とペレット化を同時に行ってもよい。
得られたペレット又は乾式混合物は、押出成形機(例えば、単軸又は二軸押出機など)やカレンダー成形機を使用してシート状に製造され、通常、ペレットを押出成形機内で溶融混練し、押出成形機の先端部の口金(ダイ)のスリットから押出すことにより成形される。前記口金(ダイ)は、インフレーション成形に利用されるリングダイであってもよいが、通常、マルチマニホールドダイなどのTダイまたはフラットダイなどが使用できる。さらに、押出成形されたシートは、冷却ロールにより冷却されて、シート巻き取り機に巻き取ることができる。
押出成形の条件は、押出成形機や結晶性樹脂の種類などに応じて選択でき、通常、成形温度は100〜280℃、好ましくは150〜260℃、さらに好ましくは180〜250℃程度である。冷却ロールによる冷却温度は、例えば、80〜200℃、好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは120〜160℃程度である。また、押出しスリットのギャップ(クリアランス又は隙間)は、0.5〜2.0mm、好ましくは0.6〜1.5mm、さらに好ましくは0.7〜1.0mmである。引き取り速度(巻き取り速度)は、例えば、0.1〜70m/分、好ましくは0.5〜40m/分、さらに好ましくは1.5〜30m/分(特に2〜10m/分)程度である。
本発明では、押出成形によって、各樹脂組成物ごとに、120〜500μm、好ましくは130〜400μm、さらに好ましくは130〜300μm(特に130〜250μm)程度の厚みになるように、装置の特性に合わせた巻き取り速度で調整される。
本発明では、押出成形により、一旦このような厚みにシートが調整されるが、この状態では、第2の導電性フィラー(特に導電性カーボンブラック)は、シート中において適度に凝集(アグリゲート)してネットワーク構造を形成しているためか、高い導電性を示す。得られたシートの体積固有抵抗率は1000Ω・cm以下であり、好ましくは0.1〜500Ω・cm、さらに好ましくは0.2〜200Ω・cm(特に0.3〜100Ω・cm)程度である。
押出成形により得られたロール状シートは、巻き戻されて延伸又は圧延処理される。延伸又は圧延処理はシートを加熱した状態で処理されるが、本発明の方法では、前記押出成形により形成された導電性フィラーのネットワーク構造を延伸又は圧延処理で破壊しないために、延伸又は圧延処理における加熱温度を制御することを特徴とする。延伸又は圧延処理における加熱温度は、結晶性樹脂の融点をmpとしたとき、(mp−40)℃〜(mp−5)℃の温度範囲であり、好ましくは(mp−35)℃〜(mp−5)℃、さらに好ましくは(mp−30)℃〜(mp−10)℃[特に、(mp−30)℃〜(mp−15)℃]程度である。加熱温度が高すぎると、溶融したポリマーの分子鎖が導電性フィラーのネットワーク構造に進入するためか、導電性が低下する。また、ポリマーが軟化又は溶融し、回転ロールに密着したり、裂けて巻き取ることが困難になる傾向がある。一方、加熱温度が低すぎると、樹脂組成物に高い剪断力が負荷され、前記ネットワーク構造が破壊されるためか、導電性が低下する。また、ポリマーの流動性が低いため、シートが十分に薄肉化せず、裂け易くなる。これに対して、本発明の方法では、延伸又は圧延における加熱温度が適度な範囲に制御されているため、例えば、パンタグラフが畳まれるように前記ネットワーク構造が厚み方向に縮小するためか、延伸又は圧延処理後も高い導電性を維持できる。
延伸又は圧延処理において、処理後の薄肉シートの厚みは、処理前のシートに対して、1/1.2〜1/10倍程度に調整してもよく、例えば、1/1.5〜1/8倍、好ましくは1/2〜1/5倍、さらに好ましくは1/2.5〜1/4.5倍程度に調整してもよい。
延伸処理は、一軸延伸であってもよく、二軸延伸であってもよい。また、二軸延伸は、同時二軸延伸であってもよく、逐次二軸延伸であってもよい。延伸倍率は、薄肉シートの厚みが前記範囲になるように調整すればよく、例えば、1.1〜10倍程度の範囲から選択でき、好ましくは1.5〜5倍、さらに好ましくは2〜5倍程度である。
