JP2012241599A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベーンロータとハウジングロータとの衝突が生じる頻度を少なくすることのできる内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】この可変動弁装置は、吸気バルブタイミングを変更するバルブタイミング可変機構と、このバルブタイミング可変機構の遅角室および進角室の潤滑油の供給状態を変更する第1OCVとを備える。進角室が閉鎖される状態かつ遅角室への潤滑油の供給が許容される状態を形成する第1OCVの動作状態を「準遅角状態」とする。そして、吸気バルブタイミングが最遅角位相VTminのとき、第1OCVの動作状態を準遅角状態に設定する。すなわち第1OCVのデューティを遅角準不感帯ARLに変更する。
【選択図】図9
【解決手段】この可変動弁装置は、吸気バルブタイミングを変更するバルブタイミング可変機構と、このバルブタイミング可変機構の遅角室および進角室の潤滑油の供給状態を変更する第1OCVとを備える。進角室が閉鎖される状態かつ遅角室への潤滑油の供給が許容される状態を形成する第1OCVの動作状態を「準遅角状態」とする。そして、吸気バルブタイミングが最遅角位相VTminのとき、第1OCVの動作状態を準遅角状態に設定する。すなわち第1OCVのデューティを遅角準不感帯ARLに変更する。
【選択図】図9
Description
本発明は、吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置に関する。
上記可変動弁装置として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
従来の可変動弁装置では、バルブタイミングを最遅角位相に保持する要求があるとき、オイルコントロールバルブ(油路変更機構)の動作状態として、遅角室への作動油の供給が許容され、かつ進角室からの作動油の排出が許容される遅角状態を設定する。
従来の可変動弁装置では、バルブタイミングを最遅角位相に保持する要求があるとき、オイルコントロールバルブ(油路変更機構)の動作状態として、遅角室への作動油の供給が許容され、かつ進角室からの作動油の排出が許容される遅角状態を設定する。
これにより、バルブタイミングが最遅角位相よりも進角側の位相から最遅角位相に向けて変化する。そして、バルブタイミングが最遅角位相に変更したとき、すなわちハウジング(入力回転体)の隔壁とベーンロータ(出力回転体)のベーンとが互いに接触したとき、オイルコントロールバルブの動作状態として、遅角室および進角室が閉鎖される閉鎖状態を設定する。
上記可変動弁装置において、オイルコントロールバルブの動作状態が閉鎖状態に設定されているとき、可変動弁機構を構成する部品のクリアランスから作動油が漏れることにともないバルブタイミングが最遅角位相よりも進角側に変化することがある。
このため、バルブタイミングが進角側に変化した後に再び最遅角位相に向けて変化するとき、すなわちベーンロータのベーンがハウジングロータに対して遅角方向に回転するとき、ベーンロータのベーンとハウジングの隔壁に衝突するおそれがある。
なお、ここではバルブタイミングを最遅角位相に保持する要求が設定された場合の課題について言及しているが、バルブタイミングを最進角位相に保持する要求が設定される場合にも同様の課題が生じる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力回転体と出力回転体との衝突が生じる頻度を少なくすることのできる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
上記目的を達成するための手段について記載する。
(1)第1の手段は、請求項1に記載の発明すなわち「吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、前記可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、前記進角室が閉鎖される状態かつ前記遅角室への作動油の供給が許容される状態を形成する前記油路変更機構の動作状態を『準遅角状態』として、前記バルブタイミングが前記最遅角位相のとき、前記油路変更機構の動作状態を前記準遅角状態とすること」を要旨とする。
(1)第1の手段は、請求項1に記載の発明すなわち「吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、前記可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、前記進角室が閉鎖される状態かつ前記遅角室への作動油の供給が許容される状態を形成する前記油路変更機構の動作状態を『準遅角状態』として、前記バルブタイミングが前記最遅角位相のとき、前記油路変更機構の動作状態を前記準遅角状態とすること」を要旨とする。
本発明によれば、バルブタイミングが最遅角位相のときに遅角室に作動油が供給されるため、バルブタイミングを最遅角位相に保持する要求があるときに遅角室を閉鎖する可変動弁装置と比較して、遅角室の油圧が変動しにくい。このため、バルブタイミングを最遅角位相に保持する要求があるとき、遅角室の油圧の変動にともないバルブタイミングが進角側に変化することが抑制される。このため、入力回転体と出力回転体との衝突が生じにくくなる。
また本発明によれば、バルブタイミングが最遅角位相のときに進角室が閉鎖されるため、バルブタイミングが最遅角位相のときに進角室を開放する可変動弁装置と比較して、出力回転体が入力回転体に対して遅角方向に回転しようとするときに入力回転体と出力回転体との間に作動油が存在する状況が生じやすい。このため、入力回転体と出力回転体との衝突が生じにくくなる。
なお、入力回転体と出力回転体との間に作動油が存在する状況が生じる理由としては、進角室が閉鎖される前から進角室に作動油が存在し、進角室が閉鎖されることにより同作動油が進角室にそのまま残存しているというものが挙げられる。また、この他には次のものが挙げられる。すなわち、進角室に作動油のポートにつながる油路変更機構のポートを進角室対応ポートとして、同ポートが閉鎖されることにより進角室が閉鎖されたとき、同ポートと進角室のポートとを互いに接続する油路には作動油が残存している。そして、出力回転体が入力回転体に対して最遅角位相から進角側に回転するときに上記油路の作動油が進角室に流れることにより、出力回転体と入力回転体との間に作動油が存在する。
「最遅角位相」には次のバルブタイミングが含まれる。すなわち、出力回転体が入力回転体に対して最大限に遅角方向に回転した状態、すなわち出力回転体の少なくとも一部と入力回転体の少なくとも一部とが互いに接触していることにより、入力回転体に対する出力回転体の遅角方向への回転が規制された状態を最遅角基準状態として、入力回転体および出力回転体の状態が最遅角基準状態のときのバルブタイミングAと、実際のバルブタイミングが同バルブタイミングAのときに得られる機関運転状態と実質的に同じ機関運転状態が得られるバルブタイミングの範囲とを含む。
「進角室の閉鎖」には次の状態が含まれる。すなわち、進角室の作動油のポートにつながる油路変更機構のポートを進角室対応ポートとして、同ポートの開口面積が「0」の状態と、同ポートの開口面積が「0」よりも大きく、かつ進角室から排出される作動油の流量が少量となる状態とを含む。なお、作動油の流量が少量となる状態とは、回転速度が過度に大きい状態で出力回転体が入力回転体に接触することが抑制される上記効果を速度低下効果として、進角室対応ポートの開口面積が「0」のときに得られる速度低下効果と同じ程度の速度低下効果が得られる状態を示す。
(2)第2の手段は、請求項2に記載の発明すなわち「吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、前記可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、前記進角室が閉鎖される状態かつ前記遅角室への作動油の供給が許容される状態を形成する前記油路変更機構の動作状態を『準遅角状態』とし、前記バルブタイミングを最遅角位相に保持することが要求される機関運転状態を『最遅角運転状態』として、機関運転状態が前記最遅角運転状態のとき、前記油路変更機構の動作状態を前記準遅角状態とすること」を要旨とする。
(3)第3の手段は、請求項3に記載の発明すなわち「請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記最進角位相から前記最遅角位相の直前までの範囲を『進角側範囲』として、前記バルブタイミングの含まれる範囲が前記進角側範囲から前記最遅角位相に変化したとき、前記油路変更機構の動作状態を前記準遅角状態とすること」を要旨とする。
(4)第4の手段は、請求項4に記載の発明すなわち「吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、前記可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、前記バルブタイミングが前記最遅角位相のときに前記進角室と前記遅角室とを互いに連通する遅角連通路が設けられていること」を要旨とする。
本発明によれば、バルブタイミングが最遅角位相のとき、進角室と遅角室とが互いに連通されることにより遅角室から進角室に作動油が供給されるため、出力回転体が入力回転体に対して遅角方向に回転しようとするときに出力回転体と入力回転体との間に作動油が存在する状況が生じやすい。このため、出力回転体が入力回転体に対して遅角方向に回転するとき、回転速度が過度に大きい状態で出力回転体が入力回転体に接触することが抑制される。すなわち、入力回転体と出力回転体とが互いに接触するときの力が小さくなる。
