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JP2012138311A - 透明導電膜基板および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

透明導電膜基板および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Tomoyuki Matsumura
智之 松村
Toshitsugu Suzuki
利継 鈴木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】駆動電圧を低下させエネルギー変換効率を向上させる。
【解決手段】透明導電性基板2は、支持基板4上に金属細線補助電極6と透明導電層8とがこの順に形成されている。透明導電性基板2では、透明導電層8が、導電性ポリマーと水酸基含有非導電性ポリマーとを含有し、前記水酸基含有非導電性ポリマーが、分子中に特殊な構造を有する繰返し単位を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は透明導電膜基板および有機エレクトロルミネッセンス素子にかかり、特に液晶表示素子、有機発光素子、無機電界発光素子、太陽電池、電磁波シールド、電子ペーパー、タッチパネル等の各種分野において好適に用いることができる透明導電膜基板、さらに該透明導電膜基板を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(以後、有機EL素子ともいう)に関する。
近年、薄型TV需要の高まりに伴い、液晶・プラズマ・有機エレクトロルミネッセンス・フィールドエミッション等、各種方式のディスプレイ技術が開発されている。これら表示方式の異なる何れのディスプレイにおいても、透明電極は必須の構成技術となっている。また、テレビ以外でも、タッチパネルや携帯電話、電子ペーパー、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子においても、透明電極は欠くことのできない技術要素となっている。
従来、透明電極は、ガラスや透明なプラスチックフィルム等の透明基板上に、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)膜を真空蒸着法やスパッタリング法で製膜したITO透明電極が主に使用されてきた。しかし、ITOに用いられているインジウムはレアメタルであり、且つ価格の高騰により、脱インジウムが望まれている。また一方では、ディスプレイの大画面化、生産性向上に伴い、透明性を維持しながら低抵抗化が可能となる技術が所望されている。
近年、このような高透明性かつ低抵抗値が要求される製品にも対応できるよう、パターン状に形成された金属細線に導電性ポリマー等の透明導電膜を積層し、電流の面均一性と高い導電性を併せ持つ透明導電膜基板が開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、このような構成では、有機電子デバイスのリークの原因となる金属細線の凹凸を、導電性ポリマー等の透明導電膜でなだらかにする必要があり、導電性ポリマーの厚膜化が必須となる。導電性ポリマーは可視光領域に吸収を有するため、これを厚膜化すると、透明導電膜基板の透明性が著しく低下してしまうという課題を有していた。
また、導電性と透明性を両立するとして、細線構造部上へ導電性ポリマーと絶縁性ポリマーの混合物を積層する技術が開示されている(例えば、特許文献3)。しかし、絶縁性ポリマーの添加は導電率の低下や導電性ポリマーへの相溶性の観点からヘイズ等の光学性能の劣化を引き起こすという課題を有していた。
更に、導電性ポリマーと相溶する高分子として、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ(ビニルピリジン)とポリ(酢酸ビニル)とのコポリマー(PVPy‐VAc)、ポリメタクリル酸(PMAA)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)とポリ(メタクリル酸)とのコポリマー(PHEA‐MAA)、ポリ(2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルブチラール(PVB)とからなる群から選択されたポリマー又はコポリマーが開示されている(例えば、特許文献4)。
さらに導電性と透明性を両立し、かつ膜強度を付与する手段として、導電性ポリマーにポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)等のヒドロキシアルキル基含有アクリル系ポリマーを用いる方法も開示されている(たとえば特許文献5)。
しかしながら、これらの技術による透明導電性基板を用いても、有機EL素子の駆動電圧が所望以上に上昇してしまい、結果的にエネルギー変換効率をより高めたいとする課題については、ITOに対して特に有利とは言えなかった。
特開2005−302508号公報 特開2009−87843号公報 特開2009−4348号公報 特許3716167号公報 米国特許出願公開第2010/0255323号明細書
したがって、本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の主な目的は、駆動電圧を低下させエネルギー変換効率を向上させることができる透明導電膜基板およびこれを用いた有機EL素子を提供することにある。
本発明者は、上記課題について詳細に検討してみたところ、下記のようなプロセスを経て、本発明を考案するに至った。
すなわち、大面積(10cm×10cm以上)のOLEDに好適に対応可能な透明導電膜を提供する場合、面抵抗を低下させるために、パターン状に形成された金属材料からなる金属細線補助電極を用いることが有効だが、薄膜の発光層を有するOLED用に用いる透明電極(透明導電膜基板)としては、パターンのエッジや、パターン上面の平滑性の不足によるリークが課題となる。リークを防止するためと面電極化のために、導電性ポリマーを含有する透明導電層で、金属細線補助電極のパターンを覆う事が有効であるが、リークを十分に防止しようとして透明導電層を厚膜化すると、透明度が低下する。
このような問題に対し、透明導電層の導電性ポリマーに、繰り返し単位中に水酸基(OH)を有する構造単位を含む水酸基含有非導電性ポリマーを加えて、可視域濃度を低下させると、透明度の低下を抑えることが可能であることに加えて、シート抵抗の上昇を防ぐことができるのを見出した。
ただし、OH含有ポリマーを透明導電層のバインダーに使用し、透明電極層内の導電性ポリマー濃度を下げることにより、シート抵抗値の上昇は無い場合においても、透明電極層に隣接する有機発光層を構成する薄膜層(たとえばHIL;ホール注入層)の界面における抵抗が高まる場合があり、結果として有機EL素子の駆動電圧が高まり、エネルギー変換効率の指標の1つとなるLPW(ルーメン パー ワット;一定電力に対する輝度)、およびEQE(外部量子効率)に好ましからぬ影響が出る場合があった。
