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JP2013049760A - 樹脂組成物の製造方法、並びに、成形体、フィルム及び袋の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物の製造方法、並びに、成形体、フィルム及び袋の製造方法 Download PDF

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JP2013049760A JP2011187622A JP2011187622A JP2013049760A JP 2013049760 A JP2013049760 A JP 2013049760A JP 2011187622 A JP2011187622 A JP 2011187622A JP 2011187622 A JP2011187622 A JP 2011187622A JP 2013049760 A JP2013049760 A JP 2013049760A
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Hiroyuki Kaneko
裕之 金子
Hiroshi Nakano
博 中野
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Abstract

【課題】成形加工性に優れる樹脂組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)、澱粉(B)、可塑剤(C)、及び滑剤(D)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、澱粉(B)及び可塑剤(C)を混合し澱粉を可塑化する、可塑化工程と、可塑化工程の後、滑剤(D)を混合する、滑剤混合工程とを有する、樹脂組成物の製造方法とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂、澱粉、可塑剤、及び滑剤を含んでなる樹脂組成物の製造方法に関する。
従来、各種食品、薬品、雑貨用等の液状物や粉粒物、固形物の包装用資材、農業用資材、建築資材等、幅広い用途において、紙、プラスチック、金属箔等が用いられている。特にプラスチックは強度、耐水性、成形性、透明性、コスト等において優れており、フィルム、袋、或いは容器等の多くの用途で使用されている。代表的なプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。しかしながら、これら樹脂は、自然環境下において分解し難く、また、焼却処理を行う場合に有害なガスを発生したり、焼却炉を傷めたりする等の問題がある。
上記問題を解決すべく、様々な樹脂が研究されている。例えば、自然環境下において分解し易いポリエステル系樹脂が注目されている。当該ポリエステル系樹脂を成形してなるフィルムは、例えば、使用後、土中に埋設することで分解されるため、温暖化防止、土壌及び大気の汚染防止を図ることができる。しかしながら、ポリエステル系樹脂を成形してなるフィルムは、一般的に機械的物性に劣るものが多い。そこで、ポリエステル系樹脂を成形してなるフィルムにおいて、機械的物性を改善するための研究が数多くなされている。
例えば、特許文献1には、澱粉と、脂肪族ポリエステルと、脂肪族芳香族ポリエステルとを特定の割合で混合した樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、澱粉を含有する分散相と、熱可塑性ポリマーにより構成される連続層とを有する樹脂組成物が開示されている。さらに、特許文献3には、澱粉と脂肪族ポリエステルと多価アルコールとを特定の割合で混合した樹脂組成物が開示されている。
特許文献1〜3に開示された樹脂組成物のように、ポリエステル系樹脂とともに澱粉を含ませることにより、フィルムとした場合の機械的物性を向上させることが可能と考えられる。特に、樹脂組成物において、澱粉を可塑化して分散させることにより、澱粉を均一に分散させることができ、フィルムとした場合の機械的物性が一層向上する。すなわち、樹脂組成物においては、ポリエステル系樹脂及び澱粉とともに、可塑剤を含ませることが好ましい。
一方、例えば、特許文献3に挙げられているように、脂肪酸アミド等の滑剤を樹脂組成物に含ませる場合がある。滑剤を含ませることにより、樹脂組成物を成形加工する際の離型性を向上させることができ、また、樹脂組成物を成形した後、成形体同士のくっ付きを防止することもできる。
特開2008−13602号公報 特表2000−509427号公報 特開2003−55470号公報
しかしながら、樹脂組成物中に滑剤を含ませた場合、滑剤が、樹脂組成物の成形加工性に悪影響を及ぼしたり、澱粉の可塑化が阻害されるために樹脂組成物の成形加工性、得られた成形品の機械物性が損なわれたりする場合があった。より具体的には、溶融時の樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が著しく増大し、押出成形或いはブロー成形することが困難となったり、得られた成形品の機械的強度が低下したり、成形体の外観が悪化したりする場合があった。これに鑑み、本発明は、成形加工性に優れる樹脂組成物の製造方法、当該製造方法により得られた樹脂組成物を用いる、機械物性・外観に優れる成形体、フィルム或いは袋の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、熱可塑性樹脂、澱粉、可塑剤、及び滑剤を含む樹脂組成物を製造する際、澱粉及び可塑剤を混合して澱粉を可塑化させた後に滑剤を混合することによって、澱粉の可塑化を阻害することなく、滑剤を適切に機能させつつ、溶融時の樹脂組成物のMFRを制御することが可能となり、成形加工性に優れ、かつ成形品が良好な外観・機械物性を有する樹脂組成物を製造することができることを知見した。
本発明は上記知見に基づいてなされたものである。すなわち、
本発明の第1の態様は、熱可塑性樹脂(A)、澱粉(B)、可塑剤(C)、及び滑剤(D)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、澱粉(B)及び可塑剤(C)を混合し澱粉を可塑化する、可塑化工程と、当該可塑化工程の後で滑剤(D)を混合する、滑剤混合工程とを有する、樹脂組成物の製造方法である。
本発明において、「可塑化工程の後で滑剤(D)を混合する」とは、可塑化工程の後の工程で滑剤(D)を混合すれば、如何なる態様であっても構わないが、具体的には以下の(I)〜(III)の態様を例示できる。
(I) 澱粉(B)と可塑剤(C)とを混合して澱粉(B)を可塑化させて澱粉組成物とする工程の後であって、且つ、当該澱粉組成物と熱可塑性樹脂樹脂(A)とを混合する工程の前に、当該澱粉組成物と滑剤(D)とを混合する。
(II) 澱粉(B)と可塑剤(C)とを混合して澱粉(B)を可塑化させて澱粉組成物とする工程の後、当該澱粉組成物と、滑剤(D)を含む熱可塑性樹脂(A)とを混合する。
(III) 澱粉(B)と可塑剤(C)とを混合して澱粉(B)を可塑化させて澱粉組成物とする工程、及び、当該澱粉組成物と熱可塑性樹脂(A)とを混合する工程を経て、その後、滑剤(D)を混合する。
本発明の第1の態様において、澱粉(B)に含まれる水分量が10wt%以上であることが好ましい。澱粉中の水分量が10wt%以上であることで、澱粉が可塑化され易くなり、樹脂組成物において澱粉(B)を均一に分散させることができ、成形加工性に優れるとともに、機械的強度にも一層優れる樹脂組成物とすることができる。
本発明の第1の態様において、澱粉(B)はなんら変性されていない天然の澱粉、ないしは適宜変性された澱粉のいずれでもかまわない。
ここで、「変性」とは、化学的、物理的、生物学的等のあらゆる変性を含むものである。化学的変性としては、澱粉の構成単位の一部又は全部をエステル化、エーテル化、酸化、還元、カップリング、脱水、加水分解、脱水素、ハロゲン化等の化学反応により変性することを示し、特には、水酸基をエーテル化又はエステル化することを示す。また物理的変性は、結晶化度を変化させること等、物理的性質を変化させることを示す。また生物学的変性は、生物を用いて化学構造等を変化させることを示す。
本発明の第1の態様において、滑剤(D)として脂肪酸アミド系滑剤を用いることが好ましい。脂肪酸アミド系滑剤を用いることで効率的に成形品同士の付着をふせぐことができるためである。
本発明の第1の態様において、可塑剤(C)が、水酸基を有する有機化合物であることが好ましい。澱粉(B)を適切に可塑化することができるためである。
本発明の第1の態様において、熱可塑性樹脂(A)が、脂肪族ポリエステル系樹脂であることが好ましい。本発明では、熱可塑性樹脂(A)として脂肪族ポリエステル系樹脂を用いたとしても、上記工程を経ることによって、成形加工性に優れるとともに、機械的物性にも優れる樹脂組成物を適切に製造可能である。脂肪族ポリエステル系樹脂は、土中に埋設することで分解されるため、温暖化防止、土壌及び大気の汚染防止を図ることができる。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係る製造方法により得られた樹脂組成物を成形する工程を有する、成形体の製造方法である。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様に係る製造方法により得られた樹脂組成物を成形する工程を有する、フィルムの製造方法である。
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様に係る製造方法により得られたフィルムをさらに成形する工程を備える、袋の製造方法である。
本発明に係る樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、澱粉、可塑剤、及び滑剤を含む樹脂組成物を製造する際、澱粉及び可塑剤を混合して澱粉を可塑化させた後に滑剤を混合することによって、滑剤としての機能を適切に発現させつつ、溶融時の樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)を適切に抑制した樹脂組成物を製造することができる。溶融時の樹脂組成物のMFRを制御することによって、樹脂組成物を容易に押出成形或いはブロー成形に供することが可能となる。