(5)第5の手段は、請求項5に記載の発明すなわち「請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記バルブタイミングを固定する位相固定機構が設けられていること、前記位相固定機構として、前記バルブタイミングを前記最遅角位相よりも進角側の所定の位相で固定する機構が設けられていること、ならびに、前記位相固定機構として、前記バルブタイミングを前記最遅角位相に固定する機構が設けられていないこと」を要旨とする。
この発明によれば、バルブタイミングを最遅角位相に固定する機構が設けられていないため、バルブタイミングを最遅角位相に保持する要求が設定されたときには、作動油の油圧によりバルブタイミングを最遅角位相に保持する必要がある。一方、位相固定機構によりバルブタイミングを所定の位相に保持する構成と、作動油の油圧によりバルブタイミングを所定の位相に保持する構成とを比較したとき、前者の方がバルブタイミングを安定して保持することができる。このことから、バルブタイミングを最遅角位相に固定する機構が設けられていない内燃機関の可変動弁装置は、同機構が設けられている可変動弁装置に比べて、バルブタイミングを最遅角位相に保持するときのバルブタイミングの安定性が問題となる。
一方、本発明では、バルブタイミングが最遅角位相のとき、油路変更機構の動作状態を準遅角状態にするため、バルブタイミングを最遅角位相に保持する要求に応じてバルブタイミングを最遅角位相に保持するとき、バルブタイミングが不安定となることを抑制することができる。
(6)第6の手段は、請求項6に記載の発明すなわち「吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、前記可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、前記遅角室が閉鎖される状態かつ前記進角室への作動油の供給が許容される状態を形成する前記油路変更機構の動作状態を『準進角状態』として、前記バルブタイミングが前記最進角位相のとき、前記油路変更機構の動作状態を前記準進角状態とすること」を要旨とする。
本発明によれば、バルブタイミングが最進角位相のときに進角室に作動油が供給されるため、バルブタイミングを最進角位相に保持する要求があるときに進角室を閉鎖する可変動弁装置と比較して、進角室の油圧が変動しにくい。このため、バルブタイミングを最進角位相に保持する要求があるとき、進角室の油圧の変動にともないバルブタイミングが遅角側に変化することが抑制される。このため、入力回転体と出力回転体との衝突が生じにくくなる。
また本発明によれば、バルブタイミングが最進角位相のときに遅角室が閉鎖されるため、バルブタイミングが最進角位相のときに遅角室を開放する可変動弁装置と比較して、出力回転体が入力回転体に対して進角方向に回転しようとするときに入力回転体と出力回転体との間に作動油が存在する状況が生じやすい。このため、入力回転体と出力回転体との衝突が生じにくくなる。
なお、入力回転体と出力回転体との間に作動油が存在する状況が生じる理由としては、遅角室が閉鎖される前から遅角室に作動油が存在し、遅角室が閉鎖されることにより同作動油が遅角室にそのまま残存しているというものが挙げられる。また、この他には次のものが挙げられる。すなわち、遅角室に作動油のポートにつながる油路変更機構のポートを遅角室対応ポートとして、同ポートが閉鎖されることにより遅角室が閉鎖されたとき、同ポートと遅角室のポートとを互いに接続する油路には作動油が残存している。そして、出力回転体が入力回転体に対して最進角位相から遅角側に回転するときに上記油路の作動油が遅角室に流れることにより、出力回転体と入力回転体との間に作動油が存在する。
「最進角位相」には次のバルブタイミングが含まれる。すなわち、出力回転体が入力回転体に対して最大限に進角方向に回転した状態、すなわち出力回転体の少なくとも一部と入力回転体の少なくとも一部とが互いに接触していることにより、入力回転体に対する出力回転体の進角方向への回転が規制された状態を最進角基準状態として、入力回転体および出力回転体の状態が最進角基準状態のときのバルブタイミングBと、実際のバルブタイミングが同バルブタイミングBのときに得られる機関運転状態と実質的に同じ機関運転状態が得られるバルブタイミングの範囲とを含む。
「遅角室の閉鎖」には次の状態が含まれる。すなわち、遅角室の作動油のポートにつながる油路変更機構のポートを遅角室対応ポートとして、同ポートの開口面積が「0」の状態と、同ポートの開口面積が「0」よりも大きく、かつ遅角室から排出される作動油の流量が少量となる状態とを含む。なお、作動油の流量が少量となる状態とは、回転速度が過度に大きい状態で出力回転体が入力回転体に接触することが抑制される上記効果を速度低下効果として、遅角室対応ポートの開口面積が「0」のときに得られる速度低下効果と同じ程度の速度低下効果が得られる状態を示す。
図1を参照して、内燃機関1の構成について説明する。
内燃機関1は、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12およびオイルパン13を備える機関本体10と、シリンダヘッド12に設けられた可変動弁装置20と、機関本体10等に潤滑油(作動油)を供給する潤滑装置50と、これら装置を統括的に制御する制御装置70とを備える。
内燃機関1は、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12およびオイルパン13を備える機関本体10と、シリンダヘッド12に設けられた可変動弁装置20と、機関本体10等に潤滑油(作動油)を供給する潤滑装置50と、これら装置を統括的に制御する制御装置70とを備える。
可変動弁装置20は、燃焼室14を開閉する吸気バルブ21および排気バルブ23と、これらバルブを押し下げる吸気カムシャフト22および排気カムシャフト24と、吸気バルブ21のバルブタイミングを変更するバルブタイミング可変機構30とを備えている。バルブタイミング可変機構30には、吸気側のバルブタイミングを特定の位相に固定する位相固定機構40が設けられている。なお、以降の説明では、吸気バルブ21のバルブタイミングを「吸気バルブタイミングVTA」とする。
潤滑装置50は、オイルパン13の潤滑油を吐出するオイルポンプ52と、オイルポンプ52から吐出された潤滑油を内燃機関1の各部位に供給する潤滑油路51と、各種機構への潤滑油の供給態様を制御する2つのオイルコントロールバルブを備えている。
第1のオイルコントロールバルブ53(以下、「第1OCV53」)は吸気側のバルブタイミング可変機構30への潤滑油の供給態様を制御する。第2のオイルコントロールバルブ54(以下、「第2OCV54」)は位相固定機構40への潤滑油の供給態様を制御する。
制御装置70は、内燃機関1を制御するための各種の演算処理等を行う電子制御装置71と、クランクポジションセンサ72および吸気カムポジションセンサ73をはじめとする各種のセンサとを備えている。
クランクポジションセンサ72は、クランクシャフト15の回転角度に応じた信号を電子制御装置71に出力する。吸気カムポジションセンサ73は、吸気カムシャフト22の回転角度に応じた信号を電子制御装置71に出力する。
電子制御装置71は、各種の制御に用いるためのパラメータとして次のものを算出する。すなわち、クランクポジションセンサ72からの出力信号に基づいて、クランクシャフト15の回転角度に相当する演算値(以下、「クランク角度信号CA」)を算出する。
また、吸気カムポジションセンサ73からの出力信号に基づいて、吸気カムシャフト22の回転角度に相当する演算値(以下、「吸気カム角度信号DA」)を算出する。クランク角度信号CAおよび吸気カム角度信号DAに基づいて吸気バルブタイミングVTAに相当する演算値(以下、「実位相VTR」)を算出する。
電子制御装置71により行われる制御として、吸気バルブタイミングVTAを変更するバルブタイミング制御が挙げられる。
バルブタイミング制御では、機関運転状態に応じて、吸気バルブタイミングVTAを最も進角側のバルブタイミング(以下、「最進角位相VTmax」)から最も遅角側のバルブタイミング(以下、「最遅角位相VTmin」)までの範囲で変更する。
バルブタイミング制御では、機関運転状態に応じて、吸気バルブタイミングVTAを最も進角側のバルブタイミング(以下、「最進角位相VTmax」)から最も遅角側のバルブタイミング(以下、「最遅角位相VTmin」)までの範囲で変更する。
また、機関始動時または機関停止時またはアイドリング時には、吸気バルブタイミングVTAを、最進角位相VTmaxと最遅角位相VTminとの間の所定のバルブタイミング(以下、「中間角位相VTmdl」)に保持する。
また、省エネ運転時において、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに設定する。
なお、「最遅角位相VTmin」には、次の吸気バルブタイミングVTAが含まれる。
なお、「最遅角位相VTmin」には、次の吸気バルブタイミングVTAが含まれる。
ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して最大限に遅角方向に回転した状態、すなわちベーンロータ35の少なくとも一部とハウジングロータ31の少なくとも一部とが互いに接触していることにより、ハウジングロータ31に対するベーンロータ35の遅角方向への回転が規制された状態を最遅角基準状態とする。
