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JP2013182201A - カプセルトナーおよびカプセルトナーの製造方法 - Google Patents

カプセルトナーおよびカプセルトナーの製造方法 Download PDF

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JP2013182201A
JP2013182201A JP2012047012A JP2012047012A JP2013182201A JP 2013182201 A JP2013182201 A JP 2013182201A JP 2012047012 A JP2012047012 A JP 2012047012A JP 2012047012 A JP2012047012 A JP 2012047012A JP 2013182201 A JP2013182201 A JP 2013182201A
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Yoshinori Muto
吉紀 武藤
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Sharp Corp
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Abstract

【課題】 低温オフセットおよび高温オフセットの発生を抑制し、長時間撹拌しても流動性の低下を抑制することができるカプセルトナーおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 カプセルトナーは、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に設けられる樹脂被覆層とを含む。樹脂被覆層は、大粒径樹脂微粒子と、小粒径樹脂微粒子とから形成される。大粒径樹脂微粒子は、第1非晶性樹脂からなる。小粒径樹脂微粒子は、大粒径樹脂微粒子よりも体積平均粒子径が小さく、第2非晶性樹脂からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、カプセルトナーおよびカプセルトナーの製造方法に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、たとえば帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電および定着の各工程を経ることにより画像が形成される。帯電工程で、回転駆動される感光体の表面を帯電装置によって均一に帯電し、露光工程で、帯電した感光体表面に露光装置によってレーザ光が照射され、感光体表面に静電潜像が形成される。次に現像工程で、感光体表面の静電潜像が現像装置によって現像剤を用いて現像されて感光体表面にトナー像が形成され、転写工程で、感光体表面のトナー像が転写装置によって転写材上に転写される。その後、定着工程で、定着装置で加熱されることによって、トナー像が転写材上に定着される。また、画像形成動作後に感光体表面上に残留した転写残留トナーは、クリーニング工程で、クリーニング装置により除去されて所定の回収部に回収され、除電工程で、クリーニング後の感光体表面における残留電荷が、次の画像形成に備えるために、除電装置により除電される。
このような画像形成装置で用いる現像剤は、トナーを含む。トナーの流動性、転写性、帯電性を向上させる方法として、たとえば、トナー母粒子の表面を、トナー母粒子よりも耐熱性の高い樹脂からなる樹脂被覆層で被覆してカプセルトナーとする方法がある。トナー母粒子の表面が樹脂被覆層で被覆されることによって、トナー母粒子に含まれる離型剤などの低融点成分が溶け出すことが抑制されるので、現像工程における耐ブロッキング性が向上し、トナーの流動性、転写性および帯電性が向上する。
しかしながら、カプセルトナーは、一般的に、定着工程において、樹脂被覆層によってトナー母粒子に含まれる離型剤が溶け出しにくくなるので、低温オフセットおよび高温オフセットが発生し易くなり、充分に広い非オフセット領域が得られないという問題がある。
このような問題を解決するために、たとえば、特許文献1には、トナー母粒子表面に、結晶性ポリエステル樹脂および非晶性樹脂を含む樹脂被覆層を設けたカプセルトナーが開示されている。
特開2011−70152号公報
しかしながら、特許文献1に開示のカプセルトナーが、粉砕法で作製され、不定形で多数の凹凸が存在するトナー母粒子を用いて作製されたものである場合、現像装置の中で長時間撹拌すると局所的な樹脂被覆層の剥がれが発生する。
このように局所的な樹脂被覆層の剥がれが発生したカプセルトナーは、流動性が低下するので、現像装置に新たに補給されたカプセルトナーの混ざり込みが悪化する、すなわち、すでに現像装置内に存在するカプセルトナーに、現像装置に新たに補給されたカプセルトナーが充分に混ざり込むまでに時間がかかるという問題がある。その結果、現像装置にカプセルトナーが新たに補給されると、現像剤の帯電性が低下することになる。
本発明の目的は、低温オフセットおよび高温オフセットの発生を抑制し、長時間撹拌しても流動性の低下を抑制することができるカプセルトナーおよびその製造方法を提供することである。
本発明は、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、
トナー母粒子の表面に設けられる樹脂被覆層であって、第1非晶性樹脂からなる第1非晶性樹脂微粒子と、第2非晶性樹脂からなり、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子とを膜化することで形成される樹脂被覆層と、を有することを特徴とするカプセルトナーである。
また本発明は、第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1が500nm以下であり、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2が20nm以上であり、
第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径をd2とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦d2/d1≦0.7 …(1)
また本発明は、第1非晶性樹脂からなる第1非晶性樹脂微粒子と、第2非晶性樹脂からなり、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子と、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子とを撹拌混合し、トナー母粒子の表面に第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を付着させて混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る非晶性樹脂微粒子付着工程と、
トナー母粒子、第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を可塑化させる液体である噴霧液体を、撹拌下で流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する噴霧工程と、
前記噴霧液体を噴霧しながら、前記混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に含まれる第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
また本発明では、前記非晶性樹脂微粒子付着工程は、
第1非晶性樹脂微粒子と第2非晶性樹脂微粒子とを撹拌混合して混合樹脂微粒子を得る混合樹脂微粒子作製工程と、
トナー母粒子と混合樹脂微粒子とを撹拌混合して、トナー母粒子の表面に混合樹脂微粒子を付着させて混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る混合樹脂微粒子付着工程とを含むことを特徴とする。
また本発明は、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、第1非晶性樹脂からなる第1非晶性樹脂微粒子とを撹拌混合し、トナー母粒子の表面に第1非晶性樹脂微粒子を付着させて第1非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る第1非晶性樹脂微粒子付着工程と、
第2非晶性樹脂からなり、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子と、第1非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子とを撹拌混合し、第1非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の表面に第2非晶性樹脂微粒子を付着させて第2非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る第2非晶性樹脂微粒子付着工程と、
トナー母粒子、第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を可塑化させる液体である噴霧液体を、撹拌下で流動状態にある前記第2非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する噴霧工程と、
前記噴霧液体を噴霧しながら、前記第2非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に含まれる第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程と、を含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
また本発明は、第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1が500nm以下であり、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2が20nm以上であり、
第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径をd2とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.1≦d2/d1≦0.7 …(1)
本発明によれば、カプセルトナーは、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に設けられる樹脂被覆層とを含む。樹脂被覆層は、第1非晶性樹脂からなる第1非晶性樹脂微粒子と、第2非晶性樹脂からなり、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子とを膜化することで形成される。
