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JP2012204071A - 照明装置及び前照灯 - Google Patents

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JP2012204071A JP2011066131A JP2011066131A JP2012204071A JP 2012204071 A JP2012204071 A JP 2012204071A JP 2011066131 A JP2011066131 A JP 2011066131A JP 2011066131 A JP2011066131 A JP 2011066131A JP 2012204071 A JP2012204071 A JP 2012204071A
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Katsuhiko Kishimoto
克彦 岸本
Yoji Kishima
洋史 貴島
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Sharp Corp
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Abstract

【課題】照明光の色温度を調整する。
【解決手段】ヘッドランプ1は、励起光を出射するメイン光源2と、メイン光源2から出射された励起光を受けて蛍光を発する発光部7と、励起光とは異なる波長領域を有する青色光を出射するサブ光源3とを備え、発光部7から出射された蛍光およびサブ光源3から出射された青色光を照明光として出射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高輝度光源として機能する照明装置および当該照明装置を備えた前照灯に関するものである。
近年、励起光源として発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子を用い、これらの励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いる照明装置の研究が盛んになってきている。
このような照明装置の一例が特許文献1に開示されている。この照明装置では、高輝度光源を実現するために、励起光源として、450nm以下のレーザ光を出射するGaN系半導体レーザを用いている。一般に、半導体レーザから発振されるレーザ光は、コヒーレントな光であるため、指向性が強く、当該レーザ光を励起光として無駄なく集光し、利用することができる。
また、特許文献1には、励起光源として、上記GaN系半導体レーザの代わりに、GaN系発光ダイオードを用いた照明装置が開示されている。この発光ダイオードは、コンタクト層やクラッド層などから構成される積層体を含み、その積層体には凹部が設けられている。そして、その凹部に蛍光体を充填することにより、蛍光の取り出し効率の向上が図られている。
特開2000−174346号公報(平成12年6月23日公開)
しかしながら、特許文献1では、励起光源として、上記の半導体レーザあるいは発光ダイオードを用い、高輝度光源の実現あるいは蛍光の取り出し効率の向上を図っているが、照明光の色温度を調整するといった技術的思想については一切開示されていない。これは、特許文献1においては、その色温度調整の必要性については認識されていなかったためである。
ここで、紫外領域から青紫色領域(350〜405nm近傍)の発振波長を有する励起光を青色蛍光体に照射することにより照明光の色温度を高めることは、理論的には可能である。しかし、発光効率が高く、レーザ光源を備える照明装置に適した青色蛍光体は希少であるため、この方法で照明光の色温度を高めることは困難であった。
また、例えば、405nm近傍の発振波長を有する励起光源とともに、当該励起光により励起される蛍光体(青緑発光蛍光体+赤色発光蛍光体)を使用し、当該蛍光体においてその励起光が全て蛍光に変換される場合、照明光としては白色光が出射される。しかし、この場合、青色蛍光体を使用した場合に比べ、蛍光体から出射される蛍光に含まれる青味成分は少なくなるので、その青味成分が少ない分、その白色光の色度範囲、すなわち「所謂白色」にできる範囲が狭くなってしまう。
したがって、405nm近傍の発振波長を有する励起光により励起される青緑発光蛍光体及び赤色発光蛍光体を使用して、照明光として白色光を出射する従来の照明装置において、照明光の色温度を高めることは困難であった。
なお、「所謂白色」と呼ばれる色度範囲の一例としては、図8に示す6つの点35で囲まれた範囲が挙げられる。図8は、車両用前照灯に要求される白色の色度範囲を示すグラフ(色度図)である。同図において、点35で囲まれた範囲が法律で規定された車両用前照灯に要求される白色の色度範囲であり、曲線33は色温度(K:ケルビン)を示している。
また、上記の青緑発光蛍光体の一例としてはCaα−SiAlON:Ce蛍光体、赤色発光蛍光体の一例としてはCASN:Eu蛍光体が挙げられる。また、図8では、Caα−SiAlON:Ce蛍光体(色度点31)及びCASN:Eu蛍光体(色度点32)を使用した場合に照明光が取り得る色度範囲は直線30で示されている。
したがって、従来の照明装置では、色温度の高い照明光の実現が困難であったため、そもそも色温度の調整を行うことが困難であった。このため、このような照明装置を用いて、様々なニーズ及びユーザの嗜好にあわせたアプリケーション開発を行うことも困難であった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、照明光の色温度を調整することが可能な照明装置などを提供することにある。
本発明に係る照明装置は、上記の課題を解決するために、励起光を出射する第1光源と、上記第1光源から出射された励起光を受けて蛍光を発する発光部と、上記励起光とは異なる波長領域を有する第2の光を出射する第2光源とを備え、上記発光部から出射された蛍光および上記第2光源から出射された第2の光を照明光として出射することを特徴としている。
上記構成によれば、第2光源は、第1光源から出射された励起光とは異なる波長領域を有する第2の光を出射する。この第2の光は、第1光源から出射された励起光を受けて発光部が発した蛍光とともに、照明光として出射される。
それゆえ、本発明の照明装置は、発光部が発した蛍光とは異なる第2の光を照明光として利用できるので、例えば励起光としてのレーザ光が外部に漏れることを防ぎ、蛍光のみを照明光として用いるように設計された従来の照明装置においては困難であった色温度の調整を行うことができる。
また、本発明に係る照明装置では、上記第1光源は、紫外領域から青紫色領域の発振波長を有する光を上記励起光として出射し、上記第2光源は、青色領域の発振波長を有する光を上記第2の光として出射することが好ましい。
第1光源が紫外領域から青紫色領域の発振波長を有する光を励起光として出射する場合、その励起光から得られる蛍光の青味成分はほとんどないか、あってもわずかである。上記構成によれば、第2光源が青色領域の発振波長を有する光(青色光)を第2の光として出射するので、蛍光の青味成分をその第2の光により補填できる。このため、照明装置は、照明光の色温度を高めることができる。
また、本発明に係る照明装置では、上記発光部は、350nm以上、420nm以下の波長範囲に光の吸収ピーク波長を有する第1蛍光体を含むことが好ましい。
また、本発明に係る照明装置では、350nm以上、420nm以下の波長範囲の励起光を受けたときの上記第1蛍光体の吸収率は、70%以上であることが好ましい。
また、本発明に係る照明装置では、上記第1蛍光体は、Caα−SiAlON:Ce蛍光体であることが好ましい。
第1蛍光体は、350nm以上、420nm以下の波長範囲に光の吸収ピーク波長を有しているので、第1蛍光体の吸収率は、他の波長範囲における吸収率よりも高い。特に、350nm以上、420nm以下の波長範囲に発振波長を有する励起光を受けたときの第1蛍光体(特にCaα−SiAlON:Ce蛍光体)の吸収率は70%以上である。
