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JP2012251028A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2012251028A
JP2012251028A JP2011122936A JP2011122936A JP2012251028A JP 2012251028 A JP2012251028 A JP 2012251028A JP 2011122936 A JP2011122936 A JP 2011122936A JP 2011122936 A JP2011122936 A JP 2011122936A JP 2012251028 A JP2012251028 A JP 2012251028A
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elastomer
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pneumatic tire
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佑介 廣川
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Abstract

【課題】ベルト層におけるコードとコーティングゴムとの接着耐久性が高く、且つ転がり抵抗の小さい空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】樹脂組成物からなる厚さが0.001〜10μmのバリア層と、エラストマー組成物からなる厚さが0.001〜40μmのエラストマー層とを合計7層以上含む積層体をインナーライナー6に適用し、ベルト5を構成するベルト層の少なくとも一層のコーティングゴムに、ゴム成分100質量部に対して下記一般式(1):
Figure 2012251028

(式中、Rは炭素数1〜16の2価の脂肪族基、又は2価の芳香族基を表す)で表される化合物を0.1〜10質量部配合してなるゴム組成物を適用したことを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤ、特には、ベルト層におけるコードとコーティングゴムとの接着耐久性が高く、且つ転がり抵抗の小さい空気入りタイヤに関するものである。
昨今、ベルトの補強材料としてスチールコードを用いたスチールコード補強空気入りタイヤがシェアを伸ばしている。かかるスチールコード補強空気入りタイヤにおいて、ベルトの耐久性を向上させるには、ゴムとスチールコードとの間の接着性を向上させることが有効である。そして、一般に、ゴムとスチールコードとの間の接着性を向上させるために、スチールコードには、亜鉛、黄銅等でメッキが施されている。
一方、スチールコードのコーティングゴムには、レゾルシン、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂(RF樹脂)等を配合したゴム組成物が用いられているが、該ゴム組成物においては、レゾルシンやRF樹脂のブルームが発生したり、該ブルームの発生によりゴム組成物を配合してから加硫接着まで長期間貯蔵すると接着性が低下するといった問題があった。
これに対して、特開2005−290373号公報(下記特許文献1)には、特定の構造の化合物又は該化合物を主成分とする組成物を配合したゴム組成物を、スチールコードのコーティングゴムに適用することで、ブルームの発生を抑制しつつ、ゴムとスチールコードとの間の接着性を向上させられることが開示されている。
特開2005−290373号公報
一方、環境への配慮から、タイヤの低燃費性を向上させるために、タイヤの転がり抵抗を低減することが求められている。しかしながら、従来の手法では、ベルトの耐久性を向上させつつ、タイヤの転がり抵抗を低減することが難しかった。
そこで、本発明の目的は、ベルト層におけるコードとコーティングゴムとの接着耐久性が高く、且つ転がり抵抗の小さい空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、タイヤのインナーライナーに特定の積層体を適用しつつ、ベルト層のコーティングゴムに特定の構造の化合物又は該化合物を主成分とする組成物を配合したゴム組成物を適用することで、ベルト層におけるコードとコーティングゴムとの接着耐久性を向上させつつ、タイヤの転がり抵抗を低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、カーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した一枚以上のベルト層からなるベルトと、前記カーカスのタイヤ内面側に配置したインナーライナーとを具え、
樹脂組成物からなる厚さが0.001〜10μmのバリア層と、エラストマー組成物からなる厚さが0.001〜40μmのエラストマー層とを合計7層以上含む積層体を、前記インナーライナーに、適用し、
前記ベルト層がコードをコーティングゴムで被覆してなり、該ベルト層の少なくとも一層のコーティングゴムに、ゴム成分100質量部に対して下記一般式(1):
Figure 2012251028
(式中、Rは炭素数1〜16の2価の脂肪族基、又は2価の芳香族基を表す)で表される化合物を0.1〜10質量部配合してなるゴム組成物を適用した
ことを特徴とする。
また、本発明の他の空気入りタイヤは、カーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した一枚以上のベルト層からなるベルトと、前記カーカスのタイヤ内面側に配置したインナーライナーとを具え、
樹脂組成物からなる厚さが0.001〜10μmのバリア層と、エラストマー組成物からなる厚さが0.001〜40μmのエラストマー層とを合計7層以上含む積層体を、前記インナーライナーに、適用し、
前記ベルト層がコードをコーティングゴムで被覆してなり、該ベルト層の少なくとも一層のコーティングゴムに、ゴム成分100質量部に対して下記一般式(2):
Figure 2012251028
(式中、Rは炭素数1〜16の2価の脂肪族基、又は2価の芳香族基を表す)で表される化合物が60〜100重量%、下記一般式(3):
Figure 2012251028
(式中、Rは炭素数1〜16の2価の脂肪族基、又は2価の芳香族基を表し、nは2〜6の整数を示す)で表され且つn=2の化合物が0〜20重量%、上記一般式(3)で表され且つn=3の化合物が0〜10重量%及び上記一般式(3)で表され且つn=4〜6の化合物が合計で0〜10重量%からなる組成物を0.1〜10質量部配合してなるゴム組成物を適用した
ことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤの好適例においては、前記エラストマー層を構成するエラストマー組成物が、エラストマー中に23℃でのヤング率が該エラストマーより低い軟質材料を分散させてなる。ここで、該軟質材料は、分子量が10,000以下であることが好ましく、1,000以下であることが更に好ましい。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記エラストマー層を構成するエラストマー組成物が、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーを含む。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記バリア層を構成する樹脂組成物が、樹脂中に23℃でのヤング率が該樹脂より低い軟質材料を分散させてなる。ここで、該軟質材料は、水酸基と反応可能な官能基を有することが好ましい。また、該軟質材料は、分子量が10,000以下であることが好ましく、1,000以下であることが更に好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記バリア層を構成する樹脂組成物は、エチレン−ビニルアルコール共重合体、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び/又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を含むことが更に好ましい。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記バリア層及び/又は前記エラストマー層が活性エネルギー線の照射により架橋されている。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記コーティングゴムに適用するゴム組成物のゴム成分が天然ゴムを含む。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記コーティングゴムに適用するゴム組成物が、更に、前記ゴム成分100質量部に対して硫黄を2〜9質量部含む。
本発明によれば、ベルト層におけるコードとコーティングゴムとの接着耐久性が高く、且つ転がり抵抗の小さな空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの一例の部分断面図である。
<空気入りタイヤ>
以下に、図を参照しながら、本発明の空気入りタイヤを詳細に説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの一例の部分断面図である。図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、上記一対のビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部1,2,3を補強するカーカス4と、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された2枚のベルト層からなるベルト5とを具え、更に、該カーカス5の内側のタイヤ内面にはインナーライナー6が配置されている。
図示例のタイヤにおいて、カーカス4は、上記ビード部1内に夫々埋設した一対のビードコア7間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア7の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明のタイヤにおいて、カーカス4のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。
また、図示例のタイヤにおいて、ベルト5は、2枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいては、ベルト5を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。ここで、本発明の空気入りタイヤにおいて、ベルト層は、コード、好ましくはスチールコードをコーティングゴムで被覆してなり、通常、コードがタイヤ赤道面に対して傾斜して延びるように配置され、2枚のベルト層は、該ベルト層を構成するコードが互いに赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト5を構成する。そして、本発明の空気入りタイヤにおいては、ベルト層の少なくとも一層のコーティングゴムに、後述する特定構造の化合物又は該化合物を主成分とする組成物を配合したゴム組成物を適用しつつ、インナーライナー6に後述するバリア層とエラストマー層とを含む積層体を適用する。
なお、本発明の空気入りタイヤのトレッド踏面部、サイドウォール部及びビード部等には、通常のタイヤのそれらの部分に使用される材料、形状、配置を適宜採用することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、後述するバリア層とエラストマー層とを含む積層体の空気透過性が非常に低いため、インナーライナー6を薄くすることで、タイヤを軽量化することが可能であり、また、タイヤを軽量化することで、タイヤの転がり抵抗を低減することができる。また、ベルト層のコーティングゴムに後述する特定構造の化合物又は該化合物を主成分とする組成物を配合したゴム組成物を適用することで、コードとゴムとの接着性を向上させることができる。
そして、驚くべきことに、本発明の空気入りタイヤにおいては、後述するバリア層とエラストマー層とを含む積層体の空気透過性が非常に低いため、ベルト5への酸素の透過が抑制され、ベルト5のコーティングゴムの劣化を抑制することも可能となり、その結果として、ベルト5におけるコードとゴムとの接着耐久性を大幅に向上させることが可能となる。
<インナーライナー>
本発明の空気入りタイヤは、カーカス4のタイヤ内面側にインナーライナー6が配置されており、該インナーライナー6に、樹脂組成物からなる厚さが0.001〜10μmのバリア層と、エラストマー組成物からなる厚さが0.001〜40μmのエラストマー層とを合計7層以上含む積層体が適用されている。
本発明の空気入りタイヤのインナーライナーに用いる積層体は、バリア層とエラストマー層とを含み、バリア層とエラストマー層とを合計した層数は7層以上である。このような積層体であれば、ある層で発生したピンホールや割れ等の欠陥が隣接する層へ進展することを抑制できるため、積層体全体にわたる亀裂や破断を防ぐことができ、高いガスバリア性及び耐クラック性等の耐久性を維持することができる。また、上述の積層体によって奏される効果を更に発揮するため、バリア層とエラストマー層とが交互に積層されているのが好ましく、更に、エラストマー層に比べてバリア層の方が亀裂を生じやすいため、積層体の表面がエラストマー層によって形成されているのが好ましい。従って、バリア層の層数は3層以上が好ましく、エラストマー層の層数は4層以上が好ましい。加えて、積層体のガスバリア性及び耐クラック性を十分に維持させる観点から、バリア層及びエラストマー層の合計層数は、7層以上であることを要し、11層以上であることが好ましく、15層以上であることが更に好ましい。なお、バリア層及びエラストマー層の合計層数の上限は、特に限定されない。
上記積層体において、バリア層は厚さが0.001〜10μmであり、エラストマー層は厚さが0.001〜40μmである。バリア層及びエラストマー層の厚さを上記範囲にすることで、積層体を構成する層の数を増やすことができ、全体の厚さは同じであるが層数の少ない積層体と比べて、積層体のガスバリア性及び耐クラック性を向上させることができる。
例えば、バリア層に用いる材料の一例としてポリスチレンが挙げられるが、ポリスチレンは脆性な材料として知られており、このポリスチレンからなる層は、室温において1.5%程度の伸びにより破断してしまうことがある。しかしながら、「Polymer,1993,vol.34(10),2148−2154」では、延性な材料からなる層とポリスチレンからなる層とを積層させ、更にポリスチレンからなる層の一層の厚さを1μm以下とすることで、ポリスチレンからなる層が脆性から延性へ改質されることが報告されている。即ち、ポリスチレンのような脆性な材料からなる層であっても、該層の厚みを非常に薄くすることで、靭性に改質できると考えられる。本発明者らはこのような考え方に着目し、優れたガスバリア性及び耐クラック性の両立を達成できる積層体を見出した。
上記バリア層は、厚さの下限が0.001μmであることを要し、0.005μmであることが好ましく、0.01μmであることが更に好ましい。また、バリア層の厚さの上限は、10μmであること要し、7μmが好ましく、5μmがより好ましく、3μmが更に好ましく、1μmが一層好ましく、0.5μmがより一層好ましく、0.2μmが更に一層好ましく、0.1μmが特に好ましく、0.05μmが最も好ましい。バリア層の厚さが0.001μm未満では、均一な厚さで成形することが困難になり、積層体のガスバリア性及びクラック性が低下する恐れがある。一方、バリア層の厚さが10μmを超えると、積層体の厚さによっては積層体を構成するバリア層の数を十分に確保できなくなり、ガスバリア性及び耐クラック性が低下する恐れがあり、また、バリア層に靭性を付与できない場合がある。
上記エラストマー層は、同様の理由から、厚さの下限が0.001μmであることを要し、0.005μmであることが好ましく、0.01μmであることが更に好ましい。また、同様の理由から、エラストマー層の厚さの上限は、40μmであることを要し、30μmであることが好ましく、20μmであることが更に好ましい。また、エラストマー層の合計厚さは、バリア層の合計厚さと同じか又はバリア層の合計厚さより厚い、即ちエラストマー層の合計厚さのバリア層の合計厚さに対する比(エラストマー層/バリア層)が1以上になるような厚さであることが好ましい。これにより、積層体が全層破断に至るまでの屈曲疲労特性が向上する。
上記積層体の厚さは、0.1〜1000μmの範囲が好ましく、0.5〜750μmの範囲が更に好ましく、1〜500μmの範囲が一層好ましい。積層体の厚さが上記範囲内にあれば、インナーライナーとして好適であり、また、バリア層及びエラストマー層の厚さを限定することとも相まって、ガスバリア性、耐クラック性等を更に向上させることができる。