最遅角位相VTminは、ハウジングロータ31およびベーンロータ35の状態が最遅角基準状態のときの吸気バルブタイミングVTA(A)と、実際の吸気バルブタイミングVTAが同吸気バルブタイミングVTA(A)のときに得られる機関運転状態と実質的に同じ機関運転状態が得られる吸気バルブタイミングVTAの範囲とを含む。
図2を参照して、バルブタイミング可変機構30の構成について説明する。
図中の矢印Xは吸気カムシャフト22の回転方向Xを示している。
バルブタイミング可変機構30は、クランクシャフト15に同期して回転するハウジングロータ31と、吸気カムシャフト22に同期して回転するベーンロータ35と、ベーンロータ35をハウジングロータ31に対して固定する位相固定機構40とを備えている。
図中の矢印Xは吸気カムシャフト22の回転方向Xを示している。
バルブタイミング可変機構30は、クランクシャフト15に同期して回転するハウジングロータ31と、吸気カムシャフト22に同期して回転するベーンロータ35と、ベーンロータ35をハウジングロータ31に対して固定する位相固定機構40とを備えている。
ハウジングロータ31は、タイミングチェーンを介してクランクシャフト15に連結されたスプロケット33と、スプロケット33の内側に組みつけられてスプロケット33と一体的に回転するハウジング本体32と、ハウジング本体32に取り付けられるカバー34とを含めて構成されている。ハウジング本体32には、径方向においてハウジングロータ31の回転軸(吸気カムシャフト22)に向けて突出する3つの区画壁31Aが設けられている。
ベーンロータ35は、吸気カムシャフト22の端部に固定されるとともにハウジング本体32内の空間に配置されている。ベーンロータ35には、ハウジング本体32の隣り合う区画壁31Aの間に向けて突出した3つのベーン36が設けられている。各ベーン36は、区画壁31Aの間に形成されているベーン収容室37を進角室38および遅角室39に区画する。
進角室38は、ベーン収容室37内においてベーン36よりも吸気カムシャフト22の回転方向Xの後方側に位置している。遅角室39は、ベーン収容室37内においてベーン36よりも吸気カムシャフト22の回転方向Xの前方側に位置している。
ハウジングロータ31に対するベーンロータ35の回転位相は、ベーンロータ35の回転位相が回転方向Xの最も前方側にあるときの回転位相(以下、「最進角回転位相」)とベーンロータ35の回転位相が回転方向Xの最も後方側にあるときの回転位相(以下、「最遅角回転位相」)の間で変化する。最進角回転位相は、吸気バルブタイミングVTAとしての最進角位相VTmaxに対応する。最遅角回転位相は、吸気バルブタイミングVTAとしての最遅角位相VTminに対応する。
次に、バルブタイミング可変機構30の動作について説明する。
進角室38への潤滑油の供給および遅角室39からの潤滑油の排出により、進角室38が拡大するとともに遅角室39が縮小して、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して進角側すなわち回転方向Xに回転する。これにより、吸気バルブタイミングVTAが進角側に変化する。
進角室38への潤滑油の供給および遅角室39からの潤滑油の排出により、進角室38が拡大するとともに遅角室39が縮小して、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して進角側すなわち回転方向Xに回転する。これにより、吸気バルブタイミングVTAが進角側に変化する。
進角室38からの潤滑油の排出および遅角室39への潤滑油の供給により、遅角室39が拡大するとともに進角室38が縮小して、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して遅角側すなわち回転方向Xとは反対方向に回転する。これにより、吸気バルブタイミングVTAは遅角側に変化する。
位相固定機構40は、ハウジングロータ31に対するベーンロータ35の回転位相を中間角位相VTmdlに対応する回転位相(以下、「中間角回転位相」)に固定する。これにより、吸気バルブタイミングVTAが中間角位相VTmdlに固定される。
図4(b)に示されるように、位相固定機構40は、ベーン36に対して移動する制限ピン41と、潤滑油が充填されるピン収容室42と、制限ピン41を一方向に押すばね43と、ハウジングロータ31に設けられて制限ピン41が嵌り込む制限穴44とにより構成されている。ピン収容室42に潤滑油が供給されている状態でベーンロータ35の回転位相が中間角回転位相にあるとき、制限ピン41が制限穴44に嵌りこむ。一方、ピン収容室42から潤滑油が排出されているときは、制限ピン41はピン収容室42に収容される。すなわち、制限ピン41は、ピン収容室42の潤滑油の力とばね43の力との関係に基づいて、ベーン36から突出する方向とベーン36に引込む方向との間で動作する。
図3を参照して、第1OCV53の構造について説明する。
第1OCV53は、複数のポートが設けられたスリーブ61と、このスリーブ61内で移動するスプール62とを備えている。
第1OCV53は、複数のポートが設けられたスリーブ61と、このスリーブ61内で移動するスプール62とを備えている。
スリーブ61には、進角室38に通じる油路に接続される進角ポート61Aと、遅角室39に通じる油路に接続される遅角ポート61Bとが形成されている。これらポートは、スリーブ61の軸方向に沿って、遅角ポート61B、進角ポート61Aの順に形成されている。また、スリーブ61には、上記の各ポートに加えて、潤滑油の供給油路に接続される供給ポート61Cと、進角室38から潤滑油を排出するための進角排出ポート61Dと、遅角室39から潤滑油を排出するための遅角排出ポート61Eとが形成されている。
スプール62には、2つの弁体すなわち進角弁62Aおよび遅角弁62Bが設けられている。
進角弁62Aは、進角ポート61Aに対応して設けられ、進角ポート61Aの開口面積を変更する。遅角弁62Bは、遅角ポート61Bに対応して設けられ、遅角ポート61Bの開口面積を変更する。
進角弁62Aは、進角ポート61Aに対応して設けられ、進角ポート61Aの開口面積を変更する。遅角弁62Bは、遅角ポート61Bに対応して設けられ、遅角ポート61Bの開口面積を変更する。
次に、各弁体の寸法関係について説明する。
なお、以降の説明では、各ポートおよび各弁体において、スプール62の移動方向と同方向の寸法を幅寸法とする。また遅角ポート61Bから進角ポート61Aに向かう方向を右方向とし、この逆方向を左方向とする。
なお、以降の説明では、各ポートおよび各弁体において、スプール62の移動方向と同方向の寸法を幅寸法とする。また遅角ポート61Bから進角ポート61Aに向かう方向を右方向とし、この逆方向を左方向とする。
進角弁62Aの幅寸法は、進角ポート61Aの幅寸法よりも大きい。遅角弁62Bの幅寸法は、遅角ポート61Bの幅寸法よりも大きい。進角弁62Aの幅方向中間位置と遅角弁62Bの幅方向中間位置との間の距離DX1と、進角ポート61Aの幅方向中間位置と遅角ポート61Bの幅方向中間位置との間の距離DX2とを比べると、前者のほうが後者よりも大きい。
次に、ポート付近における弁体とスリーブ61との接触部分(以下、「オーバラップ」)について説明する。
進角ポート61A付近において進角弁62Aとスリーブ61とが接触する接触部分の幅方向の距離について、供給ポート61C側の幅方向距離を進角供給オーバラップLAxとし、進角排出ポート61D側の幅方向距離を進角排出オーバラップLAyとする。
進角ポート61A付近において進角弁62Aとスリーブ61とが接触する接触部分の幅方向の距離について、供給ポート61C側の幅方向距離を進角供給オーバラップLAxとし、進角排出ポート61D側の幅方向距離を進角排出オーバラップLAyとする。
遅角ポート61B付近において遅角弁62Bとスリーブ61とが接触する接触部分の幅方向の距離について、供給ポート61C側の幅方向距離を遅角供給オーバラップLBxとし、遅角排出ポート61E側の幅方向距離を遅角排出オーバラップLByとする。
図3に示すように、進角弁62Aと遅角弁62Bとの間の中間位置と、進角ポート61Aと遅角ポート61Bとの間の中間位置とを一致させる状態にスプール62をスリーブ61に対して配置したとき、各オーバラップは次のような関係になる。
・進角供給オーバラップLAxは、進角排出オーバラップLAyよりも小さい。
・遅角供給オーバラップLBxは、遅角排出オーバラップLByよりも小さい。
・進角供給オーバラップLAxと遅角供給オーバラップLBxは等しい。
・進角排出オーバラップLAyと遅角排出オーバラップLByは等しい。
・すなわち、(LAx=LBx)<(LAy=LBy)の関係が成立する。
・進角供給オーバラップLAxは、進角排出オーバラップLAyよりも小さい。
・遅角供給オーバラップLBxは、遅角排出オーバラップLByよりも小さい。
・進角供給オーバラップLAxと遅角供給オーバラップLBxは等しい。
・進角排出オーバラップLAyと遅角排出オーバラップLByは等しい。
・すなわち、(LAx=LBx)<(LAy=LBy)の関係が成立する。
以上の構成により次の作用を奏する。
進角弁62Aの右端と遅角弁62Bの右端との間の距離DRsは、進角ポート61Aの右端と遅角ポート61Bの右端との間の距離DRpよりも大きい。
進角弁62Aの右端と遅角弁62Bの右端との間の距離DRsは、進角ポート61Aの右端と遅角ポート61Bの右端との間の距離DRpよりも大きい。