逆に言えば、上記他の波長範囲にピーク波長を有する光についての第1蛍光体の吸収率は低い。つまり、420nm以下の波長範囲ではない、例えば青色領域の発振波長(440nm以上の波長範囲にピーク波長)を有する第2の光が発光部に照射されたとき、その第2の光の発光部における吸収率は低い。
このため、発光部において第2の光が吸収されにくいので、発光部における第2の光の減衰を抑制できる。それゆえ、本発明の照明装置は、第2の光を効率よく色温度調整に利用できる。
また、本発明に係る照明装置では、上記発光部は、630nm以上、650nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体を含むことが好ましい。
また、本発明に係る照明装置では、上記第2蛍光体は、CaAlSiN:Eu蛍光体又はSrCaAlSiN:Eu蛍光体であることが好ましい。
上記構成によれば、第2蛍光体を、すなわち赤色で発光する赤色発光蛍光体(特に、CaAlSiN:Eu蛍光体又はSrCaAlSiN:Eu蛍光体)を第1蛍光体と混合することにより、演色性の高い発光部を実現できる。
また、本発明に係る照明装置では、上記第2光源は、上記第2の光としてレーザ光を出射し、上記第2光源が出射したレーザ光を拡散する拡散部をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、第2の光としてのレーザ光は、拡散部に照射されることにより拡散される。これにより、第2光源がレーザ光源であっても、拡散部によってレーザ光の発光点サイズを拡大することができるので、人体に与える影響を抑制しつつ第2の光を照明光として利用できる。
また、本発明に係る照明装置では、上記発光部は、上記拡散部として機能するものであり、上記第2光源が出射したレーザ光は、上記発光部によって拡散されることが好ましい。
上記構成によれば、第2の光としてのレーザ光を拡散させるために、励起光を蛍光に変換する発光部を利用できる。このため、拡散のための部材を別途備える必要がないので、その分安価に照明装置を製造できる。
また、レーザ光はコヒーレント性が高いので、第2の光を発光部に照射させるために発光部を大きくする必要がない(すなわち、発光部を小さくできる)。このため、第2光源を備えた本発明の照明装置においても高輝度な照明装置を実現できる。
また、本発明に係る照明装置では、上記第1光源は、レーザ光源であることが好ましい。
上記構成によれば、第1光源が高出力かつコヒーレント性の高いレーザ光を出射するので、発光部を小さくしても、その発光部に対する励起光の照射効率を高く、かつ発光部を強く励起できるため、従来と同様の光度を得ることができる。すなわち、第1光源がレーザ光源である場合、発光部を小さくできるので、高輝度な照明装置を実現できる。
また、本発明に係る照明装置では、上記励起光を遮断する遮断フィルタを備えることが好ましい。
上記構成によれば、遮断フィルタを備えることにより、蛍光に変換されなかった(あるいは散乱されなかった)励起光が外部に出射されることを確実に防ぐことができる。それゆえ、励起光の発光点サイズが非常に小さく、かつ高出力光である、あるいは励起光が可視光領域以外の波長範囲に属していても、その励起光が外部に漏れ出て人体に与える影響を抑制できる。
また、本発明に係る前照灯は、上記に記載の照明装置を備えることが好ましい。
上記構成によれば、前照灯は、上記照明装置を備えているので、当該照明装置と同様、励起光とは異なる第2の光を照明光として利用できるので、照明光の色温度を調整できる。
本発明に係る照明装置は、以上のように、励起光を出射する第1光源と、上記第1光源から出射された励起光を受けて蛍光を発する発光部と、上記励起光とは異なる波長領域を有する第2の光を出射する第2光源とを備え、上記発光部から出射された蛍光および上記第2光源から出射された第2の光を照明光として出射する構成である。
それゆえ、本発明の照明装置は、例えば励起光としてのレーザ光が外部に漏れることを防ぎ、蛍光のみを照明光として用いるように設計された従来の照明装置においては困難であった色温度の調整を行うことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るヘッドランプの構成を示す断面図である。 上記ヘッドランプが備える光ファイバーの出射端部と発光部との位置関係を示す図である。 Caα−SiAlON:Ce蛍光体の特性を示すグラフである。 上記ヘッドランプが備える発光部を波長405nmのレーザ光で励起した場合のスペクトルを示すグラフである。 上記発光部に波長460nmの青色レーザ光を照射した場合のスペクトルを示すグラフである。 (a)は半導体レーザの回路図を模式的に示す図であり、(b)は半導体レーザの基本構造を示す斜視図である。 本発明の別の形態に係るヘッドランプの構成を示す図である。 本発明の課題を説明するための色度図である。 本発明の一実施形態に係るレーザダウンライトが備える発光ユニットおよび従来のLEDダウンライトの外観を示す概略図である。 上記レーザダウンライトが設置された天井の断面図である。 上記レーザダウンライトの断面図である。 上記レーザダウンライトの設置方法の変更例を示す断面図である。 上記LEDダウンライトが設置された天井の断面図である。 上記レーザダウンライトおよび上記LEDダウンライトのスペックを比較するための図である。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。ここでは、本発明の照明装置の一例として、自動車用のヘッドランプ(前照灯)1を例に挙げて説明する。ただし、本発明の照明装置は、自動車以外の車両・移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよいし、その他の照明装置として実現されてもよい。その他の照明装置として、例えば、サーチライト、プロジェクター、家庭用照明器具を挙げることができる。
ヘッドランプ1は、走行用前照灯(ハイビーム)の配光特性基準を満たしていてもよいし、すれ違い用前照灯(ロービーム)の配光特性基準を満たしていてもよい。
<ヘッドランプ1の構成>
図1は、ヘッドランプ1の構成を示す断面図である。同図に示すように、ヘッドランプ1は、メイン光源(第1光源、レーザ光源)2、サブ光源(第2光源)3、非球面レンズ4、光ファイバー5、フェルール6、発光部7、反射鏡8、遮断フィルタ9、ハウジング10、エクステンション11およびレンズ12を備えている。メイン光源2、サブ光源3、光ファイバー5、フェルール6および発光部7によって発光装置の基本構造が形成されている。
(メイン光源2)
メイン光源2は、励起光を出射する励起光源として機能する発光素子であり、半導体レーザまたはLEDである。以下では、メイン光源2は半導体レーザであるとして説明する。半導体レーザである場合には、高出力かつコヒーレント性の高いレーザ光を発光部7に照射できるので発光部7を小さくでき、高輝度なヘッドランプ1を実現できる。図1には、メイン光源2が2個図示されているが、メイン光源2を複数設ける必要は必ずしもなく、1つのみ設けてもよい。しかし、高出力の励起光を得るためには、複数のメイン光源2を用いる方が容易である。
メイン光源2は、例えば、1チップに1つの発光点を有するものであり、405nm(青紫色)のレーザ光を発振し、出力1.0W、動作電圧5V、電流0.6Aのものであり、直径5.6mmのパッケージに封入されているものである。
ただし、パッケージは直径5.6mmのものに限定されず、例えば、直径3.8mmや直径9mm、あるいはそれ以外であってもよく、熱抵抗がより小さいパッケージを選択することが好ましい。また、メイン光源2は、1チップに複数の発光点を有するものであってもよい。
メイン光源2が発振するレーザ光は、405nmに限定されず、350nm以上420nm以下の波長範囲にピーク波長を有するレーザ光、すなわち紫外領域から青紫色領域を含む波長範囲に発振波長を有するレーザ光であればよい。
メイン光源2は、470nm以下の波長範囲にピーク波長を有するレーザ光を出射することも可能である。しかし、本実施の形態では、サブ光源3から出射される青色領域の発振波長を有する光(第2の光)を照明光として利用する。このため、その光が効率よく照明光として利用されるためには、発光部7において吸収されにくいことが好ましく、これを考慮すれば、メイン光源2が発振するレーザ光のピーク波長は420nm以下であることが好ましい。また、発光部7がCaα−SiAlON:Ce3+蛍光体(Caα−SiAlON:Ce蛍光体)を含む場合の発光部7における励起光の吸収率について考慮すれば、当該ピーク波長が420nm以下であることが好ましい。この吸収率については図3を用いて後述する。
