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JP2013002014A - 人工毛髪用繊維とその製造方法 - Google Patents

人工毛髪用繊維とその製造方法 Download PDF

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Masaaki Irie
正晃 入江
Daisuke Sunai
大輔 簾内
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

【課題】耐熱性および強伸度などの繊維物性を維持し、人毛に近い光沢、外観および触感を有する人工毛髪用繊維の提供。
【解決手段】熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られる人工毛髪用繊維であって、繊維流れ方向における繊度の変化周期が1〜50mmである人工毛髪用繊維を提供する。この人工毛髪用繊維は、繊維流れ方向に所定周期の繊度変化を付与されたことにより、人毛と同様に不均一性を示し、人毛に近い光沢、外観および触感を呈する。
【選択図】なし

Description

本技術は、人工毛髪用繊維とその製造方法に関する。より詳しくは、繊維流れ方向に所定の繊度変化を有する人工毛髪用繊維等に関する。
かつら、ヘアーウィッグ、付け毛、ヘアーバンド、ドールヘアーなどの頭髪装飾品においては、従来、人毛や人工毛髪用繊維(例えば、モダクリル繊維やポリ塩化ビニル繊維など)が用いられている。昨今では、人毛の供給は困難になってきているため、人工毛髪用繊維の重要性がより高まっている。
人工毛髪用繊維に人毛に近い光沢、外観および触感を付与するため、人工毛髪用繊維の繊度に関して様々な工夫がなされてきている。例えば特許文献1には、人工毛髪として使用した場合に広範なスタイルをカバーできる人工毛髪用繊維を提供することを目的として、所定の組成からなる単繊維の繊度が30〜85dtexであるアクリル系繊維と、単繊維の繊度が30〜85dtexの塩化ビニル系繊維を所定割合で混合した人工毛髪用繊維が開示されている。
特開2002−227020号公報 特開平10−168647号公報
本技術は、耐熱性および強伸度などの繊維物性を維持し、人毛に近い光沢、外観および触感を有する人工毛髪用繊維を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本技術は、熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られる人工毛髪用繊維であって、繊維流れ方向における繊度の変化周期が1〜50mmである人工毛髪用繊維を提供する。
この人工毛髪用繊維は、繊維流れ方向に所定周期の繊度変化を付与されたことにより、人毛と同様に不均一性を示し、人毛に近い光沢、外観および触感を呈する。
この人工毛髪用繊維において、前記変化周期内における繊度は、最小値が20dtexであり、最大値が150dtexであることが好適となる。
また、本技術は、熱可塑性樹脂を溶融紡糸して人工毛髪用繊維を製造する方法であって、繊維流れ方向において1〜50mmを周期とする繊度変化を前記人工毛髪用繊維に付与する工程を含む製造方法を提供する。
この製造方法において、前記工程は、以下の(1)〜(4)のいずれか一以上とすることができる。
(1)前記熱可塑性樹脂を繊度800〜2000dtexのストランドとしてノズルから溶融紡糸する工程。
(2)溶融紡糸後のストランドを200〜280℃で加熱する工程。
(3)冷却後のストランドに1.2×10−3〜12.5×10−3N/本の張力を加え、繊度400dtex以下の未延伸糸とする工程。
(4)未延伸糸を熱延伸および熱弛緩させ、繊度150dtex以下の繊維とする工程。
本技術により、耐熱性および強伸度などの繊維物性を維持し、人毛に近い自然な光沢、外観および触感を有する人工毛髪用繊維が提供される。
人工毛髪用繊維の断面の実断面積と仮想断面積の例を説明する模式図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
1.人工毛髪用繊維
(1)繊度
本技術に係る人工毛髪用繊維は、熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られる人工毛髪用繊維であって、その繊度が繊維流れ方向に一定の繰り返しで変化し、繊度の変化周期が1〜50mmの長さである。
本発明者らは、従来の人工毛髪用繊維では、繊度が均一であるかあるいはほぼ均一であることが、人毛にみられる自然な不均一性を欠き、人毛らしからぬ光沢、外観および触感を呈する要因となっていることに着眼した。そして、人工毛髪用繊維に所定の繊度変化を付与することで、人毛と同様に不均一性を示し、人毛に近い光沢、外観および触感を呈する人工毛髪用繊維を完成させた。
