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JP2013173658A - 酸化錫系焼結体およびその製造方法 - Google Patents

酸化錫系焼結体およびその製造方法 Download PDF

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JP2013173658A
JP2013173658A JP2012040350A JP2012040350A JP2013173658A JP 2013173658 A JP2013173658 A JP 2013173658A JP 2012040350 A JP2012040350 A JP 2012040350A JP 2012040350 A JP2012040350 A JP 2012040350A JP 2013173658 A JP2013173658 A JP 2013173658A
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Kunihiko Nakada
邦彦 中田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】酸化錫系の透明導電膜を、成膜方法に拘らず安定に形成し得る酸化錫系焼結体を提供する。
【解決手段】本発明の酸化錫系焼結体は、酸化錫相と金属錫相とから主として構成され、金属錫相が焼結体中に偏析することなく均一に分散している。本発明の酸化錫系焼結体は、好ましくは、酸化錫とタンタル、ニオブおよびタングステンからなる群より選択される少なくとも1種ドーパント元素との複合酸化物相をさらに含む。本発明の酸化錫系焼結体は加工されて、例えば、スパッタリング用のターゲットとして用いられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、高電力でスパッタリングを行うことができるターゲットとして有用な酸化錫系焼結体およびその製造方法に関する。
透明導電膜は、高い導電性と可視光領域での高い透過率とを有するため、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイの電極、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜などに用いられている。太陽電池や液晶表示素子、その他各種受光素子の電極などに利用されているばかりでなく、自動車窓や建築用の熱線反射膜、帯電防止膜、あるいは冷凍ショーケースなどの防曇用透明発熱体としても利用されている。
酸化錫系の薄膜は高い導電性と優れた透光性を有するので、ITOとともに、透明導電膜として利用されている。ITOは液晶ディスプレイ用の透明導電膜として使用されているが、非常に高価である。酸化錫は安価であるが、膜の加工性がITOより劣るため、微細加工の必要がない太陽電池用TCO基板ガラス(透明導電性酸化物コートガラス)、熱線反射ガラス、低放射ガラス、電熱ガラスなどに使用されている。これらの透明導電膜の製造方法として、スパッタリング法がよく用いられている。特にスパッタリング法は、蒸気圧の低い材料の成膜の際や、精密な膜厚制御を必要とする際に有効な手法であり、操作が非常に簡便であるため、工業的に広範に利用されている。
スパッタリング法は、アルゴンプラズマの発生方法で分類され、高周波プラズマを用いるものは高周波スパッタリング法といい、直流プラズマを用いるものは直流スパッタリング(DCスパッタリング)法という。一般に、DCスパッタリング法は、高周波スパッタリング法と比べて成膜速度が速く、電源設備が安価であり、成膜操作が簡単であるなどの理由で、工業的に広範に利用されている。
DCスパッタリング法は、高電力にするほど成膜速度が上がるため、生産性を考慮すると、高電力で行うことが好ましい。したがって、高電力で行ってもスパッタリング異常が起きず、安定して成膜できるスパッタリングターゲットが工業的に有用となる。このようなスパッタリングターゲットには、例えば、低い抵抗を有することが要求される。
ITO薄膜は、ITOの焼結体をターゲットとしてスパッタ法により製造されているが、酸化錫薄膜は酸化錫ではなく金属錫をターゲットとしており、スパッタにより気化した金属錫を酸化性雰囲気中で酸化して酸化錫としつつスパッタを行う反応性スパッタにより酸化錫薄膜が製造されている。反応性スパッタでは、得られる透明導電膜中の酸素を全て雰囲気中の酸素ガスより供給することになるので酸素ガス流量を多くすることが必要である。この結果、雰囲気ガス中の酸素ガス量の変動を小さく維持することは困難である。成膜速度や得られる膜の特性(比抵抗、透過率)は雰囲気中に導入される酸素ガス量に極めて大きく依存するため、この方法で一定の厚さを有し、一定の特性を有する透明導電膜を製造することは極めて難しい(非特許文献1)。これは、ターゲットとして使用可能な密度の高い酸化錫焼結体が得られていないためである。
