JP2012218480A - 車両用生体認証装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の利用者が車両を利用する場合であっても、精度良く利用者の酒気帯び状態を判定することが可能な車両用生体認証装置を提供すること。
【解決手段】この車両用生体認証装置は、利用者を識別することに用いる第1の生体情報と、利用者の酒気帯び状態を判定することに用いる第2の生体情報とを取得し、取得された前記第2の生体情報に基づいて、前記利用者のエチルアルコールの吸収波長の吸光率を測定し、取得された第1の生体情報と、照合用の第1の生体情報とを照合して、前記利用者が登録者であるか否かを識別し、前記利用者が登録者であると識別された場合に、測定された前記吸光率と、前記利用者の非酒気帯び状態で取得した前記吸光率に基づく基準値とに基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定し、判定結果に基づいて、車両の原動機始動を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】この車両用生体認証装置は、利用者を識別することに用いる第1の生体情報と、利用者の酒気帯び状態を判定することに用いる第2の生体情報とを取得し、取得された前記第2の生体情報に基づいて、前記利用者のエチルアルコールの吸収波長の吸光率を測定し、取得された第1の生体情報と、照合用の第1の生体情報とを照合して、前記利用者が登録者であるか否かを識別し、前記利用者が登録者であると識別された場合に、測定された前記吸光率と、前記利用者の非酒気帯び状態で取得した前記吸光率に基づく基準値とに基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定し、判定結果に基づいて、車両の原動機始動を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用生体認証装置に関する。
従来から、顔面などの皮膚直下の毛細血管に表れる含有エチルアルコールにより運転者の酒気帯び状態を検出し、酒気帯び状態を検出した場合にエンジンの始動を停止する酒気帯び運転防止装置が知られている(例えば、特許文献1)。この酒気帯び運転防止装置では、運転手からの赤外光のうち、エチルアルコールの吸収波長を含む第1の波長帯域の受光量と、エチルアルコールによる吸収率の小さな波長を含む第2の波長帯域の受光量と、エチルアルコールと同じ波長帯域に吸収波長をもつ外乱物質の他の吸収波長を含む第3の波長帯域の受光量に基づいて、エチルアルコール含有度と外乱度を求めている。
エチルアルコール含有度の誤検出の原因となる外乱物質の構成要素と含有量には個人差があるため、上記の手法では正確に酒気帯び状態を検出することができない。また、運転者の正常状態で取得したアルコール含有度の初期値を予め登録し、初期値と運転時のアルコール含有度の差を判定することで個人差の影響を少なくすることはできるが、家族など複数の利用者が運転する可能性がある場合には、上記初期値がいずれの利用者の初期値であるかを特定することができず、正確に酒気帯び状態を検出することができない。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、複数の利用者が車両を利用する場合であっても、精度良く利用者の酒気帯び状態を判定することが可能な車両用生体認証装置を提供することができる。
(1)本形態に係る車両用生体認証装置は、利用者を識別することに用いる第1の生体情報と、利用者の酒気帯び状態を判定することに用いる第2の生体情報とを取得する生体情報取得部と、取得された前記第2の生体情報に基づいて、前記利用者のエチルアルコールの吸収波長を含む1つ以上の波長の吸光率を測定する吸光率測定部と、照合用の第1の生体情報と、前記照合用の第1の生体情報を有する登録者の非酒気帯び状態で取得した前記吸光率に基づく基準値とを関連付けて記憶する記憶部と、取得された第1の生体情報と、前記照合用の第1の生体情報とを照合して、前記利用者が前記登録者であるか否かを識別する識別部と、前記利用者が前記登録者であると識別された場合に、測定された前記吸光率と、前記利用者に対応する照合用の第1の生体情報に関連付けられている基準値とに基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定する酒気帯び状態判定部と、前記酒気帯び状態の判定結果に基づいて、車両の原動機始動を制御する原動機始動制御部とを含む。
本形態によれば、照合用の第1の生体情報と、登録者の非酒気帯び状態で取得した吸光率(エチルアルコールの吸収波長を含む1つ以上の波長の吸光率)に基づく基準値とを関連付けて記憶しておき、第1の生体情報に基づき利用者が登録者であるか否かを識別し、利用者が登録者であると識別された場合に、測定された吸光率と、利用者に対応する基準値とに基づき利用者の酒気帯び状態を判定することで、複数の利用者が車両を利用する場合であっても、識別された利用者の基準値を特定して酒気帯び状態の判定を行うことができるため、精度良く利用者の酒気帯び状態を判定することができる。
