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JP2012216368A - 耐アーク電気接点およびその製造方法、並びに耐アーク電気接点を用いた開閉器 - Google Patents

耐アーク電気接点およびその製造方法、並びに耐アーク電気接点を用いた開閉器 Download PDF

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JP2012216368A
JP2012216368A JP2011080008A JP2011080008A JP2012216368A JP 2012216368 A JP2012216368 A JP 2012216368A JP 2011080008 A JP2011080008 A JP 2011080008A JP 2011080008 A JP2011080008 A JP 2011080008A JP 2012216368 A JP2012216368 A JP 2012216368A
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Toshiyuki Uchii
敏之 内井
Akira Shimamura
旭 島村
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

【課題】構造面からのごく簡単な方法により、高価な材料の使用量を減らしつつ接点の損耗を抑止可能であり、低コスト化および長寿命化を図った耐アーク電気接点を提供する。
【解決手段】耐弧金属部19が接点母材20の先端部に鞘状に取り付けられて耐アーク電気接点が構成される。耐弧金属部19は接点母材20の先端部分を覆うように、接点母材20の表層部分に限定して形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、開閉器に用いられる耐アーク電気接点およびその製造方法、並びに耐アーク電気接点を用いた開閉器に関するものである。
電流遮断機能を有する開閉器には、その使用目的や必要とされる機能に応じて、負荷開閉器、断路器、遮断器など様々なものが存在する。これらの開閉器では、ガス中に1対の接点を設けており、両接点を接触状態に保つことで通電を行っている。
また開閉器では、接触状態にある両接点を開離させて前記ガス中にアーク放電を発生させ、そのアークを消弧することで電流を遮断する。このため、開閉器の接点には耐アークに優れた電気接点が採用されている。ここで、耐アーク電気接点の構造を説明する前に、耐アーク電気接点を備えた開閉器の構成について、図8を用いて説明する。
(開閉器の構成)
図8は、高電圧送電系統(72KV以上)の保護用開閉器として広く使用されるパッファ形ガス遮断器の断面構造図の一例である。図8において、各構成部品は基本的に同軸円筒形状である。また、中心線(一点鎖線)より上半分は遮断器投入状態すなわち接点の接触による通電状態を、中心線より下半分は接点が開離する電流遮断動作中の状態を、それぞれ示している。
図8に示すように、パッファ形ガス遮断器には接地された金属などからなる密閉容器1が設けられている。密閉容器1内には、絶縁性能およびアーク消弧性能の高いSFガスなどの消弧ガスAが充填されると共に、固定接点部2および可動接点部3が対向配置されている。固定接点部2は、密閉容器1内に絶縁固定され、固定通電接点2a、固定アーク接点2bから構成されている。
可動接点部3は、密閉容器1内で軸方向に移動可能であり、かつ密閉容器1から絶縁支持されて設置されている。可動接点部3は、可動通電接点3a、可動アーク接点3b、絶縁ノズル3c、パッファシリンダー3dが、ピストンロッド3eに取付けられて構成されている。パッファシリンダー3dには、密閉容器1内に固定されたピストン7が摺動自在に収納されている。
ピストンロッド3eには駆動装置5内の可動部が連結されており、可動接点部3の可動性は、ピストンロッド3eが絶縁操作棒(図示せず)を介して駆動装置5内の可動部から駆動力を受けることで達成される。なお、図7中の符号4a、4bは、図示してないブッシングを介して電流を外部に引き出すための導体である。
(開閉器の電流遮断動作)
続いて、以上のようなパッファ形ガス遮断器の電流遮断動作について述べる。遮断器投入時には、固定アーク接点2bおよび可動アーク接点3bは接触導通状態にある。