樹脂被覆層が、第1非晶性樹脂微粒子と、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子とを膜化することで形成されることによって、全体にわたって疎密の度合いが適度かつ均一な樹脂被覆層となるものと考えられる。
樹脂被覆層の疎密の度合いが全体にわたって適度かつ均一であることによって、定着工程において、トナー母粒子に含まれる離型剤がカプセルトナーの表面に染み出すので、低温オフセットおよび高温オフセットの発生を抑制することができる。また、長時間にわたって現像装置内で撹拌したとしても、トナー母粒子表面から樹脂被覆層が剥離することを抑制できるので、流動性の低下を抑制することができる。
また本発明によれば、第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1が500nm以下であり、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2が20nm以上である。また、第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径をd2とが、上記式(1)を満たす。
第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2が上記範囲であり、かつ第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2とが上記式(1)を満たすことによって、樹脂被覆層の疎密の度合いをより適正化することができるので、現像工程において、樹脂被覆層の剥離を一層抑制することができるとともに、定着工程において、離型剤の染み出しが不足することによる高温オフセットおよび低温オフセットの発生を抑制することができる。したがって、流動性の低下が一層抑制され、非オフセット領域の広い定着性の良好なカプセルトナーとなる。
また本発明によれば、カプセルトナーの製造方法は、非晶性樹脂微粒子付着工程と、噴霧工程と、膜化工程とを含む。
非晶性樹脂微粒子付着工程では、第1非晶性樹脂からなる第1非晶性樹脂微粒子と、第2非晶性樹脂からなり、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子と、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子とを撹拌混合し、トナー母粒子の表面に第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を付着させて混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る。
噴霧工程では、トナー母粒子、第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を可塑化させる液体である噴霧液体を、撹拌下で流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する。
膜化工程では、噴霧液体を噴霧しながら、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に含まれる第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成する。
樹脂被覆層を形成するために、第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を用いることによって、非晶性樹脂微粒子付着工程において、相対的に粒子径の大きい第1樹脂微粒子がトナー母粒子の凹部に入り込む。そのため、膜化工程において、トナー母粒子の表面に付着した全ての第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子に、機械的衝撃力による充分なストレスを付与することができるので、疎密の度合いが均一で強固な樹脂被覆層を形成することができる。
また、第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子が非晶性樹脂から構成されることによって、樹脂被覆層の疎密の度合いを適正化することができる。
また本発明によれば、非晶性樹脂微粒子付着工程は、第1非晶性樹脂微粒子と第2非晶性樹脂微粒子とを撹拌混合して混合樹脂微粒子を得る混合樹脂微粒子作製工程と、トナー母粒子と混合樹脂微粒子とを撹拌混合して、トナー母粒子の表面に混合樹脂微粒子を付着させて混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る混合樹脂微粒子付着工程とを含む。
これによって、混合樹脂微粒子付着工程において、相対的に粒子径の大きい第1樹脂微粒子がトナー母粒子の凹部に入り込ませることができるので、膜化工程において、トナー母粒子の表面に付着した全ての第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子に、機械的衝撃力による充分なストレスを付与することができ、疎密の度合いが均一で強固な樹脂被覆層を形成することができる。
また本発明によれば、カプセルトナーの製造方法は、第1非晶性樹脂微粒子付着工程と、第2非晶性樹脂微粒子付着工程と、噴霧工程と、膜化工程とを含む。
第1非晶性樹脂微粒子付着工程では、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、第1非晶性樹脂からなる第1非晶性樹脂微粒子とを撹拌混合し、トナー母粒子の表面に第1非晶性樹脂微粒子を付着させて第1非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る。
第2非晶性樹脂微粒子付着工程では、第2非晶性樹脂からなり、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子と、第1非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子とを撹拌混合し、第1非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の表面に第2非晶性樹脂微粒子を付着させて第2非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る。
噴霧工程では、トナー母粒子、第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を可塑化させる液体である噴霧液体を、撹拌下で流動状態にある第2非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する。
膜化工程では、噴霧液体を噴霧しながら、第2非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に含まれる第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成する。
予め相対的に粒子径の大きい第1非晶性樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させることによって、第1非晶性樹脂微粒子を、トナー母粒子の凹部に選択的に付着させ、凸部に付着することを抑制することができる。
そのため、膜化工程において、トナー母粒子の表面に付着した全ての第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子に、機械的衝撃力による充分なストレスを付与でき、樹脂被覆層の疎密の度合いが適度かつ均一な、より強固な樹脂被覆層を形成することができる。
また本発明によれば、第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1が500nm以下であり、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2が20nm以上である。第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径をd2とが、上記式(1)を満たす。
第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2が上記範囲であり、かつ第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2とが上記式(1)を満たすことによって、疎密の度合いがより適正化された樹脂被覆層を形成することができる。したがって、流動性の低下が一層抑制され、低温オフセットおよび高温オフセットの発生を抑制することができるカプセルトナーを得ることができる。
第1の実施形態であるカプセルトナーの製造方法を示す工程図である。 カプセルトナーの製造に用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。 図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200で切断した断面図である。 粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す正面図である。 第2の実施形態であるカプセルトナーの製造方法を示す工程図である。
1、カプセルトナー
本発明の実施の一形態であるカプセルトナーは、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に設けられる樹脂被覆層とを含む。トナー母粒子は、結着樹脂、着色剤および離型剤を含む。
樹脂被覆層は、第1非晶性樹脂微粒子である大粒径樹脂微粒子と、第2非晶性樹脂微粒子である小粒径樹脂微粒子とから形成される。大粒径樹脂微粒子は、第1非晶性樹脂からなる。小粒径樹脂微粒子は、大粒径樹脂微粒子よりも体積平均粒子径が小さく、第2非晶性樹脂からなる。
樹脂被覆層が、第1非晶性樹脂からなる大粒径樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子からなる小粒径樹脂微粒子から形成されることによって、全体にわたって疎密の度合いが適度で、かつ均一な樹脂被覆層とすることができるものと考えられる。
なお、樹脂被覆層の疎密の度合いが大きくなるほど、樹脂被覆層の内部の空隙が少なくなり、疎密の度合いが小さくなるほど、樹脂被覆層の内部の空隙が多くなる。疎密の度合いが適度であるとは、樹脂被覆層の内部において、大粒径樹脂微粒子と小粒径樹脂微粒子とが全面にわたって完全に接着しているのではなく、これらの粒子の間にある程度の空隙が形成されていることを示す。
樹脂被覆層の疎密の度合いが全体にわたって適度かつ均一であることによって、定着時において、トナー母粒子に含まれる離型剤がカプセルトナーの表面に染み出すので、低温オフセットおよび高温オフセットの発生を抑制することができる。また、長時間にわたって現像装置内で撹拌したとしても、トナー母粒子表面から樹脂被覆層が剥離することを抑制できるので、流動性の低下を抑制することができる。
以下、本発明のカプセルトナーの構成について詳細に述べる。
(トナー母粒子)
トナー母粒子は、結着樹脂と着色剤と離型剤とを含む。
