JP2013170198A - 水性インクジェット用黒色インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーボンブラック、アルカリ可溶性樹脂、ワックスエマルジョン、塩基性化合物、水性媒体を含有する水性インクジェット用黒色インク組成物であって、前記カーボンブラックの含有量が水性インクジェット用黒色インク組成物中8〜12質量%であり、且つ、前記ワックスエマルジョンは平均粒子径が150〜200nmであり、固形分換算でカーボンブラック100質量部に対して10〜40質量部含有することを特徴とする水性インクジェット用黒色インク組成物。
【選択図】なし
Description
水性インクジェット印刷方式は、かつて、印刷ヘッドが走査型であるために印刷に時間がかかる、水性媒体の乾燥が遅い、さらに美粧印刷物を得るのに高価な専用紙が必要になるなどの問題から、多量の印刷物の製造に適さないとされていた。
しかし、一方で、通常の印刷方式の様な製版工程を必要とせず、また、電子写真方式を含めても、非常に簡単な装置の構成で印刷が可能であるなどの利点があるため、個人や家庭で利用されることがほとんどであった。
加えて、本来のインクジェット記録方式で要求されるインク性能である、保存安定性、ノズル詰りを起こさずに安定して吐出できる吐出信頼性、液滴の飛翔性、印刷物の耐擦過性なども備えていなければならない。
(1)この様な技術としては、例えば、高粘度化と水性媒体の系外への離脱を遅らせる原因となる水溶性樹脂やアルカリ可溶性樹脂を極力利用せず、皮膜形成に必要な樹脂分については水に不溶な樹脂エマルジョンを利用する方法(例えば、特許文献1参照)、
(2)予め、印刷用紙にインクの着色材や樹脂を凝集させる反応液を塗布後、インク印刷の液滴が印刷用紙の表面に着弾したときに、水性媒体と固形成分を分離させる方法(例えば、特許文献2参照)
等が提案されている。
以上のように、水性インクジェット印刷方式で、印刷の高速化や、印刷用紙としての普通紙、通常のオフセット紙などの未コート紙の利用が検討される中、高い印刷濃度が得られ、且つ印刷物の耐擦過性に優れ、吐出安定性、保存安定性にも良好な水性インクジェット用黒色インク組成物を得ることは困難というのが現状である。
(1)少なくとも、カーボンブラック、アルカリ可溶性樹脂、ワックスエマルジョン、塩基性化合物、水性媒体を含有する水性インクジェット用黒色インク組成物であって、前記カーボンブラックの含有量が水性インクジェット用黒色インク組成物中8〜12質量%であり、且つ、前記ワックスエマルジョンは平均粒子径が150〜200nmであり、固形分換算でカーボンブラック100質量部に対して10〜40質量部含有することを特徴とする水性インクジェット用黒色インク組成物。
(2)前記カーボンブラックがアルカリ可溶性樹脂で被覆された樹脂被覆カーボンブラックである(1)項記載の水性インクジェット用黒色インク組成物。
(3)上記ワックスエマルジョンが、ノニオン系ポリアルキレンワックスエマルジョンである上記(1)項又は(2)項のいずれかに記載の水性インクジェット用黒色インク組成物。
具体的には、上記の平均粒子径を有するワックスエマルジョンであれば、まず、インクジェット印刷方式でインクが微細な径のノズルから吐出される際にも、良好な吐出安定性が維持できる。一方で、ワックスエマルジョンの粒径は、インクジェット印刷用インクに含有される一般的な顔料の平均粒子径に対して、1.5〜2倍程度の大きさがある。
この様な推論と期待をもとに、ワックスエマルジョンの平均粒子径を150〜200nmとすること、さらにその含有量をカーボンブラック100質量部に対して10〜40質量部に固定することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
また、本発明は、(2)前記カーボンブラックがアルカリ可溶性樹脂で被覆された樹脂被覆カーボンブラックである(1)項記載の水性インクジェット用黒色インク組成物に関する。
また、本発明は、(3)上記ワックスエマルジョンが、ノニオン系ポリアルキレンワックスエマルジョンである上記(1)項又は(2)項のいずれかに記載の水性インクジェット用黒色インク組成物に関する。
(カーボンブラック)
本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物で使用するカーボンブラックとしては、粉状であっても粒状であってもよい。従来からインクジェットで使用されているものがいずれも使用できるが、平均一次粒子径が小さいほど得られる着色画像の耐擦過性および光沢性は向上する傾向にあり、平均一次粒子径が18nmよりも小さいことが好ましく、14nm以下とすることがさらに好ましい。
また、使用するカーボンブラックとしては、比表面積が200m2/g以上、得られる着色画像の耐擦過性および光沢がより良好な点で、中でも230m2/g以上であることが好ましく、更には260m2/g以上であることが特に好ましい。