このことは、スプール62の移動により、進角弁62Aの右端と進角ポート61Aの右端が一致したとき、遅角弁62Bの右端と遅角ポート61Bに右端が一致せず、遅角ポート61Bが開口し、遅角ポート61Bと供給ポート61Cとが連通することを示す(図4(b)参照)。
同様に、進角弁62Aの左端と遅角弁62Bの左端との間の距離DLsは、進角ポート61Aの左端と遅角ポート61Bの左端との間の距離DLpよりも大きい。
このことは、スプール62の移動により、遅角弁62Bの左端と遅角ポート61Bの左端が一致したとき、進角弁62Aの左端と進角ポート61Aに左端が一致せず、進角ポート61Aが開口し、進角ポート61Aと供給ポート61Cとが連通することを示す(図5(a)参照)。
このことは、スプール62の移動により、遅角弁62Bの左端と遅角ポート61Bの左端が一致したとき、進角弁62Aの左端と進角ポート61Aに左端が一致せず、進角ポート61Aが開口し、進角ポート61Aと供給ポート61Cとが連通することを示す(図5(a)参照)。
次に、第1OCV53の潤滑油の供給態様を説明する。
第1OCV53の動作モードは、進角モードMA(進角状態)、準進角モードMAx、保持モードMC(閉鎖状態)、準遅角モードMBx(準遅角状態)、遅角モードMB(遅角状態)の5つのモードに区分される。
第1OCV53の動作モードは、進角モードMA(進角状態)、準進角モードMAx、保持モードMC(閉鎖状態)、準遅角モードMBx(準遅角状態)、遅角モードMB(遅角状態)の5つのモードに区分される。
進角モードMAは、進角室38への潤滑油の供給を可能とし、かつ遅角室39からの潤滑油の排出を可能とする。ベーンロータ35はハウジングロータ31に対して進角側に回転する。すなわち、このモードは吸気バルブタイミングVTAの進角に対応する。
準進角モードMAxは、進角室38への潤滑油の供給を可能とし、かつ遅角ポート61Bを閉鎖する。このモードでは遅角室39が密閉状態にされているため、ベーンロータ35の回転位相はハウジングロータ31に対して保持される。すなわち、吸気バルブタイミングVTAの保持に対応する。
保持モードMCは、進角ポート61Aを閉鎖しかつ遅角ポート61Bを閉鎖する。ベーンロータ35とハウジングロータ31との間の回転位相は保持される。すなわち、このモードは吸気バルブタイミングVTAの保持に対応する。
準遅角モードMBxは、遅角室39への潤滑油の供給を可能とし、かつ進角ポート61Aを閉鎖する。このモードでは進角室38が密閉状態にされているためベーンロータ35はハウジングロータ31に対して保持される。このモードは、吸気バルブタイミングVTAの保持に対応する。
遅角モードMBは、遅角室39への潤滑油の供給を可能とし、かつ進角室38からの潤滑油の排出を可能とする。ベーンロータ35はハウジングロータ31に対して遅角側に回転する。すなわち、このモードは吸気バルブタイミングVTAの遅角に対応する。
図4および図5を参照して、スリーブ61に対するスプール62の移動と、第1OCV53の供給態様(動作モード)との関係を説明する。
なお、各ポートの開口面積を次にように定義する。進角ポート61Aと供給ポート61Cとが連通する第1連通状態における進角ポート61Aの開口面積を供給側の開口面積とする。進角ポート61Aと進角排出ポート61Dとが連通する第2連通状態における進角ポート61Aの開口面積を排出側の開口面積とする。遅角ポート61Bと供給ポート61Cとが連通する第3連通状態における遅角ポート61Bの開口面積を供給側の開口面積とする。遅角ポート61Bと遅角排出ポート61Eとが連通する第4連通状態における遅角ポート61Bの開口面積を排出側の開口面積とする。
なお、各ポートの開口面積を次にように定義する。進角ポート61Aと供給ポート61Cとが連通する第1連通状態における進角ポート61Aの開口面積を供給側の開口面積とする。進角ポート61Aと進角排出ポート61Dとが連通する第2連通状態における進角ポート61Aの開口面積を排出側の開口面積とする。遅角ポート61Bと供給ポート61Cとが連通する第3連通状態における遅角ポート61Bの開口面積を供給側の開口面積とする。遅角ポート61Bと遅角排出ポート61Eとが連通する第4連通状態における遅角ポート61Bの開口面積を排出側の開口面積とする。
スプール62は、第1OCV53に入力されるデューティに応じて軸方向に移動する。デューティが大きい値になるにつれてスプール62は遅角ポート61Bから進角ポート61Aの方向に向けて移動する。ここで、スリーブ61に対するスプール62の位置を次のように定義する。
スプール62が最も遅角ポート61B側に移動したときの位置を最左位置とする。最左位置からスプール62が右方向に移動して、進角弁62Aの右端と進角ポート61Aの右端とが一致したときの位置を第1中間位置とする。更に、スプール62が右方向に移動して、遅角弁62Bの右端と遅角ポート61Bの右端とが一致したときの位置を第2中間位置とする。更に、スプール62が右方向に移動して、進角弁62Aの左端と進角ポート61Aの左端とが一致したときの位置を第3中間位置とする。更に、スプール62が右方向に移動して、遅角弁62Bの左端と遅角ポート61Bの左端とが一致したときの位置を第4中間位置とする。更に、スプール62が右方向に移動して、最も進角ポート61A側に移動したときの位置を最右位置とする。
図4(a)は、スリーブ61に対してスプール62が第1位置にあるときを示す。
第1位置は、最左位置と第1中間位置との間の範囲を示す。第1位置は遅角モードMBに対応する。
第1位置は、最左位置と第1中間位置との間の範囲を示す。第1位置は遅角モードMBに対応する。
このとき、遅角ポート61Bの供給側の開口面積が「0」よりも大きく、かつ進角ポート61Aの排出側の開口面積が「0」よりも大きい。こうしたポート同士の連通状態により、潤滑油が遅角室39に供給されるとともに進角室38の潤滑油が排出される。
図4(b)は、スリーブ61に対してスプール62が第2位置にあるときを示す。
第2位置は、第1中間位置と第2中間位置との間の範囲を示す。第2位置は準遅角モードMBxに対応する。
第2位置は、第1中間位置と第2中間位置との間の範囲を示す。第2位置は準遅角モードMBxに対応する。
このとき、遅角ポート61Bの供給側の開口面積が「0」よりも大きく、かつ進角ポート61Aの開口面積が「0」となる。こうしたポート同士の連通状態により、潤滑油が遅角室39に供給される一方、進角室38が密閉される。
図4(c)は、スリーブ61に対してスプール62が第3位置にあるときを示す。
第3位置は、第2中間位置と第3中間位置との間の範囲を示す。第3位置は保持モードMCに対応する。
第3位置は、第2中間位置と第3中間位置との間の範囲を示す。第3位置は保持モードMCに対応する。
このとき、進角ポート61Aの開口面積が「0」、かつ遅角ポート61Bの開口面積が「0」となる。こうしたポート同士の連通状態により、進角室38および遅角室39がともに密閉される。
図5(a)は、スリーブ61に対してスプール62が第4位置にあるときを示す。
第4位置は、第3中間位置と第4中間位置との間の範囲を示す。第4位置は準進角モードMAxに対応する。
第4位置は、第3中間位置と第4中間位置との間の範囲を示す。第4位置は準進角モードMAxに対応する。
このとき、進角ポート61Aの供給側の開口面積が「0」よりも大きく、かつ遅角ポート61Bの開口面積が「0」となる。こうしたポート同士の連通状態により、潤滑油が進角室38に供給される一方、遅角室39が密閉される。
図5(b)は、スリーブ61に対してスプール62が第5位置にあるときを示す。
第5位置は、第4中間位置と最右位置との間の範囲を示す。第5位置は進角モードMAに対応する。
第5位置は、第4中間位置と最右位置との間の範囲を示す。第5位置は進角モードMAに対応する。
このとき、進角ポート61Aの供給側の開口面積が「0」よりも大きく、かつ遅角ポート61Bの排出側の開口面積が「0」よりも大きい。こうしたポート同士の連通状態により、潤滑油が進角室38に供給されるとともに遅角室39の潤滑油が排出される。
次に、準遅角モードMBxと第1OCV53の構造との関係を説明する。
上記したように、第1OCV53は、寸法上、距離DRsは距離DRpよりも大きい。この構成により、進角弁62Aに右端と進角ポート61Aの右端が一致したとき、遅角弁62Bの右端と遅角ポート61Bに右端が一致せず、遅角ポート61Bが供給側に開口する。すなわち、準遅角モードMBxが構成される。
上記したように、第1OCV53は、寸法上、距離DRsは距離DRpよりも大きい。この構成により、進角弁62Aに右端と進角ポート61Aの右端が一致したとき、遅角弁62Bの右端と遅角ポート61Bに右端が一致せず、遅角ポート61Bが供給側に開口する。すなわち、準遅角モードMBxが構成される。
準進角モードMAxと第1OCV53の構造との関係を説明する。
上記したように、第1OCV53は、寸法上、距離DLsは距離DLpよりも大きい。この構成により、遅角弁62Bに左端と遅角ポート61Bの左端が一致したとき、進角弁62Aの左端と進角ポート61Aに左端が一致せず、進角ポート61Aが供給側に開口する。すなわち、準進角モードMAxが構成される。
上記したように、第1OCV53は、寸法上、距離DLsは距離DLpよりも大きい。この構成により、遅角弁62Bに左端と遅角ポート61Bの左端が一致したとき、進角弁62Aの左端と進角ポート61Aに左端が一致せず、進角ポート61Aが供給側に開口する。すなわち、準進角モードMAxが構成される。
図6を参照して、デューティと、進角ポート61Aおよび遅角ポート61Bの開口面積と、吸気バルブタイミングVTAの変位速度との関係を説明する。