結着樹脂としては、特に限定されることなく、公知の結着樹脂を使用でき、たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に後述する離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
前記結着樹脂の中でも、ポリエステルは、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるため、カラートナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステルとしては公知のものを使用でき、たとえば多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。
多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多価アルコールとしても、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下で、多塩基酸と多価アルコールとを接触させて行い、生成するポリエステルの酸価、軟化点などが所定の値になったところで終了する。これによりポリエステルが得られる。
多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が起こる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することで、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変えることができる。また多塩基酸として無水トリメリト酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入でき、変性ポリエステルが得られる。ポリエステルの主鎖および/または側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基を結合させ、水中で自己分散性ポリエステルを得ることもできる。またポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。
結着樹脂のガラス転移点は、30℃以上80℃以下が好ましい。結着樹脂のガラス転移点が30℃未満であると、画像形成装置内部においてカプセルトナー粒子同士が熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移点が80℃を超えると、記録媒体へのカプセルトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
結着樹脂の軟化温度は、90℃以上150℃以下が好ましい。
着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエローなどが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドなどが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また同色であっても、2種以上を併用できる。着色剤の使用量は特に制限されないが、結着樹脂100重量部に対して0.1重量部以上20重量部以下が好ましく、0.2重量部以上10重量部以下がより好ましい。
着色剤は、結着樹脂中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。また2種以上の着色剤を複合粒子化して用いてもよい。複合粒子は、たとえば、2種以上の着色剤に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることによって製造できる。マスターバッチおよび複合粒子は、乾式混合の際にトナー組成物に混入される。
離型剤としては、たとえば、カルナウバワックスおよびその誘導体、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックスなどが挙げられる。誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。
離型剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、結着樹脂100重量部に対して0.2重量部以上20重量部以下が好ましく、0.5重量部以上10重量部以下がより好ましく、1.0重量部以上8.0重量部以下がさらに好ましい。
トナー母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に必要応じて電荷制御剤が含まれてもよい。電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、有機ベントナイト化合物、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。
電荷制御剤は1種を単独で使用でき、または必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。
トナー母粒子の体積平均粒径は、3μm以上10μm以下が好ましく、5μm以上8μm以下がより好ましい。
トナー母粒子の変動係数は、10%以上30%以下が好ましい。
トナー母粒子の形状係数SF2は、120以上160以下が好ましい。形状係数SF2は、粒子の凹凸の度合いを示す。
(樹脂被覆層)
樹脂被覆層は、第1非晶性樹脂からなる大粒径微粒子と、第2非晶性樹脂からなる小粒径樹脂微粒子とを膜化させて形成される。
非晶性樹脂は、高分子が無定形状態にあり、結晶性が低く、結晶性指数が0.6未満、あるいは結晶性指数が1.5を超える樹脂である。なお、結晶性樹脂は、高分子が規則正しい分子構造をもち、樹脂中の結晶部分の割合(結晶化度)が大きく、結晶性指数が0.6〜1.5の樹脂である。
結晶性指数は、樹脂の軟化温度と吸熱の最高ピーク温度との比(軟化温度/吸熱の最高ピーク温度)で定義される値で、結晶性の指標となる。吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。吸熱の最高ピーク温度が軟化温度と20℃以内の差であれば融点とみなし、軟化温度との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するものとみなす。
結晶化の度合いは、原料モノマーの種類とその比率、および製造条件(たとえば、反応
温度、反応時間、冷却速度など)により調整することができる。
第1非晶性樹脂および第2非晶性樹脂としては、たとえば、ポリスチレン樹脂などのスチレン系樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂が挙げられる。
スチレンアクリル共重合体樹脂は、モノマーの配合により疎水性を制御することができ、高温高湿環境における帯電低下を抑止することが可能である。また重合度、配合比を選べることから、熱設計の自由度も高くトナー材料として好適に使用できる。
スチレンアクリル共重合体樹脂のアクリルモノマーとしては公知のものを使用でき、たとえば、置換基を有することのある、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどが挙げられる。アクリルモノマーの具体例としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル系単量体、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。アクリルモノマーは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
スチレンアクリル共重合体樹脂のスチレン系モノマーとしては、公知のものを使用でき、たとえば、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。スチレン系モノマーは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。これらのモノマーの重合は、一般的なラジカル開始剤を用い、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などによって行われる。
第1非晶性樹脂と第2非晶性樹脂とは、同一のモノマー成分を含むことが好ましい。同一のモノマー成分を含むことによって、樹脂被覆層を全体にわたってより均一にすることができるので、樹脂被覆層がトナー母粒子から剥離することを一層抑制することができる。
第1非晶性樹脂および第2非晶性樹脂のガラス転移点は、50℃以上80℃以下が好ましい。
第1非晶性樹脂および第2非晶性樹脂の軟化点は、100℃以上140℃以下が好ましい。
なお、第1非晶性樹脂と第2非晶性樹脂とで、ガラス転移点および軟化点は同一であることが好ましい。
大粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径d1は、80nm以上500nm以下が好ましく、小粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径d2は、20nm以上400nm以下が好ましい。
また、大粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径をd2とが、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.1≦d2/d1≦0.7 …(1)
大粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径d1、小粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径d2が上記範囲であり、かつ大粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、小粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径d2との比率が上記式(1)を満たすことによって、樹脂被覆層の疎密の度合いをより適正にすることができるので、現像工程において、樹脂被覆層の剥離を一層抑制することができるとともに、定着工程において、離型剤の染み出しが不足することによる高温オフセットおよび低温オフセットの発生を抑制することができる。したがって、流動性の低下が一層抑制され、非オフセット領域の広い定着性の良好なカプセルトナーとなる。
大粒径樹脂微粒子の変動係数は、10以上50以下が好ましく、小粒径樹脂微粒子の変動係数は、5以上40以下が好ましい。
2、カプセルトナーの製造方法
以下では、上述のような、樹脂被覆層の疎密の度合いが適度なカプセルトナーの製造方法について記載する。本発明の実施の一形態であるカプセルトナーの製造方法には、第1の実施形態と、第2の実施形態とがある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態であるカプセルトナーの製造方法を示す工程図である。本実施形態のカプセルトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S1と、乾燥された樹脂微粒子を得る非晶性樹脂微粒子調製工程S2と、樹脂微粒子をトナー母粒子に付着させる非晶性樹脂微粒子付着工程S3と、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する成膜化工程S4とを含む。
