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JP2013168242A - 有機発光装置の製造方法 - Google Patents

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JP2013168242A JP2012029730A JP2012029730A JP2013168242A JP 2013168242 A JP2013168242 A JP 2013168242A JP 2012029730 A JP2012029730 A JP 2012029730A JP 2012029730 A JP2012029730 A JP 2012029730A JP 2013168242 A JP2013168242 A JP 2013168242A
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正弘 伏見
Junya Tamaki
順也 玉木
Manabu Otsuka
学 大塚
Takuo Yamazaki
拓郎 山▲崎▼
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Abstract

【課題】剥離層の残渣によって発生するパターニング不良を抑制することが可能な有機発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも第一有機化合物層の形成工程と、第一保護層の形成工程と、第二保護層の形成工程と、第二保護層の加工工程と、第一保護層の加工工程と、第一有機化合物層の加工工程と、第二有機化合物層の形成工程と、リフトオフ工程と、を有し、前記第二保護層の加工工程によって得られる第二保護層のパターンが、第二領域内においても形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機発光装置の製造方法に関する。
有機発光素子を構成する発光層を含む有機化合物層のパターニングを行う方法として、フォトリソグラフィーを用いた方法は、メタルマスク等の他のパターニング手法と比較して高精細のパターニングが可能であることから近年注目がなされている。
フォトリソグラフィーを用いた有機化合物層のパターニング方法として、例えば、特許文献1にて開示されている方法がある。特許文献1では、具体的には、以下に説明する方法に従って複数の有機エレクトロルミネッセント素子を有する発光装置を製造している。まず、基体上にフォトレジスト材料に対して不溶な第1発光層となる薄膜層を形成し、次に、この薄膜層上にフォトレジスト層を形成し、次いで、第1発光部を形成する部分にフォトレジスト層が残存するようにフォトレジスト層をパターニングする。次に、フォトレジスト層が残存しない領域に設けられた上記薄膜層を除去した後、第1発光層とその表面に残存するフォトレジスト層とを有する基体の上に第2発光層を形成する。その後、残存するフォトレジスト層に剥離液を接触させ、当該フォトレジスト層上に形成された第2発光層と共に剥離する。これにより、所望のパターン形状にて形成された第1発光部及び第2発光部が得られる。
特許文献2にも、特許文献1とほぼ同様の製造プロセスが記載されている。また特許文献2には、有機化合物層とレジスト層との間に剥離性に優れた剥離層を設けることが開示されている。ここで剥離層とは、フォトレジスト層等の部材を容易に剥離させるため設けられる層であり、特に、発光層を有する有機化合物層からフォトレジスト層等の部材を剥離させることが困難である場合に利用されていた。
特許4578026号公報 特許4544811号公報
特許文献1や特許文献2のように、パターニングされたフォトレジスト層を、有機化合物層から直接又は剥離層を利用して剥離させる工程では、所定の層の構成材料を溶かす溶解液を用いて当該構成材料を溶解・剥離させる方法が採用される。具体的には、フォトレジスト層や剥離層を溶かす溶解液(剥離液)にフォトレジスト層や剥離層を接触させて溶解させる。ここで剥離液には、フォトレジスト層もしくは剥離層(以下、代表して剥離層とする。)を選択的に溶解する液が用いられる。このとき、溶解液を剥離層に十分に浸透させることが必要である。しかし、剥離層として形成される薄膜のうち上層部分(基板の反対側)については、剥離液に対して溶解速度が小さいため、この上層部分には剥離液が浸透しにくいという問題がある。このため剥離する領域が大きい場合には、溶解液を剥離層に十分に浸透せずに、結果として剥離層の残渣が発生する可能性がある。
一般に、剥離層のパターニングを行う際には、剥離層上に、フォトリソグラフィーによるパターン形成が可能な層を形成して行う。ここでフォトリソグラフィーによるパターン形成が可能な層とは、少なくとも一つ以上の層から形成され、剥離層のパターン形成時に耐性を示す層である。
ところで特許文献1や特許文献2には、有機化合物層の具体的なパターン形状については特に触れられていないが剥離層のパターン形状に依存するものと考えられる。ここで発光領域内に設けられている剥離層では、画面サイズにもよるが、通常、数μmから数百μm間隔でパターン形成が行われるため、この間隔をぬって剥離液が十分に浸透する。これに対し、発光領域以外の部分は、上記微細パターンがないかもしくは少ないため、剥離液を浸透させて剥離層を剥離しようとすると、剥離液が浸透しにくくなるため、剥離層の剥離を十分に行うことができずに残渣が発生する場合がある。例えば、発光領域の周辺に封止部材又は封止膜を設ける際に、封止部材や封止膜を設ける基板上の領域に剥離層の残渣が生じていると、この残渣が封止不良の原因になる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的は、剥離層の残渣によって発生するパターニング不良を抑制することが可能な有機発光装置の製造方法を提供することである。
本発明の有機発光装置の製造方法は、基板上に、第一領域と、前記第一領域の周縁に設けられる第二領域と、を有し、
前記第一領域が、複数の発光部を有する発光領域であり、
前記発光部に対応する領域にそれぞれ第一電極が形成されている有機発光装置の製造方法であって、
少なくとも第一発光層を含む第一有機化合物層を形成する第一有機化合物層の形成工程と、
前記第一有機化合物層上に少なくとも剥離層を含む第一保護層を形成する第一保護層の形成工程と、
前記第一保護層上に第二保護層を形成する第二保護層の形成工程と、
前記第二保護層の一部を除去し、前記第二保護層のパターンを得る第二保護層の加工工程と、
前記第二保護層のパターンに従って前記第一保護層の一部を除去し、前記第一保護層のパターンを得る第一保護層の加工工程と、
前記第二保護層のパターンに従って前記第一有機化合物層の一部を除去し、前記第一有機化合物層のパターンを得る第一有機化合物層の加工工程と、
少なくとも前記第一有機化合物層上に、第二発光層を含む第二有機化合物層を形成する第二有機化合物層の形成工程と、
前記第一保護層を選択的に除去する剥離液に接触させ、少なくとも前記第一保護層と、前記第一保護層上に形成された前記第二保護層及び前記第二有機化合層と、を共に除去するリフトオフ工程と、を有し、
前記第二保護層の加工工程によって得られる前記第二保護層のパターンが、前記第二領域内においても形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、剥離層の残渣によって発生するパターニング不良を抑制することが可能な有機発光装置の製造方法を提供することができる。
即ち、本発明では、発光領域から外れた領域において、第一保護層上に形成した第二保護層の一部を除去することにより、発光領域から外れた領域においても剥離液が十分に浸透して、第一保護層に含まれる剥離層を溶解させることができる。このため、残渣が発生せずに当該剥離層の良好なパターン形成が可能である。
本発明の製造方法で作製される有機発光装置の例を示す模式図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)中のAA’断面を示す図である。 図1中のα部分を示す模式図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)中のBB’断面を示す図である。 本発明の有機発光装置の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。 図1中のβ部分にて形成される第二保護層のパターンの例を示す平面模式図である。 本発明の有機発光装置の製造方法における第二の実施形態を示す断面模式図である。 第二領域における第二保護層の加工領域の例を示す平面模式図であり、(a)は、図1中のγ部分における第二保護層の加工領域を示す図であり、(b)は、図1中のβ部分における第二保護層の加工領域を示す図である。
