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JP2013025298A - 立体画像撮像装置 - Google Patents

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JP2013025298A JP2011163245A JP2011163245A JP2013025298A JP 2013025298 A JP2013025298 A JP 2013025298A JP 2011163245 A JP2011163245 A JP 2011163245A JP 2011163245 A JP2011163245 A JP 2011163245A JP 2013025298 A JP2013025298 A JP 2013025298A
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正裕 山田
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青木  直
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Abstract

【課題】狭いIADでの撮影と、立体画像撮像装置の小型化とを実現できるようにする。
【解決手段】被写体から発せられた光線を取り込んで後段に導く対物光学系10と、対物光学系10によって導かれた光線の一部を反射し、一部を透過する分割光学系20を有する。第1の結像光学系30Rは、分割光学系20で反射された反射光の進路上に配置され、反射光を視差画像として結像させる。第2の結像光学系30Lは、分割光学系20で透過された透過光の進路上に配置され、通過光を視差画像として結像させる。第1の撮像素子302Rは、第1の結像光学系により結像された視差画像を画像信号に変換する。第2の撮像素子302Lは、第2の結像光学系により結像された視差画像を画像信号に変換する。
【選択図】図1

Description

本開示は、立体画像の撮影を行う立体画像撮像装置に関し、特に、立体映像を撮影する2つのレンズのレンズ間距離を短くする技術に関する。
近年、3D(立体)映像を撮影できるカメラ(立体画像撮像装置)へのニーズが高まっている。立体画像撮像装置としては、例えば、2台のカメラをそれぞれのレンズの基線が互いに平行になるように配置するサイドバイサイド方式(並立2眼式)の立体撮像装置が知られている。このタイプの立体画像撮像装置は、例えば65mm以上の広い基線長(IAD:InterAxialDistance)での撮影に適しており、遠景の被写体の撮影に向いている。
一方で、近景の被写体を撮影する場合には、基線長(以下、IADと称する)を10〜40mm程度と短くすることが求められる。IADが広いまま近景の被写体を撮影した場合には2つのカメラの輻輳角が大きくなるため、立体画像のスクリーンからの飛び出し量が、視聴者が快適に視聴できる範囲を超えてしまうためである。このような場合には、視聴者が立体画像を見ていて疲れる、あるいは気分が悪くなるなどの問題が生じてしまう。
ところが、サイドバイサイド方式の立体画像撮像装置では、2つのカメラのそれぞれの光学系やイメージャを横に並べて配置するため、2つのカメラがお互いに物理的に干渉する。このため、IADを、光学系やイメージャの配置位置により定まる2つのカメラ間の距離よりも短くすることはできない。
これに対して、ビームスプリッタ方式(ハーフミラー方式)による立体画像撮像装置によれば、IADを短くすることができる。ビームスプリッタ方式の立体画像撮像装置では、ハーフミラーで分けられた像光を2つの撮像装置に入射させる構成であり、2つの撮像装置が、それぞれのレンズの光軸がハーフミラーの面上で互いに直交するように配置される。つまり、2つの撮像装置が物理的に互いに干渉し合うことがなくなるため、IADをゼロにすることも可能となる。
ところが、ビームスプリッタ方式の立体画像撮像装置は、2台の撮像装置がリグと呼ばれる架台に装着される形状であるため、立体画像撮像装置全体が大型化および重量化してしまう。また、2つの撮像装置の視界内にハーフミラーの縁が入らないようにする必要があるため、ハーフミラーの大きさが撮像装置のレンズの径に比例して非常に大きくなってしまう。これにより、立体画像撮像装置のコストも高くなってしまっていた。さらに、リグに搭載する形態の立体画像撮像装置では、IADや輻輳角等の設定やアライメント調整等を撮影毎に行う必要があり、これらに大変な労力を要するという問題もある。
このような問題を解決するため、近年、サイドバイサイド方式で撮影を行う2眼のレンズを一つの筐体に作り込み、一体型の立体画像撮像装置を構成することも行われている。このように構成された立体画像撮像装置は、組み立てる必要が無くアライメントの調整も必要がない。さらに、コンパクトであるため、フィールドでの撮影や取材時においても持ち運びが容易であり、また短時間のセットアップで直ぐに撮影に入れるといったメリットがある。
例えば特許文献1には、2眼のレンズを一つの筐体に作り込んだ立体撮像装置が記載されている。
特開平9−46729号公報
しかしながら、このような一体型の立体画像撮像装置は、基本的にはサイドバイサイド方式であるので、IADの調整に限界が生ずる。すなわち、IADを、光学系やイメージの配置位置により定まる一定の距離より短くすることができないという問題は解決されない。
本開示はかかる点に鑑みてなされたものであり、狭いIADでの撮影と、立体画像撮像装置の小型化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の立体画像撮像装置は、対物光学系と、分割光学系と、第1の結像光学系と、第2の結像光学系と、第1の撮像素子と、第2の撮像素子とを備える構成とし、各部の構成及び機能を次のようにする。対物光学系は、被写体から発せられた光線を取り込んで後段に導く。分割光学系は、対物光学系によって導かれた光線の一部を反射し、一部を透過する部分反射面を有する。第1の結像光学系は、分割光学系で反射された反射光の進路上に配置され、反射光を視差画像として結像させる。第2の結像光学系は、分割光学系で透過された透過光の進路上に配置され、通過光を視差画像として結像させる。第1の撮像素子は、第1の結像光学系により結像された視差画像を画像信号に変換する。第2の撮像素子は、第2の結像光学系により結像された視差画像を画像信号に変換する。
このように構成することで、第1の結像光学系と第2の結像光学系とが互いに物理的に干渉し合うことがなくなるため、IADを短くできるようになる。また、分割光学系を対物光学系の後段に配置することで分割光学系を小さくでき、これに伴って立体画像撮像装置全体のサイズも小型化することができる。
本開示によれば、狭いIADでの撮影と、装置の小型化を図ることができる。