(1)トナー母粒子作製工程S1
トナー母粒子作製工程S1ではトナー母粒子を作製する。本実施形態では、トナー母粒子は、粉砕法によって作製される。以下、混練粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を記載する。
粉砕法によるトナー母粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー母粒子原料を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練することによって溶融混練物を得る。この溶融混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機で粉砕することによって微粉砕物を得る。その後、必要に応じて分級などの粒度調整を行うことによって、トナー母粒子が得られる。
混合機としては公知のものを使用でき、たとえばヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
混練機としては公知のものを使用でき、たとえば二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。
粉砕機としては、たとえば超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、および高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機が挙げられる。
分級としては、遠心力および風力による分級によって過粉砕されたトナー母粒子を除去できる公知の分級機を使用することができ、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などが挙げられる。
(2)非晶性樹脂微粒子調製工程S2
非晶性樹脂微粒子調製工程S2では、大粒径樹脂微粒子および小粒径樹脂微粒子を調製する。以下では、大粒径樹脂微粒子および小粒径樹脂微粒子をまとめて非晶性樹脂微粒子と記載する場合もある。非晶性樹脂微粒子は、たとえば、非晶性樹脂微粒子原料である第1非晶性樹脂や第2非晶性樹脂を分散媒体中に分散させた後、ホモジナイザーなどで乳化分散させて細粒化して得られる。また、第1非晶性樹脂や第2非晶性樹脂のモノマー成分を分散媒体中で重合させることによっても得られる。
なお、第1非晶性樹脂や第2非晶性樹脂をホモジナイザーなどで乳化分散させた状態、および第1非晶性樹脂や第2非晶性樹脂のモノマー成分を重合させた状態は、非晶性樹脂微粒子が分散媒体中に分散している状態であり、この非晶性樹脂微粒子が分散媒体中に分散した非晶性樹脂微粒子分散液から、分散媒体を蒸発させるなどして、非晶性樹脂微粒子のみを取り出す必要がある。分散媒体としては、非晶性樹脂微粒子を溶解させずに分散させる溶剤が用いられ、たとえば水が挙げられる。
このようにして得られる非晶性樹脂微粒子は、乾燥されていることが好ましい。非晶性樹脂微粒子の乾燥にはどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法で乾燥させる。
(3)非晶性樹脂微粒子付着工程S3
非晶性樹脂微粒子付着工程S3では、トナー母粒子の表面に大粒径樹脂微粒子と小粒径樹脂微粒子とを付着させる。非晶性樹脂微粒子付着工程S3は、混合樹脂微粒子作製工程S3aと、混合樹脂微粒子付着工程S3bとを含む。
(3)−1、混合樹脂微粒子作製工程S3a
混合樹脂微粒子作製工程S3aでは、非晶性樹脂微粒子調製工程S2で調製した大粒径樹脂微粒子と小粒径樹脂微粒子とを混合機で混合して、混合樹脂微粒子を得る。
混合機としては、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
装置の運転条件は、非晶性樹脂微粒子の材料、装置の種類などにより適宜設定することが好ましいが、たとえば、混合機の撹拌羽根の周速度は、20m/s以上60m/s以下が好ましい。
大粒径樹脂微粒子の添加量と小粒径樹脂微粒子の添加量との割合は、8:2〜2:8が好ましい。
(3)−2、混合樹脂微粒子付着工程S3b
混合樹脂微粒子付着工程S3bでは、混合樹脂微粒子とトナー母粒子とを撹拌混合することで、トナー母粒子の表面に混合樹脂微粒子を付着させ、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る。
混合樹脂微粒子とトナー母粒子とを撹拌混合する装置としては、混合樹脂微粒子作製工程S3aで用いられた装置と同じ混合機を用いることができる。
混合機によって撹拌混合することによって、混合樹脂微粒子に衝撃力が負荷されて、非晶性樹脂微粒子が一次粒子にまで解砕されるので、トナー母粒子の表面に混合樹脂微粒子を均一に付着(固定化)させることができる。
混合樹脂微粒子の添加量は、特に限定されないが、トナー母粒子の表面全面が被覆される必要があるため、トナー母粒子100重量部に対して、1重量部以上30重量部以下が好ましい。このような割合で混合樹脂微粒子が用いられると、トナー母粒子の表面全面に混合樹脂微粒子を付着させることができ、トナー母粒子の表面全面に樹脂被覆層を形成することができる。その結果、現像工程において、トナー母粒子に含まれる離型剤が染み出すことによって発生するカプセルトナーの凝集をより確実に防止できる。
混合樹脂微粒子の添加量が1重量部未満であると、トナー母粒子の表面全面を被覆することができず、現像工程において、トナー母粒子に含まれる離型剤が染み出すおそれがある。混合樹脂微粒子の添加量が30重量部を超えると、樹脂被覆層の膜厚が大きくなり過ぎるので、混合樹脂微粒子の構成材料によっては、カプセルトナーの定着性が低下するおそれがある。
(4)成膜化工程S4
成膜化工程S4では、トナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成する。まず、本工程で用いるトナーの製造装置201について図2〜図4を用いて説明する。
<トナーの製造装置>
図2は、カプセルトナーの製造に用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200で切断した断面図である。
トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。
(粉体流路)
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210,211が形成される。
開口部210は、撹拌部208の軸方向一方の端壁208aにおける略中央部において、端壁208aを厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、端壁208aに垂直な周壁208bの上方に開口して形成される。
循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子および気体が流過する。粉体流路202は、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子が流動する方向である粉体流動方向214が一定となるように設けられる。
なお、粉体流路202内の温度は、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の流動によって、どの部分においてもほぼ均一となる。
(回転撹拌手段)
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。
回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方の端壁208cに、端壁208cを厚み方向に貫通して形成される回転軸部221aに挿通されるように設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。
回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。
複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。回転軸部221aには、ガス排出口221bが接続されたガス排出部222が設けられる。
(噴霧手段)
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の流動方向214における開口部211に最も近い側の上流側に設けられる。
噴霧手段203は、図示しない噴霧液体を貯留する液体貯留部と、図示しないキャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、噴霧液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を粉体流路202内に存在する混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に向けて噴射し、噴霧液体の液滴を混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する二流体ノズル203aと、図示しない噴霧量制御手段とを備える。
噴霧液体としては、水、ならびにトナー母粒子および非晶性樹脂微粒子を溶解せず可塑化させる効果のある極性有機溶媒が使用される。極性有機溶媒としては、特に限定されないが、低級アルコールやアセトニトリルなどの有機溶剤が挙げられる。
また、噴霧液体の粘度は、5cP以下であることが好ましい。ここで、「液体の粘度」とは、たとえば、コーンプレート型回転式粘度計を用いて25℃において測定される粘度を意味する。
粘度5cP以下の揮発性液体としては、低級アルコールが挙げられる。低級アルコールは粘度が小さくかつ蒸発し易いので、噴霧された液滴が粗大化せず、均一でかつ微細な液滴径の揮発性液体の噴霧が可能となる。また、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子と揮発性液体の液滴との衝突時には、さらに液滴の微細化を促進できる。これらにより、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の表面を均一に濡らし、馴染ませ、衝突エネルギーとの相乗効果で混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を軟化させ、その結果、均一性に優れたカプセルトナーを得ることができる。
また、低級アルコールは、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子のトナー母粒子に対する濡れ性が高く、トナー母粒子の全表面または大部分に樹脂被覆層を形成させることを容易にする。また、低級アルコールにより可塑化された混合樹脂微粒子付着トナー母粒子は、外力によって変形して、トナー母粒子の表面に均一な樹脂被覆層を形成する。また、低級アルコールは、乾燥し易く、樹脂被覆層の形成後に揮発性液体を除去するための乾燥時間を短縮でき、得られたカプセルトナー同士の凝集を抑制できる。