本技術に係る人工毛髪用繊維は、変化周期内における繊度の最小値が20dtexであり、最大値が150dtexであることが好ましい。この範囲内であれば、好適な光沢、外観および触感が得られる。
本技術において繊度の測定は以下のように行った。
無作為に抽出した1本の繊維を回転軸にセットする。次いで、レーザー変位計を用いて、糸を回転させながら繊維径の最大値(L値)と最小値(b値)を計測していく。
得られたL値およびb値と補正係数とから糸の仮想断面積を算出する。
別途測定した糸の比重と仮想断面積とから糸の繊度(dtex)を算出する。
補正係数には、L値およびb値とから算出した仮想断面積と実断面積との比を用いた。実断面積は、レーザー顕微鏡を用いて糸の断面を観察し、解析ソフトウェアを用いて求めた。
一例として、繭形の断面形状を有する人工毛髪用繊維(例えば、特許文献2参照)の実断面積、L値、b値および仮想断面積を説明する。繭形の人工毛髪用繊維の断面は、図1(A)に示す形状を有する。図中、符号Lおよび符号bは、それぞれ繊維径の最大値(L値)と最小値(b値)を示す。この断面の面積を算出するため、断面を図1(B)に示す形状として仮想し、仮想断面積を以下の式により算出した。
L/4×b/2×π(円周率)×2=πbL/4
(2)熱可塑性樹脂
本技術に係る人工毛髪用繊維に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン(単独重合体、ランダム重合体、ブロック重合体を包含する)、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた少なくとも1種類以上のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン又はその共重合体、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びポリフッ化ビニリデン樹脂とPMMA樹脂の混合物などが用いられる。これらの樹脂成分は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
熱可塑性樹脂が塩化ビニルの単独重合体の場合、特に粘度平均重合度は600〜2000の塩化ビニル単独重合体が、引張物性などの品質面で好ましい。また、重合度の異なる塩化ビニルの単独重合体を2種以上混合してなる混合物も使用できる。
塩化ビニル系樹脂の重合方法は、特に限定されず、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などであってよい。塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、及びそれらの相互のブレンド品、あるいはそれらの塩化ビニル系樹脂と他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン等とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。
塩化ビニル樹脂には、得られる塩化ビニル繊維の特性を阻害しない範囲で、従来公知の添加剤を配合してもよい。
添加剤としては熱安定剤、可塑剤、滑剤、相溶化剤、加工助剤、強化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料、初期着色改善剤、導電性付与剤、表面処理剤、光安定剤、香料、加工性改良剤などがある。
加工性改良剤としては、EVA系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、MBS系樹脂、ABS系樹脂などがある。これら加工性改良剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部程度が好ましい。
塩化ビニル樹脂には、有機酸亜鉛塩やβ−ジケトン化合物を含有することで初期の着色を抑制できる。
有機酸としては、カルボン酸、フェノール類又は有機リン酸等が挙げられる。有機酸亜鉛塩は、正塩、酸性塩、塩基性塩あるいは過塩基性塩であってもよい。
カルボン酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルへキシル酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、クロロステアリン酸、12−ケトステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸及び類似酸ならびに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、大豆油脂肪酸及び綿実油脂肪酸等の天然に産出する上記酸の混合物、安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、サリチル酸、5−第三オクチルサリチル酸、ナフテン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アジピン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどが挙げられる。