本開示の第1の実施の形態による立体画像撮像装置の構成例を示す概略図であり、(a)は側面図であり(b)は上面図である。 本開示の第1の実施の形態による、結像機能を有する対物光学系を用いた場合の、結像光学系に入射する光線の光路の例を示す光路図である。 本開示の第1の実施の形態による、被写体から放射される光線を略平行光として出射する対物光学系を用いた場合の、結像光学系に入射する光線の光路の例を示す光路図であり、(a)は結像光学系のレンズ中心を通る光線の光路図であり、(b)は被写体の一点から出射した光線のうち、結像光学系に到達する光線の光路図である。 本開示の第1の実施の形態による、立体画像撮像装置のズーム動作の例を示す説明図であり、(a)は広角低倍率時のレンズの位置の例を示し、(b)は狭角高倍率時のレンズの位置の例を示す。 本開示の第1の実施の形態による、立体画像撮像装置のフォーカス動作の例を示す説明図であり、(a)はフォーカス位置を被写体側に移動させた例を示し、(b)はフォーカス位置を像側に移動させた例を示す。 本開示の第1の実施の形態による、ハーフミラーと結像光学系の配置角度の例を示す側面図である。 本開示の第1の実施の形態の変形例1による立体画像撮像装置の構成例を示す側面図である。 本開示の第1の実施の形態の変形例2による立体画像撮像装置の構成例を示す概略図であり、(a)は側面図であり、(b)は上面図である。 本開示の第1の実施の形態の変形例3による立体画像撮像装置の構成例を示す側面図である。 本開示の第2の実施の形態による立体画像撮像装置の構成例を示す概略図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本開示の第2の実施の形態による立体画像撮像装置の構成例を示す斜視図である。 本開示の第2の実施の形態の変形例1による立体画像撮像装置の構成例を示す概略図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本開示の第2の実施の形態の変形例1による立体画像撮像装置の構成例を示す斜視図である。 本開示の第2の実施の形態の変形例2による立体画像撮像装置の構成例を示す概略図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本開示の第2の実施の形態の変形例2による立体画像撮像装置の構成例を示す斜視図である。 本開示の第3の実施の形態による立体画像撮像装置の構成例を示す上面図である。
以下、本開示の実施形態に係る立体画像撮像装置について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(互いの光軸が平行になるように、2つの結像光学系およびこれらに対応する撮像素子を配置した場合の例)
2.第2の実施の形態(互いの光軸が交差するように、2つの結像光学系およびこれらに対応する撮像素子を配置した場合の例)
3.第3の実施の形態(結像光学系およびこれに対応する撮像素子を複数個設けた場合の例)
<1.第1の実施の形態による立体画像撮像装置の構成例>
[1−1.立体画像撮像装置の構成例]
まず、本開示の第1の実施の形態による立体画像撮像装置の構成例について、図1〜図5を参照して説明する。図1(a)は本実施の形態による立体画像撮像装置1の側面図であり、図1(b)は上面図である。図1(a)および図1(b)に示すように、立体画像撮像装置1は、対物光学系10と、分割光学系としてのハーフミラー20と、撮像部3Rと撮像部3Lとを備える。
対物光学系10は、四角い囲みで示した鏡筒の中に、図示せぬ複数枚・多群のレンズやフィルタ、絞り、レンズ駆動機構が配置されてなる。そして、図示しない被写体から放射されて図1の左側から右側に進む光を取り込んで後段に導く。対物光学系10の各レンズは、実像または虚像を結像するように構成してもよく、被写体からの光線(以下、「被写体光」とも称する)を略平行に出射するアフォーカル系として構成してもよい。また、対物光学系10は、ズーム光学系およびフォーカス光学系を有する構成としてあり、図示せぬレンズ駆動機構によってこれらの光学系を構成するレンズを駆動することで、ズーム動作およびフォーカス動作が実現される。対物光学系10のレンズの構成については図2および図3を参照して後述し、ズーム動作およびフォーカス動作については、図4および図5を参照して後述する。
ハーフミラー20は、透明なガラス基板の一方の面に部分反射面21が形成されてなり、対物光学系10によって導かれた光線の一部を部分反射面21によって反射するとともに、一部の光線を透過する。反射する光線と透過する光線とにおける光量比は、例えば1:1等の任意の値に設定されるものとする。部分反射面21は、例えば、半透明なクロムや銀などの金属の薄膜で構成される。金属の薄膜の代わりに、誘電体多層膜を蒸着したものを使用してもよい。部分反射面21を、偏光依存型の誘電体多層膜で構成する場合は、ハーフミラー20への入射光のうちある偏光の光は反射し、その光と偏光方向が直交する偏光の光は透過するようにする。部分反射面21を、偏光に依存しない誘電体多層膜で構成する場合には、一部の光は反射し、一部の光は透過するように構成する。
ハーフミラー20の配置角度は、図1(a)および図1(b)に示した例では、対物光学系10の光軸Ax1を通る光線のハーフミラー20に対する入射角θiが45度となる角度とされている。入射角θiは、対物光学系10の光軸Ax1を通る光線のハーフミラー20へ入射する入射点に立てた法線Nと、光軸Ax1を通ってハーフミラー20に入射した光線とのなす角で示される。
撮像部3Rは、第1の結像光学系としての結像光学系30Rと、第1の撮像素子としての撮像素子302Rとを有する。結像光学系30Rは、図示せぬ複数枚のレンズを備え、ハーフミラー20によって反射された被写体光を、撮像素子302Rの図示せぬ撮像面に視差画像として結像させる。撮像素子302Rは、結像光学系30Rによって結像された視差画像を画像信号に変換する。
撮像部3Lは、第2の結像光学系としての結像光学系30Lと、第1の撮像素子としての撮像素子302Lとを有する。結像光学系30Lは、図示せぬ複数枚のレンズを備え、ハーフミラー20によって透過された被写体光を、撮像素子302Rの図示せぬ撮像面に視差画像として結像させる。撮像素子302Rは、結像光学系30Rによって結像された被写体光を画像信号に変換する。
結像光学系30Rと結像光学系30Lとは、図1(a)に示すように、互いの光軸(光軸Ax3Rと光軸Ax3L)が直交するような角度に配置される。結像光学系30Lは、その光軸Ax3Lが対物光学系10の光軸Ax1と平行となる位置に配置され、結像光学系30Rは、その光軸Ax3Rが対物光学系10の光軸Ax1に対して垂直に交わるような角度に配置される。
