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JP2012134464A - 太陽電池システム - Google Patents

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JP2012134464A
JP2012134464A JP2011255209A JP2011255209A JP2012134464A JP 2012134464 A JP2012134464 A JP 2012134464A JP 2011255209 A JP2011255209 A JP 2011255209A JP 2011255209 A JP2011255209 A JP 2011255209A JP 2012134464 A JP2012134464 A JP 2012134464A
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solar cell
light
coating
fluororesin
layer
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Akira Senda
彰 千田
Thiemann Ansgar
ティーマン アンスガー
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Daikin Europe NV
Daikin Industries Ltd
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Daikin Europe NV
Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】耐候性、防汚性および光反射性に優れた層を備えた太陽電池システムを提供する。
【解決手段】太陽電池システム100は、太陽電池10と、太陽電池10に対して太陽光入射側とは反対側に配置されて用いられる太陽電池用の反射板20と、を備えている。反射板20は、フッ素樹脂と光反射性顔料とを含有した塗膜21を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池システムに関する。
従来より、例えば、特許文献1(特開2007−35694号公報)に記載されているように、屋外に設置される太陽電池のバックシートについて、太陽電池の内部への水分の進入を抑制し、耐候性を良好にする機能を持たせたものが提案されている。
上述の特許文献1(特開2007−35694号公報)に記載の太陽電池は、太陽光入射側からのみ受光を行っている。
これに対して、太陽電池とは別部材として裏面側に反射板を配置させた、いわゆるシースルータイプの太陽電池システムが考案されている。このような太陽電池システムでは、太陽電池を通過した光を反射板によって反射させ、この反射光を太陽電池の裏面側で受光させることにより、発電効率の向上を図っている。そして、このような反射板としては、加工と取扱いが容易であり、安価であることから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ウレタン系、塩ビ系等の汎用炭化水素樹脂製のものが利用されている。
このような太陽電池システムの反射板は、できるだけ多くの太陽光を受光できる環境下に設けられて利用されるため、従来の炭化水素系樹脂製の反射板では、耐候性が十分ではないことによって経年劣化が生じやすい。このように反射板に劣化が生じると、反射板の光反射能も低下してしまうことがある。
また、この反射板は、車の排気ガスや、砂埃や、工場の排気ガス等による汚れが生じやすい環境下で利用されることで、反射板の表面が汚れてしまい、光反射能が低下してしまうことがある。
以上のようにして反射板の光反射能が低下してしまうと、太陽電池の発電効率を良好にすることができない。また、この反射板は、それ自体が建築物の構成部材の一部(例えば、屋根や壁)として包括使用される場合があるため、これらが劣化することは、該建築物の耐久性保持の観点でも好ましいことではない。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、耐候性、防汚性および太陽光反射性を長期にわたって良好に維持することが可能な反射層を備えた太陽電池システムを提供することにある。
本発明の第1観点に係る太陽電池システムは、太陽電池と、反射層と、を備えている。反射層は、太陽電池に対して太陽光入射側とは反対側に配置されている。反射層は、フッ素樹脂と、光反射性顔料とを含んでいる。
本発明の第2観点に係る太陽電池システムは、第1観点に係る太陽電池システムにおいて、太陽電池は、太陽光入射側で受光する第1受光部と、太陽光入射側とは反対側で受光する第2受光部と、を有する発電素子を有している。
本発明の第3観点に係る太陽電池システムは、第1観点または第2観点に係る太陽電池システムにおいて、前記フッ素樹脂は、常温塗工性または溶融成形性を有するフルオロオレフィン系重合体である、
本発明の第4観点に係る太陽電池システムは、第1観点から第3観点のいずれかに係る太陽電池システムにおいて、反射層は、JIS K5602(2008)でJIS K5602(2008)の手法で求められる波長範囲780〜2500nmでの日射反射率が50%以上である。
本発明の第5観点に係る太陽電池システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る太陽電池システムにおいて、反射層は、太陽電池とは離れて配置されている。
本発明の第6観点に係る太陽電池システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る太陽電池システムにおいて、基材をさらに備えており、反射層は、基材の表面に対して形成された塗膜である。
本発明の第7観点に係る太陽電池システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る太陽電池システムにおいて、反射層は、光反射顔料が配合された熱可塑性フッ素樹脂を溶融加工することによって形成された樹脂成形体であるか、もしくは、無機織布を有しており、光反射顔料が配合された熱可塑性フッ素樹脂が溶融加工されて無機織布に担持されることで構成されている。
本発明によれば、太陽電池システムにおける反射層の耐候性、防汚性および光反射性を良好にすることができるため、発電効率を良好な状態で維持することが可能になる。
本発明の太陽電池システムの第1実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第1実施形態の概略平面図である。 本発明の太陽電池システムの第1実施形態の概略外観斜視図である。 本発明の太陽電池システムの第2実施形態の概略外観斜視図である。 本発明の太陽電池システムの第3実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第4実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第5実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第6実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第7実施形態の概略断面図である。
本発明の太陽電池システムは、太陽電池と反射層とを備えている。
太陽電池は、特に限定されるものではなく、例えば、構成素材において、結晶シリコン等を用いたシリコン系であってもよいし、レアメタル等を用いた化合物半導体系であってもよいし、有機物を含んだ有機系であってもよい。また、電池の形態において、薄膜型であっても、ハイブリッド型であっても、多接合型であっても、球状シリコン型であってもよい。また、太陽電池の設置場所については、反射層による反射光を受光できる位置であれば特に限定されるものではなく、例えば、建物の屋上、屋根の上、車両の上等に配置してもよいし、太陽電池自体を壁、窓、ひさし等として反射層を太陽とは反対側に配置してもよい。
反射層としては、太陽電池の下に配置されており、フッ素樹脂と光反射性顔料とを含んでいるものである限り特に限定されるものではなく、例えば、あらかじめ建築基材に対して塗料を塗布して形成させた塗膜や、既存の建物の一部(例えば、屋根や壁面や窓等)に対して塗料を塗布することで形成された塗膜や、塗工ではなく、熱可塑性フッ素樹脂に光反射性顔料を配合して得られた成形樹脂部材(例えば、膜材、ボード等)等のいずれの形態であってもよい。なお、塗膜は、太陽電池が設置される場所に既にある屋根や壁面の既存外表面に塗料を塗布して形成してもよいし、予めフィルムやシート状にしたものを公知方法を用い現場でラミネートしたり配置して形成されるものであってもよい。加えて、この際には、該屋根や壁面の既存旧表層を除去してから前記と同様に塗工またはラミネートしたり配置して形成させたものであってもよい。塗工ではない成形樹脂部材としては、フッ素樹脂と光反射性顔料とを含み、公知成形方法によって形成されるものであればよい。これらの諸施工手法の内、塗料を塗布乾燥させることで反射層を形成させる手法が、既存建築物への直接施工により、作業が容易であることから好ましい。なお、反射層は、例えば、光反射性顔料を含む層と、その表層に設けられたフッ素樹脂を含む層と、の複合層として構成されていてもよいし、フッ素樹脂と光反射性顔料とが共存した1つの層として構成されていてもよい。
以下、太陽電池と反射層について、具体的な例を挙げながら説明するが、本発明の太陽電池システムはこれに限定されるものではない。
<1>第1実施形態
本発明の第1実施形態の太陽電池システム100は、図1の断面図、図2の平面図、および、図3の外観概略斜視図においてそれぞれ示すように、太陽電池10と、太陽電池用光反射膜としての反射板20と、を備えている。
<1−1>太陽電池10の構成
太陽電池10は、互いに長手方向が平行になるように所定の間隔をあけながら複数並べられ、反射板20の上方に反射板20から離れて配置される。
ここで、「表側」とは太陽光入射側を示し、「裏側」とは太陽光の反射光入射側を示すものとする。
太陽電池10は、図1に示すように、太陽光入射側から、表面保護層1、封止層2、裏面保護層4の順に積層されて構成されており、封止層2の内部に発電素子3が配置されている。なお、太陽電池10は、目的に応じて、他の層が表層もしくは介在層として設けられていてもよい。
表面保護層1は、太陽電池10を表側から保護するために設けられており、例えば、光透過性のガラスもしくは樹脂によって構成されている。
発電素子3は、表側だけでなく、裏側においても、光を受光して発電することができるように、表側受光部(第1受光部)と裏側受光部(第2受光部)を有する受光部が設けられている。本実施形態の発電素子3は、平面視である図2に示すように、長手方向が互いに平行になるように並んで、互いに所定の間隔を開けて、重なり合わないように配置されている。
裏面保護層4は、太陽電池10を裏側から保護するために設けられており、例えば、光透過性のガラスもしくは樹脂によって構成されている。
封止層2は、表面保護層1と裏面保護層4との間の空間において、発電素子3の周囲を覆い尽くすように光透過性の充填剤が充填されて構成されている。この充填剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の加熱溶融させることで架橋し、硬化する材料が挙げられる。このような充填剤は、加熱溶融されることで、表面保護層1、裏面保護層4および発電素子3を一体化させることができる。
<1−2>反射板20の構成
反射板20は、図1に示すように、太陽電池10の下方に太陽電池10から離れて配置され、太陽電池10又はその周囲を通過した光を反射させる機能を有している。この反射板20によって反射した光は、発電素子3の裏面側に導かれるため、発電素子3の受光量を増大させることができる。
反射板20は、塗膜21と、基材22と、から構成されている。この反射板20の形状については、平らに形成されていてもよいし、多少湾曲して形成されていてもよいし、表面に凹凸が形成されていてもよいし、表面がなめらかに形成されていてもよい。
塗膜21(反射層)は、塗膜形成成分としてのフッ素樹脂と、太陽光反射機能を付与するための光反射性顔料と、を含んで構成されている。必要に応じ、該光反射塗膜層の下層に、中塗り塗膜、下塗り塗膜、シーラー層が設けられていてもよい。
基材22は、主として、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系樹脂によって構成されている。
<1−3>第1実施形態の特徴
第1実施形態の太陽電池システム100は、太陽電池10の表側については、図1に示すように、太陽光Aは、表面保護層1および封止層2を透過するために、発電素子3に対して表側から受光される。
また、太陽電池10の裏側については、図1に示すように、太陽光Bが、反射板20によって反射され、裏面保護層4および封止層2を透過することで、発電素子3に対して裏側から受光される。さらに、太陽電池10の裏側については、太陽電池10を透過していない太陽光Cについても、反射板20によって反射され、裏面保護層4および封止層2を透過することで、発電素子3に対して裏側から受光される。
このようにして、太陽電池システム100は、太陽電池10の発電素子3は、表側だけでなく裏側からの光も受光することができ、発電効率を上げることができている。
そして、反射板20の塗膜21は、光反射性顔料を含んで構成されているために、良好な光反射性を有することができる。また、この塗膜21は、フッ素樹脂を含んで構成されているために、耐候性、防汚性を良好に維持することができ、光反射性が良好な状態を長期間維持することができる。このため、太陽電池システム100は、裏側の受光状態を長期間良好に維持できるため、良好な発電効率を長期間維持することが可能になる。
なお、太陽電池10と反射板20とは、互いに離れて配置されているため、太陽電池10と反射板20との間に空気を通過させることも可能である。この場合には、太陽電池10と反射板20との間に滞留している高温空気が拡散されるために、太陽電池10を冷却させることができる。これにより、太陽電池10自体の温度が高まることに起因する内部構成における電気抵抗の増大を抑制させることができ、発電効率の向上にも有利である。
なお、反射板20は、基材22を用いて構成されているため、フッ素樹脂と光反射性顔料によって構成される塗膜21の厚みが薄い場合であっても、形状安定性に優れており、フッ素樹脂や光反射性顔料の使用量を少なく抑えることも可能になる。