上記積層体は、バリア層及び/又はエラストマー層が、活性エネルギー線の照射により架橋されていることが好ましい。活性エネルギー線の照射によりバリア層及び/又はエラストマー層、好ましくはバリア層及びエラストマー層の両方を架橋することで、積層される各層間の親和性が向上し高い接着性を発現することができる。その結果、積層体の層間接着性、延いてはガスバリア性及び耐クラック性を格段に向上させることができる。なお、上記活性エネルギー線は、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、具体例としては紫外線、γ線、電子線等が挙げられ、これらの中でも、層間接着性の向上効果の観点から、電子線が好ましい。活性エネルギー線として電子線を照射する場合、電子線源としては、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を使用でき、加速電圧は通常100〜500kVで、照射線量は通常5〜600kGyの範囲である。また、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、波長190〜380nmの紫外線を含むものを照射するのがよい。紫外線源としては、特に制限はなく、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯等が用いられる。
上記積層体を構成するエラストマー層は、エラストマーがマトリクスとして存在するエラストマー組成物からなる層であり、該エラストマー層は、エラストマー中に23℃におけるヤング率が該エラストマーより低い軟質材料を分散させたエラストマー組成物からなることが好ましい。なお、マトリクスとは、連続相を意味する。また、エラストマー組成物は、エラストマーのみから構成されていてもよい。ここで、エラストマー中に軟質材料を分散させることで、エラストマー組成物の成膜性が向上し、更には、成膜して得られるエラストマー組成物層の低温硬さを小さくし、低温時の耐クラック性を大幅に向上させることができる。
上記エラストマー層に用いるエラストマーとしては、特に限定されるものではないが、既知の熱可塑性エラストマー(TPE)から選択されるのが好ましい。該熱可塑性エラストマー(TPE)としては、例えば、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素樹脂系熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらの中でも、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)が好ましい。なお、これらの熱可塑性エラストマーは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル系重合体ブロック(ハードセグメント)と、ゴムブロック(ソフトセグメント)とを有し、芳香族ビニル系重合体部分が物理架橋を形成して橋かけ点となり、一方、ゴムブロックがゴム弾性を付与する。該ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、分子中のソフトセグメントの配列様式により分けることができ、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられ、更には、ポリブタジエンとブタジエン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得られる結晶性ポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体や、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合体を水添して得られる、例えば、結晶性ポリエチレンとポリスチレンとのジブロック共重合体等も含まれる。これらの中でも、機械的強度、耐熱安定性、耐候性、耐薬品性、ガスバリア性、柔軟性、加工性等のバランスの面から、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)及びスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)が好適である。
上記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーには、ハードセグメントとしてポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンブロックを、ソフトセグメントとしてエチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のゴムブロックを備える熱可塑性エラストマー等が含まれる。なお、かかる熱可塑性エラストマーには、ブレンド型とインプラント化型がある。また、上記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、無水マレイン酸変性エチレン−ブテン−1共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、ハロゲン化ブチル系ゴム、変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン等を挙げることもできる。
上記ポリジエン系熱可塑性エラストマーとしては、1,2−ポリブタジエン系TPE及びトランス1,4−ポリイソプレン系TPE、水添共役ジエン系TPE、エポキシ化天然ゴム等を挙げることができる。なお、1,2−ポリブタジエン系TPEは、分子中に1,2−結合を90%以上含むポリブタジエンであって、ハードセグメントとして結晶性のシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンと、ソフトセグメントとして無定形1,2−ポリブタジエンとからなる。また、トランス1,4−ポリイソプレン系TPEは、分子中に98%以上のトランス1,4構造を有するポリイソプレンであって、ハードセグメントとしての結晶性トランス1,4セグメントと、ソフトセグメントとしての非結晶性トランス1,4セグメントからなる。
上記ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)は、一般に、以下に示す3種類に大別される。
(1)高分子量ポリ塩化ビニル(PVC)/可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)ブレンド型TPVC
ハードセグメントに高分子量のPVCを用いて、ソフトセグメントに可塑剤で可塑化されたPVCを用いてなる熱可塑性エラストマーである。なお、ハードセグメントに高分子量のPVCを用いることで、微結晶部分にて架橋点の働きを持たせている。
(2)部分架橋PVC/可塑化PVCブレンド型TPVC
ハードセグメントに部分架橋又は分岐構造を導入したPVCを、ソフトセグメントに可塑剤で可塑化されたPVCを用いてなる熱可塑性エラストマーである。
(3)PVC/エラストマーアロイ型TPVC
ハードセグメントにPVCを、ソフトセグメントに部分架橋ニトリルブタジエンゴム(NBR)等のゴム又はポリウレタン系TPE、ポリエステル系TPE等のTPEを用いてなる熱可塑性エラストマーである。
上記塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマーは、水性懸濁液又は四塩化炭素のような溶媒中でポリエチレンを塩素ガスと反応させて得られる軟質樹脂であり、ハードセグメントには結晶性ポリエチレンブロックが、ソフトセグメントには塩素化ポリエチレン(CPE)ブロックが用いられる。なお、CPEブロックには、ポリエチレン及び塩素化ポリエチレンの両成分がマルチブロック又はランダム構造の混合物として混在している。
上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)は、分子中のハードセグメントとしてポリエステルを、ソフトセグメントとしてガラス転移温度(Tg)の低いポリエーテル又はポリエステルを用いたマルチブロックコポリマーである。TPEEは、分子構造の違いによって次のようなタイプに分けることができ、ポリエステル・ポリエーテル型TPEEとポリエステル・ポリエステル型TPEEが主流を占めている。
(1)ポリエステル・ポリエーテル型TPEE
一般には、ハードセグメントとして芳香族系結晶性ポリエステルを、ソフトセグメントとしてポリエーテルを用いた熱可塑性エラストマーである。
(2)ポリエステル・ポリエステル型TPEE
ハードセグメントとして芳香族系結晶性ポリエステルを、ソフトセグメントとして脂肪族系ポリエステルを用いた熱可塑性エラストマーである。
(3)液晶性TPEE
ハードセグメントとして剛直な液晶分子を、ソフトセグメントとして脂肪族系ポリエステルを用いた熱可塑性エラストマーである。
上記ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)は、ハードセグメントとしてポリアミドを、ソフトセグメントとしてTgの低いポリエーテル又はポリエステルを用いたマルチブロックコポリマーである。ハードセグメントを構成するポリアミド成分は、ナイロン6,66,610,11,12等から選択され、ナイロン6、ナイロン12が主体を占めている。ソフトセグメントの構成物質には、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール等の長鎖ポリオールが用いられる。ポリエーテルポリオールの代表例には、ジオールポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等が挙げられ、ポリエステルポリオールの代表例には、ポリ(エチレンアジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4アジペート)グリコール等が挙げられる。
上記フッ素樹脂系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてフッ素樹脂を、ソフトセグメントとしてフッ素ゴムからなるABA型ブロックコポリマーである。ハードセグメントを構成するフッ素樹脂には、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が用いられ、ソフトセグメントを構成するフッ素ゴムには、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等が用いられる。より具体的には、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、四フッ化エチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、ホスファゼン系フッ素ゴムや、フルオロポリエーテル、フルオロニトロソゴム、パーフルオロトリアジンを含むもの等が挙げられる。なお、フッ素樹脂系TPEは、他のTPEと同じようにミクロ相分離して、ハードセグメントが架橋点を形成している。
上記ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)は、(1)ハードセグメントとして短鎖グリコールとイソシアネートとの反応で得られるポリウレタンと、(2)ソフトセグメントとして長鎖グリコールとイソシアネートとの反応で得られるポリウレタンとからなる直鎖状のマルチブロックコポリマーである。ここで、ポリウレタンとは、イソシアネート(−NCO)とアルコール(−OH)との重付加反応(ウレタン化反応)で得られるウレタン結合(−NHCOO−)を有する化合物の総称である。本発明の多層構造体においては、エラストマー層を形成するエラストマーがTPUであれば、該エラストマー層を積層することで、延伸性及び熱成形性を向上させることができる。また、かかる多層構造体では、エラストマー層とバリア層との層間接着性を向上できるため、耐クラック性等の耐久性が高く、多層構造体を変形させて使用しても、ガスバリア性及び延伸性を維持することができる。
上記TPUは、高分子ポリオール、有機ポリイソシアネート、鎖伸長剤等から構成される。該高分子ポリオールは、複数の水酸基を有する物質であり、重縮合、付加重合(例えば開環重合)、重付加等によって得られる。高分子ポリオールとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール又はこれらの共縮合物(例えばポリエステル−エーテル−ポリオール)等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルポリオール又はポリカーボネートポリオールが好ましく、ポリエステルポリオールが特に好ましい。なお、これらの高分子ポリオールは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、上記ポリエステルポリオールは、例えば、常法に従い、ジカルボン酸、そのエステル、その無水物等のエステルを形成し得る化合物と低分子ポリオールとを直接エステル化反応若しくはエステル交換反応によって縮合させるか、又はラクトンを開環重合することにより製造されることができる。
上記ポリエステルポリオールの生成に使用できるジカルボン酸としては、特に限定されず、ポリエステルの製造において一般的に使用されるジカルボン酸が挙げられる。該ジカルボン酸として、具体的には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、トリメチルアジピン酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸等の炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、炭素数が6〜12の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン酸、アゼライン酸又はセバシン酸が特に好ましい。これらジカルボン酸は、水酸基とより反応し易いカルボニル基を有しており、バリア層との層間接着性を大幅に向上させることができる。
上記ポリエステルポリオールの生成に使用できる低分子ポリオールとしては、特に限定されず、ポリエステルの製造において一般的に使用される低分子ポリオールが挙げられる。該低分子ポリオールとして、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の炭素数2〜15の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロオクタンジメタノール、ジメチルシクロオクタンジメタノール等の脂環式ジオール;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族2価アルコール等が挙げられる。これらの低分子ポリオールは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオール等の側鎖にメチル基を有する炭素数5〜12の脂肪族ジオールが好ましい。かかる脂肪族ジオールを用いて得たポリエステルポリオールは、水酸基との反応が起こり易く、バリア層との層間接着性を大幅に向上させることができる。更に、上記低分子ポリオールと共に、少量の3官能以上の低分子ポリオールを併用することができる。3官能以上の低分子ポリオールとしては、例えばトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールの生成に使用できるラクトンとしては、例えばε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等を挙げることができる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(メチルテトラメチレン)グリコール等が挙げられる。これらのポリエーテルポリオールは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール等の炭素数2〜12の脂肪族ジオール又はこれらの混合物を炭酸ジフェニル又はホスゲン等の作用により縮重合して得られる化合物が好適に挙げられる。
上記高分子ポリオールは、数平均分子量の下限が、500であるのが好ましく、600であるのがより好ましく、700であるのが更に好ましい。一方、高分子ポリオールの数平均分子量の上限は、8,000が好ましく、5,000がより好ましく、3,000が更に好ましい。高分子ポリオールの数平均分子量が上記下限より小さいと、有機ポリイソシアネートとの相溶性が高過ぎ、得られるTPUの弾性が乏しくなるため、得られる多層構造体の延伸性等の力学的特性や熱成形性が低下するおそれがある。一方、高分子ポリオールの数平均分子量が上記上限を超えると、有機ポリイソシアネートとの相溶性が低下して、重合過程での混合が困難になり、その結果、ゲル状物の塊の発生等により安定したTPUが得られなくなるおそれがある。なお、高分子ポリオールの数平均分子量は、JIS−K−1577に準拠して測定し、水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