なお、発光部7において、サブ光源3から出射される光を拡散する必要がない、又は発光部7以外の部材(例えば、実施の形態2の拡散部71)において当該光を拡散させる場合には、メイン光源2が発振するレーザ光のピーク波長は、350nm以上470nm以下であってもよい。
(サブ光源3)
サブ光源3は、メイン光源2から出射されるレーザ光とは異なる波長領域を有する光を出射する半導体レーザである。より具体的には、サブ光源3は、青色領域(波長440〜460nm)の発振波長を有する光(青色レーザ光と称する)を発光部7に対して照射する。
発光部7に照射された青色レーザ光は、発光部7において拡散され、コヒーレント性が低下した後に、照明光としてヘッドランプ1の外部に出射される。それゆえ、青色レーザ光の人体に与える影響を抑制した上で当該青色レーザ光を照明光の一部として利用できる。つまり、発光部7から出射される蛍光とともに、当該青色レーザ光が照明光として出射されるので、蛍光のみを照明光として出射するよう設計されてきた従来の照明装置では困難であった照明光の色温度の調整を行うことができる。また、サブ光源3がコヒーレント性の高いレーザ光を出射する場合には、青色レーザ光の照射のために発光部7を大きくする必要がないので、高輝度な発光特性を維持したまま色温度の調整を行うことができる。
なお、サブ光源3は、青色領域にピーク波長を有する光を出射可能な構成であればよく、例えばLEDであってもよい。以下では、サブ光源3は半導体レーザであるとして説明する。
(非球面レンズ4)
非球面レンズ4は、メイン光源2またはサブ光源3から発振されたレーザ光を、光ファイバー5の一方の端部である入射端部51b〜53bに入射させるためのレンズである。例えば、非球面レンズ4として、アルプス電気製のFLKN1 405を用いることができる。上述の機能を有するレンズであれば、非球面レンズ4の形状および材質は特に限定されないが、405nm近傍の透過率が高く、かつ耐熱性のよい材料であることが好ましい。
(光ファイバー5)
光ファイバー5は、メイン光源2およびサブ光源3が発振したレーザ光を発光部7へと導く導光部材であり、複数の光ファイバーの束である。この光ファイバー5は、メイン光源2から出射されたレーザ光を受け取る入射端部51b・52bと、これらの入射端部から入射したレーザ光を出射する出射端部51a・52a(図2参照)とを有する光ファイバーを含んでいる。また、光ファイバー5は、サブ光源3から出射されたレーザ光を受け取る入射端部53bと、これらの入射端部から入射したレーザ光を出射する出射端部53a(図2参照)とを有する光ファイバーを含んでいる。
図2は、出射端部51a〜53aと発光部7との位置関係を示す図である。図2に示すように、複数の出射端部51a〜53aは、発光部7のレーザ光照射面(受光面)7aにおける互いに異なる領域に対してレーザ光を出射する。この構成により、発光部7にレーザ光が局所的に照射されないので、発光部7の一部が著しく劣化することを防止できる。
光ファイバー5は、中芯のコアを、当該コアよりも屈折率の低いクラッドで覆った2層構造をしている。コアは、レーザ光の吸収損失がほとんどない石英ガラス(酸化ケイ素)を主成分とするものであり、クラッドは、コアよりも屈折率の低い石英ガラスまたは合成樹脂材料を主成分とするものである。例えば、光ファイバー5は、コアの径が200μm、クラッドの径が240μm、開口数NAが0.22の石英製のものであるが、光ファイバー5の構造、太さおよび材質は上述のものに限定されず、光ファイバー5の長軸方向に対して垂直な断面は矩形であってもよい。
なお、実施の形態2において示すように、導光部材として光ファイバー以外の部材を用いてもよく、導光部材の種類は限定されない。また、導光部材を用いずに、メイン光源2およびサブ光源3からのレーザ光を、光学レンズ等を用いて発光部7に集光してもよい。
また、メイン光源2からのレーザ光とサブ光源3からのレーザ光とを発光部7の同一の面に照射する必要は必ずしもない。例えば、メイン光源2からのレーザ光をレーザ光照射面7aに照射し、サブ光源3からのレーザ光をレーザ光照射面7aに対する側面に照射してもよい。
(フェルール6)
図2に示すように、フェルール6は、光ファイバー5の複数の出射端部51a〜53aを発光部7のレーザ光照射面7aに対して所定のパターンで保持する。このフェルール6は、出射端部51a〜53aを挿入するための孔が所定のパターンで形成されているものでもよいし、上部と下部とに分離できるものであり、上部および下部の接合面にそれぞれ形成された溝によって出射端部51a〜53aを挟み込むものでもよい。
このフェルール6は、反射鏡8から延出する棒状または筒状の部材などによって反射鏡8に対して固定されていればよい。フェルール6の材質は、特に限定されず、例えばステンレススチールである。また、1つの発光部7に対して、複数のフェルール6を配置してもよい。
(発光部7)
発光部7は、メイン光源2から出射されたレーザ光を受けて蛍光を発するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含んでいる。発光部7は、例えば、封止材の内部に蛍光体が分散されているものである。封止材と蛍光体との割合(重量比)は、100:5程度である。封止材として、例えば、1W/mK程度の無機ガラスを用いることができる。
なお、封止材は、無機ガラスに限定されず、いわゆる有機無機ハイブリッドガラスやシリコーン樹脂等の樹脂材料であってもよい。ただし、封止材として無機ガラスを用いた場合には、熱耐性が高まるとともに発光部7の熱抵抗を下げるという効果が得られるため、無機ガラスが好ましい。また、発光部7は、蛍光体を押し固めたものであってもよい。
上記蛍光体は、酸窒化物系のものであり、青色、緑色および赤色の蛍光体がシリコーン樹脂に分散されている。メイン光源2は、405nm(青紫色)のレーザ光を発振するため、発光部7に当該レーザ光が照射されると白色光が発生する。それゆえ、発光部7は、波長変換材料であるといえる。
発光部7の形状および大きさは、例えば、3mm×1mm×1mmの直方体である。日本国内で法的に規定されている車両用ヘッドランプの配光パターン(配光分布)は、鉛直方向に狭く、水平方向に広いため、発光部7の形状を、水平方向に対して横長(断面略長方形形状)にすることにより、上記配光パターンを実現しやすくなる。
発光部7は、直方体でなくてもよく、レーザ光照射面7aが楕円である筒状であってもよい。
また、発光部7のレーザ光照射面7aは、平面である必要は必ずしもなく、曲面であってもよい。ただし、反射したレーザ光を制御するためには、レーザ光照射面7aは平面を有していることが好ましい。レーザ光照射面7aが曲面の場合、少なくとも曲面への入射角度が大きく変わるため、レーザ光が照射される場所によって、反射光の進む方向が大きく変わってしまう。そのため、レーザ光の反射方向を制御することが困難な場合がある。これに対してレーザ光照射面7aが平面であれば、レーザ光の照射位置が若干ずれたとしても反射光の進む方向はほとんど変わらないため、レーザ光が反射する方向を制御しやすい。場合によっては反射光が当たる場所にレーザ光の吸収材を置くなどの対応がとり易くなる。
なお、レーザ光照射面7aがレーザ光の光軸に対して垂直である必要は必ずしもない。レーザ光照射面7aがレーザ光の光軸に対して垂直な場合、反射したレーザ光はレーザ光源の方向に戻るため、場合によってはレーザ光源にダメージを与える可能性もある。
また、発光部7は、図1では遮断フィルタ9の内側の面に固定されているが、発光部7の位置の固定方法は、この方法に限定されず、反射鏡8から延出する棒状または筒状の部材によって発光部7の位置を固定してもよい。
また、発光部7は、レーザ光を拡散する機能を有している。この機能は、発光部7に含まれる封止材と蛍光体との屈折率の差を利用することで実現できる。そのために、サブ光源3が発振したレーザ光を十分に拡散できる体積(特に厚み)を有するように発光部7を設計する。