より詳細には、結像光学系30Rは、対物光学系10を通ってハーフミラー20によって反射された被写体光が、結像光学系30Rの光軸Ax3Rからずれた位置を通るような位置に配置されている。具体的には、その光軸Ax3Rに沿う想像上の光線が、ハーフミラー20に入射および反射された場合に、その想像上の光線が、対物光学系10の光軸Ax1に平行かつ上方向に距離Δ1だけ離れた線上を通るような位置に、結像光学系30Rが配置される。結像光学系30Lは、その光軸Ax3Lが、対物光学系10の光軸Ax1に対してΔ1とは反対方向(図1(a)での垂直方向の下方向)に距離Δ2だけずれる位置に配置される。
また、図1(b)に示すように、結像光学系30Rは、光軸Ax3Rに沿う想像上の光線が、ハーフミラー20に反射された後に対物光学系10の光軸Ax1に対して水平方向の右方向(図1(b)では上方向)に距離Δ3だけずれた位置を通る位置に配置される。結像光学系30Lは、その光軸Ax3Lが、対物光学系10の光軸Ax1に対してΔ3とは反対方向(図1(b)での下方向)に距離Δ4だけずれる位置に配置される。
このように構成した立体画像撮像装置1を、撮影者の両目を結ぶ線分を含み水平方向に伸びる平面と、図1(b)に示した、立体画像撮像装置1を上面から見た場合の水平面とが、略平行となるように配置したとする。このように配置すると、撮像素子302Rと撮像素子302Lに取り込まれるそれぞれの画像に、距離Δ1と距離Δ2により生じる垂直視差と、距離Δ3と距離Δ4により生じる水平視差の両方の成分が含まれるようになる。一方、図1(b)に示した、立体画像撮像装置1を上面から見た場合の立体画像撮像装置1における水平面が、撮影者の両目を結ぶ線分を含む水平方向に伸びる平面と垂直に交わるように立体画像撮像装置1を配置したとする。この場合は、撮像素子302Rと撮像素子302Lに取り込まれるそれぞれの画像に、距離Δ1と距離Δ2により生じる垂直視差と、距離Δ3と距離Δ4により生じる水平視差の両方の成分が含まれるようになる。
[1−2.対物光学系の構成例]
次に、図2を参照して、対物光学系10のレンズを、被写体光を実像として結像するレンズとして構成とした場合の、対物光学系10の構成例について説明する。なお、説明の便宜上、対物光学系10によって実像が形成される場合を例に挙げているが、虚像が形成される構成をとってもよい。図2は、被写体Sから出射された光線のうち、結像光学系30Rの結像レンズ301Rの中心および結像光学系30Lの結像レンズ301Lの中心を通る光線の光路を示した図である。図2においては、説明をわかり易くするために、対物光学系10および、結像光学系30Rと結像光学系30Lのレンズが薄肉レンズで構成されているものする。
図2に示すように、被写体Sの異なる3箇所から放射された各光線のうち、結像レンズ301Rの中心に入射する各光線は、対物光学系10を通過した後に、ハーフミラー20によって反射された地点で再び結像する。結像した箇所にできる像を、図2では空間像S′Rと示している。一方、被写体Sの異なる3箇所から放射された各光線のうち、結像レンズ301Lの中心に入射する各光線は、対物光学系10を通過した後に、ハーフミラー20を通過した地点で再び結像する。結像した箇所にできる像を、図2では空間像S′Lと示している。
このような、対物光学系10によって結像されてできる空間像S′は、被写体Sが無限遠にある場合は、対物光学系10の後側焦点F1に形成される。被写体Sが有限距離にある場合は、被写体Sの対物光学系10からの距離に応じて、後側焦点より後方(撮像素子302R,302L側)に形成される。よって、空間像S′の形成範囲は、図2に空間像形成領域Arとして示すように、対物光学系10の後側焦点F1の近傍となる。
空間像S′は、あたかもその位置に物体があるように見えるものであり、結像光学系30Rの結像レンズ301Rおよび、結像光学系30Lの結像レンズ301Lを視点にして眺めると見ることができる。図2に示す空間像S′Lの形成位置および空間像S′Rの形成位置を通過した光線は、結像光学系30R,結像光学系30Lに導かれて撮像素子302Rおよび撮像素子302Lの図示せぬ撮像面上に結像し、それぞれが視差画像となる。
また、被写体Sから放射された光線は、もし結像レンズ301R,結像レンズ301Lの各レンズの中心から光線が放射されるとすると、その光線が辿る経路と同じ経路を辿る。このため、結像レンズ301Rの中心から放射された光線および、結像レンズ30Lの中心から放射された光線についても考えてみると分かりやすい。結像レンズ301R,結像レンズ301Lの中心から放射された光線は、空間像S′R(S′L)のある一点を通過した後に対物光学系10のレンズに到達し、そこから「空間像S′R(S′L)のある一点」に対応する被写体Sのある一点に向かって進行する。このとき、対物光学系10のレンズを通過した各光線は、被写体Sに到達するまでの間に再びある一点で交わっていることが分かる。
つまり、この一点は、結像レンズ301R,結像レンズ301Lのレンズ中心を通過することになるすべての光線が通過する点であると言える。このため、撮像素子302Rの撮像面および、撮像素子302Lの撮像面に結像される映像は、この「一点」を瞳として撮影された画像と等価なものとなる。つまり、この「一点」は、立体画像撮像装置1における実質的な瞳であると考えられる。(以下、この実質的な瞳のことを「実効瞳」と称する。図2中では「実効瞳EpL」,「実効瞳EpR」と表記)
このような「実効瞳」は、対物光学系10のレンズを、被写体Sから出射される光線に対してアフォーカルな光線を出射する光学系として構成した場合にも形成される。図3は、対物光学系10のレンズをこのように構成した場合の、結像光学系30Rおよび結像光学系30Lに入射する被写体光の光路の例を示したものである。図3に示す例では、対物光学系10を、凹レンズ11と凸レンズ12とを含む構成としてある。
図3(a)は、被写体Sのある一点から出射された光線のうち、結像光学系30Rと結像光学系30Lに入射する光線の光路を示した図である。被写体Sのある一点である点Aから出射された光線のうち、対物光学系10の光軸Ax1に平行に進んだ光線Ry1は、対物光学系10の凹レンズ11に到達すると、凹レンズ11の後側焦点F2から直進してきた光と一致した方向(外側に広がる方向)に進む。また、被写体Sの点Aから出射された光線のうち、凹レンズ11の中心に向かって進んだ光線Ry2はそのまま直進する。凹レンズ11から出射する光線Ry1を、光の進行方向と反対の方向に延長すると、その線は光線Ry2と交差する。この交差した箇所にできる交点A′は、凹レンズ11によって形成される虚像S′における、被写体S上の点Aと対応する点となる。したがって、被写体S上の点Aから出射されたすべての光は、凹レンズ11を通過後は、この点A′から直進してきた光のように進む。
