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JP2012224761A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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JP2012224761A
JP2012224761A JP2011094133A JP2011094133A JP2012224761A JP 2012224761 A JP2012224761 A JP 2012224761A JP 2011094133 A JP2011094133 A JP 2011094133A JP 2011094133 A JP2011094133 A JP 2011094133A JP 2012224761 A JP2012224761 A JP 2012224761A
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JP2011094133A
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Yoshio Koga
芳夫 古賀
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】シュウ酸ジフェニル製造工程へ、その後のジフェニルカーボネート製造工程の収率を保ち、副生物の生成を抑制しながら副生フェノールをリサイクルする方法を提供することを課題とする。
【解決手段】(1)炭酸ジアリールと芳香族ジヒドロキシ化合物から芳香族ポリカーボネートを製造する方法において、芳香族ポリカーボネート製造工程で副生する芳香族モノヒドロキシ化合物を含有する成分を蒸留工程において、100重量ppm未満の水分および100重量ppm未満の芳香族ジヒドロキシ化合物を含む成分を分離して、これをシュウ酸ジアリール製造工程にリサイクルする。
【選択図】 なし

Description

この発明は、芳香族ポリカーボネートの製造方法に関し、詳しくは、芳香族ポリカーボネート製造工程の重合工程で生じる副生モノヒドロキシ化合物をシュウ酸ジアリール製造工程で使用するに際し、モノヒドロキシ化合物を含有する成分中の水分及びジヒドロキシ化合物の含有量を所定範囲としてすることにより、副生モノヒドロキシ化合物を効率的に再利用することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する。
ジフェニルカーボネート(以下、「炭酸ジフェニル」と称することがある)及びビスフェノールAから芳香族ポリカーボネートを製造する方法において、フェノールは、ジフェニルカーボネート及びビスフェノールAの両方の製造原料である。また、ジフェニルカーボネート及びビスフェノールAから芳香族ポリカーボネートを製造する際に生じる留出成分は、フェノールを主成分とする。
そして、ジフェニルカーボネート製造に使用されるフェノール量、ビスフェノールA製造に使用されるフェノール量、及び上記の芳香族ポリカーボネート重合工程で生じるフェノールを主成分とする留出成分中のフェノールの量は、理論的にいずれも同量となる。このため、上記の芳香族ポリカーボネート重合工程で生じるフェノールを主成分とする留出成分(以下、「副生フェノール」と称することがある)を、ジフェニルカーボネート製造工程へリサイクルする方法(特許文献1)、及びビスフェノールA製造工程へリサイクルする方法(特許文献2)が開示されている。これらのいずれの方法においても、副生フェノール中には水分が含まれると反応収率が大きく低下するため、水分を除去した後にリサイクルすることが記載されている。
一方、シュウ酸ジメチルからシュウ酸ジフェニルを介してジフェニルカーボネートを生成させ、これをビスフェノールAと反応させてポリカーボネートを製造する方法において
も、副生フェノールをシュウ酸ジフェニル製造工程へリサイクルする方法が開示されている(特許文献3)。当該方法においては、リサイクルする副生フェノール中のアミン化合物を除去した後にリサイクルを行うことが記載されている。
特開2005−68245号公報 特開2005−68248号公報 国際公開WO00/52077号公報
しかしながら、本発明者らが、上記特許文献3でシュウ酸ジフェニル製造工程へリサイクルすることが記載されている副生フェノールを、シュウ酸ジフェニル製造工程へリサイクルすると、その後のジフェニルカーボネート製造工程において、反応収率が低下し、更に副生する不純物の上昇が見られた。そこで、本発明は、シュウ酸ジフェニル製造工程へ、その後のジフェニルカーボネート製造工程の収率を保ち、副生物の生成を抑制しながら副生フェノールをリサイクルする方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、芳香族ポリカーボネ
ート重合工程で生じるフェノールを主成分とする留出液(副生フェノール)には、未反応のビスフェノールAが過剰に含まれており、この留出液をそのままシュウ酸ジフェニル製造工程へリサイクルした場合、リサイクルされたビスフェノールAの一部はシュウ酸ジフェニルと同伴してジフェニルカーボネート製造工程の反応工程へ供給されることとなる。ビスフェノールAがジフェニルカーボネート製造工程の反応工程に持ち込まれた場合、触媒被毒物質として作用し、ジフェニルカーボネートの収率が大きく低下すると同時に不純物の生成量が著しく増加することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