低級アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられ、これらの中でもエタノールが特に好ましい。
キャリアガス供給部には、図示しないフロート式の流量計が設けられ、キャリアガスの供給量を測定することができる。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。二流体ノズル203aは液管と空気管とを含み、2つの管の一部が連結され中心がずれない構造を持っている。二流体ノズル203aは噴霧液体を一定速度で噴霧し、噴霧液体の濃度は粉体流路202内で一定に保たれる。
噴霧手段203が噴霧液体を噴霧する液体噴霧方向と粉体流動方向214とのなす角度(噴霧角度)θは、噴霧液体が混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の表面に均一に噴霧されるように設定すればよく、噴霧角度θは、たとえば、好ましくは0〜45°であり、より好ましくは0°(平行)である。図3のΦは噴霧液体の広がり角度を示す。
前記循環手段と、後述する温度調整手段との相乗効果により、非晶性樹脂微粒子を可塑化し、膜厚と粒度の均一なカプセルトナーを得ることができる。
(温度調整用ジャケット)
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を、トナー母粒子に含まれる結着樹脂のガラス転移点以下の温度に調整する。
これによって、膜化工程S4cにおいて、粉体流路202内の温度が高すぎることによる、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子同士の付着を防止することができるとともに、粉体流路202内の温度が低すぎ、噴霧液体がガス化されずに粉体流路202内部に滞留することを防止することができる。
温度調整用ジャケットは、粉体流路202壁面の、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子が付着しやすい部分に設けられることが好ましく、たとえば、粉体流過部209内壁の、噴霧手段203より粉体流動方向214下流の部分に設けられる。
また、温度調整用ジャケットは、撹拌部208壁面の、開口部210付近の部分に設けられる。そのように温度調整用ジャケットを設けることによって、開口部210から撹拌部208に流入する混合樹脂微粒子付着トナー母粒子と、撹拌部208内を流動する混合樹脂微粒子付着トナー母粒子との衝突による、開口部210付近への混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の付着を防ぐことができる。
さらに、温度調整用ジャケットは、粉体流過部209壁面全部および撹拌部208壁面全部に設けられることがより好ましい。そのように温度調整用ジャケットを設けることによって、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の粉体流路202内壁面への付着を一層確実に防止することができる。
(粉体投入部および粉体回収部)
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す正面図である。
粉体投入部206は、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を供給する図示しないホッパと粉体流路202とを連通する供給管212と、供給管212に設けられる電磁弁213とを備える。
ホッパから供給される混合樹脂微粒子付着トナー母粒子は、電磁弁213によって供給管212内の流路が開放されている状態において、供給管212を介して粉体流路202に供給される。粉体流路202に供給される混合樹脂微粒子付着トナー母粒子は、回転撹拌手段204による撹拌により、一定の粉体流動方向214に流過する。また電磁弁213により供給管212内の流路が閉鎖されている状態においては、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子は粉体流路202に供給されない。
粉体回収部207は、回収タンク215と、回収タンク215と粉体流路202とを連通する回収管216と、回収管216に設けられる電磁弁217とを備える。電磁弁217により回収管216内の流路が開放されている状態において、粉体流路202を流過するカプセルトナー粒子は回収管216を介して回収タンク215に回収される。また、電磁弁217により回収管216内の流路が閉鎖されている状態においては、粉体流路202を流過するカプセルトナー粒子は回収されない。
上述したようなトナーの製造装置201は、市販品の撹拌装置と噴霧装置とを組合せて得ることもできる。粉体流路および回転撹拌装置を備える市販の撹拌装置としては、たとえば、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などが挙げられる。このような撹拌装置に噴霧液体を噴霧する噴霧装置を取付けることによって、本実施形態のカプセルトナーの製造方法に用いるトナーの製造装置201とすることができる。
このようなトナーの製造装置201を用いる成膜化工程S4は、温度調整工程S4aと、噴霧工程S4bと、膜化工程S4cと、回収工程S4dとを含む。
(4)−1、温度調整工程S4a
温度調整工程S4aでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204の外側に配設した温度調整用ジャケット内部の空間に冷媒体または温媒体を通すことで、粉体流路202内および回転撹拌手段204の温度を、結着樹脂のガラス転移点以下の温度に調整する。この温度を、成膜化工程S4にわたって維持する。これによって、粉体流路202内の温度を、後述する噴霧工程S4bで投入される混合樹脂微粒子付着トナー母粒子が軟化変形しない温度以下に制御できる。
(4)−2、噴霧工程S4b
噴霧工程S4bでは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が回転している状態で、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を、粉体投入部206から粉体流路202に投入した後、トナー母粒子および非晶性樹脂微粒子を溶解せずに可塑化する効果のある液体である噴霧液体を、流動状態にある混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する。
噴霧液体の噴霧は、粉体投入部206から混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を粉体流路202に投入した後、1.0分間以上10分間以下、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を流動させ、粉体流路202における混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の流動速度が安定されてから開始する。
粉体流路202における混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の流動速度が安定してから噴霧を開始することで、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧液体を均一に噴霧でき、樹脂被覆層が均一なカプセルトナーの収率を上げることができる。このとき、噴霧液体の噴霧量は、0.2〜2ml/分が好ましい。
噴霧液体は、送液ポンプによって一定流量で噴霧手段203に送られ、噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧される。噴霧された噴霧液体はガス化し、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の表面にガス化した噴霧液体が展延する。これによりトナー母粒子および非晶性樹脂微粒子が可塑化する。
噴霧液体は、粉体流路202内のガス濃度が一定となるようにガス化され、ガス化した液体はガス排出口221bを通って粉体流路202外へ排出されることが好ましい。ガス化した液体の濃度を一定に保つことにより、濃度が一定に保たれていない場合と比べ噴霧液体の乾燥速度を上げることができる。そのため、未乾燥の噴霧液体の残存する混合樹脂微粒子付着トナー母粒子が互いに付着することを防ぎ、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の凝集を抑制できる。その結果、樹脂被覆層が均一なカプセルトナーの収率をより向上できる。
ガス排出部222において濃度センサにより測定される、粉体流路202内のガス化された噴霧液体の濃度は、3vol%以下程度であることが好ましい。噴霧液体の濃度が3vol%以下程度であることによって、噴霧液体の乾燥速度を充分に大きくできるので、未乾燥の噴霧液体の残存する混合樹脂微粒子付着トナー母粒子同士が互いに付着することを防ぎ、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の凝集を抑制できる。
またガス化された噴霧液体の濃度は、0.1vol%以上3.0vol%以下であることがさらに好ましい。噴霧液体の濃度がこのような範囲内であると、生産性を低下させることなく、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の凝集を防止できる。
噴霧工程S4bの時間は、2.0分間以上40分間以下が好ましい。
(4)−3、膜化工程S4c
膜化工程S4cでは、噴霧液体を噴霧しながら、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に含まれる非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで回転撹拌手段204の撹拌を継続させて、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する。
膜化工程S4cは、噴霧工程S4bと同時に開始し、同時に終了させる。この場合、膜化工程S4cの時間は噴霧工程S4bと同じになり、2.0分間以上40分間以下が好ましい。
また、膜化工程S4cは、噴霧工程S4bと同時に開始し、噴霧工程S4bよりも後に終了させてもよい。この場合、膜化工程S4cの時間は、3.0分間以上60分間以下が好ましい。
膜化工程S4cにおいて、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子が前記範囲の時間、撹拌混合されることによって、トナー母粒子の表面において非晶性樹脂微粒子を適度に膜化させることができる。