また、発光部7の拡散機能をさらに高めるため、または、発光部7を小型化するために、発光部7に拡散粒子を含ませてもよい。拡散粒子として酸化ジルコニウム、ダイヤモンドなどの粒子を用いることができる。これら以外の粒子を用いてもよいが、発光部7の発熱に耐えられる粒子であることが好ましい。
発光部7が上記の拡散機能を有しているので、サブ光源3がレーザ光源であっても、ヘッドランプ1は、サブ光源3から出射されるコヒーレント性が高く発光点サイズの極めて小さな青色レーザ光を、人体への影響がほとんどない発光点サイズの大きな光に変換し、照明光として出射できる。すなわち、ヘッドランプ1は、安全性を確保した上でサブ光源3から出射された青色レーザ光を照明光として利用できる。また、実施の形態2のように拡散部71(図8参照)を設ける必要がないので、その分ヘッドランプ1を安価に製造できる。
発光部7に含まれる蛍光体の詳細については後述する。
(反射鏡8)
反射鏡8は、発光部7から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成するものである。すなわち、反射鏡8は、発光部7からの光を反射することにより、ヘッドランプ1の前方へ進む光線束を形成する。この反射鏡8は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された曲面形状(カップ形状)の部材である。
また、反射鏡8は、半球面ミラーに限定されず、楕円面ミラーやパラボラミラーまたはそれらの部分曲面を有するミラーあってもよい。すなわち、反射鏡8は、回転軸を中心として図形(楕円、円、放物線)を回転させることによって形成される曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいるものであればよい。
(遮断フィルタ9)
遮断フィルタ9は、発光部7においてレーザ光を変換することにより生成された白色光(インコヒーレントな光)を透過するとともに、メイン光源2およびサブ光源3からのレーザ光を遮断する。遮断フィルタ9としては、例えば五鈴精工硝子社製のITY418を使用できる。
発光部7によってコヒーレント性の高いレーザ光は、そのほとんどが蛍光体に吸収されインコヒーレントな白色光に変換される。しかし、何らかの原因でレーザ光の一部が変換されない場合も考えられる。このような場合でも、遮断フィルタ9によってレーザ光を遮断することにより、レーザ光が外部に漏れることを防止できる。これにより、レーザ光(励起光)の発光点サイズが非常に小さく、かつ高出力光である、あるいはレーザ光が可視光領域以外の波長範囲に属していても、レーザ光が外部に漏れ出て人体に与える影響を抑制できる。
なお、メイン光源2がLEDの場合であっても、紫外領域(350nm以上、380nm以下あるいは400nm以下)の励起光を出射する場合には、皮膚や目など人体に影響を与える可能性がある。したがって、遮断フィルタ9としては、400nm以下の光を遮断できるものが選択されることが好ましい。
また、メイン光源2が400nmよりも長い波長の光を出射する場合には、その光が必ずしも遮断フィルタ9によって遮断される必要はない。しかしながら、レーザ光の場合には、その発光点サイズを拡大させ、人体の眼に対して安全な光とするために、当該レーザ光の大部分が発光部7において蛍光に変換されるか、複数回散乱あるいは拡散される必要がある。
(レーザ光利用時の安全性確保について)
小さな発光点サイズを有する光源から高いエネルギーを有する光が出射され、当該光が人間の眼に入射した場合、網膜上では、その小さな発光点サイズにまで光源像が絞られるため、結像箇所におけるエネルギー密度が極めて高くなってしまうことがある。例えば、レーザ光源(半導体レーザ)から出射されるレーザ光は、スポットサイズが10μm角よりも小さい場合がある。そのような光源から出射されるレーザ光が、直接眼に入射、あるいはレンズや反射鏡といった光学部材を介したとしても小さな発光点が直接見える形で眼に入射すると、網膜上の結像箇所が損傷してしまうことがある。
典型的な高出力の半導体レーザにおける発光点サイズは、例えば1μm×10μmである。すなわち、当該半導体レーザの出射面積は10μm=1.0×10−5mmである。このため、半導体レーザが出射する光が、例えば発光点サイズが1mmの光源と同じエネルギーを有する光であったとしても、半導体レーザの場合の網膜上での結像箇所のエネルギー密度は、発光点サイズが1mmの光源の場合よりも10倍も高くなってしまう。
これを回避するためには、発光点サイズをある程度の大きさ(有限のサイズ)(具体的には例えば1mm×1mm以上)に拡大させる必要がある。発光点サイズを拡大させることにより、網膜上での結像サイズを拡大させることができるようになるため、同じエネルギーの光が眼に入射した場合であっても、網膜上のエネルギー密度を低減させることが可能となる。
発光点サイズを拡大させるためには、光源そのものの発光点を視認できないようにする必要がある。このため、本実施の形態では、上述のように発光部2に拡散機能を持たせ、メイン光源2及びサブ光源3の発光点サイズを拡大させることにより、人体に対する安全性、特に人間の眼に対する安全性を確保している(アイセーフ化)。
なお、発光点サイズの拡大については、レーザ光源に限らず、LED光源においても考慮する必要がある。但し、レーザ光は、LED光源から出射される光よりも単色性、すなわち波長が揃っているため、波長の違いによる網膜上での結像のボケ(いわゆる色収差)がなく、当該光よりも危険である。このため、レーザ光源から出射された光を照明光として利用する照明装置においては発光点サイズの拡大について、よりしっかりと考慮することが好ましい。
(ハウジング10)
ハウジング10は、ヘッドランプ1の本体を形成しており、反射鏡8等を収納している。光ファイバー5は、このハウジング10を貫いており、メイン光源2およびサブ光源3は、ハウジング10の外部に設置される。半導体レーザは、レーザ光の発振時に発熱するが、ハウジング10の外部に設置することによりメイン光源2およびサブ光源3を効率良く冷却することが可能となる。
また、メイン光源2およびサブ光源3は、万一故障した時のことを考慮して、交換しやすい位置に設置することが好ましい。これらの点を考慮しなければ、メイン光源2およびサブ光源3をハウジング10の内部に収納してもよい。
(エクステンション11)
エクステンション11は、反射鏡8の前方の側部に設けられており、ヘッドランプ1の内部構造を隠して見栄えを良くするとともに、反射鏡8と車体との一体感を高めている。このエクステンション11も反射鏡8と同様に金属薄膜がその表面に形成された部材である。
(レンズ12)
レンズ12は、ハウジング10の開口部に設けられており、ヘッドランプ1を密封している。発光部7が発生し、反射鏡8によって反射された光は、レンズ12を通ってヘッドランプ1の前方へ出射される。
<発光部7の詳細>
(蛍光体の組成)
上述のように、メイン光源2は、紫外領域から青紫色領域の発振波長を有するレーザ光を出射するものであり、発光部7はこのレーザ光を受けて白色光を出射するために、黄色発光蛍光体または緑色発光蛍光体と、赤色発光蛍光体との混合物であることが好ましい。換言すれば、メイン光源2は、上記領域の発振波長を有するレーザ光を出射してもよく、この場合、白色光を生成するための発光部の材料(蛍光体材料)を容易に選定および製造できる。なお、黄色発光蛍光体とは、560nm以上590nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。緑色発光蛍光体とは、510nm以上560nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。赤色発光蛍光体とは、600nm以上680nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。
上記蛍光体は、サイアロン蛍光体と通称されるものが好ましい。サイアロンとは、窒化ケイ素のシリコン原子の一部がアルミニウム原子に、窒素原子の一部が酸素原子に置換された物質である。サイアロン蛍光体は、窒化ケイ素(Si)にアルミナ(Al)、シリカ(SiO)および希土類元素などを固溶させて作ることができる。