上記有機ポリイソシアネートとしては、特に限定されるものではなく、TPUの製造に一般的に使用される公知の有機ジイソシアネートが使用できる。該有機ジイソシアネートとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート等を挙げることができる。これらの中でも、得られる多層構造体の強度及び耐屈曲性が向上できる観点から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。これらの有機ポリイソシアネートは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記鎖伸長剤としては、特に限定されず、TPUの製造に一般的に使用される公知の鎖伸長剤が使用でき、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物が好適に使用される。鎖伸長剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。これらの中でも、得られる多層構造体の延伸性及び熱成形性が更に向上できる観点から、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。これらの鎖伸長剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
上記TPUの製造方法としては、上記高分子ポリオール、有機ポリイソシアネート及び鎖伸長剤を使用し、公知のウレタン化反応技術を利用する製造方法が挙げられ、プレポリマー法及びワンショット法のいずれを用いてもよい。特には、実質的に溶媒の不存在下にて溶融重合を行うことが好ましく、多軸スクリュー型押出機を用いた連続溶融重合を行うことが更に好ましい。
上記TPUは、高分子ポリオールと鎖伸長剤との合計質量に対する有機ポリイソシアネートの質量の比[イソシアネート/(高分子ポリオール+鎖伸長剤)]が、1.02以下であることが好ましい。該比が1.02を超えると、成形時の長期運転安定性が悪化するおそれがある。
上記エラストマー層に用いる軟質材料は、23℃におけるヤング率が、該エラストマー層に用いるエラストマーより低いことが好ましく、1000MPa以下であることが好ましく、0.01〜500MPaの範囲であることが更に好ましい。上記軟質材料の23℃におけるヤング率が該エラストマーよりも高いと、該軟質材料の分散により奏される効果が得られないことに加えて、耐クラック性が低下する恐れがある。なお、上記エラストマー層に用いるエラストマーは、23℃におけるヤング率が通常10MPa以上であるが、20〜100MPaの範囲であることが好ましい。
上記軟質材料は、水酸基と反応可能な官能基を有する化合物であることが好ましい。上記軟質材料が水酸基と反応可能な官能基を有することで、エラストマー中に軟質材料が均一に分散するようになり、また、軟質材料の平均粒子径を小さくすることもできる。ここで、水酸基と反応可能な官能基としては、水酸基、カルボキシル基、カルボキシレート基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、アミノ基、ホウ素含有基の他、マレイン酸、無水マレイン酸及びアルコキシシランからなる群から選択される化合物で変性することにより導入される官能基等が挙げられる。ここで、上記官能基は、エラストマー分子と直接反応できる、又は親和性の高いものに限られず、他の薬剤で予備反応させることにより、エラストマー分子と反応できるような例も含まれる。なお、上記軟質材料は、かかる官能基を二種以上有してもよい。
上記ホウ素含有基としては、ボロン酸基又は水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基等が挙げられる。該ホウ素含有基のうち、ボロン酸基とは下記式(4)で示されるものである。
Figure 2012251028
また、水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基とは、水の存在下で加水分解を受けて上記式(4)で示されるボロン酸基に転化し得るホウ素含有基を指す。より具体的には、水単独、水と有機溶媒(トルエン、キシレン、アセトン等)との混合物、5%ホウ酸水溶液と該有機溶媒との混合物等を溶媒とし、室温〜150℃の条件下で10分〜2時間加水分解したときにボロン酸基に転化し得る官能基を意味する。このような官能基の代表例としては、下記式(5)で示されるボロン酸エステル基、下記式(6)で示されるボロン酸無水物基、下記式(7)で示されるボロン酸塩基等が挙げられる。
Figure 2012251028
ここで、X及びYは水素原子、脂肪族炭化水素基(炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、又はアルケニル基等)、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基等)、芳香族炭化水素基(フェニル基、ビフェニル基等)を表し、X及びYは同じであってもよいし異なっていてもよい。但し、X及びYが共に水素原子の場合は除かれる。また、XとYは結合していてもよい。また、R1、R2及びR3は上記X及びYと同様の水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基を表し、R1、R2及びR3は同じでもよいし異なっていてもよい。また、Mはアルカリ金属を表す。更に、上記のX、Y、R1、R2及びR3は、他の基、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子などを有していてもよい。
上記式(5)で示されるボロン酸エステル基の具体例としては、ボロン酸ジメチルエステル基、ボロン酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジブチルエステル基、ボロン酸ジシクロヘキシルエステル基、ボロン酸エチレングリコールエステル基、ボロン酸プロピレングリコールエステル基、ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル基、ボロン酸1,3−ブタンジオールエステル基、ボロン酸ネオペンチルグリコールエステル基、ボロン酸カテコールエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基、ボロン酸トリメチロールエタンエステル基、ボロン酸トリメチロールプロパンエステル基、ボロン酸ジエタノールアミンエステル基等が挙げられる。
また、上記式(7)で示されるボロン酸塩基としては、ボロン酸のアルカリ金属塩基等が挙げられる。具体的には、ボロン酸ナトリウム塩基、ボロン酸カリウム塩基等が挙げられる。
このようなホウ素含有基のうち、熱安定性の観点からボロン酸環状エステル基が好ましい。ボロン酸環状エステル基としては、例えば5員環又は6員環を含有するボロン酸環状エステル基が挙げられる。具体的には、ボロン酸エチレングリコールエステル基、ボロン酸プロピレングリコールエステル基、ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル基、ボロン酸1,3−ブタンジオールエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基等が挙げられる。
上記軟質材料は、好ましくは分子量が10,000以下の化合物であり、更に好ましくは分子量が5,000以下の化合物であり、一層好ましくは分子量が2,000以下の化合物であり、特に好ましくは分子量が1,000以下の化合物である。上記軟質材料の分子量が上記範囲内にあれば、エラストマー中に軟質材料が均一に分散するようになり、またエラストマー組成物の成膜性を向上させることもできる。また、エラストマーとの絡み合いを強め、耐クラック性を向上させる観点から、上記軟質材料の分子量は、750以上であるのが好ましい。なお、上記軟質材料が重合体である場合、該軟質材料の分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を指す。
上記軟質材料は、エラストマー組成物中で不都合な分離(滲出、ブルーム等)を起こさず、均質に混ざり合っている状態であることが好ましいため、上記軟質材料は、エラストマーに対して相溶性があることが好ましい。
上記軟質材料には、特に耐クラック性向上の観点から、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレン−p−メチルスチレン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エチレン−ブテンゴム、エチレン−オクテンゴム、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム等のゴムの他、これらの水添ゴム(例えば、水素添加SBR)、変性ゴム(例えば、変性天然ゴム、臭素化−ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン等)、液状ゴム(即ち、低分子量ゴム)等を用いることができる。また、同様の観点から、上記軟質材料には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−ブテン共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−イソブチレン−クロロメチルスチレンブロック共重合体、ポリアミド等の重合体の他、これらの水添物、変性物等を用いることができる。より具体的には、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体及び無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン等が挙げられる。なお、これらの軟質材料は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
また、エラストマーとの相溶性に優れ、ガラス転移点(Tg)を低下させる観点から、上記軟質材料として、既知の可塑剤を用いてもよい。ここで、可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート(DOP)、ジトリデシルフタレート、トリオクチルメリレート等のフタル酸系可塑剤;トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸系可塑剤;トリブチルシトレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレート等の脂肪酸系可塑剤;エポキシ化大豆油、ジイソデシル-4,5-エポキシテロラヒドロフタレート等のエポキシ系可塑剤;N-ブチルベンゼンスルホンアミド等のアミド系可塑剤の他、塩素化パラフィンや、ジエン系エラストマーに適したひまわり油等が挙げられる。なお、これらの軟質材料は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
上記エラストマー組成物における軟質材料の含有率は、10〜30質量%であることが好ましい。軟質材料の含有率が10質量%未満では、成膜性及び耐クラック性の向上効果が十分に得られない恐れがあり、また、エラストマー層の低温硬さを十分に小さくできない場合がある。一方、軟質材料の含有率が30質量%を超えると、軟質材料の含有量が多くなり過ぎ、成膜性を低下させる場合がある。
上記エラストマー組成物には、ラジカル架橋剤を配合してもよい。エラストマー組成物がラジカル架橋剤を含むことで、活性エネルギー線照射時の架橋効果を高め、積層体の層間接着性を更に向上させることができる。また、ラジカル架橋剤がエラストマー組成物中に存在しない場合と比べて、活性エネルギー線の照射量を少なくすることも可能である。エラストマー組成物中のラジカル架橋剤の含有量は、架橋効果と経済性のバランスの観点から、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜9質量%が更に好ましく、0.1〜8質量%が一層好ましい。上記ラジカル架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオフェニレングリコールジアクリレート等が挙げられる。なお、これらのラジカル架橋剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エラストマー組成物には、上記エラストマー、軟質材料、ラジカル架橋剤の他に、後述する金属塩、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤等の多種多様な添加剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。なお、上記エラストマー組成物中のエラストマー以外の添加剤の含有量は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
また、上記エラストマー組成物は、温度210℃及び剪断速度10/秒での溶融粘度(η1B)が1×102Pa・s以上1×104Pa・s以下、温度210℃及び剪断速度1,000/秒での溶融粘度(η2B)が1×101Pa・s以上1×103Pa・s以下であり、且つ、これらの溶融粘度比(η2B/η1B)が下記式(1B)を満たすことが好ましい。
−0.8≦(1/2)log10(η2B/η1B)≦−0.1 ・・・ (1B)
溶融粘度(η1B)が1×102Pa・sより小さいと、溶融共押出しラミネートや溶融押出しなどによる押出し製膜時にネックインや膜揺れが著しくなり、得られる積層体や積層前のエラストマー層の厚み斑や幅の縮小が大きくなって、均質で目的寸法どおりの積層体を得ることができなくなる恐れがある。一方、溶融粘度(η1B)が1×104Pa・sを超えると、特に100m/分を超えるような高速引き取り条件下で溶融共押出しラミネートや溶融押出成形を行う場合に膜切れが起こり易くなり、高速成膜性が顕著に損なわれ、また、ダイスウエルが起こり易くなって、薄肉の積層体や積層前のエラストマー層を得るのが困難になる恐れがある。
また、溶融粘度(η2B)が、1×101Pa・sより小さいと、溶融共押出しラミネートや溶融押出などによる押出し成膜時にネックインや膜揺れが著しくなって、得られる多層構造体や積層する前のエラストマー層の厚み斑や幅の縮小が大きくなる恐れがある。一方、溶融粘度(η2B)が、1×103Pa・sを超えると、押出機に加わるトルクが高くなりすぎ、押出し斑やウェルドラインが発生し易くなる恐れがある。
上記溶融粘度比(η2B/η1B)から算出される(1/2)log10(η2B/η1B)の値が−0.8より小さいと、溶融共押出しラミネートや溶融押出などによる押出し成膜時に膜切れを生じ易くなって高速成膜性が損なわれる恐れがある。一方、(1/2)log10(η2B/η1B)の値が−0.1を超えると、溶融共押出しラミネートや溶融押出による押出し成膜時にネックインや膜揺れが起こって、得られる積層体や積層前のエラストマー層に厚み斑や幅の縮小などを生じる恐れがある。かかる観点から、(1/2)log10(η2B/η1B)の値は、−0.6以上であることがより好ましく、−0.2以下であることがより好ましい。なお、上記式における(1/2)log10(η2B/η1B)の値は、溶融粘度を縦軸とし、剪断速度を横軸とする両自然対数グラフにおける溶融粘度(η1B)及び溶融粘度(η2B)の2点を結ぶ直線の傾きとして求められる。
上記エラストマー組成物は、エラストマーの融点より10〜80℃高い温度の少なくとも1点における溶融混練時間とトルクの関係において、粘度挙動安定性(M100/M20、但しM20は混練開始から20分後のトルク、M100は混練開始から100分後のトルクを表す)の値が0.5〜1.5の範囲であることが好ましい。粘度挙動安定性の値は1に近いほど粘度変化が少なく、熱安定性(ロングラン性)に優れていることを示す。
なお、上記積層体を構成するエラストマー層は、20℃及び65%RHでの空気透過度が、3.0×10-8cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下が好ましい。なお、空気透過度は、JIS K7126−1:2006(等圧法)に準拠して測定される。
上記積層体を構成するバリア層は、積層体にガスバリア性を付与するための層であり、樹脂がマトリクスとして存在する樹脂組成物からなる層であり、樹脂中に23℃におけるヤング率が該樹脂より低い軟質材料を分散させた樹脂組成物からなる層であることが更に好ましい。なお、マトリクスとは、連続相を意味する。また、該樹脂組成物は、樹脂のみから構成されていてもよい。ここで、樹脂中に上記軟質材料を分散させることで、樹脂組成物の弾性率を低下させ、耐クラック性等の耐久性を向上させることができる。
また、上記バリア層は、20℃及び65%RHでの空気透過度が、3.0×10-12cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であるのが好ましく、1.0×10-12cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下であることが更に好ましい。なお、空気透過度は、JIS K7126−1:2006(等圧法)に準拠して測定される。
