JP2012510400A - リターダの作動方法 - Google Patents
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Abstract
本発明に係る方法は、少なくとも1つの作動室を有する流体式リターダの作動方法に関する。前記作動室は、ブレーキ作動状態では作動媒体によって充填されており、ブレーキ非作動状態では略空になる。非ブレーキ作動状態では、所定量の作動媒体がリターダの作動室内にパルス状に導入される。これは、一定に行われるか、又は適切な測定値変数に応じて行われる。
Description
本発明は、請求項1のプリアンブルに詳細に記載された、少なくとも1つの作動室を有する流体式リターダの作動方法に関する。
リターダを摩擦のない連続ブレーキとして、特に商用車に使用することが従来技術から知られている。このとき、リターダは一般的に、内燃機関又はトランスミッションのパワーテイクオフ、あるいは前記車両のユニバーサルシャフトに直接取り付けられる。リターダには作動のために、作動媒体、典型的には油又は水もしくは水混合液が充填される。ブレーキ作動状態において、流体式リターダの作動室内の作動媒体は、リターダのブレードを有するロータの駆動部によって循環させられるので、トルクはリターダのロータから、ブレードを有するステータ又はブレードを有する対向ロータに流体力学的に伝えられる。その結果、ロータが流体力学的に制動され、リターダの所望の制動作用が発生する。ブレーキ非作動状態において、リターダの作動室は略又は完全に空になるので、トルクがロータからステータもしくは逆方向のロータに伝わることはなく、したがって制動作用も発生しない。この一般に知られた、典型的な流体式リターダの構造は、切り替え可能な切断クラッチを介してロータを駆動系から分離せずともリターダを停止させることができる。
このような種類のリターダを、特に商用車で使用している間に、リターダの作動室が、その周囲又はその他の隣接する設置領域に対して漏れを有していることがしばしば確認されている。これらの漏れは、特にリターダの作動室をロータシャフトの領域において外部に対して密閉するシール部材の領域に発生する。とりわけ、このような漏れは、リターダを通常運転において稀にしか使用しない車両、特に専ら長距離運転に投入される車両で使用されるリターダにおいて観察される。
漏れの発生源は不明確だが、使用するシール部材を比較的頻繁に交換することで対処することができる。しかし、その場合、集中的なメンテナンスが必要となり、したがって費用及び時間の負担が大きくなる。
特許文献1では、この問題に対処するために、ロータシャフトの領域において、前後に接続された複数のシール部材によって、作動室が周囲に対して適切に密閉されるようにしている。しかしながら、当該構成には、構造が比較的複雑になるという欠点と、すでに存在し、車両に取り付けられているリターダの場合、容易には組み込めないという欠点とがある。
本発明の課題は、構造に関わる措置によってリターダの構成に介入することなく、任意のリターダの密閉性もしくはそのシール部材の耐用年数を対応して増大させるための方法を提供することにある。
本発明の課題は、請求項1の特徴部分に記載の特徴によって解決される。
驚くべきことに、頻繁に使用されるリターダの方が、あまり使用されないリターダよりも、シール部材の耐用年数が明らかに長くなるということが発明者に示されている。対応する実験の結果、これは特にシール部材が作動媒体によって湿されることに関係があることが明らかになった。また、所定量の作動媒体をリターダの作動室にパルス状に繰り返し導入することに、ブレーキ非作動状態におけるリターダの密閉性にとっても利点があることが発明者によって認められた。本発明において「パルス状」とは、時間的間隔を置いて繰り返されるパルス状の作動であると理解される。このとき、例えば方形パルス、鋸歯パルス、正弦波パルス、半円パルスなどの制御パルスのあらゆる考えられ得る形態と大きさとが、パルス状の作動を行うために考慮される。少量の作動媒体を繰り返しパルス状に導入することは、一種の潤滑パルスとも理解できる。このような時間的パターンを通じて導入される潤滑パルスは、作動室のシール部材を対応して柔軟に保つとともに冷却するので、当該シール部材は、非常に長い耐用年数に渡ってその機能を果たすことが可能であり、リターダの作動室を確実に外部に対して密閉する。
このような潤滑パルスに使用される量は、リターダの制動作用を全く誘発しないように、又は誘発したとしても最小限に止めるために、むしろ少なく選択される。それによって、本発明に係る方法が、リターダを装備した車両の運転者にとって、最終的に不利ではないものと認められる。潤滑パルスのためにリターダ内に導入された量の作動媒体は、リターダ自身によって作動室から再び吐き出されるので、最小限の制動作用が生じたとしても、非常に短い時間しか持続しない。
