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JP2013030699A - 構造体および配線基板 - Google Patents

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JP2013030699A JP2011167416A JP2011167416A JP2013030699A JP 2013030699 A JP2013030699 A JP 2013030699A JP 2011167416 A JP2011167416 A JP 2011167416A JP 2011167416 A JP2011167416 A JP 2011167416A JP 2013030699 A JP2013030699 A JP 2013030699A
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Abstract

【課題】樹脂層と、セラミック層とを備えた配線基板に置いて、セラミック層は剛性が高いが割れやすいため、配線基板に応力が印加された場合、クラックがセラミック層に生じやすくなり、該クラックが伸長して配線に達すると、該配線に断線が生じやすくなり、ひいては配線基板の電気的信頼性が低下しやすくなる。この不良発生を阻止する電気的信頼性を改良した配線基板を提供する。
【解決手段】樹脂層間に、セラミック層粒径が3nm以上110nm以下である複数の第1無機粒子13aと第2無機粒子13bを混入した樹脂層を有する配線基板において、第1の無機粒子13a同士が第1ネック構造17aを介して互いに接続し、その粒子間(第1間隙G1)に樹脂が充填(第3充填部19c)する構造とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子機器(たとえば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ機器およびその周辺機器)や輸送機、建物等あらゆる物に使用される構造体および電子機器に使用される配線基板に関するものである。
従来、電子機器に用いられる配線基板として、樹脂層と、セラミック層とを備えた配線基板が知られている。
例えば、特許文献1には、金属箔の片面にセラミックを溶射してセラミック層を形成し、該金属箔のセラミック層側と接するようにプリプレグを積層して熱圧成形して形成された配線基板が記載されている。
特開平2−253941号公報
しかしながら、一般的に、セラミック層は剛性が高いが割れやすいため、配線基板に応力が印加された場合、クラックがセラミック層に生じやすくなる。それ故、該クラックが伸長して配線に達すると、該配線に断線が生じやすくなり、ひいては配線基板の電気的信頼性が低下しやすくなる。
従って、電気的信頼性を改良した構造体および配線基板を提供することが望まれている。
本発明の一形態にかかる構造体は、第1ネック構造を介して互いに接続した粒径が3nm以上110nm以下である複数の第1無機絶縁粒子と、該複数の第1無機絶縁粒子同士の間隙に配された樹脂とを備える。
本発明の一形態にかかる配線基板は、第1ネック構造を介して互いに接続した粒径が3nm以上110nm以下である複数の第1無機絶縁粒子と、該複数の第1無機絶縁粒子同士の間隙に配された樹脂とを有する無機絶縁層を備える。
上記の構成によれば、電気的信頼性を改良できる。
図1は、本発明の実施形態にかかる配線基板を備えた実装構造体を厚み方向に切断した断面図である。 図2Aは、図1に示した実装構造体のR1部分を拡大して示した断面図であり、図2Bは、図1に示した実装構造体のR2部分を拡大して示した断面図である。 図3Aは、図2BのIIIa−IIIa線に沿う平面方向に切断した断面図であり、り、図3Bは、図2Aに示した実装構造体のR3部分を拡大して示した断面図である。 図4A乃至図4Fは、図1に示す配線基板の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図である。 図5A乃至図5Cは、図1に示す配線基板の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図である。 図6Aおよび図6Bは、図1に示す配線基板の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図である。 図7は、実施例に係る積層板の断面の一部を透過型電子顕微鏡により撮影した写真である。 図8Aは、図7のR5部分を拡大した写真であり、図8Bは、図8AのR6部分を拡大した写真である。
以下に、本発明の一実施形態に係る配線基板を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示した配線基板3は、例えば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ装置またはその周辺機器などの電子機器に使用されるものである。
この配線基板3は、コア基板5と、コア基板5の上下面に形成された一対の配線層6とを含んでおり、電子部品2を支持するとともに、電子部品2を駆動もしくは制御するための電源や信号を電子部品2へ供給する機能を有する。
なお、電子部品2は、例えばICまたはLSI等の半導体素子であり、配線基板3に半田等の導電材料からなるバンプ4を介してフリップチップ実装されている。この電子部品2は、母材が、例えばシリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム砒素リン、窒化ガリウムまたは炭化珪素等の半導体材料により形成されている。
以下、配線基板3の構成について詳細に説明する。
(コア基板)
コア基板5は、配線基板3の剛性を高めつつ一対の配線層6間の導通を図るものであり、配線層6を支持する基体7と、基体7に設けられたスルーホールと、該スルーホール内に設けられ、一対の配線層6同士を電気的に接続する筒状のスルーホール導体8と、該スルーホール導体8に取り囲まれた絶縁体9を含んでいる。
基体7は、第1樹脂層10aと該第1樹脂層10a上下面に設けられた第1無機絶縁層11aと基体7の最外層に配されるように該第1無機絶縁層11aの一主面に設けられた第3樹脂層10cを有する。
第1樹脂層10aは、基体7の主要部をなすものであり、例えば樹脂部と該樹脂部に被覆された基材を含む。第1樹脂層10aは、厚みが例えば0.1mm以上3.0mm以下に設定され、ヤング率が例えば0.2GPa以上20GPa以下に設定され、平面方向への熱膨張率が例えば3ppm/℃以上20ppm/℃以下に設定され、厚み方向への熱膨張率が例えば30ppm/℃以上50ppm/℃以下に設定され、誘電正接が例えば0.01以上0.02以下に設定されている。
ここで、第1樹脂層10aのヤング率は、市販の引張り試験機を用いて、ISO527‐1:1993に準じた測定方法により測定される。また、第1樹脂層10aの熱膨張率は、市販のTMA(Thermo-Mechanical Analysis)装置を用いて、JISK7197‐1991に準じた測定方法により測定される。また、第1樹脂層10aの誘電正接は、JISR1627‐1996に準じた共振器法により測定される。以下、第2および第3樹脂層10b、10c、第1および第2無機絶縁層11a、11bをはじめとする各部材の熱膨張率および誘電正接は、第1樹脂層10aと同様に測定される。
第1樹脂層10aの樹脂部は、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂またはポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂により形成することができる。前記樹脂部は、ヤング率が例えば0.1GPa以上5GPa以下に設定され、厚み方向および平面方向への熱膨張率が例えば20ppm/℃以上50ppm/℃以下に設定されている。
ここで、第1樹脂層10aの樹脂部のヤング率および硬度は、ISO14577−1:2002に準じた次の方法で測定される。まず、第1樹脂層10aの樹脂部を厚み方向に沿って切断し、切断面をアルゴンイオンで研摩する。次に、ナノインデンターを用いて、該ナノインデンターのダイヤモンドからなるバーコビッチ圧子に荷重を印加して、該圧子を研磨面に対して押し込む。次に、押し込まれた圧子に印加された荷重を該圧子の接触投影面積で除算することによって、硬度を算出する。また、押し込む際の荷重と押し込み深さの関係から荷重‐変位曲線を求め、該荷重‐変位曲線からヤング率を算出する。この測定は、例えば、MTS社製ナノインデンターXPを用いることができる。以下、第2および第3樹脂層10b、10c、第1および第2無機絶縁層11a、11b、第1および第2無機絶縁粒子13a、13bをはじめとする各部材のヤング率および硬度は、第1樹脂層10aの樹脂部と同様に測定される。