噴霧工程S4bおよび膜化工程S4cにおいて、回転撹拌手段204の最外周の周速度は、30m/sec以上であることが好ましく、50m/sec以上120m/sec以下であることがより好ましい。これによって、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に充分な機械的衝撃力を与えることができ、均一で強固な樹脂微粒子を形成することができる。回転撹拌手段204の最外周の周速度が30m/sec未満であると、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を粉体流路202内で孤立流動させることができず、トナー母粒子の表面に均一な樹脂被覆層を形成できないおそれがある。
(4)−4、回収工程S4d
回収工程S4dでは、表面に樹脂被覆層が形成されたトナー母粒子であるカプセルトナー粒子を、粉体回収部207から装置外に排出し、回収する。
上述のように、本実施形態のカプセルトナーの製造方法では、樹脂被覆層を形成するために、大粒径樹脂微粒子および小粒径樹脂微粒子を用いているので、混合樹脂微粒子付着工程S3bにおいて、大粒径樹脂微粒子がトナー母粒子の凹部に入り込む。そのため、成膜化工程S4において、トナー母粒子の表面に付着した全ての混合樹脂微粒子に、機械的衝撃力による充分なストレスを付与することができるので、均一で強固な樹脂被覆層を形成することができる。
なお、仮に、トナー母粒子の凹部に粒子径の小さい非晶性樹脂微粒子のみが入り込んでいる場合、主に、トナー母粒子の凸部に付着している非晶性樹脂微粒子に機械的衝撃力が付与され、トナー母粒子の凹部に付着した非晶性樹脂微粒子には、機械的衝撃力による充分なストレスを付与することができない。そのため、トナー母粒子の凹部では樹脂被覆層の疎密の度合いが小さくなり、均一で強固な樹脂被覆層を形成することができず、長時間にわたって撹拌されると、トナー母粒子から樹脂被覆層が局所的に剥離するおそれがある。
また、粒子径の大きい非晶性樹脂微粒子のみを用いて樹脂被覆層を形成した場合にも、トナー母粒子の凸部に付着している非晶性樹脂微粒子にのみ機械的衝撃力が付与され、トナー母粒子の凹部に形成される樹脂被覆層の疎密の度合いが小さくなるので、均一で強固な樹脂被覆層を形成することができない。
また、大粒径樹脂微粒子および小粒径樹脂微粒子が非晶性樹脂から構成されることによって、樹脂被覆層の疎密の度合いを適度にすることができる。仮に、大粒径樹脂微粒子および小粒径樹脂微粒子が結晶性樹脂から構成される場合、樹脂被覆層の形成時に、大粒径樹脂微粒子および小粒径樹脂微粒子が溶融することで、樹脂被覆層の疎密の度合いを好適にすることができないおそれがある。このため、本実施形態では、樹脂被覆層は、非晶性樹脂微粒子のみから形成されることが最も好ましい。
さらに、本実施形態のカプセルトナーの製造方法では、樹脂微粒子を分散させた液体をトナー母粒子に噴霧して樹脂被覆層を形成する従来のカプセルトナーの製造方法よりも、非晶性樹脂微粒子の形状がトナー表面に残るので、優れたクリーニング性を有する。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態であるカプセルトナーの製造方法を示す工程図である。本実施形態のカプセルトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S11と、乾燥された非晶性樹脂微粒子を得る非晶性樹脂微粒子調製工程S12と、トナー母粒子に大粒径樹脂微粒子を付着させて大粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る大粒径樹脂微粒子付着工程S13と、大粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子に小粒径樹脂微粒子を付着させて小粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る小粒径樹脂微粒子付着工程S14と、トナー母粒子表面に樹脂被覆層を形成する成膜化工程S15とを含む。
(1)トナー母粒子作製工程S11
トナー母粒子作製工程S11は、前述のトナー母粒子作製工程S1と同様である。
(2)非晶性樹脂微粒子調製工程S12
非晶性樹脂微粒子調製工程S12は、前述の非晶性樹脂微粒子調製工程S2と同様である。
(3)大粒径樹脂微粒子付着工程S13
大粒径樹脂微粒子付着工程S13では、トナー母粒子と乾燥された大粒径樹脂微粒子とを混合機を用いて混合し、トナー母粒子の表面に大粒径樹脂微粒子を付着させて大粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る。
混合機としては、前述の混合樹脂微粒子作製工程S3aで用いた混合機を用いることができる。
大粒径樹脂微粒子の添加量は、100重量部のトナー母粒子に対して0.4重量部以上12重量部以下が好ましい。
混合機に投入されたトナー母粒子および大粒径樹脂微粒子が撹拌されることによって、大粒径樹脂微粒子は1次粒子径の約1〜10倍の粒子径であるサブミクロンレベルまで解砕され、トナー母粒子表面に均一に付着し、大粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子が得られる。
このとき大粒径樹脂微粒子は、トナー母粒子の凹部に選択的に付着する。
混合機の撹拌羽根の周速度は、20m/s以上60m/s以下が好ましい。
大粒径樹脂微粒子付着工程S13の時間は、2分間以上10分間以下が好ましい。
(4)小粒径樹脂微粒子付着工程S14
小粒径樹脂微粒子付着工程S14では、大粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子が撹拌されている混合機内に小粒径樹脂微粒子を投入し、大粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子の表面に小粒径樹脂微粒子を付着させて小粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る。
小粒径樹脂微粒子の添加量は、トナー母粒子100重量部に対して0.4重量部以上12重量部以下が好ましい。
混合機に投入された小粒径樹脂微粒子は、撹拌されることで1次粒子径の約1〜10倍の粒子径であるサブミクロンレベルまで解砕され、大粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子表面に均一に付着する。トナー母粒子の凹部には、大粒径樹脂微粒子が付着しているので、小粒径樹脂微粒子はトナー母粒子のそれ以外の部分に付着する。
混合機の撹拌羽根の周速度は、20m/s以上60m/s以下が好ましい。
小粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子は、混合機外に排出され、ポリエチレン製の保管袋などに回収される。
(5)成膜化工程S15
成膜化工程S15は、温度調整工程S15aと、噴霧工程S15bと、膜化工程S15cと、回収工程S15dとを含む。
(5)−1、温度調整工程S15a
温度調整工程S15aは、前述の温度調整工程S4aと同様である。
(5)−2、噴霧工程S15b
噴霧工程S15bは、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の代わりに、小粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子を用いること以外は、前述の噴霧工程S4bと同様である。
(5)−3、膜化工程S15c
膜化工程S15cは、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の代わりに、小粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子を用いること以外は、前述の膜化工程S4cと同様である。
(5)−4、回収工程S15d
回収工程S15dは、前述の回収工程S4dと同様である。
上述のように、本実施形態のカプセルトナーの製造方法では、予め大粒径樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させるので、大粒径樹脂微粒子を、トナー母粒子の凹部に選択的に付着させ、凸部に付着することを抑制できる。
そのため、トナー母粒子の表面に付着した全ての非晶性樹脂微粒子に、機械的衝撃力による充分なストレスを付与でき、樹脂被覆層の疎密の度合いが適度かつ均一な、より強固な樹脂被覆層を形成することができる。
したがって、本実施形態で得られたカプセルトナーは、長時間にわたって撹拌しても樹脂被覆層の剥離が抑制され、流動性が良好なので、現像装置に新たに補給されたカプセルトナーとが充分に混ざり込むまでの時間がより短くなる。また、樹脂被覆層の疎密の度合いが適度なので、定着時に、離型剤が充分に染み出し、充分な耐オフセット性が得られる。
(外添剤)
このようにして得られるカプセルトナーは、そのままカプセルトナーとして用いてもよく、また、外添剤が添加されてもよい。外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタンなどが挙げられる。また、これらの外添剤は、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。
外添剤の使用量は、100重量部のカプセルトナーに対して0.5重量部〜10重量部であることが好ましい。
3、2成分現像剤
本実施形態のカプセルトナーの製造方法で製造されたカプセルトナーは、トナーのみからなる1成分現像剤として使用することもでき、カプセルトナーとキャリアとを含む2成分現像剤としても使用することができる。1成分現像剤として使用する場合、ブレード、ファーブラシなどを用いてトナーを摩擦帯電させ、現像スリーブ上に付着させることによってカプセルトナーを搬送し、画像形成を行う。2成分現像剤として使用する場合、上記のカプセルトナーをキャリアとともに用いる。
キャリアとしては、公知のものを使用でき、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子の表面を被覆物質で被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散キャリアなどが挙げられる。
2成分現像剤におけるカプセルトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、カプセルトナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択でき、たとえば、カプセルトナーが全現像剤量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるようにすればよい。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
[結着樹脂、トナー母粒子および非晶性樹脂微粒子のガラス転移点]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点からガラス転移点(Tg)を求めた。
[結着樹脂の軟化点(Tm)]
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm(9.8×10Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料を流出させた。試料の流出が開始された温度を流出開始温度(Tfb)とし、試料の半分量が流出したときの温度を軟化点(Tm)とした。