本発明は、基板上に、第一領域と、前記第一領域の周縁に設けられる第二領域と、を有し、第一領域が、複数の発光部を有する発光領域であり、発光部に対応する領域にそれぞれ第一電極が形成されている有機発光装置の製造方法である。
本発明において、第一領域とは、基板上の平面領域のうち複数の発光部が配置されて画像を形成する領域を意味し、発光領域とも呼ばれる領域である。また第二領域とは、基板上の平面領域のうち発光領域以外の領域を意味し、通常、第一領域(発光領域)の周縁の領域が該当する。尚、この第二領域には、駆動回路、電極コンタクト部、フレキ接続部、封止部等が形成されている。
ここで本発明の製造方法は、下記(A)乃至(H)に示される工程を有している。
(A)少なくとも第一発光層を含む第一有機化合物層を形成する第一有機化合物層の形成工程
(B)第一有機化合物層上に少なくとも剥離層を含む第一保護層を形成する第一保護層の形成工程
(C)第一保護層上に第二保護層を形成する第二保護層の形成工程
(D)第二保護層の一部を除去し、第二保護層のパターンを得る第二保護層の加工工程
(E)第二保護層のパターンに従って第一保護層の一部を除去し、第一保護層のパターンを得る第一保護層の加工工程
(F)第二保護層のパターンに従って第一有機化合物層の一部を除去し、第一有機化合物層のパターンを得る第一有機化合物層の加工工程
(G)少なくとも第一有機化合物層上に、第二発光層を含む第二有機化合物層を形成する第二有機化合物層の形成工程
(H)第一保護層を選択的に除去する剥離液に接触させ、少なくとも第一保護層と、第一保護層上に形成された第二保護層及び第二有機化合層と、を共に除去するリフトオフ工程
工程(B)にて形成される第一保護層は、工程(H)で使用される剥離液に接触することにより基板から剥離する剥離層が少なくとも含まれる。
工程(C)にて形成される第二保護層は、第二保護層より下に形成された層(第一保護層、第一有機化合物層等)を所望のパターン形状に加工するために設けられる層である。ここで第二保護層より下に形成された層を加工するときには前もって第二保護層を第一保護層、第一有機化合物層等が有すべきパターン形状に従って第二保護層のパターンを形成する必要がある。第二保護層のパターン形成方法としては、感光性のある材料を利用したフォトリソグラフィーによるパターニングが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、パターニングの具体的手法については、後述する。
また本発明においては、工程(B)及び(C)に代えて、第一保護層の機能と第二保護層の機能とを有する単一層を形成する工程を設けてもよい。
工程(G)において形成される第二有機化合物層は、少なくとも第一発光層とは異なる種類の光を出力する第二発光層が含まれる、単一層もしくは複数の層で構成される積層体である。
また本発明においては、上記(D)において示される第二保護層の加工工程によって得られる第二保護層のパターンが、第二領域内においても形成されている。この第二領域の中でも封止膜やガラス等の封止部材を設置する基板上の領域(封止領域)に第二保護層のパターンが形成されているのが好ましい。
尚、上記工程(A)乃至(H)の詳細については、後述する。
次に、図面を参照しながら、本発明の製造方法によって製造される有機発光装置について、詳しく説明する。尚、特に図面による図示又は本明細書による説明がない部分に関しては、当該技術分野における周知もしくは公知技術を適用することができる。また、以下に説明する実施形態は、あくまでも本発明に係る発光装置の製造方法の一例にすぎず、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
[有機発光装置]
図1は、本発明の製造方法で作製される有機発光装置の例を示す模式図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)中のAA’断面を示す図である。また図2は、図1中の囲み部分(α部分)を示す模式図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)中のBB’断面を示す図である。尚、図1中のαで示される囲み部分は、図1の有機発光装置の発光領域に相当する。
図1の有機発光装置1は、基板10上に、第一領域11(発光領域)と、この第一領域の周縁に設けられる第二領域12と、を有している。ここで第一領域11は、後述するように複数の有機発光素子が設けられている領域でもある。また図1の有機発光装置1は、さらに有機発光素子の構成部材である第二電極に電気接続されるコンタクト部13と、外部から電源や信号の供給を受けるための外部接続端子14と、を有している。尚、図1の有機発光装置1において、コンタクト部13は、第一領域11(発光領域)と共に封止部材が基板10と接触する領域である封止領域15に囲まれている形式で設けられている。
ところで図1の第一領域11(発光領域)には、図2に示されているように、発光色が異なる3種類の有機発光素子(第一有機発光素子20a、第二有機発光素子20b、第三有機発光素子20c)がマトリックス状に設けられている。図2に示される第一有機発光素子20aは、第一電極21aと、第一有機化合物層22aと、第二電極23と、がこの順に基板10上に設けられる電子素子である。図2に示される第二有機発光素子20bは、第一電極21bと、第二有機化合物層22bと、第二電極23と、がこの順に基板10上に設けられる電子素子である。図2に示される第三有機発光素子20cは、第一電極21cと、第三有機化合物層22cと、第二電極23と、がこの順に基板10上に設けられる電子素子である。また図2に示される有機発光素子(20a、20b、20c)は、いずれも上部を封止層30にて被覆・封止されている。
図2に示される有機発光素子(20a、20b、20c)において、下部電極に相当する第一電極(21a、21b、21c)は、基板10上に、素子単位で個別に、かつ平面から見てマトリックス状に形成される電極である。尚、第一電極は、複数の有機発光素子に共通する電極として形成してもよい。これにより、複数種類の色を混合することで得られる色の光を出力させることができる。また第一電極(21a、21b、21c)は、基板10に内蔵されている回路層(不図示)と電気的に接続されている。
また図2に示される有機発光素子(20a、20b、20c)において、各有機発光素子が有する発光層(第一発光層、第二発光層、第三発光層)は、それぞれ異なる色を発光する層である。例えば、第一発光層、第二発光層、第三発光層を、順に赤色発光層(R発光層)、緑色発光層(G発光層)、青色発光層(B発光層)とすることで、フルカラー表示が可能になる。
さらに、図2に示される有機発光素子(20a、20b、20c)において、上部電極に相当する第二電極23は、各有機発光素子(20a、20b、20c)に共通する層として形成される共通層であるが、本発明ではこの態様に限定されるものではない。例えば、第二電極23を有機発光素子(20a、20b、20c)ごとに個別に形成されていてもよい。尚、第二電極23がコンタクト部13に電気接続されることは既に述べたが、コンタクト部13と外部接続端子14との間に設けられる電気回路により、第二電極23は外部接続端子14を介して外部電源(不図示)に電気接続されている。
ところで、有機化合物層(22a、22b、22c)を構成する有機材料は水分を浸透し易いことから、有機化合物層を有する有機発光素子は水分による劣化が著しい。このため、この有機発光素子を覆って外部から発光領域12へ水分が浸入するのを抑制するために、封止層30が設けられている。
図1の有機発光装置1において、封止層30は、発光領域12を取り囲むように設けられており、各有機発光素子への水分の侵入経路を断つのに必要な部材である。ここで封止層30を設ける際には、基板10上であって第一領域11(発光領域)の周縁、即ち、第二領域12内の所定の領域に形成されている有機化合物層の少なくとも一部を除去しておく必要がある。この所定の領域とは、具体的には、図1中の封止領域15である。この封止領域15は、封止層30を設ける位置を決めるために基板10上に設けられた領域であり、少なくとも一部に水分を浸透しにくい構成を有している。
尚、封止層30は、防湿性の高い材料で形成される薄膜状の部材であるが、本発明はこれに限定されるものではない。図1に示される封止層30に替えて、ガラスキャップ等を透湿性の低い接着剤を用いて基板10に固定することで外部からの水分の浸入を抑制してもよい。ここでガラスキャップ等を基板10に固定するために使用される接着剤は、封止領域15において塗布されるのが望ましい。