<2>第2実施形態
上記第1実施形態の太陽電池システム100では、太陽電池10が、長手方向において互いに平行となるように複数並べて配置された発電素子3を有している場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図4に示すように、略方形の発電素子203が縦および横に、所定の間隔を開けて、互いに重ならないように、複数並んで配置された太陽電池210を備えた太陽電池システム200であってもよい。なお、他の構成は、第1実施形態と同様である。
この場合にも、上記第1実施形態と同様に、太陽電池210の発電素子203の間の部分を透過した光や、太陽電池210の周囲から入射した光を、反射板20が反射させることによって、発電素子203は表面側だけでなく裏面側においても受光を行い、発電効率を上げることができる。
<3>第3実施形態
上記第1実施形態等では、裏面保護層4が光透過性である場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図5に示すように、一部の光を反射させる裏面保護層304を有する太陽電池310を備えた太陽電池システム300であってもよい。なお、他の構成は、第1実施形態と同様である。
太陽電池310の発電素子3は、表側においては、表面保護層1や封止層2を通過した太陽光Aを受光しつつ、裏側においては、太陽電池310を通過して反射板20によって反射された太陽光Bや、太陽電池10を透過するとなく反射板20によって反射された太陽光Cや、裏面保護層304によって反射された太陽光Dについても受光することができる。
なお、裏面保護層304が経年劣化し、光反射性が良好でなくった場合には、太陽電池310の裏面保護層304を太陽電池310の裏面側から改めて塗布したとしても、光反射性を回復させることはできず、裏面保護層304を剥がして再度塗布する場合には発電素子3を傷つけてしまうおそれ等がある。これに対して、太陽電池システム300では、太陽電池310の下に配置されている対象(例えば、反射板20)に対してフッ素樹脂と光反射性顔料とを含む反射層(塗膜やシート等、いずれの形態であってもよい)を改めて設けることで、光反射性を回復させることができる。また、仮に、反射板20が非常に長い間用いられて経年劣化が生じたとしても、さらにその表層に反射層を形成させることで光反射性を回復させることができる。
<4>第4実施形態
上記第1〜3実施形態では、反射板20が、フッ素樹脂および光反射性顔料を含んで構成される塗膜21を有する場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図6に示すように、フッ素樹脂と光反射性顔料とが渾然一体化された材料によって形成された反射板420と、太陽電池410と、を備える太陽電池システム400であってもよい。
なお、この第4実施形態の太陽電池410の構成は、第1実施形態の太陽電池10と同様の構成であってもよいし、第2実施形態の太陽電池210と同様の構成であってもよいし、第3実施形態の太陽電池310と同様の構成であってもよい。
<5>第5実施形態
上記第1〜3実施形態では、反射板20が、フッ素樹脂および光反射性顔料を含んで構成される塗膜21を有する場合について、第4実施形態では、反射板420がフッ素樹脂と光反射性顔料を含む材料によって形成された場合について、それぞれ例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図7に示すように、反射板520と、太陽電池510と、を備える太陽電池システム500であってもよい。この反射板520は、上記実施形態と同様の基材22と、フッ素樹脂を含む材料によって形成された表面膜521aと、基材22と表面膜521aとの間に設けられており、光反射性顔料を含む材料によって形成された反射層521bと、を有して構成されている。
なお、この第5実施形態の太陽電池510の構成は、第1実施形態の太陽電池10と同様の構成であってもよいし、第2実施形態の太陽電池210と同様の構成であってもよいし、第3実施形態の太陽電池310と同様の構成であってもよい。
<6>第6実施形態
上記第1〜5実施形態では、基材22に対して、フッ素樹脂等を含む層が形成された場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図8に示すように、建物の屋根30の外表面に、フッ素樹脂および光反射性顔料を含む塗膜620が形成されており、太陽電池610を備える太陽電池システム600であってもよい。
建物の屋根30は、板部材31や、断熱材32や、図示しない金属やコンクリートによって構成される。この板部材31は、例えば、主として、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系樹脂から構成されている。
塗膜620は、フッ素樹脂および光反射性顔料を含む塗料を塗布して、乾燥させることで得られる。
この第6実施形態の太陽電池システム600では、屋根30に対して塗膜620を形成するだけで、太陽電池610の裏側からの光を発電に利用することが可能となり、上記第1〜第5実施形態のように基材を別途設ける必要がない。また、塗膜620を形成する前の屋根30の表面が凹凸形状であったり、湾曲形状していたとしても、塗料を塗布することで容易に塗膜620を形成して、太陽電池610の裏側での発電を可能にすることができる。
なお、この第6実施形態の太陽電池610の構成は、第1実施形態の太陽電池10と同様の構成であってもよいし、第2実施形態の太陽電池210と同様の構成であってもよいし、第3実施形態の太陽電池310と同様の構成であってもよい。
<7>第7実施形態
上記第6実施形態では、塗膜620が、フッ素樹脂および光反射性顔料を含んで構成される場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図9に示すように、建物の屋根30の外表面に、塗膜層720が形成されており、太陽電池710を備える太陽電池システム700であってもよい。
この塗膜層720は、フッ素樹脂を含む材料によって形成された表面膜721aと、光反射性顔料を含む材料によって形成された反射層721bと、を有して構成されている。
建物の屋根30は、上記第6実施形態と同様である。
塗膜層720は、光反射性顔料を含む塗料を塗布して乾燥させることで反射層721bを形成した後、その上に(または、必要により他の層を介在させて)、フッ素樹脂を含む塗料を塗布して乾燥させることで表面層721aを形成させることで得られる。
この第7実施形態の太陽電池システム700では、屋根30に対して塗膜層720を形成するだけで、太陽電池710の裏側からの光を発電に利用することが可能となり、上記第1〜第5実施形態のように基材を別途設ける必要がない。また、塗膜層720を形成する前の屋根30の表面が凹凸形状であったり、湾曲形状していたとしても、塗料を塗布することで容易に塗膜層720を形成して、太陽電池710の裏側での発電を可能にすることができる。
なお、この第7実施形態の太陽電池710の構成は、第1実施形態の太陽電池10と同様の構成であってもよいし、第2実施形態の太陽電池210と同様の構成であってもよいし、第3実施形態の太陽電池310と同様の構成であってもよい。
<8>第1〜第3実施形態の塗膜21、第6実施形態の塗膜620の詳細
第1〜第3実施形態の塗膜21、および、第6実施形態の塗膜620(以下、<8>の欄において、「塗膜」という。)は、フッ素樹脂と光反射性顔料を含有する塗料組成物を塗布、乾燥させることで得られる。以下、フッ素樹脂および光反射性顔料について、具体例を挙げて説明するが、これらに限定されるものではない。
<8−1>フッ素樹脂
フッ素樹脂としては、常温塗工可能または融点以上400℃未満の温度下で溶融成型可能なフッ素樹脂が好ましい。このようなフッ素樹脂としては、例えば、特開2010−247522号公報の段落0023に記載されるようなポリマーが挙げられるがこれらのみに限定されるものではない。特に耐候性、耐水性、耐薬品性、汚れ除去性等に優れる点から、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)/テトラフルオロエチレン共重合体(TFE)、VdF/TFE/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VdF/TFE/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体(PFA)、エチレン(Et)/TFE共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などフルオロオレフィン系ポリマー;TFEやCTFE、HFPなどのフルオロオレフィンと官能基含有モノマーを共重合した硬化性官能基含有フルオロオレフィン系ポリマーなどが好ましい。これらのうち、特に、溶剤可溶性である溶剤可溶型フッ素樹脂または水分散可能である水分散型フッ素樹脂であり、常温塗工性に優れるものが現場容易施工性の観点で好ましい。
<8−1−1>溶剤可溶型フッ素樹脂
この溶剤可溶型フッ素樹脂としては、耐候性、溶剤溶解性、硬化性、耐薬品性、透明性、製造容易性、容易塗料化性、容易塗工性等に優れる点から、特開2007−35694号公報の段落0024から0050に記載の硬化性官能基含有フルオロオレフィン系ポリマーが好ましく例示できる。例えば、TFE/イソブチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/バーサチック酸ビニル/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/VdF/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体などがあげられ、これらの内、TFE/イソブチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/バーサチック酸ビニル/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体が、顔料分散性、共重合性、耐候性、耐薬品性等に優れている点でとくに好ましい。これらTFE系の硬化性共重合体としては、例えば、ダイキン工業(株)製のゼッフルGK(登録商標)のシリーズなどが例示できる。この他に適用できる硬化性官能基含有フルオロオレフィン系重合体としては、例えば、CTFE/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体などが挙げられ、具体例としては、旭硝子(株)製のルミフロン(登録商標)、大日本インキ製造(株)製のフルオネート(登録商標)、セントラル硝子(株)製のセフラルコート(登録商標)、東亜合成(株)製のザフロン(登録商標)などが例示できる。
これら溶剤可溶型フッ素樹脂に光反射顔料を公知の方法を用いて分散配合し、必要に応じて、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、つや消し剤、沈殿防止剤、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、UV吸収剤、光安定剤、溶剤、低汚染化剤(WO96−26254、特開2004−10832等に例示されている加水分解性フルオロオルガノシロキサン)等を添加して調製することにより、本発明に必須の光反射塗料組成物として用いることができる。なお、硬化剤や硬化促進剤としては、特開2010−247522号公報の段落0028や特開2007−35694号公報の段落0054〜0055に例示のイソシアネート系、メラミン系の硬化剤、アルミ系、スズ系等有機金属系触媒、酸系、アミン系触媒等が適用できる。
<8−1−2>水分散型非架橋性フッ素樹脂
この水分散型非架橋性フッ素樹脂としては、耐候性、耐薬品性、製造容易性、容易塗料化性、容易塗工性等に優れる点から、WO95/08582(特願平7−509677)の段落5〜13の発明を実施するための最良の形態の欄に記載の、ビニリデンフルオライド(VdF)70〜95%およびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)5〜30%を含んでなる含フッ素共重合体粒子を含む水性分散液中で該含フッ素共重合体粒子100部(重量部。以下同様)の存在下に、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル20〜100部をシード重合させて得られる、VdF,CTFE以外の第3の共重合可能な単量体を共重合成分として含んでいてもよい含フッ素共重合体水性分散液を、好ましい例として挙げることができる。第3の共重合可能な単量体としてはTFE、ビニルフルオライド(VF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロエチレン(TrFE)などが挙げられるが、TFEが好ましく用いられる。この第3の単量体は複数用いてもよい。第3の共重合可能な単量体の含有量は0〜30%、好ましくは10〜25%、より好ましくは10〜20%である。これらVdF系共重合体としては、例えば、ダイキン工業(株)製のゼッフルSE(登録商標)のシリーズなどが例示できる。
これら水性分散型非架橋性フッ素樹脂についても、同様に光反射顔料を公知の方法を用いて分散配合し、必要に応じて、成膜助剤、凍結防止剤、つや消し剤、消泡剤、レベリング剤、PH調整剤、沈殿防止剤、分散剤、防腐剤、UV吸収剤、光安定剤等を添加して調製することにより、本発明に必須の光反射塗料組成物として用いることができる。
<8−1−3>水分散型架橋性フッ素樹脂
本発明において適用できる水分散型フッ素樹脂として、水分散型架橋性フッ素樹脂も挙げられる。具体的には、例えば、WO2007/071323A1公報の3頁の15行目〜8頁の11行目に記載されている架橋性基含有水分散型フルオロオレフィン共重合体である。これらの方法で得られた該架橋性フッ素樹脂分散体に、前記<8−1−2>水分散型非架橋性フッ素樹脂と同様に光反射顔料を公知の方法を用いて配合し、同公報8頁の27行目〜13頁の19行目に例示の水分散性硬化剤を必須に配合し、必要に応じ、硬化促進剤、成膜助剤、凍結防止剤、つや消し剤、消泡剤、レベリング剤、PH調整剤、沈殿防止剤、分散剤、防腐剤、UV吸収剤、光安定剤等を添加して調製し、光反射塗料組成物として用いることができる。
<8−2>光反射性顔料