また、 使用するカーボンブラックとしては、どの様なpHであっても良いが、水性インクジェット用黒色インク組成物の保存安定性に優れる点で、好ましくはpHが6〜10、更に好ましくはpHが7〜9である。
上記したカーボンブラックの比表面積はJIS K6217に準拠して測定した窒素吸着比表面積を、pHはJISK6221に準拠して測定したpH値を指す。
本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物中のカーボンブラックの含有量は、8〜12質量%の範囲となるように配合することが好ましい。カーボンブラックの含有量が8質量%より少ないと高いOD値が得られず、カーボンブラックの含有量が12質量%より多いと、吐出安定性、保存安定性が低下する傾向があるので好ましくない
本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物で使用するアルカリ可溶性樹脂としては、通常のインクや塗料の顔料分散用として使用されている、塩基性化合物の存在下で水性媒体に可溶の共重合体樹脂が利用できる。
この様なアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有する単量体、好ましくは、顔料との吸着性を向上させるための疎水性基含有単量体からなる重合体、あるいは必要に応じて他の重合可能な単量体と共に反応させて得られる共重合体が利用できる。
上記カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。
上記の単量体を共重合して得られるアルカリ可溶性樹脂において、水性媒体中への樹脂の溶解性向上及び印刷物の耐水性の低下防止を考慮する場合には、好ましくは、ガラス転移温度10〜50℃、酸価100〜300mgKOH/g、質量平均分子量が10,000〜50,000である。アルカリ可溶性樹脂の酸価が100mgKOH/g未満の場合は水性媒体中への樹脂の溶解性が低下し、一方300mgKOH/gを超えると得られる印刷物の耐水性が低下することが懸念される。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が10,000未満の場合はカーボンブラックの分散安定性や得られる印刷物の耐擦過性が低下し、一方50,000を超えると水性インクジェット用黒色インク組成物中のカーボンブラックの分散性がやはり低下する可能性がある。
上記アルカリ可溶性樹脂の含有量は、概ね、水性インクジェット用黒色インク組成物中に含まれるカーボンブラック100質量部に対して10〜60質量部、より好ましくは15〜50質量部である。アルカリ可溶性樹脂の含有量が上記の範囲より少ない場合は、水性媒体へのカーボンブラックの分散性が低下するおそれがある。一方、上記の範囲を超える場合は、粘度が高くなるため好ましくない。
<ガラス転移温度>
ガラス転移温度は、下記のwoodの式により求めた理論上のガラス転移温度である。
Woodの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3+・・・・・+Wx/Tgx
(式中、Tg1〜Tgxはアルカリ可溶性樹脂を構成する単量体1、2、3・・・xのそれぞれの単独重合体のガラス転移温度、W1〜Wxは単量体1、2、3・・・xのそれぞれの重合分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。ただし、woodの式におけるガラス転移温度は絶対温度である)
酸価は、アルカリ可溶性樹脂を合成するために用いる単量体の組成に基づいて、アルカリ可溶性樹脂1gを中和するのに理論上要する水酸化カリウムのmg数を算術的に求めた理論酸価である。
質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。一例として、GPC装置としてWater 2690(ウォーターズ社製)、カラムとしてPLgel 5μ MIXED−D(Polymer Laboratories社製)を使用してクロマトグラフィーを行ない、ポリスチレン換算の質量平均分子量として求めることができる。
本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物で使用するワックスエマルジョンとしては、平均粒子径150〜200nmであり、好ましくは160〜180nmである。
ワックスエマルジョンの平均粒子径が150nm未満では、耐擦過性が低下し、一方200nmを超える場合は、水性インクジェット用黒色インク組成物の吐出安定性が低下するため好ましくない。
また使用するワックスエマルジョンの種類としては、好ましくはノニオン乳化変性パラフィンワックスエマルジョン、さらに好ましくはノニオン系ポリアルキレンワックスエマルジョンである。
上記したワックスエマルジョンの平均粒子径は、日機装社製マイクロトラックUPA粒度分布計を用い、動的光散乱法で測定した値を示す。