すなわち、本発明によれば、成形加工性に優れる樹脂組成物の製造方法、当該製造方法により得られる樹脂組成物を用いた、機械的強度に優れしかも外観の良好な成形体、フィルム或いは袋の製造方法が提供される。
樹脂組成物の製造方法の一例を説明するための図であり、2軸押出機10の内部を概略的に示す図である。 樹脂組成物の製造方法の一例を説明するための図であり、2軸押出機20の内部を概略的に示す図である。 「ニーディングディスクの径D」を説明するための概略図である。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の具体的形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲内で任意に変形したものも含まれる。
なお、本明細書では「重合体」という語を、単一種の繰り返し構造単位から構成される重合体(所謂「単独重合体」)と、複数種の繰り返し構造単位から構成される重合体(所謂「共重合体」)とを包含する概念として使用する。
また、以下の記載では、ある単量体に由来する重合体の部分構造単位を、その単量体の名称に「単位」という言葉を付して表す。例えば、ジカルボン酸に由来する部分構造単位は、「ジカルボン酸単位」という名称で表される。
また、同一の部分構造単位を与える単量体を、その部分構造単位の名称の「単位」を「成分」に換えた名称で総称する。例えば、芳香族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸ジエステル等の単量体は、重合体を形成する過程の反応は異なったとしても、いずれも芳香族ジカルボン酸単位を形成する。よって、これらの芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸ジエステル等を、「芳香族ジカルボン酸成分」という名で総称する。
本発明に係る製造方法は、熱可塑性樹脂(A)、澱粉(B)、可塑剤(C)、及び滑剤(D)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、澱粉(B)及び可塑剤(C)を混合し澱粉を可塑化する、可塑化工程と、当該可塑化工程の後で滑剤(D)を混合する、滑剤混合工程とを有している。まず、本発明に係る製造方法に用いられる各原料について説明する。
1.樹脂組成物
1.1.熱可塑性樹脂(A)
本発明における熱可塑性樹脂(A)としては、公知の熱可塑性樹脂を広く適用することができる。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、等が挙げられる。尚、本発明において、「系樹脂」とは当該樹脂を主成分とするものであって、主成分とは当該成分が最も多いことを意味し、主成分以外の構成成分を含んでいても構わない。本発明においては、これらのうち、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましく、下記の脂肪族ポリエステル系樹脂や脂肪族オキシカルボン酸系樹脂を用いることが特に好ましい。土中に埋設することで分解され、温暖化防止、土壌及び大気の汚染防止を図ることができるためである。
1.1.1.脂肪族ポリエステル系樹脂
脂肪族ポリエステル系樹脂とは、脂肪族ポリエステルを主成分とするものである。具体的には、脂肪族ポリエステルを50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上含むものが挙げられる。脂肪族ポリエステル系樹脂では、脂肪族ポリエステル以外の構成成分を含んでいても構わず、例えば脂肪族ポリエステル構造以外に芳香族ポリエステル構造部分を共重合成分として有していても構わないし、脂肪族ポリエステル樹脂と、芳香族ポリエステル樹脂や芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂との混合物であっても構わない。具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂は、コハク酸(脂肪族ジカルボン酸)と1,4-ブタンジオール(脂肪族ジオール)からなる脂肪族ポリエステルのみならず、アジピン酸や1,4−シクロヘキサンジメタノール(環状ジオール)等からなる環状構造を備えた脂肪族ポリエステルであってもよく、また、共重合成分として当該環状構造を備えた脂肪族ポリエステル成分が含まれていてもよく、さらには、当該環状構造を備えた脂肪族ポリエステルと環状構造を備えない脂肪族ポリエステル樹脂とのポリマーアロイであってもよい。或いは、共重合成分としてテレフタル酸(芳香族ジカルボン酸)を含むような芳香族/脂肪族ポリエステルであってもよく、また、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステル及び/又は芳香族/脂肪族ポリエステルとのポリマーアロイであってもよい。
(脂肪族ポリエステル樹脂)
脂肪族ポリエステル系樹脂は、ジオール単位及びジカルボン酸単位を含むものが好ましく、更に好ましくは、例えば、下記式(1)で表される鎖状脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位、並びに、下記式(2)で表される鎖状脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位からなる脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とするものである。
−O−R−O− (1)
[式(1)中、Rは2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に2種以上のRが含まれていてもよい。]
−OC−R−CO− (2)
[式(2)中、Rは2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に2種以上のRが含まれていてもよい。]
なお、式(1)、式(2)において、「2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基」の「及び」とは、構成成分の1分子中に2価の鎖状脂肪族炭化水素基と2価の脂環式炭化水素基との両方を含んでいてもよいという意味である。また、以下、「鎖状脂肪族及び/又は脂環式」を、単に「脂肪族」と略記する場合がある。
式(1)のジオール単位を与える脂肪族ジオール成分は特に限定はないが、炭素数2〜10個の脂肪族ジオール成分が好ましく、炭素数4〜6個の脂肪族ジオール成分が特に好ましい。具体的には、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオールが特に好ましい。脂肪族ジオール成分は2種類以上を用いることもできる。
式(2)のジカルボン酸単位を与える脂肪族ジカルボン酸成分は特に限定はないが、炭素数2〜10個の脂肪族ジカルボン酸成分が好ましく、炭素数4〜8個の脂肪族ジカルボン酸成分が特に好ましい。脂肪族ジカルボン酸成分の具体例としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、中でもコハク酸又はアジピン酸が特に好ましい。脂肪族ジカルボン酸成分は2種類以上を用いることもできる。
さらに、本発明における脂肪族ポリエステル樹脂には、脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸成分の具体例としては、例えば、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸等、又はこれらの低級アルキルエステル若しくは分子内エステルが挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体又はラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体又は水溶液であってもよい。これらの中で特に好ましいものは、乳酸又はグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、2種以上の混合物としても使用することもできる。
上記脂肪族オキシカルボン酸成分の量は、脂肪族ポリエステル樹脂を構成する全構成成分中、下限が通常0モル%以上、好ましくは、0.01モル%以上であり、上限が通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
また、本発明における脂肪族ポリエステル樹脂は、「3官能以上の脂肪族多価アルコール」、「3官能以上の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物」又は「3官能以上の脂肪族多価オキシカルボン酸」を共重合すると、得られる脂肪族ポリエステル樹脂の溶融粘度を高めることができるため好ましい。
3官能の脂肪族多価アルコール成分の具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられ、4官能の脂肪族多価アルコール成分の具体例としては、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
3官能の脂肪族多価カルボン酸成分又はその酸無水物の具体例としては、プロパントリカルボン酸又はその酸無水物が挙げられ、4官能の多価カルボン酸成分又はその酸無水物の具体例としては、シクロペンタンテトラカルボン酸又はその酸無水物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
また、3官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1個を同一分子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基が1個とヒドロキシル基が2個のタイプとに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。具体的には、リンゴ酸等が好ましく用いられる。また、4官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)3個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカルボキシル基と2個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(iii)3個のヒドロキシル基と1個のカルボキシル基とを同一分子中に共有するタイプに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。具体的には、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