(2)この車両用生体認証装置は、前記生体情報取得部は、前記利用者にエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の赤外光を照射することによって得られる赤外光の画像から、前記第1の生体情報として利用者の静脈パターンを取得し、前記吸光率測定部は、前記赤外光の画像に基づいて、利用者の前記吸光率を測定してもよい。
本形態によれば、利用者からの赤外光の画像に基づき利用者の識別と利用者の非酒気帯び状態の判定とを行うことができるため、第1の生体情報を取得するイメージセンサーと第2の生体情報を取得するイメージセンサーを共通化することができ、装置の構成を簡素化することができる。
(3)この車両用生体認証装置は、前記記憶部は、前記基準値として、登録者の非酒気帯び状態で取得した前記吸光率を記憶し、前記酒気帯び状態判定部は、前記利用者が前記登録者であると識別された場合に、測定された前記吸光率と、前記利用者に対応する前記照合用の第1の生体情報に関連付けられている吸光率との差に基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定してもよい。
本形態によれば、利用者が登録者であると識別された場合に、測定された吸光率と、登録者の非酒気帯び状態での吸光率との差に基づいて、利用者の酒気帯び状態を判定することで、外乱物質による影響を排除して精度良く利用者の酒気帯び状態を判定することができる。
(4)この車両用生体認証装置は、前記記憶部は、前記基準値として、登録者の非酒気帯び状態で取得した前記吸光率から推定した血中アルコール濃度を記憶し、前記酒気帯び状態判定部は、前記利用者が前記登録者であると識別された場合に、測定された前記吸光率から推定した血中アルコール濃度と、前記利用者に対応する前記照合用の第1の生体情報に関連付けられている血中アルコール濃度との差に基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定してもよい。
本形態によれば、利用者が登録者であると識別された場合に、測定された吸光率に基づき推定した血中アルコール濃度と、登録者の非酒気帯び状態での血中アルコール濃度との差に基づいて、利用者の酒気帯び状態を判定することで、外乱物質による影響を排除して精度良く利用者の酒気帯び状態を判定することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。
1.構成
図1に、本実施形態に係る生体認証装置(車両用生体認証装置)の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の生体認証装置は図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
図1に、本実施形態に係る生体認証装置(車両用生体認証装置)の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の生体認証装置は図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
図1に示す生体認証装置1は、生体情報取得部10、処理部20、記憶部30を含む。
生体情報取得部10は、利用者を識別することに用いる第1の生体情報(例えば、利用者の静脈パターン、指紋、虹彩画像、顔画像)と、利用者の酒気帯び状態を判定することに用いる第2の生体情報(利用者のエチルアルコールの吸収波長を含む1つ以上の波長の赤外光の画像)とを取得するものであり、その機能は、第1の生体情報を取得するための静脈センサー等のイメージセンサー或いは指紋センサーと、第2の生体情報を取得するための赤外線イメージセンサーにより実現することができる。また、生体情報取得部10を、1つのイメージセンサーで構成して、このイメージセンサーが第1及び第2の生体情報を取得するようにしてもよい。例えば、生体情報取得部10が、利用者にエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の赤外光を照射することによって得られる赤外光の画像を第2の生体情報として取得するとともに、この赤外光の画像を静脈パターン(第1の生体情報)として取得するように構成してもよい。