圧延処理の負荷荷重は100kN以下程度から選択でき、例えば、0.1〜100kN、好ましくは0.5〜50kN、さらに好ましくは1〜30kN(特に2〜10kN)程度である。圧延処理圧が高くなると、肉厚シートに掛かるせん断力が大きくなるためか、薄肉シートの体積固有低効率が高くなる傾向があるため、加熱ロールからシートに掛かる荷重は小さいことが好ましい。
また、圧延処理において、原反シートの供給速度より巻き取り機の巻き取り速度を早くすることにより、シートの縦方向に延伸処理を加えてもよい。供給速度に対する巻き速度の比率(巻き速度/供給速度)は、例えば、1〜10倍、好ましくは1.5〜8倍、さらに好ましくは2〜5倍(特に3〜4.5倍)程度である。この比率は、処理温度、負荷荷重に応じて、この範囲から選択でき、これらの条件を調整することにより、シートの厚みを調整してもよい。なお、圧延処理において、負荷荷重と前記速度比との関係は、シート厚みを均一にし、かつ導電性を向上できる点から、荷重を小さくして、前記速度比を大きくするのが好ましい。さらに、シート厚みを均一にし、かつ導電性を向上させる点から、荷重を負荷しない延伸処理であってもよい。特に、ケッチェンブラックなどの空洞構造を有する導電性フィラーでは、空洞構造の破壊を抑制できるためか、延伸又は圧延後も高い導電性を保持できる。
さらに、延伸又は圧延処理において、加工性を向上させるために、シート表面に滑剤や離型剤を塗布してもよく、複数のロールを組み合わせてもよい。
得られた第2の導電層は、薄肉化された層内の残留歪みを開放するために、慣用の方法によりアニール処理してもよい。アニール処理の温度としては、例えば、結晶性樹脂の融点をmpとしたとき、(mp−60)℃〜(mp−5)℃であり、好ましくは(mp−55)℃〜(mp−10)℃、さらに好ましくは(mp−50)℃〜(mp−20)℃程度である。
(接着層)
接着層(シール層又は接着剤)は、酸変性オレフィン系樹脂で形成されており、第1の導電層と第2の導電層とを封止して溶剤などを封入するために、第1の導電層と第2の導電層とを接着する。
酸変性オレフィン系樹脂を構成するオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルペンテン−1などのα−オレフィンの単独又は共重合体などが挙げられる。このようなオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂(ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体など)、ポリプロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテン共重合体など)などが例示できる。これらのうち、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、軽量性や耐熱性などに優れる点から、ポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、第2の導電層の結晶性樹脂として例示されたポリプロピレン系樹脂を例示できる。
酸変性オレフィン系樹脂は、カルボン酸で変性されたオレフィン系樹脂であればよく、詳しくは、カルボキシル基及び/又は酸無水物基を有するオレフィン系樹脂であればよい。酸による変性方法としては、オレフィン系樹脂の骨格にカルボキシル基及び/又は酸無水物基が導入されればよく、特に限定されないが、耐溶剤性や機械的特性などの点から、カルボキシル基及び/又は酸無水物基を有する単量体を共重合により導入する方法が好ましい。共重合の形態としては、ランダム共重合やブロック共重合などであってもよいが、導電層との接着性を向上できる点から、グラフト共重合が好ましい。
カルボキシル基及び/又は酸無水物基を有する単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸[例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸]、不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物[例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)シトラコン酸、(無水)イタコン酸など]などが挙げられる。これらの単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの単量体のうち、接着性を向上できる点から、(無水)マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物が好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