上記バリア層に用いる樹脂としては、特に限定されるものではないが、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(変性EVOH)、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリアクリロニトリル等が挙げられ、これらの中でも、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)及び変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(変性EVOH)が好ましい。また、上記変性EVOHは、例えばEVOHにエポキシ化合物等を反応させて得られる化合物であり、通常のEVOHに比べて弾性率が低い。このため、バリア層の弾性率を低下させ、耐クラック性等の耐久性を向上させることもできる。なお、これらの樹脂は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、積層体のガスバリア性、溶融成形性及び層間接着性を向上させる観点から、エチレン含有量が3〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることが更に好ましく、20〜55モル%であることが一層好ましく、25〜50モル%であることが特に好ましい。エチレン含有量が3モル%未満では、積層体の耐水性、耐熱水性、高湿度下でのガスバリア性及び溶融成形性が低下するおそれがあり、一方、70モル%を超えると、積層体のガスバリア性が低下するおそれがある。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、積層体のガスバリア性、耐湿性及び層間接着性を向上させる観点から、ケン化度が80%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが一層好ましく、99%以上であることが特に好ましい。一方、エチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化度は、99.99%以下が好ましい。EVOHのケン化度が80%未満では、積層体の溶融成形性、ガスバリア性、耐着色性及び耐湿性が低下する恐れがある。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、ガスバリア性、耐屈曲性及び耐疲労性を得る観点から、メルトフローレート(MFR)が190℃、21.18N荷重下で0.1〜30g/10分であることが好ましく、0.3〜25g/10分であることが更に好ましい。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、1,2−グリコール結合構造単位の含有量G(モル%)が下記式:
G≦1.58−0.0244×E
[式中、Gは1,2−グリコール結合構造単位の含有量(モル%)であり、EはEVOH中のエチレン単位含有量(モル%)であり、但し、E≦64である]の関係を満たし、且つ、固有粘度が0.05〜0.2L/gの範囲であることが好ましい。このようなEVOHを用いることで、得られる積層体は、ガスバリア性の湿度依存性が小さくなり、良好な透明性及び光沢を有し、他の樹脂からなる層への積層も容易になる。なお、1,2−グリコール結合構造単位の含有量は、「S.Aniyaら,Analytical Science Vol.1,91(1985)」に記載された方法に準じて、EVOH試料をジメチルスルホキシド溶液とし、温度90℃における核磁気共鳴法によって測定されることができる。
上記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン単位及びビニルアルコール単位の他に、他の繰り返し単位(以下、構造単位ともいう)、例えばこれらの単位から誘導した繰り返し単位を1種又は複数種有する重合体である。なお、変性EVOHの好適なエチレン含有量、ケン化度、メルトフローレート(MFR)、1,2−グリコール結合構造単位の含有量及び固有粘度は、上述のEVOHと同様である。
上記変性EVOHは、例えば下記に示す構造単位(8)及び(9)から選ばれる少なくとも一種の構造単位を有することが好ましく、該構造単位を全構造単位に対して0.5〜30モル%の割合で含有することが更に好ましい。かかる変性EVOHであれば、樹脂又は樹脂組成物の柔軟性及び加工特性、並びに多層構造体の層間接着性、延伸性及び熱成形性を向上させることができる。
Figure 2012251028
上記式(8)中、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。また、R4、R5及びR6のうちの一対が結合していてもよい(但し、R4、R5及びR6のうちの一対が共に水素原子の場合は除く)。また、上記炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、水酸基、カルボキシ基又はハロゲン原子を有していてもよい。一方、上記式(9)中、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は水酸基を表す。また、R7とR8又はR9とR10は結合していてもよい(但し、R7とR8又はR9とR10が共に水素原子の場合は除く)。また、上記炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基又はハロゲン原子を有していてもよい。
上記変性EVOHにおいて、上記構造単位(8)及び/又は(9)の全構造単位に対する含有量の下限は、0.5モル%が好ましく、1モル%がより好ましく、1.5モル%が更に好ましい。一方、上記変性EVOHにおいて、上記構造単位(8)及び/又は(9)の全構造単位に対する含有量の上限は、30モル%が好ましく、15モル%がより好ましく、10モル%が更に好ましい。上記構造単位(8)及び/又は(9)を上記割合で含有することで、樹脂組成物の柔軟性及び加工特性、並びに積層体の層間接着性、延伸性及び熱成形性を向上させることができる。
上記構造単位(8)及び(9)において、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基としてはアルキル基、アルケニル基等が挙げられ、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基としてはシクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としてはフェニル基等が挙げられる。
上記構造単位(8)において、上記R4、R5及びR6は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、水酸基、ヒドロキシメチル基又はヒドロキシエチル基であることが好ましく、これらの中でも、それぞれ独立に水素原子、メチル基、水酸基又はヒドロキシメチル基であることが更に好ましい。かかるR4、R5及びR6であれば、積層体の延伸性及び熱成形性を更に向上させることができる。
EVOH中に上記構造単位(8)を含有させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンとビニルエステルとの共重合において、更に構造単位(8)に誘導される単量体を共重合させる方法等が挙げられる。該構造単位(8)に誘導される単量体としては、例えば、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン等のアルケン;3−ヒドロキシ−1−プロペン、3−アシロキシ−1−プロペン、3−アシロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−メチル−1−ブテン、4−アシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4−アシロキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4−ヒドロキシ−1−ペンテン、5−ヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4−アシロキシ−1−ペンテン、5−アシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4−ヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5−ヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ヒドロキシ−1−ヘキセン、5−ヒドロキシ−1−ヘキセン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−アシロキシ−1−ヘキセン、5−アシロキシ−1−ヘキセン、6−アシロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン等の水酸基やエステル基を有するアルケンが挙げられる。それらの中でも、共重合反応性、及び得られる積層体のガスバリア性の観点から、プロピレン、3−アシロキシ−1−プロペン、3−アシロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−1−ブテン、及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましい。具体的には、プロピレン、3−アセトキシ−1−プロペン、3−アセトキシ−1−ブテン、4−アセトキシ−1−ブテン、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが更に好ましく、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが特に好ましい。なお、エステルを有するアルケンを用いる場合は、ケン化反応の際に、上記構造単位(8)に誘導される。
上記構造単位(9)において、R7及びR8は共に水素原子であることが好ましい。特に、R7及びR8が共に水素原子であり、上記R9及びR10のうちの一方が炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基で、他方が水素原子であることがより好ましい。構造単位(9)中の脂肪族炭化水素基は、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。また、多層構造体のガスバリア性を特に重視する観点から、R9及びR10のうちの一方がメチル基又はエチル基で、他方が水素原子であることが好ましい。更に、上記R9及びR10のうちの一方が(CH2hOHで表される置換基(但し、hは1〜8の整数である)で、他方が水素原子であることも好ましい。この(CH2hOHで表される置換基においては、hが1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
また、EVOH中に上記構造単位(9)を含有させる方法としては、特に限定されるものではないが、ケン化反応によって得られたEVOHに一価エポキシ化合物を反応させる方法等が挙げられる。ここで、一価エポキシ化合物としては、下記式(10)〜(16)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2012251028
上記式(10)〜(16)中、R11、R12、R13、R14及びR15は、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基(アルキル基又はアルケニル基等)、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基(シクロアルキル基又はシクロアルケニル基等)又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基(フェニル基等)を表す。なお、R11及びR12又はR14及びR15は、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、i、j、k、p及びqは、1〜8の整数を表す。
上記式(10)で表される一価エポキシ化合物としては、例えば、エポキシエタン(エチレンオキサイド)、エポキシプロパン、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、3−メチル−1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、2,3−エポキシペンタン、3−メチル−1,2−エポキシペンタン、4−メチル−1,2−エポキシペンタン、4−メチル−2,3−エポキシペンタン、3−エチル−1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、2,3−エポキシヘキサン、3,4−エポキシヘキサン、3−メチル−1,2−エポキシヘキサン、4−メチル−1,2−エポキシヘキサン、5−メチル−1,2−エポキシヘキサン、3−エチル−1,2−エポキシヘキサン、3−プロピル−1,2−エポキシヘキサン、4−エチル−1,2−エポキシヘキサン、5−メチル−1,2−エポキシヘキサン、4−メチル−2,3−エポキシヘキサン、4−エチル−2,3−エポキシヘキサン、2−メチル−3,4−エポキシヘキサン、2,5−ジメチル−3,4−エポキシヘキサン、3−メチル−1,2−エポキシヘプタン、4−メチル−1,2−エポキシヘキサン、5−メチル−1,2−エポキシヘプタン、6−メチル−1,2−エポキシヘプタン、3−エチル−1,2−エポキシヘプタン、3−プロピル−1,2−エポキシヘプタン、3−ブチル−1,2−エポキシヘプタン、4−エチル−1,2−エポキシヘプタン、4−プロピル−1,2−エポキシヘプタン、6−エチル−1,2−エポキシヘプタン、4−メチル−2,3−エポキシヘプタン、4−エチル−2,3−エポキシヘプタン、4−プロピル−2,3−エポキシヘプタン、2−メチル−3,4−エポキシヘプタン、5−メチル−3,4−エポキシヘプタン、5−エチル−3,4−エポキシヘプタン、2,5−ジメチル−3,4−エポキシヘプタン、2−メチル−5−エチル−3,4−エポキシヘプタン、1,2−エポキシヘプタン、2,3−エポキシヘプタン、3,4−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、2,3−エポキシオクタン、3,4−エポキシオクタン、4,5−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、2,3−エポキシノナン、3,4−エポキシノナン、4,5−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、2,3−エポキシデカン、3,4−エポキシデカン、4,5−エポキシデカン、5,6−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、2,3−エポキシウンデカン、3,4−エポキシウンデカン、4,5−エポキシウンデカン、5,6−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、2,3−エポキシドデカン、3,4−エポキシドデカン、4,5−エポキシドデカン、5,6−エポキシドデカン、6,7−エポキシドデカン、エポキシエチルベンゼン、1−フェニル−1,2−プロパン、3−フェニル−1,2−エポキシプロパン、1−フェニル−1,2−エポキシブタン、3−フェニル−1,2−エポキシペンタン、4−フェニル−1,2−エポキシペンタン、5−フェニル−1,2−エポキシペンタン、1−フェニル−1,2−エポキシヘキサン、3−フェニル−1,2−エポキシヘキサン、4−フェニル−1,2−エポキシヘキサン、5−フェニル−1,2−エポキシヘキサン、6−フェニル−1,2−エポキシヘキサン等が挙げられる。
上記式(11)で表される一価エポキシ化合物としては、例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−3−ペンチルオキシプロパン、1,2−エポキシ−3−ヘキシルオキシプロパン、1,2−エポキシ−3−ヘプチルオキシプロパン、1,2−エポキシ−4−フェノキシブタン、1,2−エポキシ−4−ベンジルオキシブタン、1,2−エポキシ−5−メトキシペンタン、1,2−エポキシ−5−エトキシペンタン、1,2−エポキシ−5−プロポキシペンタン、1,2−エポキシ−5−ブトキシペンタン、1,2−エポキシ−5−ペンチルオキシペンタン、1,2−エポキシ−5−ヘキシルオキシペンタン、1,2−エポキシ−5−フェノキシペンタン、1,2−エポキシ−6−メトキシヘキサン、1,2−エポキシ−6−エトキシヘキサン、1,2−エポキシ−6−プロポキシヘキサン、1,2−エポキシ−6−ブトキシヘキサン、1,2−エポキシ−6−ヘプチルオキシヘキサン、1,2−エポキシ−7−メトキシヘプタン、1,2−エポキシ−7−エトキシヘプタン、1,2−エポキシ−7−プロポキシヘプタン、1,2−エポキシ−7−ブトキシヘプタン、1,2−エポキシ−8−メトキシオクタン、1,2−エポキシ−8−エトキシオクタン、1,2−エポキシ−8−ブトキシオクタン、グリシドール、3,4−エポキシ−1−ブタノール、4,5−エポキシ−1−ペンタノール、5,6−エポキシ−1−ヘキサノール、6,7−エポキシ−1−ヘプタノール、7,8−エポキシ−1−オクタノール、8,9−エポキシ−1−ノナノール、9,10−エポキシ−1−デカノール、10,11−エポキシ−1−ウンデカノール等が挙げられる。
