JP2012215689A - セルロースアシレートフィルム、ハードコートフィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロースアシレートを含み、酸素透過係数の値が20cc/m2/day/atm以上であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
【選択図】なし
Description
セルロースアセテートに代表されるセルロースアシレートフィルムは透明性が高く、保護フィルムとして広く使用されてきた。例えば、偏光子に使用されるポリビニルアルコールとの密着性を容易に確保できることから液晶表示装置における偏光板保護フィルムとして使用されてきている。
近年、これらの画像表示装置の用途がさらに拡大し、屋外などに設置した場合にも長期運転ができるような耐候性が求められてきている。このような状況のもと、画像表示装置の保護フィルムとハードコートとの間の密着性を改善し、画像表示装置の耐候性を改善することが求められてきた。
しかし、保護フィルムとしてセルロースアシレートフィルムを用いる場合、ハードコート層との間の密着性については従来あまり検討されていなかったのが実情であった。
これに対し、本発明者らは、特許文献1とは逆にセルロースアシレートの自由体積(酸素透過係数)を大きくすることで、上記課題を解決できることを見出すに至った。
[1] セルロースアシレートを含み、酸素透過係数の値が20cc/m2/day/atm以上であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
[2] 前記セルロースアシレートのアシル基の置換度が2.7〜2.95であることを特徴とする[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[3] 酸素透過係数の値が20〜30cc/m2/day/atmであることを特徴とする[1]または[2]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[4] 前記セルロースアシレートに対して5〜20質量%の非リン酸エステル系の添加剤を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[5] 前記非リン酸エステル系の添加剤が、糖エステル化合物またはカルボン酸エステル化合物であることを特徴とする[4]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[6] 表面粗さRaが5nm以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[7] 全ヘイズが0.5%以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[8] 前記セルロースアシレートがセルロースアセテートであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム上に、(メタ)アクリレート系のHCモノマーを含む組成物を重合してなるハードコート層が積層されたことを特徴とするハードコートフィルム。
[10] 前記ハードコート層が塗布により設けられたことを特徴とする[9]に記載のハードコートフィルム。
[11] 偏光子と、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム、あるいは、[9]または[10]に記載のハードコートフィルムを含むことを特徴とする偏光板。
[12] [1]〜[8]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム、[9]または[10]に記載のハードコートフィルム、あるいは、[11]に記載の偏光板を含むことを特徴とする液晶表示装置。
本発明のセルロースアシレートフィルム(以下、本発明のフィルムとも言う)は、セルロースアシレートを含み、酸素透過係数の値が20cc/m2/day/atm以上であることを特徴とする。
以下、本発明のフィルムについて説明する。
(酸素透過係数)
本発明のフィルムは、酸素透過係数の値が20cc/m2/day/atm以上である。本発明のフィルムは、20〜30cc/m2/day/atmであることが好ましく、22cc/m2/day/atm以上28cc/m2/day/atm未満であることがより好ましく、25cc/m2/day/atm以上28cc/m2/day/atm未満であることが特に好ましい。いかなる理論に拘泥するものでもないが、本発明では自由体積を大きくする(セルロース分子鎖がある程度離間する)ことによって、活性点(セルロース分子鎖における分極を示す箇所)をフィルム表面に多く露出させて、積層させる層との密着性を向上させることができる。この自由体積の大小は酸素透過係数を指標として表すことができ、本発明のフィルムは酸素透過係数の値が20cc/m2/day/atm以上を満たす。なお、本発明のフィルムのより好ましい態様では、本発明のフィルムは偏光板保護フィルム用途である場合が好ましく、この場合はフィルム面内のレターデーションReは0〜5nmであることがより好ましい。本発明のより好ましい態様であるこのような偏光板保護フィルム用途では、自由体積を小なくせず、逆に大きくしてもReの変動は小さいため、問題にならない。
本発明において酸素透過係数とは、以下の条件で行った測定値のことをいい、本明細書中の酸素透過係数は本測定法により行った値である。
試験法: ISO 15105−2 (等圧法)
試験機: ハックウルトラアナリティカル社製酸素濃度計モデル3600を一部改造した自作酸素透
過性試験機(モコン社 酸素透過性試験機 OX−TRAN 2/10型にて検量、校正)