前記単量体の割合は、オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部(特に0.2〜1重量部)程度である。前記単量体の割合が少なすぎると、導電層との接着性が低下し、逆に多すぎると、耐溶剤性が低下する。
酸変性オレフィン系樹脂(特に、酸変性ポリプロピレン系樹脂)の融点は、ASTM D2117に準拠した方法において、例えば、80〜170℃程度の範囲から選択できるが、耐熱性の点から、例えば、100〜160℃、好ましくは120〜150℃、さらに好ましくは120〜140℃(特に120〜135℃)程度である。酸変性オレフィン系樹脂の融点が低すぎると、耐熱性及び機械的特性が低下し、逆に高すぎると導電層との接着性が低下する。
さらに、酸変性オレフィン系樹脂は、第2の導電層に含まれる結晶性樹脂の融点よりも低い融点を有するのが好ましく、例えば、前記結晶性樹脂の融点よりも、例えば、5〜80℃、好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは20〜50℃程度低い融点であってもよい。酸変性オレフィン系樹脂の融点が結晶性樹脂よりも高いと、導電層の封止(熱シール)が困難となり、簡便な方法で両者を強固に接着するのが困難となる。
酸変性オレフィン系樹脂(特に、酸変性ポリプロピレン系樹脂)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠した方法で、0.3〜20g/10分程度であり、例えば、0.5〜15g/10分、好ましくは0.8〜10g/10分、さらに好ましくは1〜5g/10分(特に1.2〜3g/10分)程度である。MFRが大きすぎると、機械的特性が低下し、小さすぎると、接着性が低下する傾向がある。
酸変性オレフィン系樹脂(特に、酸変性ポリプロピレン系樹脂)の降伏点応力は、ASTM D638に準拠した方法で、例えば、5〜50MPa、好ましくは10〜30MPa、さらに好ましくは12〜25MPa(特に15〜20MPa)程度である。破断点強度は、ASTM D638に準拠した方法で、例えば、3〜50MPa、好ましくは5〜30MPa、さらに好ましくは8〜25MPa(特に10〜20MPa)程度である。
酸変性オレフィン系樹脂(特に、酸変性ポリプロピレン系樹脂)のアイゾット衝撃強度は、ASTM D256に準拠した方法で、10J/m以上程度であればよいが、例えば、10〜1000J/m、好ましくは30〜500J/m、さらに好ましくは50〜300J/m(特に100〜150J/m)程度である。アイゾット衝撃強度が低すぎると、機械的特性が低下し、逆に大きすぎると、耐溶剤性が低下する傾向がある。
酸変性オレフィン系樹脂(特に、酸変性ポリプロピレン系樹脂)は、耐溶剤性(有機溶剤に対する耐膨潤性)も優れており、例えば、ジエチルカーボネート中に23℃で24時間浸漬した後の重量変化率が10重量%以下であってもよく、例えば、5重量%以下(例えば、0.1〜5重量%)、好ましくは0.2〜3重量%、さらに好ましくは0.3〜2重量%(特に0.5〜1.5重量%)程度である。なお、本明細書において、ジエチルカーボネートに対する耐膨潤性の試験方法は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
接着層は、第2の導電層の項で例示された慣用の添加剤を含んでいてもよい。
接着層は、導電層(特に、リチウムイオン電池の集電体などの導電フィルム)を封止するために、第1の導電層と第2の導電層とを接着できればよく、その形状は特に限定されないが、通常、シート状又はフィルム状である。接着層は、例えば、集電体など導電フィルムに溶媒を封入した状態で封止するために用いてもよい。接着層は、積層体(例えば、2〜3層の積層体)であってもよく、例えば、異種の酸変性オレフィン系樹脂で形成された層を積層した積層体で形成された接着層であってもよい。さらに、接着層には、他の接着層(例えば、ポリプロピレン系樹脂などのホットメルト接着性樹脂で形成された層など)や粘着層が積層されていてもよい。