上記式(12)で表される一価エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、プロパンジオールモノグリシジルエーテル、ブタンジオールモノグリシジルエーテル、ペンタンジオールモノグリシジルエーテル、ヘキサンジオールモノグリシジルエーテル、ヘプタンジオールモノグリシジルエーテル、オクタンジオールモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記式(13)で表される一価エポキシ化合物としては、例えば、3−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−プロペン、4−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−ブテン、5−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−ペンテン、6−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−ヘキセン、7−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−ヘプテン、8−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−オクテン等が挙げられる。
上記式(14)で表される一価エポキシ化合物としては、例えば、3,4−エポキシ−2−ブタノール、2,3−エポキシ−1−ブタノール、3,4−エポキシ−2−ペンタノール、2,3−エポキシ−1−ペンタノール、1,2−エポキシ−3−ペンタノール、2,3−エポキシ−4−メチル−1−ペンタノール、2,3−エポキシ−4,4−ジメチル−1−ペンタノール、2,3−エポキシ−1−ヘキサノール、3,4−エポキシ−2−ヘキサノール、4,5−エポキシ−3−ヘキサノール、1,2−エポキシ−3−ヘキサノール、2,3−エポキシ−4,4−ジメチル−1−ヘキサノール、2,3−エポキシ−4,4−ジエチル−1−ヘキサノール、2,3−エポキシ−4−メチル−4−エチル−1−ヘキサノール、3,4−エポキシ−5−メチル−2−ヘキサノール、3,4−エポキシ−5,5−ジメチル−2−ヘキサノール、3,4−エポキシ−2−ヘプタノール、2,3−エポキシ−1−ヘプタノール、4,5−エポキシ−3−ヘプタノール、2,3−エポキシ−4−ヘプタノール、1,2−エポキシ−3−ヘプタノール、2,3−エポキシ−1−オクタノール、3,4−エポキシ−2−オクタノール、4,5−エポキシ−3−オクタノール、5,6−エポキシ−4−オクタノール、2,3−エポキシ−4−オクタノール、1,2−エポキシ−3−オクタノール、2,3−エポキシ−1−ノナノール、3,4−エポキシ−2−ノナノール、4,5−エポキシ−3−ノナノール、5,6−エポキシ−4−ノナノール、3,4−エポキシ−5−ノナノール、2,3−エポキシ−4−ノナノール、1,2−エポキシ−3−ノナノール、2,3−エポキシ−1−デカノール、3,4−エポキシ−2−デカノール、4,5−エポキシ−3−デカノール、5,6−エポキシ−4−デカノール、6,7−エポキシ−5−デカノール、3,4−エポキシ−5−デカノール、2,3−エポキシ−4−デカノール、1,2−エポキシ−3−デカノール等が挙げられる。
上記式(15)で表される一価エポキシ化合物としては、例えば、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロヘプタン、1,2−エポキシシクロオクタン、1,2−エポキシシクロノナン、1,2−エポキシシクロデカン、1,2−エポキシシクロウンデカン、1,2−エポキシシクロドデカン等が挙げられる。
上記式(16)で表される一価エポキシ化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロペンテン、3,4−エポキシシクロヘキセン、3,4−エポキシシクロヘプテン、3,4−エポキシシクロオクテン、3,4−エポキシシクロノネン、1,2−エポキシシクロデセン、1,2−エポキシシクロウンデセン、1,2−エポキシシクロドデセン等が挙げられる。
上記一価エポキシ化合物の中では、炭素数が2〜8のエポキシ化合物が好ましい。特に、化合物の取り扱いの容易さ及びEVOHに対する反応性の観点から、一価エポキシ化合物の炭素数は、2〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましい。また、一価エポキシ化合物は、これらの式で表される化合物のうち式(10)又は(11)で表される化合物であることが特に好ましい。具体的には、EVOHに対する反応性及び得られる積層体のガスバリア性の観点から、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、エポキシプロパン、エポキシエタン及びグリシドールが好ましく、これらの中でもエポキシプロパン及びグリシドールが特に好ましい。
本発明において、エチレン−ビニルアルコール共重合体は、例えば、エチレンとビニルエステルとを重合してエチレン−ビニルエステル共重合体を得、該エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化することにより得られる。また、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体は、上述のとおり、(i)エチレンとビニルエステルとの重合において、更に構造単位(8)に誘導される単量体を共重合させたり、(ii)ケン化反応によって得られたEVOHに対して一価エポキシ化合物を反応させることにより得られる。ここで、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の重合方法は、特に限定されず、例えば溶液重合、懸濁重合、乳化重合、バルク重合のいずれであってもよい。また、連続式、回分式のいずれであってもよい。
上記重合に用いることができるビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル等が挙げられる。
また、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を製造する場合、エチレン及びビニルエステルの他に、これら単量体と共重合し得る単量体を好ましくは少量で用いることがある。この共重合し得る単量体としては、上述の構造単位(8)に誘導される単量体に加えて、他のアルケン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物、塩、モノアルキルエステル若しくはジアルキルエステル等;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩;アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。また、ビニルシラン化合物を単量体として用いることもでき、共重合体中に導入されるビニルシラン化合物の量は、0.0002モル%以上で且つ0.2モル%以下であることが好ましい。ビニルシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシシラン等が挙げられる。これらビニルシラン化合物の中でも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好ましい。
重合に使用できる溶媒は、エチレン、ビニルエステル及びエチレン−ビニルエステル共重合体を溶解し得る有機溶剤であれば特に限定されない。具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。それらの中でも、反応後の除去分離が容易である点で、メタノールが特に好ましい。
重合に使用できる開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等のアゾニトリル系開始剤;イソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤等が挙げられる。
重合温度は、通常20〜90℃程度であり、好ましくは40〜70℃である。重合時間は、通常2〜15時間程度であり、好ましくは3〜11時間である。重合率は、仕込みのビニルエステルに対して通常10〜90%程度であり、好ましくは30〜80%である。重合後の溶液中の樹脂分は、5〜85質量%程度であり、好ましくは20〜70質量%である。
所定時間の重合後又は所定の重合率に達した後、得られる共重合体溶液に必要に応じて重合禁止剤を添加し、未反応のエチレンガスを蒸発除去し、その後、未反応のビニルエステルを除去する。未反応のビニルエステルを除去する方法としては、例えば、ラシヒリングを充填した塔の上部から共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、塔の下部よりメタノール等の有機溶剤蒸気を吹き込み、塔頂部よりメタノール等の有機溶剤と未反応ビニルエステルの混合蒸気を留出させ、塔底部より未反応のビニルエステルを除去した共重合体溶液を取り出す方法等が採用される。
次に、上記共重合体溶液にアルカリ触媒を添加し、該溶液中に存在する共重合体をケン化する。ケン化方法は、連続式、回分式のいずれも可能である。上記アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラート等が挙げられる。また、ケン化の条件は、例えば回分式の場合、共重合体溶液中のアルカリ触媒の濃度が10〜50質量%程度、反応温度が30〜65℃程度、触媒使用量がビニルエステル構造単位1モル当たり0.02〜1.0モル程度、ケン化時間が1〜6時間程度であることが好ましい。
ケン化反応後の(変性)EVOHは、アルカリ触媒、酢酸ナトリウムや酢酸カリウム等の副生塩類、その他不純物を含有するため、これらを必要に応じて中和、洗浄することにより除去することが好ましい。ここで、ケン化反応後の(変性)EVOHを、イオン交換水等の金属イオン、塩化物イオン等をほとんど含まない水で洗浄する際、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等を一部残存させてもよい。
上記バリア層に用いる樹脂組成物には、リン酸化合物、カルボン酸及びホウ素化合物から選ばれる1種又は複数種の化合物を配合してもよい。
具体的には、樹脂組成物中にリン酸化合物を含有することで、積層体の溶融成形時の熱安定性を改善することができる。リン酸化合物としては、特に限定されず、例えばリン酸、亜リン酸等の各種の酸やその塩等が挙げられる。リン酸塩は、例えば第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のいずれの形で含まれていてもよく、その対カチオン種としても特に限定されないが、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンが好ましい。特に、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素ナトリウム又はリン酸水素カリウムが、熱安定性改善効果が高い点で好ましい。
リン酸化合物の含有量(乾燥樹脂組成物中のリン酸化合物のリン酸根換算含有量)の下限としては、1質量ppmが好ましく、10質量ppmがより好ましく、30質量ppmが更に好ましい。一方、リン酸化合物の含有量の上限としては、10,000質量ppmが好ましく、1,000質量ppmがより好ましく、300質量ppmが更に好ましい。リン酸化合物の含有量が1質量ppmより小さいと、溶融成形時の着色が激しくなるおそれがある。特に、熱履歴を重ねるときにその傾向が顕著であるため、樹脂組成物ペレットを成形して得られた成形物が回収性に乏しいものとなるおそれがある。一方、リン酸化合物の含有量が10,000質量ppmを超えると、成形時のゲル・ブツが発生し易くなるおそれがある。
また、樹脂組成物中にカルボン酸を含有することで、樹脂組成物のpHを制御し、ゲル化を防止して熱安定性を改善する効果が得られる。カルボン酸としては、25℃におけるpKaが3.5以上であるものが好ましい。25℃におけるpKaが3.5未満であるシュウ酸、コハク酸、安息香酸、クエン酸のようなカルボン酸を含有すると、樹脂組成物のpHの制御が困難となり、耐着色性や層間接着性が十分に得られないおそれがある。かかるカルボン酸としては、コストなどの観点から、酢酸又は乳酸が特に好ましい。
カルボン酸の含有量(乾燥樹脂組成物中のカルボン酸の含有量)の下限としては、1質量ppmが好ましく、10質量ppmがより好ましく、50質量ppmが更に好ましい。一方、カルボン酸の含有量の上限としては、10,000質量ppmが好ましく、1,000質量ppmがより好ましく、500質量ppmが更に好ましい。カルボン酸の含有量が1質量ppmより小さいと、溶融成形時に着色が起こる恐れがある。一方、カルボン酸の含有量が10,000質量ppmを超えると、層間接着性が不充分となる恐れがある。
更に、樹脂組成物中にホウ素化合物を含有することで、熱安定性の向上効果が得られる。詳細には、例えば(変性)EVOHのような樹脂にホウ素化合物を添加した場合、(変性)EVOHとホウ素化合物との間にキレート化合物が生成すると考えられ、かかる(変性)EVOHを用いることによって、通常の(変性)EVOHよりも熱安定性を改善し、機械的性質を向上させることが可能である。ホウ素化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ酸類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類としては、例えばオルトホウ酸(H3BO3)、メタホウ酸、四ホウ酸等が挙げられ、ホウ酸エステルとしては、例えばホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチル等が挙げられ、ホウ酸塩としては、上記各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂等が挙げられる。これらの中でもオルトホウ酸が好ましい。
ホウ素化合物の含有量(乾燥樹脂組成物中のホウ素化合物のホウ素換算含有量)の下限としては、1質量ppmが好ましく、10質量ppmがより好ましく、50質量ppmが更に好ましい。一方、ホウ素化合物の含有量の上限としては、2,000質量ppmが好ましく、1,000質量ppmがより好ましく、500質量ppmが更に好ましい。ホウ素化合物の含有量が1質量ppmより小さいと、ホウ素化合物を添加することによる熱安定性の改善効果が得られない恐れがある。一方、ホウ素化合物の含有量が2,000質量ppmを超えると、ゲル化しやすく、成形不良となる恐れがある。
上記リン酸化合物、カルボン酸又はホウ素化合物を樹脂組成物に含有させる方法は、特に限定されるものではなく、例えば樹脂組成物のペレット等を調製する際に樹脂組成物に添加して混練する方法が好適に採用される。この樹脂組成物に添加する方法も、特に限定されないが、乾燥粉末として添加する方法、溶媒を含浸させたペースト状で添加する方法、液体に懸濁させた状態で添加する方法、溶媒に溶解させて溶液として添加する方法等を例示できる。これらの中でも、均質に分散させる観点から、溶媒に溶解させて溶液として添加する方法が好ましい。これらの方法に用いられる溶媒は特に限定されないが、添加剤の溶解性、コスト的メリット、取り扱いの容易性、作業環境の完全性等の観点から水が好適に用いられる。これらの添加の際、後述する金属塩やその他の添加剤等を同時に添加することができる。
また、リン酸化合物、カルボン酸又はホウ素化合物を含有させる他の方法としては、それらの物質が溶媒中に溶解した溶液に、押出機等により得られた樹脂組成物のペレット又はストランドを浸漬させる方法も、該物質を均質に分散させることができる点で好ましい。この方法においても、溶媒としては、同様の理由で水が好適に用いられる。この溶液に、後述する金属塩を溶解させることで、リン酸化合物等と同時に金属塩を含有させることができる。
上記樹脂組成物には、分子量1,000以下の共役二重結合を有する化合物を配合してもよい。かかる化合物を含有することによって、樹脂組成物の色相が改善され、外観の良好な積層体を製造することができる。かかる化合物としては、例えば、2個の炭素−炭素二重結合と3個の炭素−炭素単結合とが交互に繋がった構造を有する共役ジエン化合物、3個の炭素−炭素二重結合と4個の炭素−炭素単結合とが交互に繋がった構造を有する共役トリエン化合物(好ましくは2,4,6−オクタトリエン)、4個以上の炭素−炭素二重結合と5個以上の炭素−炭素単結合とが交互に繋がった構造を有する共役ポリエン化合物等が挙げられる。また、共役二重結合を有する化合物には、共役二重結合が1分子中に独立して複数組あってもよく、例えば、桐油のように共役トリエンが同一分子内に3個ある化合物も含まれる。
上記共役二重結合を有する化合物は、例えば、カルボキシ基及びその塩、水酸基、エステル基、カルボニル基、エーテル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、ジアゾ基、ニトロ基、スルホン基、スルホキシド基、スルフィド基、チオール基、スルホン酸基及びその塩、リン酸基及びその塩、フェニル基、ハロゲン原子、非共役二重結合、三重結合等の共役二重結合以外の各種官能基を有していてもよい。かかる官能基は、共役二重結合中の炭素原子に直接結合されていてもよく、共役二重結合から離れた位置に結合されていてもよい。また、上記官能基中の多重結合は、共役二重結合と共役可能な位置にあってもよく、例えばフェニル基を有する1−フェニルブタジエンやカルボキシ基を有するソルビン酸等も、ここでいう共役二重結合を有する化合物に含まれる。