第1樹脂層10aに含まれる前記基材は、第1樹脂層10aの平面方向の熱膨張率を低減するとともに、第1樹脂層10aの剛性を高めるものである。前記基材は、例えば、複数の繊維からなる織布もしくは不織布または複数の繊維を一方向に配列した繊維群により形成することができる。前記繊維としては、例えばガラス繊維、樹脂繊維、炭素繊維または金属繊維等を使用することができる。
第1樹脂層10aは、さらに、図2Aに示すように、無機絶縁材料により形成された多数の第1フィラー粒子から成る第1フィラー12aを含有している。その結果、第1樹脂層10aの熱膨張率を低減するとともに、第1樹脂層10aの剛性を高めることができる。第1フィラー粒子は、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機絶縁材料により形成することができる。第1フィラー粒子は、粒径が例えば0.5μm以上5.0μm以下に設定され、熱膨張率が例えば0ppm/℃以上15ppm/℃以下に設定される。また、第1樹脂層10aの樹脂部と第1フィラー12aの体積の合計に対する第1フィラー12aの体積の割合(以下、「第1フィラー12aの含有量」という)が例えば3体積%以上60体積%以下に設定されている。
ここで、第1フィラー粒子の粒径は、次のように測定される。まず、第1樹脂層10aの研摩面もしくは破断面を電界放出型電子顕微鏡で観察し、20粒子数以上50粒子数以下の粒子を含むように拡大した断面を撮影する。次に、該拡大した断面にて各粒子の最大径を測定し、該測定された最大粒径を第1フィラー粒子の粒径とする。また、第1フィラー12aの含有量(体積%)は、第1樹脂層10aの研摩面を電界放出型電子顕微鏡で撮影し、画像解析装置等を用いて、第1樹脂層10aの樹脂部に占める第1フィラー12aの面積比率(面積%)を10箇所の断面にて測定し、その測定値の平均値を算出して含有量(体積%)とみなすことにより、測定される。
一方、第1樹脂層10aの上下面に形成された第1無機絶縁層11aは、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウム等の無機絶縁材料により構成されており、樹脂材料と比較して剛性が高いことから、基体7の剛性を高める機能を有する。
第1無機絶縁層11aの平面方向の熱膨張率は、一般的な樹脂材料の平面方向の熱膨張率と比較して低いため、配線基板3の平面方向への熱膨張率を電子部品2の平面方向への熱膨張率に近づけることができ、熱応力に起因した配線基板3の反りを低減できる。
第1無機絶縁層11aの厚み方向の熱膨張率は、平面方向の熱膨張率が低い樹脂フィルムの厚み方向の熱膨張率よりも小さいため、樹脂フィルムを用いた場合に比較して、基体7の厚み方向の熱膨張率を低減することができ、基体7とスルーホール導体8との熱膨張率の違いに起因した熱応力を小さくし、スルーホール導体8の断線を低減できる。
一般的に、無機絶縁材料は樹脂材料よりも誘電正接が低く、しかも、第1無機絶縁層11aは、第1樹脂層10aよりも配線層6に対して近接して配置されていることから、第1無機絶縁層11aによって、コア基板5の上下面に配置された配線層6の信号伝送特性が高められる。
第1無機絶縁層11aの厚みは、例えば3μm以上100μm以下、および/または第1樹脂層10aの3%以上10%以下に設定される。また、第1無機絶縁層11aのヤング率は、例えば10GPa以上100GPa以下、および/または、第1樹脂層10aの樹脂部の10倍以上100倍以下に設定される。また、第1無機絶縁層11aは、厚み方向および平面方向への熱膨張率が例えば0ppm/℃以上10ppm/℃以下に設定され、誘電正接が例えば0.0001以上0.001以下に設定されている。
この第1無機絶縁層11aは、上述した無機絶縁材料により形成することができるが、なかでも、低誘電正接および低熱膨張率の観点から、酸化ケイ素を用いることが望ましい。
また、第1無機絶縁層11aは、アモルファス(非晶質)状態の無機絶縁材料により形成されている。アモルファス状態の無機絶縁材料は、結晶状態の無機絶縁材料と比較して、結晶構造に起因した熱膨張率の異方性を低減することができるため、配線基板3の加熱後配線基板3が冷却される際に、第1無機絶縁層11aの収縮を厚み方向および平面方向にてより均一にすることができ、第1無機絶縁層11aにおけるクラックの発生を低減できる。
このアモルファス状態の無機絶縁材料としては、例えば酸化ケイ素を90質量%以上含む無機絶縁材料を用いることができ、なかでも、酸化ケイ素を99質量%以上100質量%未満含む無機絶縁材料を用いることが望ましい。酸化ケイ素を90質量%以上100質量%未満含む無機絶縁材料を用いる場合は、該無機絶縁材料は酸化ケイ素の他に、例えば酸化アルミニウム、酸化チタニウム、酸化マグネシウムまたは酸化ジルコニウム等の無機絶縁材料を含んでも構わない。なお、アモルファス状態である無機絶縁材料は、結晶相の領域が例えば10体積%未満に設定されており、なかでも5体積%未満に設定されていることが望ましい。
ここで、酸化ケイ素の結晶相領域の体積比は、以下のように測定される。まず、100%結晶化した試料粉末と非晶質粉末とを異なる比率で含む複数の比較試料を作製し、該比較試料をX線回折法で測定することにより、該測定値と結晶相領域の体積比との相対的関係を示す検量線を作成する。次に、測定対象である調査試料をX線回折法で測定し、該測定値と検量線とを比較して、該測定値から結晶相領域の体積比を算出することにより、調査試料の結晶相領域の体積比が測定される。
上述した第1無機絶縁層11aは、図2Aに示すように、複数の第1無機絶縁粒子13aと該第1無機絶縁粒子13aよりも粒径が大きい複数の第2無機絶縁粒子13bとを含む。この第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bは、例えば、上述した酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウム等の無機絶縁材料により形成することができる。
また、第1および第2無機絶縁層11a、11bは、第1無機絶縁粒子13aと第2無機絶縁粒子13bの合計体積に対して第1無機絶縁粒子13aを20体積%以上40体積%以下含み、前記合計体積に対して第2無機絶縁粒子13bを60体積%以上80体積%以下含んでいる。このように、第2無機絶縁粒子13bがある程度多くされることにより、複数の第2無機絶縁粒子13bの間の領域に後述する空隙Vを容易に形成することができる。
第1無機絶縁粒子13aは、粒径が3nm以上110nm以下に設定されており、図3Bに示すように、第1ネック構造17aを介して互いに結合している。これにより、第1無機絶縁層11aは、フィラーが混入された樹脂に比較して無機絶縁粒子が緻密に配置されている。また、第1無機絶縁粒子13a同士が互いに結合して骨格構造をなしており、個々の第1無機絶縁粒子13aが互いに拘束して流動しにくいため、フィラーを分散させた樹脂と比較して、低熱膨張かつ高剛性の無機絶縁層を得ることができる。なお、第1無機絶縁粒子13aのヤング率は、例えば10GPa以上30GPa以下に設定され、第1無機絶縁粒子13aの硬度は、例えば0.5GPa以上2GPa以下に設定されている。
また、第2無機絶縁粒子13bは、粒径が0.5μm以上5μm以下に設定されており、第1無機絶縁粒子13aと第2ネック構造17bにおいて結合することによって、第1無機絶縁粒子13aを介して互いに接着している。なお、第2無機絶縁粒子13bの粒径は、第1無機絶縁粒子13aの粒径の例えば10倍以上200倍以下に設定されている。また、第2無機絶縁粒子13bのヤング率は、例えば40GPa以上75GPa以下に設定され、および/または第1無機絶縁粒子13aのヤング率の例えば2倍以上7倍以下に設定されている。また、第2無機絶縁粒子13bの硬度は、例えば5GPa以上10GPa以下に設定され、および/または第1無機絶縁粒子13aの硬度の例えば3倍以上20倍以下に設定されている。