接着層の平均厚みは、10μm以上であってもよく、例えば、10〜200μm、好ましくは20〜150μm、さらに好ましくは25〜120μm(特に30〜100μm)程度である。接着層の厚みが薄すぎると、溶剤などを封入する場合に封止力が低下する。
接着層は、接着性を向上させるため、表面処理されていてもよく、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理、有機溶剤を用いた洗浄処理、酸やアルカリなどを用いた化学処理、研磨紙やサンドブラストなどによる研磨処理などで表面処理されていてもよい。
(複合封止体の特性)
複合封止体は、第1の導電層と第2の導電層との接着強度が高く、両者の剥離強度が0.2N/mm以上であってもよく、例えば、0.2〜1N/mm、好ましくは0.3〜0.9N/mm、さらに好ましくは0.4〜0.8N/mm(特に0.5〜0.7N/mm)程度である。本発明の複合封止体は、耐溶剤性が高いにも拘わらず、このような高い接着強度を有している。なお、本明細書において、剥離性の試験方法は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
複合封止体は、シート状又はフィルムであるが、接着層は、通常、第1及び第2の導電層の一部の領域で積層されており、例えば、第1及び第2の導電層の端部又は周縁部の領域で積層されていてもよい。
複合封止体において、第1の導電層及び第2の導電層の総厚みと、接着層との平均厚み比は、第1及び第2の導電層の総厚み/接着層=40/200〜100/20好ましくは40/150〜100/25、さらに好ましくは40/120〜100/30(特に40/100〜100/30)度である。
[複合封止体の製造方法]
本発明の複合封止体の製造方法は、特に限定されず、接着層が熱融着して第1の導電層と第2の導電層とを接着できればよいが、導電層と接着層とを熱圧着する工程を含む製造方法が好ましい。
熱圧着工程に供される接着層は、通常、シート状又はフィルム状である。接着層は、別途シート状に調製された接着層を導電層に積層してもよく、接着層を形成するための液状組成物を導電層の表面に塗布してもよい。接着層は、慣用の方法でシート状に成形でき、例えば、溶融押出や圧延、熱プレスなどによりシート状に成形する熱成形法、基材上にキャストすることによりシート状に加工するキャスト法などの方法で成形できる。液状の接着層は、例えば、有機溶媒(例えば、トルエン、キシレン、デカリン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)に酸変性オレフィン系樹脂を分散させた分散液であってもよい。有機溶媒の分散液では、導電層の表面に塗布した後、乾燥してもよい。
熱圧着における加熱温度は、酸変性オレフィン系樹脂を溶融できればよく、酸変性オレフィン系樹脂の融点以上(例えば、酸変性オレフィン系樹脂の融点よりも5〜50℃程度高い温度、好ましくは10〜45℃程度高い温度、さらに好ましくは15〜40℃程度高い温度)であってもよい。熱圧着における加熱温度は、第2の導電層の結晶性樹脂の融点よりも低い温度(例えば、結晶性樹脂の融点よりも1〜50℃低い温度、好ましくは3〜40℃程度低い温度、さらに好ましくは5〜30℃程度低い温度)であってもよい。
熱圧着における加圧圧力は、例えば、0.1〜50MPa、好ましくは0.2〜40MPa、さらに好ましくは0.3〜30MPa(特に0.5〜20MPa)程度である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例及び比較例で用いた配合成分、実施例及び比較例で得られた導電性積層フィルム及び複合封止シートの特性の評価は、以下の方法で測定した。
[導電層の比重]
JIS K7112に準拠して、電子比重計(アルファ・ミラージュ(株)製「エレクトロニックデンソメーターSD−200L」)を用いて測定したサンプル密度より比重を求めた。なお、嵩高いサンプルなどにおいて、測定に適正なサンプル形状が得られない場合は、予め熱プレスで成形した後、サンプルを切り出した。