このような課題に鑑み、透明導電層のバインダーに用いるOH含有ポリマーを、本発明のポリマー(分子中に式(1)で表される構造を有する繰返し単位を含有する水酸基含有非導電性ポリマー)に替えることにより、隣接層界面の抵抗を抑えて、有機EL素子の駆動電圧を低下させ、ひいてはEQE(外部量子効率)の向上効果が得られることを見出した。
以上の観点から、本発明の一態様によれば、
支持基板上に金属細線補助電極と透明導電層とがこの順に形成された透明導電性基板において、
前記透明導電層が、導電性ポリマーと水酸基含有非導電性ポリマーとを含有し、
前記水酸基含有非導電性ポリマーが、分子中に式(1)で表される構造を有する繰返し単位を含有することを特徴とする透明導電膜基板が提供される。
Figure 2012138311
式(1)中、「R」は水素原子またはメチル基を表し、「R」,「R」はアルキレン基を表し、「R」は水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、「X」はハロゲン原子を表し、「m」は0または1を表し、「n」は1または2を表し、「l」は1または2を表す。
本発明の他の態様によれば、
前記透明導電膜基板を含み、
前記透明導電膜基板上に有機発光層と陰極とがこの順に形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
本発明によれば、有機EL素子の駆動電圧を低下させ、エネルギー変換効率を向上させることができる。
本発明の好ましい実施形態にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の概略構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
《有機エレクトロルミネッセンス素子(100)》
はじめに、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の構成などについて説明する。
図1に示すとおり、有機EL素子100は透明導電膜基板2を有している。
透明導電膜基板2は主に支持基板4、金属細線補助電極6および透明導電層8で構成されており、金属細線補助電極6,透明導電層8が支持基板4上に形成されている。
金属細線補助電極6は金属材料から構成され、所定形状のパターンを有している。
透明導電層8は導電性ポリマーを含有する層であり、金属細線補助電極6とその隙間から露出する支持基板4とを被覆している。
透明導電膜基板2上には有機発光層10が形成されている。
有機発光層10に代えて、公知の有機光電変換層、液晶ポリマー層などを使用してもよいが、本実施形態では、薄膜でかつ電流駆動系の素子である有機発光層(または有機光電変換層)である場合において特に有効である。
有機発光層10は、発光層に加えて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層、電子ブロック層などの層と併用して発光を制御する層を有しても良い。導電性ポリマーを含有する透明導電層8は正孔注入層として働くことも可能であるので、正孔注入層を兼ねることも可能だが、独立に正孔注入層を設けても良い。
有機発光層10の構成の好ましい具体例(i)〜(v)を以下に示す。
(i)(陽極)/発光層/電子輸送層/(陰極)
(ii)(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(陰極)
(iii)(陽極)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/(陰極)
(iv)(陽極)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(陰極)
(v)(陽極)/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(陰極)
本実施形態にかかる有機EL素子100は具体例(iii)の構成を有しており、有機発光層10が正孔輸送層12,発光層14,正孔ブロック層16,電子輸送層18の積層体から構成されている。
発光層14は、発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある単色発光層であってもよく、また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよく、さらに発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。有機EL素子100としては、白色発光層であることが好ましい。
有機発光層10に使用できる発光材料またはドーピング材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、カルバゾール、アザカルバゾール、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン誘導体、及び各種蛍光色素及び希土類金属錯体、燐光発光材料等があるが、これらに限定されるものではない。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を90〜99.5質量部、ドーピング材料を0.5〜10質量部含むようにすることも好ましい。有機発光層10は上記の材料等を用いて公知の方法によって作製されるものであり、蒸着、塗布、転写などの方法が挙げられる。この有機発光層10の厚みは0.5〜500nmが好ましく、特に、0.5〜200nmが好ましい。
有機発光層10上には陰極20が形成されている。
陰極20は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。陰極20の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極20はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
陰極20としてのシート抵抗は10Ω/□以下が好ましく、さらに1Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
支持基板4上には陽極22が形成され、陽極22と透明導電膜基板2(透明導電層8)とが導通(接続)されている。
なお、透明導電膜基板2とは別個に陽極22を設けなくても、透明導電膜基板2自体を陽極としてもよい。
支持基板4の上方には可撓性封止部材30が設けられている。可撓性封止部材30の端部が接着剤40により陰極20と陽極22とに貼付され、有機発光層10などが可撓性封止部材30で封止(被覆)されている。陰極20と陽極22との各端部であって接着剤40が塗布された領域の外側は接続端子として使用される。
《透明導電膜基板(2)》
続いて、透明導電膜基板2の構成などについて詳細に説明する。
(1)支持基板4
