JP2013158798A - 鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】砂型10に形成された鋳造キャビティ15に充填された溶湯を凝固させることで鋳物を鋳造する方法であって、鋳造キャビティ15の少なくとも一部に沿って砂型10の内部に埋め込まれた、砂型10の外部と連通する冷却配管20の内部を減圧することで、冷却流体を冷却配管20の内部を通過させながら、溶湯を凝固させる鋳造方法。本発明は、砂型10が主型11と中子13からなる場合、冷却配管20を中子13に埋設させると効果的である。本発明において、冷却配管20には、内部と外部を連通するガス抜き孔26が形成されていることが好ましい。
【選択図】図1
Description
このガス欠陥を防止するために、特許文献1は中子の支持を目的とする芯金にガス抜き孔を開け、このガス抜き孔から芯金を通じて燃焼ガスを外部に排出させることを提案している。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、大型の鋳物でも引け巣の発生を効果的に低減できる鋳造方法を提供することを目的とする。
砂型に含まれる粘結剤に基づく燃焼ガスを吸引することで、燃焼ガスに起因する鋳物のガス欠陥を低減できる。
このガス抜き孔は、鋳造キャビティに向けて開口されることが好ましい。鋳造キャビティに接する砂型の表層部において燃焼ガスが顕著に発生するからである。
また、ガス抜き孔には、少なくとも溶湯が鋳造キャビティに充填される前に、砂侵入防止部材が付設されていることが好ましい。造型の際に砂がガス抜き孔から冷却配管の内部に過剰に侵入すると、冷却配管を詰まらせるおそれがあることに対処するためである。また、ガス抜き孔を有する冷却配管が、前砂型の内部において鉛直方向部分を有する場合には、この鉛直方向部分には砂溜り部を設けることで、それよりも下方への砂の落下を防止することができる
なお、以下の説明では、空洞部を有する部材として、一方が開口しているボックス状の単純形状の部材の例を示すが、本発明が適用される部材はこれに限るものでない。
図1、図2に示すように、本実施形態における砂型10は、主型11と中子13とを備えている。中子13が主型11の内部に配置されることで、砂型10には鋳造キャビティ15が形成される。鋳造キャビティ15は砂型10により鋳造する部材に一致する空隙形状を有しており、この鋳造キャビティ15に別途用意される溶湯を注湯する。なお、図2は排風機25の記載を省略している。
主型11は鋳造される部材の外周形状を形成する。したがって、本実施形態では、単純なボックス状の部材を鋳造するので、主型11もまたボックス状の形状をなしている。また、中子13は、前述したように、当該部材の空洞部分を形成する。したがって、本実施形態では、直方体状の形状をなしている。
主型11及び中子13は、公知の種々の方法により造型することができる。典型的には、砂と粘結剤を混合して得られたコンパウンドを用いて、主型11及び中子13を各々造型する。用いられる砂も制約はなく、珪砂を主成分とする山砂、珪砂などの公知の材質を用いることができる。
砂型鋳造方法は、用いられる粘結剤により、生砂型法、炭酸ガス法、シェルモールド法及び有機自硬性砂法に分類されるが、本実施形態は粘結剤として樹脂を用いる有機自硬性砂法に適用するのに適している。
冷却管本体22は、鋳造キャビティ15に沿いかつ近接するように中子13の内部に埋設される。鋳造キャビティ15に望む中子13の表面から冷却管本体22までの距離Lは、鋳造する鋳物のサイズ、形状にもよるが、50〜100mm程度とするのがよい。50mm未満では冷却管本体22よりも表面に近い中子13の表層部を十分に硬化させるのが容易でなくなり、100mmを超えると鋳物の冷却を十分に得られなくなる場合があるからである。
第2ヘッダ部23は、複数の冷却管本体22が接続されるヘッダ本体23aと、ヘッダ本体23aに連なるとともに、冷却管本体22を通ってきた冷却流体が排出される排出口23bとを備えている。