[第2の導電層の融点・ガラス転移温度]
溶融混錬して調製した樹脂組成物(例えば、ペレット)の融点(mp)及びガラス転移温度(Tg)を測定した。測定は、示差走査熱量計(DSC)(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製、商品名「Q2000」)を用いて、通常の熱分析法により行った。
[第2の導電層の平均厚み及び均一性]
マイクロメータ((株)ミツトヨ製「デジマチックマイクロメータMDC25MJ」)を用いて、シートの幅方向(TD)に25mm間隔をおいて10点以上の箇所で測定し、またシートの流れ方向(MD)で25mm間隔をおいて10点以上の箇所で測定し、計20点以上の測定値から算術平均値を求めた。同様に、厚みの均一性(又は安定性)は、シート中央で流れ方向(MD)の長さ1mを、50mm間隔で厚みを測定し、得られた測定値の最大5点の平均値と最小5点の平均値を、厚み変動比=(最大平均値/最小平均値)として算出した。この比が小さいほどシートの厚みが安定しているとした。
[導電性(体積固有抵抗率)]
サンプル両面にΦ3mmの穴を開けたシールを貼り、銀ペーストを塗布、テスターにて抵抗値(Ω)を測定、以下の式により体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。
体積抵抗率(Ω・cm)=抵抗(Ω)×面積(cm)/厚み(cm)
[第2の導電層の耐溶剤性]
フィルムを100mm×100mmにカットし、初期重量:A(mg)を測定した。次いで、25℃のテトラヒドロフラン(THF)中に、フィルムを完全に浸漬して24時間放置した後、取り出したフィルムの表面を拭き取り乾燥し、再び重量:B(mg)を測定した。下記式に基づいて、重量変化率(重量増加率)を算出した。
重量変化率(%)=[(B−A)/A]×100(%)
[第1の導電層の貯蔵弾性率E′]
得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製、RSA−III)を用い、昇温速度5℃/分及び周波数10Hzの条件で、−50℃〜250℃の貯蔵弾性率(E′)を求めた。
[導電性積層フィルムの屈曲性]
試験体を2cm×15cmの短冊にカットし、JIS K5600に従って屈曲性試験を行い、直径10mmのマンドレルで割れが発生するか否かを確認し、以下の基準で評価した。
○:割れやひびは発生しない
×:割れやひびが発生した。
[導電性積層フィルムの溶媒透過性]
導電性積層フィルムを10cm×10cmのサイズに2枚切り出し、第1の導電層を外側にして3方向をそれぞれ幅1cm分溶着した。未溶着部分から、プロピレンカーボネート2gを添加し、幅1cm分溶着して密閉した。さらに、溶着部分をアルミテープでシールし、試験体とした。試験体をデシケーター中に入れ、23℃、50Rh%で静置し、重量の経時変化を、下記式に基づいて算出し、評価した。なお、この試験において、14日経過後の重量変化量(%)が0.5%以下であれば溶媒透過性に優れることを示す。
重量変化率(%)={[(溶媒封入直後の試験体重量)−(14日経過後の試験体重量)]/(封入した溶媒重量)}×100
[複合封止体の剥離強度]
複合封止体の第1の導電層と第2の導電層との剥離強度をJIS K6854−2に準じ、引張試験機(オリエンテック(株)製、RTM−1210)を用いて、各端部を挟み、引張速度5mm/分で両層を引っ張って180°剥離し、測定した。
[接着層の耐溶剤性]
シャーレにジエチルカーボネート10mlを入れ、接着層をジエチルカーボネート中に浸漬し、23℃で24時間静置後、下記式により溶媒浸漬前後の重量変化率を求めた。なお、この試験において、重量変化量(%)が5%以下であれば耐溶剤性に優れることを示す。
重量変化率(%)={[(溶媒浸漬後の塗膜重量)−(溶媒浸漬前の塗膜重量)]/(溶媒浸漬前の塗膜重量)}×100
[配合成分]
(第1の導電層)
3官能アクリレート:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ダイセル・サイテック(株)製「PETIA」
環含有2官能アクリレート:トリシクロデカンジアクリレート、ダイセル・サイテック(株)製「IRR214K」