有機EL素子100では、支持基板4として、プラスチックフィルムやガラス基板などを用いることができる。
(1.1)プラスチックフィルム
軽量性と柔軟性の観点からは、透明なプラスチックフィルムを用いることが好ましい。
プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。中でも好ましいのは、PETおよびPENである。
透明導電膜基板において、これに用いる支持基板は、表面平滑性に優れているものが好ましい。表面の平滑性については、算術平均粗さRaが5nm以下でかつ最大高さRzが50nm以下であることが好ましく、Raが2nm以下でかつRzが30nm以下であることがより好ましく、Raが1nm以下でかつRzが20nm以下であることがさらに好ましい。支持基板の表面は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等の下塗り層を付与して平滑化してもよいし、研磨などの機械加工によって平滑にすることもできる。
ここで、表面の平滑性は、原子間力顕微鏡(AFM)等による測定から、表面粗さ規格(JIS B 0601−2001)に従い、求めることができる。
支持基板には、大気中の酸素、水分を遮断する目的でガスバリア層を設けるのが好ましい。ガスバリア層の形成材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属窒化物が使用できる。これらの材料は、水蒸気バリア機能のほかに酸素バリア機能も有する。特にバリア性、耐溶剤性、透明性が良好な窒化シリコン、酸化窒化シリコンが好ましい。
また、バリア層は必要に応じて多層構成とすることも可能である。ガスバリア層の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。前記ガスバリア層を構成する各無機層の厚みに関しては特に限定されないが、典型的には1層あたり5nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、1層あたり10nm〜400nmであることがさらに好ましい。ガスバリア層は支持基板の少なくとも一方の面に設けられればよく、両面に設けられるのがより好ましい。
さらに支持基板の表面は、ハードコート層等による保護層処理がされていてもよい。ハードコート層は、光ラジカル発生材、ラジカル重合性の単官能および/又は多官能モノマーの混合物を所望の膜厚に均一に塗布したのち、必要なエネルギー量の紫外光を照射することによってラジカル重合させることにより得られる、透明かつ高硬度のポリマー層である。
(1.2)ガラス基板
金属細線補助電極および透明導電層を高温焼成すること(150℃以上)が可能な点や、ガスバリヤ性に優れる点から、透明なガラス基板を用いるのが好ましい。
本発明に用いることのできるガラス基板には特に限定は無い。中では無アルカリガラスが好ましく用いられる。
その他、ロールトゥロールでの生産適性、有機エレクトロルミネッセンス素子用の透明電極に供した際の素子のフレキシビリティ等の観点からは、厚さが10〜200μmの薄膜ガラスを用いることが好ましい。
更にガラス基板の厚さは50〜120μmであることが破損のしにくさ、ロール搬送の容易さの観点から望ましい。
具体的には特開2010-132532号公報にガラスフィルムとして記載あるような薄膜ガラスを用いることができる。
(2)金属細線補助電極6
(2.1)構成など
金属細線補助電極は、支持基板上にパターン状に形成された金属材料から構成されたものである。これにより金属材料からなる光不透過の導電部と透光性窓部を併せ持つフィルム基板となり、透明性、導電性に優れた電極基板が作製できる。
金属材料は、導電性に優れていれば特に制限はなく、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等の金属の他に合金でもよい。特に、後述のようにパターンの形成のしやすさの観点から金属材料の態様は、金属微粒子または金属ナノワイヤであることが好ましく、金属材料は導電性の観点から銀であることが好ましい。
パターン形状には特に制限はないが、例えば、導電部がストライプ状(平行線状)、格子状、ハニカム状、あるいはランダムな網目状であってもよく、特にストライプ状、格子状、ハニカム状が好ましい。
パターンの線幅は好ましくは10〜200μmであり、さらに好ましくは10〜100μmの範囲である。細線の線幅が10μm以上で、所望の導電性が得られ、また200μm以下とすることで透明性が向上する。
ストライプ状、格子状のパターンにおいて細線の間隔は、0.5〜4mmが好ましい。またハニカム状のパターンにおいては、一辺の長さが0.5〜4mmが好ましい。
細線の高さは、0.1〜10μmが好ましい。細線の高さが0.1μm以上で、所望の導電性が得られ、また10μm以下とすることで有機電子デバイスの形成において、電流リークや機能層の膜厚分布不良の要因となることを防止できる。
本発明に係る金属細線補助電極の細線パターンは、金属粒子の分散液を用い、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法により形成できる。各印刷の方式は、一般的に電極パターン形成に使われる手法が本発明に関しても適用可能である。具体的な例として、グラビア印刷法については特開2009−295980、特開2009−259826、特開2009−96189、特開2009−90662記載の方法等が、フレキソ印刷法については特開2004−268319、特開2003−168560記載の方法等が、スクリーン印刷法については特開2010−34161、特開2010−10245、特開2009−302345記載の方法等が例として挙げられる。
その他の方法としては、例えば、支持基板全面に金属層を形成し、公知のフォトリソ法によって形成できる。具体的には、支持基板上の全面に、印刷、蒸着、スパッタ、めっき等の1あるいは2以上の物理的または化学的形成手法を用いて導電体層を形成する、あるいは、金属箔を接着剤で支持基板に積層した後、公知のフォトリソ法を用いて、エッチングすることにより、所望のストライプ状あるいはメッシュ状に加工できる。
別な方法としては、金属微粒子を含有するインクをスクリーン印刷により所望の形状に印刷する方法や、メッキ可能な触媒インクをグラビア印刷、あるいは、インクジェット方式で所望の形状に塗布した後、メッキ処理する方法、さらに別な方法としては、銀塩写真技術を応用した方法も利用できる。銀塩写真技術を応用した方法については、例えば、特開2009−140750号公報の[0076]−[0112]、及び実施例を参考にして実施できる。触媒インクをグラビア印刷してメッキ処理する方法については、例えば、特開2007−281290号公報を参考にして実施できる。
ランダムな網目構造としては、例えば、特表2005−530005号公報に記載のような、金属微粒子を含有する液を塗布乾燥することにより、自発的に導電性微粒子の無秩序な網目構造を形成する方法を利用できる。