ここで、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bは、第1無機絶縁層11aの研摩面もしくは破断面を電界放出型電子顕微鏡で観察することにより確認される。また、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bの体積%は、次のように算出される。まず、第1無機絶縁層11aの研摩面を電界放出型電子顕微鏡で撮影する。次に、撮影した画像から画像解析装置等を用いて、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bの面積比率(面積%)を測定する。そして、該測定値の平均値を算出することにより第1および第2無機絶縁粒子13a、13bの体積%が算出される。また、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bの粒径は、第1無機絶縁層11aの研摩面もしくは破断面を電界放出型電子顕微鏡で観察し、20粒子数以上50粒子数以下の粒子を含むように拡大した断面を撮影し、該撮影した拡大断面にて各粒子の最大径を測定することにより、測定される。
第3樹脂層10cは、第1無機絶縁層11aと後述する導電層14との間に介されており、第1無機絶縁層11aと導電層14との間の熱応力を緩和する機能、および第1無機絶縁層11aのクラックに起因した導電層14の断線を低減する機能を有するものであり、一主面が第1無機絶縁層11aと、他主面が導電層14と当接しており、例えば樹脂部と該樹脂部に被覆された第3フィラー12cとを含む。
また、第3樹脂層10cは、厚みが例えば0.1μm以上5μm以下に設定され、ヤング率が例えば0.01GPa以上1GPa以下に設定され、硬度が例えば0.01GPa以上0.3GPa以下に設定され、厚み方向および平面方向への熱膨張率が例えば20ppm/℃以上100ppm/℃以下に設定され、誘電正接が例えば0.005以上0.02以下に設定されている。
第3樹脂層10cは、第1樹脂層10a、第2樹脂層10bおよび第1および第2無機絶縁層11a、11bと比較して、厚みが小さく設定され、かつヤング率が低く設定されていることが望ましい。この場合、薄く弾性変形しやすい第3樹脂層10cによって、第1および第2無機絶縁層11a、11bと導電層14との熱膨張量の違いに起因した熱応力が緩和される。したがって、第1および第2無機絶縁層11a、11bより導電層14が剥離することが抑制され、導電層14の断線を低減することができ、ひいては電気的信頼性に優れた配線基板3を得ることが可能となる。
第3樹脂層10cに含まれる樹脂部は、第3樹脂層10cの主要部をなすものであり、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂またはポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂からなる。
第3樹脂層10cに含まれる第3フィラー12cは、第3樹脂層10cの難燃性を高める機能や後述する取り扱い時に積層シート同士が接着してしまうことを抑制する機能を有し、例えば酸化ケイ素等の無機絶縁材料により形成された多数の第3フィラー粒子から成る。この第3フィラー粒子は、粒径が例えば0.05μm以上0.7μm以下に設定されており、第3樹脂層10cにおける含有量が例えば0体積%以上10体積%以下に設定されている。なお、第3フィラー粒子の粒径や含有量は、第1フィラー粒子と同様に測定される。
また、基体7には、該基体7を厚み方向に貫通し、例えば直径が0.1mm以上1mm以下の円柱状であるスルーホールが設けられている。スルーホールの内部には、コア基板5の上下の配線層6を電気的に接続するスルーホール導体8がスルーホールの内壁に沿って筒状に形成されている。このスルーホール導体8としては、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケルまたはクロム等の導電材料により形成することができ、熱膨張率が例えば14ppm/℃以上18ppm/℃以下に設定されている。
筒状に形成されたスルーホール導体8の中空部には、絶縁体9が柱状に形成されている。絶縁体9は、例えばポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂またはビスマレイミドトリアジン樹脂等の樹脂材料により形成することができる。
(配線層)
一方、コア基板5の上下面には、上述した如く、一対の配線層6が形成されている。
一対の配線層6のうち、一方の配線層6は電子部品2に対してバンプ4を介して接続され、他方の配線層6は、図示しない接合材を介して図示しない外部配線基板と接続される。
各配線層6は、コア基板5の第3樹脂層10c上に部分的に形成された導電層14を有し、その上に、順に積層された第2樹脂層10b、第2無機絶縁層11b、第3樹脂層10cおよび導電層14の組み合わせを1以上有している。また、各配線層6は、第2樹脂層10b、第2無機絶縁層11bおよび第3樹脂層10cを貫通する複数のビア孔と、該ビア孔内に形成された複数のビア導体15と、を含んでいる。また、導電層14およびビア導体15は、互いに電気的に接続されており、接地用配線、電力供給用配線および/または信号用配線を構成している。
複数の導電層14は、第3樹脂層10c上に形成され、第2樹脂層10b、第2無機絶縁層11bおよび第3樹脂層10cを介して厚み方向に互いに離間している。導電層14は、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケルまたはクロム等の導電材料により形成することができる。また、導電層14は、その厚みが3μm以上20μm以下に設定され、熱膨張率が例えば14ppm/℃以上18ppm/℃以下に設定されている。
第2樹脂層10bは、導電層14の側面および主面に当接しており、厚み方向または平面方向に沿って離間した導電層14同士の短絡を防止する絶縁部材として機能するものである。第2樹脂層10bは、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂またはポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂により形成することができる。
第2樹脂層10bの厚みは、例えば3μm以上30μm以下に設定され、および/または第3樹脂層10cの厚みの例えば1.5倍以上20倍以下に設定されている。また、第2樹脂層10bのヤング率は、例えば0.2GPa以上20GPa以下に設定され、および/または第3樹脂層10cのヤング率の例えば2倍以上100倍以下に設定されている。また、第2樹脂層10bの硬度は、例えば0.05GP以上2GPa以下に設定され、および/または第3樹脂層10cの硬度の例えば5倍以上20倍以下に設定されている。また、第2樹脂層10bの誘電正接は、例えば0.01以上0.02以下に設定され、第2樹脂層10bの厚み方向および平面方向への熱膨張率は、例えば20ppm/℃以上50ppm/℃以下に設定されている。なお、第2樹脂層10bの厚みは、第3樹脂層10c上における厚みである。
また、第2樹脂層10bは、無機絶縁材料により形成された多数の第2フィラー粒子から成る第2フィラー12bを含有している。この第2フィラー12bは、第1フィラー12aと同様の材料により形成することができ、第2樹脂層10bの熱膨張率を低減するとともに、第2樹脂層10bの剛性を高めることができる。
第2無機絶縁層11bは、第2樹脂層10b上に形成され、上述した基体7に含まれる第1無機絶縁層11aと同様に、樹脂材料と比較して剛性が高く熱膨張率および誘電正接が低い無機絶縁材料により構成されていることから、上述した基体7に含まれる第1無機絶縁層11aと同様の効果を奏する。
第2無機絶縁層11bの厚みは、例えば3μm以上30μm以下、および/または、第2樹脂層10bの厚みの0.5倍以上10倍以下(好ましくは0.8倍以上1.2倍以下)に設定されている。その他の構成は、図2Bに示すように、上述した第1無機絶縁層11aと同様の構成である。
第3樹脂層10cは、第2無機絶縁層11bと導電層14との間に介され、上述した基体7に含まれる第3樹脂層10cと同様の構成を有する。それ故、上述した基体7に含まれる第3樹脂層10cと同様の効果を奏する。
ビア導体15は、厚み方向に互いに離間した導電層14同士を相互に接続するものであり、コア基板5に向って幅狭となる柱状に形成されている。ビア導体15は、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケルまたはクロム等の導電材料により形成することができ、熱膨張率が例えば14ppm/℃以上18ppm/℃以下に設定されている。
(第1および第2無機絶縁粒子)