一方、酸化物ターゲットを用いる方法では、膜に供給される酸素の一部はターゲット自体から供給され、不足酸素量を酸素ガスとして供給するので、雰囲気ガス中の酸素ガス量の変動を、金属ターゲットを用いる場合より小さくできる。この結果、金属ターゲットを用いる時よりも一定の厚さを有し、一定の特性を有する透明導電膜の製造が容易となる。そのため、工業的には酸化物焼結体をターゲットとして用いる方法が広く採用されている。
しかし、酸化錫系のターゲットは、酸化錫が難焼結性物質であるため、高密度で機械的強度に優れた低抵抗な酸化錫系焼結体が未だ実現できていない。そのため、これまでは酸化錫系透明導電膜は実用レベルでは、ほとんどが高コストな熱CVD法にて製造されている。そこで、生産効率に優れて、安価に量産が可能かつDCスパッタリングが可能な高密度の酸化錫系焼結体が強く望まれている。
透明導電膜の技術、日本学術振興会編、オーム社、1999年発行、p.173
本発明の課題は、酸化錫系の透明導電膜を、成膜方法に拘らず安定に形成し得る酸化錫系焼結体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)酸化錫相と金属錫相とから主として構成され、金属錫相が焼結体中に偏析することなく均一に分散していることを特徴とする酸化錫系焼結体。
(2)酸化錫とドーパント元素との複合酸化物相をさらに含み、錫とドーパント元素との合計に対するドーパント元素の原子数比(ドーパント元素)/(Sn+ドーパント元素)が、0.01〜0.1である、(1)に記載の酸化錫系焼結体。
(3)前記ドーパント元素が、タンタル、ニオブおよびタングステンからなる群より選択される少なくとも1種である、(2)に記載の酸化錫系焼結体。
(4)500mΩ・cm以下の比抵抗を有する、(1)〜(3)のいずれかの項に記載の酸化錫系焼結体。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの項に記載の酸化錫系焼結体を製造する方法であって、
以下の(A)、(B)または(C)からなる原料粉末を成形する工程、および
得られた成形体を、真空中、不活性雰囲気中または還元雰囲気中にて600〜1100℃で焼結する工程、
を含むことを特徴とする、酸化錫系焼結体の製造方法。
(A)酸化錫粉とドーパント元素の酸化物粉との混合粉
(B)酸化錫粉とドーパント元素の金属粉との混合粉
(C)酸化錫とドーパント元素との複合酸化物粉
(6)前記酸化錫粉が、SnO(II)の粉末である、(5)に記載の製造方法。
(7)前記焼結する工程において、不活性雰囲気が、窒素、アルゴン、ヘリウムおよび二酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1種の雰囲気である、(5)または(6)に記載の製造方法。
(8)前記焼結する工程において、還元雰囲気が水素雰囲気である、(5)または(6)に記載の製造方法。
(9)上記(1)〜(4)のいずれかの項に記載の酸化錫系焼結体を加工して得られる、ターゲット。
(10)上記(9)に記載のターゲットを、スパッタリング法に供して酸化物薄膜を形成する工程を含む、酸化物薄膜の形成方法
(11)上記(10)に記載の形成方法によって形成される、透明導電膜。
本発明の酸化錫系焼結体を用いると、酸化物薄膜を、成膜方法に拘らず安定に形成し得るという効果が得られる。特に、本発明の酸化錫系焼結体は、酸化物薄膜のDCスパッタリングターゲットとして極めて優れた性能を有している。すなわち、本発明の酸化錫系焼結体は、工業的に高電力で行うDCスパッタリングに適用可能であるため、高速成膜によって薄膜の量産が可能である。
さらに、本発明に係る酸化物薄膜の形成方法によれば、酸化物薄膜を生産性高く製造することができるため、工業的に極めて有用である。
(酸化錫系焼結体)
酸化錫相と金属錫相とから主として構成され、金属錫相が焼結体中に偏析することなく均一に分散している。
ここで、「酸化錫相と金属錫相とから主として構成され」とは、酸化錫相と金属錫相とから構成されるか、あるいは酸化錫系焼結体を構成する相のうち、酸化錫相および金属錫相のいずれもが、他の相よりも多く占めていることを意味する。
金属相が酸化錫系焼結体中に偏析することなく均一に分散していると、焼結体の比抵抗の面内分布が均一になる。その結果、DCスパッタリングの際にも、プラズマが安定的に放電し成膜することが可能となり、成膜された膜の組成ムラも生じることがない。
本発明の酸化錫系焼結体は、好ましくは酸化錫とドーパント元素との複合酸化物相をさらに含み、この場合、錫とドーパント元素との合計に対するドーパント元素の原子数比(ドーパント元素)/(Sn+ドーパント元素)が、0.01〜0.1である。
錫とドーパント元素との合計に対するドーパント元素の原子数比の値が0.01未満の場合、この酸化錫系焼結体をターゲットとして形成された膜の低抵抗化が不十分となる。さらに、酸化錫系焼結体中に、酸化錫とドーパント元素との複合酸化物が形成されにくくなるため焼結体の強度が低下し、ターゲットへの加工が困難になる。一方、錫とドーパント元素との合計に対するドーパント元素の原子数比の値が0.1を超える場合、この酸化錫系焼結体をターゲットとして形成された膜の導電性や透明性が低下する。錫とドーパント元素との合計に対するドーパント元素の原子数比は、好ましくは0.01〜0.06、より好ましくは0.02〜0.05である。
