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JP2013018666A - 電極形成用ガラス及び電極形成材料 - Google Patents

電極形成用ガラス及び電極形成材料 Download PDF

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JP2013018666A JP2011151514A JP2011151514A JP2013018666A JP 2013018666 A JP2013018666 A JP 2013018666A JP 2011151514 A JP2011151514 A JP 2011151514A JP 2011151514 A JP2011151514 A JP 2011151514A JP 2013018666 A JP2013018666 A JP 2013018666A
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Abstract

【課題】本発明は、Al−Si合金層とAlドープ層を適正に形成し得ると共に、ブリスターやAlの凝集を発生させ難く、しかも熱水による電極の耐劣化性が良好な電極形成用ガラスを創案することを技術的課題とする。
【解決手段】本発明の電極形成用ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 1〜30%、B 10〜66%、CaO 0.1〜25%を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極形成用ガラス及び電極形成材料に関し、特にシリコン太陽電池(単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池等を含む)の裏面電極の形成に好適な電極形成用ガラス及び電極形成材料に関する。
シリコン太陽電池は、シリコン半導体基板、受光面電極、裏面電極、反射防止膜等を備えており、シリコン半導体基板の受光面側に、グリッド状の受光面電極が形成されると共に、シリコン半導体基板の裏面側に、裏面電極が形成される。また、受光面電極は、Ag電極等が一般的であり、裏面電極は、Al電極等が一般的である。
裏面電極は、通常、厚膜法で形成される。厚膜法は、所望の電極パターンになるように、シリコン半導体基板に電極形成材料をスクリーン印刷し、これを最高温度660〜900℃で短時間焼成(具体的には、焼成開始から終了まで2〜3分、最高温度で2〜10秒保持)して、Alをシリコン半導体基板に拡散させることにより、シリコン半導体基板に裏面電極を形成する方法である。
裏面電極の形成に用いる電極形成材料は、Al粉末と、ガラス粉末と、ビークル等を含有する。この電極形成材料を焼成すると、Al粉末がシリコン半導体基板のSiと反応し、裏面電極とシリコン半導体基板の界面にAl−Si合金層が形成されると共に、Al−Si合金層とシリコン半導体基板の界面にAlドープ層(Back Surface Field層、BSF層とも称される)が形成される。Alドープ層を形成すれば、電子の再結合を防止し、生成キャリアの収集効率を向上させる効果、所謂BSF効果を享受することができる。結果として、Alドープ層を形成すれば、シリコン太陽電池の光電変換効率を高めることができる。
特開2000−90733号公報 特開2003−165744号公報
電極形成材料に含まれるガラス粉末は、Al粉末を結合させて、電極を形成する成分であると共に、Al粉末とSiの反応に影響を及ぼすことにより、Al−Si合金層とAlドープ層の形成に関与する成分である(特許文献1、2参照)。
ところで、従来、電極形成用ガラスとして、鉛ホウ酸系ガラスが使用されてきた。しかし、鉛ホウ酸系ガラスの使用は、環境的観点から、制限される傾向にある。このため、鉛ホウ酸系ガラスを無鉛化する動きが加速している。現時点では、ビスマス系ガラスが、鉛ホウ酸系ガラスの代替材料として有望である。
しかし、従来のビスマス系ガラスは、Al−Si合金層やAlドープ層の厚みを適正化することが困難であるため、シリコン太陽電池の光電変換効率を高め難い性質を有していた。具体的には、シリコン半導体基板に形成されるAlドープ層が浅いと、BSF効果を十分に享受できず、その一方で、Alドープ層がシリコン半導体基板中のp型半導体とn型半導体の界面まで過剰に深く形成されると、空乏層が悪影響を受けて、BSF効果を十分に享受できなくなる。また、従来のビスマス系ガラスは、ブリスターやAlの凝集が発生し易くなって、外観不良が発生し易くなるという課題も有している。
更に、シリコン太陽電池を長期間使用すると、EVA等の樹脂が劣化して、セル内にHOが入り込む事態が想定される。この状態でシリコン太陽電池を長期間使用すると、セル内のHOが高温に加熱される。従来のビスマス系ガラスを用いると、この熱水により電極が劣化するという問題がある。