そして、凹レンズ11を通過した光線は、凸レンズ12によって、被写体から出射された光線(被写体光)と略アフォーカルな光線とされる。被写体光と略アフォーカルとされた光線のうち、ハーフミラー20によって反射された光線は、結像光学系30Rに入射し、結像レンズ301Rによって撮像素子302Rの撮像面に結像される。被写体光と略アフォーカルとされた光線のうち、ハーフミラー20によって透過された光線は、結像光学系30Lに入射し、結像レンズ301Lによって撮像素子302Lの撮像面に結像される。
なお、図3(a)では、対物光学系10を、被写体Sに対して略アフォーカルな光線を出射するように構成した例をあげたが、被写体Sに対して虚像を結像するように構成してもよい。図示は省略するが、このように構成した場合には、凹レンズ11を通過した光線は凸レンズ12によって略発散光束に変換される。すなわち、凹レンズ11と凸レンズ12の組からなる対物光学系10によって形成される、被写体Sの虚像から発散された光線束に変換される。対物光学系から出射された略発散光束のうち、ハーフミラー20によって反射された光線は、結像光学系30Rに入射し、結像レンズ301Rによって撮像素子302Rの撮像面に結像される。対物光学系から出射された略発散光束のうち、ハーフミラー20によって透過された光線は、結像光学系30Lに入射し、結像レンズ301Lによって撮像素子302Lの撮像面に結像される。
図3の説明に戻ると、図3(b)は、被写体Sから出射された光線のうち、結像レンズ301Rと結像レンズ301Lの中心を通る被写体光の光路を示した図である。被写体Sの異なる3箇所から放射された各光線のうち、結像レンズ301Rまたは結像レンズ301Lの中心に入射する各光線は、対物光学系10の凹レンズ11に入射後は凹レンズ11によって屈折され、外に広がる方向に進む。この、凹レンズ11に入射して凹レンズ11の主平面に到達するまでの各光線をそのまま延長した位置に、実効瞳EpRと実効瞳EpLが形成される。そして、撮像素子302Rの撮像面および、撮像素子302Lの撮像面に結像される映像は、この実効瞳EpRと実効瞳EpLを瞳として撮影された画像と等価なものとなる。図2に示した例でも、図3に示した例でも、実効瞳EpRと実効瞳EpLは、ハーフミラー20よりも被写体S側に形成されていることが分かる。
一方、対物光学系を持たずにカメラの前面にハーフミラーが配置された、従来のタイプの立体画像撮像装置では、「実効瞳」は形成されない。したがって、カメラの瞳に写った像がそのまま撮像素子の撮像面に結像される。そして、このようなカメラの瞳の前方(被写体側)にはハーフミラーが配置されており、ハーフミラーにはフードが取り付けられている。よって、ハーフミラーの奥行き方向の長さとフード長さを足した分より近い位置にある被写体は、当然撮影することができない。ハーフミラーの奥行き方向の長さとフードの長さを足した長さが例えば1mであった場合には、瞳から1m以上離れた位置にある被写体しか撮影することができない。
これに対して、図2および図3に示す本開示の立体画像撮像装置1によれば、ハーフミラー20近傍もしくは、ハーフミラー20よりも被写体S側に実効瞳S′が形成される。このため、立体画像撮像装置1から数cm程度の近接した位置にある被写体も、立体画像として撮影することが可能となる。
なお、図2に示した例のように、実像を結像するように対物光学系10のレンズを構成した場合には、結像レンズ301Rおよび結像レンズ301Lとして、接写レンズを使用する必要がある。結像光学系30Rおよび結像光学系30Lから非常に近い位置に形成される空間像S′R(S′L)に、焦点を合わせる必要があるためである。極端な接写ではない通常距離にある被写体に対する、空間像S′R(S′L)の形成される範囲は、非常に狭い範囲であるため、結像レンズ301Rおよび結像レンズ301Lのフォーカス範囲は、空間像S′R(S′L)の形成される範囲と同等の狭い範囲をカバーしていればよいことになる。
図3に示した例のように、対物光学系10のレンズを、被写体Sから出射される光線に対してアフォーカルな光線を出射する光学系として構成した場合は、結像レンズ301Rおよび結像レンズ301Lとして、通常のレンズを使用することができる。ここでいう通常のレンズとは、最短撮影距離から無限遠まで焦点を合わせることができるレンズを指す。
次に、図4および図5を参照して、対物光学系10によるズーム動作およびフォーカス動作について説明する。図4に示す対物光学系10は、通常のズームレンズを使用しているものとする。図4は、対物光学系10を、ズーム比が「2」の2群ズームレンズとして構成した例を示したものである。図4に示す例では、ズームレンズ(対物光学系10)として、焦点距離が−87.5mmの凹レンズ11と、焦点距離が44.9mmの凸レンズ12を使用している。
図4(a)に示すように、撮像面Iaから凸レンズ12の主平面までの距離を62.820mmとし、凸レンズ12の主平面から凹レンズ11の主平面までの距離を69.550mmとすることで、系全体の焦点距離を35mmとすることができる。また、図4(b)に示すように、撮像面Iaから凸レンズ12の主平面までの距離を80.769mmとし、凸レンズ12の主平面から凹レンズ11の主平面までの距離を13.460mmとすることで、系全体の焦点距離を70mmとすることができる。
いずれの倍率においても、被写体光の光路を示す矢印と光軸Ax1との交点で示される対物光学系10の焦点位置は、撮像面Ia上に位置しており、ズーム動作によってもその位置は変化していない。つまり、対物光学系10の各レンズの位置を図4(a)および図4(b)に示すように制御することで、焦点位置を変化させることなく、系全体の焦点距離を35mm(広角低倍率)から70mm(狭角高倍率)まで変化させることが可能となる。
図5は、図4に示した2群ズームレンズにおけるフォーカス調整動作の例を示したものである。図5には、凹レンズ11の位置のみを移動させることによりフォーカス調整を行う例をあげている。図5(a)は、焦点位置が撮像面Ia上に位置していた状態から、凹レンズ11のみを被写体側に−1mm移動させた場合の例を示している。このように凹レンズ11を移動させることにより、焦点位置が、撮像面Iaより被写体側に−0.12mm移動する。また、図5b(b)に示すように、凹レンズ11を撮像素子側に+1mm移動させることで、焦点位置が、撮像面Iaより撮像素子側に+0.18mm移動する。このように、フォーカス調整動作によって空間像が移動する。従って、ズームレンズを対物光学系10として利用し、ズームレンズのフォーカス調整動作を行うことは、概輻輳位置を変えることに等しい。即ち、対物光学系10の「フォーカス調整動作」は、「輻輳調整動作」と言い換えることができる。