本発明に係る方法の実施形態によると、パルス持続時間、振幅、及び/又はパルス間の時間的間隔を設定してリターダを作動しても良い。パルスの時間的間隔、振幅、もしくは持続時間は一定でも良いし、パルスの時間的間隔、及び/又は振幅もしくは持続時間を変化させても良い。別の選択肢として、パルスの持続時間は、作動媒体の作動室内への導入の作動持続時間とも称される。
本発明の特に好適な実施形態においては、パルスの持続時間、振幅、及び/又はパルス間の時間的間隔は、作動媒体の温度及び/又はその他の所定の変数に応じて変更可能である。
この特に有利な変形例では、リターダの作動に関して、非常に容易に実現できる温度測定を通じて、必要な潤滑パルスの持続時間と数とを最適化することができる。例えば、作動媒体の温度が上昇しているときは、パルスの持続時間、振幅、及び/又はパルス間の時間的間隔が、作動室が作動媒体によってより頻繁かつより集中的に浸されるように適応させられる。作動全体を見ると、これは、潤滑パルスの数が作動パラメータ「温度」に応じて最小化され得るということを意味する。作動媒体が非常に少量の場合にも生じ得るリターダ内の出力損失は、所定量の作動媒体を潤滑パルスとして作動室内に導入するために必要となる出力と同様に、さらに最小化され得る。
また、本発明の非常に有利なさらなる構成においては、温度の代わりに、又は温度に加えて、パルスの持続時間、振幅、及び/又はパルス間の間隔を、リターダのロータの回転数に応じて変更しても良い。
これは、作動パラメータ「温度」を使用した場合との比較が可能になるという利点を有する。両方の作動パラメータ「温度」及び「ロータ回転数」を組み合わせることで、さらなる最適化を図ることが可能になる。
本発明の非常に有利なさらなる構成においては、パルスの持続時間、振幅、及び/又はパルス間の間隔を、別の選択肢として、又は追加的に、リターダを装備した車両の速度に応じて変更することが可能である。
これは場合によって、車両の速度の値がリターダのロータの回転数よりも、対応する制御装置を介して容易に得られるという利点をもたらす。一般的なケースのように、ロータが一定のトランスミッションを介して車両の駆動系に連結されている限りにおいて、2つの変数の間には一定の関係が成立する。したがって、車両の対応するセンサ技術を用いて、速度がロータの回転数の場合よりも容易に得られる限りにおいて、ロータの回転数に代えて車両の速度を利用することが容易に可能である。例えば、車両のCAN−BUSによって得られた速度信号を、潤滑パルスの必要性を決定するためのインプット変数として利用することが可能である。
本発明の特に有利な変形例においては、作動媒体の作動室内へのパルス状の導入は、作動媒体の所定の第1の限界温度を超過したとき、あるいはロータの所定の限界回転数もしくは車両の限界速度を超過したときにのみ行われる。別の実施形態によると、ブレーキ非作動状態における作動媒体の作動室内へのパルス状の導入は、作動媒体の所定の第1の限界温度を超過したとき、及び、同時にロータの所定の限界回転数もしくは車両の限界速度を超過したときにのみ行われる。
すなわち、本発明の当該実施形態においては、本発明に係る潤滑パルスの適用は作動状態においてのみ行われるのであり、当該作動状態において潤滑パルスは必要でもある。つまり、車両の対応する速度もしくはロータの回転数が、リターダもしくは車両の対応する集中的な作動を示すとき、及び/又は、作動媒体の第1の限界温度の超過によって、比較可能な指標が示されるときである。これら2つの条件のいずれも存在しない場合、潤滑パルスは適用されないので、出力の消費及び損失を削減することができる。すなわち、当該方法の当該実施形態は、車両もしくはリターダの作動中、長期間に渡って発生する潤滑パルスの数及び/又は持続時間を最適化するのに役立つ。
パルスの持続時間、振幅、及び/又はパルス間の時間的間隔を変更させるさらなる変数は、粘度もしくは作動媒体、特に油の、物質依存性潤滑特性である。例えば、持続時間及び/又は振幅もしくは時間的間隔は、作動媒体として使用される油の種類に応じて設定可能である。また、作動媒体、特に油が作動期間内に変質することを考慮して、潤滑パルス間の時間的間隔及び/又は潤滑パルスの持続時間もしくはその形態(例えば振幅)を、作動媒体の使用期間が長くなるとともに、もしくはリターダの作動回数が増加するとともに、及び/又は車両の走行距離が長くなるとともに変更すること、特に時間的間隔の短縮、及び/又は持続時間もしくは振幅の増大も可能である。