有機リン酸としては、例えば、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシル燐酸、モノ又はジ(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステルなどが挙げられる。
これら有機酸亜鉛塩の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましい。
β−ジケトン化合物としては、例えば、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、ステアロイルベンゾイルメタン、カプロイルベンゾイルメタン、デヒドロ酢酸、トリベンゾイルメタン、1,3−ビス(ベンゾイルアセチル)ベンゼンあるいはこれらの金属塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛等)などが挙げられる。
β−ジケトン化合物の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましい。
(3)頭髪装飾品
人工毛髪用繊維は、そのままかつら、ヘアーウィッグ、付け毛、ヘアーバンド、ドールヘアーなどの頭髪装飾品のために使用することができるが、染色して用いてもよい。染色に使用される顔料、染料、助剤などとしては、耐候性および難燃性のよいものが好ましい。また、人工毛髪用繊維は、光沢および触感を確保するために、シリコーン系の繊維表面処理剤あるいは柔軟剤などにより処理をして用いてもよい。
人工毛髪用繊維は、ポリエステル繊維、モダアクリル繊維、ナイロン繊維など、他の人工毛髪素材や人毛と併用してもよい。
2.人工毛髪用繊維の製造方法
(1)溶融紡糸工程
人工毛髪用繊維は、熱可塑性樹脂と必要に応じて添加剤とを混合設備を用いて混合し、混合物を押出機へ投入して溶融紡糸する。混合設備には、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサーなどを用いる。混合物は、粉末状のまま直接紡糸してもよく、押出機、ニーダー、混連ロール等で造粒化した後に紡糸してもよい。押出機には、例えば、単軸押出機、異方向2軸押出機、コニカル2軸押出機などを使用でき、これらの中でも口径が20〜90mm程度の単軸押出機を用いることが好ましい。
溶融紡糸に用いられるノズルは、120孔以上のノズル孔を有するものがよい。ダイスのノズル孔数が120孔未満の場合は、樹脂圧力が高くなり、樹脂漏れが発生しやすくなり、またノズル磨耗度が増加する場合がある。
ダイスのノズル孔の形は、特に限定するものではないが、円状や楕円状、繭状、Y状、X状など、目的とする人工毛髪用繊維の断面形状に合わせて適宜選択すればよい。ノズル孔の形は、人毛に近い外観および触感の繊維を得るため、特に繭状が好ましい。
ダイスのノズル孔の配置は、特に限定するものではないが、同心円状に配置することが好ましい。特に、マルチタイプのノズルを用いる場合には、隣接するノズル孔同士の間隔を2〜5mmとし、それぞれ異なる形状のノズル孔を配置することが好ましい。
ストランドを溶融紡糸する際のノズル孔出口における樹脂温度は、190℃以下に調整することが好ましい。樹脂温度が190℃を超えると、ダイスのノズル孔出口に樹脂溜まり(いわゆる目脂)が発生し、ストランドの単糸切れの原因となる場合がある。ノズル孔出口における樹脂温度の好ましい範囲は、165℃〜190℃、さらに好ましくは、170℃〜185℃である。ノズル孔出口における樹脂温度を190℃以下にするためには、押出機のシリンダー温度を140〜165℃程度とし、ダイスおよびノズルの温度を160〜170℃程度に調整すればよい。
ストランドは、繊度800〜2000dtex以下の範囲で溶融紡糸される。繊度が800dtex未満の場合は、糸が伸びきらず、糸切れが発生しやすくなる場合がある。また、繊度が2000dtexを超える場合は、糸温度が上がりきらず、糸切れが発生する場合がある。繊度は、好ましくは800〜2000dtex、さらに好ましくは1000〜1800dtexの範囲に設定するとよい。
本工程において、熱可塑性樹脂を繊度800〜2000dtexのストランドとしてノズルから溶融紡糸することにより、最終的に得られる人工毛髪用繊維に繊維流れ方向において1〜50mmを周期とする繊度変化を付与することができる。
(2)加熱工程