このように、対物光学系10を凹レンズ11と凸レンズ12によるズームレンズとして構成し、凹レンズ11を光軸Ax1の前後方向に移動させることにより、容易に焦点位置(フォーカス位置)を調整することが可能となる。なお、凹レンズ11のみを移動させることによってフォーカス調整を行う場合には、系全体の焦点距離も、図5(a)に示した例では34.99mm、図5(b)に示した例では35.3mmといったように、わずかながらも変化する。これに伴って画角も変化するが、その変化率は1%と微少であるため、実運用上は問題とされないレベルの変化であると考えられる。
また、対物光学系10全体を光軸Ax1の前後方向に移動させることによっても、フォーカスの調整を行うことができる。このように制御すれば、画角を変化させずにフォーカス調整を行うことが可能となる。しかし、この手法の実現にあたっては、対物光学系10を駆動する機構を大がかりなものとする必要がある。なお、図4および図5に示した例では、対物光学系10がズーム調整機能とフォーカス調整機能の両方を有する場合を例にあげたが、ズーム調整機能のみ、もしくはフォーカス調整機能のみを有するように構成してもよい。
さらに、図1〜図5に示した立体画像撮像装置1によれば、輻輳点を任意の位置に設定した後にその輻輳点の位置(以下、「輻輳位置」とも称する)をすることも、対物光学系10のみの制御によって実現することができる。輻輳位置の設定は、例えば、撮像素子302Rと撮像素子302Lにより得られた各画像を互いにずらすことにより左右の視差画像とし、左右の視差画像において重なりあう部分の任意の箇所を輻輳点とすることで行う。もしくは、撮像素子302R(302L)の結像光学系30R(30L)に対する配置位置自体をずらすことによって左右の視差画像の重なりを作り出し、そのずらし量の大きさによって、輻輳位置を任意の位置に設定することもできる。なお、輻輳位置の設定として後者の手法をとる場合には、撮像素子302Rと撮像素子302Lの画素数を、ディスプレイ(図示略)の画素数よりも多くしておく必要がある。
このようにして輻輳位置を設定した状態で、対物光学系10を光軸Ax1に沿う前後の方向に移動すれば、輻輳位置を新たな位置に変更することができる。例えば、例えば図2に示す立体画像撮像装置1にあてはめてみると、対物光学系10全体をその光軸Ax1に沿って被写体S側に移動させると、これに伴って、空間像S′の形成位置も光軸Ax1上を被写体S側に移動する。このとき、後段の撮像部3Lと撮像部3Rの配置に変化が無ければ、輻輳点の形成位置は変わらない。よって、対物光学系10を被写体S側に移動させることにより、輻輳点の形成位置に対する空間像S′の形成位置は、相対的に後方(光の出射側)に移動することになる。つまり、対物光学系10の繰り出し動作に追従して空間像S′の形成位置が移動するため、対物光学系10の繰り出し量を制御することで、輻輳位置を空間像S′上の任意の位置に調整することが可能となる。
また、対物光学系10のレンズに可変焦点光学素子を使用すれば、その焦点距離可変機能を用いることによっても輻輳位置を調整することもできる。対物光学系10の焦点距離を短くすれば、空間像S′の形成位置が、対物光学系10の光軸Ax1上を被写体S側に移動し、反対に長くすれば、空間像S′の形成位置が、対物光学系10の光軸Ax1上を像側に移動する。
このように、本開示の第1の実施形態による立体画像撮像装置1によれば、ズームの調整やフォーカスの調整、輻輳位置の調整を対物光学系10側のみで行うことができるため、結像光学系30Rと結像光学系30Lとにこれらの機能を持たせる必要がなくなる。よって、従来の立体画像撮像装置においてフォーカスやズーム調整時に行っていた2眼の各カメラの連動制御も、行う必要がなくなる。これにより、2眼の各カメラの調整動作時に発生していた2眼の相対的な軸ずれも発生しなくなる。
また、2眼の各カメラを連動させるための高度な制御機構やメカ機構が不要となるため、結像光学系30Rと結像光学系30Lのレンズとして、単機能なレンズを使用することができる。したがって、結像光学系30Rと結像光学系30Lの小型化および低コスト化を図ることが可能となる。さらに、結像光学系30Rと結像光学系30Lに対して光を反射または透過するハーフミラー20の大きさも小さくすることができるため、立体画像撮像装置1全体の小型化および製造コストの大幅な低減を図ることが可能となる。
また、本開示の第1の実施形態による立体画像撮像装置1によれば、ハーフミラー20を狭体内に格納できるため、ハーフミラー20に汚れが付着してしまうことがなくなる。
また、本開示の第1の実施形態による立体画像撮像装置1では、ハーフミラー20により反射または透過された光線を結像光学系30Rと結像光学系30Lに入射させているため、結像光学系30Rと結像光学系30Lとが互いに物理的に干渉し合うことがなくなる。よって、IADを非常に狭くすることができる。結像光学系30Rと結像光学系30Lとを同軸上に配置すれば、IADをゼロにすることも可能となる。
また、本開示の第1の実施形態による立体画像撮像装置1によれば、前述したように、ハーフミラー20近傍もしくは、ハーフミラー20よりも被写体S側に実効瞳が形成される。そして、撮像素子302Rの撮像面および、撮像素子302Lの撮像面結像される映像は、この実効瞳を瞳として撮影された画像と等価なものとなる。このため、従来の撮像装置に比べて、「瞳」と被写体Sとの距離が短くなる。つまり、被写体Sにより近接した撮影を行うことができるようになる。
なお、上述した実施の形態では、結像光学系30Rと結像光学系30Lとを、対物光学系10の光軸Ax1を中心として、垂直方向と水平方向の両方向において所定の距離だけ互いに離れるように配置したが、この配置に限定されるものではない。対物光学系10の光軸Ax1に対する結像光学系30Rと結像光学系30Lの配置位置のずれ量を、垂直方向と水平方向のいずれか一方向においてのみ設定するようにしてもよい。
例えば、図1(a)に側面図として示された構成においては、距離Δ1と距離Δ2とが互いにゼロとなるように結像光学系30Rと結像光学系30Lとを配置する。つまり、結像光学系30Rの光軸Ax3Rに沿う想像上の光線と、結像光学系30Lの光軸Ax3Lとが、対物光学系10の光軸Ax1上に重なるように配置する。そして、図1(b)に上面図として示される構成では、図示されるままの構成とする。つまり、結像光学系30Rの水平方向における配置位置は、対物光学系10の光軸Ax1から距離Δ3だけ右方向(図では上方向)にずらし、結像光学系30Rの水平方向における配置位置は、光軸Ax1から距離Δ4だけ左方向(図では下方向)にずらす。
このような構成とし、図1(b)に示す上面図における水平面と、撮影者の両目を結ぶ線分を含む水平方向に伸びる面とが平行になるように、立体画像撮像装置1を配置したものとする。この場合は、撮像素子302Rと撮像素子302Lによって得られる各視差画像には、垂直方向の視差成分は含まれず、水平方向の視差成分のみが含まれるようになる。