[有機発光装置の製造方法]
次に、本発明の有機発光装置の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、下記(A)乃至(H)に示される工程を有している。
(A)少なくとも第一発光層を含む第一有機化合物層を形成する第一有機化合物層の形成工程
(B)第一有機化合物層上に少なくとも剥離層を含む第一保護層を形成する第一保護層の形成工程
(C)第一保護層上に第二保護層を形成する第二保護層の形成工程
(D)第二保護層の一部を除去し、第二保護層のパターンを得る第二保護層の加工工程
(E)第二保護層のパターンに従って第一保護層の一部を除去し、第一保護層のパターンを得る第一保護層の加工工程
(F)第二保護層のパターンに従って第一有機化合物層の一部を除去し、第一有機化合物層のパターンを得る第一有機化合物層の加工工程
(G)少なくとも第一有機化合物層上に、第二発光層を含む第二有機化合物層を形成する第二有機化合物層の形成工程
(H)第一保護層を選択的に除去する剥離液に接触させ、少なくとも第一保護層と、第一保護層上に形成された第二保護層及び第二有機化合層と、を共に除去するリフトオフ工程
[第一の実施形態]
図3は、本発明の有機発光装置の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。以下、図3に示される製造プロセスに基づいて各工程を説明する。尚、図3に示される製造プロセスは、図1の有機発光装置1を製造するための製造プロセスである。
(1)電極付基板
まず図3に示される製造プロセスに使用される基板について説明する。尚、図3(a)に示されるように、この基板10には、予め複数の第一電極(21a、21b、21c)が、発光部に対応する領域に設けられている。
基板10は、透明であっても不透明であってもよい。具体的には、ガラス、合成樹脂等からなる絶縁性基板、表面に酸化ケイ素(SiO2)膜、窒化ケイ素(SiN)膜、窒化酸化ケイ素(SiON)等の絶縁性材料からなる薄膜が形成された導電性基板又は半導体基板が挙げられる。トップエミッション型の有機発光装置を作製する場合、基板10は特に限定されないが、ボトムエミッション型の有機発光装置を作製する場合、基板10は透明なものを用いる。
また基板10内には、必要に応じて、トランジスタ(TFT)を含む駆動回路(不図示)、平坦化膜(不図示)、画素分離膜(不図示)等を適宜設けてもよい。基板10内に駆動回路が含まれる場合、この駆動回路に含まれているTFTは、例えば、ポリシリコンからなる半導体層から形成されるものであるがこれに限定されるものではなく非晶質シリコン、微結晶シリコン等を用いて形成される部材であってもよい。
平坦化層は、トランジスタを含む駆動回路を形成したときにこの駆動回路を設けることで生じた凹凸を埋めるために設けられる層である。また平坦化層は、絶縁材料から形成される層である。具体的には、感光性ポリイミド等の有機材料、あるいは酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、窒化酸化ケイ素(SiON)等の無機材料から形成される層である。
図3(a)に示されるように、発光領域に相当する第一領域11には、画素電極となる第一電極(21a、21b、21c)が複数設けられている。第一電極(21a、21b、21c)は、例えば、Al、Ag、Au、Pt、Cr等の反射率が高い金属やこれらの材料を2種類以上組み合わせてなる合金等の光反射性の材料からなる電極であることが好ましい。また第一電極(21a、21b、21c)は、上記光反射性の材料からなる電極薄膜として形成されてもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記光反射性の材料からなる電極薄膜と、この薄膜上に設けられるITO、IZO等の透明導電性材料からなる透明電極薄膜とが積層してなる積層電極薄膜としてもよい。また第一電極(21a、21b、21c)は、陽極又は陰極となる電極である。ここで第一電極(21a、21b、21c)を陽極として用いる場合には、正孔が注入し易いように仕事関数が大きい材料を構成材料とするのが好ましい。
第一電極(21a、21b、21c)を形成する際は、例えば、導電性薄膜を形成する工程と、当該導電性薄膜を加工する工程と、を経て、各有機発光素子の発光部に相当する領域に形成される。ここで導電性薄膜を形成する工程は、具体的には、スパッタリング法や蒸着法等の真空成膜法を用いて基板10上の全面に導電性薄膜を形成する工程である。また当該導電性薄膜を加工する工程は、具体的には、フォトリソグラフィー等の公知のフォトリソプロセスにて導電層を発光部毎にパターニングする工程である。
第一電極(21a、21b、21c)を形成した後、各有機発光素子(20a、20b、20c)を素子単位で区画して発光部となる領域を決定するための素子分離膜を適宜設けてもよい。素子分離膜は絶縁性材料からなる膜であり、感光性ポリイミドのような有機材料や窒化ケイ素(SiN)のような無機材料を用いて形成される。尚、素子分離膜が設けられる場合、この素子分離膜には、少なくとも第一電極(21a、21b、21c)に対応する領域に開口を設ける。
一方、図3(a)に示されるように、第二領域12内に封止領域15が設けられている。封止領域15は、具体的には、金属、金属酸化物、窒化物等の水を浸透しにくい材料から形成される薄膜が設けられている基板10上の領域である。また後の工程で水を浸透しにくい封止膜(図2の符号30)を封止部材として形成する場合、封止領域15は、当該封止膜が少なくとも接触すべき基板上の領域となる。またガラス蓋等の封止部材を基板10上に接着して封止を行う場合は、封止領域15が封止部材と基板10との接着領域(封止するための接着剤を塗布する領域)となる。
(2)有機化合物層の形成工程(図3(a))
図3に示される製造プロセスにおいては、まず下部電極である第一電極(21a、21b、21c)が形成されている基板10上に、有機化合物層(第一有機化合物層22a)を形成する(図3(a))。
一般的に、有機化合物層(第一有機化合物層22a)は、少なくとも発光層を有する単層あるいは複数層からなる積層体である。有機化合物層(第一有機化合物層22a)が複数層からなる積層体である場合、必要に応じて正孔注入層や正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層等の機能層を適宜設けてもよい。また有機化合物層(第一有機化合物層22a)の膜厚は、光学干渉距離によって決定することもできる。ここで光学干渉距離によって有機化合物層の膜厚を決定する場合では、有機発光素子の種類ごとに発光色が異なることから有機化合物層の膜厚も有機発光素子の種類ごとに異なるように設定される。ここで有機化合物層(第一有機化合物層22a)の膜厚は、具体的には、数十nm乃至数百nmの厚さとする。
各有機発光素子にそれぞれ含まれる発光層の構成材料としては、低分子系材料を用いてもよいし高分子材料を用いてもよい。また発光層を形成する際には、材料や用途に応じて真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法等を利用した塗布法等の公知の方法を適宜選択することができる。一般に、低分子系材料の場合は真空蒸着法等が利用され、高分子材料の場合はスピンコート法、インクジェット法等を利用した塗布法等が利用される。
発光層の構成材料として用いられる低分子系材料として、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族縮合多環化合物、芳香族複素環化合物、芳香族複素縮合環化合物、金属錯体化合物等及びこれらの単独オリゴ体あるいは複合オリゴ体等を使用できるが、本発明に係る部分を除いては、これに限定されるものではない。
発光層の構成材料として用いられる高分子系材料として、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、その他、上記低分子材料を高分子化したもの等、を使用できるが、本発明に係る部分を除いてはこれに限定されるものではない。また、これらの材料は本発明の構成として例示の材料に限定されるものではない。
また図3(a)にて形成される第一有機化合物層22aが発光層と発光層以外の機能層とを含む積層体である場合、当該機能層の形成方法としては、発光層の形成方法と同様の方法を採用することができる。また当該機能層の構成材料としては、公知の電荷注入・輸送材料を使用することができる。さらに発光層以外の機能層の全て又は一部を全ての有機発光素子に共通する層として形成してもよい。