ところで、例えば電子部品2と配線基板3の熱膨張率の違いに起因した熱応力や機械的応力等の応力が配線基板3に印加された場合、第1無機絶縁粒子13a同士が剥離することにより、第1および第2無機絶縁層11a、11bのクラックが生じることがある。
一方、配線基板3においては、第1および第2無機絶縁層11a、11bは、第1無機絶縁粒子13aよりも粒径の大きい第2無機絶縁粒子13bを含む。従って、第1および第2無機絶縁層11a、11bにクラックが生じても、クラックが第2無機絶縁粒子13bに達した際に、粒径の大きい第2無機絶縁粒子13bによってクラックの伸長を阻止したり、あるいは、第2無機絶縁粒子の表面に沿ってクラックを迂回させたりすることができる。その結果、クラックが第1または第2無機絶縁層11a、11bを貫通して導電層14に達することが抑制され、該クラックを起点とした導電層14の断線を低減することができ、ひいては電気的信頼性に優れた配線基板3を得ることができる。クラックの伸長を阻止したり、クラックを迂回させたりするには、第2無機絶縁粒子の粒径が0.5μm以上である場合が特に好ましい。
また、第2無機絶縁粒子13bは粒径が大きいため、第1および第2無機絶縁層11a、11bを第2無機絶縁粒子のみで構成すると、1つの第2無機絶縁粒子の周囲に多くの他の第2無機絶縁粒子を配置することが困難となり、結果的に、第2無機絶縁粒子13b同士の接触面積が小さくなり、第2無機絶縁粒子13b同士の接着強度は小さくなりやすい。これに対して、配線基板3においては、第1および第2無機絶縁層11a、11bは、粒径の大きな第2無機絶縁粒子13bのみならず粒径の小さい第1無機絶縁粒子13aを含み、第2無機絶縁粒子同士は、該第2無機絶縁粒子の周囲に配置された複数の第1無機絶縁粒子13aを介して接合している。それ故、第2無機絶縁粒子と第1無機絶縁粒子との接触面積を大きくすることができ、第2無機絶縁粒子13b同士の剥離を低減することができる。かかる効果は、第1無機絶縁粒子の粒径が110nm以下に設定されている場合に特に顕著となる。
一方、配線基板3においては、第1無機絶縁粒子13aは、粒径が3nm以上110nm以下と微小に設定されている。このように、第1無機絶縁粒子13aの粒径が非常に小さいため、第1無機絶縁粒子13a同士が結晶化開始温度未満にて互いに強固に結合する。その結果、第1および第2無機絶縁粒子自体がアモルファス状態のままで該粒子同士が結合し、第1および第2無機絶縁層11a、11bがアモルファス状態となる。それ故、上述した如く、第1および第2無機絶縁層11a、11bの熱膨張率の異方性が小さくなる。なお、第1無機絶縁粒子13aの粒径が3nm以上110nm以下と微小に設定されていると、第1無機絶縁粒子13aの原子、特に表面の原子が活発に運動するため、結晶化開始温度未満といった低温下でも第1無機絶縁粒子13a同士が強固に結合すると推測される。なお、結晶化開始温度は、非晶質の無機絶縁材料が結晶化を開始する温度、すなわち、結晶相領域の体積が増加する温度である。
また、第2無機絶縁粒子13b同士が互いに離間するように、個々の第2無機絶縁粒子13bは複数の第1無機絶縁粒子13aによって被覆されている。その結果、接着強度が低くかつ剥離しやすい第2無機絶縁粒子13b同士の接触が防止され、第2無機絶縁粒子13bの剥離を抑制でき、ひいては、第2無機絶縁粒子に起因したクラックの発生および伸長を低減することができる。
第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bは、同一材料からなることが望ましい。その結果、第1および第2無機絶縁層11a、11bにおいて、第1無機絶縁粒子13aと第2無機絶縁粒子13bとの材料特性の違いに起因したクラックを低減することができる。また、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bは、第1および第2フィラー12a、12bと同一材料からなることが望ましい。その結果、第1樹脂層10aおよび第2樹脂層10bの熱膨張率を第1および第2無機絶縁層11a、11bの熱膨張率により近づけることができる。
第1無機絶縁粒子13aは、球状であることが望ましい。その結果、第2無機絶縁粒子間の空隙に多くの第1無機絶縁粒子13aを充填しやすくなる上、第1無機絶縁粒子13a間の空隙の体積が低減され、第1および第2無機絶縁層11a、11bの内部構造を緻密にでき、第1および第2無機絶縁層11a、11bの剛性を向上させることができる。
また、第2無機絶縁粒子13bは、曲面状であることが望ましく、さらには球状であることがより望ましい。その結果、第2無機絶縁粒子13bの表面が滑らかになり、該表面における応力が分散され、第2無機絶縁粒子13bの表面を起点とした第1および第2無機絶縁層11a、11bのクラックの発生を低減することができる。
第2無機絶縁粒子13bは、第1無機絶縁粒子13aよりも硬度が高いことが望ましい。この場合、クラックが第2無機絶縁粒子13bに達した際に、該クラックが第2無機絶縁粒子13bの内部へ伸長することを低減し、ひいては第1および第2無機絶縁層11a、11bにおけるクラックの伸長を低減することができる。また、後述するように、第2無機絶縁粒子13bは第1無機絶縁粒子13aよりも硬度を容易に高めることができるため、第1および第2無機絶縁層11a、11bの剛性を容易に高めることができる。なお、硬度は、ナノインデンター装置を用いることにより、測定することができる。
第1ネック構造17aの幅W1は、第2ネック構造17bの幅W2よりも大きいことが好ましい。第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bは、コンクリートに配合されたセメントおよび砂利のように作用する。すなわち、第1無機絶縁粒子13aは、セメントと同様に無機絶縁層全体を固める役割を担い、第2無機絶縁粒子13bは、砂利と同様に無機絶縁層全体を強くする役割を担う。従って、第1ネック構造17aの幅W1
が大きくされることにより、第1無機絶縁粒子13aの無機絶縁層全体を固める作用が大きくなり、全体として好適な無機絶縁層が実現される。
(第1無機絶縁粒子および第2無機絶縁粒子に取り囲まれた空隙)
第1無機絶縁層11aは、図2Aおよび図3Aに示すように、厚み方向または平面方向に沿った切断した断面において、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bに取り囲まれた複数の空隙Vを有し、該空隙Vには、第1樹脂層10aの一部が充填されている(第1充填部19a)。その結果、配線基板3に応力が印加され、第1無機絶縁層11aにクラックが生じたとしても、該クラックの伸長を第1充填部19aによって阻止したり、迂回させたりすることができる。従って、該クラックに起因した導電層14の断線を低減することができ、電気的信頼性に優れた配線基板3を得ることができる。なお、各空隙Vは、複数の第1無機絶縁粒子13aおよび複数の第2無機絶縁粒子に取り囲まれている。すなわち、各空隙Vは、その内周面が複数の第1無機絶縁粒子13aおよび複数の第2無機絶縁粒子13bにより構成されている。
また、第1充填部19aは、無機絶縁材料と比較してヤング率の低い樹脂材料を第1無機絶縁層11aよりも多く含むことから、配線基板3に応力が印加された場合、第1無機絶縁層11a内の空隙に配された第1充填部19aにより第1無機絶縁層11aに印加される応力を緩和することができ、該応力に起因した第1無機絶縁層11aにおけるクラックの発生を低減することができる。この空隙Vは、前記断面における第1無機絶縁層11aの厚み方向の高さが0.3μm以上5μm以下に設定されていることが望ましく、前記断面における第1無機絶縁層11aの平面方向の幅が0.3μm以上5μm以下に設定されていることが望ましい。
空隙Vは、厚み方向に沿った切断した断面においては、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bに取り囲まれているが、3次元形状においては、一部が断面に対する直交方向(Y方向)に沿って伸長するとともに、他の一部が第1無機絶縁層11aの厚み方向(Z方向)に沿って伸長することによって、第1無機絶縁層11aの第1樹脂層10aに接する一主面に形成された開口Oに接続されて開気孔となっている。それ故、第1樹脂層10aの一部は、開口Oを介して空隙Vに充填されている。この開口Oは、平面方向に沿った幅が1μm以上20μm以下に設定されていることが望ましい。