反対に、側面図として示される構成は図1(a)に図示されたままのものとし、図1(b)に上面図として示される構成において、距離Δ3と距離Δ4の両方がゼロとなるように結像光学系30Rと結像光学系30Lとを配置してみる。この場合は、撮像素子302Rと撮像素子302Lによって得られる各視差画像には、水平方向の視差成分は含まれず、垂直方向の視差成分のみが含まれるようになる。
また、上述した実施の形態では、対物光学系10の光軸Ax1と結像光学系30Rの光軸Ax3Rとが、図1(a)に示す同一の垂直平面上に配置されるように構成した例を示したが、これに限定されるものではない。ハーフミラー20と結像光学系30Rとを、対物光学系10の光軸Ax1を中心軸として、任意の角度だけ回転させた位置に配置してもよい。この場合は、撮像素子302Rと撮像素子302Lに取り込まれる映像に含まれる、観察者にとっての水平視差成分と垂直視差成分は、回転させる前において取得される各成分と同じ関係の視差成分となる。
なお、ハーフミラー20と結像光学系30Rとを回転させる際の中心軸は、対物光学系10の光軸Ax1以外の軸でもよい。例えば、結像光学系30Rに沿う想像上の光線がハーフミラー20によって反射された場合の進路を軸とみなし、この軸を回転の中心軸としてもよい。
または、ハーフミラー20と結像光学系30Rだけでなく、結像光学系30Lも一緒に、対物光学系10の光軸Ax1を中心に任意の角度だけ回転させた位置に配置してもよい。このように構成した場合には、図1に示した距離Δ1〜距離Δ4をすべてゼロとしたとしても、撮像素子302Rと撮像素子302Lに取り込まれる映像には、撮影者にとっての水平視差成分と垂直視差成分の両方が含まれるようになる。
また、上述した実施の形態では、ハーフミラー20を、対物光学系10の光軸Ax1を通る光線のハーフミラーに対する入射角θiが45度となるような角度に配置しているが、ハーフミラー20の配置角度は、この角度に限定されるものではない。図6に示すように、結像光学系30Rに入射する被写体光のハーフミラー20への入射角θiと反射角θrとが同一の角度となる位置に結像光学系30Rを配置するようにすれば、ハーフミラー20の配置角度は何度であっても構わない。つまり、対物光学系10の光軸Ax1を通る光線のハーフミラーに対する入射角θが、0°より大きく、180°より小さい角度となる位置であれば、ハーフミラー20の角度はいずれの角度に設定してもよい。ただし、対物光学系10の光軸Ax1を通る光線のハーフミラーに対する入射角θが大きくなるほど、それに伴ってハーフミラー20の面積(部分反射面21の大きさ)も大きくする必要がある。
[1−3.変形例1]
また、上述した実施の形態では、分割光学系としてハーフミラー20を使用しているが、これに限定されるものではない。例えば、ガラスや透明プラスチック等の透明部材50の間に部分反射膜51を挟んだものを、分割光学系として使用してもよい。図7は、このような分割光学系を用いた場合の、立体画像撮像装置1aの構成例を示したものである。図7において図1と対応する箇所には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略する。
部分反射膜51を透明部材50で覆う構成とすることにより、部分反射膜51への汚れの付着や部分反射膜51の劣化を防ぐことができる。また、透明部材50を立方形の形状とすることで剛性も向上するため、部分反射膜51の反射面の形状も維持しやすくなる。さらに、分割光学系を立方形の形状とすることで、対物光学系10によって導かれた光線が透明部材50の面に対して垂直に入射するため、屈折による色分散が起こりにくくなる。
[1−3.変形例2]
また、上述した実施の形態では、分割光学系としてハーフミラー20一枚を使用した例をあげたが、これに限定されるものではない。例えば、ハーフミラー20で透過された光線をさらに反射させるミラー40をさらに設けてもよい。図8は、分割光学系をこのように構成した場合の、立体画像撮像装置1bの構成例を示したものである。図8において図1および図7と対応する箇所には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略する。図8(a)は立体画像撮像装置1bの側面図であり、図8(b)は上面図である。
図8(a)に示すように、ハーフミラー20によって透過された光線が入射される位置に、入射光を全反射するミラー40を配置する。ミラー40の配置角度は、ミラー40による反射光の進行方向が、ハーフミラー20による反射光の進行方向と180°反転する方向となる角度に設定される。ハーフミラー20とミラー40とをこのように配置することにより、対物光学系10によって導かれた被写体光が、左右の異なる方向に反射されるようになる。これにより、結像光学系30Rと結像光学系30Lとを、互いに180°反転する位置に配置することができるため、結像光学系30Rと結像光学系30Lの周辺の空間がより大きく空くようになる。したがって、図1等に示した構成と比較して、結像光学系30Rと結像光学系30Lの配置の自由度がより向上する。
[1−4.変形例3]
なお、ハーフミラー20とミラー40の代わりに、図9に示す立体画像撮像装置1cのように、透明部材50の間に部分反射膜51と反射膜52とを挟んだものを分割光学系としてしようするようにしてもよい。このように構成することで、図7に示した構成と同様に、部分反射膜51および反射膜52への汚れの付着や、これらの劣化を防ぐことができる。また、立方形の形状とすることで剛性も向上するため、部分反射膜51および反射膜52の各反射面の形状も維持しやすくなる。さらに、分割光学系を略立方形の形状とすることで、対物光学系10によって導かれた光線が透明部材50の面に対して垂直に入射するため、屈折による色分散が起こりにくくなる。
<2.第2の実施の形態による立体画像撮像装置の構成例>
[2−1.立体画像撮像装置の構成例]
次に、本開示の第2の実施の形態による立体画像撮像装置1Aの構成例について、図10および図11を参照して説明する。図10(a)は立体画像撮像装置1Aの上面図であり、図10(b)は側面図である。図11は、立体画像撮像装置1Aの斜視図である。なお、図10および図11において図1と対応する箇所には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略する。
立体画像撮像装置1Aは、図10(a)に示すように、結像光学系30Rと結像光学系30Lとを内側に傾けて配置している。結像光学系30Rと結像光学系30Lの傾斜角度は、結像光学系30Rの光軸Ax3Rと結像光学系30Lの光軸Ax3Lとが、互いにハーフミラー20上かつ対物光学系10の光軸Ax1上で交わるような角度としてある。そして、図11に示すように、結像光学系30Rの光軸Ax3Rと結像光学系30Lの光軸Ax3Lが交わっている箇所が輻輳点cとなる。