このような3官能以上の化合物の量は、脂肪族ポリエステル樹脂を構成する全構成成分中、下限は、通常0モル%以上、好ましくは0.01モル%以上であり、上限は、通常5モル%以下、好ましくは2.5モル%以下である。
好ましい脂肪族ポリエステル系樹脂は、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂、又はそれらの混合物である。すなわち、主成分である上記脂肪族ポリエステル樹脂として、特に好ましくは、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、又はそれらの混合物を用いる。
本発明で使用する脂肪族ポリエステル樹脂は、公知の方法で製造することができる。例えば、上記の脂肪族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によっても製造することができるが、経済性や製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行う溶融重合で製造する方法が好ましい。
本発明に用いられる脂肪族ポリエステル樹脂のメルトフローレート(MFR)は、190℃、2.16kgで測定した場合、下限が通常0.1g/10分以上であり、上限が、通常100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、特に好ましくは30g/10分以下である。
(芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂)
脂肪族ポリエステル系樹脂は、上記脂肪族ポリエステル樹脂に替えて、或いは、上記脂肪族ポリエステル樹脂に加えて、芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂を含んでいてもよい。芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸、並びに、脂肪族ジオールからなる芳香族脂肪族共重合ポリエステルを主成分とするものである。この場合の芳香族ジカルボン酸単位の含量は、脂肪族ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の全量を基準(100モル%)として、5モル%以上60モル%以下であることが好ましい。具体的には、例えば、下記式(3)で表される脂肪族ジオ−ル単位、下記式(4)で表される脂肪族ジカルボン酸単位、及び、下記式(5)で表される芳香族ジカルボン酸単位を必須成分とするものである。ただし、脂肪族オキシカルボン酸単位を有していてもよい。以下、芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂について説明する。
−O−R−O− (3)
[式(3)中、Rは2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。]
−OC−R−CO− (4)
[式(4)中、Rは直接結合を示すか、2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。]
−OC−R−CO− (5)
[式(5)中、Rは2価の芳香族炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。]
式(3)のジオール単位を与えるジオール成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。中でも、炭素数2以上4以下のジオールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールがより好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
式(4)のジカルボン酸単位を与えるジカルボン酸成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。中でも、コハク酸又はアジピン酸が好ましい。
式(5)の芳香族ジカルボン酸単位を与える芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、中でも、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、テレフタル酸が特に好ましい。また、芳香環の一部がスルホン酸塩で置換されている芳香族ジカルボン酸が挙げられる。なお、脂肪族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分及び芳香族ジカルボン酸成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
本発明における芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂には、脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸成分の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、又はこれらの混合物等が挙げられる。さらに、これらの低級アルキルエステル又は分子内エステルであってもよい。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体又はラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体又は水溶液のいずれであってもよい。これらの中で好ましいものは、乳酸又はグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、2種以上の混合物としても使用することもできる。
この脂肪族オキシカルボン酸成分の量は、芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂を構成する全構成成分中、下限が通常0モル%以上、好ましくは0.01モル%以上であり、上限が通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂は、前記脂肪族ポリエステル樹脂と同様の製法により製造することができる。
本発明に用いられる芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂のメルトフローレート(MFR)は、190℃、2.16kgで測定した場合、下限が通常0.1g/10分以上であり、上限が通常100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、特に好ましくは30g/10分以下である。
上記した芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂の含有量は、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対して、好ましくは1重量部以上100重量部以下である。含有量の下限は、より好ましくは5重量部以上、特に好ましくは10重量部以上、最も好ましくは20重量部以上である。含有量の上限は、より好ましくは70重量部以下、特に好ましくは60重量部以下である。芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂の含有量が多すぎると、フィルムのコシが不足し、各種包装材料として使用するためにはフィルムの厚さを厚くする必要がある場合がある。一方、芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂の含有量が少なすぎると、引張り伸び率、引裂き強度等が不足する場合がある。
1.1.2.脂肪族オキシカルボン酸系樹脂
本発明では、熱可塑性樹脂(A)として、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂を用いることもできる。脂肪族オキシカルボン酸系樹脂とは、脂肪族オキシカルボン酸単位からなる脂肪族オキシカルボン酸を主成分とするものである。
脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸成分としては、例えば、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、又はこれらの低級アルキルエステル若しくは分子内エステル等が挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体又はラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体又は水溶液であってもよい。これらの中で特に好ましいものは、乳酸又はグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、2種以上の混合物としても使用することもできる。
また、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂は、3官能以上の脂肪族オキシカルボン酸成分由来の脂肪族オキシカルボン酸単位を有していてもよい。3官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1個を同一分子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基が1個とヒドロキシル基が2個のタイプとに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。具体的には、リンゴ酸等が好ましく用いられる。また、4官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)3個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカルボキシル基と2個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(iii)3個のヒドロキシル基と1個のカルボキシル基とを同一分子中に共有するタイプに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。具体的には、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