この状態からガス遮断器が電流遮断動作を開始すると、駆動装置5の駆動力を受けて可動接点部3が図7中の右方向に移動し、両接点2b、3bが相対移動して開離する。このとき、両接点2b、3b間には導電性のアーク6が発生する。
さらに、電流遮断動作が進むと、ピストン7がパッファシリンダー3dの内部空間からなる蓄圧空間を圧縮して同部の圧力を上昇させる。これにより、パッファシリンダー3d内に存在する消弧ガスAが高圧力のガス流8となる。ガス流8は、絶縁ノズル3cによって整流され、アーク接点2b、3b間に発生したアーク6に対して強力に吹付けられる。このようにガス流8を吹付けることで、両接点2b、3b間に発生したアーク6を消滅させ、電流を遮断することができる。
(耐アーク電気接点の構造)
次に、耐アーク電気接点の構造について、上記パッファ形ガス遮断器の固定アーク接点2bを例に取り、図9を用いて説明する。図9に示すように、固定アーク接点2bは、接点の主材料である接点母材10が設けられており、アーク6が直接接触する接点先端部には耐弧金属部9が配置されている。
耐弧金属部9および接点母材10は共に、径寸法が同一である中実の円筒状部材から構成され、両者間の導電性を確保しつつ一体的に接合されている。なお、図9中のφDは耐弧金属部9の径寸法、Lは耐弧金属部9の軸方向長さ寸法を示している。
耐弧金属部9の材料としては、アーク6が直接接触するので融点の高い金属を主体とした合金、例えば、タングステンに銅を溶浸して製造した銅タングステン合金などが多く採用されている。一方、接点母材10の材料としては、耐弧金属部9よりも融点の低い金属を主体とし、その上で、通電性並びに耐弧金属部9との接合性が良好であることや低コストであることが望ましい。これらの要望を満たす接点母材10として、銅もしくは銅を主体とした合金、あるいは鉄などが多用されている。
(耐アーク電気接点の損耗)
ところで、上記の構造を持つ耐アーク電気接点では、高温のアーク遮断に伴う損耗が問題となっている。すなわち、接点2b先端部の耐弧金属部9は通常、高融点材料からなるが、高温のアーク6と繰り返し接触するので、その先端部がアーク6により溶融することは避けがたい。その結果、耐弧金属部9の先端部表面には金属が抜けて微細な亀裂11が発生した。
また、接点2bの基部側に位置する接点母材10には、耐弧金属部9とは異なり、アーク6が接触しないものの、アーク6に晒されて高温となったガス流8が、電流遮断動作のたびに吹付けられる。したがって、耐弧金属部9よりも低融点である接点母材10では、耐弧金属部9とのつなぎ目周辺に、浅い窪みとなる溶損12(図9に点線で図示)が生じる場合があった。
耐弧金属部9の亀裂11や接点母材10の溶損12が進行して接点2bの損耗が激しくなると、両接点2b、3b間の接触不良などが起きるおそれがあり、ガス遮断器の性能維持が困難となる。このようなアーク遮断に伴う接点の損耗は、固定アーク接点2bに限ったことではなく、可動アーク接点3bはもちろんのこと、ガス中に点弧したアークを消滅させて電流遮断を行う方式の開閉器(断路器や負荷開閉器など)に用いられる耐アーク電気接点であれば、共通の問題である。
(耐アーク電気接点の従来例)
そこで従来から、高温アークによる損耗を抑制する耐アーク電気接点が種々提案されている。例えば、特許文献1においては、銅タングステン合金にカルシウムを添加することで、アーク6による耐弧金属部9の損耗量を抑えている。これにより、耐弧金属部9先端に亀裂11が発生することを防ぐことができる。
また、接点母材10に発生する溶損12を回避する技術としては、耐弧金属部9の軸方向長さ寸法Lを伸ばし、耐弧金属部9とのつなぎ目である接点母材10の先端部を、アーク6から遠ざけることが有効である。具体的には図10に示すような接点20bが考えられる。
接点20bでは、軸方向長さ寸法Lを伸ばした耐弧金属部39を有している点に特徴がある。耐弧金属部39の軸方向長さ寸法Lは、遮断器投入状態の完了位置(最投入位置)であっても、可動アーク接点3bの先端部分が、接点母材10の先端部に達することがない長さに設定されている。
このような接点20bによれば、耐弧金属部39と接点母材10とのつなぎ目部分が熱源であるアーク6から遠いため、アーク6に晒されたガス流8が吹付けられても、溶損12(点線にて示す)が発生し難い。また、たとえ溶損12が発生したとしても、可動アーク接点3bの先端部分が、接点母材10の先端部に達することがないので、両接点20b、3b間の接触導通を確実に維持することができる。
特開2003−160828号公報