ドーパント元素としては、例えば、ニオブ、タンタルおよびタングステンが挙げられ、これらの元素は、導電性付与するドーパントとして好適である。
ドーパント元素がタンタルの場合、複合酸化物はスズ酸タンタル化合物である。スズ酸タンタル化合物には、例えば、SnTa27、SnTa26のほか、これらの錫サイトにタンタル元素が固溶されたもの、酸素欠損が導入されているもの、Sn/Ta比がこれらの化合物から僅かにずれた非化学量論組成のものも含む。
ドーパント元素がニオブの場合、複合酸化物はスズ酸ニオブ化合物である。スズ酸ニオブ化合物には、例えば、SnNb26、Sn2Nb27のほか、これらの錫サイトにニオブ元素が固溶されたもの、酸素欠損が導入されているもの、Sn/Nb比がこれらの化合物から僅かにずれた非化学量論組成のものも含む。
ドーパント元素がタングステンの場合、複合酸化物はスズ酸タングステン化合物である。スズ酸タングステン化合物には、SnWO4、Sn238、Sn101646のほか、これらの錫サイトにタングステン元素が固溶されたもの、酸素欠損が導入されているもの、Sn/W比がこれらの化合物から僅かにずれた非化学量論組成のものも含む。
また、酸化錫相とは、具体的には、SnO2のほか、これにドーパント元素が固溶されたもの、酸素欠損が導入されているもの、錫欠損により非化学量論組成となったものも含む。なお、酸化錫相は、通常、ルチル型構造を有する。
本発明の酸化物焼結体は、実質的にドーパント元素の酸化物の結晶相を含有しないことが好ましい。酸化錫系焼結体にドーパント元素の酸化物の結晶相が含まれていると、酸化錫系焼結体の機械的強度が弱く、DCスパッタリングに耐えるだけの強度を有さない。
本発明の酸化錫系焼結体は、上述のように錫とドーパント元素との合計に対するドーパント元素の原子数比(ドーパント元素)/(Sn+ドーパント元素)が、0.01〜0.1であるので、通常、ドーパント元素が酸化錫(II)と完全に反応し、酸化錫系焼結体中にドーパント元素の酸化物の結晶相は生成されにくい。なお、ドーパント元素酸化物の結晶相とは、具体的には、Ta25、TaO2、Ta23、NbO、Nb25、NbO2、WO3、WO2などの結晶相が挙げられる。また、金属/酸素比が整数からずれた不定比である場合もある。
本発明に係る酸化錫系焼結体の比抵抗は、DCスパッタリングを考慮すると、低いことが好ましい。例えば、DCスパッタリング時の成膜速度は、スパッタリングターゲットとする酸化錫系焼結体の比抵抗に依存し、酸化錫系焼結体の比抵抗が低いほど安定して成膜できる。具体的には、本発明の酸化錫系焼結体は、500mΩ・cm以下の比抵抗を有することが好ましい。成膜時の生産性を考慮すると、本発明の酸化物焼結体は、100mΩ・cm以下の比抵抗を有することがより好ましい。また、本発明の酸化物焼結体は、通常、90%以上の高い相対密度を有する。本明細書において「相対密度」とは、酸化物焼結体の密度を理論密度で除し、100を掛けたものである。
本発明の酸化錫系焼結体を製造する方法は特に限定されない。例えば、後述する本発明の酸化錫系焼結体の製造方法によって得られるが、この製造方法により得られたものに限定されない。
(酸化錫系焼結体の製造方法)
本発明に係る酸化錫系焼結体の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」と記載する場合がある)は、以下の(A)、(B)または(C)からなる原料粉末を成形する工程、および
得られた成形体を、真空中、不活性雰囲気中または還元雰囲気中にて600〜1100℃で焼結する工程、
を含むことを特徴とする、酸化錫系焼結体の製造方法。
(A)酸化錫粉とドーパント元素の酸化物粉との混合粉
(B)酸化錫粉とドーパント元素の金属粉との混合粉
(C)酸化錫とドーパント元素との複合酸化物粉
本発明の製造方法において、原料粉末としては、好ましくは酸化錫粉とドーパント元素の酸化物粉との混合粉、または酸化錫粉とドーパント元素の金属粉との混合粉が用いられる。
前記酸化錫粉としては、SnO(II)粉末を用いるのがよい。SnO(II)はSnO2(IV)と異なり、極めて焼結性能に優れていることを見出した。SnO(II)粉末を用いることにより、ドーパント元素の酸化物粉あるいはドーパント元素の金属粉と焼結させると、ドーパント元素とSnO(II)間で容易に固相焼結反応が進行するとともに、酸化錫とドーパント元素との複合酸化物が生成し、さらにSnO(II)が還元されて金属Snが生成する。焼結プロセスが複合酸化物や金属Snの生成と同時に進行するため、金属Snが偏析することなく、均一に焼結体中に分散した状態となり、高密度の焼結体が得られる。
ドーパント元素の酸化物粉としては、例えば、Ta25、TaO2、Ta23、NbO、Nb25、NbO2、WO3、WO2などの粉末が挙げられる。
ドーパント元素の金属粉としては、金属Ta粉、金属Nb粉、金属W粉などが挙げられる。