2官能ウレタンアクリレート:高耐候性ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック(株)製「EBECRYL8402」
光重合開始剤:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASFジャパン(株)製「Irgacure184」
ファーネスカーボンブラック:導電性カーボンブラック、平均一次粒径50nm、BET比表面積33m/g、東海カーボン(株)製「#4300」
(第2の導電層)
ポリプロピレン:(株)プライムポリマー製「E−100GPL」、比重0.90
ポリアミド12:ダイセルエボニック(株)製「L1901」、比重1.01
カーボンブラック:電気化学工業(株)製「デンカブラックHS−100、平均粒径48nm、BET比表面積39m/g、比重1.9
(接着層)
酸変性PPペレット1:マレイン酸グラフト付加ポリプロピレン、三井化学(株)製「アドマー HE040」、融点125℃、MFR1.6g/10分、降伏点応力18.6MPa、破断点強度11MPa、アイゾット衝撃強度110J/m
酸変性PPペレット2:マレイン酸グラフト付加ポリプロピレン、三井化学(株)製「アドマー QE060」、融点140℃、MFR7.0g/10分、降伏点応力21.6MPa、破断点強度35MPa、アイゾット衝撃強度70J/m
酸変性PPペレット3:マレイン酸グラフト付加ポリプロピレン、三井化学(株)製「アドマー QF551」、融点135℃、MFR5.7g/10分、降伏点応力15.7MPa、破断点強度19MPa、アイゾット衝撃強度500J/m
液状酸変性PP:酸変性ポリプロピレン、三井化学(株)製「ユニストールH−100」、粘度160mPa・s、固形分20%
ウレタン系ラミネート剤1:ポリウレタン/イソシアネート系接着剤、東洋モートン(株)製「M329」、硬化剤:ポリイソシアネート「CAT−8B」
ウレタン系ラミネート剤2:ポリエーテル/イソシアネート系接着剤、東洋モートン(株)製「969」、硬化剤:ポリイソシアネート「A−5」
エポキシ樹脂:ナガセケムテックス(株)製「AW136N」、硬化剤「HY994」
[第2の導電層の製造例]
樹脂成分としてホモポリプロピレン68重量部、導電性フィラーとしてカーボンブラック32重量部を加圧ニーダー混練り機に配合し、溶融混合し、さらにフィーダールーダーにてペレットとした。このペレットの特性を測定すると、比重1.08、融点(mp)166℃、ガラス転移温度(Tg)−22℃であった。
得られたペレットをTダイ押出し成形機に供給し、押出スリットのギャップ:0.8mmから押出温度230℃でシート状に押出し、巻き取り速度2.5m/分で巻き取って、厚み140μmの導電性シートを得た。このシートの体積固有抵抗率は8Ω・cmであった。
次いで、ロール状のシートを巻き戻しながら、加熱ロールの表面温度140℃(熱延伸温度差=組成物融点−加熱ロール表面温度=−25℃)の二本の加熱ロールの間を、ロール荷重5kNにて、シートの両面から加熱しながら、送り速度1m/分、巻き取り速度2.8m/分で通過させることで熱延伸処理を行った。得られた第2の導電層は、厚み40μmで体積固有抵抗率が8Ω・cmであり、厚み変動比は1.1、THFによる重量変化率が0.8%であり、平滑で厚み変動がほとんど無く、耐溶剤性に優れていた。
[導電性積層フィルムの製造例]
150mlの蓋付容器に、表1に示す割合で、アクリレートを秤量し、メチルエチルケトン(MEK)及びトルエン(TOL)の混合溶媒[MEK/TOL=50/50(重量比)]に溶解した。この溶液にカーボンブラックを添加し、自公転式混合脱泡機((株)シンキー製「ARE−250」)で分散組成物を作製した。
得られた分散組成物を、離型紙上にバーコーターにより約50μmの厚みに塗工し、60℃で乾燥した。乾燥後の組成物に、窒素雰囲気中で、加速電圧150kV、線量100kGyの電子線を照射し、硬化塗膜(第2の導電層)を作製した。離型紙を剥離して得られた第1の導電層について、貯蔵弾性率を評価した。
さらに、前記分散組成物を、前記製造例で得られた第2の導電層の上に、約10μmの厚みに塗工し、60℃で乾燥した。乾燥後の組成物に、窒素雰囲気中で、加速電圧150kV、線量100kGyの電子線を照射し、硬化塗膜(第1の導電層)を作製した。得られた導電性積層シートについて、屈曲性、溶媒透過性及び導電性を評価した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2013188924