なお、デューティと吸気バルブタイミングVTAの変位速度との関係は、潤滑油の温度、油圧、オイルポンプ52からの潤滑油の供給油量、バルブタイミング可変機構30内の各摺動部品のフリクションの大きさ等により、変化する。
なお、デューティと吸気バルブタイミングVTAの変位速度との関係は、潤滑油の温度、油圧、オイルポンプ52からの潤滑油の供給油量、バルブタイミング可変機構30内の各摺動部品のフリクションの大きさ等により、変化する。
デューティがとり得る値の設定範囲は、第1OCV53の構造と関係付けられて進角帯ARAと、進角準不感帯ARHと、中間不感帯ARMと、遅角準不感帯ARLと、遅角帯ARBとの5つの領域に区分される。
・進角帯ARAは、進角モードMAすなわち第5位置に対応する。
・進角準不感帯ARHは、準進角モードMAxすなわち第4位置に対応する。
・中間不感帯ARMは、保持モードMCすなわち第3位置に対応する。
・遅角準不感帯ARLは、準遅角モードMBxすなわち第2位置に対応する。
・遅角帯ARBは、遅角モードMBすなわち第1位置に対応する。
・進角帯ARAは、進角モードMAすなわち第5位置に対応する。
・進角準不感帯ARHは、準進角モードMAxすなわち第4位置に対応する。
・中間不感帯ARMは、保持モードMCすなわち第3位置に対応する。
・遅角準不感帯ARLは、準遅角モードMBxすなわち第2位置に対応する。
・遅角帯ARBは、遅角モードMBすなわち第1位置に対応する。
(a)図6(b)に示すようにデューティが遅角帯ARBの値をとるとき、第1OCV53は遅角モードMBで動作する。遅角ポート61Bの供給側の開口面積は進角ポート61Aの排出側の開口面積よりも常に大きい。そして、デューティが小さくなるにつれて遅角ポート61Bの供給側の開口面積および進角ポート61Aの排出側の開口面積が大きくなる。また、図6(a)に示すようにデューティが小さくなるにつれて遅角側への吸気バルブタイミングVTAの変位速度が大きくなる。
(b)図6(b)に示すようにデューティが遅角準不感帯ARLの値をとるとき、第1OCV53は準遅角モードMBxで動作する。遅角ポート61Bは供給側に開口し、進角ポート61Aの開口面積は「0」である。そして、デューティが大きくなるにつれて遅角ポート61Bの供給側の開口面積が小さくなる。図6(a)に示すようにデューティが変わっても吸気バルブタイミングVTAの変位速度は殆ど「0」である。
(c)図6(b)に示すようにデューティが中間不感帯ARMの値をとるとき、第1OCV53は保持モードMCで動作する。進角ポート61Aは進角弁62Aにより閉鎖され、かつ遅角ポート61Bは遅角弁62Bにより閉鎖されているため、進角ポート61Aの供給側および排出側の開口面積、ならびに遅角ポート61Bの供給側および排出側の開口面積はいずれも「0」である。図6(a)に示すようにデューティが変わっても吸気バルブタイミングVTAの変位速度は殆ど「0」である。
(d)図6(b)に示すようにデューティが進角準不感帯ARHの値をとるとき、第1OCV53は準進角モードMAxで動作する。進角ポート61Aは供給側に開口し、遅角ポート61Bの開口面積は「0」である。そして、デューティが小さくなるにつれて進角ポート61Aの供給側の開口面積が小さくなる。図6(a)に示すようにデューティが変わっても吸気バルブタイミングVTAの変位速度は殆ど「0」である。
(e)図6(b)に示すようにデューティが進角帯ARAの値をとるとき、第1OCV53は進角モードMAで動作する。進角ポート61Aの供給側の開口面積は遅角ポート61Bの排出側の開口面積よりも常に大きい。そして、デューティが大きくなるにつれて進角ポート61Aの供給側の開口面積および遅角ポート61Bの排出側の開口面積が大きくなる。また、図6(a)に示すようにデューティが大きくなるにつれて進角側への吸気バルブタイミングVTAの変位速度が大きくなる。
次に、バルブタイミング制御について説明する。
バルブタイミング制御は、吸気バルブタイミングVTAを目標バルブタイミング(以下、「目標位相VTT」)に変更する。
バルブタイミング制御は、吸気バルブタイミングVTAを目標バルブタイミング(以下、「目標位相VTT」)に変更する。
バルブタイミング制御は、当該制御時の実位相VTRを目標位相VTTに収束させるフィードバック制御と、保持デューティを学習する学習制御(以下、「保持デューティ学習制御」)と、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持する制御(以下、「最遅角制御」)とを含む。
なお、保持デューティは、吸気バルブタイミングVTAを所定値に保持するデューティを示す。
吸気バルブタイミングVTAの変動は、進角室38または遅角室39内の潤滑油の抜けに伴って生じるベーンロータ35の回転位相の変動、すなわち吸気バルブタイミングVTAが進角側および遅角側に変動することを示す。
吸気バルブタイミングVTAの変動は、進角室38または遅角室39内の潤滑油の抜けに伴って生じるベーンロータ35の回転位相の変動、すなわち吸気バルブタイミングVTAが進角側および遅角側に変動することを示す。
フィードバック制御について説明する。
制御装置70は、内燃機関1の運転状態および機関負荷状態に基づいて同状態に適した目標位相VTTを算出する。一方、クランク角度信号CAおよび吸気カム角度信号DAに基づいて当該処理時での実位相VTRを算出する。これらの値は演算周期毎に更新される。次に、目標位相VTTと実位相VTRとの位相差VTDを求め、位相差VTDに対応するデューティを算出する。
制御装置70は、内燃機関1の運転状態および機関負荷状態に基づいて同状態に適した目標位相VTTを算出する。一方、クランク角度信号CAおよび吸気カム角度信号DAに基づいて当該処理時での実位相VTRを算出する。これらの値は演算周期毎に更新される。次に、目標位相VTTと実位相VTRとの位相差VTDを求め、位相差VTDに対応するデューティを算出する。
具体的には、デューティは、PゲインパラメータとDゲインパラメータを用いて次の(1)式により算出される。
デューティ=保持デューティ+P×位相差+D×位相差の変化量 ・・・(1)
・位相差VTD=目標位相VTT−実位相VTR
・「P」はPゲインパラメータを示し、水温と内燃機関1の回転速度と「P」との関係を示すマップに基づいて与えられる。
・「D」はDゲインパラメータを示し、水温と内燃機関1の回転速度と「D」との関係を示すマップに基づいて与えられる。
デューティ=保持デューティ+P×位相差+D×位相差の変化量 ・・・(1)
・位相差VTD=目標位相VTT−実位相VTR
・「P」はPゲインパラメータを示し、水温と内燃機関1の回転速度と「P」との関係を示すマップに基づいて与えられる。
・「D」はDゲインパラメータを示し、水温と内燃機関1の回転速度と「D」との関係を示すマップに基づいて与えられる。
フィードバック制御によれば、実位相VTRと目標位相VTTとの間の位相差VTDが大きいとき、デューティを保持デューティから離れた値に設定する。このとき、吸気バルブタイミングVTAの変位速度は大きい。一方、実位相VTRと目標位相VTTとの間の位相差VTDが小さいとき、デューティを保持デューティに近い値に設定する。このとき、吸気バルブタイミングVTAの変位速度は小さい。すなわち、実位相VTRが目標位相VTTに近づくにつれて、吸気バルブタイミングVTAの変位速度を小さくし、実位相VTRを目標位相VTTに収束させる。
図7を参照して、バルブタイミング制御の手順を説明する。
なお同処理は、電子制御装置71により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS110において、目標位相VTTと実位相VTRとの位相差VTDの絶対値が許容値HAよりも大きい否かを判定する。すなわち、実位相VTRが目標位相VTTに収束しているか否かを判定する。
なお同処理は、電子制御装置71により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS110において、目標位相VTTと実位相VTRとの位相差VTDの絶対値が許容値HAよりも大きい否かを判定する。すなわち、実位相VTRが目標位相VTTに収束しているか否かを判定する。
位相差VTDの絶対値が許容値HA以下であるとき、ステップS120において保持デューティを記憶し、更にステップS130において「最遅角制御」を実行する。最遅角制御では、目標位相VTTが最遅角位相VTminにある場合にデューティを変更する。目標位相VTTが最遅角位相VTmin以外の場合は、デューティを変更しない。そして、ステップS140において、当該デューティに基づいて第1OCV53を駆動する。
一方、位相差VTDの絶対値が許容値HAよりも大きいとき、ステップS150において上記に示したフィードバック制御によりデューティを算出する。そして、ステップS140において当該デューティに基づいてOCV制御する。
図8を参照して、最遅角制御について説明する。
吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持するとき、第1OCV53を保持デューティで駆動すると、次の問題が生じる。
吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持するとき、第1OCV53を保持デューティで駆動すると、次の問題が生じる。