金属細線補助電極の細線部の表面比抵抗は、10Ω/□以下であることが好ましく、3Ω/□以下であることがより好ましい。
表面比抵抗は、例えば、JIS K6911、ASTM D257、等に準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
(2.2)金属ナノ粒子
前記金属の細線パターンは金属粒子のペーストを印刷することにより設けることが好ましい。印刷後、導電性を高めるために、加熱し焼成する。支持基板としてPETフィルムを用いる場合、焼成の温度は110℃以下が好ましい。
前記金属粒子は、高い導電性が得られることから、金属ナノ粒子が好ましい。
前記金属ナノ粒子とは、粒子径が原子スケールからnmサイズの微粒子状の金属のことをいう。金属ナノ粒子の平均粒径としては3〜300nmが好ましく、5〜100nmであることがより好ましい。
本発明に係る金属ナノ粒子に用いられる金属としては、導電性の観点から銀または銅が好ましく、銀または銅単独でもよいし、それぞれの組み合わせでもよく、銀と銅の合金、銀または銅が一方の金属でめっきされていてもよい。中でも特に銀のナノ粒子が好ましい。
中でも、平均粒径30nm以下の銀ナノ粒子が好ましい。
また、支持基板上に形成された金属細線補助電極は、加熱焼成処理を施すことが好ましい。これにより、金属微粒子同士の融着が進み、金属細線補助電極が高導電化するため、特に好ましい。
加熱焼成の温度は100〜900℃の範囲が好ましく、特に150〜600℃の範囲が更に好ましい。
加熱焼成の時間は、温度によって好ましい範囲が異なるが、1〜60分が好ましい。
(3)透明導電層8
(3.1)構成など
透明導電層は、パターン形成された金属細線補助電極を被覆するように、導電性ポリマーと水酸基を含有した非導電性ポリマー(水酸基含有非導電性ポリマー)とを含有する分散液を、支持基板上に塗布して乾燥させ、膜形成されたものである。
透明導電層の塗布は、前述のグラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷方法に加えて、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、インクジェット法等の塗布法を用いることができる。
透明導電層は、導電性ポリマーと、水酸基含有非導電性ポリマーとを、含有する。
水酸基含有非導電性ポリマーは、導電性ポリマーの導電性増強効果を有しており、これにより、高い導電性、高い透明性を同時に満たすことができる。
このような積層構造を有する本発明の透明導電層を形成することで、金属細線補助電極あるいは導電性ポリマー層単独では得ることのできない高い導電性を、電極面内において均一に得ることができる。
透明導電層の単独の表面比抵抗は、10000Ω/□以下であることが好ましく、2000Ω/□以下であることがより好ましい。
単独の表面比抵抗とは、支持基板上に金属細線補助電極を設けずに、支持基板上に直に透明導電層のみを設けた際に測定した表面比抵抗を指す。
透明導電層の導電性ポリマーと水酸基含有非導電性ポリマーとの比率は、導電性ポリマーを100質量部とした時、水酸基含有非導電性ポリマーが30質量部から900質量部であることが好ましく、電流リーク防止、水酸基含有非導電性ポリマーの導電性増強効果、透明性の観点から、水酸基含有非導電性ポリマーが100質量部以上であることがより好ましい。
透明導電層の乾燥膜厚は30nmから2000nmであることが好ましい。透明導電層の乾燥膜厚は、導電性の点からは100nm以上であることがより好ましく、電極の表面平滑性の点からは200nm以上であることがさらに好ましく、透明性の点からは1000nm以下であることがより好ましい。
透明導電層を塗布した後、適宜乾燥処理を施すことができる。
乾燥処理の条件として特に制限はないが、支持基板や透明導電層が損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。また、熱処理を行う事で、水酸基含有非導電性ポリマーの架橋反応を促進、完了させることができる。これにより電極の洗浄耐性、溶媒耐性が著しく向上し、さらに素子性能が向上する。特に、有機EL素子においては、駆動電圧の低減、寿命の向上といった効果が得られる。上記乾燥の工程と、熱処理の工程は、同一工程であってもよく、別途行う工程であっても構わない。別途行う工程である場合には、乾燥と熱処理が連続した処理であってもよく、両処理間に時間的な休止があっても構わない。
乾燥工程、熱処理工程の条件に制限は無いが、たとえば乾燥は水分の蒸発が迅速に行える条件として、例えば、80℃以上の温度をかけることができ、上限は透明導電層に損傷を与えない温度として300℃程度までは可能な領域と考えられる。時間は10秒から10分程度の範囲が好ましい。
さらに、熱処理は、150℃以上300℃以下の温度で行う事が好ましい。150℃未満では、反応促進効果が小さく、300℃を超える場合、素材への熱的ダメージが増えるためか、効果が小さくなる。熱処理時間は、1分以上行うことが好ましい。処理時間の上限は特にないが、生産性の観点から24時間以下であることが好ましい。ただし熱処理温度が200℃を超える範囲では、30分以内に抑えることが好ましい。熱処理は、透明導電層を塗布、乾燥した後、オンラインで行ってもよく、オフラインで行ってもよい。オフラインで行う場合、さらに減圧下で行うことが、水分の乾燥促進にもつながり、好ましい。
本発明において、酸触媒を用いて水酸基含有非導電性ポリマーの架橋反応を促進、完了させることができる。
酸触媒としては、塩酸、硫酸や硫酸アンモニウムを用いることができる。
また導電性ポリマーにドーパントとして用いるポリアニオンにおいて、スルホ基含有ポリアニオンを使用することで、ドーパントと触媒を兼用することができる。
また、酸触媒の使用と合わせて、前述の熱処理を行う事ができ、処理時間の短縮にもつながり、好ましい。
(3.2)水酸基含有非導電性ポリマー
水酸基含有非導電性ポリマーは、分子中に式(1)で表される構造を有する繰返し単位を含有する。すなわち、水酸基含有非導電性ポリマーは、水酸基を含有する構造単位とともに、式(1)で表される構造単位が、共存して繰り返しランダムに結合する重合体である。
Figure 2012138311
式(1)中、「R」は水素原子またはメチル基を表す。
「R」,「R」はアルキレン基を表す。
「R」は水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
「X」はハロゲン原子を表す。
「m」は0または1を表す。
「n」は1または2を表す。
「l」は1または2を表す。
好ましくは、式(1)中、Xのハロゲン原子はフッ素である。
好ましくは、式(1)中、mは0である。
好ましくは、式(1)中、nは2であり、lは1である。
好ましくは、式(1)中、Rはフッ素である。
これらいずれかの条件を満たした場合には、有機EL素子のエネルギー変換効率の改善効果が高まる。
式(1)で表される構造を有する繰返し単位の具体例は下記のとおり(1−1−1から1−15−2まで)である。