また、酸化錫とドーパント元素との複合酸化物粉としては、SnTa27、SnTa26、SnNb26、Sn2Nb27、SnWO4、Sn238、Sn101646などの粉末が挙げられる。
原料粉末として用いる酸化錫粉、ドーパント元素の酸化物粉、ドーパント元素の金属粉および酸化錫とドーパント元素との複合酸化物粉の平均粒子径は、特に限定されず、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。
原料粉末を成形する際の方法は、特に制限されるものではないが、例えば、原料粉末と水系溶媒とを混合し、得られたスラリーを十分に湿式混合によって混合した後、固液分離し、乾燥し、造粒して得られた造粒物を成形すればよい。
湿式混合は、例えば、硬質ZrO2ボールなどを用いた湿式ボールミルや振動ミルにより行えばよく、湿式ボールミルや振動ミルを用いた場合の混合時間は、12〜78時間程度が好ましい。なお、原料粉末をそのまま乾式混合してもよいが、湿式混合の方がより好ましい。固液分離、乾燥および造粒については、それぞれ公知の方法を採用すればよい。
得られた造粒物を成形する際には、例えば、造粒物を型枠に入れ、冷間プレスや冷間静水圧プレスなどの冷間成形機を用いて1ton/cm2以上の圧力をかけて成形することができる。このとき、ホットプレスなどを用いて熱間で成形を行うと、製造コストの面で不利となるとともに、大型焼結体が得にくくなるおそれがある。なお、成形体として造粒物を得る際には、乾燥後、公知の方法で造粒すればよいのであるが、その場合、原料粉末とともにバインダーも混合することが好ましい。バインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、エチルセルロースなどを用いることができる。
得られた成形体の焼結は、真空(好ましくは2Pa以下)、不活性雰囲気(窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオンなど)、還元雰囲気(水素、アンモニアなど)のいずれかの雰囲気中、600〜1100℃で行われる。
焼結温度が600℃未満であると、焼結が十分に進行しないので、ターゲット密度が低くなり、一方、1100℃を超えると、酸化錫自体が融解してしまうこととなる。なお、成形体を上記焼結温度まで昇温する際には、昇温速度を、600℃までは5〜10℃/分とし、600℃を超え1100℃までは1〜4℃/分とすることが、焼結密度を均一にするうえで好ましい。
いずれの雰囲気中で焼結する際も、焼結時間(すなわち、焼結温度での保持時間)は、3〜15時間とすることが好ましい。焼結時間が3時間未満であると、焼結密度が不十分となりやすく、得られる酸化錫系焼結体の強度が低下する傾向にある。一方、15時間を超えると、焼結体の結晶粒成長が著しくなるとともに、空孔の粗大化(最大空孔径の増大化)を招く傾向にあり、その結果、焼結密度が低下するおそれがある。
焼結を行う際の方法は特に限定されず、例えば、常圧焼成法、ホットプレス(HP)法、熱間等方圧加圧(HIP)法、冷間等方圧加圧(CIP)法、放電プラズマ焼結法(SPS)、マイクロ波焼結法、ミリ波焼結法などが挙げられる。特に、加圧焼結法であるホットプレス(HP)法、熱間等方圧加圧(HIP)法および放電プラズマ焼結(SPS)法が好ましい。
酸化錫系焼結体の比抵抗について、さらなる低下を所望する場合、焼結後、アニール処理を行ってもよい。アニール処理を行うと、酸化錫系焼結体に酸素欠損が生じ、そのため比抵抗が低下する。
アニール処理を行う際の雰囲気としては、例えば、上述の真空、不活性雰囲気または還元雰囲気が挙げられる。アニール処理の方法としては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水素などの非酸化性ガスを導入しながら常圧で加熱する方法や、真空下(好ましくは、2Pa以下)で加熱する方法などが挙げられる。製造コストの観点から、非酸化性ガスを導入しながら常圧で行う方法が有利である。
アニール温度(加熱温度)は、好ましくは1000〜1400℃、より好ましくは1100〜1300℃である。アニール時間(加熱時間)は、好ましくは7〜15時間、より好ましくは8〜12時間である。
本発明の製造方法によって得られた酸化錫系焼結体は、上述のように好ましくないドーパント元素の酸化物の結晶相を含まない。そのため、このようにして得られた酸化物焼結体は、好ましくは500mΩ・cm以下の比抵抗を有する。また、焼結時の圧力やその他の条件によって異なるが、このようにして得られた酸化錫系焼結体は、通常、90%以上の高い相対密度を有する。
(ターゲット)
本発明のターゲットは、各種成膜方法で用いられるターゲットであり、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション(PLD)法またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法による成膜に用いられるターゲットである。これらの中でも、好ましくはスパッタリング法(特に、量産性に優れているDCスパッタリング法)による成膜に用いられるターゲットである。本発明のターゲットは、上述した本発明の酸化錫系焼結体を、所定の形状および所定の寸法に加工して得られる。