[離型剤の融点]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社(現セイコーインスツル株式会社)製)を用い、試料(離型剤)1gを温度20℃から昇温速度10℃/分で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
[トナー母粒子の体積平均粒径および変動係数]
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径および変動係数を求めた。
[非晶性樹脂微粒子の体積平均粒径および変動係数]
レーザ回折・散乱式粒子分布測定装置(型式:LA−920、株式会社堀場製作所製)を用いて測定を行った。試料の凝集を防ぐため、ファミリーフレッシュ(花王株式会社製)の水溶液中に測定試料が分散した分散液を投入・撹拌後、装置に注入し、2回測定を行い、平均を求めた。測定条件は、測定時間:30秒、粒子屈折率:1.4、粒子形状:非球形、溶媒:水、溶媒屈折率:1.33とした。測定試料の体積粒度分布を測定し、測定結果から累積体積分布における小粒径側からの累積体積が50%になる粒径を試料の体積平均粒径(μm)として求めた。また、測定試料の体積粒度分布から変動係数を求めた。
[トナー母粒子の形状係数SF2]
100mlビーカーに、試料2.0g、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlおよび純水50mlを加えて良く撹拌し、試料の分散液を調製した。この分散液を、超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製)によって出力50μAにて5分間処理し、さらに分散させた。6時間静置して上澄み液を取り除いた後、純水50mlを加え、マグネチックスターラにて5分間撹拌した後、メンブランフィルター(口径1μm)を用いて吸引ろ過を行った。メンブランフィルター上の洗浄物をシリカゲル入りデシケーターにて約一晩、真空乾燥した。
このようにして表面を洗浄した試料の表面に、スパッタ蒸着によって金属膜(Au膜、膜厚0.5μm)を形成した。この金属膜被覆試料について、走査型電子顕微鏡(商品名:S−570、株式会社日立製作所製)により、加速電圧5kVで、また1000倍の倍率で、無作為に500個程度を抽出して写真撮影を行った。この電子顕微鏡写真データを、画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)で画像解析した。画像解析ソフト「A像くん」の解析パラメータは、小図形除去面積:100画素、収縮分離:回数1;小図形:1;回数:10、雑音除去フィルタ:無、シェーディング:無、結果表示単位:μmとした。これによって得られた凝集粒子の最大長MXLNG、周囲長PERI、図形面積AREAから、下記の式(2)によって形状係数SF2を得た。
SF2={(PERI)/AREA}×(100/4π) …(2)
[トナー母粒子の作製]
・ポリエステル樹脂(商品名:タフトン、ガラス転移点60℃、軟化点138℃、花王株式会社製) 85重量部
・C.I.Pigment Blue 15:3 5重量部
・離型剤(商品名:カルナウバワックス、融点82℃、東亜化成株式会社製)
8重量部
・帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)2重量部
以上のトナー原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)により前混合した後、2軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)を用いて、シリンダ設定温度110℃、バレル回転数毎分300回転(300rpm)、原料供給速度20kg/時で溶融混練して溶融混練物を得た。
この溶融混練物を冷却ベルトにて冷却後、2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、ジェット式粉砕機(商品名:IDS−2、日本ニューマチック工業株式会社製)で微粉砕して微粉砕物を得た。
この微粉砕物をエルボージェット分級機(商品名:EJ−15−3、日鉄鉱業株式会社製)で分級することによって、体積平均粒径が6.9μmであり、変動係数が22であり、軟化点が116℃、ガラス転移点が55℃、形状係数SF2が140のトナー母粒子を得た。
[非晶性樹脂微粒子の作製]
スチレンとアクリル酸とアクリル酸ブチルとを重合して、非晶性樹脂微粒子を得た。これをさらに乾燥機(藤崎電機株式会社製、型式:マイクロミストドライヤ MDL−050)を用いて脱水乾燥し、非晶性樹脂微粒子Aを得た。
このような非晶性樹脂微粒子の作製方法において、スチレンとアクリル酸とアクリル酸ブチルとの添加量、重合時間、重合温度などを適宜変更することによって、非晶性樹脂微粒子B〜Rを得た。非晶性樹脂微粒子A〜Rの物性を表1に示す。
Figure 2013182201
(実施例1)
[非晶性樹脂微粒子付着工程S3]
[混合樹脂微粒子作製工程S3a]
非晶性樹脂微粒子A(大粒径樹脂微粒子)500gと非晶性樹脂微粒子B(小粒径樹脂微粒子)500gとをヘンシェルミキサ20B(三井鉱山株式会社製)に投入し、撹拌羽根の周速度40m/secにて3分間混合し、混合樹脂微粒子を調製した。
[混合樹脂微粒子付着工程S3b]
上記トナー母粒子100重量部と混合樹脂微粒子10重量部とをヘンシェルミキサ20B(三井鉱山株式会社製)に投入し、撹拌羽根の周速度40m/secにて3分間混合し、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を作製した。
[成膜化工程S4]
図2に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)に、噴霧ユニットを設けた装置を用いた。
噴霧ユニットは、送液ポンプ(商品名:SP11−12、株式会社フロム製)を通して噴霧液体(エタノール、沸点:78℃)が二流体ノズル(商品名:HM−6型、扶桑精機株式会社製)に定量送液されるように接続した。噴霧液体の噴霧速度および液体ガス排出速度は、市販のガス検知器(商品名:XP−3110、新コスモス電機株式会社製)を用いて観察できる。
二流体ノズルは、噴霧角度θが0°になるよう取付け角度を設定した。
温度調整用ジャケットは、粉体流過部および撹拌部壁面の全面に設け、粉体流路には温度センサを取り付けた。
[温度調整工程S4a]
粉体流過部および撹拌部の温度が45℃となるように調整した。
[噴霧工程S4b、膜化工程S4c]
粉体流路に、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を投入し、回転撹拌手段204の最外周における周速度を100m/sec、回転数8000rpmで3分間撹拌混合し、その後、噴霧ユニットから噴霧液体を噴霧した。
噴霧液体は、噴霧速度0.5g/分、エア流量5L/分で40分間噴霧し、混合樹脂微粒子をトナー母粒子の表面で膜化させた。
噴霧液体の噴霧を停止してから5分間撹拌し、カプセルトナー(体積平均粒子径7.2μm、変動係数25)を得た。このとき貫通孔およびガス排出部を通じて排出された噴霧液体の排出濃度は約1.4Vol%で安定していた。また装置内へ送るエア流量は、回転軸部から装置内に送るエア流量を5L/分に調節し、二流体ノズルからのエア流量と合計して10L/分とした。
[回収工程S4d]
粉体回収部から、粉体流路内のカプセルトナーを回収した。
このようにして作製したカプセルトナー100重量部と、外添剤として疎水性シリカ粒子(1次粒径12nm、HMDS処理、株式会社アエロジル社製)2重量部とを、撹拌羽根の周速度30m/秒で1分間混合して、実施例1のカプセルトナーを得た。
(実施例2〜18)
大粒径樹脂微粒子および小粒径樹脂微粒子を表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2〜18のカプセルトナーを得た。
(実施例19)
非晶性樹脂微粒子付着工程S3の代わりに、以下に示すような大粒径樹脂微粒子付着工程S13および小粒径樹脂微粒子付着工程S14を行い、成膜化工程S15において、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の代わりに小粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例19のカプセルトナーを得た。
[大粒径樹脂微粒子付着工程S13]
100重量部のトナー母粒子および5重量部の非晶性樹脂微粒子A(大粒径樹脂微粒子)を上記ヘンシェルミキサ20Bに投入し、撹拌羽根の周速度40m/secにて3分間混合することによって、トナー母粒子表面に非晶性樹脂微粒子Aを付着させて大粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子を得た。
[小粒径樹脂微粒子付着工程S14]
続いて、5重量部の非晶性樹脂微粒子B(小粒径樹脂微粒子)を上記ヘンシェルミキサ20Bに投入し、撹拌羽根の周速度40m/secにて3分間混合することによって、大粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子の表面に非晶性樹脂微粒子Bを付着させて小粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子を得た。得られた小粒径樹脂微粒子付着トナー母粒子は、ポリエチレン製の保管袋に回収した。
(実施例20,21)
大粒径樹脂微粒子および小粒径樹脂微粒子を表2に示すように変更したこと以外は実施例19と同様にして実施例20,21のカプセルトナーを得た。
(比較例1)
混合樹脂微粒子作製工程S3aを行わず、混合樹脂微粒子付着工程S3bにおいて、混合樹脂微粒子の代わりに非晶性樹脂微粒子Aのみを用いて、非晶性樹脂微粒子が付着したトナー母粒子を作製し、この非晶性樹脂微粒子が付着したトナー母粒子を、成膜化工程S4において、混合樹脂微粒子付着トナー母粒子の代わりに用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1のカプセルトナーを得た。
(比較例2,3)
非晶性樹脂微粒子Aの代わりに表2に示す非晶性樹脂微粒子を用いたこと以外は比較例1と同様にして比較例2,3のカプセルトナーを得た。なお、表2では、比較例1〜3で用いた非晶性樹脂微粒子は、大粒径樹脂微粒子の欄に記載している。
[2成分現像剤の作製]
実施例1〜21および比較例1〜3のカプセルトナーと、体積平均粒径60μmのフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が7%になるようにそれぞれ混合し、実施例1〜21および比較例1〜3のカプセルトナーをそれぞれ含む2成分現像剤を作製した。
<評価>
[流動性]
市販複写機(商品名:MX―2300G、シャープ株式会社製)の現像槽に上記2成分現像剤をそれぞれ充填し、これを温度50℃、湿度50%に設定された恒温恒湿槽内に、空転機に組み込んだ状態で設置し、回転数275rpmで2時間空転させた。