ところで、本実施形態では、第一有機化合物層22aは第一領域11のみに形成され封止領域14を含めた第二領域12には形成されていない。ただし本発明において、第一有機化合物層22aを設ける領域は、第一領域11のみに限定されるものではない。
(3)第一有機化合物層の加工工程
次に、第一有機化合物層22aを所望のパターンに加工する。フォトリソグラフィーを利用して第一有機化合物層22aを加工する際には、まず第一有機化合物層22a上にレジスト層を形成し、このレジスト層の所定の領域に光を照射し、現像処理を行うことでレジスト層のパターンを形成する。そしてこのレジスト層のパターンに沿ってドライエッチング処理を行うことで第一有機化合物層22aのパターンが形成される。
ここで第一有機化合物層22aの構成材料が、レジスト層を形成される際に使用されるレジスト液に含まれる溶媒に溶解しない又は溶解しにくい材料である場合は、第一有機化合物層22a上に直接レジスト層を設けてもよい。また第一有機化合物層22aの構成材料を溶解しない溶媒を含むレジスト液を選択できる場合も同様である。
一方、第一有機化合物層22aの構成材料が、上記レジスト液に含まれる溶媒に可溶である材料である場合は、レジスト層を設ける前に、第一有機化合物層22aを保護するための部材(保護層)を第一有機化合物層22a上に形成する。第一有機化合物層22a上に保護層を形成する必要がある場合、本工程(第一有機化合物層22aの加工工程)は、より具体的には、下記に示される工程からなる。
(3−1)第一保護層の形成工程(図3(b))
(3−2)第二保護層の形成工程(図3(c))
(3−3)レジスト層の形成工程(図3(d))
(3−4)露光工程(図3(d))
(3−5)現像工程(図3(e))
(3−6)第二保護層の加工工程
(3−7)第一保護層の加工工程
(3−8)第一有機化合物層の部分的除去工程(図3(f))
ただし、(3−1)乃至(3−7)にて示された工程は、あくまでも具体例であり、第一有機化合物層22aや第一保護層41の構成材料によっては、工程の一部を省略してもよい。例えば、第一有機化合物層22a上に直接レジスト層が設けられる場合は、(3−1)、(3−2)、(3−6)及び(3−7)の工程を省略することができる。また(3−3)乃至(3−5)の工程を行う際に、第一保護層へのダメージが許容できる範囲であれば、レジスト層を第二保護層として使用した上で(3−2)及び(3−6)の工程を省略することもできる。ここで第一保護層へのダメージとは、工程(3−3)で行われる加熱処理や工程(3−4)で行われる露光等の物理的なダメージ、及び工程(3−3)で使用されるレジスト液や工程(3−5)で使用される現像液等による化学的ダメージがある。また、パターニングを行う際にサイドエッチング量等による、パターン精度の変動が発生し得るため、これらの点を考慮して、採用する工程を決める必要がある。
以下、(3−1)乃至(3−7)にて示された工程に沿って第一有機化合物層22aを加工する場合について説明する。
(3−1)第一保護層の形成工程(図3(b))
まず第一有機化合物層22a上に第一保護層41を形成する。この工程で形成される第一保護層41は、第一有機化合物層22aのパターンを形成するために用いられる部材であって剥離層を含んでいる。剥離層とは、所定の剥離液によって処理することで、レジスト液から第一有機化合物層22aを保護するために設けられる保護層(例えば、後述する第二保護層42)を第一有機化合物層22aから容易に除去できるようにするために設けられる層である。また剥離層は、第一有機化合物層22aの構成材料を溶解しない溶媒に可溶な材料からなる層であるが、第一有機化合物層22aの構成材料が有機材料であることを考慮すると、剥離層の構成材料として、例えば、水溶性の高分子材料が挙げられる。ただし本発明において、剥離層の構成材料は水溶性の高分子材料に限定されるものではなく、水や無機塩水溶液に溶解される材料であればよい。
剥離層の構成材料として用いられる水溶性の高分子材料として、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルピロリドン(PVP)等の公知の材料を用いることができる。またこれら水溶性の高分子材料を用いて剥離層を形成する場合は、塗布法や印刷法等の公知の方法を用いることができる。
また後述する第一保護層41の除去工程において第一保護層41を除去する際に使用される剥離液は、第一有機化合物層22aの構成材料を溶解しない又は溶解しにくいものを使用する。第一保護層41を基準とした剥離液への相対的な溶解度(第一保護層41の溶解度が1)という観点から考えると、第一有機化合物層22aの溶解度は、好ましくは、1/10以下であり、より好ましくは、1/50以下である。
尚、第一保護層41は、上述した剥離層のみであってもよいが、この剥離層上にさらに他の層が積層されている態様であってもよい。また第一保護層41は、図3(b)に示されるように、第一領域11だけでなく封止領域14を含めた第二領域12上にも形成される。
(3−2)第二保護層の形成工程(図3(c))
次に、第一保護層41上に、第二保護層42を形成する。第二保護層42の構成材料として、例えば、レジスト材料を用いたフォトリソグラフィー工程のようなウエットな工程から剥離層(第一保護層41)や有機化合物層(第一有機化合物層22a)を保護することができる材料が好ましい。例えば、酸化ケイ素(SiO2)膜、窒化ケイ素(SiN)膜、窒化酸化ケイ素(SiON)等の公知の無機材料を用いることができるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。また第二保護層42は、後述するレジスト層43に形成されたパターンを下層(第一保護層41、第一有機化合物層22a)に転写する役割も果たしている。
尚、第二保護層42は、は、図3(c)に示されるように、第一領域11だけでなく封止領域15を含めた第二領域12上にも形成される。
(3−3)レジスト層の形成工程
次に、第二保護層42上にレジスト材料を塗布してレジスト層43を形成する。尚、本工程で使用されるレジスト材料としては、公知のレジスト材料(感光性材料)を使用することができる。またレジスト層43の形成方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ディッピング法、スプレーコート法等の公知の方法を選択することができる。
尚、レジスト層43は、図3(d)に示されるように、第一領域11だけでなく封止領域15を含めた第二領域12上にも形成される。
(3−4)露光工程(図3(d))
次に、レジスト層43の所定の領域に光51を照射する(図3(d))。本工程で使用される露光装置としては、MPA、ステッパー等の露光装置が挙げられる。また本工程において光を照射する際には、所定の領域に遮蔽部52aが設けられているフォトマスク52が使用される。尚、図3(d)に示されるフォトマスク52には、第一有機発光素子20aを設ける領域及び第二領域12内の一部の領域に遮蔽部52aが設けられているが、本発明において遮蔽部52aを設ける位置はこれに限定されるものではない。一方、本工程で使用されるフォトマスク52は、封止領域15内の所定の領域(15a)に開口52bが設けられている。
(3−5)現像工程(図3(e))
次に、現像液を使用して、露光工程において光を照射した部分のレジスト層を選択的に除去する(図3(e))。本工程で使用される現像液としては、公知のものを使用することができる。
(3−6)第二保護層の加工工程
次に、現像工程後において残存しているレジスト層43をマスクとして、CF4等の化学反応性エッチングガスを用いたドライエッチングにより第二保護層42を加工する。尚、ドライエッチングの方法として、アルゴンガス等を用いた物理的エッチング方法、酸素を用いてアッシングする方法等を採用してもよい。このドライエッチングによって、残存しているレジスト層43に被覆されていない領域に設けられている第二保護層42が選択的に除去される。尚、第二保護層42を加工する際にドライエッチングを利用すると、基板10に対してほぼ垂直に薄膜を除去することが可能である。このため、加工(パターニング)された第一有機化合物層22aは、その端部の傾斜角が90°近い角度になる。その結果、ドライエッチングを利用すると、他の方法に比べて精細度が高いパターニングが実現できる。
ところで、本工程により、第二領域12内に形成される第二保護層42も一部加工される。ここで発光領域となる第一領域11では、画素単位で有機化合物層(第一有機化合物層22a等)をパターニングするため、剥離液が浸透するための経路が画素単位で確保される。これに対して、発光領域から外れた第二領域12では、第一領域11のように有機化合物層(第一有機化合物層22a等)の細かいパターニングが行われない。このため、封止領域15を含めた第二領域12において剥離液を浸透させるために、第二領域12の所定の領域(図3(d)中の符号15a)に設けられている第二保護層42を除去し、剥離液が少なくとも封止領域15内に浸透するための経路を確保する必要がある。