加工方法は、特に制限されず、適宜公知の方法を採用すればよい。例えば、酸化錫系焼結体に平面研削などを施した後、所定の寸法に切断して支持台に貼着することにより、本発明のターゲットを得ることができる。必要に応じて、複数枚の酸化錫系焼結体を分割形状に並べて、大面積のターゲット(複合ターゲット)としてもよい。
本発明の酸化錫系焼結体または本発明のターゲットを用いると、極めて効率よく酸化物薄膜が形成される。酸化物薄膜は、好ましくは50〜600nm、より好ましくは100〜500nmの膜厚を有しており、用途に応じて適宜設定される。
このような酸化物薄膜は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、無機EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどの透明電極;太陽電池の光電変換素子の窓電極;透明タッチパネルなどの入力装置の電極;電磁シールドの電磁遮蔽膜などに好適である。
さらに、本発明の酸化錫系焼結体または本発明のターゲットを用いて形成された透明導電膜は、透明電波吸収体、紫外線吸収体、あるいは透明半導体デバイスとして、他の金属膜や金属酸化膜と組み合わせて利用することもできる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において、比抵抗および表面抵抗は、以下の方法によって測定した。
<比抵抗>
比抵抗は、抵抗率計(三菱化学(株)製「LORESTA−GP、MCP−T610」)を用いて、四端子四探針法により測定した。詳しくは、サンプルに4本の針状の電極を直線上に置き、外側の二探針間と内側の二探針間とに一定の電流を流し、内側の二探針間に生じる電位差を測定して抵抗を求めた。
<表面抵抗>
表面抵抗は、比抵抗(Ω・cm)を膜厚(cm)で除することにより算出した。
(実施例1)
酸化錫(II)粉末(SnO:和光純薬工業(株)製、純度99.9%)および酸化タンタル粉末(Ta25:和光純薬工業(株)製、純度99.9%)を、SnとTaとの原子数比(Sn:Ta)が99:1となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れた。この容器に、さらにジルコニア製ボール(2mmφ)と混合溶媒(エタノール)とを入れ、ボールミルを用いて混合し、微粉末化した。
次いで、ボールを篩いによって除去し、エタノールをエバポレーターによって除去して、得られた原料粉末を黒鉛からなる直径100mmの金型(ダイス)に入れた。黒鉛からなるパンチにて40MPaの圧力で真空加圧し、1000℃にて4時間加熱処理(ホットプレス法)を行い、直径100mmおよび厚さ5mmの円盤型の酸化錫系焼結体(E1)を得た。
得られた酸化錫系焼結体(E1)を、エネルギー分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製「EDX−700L」)にて分析すると、表1に示すように、SnとTaとの原子数比(Sn:Ta)99:1であった。この焼結体の密度は5.84g/cm3であり、相対密度91.3%で比抵抗は、322.7mΩ・cmであった。また、X線回折および電子顕微鏡によって、酸化錫系焼結体(E1)の結晶構造およびモルフォロジーを観察した。結晶相はSnO2相および金属Sn相の2相からなり、金属Sn相が偏析することなく均一に分散していた。
焼結体の密度は、焼結体の体積を測長により求め、重量測定から密度を計算して求めた。理論密度は、下記式に示すように、酸化タンタルの単体密度および酸化錫の単体密度のそれぞれに混合質量比をかけて、得られた値を足して求めた。また、相対密度は、酸化物焼結体の密度を理論密度で除し、100を掛けて求めた。
理論密度=(酸化タンタルの単体密度×混合質量比)+(酸化錫の単体密度×混合質量比)
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
なお、酸化タンタルの代わりに、酸化タングステン、酸化ニオブなどを用いた場合には、上記式の「酸化タンタル」は、「酸化タングステン」、「酸化ニオブ」などに置き換えられる。
次に、得られた酸化錫系焼結体(E1)を50mmφの円盤状に加工することにより、ターゲットを作製し、これを用いてDCスパッタリング法により透明導電薄膜を基板に成膜した。すなわち、スパッタリング装置(キャノンアネルバエンジニアリング(株)製、E−200S)内に、上記ターゲットと透明基材(石英ガラス基板)とをそれぞれ設置し、Arガス(純度99.9995%以上、Ar純ガス=5N)を12sccmで導入して、圧力1.0Pa、電力100W、基板温度480℃の条件下でスパッタリングを行い、基板上に膜厚500nmの透明導電膜を形成した。このように、得られたターゲットは、DCスパッタリング法によって、安定して成膜可能であることがわかった。