このように、結像光学系30Rと結像光学系30Lとを輻輳をつけて配置することで、結像光学系における軸外光の入射角度を小さく抑えることができ、撮像素子302Rと撮像素子302Lのそれぞれに結像された左右の視差画像において、互いに共通する(重なりあっている)領域の広さを容易に調整することができる。特に、立体画像撮像装置1Aに近接した位置にある被写体を撮影する際には、結像光学系30Rと結像光学系30Lの傾斜角度(輻輳角)を大きくすることで、左右の視差画像におけるオーバーラップ部分を広くすることができる。左右の視差画像におけるオーバーラップ部分では、被写体が立体化される。つまり、立体画像撮像装置1Aによれば、視域角の小さなレンズも使用できるため、被写体を立体として表示させたい領域の広さを、より簡易に調整することができる。
結像光学系30Rと結像光学系30Lの傾斜角度は、左右の視差画像においてオーバーラップさせたい領域の広さによって求まる、任意の角度に設定することができる。なお、結像光学系30Rと結像光学系30Lの、対物光学系10の光軸Ax1に対する傾斜角度は、必ずしも互いに同じ角度とする必要はない。例えば、メインとして撮りたい主要な被写体が、撮像素子302Rと撮像素子302Lのそれぞれにおいて中心に結像するような角度に、結像光学系30Rの光軸Ax3Rと結像光学系30Lの光軸Ax3Lとを傾けるようにしてもよい。
上述した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態によって得られる効果と同等の効果を得ることができる。
なお、図10および図11に示した立体画像撮像装置1Aでは、結像光学系30Rの光軸Ax3Rと結像光学系30Lの光軸Ax3Lとがハーフミラー20上かつ対物光学系10の光軸Ax1上で交わるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、結像光学系30Rの光軸Ax3Rと結像光学系30Lの光軸Ax3Lとが、ハーフミラー20上ではない位置で交差するように、結像光学系30Rと結像光学系30Lとを配置してもよい。
[2−2.変形例1]
図12および図13に、このように構成した立体画像撮像装置1Aaの構成例を示す。図12(a)は立体画像撮像装置1Aaの上面図であり、図12(b)は側面図である。また、図13は、立体画像撮像装置1Aaの斜視図である。なお、図12および図13において図1および図10,図11と対応する箇所には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略する。
図13に示すように、結像光学系30Rの光軸Ax3Rに沿う想像上の光線は、結像光学系30Rを出た後にハーフミラー20によって反射され、対物光学系10の光軸Ax1に沿って進行する。一方、結像光学系30Lの光軸Ax3Lに沿う想像上の光線は、ハーフミラー20によって透過された後に対物光学系10に入射する前の地点で、対物光学系10の光軸Ax1と交差する。つまり、この地点で、結像光学系30Rの光軸Ax3Rに沿う光線と、結像光学系30Lの光軸Ax3Lとが交差している。そして、対物光学系10とハーフミラー20との間の空間における対物光学系10の光軸Ax1上のこの交差地点が、左右の視差画像における輻輳点cとなる。
[2−3.変形例2]
図14および図15は、立体画像撮像装置の輻輳点cが、対物光学系10とハーフミラー20との間の空間における、対物光学系10の光軸Ax1上ではない地点に形成される場合の立体画像撮像装置1Abの構成例を示したものである。図14(a)は立体画像撮像装置1Abの上面図であり、図14(b)は側面図である。また、図15は、立体画像撮像装置1Abの斜視図である。なお、図14および図15において図1および図10〜図13と対応する箇所には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略する。
図14(b)に示すように、立体画像撮像装置1Abでは、結像光学系30Rを、図12に示した構成よりも所定の距離だけ上方に配置している。このため、結像光学系30Rの光軸Ax3Rに沿う想像上の光線は、ハーフミラー20によって反射された後は、対物光学系10の光軸Ax1上ではなく、それと平行な少し上方の位置を進行する。結像光学系30Lも、その光軸Ax3Lが対物光学系10の光軸Ax1と平行でかつ少し上方に位置するように配置されている。このため、結像光学系30Rの光軸Ax3Rに沿う想像上の光線と、結像光学系30Lの光軸Ax3Lとは、図15に示すように、対物光学系10とハーフミラー20との間の空間の、対物光学系10の光軸Ax1の上方の位置で交差する。この点が左右の視差画像における輻輳点cとなる。
なお、図14および図15に示した立体画像撮像装置1Abでは、結像光学系30Lを、その光軸Ax3Lが対物光学系10の光軸Ax1と平行となる位置に配置したが、平行とならない位置に配置してもよい。
また、第2の実施の形態および変形例として説明した各構成において、第1の実施の形態の変形例として図7〜図9を参照して説明した構成を適用してもよい。すなわち、分割光学系として、ハーフミラー20の代わりに、透明部材50の間に部分反射膜51を挟んで構成したものや、ハーフミラー20とミラー40と組み合わせたものや、部分反射膜51と反射膜52とを透明部材50で覆ったものを使用してもよい。
<3.第3の実施の形態による立体画像撮像装置の構成例>
次に、本開示の第3の実施の形態による立体画像撮像装置の構成例について、図16を参照して説明する。図16は、立体画像撮像装置1Bを上から見た上面図である。図16において、図1や図10,図12,図14等と対応する箇所には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略する。
図16に示す立体画像撮像装置1Bは、結像光学系30およびそれに対応する撮像素子302を5個設けた例を示したものである。なお、図16では、結像光学系30およびそれに対応する撮像素子302の個数が5個である例をあげているが、5個は一例であり、この数に限定されるものではない。
立体画像撮像装置1Bにおいては、結像光学系30−1〜結像光学系30−5を、それぞれの光軸Ax3−1〜光軸Ax3−5が、ハーフミラー20上かつ対物光学系10の光軸Ax1上で交わるような角度に配置している。
このように構成することで、立体画像撮像装置1Bによって、角度の異なる5つの多視差映像を取得することが可能となる。これにより、多視差に対応したディスプレイに表示させるための立体画像等を撮影できるようになる。また、視差画像間の補間用の画像を取得することもできるようになる。このような補間用の画像を取得することで、両眼立体視に必要とされる左右の像の対応が取れず誤対応となる「オクルージョン」に対処することが可能となる。
また、第3の実施の形態による立体画像撮像装置1Bによっても、第1の実施の形態により得られる効果と同じ効果を得ることができる。