Figure 2012138311
Figure 2012138311
Figure 2012138311
水酸基含有非導電性ポリマーの合成方法には特に限定は無いが、水酸基含有非導電性ポリマーを製造する場合には、式(2)で表される構造を有する繰返し単位を含有するポリマーと、式(3)で表される構造を有する酸無水物との反応によって得る方法を好ましく用いることができる。
すなわち、水酸基含有非導電性ポリマーは、式(2)で表される構造が最小単位として繰り返される重合体と、式(3)の酸無水物とがエステル化して形成される。
Figure 2012138311
式(2)および式(3)中、R,R,R,R,X,m,n,lは、式(1)の説明で定義したものと同様である。
式(2)で表される構造を有する繰返し単位を含有するポリマーと、式(3)で表される構造を有する酸無水物との反応によって得る方法としては、一般的なアルコール化合物と酸無水物との反応によるエステル化合物の合成方法を利用することができる。
合成反応は好ましくは無触媒でおこなうのがよい。
合成反応では触媒を用いてもよい。当該触媒としては、透明導電層中に残留した際に、導電性高分子の脱ドープ等の悪影響を及ぼす可能性が低いため、特に塩基性を有していない物を使用するのが好ましい。
反応溶媒に限定は無いが、式(2)で表される構造を有する繰返し単位を含有するポリマーの溶解性の制約から、水溶液中での反応となる場合がある。水溶液中での反応の場合は、式(3)で表される構造を有する酸無水物は、式(2)で表される構造を有する繰返し単位を含有するポリマーとのエステル化反応と競争して、加水分解反応が進行するが、競争反応を想定して、過剰量の酸無水物を使用することで対応可能である。
なお、反応によってカルボン酸が副生されることもあるが、透明導電層を塗布あるいは印刷パターニングした後の乾燥処理工程、焼成処理工程等の加熱処理工程において、当該カルボン酸は揮発除去されるため、特に問題はない。
式(2)で表される構造を有する繰返し単位の具体例は下記のとおり(2−A−1から2−C−2まで)である。
Figure 2012138311
式(3)で表される構造を有する酸無水物の具体例は下記のとおり(3−1から3−12まで)である。
Figure 2012138311
本発明の水酸基含有非導電性ポリマーの数平均分子量は好ましくは3,000〜2,000,000の範囲内であり、より好ましくは4,000〜500,000の範囲内であり、更に好ましくは5000〜100000の範囲内である。
本発明の水酸基含有非導電性ポリマーの数平均分子量、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)の測定は、一般的に知られているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行なうことができる。
使用する溶媒は、水酸基含有非導電性ポリマーが溶解すれば特に限りはなく、好ましくはTHF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、CHClであり、より好ましくはTHF、DMFであり、更に好ましくはDMFである。また、測定温度も特に制限はないが40℃が好ましい。
(3.3)導電性ポリマー
本発明に係る導電性ポリマーは、π共役系導電性高分子とポリ陰イオンとを有してなる導電性ポリマーである。
こうした導電性ポリマーは、後述するπ共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリ陰イオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
(3.3.1)π共役系導電性高分子
本発明に用いるπ共役系導電性高分子としては、特に限定されず、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類、の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、導電性、透明性、安定性等の観点からポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。ポリエチレンジオキシチオフェンが最も好ましい。
(3.3.2)π共役系導電性高分子前駆体モノマー
π共役系導電性高分子の形成に用いられる前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。
例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
(3.3.3)ポリ陰イオン
本発明に用いられるポリ陰イオンは、置換もしくは未置換のポリアルキレン、置換もしくは未置換のポリアルケニレン、置換もしくは未置換のポリイミド、置換もしくは未置換のポリアミド、置換もしくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものである。
このポリ陰イオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。
ポリ陰イオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリ陰イオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリ陰イオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
化合物内にさらにF(フッ素原子)を有するポリ陰イオンであってもよい。
具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)等を挙げることができる。
これらのうち、スルホン酸を有する化合物であると、導電性ポリマー含有層を塗布、乾燥することによって形成した後に、マイクロ波を照射する前に100〜120℃で5分以上の加熱乾燥処理を施してもよい。これにより架橋反応が促進するため、塗布膜の洗浄耐性や溶媒耐性が著しく向上することから、好ましい。
さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリ陰イオンは、ヒドロキシ基含有非導電性ポリマーとの相溶性が高く、また、得られる導電性ポリマーの導電性をより高くできる。
ポリ陰イオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲であることがより好ましい。
ポリ陰イオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有しないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/または重合触媒の存在下で、酸化重合またはラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。