得られた導電性積層フィルムは、柔軟で、溶媒透過性も低く、導電性も高い。
実施例1
酸変性PPペレット1を、プレス成形器((株)東洋精機製作所製)を用いて、温度150℃、圧力20MPaの条件で熱プレスして、厚み60μmの接着層を作製した。作製した接着層について耐溶剤性を評価した。前記製造例で得られた導電性積層フィルムにおける第1の導電層の上に、前記接着層を積層し、さらにこの接着層の上にさらに同一の導電性積層フィルムを第2の導電層側を接着層に向けて積層し、プレス成形器((株)東洋精機製作所製)を用いて、温度145℃、圧力10MPa、300秒の条件で熱圧着して、複合封止シートを作製し、剥離試験に供した。圧着後の接着層の平均厚みは50μmであり、導電性積層フィルムの平均厚みは40μmであった。
実施例2
酸変性PPペレット1の代わりに、酸変性PPペレット2を用いる以外は実施例1と同様にして、厚み60μmの接着層を作製した。作製した接着層について耐溶剤性を評価した。前記製造例で得られた導電性積層フィルムにおける第1の導電層の上に、前記接着層を積層し、さらにこの接着層の上にさらに同一の導電性積層フィルムを第2の導電層側を接着層に向けて積層し、実施例1と同様にして、複合封止シートを作製し、剥離試験に供した。圧着後の接着層の平均厚みは50μmであり、導電性積層フィルムの平均厚みは40μmであった。
実施例3
酸変性PPペレット1の代わりに、酸変性PPペレット3を用いる以外は実施例1と同様にして、厚み60μmの接着層を作製した。作製した接着層について耐溶剤性を評価した。前記製造例で得られた導電性積層フィルムにおける第1の導電層の上に、前記接着層を積層し、さらにこの接着層の上にさらに同一の導電性積層フィルムを第2の導電層側を接着層に向けて積層し、実施例1と同様にして、複合封止シートを作製し、剥離試験に供した。圧着後の接着層の平均厚みは45μmであり、導電性積層フィルムの平均厚みは40μmであった。
実施例4
前記製造例で得られた導電性積層シートにおける第1の導電層の上に、液状酸変性PPを、アプリケーターを用いて塗布した後、80℃で乾燥して接着層を形成した。得られた接着層の上に、さらにこの接着層の上にさらに同一の導電性積層フィルムを第2の導電層側を接着層に向けて積層し、プレス成形器((株)東洋精機製作所製)を用いて、温度150℃、圧力10MPa、60秒の条件で熱圧着して、複合封止シートを作製し、剥離試験に供した。離型紙上に、アプリケーターを用いて250μmの厚みに塗工し、前記と同様に乾燥処理して作製した接着層について耐溶剤性を評価した。圧着後の接着層の平均厚みは20μmであり、導電性積層フィルムの平均厚みは50μmであった。
比較例1
18重量部のウレタン系ラミネート剤1と、18重量部の硬化剤18重量部とを、酢酸エチル38.6重量部に溶解し、ラミネート剤溶液1を調製した。
前記製造例で得られた導電性積層フィルムにおける第1の導電層の上に、ウレタン系ラミネート剤溶液1を、バーコーターを用いて塗布した後、80℃で乾燥して厚み5μmの接着層を形成した。得られた接着層の上にさらに同一の導電性積層フィルムを第2の導電層側を接着層に向けて積層し、卓上ラミネーターを用いて、圧力0.2MPa、3m/分の条件で圧着した後、40℃で15時間、次いで80℃で4時間処理して硬化し、複合封止シートを作製した。得られた複合封止シートを剥離試験に供した。離型紙上に、バーコーターを用いて50μmの厚みに塗工し、前記と同様に硬化処理して作製した接着層について耐溶剤性を評価した。圧着後の接着層の平均厚みは3μmであり、導電性積層フィルムの平均厚みは50μmであった。
比較例2
5重量部のウレタン系ラミネート剤2と、1.66重量部の硬化剤とを、酢酸エチル7.13重量部に溶解し、ラミネート剤溶液2を調製した。
前記製造例で得られた導電性積層フィルムにおける第1の導電層の上に、ウレタン系ラミネート剤溶液2を、比較例1と同様にして硬化処理し、厚み5μmの接着層を有する複合封止シートを作製した。得られた複合封止シートを剥離試験に供した。離型紙上に、バーコーターを用いて50μmの厚みに塗工し、前記と同様に硬化処理して作製した接着層について耐溶剤性を評価した。圧着後の接着層の平均厚みは5μmであり、導電性積層フィルムの平均厚みは50μmであった。
