JP2013079428A - Al含有フェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法およびAl含有フェライト系ステンレス熱延鋼帯、ステンレス箔、並びに、自動車排ガス浄化装置用触媒担体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.05%以下、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以下、S:0.003%以下、P:0.05%以下、Cr:15.0〜35.0%、Ni:0.05〜0.30%、Al:3.0〜10.0%、N:0.10%以下、Ti:0.02%以下、Nb:0.02%以下、Ta:0.02%以下、Zr:0.005〜0.20%、Ce:0.02%以下、Ceを除くREM:0.03〜0.20%、MoおよびWのうち少なくとも一種を合計で0.5〜8.0%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物より成る鋼を熱間圧延する際、850℃以上の温度で熱間圧延を終了し、その後10℃/秒以上の冷却速度で500〜650℃まで急冷した後に巻取りを行ってコイルとする。
【選択図】図1
Description
C:0.05%以下
C含有量が0.05%を超えると、高温での強度が低下し、高温での耐酸化性も低下する。また、靭性の低下による製造性の低下も招く。よって、C含有量は0.05%以下、好ましくは0.02%以下とするが、極力低減することがより好ましい。
Si含有量が2.0%を超えると、靭性が低下するとともに、加工性の低下により製造を困難にする。よって、Si含有量は2.0%以下、好ましくは1.0%以下とする。
Mn含有量が1.0%を超えると、高温での耐酸化性が低下する。また、耐塩害腐食性の低下も招く。よって、Mn含有量は1.0%以下、好ましくは0.5%以下とする。
S含有量が0.003%を超えると、触媒担体におけるAl2O3皮膜の密着性や高温での耐酸化性が低下する。よって、S含有量は0.003%以下、好ましくは0.001%以下とするが、極力低減することがより好ましい。
P含有量が0.05%を超えると、触媒担体におけるAl2O3皮膜の密着性や高温での耐酸化性が低下する。よって、P含有量は0.05%以下、好ましくは0.03%以下とするが、極力低減することがより好ましい。
Crは高温での強度および耐酸化性を確保する上で必要不可欠な元素であるので15.0%以上添加する。しかし、Cr含有量が35.0%を超えると、475℃脆性が促進されるため靭性が著しく低下し、本発明の技術を用いた脆化の抑制が困難となる。よって、Cr含有量は15.0〜35.0%、好ましくは18.0〜32.0%とする。ただし、特に高温強度および耐酸化性が必要とされる場合は、25.0〜32.0%添加されることがより好ましい。
Niは触媒担体成形時のロウ付け性を向上する効果があるため、その含有量は0.05%以上とする。しかし、オーステナイト安定化元素であるNiの含有量が0.30%を超える場合は、高温での酸化進行時に箔中の固溶Alが減少し、Crが酸化され始めた際、オーステナイトが生成して箔の熱膨張係数を変化させ、箔の括れや破断(セル切れ)などの不具合が発生する。よって、Ni含有量は0.05〜0.30%、好ましくは0.08〜0.20%とする。
Alは本発明において非常に重要な役割を果たす元素である。Alは表面に保護性の高いAl2O3皮膜を形成し、高温での耐酸化性を向上させる。Al含有量が3.0%未満では、十分な耐酸化性が得られない。一方、Al含有量が10.0%を超えると、加工性が著しく低下し、圧延が困難となる。
N含有量が0.10%を超えると、靱性が低下するとともに、加工性の低下により製造を困難にする。よって、N含有量は0.10%以下、好ましくは0.05%以下とする。
Tiは酸化されやすい元素である。その含有量が0.02%を超えると、Ti酸化物がAl2O3皮膜中に多量に混入し、ロウ付け性が著しく低下するとともに、高温での耐酸化性も低下する。よって、Ti含有量は0.02%以下、好ましくは0.01%以下とするが、極力低減することがより好ましい。
Nb含有量が0.02%を超えると、(Fe,Al)NbO4の保護性のない酸化皮膜が生成し、高温での耐酸化性が著しく低下する。また、(Fe,Al)NbO4は熱膨張率が大きいため、箔の変形を助長し、触媒の剥離を引き起こす。よって、Nb含有量は0.02%、好ましくは0.01%以下とするが、極力低減することがより好ましい。
Nbと同様、Ta含有量が0.02%を超えると、(Fe,Al)TaO4の保護性がなく、熱膨張率が大きい酸化皮膜が生成し、高温での耐酸化性が著しく低下するとともに、箔の変形を助長し、触媒の剥離を引き起こす。よって、Ta含有量は0.02%、好ましくは0.01%以下とするが、極力低減することがより好ましい。
Zrは鋼中のC、Nと結合し、クリープ特性を改善する。また、靭性が向上するとともに、加工性が向上して箔の製造を容易にする。さらに、Al2O3皮膜中においてAl2O3粒界に濃化して高温での耐酸化性や、高温での強度、特に耐変形性を向上させる。このような効果を得るには、Zr含有量は0.005%以上とする必要がある。一方、Zr含有量が0.20%を超えると、Feなどと金属間化合物をつくり、耐酸化性を低下させる。よって、Zr含有量は0.005〜0.20%、好ましくは0.01〜0.05%とする。
Ce含有量が0.02%を超えると、Al2O3皮膜と母材鋼表面との界面にCeO型の酸化物が生成し、高温での強度、特に耐変形性を著しく劣化させ、形状不良を引き起こす。よって、Ce含有量は0.02%以下とするが、極力低減することがより好ましい。