なお、開口Oに第1樹脂層10aの一部を充填するようにしたが、第1樹脂層10aに代えて第3樹脂層10cの一部を充填するようにしても構わないし、第1樹脂層10aおよび第3樹脂層10cの双方の一部を充填するようにしても構わない。後者の場合、第3樹脂層10cよりも第1樹脂層10aの方が多く開口Oに充填されるのが好ましい。
また、第1充填部19aは、空隙Vに完全に充填されている必要はなく、空隙Vに第1樹脂層の一部が配置されていれば良い。
第1無機絶縁層11aは、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bが互いに接着することにより、3次元網目状構造を有することが望ましい。その結果、第1充填部19aによる第1無機絶縁層11aのクラック低減効果を高めることができる。
また、第1無機絶縁層11aは、第2無機絶縁粒子13bと第1充填部19aとの間に第1無機絶縁粒子13aが介されていることが望ましい。その結果、第2無機絶縁粒子13bの表面と第1充填部19aとが直接当接している場合と比較して、第1無機絶縁粒子13aによって第1無機絶縁層11a表面の第1充填部19aに対する濡れ性を高めることができ、空隙V内に第1充填部19aを効率良く充填することができる。
また、第1無機絶縁層11aは、空隙Vの内壁より第1充填部19aに向かって突出した、1つの第2無機絶縁粒子13bの少なくとも一部を含む突出部18bを有することが望ましい。この場合、空隙Vの内壁の表面に大きな凹凸を形成し、アンカー効果により第1無機絶縁層11aと第1充填部19aとの接着強度を高め、第1無機絶縁層11aと第1充填部19aとの剥離を低減することができる。この突出部18bは、突出方向への長さが例えば0.1μm以上2μm以下に設定され、幅が例えば0.1μm以上2μm以下に設定されている。なお、突出部18bは、複数の第2無機絶縁粒子13bが含まれていても構わない。
また、第1充填部19aは無機絶縁材料により形成された第4フィラー粒子から成る第4フィラーを有しており、該第4フィラーは第1樹脂層10aに含まれる第1フィラー12aよりも含有量が少ないことが望ましい。その結果、第1充填部19aにおける樹脂材料の含有量を高め、第1充填部19aによる第1無機絶縁層11aのクラック低減効果を高めることができる。この第1充填部19aにおける第4フィラーの含有量は、例えば0体積%以上10体積%以下に設定されており、第1樹脂層10aにおける第1フィラー12aの含有量の例えば0%以上30%以下に設定されている。
なお、第2樹脂層10b上に配された第2無機絶縁層11bも、図2Bに示すように、第1無機絶縁層11aと同様の構造を有している。また、第2無機絶縁層11bにおいて、空隙Vには、第2樹脂層10bの一部が充填されている(第2充填部19b)。
(第1無機絶縁粒子間の間隙)
上述のように、第1無機絶縁層11aにおいて、複数の第1無機絶縁粒子13aは、第1ネック構造17aにおいて互いに結合されている。ただし、第1無機絶縁層11aは、焼結された無機絶縁層のように粒子同士が一体化しておらず、第1ネック構造17aが維持されており、複数の第1無機絶縁粒子13aは、その間に第1間隙G1が形成された骨格構造を構成している。そして、第1間隙G1には、第1樹脂層10aの樹脂が充填されている(第3充填部19c)。
従って、第1無機絶縁層11aは、無機絶縁材料の骨格構造により低熱膨張率が実現されるとともに、樹脂からなる第3充填部19cによって骨格構造が補強されることにより高強度が実現される。
また、1つの第2無機絶縁粒子13bと、その周囲の複数の第1無機絶縁粒子13aとの間においても第2間隙G2が形成されており、第2間隙G2にも第1樹脂層10aの樹脂が充填されている(第4充填部19d)。第4充填部19dも第3充填部19cと同様に、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bによる骨格構造の補強に寄与している。
第1間隙G1および第2間隙G2は、第1無機絶縁粒子13aが緻密化されないことによって形成されており、その大きさは、概略(オーダー的に)、第1無機絶縁粒子13aの大きさ程度である。従って、第1無機絶縁粒子13aの粒径が3nm以上110nm以下であることが好ましいことに対応して、第1間隙G1および第2間隙G2の、第1無機絶縁層11aの所定断面における径は、3nm以上110nm以下であることが好ましい。また、第1無機絶縁層11aの所定断面において、第1間隙G1もしくは第2間隙G2の面積は、例えば第1無機絶縁粒子13aの面積の2倍以下である。第1間隙G1および第2間隙G2がこのような径および/または面積とされることにより、第1無機絶縁層11aの緻密性を維持しつつ、樹脂を第1間隙G1および第2間隙G2に充填することができる。
なお、後述するように、空隙Vは、第2無機絶縁粒子13bの体積%の影響を受ける。そして、空隙Vは、概略(オーダー的に)、第2無機絶縁粒子13b間の間隔程度の大きさ以上となる。従って、第1間隙G1および第2間隙G2の径は、空隙Vの径に比較して、第2無機絶縁粒子13bの大きさと第1無機絶縁粒子13aの大きさとの差程度の差で小さい。例えば、第1無機絶縁粒子13aの粒径が3nm以上110nm以下、第2無機絶縁粒子13bの粒径が0.5μm以上5μm以下であるとすれば、第1間隙G1および第2間隙G2の径は、空隙Vの径に対して0.0006〜0.22倍(3nm/5μm〜110nm/0.5μm)であり、より好ましくは、空隙Vの径に対して0.005〜0.1倍である。なお、第1無機絶縁層11aの所定断面において、空隙Vの面積は、例えば第2無機絶縁粒子13bの面積の0.5倍以上である。
また、第1無機絶縁層11aの所定断面において、空隙Vおよび第2間隙G2が第2無機絶縁粒子13bに接する部分があるのに対し、第1間隙G1は、第1無機絶縁粒子13aに取り囲まれ、第1無機絶縁粒子13aのみに接している。この特徴も、第1間隙G1と空隙Vとを区別するのに役立つ。
第1間隙G1は、空隙Vと同様に、所定断面においては、第1無機絶縁粒子13aに取り囲まれているが、3次元形状においては、一部が断面に対する直交方向(Y方向)に沿って伸長するとともに、他の一部が第1無機絶縁層11aの厚み方向(Z方向)に沿って伸長することによって、第1無機絶縁層11aの第1樹脂層10aに接する一主面に形成された不図示の開口に接続されて開気孔となっている。それ故、第1樹脂層10aの一部は、該開口を介して第1間隙G1に充填されている。なお、第2間隙G2も、直接または第1間隙G1を介して、第1無機絶縁層11aの第1樹脂層10aに接する一主面に形成された不図示の開口に接続されている。
また、第1間隙G1および第2間隙G2は、第1無機絶縁層11aの主面に形成された開口に接続されているのと同様に、空隙V(第1充填部19aおよび第2充填部19b)に通じている。従って、第1間隙G1および第2間隙G2には、空隙Vを介して第1樹脂層10aの樹脂が供給される。すなわち、複数の空隙Vが分布していることにより、第1間隙G1および第2間隙G2への樹脂の充填が促進される。また、第1充填部19aおよび第2充填部19bは、その周囲部分が第3充填部19cおよび第4充填部19dと固定されることになるから、無機絶縁層からの剥離が抑制される。
なお、第1間隙G1および第2間隙G2に第1樹脂層10aの一部を充填するようにしたが、第1樹脂層10aに代えて第3樹脂層10cの一部を充填するようにしても構わないし、第1樹脂層10aおよび第3樹脂層10cの双方の一部を充填するようにしても構わない。後者の場合、第3樹脂層10cよりも第1樹脂層10aの方が多く第1間隙G1および第2間隙G2に充填されるのが好ましい。
また、第3充填部19cは、第1間隙G1に完全に充填されている必要はなく、第1間隙G1に第1樹脂層の一部が配置されていれば良い。第4充填部19dについても同様である。
第1間隙G1および第2間隙G2は、比較的小さいことから、第3充填部19cおよび第4充填部19dは、第1樹脂層10aに含まれる第1フィラー粒子を全くもしくは殆ど含まない。例えば、第1フィラー粒子の粒径が0.5μm以上5.0μm以下であれば、第3充填部19cおよび第4充填部19dは、第1フィラー粒子を含まない。当該特徴も、第1間隙G1および第2間隙G2と空隙Vとを区別することに役立つ。
上述のように、第1無機絶縁粒子13aは、球状であることが好ましいが、この場合、第1無機絶縁粒子13aにより構成される骨格構造および当該骨格構造に浸透する充填部が均質に形成されやすく、応力集中等が生じやすい部分が形成されにくいことから全体として強度が向上する。