次に恒温恒湿槽から現像槽を取り出し、トナー供給位置に1gのトナーを補給した。その後、275rpmで空転を行い、ATCセンサからの出力値推移をデジタルオシロスコープ(商品名:LT224、レクロイ・ジャパン株式会社製)により記録した。
記録された出力値から、前後2秒間のセンサ出力の最大値−最小値が0.5V以内に収まるまでの時間T1[秒]を導出した。空転を開始した時間をT0[秒]としたときのT1−T0[秒]をトナー混ざり込みの整定時間とし、整定時間を用いて現像剤の流動性を評価した。
流動性の評価基準は以下の通りである。
◎:非常に良好。整定時間が15秒以下である。
○:良好。整定時間が15秒を超えて20秒以下である。
△:実用上問題なし。整定時間が20秒を超えて30秒以下である。
×:不良。整定時間が30秒を超える。
非晶性樹脂微粒子の種類、評価結果などを表2に示す。
Figure 2013182201
実施例1〜7のカプセルトナーは、大粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径および小粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径、ならびにこれらの比率を規定の範囲に設定することで、樹脂被覆層の疎密の度合いを適正化でき、強固で均一な樹脂被覆層を形成できたと推測される。そのため、長時間にわたって撹拌混合しても、樹脂被覆層がトナー母粒子から剥離することが抑制され、良好な流動性を維持することができた。また、定着性の評価を行った結果、充分な耐オフセット性が得られ、定着時に、離型剤が充分に染み出すことを確認した。
実施例8〜15のカプセルトナーは、大粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径と小粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径との比率(粒径比)が好適な範囲から外れているので、樹脂被覆層の均一性およびトナー母粒子への付着強度が低下したと推測される。そのため、実施例1〜7のカプセルトナーよりも、トナーが混ざり込むまでの整定時間が長くなっているが、実用上問題の無いレベルであった。また、定着性の評価を行った結果、充分な耐オフセット性が得られ、定着時に、離型剤が充分に染み出すことを確認した。
実施例16のカプセルトナーは、粒径比は規定の範囲に設定されているが、小粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径が好適な範囲から外れているので、非晶性樹脂微粒子付着工程S3において、小粒径樹脂微粒子同士の凝集が顕著となり、2次凝集体の解砕が充分に行われなかったと推測される。そのため、樹脂被覆層の均一性およびトナー母粒子に対する付着強度が低下し、実施例1〜7のカプセルトナーよりも、トナーが混ざり込むまでの整定時間が長くなっているが、実用上問題の無いレベルであった。また、定着性の評価を行った結果、充分な耐オフセット性が得られ、定着時に、離型剤が充分に染み出すことを確認した。
実施例17,18のカプセルトナーは、粒径比は規定の範囲に設定されているが、大粒径樹脂微粒子の体積平均粒子径が好適な範囲から外れているので、大粒径樹脂微粒子がトナー母粒子から脱離しやすくなったと推測される。そのため、樹脂被覆層のトナー母粒子に対する付着強度が低下し、実施例1〜7のカプセルトナーよりも、トナーが混ざり込むまでの整定時間が長くなっているが、実用上問題の無いレベルであった。また、定着性の評価を行った結果、充分な耐オフセット性が得られ、定着時に、離型剤が充分に染み出すことを確認した。
実施例19,20,21のカプセルトナーは、予め大粒径樹脂微粒子のみをトナー母粒子表面に付着させることで、トナー母粒子の凹部をストレスの掛かり易い大粒径樹脂微粒子で埋め、次に小粒径樹脂微粒子を付着させた。そのため、トナー母粒子の凹部に大粒径樹脂微粒子が選択的に付着し、トナー母粒子の表面に付着した全ての非晶性樹脂微粒子に充分なストレスを付与でき、実施例1〜18のカプセルトナーよりも、均一で強固な樹脂被覆層が形成できたと推測される。そのため、実施例1〜18のカプセルトナーよりも、トナーが混ざり込むまでの整定時間が短くなり、高い流動性が得られた。また、定着性の評価を行った結果、充分な耐オフセット性が得られ、定着時に、離型剤が充分に染み出すことを確認した。
比較例1,2,3のカプセルトナーは、単一の非晶性樹脂微粒子のみで樹脂被覆層を形成するので、実施例のカプセルトナーよりも、樹脂被覆層の疎密の度合いが小さくなり、トナー母粒子と非晶性樹脂微粒子との付着強度または非晶性樹脂微粒子同士の付着強度が低くなったと推測される。これによって、長時間にわたって撹拌すると流動性が低下し、トナーが混ざり込むまでの整定時間が長くなったものと考えられる。
201 トナーの製造装置
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
208 撹拌部
208a 端壁
208b 周壁
208c 端壁
209 粉体流過部
210,211 開口部
212 供給管
213,217 電磁弁
215 回収タンク
216 回収管
218 回転軸部材
219 円盤状の回転盤
220 複数の撹拌羽根
221 貫通孔
222 ガス排出部
A200 切断面線
θ 噴霧角度
Φ 噴霧液体の広がり角度

Claims (6)

  1. 結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、
    トナー母粒子の表面に設けられる樹脂被覆層であって、第1非晶性樹脂からなる第1非晶性樹脂微粒子と、第2非晶性樹脂からなり、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子とを膜化することで形成される樹脂被覆層と、を有することを特徴とするカプセルトナー。
  2. 第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1が500nm以下であり、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2が20nm以上であり、
    第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径をd2とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のカプセルトナー。
    0.1≦d2/d1≦0.7 …(1)
  3. 第1非晶性樹脂からなる第1非晶性樹脂微粒子と、第2非晶性樹脂からなり、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子と、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子とを撹拌混合し、トナー母粒子の表面に第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を付着させて混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る非晶性樹脂微粒子付着工程と、
    トナー母粒子、第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を可塑化させる液体である噴霧液体を、撹拌下で流動状態にある前記混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する噴霧工程と、
    前記噴霧液体を噴霧しながら、前記混合樹脂微粒子付着トナー母粒子に含まれる第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程とを含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
  4. 前記非晶性樹脂微粒子付着工程は、
    第1非晶性樹脂微粒子と第2非晶性樹脂微粒子とを撹拌混合して混合樹脂微粒子を得る混合樹脂微粒子作製工程と、
    トナー母粒子と混合樹脂微粒子とを撹拌混合して、トナー母粒子の表面に混合樹脂微粒子を付着させて混合樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る混合樹脂微粒子付着工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載のカプセルトナーの製造方法。
  5. 結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子と、第1非晶性樹脂からなる第1非晶性樹脂微粒子とを撹拌混合し、トナー母粒子の表面に第1非晶性樹脂微粒子を付着させて第1非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る第1非晶性樹脂微粒子付着工程と、
    第2非晶性樹脂からなり、第1非晶性樹脂微粒子よりも体積平均粒子径の小さい第2非晶性樹脂微粒子と、第1非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子とを撹拌混合し、第1非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子の表面に第2非晶性樹脂微粒子を付着させて第2非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子を得る第2非晶性樹脂微粒子付着工程と、
    トナー母粒子、第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子を可塑化させる液体である噴霧液体を、撹拌下で流動状態にある前記第2非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に噴霧する噴霧工程と、
    前記噴霧液体を噴霧しながら、前記第2非晶性樹脂微粒子付着トナー母粒子に含まれる第1非晶性樹脂微粒子および第2非晶性樹脂微粒子が軟化して膜化するまで撹拌を継続させて、トナー母粒子の表面に樹脂被覆層を形成する膜化工程と、を含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
  6. 第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1が500nm以下であり、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d2が20nm以上であり、
    第1非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径d1と、第2非晶性樹脂微粒子の体積平均粒子径をd2とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載のカプセルトナーの製造方法。
    0.1≦d2/d1≦0.7 …(1)
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