ところで近年は、開閉器のコンパクト化が進んでおり、それに伴って耐アーク電気接点の径寸法も小さくなっている。このため、接点の先端部分における単位面積当たりのアーク熱量は増大し、耐アーク電気接点の受ける熱的ストレスは過酷化する傾向にある。
また、開閉器には常にアーク遮断能力向上が求められており、これに対応すべく、アークに吹付けるガスの高圧化が図られている。そこで、開閉器の電流遮断方式としては、図8に示したパッファ形ガス遮断器の方式が主流になりつつある。すなわち、図8の方式では、ピストン7による機械的圧縮に加えて、アーク6自体の熱を利用して、パッファシリンダー3d内の圧力を高め、アーク6に吹付けるガス流8の高圧化を図っている。
ところが、この方式を採用する開閉器では、ガス流8の高圧化に際してアークの熱を利用するので、アーク接点2b、3bの周辺温度は上昇した。この結果、アーク接点2b、3bの受ける熱的ストレスは非常に過酷になっていた。
以上述べたように、開閉器のコンパクト化やアークへの吹付けガスの高圧化が進展する現在、耐アーク電気接点が晒される熱的環境は、ますます過酷化している。このような状況の下、耐アーク電気接点においては、高温のアーク遮断に伴う接点損耗を抑えることがいっそう強く要請されていた。
また、耐アーク電気接点の課題としては、耐弧金属部9にタングステンなどの高価な希少金属を利用するので、高価であることが指摘されている。特に、開発途上国での電力インフラ設備の拡充が盛んに行われている昨今では、耐アーク電気接点の低コスト化を実現することが待たれていた。
以上述べたように、耐アーク電気接点およびそれを用いた開閉器では、熱的環境の過酷度が増す状況にあっても接点損耗を確実に抑止することと、経済性を損なう要因を極力排除して低コスト化を実現することが大きな課題となっていた。
本実施形態の耐アーク電気接点およびその製造方法、並びに耐アーク電気接点を用いた開閉器は、このような課題を解決するためになされたものであって、構造面からのごく簡単な方法により、高価な材料の使用量を減らしつつ接点の損耗を抑止可能であり、保守点検の簡素化および接点の長寿命化に寄与すると共に、低コスト化を実現して経済性の向上を図ることを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本実施形態の耐アーク電気接点は、電流遮断時に発生するアークが接触する耐弧金属部と、この耐弧金属部よりも融点の低い金属を主体とする接点母材とから構成されており、前記耐弧金属部は前記接点母材の先端部分を覆うように当該接点母材の表層部分に限定して形成されたことを特徴としている。
本発明の実施形態である耐アーク電気接点の断面図。 本発明の実施形態である耐アーク電気接点の製造方法を説明するための模式図。 本発明の実施形態である耐アーク電気接点の製造方法を説明するための模式図。 本実施形態の耐弧金属部の厚さ寸法dを決定するためのデータを示すグラフ。 本実施形態の耐弧金属部の軸方向長さ寸法Lを決定するためのデータを示すグラフ。 本実施形態と従来例におけるアーク遮断後の接点損耗量を比較したグラフ。 本発明に係る他の実施形態を示す断面図。 開閉器の一例であるパッファ形ガス遮断器の断面構造図。 従来の耐アーク電気接点の断面図。 従来の耐アーク電気接点の耐弧金属部の軸方向長さ寸法Lを決定する一つの方法を示す模式図。
(1)構成
以下、本発明の実施形態である耐アーク電気接点の構成について、図1を参照して具体的に説明する。本実施形態の耐アーク電気接点は、図9に示した従来例と同様、図8のパッファ形ガス遮断器の固定アーク接点2bに適用したものである。
すなわち、本実施形態を採用する開閉器は、図8に示したパッファ形ガス遮断器であり、特にアーク遮断能力を高めるために、ピストン7による機械的圧縮に加え、アーク6自体の熱でパッファシリンダー3d内の圧力を高める方式のものである。
図1に示すように、本実施形態の耐アーク電気接点は、外観的には図9に示した固定アーク接点2bと同じく円筒形状であるが、耐弧金属部19が接点母材20の先端部に鞘状に取り付けられている点に特徴がある。
耐弧金属部19は、形状的には試験管に似た部材であって、接点母材20の先端部分を全体的に覆うように、接点母材20の表層部分に限定して形成されている。耐弧金属部19の厚み寸法d(mm)は、先端部分と円筒形状部分とで均一に形成されている。