なお、特に図示しないが、第2無機絶縁層11bについても、第1無機絶縁層11aと同様に、第1間隙G1および第2間隙G2が形成され、該第1間隙G1および第2間隙G2には第2樹脂層10b(および/または第3樹脂層10c)の樹脂が充填されている(第3充填部19c、第4充填部19d)。
<配線基板の製造方法>
次に、上述した配線基板3の製造方法を、図4乃至図6に基づいて説明する。
配線基板3の製造方法は、コア基板5の作製工程と、配線層6のビルドアップ工程と、からなっている。
(コア基板5の作製工程)
(1)第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bを含む固形分と、溶剤とを有する無機絶縁ゾル11xを準備する。
無機絶縁ゾル11xは、例えば、固形分を10%体積以上50体積%以下含み、溶剤を50%体積以上90体積%以下含む。これにより、無機絶縁ゾル11xの粘度を低く保持しつつ、無機絶縁ゾル11xより形成される無機絶縁層の生産性を高く維持できる。
無機絶縁ゾル11xの固形分は、例えば、第1無機絶縁粒子13aを20体積%以上40体積%以下含み、第2無機絶縁粒子13bを60体積%以上80体積%以下含む。これにより、後述する(3)の工程にて第1無機絶縁層11aにおけるクラックの発生を効果的に低減できる。
なお、第1無機絶縁粒子13aは、酸化ケイ素から成る場合、例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)等のケイ酸化合物を精製し、化学的に酸化ケイ素を析出させることにより、作製することができる。この場合、低温条件下で第1無機絶縁粒子13aを作製することができるため、アモルファス状態である第1無機絶縁粒子13aを作製することができる。また、第1無機絶縁粒子13aの粒径は、酸化ケイ素の析出時間を調整することによって調整され、具体的には、析出時間を長くするほど第1無機絶縁粒子13aの粒径は大きくなる。
一方、第2無機絶縁粒子13bは、酸化ケイ素から成る場合、例えばケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)等のケイ酸化合物を精製し、化学的に酸化ケイ素を析出させた溶液を火炎中に噴霧し、凝集物の形成を低減しつつ800℃以上1500℃以下に加熱することにより、作製することができる。それ故、第2無機絶縁粒子13bは、第1無機絶縁粒子13aと比較して粒径が大きいことから、高温加熱時における凝集体の形成を低減しやすく、高温加熱で容易に作製することができ、ひいては硬度を容易に高めることができる。
また、第2無機絶縁粒子13bを作製する際の加熱時間は、1秒以上180秒以下に設定されていることが望ましい。その結果、該加熱時間を短縮することにより、800℃以上1500℃以下に加熱した場合においても、第2無機絶縁粒子13bの結晶化を抑制し、アモルファス状態を維持することができる。
一方、無機絶縁ゾル11xに含まれる溶剤は、例えばメタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、および/またはこれらから選択された2種以上の混合物を含んだ有機溶剤を使用することができる。なかでも、メタノール、イソプロパノールまたはプロピレングリコールモノメチルエーテルを含んだ有機溶剤が望ましい。その結果、無機絶縁ゾル11xを均一に塗布することができる上、後述する(3)の工程にて、溶剤を効率良く蒸発させることができる。
(2)次に、図4Aおよび図4Bに示すように、第3樹脂層10cと銅等の導電材料からなる金属箔14xとを有する樹脂付き金属箔を準備し、第3樹脂層10cの一主面に無機絶縁ゾル11xを塗布して無機絶縁ゾル11xを層状に形成する。
樹脂付き金属箔は、金属箔14xにバーコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いて樹脂ワニスを塗布し、乾燥することにより、形成することができる。本工程にて形成された第3樹脂層10cは、例えばBステージまたはCステージである。
無機絶縁ゾル11xの塗布は、例えば、ディスペンサー、バーコーター、ダイコーターまたはスクリーン印刷を用いて行うことができる。このとき、上述した如く、無機絶縁ゾル11xの固形分が50体積%以下に設定されていることから、無機絶縁ゾル11xの粘度が低く設定され、塗布された無機絶縁ゾル11xの平坦性を高くすることができる。
また、第1無機絶縁粒子13aの粒径は、上述したように、3nm以上に設定されているため、これによっても無機絶縁ゾル11xの粘度が良好に低減され、塗布された無機絶縁ゾル11xの平坦性を向上させることができる。
(3)続いて、無機絶縁ゾル11xを乾燥させて溶剤を蒸発させる。
無機絶縁ゾル11xの乾燥は、例えば加熱および風乾により行われる。乾燥温度が、例えば、20℃以上溶剤の沸点(二種類以上の溶剤を混合している場合には、最も沸点の低い溶剤の沸点)未満に設定され、乾燥時間が、例えば20秒以上30分以下に設定される。その結果、溶剤の沸騰が低減され、沸騰の際に生じる気泡の圧力によって第1および第2無機絶縁粒子13a、13bが押し出されることが抑制され、該粒子の分布をより均一にすることが可能となる。
乾燥中、第1および第2無機絶縁粒子13a、13bの接触部(第1ネック構造17a、第2ネック構造17b)が太くなる。ただし、高温に加熱しないため、ネック構造を維持することができ、第1無機絶縁粒子13aによる骨格構造が形成される(第1間隙G1および第2間隙G2が形成される。)。また、第1無機絶縁粒子13aは、第2無機絶縁粒子13bに比較して原子の運動が活発なので、第1無機絶縁粒子13a同士の第1ネック構造17aの方が第1無機絶縁粒子13aと第2無機絶縁粒子13bとの第2ネック構造17bよりも太くなる。
溶剤の蒸発に伴って無機絶縁ゾル11xが収縮するが、かかる溶剤は第1および第2無機絶縁粒子13a、13bの間隙に含まれており、第1および第2無機絶縁粒子13a、13b自体には含まれていない。このため、無機絶縁ゾル11xが粒径の大きい第2無機絶縁粒子13bを含んでいると、その分、溶剤が充填される領域が少なくなり、無機絶縁ゾル11xの溶剤の蒸発時、無機絶縁ゾル11xの収縮量が小さくなる。すなわち、第2無機絶縁粒子13bによって無機絶縁ゾル11xの収縮が規制されることとなる。その結果、無機絶縁ゾル11xの収縮に起因するクラックの発生を低減することができる。また、仮にクラックが生じても、粒径の大きい第2無機絶縁粒子13bによって該クラックの伸長を妨げることができる。
粒径が0.5μm以上の第2無機絶縁粒子13bを無機絶縁ゾル11xの固形分に60体積%以上含ませると、第2無機絶縁粒子13b同士が互いに接近し、この第2無機絶縁粒子13bに取り囲まれた領域が数多く形成される。この状態で第2無機絶縁粒子13b間の間隙に充填された溶剤を蒸発させると、該間隙内で第1無機絶縁粒子13aの収縮が起きて、空隙Vが形成される。その結果、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bに取り囲まれた空隙Vを形成することができる。
また、粒径が0.5μm以上の第2無機絶縁粒子13bを60体積%以上含ませると、第2無機絶縁粒子13b同士が近接しやすい。一方、溶剤は第2無機絶縁粒子13b同士の対向領域に残留しやすく、該残留した溶剤中には多くの第1無機絶縁粒子13aが含まれている。そして、残留した溶剤を蒸発させると、溶剤の蒸発に伴って溶剤中に含まれていた第1無機絶縁粒子13aが第2無機絶縁粒子の対向領域で凝集する。その結果、第2無機絶縁粒子13b同士の間に第1無機絶縁粒子13aを介在させることができる。第1無機絶縁粒子13aを良好に第2無機絶縁粒子13b同士の間に介在させるには、無機絶縁ゾル11xの固形分は、第1無機絶縁粒子13aを20体積%以上含むことが望ましい。
また、第2無機絶縁粒子13bを含む領域と比較して、第1無機絶縁粒子13aを含む領域にて溶剤が多く蒸発して大きく収縮するため、突出部18bが形成される。
なお、第1無機絶縁粒子13aもしくは第2無機絶縁粒子13bの粒径もしくは含有量、無機絶縁ゾル11xの溶剤の種類もしくは量、乾燥時間、乾燥温度、乾燥時の風量もしくは風速、または、乾燥後の加熱温度もしくは加熱時間を適宜調整することにより、空隙Vを所望の形状に形成することができる。
(4)残存した無機絶縁ゾル11xの固形分を加熱し、無機絶縁ゾル11xから第1無機絶縁層11aを形成する。その結果、図4Cに示すような金属箔14x、第3樹脂層10cおよび第1無機絶縁層11aを有する第1積層シート16aが得られる。