試験温度: 25℃、
試験湿度: 相対湿度 50%、
試験ガス: 空気(酸素分圧22%)、
透過面積: 0.8 cm
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルム1枚でのヘイズが0.5%以下であることが好ましく、0.3%以下であることがより好ましく、0.2%以下であることが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、表面粗さRaが5nm以下であることが好ましく、4nm以下であることがより好ましく、3nm以下であることが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの膜厚は20〜200μmであることが好ましく、20〜85μmであることがより好ましく、30〜60μmであることが特に好ましい。膜厚が20μm以上であると機械的強度が十分であり、生産時の破断等の故障が起こり難く、フィルム面状が悪くなりにくい。
本発明で用いるセルロースアシレートは、特に制限はない。その中でも、本発明のフィルムは、アセチル置換度が2.70〜2.95のセルロースアシレートを用いることが好ましい。アセチル置換度が2.7以上であると、後述する条件を満たす糖エステル化合物(例えば、特定の置換度のスクロースベンゾエートなど)との相溶性が良好であり、フィルムが白化しにくいため好ましい。さらに、透明性に加えて、透湿度や含水率が良好となるため好ましい。また、偏光板耐久性やフィルム自体の湿熱耐久性も良好となるため好ましい。一方、置換度が2.95以下であることが光学性能が著しく良好となるため好ましい。
なお、総アシル置換度の好ましい範囲も、前記アセチル置換度の好ましい範囲と同様である。
なお、アシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法に準じて測定することができる。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。
本発明に使用されるセルロースアシレートフィルムは、置換基がアセチル基からなるものが好ましい。
前記セルロースアシレートを得るには、具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記カルボン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含む。無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通である。エステル化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸の加水分解およびエステル化触媒の一部の中和のために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理を行う等して、前記の特定のセルロースアシレートを得ることができる。
本発明において、セルロースアシレート等の平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、国際公開WO2008−126535号公報に記載の方法により、その比を計算することができる。
本発明のフィルムは、前記セルロースアシレートに対して5〜20質量%の非リン酸エステル系の添加剤を含むことが、酸素透過係数の値を調整する観点から好ましい。本発明のフィルムでは、前記非リン酸エステル系の添加剤が、糖エステル化合物またはカルボン酸エステル化合物であることがより好ましく、糖エステル化合物であることが特に好ましい。
以下、本発明に好ましく用いられる前記非リン酸エステル系の添加剤について説明する。
エステル置換度が異なる複数の糖エステル化合物を含有し、前記糖エステル化合物を構成する糖が2糖類〜4糖類であり、前記エステル置換度が異なる複数の糖エステル化合物の平均エステル置換度が62%〜94%であり、前記セルロースアシレートフィルム中に含まれるエステル置換度が異なる複数の糖エステル化合物中、エステル置換度75%以上の糖エステル化合物の含有率が80%以下であり、かつ、エステル置換度35%〜50%の糖エステル化合物の含有率が5%〜30%である。
前記糖エステル化合物をセルロースアシレートフィルムに添加することにより、光学特性の発現性を損なわず、かつ延伸工程前に熱処理を行わない場合でも全へイズおよび内部ヘイズを小さくすることができる。さらに、本発明のセルロースアシレートフィルムを液晶表示装置に用いることにより、正面コントラストを大幅に改良できる。
前記糖エステル化合物とは、該化合物を構成する多糖中の置換可能な基(例えば、水酸基、カルボキシル基)の少なくとも1つと、少なくとも1種の置換基とがエステル結合されている化合物のことを言う。すなわち、ここで言う糖エステル化合物には広義の糖誘導体類も含まれ、例えばグルコン酸のような糖残基を構造として含む化合物も含まれる。すなわち、前記糖エステル化合物には、グルコースとカルボン酸のエステル体も、グルコン酸とアルコールのエステル体も含まれる。
前記糖エステル化合物を構成する多糖中の置換可能な基は、ヒドロキシル基であることが好ましい。
本発明に用いられる前記糖エステル化合物は、用いられる置換基を含め、下記一般式(1)で表される構造を有することがより好ましい。
一般式(1) (OH)p−G−(L1−R11)q(O−R12)r
一般式(1)中、Gは糖残基を表し、L1は−O−、−CO−、−NR13−のいずれか一つを表し、R11は水素原子または一価の置換基を表し、R12はエステル結合で結合した一価の置換基を表す。p、qおよびrはそれぞれ独立に0以上の整数を表し、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しい。