記憶部30は、照合用の第1の生体情報と、前記照合用の第1の生体情報を有する登録者の非酒気帯び状態で取得した吸光率(登録者のエチルアルコールの吸収波長を含む1つ以上の波長の吸光率)に基づく基準値とを関連付けて登録データとして記憶する。また記憶部30は、基準値として、登録者の非酒気帯び状態で取得した吸光率を記憶してもよいし、基準値として、登録者の非酒気帯び状態で取得した吸光率から推定した血中アルコール濃度を記憶してもよい。また、記憶部30には、処理部20の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムが記憶される。記憶部30の機能は、ROMなどの不揮発性メモリー、RAM、ハードディスクなどにより実現できる。
処理部20は、記憶部30をワーク領域として、第1の生体情報から特徴量を抽出する処理、照合用の第1の生体情報及び前記基準値とを登録する処理、利用者の識別処理、吸光率測定処理、酒気帯び状態判定処理、エンジン始動制御などの処理を行う。処理部20の機能はCPUなどのプロセッサーや、プログラムにより実現できる。
処理部20は、特徴抽出部22、識別部24、吸光率測定部25、酒気帯び状態判定部26、エンジン始動制御部27、登録部28を含む。
特徴抽出部22は、生体情報取得部10によって取得された第1の生体情報から特徴量を抽出する処理を行う。例えば、第1の生体情報として画像データを取得した場合には、画像データに対してエッジ強調フィルタ等を用いて畳み込み演算を行うことで特徴量を抽出してもよいし、画像データを複数のブロックに分割し、各ブロックの輝度値の平均値と分散値を特徴量として抽出してもよい。
識別部24は、生体情報取得部10によって取得された第1の生体情報(又は、第1の生体情報から抽出された特徴量)と、記憶部30に記憶された照合用の第1の生体情報(又は、第1の生体情報から抽出された特徴量)とを照合することで、利用者が登録者であるか否かを識別する処理を行う。例えば、識別部24は、生体情報取得部10によって取得された第1の生体情報と記憶部30に記憶された照合用の第1の生体情報との差分を算出し、算出した差分の絶対値が所定の閾値よりも小さい場合に両者が一致すると判断して、利用者が登録者であると識別してもよい。
吸光率測定部25は、生体情報取得部10によって取得された第2の生体情報(利用者のエチルアルコールの吸収波長を含む1つ以上の波長の赤外光の画像)に基づいて、利用者のエチルアルコールの吸収波長を含む1つ以上の波長の吸光率を測定する。
酒気帯び状態判定部26は、識別部24によって利用者が登録者であると識別された場合に、吸光率測定部25によって測定された吸光率と、前記利用者に対応する照合用の第1の生体情報に関連付けられている基準値とに基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定する。
また、酒気帯び状態判定部26は、識別部24によって利用者が登録者であると識別された場合に、測定された吸光率と、前記利用者に対応する照合用の第1の生体情報に関連付けられている吸光率(基準値の一例)との差に基づいて、前記利用者の血中アルコール濃度を推定し、推定した血中アルコール濃度に基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定してもよい。ここで、血中アルコール濃度とは、単位量の血液中に含まれるエチルアルコールの量である。
また、酒気帯び状態判定部26は、識別部24によって利用者が登録者であると識別された場合に、測定された吸光率から推定した血中アルコール濃度と、前記利用者に対応する照合用の第1の生体情報に関連付けられている血中アルコール濃度(基準値の一例)との差に基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定してもよい。
エンジン始動制御部27(原動機始動制御部)は、酒気帯び状態の判定結果に基づいて、自動車のエンジン始動(車両の原動機始動)を制御する。すなわち、エンジン始動制御部27は、酒気帯び状態判定部26によって、利用者(登録者であると識別された利用者)が酒気帯び状態でないと判定された場合に、自動車に備わるエンジン制御装置42に対して、エンジンを始動するための制御信号を出力する。なお、自動車が電気自動車の場合は、エンジン始動の制御に替えてモーター始動の制御を行う。この場合は、電気自動車に備わるモーター制御装置に対して、モーターを始動するための制御信号を出力することとなる。
また、エンジン始動制御部27は、酒気帯び状態判定部26によって、利用者(登録者であると識別された利用者)が酒気帯び状態であると判定された場合には、エンジン制御装置42に対して、エンジンを始動するための制御信号を出力しない。
登録部28は、照合用の第1の生体情報と、前記照合用の第1の生体情報を有する登録者の非酒気帯び状態で取得した吸光率に基づく基準値とを関連付けて登録する処理を行う。すなわち、登録部28は、生体情報取得部10によって取得された登録者の第1の生体情報(又は、第1の生体情報から抽出された特徴量)と前記基準値とを、登録者の照合用の第1の生体情報及び登録者の基準値として記憶部30に記憶させる処理を行う。
2.動作