つまり、本発明の要旨は、
(1)炭酸ジアリールと芳香族ジヒドロキシ化合物から芳香族ポリカーボネートを製造する方法において、
(I)シュウ酸ジアルキルと芳香族モノヒドロキシ化合物とをエステル交換反応させてシ
ュウ酸ジアリールを合成するシュウ酸ジアリール製造工程、
(II)前記シュウ酸ジアリール製造工程で得られたシュウ酸ジアリールを、テトラアリールホスホニウムハライドを触媒とし、ハロゲン化合物を助触媒として脱カルボニル化反応させて炭酸ジアリールを製造する炭酸ジアリール製造工程、
(III)芳香族モノヒドロキシ化合物とカルボニル化合物を原料とし、酸触媒の存在下で
の合成反応工程、晶析・分離工程を経て芳香族ジヒドロキシ化合物を製造する芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程、
(IV)前記炭酸ジアリール製造工程で得られた炭酸ジアリールと前記芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程で得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を原料として重合させる重合工程を経て芳香族ポリカーボネートを製造する芳香族ポリカーボネート製造工程、
(V)前記芳香族ポリカーボネート製造工程で副生する芳香族モノヒドロキシ化合物を含
有する成分を蒸留分離する副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程を有し、
前記副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程において、100重量ppm未満の水分および100重量ppm未満の芳香族ジヒドロキシ化合物を含む成分を分離して、これをシュウ酸ジアリール製造工程にリサイクルすることを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法、
(2)前記炭酸ジアリール製造工程のテトラアリールホスホニウムハライドが、テトラフェニルホスホニウムクロライドであり、ハロゲン化合物が塩化水素であることを特徴とする上記(1)に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法、
(3)前記副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程が、前記芳香族モノヒドロキシ化合物を蒸留する第一蒸留工程により得られる水分を100重量ppm以上含有するモノヒドロキシ化合物を主成分とする成分aを分離した後、前記第一蒸留工程での蒸留残渣を第二蒸留工程において、100ppm重量未満の水分及び100重量ppm未満の芳香族ジヒドロキシ化合物を含む成分bと、その蒸留残渣である成分cに分離することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法、
(4)前記副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程において得られた成分aを前記芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程へ、成分cを前記炭酸ジアリール製造工程へ、ぞれぞれリサイクルすることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法、
(5)前記炭酸ジアリールが、炭酸ジフェニルであり、前記芳香族ジヒドロキシ化合物が、ビスフェノールAである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法、
に存する。
本発明は、シュウ酸ジアリールを脱カルボニル化反応させて炭酸ジアリールを生成し、該炭酸ジアリールと芳香族ジヒドロキシ化合物から芳香族ポリカーボネートを製造する方
法において、芳香族ポリカーボネート製造工程において副生芳香族ヒドロキシ化合物を、全体の反応収率を低下させず、副生物の増加も起こさないで、リサイクルさせることができ、副生フェノールを効率的に使用する工業的に有利な芳香族ポリカーボネートの製造法が提供されるという効果を有する。
この発明に係る製造工程のスキームを示す工程図である。
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリカーボネートの製造方法は、炭酸ジアリール、芳香族ジヒドロキシ化合物、及び芳香族ポリカーボネートのそれぞれの製造工程において、原料として使用される芳香族ヒドロキシ化合物について特定した製造方法である。以下において、まず、芳香族ポリカーボネート製造工程について説明し、そして、炭酸ジアリール製造工程、芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程について順に説明する。
1.芳香族ポリカーボネート製造工程