また、前記L1が複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、前記R11、R12およびR13がそれぞれ複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記rは前記Gに含まれるピラノース構造単位またはフラノース構造単位の数よりも大きい数を表すことが好ましい。
前記qは0であることが好ましい。
また、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しいため、前記p、qおよびrの上限値は前記Gの構造に応じて一意に決定される。
また、後述するポリエステル系可塑剤を前記糖エステル化合物と併用する場合は、ポリエステル系可塑剤の添加量(質量部)に対する前記糖エステル化合物の添加量(質量部)は、2〜10倍(質量比)加えることが好ましく、3〜8倍(質量比)加えることがより好ましい。
また、前記糖エステルについて、骨格が異なる糖エステル化合物を複数用いることもできる。例えば、スクロースベンゾエートと、その他の糖エステル化合物を併用することが、密着性の改良とともに生膜時の乾燥を促進できることに加え、フィルム物性の調整が容易となる観点から好ましい。
前記カルボン酸エステル化合物としては、クエン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、多価アルコールエステル化合物、多価カルボン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物など(特開2006−184874号より)を用いることができる。本発明ではその中でも、フタル酸エステル化合物、クエン酸エステル化合物、多価アルコールエステル化合物であることがより好ましく、フタル酸エステル化合物であることが特に好ましい。
これらの前記カルボン酸エステル化合物の前記セルロースアシレートに対する添加量は、3質量%以上15質量%未満であることが好ましく、4〜12質量%であることがより好ましく、5〜9質量%であることが特に好ましい。
(1)紫外線吸収剤
本発明のフィルムは、紫外線吸収剤を含んでいることが好ましい。前記紫外線吸収剤としては、特開2006−184874号公報に記載の化合物を挙げることができる。紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることが出来、特に特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
例としてUV−1〜3を挙げるが、添加する紫外線吸収剤はこれらに限定されない。
本発明のフィルムは、レターデーション発現剤を含んでいてもよい。レターデーション発現剤を採用することにより、低延伸倍率で高いRe発現性を得られる。レターデーション発現剤の種類としては、特に定めるものではないが、棒状または円盤状化合物からなるものや、前記非リン酸エステル系の化合物のうちレターデーション発現性を示す化合物を挙げることができる。上記棒状または円盤状化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物をレターデーション発現剤として好ましく用いることができる。
二種類以上のレターデーション発現剤を併用してもよい。
レターデーション発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
円盤状化合物としては、例えば欧州特許出願公開第0911656A2号明細書に記載の化合物、特開2003−344655号公報に記載のトリアジン化合物、特開2008−150592号公報[0097]〜[0108]に記載されるトリフェニレン化合物も好ましく用いることもできる。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、重量平均分子量500〜10,000のアクリル系ポリマーをさらに添加してもよい。好ましくは、重量平均分子量500〜5000である。
前記アクリル系ポリマーを添加すると、製膜後のセルロースアシレートフィルムの透明性が優れ、透湿度も極めて低く、偏光板用保護フィルムとして優れた性能を示す。前記アクリル系ポリマーについては、国際公開WO2008−126535号公報に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
本発明では、酸化防止剤、熱劣化防止剤としては、通常知られているものを使用することができる。特に、ラクトン系、イオウ系、フェノール系、二重結合系、ヒンダードアミン系、リン系化合物のものを好ましく用いることができる。前記酸化防止剤、熱劣化防止剤については、国際公開WO2008−126535号公報に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
本発明においては、着色剤を使用してもよい。着色剤と言うのは染料や顔料を意味するが、本発明では、液晶画面の色調を青色調にする効果またはイエローインデックスの調整、ヘイズの低減を有するものを指す。前記着色剤については、国際公開WO2008−126535号公報に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
本発明に使用される微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。
微粒子は珪素を含むものが、ヘイズが低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nmが好ましく、更に好ましいのは7〜20nmである。これらは主に粒径0.05〜0.3μmの2次凝集体として含有されることが好ましい。