次に、本実施形態に係る生体認証装置1の動作について図面を用いて説明する。なお以下では、第1の生体情報として静脈パターンを用いた場合について説明する。
次に、本実施形態に係る生体認証装置1の動作について図面を用いて説明する。なお以下では、第1の生体情報として静脈パターンを用いた場合について説明する。
2−1.登録処理
本実施形態では、登録者(登録対象となる利用者)は、自動車の車内或いはドアノブ等に設けられた静脈センサー及び赤外線イメージセンサー(生体情報取得部10の一例)を用いて、登録対象となる利用者の静脈パターン(照合用の第1の生体情報の一例)と、該利用者の酒気帯び状態判定に用いる基準値とを登録することができる。なお静脈パターンと基準値の登録は、登録対象となる利用者が非酒気帯び状態(非飲酒状態)であるときに行う。
本実施形態では、登録者(登録対象となる利用者)は、自動車の車内或いはドアノブ等に設けられた静脈センサー及び赤外線イメージセンサー(生体情報取得部10の一例)を用いて、登録対象となる利用者の静脈パターン(照合用の第1の生体情報の一例)と、該利用者の酒気帯び状態判定に用いる基準値とを登録することができる。なお静脈パターンと基準値の登録は、登録対象となる利用者が非酒気帯び状態(非飲酒状態)であるときに行う。
図2は、登録処理の一例を示すフローチャート図である。
まず、静脈センサーは、登録対象となる利用者(登録者)の静脈画像を取得する(ステップS10)。次に、特徴抽出部22は、取得した静脈画像の特徴量を抽出して静脈パターンを取得する処理を行う(ステップS12)。つまり、ここでの「静脈パターン」とは、画像から抽出された特徴量によって表される、登録者または利用者の静脈を特徴付ける情報である。
次に、赤外線イメージセンサーは、登録者のエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の赤外光の画像を取得する(ステップS14)。例えば、エチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の赤外光を出射する光源を用いて登録者の肌が露出している部分(例えば、登録者の指や顔)に対して該赤外光を照射したときの、登録者から反射される赤外光の画像を取得する。
次に、吸光率測定部25は、ステップS14で取得された赤外光の画像に基づき、登録者の非酒気帯び状態でのエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の吸光率を測定する(ステップS16)。例えば、光源から出射される赤外光の強度と、取得された赤外光の画像における各画素から求められる受光量(各画素値の平均値)に基づき、前記吸光率を測定する。ここで、受光量Oと、光源の光強度Pと、物質の量Tと、単位量あたりの吸光率Aの間には、
O=P・AT (1)
の関係が成り立つので、本実施形態においては式(1)を用いて吸光率Aを算出する。
O=P・AT (1)
の関係が成り立つので、本実施形態においては式(1)を用いて吸光率Aを算出する。
次に、登録部28は、ステップS12で取得された照合用の静脈パターンと、ステップS16で測定した吸光率(基準値)とを、登録者の照合用の静脈パターンと、登録者の吸光率(基準値)として、記憶部30に保存する処理を行う(ステップS18)。
図3に示すように、記憶部30には、各登録者の照合用の静脈パターンが記憶される。図3に示す例では、登録者ID「1」〜「3」の各登録者の静脈パターンが記憶されている。なお、登録される登録者は1人であってもよい。
また、図4(A)に示すように、記憶部30には、各登録者の非酒気帯び状態でのエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の吸光率である基準値が記憶される。図3に示す照合用の静脈パターンと図4(A)に示す基準値は、登録者IDによって関連付けられている。ここで、基準値として登録された吸光率は、非酒気帯び状態での登録者の吸光率であるから、飲酒によるエチルアルコールが登録者の体内に含まれない状態における、登録者の吸光率である。従って、基準値として登録された吸光率は、エチルアルコールと同じ波長帯域に吸収波長をもつ外乱物質による影響を受けた吸光率であるとみなすことができる。
なお、図4(B)に示すように、エチルアルコールの吸収波長を含む波長帯1の吸光率に加えて、波長帯1とは異なる1つ以上の波長帯の吸光率を基準値として登録するようにしてもよい。この場合には、図2のステップS14において、波長が異なる複数の光源、透過波長がそれぞれ異なる複数のフィルタ、又は波長可変フィルタ等を用いて、エチルアルコールの吸収波長を含む波長帯1の赤外光の画像に加えて、波長帯1とは異なる1つ以上の波長帯の赤外光の画像を取得し、図2のステップS16において、取得した複数の画像から各波長帯の吸光率を測定すればよい。