脂肪族オキシカルボン酸系樹脂は、上記したようなポリエステル等のその他の成分由来の構造単位を含んでいてもよい。脂肪族オキシカルボン酸系樹脂におけるその他の構造単位の含有量は、脂肪族オキシカルボン酸由来の構造単位と、その他の構造単位との合計を100モル%として、下限が、通常0モル%以上、好ましくは0.01モル%以上であり、上限が、通常5モル%以下、好ましくは2.5モル%以下である。
本発明における樹脂組成物において、上述したような熱可塑性樹脂(A)の含有量は、当該熱可塑性樹脂(A)と、後述する澱粉(B)及び可塑剤(C)との合計量を基準(100重量部)として、20重量部以上90重量部以下であり、下限が好ましくは30重量部以上、より好ましくは35重量部以上、上限が好ましくは80重量部以下、より好ましくは70重量部以下である。ここで、20重量部より少ない場合は、フィルム成形或いは射出成形が困難となる場合があり、また90重量部を越えると、フィルム引裂強度が不足する場合がある。
1.2.澱粉(B)
本発明における澱粉(B)とは、分子式(C10の炭水化物(多糖類)で、多数のα−グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子やその変性物である。ここで「変性」は、化学的、物理的、生物学的等のあらゆる変性を含むものである。化学的変性としては、澱粉の構成単位の一部又は全部をエステル化、エーテル化、酸化、還元、カップリング、脱水、加水分解、脱水素、ハロゲン化等の化学反応により変性することを示し、特には、水酸基をエーテル化又はエステル化することを示す。また物理的変性は、結晶化度を変化させること等、物理的性質を変化させることを示す。また生物学的変性は、生物を用いて化学構造等を変化させることを示す。変性澱粉は可塑化されやすく、本発明に特に好適に用いることができる。
本発明における澱粉(B)は、具体的には、例えば、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、エンドウ澱粉、α澱粉等が挙げられ、コーンスターチ又は馬鈴薯澱粉が好ましく、特に好ましくはコーンスターチである。
本発明における澱粉(B)に含まれる水分量は、10wt%以上であることが好ましく12wt%以上であることが特に好ましい。澱粉中の水分量が10wt%以上であることで、澱粉が可塑化され易くなり、樹脂組成物において澱粉(B)を均一に分散させることができ、成形加工性に優れるとともに、機械的強度にも一層優れる樹脂組成物とすることができる。
澱粉(B)の配合量は上述した熱可塑性樹脂(A)、当該澱粉(B)、及び後述する可塑剤(C)の合計量を基準(100重量部)として、5重量部以上70重量部以下であり、好ましくは20重量部以上60重量部以下、より好ましくは25重量部以上50重量部以下である。ここで、9重量部より少ないとフィルムの引裂強度などの物性改良効果が不十分となる場合があり、70重量部を超えると耐水性、耐加水分解性、柔軟性などが損なわれる可能性がある。
1.3.可塑剤(C)
本発明における可塑剤(C)は、澱粉(B)に対して親和性があるもので、水酸基を有していれば特に限定はないが、具体的には、例えば、水や、1価アルコール、多価アルコール、多価アルコールの部分エステル若しくは部分エーテル等の水酸基を含有する有機化合物が挙げられる。これらの中で好ましくは、ソルビトール、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ナノンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、グリセリンモノアルキルエステル、グリセリンジアルキルエステル、グリセリンモノアルキルエーテル、グリセリンジアルキルエーテル、ジグリセリン、ジグリセリンアルキルエステル等であり、より好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、グリセリンモノエステル、ソルビトール又はペンタエリスリトールであり、特に好ましくはグリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール又はエチレングリコールである。水及び水酸基を含有する有機化合物は、1種又は2種類以上が用いられる。
水酸基を含有する有機化合物の分子量は、好ましくは3000以下、より好ましくは2500以下、特に好ましくは2000以下であることが望ましい。
可塑剤(C)の配合量は、上述した熱可塑性樹脂(A)及び澱粉(B)と、当該可塑剤(C)との合計量を基準(100重量部)として、1重量部以上20重量部以下であり、下限が好ましくは3重量部以上、より好ましくは5重量部以上、上限が好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。可塑剤(C)の含有量が20重量部を超えると、可塑剤(C)がフィルム表面からブリードアウトしたり、得られるフィルムの弾性率が低下したりする虞がある。一方、可塑剤(C)の含有量が1重量部より少ないと、澱粉(B)が十分に可塑化できず、澱粉(B)の分散粒子径が粗くなる虞がある。
1.4.滑剤(D)
本発明における滑剤(D)は、滑剤として機能し得るものであれば特に限定されるものではない。例えば、ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート等のエステル系滑剤;流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤;ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸系滑剤;ステアリルアルコール等の高級アルコール系滑剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属せっけん系滑剤;炭素数6〜30の不飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸ビスアミド等の脂肪酸アミド系滑剤が挙げられ、この中でも、エステル系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤が好ましく、脂肪酸アミド系滑剤が特に好ましい。脂肪酸アミド系滑剤を用いると本発明の樹脂組成物をフィルムなどの成形体にした際に適切なスリップ性、アンチブロッキング性を有し、とりわけ袋の形状にした際の口開き性が良好になる。
滑剤(D)の配合量は、上述した熱可塑性樹脂(A)、澱粉(B)、及び可塑剤(C)の合計量(100重量部)に対して、0.001重量部以上1重量部以下であり、下限が好ましくは0.005重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上、上限が好ましくは0.8重量部以下、より好ましくは0.5重量部以下である。滑剤(D)の含有量が 1重量部を超えると、得られる樹脂組成物のMFRが過度に大きくなり、成形加工性が損なわれる場合がある、または得られた成形品表面に滑剤(D)がブリードアウトして外観が損なわれる虞がある。一方、滑剤(D)の含有量が0.001重量部より少ないと、成形加工品がブロッキングし、また成形品表面の摩擦抵抗が増大する虞がある。
1.5.その他の成分
本発明に係る樹脂組成物においては、相溶化剤、無機充填剤、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、耐光剤、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、分散助剤、界面活性剤、スリップ剤、加水分解防止剤、末端封止剤等の「その他の成分」を使用してもよい。これらは、本発明の前記効果を損なわない範囲で任意に使用できる。
1.5.2.相溶化剤
本発明の樹脂組成物には、相溶化剤を含有していてもよい。相溶化剤とは、非相溶性の異種樹脂、或いは澱粉と樹脂を混合する際に、相溶性を改良する添加剤である。相溶化剤を添加することにより、相溶性を向上させることができる。
相溶化剤は、上述した熱可塑性樹脂(A)、澱粉(B)、及び可塑剤(C)の合計量100重量部に対して、0.01重量部以上10重量部以下添加するのが好ましい。
相溶化剤の例としては、高分子型相溶化剤、低分子の有機化合物、無機化合物、有機無機複合体等が挙げられるが、高分子型相溶化剤、低分子の有機化合物が成形品の物性の点で好ましく、成形プロセスの観点から、高分子型相溶化剤がより好ましい。また、相溶化剤としては、酸無水物基、グリシジル基、エーテル基のいずれかの構造を有するものであることが好ましく、これらいずれかの構造を有する高分子型相溶化剤がより好ましい。これらの構造を有する相溶化剤を用いることにより、上記相溶性を向上させる効果が大きくなる。
高分子型相溶化剤としては、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、アクリル系、スチレン系、ウレタン系、ポリアセタール系、オレフィン系エラストマー、不飽和脂肪族系エラストマー、水添不飽和脂肪族系エラストマー等の樹脂及びこれらの2種類以上のブロック、グラフト又は、ランダム共重合体が挙げられる。これらの共重合体に更に不飽和脂肪酸無水物を付加させる等して極性基を分子中に導入してもよい。付加させる不飽和脂肪酸無水物として無水マレイン酸が好ましく用いられる。
この中でも、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエーテル系、アクリル系、スチレン系、オレフィン系エラストマー、不飽和脂肪族系エラストマー、水添不飽和脂肪族系エラストマー及びこれらの2種以上の共重合体等がより好ましく、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエーテル系、アクリル系、スチレン系、水添不飽和脂肪族系エラストマー及びこれらの2種以上の共重合体が更に好ましい。
1.5.3.無機充填剤