保持デューティ学習制御によれば、保持デューティは通常中間不感帯ARMに設定される。この場合、進角室38および遅角室39が密閉状態にされる。しかし、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminに維持するとき第1OCV53の動作モードを保持モードMCにすると、両室の密閉状態が持続し、進角室38および遅角室39からの潤滑油の漏れに起因してベーンロータ35の回転位相が進角側および遅角側に変動する。このため、ベーン36の端面36Aとベーン収容室37の端面37Aとが衝突を繰り返す。そして、進角室38および遅角室39の潤滑油の漏れ量が大きいとき、ベーンロータ35の回転を抑制する力が小さくなるため、その衝突力は大きくなる。
そこで、保持モードMCによる最遅角位相VTminの保持に代えて、次の方法(以下、「比較方法」)により吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持することも考えられる。
吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持するとき、ベーンロータ35を遅角側に最大限の力で回転させる。すなわち、遅角室39への潤滑油の供給量を最大にし、かつ進角室38から潤滑油の排出量を最大にすることにより、ベーンロータ35のベーン36の端面36Aをベーン収容室37の端面37Aに押し付ける。これにより、ベーンロータ35の回転位相を最遅角回転位相に保持する。
しかし、この制御の場合、遅角室39に供給する潤滑油の油圧を所定油圧以上に保持する必要がある。しかし、油温が高くなると油圧が低下するため、ベーン36がベーン収容室37の端面37Aを押す力が小さくなり、ハウジングロータ31に対してベーンロータ35が進角方向および遅角方向に回転してベーン36の端面36Aとベーン収容室37の端面37Aとが衝突する。また、この方法の場合、進角室38と進角排出ポート61Dとを連通し、かつ進角排出ポート61Dの開口面積を最大とするため、進角室38には潤滑油が殆どない状態となっており、ベーンロータ35の回転を抑制する力が小さい状態となっている。このようなことから、上記ベーンロータ35の進角方向および遅角方向に回転が生じたときには、ベーン36とハウジングロータ31との衝突力が大きい。
以上のように、上記比較方法では、ベーンロータ35のベーン36の端面36Aとベーン収容室37の端面37Aとが衝突する事象が生じるおそれがある。そこで、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持するとき、次の最遅角制御を実行する。
バルブタイミング制御のステップS120において保持デューティが学習された後、次の判定を行う。
ステップS210において、目標位相VTTが最遅角位相VTminであるか否か、およびステップS220において実位相VTRが最遅角位相VTminにあるか否かについて判定する。そして両者が肯定判定されるとき、ステップS230において、第1OCV53のデューティを遅角準不感帯ARL内の所定値に設定する。
ステップS210において、目標位相VTTが最遅角位相VTminであるか否か、およびステップS220において実位相VTRが最遅角位相VTminにあるか否かについて判定する。そして両者が肯定判定されるとき、ステップS230において、第1OCV53のデューティを遅角準不感帯ARL内の所定値に設定する。
一方、ステップS210において否定判定されたとき、またはステップS220において否定判定されたとき、すなわち、目標位相VTTが最遅角位相VTmin以外のとき、または実位相VTRが最遅角位相VTmin以外のときは、最遅角制御は終了する。
最遅角制御の作用を説明する。
目標位相VTTが最遅角位相VTminにあり、かつ実位相VTRが最遅角位相VTminのとき、第1OCV53のデューティを遅角準不感帯ARL内の所定値に設定する。すなわち、遅角室39に潤滑油が供給されるため、遅角室39を閉鎖する制御と比較して、遅角室39の油圧が変動しにくい。このため、遅角室39の油圧の変動に起因する吸気バルブタイミングVTAの進角側への変化が生じにくくなる。
目標位相VTTが最遅角位相VTminにあり、かつ実位相VTRが最遅角位相VTminのとき、第1OCV53のデューティを遅角準不感帯ARL内の所定値に設定する。すなわち、遅角室39に潤滑油が供給されるため、遅角室39を閉鎖する制御と比較して、遅角室39の油圧が変動しにくい。このため、遅角室39の油圧の変動に起因する吸気バルブタイミングVTAの進角側への変化が生じにくくなる。
また、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのときに進角室38が閉鎖されるため、進角室38に潤滑油が存在している状態が保たれる。このため、進角室38から潤滑油の全部を排出した状態で吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持する制御と比較して、ベーン36の端面36Aとベーン収容室37の端面37Aとが接触しにくい。このため、ベーン36の端面36Aとベーン収容室37の端面37Aとが衝突するときの力が小さくなる。
図9を参照して、バルブタイミング制御において目標位相VTTが最遅角位相VTminに設定されたときの実位相VTRおよびデューティの推移の一例について説明する。
時刻t0、すなわち吸気バルブタイミングVTAが所定の目標位相VTTに収束している状態を示す。このとき、第1OCV53に入力されるデューティは保持デューティに保持されている。保持デューティは中間不感帯ARM内にある。
時刻t0、すなわち吸気バルブタイミングVTAが所定の目標位相VTTに収束している状態を示す。このとき、第1OCV53に入力されるデューティは保持デューティに保持されている。保持デューティは中間不感帯ARM内にある。
時刻t1、すなわち機関運転状態に応じて目標位相VTTが最遅角位相VTminに値に設定される。このとき、デューティは、遅角帯ARB内の所定値に設定される。そして、フィードバック制御により、実位相VTRが目標位相VTTに近づくにつれてデューティは保持デューティに近い値に設定される。
時刻t2、すなわち、最遅角位相VTminと実位相VTRとの差である位相差VTDの絶対値が許容値HA以下となる。このとき、実位相VTRが目標位相VTTに収束している旨判定し、当該判定時のデューティを保持デューティとして記憶する(保持デューティ学習)。
そして、実位相VTRが最遅角位相VTminにあるか否かについて判定する(ステップS220)。そして、当該判定が肯定判定されるときは、遅角準不感帯ARLの中間値をデューティとして設定する。すなわち、デューティとしての当該中間値に基づいて第1OCV53を駆動する。
次に、上記比較制御と比較して、本実施形態の制御について説明する。
比較制御では、時刻t2において、目標位相VTTと実位相VTRとの差である位相差VTDの絶対値が許容値HA以下となったとき、デューティとして遅角帯ARBの最も小さい値に設定し第1OCV53を駆動する。この駆動の場合、遅角室39への潤滑油の油圧が小さいときは、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して進角方向および遅角方向に回転する。すなわち、図9(c)の破線に示されるように、吸気バルブタイミングVTAが大きく変動する。
比較制御では、時刻t2において、目標位相VTTと実位相VTRとの差である位相差VTDの絶対値が許容値HA以下となったとき、デューティとして遅角帯ARBの最も小さい値に設定し第1OCV53を駆動する。この駆動の場合、遅角室39への潤滑油の油圧が小さいときは、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して進角方向および遅角方向に回転する。すなわち、図9(c)の破線に示されるように、吸気バルブタイミングVTAが大きく変動する。
これに対して、本実施形態では、実位相VTRが最遅角位相VTminのとき、すなわち実位相VTRが最遅角位相VTminにあると実質的にみなせるとき、上記に示したように遅角準不感帯ARLの中間値をデューティとして用いる。このため、遅角室39に潤滑油が供給され、かつ進角室38からの潤滑油の排出が停止される。すなわち、遅角室39への潤滑油の供給により吸気バルブタイミングVTAの進角側への変化が生じにくくなり、かつ進角室38に潤滑油が存在する状態で保たれることにより、ベーン36の端面36Aとベーン収容室37の端面37Aとが接触しにくくなる。このようにして、図9(c)の実線に示されるように、比較制御に比べて、吸気バルブタイミングVTAの変動が小さくなる。
(実施形態の効果)
本実施形態の可変動弁装置20によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態では、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのとき、第1OCV53の動作モードを準遅角モードMBx(準遅角状態)に設定する。
本実施形態の可変動弁装置20によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態では、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのとき、第1OCV53の動作モードを準遅角モードMBx(準遅角状態)に設定する。