光反射性顔料としては、例えば、特開2010−247522号公報の段落0015から0019に記述されたものが好ましく例示できる。具体的には、赤外線領域の光反射効率が特に優れる無機系光反射顔料、有機系光反射顔料、これらの併用系が適用できる。
該無機系顔料としては、たとえばガラス微粉末、ガラスバルーン、セラミックビーズなどのセラミック系顔料;アルミニウムや鉄、ジルコニウム、コバルトなどの金属細片系顔料;酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、チタン酸ナトリウム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化セリウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物系顔料;酸化鉄−酸化マンガン、酸化鉄−酸化クロム、酸化銅−酸化マグネシウムなどの複合酸化物顔料;SiとAlやFe、マグネシウム、マンガン、ニッケル、チタン、クロム、カルシウムなどの金属系顔料;さらに鉄−クロム、ビスマス−マンガン、鉄−マンガン、マンガン−イットリウムなどの合金系顔料;マイカ、窒化ケイ素、表面処理を施した被覆顔料、光輝顔料、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが知られており、本発明においても単独、または2種以上を併用することができる。
また、該有機系顔料としては、たとえば可視領域の光を吸収しかつ赤外領域の光の反射率が高い、たとえば反射率10%以上のものが好ましく、アゾ系顔料、アゾメチン系顔料、レーキ系顔料、チオインジゴ系顔料、アントラキノン系顔料(アントアンスロン顔料、ジアミノアンスラキノニル顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、アントラピリミジン顔料など)、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、キニフタロン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料などの1種または2種以上が例示できる。
無機系光反射顔料、有機系光反射顔料の具体例としては、上記参考特許文献に記載されている大日本インキ化学工業(株)製のFASTOGEN(登録商標)のシリーズや、CERDEC社製の赤外線反射顔料、大日精化工業(株)製のクロモファイン(登録商標)のシリーズ、ダイピロキサイド(登録商標)のシリーズ、シェファードカラー社製のARCTIC(登録商標)の(C)シリーズ、堺化学工業(株)製の酸化チタン、石原産業(株)製の酸化チタン(タイペーク(登録商標)のシリーズ)、デュポン社製の酸化チタン(タイピュア(登録商標)のシリーズ)のほか、HUNTSMAN社の酸化チタン(TIOXIDE(登録商標)のシリーズ)などがあげられるが、これらのみに限定されるものではなく、また、これら光反射顔料を複数種併用してもよい。
上記の光反射顔料において、とくに高い光反射能を持つ観点で、白色顔料である二酸化チタンが好ましい。これはアナターゼ型およびルチル型酸化チタンのいずれであってもよいが、屋外環境下で使用される場合の長期耐候性を良好にする観点から、ルチル型がとくに好ましい。ここで、一般に、白色顔料である二酸化チタンは、酸化作用が強いため、汎用非フッ素樹脂に配合した場合は、皮膜の劣化を早める傾向があるが、本発明ではフッ素樹脂に配合して用いられるため、光反射皮膜層の耐候性および反射性能を良好なまま長期間維持することが可能になる。
光反射性顔料の平均粒子径は、用途や塗工条件等に応じ任意に設定すればよく、とくに限定されるものではないが、塗工で得られる塗膜の外観や性能の観点から、JIS K5600 2−5に記載のグラインドゲージで測定される粒度として、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。50μm以下の粒度にすることで、乾燥塗膜の肌が粗面化することを抑制して外観をより良好にすることができる。すなわち、乾燥塗膜の肌が粗面化することを抑制することで、該粗面における塵埃の付着を回避でき、光反射能を良好に維持することで、遮熱性悪化を抑制することができる。また、日照時に塗膜表面温度が上がった場合であっても、それによって汚れが付着しやすくなることを回避でき、美匠性、防汚性、耐候性等を良好にすることができる。
光反射性顔料配合量(二酸化チタンをはじめとする無機系反射顔料と有機系反射顔料の合計量)は、とくに限定されるものではないが、光反射特性と、塗膜の隠蔽性、美匠性、塗工性等のバランス確保の観点から、その配合比率は、塗膜中のフッ素樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜400質量部であり、より好ましくは30〜300質量部、さらに好ましくは50〜200質量部である。該配合比率が10質量部以上にすることで、光反射性や下地隠蔽性をより十分に確保することができる。また、400質量部以下にすることで、塗料化容易性、適性分散粒度、容易塗工性、塗膜平滑性等をより良好にすることができる。
また、通常に使用される他の顔料や充填剤を遮熱効果が損なわれない範囲で配合してもよい。他の顔料や充填剤としては、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレーなどが例示できる。
<8−3>塗料および塗膜
本発明におけるフッ素樹脂と光反射性顔料を含有する塗料組成物は、サンドグラインダー、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、三本ロール、遠心式混合装置等、公知分散装置を用いて調製することができる。その際、必要に応じて、沈殿防止剤、分散剤、希釈剤、つや消し剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤、溶剤、UV吸収剤、光安定剤、重ね塗り接着性改良剤等を配合することができる。なお、前記<8−1−1>の溶剤可溶型フッ素樹脂のうち架橋タイプのものをベースに調製した場合、または前期<8−1−3>水分散型架橋性フッ素樹脂をベースに調製した場合、塗工時に硬化剤を配合し、硬化促進剤を任意で配合して塗工に供する。
このようにして調製された塗料は、第1〜第3実施形態であれば基材22に塗布されることで塗膜21が形成され、第6実施形態であれば屋根30に対して塗布されることで塗膜620が形成される。なお、上記塗工を行う前に、シーラー塗布、下塗り塗布、中塗り塗布を行ってもよい。これら下塗り塗料や中塗り塗料は、基材の種類や、塗工前の基材表面状態に合わせて適宜選定すればよく、とくに限定されないが、公知の水系または溶剤系のエポキシ樹脂系、変性エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、硬化型アクリル樹脂系、ウレタン系、アクリルシリコン樹脂系、無機系塗料等が適用できる。なお、これらを塗工時に、基材や光反射性顔料含有フッ素樹脂上塗り層との密着性に支障がないかぎり、水系の塗材を用いるのが、とくに屋外塗工時の環境負荷の観点で好ましい。しかし、基材表面や既存旧塗膜が侵される等の不具合がなければ、必要に応じて溶剤系のものを適用してもよい。また、下塗り、中塗りに用いられる顔料や塗色もとくには限定されないが、これら下塗りおよび中塗りの塗料組成物中にも、必須ではないが、前記<8−2>の光反射性顔料を含んでいることが、本発明実施形態の最表層に設けられる光反射層を透過する微少赤外線による該下塗り層または中塗り層での蓄熱を抑制することができ、本発明実施形態において得られる遮熱性の補助の観点で好ましい。塗色についても、それら乾燥塗膜の明度(色彩色差計で測定されるCIE(国際照明委員会)規定のL*値)がおよそ80以上、より好ましくは85以上、さらに好ましくは90以上あること、または、マンセル値(JIS Z8102(2008)規定)がN8以上、より好ましくはN8.5以上、さらにはN9以上を有する無彩色(マンセル色座標空間において彩度をもたず、明暗だけで、即ち白と黒の混合で定義される色のこと)であることが、とくに好ましい。塗色明度L*が80以上であること、またはマンセル値がN8以上であることで、前記同様に、微少透過赤外線による蓄熱を抑制し、遮熱性補助に有効である。
ここでの塗工方法としては、公知の方法を用いることができる。それらとしては、例えば、刷毛、ハンドローラー、自動圧送ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、フローコーター、ロールコーター、スピンコーター等が挙げられる。
塗装温度は塗装形態における通常の条件の範囲内で行えばよく、塗膜の乾燥または硬化も溶剤型塗料組成物の場合、10〜300℃、通常は常温(20〜30℃)で行う。水系塗料組成物の場合は、10〜100℃、通常は常温(20〜30℃)で行う。いずれの塗料組成物においても、必要に応じ、適宜調整して行なえばよい。
また、形成される光反射塗膜(シーラー、下塗り、中塗り等を除く最表層のフッ素樹脂ベース塗膜層について)の所要乾燥膜厚は、用途や塗工方法等、諸条件により異なり特に限定されないが、好ましくは5〜400μmであり、より好ましくは20〜200μmであり、さらに好ましくは、30〜100μmである。該膜厚が5μm以上とすることで、塗工時における塗膜欠陥の発生を抑制し、水分その他の劣化誘引要因の影響を受けにくくすることで、より長期の耐久性を付与することが可能になる。一方、膜厚が400μm以下とすることで、厚塗り塗工時の気泡抜けの悪さを回避したり、塗膜のたれを抑制したり、塗膜の乾燥性をより良好にする等、塗工性や最終的な仕上がり肌をより良好にすることができる。なお、一回の塗工操作で所要膜厚の確保が困難な際は、塗工を分割・反復するなどすることで、適宜調整すればよい。
また、得られた塗膜の光反射性は、JIS K5602(2008)によって測定・算出される波長範囲780〜2500nmでの日射反射率が、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
なお、第1〜第3実施形態における基材22の厚みについては特に限定されるものではなく、太陽電池の下方に配置した状態で形状を保持できる程度の厚みがあればよい。
<9>第1〜第3、第5実施形態の基材22の詳細
基材22としては一般的な建築用に用いられるものでありとくに限定されない。例えば、ポリエステル、FRP、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラスチック系基材;、トタン(亜鉛メッキ)、ガルバリウム鋼板、ブリキ、鉄鋼、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属系基材:ビチュメン、スレート、ALC板、フレキシブルボード、コンクリートブロック、モルタル、石膏板、コンクリート、ブラスターなどのセラミックス系基材;ハードボード、シナベニヤ、ラワン材、広葉樹単板、針葉樹単板などの木質系基材が例示できる。
<10>第4実施形態の反射板420の詳細
本発明実施形態としては、フッ素塗料組成物を塗工するのではなく、あらかじめ公知の方法で熱可塑性フッ素樹脂に光反射顔料を配合し、適用の条件を用いて溶融成形し、所要形状の光反射性部材、例えば膜材、シート、ボード等を作製し、それらを建築物の所要部位に設置し、その上に太陽電池モジュールを設けるという手法をとってもよい。
適用できる熱可塑性フッ素樹脂としては、入手容易性、容易熱加工性、耐候性、耐水性、耐薬品性、汚れ除去性等に優れる点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体(PFA)、TFE/ヘキサフルオロプロピレン)(FEP)、エチレン(Et)/TFE共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)/テトラフルオロエチレン共重合体(TFE)、VdF/TFE/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VdF/TFE/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体、ポリフッ化ビニル(PVF)などのフルオロオレフィン系ポリマーが好ましい。
これらの中でも、とくに容易熱加工性と化学的安定性に優れる観点で、TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体(PFA)、TFE/ヘキサフルオロプロピレン)(FEP)、エチレン(Et)/TFE共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などがさらに好ましい。
これらの樹脂に前記光反射顔料、および必要に応じ任意補助材料(例えば、充填剤、酸化防止剤、分散安定剤、加工性改良剤等)を配合し、例えば、押し出し成形法や圧縮成形法を用い、少なくともそのフッ素樹脂の融点以上400℃未満の温度で処理して、シート、ボード状に成形することができる。前記適用熱可塑性フッ素樹脂の内、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いる場合は圧縮成形法が、それ以外のPFA、FEP、ETFE、PCTFE等の場合には押し出し成形法または圧縮成形法が好ましく適用できる。得られた成形体をそのまま建築物の目的部位に設置して本発明の太陽光反射部材としてもよいし、あらかじめ所要基材に熱圧着法や公知接着剤を用いて接着する等の手段で固定し、それを該反射部材として用いてもよい。これらの成形シートやボードの厚みは、用途や条件に応じて適宜選択すればよく、とくに限定はされないが、容易成形性、機械的堅牢性、製造コスト等の観点で0.01〜50mmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜40mmである。さらに好ましくは1〜30mmである。0.01mm以上とすることで、容易成形性や機械的堅牢性をより充分なものとすることができる。また、50mm以下とすることで、製造コストや単位面積当たりの重量を抑制することができる。