本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物において、ワックスエマルジョンの含有量は、カーボンブラック100質量部に対して10〜40質量部(固形分)の範囲にあることが好ましく、20〜40質量部(固形分)の範囲とすることがさらに好ましい。
ワックスエマルジョンの含有量が10質量部未満の場合は耐擦過性が低下する傾向にあり、一方40質量部を超える場合は水性インクジェット用黒色インク組成物の吐出安定性が低下するので好ましくない。
本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物で使用する塩基性化合物としては、前記アルカリ可溶性共重合体を水性媒体中に溶解させるために用いるものであり、水性インクジェット用黒色インク組成物中に2.0〜4.0質量%となるように配合させることができる。
このような塩基性化合物としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような無機塩基性化合物や、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンのような有機塩基性化合物等を使用することができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物で使用する水性媒体としては、水及び水溶性有機溶剤から構成される水性媒体を挙げることができる。
上記水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水ないし蒸留水が好ましい。
また、水溶性有機溶剤を含有させることにより、保存安定性、吐出安定性、インクの飛翔性等で、より優れたインクジェット印刷適性を付与することができる場合がある。このような水溶性有機溶剤としては、例えば、モノアルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ケトン類、エーテル類、エステル類、窒素含有化合物類等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エーテル類としては、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等である。
上記エステル類としては、プロピレンカルボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、酪酸エチル、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、及びε−カプロラクトン、ε−カプロラクタム等の環状エステル等がある。
上記窒素含有化合物としては、尿素、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、オクチルピロリドン等である。
上記水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定されないが、水性インクジェット用黒色インク組成物中20〜70質量%が好ましい。
さらに、本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物には、目的に応じて公知の顔料分散剤、界面活性剤、防黴剤、防錆剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保存性向上剤、消泡剤、PH調整剤等の添加剤も添加することもできる。
以上の構成成分を用いて本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物を製造する方法としては、(1)カーボンブラック、塩基性化合物の存在下にアルカリ可溶性樹脂を水中に溶解した水性樹脂ワニス、必要に応じて顔料分散剤等を混合した後、各種分散機、例えばボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、アジテーターミル等を利用してカーボンブラックを分散し、さらに残りの材料を添加して、水性インクジェット用黒色インク組成物を調製する方法(以下、製造方法1と記載する)、(2)上記の方法でカーボンブラックを分散した後、酸析法や再公表WO2005/116147号公報に記載のイオン交換手段等により、顔料表面にアルカリ可溶性樹脂を析出させた樹脂被覆顔料を得、次いで得られた樹脂被覆顔料を塩基性化合物で中和し、各種分散機(高速攪拌装置等)を用いて水に再分散し、さらに残りの材料を添加して、水性インクジェット用黒色インク組成物を調製する方法(以下、製造方法2と記載する)等を挙げることができる。
なかでも、水性インクジェット用黒色インク組成物の保存安定性が更に良好になる点から製造方法(2)が好ましい。
このようにして得られた本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物は製造後の初期粘度が6.0〜10.0mmPa・s、好ましくは7.0〜9.0mmPa・sの範囲とする。