本発明の芳香族ポリカーボネートの製造工程は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジアリールとのエステル交換反応によるものである。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物が、ビスフェノールAで、炭酸ジアリールがジフェニルカーボネートである反応を例として、図1に示すプロセスにおいて以下に、説明する。
芳香族ポリカーボネートの製造は、原料であるビスフェノールA及びジフェニルカーボネートの原料混合溶融液を調製し(原調工程)、これらの化合物を、エステル交換反応触媒の存在下、溶融状態で複数の反応器を用いて多段階で重縮合反応をさせる(重縮合工程)ことにより行う。反応方式は、バッチ式、連続式、又はバッチ式と連続式の組合せのいずれでもよい。反応器は、複数基の竪型撹拌反応器及びこれに続く少なくとも1基の横型撹拌反応器を用いる。通常、これらの反応器を直列に設置し、連続的に処理を行う。
重縮合工程後、反応を停止し、重合反応液中の未反応原料や反応副生物を脱揮除去する工程や、熱安定剤、離型剤、色剤等を添加する工程、芳香族ポリカーボネートを所定の粒径のペレットに形成する工程等を適宜追加してもよい。
次に、ポリカーボネート製造工程の各工程について説明する。
(原調工程)
芳香族ポリカーボネートの原料として使用するビスフェノールAとジフェニルカーボネートとは、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下、バッチ式、半回分式または連続式の撹拌槽型の装置を用いて、原料混合溶融液として調製する。溶融混合の温度は、通常20℃〜180℃、好ましくは125℃〜160℃の範囲から選択する。
この際、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとの割合は、ジフェニルカーボネートが過剰になるように調整し、ビスフェノールA1モルに対して、ジフェニルカーボネートは通常1.01モル〜 1.30モル、好ましくは1.02モル〜1.20モルの割合になるように調整する。
(重縮合工程)
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応による重縮合は、通常、2段階以上、好ましくは3段〜7段の多段方式で連続的に行う。具体的な反応条件としては、温度:150℃〜320℃、圧力:常圧〜0.01Torr(1.3Pa)、平均滞留時間:5分〜150分の範囲である。
多段方式の各反応器においては、重縮合反応の進行とともに副生するフェノールをより
効果的に系外に除去するために、上記の反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。尚、製造する芳香族ポリカーボネートの色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、短滞留時間の設定が好ましい。
重縮合工程を多段方式で行う場合は、通常、竪型撹拌反応器を含む複数基の反応器を設けて、ポリカーボネート樹脂の平均分子量を増大させる。反応器は通常3基〜6基、好ましくは4基〜5基設置する。
尚、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとの重縮合に使用するエステル交換触媒は、通常、予め水溶液として準備する。触媒水溶液の濃度は特に限定されず、触媒の水に対する溶解度に応じて任意の濃度に調整する。また、水に代えて、アセトン、アルコール、トルエン、フェノール等の他の溶媒を選択することもできる。触媒の溶解に使用する水の性状は、含有する不純物の種類ならびに濃度が一定であれば特に限定されないが、通常、蒸留水や脱イオン水等が好ましい。
2.副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程及びリサイクル
次に、副生モノヒドロキシ化合物蒸留工程について具体例で説明する。
上述したポリカーボネート製造工程における重縮合反応の進行とともに、副生モノヒドロキシ化合物を主成分とする混合物を系外に除去する。該混合物は、フェノール(PL)の他、原料であるジフェニルカーボネート(DPC)やビスフェノールA(BPA)、ジフェニルカーボネート(DPC)及びビスフェノールA(BPA)の1分子同士〜数分子同士が縮重合したオリゴマー、アルカリ系触媒由来の水等を含有する。
本実施の形態において、副生モノヒドロキシ化合物は、先ず、第一蒸留工程で、主留のフェノールを蒸留塔の塔頂から抜き出しビスフェノールA製造工程にリサイクルする。また、フェノールと分離した高沸分を蒸留塔釜残留成分として抜き出し、第二蒸留工程に送る。
第二蒸留工程では、第一蒸留工程で分離された高沸分の5重量%未満(初留)を抜き出しても良いが、高沸分の5重量%〜90重量%を蒸留し、水分が100重量ppm未満、ビスフェノールAが100重量ppm未満であるフェノール(PL)を主成分とする成分
bを蒸留塔の塔頂から抜き出し、シュウ酸ジアリール製造工程、又はシュウ酸ジアリール製造工程及びビスフェノールA製造工程へリサイクルする。さらに、炭酸ジアリール工程へリサイクルしてもよい。ここで、成分b中のビスフェノールAの濃度は100重量pp