また、上記蛍光体の別の好適な例としては、III−V族化合物半導体のナノメータサイズの粒子を用いた半導体ナノ粒子蛍光体を用いることもできる。同一の化合物半導体(例えばインジュウムリン:InP)を用いても、その粒子径を変更させることにより、量子サイズ効果によって発光色を変化させることができることが半導体ナノ粒子蛍光体の特徴の一つである。例えばInPでは、粒子サイズが3〜4nm程度のときに赤色に発光する。ここで、粒子サイズは透過型電子顕微鏡(TEM)にて評価した。
また、この蛍光体は半導体ベースであるので蛍光寿命が短く、励起光のパワーを素早く蛍光として放射できるのでハイパワーの励起光に対して耐性が強いという特徴もある。これは、上記半導体ナノ粒子蛍光体の発光寿命が10ナノ秒程度と、希土類を発光中心とする通常の蛍光体材料に比べて5桁も小さいためである。発光寿命が短いため、励起光の吸収と蛍光の発光を素早く繰り返すことができる。
その結果、強い励起光に対して高効率を保つことができ、蛍光体からの発熱が低減される。よって、光変換部材が熱により劣化(変色や変形)するのをより抑制することができる。これにより、光の出力が高い発光素子を光源として用いる場合に、発光装置の寿命が短くなるのをより抑制することができる。
本実施の形態では、メイン光源2が405nm近傍の発振波長を有するレーザ光を出射する。このため、ヘッドランプ1が白色光の出射を実現するために、発光部7の蛍光体としては、Caα−SiAlON:Ce蛍光体(第1蛍光体)と、CaAlSiN:Eu2+蛍光体(CASN:Eu蛍光体、第2蛍光体)とを混合したものが用いられている。
Caα−SiAlON:Ce蛍光体は、励起波長が405nmのとき、青色から緑色にかけての蛍光を発し、その発光ピークの波長は510nmである。また、当該蛍光体の発光効率は65%(図3参照)であり、発光効率が高い。さらに、この蛍光体は、耐熱性が高いため、高い出力のレーザ光を高い光密度で発光部7に照射しても発光部7が劣化する可能性が少ない。
また、CASN:Eu蛍光体は、励起波長が405nmのとき、赤色の蛍光を発し、その発光ピークの波長は650nmである。また、この蛍光体の発光効率は73%であり、発光効率が高い。さらに、この蛍光体も耐熱性が高いため、高い出力の励起光を高い光密度で発光部7に照射しても発光部7が劣化する可能性が少ない。
なお、赤色発光蛍光体として、CASN:Eu蛍光体の代わりに、SrCaAlSiN:Eu2+蛍光体(SCASN:Eu蛍光体、第2蛍光体)を用いてもよい。SCASN:Eu蛍光体は、励起波長が350nm〜450nmのとき、赤色の蛍光を発し、そのピーク波長は630nmであり、その発光効率は70%である。
このように、発光部7に、緑色蛍光発光体としてCaα−SiAlON:Ce蛍光体、赤色蛍光発光体としてCASN:Eu蛍光体又はSCASN:Eu蛍光体を用いることにより、高輝度・高光束の白色光を出射する照明装置(前照灯)を実現できる。また、この赤色発光蛍光体、すなわち630nm以上、650nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発する蛍光体を用いることにより、演色性の高い発光部を実現できる。
(Caα−SiAlON:Ce蛍光体の特性)
本実施の形態においてCaα−SiAlON:Ce蛍光体が用いられる理由のひとつとして、上述したように、メイン光源2から出射された励起光が照射されたときの発光効率が高いことが挙げられる。一方で、このCaα−SiAlON:Ce蛍光体は、サブ光源3から出射された青色レーザ光が照射されたときの発光効率が低い。ここで、図3を用いて、Caα−SiAlON:Ce蛍光体の特性について説明する。図3に示すグラフにおいては、Caα−SiAlON:Ce蛍光体の内部量子効率、吸収率及び外部量子効率が示されている。外部量子効率とは、いわゆる発光効率であり、内部量子効率×吸収率により求められる。
図示のように、Caα−SiAlON:Ce蛍光体は、特に350nm以上、420nm以下の波長範囲の光については高い吸収率(励起光全体に対する、蛍光体により吸収された励起光の割合)を示している。換言すれば、Caα−SiAlON:Ce蛍光体は、350nm以上、420nm以下の波長範囲に光の吸収ピーク波長を有しているといえる。
具体的には、Caα−SiAlON:Ce蛍光体の場合、その吸収率が70%以上となるときの、メイン光源2から出射されるレーザ光の波長範囲がおよそ420nm以下であることがわかる。また、一般に、Caα−SiAlON:Ce蛍光体とは異なる蛍光体であっても、420nm以下に光の吸収ピーク波長を有する蛍光体であれば、メイン光源2から出射されるレーザ光の発振波長がおよそ420nm以下の場合には、その蛍光体における当該レーザ光の吸収率は70%以上を示す。図示のように、Caα−SiAlON:Ce蛍光体の場合、吸収率が70%のときの外部量子効率(発光効率)は50%程度であり、高い発光効率を実現している。
逆に言えば、420nm以下に励起光の吸収ピーク波長を有する蛍光体(特にCaα−SiAlON:Ce蛍光体)に、420nmよりも長い波長を有する光が照射された場合には、その吸収率は70%未満となる。特に440nm以上の波長範囲にピーク波長を有する光(サブ光源3が出射する青色レーザ光)が発光部7に照射された場合には、図示のように、その青色レーザ光の吸収率が50%よりも低くなる。このため、このときの発光効率は、その吸収率が70%であるときに比べてさらに低くなる。
具体的には、照射される光の波長が440nmであるとき、その吸収率は約45%であり、その外部量子効率(発光効率)は約35%である。なお、発明者は、Caα−SiAlON:Ce蛍光体に波長445nmの青色レーザ光を照射した場合には、当該蛍光体がほとんど蛍光を発していないことを確認している。なお、波長445nmの光が照射されたときの発光効率は約30%である(図3参照)。
つまり、発光部7に、350nm以上、420nm以下の波長範囲に光の吸収ピーク波長を有し、メイン光源2から出射されるレーザ光が照射されるときの吸収率が70%以上である蛍光体を用いた場合には、サブ光源3から出射された青色レーザ光は発光部7においてほとんど吸収されない。よって、当該青色レーザ光の発光部7における減衰を抑制できるので、ヘッドランプ1は、以下に述べるように、効率よく照明光の色温度を調整できる。
(発光部7から出射される光のスペクトル)
次に、発光部7から出射される光のスペクトルについて説明する。メイン光源2だけを使用した場合のスペクトルについては図4を用いて、メイン光源2及びサブ光源3を使用した場合のスペクトルについては図5を用いて説明する。
図4及び図5では、メイン光源2が405nm近傍の発振波長を有するレーザ光を出射し、発光部7のCaα−SiAlON:Ce蛍光体及びCASN:Eu蛍光体を励起している。また、これらの蛍光体の重量比は3:1であり、メイン光源2の光出力は5Wである。
また、図5では、サブ光源3が460nm近傍の発振波長を有する青色レーザ光を発光部7に照射しており、サブ光源3の光出力は0.5Wである。
図4では、発光部7は、405nm近傍の発振波長を有するレーザ光に加え、500〜700nm程度の波長を有する蛍光(白色光)を出射している。ヘッドランプ1は、このレーザ光を遮断フィルタ9で遮断することにより、皮膚や目など人体に対して障害を与えないようにした上で照明光を出射できる。
一方、図5では、発光部7は、460nm近傍の発振波長を有する青色レーザ光も出射している。上述のとおり、発光部7にCaα−SiAlON:Ce蛍光体を用いているので、発光部7における青色レーザ光の吸収率は低い。つまり、図5に示すように、サブ光源3から青色レーザ光が出射されることにより、図4の場合に比べて発光部7から出射される青色領域(460nm近傍)の光の光量が増加している。
このため、メイン光源2が出射する350nm以上、420nm以下の発振波長を有するレーザ光から得られる蛍光の青味成分は少ないが、その青味成分を上記の青色領域の光にて補填することができる。すなわち、サブ光源3から出射される青色レーザ光を拡散した上で照明光として利用することにより、上記青味成分を補填でき、照明光の色温度を高めることができる。