次に、本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物を用いた印刷方法について説明する。
本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物の印刷用基材としては、普通紙やオフセット紙等の未コート紙の他、アート紙、インクジェット専用紙、インクジェット光沢紙等のコート紙が挙げられる。
そして、例えば、本発明の上記水性インクジェット用黒色インク組成物を、インクカートリッジに収容し、該インクカートリッジをシングルパス方式等のインクジェット記録装置に装着して、ノズルから上記印刷用基材へ噴射することによりインクジェット印刷をすることができる。
本発明の水性インクジェット用黒色インク組成物を使用することにより、印刷濃度(OD値)が向上する。特に高い印刷濃度が得られなかった未コート紙でも、OD値を1.3以上、さらにはOD値を1.5以上とすることも可能となり、より鮮明な印刷物が得られる等の効果を得ることができる。
カーボンブラック
プリンテックス90(平均粒子径14nm、比表面積300m2/g、pH9.0、デグサ(株)製)
(アルカリ可溶性樹脂A)
ガラス転移温度40℃、質量平均分子量30,000、酸価150mgKOH/gのアクリル酸/n−ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体
(アルカリ可溶性樹脂B)
ガラス転移温度40℃、質量平均分子量30,000、酸価185mgKOH/gのアクリル酸/n−ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体
(アルカリ可溶性樹脂C)
ガラス転移温度40℃、質量平均分子量20,000、酸価185mgKOH/gのアクリル酸/n−ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体
AQUACER531(固形分45%、ノニオン乳化変性パラフィンワックス、平均粒子径160nm、ビックケミージャパン(株)製)
AQUACER539(固形分35%、ノニオン乳化変性パラフィンワックス、平均粒子径50nm、ビックケミージャパン(株)製)
ハイテックE−6314(固形分35%、ノニオン乳化ポリエチレンワックス、平均粒子径100nm、東邦化学(株)製)
ハイテックE−1000(固形分35%、ノニオン乳化ポリエチレンワックス、平均粒子径140nm、東邦化学(株)製)
表1の質量割合となるように、下記水性樹脂ワニスB、カーボンブラック、ワックスエマルジョン、グリセリン、ジエチレングリコール、界面活性剤としてのアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(アセチレノールE100、川研ファインケミカル(株)製)を攪拌混合して、表1に記載の実施例1〜3の水性インクジェット用黒色インク組成物を得た。
塩基性化合物の存在下にアルカリ可溶性樹脂を溶解した水性樹脂ワニスA〜Cの製造
(水性樹脂ワニスA)
上記アルカリ可溶性樹脂Aの25質量部を、水酸化ナトリウムの3.2質量部と水の71.8質量部との混合溶液に溶解させてアルカリ可溶性樹脂の濃度が25%の水性樹脂ワニスAを得た。
(水性樹脂ワニスB)
上記アルカリ可溶性樹脂Bの25質量部を、水酸化ナトリウムの3.9質量部と水の71.1質量部との混合溶液に溶解させてアルカリ可溶性樹脂の濃度が25%の水性樹脂ワニスBを得た。
(水性樹脂ワニスC)
上記アルカリ可溶性樹脂Cの25質量部を、水酸化ナトリウムの3.9質量部と水の71.1質量部との混合溶液に溶解させてアルカリ可溶性樹脂の濃度が25%の水性樹脂ワニスCを得た。
上記水性樹脂ワニスA〜Cの各32質量部に水48質量部を加え混合し、次いでカーボンブラックの20質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性インクジェット用黒色インクベースA〜Cを調製した。
上記各水性インクジェット用黒色インクベースA〜Cを顔料濃度が5%となるように水で希釈した後、希釈液に対して陽イオン交換樹脂(DOWEX MONOSPHERE (H)650C、ダウケミカル社製)を5%添加し攪拌して、pHが4未満となるまでイオン交換し、樹脂被覆顔料A〜Cを得た。その後、イオン交換樹脂をメッシュで濾過した後、吸引濾過し、樹脂被覆顔料A〜Cを含有する含水ケーキ(固形分25%)を得た。
上記樹脂被覆顔料A〜Cを含有する含水ケーキに、樹脂被覆顔料A〜C中のアルカリ可溶性樹脂酸価の80%を中和する水酸化ナトリウムと顔料濃度が20%となるような水を加えた後、高圧乳化分散装置:ゴーリンホモジナイザー(A.P.V. GAULIN INK. 製)で攪拌し、水性顔料分散液A〜Cを得た。