また、耐弧金属部19の内部形状と、接点母材20の先端部の外部形状とは合致し、両者は隙間無く接触するようになっている。つまり、接点母材20において耐弧金属部19に覆われる先端部分は、耐弧金属部19の円筒部分の厚さ寸法dの分だけ細く形成される。さらに、接点母材20先端部分の曲面は、耐弧金属部19の先端部分の曲面と一致するように形成されている。
(2)耐弧金属部19の厚み寸法
耐弧金属部19の厚み寸法d(mm)は、次の(式1)で決定される値以上に規定され、ここではその最小値が選択される。
[数1]
d(mm)>0.0024×[I /S]×[Tmax 1.5]…(式1)
(式1)の右辺において、I(kA)は開閉器の定格遮断電流であり、I 1.5は定格遮断電流Iが通電された際にアークに注入されるエネルギーに略比例した量である。また、S(mm)は耐弧金属部19がアーク6と接しうる面積であって、耐弧金属部19の直径をφD(mm)とした場合、SはπD/4から求められる。なお、耐弧金属部19の厚み寸法dは、「接点母材20を覆うように表層部分に限定して形成する」という趣旨から、d<φD/2という上限値を与えるようにしても良い。
max(ms)は開閉器の定格遮断電流における最長のアーク点弧時間であり、当該開閉器の規格で求められる形式試験において決定されるものである。Tmaxのべき乗数1.5は、アーク点弧時間に対するアーク接点周辺での熱蓄積の程度を一般化した係数である。
(3)耐弧金属部19の軸方向長さ寸法
さらに耐弧金属部19の軸方向長さ寸法L(mm)は、以下の(式2)で決定される値以上に規定され、ここではその最小値が選択される。
[数2]
L1(mm)>0.035×[I /S]×[Tmax 1.5]…(式2)
(式2)の右辺において、I(kA)、S(mm)、Tmax(ms)は、前記の通りである。すなわち、耐弧金属部19の厚み寸法dおよび軸方向長さ寸法Lが上記(式1)および(式2)にて規定されるということは、耐弧金属部19の厚み寸法dおよび軸方向長さ寸法Lが、[I /S]×[Tmax 1.5]で定義した電流負荷に基づいて決められることに他ならない。
一例として、定格遮断電流I=63kA、耐弧金属部19先端部の直径をφD=30mm、定格遮断電流における最長のアーク点弧時間Tmax=20msとした開閉器の場合、(式1)から耐弧金属部19の厚み寸法dが1.3mm以上、(式2)から耐弧金属部19の軸方向長さ寸法Lが18mm以上という値が導かれる。したがって、耐弧金属部19の厚み寸法dが1.3mm、軸方向長さ寸法Lが18mmといった値で設計される。
(4)材料
耐弧金属部19における好ましい材料例としては、銅タングステン合金等がある。また、接点母材20において好ましい材料例としては、耐弧金属部19より融点は低く、且つ熱伝導率は高い金属が採用される。例えば、耐弧金属部19に銅タングステン合金を採用した場合、タングステンよりも熱伝導率が優れた銅もしくは銅合金等があげられる。なお、接点母材20の材料である銅もしくは銅合金は、銅タングステン合金からなる耐弧金属部19との接合性も良好である。
(5)製造方法
続いて、図2、図3を用いて、本実施形態に係る耐アーク電気接点の製造方法について具体的に説明する。まず、スケルトン構造を有した耐弧金属体を用意し、この耐弧金属体から、窪み21aを有する耐弧金属材料21を製作する(耐弧金属材料製作ステップ、図2上段に図示)。
耐弧金属体の軸方向長さ寸法Loは耐弧金属部19の軸方向長さ寸法L以上とする。耐弧金属体に上面から下面付近まで掘り下げるようにして窪み21aを形成し、耐弧金属材料21を製作する。窪み21aは、耐弧金属部19にて覆われる接点母材20先端の小径部を成形するための部分である。窪み21aを設けた耐弧金属材料21の左右側面部の肉厚寸法dxおよび底部の肉厚寸法dyはいずれも、耐弧金属部19の厚み寸法dよりも長く設定される。
次に、窪み21aを付けた耐弧金属材料21を、型23内に収納、配置し、溶融接点母材22を含浸する(接点母材含浸ステップ、図2下段に図示)。その後、溶融接点母材22を冷却固化させることにより、加工用素材25を製作する(加工用素材製作ステップ、図3上段に図示)。こうして出来上がった加工用素材25を、最終加工形状24(図3上段にて点線で示す)に切削加工する(切削加工ステップ、図3下段に図示)。以上のようにして、耐弧金属部19および接点母材20からなる耐アーク電気接点を製造する。
(6)作用
続いて、本実施形態の作用について説明する。図4に示すグラフは、従来の耐アーク電気接点において、耐弧金属部9表面に生じる亀裂11の深さを、電流負荷に対してまとめたものであり、上記(式1)で規定した耐弧金属部19の厚み寸法dの根拠となっている。