形成した透明導電膜中の組成(Sn:Ta)について、波長分散型蛍光X線装置((株)島津製作所製、XRF−1700WS)を用い、蛍光X線法により検量線を用いて定量分析を行ったところ、表1に示すように、Sn:Ta(原子数比)=99:1であった。
酸化錫系焼結体(E1)は、高密度であり、抵抗が低く透明導電膜の形成に使用するスパッタリングターゲットとして好適である。得られた透明基板上の透明導電膜の比抵抗は1.1・10-3Ω・cmであり、表面抵抗は22.0Ω/□であった。なお、透明導電性基板上の比抵抗の分布は、面内均一であった。
(実施例2)
SnとTaとの原子数比(Sn:Ta)が98:2としたこと以外は、実施例1と同様の手順で酸化錫系焼結体(E2)を得た。得られた酸化錫系焼結体(E2)について、実施例1と同様にSnとTaとの原子数比、密度、相対密度および比抵抗を測定した。結果を表1に示す。さらに、実施例1と同様にして、酸化錫系焼結体(E2)の結晶構造およびモルフォロジーを観察した。結晶相はSnO2相および金属Sn相の2相からなり、金属Sn相が偏析することなく均一に分散していた。
次いで、酸化錫系焼結体(E2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でターゲットを作製し、実施例1と同様の手順で透明導電薄膜を基板に成膜した。このように、得られたターゲットは、DCスパッタリングにより安定して成膜可能であることがわかった。さらに、実施例1と同様にして、得られた透明導電薄膜の定量分析(SnとTaとの原子数比)を行った。結果を表1に示す。得られたターゲットは、DCスパッタリングにより安定して十分成膜可能であることがわかった。
酸化錫系焼結体(E2)は、高密度であり、抵抗が低く透明導電膜の形成に使用するスパッタリングターゲットとして好適である。得られた透明基板上の透明導電膜の比抵抗は1.32-3Ω・cmであり、表面抵抗は26.4Ω/□であった。なお、透明導電性基板上の比抵抗の分布は、面内均一であった。
(実施例3)
酸化錫(II)粉末および酸化タンタル粉末を、SnとTaとの原子数比(Sn:Ta)が97:3となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れた。この容器に、さらにジルコニア製ボール(2mmφ)と混合溶媒(エタノール)とを入れ、ボールミルを用いて混合し、微粉末化した。
次いで、ボールを篩いによって除去し、エタノールをエバポレーターによって除去して、得られた原料粉末を、黒鉛からなる直径100mmの金型(ダイス)に入れた。次いで、Ar雰囲気下、黒鉛からなるパンチにて40MPaの圧力で加圧した。加圧後、約5分間で室温から焼結温度(850℃)まで昇温し、850℃にて5分間SPS処理(放電プラズマ焼結)を行い、直径100mmおよび厚さ5mmの円盤型の酸化錫系焼結体(E3)を得た。
得られた酸化錫系焼結体(E3)について、実施例1と同様にSnとTaとの原子数比、密度、相対密度および比抵抗を測定した。結果を表1に示す。さらに、実施例1と同様にして、酸化錫系焼結体(E3)の結晶構造およびモルフォロジーを観察した。結晶相はSnO2相および金属Sn相の2相からなり、金属Sn相が偏析することなく均一に分散していた。
次いで、酸化錫系焼結体(E3)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でターゲットを作製し、実施例1と同様の手順で透明導電薄膜を基板に成膜した。このように、得られたターゲットは、DCスパッタリングにより安定して成膜可能であることがわかった。さらに、実施例1と同様にして、得られた透明導電薄膜の定量分析(SnとTaとの原子数比)を行った。結果を表1に示す。得られたターゲットは、DCスパッタリングにより安定して十分成膜可能であることがわかった。
酸化錫系焼結体(E3)は、高密度であり、抵抗が低く透明導電膜の形成に使用するスパッタリングターゲットとして好適である。得られた透明基板上の透明導電膜の比抵抗は1.43-3Ω・cmであり、表面抵抗は28.6Ω/□であった。なお、透明導電性基板上の比抵抗の分布は、面内均一であった。
(実施例4)
酸化タンタル粉末の代わりに、酸化タングステン粉末(WO3:和光純薬工業(株)製、純度99.9%)を、SnとTaとの原子数比(Sn:W)が94:6となるように用いたこと以外は、実施例3と同様の手順で酸化錫系焼結体(E4)を得た。さらに、実施例1と同様にして、酸化錫系焼結体(E4)の結晶構造およびモルフォロジーを観察した。結晶相はSnO2相、金属Sn相およびSnWO4相の3相からなり、金属Sn相が偏析することなく均一に分散していた。
次いで、酸化錫系焼結体(E4)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でターゲットを作製し、実施例1と同様の手順で透明導電薄膜を基板に成膜した。このように、得られたターゲットは、DCスパッタリングにより安定して成膜可能であることがわかった。さらに、実施例1と同様にして、得られた透明導電薄膜の定量分析(SnとWとの原子数比)を行った。結果を表1に示す。得られたターゲットは、DCスパッタリングにより安定して十分成膜可能であることがわかった。