そこで、本発明は、Al−Si合金層とAlドープ層を適正に形成し得ると共に、ブリスターやAlの凝集を発生させ難く、しかも熱水による電極の耐劣化性が良好な電極形成用ガラスを創案することを技術的課題とする。
本発明者は、鋭意努力の結果、ビスマス系ガラスのガラス組成を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の電極形成用ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 1〜30%、B 10〜66%、CaO 0.1〜25%を含有することを特徴とする。
上記のようにガラス組成範囲を規制すれば、Al−Si合金層やAlドープ層を適正に形成し得ると共に、ブリスターやAlの凝集が発生し難くなり、しかも熱水による電極の耐劣化性が向上する。特に、Biの含有量を低下させた上で、CaOを所定量添加すれば、熱水による電極の耐劣化性が顕著に向上する。
第二に、本発明の電極形成用ガラスは、更に、LiO+NaOを0.1〜15モル%含有することが好ましい。ここで、「LiO+NaO」は、LiOとNaOの合量を指す。このようにすれば、ガラス本来の耐水性が低下し難くなる。
第三に、本発明の電極形成用ガラスは、更に、SiO+Alの含有量を0.1〜20モル%含有することが好ましい。「SiO+Al」は、SiOとAlの合量を指す。このようにすれば、熱的安定性を高めることができる。
第四に、本発明の電極形成用ガラスは、更に、CuOを0.1〜15モル%含有することが好ましい。このようにすれば、熱的安定性を高めることができる。
第五に、本発明の電極形成用ガラスは、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。このようにすれば、近年の環境的要請を満たすことができる。ここで、「実質的にPbOを含有しない」は、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm(質量)未満の場合を指す。
第六に、本発明の電極形成用ガラスは、シリコン太陽電池の裏面電極の形成に用いることが好ましい。
第七に、本発明の電極形成材料は、上記の電極形成用ガラスからなるガラス粉末と、金属粉末と、ビークルとを含むことを特徴とする。このようにすれば、厚膜法で電極パターンを形成できるため、シリコン太陽電池の生産効率を高めることができる。ここで、「ビークル」は、一般的に、有機溶媒中に樹脂を溶解させたものを指すが、本発明では、樹脂を含有せず、高粘性の有機溶媒(例えば、イソトリデシルアルコール等の高級アルコール)のみで構成される態様を含む。
第八に、本発明の電極形成材料は、ガラス粉末の含有量が0.2〜10質量%であることが好ましい。このようにすれば、電極の機械的強度を確保した上で、Al粉末とSiの反応を適正化し易くなる。
第九に、本発明の電極形成材料は、平均粒子径D50が3μm未満であることが好ましい。ここで、「平均粒子径D50」は、レーザー回折法で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。
第十に、本発明の電極形成材料は、金属粉末として、Al及びこれらの合金を含むことが好ましい。Al及びこれらの合金は、導電性が良好であると共に、上記のガラス粉末との適合性が良好である。このため、Al及びこれらの合金を用いると、焼成時にガラス中に失透や発泡が生じ難くなる。
マクロ型DTA装置で測定したときの軟化点Tsを示す模式図である。
上記のように各成分の含有範囲を規制した理由を以下に説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、特段の断りがない限り、モル%を指す。
Biは、軟化点を調整し得る成分であり、その含有量は1〜30%、好ましくは3〜25%、より好ましくは5〜20%である。Biの含有量が少な過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、焼成時にガラスが溶け難くなるため、Al粉末とSiの反応が過剰になり、結果として、Al−Si合金層とAlドープ層が過剰に形成されて、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなる。一方、Biの含有量が多過ぎると、軟化点が低くなり過ぎて、Al−Si合金層とAlドープ層が形成され難くなり、BSF効果を享受し難くなる。
は、ガラスの骨格を形成する成分であり、その含有量は10〜66%、好ましくは35〜60%、更に好ましくは40〜58%、特に好ましくは45〜55%である。Bの含有量が少な過ぎると、熱的安定性が低下して、焼成時にガラスが失透し易くなるため、裏面電極の機械的強度が低下し易くなる。また、焼成時にガラスが完全に失透すると、Al粉末とSiの反応を適正化し難くなり、BSF効果を享受し難くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなるため、Al−Si合金層とAlドープ層を均一に形成し難くなる。