図4のグラフから明らかなように、電流負荷を[I /S]×[Tmax 1.5]で定義することで、亀裂11の最大深さを、電流負荷に対してほぼ線形的に評価することが可能となる。すなわち、図4のグラフの縦軸にとった最大亀裂深さは、おおむね(式1)の右辺で決めることができ、耐弧金属部19の厚み寸法dとしては(式1)で規定される値以上であれば、必要十分であることが分かる。したがって、アーク6の接触する耐弧金属部19の機能としては、(式1)で規定される値以上の厚み寸法であれば十分である。
同様に、図5のグラフは、耐アーク電気接点において、接点母材20と耐弧金属部19とのつなぎ目で溶損12が発生する可能性を、電流負荷に対してまとめたものである。同図においては、接点母材20の溶損が発生したケースを×で、発生しなかったケースを○で示している。
図5のグラフから明らかなように、耐弧金属部19の軸方向長さ寸法Lを、上記(式2)で規定する値以上に構成すれば、接点母材20の溶損12は避けることが可能である。したがって、耐弧金属部19の軸方向長さ寸法Lとしては、それ以上の長さは不要である。
(7)効果
以上述べた本実施形態は、次のような効果を発揮する。図6は従来のアーク接点と本実施形態に係るアーク接点との損耗量を同じ電流条件で比較した実測例である。
すなわち、銅タングステン合金などからなる耐弧金属部19は、銅などのからなる接点母材20に比べて融点は高いものの、熱伝導率は低い。そのため、耐弧金属部19の円筒部分の厚み寸法d’を薄くしたことで、熱伝導性に優れた接点母材20が接点表面まで近づくことになる。
したがって、高温のアーク6が耐弧金属部19に接触しても、接点母材20が接点表面に近いので、接点表面からの熱引けが良好になる。このような耐アーク電気接点によれば、耐弧金属部19の厚み寸法dを必要最低限に抑えることで、熱伝導性を高めることができ、接点損耗量を半分程度(従来のアーク接点を100とした場合に46)にまで低減することが可能である。
また、耐弧金属部19は必要にして十分な厚さ寸法dと長さ寸法Lを確保しているため、耐弧金属部19先端での亀裂11や、接点母材20とのつなぎ目での溶損12を、確実に防ぐことができる。したがって、本実施形態は、アーク6の熱による接点損耗の進行を顕著に抑制することが可能であり、コンパクト化やアークへの吹付けガスの高圧化により接点への熱的ストレスが非常に過酷である開閉器(例えば、図8に示したパッファ形ガス遮断器など)に特に好適である。
ところで、先に述べたように、図9に示した従来の耐弧金属部9は、中実の円筒形部材であるため、耐弧金属部9先端部の厚み寸法は耐弧金属部9の軸方向長さLと等しく、耐弧金属部9の体積は大きくなっていた。したがって、従来の耐アーク電気接点では高価な希少金属の使用量が多くなり、経済的に不利であった。
これに対して、本実施形態の耐弧金属部19は、接点母材20の表層部分を覆うだけであり、厚み寸法dは非常に薄く、その体積は大幅に低減することができる。したがって、高価な希少金属の使用量を削減することが可能である。
また、本実施形態の耐弧金属部19では、添加物を加えた特殊な合金を採用する必要も無く、この点からも経済性の低下を招くおそれがない。さらには、本実施形態の製造方法によれば、所望形状の耐アーク電気接点を低コストで製作することができる。
上述したように、本実施形態によれば、高温のアーク遮断に伴う接点損耗を確実に抑えることができ、接点寿命が伸び、保守点検作業の実施間隔も開けることができ、作業の簡易化を進めることができた。しかも、特殊な合金材料を用いることなく、且つ構造面からのごく簡単な方法によって、高価なタングステンなどの希少金属の使用量を低減させることが可能であり、大幅な低コスト化に寄与することができる。
(8)他の実施形態
なお、図1に示した実施形態では、アーク接点表層部分に配した耐弧金属部19の厚み寸法は均一としているが、必ずしも均一である必要はなく、必要に応じて不均一としても良い。
例えば、図7に示した耐弧金属部29のように、先端部の厚さ寸法d1を、円筒形状の厚さ寸法d2よりも厚くしてもよい。このような実施形態によれば、耐弧金属部29先端を厚くしたことで、亀裂11の発生をより確実に防止することが可能である。