セルロース誘導体フィルム中のこれらの微粒子の含有量は0.05〜1質量%であることが好ましく、特に0.1〜0.5質量%が好ましい。共流延法による多層構成のセルロース誘導体フィルムの場合は、表面にこの添加量の微粒子を含有することが好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600,NAX50(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもアエロジル200V、アエロジルR972Vがセルロース誘導体フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく用いられる。
本発明で用いられるセルロースアシレートフィルムには、前記化合物以外に、通常のセルロースアシレートフィルムに添加することのできる添加剤を含有させることができる。
前記その他の添加剤については、国際公開WO2008−126535号公報に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いて製膜することができる。具体的には、前記セルロースアシレートを含むフィルムを溶液流延製膜法または溶融製膜法を利用して製膜することができる。フィルムの面状を改善する観点から、本発明のフィルムの製造方法は、前記セルロースアシレートを含むフィルムを溶液流涎製膜により製膜する工程を含むことが好ましい。また、酸素透過係数を高める観点から、セルロースアシレートのアシル置換度を調整したり、非リン酸エステル系の添加剤をセルロースアシレートを含む溶液に適宜添加したりして、本発明のフィルムの酸素透過係数を満たす範囲に制御することが好ましい。具体的には、非リン酸エステル系化合物を添加する場合、セルロースアシレートに対して前記糖エステル化合物を25質量%未満、前記カルボン酸エステル系化合物を15質量%未満、添加することが好ましい。
以下、本発明のフィルムの製造方法を、溶液流延製膜法を用いる場合を例に説明するが、本発明は溶液流延製膜法に限定されるものではない。なお、本発明のフィルムの製造方法として前記溶融製膜法を用いる場合については、公知の方法を用いることができる。
溶液流延製膜方法では、前記セルロースアシレートや必要に応じて各種添加剤を含有するポリマー溶液(セルロースアシレート溶液)を用いてウェブを形成する。以下において、溶液流延製膜方法に用いることができるポリマー溶液(以下、適宜セルロースアシレート溶液と称する場合もある)について説明する。
本発明で用いられるセルロースアシレートは溶媒に溶解させてドープを形成し、これを基材上に流延しフィルムを形成させる。この際に押し出しあるいは流延後に溶媒を蒸発させる必要性があるため、揮発性の溶媒を用いることが好ましい。
更に、反応性金属化合物や触媒等と反応せず、かつ流延用基材を溶解しないものである。又、2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。
また、セルロースアシレートと加水分解重縮合可能な反応性金属化合物を各々別の溶媒に溶解し後に混合してもよい。
ここで、上記セルロースアシレートに対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主(有機)溶媒または主たる(有機)溶媒という。
これらは、ドープを金属支持体に流延した後、溶媒が蒸発し始めてアルコールの比率が多くなることでウェブ(支持体上にセルロースアシレートのドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)をゲル化させ、金属支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロースアシレートの溶解を促進したりする役割もあり、反応性金属化合物のゲル化、析出、粘度上昇を抑える役割もある。
これらのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。これらの有機溶媒は、単独ではセルロースアシレートに対して溶解性を有しておらず、貧溶媒という。
アルコール含有量を調整することによって、本発明の製造方法により製造されるセルロースアシレートフィルムのReやRthの発現性を調整しやすくすることができる。具体的には、アルコール含有量を上げることや、後述の本発明の製造方法における延伸前の乾燥温度(熱処理温度)を比較的低く設定することで、ReやRthの到達範囲をより大きくしたりすることが可能となる。
また、本発明においては、水を少量含有させることも溶液粘度や乾燥時のウェットフィルム状態の膜強度を高めたり、ドラム法流延時のドープ強度を高めるのに有効であり、例えば溶液全体に対して0.1〜5質量%含有させてもよく、より好ましくは0.1〜3質量%含有させてもよく、特には0.2〜2質量%含有させてもよい。
前記セルロースアシレート濃度は、セルロースアシレートを溶媒に溶解する段階で所定の濃度になるように調整することができる。また予め低濃度(例えば4〜14質量%)の溶液を調製した後に、溶媒を蒸発させる等によって濃縮してもよい。さらに、予め高濃度の溶液を調製後に、希釈してもよい。また、添加剤を添加することで、セルロースアシレートの濃度を低下させることもできる。
セルロースアシレートに対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中で該セルロースアシレート、添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程、あるいはセルロースアシレート溶液に添加剤溶液を混合してドープを形成する工程である。