また、図4(C)に示すように、基準値として吸光率を記憶することに代えて、測定した吸光率に基づき血中アルコール濃度を推定し、推定した血中アルコール濃度を基準値として登録するようにしてもよい。この場合には、例えば、予め多数の被験者について測定した吸光率と血中アルコール濃度の関係をルックアップテーブル(LUT)として記憶部30に記憶しておき、このLUTを参照して、図2のステップS16で測定した吸光率に対応する血中アルコール濃度を求めればよい。ここで、基準値として登録された血中アルコール濃度は、非酒気帯び状態での利用者の吸光率から推定された血中アルコール濃度であるから、エチルアルコールと同じ波長帯域に吸収波長をもつ外乱物質が原因となって誤検出された血中アルコール濃度であるとみなすことができる。
2−2.認証処理
本実施形態では、登録された利用者(登録者)は、自動車のエンジン始動の操作を行う際に、自動車の車内に設けられた静脈センサーを用いて生体認証を行うとともに、赤外線イメージセンサーを用いて酒気帯び状態の判定を行うことで、エンジンを始動させることができる。
本実施形態では、登録された利用者(登録者)は、自動車のエンジン始動の操作を行う際に、自動車の車内に設けられた静脈センサーを用いて生体認証を行うとともに、赤外線イメージセンサーを用いて酒気帯び状態の判定を行うことで、エンジンを始動させることができる。
図5は、認証処理の一例を示すフローチャート図である。
まず、静脈センサーは、利用者の静脈画像を取得する(ステップS20)。次に、特徴抽出部22は、取得した静脈画像の特徴量を抽出して静脈パターンを取得する処理を行う(ステップS22)。ステップS20は登録処理のステップS10と、ステップS22は登録処理のステップS12と、それぞれ実質的に同様である。本実施形態においては、登録処理と認証処理を同一の生体認証装置1を用いて行う例を説明するが、登録部は生体認証装置1とは別体であってもよい。
次に、識別部24は、取得された静脈パターンと、図3に示すような登録された照合用の静脈パターンとを照合し(ステップS24)、登録された静脈パターンのうち、取得された静脈パターンと一致するものがあるか否かを判断する(ステップS26)。ここで、取得された静脈パターンと登録された静脈パターンとの差分の絶対値が所定の閾値未満である場合に、両静脈パターンが一致すると判断してもよい。
ステップS26において、一致すると判断された場合(ステップS26:Yes)には、赤外線イメージセンサーは、登録者であると識別された利用者のエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の赤外光の画像を取得する(ステップS28)。次に、吸光率測定部25は、取得された赤外光の画像に基づき、登録者であると識別された利用者のエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の吸光率を測定する(ステップS30)。
次に、酒気帯び状態判定部26は、図4(A)に示すような登録された各登録者の基準値を参照して、登録者であると識別された利用者に対応する登録者の基準値を取得し、ステップS30で測定された吸光率から、登録者であると識別された利用者の基準値を減算する(ステップS32)。例えば、ステップS22で取得された静脈パターンが登録者ID「1」の静脈パターンと一致した場合には、登録者であると識別された利用者の基準値として登録者ID「1」の基準値l1を取得し、測定された吸光率lOから基準値l1を減算して新たな吸光率lを得る。
次に、酒気帯び状態判定部26は、減算して得られた吸光率lに基づき登録者であると識別された利用者の血中アルコール濃度を推定する(ステップS34)。例えば、予め、多数(n人)の被験者についてエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の吸光率li(i=1,2,・・,n)と、その際の血中アルコール濃度Ci(i=1,2,・・,n)を測定しておく。そして、測定した吸光率liと血中アルコール濃度Ciの関係をルックアップテーブル(LUT)として記憶部30に記憶しておき、このLUTを参照して、減算して得られた吸光率lに対応する血中アルコール濃度Cを求める。なお、LUTに、減算して得られた吸光率lと一致する値がない場合には、近傍の値から補完して血中アルコール濃度Cを求める。
また、予め測定した吸光率liと血中アルコール濃度Ciの関係を指数関数的な関係と捉えて、
log(li)=Cilog(lbase) (2)
が成り立つと仮定し、回帰分析によってlog(lbase)を推定してもよい。なお、lbaseは、単位アルコール濃度あたりの吸光率を示す。そして、減算して得られた吸光率lを、
Ci=log(li)/log(lbase) (3)
の変数liに代入して血中アルコール濃度Cを求めてもよい。
log(li)=Cilog(lbase) (2)