本発明の樹脂組成物には、無機充填剤を配合させても良い。かかる無機充填剤としては、シリカ、雲母、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ藻土、アロフェン、ベントナイト、チタン酸カリウム、ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、カオリン、カオリナイト、ガラス、石灰石、カーボン、ワラステナイト、焼成パーライト、「珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム等の珪酸塩」、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸第二鉄、酸化亜鉛、酸化鉄、リン酸アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の樹脂組成物に含有される無機充填剤の量は特に限定はないが、上述した熱可塑性樹脂(A)、澱粉(B)、及び可塑剤(C)の合計量100重量部に対して、無機充填剤が1重量部以上30重量部以下が好ましい。無機充填剤が少なすぎる場合は、機械物性改良効果が少なくなる場合があり、一方、多すぎる場合は、成形性及び耐衝撃性が悪化する場合がある。
1.5.4.各種添加剤
本発明における樹脂組成物には、更に、従来公知の各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、耐光剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、分散助剤や各種界面活性剤、スリップ剤、加水分解防止剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
防曇剤はあらかじめ樹脂に防曇剤を練りこんでもよいし、成形後、成形品表面に塗布してもよい。使用する防曇剤は具体的には、炭素数4以上20以下の飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸と多価アルコールのエステル系界面活性剤が好ましく用いられる。
アンチブロッキング剤としては、炭素数6〜30の飽和脂肪酸アミド、飽和脂肪酸ビスアミド、メチロールアミド、エタノールアミド、天然シリカ、合成シリカ、合成ゼライト、タルク等が挙げられる。
耐光剤としてはビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネートが好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノールが特に好ましい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好適に用いられ、イルガノックス3790(1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン)、イルガノックス1330(3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−α,α’,α”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール)が特に好ましい。
これらの添加剤の添加量は、上述した熱可塑性樹脂(A)、澱粉(B)、及び可塑剤(C)の合計量100重量部に対して、通常0.001重量部以上10重量部以下である。
主に大気中の水分等による加水分解を抑制する目的で用いられる末端封止剤として、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられるが、その中でも分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)で、モノカルボジイミド化合物として、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等を例示できる。これらの中では、工業的に入手が容易なジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロピルカルボジイミドが好ましい。
2.本発明に係る樹脂組成物の製造方法
本発明に係る樹脂組成物の製造方法は、従来公知の混合機/混練機を用いて実施可能である。混合機としては、水平円筒型、V字型、二重円錐型混合機やリボンブレンダー、スーパーミキサーのようなブレンダー、また各種連続式混合機等を使用できる。また、混練機としては、ロールやインターナルミキサーのようなバッチ式混練機、一段型、二段型連続式混練機、二軸スクリュー押出機、単軸スクリュー押出機等を使用できる。
樹脂組成物の調製方法は、特に限定されないが、ブレンドした原料を同一の押出機で溶融混合する方法、各々別々の押出機で溶融させた後に混合する方法等が挙げられる。また、各々の原料を直接成形機に供給して樹脂組成物を調製すると同時に、その成形体を得ることも可能である。各成分を混合して加熱溶融させたところに、各種添加剤、無機充填剤、有機充填剤、他の樹脂等を添加して配合する方法等が挙げられる。また、この際、前記の各種添加剤を均一に分散させる目的で、ブレンド用オイル等を使用することもできる。
本発明の製造方法により得られる樹脂組成物は、溶融時のMFRが適切な値に抑制され、成形加工性に優れたものであるとともに、成形して得られる成形体の機械的強度と外観が優れたものとなる。このような樹脂組成物とするために、本発明では、澱粉(B)及び可塑剤(C)を混合し澱粉を可塑化する、可塑化工程と、当該可塑化工程の後で滑剤(D)を混合する、滑剤混合工程とを有する製造方法としている。より具体的には、例えば、下記(I)〜(III)のいずれかのようにして各成分を混合することで、成形加工性に優れる樹脂組成物を適切に製造することができる。
(I) 澱粉(B)と可塑剤(C)とを混合して澱粉(B)を可塑化させて澱粉組成物とする工程(可塑化工程I−1)の後であって、且つ、当該澱粉組成物と熱可塑性樹脂(A)とを混合する工程(樹脂混合工程I−3)の前に、当該澱粉組成物と滑剤(D)とを混合する(滑剤混合工程I−2)。
(II) 澱粉(B)と可塑剤(C)とを混合して澱粉(B)を可塑化させて澱粉組成物とする工程(可塑化工程II−1)の後、当該澱粉組成物と、滑剤(D)を含む熱可塑性樹脂(A)とを混合する(滑剤混合工程II−2)。
(III) 澱粉(B)と可塑剤(C)とを混合して澱粉(B)を可塑化させて澱粉組成物とする工程(可塑化工程III−1)、及び、当該澱粉組成物と熱可塑性樹脂(A)とを混合する工程(樹脂混合工程III−2)を経て、その後、滑剤(D)を混合する(滑剤混合工程III−3)。
まず、工程I−1〜3により本発明に係る樹脂組成物を製造する場合について説明する。
2.1.1.工程I−1(可塑化工程)
工程I−1においては、混合機により加えられるせん断力や、混合時間、さらには混合時の温度を調整しながら、澱粉(B)と可塑剤(C)とを混合する。特に、混合時の樹脂温度が80℃よりも高くなるようにすることが好ましい。例えば、図1に示すような、筐体5内に、スクリュー押出部1a、1b、1cとニーディングディスク部2a、2b、2cとを備える2軸押出機10を用いて、澱粉(B)と可塑剤(C)とを混合する場合について説明する。2軸押出機10においては、筐体5のスクリュー押出部1aの根元部分(図1の紙面左側部分)に、澱粉(B)と可塑剤(C)とを供給するための供給口(不図示)が設けられており、ここから押出機の内部へと澱粉(B)と可塑剤(C)が供給され、ニーディングディスク部2aへと押し出される。そしてニーディングディスク部2aで所定のせん断力が加えられることによって、澱粉(B)と可塑剤(C)とが混合され、澱粉(B)が可塑化されて澱粉組成物となる。工程I−1を経て得られた澱粉組成物は、通常、糊化した状態である。尚、図1では、同一の2軸押出機10内で、引き続き工程I−2を行うため、澱粉組成物をスクリュー押出部1bへと押し出す形態としている。
ここで、ニーディングディスク部2aにおける樹脂温度が80℃よりも高くなるように調整することで、澱粉(B)を容易に可塑化させることができる。また、可塑化を行う際には樹脂温度を200℃以下にすることが好ましい。それ以上の温度にした場合、澱粉の熱劣化による着色により成形品の色調が損なわれ、また、成形品の機械物性が損なわれる可能性がある。
ニーディング形状については、樹脂温度が上記指定範囲に入っている限りにおいては特に指定はなく、いわゆる順送りの形状(流れ方向に対して同じ向きの力を与える形状)、逆送りの形状(流れに対して逆向きの力を混合物の与える形状)どちらでも構わない。
また、ニーディングディスク部は複数のブロックから構成されていてもよく(すなわち、複数のニーディングディスク部の間にいわゆる送り部が設けられていてもよい)、また、順送りの形状のニーディングと逆送りの形状のニーディングが適宜組み合わされてニーディングディスク部を構成しても良い。この場合における「ニーディングディスク部の流れ方向の合計長さL」とは、各ブロックの流れ方向の長さを合計した長さを意味する。また、「ニーディングディスクの径D」とは、ニーディングディスクの直径を意味する。2軸押出機の場合、図3に示すように、流れ方向とは直交する方向の断面において、1軸に設けられたニーディングディスクの直径がニーディングディスクの径Dとなる。
また、ニーディングディスクのL/D値(ニーディングディスク部の流れ方向長さL(図1参照)を、ニーディングディスクの径D(図1参照)で除した値)が大きいと、ニーディングディスク部2aにおいて長時間せん断力が付与されることとなる結果、澱粉の可塑化は促進される。このように、ニーディングディスク部2aの形態を適宜調整することによっても、澱粉(B)を容易に可塑化することができる。
尚、本発明で使用する熱可塑性樹脂(A)が2種類以上有る場合には、そのうちの少なくとも1種類を工程I−1にて投入することも可能である。
また、上記したような押出機以外の混合手段、例えば、スーパーミキサーやヘンシェルミキサー、ホバートミキサー等の公知の混合機を用いてもよい。この場合であっても、混合時の混合物温度が80℃よりも高くなるように、回転数等を調整することにより、澱粉(B)を可塑剤(C)によって可塑化させながら混合し、澱粉組成物を得ることができる。
2.1.2.工程I−2(滑剤混合工程)
工程I−2は、工程I−1で得られた澱粉組成物と滑剤(D)とを混合する工程である。澱粉組成物と、滑剤(D)との配合比は、製造後の樹脂組成物において、上記したような配合比となるように、適宜調整すればよい。また、滑剤(D)として、熱可塑性樹脂(A)と混合したマスターバッチを用いてもよい。