セルロースアシレートの溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、または特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中のセルロースアシレートの濃度は10〜35質量%が好ましい。溶解中または後のドープに添加剤を加えて溶解及び分散した後、濾材で濾過し、脱泡して送液ポンプで次工程に送る。
く用いられる。
ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ダイの口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、何れも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。
ウェブ(セルロースアシレートフィルムの完成品となる前の状態であって、まだ溶媒を多く含むものをこう呼ぶ)を金属支持体上で加熱し、金属支持体からウェブが剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または金属支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が、乾燥効率がよく好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。裏面液体伝熱の場合は、ドープ使用有機溶媒の主溶媒または最も低い沸点を有する有機溶媒の沸点以下で加熱するのが好ましい。
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。なお、剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に金属支持体上で充分に乾燥させ過ぎてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
ここで、製膜速度を上げる方法(残留溶媒量ができるだけ多いうちに剥離することで製膜速度を上げることができる)としてゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。例えば、ドープ中にセルロースアシレートに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、金属支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。金属支持体上でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことによって、剥離を早め製膜速度を上げることができる。
金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さ等により5〜150質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。本発明においては、該金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜40℃とするのが好ましく、10〜40℃がより好ましく、15〜30℃とするのが最も好ましい。
残留溶媒量は下記の式で表すことができる。
残留溶媒量(質量%)=[(M−N)/N]×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
前記剥離工程後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置、および/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて、ウェブを乾燥することが好ましい。
また、熱処理温度は、30分以下であることが好ましく、20分以下であることがより好ましく、10分程度であることが特に好ましい。
なお、ここでいう「延伸倍率(%)」とは、以下の式により求められるものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
なお、本発明においては、フィルム搬送方向に直交する方向に延伸する方法として、テンター装置を用いて延伸することが好ましい。
以上のようにして得られた、フィルムの長さは、1ロール当たり100〜10000mで巻き取るのが好ましく、より好ましくは500〜7000mであり、さらに好ましくは1000〜6000mである。フィルムの幅は、0.5〜5.0mが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0mであり、さらに好ましくは1.0〜2.5mである。巻き取る際、少なくとも片端にナーリングを付与するのが好ましく、ナーリングの幅は3mm〜50mmが好ましく、より好ましくは5mm〜30mm、高さは0.5〜500μmが好ましく、より好ましくは1〜200μmである。これは片押しであっても両押しであってもよい。
本発明のフィルムは単層フィルムであっても、2層以上の積層構造を有していてもよい。例えば、コア層と表層の2層からなる積層構造であって、共流延によって製膜された態様であることも好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、本発明のセルロースアシレートフィルム上に、(メタ)アクリレート系のHCモノマーを含む組成物を重合してなるハードコート層が積層されたことを特徴とする。本発明のセルロースアシレートフィルムは、酸素透過係数が大きいため、これらのハードコート層との密着性が良好であり、すなわち、本発明のハードコートフィルムは層間の密着性が良好である。なお、ここでHCモノマーとは、後述するマトリックス形成バインダー用モノマー又はオリゴマーのことを言う。