また、拡散後の青色レーザ光を照明光として利用することにより、蛍光のみを照明光として利用するよう設計されてきた従来の照明装置では困難であった照明光の色温度の調整を行うことができる。また、その青色レーザ光は発光部7により蛍光に変換されにくいので、拡散後の青色レーザ光を照明光として効率よく利用できる。すなわち、色温度の調整に効率よく利用できる。
<半導体レーザの構造>
次に、メイン光源2及びサブ光源3に用いられる半導体レーザの基本構造について説明する。図6(a)は、半導体レーザの回路図を模式的に示したものであり、図6(b)は、半導体レーザの基本構造を示す斜視図である。同図に示すように、半導体レーザは、カソード電極19、基板18、クラッド層113、活性層111、クラッド層112、アノード電極17がこの順に積層された構成である。
基板18は、半導体基板であり、本願のように蛍光体を励起する為の青色〜紫外の励起光を得る為にはGaN、サファイア、SiCを用いることが好ましい。一般的には、半導体レーザ用の基板の他の例として、Si、GeおよびSiC等のIV属半導体、GaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSbおよびAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体、ZnO、Al、SiO、TiO、CrOおよびCeO等の酸化物絶縁体、並びに、SiNなどの窒化物絶縁体のいずれかの材料が用いられる。
アノード電極17は、クラッド層112を介して活性層111に電流を注入するためのものである。
カソード電極19は、基板18の下部から、クラッド層113を介して活性層111に電流を注入するためのものである。なお、電流の注入は、アノード電極17・カソード電極19に順方向バイアスをかけて行う。
活性層111は、クラッド層113及びクラッド層112で挟まれた構造になっている。
また、活性層111およびクラッド層の材料としては、青色〜紫外の励起光を得る為にはAlInGaNから成る混晶半導体が用いられる。一般に半導体レーザの活性層・クラッド層としては、Al、Ga、In、As、P、N、Sbを主たる組成とする混晶半導体が用いられ、そのような構成としても良い。また、Zn、Mg、S、Se、TeおよびZnO等のII−VI属化合物半導体によって構成されていてもよい。
また、活性層111は、注入された電流により発光が生じる領域であり、クラッド層112及びクラッド層113との屈折率差により、発光した光が活性層111内に閉じ込められる。
さらに、活性層111には、誘導放出によって増幅される光を閉じ込めるために互いに対向して設けられる表側へき開面114・裏側へき開面115が形成されており、この表側へき開面114・裏側へき開面115が鏡の役割を果す。
ただし、完全に光を反射する鏡とは異なり、誘導放出によって増幅される光の一部は、活性層111の表側へき開面114・裏側へき開面115(本実施の形態では、便宜上表側へき開面114とする)から出射され、励起光L0となる。なお、活性層111は、多層量子井戸構造を形成していてもよい。
なお、表側へき開面114と対向する裏側へき開面115には、レーザ発振のための反射膜(図示せず)が形成されており、表側へき開面114と裏側へき開面115との反射率に差を設けることで、低反射率端面である、例えば、表側へき開面114より励起光L0の大部分を発光点103から照射されるようにすることができる。
クラッド層113・クラッド層112は、n型およびp型それぞれのGaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSb、及びAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、並びに、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体のいずれの半導体によって構成されていてもよく、順方向バイアスをアノード電極17及びカソード電極19に印加することで活性層111に電流を注入できるようになっている。
クラッド層113・クラッド層112および活性層111などの各半導体層との膜形成については、MOCVD(有機金属化学気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法、CVD(化学気相成長)法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。各金属層の膜形成については、真空蒸着法やメッキ法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。
(発光部7の発光原理)
次に、メイン光源2から発振されたレーザ光による蛍光体の発光原理について説明する。
まず、メイン光源2から発振されたレーザ光が発光部7に含まれる蛍光体に照射されることにより、蛍光体内に存在する電子が低エネルギー状態から高エネルギー状態(励起状態)に励起される。
その後、この励起状態は不安定であるため、蛍光体内の電子のエネルギー状態は、一定時間後にもとの低エネルギー状態(基底準位のエネルギー状態または励起準位と基底準位との間の準安定準位のエネルギー状態)に遷移する。
このように、高エネルギー状態に励起された電子が、低エネルギー状態に遷移することによって蛍光体が発光する。
白色光は、等色の原理を満たす3つの色の混色、または補色の関係を満たす2つの色の混色で構成でき、この原理・関係に基づき、半導体レーザから発振されたレーザ光の色と蛍光体が発する光の色とを、上述のように組み合わせることにより白色光を発生させることができる。
<ヘッドランプ1の効果>
ヘッドランプ1は、発光部7から出射された蛍光およびサブ光源3から出射された青色レーザ光を、例えば発光部7において拡散させた上で照明光として出射する。これにより、ヘッドランプ1は、メイン光源2から出射されたレーザ光により発光部7を励起させて蛍光を得ることにより高輝度な発光特性を維持しつつ、当該蛍光とともに拡散後の青色レーザ光を照明光として利用することにより照明光の色温度の調整も実現できる。
なお、サブ光源3が半導体レーザでない場合には、サブ光源3から出射される光を発光部7において拡散させることなく、そのまま照明光として利用できる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のヘッドランプ20は、上述のヘッドランプ1とは異なり、サブ光源3が出射した青色レーザ光を拡散する拡散部71を備えている。また、ヘッドランプ20は、メイン光源2からの励起光を発光部7へ導く導光部材として導光部51を備えるとともに、サブ光源3からの青色レーザ光を拡散部71へ導く導光部52を備えている。
(拡散部71)
拡散部71は、例えば、レーザ光を拡散させる拡散粒子が母材中に分散されているものである。
拡散部71に対して高出力のレーザ光が照射される場合も想定されるため、拡散部71は耐熱性であることが好ましい。この点を考慮すれば、上記母材として、無機ガラスを用いることが好ましい。
一方、拡散粒子として、例えば、フュームドシリカ、Al、酸化ジルコニウムまたはダイヤモンドを用いることができる。これらの微粉末(直径10nm〜5μm程度)が重量比10〜30%程度で無機ガラスに混合されている。
無機ガラスの屈折率は、1.5〜1.8程度であるのに対して、酸化ジルコニウムおよびダイヤモンドの屈折率は、約2.4である。それゆえ、無機ガラスと拡散粒子との屈折率の差が大きくなるため、拡散効果を高めることができる。
また、酸化ジルコニウムの融点は2715℃であり、ダイヤモンドの融点は3550℃であるので、通常の無機ガラスの溶融温度程度では融けたり変質したりすることはなく、拡散粒子として無機ガラス中に分散させる材料として好適である。
上述した拡散部71の材質はあくまで一例であり、青色レーザ光を拡散可能なものであれば、拡散部71の材質は特に限定されない。また、拡散部71の形状および大きさ(厚み)についても、その拡散効率を考慮して、十分に青色レーザ光を拡散できる形状および大きさを設定すればよい。
拡散部71形状および大きさは、発光部7と同程度で良いが発光部7を覆うように形成されることが好ましい。また、発光部7および拡散部71は、反射鏡8の焦点位置の近傍に配置されることが好ましい。