m未満であるが、50重量ppm未満がさらに好ましい。 また、第二蒸留工程の蒸留塔釜残留成分を炭酸ジアリール製造工程にリサイクルする。尚、この蒸留工程は回分式でも連続式でもよい。
ここで、第一蒸留工程の条件は特に限定されないが、通常、炭酸ジアリールがジフェニルカーボネートである場合、塔頂温度100℃〜150℃、圧力100Torr〜300Torrである。また、第二蒸留工程の条件は特に限定されないが、通常、塔頂温度80℃〜120℃、圧力30Torr〜80Torrである。
3.シュウ酸ジアリール製造工程(1)
本発明の芳香族ポリカーボネートの製造方法において用いられるシュウ酸ジアリールは、シュウ酸ジアルキルと芳香族モノヒドロキシ化合物とをエステル交換反応させることにより製造される(シュウ酸ジアリール製造工程(1))。
シュウ酸ジアリールのアリール基としては、置換基を有していても良いフェニル基、置換基を有していても良いナフチル基等が挙げられ、好ましくは置換基を有していても良いフェニル基、より好ましくはフェニル基である。フェニル基、ナフチル基に置換する置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜12のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン
原子などが挙げられる。
置換フェニル基や置換ナフチル基は、置換基の位置により各種の異性体が存在するが、原料のシュウ酸ジアリールはこれらのいずれであっても良い。例えば、置換フェニル基の異性体として、2−,3−または4−メチルフェニル基、2−,3−または4−エチルフェニル基等の炭素数1〜12のアルキル基を有する2−,3−または4−アルキルフェニル基、2−,3−または4−メトキシフェニル基、2−,3−または4−エトキシフェニル基等の炭素数1〜12のアルコキシ基を有する2−,3−または4−アルコキシフェニル基、2−,3−または4−ニトロフェニル基、2−,3−または4−フルオロフェニル基、2−,3−または4−クロロフェニル基等のハロゲン原子を有する2−,3−または4−ハロフェニル基などが挙げられるが、これらのいずれであっても良い。
本発明で用いるシュウ酸ジアリールはシュウ酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交換反応であるシュウ酸ジアリール製造工程において製造することができる。上記シュウ酸ジアルキルは下記反応式(II)で示すように、一酸化炭素と酸素と脂肪族または指環式アルコールを原料とする酸化カルボニル化反応で製造される。
Figure 2012224761
上記反応式(I)で、Rは炭素数1から10の直鎖または分岐アルキル基、あるいは指環式アルキル基を示し、不飽和結合を有していても良いし、有していなくても良い。上記の酸化カルボニル化反応では、副生する水を除去することで反応の効率を高めることができる。そのためには一酸化窒素と酸素とアルコールを原料として亜硝酸アルキルを製造し、これを一酸化炭素と金属触媒の存在下で反応させてシュウ酸ジアルキルを製造する2段階の反応を行うことが効果的である。
シュウ酸ジアルキル生成反応は、例えば、一酸化炭素および亜硝酸アルキルを含有する原料ガスを白金族金属触媒と気相で接触させることによって行われる。
上記の方法により得られたシュウ酸ジアルキルは、芳香族ヒドロキシ化合物とエステル交換させて、シュウ酸ジアリールを生成させ、そのシュウ酸ジアリールを分離・回収する(シュウ酸ジアリール製造工程)。
エステル交換反応としては、例えば、エステル交換触媒の存在下、副生するアルコールを蒸留除去しながら、シュウ酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行わせてシュウ酸アルキルアリールを生成させ、次いで、エステル交換触媒の存在下、シュウ酸ジアルキルを除去しながら、シュウ酸アルキルアリールの不均化反応を主体とする反応を行わせて、本発明で用いるシュウ酸ジアリールを製造することができる。
例えばシュウ酸ジアリールとしてのシュウ酸ジフェニルは、一酸化窒素と酸素とメタノールを原料として亜硝酸メチルを製造し、これを一酸化炭素と反応させてシュウ酸ジメチルを製造し、得られたシュウ酸ジメチルとフェノールとをエステル交換触媒の存在下で反応させて、生成するメタノールを除去しながらシュウ酸メチルフェニルを生成させ、得られたシュウ酸メチルフェニルをエステル交換触媒の存在下で不均化反応させて、生成するシュウ酸ジメチルを除去しながら生成させることができる。
上記反応に用いられる触媒としては、テトラフェノキシチタンが挙げられる。
シュウ酸ジアリール製造工程において、シュウ酸ジアリールエステルは、通常の蒸留法などによって上記反応液から容易に分離・回収される。
4.炭酸ジアリール製造工程(2)
上記で製造されたシュウ酸ジアリールは、下記反応式(I)によるシュウ酸ジアリールの脱カルボニル化反応により炭酸ジアリールを生成させる炭酸ジアリールの製造工程に供される。
Figure 2012224761