ここで、後述する本発明の偏光板は、機能性層を含むことも好ましいが、本発明のハードコートフィルムが機能性層を有する態様であっても、本発明の偏光板に本発明のハードコートフィルムを組み込むときにその他の機能性フィルムを重ねあわせてもよい。
前記機能性層としては、本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限はないが、例えば以下の態様の機能性層を挙げることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルム/ハードコート層/中屈折率層/低屈折率層;
本発明のセルロースアシレートフィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層;
本発明のセルロースアシレートフィルム/ハードコート層/低屈折率層;
本発明のセルロースアシレートフィルム/ハードコート層/導電性層/低屈折率層;
本発明のセルロースアシレートフィルム/ハードコート層/高屈折率層(導電性層)/低屈折率層;
本発明のセルロースアシレートフィルム/ハードコート層/防眩性層/低屈折率層;
本発明に係るハードコート層はフィルムに硬度や耐傷性を付与するための層である。例えば、塗布組成物を基材フィルム(セルロースエステルフィルム)上に塗布し、硬化させることによって形成することができる。また、他の機能を付加することを目的として、ハードコート層上に、他の機能層を積層してもよい。またハードコート層にフィラーや添加剤を加えることで、機械的、電気的、光学的な物理的な性能や撥水・撥油性などの化学的な性能をハードコート層自体に付与することもできる。
利用可能なマトリックス形成バインダー用モノマー又はオリゴマーの例には、電離放射線硬化性の多官能モノマー及び多官能オリゴマーが含まれる。多官能モノマーや多官能オリゴマーは架橋反応、又は、重合反応可能なモノマーであるのが好ましい。前記電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;
等が挙げられる。
具体的には、(ジ)ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、等が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリル酸又はメタクリル酸」、「アクリロイル又はメタクリロイル」を表す。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類の具体化合物としては、特開2007−256844の[0096]等を参考にすることができる。
具体的な化合物の具体例としては特開2007−256844号公報の[0017]等の記載を参考にすることができる。
前記ハードコート層は、高分子化合物を含有していてもよい。高分子化合物を添加することで、硬化収縮を小さくしたり、樹脂粒子の分散安定性(凝集性)に関わる塗布液の粘度調整をより優位に行うことができ、さらには、乾燥過程での固化物の極性を制御して樹脂粒子の凝集挙動を変えたり、乾燥過程での乾燥ムラを減じたりすることもでき、好ましい。
前記ハードコート層の形成に利用可能な硬化性組成物の一例は、アクリレート系化合物を含む硬化性組成物である。前記硬化性組成物は、アクリレート系化合物とともに、光ラジカル重合開始剤又は熱ラジカル重合開始剤を含有するのが好ましく、所望により、さらにフィラー、塗布助剤、その他の添加剤を含有していてもよい。該硬化性組成物の硬化は、光ラジカル重合開始剤又は熱ラジカル重合開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により重合反応を進行させることで実行できる。電離放射線硬化と熱硬化の双方を実行することもできる。光及び熱重合開始剤としては市販の化合物を利用することができ、それらは、「最新UV硬化技術」(p.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)や、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)のカタログに記載されている。
本発明の偏光板は、本発明のセルロースアシレートフィルムまたはハードコートフィルムを少なくとも1枚含む。以下、本発明の偏光板について説明する。
アルカリ鹸化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロース誘導体フィルムを高温の強アルカリ液中に浸ける処理のことをいう。
偏光子の膜厚としては、5〜30μmのものが好ましく用いられる。こうして得られた偏光子を、偏光板保護フィルムと貼合する。
このとき、偏光板保護フィルムのうちの少なくとも一枚は、本発明のセルロースアシレートフィルムまたはハードコートフィルムが用いられる。もう一方の面には、別の偏光板保護フィルム(好ましくはセルロース誘導体フィルム)を用いることができる。
もう一方の面の偏光板保護フィルムとしては、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いてもよいし、市販のセルロースエステルフィルムを用いることができる。
表示装置の表面側に用いられる偏光板保護フィルムには防眩層あるいはクリアハードコート層のほか、反射防止層、帯電防止層、防汚層を有することが好ましい。
また、偏光板の作製時には、本発明の位相差フィルムの面内遅相軸と偏光子の透過軸が平行或いは直交するように貼合することが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、本発明のセルロースアシレートフィルムまたはハードコートフィルムあるいは本発明の偏光板を少なくとも1枚含む。