酸化錫系焼結体(E4)は、高密度であり、抵抗が低く透明導電膜の形成に使用するスパッタリングターゲットとして好適である。得られた透明基板上の透明導電膜の比抵抗は2.1-3Ω・cmであり、表面抵抗は42.0Ω/□であった。なお、透明導電性基板上の比抵抗の分布は、面内均一であった。
(実施例5)
酸化タンタル粉末の代わりに、酸化ニオブ粉末(Nb25:和光純薬工業(株)製、純度99.9%)を、SnとNbとの原子数比(Sn:Nb)が98:2となるように用いたこと以外は、実施例3と同様の手順で酸化錫系焼結体(E5)を得た。
得られた酸化錫系焼結体(E5)について、実施例1と同様にSnとNbとの原子数比、密度、相対密度および比抵抗を測定した。結果を表1に示す。さらに、実施例1と同様にして、酸化錫系焼結体(E5)の結晶構造およびモルフォロジーを観察した。結晶相はSnO2相および金属Sn相の2相からなり、金属Sn相が偏析することなく均一に分散していた。
次いで、酸化錫系焼結体(E5)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でターゲットを作製し、実施例1と同様の手順で透明導電薄膜を基板に成膜した。このように、得られたターゲットは、DCスパッタリングにより安定して成膜可能であることがわかった。さらに、実施例1と同様にして、得られた透明導電薄膜の定量分析(SnとNbとの原子数比)を行った。結果を表1に示す。得られたターゲットは、DCスパッタリングにより安定して十分成膜可能であることがわかった。
酸化錫系焼結体(E5)は、高密度であり、抵抗が低く透明導電膜の形成に使用するスパッタリングターゲットとして好適である。得られた透明基板上の透明導電膜の比抵抗は1.7×10-3Ω・cmであり、表面抵抗は34.0Ω/□であった。なお、透明導電性基板上の比抵抗の分布は、面内均一であった。
(比較例1)
酸化錫(II)粉末の代わりに、酸化錫(IV)粉末(SnO2:和光純薬工業(株)製、純度99.9%)を用いたこと以外は、実施例5と同様の手順で酸化錫系焼結体(C1)を得た。得られた酸化錫系焼結体(C1)について、実施例1と同様にSnとNbとの原子数比、密度および相対密度を測定した。結果を表2に示す。なお、比抵抗については、酸化錫系焼結体(C1)が絶縁体であるため、測定不可能であった。さらに、実施例1と同様にして、酸化錫系焼結体(C1)の結晶構造およびモルフォロジーを観察した。結晶相はSnO2相およびNb25相の2相からなり、酸化錫および酸化ニオブ間での固相焼結反応が進行しておらず、焼結する前と変化がなかった。
次いで、酸化錫系焼結体(C1)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でターゲットを作製した。このターゲットを用いて、DCスパッタリング法により透明導電薄膜を基板に成膜しようと試みた。しかし、ターゲットが絶縁体であるため、全くプラズマが安定に放電せず、成膜することができなかった。したがって、酸化錫系焼結体(C1)からなるターゲットは、DCスパッタリングに適用できないことがわかる。
(比較例2)
酸ニオブ粉末の代わりに、酸化タンタル粉末を用いたこと以外は、比較例1と同様の手順で酸化錫系焼結体(C2)を得た。得られた酸化錫系焼結体(C2)について、実施例1と同様にSnとTaとの原子数比、密度および相対密度を測定した。結果を表2に示す。なお、比抵抗については、酸化錫系焼結体(C2)が絶縁体であるため、測定不可能であった。さらに、実施例1と同様にして、酸化錫系焼結体(C2)の結晶構造およびモルフォロジーを観察した。結晶相はSnO2相およびTa25相の2相からなり、酸化錫および酸化タンタル間での固相焼結反応が進行しておらず、焼結する前と変化がなかった。
次いで、酸化錫系焼結体(C2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でターゲットを作製した。このターゲットを用いて、DCスパッタリング法により透明導電薄膜を基板に成膜しようと試みた。しかし、ターゲットが絶縁体であるため、全くプラズマが安定に放電せず、成膜することができなかった。したがって、酸化錫系焼結体(C2)からなるターゲットは、DCスパッタリングに適用できないことがわかる。
(比較例3)
酸化ニオブ粉末の代わりに、酸化タングステン粉末を用いたこと以外は、比較例1と同様の手順で酸化錫系焼結体(C3)を得た。得られた酸化錫系焼結体(C3)について、実施例1と同様にSnとWとの原子数比、密度および相対密度を測定した。結果を表2に示す。なお、比抵抗については、酸化錫系焼結体(C3)が絶縁体であるため、測定不可能であった。さらに、実施例1と同様にして、酸化錫系焼結体(C3)の結晶構造およびモルフォロジーを観察した。結晶相はSnO2相およびWO3相の2相からなり、酸化錫および酸化タングステン間での固相焼結反応が進行しておらず、焼結する前と変化がなかった。