本構成によれば、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのときに遅角室39に潤滑油が供給されるため、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持する要求があるときに遅角室39を閉鎖する可変動弁装置20と比較して、遅角室39の油圧が変動しにくい。このため、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持する要求があるとき、遅角室39の油圧の変動にともない吸気バルブタイミングVTAが進角側に変化することが抑制される。このため、ハウジングロータ31とベーンロータ35との衝突が生じにくくなる。
また、上記構成によれば、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのときに進角室38が閉鎖される。このため、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのときに進角室38を開放する可変動弁装置と比較して、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して遅角方向に回転しようとするときにハウジングロータ31とベーンロータ35との間に潤滑油が存在する状況が生じやすい。このため、ハウジングロータ31とベーンロータ35との衝突が生じにくくなる。
なお、ハウジングロータ31とベーンロータ35との間に潤滑油が存在する状況が生じる理由としては、進角室38が閉鎖される前から進角室38に潤滑油が存在し、進角室38が閉鎖されることにより同潤滑油が進角室38にそのまま残存しているというものが挙げられる。また、この他には次のものが挙げられる。すなわち、進角ポート61A(進角室対応ポート)が閉鎖されることにより進角室38が閉鎖されたとき、進角ポート61Aと進角室38のポートとを互いに接続する油路には潤滑油が残存している。そして、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して最遅角位相VTminから進角側に回転したときに上記油路の潤滑油が進角室38に流れることにより、ベーンロータ35とハウジングロータ31との間に潤滑油が存在する。
(2)本実施形態では、機関運転状態が最遅角運転状態すなわち省エネ運転のとき、第1OCV53の動作モードを準遅角モードMBx(準遅角状態)に設定する。すなわち、省エネ運転において吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持するときに、第1OCV53の動作モードを準遅角モードMBxに設定する。これによっても、上記(1)と同様の効果を奏する。
(3)本実施形態では、吸気バルブタイミングVTAが進角側範囲(最進角位相VTmaxから最遅角位相VTminの直前位相までの範囲)から最遅角位相VTminに変化したとき、第1OCV53の動作モードを準遅角モードMBx(準遅角状態)に設定する。すなわち、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminに至ったとき、第1OCV53の動作モードを準遅角モードMBx(準遅角状態)に設定する。このため、上記(1)と同様の効果を奏する。
(4)本実施形態では、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminよりも進角側の所定の位相で固定する位相固定機構40が設けられ、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに固定する位相固定機構40は設けられていない。
吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに固定する機構が設けられていない内燃機関1の可変動弁装置20は、同機構が設けられている可変動弁装置20に比べて、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持するときの吸気バルブタイミングVTAが変動する。
そこで、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのとき、第1OCV53の動作モードを準遅角モードMBxに設定する。これにより、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持する要求に応じて吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持するとき吸気バルブタイミングVTAが不安定となることを抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態にて例示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
なお、本発明の実施態様は上記実施形態にて例示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態(図8)では、最遅角制御のステップS230においてデューティを遅角準不感帯ARL内の所定値に設定しているが、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持するときのデューティは特定の値に限定されない。すなわち、遅角準不感帯ARL内の値であればよい。
・上記実施形態では、機関運転状態が省エネ運転のとき、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに設定する。すなわち、機関運転状態を省エネ運転にすることと、デューティを遅角準不感帯ARL内の値に設定することは関連付けられる。
このことから、吸気バルブタイミングVTAの実位相VTRが最遅角位相VTminに収束する所定時間(以下、「推定所定時間」)を予め取得しておくことにより、機関運転状態が省エネ運転とするとき、推定所定時間の経過後にデューティを遅角準不感帯ARL内の値に設定する制御を行ってもよい。この制御によっても、上記(1)と同様の効果を奏する。
・上記実施形態(図7)では、バルブタイミング制御において、目標位相VTTを最遅角位相VTminに設定するとき、毎回、最遅角制御を行うが、これに代えて次のように制御してもよい。
すなわち、油温度(水温度)が低くかつ油量(内燃機関1の回転速度が高い)が大きいとき、すなわち油圧が所定基準値よりも大きく、吸気バルブタイミングVTAの進角側および遅角側への変動が小さいと推定することができるとき、比較制御と同様の制御すなわちデューティを遅角帯ARBの最小値に設定する制御を行う。例えば、次のように実行する。
(a)最遅角制御において、実位相VTRが最遅角位相VTminのとき、油温または水温が基準温度未満のときかつ内燃機関1の回転速度が判定値より大きいとき、デューティを遅角帯ARBの最小値に設定する。
(b)最遅角制御において、実位相VTRが最遅角位相VTminのとき、油温または水温が基準温度以上または内燃機関1の回転速度が判定値以下のとき、デューティを遅角準不感帯ARL内の所定値に設定する。
・上記実施形態(図8)では、最遅角制御において、目標位相VTTを最遅角位相VTminに設定するとき、第1OCV53の動作モードを準遅角モードMBx(準遅角状態)に設定することにより、ハウジングロータ31とベーンロータ35とが接触しにくくする。これに対し、バルブタイミング可変機構30を次の構成とすることによっても同様の効果を得ることができる。
図10を参照して、バルブタイミング可変機構30の変形例を説明する。
変形例にかかるバルブタイミング可変機構30Aのスプロケット33には、遅角連通路33Aが形成されている。遅角連通路33Aは、所定のベーン収容室37に対応する面に溝として設けられ、スプロケット33の周方向に沿うように形成されている。ベーン36は遅角連通路33Aの蓋として機能する。
変形例にかかるバルブタイミング可変機構30Aのスプロケット33には、遅角連通路33Aが形成されている。遅角連通路33Aは、所定のベーン収容室37に対応する面に溝として設けられ、スプロケット33の周方向に沿うように形成されている。ベーン36は遅角連通路33Aの蓋として機能する。
ベーンロータ35が最遅角回転位相よりも進角側にあるとき、遅角連通路33Aは遅角室39に接続され、かつ遅角連通路33Aは進角室38には接続されない。一方、ベーンロータ35が最遅角回転位相にあるとき、遅角連通路33Aが進角室38および遅角室39に接続される。すなわち、ベーンロータ35が最遅角回転位相にあるときだけ、進角室38と遅角室39とが遅角連通路33Aにより連通する。
吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminとなったとき進角室38と遅角室39とが連通するため、遅角室39から進角室38に潤滑油が供給される。このとき、進角室38の潤滑油が緩衝材となるため、吸気バルブタイミングVTAの最遅角位相VTminへの移動速度が緩和される。
すなわち、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのとき、進角室38と遅角室39とが互いに連通されることにより遅角室39から進角室38に潤滑油が供給される。このため、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して遅角方向に回転しようとするときにベーンロータ35とハウジングロータ31との間に潤滑油が存在する状況が生じる。これにより、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して遅角方向に回転するとき、回転速度が過度に大きい状態でベーンロータ35がハウジングロータ31に接触することが抑制される。すなわち、ベーンロータ35とハウジングロータ31とが互いに接触するときの力が小さくなる。