ここで、本実施形態の無機絶縁ゾル11xは、粒径が110nm以下に設定された第1無機絶縁粒子13aを有している。その結果、無機絶縁ゾル11xの加熱温度が比較的低温、例えば、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bの結晶化開始温度未満と低温であっても、第1無機絶縁粒子13a同士を強固に結合させることができる。なお、第1無機絶縁粒子13aとして酸化ケイ素により形成されたものを用いる場合、第1無機絶縁粒子13a同士を強固に結合させることができる温度は、例えば、第1無機絶縁粒子13aの粒径を110nm以下に設定した場合は250℃程度であり、前記粒径を15nm以下に設定した場合は150℃程度である。また、第1および第2無機絶縁粒子13a、13bが酸化ケイ素から成る場合、その結晶化開始温度は1300℃程度である。
また、本実施形態においては、無機絶縁ゾル11xの加熱温度を、第3樹脂層10cの熱分解開始温度未満に設定している。その結果、第3樹脂層10cの特性低下を抑制することができる。なお、第3樹脂層10cがエポキシ樹脂から成る場合、その熱分解開始温度は280℃程度である。また、熱分解開始温度は、ISO11358:1997に準ずる熱重量測定において、樹脂の質量が5%減少する温度である。
無機絶縁ゾル11xの加熱温度は、残存した溶剤を蒸発させるため、溶剤の沸点以上で行うことが望ましい。また、前記加熱温度は、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bの結晶化開始温度未満に設定されていることが望ましい。この場合、第1無機絶縁粒子13aおよび第2無機絶縁粒子13bの結晶化を低減し、アモルファス状態の割合を高めることができる。その結果、結晶化した第1無機絶縁層11aが相転移によって収縮することを低減し、第1無機絶縁層11aにおけるクラックの発生を低減できる。
なお、無機絶縁ゾル11xの加熱は、温度が例えば100℃以上220℃未満に設定され、時間が例えば0.5時間以上24時間以下に設定されており、例えば大気雰囲気中で行われる。なお、加熱温度を150℃以上にする場合、金属箔14xの酸化を抑制するため、無機絶縁ゾル11xの加熱は、真空、アルゴン等の不活性雰囲気または窒素雰囲気にて行われることが望ましい。
(5)図5Dに示すような第1樹脂前駆体シート10axを準備し、第1樹脂前駆体シート10axの上下面に第1積層シート16aを積層する。
第1樹脂前駆体シート10axは、例えば、未硬化の熱硬化性樹脂と基材とを含む複数の樹脂シートを積層することにより作製することができる。なお、未硬化は、ISO472:1999に準ずるA‐ステージまたはB‐ステージの状態である。
第1積層シート16aは、金属箔14xと第1樹脂前駆体シート10axとの間に第1無機絶縁層11aが介在されるように積層される。
(6)次に、前記積層体を上下方向に加熱加圧することにより、図4Eに示すように、第1樹脂前駆体シート10axを硬化させて第1樹脂層10aを形成する。
前記積層体の加熱温度は、第1樹脂前駆体シート10axの硬化開始温度以上熱分解温度未満に設定されている。具体的には、第1樹脂前駆体シートがエポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂またはポリフェニレンエーテル樹脂からなる場合、前記加熱温度が例えば170℃以上230℃以下に設定される。また、前記積層体の圧力は、例えば2MPa以上3MPa以下に設定され、加熱時間および加圧時間は、例えば0.5時間以上2時間以下に設定されている。なお、硬化開始温度は、樹脂が、ISO472:1999に準ずるC‐ステージの状態となる温度である。
硬化のための加熱により第1樹脂前駆体シート10axは一時液状化し、第1無機絶縁層11aに浸透する。これにより、空隙Vに樹脂が充填されて第1充填部19aが形成される。また、第1間隙G1および第2間隙G2に樹脂が充填されて第3充填部19cおよび第4充填部19dが形成される。
なお、浸透は毛細管力によって起きると考えられる。毛細管力は隙間径に反比例して大きくなる。従って、第1無機絶縁粒子13aの粒径が小さいことにより、第1間隙G1および第2間隙G2の隙間径は狭いが、その一方で毛細管力が大きくなることから、樹脂は第1無機絶縁層11aに十分に浸透する。
(7)図4Fに示すように、基体7を厚み方向に貫通するスルーホール導体8およびスルーホール導体8の内部に絶縁体9を形成し、しかる後、基体7上にスルーホール導体8に接続される導電層14を形成する。
スルーホール導体8および絶縁体9は、次のように形成される。まず、例えばドリル加工やレーザー加工等により、基体7および金属箔14xを厚み方向に貫通したスルーホールを複数形成する。次に、例えば無電解めっき、蒸着法、CVD法またはスパッタリング法等により、スルーホールの内壁に導電材料を被着させることにより、円筒状のスルーホール導体8を形成する。次に、円筒状のスルーホール導体8の内部に、樹脂材料等を充填することにより、絶縁体9を形成する。
また導電層14は、次のように形成される。まず、金属箔14xに形成されたスルーホール内より露出する絶縁体9およびスルーホール導体8上に、例えば無電解めっき法、蒸着法、CVD法またはスパッタリング法等により、金属箔14xと同じ金属材料からなる金属層を被着させる。次に、フォトリソグラフィー技術、エッチング等を用いて金属箔14xおよび/または金属層をパターニングすることにより、導電層14を形成する。なお、金属箔14xを一旦剥離させた後、金属層を基体7上に形成し、該金属層をパターニングして導電層14を形成しても良い。
以上のようにして、コア基板5を作製することができる。
(配線層6のビルドアップ工程)
(8)第2樹脂前駆体シート10bxと、第2積層シート16bとを新たに準備した後、図5Aに示すように、第2樹脂前駆体シート10bx上に第2積層シート16bを積層する。
第2樹脂前駆体シート10bxは、第2樹脂層10bを構成する上述した未硬化の熱硬化性樹脂により形成される。
また、第2積層シート16bは、例えば(1)乃至(4)の工程と同様の工程により作製されるものであり、金属箔14x、第3樹脂層10cおよび第2無機絶縁層11bを含み、第2樹脂前駆体シート10bxに第2無機絶縁層11bが当接されるように第2樹脂前駆体シート10bx上に載置される。
(9)次に、コア基板5の上下面それぞれに第2樹脂前駆体シート10bxを介して第2積層シート16bを積層する。
(10)コア基板5と第2積層シート16bとの積層体を上下方向に加熱加圧することにより、図5Bに示すように、第2樹脂前駆体シート10bxの熱硬化性樹脂を硬化させて第2樹脂前駆体シート10bxを第2樹脂層10bにする。前記積層体の加熱加圧は、例えば(6)の工程と同様に行うことができる。
この工程では、(6)の工程において第1樹脂層10aの樹脂が第1無機絶縁層11aの空隙Vならびに第1間隙G1および第2間隙G2に浸透したのと同様に、第2樹脂層10bの樹脂が第2無機絶縁層11bの空隙Vならびに第1間隙G1および第2間隙G2に浸透する。これにより、第2無機絶縁層11bの第2充填部19bおよび第3充填部19cが形成される。
(11)図5Cに示すように、例えば硫酸および過酸化水素水の混合液、塩化第二鉄溶液または塩化第二銅溶液等を用いたエッチング法により、第2無機絶縁層11bから金属箔14xを剥離する。
(12)図6Aに示すように、第2樹脂層10b、第2無機絶縁層11bおよび第3樹脂層10cを厚み方向に貫通するビア導体15を形成するとともに、第2無機絶縁層11b上に導電層14を形成する。
ビア導体15および導電層14は、具体的に次のように形成される。まず、例えばYAGレーザー装置または炭酸ガスレーザー装置により、第2樹脂層10b、第2無機絶縁層11bおよび第3樹脂層10cを貫通するビア孔を形成する。次に、例えばセミアディティブ法、サブトラクティブ法またはフルアディティブ法等により、ビア孔にビア導体15を形成するとともに第3樹脂層10c上に導電材料を被着させて導電層14を形成する。なお、この導電層14は、工程(11)において金属箔14xを剥離せず、該金属箔14xをパターニングすることにより形成しても良い。
(13)図6Bに示すように、(8)乃至(12)の工程を繰り返すことにより、コア基板5の上下に配線層6を形成する。なお、本工程を繰り返すことにより、配線層6をより多層化することができる。
以上のようにして、配線基板3を作製することができる。なお、得られた配線基板3に対してバンプ4を介して電子部品2をフリップ実装することにより、図1に示した実装構造体1を作製することができる。
なお、電子部品2は、ワイヤボンディングにより配線基板3と電気的に接続しても良いし、あるいは、配線基板3に内蔵させても良い。