排風機25を動作させると、導入口21aから取り入れられる冷却流体が、ヘッダ本体21bを介して各冷却管本体22に供給される。冷却流体は各冷却管本体22を通過した後にヘッダ本体23a及び排出口23bを介して排風機25に達し、排風機25の外部に吐出される。排風機25は、その形式を問わず冷却管本体22の内部から冷却流体を排出して減圧することができる機器を広く適用することができる。例えば、エジェクタ、ポンプ、ファンなどの公知の手段を適用できる。なお、図1,3にはエジェクタを適用した例を示している。
各冷却管本体22を冷却流体が通ることで、中子13における鋳造キャビティ15と冷却管本体22の間の表層部が冷却されることで、凝固過程の鋳物の冷却速度が速くなり、引け巣の発生を抑制することができる。
鋳造キャビティ15に注湯(例えば、溶湯温度:1500℃)すると、中子13はもちろん冷却管本体22の温度が急激に上昇する。これに伴って、冷却管本体22内部を通過する冷却流体の圧力が急激に上昇する。したがって、圧送して冷却管本体22に冷却流体を送り込むと、圧送による圧力も手伝って、上昇した圧力に耐え切れずに冷却管本体22が破損する事象が確認された。また、破損まで到らないにしても、冷却管本体22が膨張するので、中子13の特に表層部を鋳造キャビティ15に向けて押すことで、中子13を変形、あるいは破損させることが確認された。冷却管本体22の肉厚を厚くするなどしてその強度を高くする対応策を採り得るが、鋳物の冷却を促進する観点からすると好ましい対応策ではない。
そこで本実施形態では、排風機25を用いて、冷却管本体22の内部を減圧しながら冷却流体を通過させることにより,冷却管本体22の内部の圧力を大気圧以下に抑える。そうすることで、鋳造中の冷却管本体22内部の圧力上昇を抑制し、冷却管本体22の破損を防止するのである。
また、本実施形態は第1ヘッダ部21、第2ヘッダ部23を用いて複数本の冷却管本体22を集合する形態を示したが、独立した複数本の冷却管本体22の各々に排風機25を繋いで吸引する形態を採用できる。また、複数本の冷却管本体22を設けることが必須ではなく、冷却したい領域が狭ければ1本の冷却管本体22で足りる場合があるし、冷却したい領域が広くても1本の冷却管本体22を蛇行させて当該領域に対応させてもよい。
さらに、本実施形態は冷却配管20を中子13に設ける例を説明したが、中子13に限らず冷却を促進したいのであれば主型11の側にも冷却配管20を設けることができるし、中子13を備えていない砂型に冷却配管20を設けることもできる。
第2実施形態は、第1実施形態と基本的な構成は同じであるが、図3に示すように、燃焼ガスGが流入するガス抜き孔26を冷却管本体22に設けているところに特徴を有している。ガス抜き孔26は冷却管本体22の内部と外部を連通する。
第2実施形態は、冷却配管20にガス抜き孔26を設けているので、鋳造時に排風機25を動作させると、中子13の特に表層部で発生する燃焼ガスGがガス抜き孔26を通過して冷却管本体22に吸引される。したがって、燃焼ガスGに起因する鋳物のガス欠陥を低減できる。
ガス抜き孔26は、鋳造キャビティ15に向けて設けるのが好ましい。燃焼ガスは、鋳造キャビティ15に接する中子13の表層部において顕著に発生するからである。
また、ガス抜き孔26は冷却管本体22の長手方向に沿って断続的に設けられる。ただし、図中、中子13の下方側は上方側より熱が逃げにくく、中子13の表層部の冷却速度が遅いため,燃焼ガスが停滞しやすい。そのため、下側に位置する冷却管本体22の水平部22Hでは,図3に示すように、鉛直部22Vよりもガス抜き孔26を多く設けることが望ましい。また、同じ理由から冷却管本体22の鉛直部22Vにおいて下方側では、上方側よりもガス抜き孔26を多く設けることが望ましい。
図4(A)に示すように、ガス抜き孔26を覆う金網28を砂侵入防止部材にすることができる。この金網28は、中子13を造型する前に冷却管本体22に取り付けておく。この金網28は、中子13を構成する砂の粒径よりメッシュが小さいことが、砂の侵入を完全に阻止する上で好ましい。金網を用いる砂侵入防止部材の例としては、図4(B)に示すように、冷却管本体22の一部を管状に形成された金網管29で代替することもできる。また、金網の代わりに、図4(c)に示すように金属性のシールド壁30をガス抜き孔26に対向して設けることで砂の侵入を防ぐことができる。