次いで、酸化錫系焼結体(C3)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でターゲットを作製した。このターゲットを用いて、DCスパッタリング法により透明導電薄膜を基板に成膜しようと試みた。しかし、ターゲットが絶縁体であるため、全くプラズマが安定に放電せず、成膜することができなかった。したがって、酸化錫系焼結体(C3)からなるターゲットは、DCスパッタリングに適用できないことがわかる。
(比較例4)
酸化錫(IV)粉末、酸化タングステン粉末および金属錫粉末(Sn:和光純薬工業(株)製、純度99.9%)を、SnとWとの原子数比(Sn:W)が98:2となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れた。なお、酸化錫(IV)粉末と金属錫粉末との質量比(SnO2:Sn)は、90:10である。この容器に、さらにジルコニア製ボール(2mmφ)と混合溶媒(エタノール)とを入れ、ボールミルを用いて混合し、微粉末化した。
次いで、ボールおよびエタノールを除去し、得られた原料粉末を、黒鉛からなる直径100mmの金型(ダイス)に入れた。次いで、Ar雰囲気下、黒鉛からなるパンチにて40MPaの圧力で加圧した。加圧後、約5分間で室温から焼結温度(850℃)まで昇温し、850℃にて5分間SPS処理(放電プラズマ焼結)を行い、直径100mmおよび厚さ5mmの円盤型の酸化錫系焼結体(C4)を得た。
得られた酸化錫系焼結体(C4)について、実施例1と同様にSnとWとの原子数比、密度、相対密度および比抵抗を測定した。結果を表2に示す。実施例1と同様にして、酸化錫系焼結体(C4)の結晶構造およびモルフォロジーを観察した。結晶相はSnO2相、金属Sn相およびWO3相の3相からなり、酸化錫および酸化タングステン間での固相焼結反応が進行しておらず、焼結する前と変化がなかった。また、金属Sn相が偏析しており、均一に分散していなかった。
次いで、酸化錫系焼結体(C4)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でターゲットを作製した。このターゲットを用いて、DCスパッタリング法により透明導電薄膜を基板に成膜しようと試みた。しかし、ターゲットが絶縁体であるため、全くプラズマが安定に放電せず、成膜することができなかった。したがって、酸化錫系焼結体(C4)からなるターゲットは、DCスパッタリングに適用できないことがわかる。
Figure 2013173658
Figure 2013173658

Claims (11)

  1. 酸化錫相と金属錫相とから主として構成され、金属錫相が焼結体中に偏析することなく均一に分散していることを特徴とする酸化錫系焼結体。
  2. 酸化錫とドーパント元素との複合酸化物相をさらに含み、錫とドーパント元素との合計に対するドーパント元素の原子数比(ドーパント元素)/(Sn+ドーパント元素)が、0.01〜0.1である、請求項1に記載の酸化錫系焼結体。
  3. 前記ドーパント元素が、タンタル、ニオブおよびタングステンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の酸化錫系焼結体。
  4. 500mΩ・cm以下の比抵抗を有する、請求項1〜3のいずれかの項に記載の酸化錫系焼結体。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の酸化錫系焼結体を製造する方法であって、
    以下の(A)、(B)または(C)からなる原料粉末を成形する工程、および
    得られた成形体を、真空中、不活性雰囲気中または還元雰囲気中にて600〜1100℃で焼結する工程、
    を含むことを特徴とする、酸化錫系焼結体の製造方法。
    (A)酸化錫粉とドーパント元素の酸化物粉との混合粉
    (B)酸化錫粉とドーパント元素の金属粉との混合粉
    (C)酸化錫とドーパント元素との複合酸化物粉
  6. 前記酸化錫粉が、SnO(II)の粉末である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記焼結する工程において、不活性雰囲気が、窒素、アルゴン、ヘリウムおよび二酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1種の雰囲気である、請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 前記焼結する工程において、還元雰囲気が水素雰囲気である、請求項5または6に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の酸化錫系焼結体を加工して得られる、ターゲット。
  10. 請求項9に記載のターゲットを、スパッタリング法に供して酸化物薄膜を形成する工程を含む、酸化物薄膜の形成方法。
  11. 請求項10に記載の形成方法によって形成される、透明導電膜。
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