本発明は特に有利な方法で、従来の油式のリターダにおいて使用可能である。
別の選択肢として、本発明は他の作動媒体、例えば水又は水混合液で作動するリターダにおいても使用可能である。特に、本発明は、車両の冷却水を作動媒体として利用する水式のリターダにおいても使用可能である。なぜなら、ここでも、作動媒体の対応する潤滑パルス及びそれによって得られる作動室の湿潤を通じて、シール部材の耐用年数がより長くなるからである。
本発明のさらなる有利な実施形態は、残りの従属請求項と以下に示す実施例とから明らかになる。以下に図を用いて実施例を説明する。
リターダを摩擦のない連続ブレーキとして、車両の駆動系に取付けて作動させることは、リターダの技術分野における当業者にとって標準的かつ一般的なことである。したがって、ここで説明される本発明に係る作動方法の枠内では、詳細には言及しない。以下に説明するリターダの作動方法は、基本的にあらゆる構造の流体式リターダで使用可能である。当該流体式リターダが作動媒体として油を用いようが、又は水を用いようが、もしくは水混合液を用いようが構わない。
ブレーキ作動のために、リターダに作動媒体を充填する方法についても、本発明にとっては重要ではないか、又は従属的な意味を有するに過ぎない。このとき原則的に、リターダの作動室を、例えば電磁弁などの弁を有する適切な導管を介して充填することが可能かつ一般的である。作動媒体は対応するタンク内に格納され、当該タンク内において、作動室内の圧力よりも高い圧力下に置かれる。当該弁が開放されている限りにおいて、作動媒体はリターダの作動室内に流入する。その後、リターダは一般的に、ロータの動きによって再び空となり、媒体を貯蔵室に返送する。
別の選択肢としては、例えばポンプなどの対応する搬送装置によって、ブレーキ作動の必要に応じて、作動媒体をリターダの作動室内に搬送することが考えられ得る。
第3の典型的な変形例は、作動媒体を対応する体積において貯蔵することである。当該作動媒体は、リターダの作動室と比較可能な圧力下に置かれる。当該貯蔵体積は、作動媒体が自力でリターダの作動室内に流入することがないように設定される。貯蔵体積には、さらに、例えばピストン又は好適にはダイヤフラムなどの対応する可動装置を配置しても良い。ダイヤフラム又はピストンの、貯蔵体積に背向する側に、例えば圧縮空気などを用いて対応する圧力を加えることによって、作動媒体は、貯蔵体積からリターダの作動室へ押し出される。それによって、リターダの作動室に作動媒体を極めて急速に充填することが可能になる。
その他の充填プロセスも考えられ得る。
本発明に係るリターダの作動方法においては、所定量の作動媒体を適切な措置によって、リターダの作動室内にパルス状に導入することが決定的に重要である。これは、前記第1及び第3の変形例においては、例えば、貯蔵体積と作動室との間の電磁弁を短時間開放することによって、もしくは、典型的にダイヤフラム又はピストンの、貯蔵体積に背向する側の加圧を、対応する弁を介して短時間で行うことによって実現する。これは、前記第2の変形例では、電動搬送装置の場合、例えば対応する電気パルスを搬送装置のモータに与えることで、搬送装置を相応に短時間で始動させることによって実現する。自明のことながら、クラッチによって接続解除される充填ポンプ、又はスリップクラッチが備えられているために比較的緩徐に回転する充填ポンプを、クラッチを介して短時間接続することも可能である。まずリターダを通って次にリターダ内に短時間(kurzzeitig)至る、ポンプの流体面(hydraulischen Seite)における対応する切り替えも考えられ得る。
対応するパルスによる、リターダの作動室内への、作動媒体の短時間のパルス状(パルスを与える)の導入を実現するための様々な変数は、当業者には明らかなので、前記変数以外の変数にも適切に拡大することができる。しかしながら、本発明に係る方法にとって、この具体的な実施は従属的な意味を有するに過ぎない。ただ、このような潤滑パルスが発生したという事実と、当該潤滑パルスがどの作動状態において、どれだけの量の作動媒体をリターダに導入するかという事実とが、本発明にとって重要である。