また、図5(A)に示すように、ガス抜き孔26を樹脂材料からなる封止体31を砂侵入防止部材とすることができる。この封止体31は、注湯されるまではガス抜き孔26を封止するので、中子13の造型の最中には砂が冷却管本体22に侵入するのを阻止する。しかし、注湯されると封止体が燃焼するので、図5(B)に示すように、ガス抜き孔26が開口し、中子13で発生する燃焼ガスを吸引する。封止体は、中子13に粘結剤として含まれる樹脂と同じ材質の樹脂で形成することができる。この場合、中子13に起因する燃焼ガスと封止体に起因する燃焼ガスが同じになる。
第2実施形態では、砂の侵入を防止することを主眼においている。しかし、好ましいことではないが、本発明は砂が冷却管本体22に侵入することを許容する。ただし、侵入した砂が冷却管本体22を詰まらせることは避けなければならない。砂が侵入しやすいのは、冷却管本体22の鉛直部22Vであることは前述の通りであるし、ここで侵入した砂は鉛直部22Vと水平部22Hの交差部22C(図6)に落下する。したがって、砂が侵入したとしても、交差部22Cへ全てが落下するのを阻止できれば、冷却管本体22の圧力損失が増加する、更には冷却管本体22が詰まる可能性は低くなる。また、交差部22Cに砂が侵入すると、当該部における冷却管本体22内部と冷却流体の接触面積が小さくなるため、当該部における冷却能力が低下する。前述のように中子13の下方側は上方側より熱が逃げにくいこともあり、特に中子13の下側での冷却能力は確保することが求められる。第3実施形態は、侵入した砂が交差部22Cへ落下するのを抑制する手段を提案する。
砂溜り部221よりも上側の鉛直部22Vのガス抜き孔26から侵入した砂は砂溜り部221に留まり、交差部22Cまで落下することがない。砂溜り部221よりも上側の鉛直部22Vのガス抜き孔26から侵入した砂は交差部22Cに落下するが、鉛直部22Vの全域で侵入する砂の全てが落下するのに比べると、半分程度の落下量に抑えることができる。したがって、交差部22Cにおける冷却能力を確実に確保することが可能となる。なお、本実施形態では砂溜り部221を鉛直部22Vの中間に相当する箇所に設けているが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、砂型10(主型11と中子13)のサイズ、形状に応じて鉛直方向の中間以外の箇所に設けても構わない。また、砂型10(主型11と中子13)のサイズが大きい場合には、鉛直方向に複数の砂溜り部221を設けても構わない。更に、冷却管本体22が鉛直方向に対して上下に蛇行する形態の砂溜り部221を設けても構わない。
第4実施形態は、排風機25の動作を調整することで、冷却管本体22を通過させる冷却流体の流量を制御する例を説明する。なお、冷却配管20、排風機25は第2実施形態を踏襲している。
第4実施形態は、図7に示すように、冷却管本体22(水平部22H)の内部の温度を例えば熱電対により測定する温度計41と、排風機25から排出される冷却流体中に含まれるガス成分(CO2)の濃度を測定するガス濃度計42と、排風機25で吸引する冷却流体の流量を調整する流量調整装置43と、制御装置40と、を備えている。
制御装置40は、取得した温度データに基づいて溶湯の冷却速度Rを算出する(図8(A) ステップS105)とともに、取得したガス濃度データに基づいて燃焼ガス排出量Vを算出する(図8(A) ステップS107)。
制御装置40は、算出した溶湯の冷却速度R及び燃焼ガス排出量Vに基づいて、流量調整を行ない、流量を決定する(図8(A) ステップS109,111)。この流量調整、決定の手順は図8(B)に示されている。以下説明する。
制御装置40は、算出された冷却速度R(図8(B) ステップS201)と基準冷却速度R0を比較する(図8(B) ステップS203)。基準冷却速度R0は、それを以上の速度で冷却されると引け巣が鋳物に生じないとされる基準値である。したがって、基準冷却速度R0は、鋳造される鋳物の仕様に応じて定められる。