CaOは、熱水による電極の耐劣化性を高める成分であると共に、ブリスターやAlの凝集を抑制する成分であり、その含有量は0.1〜25%、1〜20%、3〜18%、5〜15%、特に7〜13%が好ましい。CaOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、焼成時にガラスが溶け難くなるため、Al粉末とSiの反応が過剰になり、結果として、Al−Si合金層とAlドープ層が過剰に形成されて、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなる。また、裏面電極の焼結性が低下するため、裏面電極の機械的強度が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加することができる。
SiOは、熱的安定性を高める成分である。SiOの含有量は0〜20%、0.1〜15%、1〜13%、特に5〜12%が好ましい。SiOの含有量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、焼成時にガラスが溶け難くなるため、Al粉末とSiの反応が過剰になり、結果として、Al−Si合金層とAlドープ層が過剰に形成されて、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなる。また、裏面電極の焼結性が低下するため、裏面電極の機械的強度が低下し易くなる。
Alは、熱的安定性を高める成分である。Alの含有量は0〜10%、0〜5%、特に0.1〜2%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、焼成時にガラスが溶け難くなるため、Al粉末とSiの反応が過剰になり、結果として、Al−Si合金層とAlドープ層が過剰に形成されて、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなる。また、裏面電極の焼結性が低下するため、裏面電極の機械的強度が低下し易くなる。
SiO+Alは、熱的安定性を高める成分である。SiO+Alの含有量は0〜20%、0.1〜20%、1〜18%、3〜15%、5〜14%、特に8〜13%が好ましい。SiO+Alの含有量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、焼成時にガラスが溶け難くなるため、Al粉末とSiの反応が過剰になり、結果として、Al−Si合金層とAlドープ層が過剰に形成されて、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなる。また、裏面電極の焼結性が低下するため、裏面電極の機械的強度が低下し易くなる。
LiOは、軟化点を下げる成分であり、またビークルに含まれる樹脂の燃焼効率を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなり、またガラス本来の耐水性が低下し易くなる。LiOの含有量は0〜10%、0.1〜5%、特に1〜3%が好ましい。
NaOは、軟化点を下げる成分であり、またビークルに含まれる樹脂の燃焼効率を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラス本来の耐水性が低下し易くなる。NaOの含有量は0〜12%、0.1〜8%、特に1〜5%が好ましい。
LiO+NaOは、軟化点を下げる成分であり、またビークルに含まれる樹脂の燃焼効率を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラス本来の耐水性が低下し易くなる。NaOの含有量は0〜12%、0.1〜8%、特に1〜5%が好ましい。
Oは、軟化点を下げる成分であるが、溶融時に分相を促進する作用を有する。KOの含有量は0〜10%、0〜5%、特に0〜3%が好ましい。
MgOは、ブリスターやAlの凝集を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、0〜3%、特に0〜1%が好ましい。MgOの含有量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、焼成時にガラスが溶け難くなるため、Al粉末とSiの反応が過剰になり、結果として、Al−Si合金層とAlドープ層が過剰に形成されて、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなる。また、裏面電極の焼結性が低下するため、裏面電極の機械的強度が低下し易くなる。
SrOは、ブリスターやAlの凝集を抑制する成分であり、その含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%が好ましい。SrOの含有量が多過ぎると、熱的安定性が低下し易くなる。