・変形例にかかるバルブタイミング可変機構30Aでは、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのときの第1OCV53の制御について規定していないが、同時期において、第1OCV53の動作モードを準遅角モードMBx(準遅角状態)または遅角モードMB(遅角状態)にしてもよい。この場合においても、バルブタイミング可変機構30の変形例に準じた効果を得ることができる。また、準遅角モードMBx(準遅角状態)または遅角モードMB(遅角状態)の制御時間に応じて同効果を持続させることができる。
すなわち、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminのときに第1OCV53の動作状態を準遅角モードMBxまたは遅角モードMBにするため、遅角室39から進角室38に潤滑油が供給される。進角室38の潤滑油が緩衝材となるため、吸気バルブタイミングVTAが最遅角位相VTminへの移動速度が緩和される。すなわち、ハウジングロータ31とベーンロータ35とが互いに衝突するときの力が小さくなる。
・上記実施形態(図2)では、中間角位相VTmdlで吸気バルブタイミングVTAを固定するバルブタイミング可変機構30に対して本発明を適用しているが、中間角位相VTmdl以外で固定するバルブタイミング可変機構30に対しても本発明を適用することができる。例えば、最遅角位相VTminで吸気バルブタイミングVTAを固定する位相固定機構40を有するバルブタイミング可変機構30に本発明を適用することができる。
迅速に吸気バルブタイミングVTAを変更することが要求される運転状態にあるときは当該位相固定機構40を用いて吸気バルブタイミングVTAを固定するよりも、本発明の最遅角制御に基づいて吸気バルブタイミングVTAを固定する方が当該要求に対応可能となる。このため、最遅角位相VTminで吸気バルブタイミングVTAを固定するバルブタイミング可変機構30に対しても本発明が有用である。
・上記実施形態(図2)では、位相固定機構40のあるバルブタイミング可変機構30に対して本発明を適用しているが、位相固定機構40のないバルブタイミング可変機構に対しても本発明を適用することができる。
・上記実施形態では、吸気バルブタイミングVTAを最遅角位相VTminに保持するときの制御について、本発明(最遅角制御)を実行しているが、吸気バルブタイミングVTAを最進角位相VTmaxに保持するときの制御について、本発明に準じた制御(以下、「最進角制御」)を実行することもできる。
具体的には、目標位相VTTが最進角位相VTmaxであり、かつ実位相VTRが最進角位相VTmaxのとき、デューティを進角準不感帯ARH内の所定値に設定する。この制御によれば、ベーン36の進角側の端面とベーン収容室37の端面との衝突の力を小さくすることができる。
なお、「最進角位相VTmax」には次の吸気バルブタイミングVTAが含まれる。
すなわち、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して最大限に進角方向に回転した状態、すなわちベーンロータ35の少なくとも一部とハウジングロータ31の少なくとも一部とが互いに接触していることにより、ハウジングロータ31に対するベーンロータ35の進角方向への回転が規制された状態を最進角基準状態とする。そして、ハウジングロータ31およびベーンロータ35の状態が最進角基準状態のときの吸気バルブタイミングVTA(A)と、実際の吸気バルブタイミングVTAが同吸気バルブタイミングVTA(A)のときに得られる機関運転状態と実質的に同じ機関運転状態が得られる吸気バルブタイミングVTAの範囲とを含む。
すなわち、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して最大限に進角方向に回転した状態、すなわちベーンロータ35の少なくとも一部とハウジングロータ31の少なくとも一部とが互いに接触していることにより、ハウジングロータ31に対するベーンロータ35の進角方向への回転が規制された状態を最進角基準状態とする。そして、ハウジングロータ31およびベーンロータ35の状態が最進角基準状態のときの吸気バルブタイミングVTA(A)と、実際の吸気バルブタイミングVTAが同吸気バルブタイミングVTA(A)のときに得られる機関運転状態と実質的に同じ機関運転状態が得られる吸気バルブタイミングVTAの範囲とを含む。
さらに吸気バルブタイミングVTAを最進角位相VTmaxに保持するときの最進角制御に代えて、図10に示すバルブタイミング可変機構30Aに対応する構成を採用することができる。すなわち、吸気バルブタイミングVTAが最進角位相VTmaxのときに進角室38と遅角室39とを互いに連通する「進角連通路」を可変動弁装置20に設ける。
・上記実施形態では、吸気側のバルブタイミング可変機構30に本発明を適用しているが、排気側のバルブタイミング可変機構において、本発明を適用することもできる。
1…内燃機関、10…機関本体、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、13…オイルパン、14…燃焼室、15…クランクシャフト、20…可変動弁装置、21…吸気バルブ、22…吸気カムシャフト、23…排気バルブ、24…排気カムシャフト、30…バルブタイミング可変機構(可変動弁機構)、30A…バルブタイミング可変機構、31…ハウジングロータ(入力回転体)、31A…区画壁、32…ハウジング本体、33…スプロケット、33A…遅角連通路、34…カバー、35…ベーンロータ(出力回転体)、36…ベーン、36A…端面、37…ベーン収容室、37A…端面、38…進角室、39…遅角室、40…位相固定機構、41…制限ピン、42…ピン収容室、43…ばね、44…制限穴、50…潤滑装置、51…潤滑油路、52…オイルポンプ、53…第1OCV(油路変更機構)、54…第2OCV(油路変更機構)、61…スリーブ、61A…進角ポート、61B…遅角ポート、61C…供給ポート、61D…進角排出ポート、61E…遅角排出ポート、62…スプール、62A…進角弁、62B…遅角弁、70…制御装置、71…電子制御装置、72…クランクポジションセンサ、73…吸気カムポジションセンサ。
Claims (6)
- 吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、前記可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、
前記進角室が閉鎖される状態かつ前記遅角室への作動油の供給が許容される状態を形成する前記油路変更機構の動作状態を「準遅角状態」として、
前記バルブタイミングが前記最遅角位相のとき、前記油路変更機構の動作状態を前記準遅角状態とする
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、前記可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、
前記進角室が閉鎖される状態かつ前記遅角室への作動油の供給が許容される状態を形成する前記油路変更機構の動作状態を「準遅角状態」とし、前記バルブタイミングを最遅角位相に保持することが要求される機関運転状態を「最遅角運転状態」として、
機関運転状態が前記最遅角運転状態のとき、前記油路変更機構の動作状態を前記準遅角状態とする
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記最進角位相から前記最遅角位相の直前までの範囲を「進角側範囲」として、前記バルブタイミングの含まれる範囲が前記進角側範囲から前記最遅角位相に変化したとき、前記油路変更機構の動作状態を前記準遅角状態とする
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、前記可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、
前記バルブタイミングが前記最遅角位相のときに前記進角室と前記遅角室とを互いに連通する遅角連通路が設けられている
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
前記バルブタイミングを固定する位相固定機構が設けられていること、
前記位相固定機構として、前記バルブタイミングを前記最遅角位相よりも進角側の所定の位相で固定する機構が設けられていること、
ならびに、前記位相固定機構として、前記バルブタイミングを前記最遅角位相に固定する機構が設けられていないこと
を特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを最遅角位相から最進角位相までの範囲で変更する油圧式の可変動弁機構と、前記可変動弁機構の遅角室および進角室の作動油の供給状態を変更する油路変更機構とを備える内燃機関の可変動弁装置において、
前記遅角室が閉鎖される状態かつ前記進角室への作動油の供給が許容される状態を形成する前記油路変更機構の動作状態を「準進角状態」として、
前記バルブタイミングが前記最進角位相のとき、前記油路変更機構の動作状態を前記準進角状態とする
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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