図1のダイアグラムには、本発明に係る潤滑パルスの第1の変形例が図示されている。リターダがブレーキ作動状態にない限りにおいて、対応するパルスが、例えば弁又は搬送装置の電気モータに送信されて、リターダの作動室内への作動媒体の対応するパルス状の導入が可能になる。図1のダイアグラムには実施例が図示されている。当該実施例では、それぞれ一定のパルス持続時間Δtが約50ミリ秒〜250ミリ秒、特に好適には約100ミリ秒である対応するパルスが開始される。図1の描写では、方形パルスが例として選択されているが、これは一例に過ぎない。別の選択肢として、例えば鋸歯、正弦波、台形、半円など、その他の形状のパルスが考えられ得る。当該パルスによって、作動媒体が非常に短い時間に渡り、リターダの作動室内に導入される。このとき、当該作動媒体の量は、パルスの持続時間によって決定される。作動室の容積が約3l〜9lの一般的な構造のリターダの場合、50ml〜100mlで十分である。つまり潤滑パルスとしては、ブレーキ作動状態において充填される作動媒体の量の5%よりも少ないか、好適には2%よりも少ない量が典型的に導入される。このように作動媒体を比較的少量にすることによって、制動作用もしくは当該車両の運転者が感知できる制動作用を防止することができる。とはいえ、当該量は、リターダのロータによって回転させられ、それによってリターダの作動室と特にシール部材を具備する領域との対応する湿潤を得るためには十分である。リターダがブレーキ非作動状態にある場合、このシール部材のパルス状湿潤によって、シール部材の耐用年数は対応して延長されるとともに、リターダはより確実に密閉される。
図1には、作動方法を例として、ノンスケールで示している。当該作動方法においては、y軸上で表される特定の電流Iが、弁を開放するために、特定のパルスで当該弁に誘導される。これによって、弁がパルスによって開放されている間に、作動媒体は確実に作動室に達することができる。このとき、図1に示された作動方法では、上述した大きさにおける一定のパルス持続時間Δtが使用される。当該パルス持続時間は、一定の時間的間隔(t2−t1)において与えられる。この非常に容易かつ効率的な方法によって、リターダがブレーキ非作動状態にあるときはつねに、潤滑パルスをパルス状に作動室内に導入することができる。ここでは例として、約100ミリ秒のパルス持続時間と、10秒〜250秒、好適には約60秒〜120秒のパルス間間隔とが選択されている。
図1には、ブレーキ非作動状態におけるリターダの作動室内に、作動媒体をパルス状に導入するためのさらなるパルス形状が例示されている。一種の正弦曲線もしくは弧状の変化、ならびに鋸歯状の変化、及びさらに振幅が変化もしくは交替する各方形パルスが、選択された可能なパルス形状の例として示されている。鋸歯状の変化の代わりに、振幅が時間とともに段階的に増大する変化及び/又は時間とともに段階的に減少する変化も可能である。本発明に係るパルス状の導入を行うためのパルスについて、その他のパルス形状も当然のことながら考えられ得る。
図2には、さらなるダイアグラムが示されている。当該ダイアグラムでは、潤滑パルスの周波数fが対数尺度において、各潤滑パルス間の時間的間隔として図示されている。当該方法においても、一定のパルス持続時間Δtが使用される。なぜなら、当該持続時間は特に容易かつ効率的に与えられ、それによって常に一定の所定量の作動媒体が作動室内に達するからである。作動媒体の所定量は、使用されるリターダに応じて、潤滑パルスの持続時間を選択することを通じて選択されるので、当該量は上述の量に関する規定に適合し、潤滑パルスによってリターダの望ましくない制動作用が誘発されることはない。
図2に示された実施例では、x軸に、リターダの作動媒体の温度Tが例示されている。図から明らかなように、第1の限界温度T1までは、各潤滑パルス間の一定な持続時間が、例えば約180秒で実現しており、対応する周波数f1がもたらされている。作動媒体の温度が第1の限界温度T1を超過して上昇すると、各潤滑パルス間の周波数は、例えば直線的に上昇する。y軸に周波数を対数で表すことによって、この直線的な上昇は、対応する対数曲線によって表示される。この直線的な上昇は、作動媒体の第2の限界温度T2まで継続する。第2の限界温度T2を超過すると、各潤滑パルス間の持続時間は再び一定になる。限界温度T2は典型的に、リターダ内温度の高温領域において選択されるので、潤滑パルスの周波数はすでに比較的高く、各潤滑パルス間の持続時間は例えば10秒になり得る。リターダが典型的に作動している場合、係数15〜25、特に係数15〜20の差異が存在するこの2つの周波数の間で、限界温度T1と第2の限界温度T2との間の温度において、潤滑パルスに対応する直線的な変化が選択される。直線的な変化に代わって、例えば段階的変化、二次曲線、対数曲線などの他の関係も考えられ得る。自明のことながら、その他の係数も考えられ得る。