ダイスから溶融紡糸されたストランドは、溶融紡糸直後に加熱装置によって、200〜280℃で加熱することが好ましい。この温度範囲で加熱することにより、ストランドの延伸を安定的に行うとともに、隣接するストランド同士が融着して単糸切れが発生することを防止できる。
加熱装置としては、赤外線ヒーター、加熱円筒、レーザー加熱などがある。これらの中でも、加熱円筒を用いると、ストランドの加熱を効率よく行えるため好ましい。
本工程において、溶融紡糸後のストランドを200〜280℃で加熱することにより、最終的に得られる人工毛髪用繊維に繊維流れ方向において1〜50mmを周期とする繊度変化を付与することができる。
(3)巻き取り工程
ストランドは、冷却装置により冷却され、冷風筒出口での張力を1.2×10−3〜12.5×10−3N/本以下に調整される。張力が1.2×10−3N/本未満であると、糸の長さが不均一になり、単糸切れしやすくなる。また、張力が12.5×10−3N/本を超えるとストランドの延性がなくなり、ストランドがドラフトされず単糸切れが発生する。
冷却装置としては、水冷バス、空冷装置、ミスト装置などがある。これらの中でも、空冷装置を用いると、ストランドの冷却を効率よく行えるため好ましい。
冷却後のストランド(未延伸糸)の繊度は、400dtex以下に調整する。未延伸糸の繊度が400dtexを超えると、得られる繊維の触感などが劣る傾向がある。
本工程において、冷却後のストランドに1.2×10−3〜12.5×10−3N/本の張力を加え、繊度400dtex以下の未延伸糸とすることにより、最終的に得られる人工毛髪用繊維に繊維流れ方向において1〜50mmを周期とする繊度変化を付与することができる。
(4)熱延伸・熱弛緩工程
未延伸糸は、従来公知の方法にて延伸処理および弛緩処理を施して、繊度150dtex以下の人工毛髪用繊維とする。繊度が150detxを越える場合は、人工毛髪あるいは人形用頭髪としては剛毛過ぎるため好ましくない。
延伸はストランドを一旦巻き取ってから延伸する2工程法、あるいは巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。熱延伸は、1段延伸法または2段以上の多段延伸法で行なわれる。熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。ニップロールを用いて、多段延伸することも有効である。
延伸処理条件としては、温度70〜130℃の雰囲気下で、2倍〜4倍程度の延伸することが好ましい。延伸処理温度が70℃未満であると繊維の強度が低くなると共に、単糸切れ・白髪(糸にボイドが発生し、白くなる現象)を発生し易く、130℃を超えると、糸の融着が発生し好ましくない。また、延伸倍率が2倍未満であると繊維の強度発現が不十分となり、4倍以上であると延伸処理時に、単糸切れを発生し易く、好ましくない。
延伸処理を施した繊維は、熱処理を施して、1〜30%程度繊維を熱緩和処理するのが人工毛髪用の品質を確保する上で好ましい。
この熱処理の温度条件としては、雰囲気温度100〜130℃の雰囲気下で実施することが好ましい。
本工程において、未延伸糸を熱延伸および熱弛緩させ、繊度150dtex以下の繊維とすることにより、最終的に得られる人工毛髪用繊維に繊維流れ方向において1〜50mmを周期とする繊度変化を付与することができる。
以上に説明した本技術に係る人工毛髪用繊維の製造方法においては、必要におじて、従来公知の溶融紡糸に関わる技術、例えば、各種ノズル断面形状に関わる技術、加熱筒に関わる技術、延伸処理に関わる技術、熱処理に関わる技術などは、自在に組み合わせて使用することが可能である。
<実施例1>
1.塩化ビニル樹脂組成物の調製
塩化ビニル樹脂(大洋塩ビ社製、TH−1000)100質量部、ハイドロタルサイト複合安定剤(日産化学工業社製、CP−410A)3質量部(熱安定剤成分は1.5質量部)、エポキシ化大豆油(旭電化工業社製、O−130P)0.5質量部、エステル滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)0.8質量部を配合した塩化ビニル樹脂組成物をヘンシェルミキサーで混合し、塩化ビニル樹脂組成物を得た。
2.溶融紡糸
押出機には、東芝機株式会社社製の口径40mm短軸押出機にフルフライトスクリュー(圧縮比2.3)を組み合わせて使用した。ダイスには、繭形のノズル孔(孔数120、孔間隔3mm)を有するものを用いた。シリンダー温度を160℃、ノズル温度を170℃に調整し、定常状態になってから、吐出量12kg/hになるようにスクリュー回転数を決定して繊度1000dtexのストランドを成形した。ストランドは、ダイスから鉛直方向に溶融、流出させ、ノズル直下3mの位置に設置した引取機にて未延伸糸を一定速度で巻き取った。この際、未延伸糸の繊度が約180dtexになるように加熱装置および冷却装置の温度と引取機の引取速度とを調節した。加熱装置の温度は250℃とした。引取機による張力は3.0×10−3N/本とした。熱延伸は2段延伸法で行ない、スチームジェット装置を使用して温度100℃の雰囲気下で3.25倍にした。延伸後の繊維を25%程度熱緩和処理した。