冷却速度Rが基準冷却速度R0より遅ければ(ステップS203 YES)、制御装置40は流量を増やす(流量UP)ものと判断する(図8(B) ステップS205)。一方、冷却速度Rが基準冷却速度R0以上であれば(ステップS203 NO)、制御装置40は従前の値を維持し流量を変更しないものと判断する(図8(B) ステップS207)。制御装置40は、流量UPとの判断(ステップS205)又は流量変更無しとの判断(ステップS207)のいずれかに基づいて、流量Q1を一次的に決定する(図8(B) ステップS209)。
制御装置40は、算出された燃焼ガス排出量V(図8(B) ステップS301)と基準排出量V0を比較する(図8(B) ステップS303)。基準排出量V0は、それを以上の排出量で燃焼ガスを吸引するとガス欠陥が生じないとされる基準値である。したがって、基準排出量V0もまた、鋳造される鋳物の仕様に応じて定められる。
燃焼ガス排出量Vが基準排出量V0より少なければ(ステップS303 YES)、制御装置40は流量を増やす(流量UP)ものと判断する(図8(B) ステップS305)。一方、燃焼ガス排出量Vが基準排出量V0以上であれば(ステップS303 NO)、制御装置40は従前の値を維持し流量を変更しないものと判断する(図8(B) ステップS307)。制御装置40は、流量UPとの判断(ステップS305)又は流量変更無しとの判断(ステップS307)のいずれかに基づいて、流量Q2を一次的に決定する(図8(B) ステップS309)。
なお、第4実施形態では、冷却速度Rに基づいて決定される流量Q1と燃焼ガス排出量Vに基づいて決定される流量Q2の両者を求めているが、本発明はいずれか一方の流量に基づいて排風機25の動作を制御することを許容する。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
11 主型
13 中子
15 鋳造キャビティ
20 冷却配管
21 第1ヘッダ部
21a 導入口
21b ヘッダ本体
22 冷却管本体
22C 交差部
22H 水平部
22V 鉛直部
221 砂溜り部
23 第2ヘッダ部
23a ヘッダ本体
23b 排出口
25 排風機
26 ガス抜き孔
28 金網
29 金網管
30 シールド壁
31 封止体
40 制御装置
41 温度計
42 ガス濃度計
43 流量調整装置
Claims (8)
- 砂型に形成された鋳造キャビティに充填された溶湯を凝固させることで鋳物を鋳造する方法であって、
前記鋳造キャビティの少なくとも一部に沿って前記砂型の内部に埋め込まれた、前記砂型の外部と連通する冷却配管の内部を減圧することで、冷却流体を前記冷却配管の内部を通過させながら、前記溶湯を凝固させる、
ことを特徴とする鋳造方法。 - 前記砂型は、主型と中子からなり、
前記冷却配管は、前記中子に埋設されている、
請求項1に記載の鋳造方法。 - 前記冷却配管には、内部と外部を連通するガス抜き孔が形成されている、
請求項1又は2に記載の鋳造方法。 - 前記ガス抜き孔は、前記鋳造キャビティに向けて開口される、
請求項3に記載の鋳造方法。 - 前記ガス抜き孔には、少なくとも溶湯が鋳造キャビティに充填される前に、砂侵入防止部材が付設されている、
請求項3又は4に記載の鋳造方法。 - 前記ガス抜き孔を有する前記冷却配管は、前記砂型の内部において鉛直方向部分を有し、
前記鉛直方向部分には、砂溜り部が設けられる、
請求項3〜5のいずれか一項に記載の鋳造方法。 - 前記減圧を排風機により行い、
前記冷却配管の内部の温度に基づいて求められる凝固過程の冷却速度に応じて、前記排風機による前記冷却流体の排出流量を制御する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の鋳造方法。 - 前記減圧を排風機により行い、
前記冷却配管の内部から排出される前記冷却流体に含まれるガス成分の濃度に応じて、前記排風機による前記冷却流体の排出流量を制御する、
請求項3〜6のいずれか一項に記載の鋳造方法。
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