また、別の公知の方法として、これらポリマーの水性分散体に、前記光反射顔料を必須に、および必要に応じ任意補助材料(例えば、充填剤、消泡剤、酸化防止剤、分散安定剤、加工性改良剤等)を配合して熱可塑性フッ素樹脂組成物を調製しておき、これをガラスクロス等の建材用無機系織布に含浸塗布後、少なくともそのフッ素樹脂の融点以上400℃未満の温度で焼成することで、フッ素樹脂を建材用無機系織布に担持させるようにして被覆させた膜構築材を得ることもできる。これらを目的の建築物へ設置し、本発明の光反射層として用いることができる。織布への含浸塗布量は、織布の厚みや、用途、条件に応じて適宜選択すればよく、とくに限定されないが、基材隠蔽性、耐久性、仕上がり外観等の観点で、乾燥塗布量が5〜1000g/mであり、好ましくは50〜700g/mであり、さらに好ましくは100〜500g/mである。塗布量を5g/m以上とすることで、隠蔽不足や成膜欠陥の発生を抑制し、耐久性をより良好にする(侵入水分や紫外線等による織布の劣化を抑制する)ことが可能になる。また、1000g/m以下とすることで、最終的に得られる含浸織布の風合いを良好にしたり、仕上がり肌を良好にしたり、製造コストを低く抑えることが可能になる。なお、これら無機織布への含浸塗布時には、該操作を分割・反復して焼成し、少しずつ積層して所要乾燥塗布量を得ることが好ましい。この手法により、焼成成膜時のマッドクラックの発生抑制を図り、皮膜欠陥の少ない、より高品質の光反射性フッ素樹脂被覆を施した膜構築材を得ることができる。
<11>第5実施形態の塗膜520、第7実施形態の塗膜層720の詳細
本発明における実施形態の一つとして、基材上に非フッ素系成膜性樹脂と光反射顔料を必須に含む塗膜層を設け、その後で、着色顔料を含まないクリアフッ素樹脂層を塗工またはラミネートするという方法をとってもよい。汎用樹脂ベースの光反射層上へ、いわゆるフッ素樹脂のトップクリア皮膜層を設けることにより、トータルコスト低減に有利となる。前記非フッ素系成膜性樹脂は、有機溶剤に可溶または水分散可能で、塗工して常温成膜できるもの、または、およそ30〜300℃の温度で乾燥成膜できるものが好ましく、公知のものが適用できる。
これらとしては、例えば、特開2010−247522号公報の段落0021から0022に記載されているような、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、エーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレン樹脂、シリコーン樹脂などの溶剤可溶型樹脂;酢酸ビニル樹脂、水溶性または水分散性アクリル系樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、水溶性または水分散性フッ素樹脂、水溶性または水分散性ウレタン樹脂、水溶性または水分散性メラミン樹脂、水溶性または水分散性ポリエステルなどの水溶性または水分散性樹脂のほか、塗料用無機樹脂などが例示できる。これらのなかでも、入手容易性、容易取扱い性、耐久性、耐熱性、耐光性、耐薬品性などに優れる点から、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、シリコーン樹脂などが好ましい。これらに、前記<8−2>の光反射性顔料やその他任意補助材料を、<8−3>の記述と同様の手法で配合して塗料組成物を調製し、塗工に供することができる。その場合の塗工は前記記述と同様に、既存の建築物のある現場にて目的部位に塗工する手法でもよく、または、工場において基材上に対して塗工することで予め建築物の構成要素を得て、その得られた構成要素を建築物の目的部位に設置するという手法をとってもよい。このようにして、あらかじめ非フッ素樹脂ベースの光反射層を設けた後、光反射顔料やその他の着色顔料を含まない成膜性フッ素樹脂組成物をトップクリア塗工して、光反射層の上層にクリアフッ素樹脂層を有する形態を得ることができる。
トップクリア層に適用できるフッ素樹脂は、前記<8−1−1>および<8−1−2>に例示の溶剤可溶型フッ素樹脂または水分散型フッ素樹脂であり、光反射顔料およびその他着色顔料を配合しない以外は、前記<8−3>と同様に必要に応じて諸補助材料を配合してクリア塗料組成物を調製すればよい。一般にフッ素樹脂のクリア塗膜は光線透過率が高く、この層の下側に位置する光反射性非フッ素樹脂系皮膜の透過紫外線による劣化抑制の観点で、トップクリア塗工に供するフッ素樹脂組成物には、用途や施工環境により必須ではないが、UV吸収剤、光安定剤等、光劣化抑制用の添加剤を単独または併用配合するのが望ましい。それらの総添加量は、トップクリア層のフッ素樹脂100質量部に対し、0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜20質量部であり、さらに好ましくは、1〜10質量部である。0.1質量部以上とすることで、光劣化抑制効果を充分に得ることができる。また、30質量部以下とすることで、塗工時の成膜性を損なうことなく、塗膜表面の油膜状層が生じること等による粘着感を抑制し、屋外における汚れを付着しにくくすることができる。なお、このトップクリア組成物の塗工は前記<8−3>の記述と同様の手法で行なうことができる。
<12>評価
上記各実施形態を評価するための試験方法および測定方法は、次のとおりである。
(日射反射率)
JIS K5602(2008)記載の方法で測定し算出された波長範囲780〜2500nmにおける日射反射率から評価することができる。
(防汚性)
防汚性は、以下の基準で評価することができる。
屋外暴露による防汚性評価条件:試験板(寸法は任意)を大阪府南面向き、傾斜30度のステンレス製暴露台に設置し、比較試料との差異がでるまで屋外暴露する。暴露前後の目視外観、日射反射率(JIS K5602手法)の観察を行なう。
目視での汚れ付着が少なく、日射反射率が高く保持されているほど、防汚性に優れると評価する。
(耐候性)
耐候性は、以下の屋外暴露の手法もしくは促進耐候性評価の手法に沿って評価することができる。
屋外暴露:基本的に前記屋外防汚試験と同一手法で試料の経時変化を観察する。汚れ付着以外の表層劣化(つやびけ、変退色、クラック、チョーキング(塗膜内部から表層への顔料露出による粉ふき)等)の評価項目について判定する。
促進耐候性:試料を、アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製の超促進耐候性試験機)にて、照射/結露/休止(11hr/11hr/1hr、照射中のシャワー頻度は10秒/1hr)のサイクルで644hr試験し、同様に試料表面の経時変化を観察する。試験中の平均照度は100mw/cmであり、温度、湿度条件は以下の表1の設定である。
Figure 2012134464
以下、本発明における実施例とその効果について述べるが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1:
(1)光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料組成物(上塗り塗料)の調製:
フッ化ビニリデン系共重合体水性分散体(ダイキン工業(株)製 ゼッフルSE−405)64.78質量部を容器に計量し、プロペラ式攪拌機を用い、回転数300回転の攪拌下で、成膜助剤(ジエチルアジペート)4.83質量部、濃度が28%のアンモニア水0.59質量部、および予め下記の表2の組成に調製した光反射顔料ミルベース27.79質量部を加えて30分間攪拌する。その後、ポリウレタンタイプ増粘剤溶液(旭電化工業(株)製 アデカノールUH420をイオン交換水で濃度10mass%に調製したもの)1.91質量部、シリコーン系消泡剤(ダウコーニング社製 DC 65 ADDITIVE)0.1質量部を加え、さらに30分間攪拌し、実施例1の光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料組成物を得た。
Figure 2012134464
備考: 上表組成物の合計100質量部に対し、平均粒径1.5mmのガラスビーズを80質量部加え、3筒式サンドグラインダー(アイメックス(株)製)を用い、1000rpmで1時間分散後、80メッシュステンレス金網でろ過し、光反射顔料ミルベースを得た。
(2)水性二液型エポキシ系下塗り塗料組成物の調製:
市販の水性二液型エポキシ系下塗り塗料((株)コスモテクノロジー製 HLGシステム特殊プライマースーパーA剤とB剤を体積比1対1で予め混合)を容器に100質量部計量し、そこへ表2の光反射顔料ミルベースを30質量部配合して、光反射顔料含有水性二液型エポキシ系下塗り塗料組成物を得た。
(3)光反射性水分散型フッ素樹脂塗料塗装試験片の作製
ビチュメン基材(Imperbel S.A.−Derbigum社製 DERBIBRITE NT)に前記(2)で調製した水性二液型エポキシ系下塗り塗料組成物を、湿潤塗布量として約300g/mになるように刷毛塗りし、室温で1日乾燥させた。その後、あらかじめ前記組成に調製した光反射顔料を含む水性フッ素樹脂塗料組成物を湿潤塗布量として約150g/mになるよう刷毛で上塗りし、室温で1日乾燥させた。その後、該上塗りを再び同様に刷毛で重ね塗りした。このように上塗りを2回塗工後、室温で7日間乾燥させて実施例1の試験片(寸法8cm×28cm)を作製した。
比較例1:
光反射性白色ポリオレフィン系膜材(Soprema−klewa Gmbh Division FLAG Hochpolymere Abdichtungen製、商品名FLAGON TPO)を同寸法に切片したものを用意した。
比較例2:
未塗装ビチュメン基材を同寸法に切片したものを用意した。
(防汚性評価):
実施例1、比較例1、および比較例2の試験板について、屋外暴露前に、分光光度計(日立製作所製 U−4100)を用い、JIS K5602の手法にて、波長範囲780〜2500nmでの日射反射率を求めた。
このようにして各試験片の試験前初期値を求めた後、試験片を大阪にて、南面向き、傾斜30度のステンレス製暴露台に設置し、3ヶ月屋外暴露した。暴露後、各試験片について、あらかじめ保管しておいた実施例および比較例それぞれの控え試験片と目視外観を対比観察した。また、前記同様にJIS K5602の手法にて、暴露後の日射反射率を求めた。また、暴露前の初期値と暴露後値の差から日射反射率低下度を求めた。ここで、目視での汚れ付着が少なく、暴露後も日射反射率が高く保持されているほど、防汚性が優れていると判断した。
また、屋外暴露に用いたものとは別に、実施例1、比較例1および比較例2の各試験片を用意し、これを前記アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製の超促進耐候性試験機)にて、照射/結露/休止(11hr/11hr/1hr、照射中のシャワー頻度は10秒/1hr)のサイクルで644hr試験し、促進耐候性評価を行った。具体的には、目視外観(つやびけ度、変退色、クラック有無等の試料表面の経時変化を観察)、変退色度(色彩色差計を用い、CIE(国際照明委員会)規定式で求められる色差ΔE*)、チョーキング(指触、およびJIS K5600−8−6準拠した透明粘着テープ剥離時の転移物の程度)を観察した。これらにおける経時変化が軽微なものほど、耐候性に優れると判断した。
以下、表3に得られた結果を示す。
Figure 2012134464
備考: 塗装前のビチュメン基材はグレー色
上表記載のとおり、本発明の実施例1においては、暴露後の目視汚れ付着が軽微なこと、日射反射率の暴露前後の変動が少ないこと、促進耐候性試験での経時変化も少ないことから、比較例1のポリオレフィンゴムベースの光反射シートに対する明瞭な優位性が認められる。また、比較例2の未塗装ビチュメンでは、基材色がグレーのため、暴露後の汚れ付着は目視上目立たないが、基材自体の脱色白化が目視によって顕著に認められる。この現象は促進耐候性の結果においても同様の傾向を示しており、3ヶ月の屋外暴露や促進耐候性試験時に、紫外線、熱、水分等の屋外の環境要因による劣化の進行度合いが顕著なことを意味する。よって、実施例1は、耐候性の観点でも、比較例2に対し差別化がされている。
以上から、本発明の実施例は、防汚性、耐候性、太陽光反射能の持続性に優れており、長期耐久性および太陽電池の発電効率の長期維持に有用であることが示唆される。
実施例2および比較例3:
本発明の光反射層を複合してなる太陽電池システムの発電効率寄与効果に関し、以下の手法で評価を行なった。
ドイツ ヘルテン市のネットゼロエナジービルの屋上に試験用区画を2箇所(それぞれ100m)設けた。
このうちの一方の区画には、ビチュメン基材(Imperbel S.A.−Derbigum社製 DERBIBRITE NT)を平屋根上に設置し、次に示す光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料を塗布した。
塗工要領は、前記実施例1―(2)記載の水性二液型エポキシ系下塗りを所定量(前記実施例1と同じ塗布量)刷毛塗りして1日常温乾燥させた後、実施例1―(1)記載の光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料(ベース樹脂はダイキン工業(株)製ゼッフルSE−405)を刷毛で所定量(前記実施例1と同じ塗布量)を常温下1日間隔で2回上塗りを行ない、1週間乾燥させた。この塗装ビチュメン基材上に、Alwitra Gmbh社/Solyndra社製の平屋根用太陽電池システムである“Solyndra(登録商標) Solar SL001−182”を設置した。これを実施例2とした。
もう一方の区画には、比較対照として、光反射性白色ポリオレフィンゴム系膜材(Soprema−klewa Gmbh Division FLAG Hochpolymere Abdichtungen製、製品名FLAGON TPO)を平屋根上に設置し、この上に実施例2と同様に“Solyndra(登録商標) Solar SL001−182”を設置した。これを比較例3とした。
上記実施例2と比較例3の2つの太陽電池システムを一基のインバーターへ接続した。この状態で、光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料を塗布して得られる塗膜を設けたことによる発電量寄与効果を観察するため、以下に述べる計測を行なった。
i)
太陽電池の直流電流(インバーターの前で測定される)を6月〜9月末までの4ケ月間観察し、光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料を用いて塗布されたビチュメン基材の実施例2と、光反射性白色ポリオレフィンゴム系膜材を用いた比較例3とを比較した。それぞれの電流値は、電流変換器LEM LTS 6―NP(LEM社製)をメインコンポーネントとして構成された測定ボックスを用いて測定した。得られた総配電量の比較結果を表4に示す。
Figure 2012134464
表4から分かるように、比較対照区である光反射性白色ポリオレフィンゴム系膜材を用いた比較例3に対し、光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料を用いて塗布されたビチュメン基材の実施例2は、約9.3%の配電量の向上が認められた。