BaOは、ブリスターやAlの凝集を抑制する成分であると共に、熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜20%、0〜15%、0.1〜10%、1〜9%、特に2〜8%が好ましい。BaOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に熱的安定性が低下し易くなる。
ZnOは、熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜12%、0〜10%、特に1〜9%である。ZnOの含有量が多過ぎると、ブリスターやAlの凝集が生じ易くなる。なお、ブリスターやAlの凝集を完全に抑制する観点からは、実質的にZnOを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にZnOを含有しない」とは、ガラス組成中のZnOの含有量が1000ppm(質量)未満の場合を指す。
CuOは、熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜20%、0.1〜15%、特に5〜13%が好ましい。CuOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に熱的安定性が低下し易くなる。
Feは、熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜7%、0〜4%、特に0〜3%が好ましい。Feの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に熱的安定性が低下し易くなる。
Sb+Nd+WO+In+Ga+P(Fe、Sb、Nd、WO、In、Ga、及びPの合量)は、熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜10%、特に0〜5%である。Sb+Nd+WO+In+Ga+Pの含有量が多過ぎると、バッチコストが高騰する。なお、Fe、Sb、Nd、WO、In、Ga、Pの含有量は、各々0〜2%が好ましい。
MoO+La+Y+CeO(MoO、La、Y、及びCeOの合量)は、溶融時の分相を抑制する効果があるが、MoO+La+Y+CeOの含有量が多過ぎると、バッチコストが高騰する。よって、MoO+La+Y+CeOの含有量は0〜5%が好ましい。なお、MoO、La、Y、CeOの含有量は、各々0〜2%が好ましい。
本発明の電極形成用ガラスは、PbOの含有を完全に排除するものではないが、上記の通り、環境的観点から実質的にPbOを含有しないことが好ましい。
本発明の電極形成材料は、上記の電極形成用ガラスからなるガラス粉末と、金属粉末と、ビークルとを含む。ガラス粉末は、Al粉末を結合させて、電極を形成する成分であると共に、Al粉末とSiの反応に影響を及ぼすことにより、Al−Si合金層とAlドープ層を適正に形成させる成分である。金属粉末は、電極を形成する主要成分であり、導電性を確保するための成分である。ビークルは、ペースト化するための成分であり、印刷に適した粘度を付与するための成分である。
本発明の電極形成材料において、ガラス粉末の軟化点は500〜600℃、520〜580℃、特に530〜570℃が好ましい。軟化点が500℃より低いと、熱水による電極の耐劣化性が低下する傾向があるため、高温多湿環境下でAl電極とHOの反応により、水素ガスが発生し、電極としての機能が低下し易くなる。一方、軟化点が600℃より高いと、焼成時にガラス粉末が溶け難くなるため、Al粉末とSiの反応が過剰になり、Al−Si合金層とAlドープ層が過剰に形成されて、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなると共に、ブリスターやAlの凝集が発生し易くなる。ここで、「軟化点」とは、マクロ型示差熱分析(DTA)装置で測定した値を指し、DTAは室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とする。なお、軟化点は、図1に示すマクロ型DTA装置の測定データにおいて、第四屈曲点の温度(Ts)を指す。
本発明の電極形成材料において、ガラス粉末の平均粒子径D50は3μm以下、2μm以下、特に1.5μm以下が好ましい。ガラス粉末の平均粒子径D50が3μmより大きいと、微細な電極パターンを形成し難くなるため、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなる。一方、ガラス粉末の平均粒子径D50の下限は特に限定されないが、ガラス粉末の平均粒子径D50が小さ過ぎると、ガラス粉末のハンドリング性や材料収率が低下し易くなる。このような状況を考慮すれば、ガラス粉末の平均粒子径D50は0.3μm以上が好ましい。なお、(1)ガラスフィルムをボールミルで粉砕した後、得られたガラス粉末を空気分級、或いは(2)ガラスフィルムをボールミル等で粗粉砕した後、ビーズミル等で湿式粉砕すれば、上記平均粒子径D50を有するガラス粉末を作製することができる。