例えば、図1で示されるような2軸押出機10においては、筐体5のスクリュー押出部1bの根元部分(図1の紙面左側部分)に、滑剤(D)を供給するための供給口(不図示)が設けられており、ここから押出機の内部へと滑剤(D)が供給され、澱粉組成物とともにニーディングディスク部2bへと押し出される。そしてニーディングディスク部2bで所定のせん断力が加えられることによって、澱粉組成物と滑剤(D)とが混合される。工程I−2においては、混合温度、ニーディングディスクの形状やニーディングディスクのL/D値について特に限定はない。例えば、温度を 80℃以上200℃以下、ニーディングディスクのL/D値を0.5〜15程度とすればよい。尚、図1では、同一の2軸押出機10内で、引き続き工程I−3を行うため、混合物をスクリュー押出部1cへと押し出す形態としている。
尚、工程I−2は、押出機以外の上記混合手段を用いても行うことができる。
2.1.3.工程I−3(樹脂混合工程)
工程I−3は、工程I−2で得られた混合物と熱可塑性樹脂(A)とを混合する工程である。このとき、該熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合することが好ましい。混合物と、熱可塑性樹脂(A)との配合比は、製造後の樹脂組成物において、上記したような配合比となるように、適宜調整すればよい。
例えば、図1で示されるような2軸押出機10においては、筐体5のスクリュー押出部1cの根元部分(図1の紙面左側部分)に、熱可塑性樹脂(A)を供給するための供給口(不図示)が設けられており、ここから押出機の内部へと熱可塑性樹脂(A)が供給され、混合物とともにニーディングディスク部2cへと押し出される。そしてニーディングディスク部2cで所定のせん断力が加えられることによって、混合物と熱可塑性樹脂(A)とが混合され、樹脂組成物となる。ここで、例えば、ニーディングディスク部2cを熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高温となるように加熱しておくことで、混合物と熱可塑性樹脂(A)とを、該熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合することができる。工程I−3においては、混合温度を、熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高温とすることで、その後連続して樹脂組成物を成形に供することができる。尚、工程I−3において、ニーディングディスクの形状やニーディングディスクのL/D値については特に限定はない。例えば、温度を80℃以上200℃以下、ニーディングディスクのL/D値を0.5〜15程度とすればよい。
尚、工程I−3は、押出機以外の上記混合手段を用いても行うことができる。この場合であっても、混合物と熱可塑性樹脂(A)とが、該熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合されるように、混合機内を加熱する等しておくことが好ましい。
尚、工程I−1、I−2、I−3は、上記に記載の内容を逸脱しない範囲であれば、その実施形態は特に限定されない。例えば、工程I−1、I−2、I−3すべてを同一の押出機内で実施してもよいし、工程I−1をある押出機内で実施した後に、工程I−2、I−3を別の押出機内で実施しても良い。
次に、工程II−1、II−2により本発明に係る樹脂組成物を製造する場合について説明する。
2.2.1.工程II−1(可塑化工程)
工程II−1は、上記した工程I−1と同様の工程である。すなわち、工程I−1と同様にして糊化した澱粉組成物を得ればよい。
2.2.2.工程II−2(滑剤混合工程)
工程II−2は、工程II−1で得られた澱粉組成物と、滑剤(D)を含む熱可塑性樹脂(A)(以下、「樹脂(D/A)」という場合がある。)とを混合する工程である。混合の際は、熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合することが好ましい。澱粉組成物と、樹脂(D/A)との配合比は、製造後の樹脂組成物において、上記したような配合比となるように、適宜調整すればよい。
樹脂(D/A)は、滑剤(D)と熱可塑性樹脂(A)とを公知の混合手段により混合することにより、容易に得ることができる。その形態は液状であってもよいし、ペレット等の固形状であってもよい。
例えば、図2で示されるような2軸押出機20を用いて樹脂組成物を製造する場合について説明する。2軸押出機20は、スクリュー押出部1cとニーディングディスク部2cとを備えない以外は、上記2軸押出機10と同様の構成である。2軸押出機20においては、筐体5のスクリュー押出部1bの根元部分(図1の紙面左側部分)に、樹脂(D/A)を供給するための供給口(不図示)が設けられており、ここから押出機の内部へと樹脂(D/A)が供給され、澱粉組成物とともにニーディングディスク部2bへと押し出される。そしてニーディングディスク部2bで所定のせん断力が加えられることによって、澱粉組成物と樹脂(D/A)とが混合され、樹脂組成物となる。ここで、例えば、ニーディングディスク部2bを熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高温となるように加熱しておくことで、澱粉組成物と樹脂(D/A)とを、熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合することができる。工程II−2においては、混合温度を、熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高温とすることで、その後連続して樹脂組成物を成形に供することができる。尚、工程II−2において、ニーディングディスクの形状やニーディングディスクのL/D値については特に限定はない。例えば、温度を80℃以上200℃以下、ニーディングディスクのL/D値を0.5〜15程度とすればよい。
尚、工程II−2は、押出機以外の上記混合手段を用いても行うことができる。この場合であっても、澱粉組成物と樹脂(D/A)とが、熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合されるように、混合機内を加熱する等しておくことが好ましい。
また、工程II−1、II−2は上記に記載の内容を逸脱しない範囲であれば、その実施形態は特に限定されない、例えば、工程II−1、II−2すべてを同一の押出機内で実施してもよいし、工程II−1をある押出機内で実施した後、工程II−2を別の押出機内で実施しても良い。
最後に、工程III−1〜III−3により本発明に係る樹脂組成物を製造する場合について説明する。
2.3.1.工程III−1(可塑化工程)
工程III−1は、上記した工程I−1や工程II−1と同様の工程である。すなわち、工程I−1や工程II−1と同様にして糊化した澱粉組成物を得ればよい。
2.3.2.工程III−2(樹脂混合工程)
工程III−2は、工程III−1で得られた澱粉組成物と熱可塑性樹脂(A)とを混合する工程である。このとき、該熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合することが好ましい。澱粉組成物と、熱可塑性樹脂(A)との配合比は、製造後の樹脂組成物において、上記したような配合比となるように、適宜調整すればよい。
例えば、図1で示されるような2軸押出機10においては、筐体5のスクリュー押出部1bの根元部分(図1の紙面左側部分)に、熱可塑性樹脂(A)を供給するための供給口(不図示)が設けられており、ここから押出機の内部へと熱可塑性樹脂(A)が供給され、澱粉組成物とともにニーディングディスク部2bへと押し出される。そしてニーディングディスク部2bで所定のせん断力が加えられることによって、澱粉組成物と熱可塑性樹脂(A)とが混合される。ここで、例えば、ニーディングディスク部2bを熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高温となるように加熱しておくことで、混合物と熱可塑性樹脂(A)とを、該熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合することができる。工程III−2においては、混合温度を、熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高温とすることで、その後、工程III−3を経て、連続して樹脂組成物を成形に供することができる。尚、工程III−2において、ニーディングディスクの形状やニーディングディスクのL/D値については特に限定はない。例えば、温度を80℃以上200℃以下、ニーディングディスクのL/D値を0.5〜15程度とすればよい。
尚、工程III−2は、押出機以外の上記混合手段を用いても行うことができる。この場合であっても、澱粉組成物と熱可塑性樹脂(A)とが、当該熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合されるように、混合機内を加熱する等しておくことが好ましい。
2.3.3.工程III−3(滑剤混合工程)
工程III−3は、工程III−2で得られた混合物と滑剤(D)とを混合する工程である。このとき、熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合することが好ましい。混合物と、滑剤(D)との配合比は、製造後の樹脂組成物において、上記したような配合比となるように、適宜調整すればよい。尚、滑剤(D)としては、熱可塑性樹脂(A)と混合したマスターバッチを用いてもよい。
例えば、図1で示されるような2軸押出機10においては、筐体5のスクリュー押出部1cの根元部分(図1の紙面左側部分)に、滑剤(D)を供給するための供給口(不図示)が設けられており、ここから押出機の内部へと滑剤(D)が供給され、混合物とともにニーディングディスク部2cへと押し出される。そしてニーディングディスク部2cで所定のせん断力が加えられることによって、混合物と滑剤(D)とが混合され、樹脂組成物となる。
尚、工程III−3は、押出機以外の上記混合手段を用いても行うことができる。この場合であっても、混合物と滑剤(D)とが、熱可塑性樹脂(A)の融点よりも高い温度条件下で混合されるように、混合機内を加熱する等しておくことが好ましい。
例えば、工程III−2までは同一の押出機にて行い、工程III−3は成形機付属の押出機内で行うのが好ましい方法である。