ii)
太陽電池の発電効率のひとつの指標である出力電圧は、一般に、温度の影響を受けやすい。すなわちモジュール自体の温度が低い値に維持されているほうが、より高い出力電圧を得やすい。そこで、実施例2と比較例3それぞれの太陽電池モジュール(前記のSolyndra社製モジュール)にThermasgard ATM―1―Uセンサー(S+S Regeltechnik Gmbh社製)を接続し、モジュール近傍温度を計測した。ここで、モジュール近傍温度は、太陽電池の太陽光に曝されている側の表面近傍の空気温度として測定した。6月13日〜6月19日の1週間において、比較例3(対照区)の温度に対する実施例2の場合の温度低下度(摂氏度の差)を表5に示す。具体的には、8:00〜18:00までにおける平均温度差と最大温度差を観察した。
Figure 2012134464
表5から分かるように、実施例2では、比較例3に対して、週間平均で4.5度、最大で10.2度の低下が確認されており、実施例2では、比較例3に対して顕著なモジュール温度の低下効果を得ることができる点が確認された。この結果から、本発明記載のシステムは、モジュール温度の観点でも発電効率助長にきわめて有利であることが示唆される。
反射光も活用する太陽電池システムとして極めて有用である。同時に、光反射層による建物への熱侵入量抑制によって、人間の活動空間の環境改善や空調負荷の低減にも寄与できる。本発明においては、従来用いられてきた炭化水素系樹脂ではなく、フッ素樹脂を必須の成膜成分とした光反射層を適用することで、該反射層への総合的な耐久性(耐候性、防汚性、耐薬品性、耐水性、光反射能保持性等)を付与しうる。それは、より高い発電効率の発現およびその長期維持、さらには、遮熱性の長期維持の観点でも極めて有利に作用しうる。このことから、このような発電システムの設置が可能で、かつ、遮熱性が必要な種々の用途への適用が考えられる。具体的には、例えば、近年、世界規模での環境保全・再生への取り組みの高まりから、建築および環境設備市場においては、ネットゼロエナジービル(別名 ゼロエミッションビル、エココマーシャルビル等とも呼ばれている)、即ち、太陽電池で所要電力の大部分を賄い、基本的にはビル外部からの電力を使わないコンセプトをもつビルの鋭意検討が急速に進められている。本発明システムは、前記したとおり、耐久性、および高発電効率とその長期保持性に優れることから、この分野への大きな有用性が考えられる。
なお、その他の適用用途としては、住宅、ビル(上記ネットゼロエナジービル以外の一般ビル)、ホテル、工場、化学プラント、店舗、倉庫、病院、学校、空港施設、港湾施設、貯蔵施設(例えば、石油、一般物品、飲食料品等)、農畜産業分野(例えば、畜舎、鶏舎、食品製造・加工建屋等)、運輸分野(例えば、船舶、航空機、自動車、鉄道車両、駅舎等)などが挙げられる。以上、諸用途を列挙したが、これらのみには限定されない。
1 表面保護層
2 封止層
3、203 発電素子
4、304 裏面保護層
5 発電素子
10、210、310、410、510、610、710 太陽電池
20 反射板
21 塗膜(反射層)
22 基材
30 屋根
100、200、300、400、500、600、700 太陽電池システム
420 反射板
620 塗膜
720 塗膜層
特開2007−35694号公報
本発明は、太陽電池システムに関する。
従来より、例えば、特許文献1(特開2007−35694号公報)に記載されているように、屋外に設置される太陽電池のバックシートについて、太陽電池の内部への水分の進入を抑制し、耐候性を良好にする機能を持たせたものが提案されている。
上述の特許文献1(特開2007−35694号公報)に記載の太陽電池は、太陽光入射側からのみ受光を行っている。
これに対して、太陽電池とは別部材として裏面側に反射板を配置させた、いわゆるシースルータイプの太陽電池システムが考案されている。このような太陽電池システムでは、太陽電池を通過した光を反射板によって反射させ、この反射光を太陽電池の裏面側で受光させることにより、発電効率の向上を図っている。そして、このような反射板としては、加工と取扱いが容易であり、安価であることから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ウレタン系、塩ビ系等の汎用炭化水素樹脂製のものが利用されている。
このような太陽電池システムの反射板は、できるだけ多くの太陽光を受光できる環境下に設けられて利用されるため、従来の炭化水素系樹脂製の反射板では、耐候性が十分ではないことによって経年劣化が生じやすい。このように反射板に劣化が生じると、反射板の光反射能も低下してしまうことがある。
また、この反射板は、車の排気ガスや、砂埃や、工場の排気ガス等による汚れが生じやすい環境下で利用されることで、反射板の表面が汚れてしまい、光反射能が低下してしまうことがある。
以上のようにして反射板の光反射能が低下してしまうと、太陽電池の発電効率を良好にすることができない。また、この反射板は、それ自体が建築物の構成部材の一部(例えば、屋根や壁)として包括使用される場合があるため、これらが劣化することは、該建築物の耐久性保持の観点でも好ましいことではない。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、耐候性、防汚性および太陽光反射性を長期にわたって良好に維持することが可能な反射層を備えた太陽電池システムを提供することにある。
本発明の第1観点に係る太陽電池システムは、太陽電池および反射層を備えている。太陽電池は、表面保護層、封止層および裏面保護層がこの順で積層されており、封止層の内部に受光部が配置されて構成されている。反射層は、太陽電池に対して太陽光入射側とは反対側に配置されており、常温塗工性または溶融成形性を有するフルオロオレフィン系重合体のフッ素樹脂と、光反射性顔料と、を含んでいる。受光部は、太陽光入射側で受光する第1受光部と、太陽光入射側とは反対側で受光する第2受光部と、を有する発電素子を有している。反射層は、太陽電池との間に空気を通過させるように離れて配置されている。
本発明の第観点に係る太陽電池システムは、第1観点係る太陽電池システムにおいて、反射層は、JIS K5602(2008)でJIS K5602(2008)の手法で求められる波長範囲780〜2500nmでの日射反射率が50%以上である。
本発明の第観点に係る太陽電池システムは、第1観点または観点係る太陽電池システムにおいて、基材をさらに備えており、反射層は、基材の表面に対して形成された塗膜である。
本発明の第観点に係る太陽電池システムは、第1観点または観点係る太陽電池システムにおいて、反射層は、光反射顔料が配合された熱可塑性フッ素樹脂を溶融加工することによって形成された樹脂成形体であるか、もしくは、無機織布を有しており、光反射顔料が配合された熱可塑性フッ素樹脂が溶融加工されて無機織布に担持されることで構成されている。
本発明の第5観点に係る太陽電池システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る太陽電池システムにおいて、反射層は、建物の屋根の外表面に設けられている。
本発明によれば、太陽電池システムにおける反射層の耐候性、防汚性および光反射性を良好にすることができるため、発電効率を良好な状態で維持することが可能になる。
本発明の太陽電池システムの第1実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第1実施形態の概略平面図である。 本発明の太陽電池システムの第1実施形態の概略外観斜視図である。 本発明の太陽電池システムの第2実施形態の概略外観斜視図である。 本発明の太陽電池システムの第3実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第4実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第5実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第6実施形態の概略断面図である。 本発明の太陽電池システムの第7実施形態の概略断面図である。
本発明の太陽電池システムは、太陽電池と反射層とを備えている。
太陽電池は、特に限定されるものではなく、例えば、構成素材において、結晶シリコン等を用いたシリコン系であってもよいし、レアメタル等を用いた化合物半導体系であってもよいし、有機物を含んだ有機系であってもよい。また、電池の形態において、薄膜型であっても、ハイブリッド型であっても、多接合型であっても、球状シリコン型であってもよい。また、太陽電池の設置場所については、反射層による反射光を受光できる位置であれば特に限定されるものではなく、例えば、建物の屋上、屋根の上、車両の上等に配置してもよいし、太陽電池自体を壁、窓、ひさし等として反射層を太陽とは反対側に配置してもよい。
反射層としては、太陽電池の下に配置されており、フッ素樹脂と光反射性顔料とを含んでいるものである限り特に限定されるものではなく、例えば、あらかじめ建築基材に対して塗料を塗布して形成させた塗膜や、既存の建物の一部(例えば、屋根や壁面や窓等)に対して塗料を塗布することで形成された塗膜や、塗工ではなく、熱可塑性フッ素樹脂に光反射性顔料を配合して得られた成形樹脂部材(例えば、膜材、ボード等)等のいずれの形態であってもよい。なお、塗膜は、太陽電池が設置される場所に既にある屋根や壁面の既存外表面に塗料を塗布して形成してもよいし、予めフィルムやシート状にしたものを公知方法を用い現場でラミネートしたり配置して形成されるものであってもよい。加えて、この際には、該屋根や壁面の既存旧表層を除去してから前記と同様に塗工またはラミネートしたり配置して形成させたものであってもよい。塗工ではない成形樹脂部材としては、フッ素樹脂と光反射性顔料とを含み、公知成形方法によって形成されるものであればよい。これらの諸施工手法の内、塗料を塗布乾燥させることで反射層を形成させる手法が、既存建築物への直接施工により、作業が容易であることから好ましい。なお、反射層は、例えば、光反射性顔料を含む層と、その表層に設けられたフッ素樹脂を含む層と、の複合層として構成されていてもよいし、フッ素樹脂と光反射性顔料とが共存した1つの層として構成されていてもよい。
以下、太陽電池と反射層について、具体的な例を挙げながら説明するが、本発明の太陽電池システムはこれに限定されるものではない。
<1>第1実施形態
本発明の第1実施形態の太陽電池システム100は、図1の断面図、図2の平面図、および、図3の外観概略斜視図においてそれぞれ示すように、太陽電池10と、太陽電池用光反射膜としての反射板20と、を備えている。
<1−1>太陽電池10の構成
太陽電池10は、互いに長手方向が平行になるように所定の間隔をあけながら複数並べられ、反射板20の上方に反射板20から離れて配置される。
ここで、「表側」とは太陽光入射側を示し、「裏側」とは太陽光の反射光入射側を示すものとする。
太陽電池10は、図1に示すように、太陽光入射側から、表面保護層1、封止層2、裏面保護層4の順に積層されて構成されており、封止層2の内部に発電素子3が配置されている。なお、太陽電池10は、目的に応じて、他の層が表層もしくは介在層として設けられていてもよい。
表面保護層1は、太陽電池10を表側から保護するために設けられており、例えば、光透過性のガラスもしくは樹脂によって構成されている。
発電素子3は、表側だけでなく、裏側においても、光を受光して発電することができるように、表側受光部(第1受光部)と裏側受光部(第2受光部)を有する受光部が設けられている。本実施形態の発電素子3は、平面視である図2に示すように、長手方向が互いに平行になるように並んで、互いに所定の間隔を開けて、重なり合わないように配置されている。
裏面保護層4は、太陽電池10を裏側から保護するために設けられており、例えば、光透過性のガラスもしくは樹脂によって構成されている。
封止層2は、表面保護層1と裏面保護層4との間の空間において、発電素子3の周囲を覆い尽くすように光透過性の充填剤が充填されて構成されている。この充填剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の加熱溶融させることで架橋し、硬化する材料が挙げられる。このような充填剤は、加熱溶融されることで、表面保護層1、裏面保護層4および発電素子3を一体化させることができる。
<1−2>反射板20の構成
反射板20は、図1に示すように、太陽電池10の下方に太陽電池10から離れて配置され、太陽電池10又はその周囲を通過した光を反射させる機能を有している。この反射板20によって反射した光は、発電素子3の裏面側に導かれるため、発電素子3の受光量を増大させることができる。
反射板20は、塗膜21と、基材22と、から構成されている。この反射板20の形状については、平らに形成されていてもよいし、多少湾曲して形成されていてもよいし、表面に凹凸が形成されていてもよいし、表面がなめらかに形成されていてもよい。
塗膜21(反射層)は、塗膜形成成分としてのフッ素樹脂と、太陽光反射機能を付与するための光反射性顔料と、を含んで構成されている。必要に応じ、該光反射塗膜層の下層に、中塗り塗膜、下塗り塗膜、シーラー層が設けられていてもよい。
基材22は、主として、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系樹脂によって構成されている。
<1−3>第1実施形態の特徴
第1実施形態の太陽電池システム100は、太陽電池10の表側については、図1に示すように、太陽光Aは、表面保護層1および封止層2を透過するために、発電素子3に対して表側から受光される。
また、太陽電池10の裏側については、図1に示すように、太陽光Bが、反射板20によって反射され、裏面保護層4および封止層2を透過することで、発電素子3に対して裏側から受光される。さらに、太陽電池10の裏側については、太陽電池10を透過していない太陽光Cについても、反射板20によって反射され、裏面保護層4および封止層2を透過することで、発電素子3に対して裏側から受光される。
このようにして、太陽電池システム100は、太陽電池10の発電素子3は、表側だけでなく裏側からの光も受光することができ、発電効率を上げることができている。
そして、反射板20の塗膜21は、光反射性顔料を含んで構成されているために、良好な光反射性を有することができる。また、この塗膜21は、フッ素樹脂を含んで構成されているために、耐候性、防汚性を良好に維持することができ、光反射性が良好な状態を長期間維持することができる。このため、太陽電池システム100は、裏側の受光状態を長期間良好に維持できるため、良好な発電効率を長期間維持することが可能になる。