本発明の液晶表示装置は、上記のようにして得られる、本発明の偏光板を、液晶セルの両面に配置して貼合し、本発明の液晶表示装置を作製することができる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光板を少なくとも1枚用いた液晶表示装置である。本発明の偏光板は、様々な表示モードの液晶セルに用いることができ、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードのセルと組み合わせて使用することができる。
(1)原料の調製
(1−1)セルロースアシレートの調製
下記表5に記載のアセチル置換度のセルロースアシレートを調製した。触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、各カルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。その後、硫酸触媒量、水分量および熟成時間を調整することで全置換度と6位置換度を調整した。熟成温度は40℃で行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
下記表に記載の糖エステル化合物を以下の方法で調製した。
まず、下記構造の糖エステル化合物1をWO2009/03164〔0054〕例示化合物3の合成に記載の方法で合成した。
また、その他の化合物については、同様の方法で合成した。その後、混合し、糖エステル化合物を調整した。
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、さらに90℃に約10分間加熱した後、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した。
ドープの固形分濃度は23.5質量%であり、可塑剤の添加量はすべてセルロースエステルに対する割合であり、ドープの溶剤は塩化メチレン/メタノール/ブタノール=81/18/1である。また膜厚はすべて40μmである。
具体的な各可塑剤の構造を以下に示す。糖エステル1は平均置換度5.5の下記構造のものを使用した。置換度の算出は後述のHPLCにて測定を行った。また実施例および比較例で使用したスクロースベンゾエートは、全て反応溶媒であるトルエンの減圧乾燥(10mmHg以下)を行い100ppm未満であるものを使用した。芳香族末端エステル系可塑剤1は、特開2006−342227号公報の芳香族末端エステル系化合物(5)を使用した。
上述のドープを、ドラム製膜機を用いて流延した。−10℃に冷却された金属支持体上に接するようにコア層のドープを、コア層のドープ上に表層のドープがくるようにダイから共流延しゲル化させて剥ぎ取った。なお、ドラムはSUS製であった。
流延されて得られたウェブ(フィルム)を、ドラムから剥離後、フィルム搬送時に30〜40℃で、クリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて該テンター装置内で20分間乾燥した。その後、乾燥されたものを枠張りして130℃で後乾燥した。なお、ここでいう乾燥温度とは、フィルムの膜面温度のことを意味する。
下記表に示した組成のフィルムを作製し、その製造適性を判断する目的で、ロール幅1280mm、ロール長2600mmのロールを上記条件で最低24ロール作製した。連続で製造した24ロールの中の1ロールについて100m間隔で長手1mのサンプル(幅1280mm)を切り出して各測定を行った。
得られたセルロースアシレートフィルムを各実施例および比較例のセルロースアシレートフィルムとした。
ハードコート層形成用の塗布液として、下記ハードコート1〜4を調製した。
ハードコート1〜4は下記の表4に示す組成物であり、UV開始剤1は下に示す構造である。
得られたハードコート層が積層されたフィルムを各実施例および比較例のハードコートフィルムとした。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。作製した各実施例および比較例のハードコートフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、ハードコート層が形成されていない側の表面を偏光子の片側に貼り付けた。なお、ケン化処理は以下のような条件で行った。
1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.005mol/Lの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。各実施例および比較例で作製したフィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
市販のセルローストリアシレートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に貼り付け、70℃で10分以上乾燥した。
偏光子の透過軸と各実施例および比較例のフィルムの遅相軸とは平行になるように配置した。偏光子の透過軸と市販のフィルムの遅相軸とは直交するように配置した。
(スクロースベンゾエートの平均置換度の測定法)
以下のHPLC条件下での測定により保持時間が31.5min付近にあるピークを8置換体、27〜29min付近にあるピーク群を7置換体、22〜25min付近にあるピーク群を6置換体、15〜20min付近にあるピーク群を5置換体、8.5〜13min付近にあるピーク群を4置換体、3〜6min付近にあるピーク群を3置換体としてそれぞれの面積比を合計した値に対する平均置換度を算出した。
《HPLC測定条件》