具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/または重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリ陰イオン塩である場合には、ポリ陰イオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
導電性ポリマーに含まれるπ共役系導電性高分子とポリ陰イオンの比率、「π共役系導電性高分子」:「ポリ陰イオン」は質量比で1:1〜1:20が好ましい。導電性、分散性の観点からより好ましくは1:2〜1:10の範囲である。
π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーをポリ陰イオンの存在下で化学酸化重合して、本発明に係る導電性ポリマーを得る際に使用される酸化剤は、例えばJ.Am.Soc.,85、454(1963)に記載されるピロールの酸化重合に適する、いずれかの酸化剤である。実際的な理由のために、安価でかつ取扱い易い酸化剤、例えば鉄(III)塩、例えばFeCl、Fe(ClO、有機酸及び有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩、または過酸化水素、重クロム酸カリウム、過硫酸アルカリ(例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム)またはアンモニウム、過ホウ酸アルカリ、過マンガン酸カリウム及び銅塩例えば四フッ化ホウ酸銅を用いることが好ましい。加えて、酸化剤として随時触媒量の金属イオン例えば鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン及びバナジウムイオンの存在下における空気及び酸素も使用することができる。過硫酸塩並びに有機酸及び有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の使用が腐食性でないために大きな応用上の利点を有する。
有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の例としては炭素数1〜20のアルカノールの硫酸半エステルの鉄(III)塩、例えばラウリル硫酸;炭素数1〜20のアルキルスルホン酸、例えばメタンまたはドデカンスルホン酸;脂肪族炭素数1〜20のカルボン酸、例えば2−エチルヘキシルカルボン酸;脂肪族パーフルオロカルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸及びパーフルオロオクタノン酸;脂肪族ジカルボン酸、例えばシュウ酸並びに殊に芳香族の、随時炭素数1〜20のアルキル置換されたスルホン酸、例えばベンゼセンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸のFe(III)塩が挙げられる。
こうした導電性ポリマーは、市販の材料も好ましく利用できる。
例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、H.C.Starck社からCleviosシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PSSの483095、560596として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。
本発明において、こうした剤も好ましく用いることができる。
第2ドーパントとして有機化合物を含有してもよい。
本発明で用いることができる有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。
前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、ヒドロキシ基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。
前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、等が挙げられる。
前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
(3.4)添加剤
添加剤としては、可塑剤、酸化防止剤や硫化防止剤等の安定剤、界面活性剤、溶解促進剤、重合禁止剤、染料や顔料等の着色剤等が挙げられる。
さらに、塗布性等の作業性を高める観点から、溶媒(例えば、水や、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、炭化水素類等の有機溶媒)を含んでいてもよい。
(4)応用例
以上の透明導電膜基板2は高い導電性と透明性を併せ持ち、液晶表示素子、有機発光素子、無機電界発光素子、電子ペーパー、有機太陽電池、無機太陽電池等の各種オプトエレクトロニクスデバイスや、電磁波シールド、タッチパネル等の分野において好適に用いることができる。
その中でも、透明電極表面の平滑性が厳しく求められる有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子100)や有機薄膜太陽電池素子の透明電極として特に好ましく用いることができる。
以下に本発明を実施例により、更に具体的に説明するが、本発明の構成はこれら実施態様に制限されるものではない。
《水酸基含有非導電性ポリマーの合成》
(1)合成例1(P−1の合成:本発明内)
200ml三ツ口フラスコにTHF100mlを加え10分間加熱還流させた後、窒素下で室温に冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート(5.8g、15mmol、分子量:116.05)、AIBN(0.8g、5mmol、分子量:164.11)を加え、5時間加熱還流した。その後還流条件下で、THF30mlに溶解した酸無水物1(1.2g、4mmol、分子量309)を20分かけて滴下したのち、その後引き続き還流を3時間行った。室温に冷却した後、3000mlのMEK(メチルエチルケトン)中に反応溶液を滴下し、1時間攪拌した。MEKをデカンテーション後、沈殿物を100mlのMEKで3回洗浄後、THFでポリマーを溶解し、100mlフラスコへ移した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。
その結果、数平均分子量34000の水酸基含有非導電性ポリマー「P−1」を5.7g得た。
なお、分子量はGPC(Waters2695、Waters社製)で測定した。
〈GPC測定条件〉
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414(Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
(2)合成例2(P−2の合成:本発明内)
合成例1において、酸無水物1を、酸無水物2(1.0g、4mmol、分子量238)に変更した。