なお、太陽電池10と反射板20とは、互いに離れて配置されているため、太陽電池10と反射板20との間に空気を通過させることも可能である。この場合には、太陽電池10と反射板20との間に滞留している高温空気が拡散されるために、太陽電池10を冷却させることができる。これにより、太陽電池10自体の温度が高まることに起因する内部構成における電気抵抗の増大を抑制させることができ、発電効率の向上にも有利である。
なお、反射板20は、基材22を用いて構成されているため、フッ素樹脂と光反射性顔料によって構成される塗膜21の厚みが薄い場合であっても、形状安定性に優れており、フッ素樹脂や光反射性顔料の使用量を少なく抑えることも可能になる。
<2>第2実施形態
上記第1実施形態の太陽電池システム100では、太陽電池10が、長手方向において互いに平行となるように複数並べて配置された発電素子3を有している場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図4に示すように、略方形の発電素子203が縦および横に、所定の間隔を開けて、互いに重ならないように、複数並んで配置された太陽電池210を備えた太陽電池システム200であってもよい。なお、他の構成は、第1実施形態と同様である。
この場合にも、上記第1実施形態と同様に、太陽電池210の発電素子203の間の部分を透過した光や、太陽電池210の周囲から入射した光を、反射板20が反射させることによって、発電素子203は表面側だけでなく裏面側においても受光を行い、発電効率を上げることができる。
<3>第3実施形態
上記第1実施形態等では、裏面保護層4が光透過性である場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図5に示すように、一部の光を反射させる裏面保護層304を有する太陽電池310を備えた太陽電池システム300であってもよい。なお、他の構成は、第1実施形態と同様である。
太陽電池310の発電素子3は、表側においては、表面保護層1や封止層2を通過した太陽光Aを受光しつつ、裏側においては、太陽電池310を通過して反射板20によって反射された太陽光Bや、太陽電池10を透過するとなく反射板20によって反射された太陽光Cや、裏面保護層304によって反射された太陽光Dについても受光することができる。
なお、裏面保護層304が経年劣化し、光反射性が良好でなくった場合には、太陽電池310の裏面保護層304を太陽電池310の裏面側から改めて塗布したとしても、光反射性を回復させることはできず、裏面保護層304を剥がして再度塗布する場合には発電素子3を傷つけてしまうおそれ等がある。これに対して、太陽電池システム300では、太陽電池310の下に配置されている対象(例えば、反射板20)に対してフッ素樹脂と光反射性顔料とを含む反射層(塗膜やシート等、いずれの形態であってもよい)を改めて設けることで、光反射性を回復させることができる。また、仮に、反射板20が非常に長い間用いられて経年劣化が生じたとしても、さらにその表層に反射層を形成させることで光反射性を回復させることができる。
<4>第4実施形態
上記第1〜3実施形態では、反射板20が、フッ素樹脂および光反射性顔料を含んで構成される塗膜21を有する場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図6に示すように、フッ素樹脂と光反射性顔料とが渾然一体化された材料によって形成された反射板420と、太陽電池410と、を備える太陽電池システム400であってもよい。
なお、この第4実施形態の太陽電池410の構成は、第1実施形態の太陽電池10と同様の構成であってもよいし、第2実施形態の太陽電池210と同様の構成であってもよいし、第3実施形態の太陽電池310と同様の構成であってもよい。
<5>第5実施形態
上記第1〜3実施形態では、反射板20が、フッ素樹脂および光反射性顔料を含んで構成される塗膜21を有する場合について、第4実施形態では、反射板420がフッ素樹脂と光反射性顔料を含む材料によって形成された場合について、それぞれ例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図7に示すように、反射板520と、太陽電池510と、を備える太陽電池システム500であってもよい。この反射板520は、上記実施形態と同様の基材22と、フッ素樹脂を含む材料によって形成された表面膜521aと、基材22と表面膜521aとの間に設けられており、光反射性顔料を含む材料によって形成された反射層521bと、を有して構成されている。
なお、この第5実施形態の太陽電池510の構成は、第1実施形態の太陽電池10と同様の構成であってもよいし、第2実施形態の太陽電池210と同様の構成であってもよいし、第3実施形態の太陽電池310と同様の構成であってもよい。
<6>第6実施形態
上記第1〜5実施形態では、基材22に対して、フッ素樹脂等を含む層が形成された場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図8に示すように、建物の屋根30の外表面に、フッ素樹脂および光反射性顔料を含む塗膜620が形成されており、太陽電池610を備える太陽電池システム600であってもよい。
建物の屋根30は、板部材31や、断熱材32や、図示しない金属やコンクリートによって構成される。この板部材31は、例えば、主として、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系樹脂から構成されている。
塗膜620は、フッ素樹脂および光反射性顔料を含む塗料を塗布して、乾燥させることで得られる。
この第6実施形態の太陽電池システム600では、屋根30に対して塗膜620を形成するだけで、太陽電池610の裏側からの光を発電に利用することが可能となり、上記第1〜第5実施形態のように基材を別途設ける必要がない。また、塗膜620を形成する前の屋根30の表面が凹凸形状であったり、湾曲形状していたとしても、塗料を塗布することで容易に塗膜620を形成して、太陽電池610の裏側での発電を可能にすることができる。
なお、この第6実施形態の太陽電池610の構成は、第1実施形態の太陽電池10と同様の構成であってもよいし、第2実施形態の太陽電池210と同様の構成であってもよいし、第3実施形態の太陽電池310と同様の構成であってもよい。
<7>第7実施形態
上記第6実施形態では、塗膜620が、フッ素樹脂および光反射性顔料を含んで構成される場合について例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図9に示すように、建物の屋根30の外表面に、塗膜層720が形成されており、太陽電池710を備える太陽電池システム700であってもよい。
この塗膜層720は、フッ素樹脂を含む材料によって形成された表面膜721aと、光反射性顔料を含む材料によって形成された反射層721bと、を有して構成されている。
建物の屋根30は、上記第6実施形態と同様である。
塗膜層720は、光反射性顔料を含む塗料を塗布して乾燥させることで反射層721bを形成した後、その上に(または、必要により他の層を介在させて)、フッ素樹脂を含む塗料を塗布して乾燥させることで表面層721aを形成させることで得られる。
この第7実施形態の太陽電池システム700では、屋根30に対して塗膜層720を形成するだけで、太陽電池710の裏側からの光を発電に利用することが可能となり、上記第1〜第5実施形態のように基材を別途設ける必要がない。また、塗膜層720を形成する前の屋根30の表面が凹凸形状であったり、湾曲形状していたとしても、塗料を塗布することで容易に塗膜層720を形成して、太陽電池710の裏側での発電を可能にすることができる。
なお、この第7実施形態の太陽電池710の構成は、第1実施形態の太陽電池10と同様の構成であってもよいし、第2実施形態の太陽電池210と同様の構成であってもよいし、第3実施形態の太陽電池310と同様の構成であってもよい。
<8>第1〜第3実施形態の塗膜21、第6実施形態の塗膜620の詳細
第1〜第3実施形態の塗膜21、および、第6実施形態の塗膜620(以下、<8>の欄において、「塗膜」という。)は、フッ素樹脂と光反射性顔料を含有する塗料組成物を塗布、乾燥させることで得られる。以下、フッ素樹脂および光反射性顔料について、具体例を挙げて説明するが、これらに限定されるものではない。
<8−1>フッ素樹脂
フッ素樹脂としては、常温塗工可能または融点以上400℃未満の温度下で溶融成型可能なフッ素樹脂が好ましい。このようなフッ素樹脂としては、例えば、特開2010−247522号公報の段落0023に記載されるようなポリマーが挙げられるがこれらのみに限定されるものではない。特に耐候性、耐水性、耐薬品性、汚れ除去性等に優れる点から、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)/テトラフルオロエチレン共重合体(TFE)、VdF/TFE/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VdF/TFE/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体(PFA)、エチレン(Et)/TFE共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などフルオロオレフィン系ポリマー;TFEやCTFE、HFPなどのフルオロオレフィンと官能基含有モノマーを共重合した硬化性官能基含有フルオロオレフィン系ポリマーなどが好ましい。これらのうち、特に、溶剤可溶性である溶剤可溶型フッ素樹脂または水分散可能である水分散型フッ素樹脂であり、常温塗工性に優れるものが現場容易施工性の観点で好ましい。
<8−1−1>溶剤可溶型フッ素樹脂
この溶剤可溶型フッ素樹脂としては、耐候性、溶剤溶解性、硬化性、耐薬品性、透明性、製造容易性、容易塗料化性、容易塗工性等に優れる点から、特開2007−35694号公報の段落0024から0050に記載の硬化性官能基含有フルオロオレフィン系ポリマーが好ましく例示できる。例えば、TFE/イソブチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/バーサチック酸ビニル/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/VdF/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体などがあげられ、これらの内、TFE/イソブチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/バーサチック酸ビニル/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体が、顔料分散性、共重合性、耐候性、耐薬品性等に優れている点でとくに好ましい。これらTFE系の硬化性共重合体としては、例えば、ダイキン工業(株)製のゼッフルGK(登録商標)のシリーズなどが例示できる。この他に適用できる硬化性官能基含有フルオロオレフィン系重合体としては、例えば、CTFE/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体などが挙げられ、具体例としては、旭硝子(株)製のルミフロン(登録商標)、大日本インキ製造(株)製のフルオネート(登録商標)、セントラル硝子(株)製のセフラルコート(登録商標)、東亜合成(株)製のザフロン(登録商標)などが例示できる。
これら溶剤可溶型フッ素樹脂に光反射顔料を公知の方法を用いて分散配合し、必要に応じて、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、つや消し剤、沈殿防止剤、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、UV吸収剤、光安定剤、溶剤、低汚染化剤(WO96−26254、特開2004−10832等に例示されている加水分解性フルオロオルガノシロキサン)等を添加して調製することにより、本発明に必須の光反射塗料組成物として用いることができる。なお、硬化剤や硬化促進剤としては、特開2010−247522号公報の段落0028や特開2007−35694号公報の段落0054〜0055に例示のイソシアネート系、メラミン系の硬化剤、アルミ系、スズ系等有機金属系触媒、酸系、アミン系触媒等が適用できる。
<8−1−2>水分散型非架橋性フッ素樹脂
この水分散型非架橋性フッ素樹脂としては、耐候性、耐薬品性、製造容易性、容易塗料化性、容易塗工性等に優れる点から、WO95/08582(特願平7−509677)の段落5〜13の発明を実施するための最良の形態の欄に記載の、ビニリデンフルオライド(VdF)70〜95%およびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)5〜30%を含んでなる含フッ素共重合体粒子を含む水性分散液中で該含フッ素共重合体粒子100部(重量部。以下同様)の存在下に、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル20〜100部をシード重合させて得られる、VdF,CTFE以外の第3の共重合可能な単量体を共重合成分として含んでいてもよい含フッ素共重合体水性分散液を、好ましい例として挙げることができる。第3の共重合可能な単量体としてはTFE、ビニルフルオライド(VF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロエチレン(TrFE)などが挙げられるが、TFEが好ましく用いられる。この第3の単量体は複数用いてもよい。第3の共重合可能な単量体の含有量は0〜30%、好ましくは10〜25%、より好ましくは10〜20%である。これらVdF系共重合体としては、例えば、ダイキン工業(株)製のゼッフルSE(登録商標)のシリーズなどが例示できる。
これら水性分散型非架橋性フッ素樹脂についても、同様に光反射顔料を公知の方法を用いて分散配合し、必要に応じて、成膜助剤、凍結防止剤、つや消し剤、消泡剤、レベリング剤、PH調整剤、沈殿防止剤、分散剤、防腐剤、UV吸収剤、光安定剤等を添加して調製することにより、本発明に必須の光反射塗料組成物として用いることができる。
<8−1−3>水分散型架橋性フッ素樹脂