また、耐弧金属部の軸方向長さ寸法についても適宜変更可能であり、さらには耐弧金属部や接点母材の材料などについても適宜選択可能である。耐弧金属部の材料としては、銅タングステン合金の他、タングステン基焼結合金や、タングステンカーバイト基焼結合金などでも構わない。また、本発明の実施形態を用いる開閉器としては、図8に示したパッファ形ガス遮断器に限らず、断路器や負荷開閉器など、耐アーク電気接点を用いた開閉器にあれば、適用可能である。
1…密閉容器
2…固定接点部
2a…固定通電接点
2b…固定アーク接点
3…可動接点部
3a…可動通電接点
3b…可動アーク接点
3c…絶縁ノズル
3d…パッファシリンダー
3e…ピストンロッド
4a、4b…導体
5…駆動装置部
6…アーク
7…ピストン
8…ガス流
9、19、29、39…耐弧金属部
10、20…接点母材
11…アーキングに伴い発生する亀裂
12…アーキングに伴い発生する母材の溶損
21…スケルトン構造の耐弧金属部材料
22…溶融接点母材
23…型
24…耐アーク電気接点の最終加工形状
25…加工用素材
A…消弧ガス

Claims (6)

  1. 電流遮断時に発生するアークが接触する耐弧金属部と、この耐弧金属部よりも融点の低い金属を主体とする接点母材とから構成された耐アーク電気接点において、
    前記耐弧金属部は、前記接点母材の先端部分を覆うように前記接点母材の表層部分に限定して形成されたことを特徴とする耐アーク電気接点。
  2. 前記耐弧金属部の厚み寸法をd(mm)とした場合、開閉器の定格遮断電流をI(kA)、前記耐弧金属部において前記アークと接触し得る面積をS(mm)、開閉器の定格遮断電流における最長のアーク点弧時間をTmax(ms)として、
    前記耐弧金属部の厚み寸法dは、0.0024×[I /S]×[Tmax 1.5]で決定される値以上であることを特徴とする請求項1記載の耐アーク電気接点。
  3. 前記耐弧金属部の接点軸方向の長さ寸法をL(mm)とした場合、開閉器の定格遮断電流をI(kA)、前記耐弧金属層において前記アークと接触し得る面積をS(mm)、開閉器の定格遮断電流における最長のアーク点弧時間をTmax(ms)として、
    前記耐弧金属部の接点軸方向の長さL寸法は、0.035×[I /S]×[Tmax 1.5]で決定される値以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐アーク電気接点。
  4. 前記接点母材は前記耐弧金属部よりも熱伝導率が高い金属からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス遮断器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐アーク電気接点が設けられた開閉器であって、
    ガスで充たされた容器内に1対の耐アーク電気接点が配置され、通電時には両者を接触導通状態に保ち、電流遮断時には両者を開離させて前記ガス中にアーク放電を発生させ、そのアークを消弧することで電流を遮断せしめるように構成され、
    前記1対の接点を開離動作する際に接点間で発生したアークに前記ガスを吹付けるガス流発生手段が設けられ、
    前記ガス流発生手段は、少なくとも1つの蓄圧空間と、前記蓄圧空間の圧力を上昇せしめる少なくとも1つの圧力上昇手段と、前記蓄圧空間と前記アークとを結ぶ少なくとも1つのガス流路とから構成され、
    前記圧力上昇手段の少なくとも1つは、前記アークにおいて発生する熱エネルギーによりもたらされるように構成されたことを特徴とする開閉器。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐アーク電気接点を製造する方法であって、
    軸方向長さ寸法を前記耐弧金属部の軸方向長さ寸法L以上とした耐弧金属に、前記耐弧金属部にて覆われる接点母材先端部を成形するための窪みを形成し、当該窪みを付けた耐弧金属の底部および左右の肉厚寸法を、前記耐弧金属部の厚み寸法以上にして耐弧金属材料を製作する耐弧金属材料製作ステップと、
    前記耐弧金属材料を所定の型の内部に配置して、溶融した接点母材を含浸させる接点母材含浸ステップと、
    前記接点母材を含浸させた前記耐弧金属材料を冷却固化させて加工用素材を製作する加工用素材製作ステップと、
    当該加工用素材を最終加工形状に切削加工する切削加工ステップを含むことを特徴とする耐アーク電気接点の製造方法。
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