その他は、合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量30000の水酸基含有非導電性ポリマー「P−2」を5.3g得た。
(3)合成例3(P−3の合成:本発明内)
合成例1において、酸無水物1を、酸無水物3(1.2g、4mmol、分子量302)に変更した。
その他は、合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量30000の水酸基含有非導電性ポリマー「P−3」を5.5g得た。
(4)合成例4(P−4の合成:本発明内)
合成例1において、酸無水物1を、酸無水物4(0.7g、4mmol、分子量174)に変更した。
その他は、合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量30000の水酸基含有非導電性ポリマー「P−4」を5.0g得た。
(5)合成例5(P−5の合成:本発明内)
合成例1において、酸無水物1を、酸無水物5(0.8g、4mmol、分子量210)に変更した。
その他は、合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量30000の水酸基含有非導電性ポリマー「P−5」を5.0g得た。
(6)合成例6(P−0の合成:本発明外)
200ml三ツ口フラスコにTHF100mlを加え10分間加熱還流させた後、窒素下で室温に冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート(5.8g、15mmol、分子量:116.05)、AIBN(0.8g、5mmol、分子量:164.11)を加え、5時間加熱還流した。室温に冷却した後、3000mlのMEK(メチルエチルケトン)中に反応溶液を滴下し、1時間攪拌した。MEKをデカンテーション後、100mlのMEKで3回洗浄後、THFでポリマーを溶解し、100mlフラスコへ移した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。
その結果、数平均分子量33700の2−ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーである水酸基含有非導電性ポリマー「P−0」を5.2g得た。
Figure 2012138311
《透明導電膜基板の作製》
(1)金属細線補助電極の形成
支持基板として100μmの厚さの薄膜フレキシブル無アルカリガラス(日本電気硝子株式会社製)を用い、銀ナノ粒子インキ1(TEC−PR−030;InkTec社製)を用いて、1mmピッチ、幅30μm、深さ12μmの形状(パターン)の彫刻が施されたグラビア版で印刷を行った。
パターンを印刷するエリアの面積は18mm平方とした。
印刷機としてRK Print Coat Instruments Ltd製グラビア印刷試験機K303MULTICOATERを用いた。
印刷後の支持基板を、電気炉を用いて250℃で2分間焼成し、支持基板上に金属細線補助電極を形成した。
金属細線補助電極のパターンを高輝度非接触3次元表面形状粗さ計WYKO NT9100で測定したところ、パターンの高さは0.7μm、パターン細線上の中心線に沿って測定した平均粗さRaは0.01μmであった。
(2)透明導電層の形成
上記で得られた金属細線補助電極パターニング済みの支持基板上に、下記組成の透明導電層塗布液をウェット膜厚10μmになるようにアプリケーターでパターン塗布した。
パターンのエリアは、金属細線補助電極を覆う位置で20mm平方とした。
パターン塗布後の支持基板を、循環式恒温槽を用いて90℃で1分間乾燥させ、その後電気炉を用いて230℃で2分間焼成し、透明導電層を形成し、透明導電膜基板サンプルを得た。
水酸基含有非導電性ポリマー水溶液の使用有無やその種類、透明導電層の厚さなどに応じて「実施例1〜5,比較例1〜4」のサンプルとした(表1参照)。
(透明導電層塗布液組成)
導電性ポリマー分散液(Clevios TH510;H.C.Starck社製、固形分1.7wt%) 17.6g
水酸基含有非導電性ポリマー水溶液(表1記載の物;固形分20wt%に調整) 3.5g
ジメチルスルホキシド 1.0g
《有機EL素子の作製》
(1)陽極の形成
作製した各透明導電膜基板において、パターン辺長20mmの正方形タイル状透明パターン1個が中央に配置される様に30mm角に切り出し、これを第1電極(陽極)に用いて、以下の手順でそれぞれ有機EL素子を作製した。
(2)有機発光層の形成
切り出した透明パターン電極(陽極)を市販の真空蒸着装置内にセットし、真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々素子作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
次いで、以下の手順で有機発光層(正孔輸送層,発光層,電子輸送層)を形成した。
まず、真空度1×10−4Paまで減圧した後、下記α−NPDの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、30nmの正孔輸送層を設けた。
下記Ir−1が13質量%、下記Ir−14が3.7質量%の濃度になるように、Ir−1、Ir−14及び下記化合物1−7を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が622nm、厚さ10nmの緑赤色燐光発光層を形成した。
次いで、下記E−66が10質量%になるように、E−66及び化合物1−7を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が471nm、厚さ15nmの青色燐光発光層を形成した。
その後、下記M−1を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成し、更にCsFを膜厚比で10%になるようにM−1と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
各層形成に用いた化合物を下記に示す。
Figure 2012138311
(3)陰極の形成
形成した電子輸送層の上に、透明導電膜基板を陽極とした陽極外部取り出し端子と、15mm×15mmの陰極形成用材料としてAlを5×10−4Paの真空下にてマスク蒸着した厚さ100nmの陰極とを、形成した。
(4)封止
さらに、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように、端部を除き陽極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材としAlを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させ封止膜を形成し、発光エリア15mm×15mmの有機EL素子を作製した。