本発明において適用できる水分散型フッ素樹脂として、水分散型架橋性フッ素樹脂も挙げられる。具体的には、例えば、WO2007/071323 A1公報の3頁の15行目〜8頁の11行目に記載されている架橋性基含有水分散型フルオロオレフィン共重合体である。これらの方法で得られた該架橋性フッ素樹脂分散体に、前記<8−1−2>水分散型非架橋性フッ素樹脂と同様に光反射顔料を公知の方法を用いて配合し、同公報8頁の27行目〜13頁の19行目に例示の水分散性硬化剤を必須に配合し、必要に応じ、硬化促進剤、成膜助剤、凍結防止剤、つや消し剤、消泡剤、レベリング剤、PH調整剤、沈殿防止剤、分散剤、防腐剤、UV吸収剤、光安定剤等を添加して調製し、光反射塗料組成物として用いることができる。
<8−2>光反射性顔料
光反射性顔料としては、例えば、特開2010−247522号公報の段落0015から0019に記述されたものが好ましく例示できる。具体的には、赤外線領域の光反射効率が特に優れる無機系光反射顔料、有機系光反射顔料、これらの併用系が適用できる。
該無機系顔料としては、たとえばガラス微粉末、ガラスバルーン、セラミックビーズなどのセラミック系顔料;アルミニウムや鉄、ジルコニウム、コバルトなどの金属細片系顔料;酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、チタン酸ナトリウム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化セリウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物系顔料;酸化鉄−酸化マンガン、酸化鉄−酸化クロム、酸化銅−酸化マグネシウムなどの複合酸化物顔料;SiとAlやFe、マグネシウム、マンガン、ニッケル、チタン、クロム、カルシウムなどの金属系顔料;さらに鉄−クロム、ビスマス−マンガン、鉄−マンガン、マンガン−イットリウムなどの合金系顔料;マイカ、窒化ケイ素、表面処理を施した被覆顔料、光輝顔料、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが知られており、本発明においても単独、または2種以上を併用することができる。
また、該有機系顔料としては、たとえば可視領域の光を吸収しかつ赤外領域の光の反射率が高い、たとえば反射率10%以上のものが好ましく、アゾ系顔料、アゾメチン系顔料、レーキ系顔料、チオインジゴ系顔料、アントラキノン系顔料(アントアンスロン顔料、ジアミノアンスラキノニル顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、アントラピリミジン顔料など)、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、キニフタロン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料などの1種または2種以上が例示できる。
無機系光反射顔料、有機系光反射顔料の具体例としては、上記参考特許文献に記載されている大日本インキ化学工業(株)製のFASTOGEN(登録商標)のシリーズや、CERDEC社製の赤外線反射顔料、大日精化工業(株)製のクロモファイン(登録商標)のシリーズ、ダイピロキサイド(登録商標)のシリーズ、シェファードカラー社製のARCTIC(登録商標)の(C)シリーズ、堺化学工業(株)製の酸化チタン、石原産業(株)製の酸化チタン(タイペーク(登録商標)のシリーズ)、デュポン社製の酸化チタン(タイピュア(登録商標)のシリーズ)のほか、HUNTSMAN社の酸化チタン(TIOXIDE(登録商標)のシリーズ)などがあげられるが、これらのみに限定されるものではなく、また、これら光反射顔料を複数種併用してもよい。
上記の光反射顔料において、とくに高い光反射能を持つ観点で、白色顔料である二酸化チタンが好ましい。これはアナターゼ型およびルチル型酸化チタンのいずれであってもよいが、屋外環境下で使用される場合の長期耐候性を良好にする観点から、ルチル型がとくに好ましい。ここで、一般に、白色顔料である二酸化チタンは、酸化作用が強いため、汎用非フッ素樹脂に配合した場合は、皮膜の劣化を早める傾向があるが、本発明ではフッ素樹脂に配合して用いられるため、光反射皮膜層の耐候性および反射性能を良好なまま長期間維持することが可能になる。
光反射性顔料の平均粒子径は、用途や塗工条件等に応じ任意に設定すればよく、とくに限定されるものではないが、塗工で得られる塗膜の外観や性能の観点から、JIS K5600 2−5に記載のグラインドゲージで測定される粒度として、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。50μm以下の粒度にすることで、乾燥塗膜の肌が粗面化することを抑制して外観をより良好にすることができる。すなわち、乾燥塗膜の肌が粗面化することを抑制することで、該粗面における塵埃の付着を回避でき、光反射能を良好に維持することで、遮熱性悪化を抑制することができる。また、日照時に塗膜表面温度が上がった場合であっても、それによって汚れが付着しやすくなることを回避でき、美匠性、防汚性、耐候性等を良好にすることができる。
光反射性顔料配合量(二酸化チタンをはじめとする無機系反射顔料と有機系反射顔料の合計量)は、とくに限定されるものではないが、光反射特性と、塗膜の隠蔽性、美匠性、塗工性等のバランス確保の観点から、その配合比率は、塗膜中のフッ素樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜400質量部であり、より好ましくは30〜300質量部、さらに好ましくは50〜200質量部である。該配合比率が10質量部以上にすることで、光反射性や下地隠蔽性をより十分に確保することができる。また、400質量部以下にすることで、塗料化容易性、適性分散粒度、容易塗工性、塗膜平滑性等をより良好にすることができる。
また、通常に使用される他の顔料や充填剤を遮熱効果が損なわれない範囲で配合してもよい。他の顔料や充填剤としては、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレーなどが例示できる。
<8−3>塗料および塗膜
本発明におけるフッ素樹脂と光反射性顔料を含有する塗料組成物は、サンドグラインダー、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、三本ロール、遠心式混合装置等、公知分散装置を用いて調製することができる。その際、必要に応じて、沈殿防止剤、分散剤、希釈剤、つや消し剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤、溶剤、UV吸収剤、光安定剤、重ね塗り接着性改良剤等を配合することができる。なお、前記<8−1−1>の溶剤可溶型フッ素樹脂のうち架橋タイプのものをベースに調製した場合、または前期<8−1−3>水分散型架橋性フッ素樹脂をベースに調製した場合、塗工時に硬化剤を配合し、硬化促進剤を任意で配合して塗工に供する。
このようにして調製された塗料は、第1〜第3実施形態であれば基材22に塗布されることで塗膜21が形成され、第6実施形態であれば屋根30に対して塗布されることで塗膜620が形成される。なお、上記塗工を行う前に、シーラー塗布、下塗り塗布、中塗り塗布を行ってもよい。これら下塗り塗料や中塗り塗料は、基材の種類や、塗工前の基材表面状態に合わせて適宜選定すればよく、とくに限定されないが、公知の水系または溶剤系のエポキシ樹脂系、変性エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、硬化型アクリル樹脂系、ウレタン系、アクリルシリコン樹脂系、無機系塗料等が適用できる。なお、これらを塗工時に、基材や光反射性顔料含有フッ素樹脂上塗り層との密着性に支障がないかぎり、水系の塗材を用いるのが、とくに屋外塗工時の環境負荷の観点で好ましい。しかし、基材表面や既存旧塗膜が侵される等の不具合がなければ、必要に応じて溶剤系のものを適用してもよい。また、下塗り、中塗りに用いられる顔料や塗色もとくには限定されないが、これら下塗りおよび中塗りの塗料組成物中にも、必須ではないが、前記<8−2>の光反射性顔料を含んでいることが、本発明実施形態の最表層に設けられる光反射層を透過する微少赤外線による該下塗り層または中塗り層での蓄熱を抑制することができ、本発明実施形態において得られる遮熱性の補助の観点で好ましい。塗色についても、それら乾燥塗膜の明度(色彩色差計で測定されるCIE(国際照明委員会)規定のL*値)がおよそ80以上、より好ましくは85以上、さらに好ましくは90以上あること、または、マンセル値(JIS Z8102(2008)規定)がN8以上、より好ましくはN8.5以上、さらにはN9以上を有する無彩色(マンセル色座標空間において彩度をもたず、明暗だけで、即ち白と黒の混合で定義される色のこと)であることが、とくに好ましい。塗色明度L*が80以上であること、またはマンセル値がN8以上であることで、前記同様に、微少透過赤外線による蓄熱を抑制し、遮熱性補助に有効である。
ここでの塗工方法としては、公知の方法を用いることができる。それらとしては、例えば、刷毛、ハンドローラー、自動圧送ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、フローコーター、ロールコーター、スピンコーター等が挙げられる。
塗装温度は塗装形態における通常の条件の範囲内で行えばよく、塗膜の乾燥または硬化も溶剤型塗料組成物の場合、10〜300℃、通常は常温(20〜30℃)で行う。水系塗料組成物の場合は、10〜100℃、通常は常温(20〜30℃)で行う。いずれの塗料組成物においても、必要に応じ、適宜調整して行なえばよい。
また、形成される光反射塗膜(シーラー、下塗り、中塗り等を除く最表層のフッ素樹脂ベース塗膜層について)の所要乾燥膜厚は、用途や塗工方法等、諸条件により異なり特に限定されないが、好ましくは5〜400μmであり、より好ましくは20〜200μmであり、さらに好ましくは、30〜100μmである。該膜厚が5μm以上とすることで、塗工時における塗膜欠陥の発生を抑制し、水分その他の劣化誘引要因の影響を受けにくくすることで、より長期の耐久性を付与することが可能になる。一方、膜厚が400μm以下とすることで、厚塗り塗工時の気泡抜けの悪さを回避したり、塗膜のたれを抑制したり、塗膜の乾燥性をより良好にする等、塗工性や最終的な仕上がり肌をより良好にすることができる。なお、一回の塗工操作で所要膜厚の確保が困難な際は、塗工を分割・反復するなどすることで、適宜調整すればよい。
また、得られた塗膜の光反射性は、JIS K5602(2008)によって測定・算出される波長範囲780〜2500nmでの日射反射率が、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
なお、第1〜第3実施形態における基材22の厚みについては特に限定されるものではなく、太陽電池の下方に配置した状態で形状を保持できる程度の厚みがあればよい。
<9>第1〜第3、第5実施形態の基材22の詳細
基材22としては一般的な建築用に用いられるものでありとくに限定されない。例えば、ポリエステル、FRP、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラスチック系基材;、トタン(亜鉛メッキ)、ガルバリウム鋼板、ブリキ、鉄鋼、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属系基材:ビチュメン、スレート、ALC板、フレキシブルボード、コンクリートブロック、モルタル、石膏板、コンクリート、ブラスターなどのセラミックス系基材;ハードボード、シナベニヤ、ラワン材、広葉樹単板、針葉樹単板などの木質系基材が例示できる。
<10>第4実施形態の反射板420の詳細
本発明実施形態としては、フッ素塗料組成物を塗工するのではなく、あらかじめ公知の方法で熱可塑性フッ素樹脂に光反射顔料を配合し、適用の条件を用いて溶融成形し、所要形状の光反射性部材、例えば膜材、シート、ボード等を作製し、それらを建築物の所要部位に設置し、その上に太陽電池モジュールを設けるという手法をとってもよい。
適用できる熱可塑性フッ素樹脂としては、入手容易性、容易熱加工性、耐候性、耐水性、耐薬品性、汚れ除去性等に優れる点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体(PFA)、TFE/ヘキサフルオロプロピレン)(FEP)、エチレン(Et)/TFE共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)/テトラフルオロエチレン共重合体(TFE)、VdF/TFE/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VdF/TFE/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体、ポリフッ化ビニル(PVF)などのフルオロオレフィン系ポリマーが好ましい。
これらの中でも、とくに容易熱加工性と化学的安定性に優れる観点で、TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体(PFA)、TFE/ヘキサフルオロプロピレン)(FEP)、エチレン(Et)/TFE共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などがさらに好ましい。
これらの樹脂に前記光反射顔料、および必要に応じ任意補助材料(例えば、充填剤、酸化防止剤、分散安定剤、加工性改良剤等)を配合し、例えば、押し出し成形法や圧縮成形法を用い、少なくともそのフッ素樹脂の融点以上400℃未満の温度で処理して、シート、ボード状に成形することができる。前記適用熱可塑性フッ素樹脂の内、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いる場合は圧縮成形法が、それ以外のPFA、FEP、ETFE、PCTFE等の場合には押し出し成形法または圧縮成形法が好ましく適用できる。得られた成形体をそのまま建築物の目的部位に設置して本発明の太陽光反射部材としてもよいし、あらかじめ所要基材に熱圧着法や公知接着剤を用いて接着する等の手段で固定し、それを該反射部材として用いてもよい。これらの成形シートやボードの厚みは、用途や条件に応じて適宜選択すればよく、とくに限定はされないが、容易成形性、機械的堅牢性、製造コスト等の観点で0.01〜50mmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜40mmである。さらに好ましくは1〜30mmである。0.01mm以上とすることで、容易成形性や機械的堅牢性をより充分なものとすることができる。また、50mm以下とすることで、製造コストや単位面積当たりの重量を抑制することができる。