そこで、図面を参照しながら第二領域12内に形成される第二保護層42の加工の態様について説明する。図4は、図1中の囲み部分(β部分)にて形成される第二保護層のパターンの例を示す平面模式図である。尚、図1中のβ部分は、封止領域15に含まれる領域である。
第二領域12内、特に、封止領域15内に形成される第二保護層42の加工の態様として、好ましくは、図4に示されるように、第二保護層42の加工領域15aの外周が、封止領域15から外れないようにする態様である。即ち、封止領域15内に形成される第二保護層42を加工する際には、第二保護層42の加工領域15aが全て封止領域15に収まるようにするのが好ましい。このように第二保護層42の加工領域を設定することで、後述する第一保護層の除去工程において使用される剥離液は当該加工領域15aから侵入する。これにより、特に、封止領域15に設けられていた第一保護層41の剥離がより容易になるため、封止領域15内において、封止不良の原因となる第一保護層41等の構成材料であった有機化合物の残渣が存在しない領域が連続して形成される。従って、封止膜や封止部材を設ける際に、有機化合物の残渣が存在しない領域に接触するように封止膜を形成したり有機化合物の残渣が存在しない領域に封止部材を接着させるための接着剤を塗布したりすることが可能となり、封止不良による画像劣化を防止できる。
(3−7)第一保護層の加工工程
次に、第二保護層の加工工程後において残存している第二保護層42をマスクとして、化学反応性エッチングガスを用いたドライエッチングにより第一保護層41を加工する。このドライエッチングによって、直前の工程(第二保護層の加工工程)まで残存しているレジスト層43が除去されると共に、残存している第二保護層42に被覆されていない領域に設けられている第一保護層41が選択的に除去される。尚、本工程で利用されるドライエッチングの手法としては、酸素を用いてアッシングする方法、フッ素系ガス等の化学反応性を利用する方法、アルゴンガス等を用いた物理的エッチング方法等が挙げられ、第一保護層41の構成材料によって適宜選択することができる。
尚、本工程において、第二領域12内で形成された第一保護層41も、例えば、図4に示されるように第二保護層42の加工領域42aに沿って加工される。ここで剥離液が第一保護層41に浸透して、残渣なく剥離できるようにするために第二保護層42の除去された領域間の距離は、様々な要因によって左右される。具体的には、剥離液温度、剥離液濃度、剥離時の剥離液の振動、第1の保護層の剥離液に対する溶解度、第1の保護層の膜厚等の要因に左右される。本発明においては、第一保護層41のパターンの間隔の最小は、第一領域11内で形成された第一保護層41のパターンの間隔の最小の100倍以下であることが好ましい。これにより第一保護層41の残渣が生じない良好な剥離を実現できる。
(3−8)第一有機化合物層の部分的除去工程(図3(f))
次に、第一保護層の加工工程後において残存している第一保護層41及び第二保護層42をマスクとして、ドライエッチングにより第一有機化合物層22aを加工する(図3(f))。このドライエッチングによって、第一有機化合物層22aは、第一有機発光素子20aを設ける領域にのみ残存し他の領域においては除去される。尚、本工程において行われるドライエッチングは、第一保護層の加工工程で利用されるドライエッチングの手法を同一であってもよいし、異なっていてもよい。
尚、第二保護層42は、後述する第一保護層の除去工程により下層の第一保護層41と共に除去されるため、第二保護層42上にレジスト層43の残渣が残っていたとしても問題とならない。ただし本工程を終えた段階で第一電極(21b、21c)の表面に残渣があるとこの残渣が素子の特性に多大な影響を与える。このため、本工程において、ドライエッチングは、第一電極(21b、21c)の表面に第一有機化合物層22aの残渣が完全に除去されるまで実施される。
(4)第二有機化合物層の形成工程(図3(g))
次に、第二有機化合物層22bを、第一領域11及び第二領域12にわたって形成する(図3(g))。本工程において、第一有機化合物層22a上に設けられる第一保護層41(剥離層)の端面や側面は、第二保護層41や第二有機化合物層22bに覆われることなく剥き出しになっている。このため、次の工程で第一保護層41を剥離、除去する際に使用する剥離液が侵入しやすくなる。ところで、剥離層は剥き出しになっていることが好ましいが、第二有機化合物層22bに一部被覆されることで剥離層が完全に剥き出しになっていない状況であっても、剥離層の端面を被覆する第二有機化合物層はその膜厚は薄くなっている。ここで第二有機化合物層22bの膜厚が薄くなっている部分が剥離液に若干溶解することで剥離層が露出する部分が生じ、そこから溶液を侵入させることができる。
尚、第二有機化合物層22bを形成する際には、第一有機化合物層22aを形成する際に利用した方法を含めた各種の製法を適用することができる。ここで第二有機化合物層22bを塗布法で形成する場合は、下記要件(4−1)及び(4−2)を満たす必要がある。
(4−1)上記塗布法で使用される溶媒が第二有機化合物層22a及び第二保護層51に影響を与えないこと
(4−2)第二有機化合物層22bの構成材料が、第一保護層41を除去する際に使用される剥離液に対して溶解しない又は溶解しにくいこと
一方で、真空蒸着法で第二有機化合物層22bを形成すると、上記要件(4−1)及び(4−2)を考慮する必要がないため、材料の選択肢が増える。
(5)第一保護層の除去工程(図3(h))
次に、剥離液を第一保護層に浸透させて直前の工程(第二有機化合物層の形成工程)までに第一領域11及び第二領域12において残存していた第一保護層41をそれぞれ除去する(図3(h))。本工程は、具体的には、剥離層である第一保護層41の構成材料が選択的に溶解される溶媒に浸漬させて第一保護層41の剥離を行う。第一保護層41の構成材料が、例えば、水溶性高分子材料である場合では、使用される溶媒としては、基本的には純水である。ただし、第一保護層41に対する溶解度を上げる目的で、必要に応じて加温した純水を使用したり、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を10%〜50%程度純水と混合させてなる混合溶媒等を使用したりしてもよい。また、超音波等を用いて溶媒の侵入を促進してもよい。
本工程を終えた段階で、第一領域11においては、2種類の有機化合物層、即ち、第一有機化合物層22aと第二有機化合物層22bとからなる有機化合物層のパターンが形成されることとなる。
一方、本工程を終えた段階で、第二領域12においては、第二有機化合物層22bのパターンが形成される。
(6)第二有機化合物層の加工工程
以上に説明した有機化合物層のパターニングに関する工程(第一有機化合物層の加工工程)を適宜繰り返すことで所定の有機化合物層のパターニングが可能となる。例えば、図3(h)に示されるように、第一保護層41を除去した後、第二有機化合物層42の加工を目的として、下記に示される工程を行うことで第二有機化合物層にパターニングを行うことができる。
(6−1)第一保護層の形成工程
(6−2)第二保護層の形成工程(図3(i))
(6−3)レジスト層の形成工程(図3(j))
(6−4)露光工程(図3(j))
(6−5)現像工程
(6−6)第二保護層の加工工程(図3(k))
(6−7)第一保護層の加工工程
(6−8)第二有機化合物層の部分的除去工程(図3(l))
ここで、(6−1)乃至(6−8)に示される工程については、(3−1)乃至(3−8)に示される工程において利用された方法と同一の方法で行うことができる。
(7)第三有機化合物層の形成工程
次に、第三有機化合物層22cを、第一領域11及び第二領域12にわたって形成する(図3(m))。本工程において、第一有機化合物層22a上及び第二有機化合物層22bに設けられる第一保護層41(剥離層)の端面や側面は、第二保護層41や第三有機化合物層22cに覆われることなく剥き出しになっている。このため、次の工程で第一保護層41を剥離、除去する際に使用する剥離液が侵入しやすくなる。ところで、剥離層は剥き出しになっていることが好ましいが、第三有機化合物層22cに一部被覆されることで剥離層が完全に剥き出しになっていない状況であっても、剥離層の端面を被覆する第二有機化合物層はその膜厚は薄くなっている。ここで第三有機化合物層22cの膜厚が薄くなっている部分が剥離液に若干溶解することで剥離層が露出する部分が生じ、そこから溶液を侵入させることができる。