リターダの負荷を把握し、それに応じて潤滑パルスの周波数を制御するために作動媒体の温度を使用する代わりに、例えばロータの回転数や、測定が容易である限りにおいて、リターダが装備された車両の走行速度などの、その他の変数に従って潤滑パルスの周波数を変更することも考えられ得る。走行速度は、リターダが駆動系に導入されており、対応するトランスミッションが一定のとき、リターダのロータ回転数に比例するからである。一次リターダの場合は、例えばエンジンの回転数も使用可能である。総じて、それを基にリターダの駆動しているロータの回転数が導出可能であり、特にロータ回転数に比例していれば、いずれの変数又は回転数も使用可能である。
このとき、自明のことながら、値を適切に組み合わせても良い。潤滑パルスを対応して作動させる前に、潤滑パルスの使用が必要か否かを、対応する回転数又は速度を通じて確認する変形例が特に有意義である。
図3には、このような潤滑パルスを制御するための比較的複雑な戦略がフローチャートで示されている。この戦略においては、まず、ロータの回転数nが所定の限界回転数n0を超過しているかどうかが調べられる。別の選択肢として、二次リターダにおいて典型的なように、ロータの回転数に比例する車両速度を対応して調査することも考えられ得る。ロータの回転数nが所定の限界回転数n0を超過している場合、対応する制御装置によって潤滑パルスが与えられる。これは、図中のIが記された四角に相当する。当該潤滑パルスは、例えば図2の枠内で詳細に言及された潤滑パルスであっても良い。
ロータの対応する回転数nが、限界回転数n0を超過していなくても、対応する作動媒体の温度測定値は分析される。この温度Tが、第1の限界温度T1を超過する場合は、対応する潤滑パルスIを作動するプログラムが開始される。ここでも、図2において詳細に言及されたプログラムが使用可能である。自明のことながら、限界温度T1よりも低い温度において潤滑パルス間の距離が一定の部分は削除される。当該プログラムは、すでに限界温度T1が存在しているときにのみ開始されるからである。限界温度T1が存在していないときには作動媒体の温度Tも限界温度T1を下回るので、この時点で、対応する潤滑パルスを作動することなくプログラムは中止される。
回転数もしくは速度及び温度の測定を持続的又は所定の間隔を置いて行うと有利である。それによって、複数の値の内の1つがその所定の限界値を超過したときに反応できるからである。
ここに示された方法の進行は特に効率的である。リターダのための潤滑パルスは、絶対に必要なときにのみ作動するからである。つまり、ロータの回転数が、対応する限界回転数を超過するときはつねに、又は別の選択肢として、リターダの作動媒体において対応する高温状態が存在するとき、すなわちリターダに対応して負荷がかけられているときはつねに作動する。例えば潤滑パルスの作動を、図1の描写に類似して、対応する一定の規準値によって予め設定しても良いし、又は、適切な「インテリジェント制御」を導入し、例えば温度に応じて、又はここでもやはりその他の、例えばロータの回転数や車両速度などの測定値に応じて、潤滑パルスの周波数fの適切な変形例を設定し、それによってリターダの作動状態に合わせて最適化されたリターダの潤滑を可能にしても良い。
別の選択肢として、潤滑パルスの周波数fではなく、パルスの長さもしくは持続時間Δtをリターダの負荷状態に応じて、例えば温度及び/又はロータ回転数もしくは車両速度に応じて適合させることも考えられ得る。しかしながら、潤滑パルスに用いられる作動媒体の量は、制動作用の発現可能性という問題ともつねに関連しているので、当該変形例において制御にかかる負担は対応して大きくなる。
また、学習制御装置、特に電子制御装置(ECU)を設けて、使用特徴もしくは運転者挙動を認識し、潤滑パルス、特に各パルス間の持続時間及び/又は間隔を、把握された使用特徴もしくは把握された運転者挙動に応じて予め設定することも考えられ得る。基本的には自明のことながら、パルス持続時間とともにパルスごとの導入量を決定するために、振幅を適合させても良い。
最後に、リターダの作動方法がどの範囲において進められるのかが理解可能になるように、さらにいくつかの値を例示する。例えば、油で駆動されるリターダの第1の限界温度は100℃〜140℃、好適には約120℃に設定され、第2の限界温度は、150℃〜200℃、好適には約180℃に設定される。水式のリターダの場合、当該温度は相応に低下し、典型的には第1の限界温度は100℃〜110℃、好適には約105℃となり、第2の限界温度は110℃〜120℃、特に約112℃〜115℃になる。
上述したように、典型的なパルス持続時間は、概ね作動媒体とは関係なく、50ミリ秒〜250ミリ秒であり、それによって典型的に作動室の充填量の5%よりも少ない量、好適には2%より少ない量が、ブレーキ作動状態において潤滑パルスとしてリターダの作動室内に到達する。