また、工程III−1、III−2、III-3は上記に記載の内容を逸脱しない内容であれば、その実施形態は特に限定されない。例えば、工程III−1、III−2、III-3すべてを同一の押出機内で実施してもよいし、工程III−1、III−2のみをある押出機内で実施した後に、工程III−3を別の押出機内で実施しても良い。
このように、本発明に係る製造方法においては、澱粉(B)と可塑剤(C)とを混合し、澱粉(B)を可塑化させた後に、滑剤(D)を混合する。このような順序で混合することによって、樹脂組成物の溶融時のメルトフローレートが所定値以下に抑制される。この理由としては以下のことが考えられる。
すなわち、澱粉(B)を可塑剤(C)によって可塑化する際、或いは、可塑化する前に滑剤(D)を混合してしまうと、澱粉(B)の表面に滑剤(D)が存在することとなって、可塑剤(C)が澱粉(B)に浸入し難くなると考えられる。また、滑剤(D)の存在によって澱粉(B)表面の摩擦が低減され、所望のせん断力が加えられないことも考えられる。そうすると、澱粉(B)がうまく可塑化されず、固形状の澱粉(B)と可塑剤(C)とが互いに分離することとなると考えられる。このような場合において、その後、熱可塑性樹脂(A)とともに溶融混合して樹脂組成物としたとしても、澱粉(B)と可塑剤(C)とが樹脂組成物中に分離して分散されるものと考えられ、また、澱粉(B)を樹脂組成物中に均一に分散することもできないと考えられる。この結果、樹脂組成物の溶融時のメルトフローレートが著しく上昇し、樹脂組成物をうまく成形加工に供することができなくなる。または、澱粉が十分に可塑化しないために、樹脂組成物内に澱粉由来の凝集物が多数存在するようになり、成形加工時に問題が生じたり、成形品の機械物性が大きく損なわれる。
一方で、本発明に係る製造方法においては、澱粉(B)を適切に可塑化させた後に滑剤(D)を混合しているので、上記のような問題は生じない。したがって、本発明によれば、成形加工性に優れる樹脂組成物を製造することが可能となる。
3.成形体
本発明に係る樹脂組成物は、汎用プラスチックに適用される各種成形法により成形に供することができる。その成形法としては例えば、圧縮成形(圧縮成形、積層成形、スタンパブル成形)、射出成形、押し出し成形や共押し出し成形(インフレーション法やTダイ法によるフィルム成形、ラミネート成形、パイプ成形、電線/ケーブル成形、異形材の成形)、中空成形(各種ブロー成形)、カレンダー成形、発泡成形(溶融発泡成形、固相発泡成形)、固体成形(一軸延伸成形、二軸延伸成形、ロール圧延成形、延伸配向不織布成形、熱成形(真空成形、圧空成形)、塑性加工)、粉末成形(回転成形)、各種不織布成形(乾式法、接着法、絡合法、スパンボンド法等)等が挙げられる。中でも、押し出し成形、射出成形、発泡成形、中空成形が好適に適用される。具体的な形状としては、フィルム、容器及び繊維への適用が好ましい。本発明の樹脂組成物は、良好な溶融特性及び機械物性を有しているため、インフレーション成形してなるフィルム、更にはインフレーション成形してなるフィルムから製造される製品に好ましく用いられる。
本発明に係る樹脂組成物をフィルムに成形した場合、当該フィルムは、JIS K7128に準拠したエルメンドルフ引裂強度が、好ましくは10N/mm以上、より好ましくは20N/mm以上、特に好ましくは30N/mm以上である。
4.用途
本発明に係る樹脂組成物は、各種食品、薬品、雑貨用等の液状物や粉粒物、固形物の包装用資材、農業用資材、建築資材等幅広い用途において好適に用いられる。その具体的用途としては、射出成形品(例えば、生鮮食品のトレーやファーストフードの容器、野外レジャー製品等)、押出成形品(フィルム、例えば釣り糸、漁網、植生ネット、保水シート等)、中空成形品(ボトル等)等が挙げられ、更にその他農業用のフィルム、コーティング資材、肥料用コーティング材、ラミネートフィルム、板、延伸シート、モノフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル、発泡体、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポスト袋等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は良好な成形性や機械強度を有するため、インフレーション成形してなるフィルムから製造されるショッピングバッグ又はゴミ袋に適用されることが好ましい。
更に、包装用資材、例えば、包装用フィルム、袋、トレー、ボトル、緩衝用発泡体、魚箱等、及び、農業用資材、例えば、マルチングフィルム、トンネルフィルム、ハウスフィルム、日覆い、防草シート、畦シート、発芽シート、植生マット、育苗床、植木鉢等が挙げられる。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、これらの実施例により限定されるものではない。
1.物性評価
[1.1.樹脂の流動性評価]
得られた澱粉樹脂組成物の溶融時の流動性(メルトフローレイト、MFR)をJIS K7210に準拠して160℃、5kg荷重の条件で測定した。
[1.2.フィルム成形性の評価]
インフレーション成形を実施した際の成形のしやすさを、以下の判断基準に従って評価した。
○:良好。所定温度(150℃)において、所定厚み(20μm)に成形することが可能であり、穴あきなどによる成形トラブルがまったくない。
△:やや問題あり。所定温度(150℃)において、所定厚み(20μm)に成形することが可能であるが、穴あきなどによる成形トラブルが時折発生する。
×:不良。穴あきなどによる成形トラブルが多発し、所定温度(150℃)において、所定厚み(20μm)に成形することが不可能である。
[1.3.フィルムの外観評価]
インフレーション成形を実施したフィルムから、30cm×30cmの大きさでサンプルを切り出し、そのサンプルに含まれる異物(凝集物)の個数を目視で数えることで外観評価を実施した。評価は以下の判断基準に従って実施した。
○:良好。サンプルに含まれる異物(凝集物)の個数が10個未満である。
△:やや問題あり。サンプルに含まれる異物(凝集物)の個数が10個以上30個未満である。
×:不良。サンプルに含まれる異物(凝集物)の個数が30個以上である。
[1.4.フィルムの機械強度]
<1.4.1.引裂き強度の測定方法>
JIS K7128に準拠してエルメンドルフ引裂き強度を測定した。
<1.4.2.引張試験>
JIS Z1702に準拠して、株式会社島津製作所製精密万能試験機オートグラフAG−2000にて、フィルムの引張試験を実施した。
2.使用した熱可塑性樹脂等
[2.1.熱可塑性樹脂(A)]
熱可塑性樹脂(A)として、以下の樹脂を使用した。
(A−1)GS Pla(AD92WN):ポリブチレンサクシネートアジペート(三菱化学株式会社製)
(A−2)Ecoflex(FBX7001):ポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製)
[2.2.澱粉(B)]
なんら化学的な変性を施していない澱粉として、以下のコーンスターチを使用した。
(B−1)Y−3P(日本コーンスターチ社製;含水率12.0%)
また物理的に変性された澱粉(α化コーンスターチ)として以下のコーンスターチを使用した。
(B−2)モールドNo.1(日本コーンスターチ社製)
[2.3.可塑剤(C)]
可塑剤として、グリセリン(新日本理化株式会社製;濃グリセリンS)を使用した。
[2.4.(D)酸アミド化合物]
酸アミド化合物として、エルカ酸アミド(日油株式会社製;アルフロー P−10)を使用した。
<製造例>
下記表1に示すように、脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)100重量部と酸アミド化合物(D)5重量部をブレンドし、スクリュー式二軸押出機(テクノベル社製二軸押出機(KZW15))にホッパーから投入し、最高温度が190℃以下になるように混練を実施し、樹脂組成物(X−1)を得た。樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行なった。
<実施例1>
下記表1に示すように、澱粉(B−1)35重量部と芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)18重量部を、スクリュー式2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30;22シリンダー、L/D=77)のホッパーに供給し、可塑剤(C)9重量部を押出機シリンダー上部から圧入し、樹脂温度が170℃以下になるように混合する工程を経た後、ベント部にて水蒸気を除去し、それに引き続き、サイドフィーダーから脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)38重量部を供給して、澱粉、可塑剤、熱可塑性樹脂、及び脂肪族ポリエステル樹脂を最高温度が170℃以下になるように混合する工程を同一押出機内にて逐次的に行い、真空ベントによる吸引を行い、樹脂組成物をダイスからストランド状に押し出し、水槽にて冷却後カッティングし、白色の澱粉含有樹脂組成物(Y−1)を得た。混練時の設定温度は30〜150℃、スクリュー回転数は150〜300rpmとした。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行った。
樹脂組成物(Y−1)100重量部に樹脂組成物(X−1)を4重量部添加してブレンドした後に、インフレーション成形機(エンプラ産業株式会社;E30SP)のホッパーに投入し、インフレーション成形を実施した。成形温度は150℃であり、ブロー比は2.5であった。フィルムの厚みは20ミクロンであった。フィルムの外観は、ブツ状の凝集物もなく、良好であった。また、得られたフィルムの口開きは、特段の苦労も無く口を開けることができ、極めて良好であった。得られたフィルムの機械物性などを表2、3に示す。
<実施例2>
下記表1に示すように、実施例1の澱粉含有樹脂組成物の製造において、サイドフィーダーから供給する原料を、脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)38重量部と酸アミド化合物(D)0.2重量部の混合物にしたほかは同様に押し出しを実施し、白色の澱粉含有樹脂組成物(Y−2)を得た。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行った。