尚、第三有機化合物層22cを形成する際には、第一有機化合物層22aや第二有機化合物層22bを形成する際に利用した方法を含めた各種の製法を適用することができる。ここで第三有機化合物層22cの具体的な形成方法としては、第二有機化合物層22bと同様に塗布法、真空蒸着法等を利用することができる。また第三有機化合物層22cの構成材料としては、第三有機化合物層22cの形成方法を考慮して適宜選択することができる。
(8)第一保護層の除去工程(図3(n))
次に、剥離液を第一保護層に浸透させて前工程(第三有機化合物層の形成工程)までに第一領域11及び第二領域12において残存していた第一保護層41をそれぞれ除去する(図3(n))。
本工程を終えた段階で、第一領域11においては、3種類の有機化合物層、即ち、第一有機化合物層22aと第二有機化合物層22bと第三有機化合物層22cとからなる有機化合物層のパターンが形成されることとなる。
一方、本工程を終えた段階で、第二領域12においては、第三有機化合物層22cのパターンが形成される。尚、第二有機化合物層の形成工程において、第二領域12に形成されている第二有機化合物層22bは、第二有機化合物層の加工工程において除去されている(図3(l))。
(9)電子注入層の形成工程
以上のようにして三種類の有機化合物層(22a、22b、22c)をそれぞれ所望の形状にパターニングした後は、必要に応じて電子注入層等の機能層を成膜する。
電子注入層は、電子注入性を向上させるために低仕事関数であるアルカリ金属やアルカリ土類金属、これらの化合物、もしくはこれらをドープした有機層、金属層を用いる。しかし、電子注入材料は反応性が高く、大気中の水分や酸素と反応して電子注入性が損なわれてしまい、素子化した際に高電圧化してしまうため、本発明のように溶液に浸漬するような工程に用いることは好ましくない。そのため、本発明において電子注入層は、溶液にて有機層を除去したのちに十分に乾燥させてから成膜する。電子注入層はアルカリ金属やアルカリ土類金属、これらの化合物を0.5nm〜5nm程度の単層薄膜として用いる場合と、アルカリ金属やアルカリ土類金属、もしくはこれらの化合物をドープした有機層は、有機材料との共蒸着によって形成される場合がある。また、電子注入層を用いずに、アルカリ金属やアルカリ土類金属、もしくはこれらの化合物を直接的に上部電極に含ませてもよく、この場合には、Ag等のカソード材料とMg等の低仕事関数の金属を共蒸着する等、公知の方法で用いることができる。
(10)第二電極の形成工程
続いて上部電極である第二電極23を成膜する。上部電極はITOやIZOのような透明導電膜や、AgやAl、これらを含む合金のような反射膜を用いることができ、これらの形成方法としては一般的に蒸着法やスパッタリング法を用いて形成する。
また、カソードコンタクトを表示領域内に設ける場合には、剥離層が除去される領域の一部について、図1(a)に示されるようにコンタクト部13を設けてもよい。
(11)封止工程
本発明において、封止に関しては特に制限されず、吸湿剤とガラスキャップを用いて封止しても良いが、封止層30(防湿層)として窒化ケイ素(SiN)膜等を用いた場合、封止層30の膜厚は1μm乃至10μm程度とする。
本発明では、以上に説明された方法により有機発光装置が製造されるが、本発明に係る部分以外の部分については、上述した実施形態にて説明した手法に限定されることなく、公知の製造方法を採用することができる。
[第二の実施形態]
図5は、本発明の有機発光装置の製造方法における第二の実施形態を示す断面模式図である。以下、各工程について図5に示される製造プロセスに基づいて説明する。尚、図5に示される製造プロセスは、図1の有機発光装置1を製造するための製造プロセスであり、以下の説明では、第一の実施形態との相違点を中心に説明する。
(1)電極付基板
本実施形態においても第一の実施形態にて説明した下部電極(21a、21b、21c)が形成されている基板10を使用することができる。
(2)第一有機化合物層の形成工程(図5(a))
第一有機化合物層22aの形成にあたっては、第一の実施形態にて説明した方法にて行うことができる。尚、本発明においては、本実施形態、より具体的には、図5(a)に示されるように、第一有機化合物層22aを、第一領域11に限定せずに封止領域15を含めた第二領域12にも設けてもよい。
(3)第一有機化合物層の加工工程(図5(b)〜(f))
第一有機化合物層22aの加工にあたっては、第一の実施形態にて説明した方法にて行うことができる。本工程により、第一領域11及び第二領域12に設けられる第一有機化合物層22aは、第一保護層41及び第二保護層42を重ねた態様でそれぞれ所望の形状に加工される。
尚、第二領域12に設けられる第一有機化合物層22aは、例えば、図6に示される形状にパターニングされている。ここで図6に示される第一有機化合物層22aの加工領域は、第二保護層42の加工領域でもあり、その外周は、図4に示される態様と同様に封止領域から外れないようにする態様である。このように加工領域を設定することで、封止領域15内において封止不良の原因となる有機化合物の残渣が存在しない領域が連続して形成される。従って、封止膜や封止部材を設ける際に、有機化合物の残渣が存在しない領域に接触するように封止膜を形成したり、有機化合物の残渣が存在しない領域に封止部材を接着させるための接着剤を塗布したりすることで封止が良好な有機発光装置を提供することができる。
(4)第二有機化合物層の形成工程(図5(g))
第二有機化合物層22bの形成にあたっては、第一有機化合物層22aの場合と同様に、第一の実施形態にて説明した方法にて行うことができる。
(5)第一保護層の除去工程(図5(h))
第一保護層41の除去にあたっては、第一の実施形態にて説明した方法、具体的には、剥離液を使用して第一保護層41の除去を行うことができる。
(6)第二有機化合物層の加工工程(図5(i)〜(l))
第二有機化合物層22bの加工にあたっては、第一有機化合物層22aの場合と同様に、第一の実施形態にて説明した方法にて行うことができる。本工程により、第一領域11及び第二領域12に設けられる第二有機化合物層22bは、第一保護層41及び第二保護層42を重ねた態様でそれぞれ所望の形状に加工される。
(7)第三有機化合物層の形成工程(図5(m))
第三有機化合物層22cの形成にあたっては、第一有機化合物層22aや第二有機化合物層22bの場合と同様に、第一の実施形態にて説明した方法にて行うことができる。
(8)第一保護層の除去工程(図5(n))
第一保護層41の除去にあたっては、第一の実施形態にて説明した方法、具体的には、剥離液を使用して第一保護層41の除去を行うことができる。
(9)電子注入層の形成工程、第二電極の形成工程、封止工程
以上のようにして三種類の有機化合物層(22a、22b、22c)のパターニングが完了した後、有機発光素子を構成し、全ての有機発光素子において共通する層(電子注入層等)を形成する。そして第二電極23を形成した後、有機発光素子を封止するための封止層又は封止部材を設ける。以上の工程を経て有機発光装置が得られる。
以上のように本発明の製造方法を用いることで、発光領域外の領域でも、剥離層に効果的に溶液を浸透させることができ、剥離層を剥離することにより残渣を防ぎ、封止不良による劣化等を抑制し、良好な有機発光装置を得ることができる。
[実施例1]
図3に示される製造プロセスに基づいて図1の有機発光装置1を作製した。
(1)電極付基板
まずガラスからなる基材上に、トランジスタを含む回路層と、この回路層を被覆する絶縁層が設けられたガラス基板(基板10)を用意した。尚、この基板10には、図1(a)に示されるように、第二領域12内の領域であって封止領域15よりも内側の領域にコンタクト部13が、第二領域12内の領域であって封止領域15よりも外側の領域に外部接続端子14が、それぞれ設けられていた。次に、以下に説明する方法で発光部に相当する領域に第一電極(21a、21b、21c)を形成した。
まずスパッタリング法により、基板10の全面にAl合金とITOとをこの順に成膜してAl合金膜とITO膜とからなる導電性薄膜層を形成した。次に、フォトリソプロセスを利用したパターニングを行い、上記導電性薄膜層を発光部毎に分割して、行方向及び列方向に複数の第一電極(21a、21b、21c)を形成した。
次に、第一電極(21a、21b、21c)が形成されている基板について、UVオゾン処理を行うことで、各第一電極(21a、21b、21c)の表面を清浄した。以上の工程により作製した基板を電極付基板として以下の工程で使用した。
(2)第一有機化合物層の形成工程(図3(a))