比較例3
エポキシ樹脂100重量部と硬化剤40重量部とを混合しエポキシ樹脂組成物を調製した。
前記製造例で得られた導電性積層フィルムにおける第1の導電層の上に、エポキシ樹脂組成物を、アプリケーターを用いて塗布し、接着層を形成した後、この接着層の上にさらに同一の導電性積層フィルムを第2の導電層側を接着層に向けて積層し、卓上ラミネーターを用いて、圧力0.2MPa、3m/分の条件で圧着した後、80℃で30分処理して硬化し、複合封止シートを作製した。得られた複合封止シートを剥離試験に供した。離型紙上に、アプリケーターを用いて30μmの厚みに塗工し、前記と同様に硬化処理して作製した接着層について耐溶剤性を評価した。圧着後の接着層の平均厚みは20μmであり、導電性積層フィルムの平均厚みは50μmであった。
実施例及び比較例で得られた複合封止シートの評価結果を表2に示す。
Figure 2013188924
表2の結果から明らかなように、実施例の複合封止シートは、接着性及び耐溶剤性に優れるのに対して、比較例の複合封止シートは耐溶剤性が低い。
本発明の複合封止体は、異種の導電層が接着層を介して強固に接着され、かつ耐溶剤性にも優れるため、導電性及び耐溶剤性を要求される各種の分野に利用され、第1の導電層と第2の導電層との間に溶媒を封入するための容器や包装材料などの用途、例えば、半導体ウエハーの保存容器、ガソリンタンク、各種の電池用部材(例えば、電気二重層コンデンサー、リチウムイオン電池など部材)として利用できる。特に、プラスチック(高分子)に対して溶解性の高い極性溶媒にも高い耐溶剤性を示すため、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの極性溶媒を使用するリチウムイオン電池の部材、例えば、集電体と接着剤(シール剤又は封止部材)との組み合わせ(特に、双極型リチウムイオン電池のシート状集電体とシート状接着材との積層体)として好適である。

Claims (11)

  1. 光硬化性樹脂及び第1の導電性フィラーを含む光硬化性組成物の硬化物で形成された第1の導電層と、結晶性樹脂及び第2の導電性フィラーを含む結晶性樹脂組成物で形成された第2の導電層とが、酸変性オレフィン系樹脂で形成された接着層を介して一体化した複合封止体であって、前記光硬化性樹脂が、3官能以上の多官能ビニル系化合物と、単官能及び/又は2官能ビニル系化合物とを含む複合封止体。
  2. 2官能ビニル系化合物が、鎖状脂肪族2官能(メタ)アクリレートを含む請求項1記載の複合封止体。
  3. 2官能ビニル系化合物が、さらに脂肪族環及び/又は芳香族環を有する環含有2官能(メタ)アクリレートを含む請求項2記載の複合封止体。
  4. 多官能ビニル系化合物が、3〜6官能(メタ)アクリレートである請求項1〜3のいずれかに記載の複合封止体。
  5. 結晶性樹脂がポリプロピレン系樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の複合封止体。
  6. 第1及び第2の導電性フィラーが導電性カーボンブラックである請求項1〜5のいずれかに記載の複合封止体。
  7. 結晶性樹脂と第2のカーボン系導電性フィラーとの割合(重量比)が、前者/後者=90/10〜55/45である請求項1〜6のいずれかに記載の複合封止体。
  8. 第1の導電層の平均厚みが3〜50μmであり、第2の導電層の平均厚みが15〜100μmである請求項1〜7のいずれかに記載の複合封止体。
  9. 酸変性オレフィン系樹脂が無水マレイン酸のグラフト共重合体である請求項1〜8のいずれかに記載の複合封止体。
  10. 酸変性オレフィン系樹脂の融点が120〜150℃である請求項9記載の複合封止体。
  11. 第1の導電層にさらに第2の導電層と同一の導電層が積層され、かつ第2の導電層にさらに第1の導電層と同一の導電層が積層されている製造1〜10のいずれかに記載の複合封止体。
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