透明導電膜基板の種類(水酸基含有非導電性ポリマー水溶液の使用有無やその種類、透明導電層の厚さなど)に応じて「実施例1〜5,比較例1〜4」のサンプルとした(表1参照)。
なお、表1の「水酸基含有非導電性ポリマー」の項目中、比較例サンプル4の「PVA」はポリビニルアルコール(日本合成化学(株)ゴーセノールGL03)を示している。
《ホールオンリー素子の作製》
前述の「有機EL素子の作製」の記載において、正孔輸送層の膜厚を100nmとするとともに、緑赤色燐光発光層、青色燐光発光層、正孔阻止層および電子輸送層を形成せずに、正孔輸送層上に直に陰極を形成した。
その他は、「有機EL素子の作製」の記載と同様の操作を行うことにより、ホールオンリー素子を作製した。
透明導電膜基板の種類(水酸基含有非導電性ポリマー水溶液の使用有無やその種類、透明導電層の厚さなど)に応じて「実施例1〜5,比較例1〜4」のサンプルとした(表1参照)。
《評価》
(1)透明導電膜基板の評価
(1.1)表面比抵抗
各透明導電膜基板サンプルの表面比抵抗を、ダイアインスツルメンツ製抵抗率計ロレスタGPを用いて四端子法で測定した。測定結果を表1に示す。
(1.2)透過率
各透明導電膜基板サンプルの透過率を測定した。
透過率は、東京電色社製AUTOMATICHAZEMETER(MODEL TC−HIIIDP)を用いて、全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。
(1.3)ホール注入性
各ホールオンリー素子サンプルに対し、3Vから5Vまでの電圧を連続的に印加した際の電流値(mA)を測定し、素子面積(cm)で除した値を電流密度(mA/cm)として求めた。その後、横軸に電流密度,縦軸に電圧をそれぞれとったプロットを形成し、これを線形近似してその傾き(V・cm/mA)を算出した。その算出結果をホール注入抵抗として、ホール注入性の指標とした。評価結果を表1に示す。ホール注入抵抗の値が小さいほど、ホール注入性が良好となる。
(2)有機EL素子の評価
(2.1)外部取出し量子効率
エネルギー変換効率を評価するため、式(i)を用いて外部取出し量子効率(η)を求めた。
外部取り出し量子効率(%)=100×(有機EL素子外部に発光した光子数)/(有機EL素子に流した電子数) … (i)
算出結果を表1に示す。
なお、式(i)中、「有機EL素子外部に発光した光子数」として、分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ社製)により測定した発光スペクトルを各波長の光子のエネルギーから380〜780nmの光子数を求め、さらにランバーシアン仮定に基づき発光面から発光した光子数を求めた。
他方、「有機EL素子に流した電子数」は電流量から求めた。
(2.2)発光寿命
得られた有機EL素子の、初期の輝度を5000cd/mで連続発光させて、電圧を固定して、輝度が半減するまでの時間を求めた。
具体的には、アノード電極として本発明の透明導電膜基板に替えてITO蒸着ガラスを用いた有機ELデバイスを上記と同様の方法で作製し、これに対する比率(=透明導電膜基板使用時の半減時間/ITO蒸着ガラス使用時の半減時間)を求め、以下の基準で評価した。比率は100%以上が好ましく、150%以上であることがより好ましい。評価結果を表1に示す。
「◎」:150%以上
「○」:100〜150%未満
「△」:80〜100%未満
「×」:80%未満
Figure 2012138311
(3)まとめ
表1に示すとおり、各透明導電膜基板サンプルおよび各ホールオンリー素子サンプルを比較すると、実施例1〜5のサンプルは、比較例1〜4のサンプルに対し、表面比抵抗が低くて透過率が高く、本来的に備えるべき特性に優れており、さらにホール注入性にも優れていた。そして各有機EL素子サンプルを比較すると、実施例1〜5のサンプルは、ホール注入性が良好である結果、駆動電圧が低下し、比較例1〜4のサンプルに対し、外部取出し量子効率が高くなっていた(発光寿命も向上していた)。
以上から、有機EL素子の駆動電圧を低下させエネルギー変換効率を向上させる上では、透明導電膜基板の透明導電層において、式(1)で表される構造を有する繰返し単位を含有する水酸基含有非導電性ポリマーを、使用することが有用であることがわかる。
2 透明導電膜基板
4 支持基板
6 金属細線補助電極
8 透明導電層
10 有機発光層
12 正孔輸送層
14 発光層
16 正孔ブロック層
18 電子輸送層
20 陰極
22 陽極
30 可撓性封止部材
40 接着剤
100 有機エレクトロルミネッセンス素子

Claims (8)

  1. 支持基板上に金属細線補助電極と透明導電層とがこの順に形成された透明導電性基板において、
    前記透明導電層が、導電性ポリマーと水酸基含有非導電性ポリマーとを含有し、
    前記水酸基含有非導電性ポリマーが、分子中に式(1)で表される構造を有する繰返し単位を含有することを特徴とする透明導電膜基板。
    Figure 2012138311
    式(1)中、「R」は水素原子またはメチル基を表し、「R」,「R」はアルキレン基を表し、「R」は水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、「X」はハロゲン原子を表し、「m」は0または1を表し、「n」は1または2を表し、「l」は1または2を表す。
  2. 請求項1に記載の透明導電膜基板において、
    前記式(1)中、Xのハロゲン原子がフッ素であることを特徴とする透明導電膜基板。
  3. 請求項2に記載の透明導電膜基板において、
    前記式(1)中、mが0であることを特徴とする透明導電膜基板。
  4. 請求項3に記載の透明導電膜基板において、
    前記式(1)中、nが2であり、lが1であることを特徴とする透明導電膜基板。
  5. 請求項4に記載の透明導電膜基板において、
    前記式(1)中、Rがフッ素であることを特徴とする透明導電膜基板。
  6. 請求項1に記載の透明導電膜基板において、
    前記式(1)で表される構造を有する繰返し単位が、式(2)で表される構造を有する繰返し単位を含有するポリマーと、式(3)で表される構造を有する酸無水物との反応によって得られる繰返し単位であることを特徴とする透明導電膜基板。
    Figure 2012138311
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明導電膜基板において、
    前記金属細線補助電極が、金属微粒子をパターニングした後、焼成することにより形成されていることを特徴とする透明導電膜基板。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明導電膜基板を含み、
    前記透明導電膜基板上に有機発光層と陰極とがこの順に形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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