当該構成によって、制御装置を単純に適合させることによって、既存のシステムにも、対応する作動方法を組み込むことができる。当該作動方法は、リターダを装備した車両の運転者の注意を引くものではないが、リターダのシール部材の耐用年数がより長くなる、もしくはリターダの密閉性が高まるという利点をもたらす。
Δt パルスの持続時間
f 潤滑パルスの周波数
n ロータの回転数
I 潤滑パルス
T1 第1の限界温度
T2 第2の限界温度
n0 ロータの限界回転数
f 潤滑パルスの周波数
n ロータの回転数
I 潤滑パルス
T1 第1の限界温度
T2 第2の限界温度
n0 ロータの限界回転数
Claims (13)
- 少なくとも1つの作動室を有する流体式リターダの作動方法であって、
前記作動室が、ブレーキ作動状態においては作動媒体を充填され、
ブレーキ非作動状態においては概ね空にされる方法において、
ブレーキ非作動状態において、所定量の前記作動媒体が、パルス状に前記リターダの前記作動室内に導入されることを特徴とする方法。 - パルスの持続時間(Δt)、振幅、及び/又は前記パルス間の時間的間隔(t2−t1)が、前記作動媒体の温度(T)に応じて変更されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記パルスの持続時間(Δt)、前記振幅、及び/又は前記パルス間の時間的間隔(t2−t1)が、前記リターダのロータの回転数(n)に応じて変更されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記パルスの持続時間(Δt)、前記振幅、及び/又は前記パルス間の時間的間隔(t2−t1)が、前記リターダが装備された車両の速度に応じて変更されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記パルスの持続時間(Δt)、前記振幅、及び/又は前記パルス間の時間的間隔(t2−t1)が、前記作動媒体の温度(T)に応じて、及び、前記リターダが装備された車両の速度か又は前記リターダのロータの回転数(n)かに応じて変更されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記各パルスの持続時間(Δt)、特に前記振幅が一定に保たれるとともに、前記各パルス間の時間的間隔(t2−t1)が変更されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記作動媒体の前記作動室内へのパルス状の導入が、
前記作動媒体の所定の第1の限界温度(T1)が超過されたとき、及び/又は、
前記リターダのロータの所定の限界回転数(n0)もしくは前記車両の所定の限界速度が超過されたときにようやく行われることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。 - 前記パルス間の時間的間隔(t2−t1)が、第1の限界温度(T1)よりも低い温度において、一定の第1の値として選択され、さらに前記パルス間の時間的間隔(t2−t1)が、前記第1の限界温度(T1)と前記第1の限界温度(T1)よりも高い第2の限界温度(T2)との間で、より大きい上昇する値として、特につねに上昇する値として選択され、前記パルス間の持続時間(t2−t1)が、前記第2の限界温度(T2)よりも高い温度において、一定の前記第2の値として選択されることを特徴とする請求項1、2、6、7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の値は前記第2の値の15倍〜20倍であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 所定量として、ブレーキ作動状態における作動室内の作動媒体充填量の10%より少ない量、好適には5%又は2%より少ない量が選択されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記パルス持続時間(Δt)が、50ミリ秒〜250ミリ秒、好適には60ミリ秒〜120ミリ秒で選択されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
- 作動媒体として油が使用されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
- 作動媒体として水又は主に水を含有する混合液、特に前記リターダを装備した車両の冷却水が使用されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
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