得られた樹脂組成物(Y−2)を用いて、実施例1と同様の条件でインフレーション成形を実施した。フィルムの外観は、ブツ状の凝集物もなく、良好であった。また、得られたフィルムの口開きは、特段の苦労も無く口を開けることができ、極めて良好であった。得られたフィルムの機械物性などを表2、3に示す。
<実施例3>
下記表1に示すように、実施例2の澱粉含有樹脂組成物の製造において、添加する酸アミド化合物(D)の量を0.6重量部にしたほかは同様に押し出しを実施し、白色の澱粉含有樹脂組成物(Y−3)を得た。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行った。
得られた樹脂組成物(Y−3)を用いて、実施例1と同様の条件でインフレーション成形を実施した。フィルムの外観は、ブツ状の凝集物もなく、良好であった。また、得られたフィルムの口開きは、特段の苦労も無く口を開けることができ、極めて良好であった。得られたフィルムの機械物性などを表2、3に示す。
<実施例4>
下記表1に示すように、澱粉(B−1)30重量部と芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)21重量部を、スクリュー式2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30;22シリンダー、L/D=77)のホッパーに供給し、可塑剤(C)9重量部を押出機シリンダー上部から圧入し、樹脂温度が170℃以下になるように混合する工程を経た後、ベント部にて水蒸気を除去し、それに引き続き、サイドフィーダーから脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)40重量部と酸アミド化合物(D)0.2重量部を供給して、澱粉、可塑剤、熱可塑性樹脂、及び脂肪族ポリエステル樹脂を最高温度が170℃以下になるように混合する工程を同一押出機内にて逐次的に行い、真空ベントによる吸引を行い、樹脂組成物をダイスからストランド状に押し出し、水槽にて冷却後カッティングし、白色の澱粉含有樹脂組成物(Y−4)を得た。混練時の設定温度は30〜150℃、スクリュー回転数は150〜300rpmとした。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行った。
樹脂組成物(Y−4)を用いて、実施例1と同様の条件でインフレーション成形を実施した。フィルムの外観は、ブツ状の凝集物もなく、良好であった。また、得られたフィルムの口開きは、特段の苦労も無く口を開けることができ、極めて良好であった。得られたフィルムの機械物性などを表2、3に示す。
<実施例5>
下記表1に示すように、実施例2の澱粉含有樹脂組成物の製造において、ホッパーから投入する澱粉を澱粉(B−2)35重量部にしたほかは同様に押し出しを実施し、白色の澱粉含有樹脂組成物(Y−5)を得た。混練時の設定温度は30〜150℃、スクリュー回転数は150〜300rpmとした。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行った。
得られた樹脂組成物(Y−5)を用いて、実施例1と同様の条件でインフレーション成形を実施した。フィルムの外観は、ブツ状の凝集物もなく、良好であった。また、得られたフィルムの口開きは、特段の苦労も無く口を開けることができ、極めて良好であった。得られたフィルムの機械物性などを表2、3に示す。
<比較例1>
下記表1に示すように、澱粉(B−1)35重量部、芳香族/脂肪族ポリエステル樹脂(A−2)18重量部および酸アミド化合物(D)0.2重量部を、スクリュー式2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30;22シリンダー、L/D=77)のホッパーに供給し、可塑剤(C)9重量部を押出機シリンダー上部から圧入し、樹脂温度が170℃以下になるように混合する工程を経た後、ベント部にて水蒸気を除去し、それに引き続き、サイドフィーダーから脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)38重量部を供給して、澱粉、可塑剤、熱可塑性樹脂、及び脂肪族ポリエステル樹脂を最高温度が170℃以下になるように混合する工程を同一押出機内にて逐次的に行い、真空ベントによる吸引を行い、樹脂組成物をダイスからストランド状に押し出し、水槽にて冷却後カッティングし、白色の澱粉含有樹脂組成物(Y−6)を得た。混練時の設定温度は30〜150℃、スクリュー回転数は150〜300rpmとした。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行った。
得られた樹脂組成物(Y−6)を用いて、実施例1と同様の条件でインフレーション成形を実施した。成形時の溶融膜が揺れて不安定であり、得られるフィルムの厚み、幅が変動した。フィルムの口開き性は良好であったが、外観としては澱粉由来と思われる凝集物が散見された。得られたフィルムから、厚みが20ミクロン程度の部分を選び、フィルムの機械物性を評価した。得られたフィルムの機械物性などを表2、3に示す。
<比較例2>
下記表1に示すように、比較例1において、ホッパーから投入する澱粉を澱粉(B−2)としたほかは、同様に押出を実施し、白色の澱粉含有樹脂(Y−7)を得た。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行った。
得られた樹脂組成物(Y−7)を用いて、実施例1と同様の条件でインフレーション成形を実施した。比較例1と同様に成形時に溶融膜が揺れて不安定であり、得られるフィルムの厚み、幅が変動した。フィルムの口開き性は良好であったが、外観としては澱粉由来と思われる凝集物が散見された。得られたフィルムから、厚みが20ミクロン程度の部分を選び、フィルムの機械物性を評価した。得られたフィルムの機械物性などを表2、3に示す。
<比較例3>
澱粉(B−1)をスピードドライヤー(松井製作所製、型式PO−120)に仕込み、窒素流通下で100℃、2時間乾燥を実施し、澱粉(B−3)を得た。澱粉(B−3)の水分量を計測したところ、9%であった。
そして下記表1に示すように、比較例1において、ホッパーから投入する澱粉を澱粉(B−3)としたほかは同様に押出を実施し、白色の澱粉含有樹脂(Y−8)を得た。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行った。
得られた樹脂組成物(Y−8)を用いて、実施例1と同様の条件でインフレーション成形を実施した。成形時の溶融膜中に多数の凝集物(異物)が見られ、所定のブロー比まで溶融膜を空気で膨らませることができなかった。
<比較例4>
比較例1において、ホッパーから投入する酸アミド(D)の添加量を1.5重量部としたほかは、同様に押出を実施し、白色の澱粉含有樹脂(Y−9)を得た。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行った。
得られた樹脂組成物(Y−9)を用いて、実施例1と同様の条件でインフレーション成形を実施しようとしたが、溶融樹脂を上方に引き取ることができず、ダイスに付着する(ドローダウンする)ため、インフレーション成形を行うことができなかった。
Figure 2013049760
Figure 2013049760
Figure 2013049760
表2、3の結果から、実施例に係る樹脂組成物を用いてフィルムを成形した場合、比較例に係る樹脂組成物を用いてフィルムを成形した場合と比較して、フィルム成形性、フィルム外観に優れており、且つ、降伏強度、破断強度、破断伸び、エルメンドルフ引裂き強度といった機械物性がともに優れたものとなっていることが分かる。すなわち、本発明に係る樹脂組成物の製造方法によれば、成形加工性に優れる樹脂組成物を提供することができる。そして、このような樹脂組成物を成形することで、機械物性・外観に優れるフィルム等を得ることができるといえる。
以上、現時点において、最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う樹脂組成物、成形体、フィルム及び袋の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明に係る製造方法により得られた樹脂組成物及びその成形体は、機械特性に優れ、各種食品、薬品、雑貨用の粉粒物、固形物の包装用資材、農業用資材、建築資材等に広く利用されるものである。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂(A)、澱粉(B)、可塑剤(C)、及び滑剤(D)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、
    前記澱粉(B)及び前記可塑剤(C)を混合し澱粉を可塑化する、可塑化工程と、
    前記可塑化工程の後で前記滑剤(D)を混合する、滑剤混合工程と、
    を有する、樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記澱粉(B)に含まれる水分量が10wt%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記澱粉(B)が変性されたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記滑剤(D)が脂肪酸アミド系滑剤であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記可塑剤(C)が、水酸基を有する有機化合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂(A)が、脂肪族ポリエステル系樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法により得られた樹脂組成物を成形する工程を備える、成形体の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法により得られた樹脂組成物を成形する工程を備える、フィルムの製造方法。
  9. 請求項8に記載のフィルムの製造方法により得られたフィルムをさらに成形する工程を備える、袋の製造方法。
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