このように、サブ光源3から出射される青色レーザ光を拡散部71において拡散させることにより、青色レーザ光の発光点サイズを拡大することができるので、安全性を確保した上で、当該青色レーザ光を照明光として利用することができる。
(導光部51・52)
導光部51・52は、円錐台状の導光部材であり、非球面レンズ4を介して(または、直接的に)メイン光源2およびサブ光源3と光学的に結合している。
導光部51・52は、メイン光源2またはサブ光源3が出射したレーザ光を受光する光入射面と当該光入射面において受光したレーザ光を出射する光出射面とを有している。
光出射面の面積は、光入射面の面積よりも小さいため、光入射面から入射した各レーザ光は、導光部51・52の側面に反射しつつ前進することにより収束されて光出射面から出射される。
導光部51・52は、BK7、石英ガラス、アクリル樹脂その他の透明素材で構成する。また、光入射面および光出射面は、平面形状であっても曲面形状であってもよい。
なお、導光部51・52は、角錐台状であってもよく、その形状は限定されない。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について図9〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1・2と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
ここでは、本発明の照明装置の一例としてのレーザダウンライト200について説明する。レーザダウンライト200は、家屋、乗物などの構造物の天井に設置される照明装置である。レーザダウンライト200は、メイン光源2から出射されたレーザ光を発光部7に照射することによって蛍光と、サブ光源3から出射され、発光部7で拡散された青色レーザ光とを照明光として用いるものである。
なお、レーザダウンライト200と同様の構成を有する照明装置を、構造物の側壁または床に設置してもよく、上記照明装置の設置場所は特に限定されない。
図9は、発光ユニット210および従来のLEDダウンライト300の外観を示す概略図である。図10は、レーザダウンライト200が設置された天井の断面図である。図11は、レーザダウンライト200の断面図である。図9〜図11に示すように、レーザダウンライト200は、天板400に埋設され、照明光を出射する発光ユニット210と、光ファイバー5を介して発光ユニット210へレーザ光を供給するLD光源ユニット220とを含んでいる。LD光源ユニット220は、天井には設置されておらず、ユーザが容易に触れることができる位置(例えば、家屋の側壁)に設置されている。このようにLD光源ユニット220の位置を自由に決定できるのは、LD光源ユニット220と発光ユニット210とが光ファイバー5によって接続されているからである。この光ファイバー5は、天板400と断熱材401との間の隙間に配置されている。
(発光ユニット210の構成)
発光ユニット210は、図11に示すように、筐体211、光ファイバー5、発光部7および透光板213を備えている。
筐体211には、凹部212が形成されており、この凹部212の底面に発光部7が配置されている。凹部212の表面には、金属薄膜が形成されており、凹部212は反射鏡として機能する。
また、筐体211には、光ファイバー5を通すための通路214が形成されており、この通路214を通って光ファイバー5が発光部7まで延びている。光ファイバー5の出射端部5aと発光部7との位置関係は上述したものと同様である。
透光板213は、凹部212の開口部をふさぐように配置された透明または半透明の板である。この透光板213は、遮断フィルタ9と同様の機能を有するものであり、発光部7の蛍光は、透光板213を透して照明光として出射される。透光板213は、筐体211に対して取外し可能であってもよく、省略されてもよい。
図9では、発光ユニット210は、円形の外縁を有しているが、発光ユニット210の形状(より厳密には、筐体211の形状)は特に限定されない。
なお、ダウンライトでは、ヘッドランプの場合とは異なり、理想的な点光源は要求されず、発光点が1つというレベルで十分である。それゆえ、発光部7の形状、大きさおよび配置に関する制約は、ヘッドランプの場合よりも少ない。
(LD光源ユニット220の構成)
LD光源ユニット220は、メイン光源2、サブ光源3、非球面レンズ4および光ファイバー5を備えている。
光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bは、LD光源ユニット220に接続されており、メイン光源2およびサブ光源3から発振されたレーザ光はそれぞれ、非球面レンズ4を介して光ファイバー5の入射端部5bに入射される。
図11では、LD光源ユニット220の内部に、一対のメイン光源2および非球面レンズ4と一対のサブ光源3および非球面レンズ4とが備えられ、それぞれの非球面レンズ4から延びる光ファイバーの束が1つの発光ユニット210に導かれている。すなわち、図11では、一対のメイン光源2および非球面レンズ4と一対のサブ光源3および非球面レンズ4とからなる1セットの光源が、1つの発光ユニット210用の光源として機能している。なお、メイン光源2およびサブ光源3が1つずつである必要はなく、その個数は、1光源あたりの出力量や、レーザダウンライト200で実現する照明光の色温度、あるいはその調整幅などを考慮して決定されればよい。
また、発光ユニット210が複数存在する場合には、発光ユニット210からそれぞれ延びる光ファイバーの束を1つのLD光源ユニット220に導いてもよい。この場合、1つのLD光源ユニット220に上記の1セットの光源が複数収納されることになり、LD光源ユニット220は集中電源ボックスとして機能する。
(レーザダウンライト200の設置方法の変更例)
図12は、レーザダウンライト200の設置方法の変更例を示す断面図である。同図に示すように、レーザダウンライト200の設置方法の変形例として、天板400には光ファイバー5を通す小さな穴402だけを開け、薄型・軽量の特長を活かしてレーザダウンライト本体(発光ユニット210)を強力な粘着テープ等を使って天板400に貼り付けるということもできる。この場合、レーザダウンライト200の設置に係る制約が小さくなり、また工事費用が大幅に削減できるというメリットがある。
(レーザダウンライト200と従来のLEDダウンライト300との比較)
従来のLEDダウンライト300は、図9に示すように、複数の透光板301を備えており、各透光板301からそれぞれ照明光が出射される。すなわち、LEDダウンライト300において発光点は複数存在している。LEDダウンライト300において発光点が複数存在しているのは、個々の発光点から出射される光の光束が比較的小さいため、複数の発光点を設けなければ照明光として十分な光束の光が得られないためである。
これに対して、レーザダウンライト200は、高光束の照明装置であるため、発光点は1つでもよい。それゆえ、照明光による陰影がきれいに出るという効果が得られる。また、発光部7の蛍光体を高演色蛍光体(例えば、数種類の酸窒化物蛍光体の組み合わせ)にすることにより、照明光の演色性を高めることができる。
図13は、LEDダウンライト300が設置された天井の断面図である。同図に示すように、LEDダウンライト300では、LEDチップ、電源および冷却ユニットを収納した筐体302が天板400に埋設されている。筐体302は比較的大きなものであり、筐体302が配置されている部分の断熱材401には、筐体302の形状に沿った凹部が形成される。筐体302から電源ライン303が延びており、この電源ライン303はコンセント(不図示)につながっている。
このような構成では、次のような問題が生じる。まず、天板400と断熱材401との間に発熱源である光源(LEDチップ)および電源が存在しているため、LEDダウンライト300を使用することにより天井の温度が上がり、部屋の冷房効率が低下するという問題が生じる。
また、LEDダウンライト300では、光源ごとに電源および冷却ユニットが必要であり、トータルのコストが増大するという問題が生じる。
また、筐体302は比較的大きなものであるため、天板400と断熱材401との間の隙間にLEDダウンライト300を配置することが困難な場合が多いという問題が生じる。