Ceを除くREMとは、La、Nd、Smなど原子番号57〜71までのCeを除く14種の元素とする。一般に、REMはAl2O3皮膜の密着性を改善し、Al2O3皮膜の耐剥離性向上に極めて顕著な効果を有する。このような効果を得るには、Ceを除くREM含有量は0.03%以上とする必要がある。一方、Ceを除くREM含有量が0.20%を超えると、これらの元素が結晶粒界に濃化して析出し、高温加熱時に溶融して熱延板の表面欠陥の要因となる。よって、Ceを除くREM含有量は0.03〜0.20%、好ましくは0.05〜0.10%とする。
MoおよびWは高温での強度、特にヤング率と破断応力を増大し、触媒担体の寿命が良好となる。これらの元素は、同時に、Al2O3皮膜を安定化させ、耐塩害腐食性を向上させる。このような効果を得るには、MoおよびWのうち少なくとも一種の含有量は合計で0.5%以上とする必要がある。一方、MoおよびWのうち少なくとも一種の含有量が合計で8.0%を超えると、加工性の低下により製造を困難にする。よって、MoおよびWのうち少なくとも一種の含有量は合計で0.5〜8.0%、好ましくは2.5〜6.5%とする。
次に、本発明によって表面性状に優れた熱延鋼帯を得ることが可能となるメカニズムについて説明する。本発明者らは、課題について鋭意検討したところ、以下に示す知見を得るに至った。
(b)巻取り温度を500℃〜650℃とすることで、急冷による形状変化が軽微となり、熱延鋼帯の表面性状は著しく改善される。好ましくは、500〜600℃、さらに好ましくは520〜580℃である。従来の高Cr含有フェライト系ステンレス鋼製造技術では475℃脆性による脆化を避けるため、例えば450℃以下という低温まで冷却した後に巻取りを行っていたが、本発明鋼では(a)で述べた通りAl含有の効果で脆化が抑制されるため、過度の急激な冷却は不要となり比較的高温での巻取りが可能となる。
Claims (8)
- 質量%で、C:0.05%以下、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以下、S:0.003%以下、P:0.05%以下、Cr:15.0〜35.0%、Ni:0.05〜0.30%、Al:3.0〜10.0%、N:0.10%以下、Ti:0.02%以下、Nb:0.02%以下、Ta:0.02%以下、Zr:0.005〜0.20%、Ce:0.02%以下、Ceを除くREM:0.03〜0.20%、MoおよびWのうち少なくとも一種を合計で0.5〜8.0%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物より成る鋼を熱間圧延する際、850℃以上の温度で熱間圧延を終了し、その後10℃/秒以上の冷却速度で500℃〜650℃まで急冷した後に巻取りを行って熱延コイルとすることを特徴とするAl含有フェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法。
- 前記鋼がさらに、質量%で、Hf:0.01〜0.20%、質量ppmで、Ca:10〜300ppmおよびMg:15〜300ppmのうち少なくとも一種とを含有することを特徴とする請求項1に記載のAl含有フェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法。
- 表面の欠陥発生率が3%以下で、かつ延性−脆性遷移温度が150℃以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のAl含有フェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法。ただし、欠陥発生率とは(欠陥発生面積/検査実施面積×100)で得られる値であり、延性−脆性遷移温度は熱延鋼帯についてシャルピー衝撃試験を行って得られる値である。
- 質量%で、C:0.05%以下、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以下、S:0.003%以下、P:0.05%以下、Cr:15.0〜35.0%、Ni:0.05〜0.30%、Al:3.0〜10.0%、N:0.10%以下、Ti:0.02%以下、Nb:0.02%以下、Ta:0.02%以下、Zr:0.005〜0.20%、Ce:0.02%以下、Ceを除くREM:0.03〜0.20%、MoおよびWのうち少なくとも一種を合計で0.5〜8.0%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物より成る鋼を熱間圧延する際、850℃以上の温度で熱間圧延を終了し、その後10℃/秒以上の冷却速度で500℃〜650℃まで急冷した後に巻取りを行って熱延コイルとして得られたことを特徴とするAl含有フェライト系ステンレス熱延鋼帯。
- 前記鋼がさらに、質量%で、Hf:0.01〜0.20%、質量ppmで、Ca:10〜300ppmおよびMg:15〜300ppmのうち少なくとも一種とを含有することを特徴とする請求項4に記載のAl含有フェライト系ステンレス熱延鋼帯。
- 表面の欠陥発生率が3%以下で、かつ延性−脆性遷移温度が150℃以下であることを特徴とする、請求項4または5に記載のAl含有フェライト系ステンレス熱延鋼帯。ただし、欠陥発生率とは(欠陥発生面積/検査実施面積×100)で得られる値であり、延性−脆性遷移温度は熱延鋼帯についてシャルピー衝撃試験を行って得られる値である。
- 箔厚が100μm以下であることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載のAl含有フェライト系ステンレス熱延鋼帯を圧延して得られるステンレス箔。
- 請求項7に記載のステンレス箔を用いた自動車排ガス浄化装置用触媒担体。
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