上記炭酸ジアリール製造工程において、脱カルボニル化反応は液相反応であってもよく、気相反応であってもよい。各々好適な反応条件は以下の通りである。触媒としては、テトラアリールホスホニウムハライド、好ましくはテトラフェニルホスホニウムクロライドを触媒とし、助触媒としてハロゲン化合物、好ましくは塩化水素などが用いられる。本発明の方法で、芳香族ジヒドロキシ化合物(例えば、ビスフェノールA)は、これらの触媒への毒性を有しているため、炭酸ジアリール製造工程へ持ち込まれることは好ましくない。
液相反応は、反応器にシュウ酸ジアリールと上記触媒とを入れて、好ましくは攪拌下に、通常100℃以上、特に160℃以上、とりわけ180℃以上、また通常450℃以下、特に400℃以下、とりわけ350℃以下で液相を加熱することにより行われる。反応圧力は特に制限されるものではないが、通常、常圧または加圧で行う。反応時間は通常0.05〜30時間程度である。触媒の使用量は、シュウ酸ジアリールに対する有効成分として通常0.01重量%以上、特に0.05重量%以上、また通常30重量%以下、特に20重量%以下とすることが好ましい。
脱カルボニル化反応には特に溶媒を用いる必要はないが、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリドン等の非プロトン性極性溶媒、炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒等を適宜使用することもできる。
本発明において反応器の材質には特に制限はないが、反応器の材質は特に制限されるものではなく、例えばガラス、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム合金、ニッケル合金、タンタル含有合金を使用することができる。
本発明の脱カルボニル化反応は、攪拌槽型の反応容器を用いて触媒をシュウ酸ジアリールに懸濁させ、バッチ式あるいは連続式で行うことができる。あるいは触媒をシュウ酸ジアリールに懸濁させ、反応管の内部に連続的に流通させながら反応させても良い。さらに反応管内に触媒層を形成し、この触媒層内にシュウ酸ジアリールを連続的に流通させながら反応させても良い。
なお、該脱カルボニル化反応は吸熱反応なので、反応器を加熱する必要がある。攪拌槽型の反応器では反応器外部に設置したジャケットあるいはコイル、および/または反応器内部に設置したコイルに加熱媒体を流通させることにより加熱する方法が効率的である。反応管型の反応器では反応器外部に設置したジャケットあるいはコイルにより加熱する方法や、多管式反応器を使用し、触媒を充填したチューブ内に反応液を流通させながらシェル側から加熱媒体により加熱する方法が利用できる。さらに電気ヒーター等の加熱媒体によらない方法も使用することができる。こうして合成した炭酸ジアリールは蒸留や晶析等の手段により分離精製される。また、未反応のシュウ酸ジアリールは反応器へリサイクルすることができる。
5.芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程(3)
本発明の芳香族ポリカーボネートの製造工程で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的にはビスフェノールAが挙げられる。このビスフェノールAの製造工程は、公知の工程、例えば、特開2005-68245号公報に記載の方法等が挙げられる。
以下に、本発明の実施の具体的な形態について説明する。
(実施例1)
[副生フェノール精製工程]
芳香族ポリカーボネート重合工程より約30.2kg/hrで回収されたフェノールを含有する成分を分析した結果、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」)が5.0重量%、ビスフェノールA(以下、「BPA」)が0.5重量%、オリゴマーが0.3重量
%、水分が0.3重量%検出された。
このフェノールを含有する成分を以下の2塔の蒸留塔で連続的に精製した。第1蒸留塔は、200Torr、還流比2で、含有する水を一部フェノールとともに留去し、缶出液は第2蒸留塔へ供給した。第1蒸留塔より留出されるポリカーボネート(以下、「PC」)低沸留去分中のフェノール濃度は、約90重量%であった。次いで、第2蒸留塔では、50Torr、還流比0.5で、トップよりフェノールを含む成分bを約27kg/hrで得た。フェノール99重量%以上、DPCシ゛重量4ppm、BPAは検出下限界(1重量
ppm)以下であった。一方、缶出からは67重量%DPC、7重量%BPA、及び、4重量%オリゴマー含有するフェノールを含む成分cを約2.2kg/hrで連続的に抜き出した。
(実施例2)
実施例1の成分bをシュウ酸ジフェニル製造工程へリサイクルした場合、引き続き行われるジフェニルカーボネート製造工程におけるシュウ酸ジフェニルの転化率、及び、ジフェニルカーボネートの選択率への影響を以下の方法で検討した。
試験管中にシュウ酸ジフェニル5g(21mmol)、テトラフェニルホスホニウムクロライド41mg(0.1mmol)及びクロロホルム26mg(0.2mmol)を添加した(ビスフェノールA含有率が0%)。この試験管の上部に局排行きのゴム管を設置
した後、外温230℃のオイルバスに浸した。2時間反応させた後、得られた反応混合物
を、アセトニトリルにて0.25%の溶液を調整して、液クロマトグラフィ分析した。DPOの転化率は31mol%、DPC選択率99mol%以上,PHL濃度0.9wt%であった。
(比較例1)