本発明の電極形成材料において、ガラス粉末の最大粒子径Dmaxは25μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下、特に10μm未満が好ましい。ガラス粉末の最大粒子径Dmaxが25μmより大きいと、微細な電極パターンを形成し難くなるため、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなる。ここで、「最大粒子径Dmax」は、レーザー回折法で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
本発明の電極形成材料において、ガラス粉末の含有量は0.2〜10質量%、0.5〜6質量%、0.7〜4質量%、特に1〜3質量%が好ましい。ガラス粉末の含有量が0.2質量%より少ないと、ブリスターやAlの凝集が生じ易くなることに加えて、裏面電極の機械的強度が低下し易くなる。一方、ガラス粉末の含有量が10質量%より多いと、焼成後にガラスが偏析し易くなり、裏面電極の導電性が低下して、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下するおそれがある。また、ガラス粉末の含有量と金属粉末の含有量は、上記と同様の理由により、質量比で0.3:99.7〜13:87、1.5:98.5〜7:93、特に1.8:98.2〜4:96が好ましい。
本発明の電極形成材料において、ガラス粉末と金属粉末の含有量は、体積比で1:99〜10:90、2:98〜6:94、特に2.5:97.5〜5:95が好ましい。ガラス粉末の含有量が少なくなると、ブリスターやAlの凝集が生じ易くなることに加えて、裏面電極の機械的強度が低下し易くなる。一方、ガラス粉末の含有量が多くなると、焼成後にガラスが偏析し易くなるため、裏面電極の導電性が低下して、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下するおそれがある。
本発明の電極形成材料において、金属粉末の含有量は50〜97質量%、65〜95質量%、特に70〜92質量%が好ましい。金属粉末の含有量が50質量%より少ないと、裏面電極の導電性が低下して、シリコン太陽電池の光電変換効率が低下し易くなる。一方、金属粉末の含有量が97質量%より多いと、ガラス粉末の含有量が相対的に低下するため、Al−Si合金層とAlドープ層を適正に形成し難くなる。
本発明の電極形成材料において、金属粉末はAg、Al、Au、Cu、Pd、Pt及びこれらの合金の一種又は二種以上が好ましく、Al及びその合金はBSF効果を享受する観点から特に好ましい。これらの金属粉末は、導電性が良好であると共に、本発明に係るビスマス系ガラスと適合性が良好である。よって、これらの金属粉末を用いると、焼成時にガラス中に発泡が生じ難くなると共に、ガラスが失透し難くなる。また、微細な電極パターンを形成する観点から、金属粉末の平均粒子径D50は5μm以下、3μm以下、2μm以下、特に1μm以下が好ましい。
本発明の電極形成材料において、ビークルの含有量は5〜50質量%、特に10〜30質量%が好ましい。ビークルの含有量が5質量%より少ないと、ペースト化が困難になり、厚膜法で電極を形成し難くなる。一方、ビークルの含有量が50質量%より多いと、焼成前後で膜厚や膜幅が変動し易くなるため、所望の電極パターンを形成し難くなる。
上記の通り、ビークルは、一般的に、有機溶媒中に樹脂を溶解させたものを指す。樹脂としては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル酸エステル、ニトロセルロース、エチルセルロースは、熱分解性が良好であるため、好ましい。有機溶媒としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、水、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、樹脂等の溶解性も良好であるため、好ましい。
本発明の電極形成材料は、上記成分以外にも、熱膨張係数を調整するためにコーディエライト等のセラミックフィラー粉末、電極の表面抵抗を調整するためにNiO等の酸化物粉末、ペースト特性を調整するために界面活性剤、増粘剤、可塑剤、表面処理剤、色調を調整するために顔料等を含有してもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜15)及び比較例(試料No.16〜18)を示している。