次いで、表2の質量割合となるように、上記水性顔料分散液A〜C、ワックスエマルジョン、グリセリン、ジエチレングリコール、界面活性剤としてのアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(アセチレノールE100、川研ファインケミカル(株)製)を攪拌混合して、表2及び3に記載の実施例4〜11、比較例1〜6の水性インクジェット用黒色インク組成物を得た。
オフセット紙に、SPECTRA社製ヘッドを搭載した評価用プリンターを用いて、上記実施例1〜11、比較例1〜6の水性インクジェット用黒色インク組成物を印刷した。
以下の評価方法により評価し、それらの結果を表1に示す。
(画像濃度)
実施例1〜11、比較例1〜6の水性インクジェット用黒色インク組成物を印刷した各印刷物のベタ部の画像濃度(OD値)を濃度計:スペクトロアイ(エックスライト社製)を用いて測定した。
実施例1〜11、比較例1〜6の水性インクジェット用黒色インク組成物を印刷した各印刷物を2.5cm×25cmに切断した中央部に印刷部分を含むサンプルピースを学振型耐擦過性試験機を使用して、当て紙を印刷に用いたものと同じ紙とし、200gの荷重で20回ずつ擦過したときの、擦った部分のサンプルピース表面の紙剥け及び当て紙の汚れにより評価した。
評価基準
◎:擦った部分のサンプルピース表面に紙剥けなく、当て紙にも汚れがないもの
○:擦った部分のサンプルピース表面に紙剥けはないが、当て紙が若干汚れるもの
△:擦った部分のサンプルピース表面に線状の紙剥けが見られ、当て紙が汚れるもの
×:擦った部分のサンプルピース表面のほぼ全面に紙剥けが見られ、当て紙が汚れるもの
実施例1〜11、比較例1〜6の水性インクジェット用黒色インク組成物について、それぞれガラス瓶にとり、25℃の粘度を、粘度計(東機産業社製、RE100L型)を用いて初期粘度として測定した。その後、密栓し60℃、1ヵ月保存し、保存後の粘度(25℃)を粘度計により測定した。保存安定性は、粘度変化率(60℃、1ヵ月後の粘度−保存前の粘度/保存前の粘度)で評価した。
評価基準
◎:粘度変化率が5%未満のもの
○:粘度変化率が5%以上10%未満のもの
△:粘度変化率が10%以上、20%未満のもの
×:粘度変化率が20%以上のもの
実施例1〜11、比較例1〜6の水性インクジェット用黒色インク組成物を、SPECTRA社製ヘッドを搭載した評価用プリンターのカートリッジに詰めて、オフセット紙に印刷を行い、吐出安定性の評価を行った。
評価基準
◎:印刷の乱れがなく、安定して吐出できるもの
○:印刷の乱れがほとんどなく、安定して吐出できるもの
△:多少の印刷の乱れがあるものの、吐出はできるもの
×:吐出できないもの
実施例1〜11の結果からみて、カーボンブラックの含有比率が大きいほど、当然のことながら印刷物の画像濃度が高いことがいえる。
樹脂の濃度が高い水性インクジェット用黒色インク組成物を使用した実施例1〜3の結果に対して、実施例4〜9の結果の方が、耐擦過性、保存安定性及び吐出安定性のいずれか1つ以上の点において良好であり、さらに実施例及び11は同程度であった。これは、カーボンブラック表面に分散剤として作用するアルカリ可溶性樹脂を被覆した方が、そうでない場合よりもこれらの性質が良好であることを示しており、このアルカリ可溶性樹脂の使用量を削減できることを意味している。
また、実施例4〜11によると、本発明のインク組成物は保存安定性及び初期粘度にも優れることがわかる。
比較例1の結果、ワックスエマルジョンを使用しない場合には、耐擦過性が不十分であることがわかる。
比較例2の結果からみてカーボンブラックの含有量が少ないと、耐擦過性、保存安定性及び吐出安定性は良好であるものの、画像濃度が小さくなり目的とする画像濃度を得ることができない。また、比較例3に示すようにカーボンブラックの含有量を過剰にすると、耐擦過性、保存安定性及び吐出安定性のいずれの性質も悪化する。
及び4〜6からみて、ワックスの平均粒子径が小さい場合には、たとえワックスの固形分の含有量が適切ではあっても、画像濃度、保存安定性及び吐出安定性は良好であるが、耐擦過性は不良であった。
Claims (3)
- カーボンブラック、アルカリ可溶性樹脂、ワックスエマルジョン、塩基性化合物、水性媒体を含有する水性インクジェット用黒色インク組成物であって、前記カーボンブラックの含有量が水性インクジェット黒色インク組成物中8〜12質量%であり、且つ、前記ワックスエマルジョンは平均粒子径が150〜200nmであり、固形分換算でカーボンブラック100質量部に対して10〜40質量部含有することを特徴とする水性インクジェット用黒色インク組成物。
- 上記カーボンブラックがアルカリ可溶性樹脂で被覆された樹脂被覆カーボンブラックである請求項1記載の水性インクジェット用黒色インク組成物。
- 上記ワックスエマルジョンが、ノニオン系ポリアルキレンワックスエマルジョンである請求項1又は2記載の水性インクジェット用黒色インク組成物。
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