が成り立つと仮定し、回帰分析によってlog(lbase)を推定してもよい。なお、lbaseは、単位アルコール濃度あたりの吸光率を示す。そして、減算して得られた吸光率lを、
Ci=log(li)/log(lbase) (3)
の変数liに代入して血中アルコール濃度Cを求めてもよい。
また、予め測定した吸光率liと血中アルコール濃度Ciの関係を多項式で近似して、
Ci=a0+a1li+a2(li)2+・・ (4)
が成り立つと仮定し、回帰分析によって係数a0,a1,a2,・・を推定してもよい。そして、減算して得られた吸光率lを、式(4)の変数liに代入して血中アルコール濃度Cを求めてもよい。
Ci=a0+a1li+a2(li)2+・・ (4)
が成り立つと仮定し、回帰分析によって係数a0,a1,a2,・・を推定してもよい。そして、減算して得られた吸光率lを、式(4)の変数liに代入して血中アルコール濃度Cを求めてもよい。
次に、酒気帯び状態判定部26は、ステップS34で推定した血中アルコール濃度Cが所定の閾値以下であるか否かを判断し(ステップS36)、血中アルコール濃度Cが所定の閾値以下である(すなわち、登録者であると識別された利用者が酒気帯び状態でない)と判断された場合(ステップS36:Yes)には、エンジン始動制御部27は、エンジン制御装置42に対してエンジンを始動するための制御信号を送信する(ステップS38)。
一方、ステップS26で静脈パターンが一致しないと判断された場合(ステップS26:No)、及び、ステップS36で血中アルコール濃度が所定の閾値以下でない(すなわち、登録者であると識別された利用者が酒気帯び状態である)と判断された場合(ステップS36:No)には、処理部20は、車内のディスプレイにエラー表示を行う等のエラー処理を行い(ステップS40)、認証処理を終了する。
このように、本実施形態によれば、非酒気帯び状態での利用者のエチルアルコールの吸収波長の吸光率(エチルアルコールと同じ波長帯域に吸収波長をもつ外乱物質による影響を受けた吸光率)を基準値として登録しておき、認証時に測定された吸光率から基準値を減算して得られる値に基づいて利用者の血中アルコール濃度を推定し、推定した血中アルコール濃度に基づき利用者の酒気帯び状態を判定することで、外乱物質による影響を排除して精度良く利用者の酒気帯び状態を判定することができる。また、本実施形態によれば、利用者を識別することに用いる第1の生体情報と関連付けて各登録者の基準値を登録しておき、第1の生体情報を用いた生体認証により利用者が登録者であるか否かを識別し、登録者であると識別された利用者の基準値を用いて、登録者であると識別された利用者の血中アルコール濃度を推定することで、複数の利用者が自動車を利用する場合であっても、個人差のある外乱物質による影響を排除して精度良く利用者の酒気帯び状態を判定することができる。
なお、図4(B)に示すように、エチルアルコールの吸収波長を含む波長帯1の吸光率に加えて、波長帯1とは異なる1つ以上の波長帯の吸光率を基準値として登録した場合には、図5のステップS28において、エチルアルコールの吸収波長を含む波長帯1の赤外光の画像に加えて、波長帯1とは異なる1つ以上の波長帯の赤外光の画像を取得し、図5のステップS30において、取得した複数の画像から各波長帯の吸光率を測定し、図5のステップS32において、測定した各波長帯の吸光率から、登録者であると識別された利用者の基準値として登録された各波長帯の吸光率を減算すればよい。
また、図4(C)に示すように、非酒気帯び状態での登録者の血中アルコール濃度を基準値として登録した場合には、図5のステップS32、S34の処理に代えて、ステップS30で測定した吸光率lOに基づき登録者であると識別された利用者の血中アルコール濃度COを上述した手法で推定し、推定した血中アルコール濃度COから、登録者であると識別された利用者の基準値として登録された血中アルコール濃度を減算する処理を行えばよい。例えば、取得された静脈パターンが登録者ID「1」の静脈パターンと一致した場合には、登録者であると識別された利用者の基準値として登録者ID「1」の基準値C1を取得し、推定した血中アルコール濃度COから基準値C1を減算して新たな血中アルコール濃度Cを得る。このように、非酒気帯び状態での登録者の血中アルコール濃度(外乱物質によって誤検出されたアルコール濃度)を基準値として登録しておき、認証時に推定された血中アルコール濃度から基準値を減算して得られる血中アルコール濃度に基づき利用者の酒気帯び状態を判定することで、登録者の吸光率を登録する場合と同様に、外乱物質による影響を排除して精度良く利用者の酒気帯び状態を判定することができる。
なお、赤外線イメージセンサーが、図5のステップS20において利用者の静脈画像(第1の生体情報)を取得するとともに、図5のステップS28において利用者からのエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の赤外光の画像(第1の生体情報)を取得するようにしてもよい。このように、第1の生体情報を取得するイメージセンサーと第2の生体情報を取得するイメージセンサーとを共通化することで、装置の構成を簡素化することができる。