次のようにして、各試料を調製した。まず、表中に示したガラス組成となるように各種酸化物、炭酸塩等のガラス原料を調合して、ガラスバッチを準備した後、このガラスバッチを白金坩堝に入れ、1100〜1200℃で1〜2時間溶融した。次に、溶融ガラスの一部を押棒式熱膨張係数測定(TMA)用サンプルとしてステンレス製の金型に流し出した。その他の溶融ガラスを水冷ローラーでフィルム状に成形し、得られたガラスフィルムをボールミルで粉砕した後、目開き250メッシュの篩を通過させた上で、分級し、表中に示す平均粒子径D50のガラス粉末を得た。
各試料につき、平均粒子径D50、軟化点、外観、Alドープ層の状態、熱水による電極の耐劣化性を測定した。その結果を表1、2に示す。
平均粒子径D50は、レーザー回折法で測定した値であり、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径である。
軟化点は、マクロ型DTA装置で測定した値である。なお、マクロ型DTAの測定温度域は室温〜650℃とし、昇温速度は10℃/分とした。
得られたガラス粉末2質量%と、Al粉末(平均粒子径D50=0.5μm)75質量%と、ビークル(α−ターピネオールにアクリル酸エステルを溶解させたもの)23質量%とを三本ローラーで混練し、ペースト状の試料を得た。次に、スクリーン印刷により、シリコン半導体基板(100mm×100mm×200μm厚)の裏面であるp型層側の全面にペースト状の試料を塗布し、乾燥した後、最高温度720℃で短時間焼成(焼成開始から終了まで2分、最高温度で5秒保持)し、厚みが50μmの裏面電極を得た。得られた裏面電極につき、裏面電極の表面を目視観察し、ブリスター及びAlの凝集の個数を観察することで外観を評価した。具体的には、ブリスター及びAlの凝集の個数が2個以下の場合を「○」、3〜5個の場合を「△」、6個以上の場合を「×」として、評価した。
次のようにして、Alドープ層の状態を評価した。外観の評価に用いた評価試料をSEM(マッピング)で観察し、裏面電極側からシリコン半導体基板中のpnジャンクションの手前までAlドープ層が形成されているものを「○」、それ以外を「×」として評価した。
次のようにして、熱水による電極の耐劣化性を評価した。上記のペースト状の試料を用いて、常法に従い、裏面電極が形成されたセルを作製した。次に、このセルを80℃のHO中に5分間浸漬させた時に、裏面電極からガスが発生しなかったものを「○」、ガスが発生したものを「×」として評価した。
表1、2から明らかなように、試料No.1〜12は、Alドープ層、外観、熱水による電極の耐劣化性の評価が良好であった。一方、試料No.13は、外観と熱水による電極の耐劣化性の評価が不良であった。試料No.14は、熱水による電極の耐劣化性の評価が不良であった。試料No.15は、Alドープ層の評価が不良であった。
本発明の電極形成用ガラス及び電極形成材料は、シリコン太陽電池の電極、特にシリコン太陽電池の裏面電極の形成に好適である。更に、本発明の電極形成用ガラス及び電極形成材料は、シリコン太陽電池以外の用途、例えばセラミックコンデンサ等のセラミック電子部品、フォトダイオード等の光学部品に適用することもできる。

Claims (10)

  1. ガラス組成として、モル%で、Bi 1〜30%、B 10〜66%、CaO 0.1〜25%を含有することを特徴とする電極形成用ガラス。
  2. 更に、LiO+NaOを0.1〜15モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の電極形成用ガラス。
  3. 更に、SiO+Alの含有量を0.1〜20モル%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電極形成用ガラス。
  4. 更に、CuOを0.1〜15モル%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電極形成用ガラス。
  5. 実質的にPbOを含有しないことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電極形成用ガラス。
  6. シリコン太陽電池の裏面電極の形成に用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電極形成用ガラス。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の電極形成用ガラスからなるガラス粉末と、金属粉末と、ビークルとを含むことを特徴とする電極形成材料。
  8. ガラス粉末の含有量が0.2〜10質量%であることを特徴とする請求項7に記載の電極形成材料。
  9. 平均粒子径D50が3μm未満であることを特徴とする請求項7又は8に記載の電極形成材料。
  10. 金属粉末として、Al及びこれらの合金を含むことを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の電極形成材料。
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