第一領域11に開口を有するマスクを使用し、真空蒸着法により、正孔輸送層と、第一発光層と、電子輸送層とがこの順に積層してなる第一有機化合物層22aを形成した(図3(a))。
まず基板10上及び第一電極(21a、21b、21c)上に、α−NPDを成膜して正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を200nmとした。次に、正孔輸送層上に、CBP(ホスト)と、Ir(piq)3(ゲスト)と、を共蒸着して第一発光層(赤色発光層)を形成した。このとき第一発光層の膜厚を80nmとした。次に、第一発光層上にクリセン系材料を成膜して正孔をブロックする機能を有する電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を10nmとした。
(3)第一有機化合物層の加工工程(図3(b)〜(f))
次に、以下に説明する手順で第一有機化合物層22aを加工した。
まずポリビニルピロリドン(PVP)を純水に対して5重量%となるように溶解させたPVP溶液を調製した。次に、このPVP溶液を、スピンコート法により、基板10の(第一有機化合物層22aが設けられている面側の)全面にわたって塗布することで第一保護層41を形成した(図3(b))。このとき第一保護層41の膜厚は0.5μmであった。
次に、CVD法により、第一保護層41上に窒化シリコンを成膜して第二保護層42を形成した(図3(c))。このとき第二保護層42の膜厚を0.3μmとした。
次に、ポジ型のフォトレジスト材料(東京応化社製:OFPR−800)を成膜してレジスト層43を形成した。次に、第一領域11においては第一有機発光素子20a以外の領域に、第二の領域においては第二保護層42及び第一保護層41の加工領域に開口を有するマスクを使用してレジスト層43に光を照射した(図3(d))。次に、現像液(東京応化製:NMD−3)を用いてレジスト層43の現像を行った(図3(e))。
次に、現像後のレジスト層43をマスクとして、フッ化炭素ガスを用いたドライエッチング法により、レジスト層43からなるマスクに覆われていない領域に設けられている第二保護層42を除去することにより、第二保護層42を加工した。本実施例において、封止領域15に設けられている第二保護層42は、図4に示されるように、符号15aの部分が選択的に除去された。
図4において、L1乃至L6は、第二領域12における第二保護層42の各加工領域(15a)間の最小距離を表している。本実施例では、第一領域11における第二保護層42の各加工領域(15a)間の最小距離が30μmである。一方、封止領域15の幅は700μmであり、第二領域12における第二保護層42の各加工領域(15a)は150μm×40μmの略矩形状とし、図4に示されているL1乃至L6を全て50μmとした。
次に、フッ化炭素ガスを用いたドライエッチング法により、第一保護層41及び第一有機化合物層22aを、第一領域11及び第二領域12にそれぞれ設けられる第二保護層42の各加工領域に添って順次加工した(図3(f))。
(4)第二有機化合物層の形成工程(図3(g))
正孔輸送層と、第一発光層と、電子輸送層とがこの順に積層してなる第二有機化合物層22bを形成した(図3(g))。
まず基板10上及び第一電極(21a、21b、21c)上に、真空蒸着法により、α−NPDを成膜して正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を200nmとした。次に、正孔輸送層上に、ポリパラフェニレンビニレン誘導体高分子材料(MEH−PPV)を主成分とした1重量%キシレン溶液に発光材料であるテトラフェニルブタジエンを添加して塗布成膜することで第二発光層(青色発光層)を形成した。このとき第二発光層の膜厚を40nmとした。次に、真空蒸着法により、第二発光層上にクリセン系材料を成膜して正孔をブロックする機能を有する電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を10nmとした。
(5)第一保護層の除去工程(図3(h))
次に、第二有機化合物層22bまで形成されている基板を水に浸漬させることで第一保護層を除去した(図3(h))。
(6)第二有機化合物層の加工工程(図3(i)〜(l))
次に、第一有機化合物層22aの加工工程と同様の方法により、第二有機化合物層22bを加工した(図3(i)〜(l))。尚、本工程により、第一領域11においては、第三有機発光素子20cを設ける領域に形成された第二有機化合物層22bが除去され、第二領域12においては、図3(j)及び図4中の符号15aに相当する領域に形成された第二有機化合物層22bが除去された。
(7)第三有機化合物層の形成工程(図3(m))
正孔輸送層と、第一発光層と、電子輸送層とがこの順に積層してなる第二有機化合物層22aを形成した(図3(m))。
まず基板10上及び第一電極(21a、21b、21c)上に、真空蒸着法により、α−NPDを成膜して正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を200nmとした。次に、正孔輸送層上に、ポリパラフェニレンビニレン誘導体高分子材料(MEH−PPV)を主成分とした1重量%キシレン溶液に発光材料であるクマリン6を添加して塗布成膜することで第三発光層(緑色発光層)を形成した。このとき第三発光層の膜厚を50nmとした。次に、真空蒸着法により、第三発光層上にクリセン系材料を成膜して正孔をブロックする機能を有する電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を10nmとした。
(8)第一保護層の除去工程(図3(n))
上記(5)と同様の方法により第一保護層41を除去した。
(9)共通層の形成工程、第二電極の形成工程、封止工程
三種類の有機化合物層(22a、22b、22c)が形成されている基板10を、真空雰囲気中に投入した後、100℃で30分加熱を行い、十分に放熱させた。次に、全ての発光部に共通する共通層を、真空成膜法にて形成した(不図示)。尚、この共通層は、電子輸送層と電子注入層とからなる積層体である。
まずバソフェナントロリンを成膜して電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を10nmした。次に、バソフェナントロリンと炭酸セシウム(Cs2CO3)とが体積比で7:3となるように共蒸着して電子注入層を形成した。このとき電子注入層の膜厚を60nmとした。
次に、スパッタリング法により、Agを成膜して第二電極23を形成した。このとき第二電極23の膜厚を12nmとした。最後に、CVD法により、基板10の発光部が形成された面全体に、窒化珪素膜を成膜して封止膜を形成した。このとき封止膜の膜厚を6μmとした。以上のようにして三種類の有機発光素子(20a、20b、20c)を有する有機発光装置1を得た。
以上の方法で得られた複数枚の有機発光装置に通電し、各発光部の発光を確認したところ、良好な発光を得ることができた。
[実施例2]
図5に示される製造プロセスに基づいて図1の有機発光装置1を作製した。
(1)電極付基板
実施例1と同様の方法で第一電極(21a、21b、21c)が複数形成されている電極付基板を作製した。
(2)第一有機化合物層の形成工程(図5(a))
まずスピンコート法により、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDT/PSS、バイエル社製;Baytron P)を、第一電極(21a、21b、21c)が形成されている基板面の全体に塗布して塗布膜を成膜した。次に、この塗布膜を乾燥させることで正孔注入層を形成した。このとき正孔注入層の膜厚は100nmであった。次に、スピンコート法により、正孔注入層上の全面に、ポリビニルカルバゾールを主成分とした発光材料とトルエンとを混合して調製した2wt%トルエン溶液にIr(piq)3を添加した溶液を塗布して塗布膜を成膜した。次に、この塗布膜を乾燥させることで第一発光層(赤色発光層)を形成した。このとき第一発光層の膜厚は80nmであった。以上に説明したプロセスで、正孔注入層と第一発光層とからなる第一有機化合物層22aを形成した(図5(a))。
(3)第一有機化合物層の加工工程(図5(b)〜(f))
次に、ポリビニルピロリドン(PVP)と純水とを混合して5重量%PVP水溶液を調製した。次に、このPVP水溶液を、スピンコート法により第一有機化合物層22aが形成されている面全体に塗布して塗布膜を成膜した。次に、この塗布膜を100℃で10分間加熱させることで第一保護層41を形成した(図5(b))。このとき第一保護層41の膜厚は0.5μmであった。