上記共役二重結合を有する化合物の具体例としては、例えば2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1,3−ジフェニル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、ソルビン酸、ミルセン等が挙げられる。
上記共役二重結合を有する化合物における共役二重結合とは、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ソルビン酸のような脂肪族同士の共役二重結合のみならず、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1,3−ジフェニル−1−ブテンのような脂肪族と芳香族との共役二重結合も含まれる。但し、外観がより優れた積層体を得る観点から、上記脂肪族同士の共役二重結合を含む化合物が好ましく、またカルボキシ基及びその塩、水酸基等の極性基を有する共役二重結合を含む化合物も好ましい。更に極性基を有し且つ脂肪族同士の共役二重結合を含む化合物が特に好ましい。
上記共役二重結合を有する化合物の分子量としては、1,000以下が好ましい。分子量が1,000を超えると、積層体の表面平滑性、押出安定性等が悪化する恐れがある。
上記樹脂組成物における上記分子量が1,000以下の共役二重結合を有する化合物の含有量の下限としては、該化合物の添加により奏される効果を向上させる観点から、0.1質量ppmが好ましく、1質量ppmがより好ましく、3質量ppmが更に好ましく、5質量ppmが特に好ましい。一方、かかる化合物の含有量の上限としては、該化合物の添加により奏される効果を向上させる観点から、3,000質量ppmが好ましく、2,000質量ppmがより好ましく、1,500質量ppmが更に好ましく、1,000質量ppmが特に好ましい。
上記共役二重結合を有する化合物の樹脂組成物中への添加方法としては、特に限定されるものではないが、樹脂が(変性)EVOHである場合、重合後で且つケン化前にかかる化合物を添加する手法が、表面平滑性と押出安定性を改善する点で好ましい。この理由は必ずしも明らかではないが、共役二重結合を有する化合物が、ケン化前及び/又はケン化反応中の(変性)EVOHの変質を防止する作用を有することに基づくものと考えられる。
また、上記バリア層に用いる樹脂組成物には、上述のとおり、23℃におけるヤング率が該バリア層に用いる樹脂より低い軟質材料を配合することが好ましい。ここで、上記バリア層に使用できる軟質材料は、23℃におけるヤング率が、該バリア層に用いる樹脂より低いことが好ましく、1000MPa以下であることがより好ましく、0.01〜500MPaの範囲であることが更に好ましい。上記軟質材料の23℃におけるヤング率が該樹脂よりも高いと、該軟質材料の分散により奏される効果が得られないことに加えて、耐クラック性が低下する恐れがある。なお、上記バリア層に用いる樹脂は、23℃におけるヤング率が通常700MPa以上であるが、750〜3000MPaの範囲であることが好ましい。
また、上記バリア層に用いる軟質材料の好適な実施態様、及びバリア層用樹脂組成物中での好適な含有量は、上記エラストマー層に用いる軟質材料の場合と同様である。即ち、上記バリア層に用いる軟質材料は、水酸基と反応可能な官能基を有する化合物であることが好ましく、水酸基と反応可能な官能基の具体例は、エラストマー層に用いる軟質材料の場合と同じである。また、上記バリア層に用いる軟質材料は、好ましくは分子量が10,000以下の化合物であり、更に好ましくは分子量が5,000以下の化合物であり、一層好ましくは分子量が2,000以下の化合物であり、特に好ましくは分子量が1,000以下の化合物である。更に、上記バリア層に用いる軟質材料は、樹脂に対して相溶性があることが好ましい。また更に、上記樹脂組成物における軟質材料の含有率は、10〜30質量%であることが好ましい。
具体的に、上記バリア層に用いる軟質材料としては、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレン−p−メチルスチレン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エチレン−ブテンゴム、エチレン−オクテンゴム、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム等のゴムの他、これらの水添ゴム(例えば、水素添加SBR)、変性ゴム(例えば、変性天然ゴム、臭素化−ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン等)、液状ゴム(即ち、低分子量ゴム)等を用いることができる。また、同様の観点から、上記バリア層に用いる軟質材料には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−ブテン共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−イソブチレン−クロロメチルスチレンブロック共重合体、ポリアミド等の重合体の他、これらの水添物、変性物等を用いることができる。より具体的には、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体及び無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン等が挙げられる。なお、これらの軟質材料は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
更に、上記バリア層に用いる軟質材料として、既知の可塑剤を用いてもよい。ここで、可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート(DOP)、ジトリデシルフタレート、トリオクチルメリレート等のフタル酸系可塑剤;トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸系可塑剤;トリブチルシトレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレート等の脂肪酸系可塑剤;エポキシ化大豆油、ジイソデシル−4,5−エポキシテロラヒドロフタレート等のエポキシ系可塑剤;N-ブチルベンゼンスルホンアミド等のアミド系可塑剤の他、塩素化パラフィンや、ひまわり油等が挙げられる。なお、これらの軟質材料は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
上記樹脂組成物には、エラストマー組成物の場合と同様の理由から、ラジカル架橋剤を配合してもよい。同様に、樹脂組成物中のラジカル架橋剤の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜9質量%が更に好ましく、0.1〜8質量%が一層好ましい。上記ラジカル架橋剤の具体例は、上記した通りである。
上記樹脂組成物には、上記樹脂、リン酸化合物、カルボン酸、ホウ素化合物、共役二重結合を有する化合物、軟質材料、ラジカル架橋剤の他に、後述する金属塩、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤等の多種多様な添加剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。なお、上記樹脂組成物中の樹脂以外の添加剤の含有量は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
上記樹脂組成物は、上記エラストマー組成物の場合と同様の理由から、温度210℃及び剪断速度10/秒での溶融粘度(η1A)が1×102Pa・s以上1×104Pa・s以下、温度210℃及び剪断速度1,000/秒での溶融粘度(η2A)が1×101Pa・s以上1×103Pa・s以下であり、かつ、これらの溶融粘度比(η2A/η1A)が下記式(1A)を満たすことが好ましい。
−0.8≦(1/2)log10(η2A/η1A)≦−0.1 ・・・(1A)
同様に、上記溶融粘度比(η2A/η1A)から算出される(1/2)log10(η2A/η1A)の値は、−0.6以上であることがより好ましく、−0.2以下であることがより好ましい。
上記樹脂組成物は、樹脂の融点より10〜80℃高い温度の少なくとも1点における溶融混練時間とトルクの関係において、粘度挙動安定性(M100/M20、但し、M20は混練開始から20分後のトルク、M100は混練開始から100分後のトルクを表す)の値が0.5〜1.5の範囲であることが好ましい。粘度挙動安定性の値は1に近いほど粘度変化が少なく、熱安定性(ロングラン性)に優れていることを示す。
また、樹脂組成物の粘度とエラストマー組成物の粘度との関係に関し、温度210℃及び剪断速度1,000/秒での樹脂組成物の溶融粘度(η2A)に対するエラストマー組成物の溶融粘度(η2B)の比(η2B/η2A)の下限としては、0.3が好ましく、0.4がより好ましく、0.5が更に好ましい。一方、樹脂組成物の溶融粘度(η2A)に対するエラストマー組成物の溶融粘度(η2B)の比(η2B/η2A)の上限としては、2が好ましく、1.5がより好ましく、1.3が更に好ましい。該溶融粘度比(η2B/η2A)を上記特定した範囲内にすることで、積層体の多層共押出法による成形において、外観が良好となり、また、バリア層とエラストマー層間の接着が良好となって積層体の耐久性を向上させることができる。
上記積層体は、隣接する層(例えば、隣接するバリア層とエラストマー層)の少なくとも一方の層に、金属塩を含むことが好ましい。この場合、積層体の層間接着性が大幅に向上でき、該積層体は、優れた耐久性を有する。金属塩の含有により層間接着性を向上できる理由としては、必ずしも明らかでないが、例えばバリア層を構成する樹脂とエラストマー層を構成するエラストマー間で起こる結合生成反応が、金属塩の存在により加速されること等が考えられる。かかる結合生成反応の具体例としては、TPUのカーバメート基とEVOHの水酸基との間で起こる水酸基交換反応や、TPU中の残存イソシアネート基へのEVOHの水酸基の付加反応等が考えられる。
上記金属塩としては、特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は周期律表の第4周期に属する遷移金属塩が、層間接着性をより高める観点から好ましい。これらの中でも、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が更に好ましく、アルカリ金属塩が特に好ましい。
上記アルカリ金属塩としては、特に限定されないが、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、リン酸塩、金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属塩として、具体的には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩等が挙げられる。これらの中でも、酢酸ナトリム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウムが、入手容易である点から特に好ましい。
上記アルカリ土類金属塩としては、特に限定されないが、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム等の酢酸塩又はリン酸塩が挙げられる。これらの中でも、マグネシウム又はカルシウムの酢酸塩又はリン酸塩が、入手容易である点から特に好ましい。かかるアルカリ土類金属塩を含有させると、溶融成形時における熱劣化した樹脂の成形機のダイへの付着量を低減できるという利点もある。
上記周期律表の第4周期に属する遷移金属の金属塩としては、特に限定されないが、例えばチタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等のカルボン酸塩、リン酸塩、アセチルアセトナート塩等が挙げられる。
上記金属塩の含有量(積層体中の金属元素換算の含有量)の下限としては、1質量ppmが好ましく、5質量ppmがより好ましく、10質量ppmが更に好ましく、20質量ppmが特に好ましい。一方、該金属塩の含有量の上限としては、10,000質量ppmが好ましく、5,000質量ppmがより好ましく、1,000質量ppmが更に好ましく、500質量ppmが特に好ましい。金属塩の含有量が1質量ppmより小さいと、層間接着性の向上効果が低くなるおそれがある。一方、金属塩の含有量が10,000質量ppmを超えると、積層体の外観が悪化するおそれがある。
バリア層を形成する樹脂組成物又はエラストマー層を形成するエラストマー組成物に上記金属塩を含有する方法としては、特に限定されるものではなく、上述のような樹脂組成物中にリン酸化合物等を含有する方法と同様の方法が採用できる。
上記積層体は、隣接する層(例えば、バリア層同士、エラストマー層同士及びバリア層とエラストマー層)の剥離抗力が、層間接着性の観点から、好ましくは25N/25mm以上であり、より好ましくは27N/25mm以上であり、更に好ましくは30N/25mm以上である。ここで、剥離抗力とは、JIS K 6854に準拠し、23℃、50%RH雰囲気下、引張り速度50mm/分でのT型剥離試験によって測定される値である。
上記積層体の製造方法としては、バリア層とエラストマー層とが良好に積層・接着可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば共押出し、はり合わせ、コーティング、ボンディング、付着等の公知の方法が挙げられる。本発明の多層構造体の製造方法の具体例としては、(1)EVOHを含む樹脂組成物とエラストマーを含むエラストマー組成物とを準備し、これら組成物を用いた多層共押出法によりバリア層及びエラストマー層を有する積層体を製造する方法や、(2)EVOHを含む樹脂組成物とエラストマーを含むエラストマー組成物とを準備し、これらを用いて複数の積層体を作製し、次いで複数の積層体を例えば接着剤により重ね合わせ、これを延伸することで、バリア層及びエラストマー層を有する積層体を製造する方法等が挙げられる。これらの中でも、生産性が高く、層間接着性に優れる観点から、上記(1)の手法が好ましい。
上記多層共押出法においては、バリア層を形成する樹脂組成物とエラストマー層を形成するエラストマー組成物とが、加熱溶融され、異なる押出機やポンプからそれぞれの流路を通って押出ダイに供給され、押出ダイから多層に押し出された後に積層接着することで、積層体が形成される。この押出ダイとしては、例えばマルチマニホールドダイ、フィールドブロック、スタティックミキサー等を用いることができる。
また、上記積層体は、バリア層及びエラストマー層からなる積層体の両面又は片面に、該積層体を支持するための支持層が積層されてもよい。上記支持層としては、特に限定されず、例えば支持層として通常使用される合成樹脂層等が使用できる。なお、支持層のバリア層又はエラストマー層への積層方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤による接着方法や押出ラミネート法等が挙げられる。
<コーティングゴム>
本発明の空気入りタイヤは、カーカス4のタイヤ半径方向外側に一枚以上のベルト層からなるベルト5を具え、該ベルト層は、コード、好ましくはスチールコードをコーティングゴムで被覆してなり、また、該ベルト層の少なくとも一層のコーティングゴムには、ゴム成分100質量部に対して上記一般式(1)で表される化合物を0.1〜10質量部配合してなるゴム組成物、又は、ゴム成分100質量部に対して上記一般式(2)で表される化合物が60〜100重量%、上記一般式(3)で表され且つn=2の化合物が0〜20重量%、上記一般式(3)で表され且つn=3の化合物が0〜10重量%及び上記一般式(3)で表され且つn=4〜6の化合物が合計で0〜10重量%からなる組成物を0.1〜10質量部配合してなるゴム組成物が適用されている。
上記コーティングゴム用ゴム組成物のゴム成分としては、ゴム弾性を示すものであれば特に制限はないが、天然ゴム(NR)の他;ビニル芳香族炭化水素/共役ジエン共重合体、ポリイソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等の合成ゴム等の公知のゴムの総てを用いることができる。これらの中でも、天然ゴム(NR)が好ましい。該ゴム成分は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。コードとの接着特性及びゴム組成物の破壊特性の観点から、該ゴム成分は、天然ゴム及びポリイソプレンゴムの少なくとも一方よりなるか、50質量%以上の天然ゴムを含み残部が合成ゴムであるのが好ましい。
上記コーティングゴム用ゴム組成物に配合される上記一般式(1)で表される化合物において、式中のRは、炭素数1〜16の2価の脂肪族基、又は2価の芳香族基を表す。一般式(1)で表される化合物としては、例えば、一般式(2)で表される化合物が挙げられる。一般式(2)中のRは、一般式(1)中のRと同義である。