3.変形例
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、前記実施形態では、認証時に測定した吸光率と基準値に基づき利用者の血中アルコール濃度を推定し、推定した血中アルコール濃度に基づき利用者の酒気帯び状態を判定する場合について説明したが、利用者の血中アルコール濃度を推定せずに、利用者の酒気帯び状態を判定してもよい。例えば、認証時に測定した吸光率から基準値を減算して得られる値が、所定の閾値以下である場合に酒気帯び状態でないと判定し、所定の閾値よりも大きい値である場合に酒気帯び状態であると判定してもよい。
また、前記実施形態では、エチルアルコールの吸収波長の吸光率或いは血中アルコール濃度を基準値として登録する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、登録時に、登録者の赤外光の複数の波長帯の吸収率から、登録者の体(光を照射した箇所)の既知の成分(エチルアルコール、水、たんぱく質、脂質など)を検量し、既知の成分に該当する吸光率(或いは濃度)を除いた残りの吸光率と、エチルアルコールの吸収波長の吸光率とを基準値として登録し、認証時に、測定した各波長帯の吸光率から基準値を減算して、利用者の毛細血管中のアルコールと水の成分を検量して利用者の血中アルコール濃度(血中アルコール濃度=アルコール量/(水の量+アルコール量))を推定してもよい。
また、前記実施形態では、自動車用の生体認証装置として説明したが、自動車に限らず、他の車両用の生体認証装置でもよい。例えば、自動二輪車、船舶、飛行機、ヘリコプター等に用いる生体認証装置でもよい。
1 生体認証装置、10 生体情報取得部、20 処理部、22 特徴抽出部、24 識別部、25 吸光率測定部、26 酒気帯び状態判定部、27 エンジン始動制御部、28 登録部、30 記憶部、42 エンジン制御装置
Claims (4)
- 利用者を識別することに用いる第1の生体情報と、利用者の酒気帯び状態を判定することに用いる第2の生体情報とを取得する生体情報取得部と、
取得された前記第2の生体情報に基づいて、前記利用者のエチルアルコールの吸収波長を含む1つ以上の波長の吸光率を測定する吸光率測定部と、
照合用の第1の生体情報と、前記照合用の第1の生体情報を有する登録者の非酒気帯び状態で取得した前記吸光率に基づく基準値とを関連付けて記憶する記憶部と、
取得された第1の生体情報と、前記照合用の第1の生体情報とを照合して、前記利用者が前記登録者であるか否かを識別する識別部と、
前記利用者が前記登録者であると識別された場合に、測定された前記吸光率と、前記利用者に対応する前記照合用の第1の生体情報に関連付けられている基準値とに基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定する酒気帯び状態判定部と、
前記酒気帯び状態の判定結果に基づいて、車両の原動機始動を制御する原動機始動制御部と、を含む、車両用生体認証装置。 - 請求項1において、
前記生体情報取得部は、
前記利用者にエチルアルコールの吸収波長を含む波長帯の赤外光を照射することによって得られる赤外光の画像から、前記第1の生体情報として利用者の静脈パターンを取得し、
前記吸光率測定部は、
前記赤外光の画像に基づいて、前記利用者の前記吸光率を測定する、車両用生体認証装置。 - 請求項1又は2において、
前記記憶部は、
前記基準値として、前記登録者の非酒気帯び状態で取得した前記吸光率を記憶し、
前記酒気帯び状態判定部は、
前記利用者が前記登録者であると識別された場合に、測定された前記吸光率と、前記利用者に対応する前記照合用の第1の生体情報に関連付けられている吸光率との差に基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定する、車両用生体認証装置。 - 請求項1又は2において、
前記記憶部は、
前記基準値として、前記登録者の非酒気帯び状態で取得した前記吸光率から推定した血中アルコール濃度を記憶し、
前記酒気帯び状態判定部は、
前記利用者が前記登録者であると識別された場合に、測定された前記吸光率から推定した血中アルコール濃度と、前記利用者に対応する前記照合用の第1の生体情報に関連付けられている血中アルコール濃度との差に基づいて、前記利用者の酒気帯び状態を判定する、車両用生体認証装置。
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|---|---|---|---|---|
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