次に、第一保護層41まで形成された基板10をCVD成膜装置内に投入した後、CVD法により、第一保護層41上に窒化ケイ素を成膜して第二保護層42を形成した(図5(c))。このとき第二保護層42の膜厚を1μmとした。
次に、ポジ型のフォトレジスト材料(東京応化社製:OFPR−800)を成膜してレジスト層43を形成した。次に、第一領域11においては第一有機発光素子20a以外の領域に、第二の領域においては第二保護層42及び第一保護層41の加工領域に開口を有するマスクを使用してレジスト層43に光を照射した(図3(d))。次に、現像液(東京応化製:NMD−3)を用いてレジスト層43の現像を行った(図3(e))。
次に、現像処理後のレジスト層43を有する基板10をドライエッチング装置に投入した。次に、現像後のレジスト層43をマスクとして、フッ化炭素ガスを用いたドライエッチング法により、レジスト層43からなるマスクに覆われていない領域に設けられている第二保護層42を除去することにより、第二保護層42を加工した。本実施例において、封止領域15に設けられている第二保護層42は、図6に示されるように一部除去された。
図6において、L1乃至L4は、第二領域12における第二保護層42の各加工領域(15a)間の最小距離を表している。本実施例では、封止領域15の幅は800μmであり、第二領域12における第二保護層42の各加工領域は幅10μmのストライプ状とし、図6に示されているL1乃至L4を全て50μmとした。
次に、酸素プラズマを用いたドライエッチング法により、第一保護層41及び第一有機化合物層22aを、第一領域11及び第二領域12にそれぞれ設けられる第二保護層42の各加工領域に添って順次加工した。この時、酸素プラズマによってレジスト層43もエッチングされ、第一保護層41及び第一有機化合物層22aの部分的除去が完了した時には、第一有機発光素子20aを設ける領域に残存したレジスト層43は全て除去されていた(図5(f))。
(4)第二有機化合物層の形成工程(図5(g))
真空蒸着法により、正孔輸送層と、第二発光層と、正孔ブロック層とがこの順に積層してなる第二有機化合物層22bを形成した(図5(g))。
まず酸化モリブデンを成膜して正孔注入層を形成した。このとき正孔注入層の膜厚を1nmとした。次に、正孔注入層上に、α−NPDを成膜して正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を160nmとした。次に、正孔輸送層上に、Alq3(ホスト)とクマリン6(ゲスト)とを共蒸着させて第二発光層(緑色発光層)を形成した。このとき第二発光層の膜厚を50nmとした。次に、第二発光層上に、クリセン系材料を成膜して正孔ブロック層を形成した。このとき正孔ブロック層の膜厚を10nmとした。
(5)第一保護層の除去工程(図5(h))
次に、第二有機化合物層22bまで形成されている基板を純水に浸漬し超音波振動を印加することで第一保護層41を除去した(図5(h))。尚、このとき第一保護層41上に形成された第二保護層42及び第二有機化合物層22bも第一保護層41と共に除去された。
(6)第二有機化合物層の加工工程(図5(i)〜(l))
次に、第一有機化合物層22aの加工工程と同様の方法により、第二有機化合物層22bを加工した(図5(i)〜(l))。尚、本工程により、第一領域11においては、第三有機発光素子20cを設ける領域に形成された第二有機化合物層22bが除去され、第二領域12においては、図6の符号42aに相当する領域に形成された第二有機化合物層22bが除去された。
(7)第三有機化合物層の形成工程(図5(m))
真空蒸着法により、正孔輸送層と、第三発光層と、正孔ブロック層とがこの順に積層してなる第三有機化合物層22cを形成した(図5(m))。尚、第三有機化合物層22cを形成する際に、第一領域11内の第三有機発光素子20cを設ける領域に開口を有するマスクを使用した。
まず酸化モリブデンを成膜して正孔注入層を形成した。このとき正孔注入層の膜厚を1nmとした。次に、正孔注入層上に、α−NPDを成膜して正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を100nmとした。次に、正孔輸送層上に、アントラセン誘導体(ホスト)とペリレン(ゲスト)とを共蒸着させて第三発光層(青色発光層)を形成した。このとき第三発光層の膜厚を30nmとした。次に、第三発光層上に、クリセン系材料を成膜して正孔ブロック層を形成した。このとき正孔ブロック層の膜厚を10nmとした。
(8)第一保護層の除去工程(図3(n))
上記(5)と同様の方法により第一保護層41を除去した。
(9)共通層の形成工程、第二電極の形成工程、封止工程
三種類の有機化合物層(22a、22b、22c)が形成されている基板10を、真空雰囲気中に投入した後、100℃で30分加熱を行い、十分に放熱させた。次に、全ての発光部に共通する共通層を、真空成膜法にて形成した(不図示)。尚、この共通層は、電子輸送層と電子注入層とからなる積層体である。
まずバソフェナントロリンを成膜して電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を10nmした。次に、バソフェナントロリンと炭酸セシウム(Cs2CO3)とが体積比で7:3となるように共蒸着して電子注入層を形成した。このとき電子注入層の膜厚を60nmとした。
次に、スパッタリング法により、Agを成膜して第二電極23を形成した。このとき第二電極23の膜厚を12nmとした。最後に、CVD法により、基板10の発光部が形成された面全体に、窒化珪素膜を成膜して封止膜を形成した。このとき封止膜の膜厚を6μmとした。以上のようにして三種類の有機発光素子(20a、20b、20c)を有する有機発光装置1を得た。
以上の方法で得られた複数枚の有機発光装置に通電し、各発光部の発光を確認したところ、良好な発光を得ることができた。
1:有機発光装置、10:基板、11:第一領域(発光領域)、12:第二領域、13:コンタクト部、14:外部接続端子、15:封止領域、16:(第二領域における第一保護層等の)加工領域、20a(20b、20c):有機発光素子、21a(21b、21c):第一電極、22a:第一有機化合物層、22b:第二有機化合物層、22c:第三有機化合物層、23:第二電極、30:封止膜、41:第一保護層、42:第二保護層、43:フォトレジスト層、52:フォトマスク

Claims (3)

  1. 基板上に、第一領域と、前記第一領域の周縁に設けられる第二領域と、を有し、
    前記第一領域が複数の発光部を有する発光領域であり、
    前記複数の発光部に対応する領域にそれぞれ第一電極が形成されている有機発光装置の製造方法であって、
    少なくとも第一発光層を含む第一有機化合物層を形成する第一有機化合物層の形成工程と、
    前記第一有機化合物層上に少なくとも剥離層を含む第一保護層を形成する第一保護層の形成工程と、
    前記第一保護層上に第二保護層を形成する第二保護層の形成工程と、
    前記第二保護層の一部を除去し、前記第二保護層のパターンを得る第二保護層の加工工程と、
    前記第二保護層のパターンに従って前記第一保護層の一部を除去し、前記第一保護層のパターンを得る第一保護層の加工工程と、
    前記第二保護層のパターンに従って前記第一有機化合物層の一部を除去し、前記第一有機化合物層のパターンを得る第一有機化合物層の加工工程と、
    少なくとも前記第一有機化合物層上に、第二発光層を含む第二有機化合物層を形成する第二有機化合物層の形成工程と、
    前記第一保護層を選択的に除去する剥離液に接触させ、少なくとも前記第一保護層と、前記第一保護層上に形成された前記第二保護層及び前記第二有機化合層と、を共に除去するリフトオフ工程と、を有し、
    前記第二保護層の加工工程によって得られる前記第二保護層のパターンが、前記第二領域内においても形成されていることを特徴とする、有機発光装置の製造方法。
  2. 前記第二領域が封止領域を有し、
    前記封止領域に前記第二保護層のパターンが形成されており、
    前記封止領域内における前記第二保護層の加工領域の外周が、前記封止領域から外れないことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光装置の製造方法。
  3. 前記第一保護層の加工工程において、
    前記第二領域内で形成された前記第一保護層のパターンの間隔の最小が、前記第一領域内で形成された前記第一保護層のパターンの間隔の最小の100倍以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機発光装置の製造方法。
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