ここで、炭素数1〜16の2価の脂肪族基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、ブチレン基、イソブチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基等の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、ビニレン基(エテニレン基)、ブテニレン基、オクテニレン基等の直鎖または分岐鎖のアルケニレン基、これらのアルキレン基又はアルケニレン基の水素原子がヒドロキシル基又はアミノ基等で置換されたアルキレン基またはアルケニレン基、シクロヘキシレン基等の脂環式基が挙げられる。また、2価の芳香族基としては、置換されていてもよいフェニレン基、置換されていてもよいナフチレン基等が挙げられる。これらの中でも入手の容易さ等を考慮すれば、炭素数2〜10のアルキレン基及びフェニレン基が好ましく、特にエチレン基、ブチレン基、オクチレン基及びフェニレン基が好ましい。
上記一般式(1)の化合物の具体例としては、マロン酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、コハク酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、フマル酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、マレイン酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、リンゴ酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、イタコン酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、シトラコン酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、酒石酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、アゼライン酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、イソフタル酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステル、マロン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、コハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、フマル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、マレイン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、リンゴ酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、イタコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シトラコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、酒石酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アゼライン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シクロヘキサンジカルボン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、イソフタル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、マロン酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、コハク酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、フマル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、マレイン酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、イタコン酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、シトラコン酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、酒石酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、アゼライン酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、シクロヘキサンジカルボン酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、イソフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル等が挙げられる。
これらの中でも、マロン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、コハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、フマル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、マレイン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、リンゴ酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、イタコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シトラコン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、酒石酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アゼライン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、シクロヘキサンジカルボン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、イソフタル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルが好ましく、特にコハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステル、テレフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、イソフタル酸ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステルが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物の製造法は特に限定されず、例えば、特開2005−290373号公報に開示のように、ジカルボン酸ハライドと、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンとを塩基の存在下または非存在下で反応させて製造することができる。
ここで、ジカルボン酸ハライドと、レゾルシンを用いた場合には、一般式(2)で表される化合物を主成分とする、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とからなる組成物(混合物)が得られる。なお、一般式(3)中のRは、一般式(1)中のRと同義であり、nは2〜6の整数を示す。
例えば、前記の反応にレゾルシンを用いた場合に得られる一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とからなる組成物中には、通常、一般式(2)で表される化合物が60〜100重量%、一般式(3)におけるn=2の化合物が0〜20重量%、一般式(3)におけるn=3の化合物が0〜10重量%、一般式(3)におけるn=4〜6の化合物が合計で10重量%程度含まれる。これらの比率は、一般式(4)で表される化合物とレゾルシンのモル比を変化させる事でコントロール可能である。一般式(2)で表される化合物が60重量%以上である場合、ゴムと配合して接着した際の湿熱接着性が向上する。湿熱接着性向上の観点から判断すれば、より好ましくは一般式(2)で表される化合物の含有量が70〜100重量%であり、更に好ましくは80〜100重量%である。
上記コーティングゴム用ゴム組成物に上記一般式(1)で表される化合物を配合する場合、一般式(1)で表される化合物の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であり、0.3〜6質量部の範囲が好ましい。一般式(1)で表される化合物の配合量がゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上であると、ゴム組成物の湿熱接着性が向上し、10質量部以下であると、一般式(1)で表される化合物のブルームを抑制できる点で好ましい。
また、上記コーティングゴム用ゴム組成物に上記一般式(2)で表される化合物と上記一般式(3)で表される化合物とからなる組成物を配合する場合、該組成物の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であり、0.3〜6質量部の範囲が好ましい。上記一般式(2)で表される化合物を主成分とする組成物の配合量がゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上であると、ゴム組成物の湿熱接着性が向上し、10質量部以下であると、上記一般式(2)で表される化合物を主成分とする組成物のブルームを抑制できる点で好ましい。
上記コーティングゴム用ゴム組成物には、更に、硫黄を配合することが好ましい。ここで、ゴム組成物に配合する硫黄に特に制限はないが、通常粉体を用いることが好ましい。また、該硫黄の配合量は、ゴム成分100質量部に対して1〜10質量部の範囲が好ましく、2〜9質量部の範囲が更に好ましく、3〜7質量部の範囲がより一層好ましい。硫黄の配合量がゴム成分100質量部に対して1質量部以上であると、コードとの接着性の点で好ましく、10質量部以下であると、過剰な接着層の生成が抑制されるため、接着性が低下しないので好ましい。また、硫黄の配合量が2〜9質量部の範囲内であれば、コードとの接着性が特に良好となる。
上記コーティングゴム用ゴム組成物には、更に有機酸コバルト塩を配合することができる。該有機酸コバルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト等が挙げられる。該有機酸コバルト塩は、有機酸の一部をホウ酸等で置き換えた複合塩でもよい。具体的には、マノボンド(商標:OMG製)等が挙げられる。有機酸コバルト塩の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対してコバルト量として0.03〜1質量部配合することが好ましい。有機酸コバルト塩の配合量がゴム成分100質量部に対してコバルト量として0.03質量部以上であると、ゴム組成物とコードとの接着性が向上し、1質量部以下であると、ゴム組成物の老化が抑制される。
上記コーティングゴム用ゴム組成物には、上記化合物又は組成物、ゴム成分、硫黄、有機酸コバルト塩の他、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤、アロマオイル等の軟化剤、ヘキサメチレンテトラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、ヘキサメチレンメチルメラミン等のメトキシメチル化メラミン等のメチレン供与体、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を通常の配合量で適宜配合することができる。該ゴム組成物の調製方法に特に制限はなく、例えば、バンバリーミキサーやロール等を用いて、ゴム成分に、上記化合物又は組成物、硫黄、有機酸コバルト塩及び各種配合剤を練り込んで調製することができる。
上記コーティングゴム用ゴム組成物と接着されるコード、好ましくはスチールコードは、ゴムとの接着を良好にするために黄銅、亜鉛、或いはこれらにニッケルやコバルトを含有する金属でメッキ処理されていることが好ましく、黄銅メッキ処理されていることが特に好ましい。また、該コードのサイズ、撚り数、撚り条件等は、タイヤの要求性能に応じて適宜選択される。
上記ゴム成分に、上記化合物又はそれを主成分とする組成物、硫黄、有機酸コバルト塩及び各種配合剤等を練り込んで調製したゴム組成物を、ロール等でシート状に加工し、更に加工されたゴムシート2枚がコードを挟んだ状態に成形加工して、ベルト層を形成することができる。形成されたベルト層は常法に従ってカーカス4のタイヤ半径方向外側に積層され、その他の部材と共に本発明の空気入りタイヤを構成する。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルの合成>
特開2005−290373号公報の製造例1に従って、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルを合成した。
<アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルを主成分とする組成物Aの合成>
特開2005−290373号公報の製造例2に従って、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルを89重量%、上記式(3)で表わされ、式中のnが2で、Rがテトラメチレン基[−(CH24−]である化合物を7重量%、上記式(3)で表わされ、式中のnが3で、Rがテトラメチレン基[−(CH24−]である化合物を2重量%、原料のレゾルシンを2重量%含む組成物を合成した。
<アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルを主成分とする組成物Bの合成>
特開2005−290373号公報の製造例3に従って、アジピン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルを73.4重量%、上記式(3)で表わされ、式中のnが2で、Rがテトラメチレン基[−(CH24−]である化合物を13.9重量%、上記式(3)で表わされ、式中のnが3で、Rがテトラメチレン基[−(CH24−]である化合物を3.0重量%、上記式(3)で表わされ、式中のnが4で、Rがテトラメチレン基[−(CH24−]である化合物を0.8重量%、上記式(3)で表わされ、式中のnが5で、Rがテトラメチレン基[−(CH24−]である化合物を0.2重量%、原料のレゾルシンを2.9重量%含む組成物を合成した。
<コハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルの合成>
特開2005−290373号公報の製造例4に従って、コハク酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルを合成した。
<セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルの合成>
特開2005−290373号公報の製造例5に従って、セバシン酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルを合成した。
<テレフタル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルの合成>
特開2005−290373号公報の製造例6に従って、テレフタル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルを合成した。
<イソフタル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルの合成>
特開2005−290373号公報の製造例7に従って、イソフタル酸ビス(3−ヒドロキシフェニル)エステルを合成した。
<ゴム組成物の調製>
2200mLのバンバリーミキサーを使用して、表1に示すゴム配合処方で混練り混合して、未加硫のゴム組成物を調製した。
Figure 2012251028
*1 N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド, 大内新興化学工業(株)製, 商品名:ノクセラーDZ.
*2 N−フェニル−N’−((1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン, 大内新興化学工業(株)製, 商品名:ノクラック6C.
*3 OMG製, 商品名:マノボンドC22.5, コバルト含有率=22.5質量%.