本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、改良、組合せ等が可能である。
上述した実施形態においては、本発明を配線基板に適用した例について説明したが、配線基板に限らず、上述した無機絶縁層を有する全ての構造体に適用可能である。例えば、本発明は、携帯電話等の電子機器の筐体にも適用可能である。この場合、無機絶縁層は筐体を保護する耐摩耗性の保護膜として用いられる。また、本発明は、自動車や家屋に用いられる窓にも使用可能である。この場合、無機絶縁層は窓表面を被覆す透光性の耐摩耗性皮膜として使用することができ、その結果、窓材料表面の傷によって透明性が低減することを抑制できる。また、本発明は、ダイキャストに用いる金型にも適用可能である。この場合、無機絶縁層は、金型表面を被覆する耐摩耗性皮膜もしくは絶縁膜として使用することができる。
また、上述した本発明の実施形態においては、本発明に係る配線基板の例としてコア基板および配線層からなるビルドアップ多層基板を挙げたが、本発明に係る配線基板の例としては、ビルドアップ多層基板以外にも、例えば、インターポーザー基板、コアレス基板またはコア基板のみからなる単層基板やセラミック基板、金属基板、金属板を含んだコア基板も含まれる。
また、上述した本発明の実施形態においては、無機絶縁層に第1無機絶縁粒子および第2無機絶縁粒子を含んでいたが、無機絶縁層には第1無機絶縁粒子が含まれていればよく、第2無機絶縁粒子は無機絶縁層に含まれていなくても構わないし、また、第1無機絶縁粒子および第2無機絶縁粒子とは粒径の異なる無機絶縁粒子が無機絶縁層に含まれていても構わない。
また、上述した本発明の実施形態においては、第1樹脂層および第2樹脂層が熱硬化性樹脂により形成されていたが、第1樹脂層および第2樹脂層の少なくとも一方、もしくは双方が熱可塑性樹脂により形成されていても構わない。この熱可塑性樹脂としては、例えばフッ素樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂またはポリイミド樹脂等を用いることができる。
また、上述した本発明の実施形態においては、配線基板が第3樹脂層を備えていたが、第3樹脂層を備えていなくても構わない。この場合、第1無機絶縁層上および第2無機絶縁層上に導電層が形成される。また、工程(2)にて金属箔上に無機絶縁ゾルが塗布される。
また、上述した本発明の実施形態においては、第3樹脂層は第2樹脂層と比較してヤング率が低く設定されていたが、第3樹脂層と第2樹脂層とはヤング率が同一でも構わない。この場合、例えば、第3樹脂層と第2樹脂層としては、同一の樹脂材料により形成されたものを用いることができる。
また、上述した本発明の実施形態においては、コア基板および配線層の双方が無機絶縁層を備えていたが、配線基板はコア基板または配線層の少なくともいずれか一方が無機絶縁層を備えていれば良い。
また、上述した本発明の実施形態においては、無機絶縁層は、第1無機絶縁粒子および第2無機絶縁粒子に取り囲まれた空隙および当該空隙に充填された樹脂(第1または第2充填部)を有したが、これらの空隙および充填部は設けられなくてもよい。この場合、無機絶縁層に含まれる第1無機絶縁粒子の体積%の上限値は実施形態よりも小さくてよく、無機絶縁層に含まれる第2無機絶縁粒子の体積%の下限値は実施形態よりも大きくてよい。例えば、無機絶縁層は、第1無機絶縁粒子を20体積%以上90体積%以下含み、第2無機絶縁粒子を10体積%以上80体積%以下含んでよい。
また、上述した本発明の実施形態においては、工程(3)における溶剤の蒸発と工程(4)における溶剤の加熱を別々に行っていたが、工程(3)と工程(4)を同時に行っても構わない。
また、上述した本発明の実施形態においては、(8)の工程にて未硬化の第2樹脂前駆体シートを第2無機絶縁層上に載置したが、未硬化で液状の第2樹脂層前駆体を第2無機絶縁層に塗布しても構わない。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
金属箔と、無機絶縁粒子からなる第1無機絶縁層と、第1樹脂層と、を備えた積層板を作製した。そして、該積層板の第1無機絶縁層を薄く切断した試料を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いて撮影し、第1無機絶縁層の構造を観察した。
(積層板の作製条件)
まず、第1無機絶縁粒子を含む第1無機絶縁ゾルおよび第2無機絶縁粒子を含む第2無機絶縁ゾルを準備した。次に、第1無機絶縁ゾルおよび第2無機絶縁ゾルを所定量に調合し、均一に混合した。
この方法で、無機絶縁ゾルを準備した。無機絶縁ゾルは、固形分として第1無機絶縁粒子(平均粒径:40nm、固形分比:30%)および第2無機絶縁粒子(平均粒径:1μm、固形分比:70%)を含み、溶剤を42質量%含む。
次に、無機絶縁ゾルを樹脂付き金属箔の第3樹脂層上に塗布した。第3樹脂層は、エポキシ樹脂により形成した。
次に、温度:150℃、時間:2時間、雰囲気:大気の条件下で、無機絶縁ゾルを加熱するとともに溶剤を蒸発させて、積層シートを作製した。
次に、未硬化の熱硬化性樹脂を含む第1樹脂前駆体シートの上下面それぞれに積層シートを積層し、時間:1時間、圧力:3MPa、温度:180℃の条件下で、該積層体を加熱加圧することにより、第1樹脂前駆体シートを第1樹脂層にして、積層板を作製した。
(実施例)
図7、図8Aおよび図8Bの写真では、電子が透過しやすい材料が白く、透過しにくい材料が黒く表わされている。すなわち、黒く表わされた部分は無機絶縁材料を示し、白く表わされた部分は樹脂を示している。
図7において、第2無機絶縁粒子13b間に白い領域が形成されており、第1充填部19aが形成されていることが観察される。また、図7、図8Aおよび図8Bにおいて、第1無機絶縁粒子13aの周囲が白くなっており、第3充填部19cおよび第4充填部19dが形成されていることが確認された。
なお、第1ネック構造17aおよび第2ネック構造17bは、図3Bのように明確に観察することは難しい。これは、無機絶縁粒子は球状に形成されており、無機絶縁粒子同士は基本的に点接触であることから、撮像された断面が接触点(ネック構造)に一致する確率が低いためである。
1 実装構造体
2 電子部品
3 配線基板
4 バンプ
5 コア基板
6 配線層
7 基体
8 スルーホール導体
9 絶縁体
10a 第1樹脂層
10ax 第1樹脂前駆体シート
10b 第2樹脂層
10bx 第2樹脂前駆体シート
10c 第3樹脂層
11a 第1無機絶縁層
11b 第2無機絶縁層
11x 無機絶縁ゾル
12a 第1フィラー
12b 第2フィラー
12c 第3フィラー
13a 第1無機絶縁粒子
13b 第2無機絶縁粒子
14 導電層
14x 金属箔
15 ビア導体
16a 第1積層シート
16b 第2積層シート
17a 第1ネック構造
17b 第2ネック構造
18b 突出部
19a 第1充填部
19b 第2充填部
19c 第3充填部
19d 第4充填部
O 開口
V 空隙
G1 第1間隙
G2 第2間隙

Claims (6)

  1. 第1ネック構造を介して互いに接続した粒径が3nm以上110nm以下である複数の第1無機絶縁粒子と、該複数の第1無機絶縁粒子同士の間隙に配された樹脂とを備えたことを特徴とする構造体。
  2. 請求項1に記載の構造体において、
    前記第1無機絶縁粒子を介して互いに接続した粒径が0.5μm以上3μm以下である複数の第2無機絶縁粒子を更に備え、
    前記第1無機絶縁粒子と前記第2無機絶縁粒子とは、第2ネック構造を介して互いに接続したことを特徴とする構造体。
  3. 請求項2に記載の構造体において、
    前記第1ネック構造の幅は、前記第2ネック構造の幅よりも大きいことを特徴とする構造体。
  4. 請求項2に記載の構造体において、
    前記複数の第1無機絶縁粒子および前記複数の第2無機絶縁粒子に取り囲まれた空隙に配された樹脂を更に備えたことを特徴とする構造体。
  5. 第1ネック構造を介して互いに接続した粒径が3nm以上110nm以下である複数の第1無機絶縁粒子と、該複数の第1無機絶縁粒子同士の間隙に配された樹脂とを有する無機絶縁層を備えた配線基板。
  6. 請求項5に記載の配線基板において、
    前記無機絶縁層に当接した樹脂層を更に備え、
    前記樹脂は、前記樹脂層の一部が前記間隙に配されてなることを特徴とする配線基板。
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