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)被写体から発せられた光線を取り込んで後段に導く対物光学系と、
前記対物光学系によって導かれた前記光線の一部を反射し、一部を透過する部分反射面を有する分割光学系と、
前記分割光学系で反射された反射光の進路上に配置され、前記反射光を視差画像として結像させる第1の結像光学系と、
前記分割光学系で透過された透過光の進路上に配置され、前記通過光を視差画像として結像させる第2の結像光学系と、
前記第1の結像光学系により結像された視差画像を画像信号に変換する第1の撮像素子と、
前記第2の結像光学系により結像された視差画像を画像信号に変換する第2の撮像素子とを備えた立体画像撮像装置。
(2)前記対物光学系は、フォーカス調整機能および/またはズーム調整機能を備える(1)に記載の立体画像撮像装置。
(3)前記第1の結像光学系は、当該第1の結像光学系の光軸に沿って入射する光線の前記分割光学系の部分反射面への入射角と、前記分割光学系の部分反射面からの反射角とが等しくなる角度に配置される(1)または(2)に記載の立体画像撮像装置。
(4)前記第1の結像光学系は、当該第1の結像光学系の光軸に沿う想像上の光線が前記分割光学系によって反射された後の光線の進路が、前記対物光学系の光軸に対して略平行となり、かつ前記対物光学系の光軸から所定の距離離れた位置を通るような位置に配置され、前記第2の結像光学系は、当該第2の結像光学系の光軸が前記対物光学系の光軸に対して略平行となり、かつ、前記対物光学系の光軸から、前記第1の結像光学系の配置位置とは反対の方向に所定の距離離れた位置を通るような位置に配置される(1)〜(3)のいずれかに記載の立体画像撮像装置。
(5)前記第1の結像光学系と前記第2の結像光学系は、当該第1の結像光学系の光軸に沿う想像上の光線が前記分割光学系によって反射された後の光線の進路と、前記第2の結像光学系の光軸とが、前記分割光学系の前記部分反射面上または、前記対物光学系と前記分割光学系との間の空間上で交差するような角度に配置される(1)〜(3)のいずれかに記載の立体画像撮像装置。
(6)前記分割光学系はハーフミラーで構成される(1)〜(5)のいずれかに記載の立体画像撮像装置。
(7)前記分割光学系はハーフミラーと、入射される光線を全反射するミラーとの組み合わせで構成される(1)〜(5)のいずれかに記載の立体画像撮像装置。
(8)前記分割光学系は、入射される光線の一部を反射して一部を透過する部分反射膜が立方体の透明部材で覆われて構成される(1)〜(5)のいずれかに記載の立体画像撮像装置。
(9)前記分割光学系は、入射される光線の一部を反射して一部を透過する部分反射膜と、入射される光線を全反射する反射膜とが透明部材で覆われて構成される(1)〜(5)のいずれかに記載の立体画像撮像装置。
(10)前記対物光学系は、前記被写体から発せられた光線を実像または虚像として結像する(1)〜(9)のいずれかに記載の立体画像撮像装置。
(11)前記対物光学系は、前記被写体から発せられた光線に対してアフォーカルな光線を出射する(1)〜(9)のいずれかに記載の立体画像撮像装置。
1、1a、1A、1Aa、1Ab、1b、1B、1c…立体画像撮像装置、3L、3R…撮像部、10…対物光学系、11…凹レンズ、12…凸レンズ、20…ハーフミラー、21…部分反射面、30、30−1〜30−5、30L、30R…結像光学系、40…ミラー、50…透明部材、51…部分反射膜、52…反射膜、301L、301R…結像レンズ、302L、302R…撮像素子、Ax1、Ax2R、Ax3−1、Ax3−5、Ax3L、Ax3R…光軸、F1、F2…後側焦点

Claims (11)

  1. 被写体から発せられた光線を取り込んで後段に導く対物光学系と、
    前記対物光学系によって導かれた前記光線の一部を反射し、一部を透過する部分反射面を有する分割光学系と、
    前記分割光学系で反射された反射光の進路上に配置され、前記反射光を視差画像として結像させる第1の結像光学系と、
    前記分割光学系で透過された透過光の進路上に配置され、前記透過光を視差画像として結像させる第2の結像光学系と、
    前記第1の結像光学系により結像された視差画像を画像信号に変換する第1の撮像素子と、
    前記第2の結像光学系により結像された視差画像を画像信号に変換する第2の撮像素子とを備えた
    立体画像撮像装置。
  2. 前記対物光学系は、フォーカス調整機能および/またはズーム調整機能を備える
    請求項1に記載の立体画像撮像装置。
  3. 前記第1の結像光学系は、当該第1の結像光学系の光軸に沿って入射する光線の前記分割光学系の部分反射面への入射角と、前記分割光学系の部分反射面からの反射角とが等しくなる角度に配置される
    請求項2に記載の立体画像撮像装置。
  4. 前記第1の結像光学系は、当該第1の結像光学系の光軸に沿う想像上の光線が前記分割光学系によって反射された後の光線の進路が、前記対物光学系の光軸に対して略平行となり、かつ前記対物光学系の光軸から所定の距離離れた位置を通る位置に配置され、前記第2の結像光学系は、当該第2の結像光学系の光軸が前記対物光学系の光軸に対して略平行となり、かつ、前記対物光学系の光軸から、前記第1の結像光学系の配置位置とは反対の方向に所定の距離離れた位置を通る位置に配置される
    請求項3に記載の立体画像撮像装置。
  5. 前記第1の結像光学系と前記第2の結像光学系は、当該第1の結像光学系の光軸に沿う想像上の光線が前記分割光学系によって反射された後の光線の進路と、前記第2の結像光学系の光軸とが、前記分割光学系の前記部分反射面上または、前記対物光学系と前記分割光学系との間の空間上で交差する角度に配置される
    請求項3に記載の立体画像撮像装置。
  6. 前記分割光学系はハーフミラーで構成される
    請求項3に記載の立体画像撮像装置。
  7. 前記分割光学系はハーフミラーと、入射される光線を全反射するミラーとの組み合わせで構成される
    請求項3に記載の立体画像撮像装置。
  8. 前記分割光学系は、入射される光線の一部を反射して一部を透過する部分反射膜が立方体の透明部材で覆われて構成される
    請求項3に記載の立体画像撮像装置。
  9. 前記分割光学系は、入射される光線の一部を反射して一部を透過する部分反射膜と、入射される光線を全反射する反射膜とが透明部材で覆われて構成される
    請求項3に記載の立体画像撮像装置。
  10. 前記対物光学系は、前記被写体から発せられた光線を実像または虚像として結像する
    請求項3に記載の立体画像撮像装置。
  11. 前記対物光学系は、前記被写体から発せられた光線に対してアフォーカルな光線を出射する
    請求項3に記載の立体画像撮像装置。
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