<積層体1の製造方法>
ナイロン6ペレット(A−1)として、東レ(株)製、商品名「CM1061」を使用した。
また、1,4−ブタンジオールとアジピン酸とを反応させることによって得られた1分子あたりの水酸基数が2.0であり、数平均分子量が1,000であるポリエステルジオール68.8質量%、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート27.5質量%、及び1,4−ブタンジオール3.7質量%の混合物を、多軸スクリュー型押出機(ダイス温度260℃)で20分間溶融混練することによって、熱可塑性ポリウレタン樹脂TPU(B−1)を製造し、次いで、ペレット化してTPUペレット(B−1)を得た。
上記ナイロン6ペレット(A−1)及びTPUペレット(B−1)を用い、それぞれペレットを構成する樹脂組成物によって交互にバリア層が24層及びエラストマー層が25層の多層構造体が形成されるように、49層フィードブロックにて、共押出機に210℃の溶融状態として供給し、共押出を行い合流させることによって、多層の積層体とした。合流するペレット(A−1)及びペレット(B−1)の溶融物は、フィードブロック内にて各層流路を表面側から中央側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させることにより、押出された多層構造体の各層の厚さが均一になるように押出された。また、隣接するバリア層とエラストマー層の層厚さはほぼ同じになるようにスリット形状を設計した。このようにして得られた計49層からなる積層体を、表面温度25℃に保たれ静電印加したキャスティングドラム上で急冷固化した。急冷固化して得られたキャストフィルムを離型紙上に圧着し巻取りを行った。なお、ペレット(A−1)及びペレット(B−1)の溶融物が合流してからキャスティングドラム上で急冷固化されるまでの時間が約4分となるように流路形状及び総吐出量を設定した。
上記のようにして得られたキャストフィルムは、DIGITAL MICROSCOPE VHX−900(KEYENCE製)にて断面観察を行った結果、バリア層及びエラストマー層それぞれの平均厚さが0.5μm、全体の平均厚さが12.5μmであった。
次いで、このキャストフィルムに、電子線加速機[日新ハイボルテージ(株)製、機種名「キュアトロンEBC200−100」]により、加速電圧200kV、照射線量200kGyの電子線を照射して積層体1を得た。
<積層体2の製造方法>
ナイロン6ペレット(A−1)に代えて、ポリ塩化ビニリデンペレット(A−2)[旭ダウ(株)製、商品名「サラン」]を用いた以外は、積層体1の製造方法と同様にして、積層体2を得た。
<積層体3の製造方法>
エチレン−ビニルアルコール共重合体[(株)クラレ製、EVAL E105]と変性共重合ポリオレフィン[三井化学(株)製、タフマーMH7020、ガラス転移温度=−55℃、−30℃でのM100=5.8MPa]とを二軸押出機で混練して樹脂組成物を得た。なお、エチレン−ビニルアルコール共重合体/変性共重合ポリオレフィンの比(重量)は40/60とした。
次に、得られた樹脂組成物と、熱可塑性ポリウレタン(TPU)[(株)クラレ製クラミロン3190]とを使用し、2種3層共押出装置を用いて、下記共押出成形条件で3層フィルム(熱可塑性ポリウレタン層/樹脂組成物層/熱可塑性ポリウレタン層)を作製した。なお、各フィルムに使用した各層の厚みは、いずれも20μmとした。
次に、日新ハイボルテージ株式会社製電子線照射装置「生産用キュアトロンEBC200−100」を使用して、加速電圧200kV、照射エネルギー30Mradの条件でフィルムに電子線照射して架橋処理を施して、積層体3を得た。
なお、各樹脂の押出条件は以下の通りである。
各樹脂の押出温度:C1/C2/C3/ダイ=170/170/200/200℃
各樹脂の押出機仕様:
熱可塑性ポリウレタン:25mmφ押出機P25−18AC[大阪精機工作株式会社製]
樹脂組成物(D):20mmφ押出機ラボ機ME型CO−EXT[株式会社東洋精機製]
Tダイ仕様:500mm幅2種3層用[株式会社プラスチック工学研究所製]
冷却ロールの温度:50℃
引き取り速度:4m/分
<積層体4の製造方法>
加圧反応槽に、エチレン含量44モル%、ケン化度99.9%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(190℃、2160g荷重下でのMFR:5.5g/10分)2質量部及びN−メチル−2−ピロリドン8質量部を仕込み、120℃で2時間加熱撹拌して、エチレン−ビニルアルコール共重合体を完全に溶解させた。これにエポキシ化合物としてエポキシプロパン0.4質量部を添加後、160℃で4時間加熱した。加熱終了後、蒸留水100質量部に析出させ、多量の蒸留水で充分にN−メチル−2−ピロリドン及び未反応のエポキシプロパンを洗浄し、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。更に、得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を粉砕機で粒子径2mm程度に細かくした後、再度多量の蒸留水で十分に洗浄した。洗浄後の粒子を8時間室温で真空乾燥した後、二軸押出機を用いて200℃で溶融し、ペレット化した。なお、得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の23℃におけるヤング率は1300MPaであった。
エチレン−ビニルアルコール共重合体[(株)クラレ製、EVAL E105]に代えて、上記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた以外は、積層体3の製造方法と同様にして、積層体4を得た。なお、積層体4の樹脂組成物の酸素透過量は0.017×10-10cm3・cm/cm2・sec・cmHgであり、TPU層の酸素透過量は4.6×10-11cm3・cm/cm2・sec・cmHgであり、積層体4の酸素透過量は0.05×10-10cm3・cm/cm2・sec・cmHgであり、樹脂組成物の−30℃でのヤング率は1500MPa以下であった。
<ブチルゴム系インナーライナーの製造方法>
Br−IIR[JSR(株)製、Bromobutyl 2244]100重量部に対して、GPFカーボンブラック[旭カーボン(株)製、#55]60重量部、SUNPAR2280[日本サン石油(株)製]7重量部、ステアリン酸[旭電化工業(株)製]1重量部、NOCCELER DM[大内新興化学工業(株)製]1.3重量部、酸化亜鉛[白水化学工業(株)製]3重量部、硫黄[軽井沢精錬所製]0.5重量部を配合してゴム組成物を調製し、該ゴム組成物を用いて、厚さ1mmのブチルゴム系インナーライナーを製造した。
<EVOH系インナーライナーの製造方法>
加圧反応槽に、エチレン含量44モル%、ケン化度99.9%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(MFR:5.5g/10分(190℃、2160g荷重下))2重量部およびN−メチル−2−ピロリドン8重量部を仕込み、120℃で、2時間加熱攪拌することにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体を完全に溶解させた。これにエポキシ化合物としてグリシドール0.4重量部を添加後、160℃で4時間加熱した。加熱終了後、蒸留水100重量部に析出させ、多量の蒸留水で充分にN−メチル−2−ピロリドンおよび未反応のグリシドールを洗浄し、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。さらに、得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を粉砕機で粒子径2mm程度に細かくした後、再度多量の蒸留水で十分に洗浄した。洗浄後の粒子を8時間室温で真空乾燥した後、2軸押出機を用いて200℃で溶融し、ペレット化した。
上記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体のペレットを用いて、40mmφ押出機(プラスチック工学研究所製PLABOR GT−40−A)とTダイからなる製膜機を用いて、下記押出条件で製膜し、厚み12μmの単層フィルムを得た。
形式:単軸押出機(ノンベントタイプ)
L/D:24
口径:40mmφ
スクリュー:一条フルフライトタイプ、表面窒化鋼
スクリュー回転数:40rpm
ダイス:550mm幅コートハンガーダイ
リップ間隙:0.3mm
シリンダー、ダイ温度設定:C1/C2/C3/アダプター/ダイ
=180/200/210/210/210(℃)
次に、日新ハイボルテージ株式会社製電子線照射装置「生産用キュアトロンEBC200-100」を使用して、上記フィルムに、加速電圧200kV、照射エネルギー30Mradの条件にて電子線照射し架橋処理を施して、EVOH系インナーライナーを作製した。
<タイヤの作製>
上記のようにして調製したゴム組成物で、黄銅(Cu;63質量%、Zn;37質量%)メッキを施したスチールコード(1×5構造、素線径0.25mm)を被覆してベルト層を形成した。また、該ベルト層と上記インナーライナーを用いて、図1に示す構造を有する、サイズ195/65R15のラジアルタイヤを常法により試作した。なお、表2及び表3中の「スキッドベースゲージ」はトレッドの溝底からトレッドアンダークッションまでの厚みを意味する。得られたタイヤのベルト層におけるスチールコードとコーティングゴムとの接着耐久性を下記の方法で評価した。また、得られたタイヤに対してドラム試験を行ってタイヤの転がり抵抗を評価した。更に、タイヤの重量を以下のようにして評価した。また、ドラム試験後のインナーライナーの割れを目視観察した。更に、使用したインナーライナーのガスバリア性を以下の方法で評価した。結果を表2及び表3に示す。
(1)ベルト層におけるスチールコードとコーティングゴムとの接着耐久性
供試タイヤを、100℃、95%RHに保持した恒温恒湿槽中に5週間放置した後、タイヤからベルト層を取り出し、ベルト層中のスチールコードを引張試験機により50mm/minの速度で引張り、露出したスチールコードのゴムの被覆状態を目視で観察し、その被覆率を求め、比較例1の被覆率を40として指数表示した。指数値が大きい程、接着耐久性が高く良好であることを示す。
(2)転がり抵抗
ドラム上に供試タイヤを接触させながらドラムを回転させ、一定速度まで上昇後、ドラムの駆動スイッチを切り、ドラムを自由回転させ、減速の度合いより転がり抵抗を求め、比較例1のタイヤの転がり抵抗を100として指数表示した。指数値が小さい程、転がり抵抗が小さく良好であることを示す。
(3)タイヤの重量
比較例1のタイヤの重量を100として、各供試タイヤの重量を指数表示した。指数値が小さい程、タイヤが軽く良好であることを示す。
(4)インナーライナーの割れ
供試タイヤを、空気圧140kPaで、80km/hの速度に相当する回転ドラム上に加重6kNで押し付けて10,000km走行させた。ドラム走行後のタイヤのインナーライナー外観を目視観察して、亀裂の有無を評価した。
(5)インナーライナーのガスバリア性
インナーライナーを、20℃、65%RHで5日間調湿した。得られた調湿済みのインナーライナーを2枚使用して、モダンコントロール社製MOCON OX−TRAN2/20型を用い、20℃、65%RHの条件下でJIS K7126(等圧法)に準拠して、空気透過度を測定し、その平均値を求め、比較例1で用いたインナーライナーの空気透過度の平均値を100として指数表示した。指数値が低い程、ガスバリア性に優れる。
Figure 2012251028
Figure 2012251028
表2及び表3から、バリア層とエラストマー層とを含む積層体をインナーライナーに適用し、更に、上記特定の化合物又は該化合物を主成分とする組成物を配合したゴム組成物をベルト層のコーティングゴムに適用することで、ベルト層におけるスチールコードとゴムとの接着耐久性を大幅に向上させつつ、タイヤの転がり抵抗を低減できることが分かる。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 ベルト
6 インナーライナー
7 ビードコア

Claims (15)

  1. カーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した一枚以上のベルト層からなるベルトと、前記カーカスのタイヤ内面側に配置したインナーライナーとを具え、
    樹脂組成物からなる厚さが0.001〜10μmのバリア層と、エラストマー組成物からなる厚さが0.001〜40μmのエラストマー層とを合計7層以上含む積層体を、前記インナーライナーに、適用し、
    前記ベルト層がコードをコーティングゴムで被覆してなり、該ベルト層の少なくとも一層のコーティングゴムに、ゴム成分100質量部に対して下記一般式(1):
    Figure 2012251028
    (式中、Rは炭素数1〜16の2価の脂肪族基、又は2価の芳香族基を表す)で表される化合物を0.1〜10質量部配合してなるゴム組成物を適用した
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. カーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した一枚以上のベルト層からなるベルトと、前記カーカスのタイヤ内面側に配置したインナーライナーとを具え、
    樹脂組成物からなる厚さが0.001〜10μmのバリア層と、エラストマー組成物からなる厚さが0.001〜40μmのエラストマー層とを合計7層以上含む積層体を、前記インナーライナーに、適用し、
    前記ベルト層がコードをコーティングゴムで被覆してなり、該ベルト層の少なくとも一層のコーティングゴムに、ゴム成分100質量部に対して下記一般式(2):
    Figure 2012251028
    (式中、Rは炭素数1〜16の2価の脂肪族基、又は2価の芳香族基を表す)で表される化合物が60〜100重量%、下記一般式(3):
    Figure 2012251028
    (式中、Rは炭素数1〜16の2価の脂肪族基、又は2価の芳香族基を表し、nは2〜6の整数を示す)で表され且つn=2の化合物が0〜20重量%、上記一般式(3)で表され且つn=3の化合物が0〜10重量%及び上記一般式(3)で表され且つn=4〜6の化合物が合計で0〜10重量%からなる組成物を0.1〜10質量部配合してなるゴム組成物を適用した
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 前記エラストマー層を構成するエラストマー組成物が、エラストマー中に23℃でのヤング率が該エラストマーより低い軟質材料を分散させてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記軟質材料の分子量が10,000以下であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記軟質材料の分子量が1,000以下であることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記エラストマー層を構成するエラストマー組成物が、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記バリア層を構成する樹脂組成物が、樹脂中に23℃でのヤング率が該樹脂より低い軟質材料を分散させてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記軟質材料が、水酸基と反応可能な官能基を有することを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記軟質材料の分子量が10,000以下であることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記軟質材料の分子量が1,000以下であることを特徴とする請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記バリア層を構成する樹脂組成物が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記バリア層を構成する樹脂組成物が、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び/又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を含むことを特徴とする請求項11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記バリア層及び/又は前記エラストマー層が、活性エネルギー線の照射により架橋されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記コーティングゴムに適用するゴム組成物のゴム成分が、天然ゴムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記コーティングゴムに適用するゴム組成物が、更に、前記ゴム成分100質量部に対して硫黄を2〜9質量部含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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