芳香族ポリカーボネート製造工程で生じる、副生フェノール組成の影響の検討
ビスフェノールAを約1重量%含むフェノール含有成分を、シュウ酸ジフェニル製造工
程へリサイクルした場合、フェノール含有成分としてリサイクルされたビスフェノールAの、引き続き行われるジフェニルカーボネート製造工程におけるシュウ酸ジフェニルの転化率、及び、ジフェニルカーボネートの選択率への影響を以下の方法で検討した。
試験管中にシュウ酸ジフェニル5g(21mmol)及びビスフェノールAを50mg(5重量%)を入れ、テトラフェニルホスホニウムクロライド41mg(0.1mmol)及びクロロホルム26mg(0.2mmol)を添加した。この試験管の上部に局排行きのゴム管を設置した後、外温230℃のオイルバスに浸した。2時間反応させた後、得
られた反応混合物を、アセトニトリルにて0.25%の溶液を調整して、液クロマトグラフィ分析した。
その結果、DPOの転化率は25mol%、DPC選択率83mol%,PHL濃度1.7wt%であり、実施例2の結果(ビスフェノールA含有率0%)と比較してDPO転
化率及びDPC選択率共に低下した。
1.シュウ酸ジアリール製造工程
2.炭酸ジアリール製造工程
3.芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程
4.芳香族ポリカーボネート製造工程
5.副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程
a.成分a
b.成分b
c.成分c

Claims (5)

  1. 炭酸ジアリールと芳香族ジヒドロキシ化合物から芳香族ポリカーボネートを製造する方法において、
    (1)シュウ酸ジアルキルと芳香族モノヒドロキシ化合物とをエステル交換反応させてシュウ酸ジアリールを合成するシュウ酸ジアリール製造工程、
    (2)前記シュウ酸ジアリール製造工程で得られたシュウ酸ジアリールを、テトラアリールホスホニウムハライドを触媒とし、ハロゲン化合物を助触媒として脱カルボニル化反応させて炭酸ジアリールを製造する炭酸ジアリール製造工程、
    (3)芳香族モノヒドロキシ化合物とカルボニル化合物を原料とし、酸触媒の存在下での合成反応工程、晶析・分離工程を経て芳香族ジヒドロキシ化合物を製造する芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程、
    (4)前記炭酸ジアリール製造工程で得られた炭酸ジアリールと前記芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程で得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を原料として重合させる重合工程を経て芳香族ポリカーボネートを製造する芳香族ポリカーボネート製造工程、
    (5)前記芳香族ポリカーボネート製造工程で副生する芳香族モノヒドロキシ化合物を含有する成分を蒸留分離する副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程を有し、
    前記副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程において、100重量ppm未満の水分および100重量ppm未満の芳香族ジヒドロキシ化合物を含む成分を分離して、これをシュウ酸ジアリール製造工程にリサイクルすることを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  2. 前記炭酸ジアリール製造工程のテトラアリールホスホニウムハライドが、テトラフェニルホスホニウムクロライドであり、ハロゲン化合物が塩化水素であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  3. 前記副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程が、前記芳香族モノヒドロキシ化合物を蒸留する第一蒸留工程により得られる水分を100重量ppm以上含有するモノヒドロキシ化合物を主成分とする成分aを分離した後、前記第一蒸留工程での蒸留残渣を第二蒸留工程において、100ppm重量未満の水分及び100重量ppm未満の芳香族ジヒドロキシ化合物を含む成分bと、その蒸留残渣である成分cに分離することを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  4. 前記副生芳香族モノヒドロキシ化合物蒸留工程において得られた成分aを前記芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程へ、成分cを前記炭酸ジアリール製造工程へ、ぞれぞれリサイクルすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  5. 前記炭酸ジアリールが、炭酸ジフェニルであり、前記芳香族ジヒドロキシ化合物が、ビスフェノールAである請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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