カラム:TSK−gel ODS−100Z(東ソー)、4.6*150mm、ロット番号(P0014)
溶離液A:H2O=100、 溶離液B:AR=100。A,BともにAcOH、NEt3各0.1%入り
流量:1ml/min、カラム温度:40℃、波長:254nm、感度:AUX2、注入量:10μl、リンス液:THF/ H2O=9/1(vol比)
サンプル濃度:5mg/10ml(THF)
各実施例および比較例のハードコートフィルムの酸素透過係数を以下の測定法により行った。
試験法: ISO 15105−2 (等圧法)
試験機: ハックウルトラアナリティカル社製酸素濃度計モデル3600を一部改造した酸素透過性試験機(モコン社 酸素透過性試験機 OX−TRAN 2/10型にて検量、校正)
試験温度: 25℃、
試験湿度: 相対湿度50% 、
試験ガス: 空気(酸素分圧22%) 、
透過面積: 0.8cm
得られた結果を下記表5に示す。
JIS K 5600に準処した碁盤目試験を行った。具体的にはハードコート塗布し、UV硬化後のハードコートフィルムに切れ込みを入れる前にXeを50時間照射した。Xeの照射後のサンプル表面上に1mm間隔で縦横に11本の切れ込みを入れて1mm角の碁盤目を100個作った。この上にセロハンテープおよびマイラーテープを貼り付け、素早く剥がし剥がれた箇所を目視観察により密着評価した。
密着性 ◎ :剥がれ箇所0〜10マス。
密着性 ○ :剥がれ箇所11〜20マス。
密着性 × :剥がれ箇所21〜50マス。
密着性 ××:剥がれ箇所51マス以上
Xeの照射にはスガ試験機株式会社製のスーパーキセノンウェザーメーターSX75を用いた。
得られた結果を下記表5に示す。
一方、比較例1〜6より、酸素透過係数が本発明の範囲よりも小さいと、セルロースアシレートフィルムとハードコート層との間の密着性が悪くなることがわかった。
なお、ハードコート層を塗布する前の各実施例のセルロースアシレートフィルムの表面粗さRaをAFMを用いて測定したところ、いずれも5nm以下であることがわかった。また、同様にハードコート層を塗布する前の各実施例のセルロースアシレートフィルムのヘイズを、フィルム試料40mm×80mmを、25℃、相対湿度60%で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定したところ、いずれも0.5%以下であることがわかった。これらの結果について、上記表5にRaが3nm以下の場合を◎、5nm以下の場合を○、5nmを超える場合を×とし、ヘイズが0.2%以下の場合を◎、0.5%以下の場合を○、0.5%を超える場合を×として記載した。
なお、実施例で得られたフィルムの波長590nmにおけるReの絶対値は0〜5nmであった。
実施例8において、用いた糖エステル化合物1の置換度を変更し、平均置換度を4〜8の範囲で変動させた糖エステル化合物を用いた以外は実施例8と同様にして実施例101のハードコートフィルムを製造した。その結果、実施例101の場合についても密着評価は◎のままで良好であった。
本発明の実施例8のハードコートフィルムを用いた偏光板を液晶パネルに実装し評価したところ、TPP系フィルムとの差なく、性能上問題ないことを確認した。
得られた液晶表示装置は、高温高湿下における耐久性に優れることが分かった。
Claims (12)
- セルロースアシレートを含み、酸素透過係数の値が20cc/m2/day/atm以上であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
- 前記セルロースアシレートのアシル基の置換度が2.7〜2.95であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 酸素透過係数の値が20〜30cc/m2/day/atmであることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記セルロースアシレートに対して5〜20質量%の非リン酸エステル系の添加剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記非リン酸エステル系の添加剤が、糖エステル化合物またはカルボン酸エステル化合物であることを特徴とする請求項4に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 表面粗さRaが5nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 全ヘイズが0.5%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記セルロースアシレートがセルロースアセテートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム上に、(メタ)アクリレート系のHCモノマーを含む組成物を重合してなるハードコート層が積層されたことを特徴とするハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層が塗布により設けられたことを特徴とする請求項9に記載のハードコートフィルム。
- 偏光子と、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム、あるいは、請求項9または10に記載のハードコートフィルムを含むことを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム、請求項9または10に記載のハードコートフィルム、あるいは、請求項11に記載の偏光板を含むことを特徴とする液晶表示装置。
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