3.繊度測定
無作為に抽出した1本の繊維を回転軸にセットする。次いで、レーザー変位計(LS‐7600、株式会社キーエンス)を用いて、糸を回転させながら繊維径の最大値(L値)と最小値(b値)を計測した。繭形の断面形状を有する人工毛髪用繊維の断面を図1(B)に示す形状として仮想し、仮想断面積を以下の式により算出した。
L/4×b/2×π(円周率)×2=πbL/4
別途測定した糸の比重と仮想断面積とから糸の繊度(dtex)を算出した。
補正係数には、L値およびb値とから算出した仮想断面積と実断面積との比(1.09)を用いた。実断面積は、レーザー顕微鏡(VK‐8510、株式会社キーエンス)を用いて糸の断面を観察し、解析ソフトウェア(VK−H1W、株式会社キーエンス)を用いて求めた。
4.人工毛髪用繊維の特性評価
(1)引張強度評価
JIS−L1069に準拠し、繊維(アニール糸)束から10本の単繊維をランダムに選択して、これら各単繊維の引張試験を行い、平均値を求めた。試験温度は23℃、相対湿度は50%、引張速度は200mm/min、空間距離(チャック間距離)は200mmとした。評価は以下の基準により行った。
○:引張強度(cN/dtex)3.0以上
△:引張強度(cN/dtex)0.5以上〜1.0未満
×:引張強度(cN/dtex)0.5未満
(2)光沢評価
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを、太陽光の下、目視により以下の基準で評価した。
○:人毛に等しいレベルに光沢が調整されている。
△:若干光沢が多すぎる、又は、若干光沢が少なすぎる。
×:光沢が多すぎる、又は、光沢が少なすぎる。
(3)触感評価
専門美容師による官能評価を行い、3段階で評価した。
○:人毛に似た非常に柔らかな風合い。
△:人毛に比べやや硬い風合い。
×:人毛に比べ硬い風合い。
(4)ボリューム感評価
蓑毛にしたフィラメントを32mm径のパイプに巻きつけ、120℃、相対湿度100%で60分間のスチーム加工条件でカールセットした。室温で60分間静置した後、カールしたフィラメントの一端を固定して釣り下げ、カールのボリューム感を目視により以下の基準で評価した。
○:人毛によく似たボリューム感がある。
△:ボリューム感がやや少ない。
×:ボリューム感がない。
繊度測定の結果と繊維特性の評価結果を以下の表に示す。
Figure 2013002014
<実施例2〜11・比較例1〜2>
ストランドの繊度、加熱工程の温度および巻き取り工程の張力を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして繊維を製造した。
実施例の繊維は、比較例の繊維に対して引張強度、光沢、触感およびボリューム感に優れ、人毛に近い自然な光沢、外観および触感を有していることが確認された。
本技術に係る人工毛髪用繊維は、耐熱性および強伸度などの繊維物性を維持し、人毛に近い自然な光沢、外観および触感を有する。従って、本技術に係る人工毛髪用繊維は、かつら、ヘアーウィッグ、付け毛、ヘアーバンド、ドールヘアーなどの頭髪装飾品のために好適に用いられ得る。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂を溶融紡糸して得られる人工毛髪用繊維であって、繊維流れ方向における繊度の変化周期が1〜50mmである人工毛髪用繊維。
  2. 前記変化周期内における繊度の最小値が20dtexであり、最大値が150dtexである請求項1記載の人工毛髪用繊維。
  3. 熱可塑性樹脂を溶融紡糸して人工毛髪用繊維を製造する方法であって、
    繊維流れ方向において1〜50mmを周期とする繊度変化を前記人工毛髪用繊維に付与する工程を含む製造方法。
  4. 前記工程は、前記熱可塑性樹脂を繊度800〜2000dtexのストランドとしてノズルから溶融紡糸する工程である請求項3記載の製造方法。
  5. 前記工程は、溶融紡糸後のストランドを200〜280℃で加熱する工程である請求項3又は4記載の製造方法。
  6. 前記工程は、冷却後のストランドに1.2×10−3〜12.5×10−3N/本の張力を加え、繊度400dtex以下の未延伸糸とする工程である請求項3〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記工程は、未延伸糸を熱延伸および熱弛緩させ、繊度150dtex以下の繊維とする工程である請求項3〜6いずれか一項に記載の製造方法。
  8. 請求項1又は2記載の人工毛髪用繊維を用いてなる頭髪装飾品。
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