これに対して、レーザダウンライト200では、発光ユニット210には、大きな発熱源は含まれていないため、部屋の冷房効率を低下させることはない。その結果、部屋の冷房コストの増大を避けることができる。
また、発光ユニット210ごとに電源および冷却ユニットを設ける必要がないため、レーザダウンライト200を小型および薄型にすることができる。その結果、レーザダウンライト200を設置するためのスペースの制約が小さくなり、既存の住宅への設置が容易になる。
また、レーザダウンライト200は、小型および薄型であるため、上述したように、発光ユニット210を天板400の表面に設置することができ、天板裏側のスペースもほとんど必要ないためにLEDダウンライト300よりも設置に係る制約を小さくすることができるとともに工事費用を大幅に削減できる。
図14は、レーザダウンライト200およびLEDダウンライト300のスペックを比較するための図である。同図に示すように、レーザダウンライト200は、その一例では、LEDダウンライト300に比べて体積は94%減少し、質量は86%減少する。
また、LD光源ユニット220をユーザの手が容易に届く所(高さ)に設置できるため、メイン光源2およびサブ光源3が故障した場合でも、手軽にこれらの光源を交換できる。また、複数の発光ユニット210から延びる光ファイバー5を1つのLD光源ユニット220に導くことにより、複数のメイン光源2および複数のサブ光源3を一括管理できる。そのため、複数のメイン光源2および複数のサブ光源3を交換する場合でも、その交換が容易にできる。
なお、LEDダウンライト300において、高演色蛍光体を用いたタイプの場合、消費電力10Wで約500lmの光束が出射できるが、同じ明るさの光をレーザダウンライト200で実現するためには、3.3Wの光出力が必要である。この光出力は、LD効率が35%であれば、消費電力10Wに相当し、LEDダウンライト300の消費電力も10Wであるため、消費電力では、両者の間に顕著な差は見られない。それゆえ、レーザダウンライト200では、LEDダウンライト300と同じ消費電力で、上述の種々のメリットが得られることになる。
以上のように、レーザダウンライト200は、レーザ光を出射するメイン光源2および青色レーザ光を出射するサブ光源3を少なくとも1つずつ備えるLD光源ユニット220と、当該レーザ光および青色レーザ光が照射される発光部7を備える少なくとも1つの発光ユニット210とを備える。そして、メイン光源2から出射されたレーザ光を受けて発光部7から出射された蛍光と、サブ光源3から出射された青色レーザ光(発光部7で拡散された青色レーザ光)とを照明光として出射する。
それゆえ、レーザダウンライト200は、発光部7が発した蛍光とは異なる青色レーザ光を照明光として利用できるので、励起光としてのレーザ光が外部に漏れることを防ぎ、蛍光のみを照明光として用いるように設計された従来の照明装置においては困難であった色温度の調整を行うことができる。
〔本発明の別の表現〕
本発明は、以下のようにも表現できる。
すなわち、本発明に係る照明装置(固体照明光源)は、蛍光体発光部と、発振波長が405nm近傍の青紫領域、または350nmから400nmの紫外線から青紫領域にある半導体レーザまたはLEDを励起光源と、からなる固体照明光源に関するものである。この照明装置の第一の側面は、蛍光体発光部の少なくとも一部を構成する蛍光体として、Caα−SiAlON:Ce3+を用いていることである。また、照明装置の第二の側面は、照明光の色温度を上げる目的として青色半導体レーザ(440nm以上460nm以下にレーザ発振のピークを有する)を有することである。そして、この照明装置は、前記青色半導体レーザから発せられるレーザ光を前記蛍光体発光部に照射し、前記蛍光体発光部で散乱させてレーザ光の発光点サイズを拡大させることによりアイセーフ化させて、発光部から出射される照明光の青色光成分を補填する。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、サブ光源3の出力をユーザが変化させることにより、色温度の調整をユーザの嗜好に合わせて調整することができる。すなわち、この場合には、ユーザによる色温度のカスタマイズが可能となる。
また、発光部7で用いられる蛍光体は、実施の形態1に記載の組成に限られない。例えば、発光部7で用いられる蛍光体が黄色発光蛍光体だけからなる構成であってもよい。この場合、メイン光源2の出力は3〜4Wとし、サブ光源3の出力を0.3〜0.4Wとすることができる。また、赤色発光蛍光体だけを用いた場合には、メイン光源2の出力を3.5〜5Wとすることができる。
すなわち、発光部7における蛍光体の組成の変更により、メイン光源2及びサブ光源3の出力は適宜変更できる。また、サブ光源3から出射される光を照明光として利用することにより、色温度の調整あるいは向上させることができればよく、照明光が白色光に限定されるものではない。
本発明は、照明光の色温度を調整でき、特に車両用等のヘッドランプなどに好適である。
1 ヘッドランプ(照明装置、前照灯)
2 メイン光源(第1光源、レーザ光源)
3 サブ光源(第2光源)
7 発光部(拡散部)
9 遮断フィルタ
71 拡散部

Claims (12)

  1. 励起光を出射する第1光源と、
    上記第1光源から出射された励起光を受けて蛍光を発する発光部と、
    上記励起光とは異なる波長領域を有する第2の光を出射する第2光源とを備え、
    上記発光部から出射された蛍光および上記第2光源から出射された第2の光を照明光として出射することを特徴とする照明装置。
  2. 上記第1光源は、紫外領域から青紫色領域の発振波長を有する光を上記励起光として出射し、
    上記第2光源は、青色領域の発振波長を有する光を上記第2の光として出射することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 上記発光部は、350nm以上、420nm以下の波長範囲に光の吸収ピーク波長を有する第1蛍光体を含むことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
  4. 350nm以上、420nm以下の波長範囲の励起光を受けたときの上記第1蛍光体の吸収率は、70%以上であることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
  5. 上記第1蛍光体は、Caα−SiAlON:Ce蛍光体であることを特徴とする請求項3または4に記載の照明装置。
  6. 上記発光部は、630nm以上、650nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体を含むことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の照明装置。
  7. 上記第2蛍光体は、CaAlSiN:Eu蛍光体又はSrCaAlSiN:Eu蛍光体であることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
  8. 上記第2光源は、上記第2の光としてレーザ光を出射し、
    上記第2光源が出射したレーザ光を拡散する拡散部をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の照明装置。
  9. 上記発光部は、上記拡散部として機能するものであり、
    上記第2光源が出射したレーザ光は、上記発光部によって拡散されることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
  10. 上記第1光源は、レーザ光源であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の照明装置。
  11. 上記励起光を遮断する遮断フィルタを備えることを特徴とする請求項10に記載の照明装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の照明装置を備えることを特徴とする前照灯。
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