また、別の公知の方法として、これらポリマーの水性分散体に、前記光反射顔料を必須に、および必要に応じ任意補助材料(例えば、充填剤、消泡剤、酸化防止剤、分散安定剤、加工性改良剤等)を配合して熱可塑性フッ素樹脂組成物を調製しておき、これをガラスクロス等の建材用無機系織布に含浸塗布後、少なくともそのフッ素樹脂の融点以上400℃未満の温度で焼成することで、フッ素樹脂を建材用無機系織布に担持させるようにして被覆させた膜構築材を得ることもできる。これらを目的の建築物へ設置し、本発明の光反射層として用いることができる。織布への含浸塗布量は、織布の厚みや、用途、条件に応じて適宜選択すればよく、とくに限定されないが、基材隠蔽性、耐久性、仕上がり外観等の観点で、乾燥塗布量が5〜1000g/m2であり、好ましくは50〜700g/m2であり、さらに好ましくは100〜500g/m2である。塗布量を5g/m2以上とすることで、隠蔽不足や成膜欠陥の発生を抑制し、耐久性をより良好にする(侵入水分や紫外線等による織布の劣化を抑制する)ことが可能になる。また、1000g/m2以下とすることで、最終的に得られる含浸織布の風合いを良好にしたり、仕上がり肌を良好にしたり、製造コストを低く抑えることが可能になる。なお、これら無機織布への含浸塗布時には、該操作を分割・反復して焼成し、少しずつ積層して所要乾燥塗布量を得ることが好ましい。この手法により、焼成成膜時のマッドクラックの発生抑制を図り、皮膜欠陥の少ない、より高品質の光反射性フッ素樹脂被覆を施した膜構築材を得ることができる。
<11>第5実施形態の塗膜520、第7実施形態の塗膜層720の詳細
本発明における実施形態の一つとして、基材上に非フッ素系成膜性樹脂と光反射顔料を必須に含む塗膜層を設け、その後で、着色顔料を含まないクリアフッ素樹脂層を塗工またはラミネートするという方法をとってもよい。汎用樹脂ベースの光反射層上へ、いわゆるフッ素樹脂のトップクリア皮膜層を設けることにより、トータルコスト低減に有利となる。前記非フッ素系成膜性樹脂は、有機溶剤に可溶または水分散可能で、塗工して常温成膜できるもの、または、およそ30〜300℃の温度で乾燥成膜できるものが好ましく、公知のものが適用できる。
これらとしては、例えば、特開2010−247522号公報の段落0021から0022に記載されているような、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、エーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレン樹脂、シリコーン樹脂などの溶剤可溶型樹脂;酢酸ビニル樹脂、水溶性または水分散性アクリル系樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、水溶性または水分散性フッ素樹脂、水溶性または水分散性ウレタン樹脂、水溶性または水分散性メラミン樹脂、水溶性または水分散性ポリエステルなどの水溶性または水分散性樹脂のほか、塗料用無機樹脂などが例示できる。これらのなかでも、入手容易性、容易取扱い性、耐久性、耐熱性、耐光性、耐薬品性などに優れる点から、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、シリコーン樹脂などが好ましい。これらに、前記<8−2>の光反射性顔料やその他任意補助材料を、<8−3>の記述と同様の手法で配合して塗料組成物を調製し、塗工に供することができる。その場合の塗工は前記記述と同様に、既存の建築物のある現場にて目的部位に塗工する手法でもよく、または、工場において基材上に対して塗工することで予め建築物の構成要素を得て、その得られた構成要素を建築物の目的部位に設置するという手法をとってもよい。このようにして、あらかじめ非フッ素樹脂ベースの光反射層を設けた後、光反射顔料やその他の着色顔料を含まない成膜性フッ素樹脂組成物をトップクリア塗工して、光反射層の上層にクリアフッ素樹脂層を有する形態を得ることができる。
トップクリア層に適用できるフッ素樹脂は、前記<8−1−1>および<8−1−2>に例示の溶剤可溶型フッ素樹脂または水分散型フッ素樹脂であり、光反射顔料およびその他着色顔料を配合しない以外は、前記<8−3>と同様に必要に応じて諸補助材料を配合してクリア塗料組成物を調製すればよい。一般にフッ素樹脂のクリア塗膜は光線透過率が高く、この層の下側に位置する光反射性非フッ素樹脂系皮膜の透過紫外線による劣化抑制の観点で、トップクリア塗工に供するフッ素樹脂組成物には、用途や施工環境により必須ではないが、UV吸収剤、光安定剤等、光劣化抑制用の添加剤を単独または併用配合するのが望ましい。それらの総添加量は、トップクリア層のフッ素樹脂100質量部に対し、0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜20質量部であり、さらに好ましくは、1〜10質量部である。0.1質量部以上とすることで、光劣化抑制効果を充分に得ることができる。また、30質量部以下とすることで、塗工時の成膜性を損なうことなく、塗膜表面の油膜状層が生じること等による粘着感を抑制し、屋外における汚れを付着しにくくすることができる。なお、このトップクリア組成物の塗工は前記<8−3>の記述と同様の手法で行なうことができる。
<12>評価
上記各実施形態を評価するための試験方法および測定方法は、次のとおりである。
(日射反射率)
JIS K5602(2008)記載の方法で測定し算出された波長範囲780〜2500nmにおける日射反射率から評価することができる。
(防汚性)
防汚性は、以下の基準で評価することができる。
屋外暴露による防汚性評価条件:試験板(寸法は任意)を大阪府南面向き、傾斜30度のステンレス製暴露台に設置し、比較試料との差異がでるまで屋外暴露する。暴露前後の目視外観、日射反射率(JIS K5602手法)の観察を行なう。
目視での汚れ付着が少なく、日射反射率が高く保持されているほど、防汚性に優れると評価する。
(耐候性)
耐候性は、以下の屋外暴露の手法もしくは促進耐候性評価の手法に沿って評価することができる。
屋外暴露:基本的に前記屋外防汚試験と同一手法で試料の経時変化を観察する。汚れ付着以外の表層劣化(つやびけ、変退色、クラック、チョーキング(塗膜内部から表層への顔料露出による粉ふき)等)の評価項目について判定する。
促進耐候性:試料を、アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製の超促進耐候性試験機)にて、照射/結露/休止(11hr/11hr/1hr、照射中のシャワー頻度は10秒/1hr)のサイクルで644hr試験し、同様に試料表面の経時変化を観察する。試験中の平均照度は100mw/cm2であり、温度、湿度条件は以下の表1の設定である。
Figure 2012134464
以下、本発明における実施例とその効果について述べるが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1:
(1)光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料組成物(上塗り塗料)の調製:
フッ化ビニリデン系共重合体水性分散体(ダイキン工業(株)製 ゼッフルSE−405)64.78質量部を容器に計量し、プロペラ式攪拌機を用い、回転数300回転の攪拌下で、成膜助剤(ジエチルアジペート)4.83質量部、濃度が28%のアンモニア水0.59質量部、および予め下記の表2の組成に調製した光反射顔料ミルベース27.79質量部を加えて30分間攪拌する。その後、ポリウレタンタイプ増粘剤溶液(旭電化工業(株)製 アデカノールUH420をイオン交換水で濃度10mass%に調製したもの)1.91質量部、シリコーン系消泡剤(ダウコーニング社製 DC 65 ADDITIVE)0.1質量部を加え、さらに30分間攪拌し、実施例1の光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料組成物を得た。
Figure 2012134464
(2)水性二液型エポキシ系下塗り塗料組成物の調製:
市販の水性二液型エポキシ系下塗り塗料((株)コスモテクノロジー製 HLGシステム特殊プライマースーパーA剤とB剤を体積比1対1で予め混合)を容器に100質量部計量し、そこへ表2の光反射顔料ミルベースを30質量部配合して、光反射顔料含有水性二液型エポキシ系下塗り塗料組成物を得た。
(3)光反射性水分散型フッ素樹脂塗料塗装試験片の作製
ビチュメン基材(Imperbel S.A.−Derbigum社製 DERBIBRITE NT)に前記(2)で調製した水性二液型エポキシ系下塗り塗料組成物を、湿潤塗布量として約300g/m2になるように刷毛塗りし、室温で1日乾燥させた。その後、あらかじめ前記組成に調製した光反射顔料を含む水性フッ素樹脂塗料組成物を湿潤塗布量として約150g/m2になるよう刷毛で上塗りし、室温で1日乾燥させた。その後、該上塗りを再び同様に刷毛で重ね塗りした。このように上塗りを2回塗工後、室温で7日間乾燥させて実施例1の試験片(寸法8cm×28cm)を作製した。
比較例1:
光反射性白色ポリオレフィン系膜材(Soprema−klewa Gmbh Division FLAG Hochpolymere Abdichtungen製、商品名FLAGON TPO)を同寸法に切片したものを用意した。
比較例2:
未塗装ビチュメン基材を同寸法に切片したものを用意した。
(防汚性評価):
実施例1、比較例1、および比較例2の試験板について、屋外暴露前に、分光光度計(日立製作所製 U−4100)を用い、JIS K5602の手法にて、波長範囲780〜2500nmでの日射反射率を求めた。
このようにして各試験片の試験前初期値を求めた後、試験片を大阪にて、南面向き、傾斜30度のステンレス製暴露台に設置し、3ヶ月屋外暴露した。暴露後、各試験片について、あらかじめ保管しておいた実施例および比較例それぞれの控え試験片と目視外観を対比観察した。また、前記同様にJIS K5602の手法にて、暴露後の日射反射率を求めた。また、暴露前の初期値と暴露後値の差から日射反射率低下度を求めた。ここで、目視での汚れ付着が少なく、暴露後も日射反射率が高く保持されているほど、防汚性が優れていると判断した。
また、屋外暴露に用いたものとは別に、実施例1、比較例1および比較例2の各試験片を用意し、これを前記アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製の超促進耐候性試験機)にて、照射/結露/休止(11hr/11hr/1hr、照射中のシャワー頻度は10秒/1hr)のサイクルで644hr試験し、促進耐候性評価を行った。具体的には、目視外観(つやびけ度、変退色、クラック有無等の試料表面の経時変化を観察)、変退色度(色彩色差計を用い、CIE(国際照明委員会)規定式で求められる色差ΔE*)、チョーキング(指触、およびJIS K5600−8−6準拠した透明粘着テープ剥離時の転移物の程度)を観察した。これらにおける経時変化が軽微なものほど、耐候性に優れると判断した。
以下、表3に得られた結果を示す。
Figure 2012134464
上表記載のとおり、本発明の実施例1においては、暴露後の目視汚れ付着が軽微なこと、日射反射率の暴露前後の変動が少ないこと、促進耐候性試験での経時変化も少ないことから、比較例1のポリオレフィンゴムベースの光反射シートに対する明瞭な優位性が認められる。また、比較例2の未塗装ビチュメンでは、基材色がグレーのため、暴露後の汚れ付着は目視上目立たないが、基材自体の脱色白化が目視によって顕著に認められる。この現象は促進耐候性の結果においても同様の傾向を示しており、3ヶ月の屋外暴露や促進耐候性試験時に、紫外線、熱、水分等の屋外の環境要因による劣化の進行度合いが顕著なことを意味する。よって、実施例1は、耐候性の観点でも、比較例2に対し差別化がされている。
以上から、本発明の実施例は、防汚性、耐候性、太陽光反射能の持続性に優れており、長期耐久性および太陽電池の発電効率の長期維持に有用であることが示唆される。
実施例2および比較例3:
本発明の光反射層を複合してなる太陽電池システムの発電効率寄与効果に関し、以下の手法で評価を行なった。
ドイツ ヘルテン市のネットゼロエナジービルの屋上に試験用区画を2箇所(それぞれ100m2)設けた。
このうちの一方の区画には、ビチュメン基材(Imperbel S.A.−Derbigum社製 DERBIBRITE NT)を平屋根上に設置し、次に示す光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料を塗布した。
塗工要領は、前記実施例1―(2)記載の水性二液型エポキシ系下塗りを所定量(前記実施例1と同じ塗布量)刷毛塗りして1日常温乾燥させた後、実施例1―(1)記載の光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料(ベース樹脂はダイキン工業(株)製ゼッフルSE−405)を刷毛で所定量(前記実施例1と同じ塗布量)を常温下1日間隔で2回上塗りを行ない、1週間乾燥させた。この塗装ビチュメン基材上に、Alwitra Gmbh社/Solyndra社製の平屋根用太陽電池システムである“Solyndra(登録商標) Solar SL001−182”を設置した。これを実施例2とした。
もう一方の区画には、比較対照として、光反射性白色ポリオレフィンゴム系膜材(Soprema−klewa Gmbh Division FLAG Hochpolymere Abdichtungen製、製品名FLAGON TPO)を平屋根上に設置し、この上に実施例2と同様に“Solyndra(登録商標) Solar SL001−182”を設置した。これを比較例3とした。
上記実施例2と比較例3の2つの太陽電池システムを一基のインバーターへ接続した。この状態で、光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料を塗布して得られる塗膜を設けたことによる発電量寄与効果を観察するため、以下に述べる計測を行なった。
i)
太陽電池の直流電流(インバーターの前で測定される)を6月〜9月末までの4ケ月間観察し、光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料を用いて塗布されたビチュメン基材の実施例2と、光反射性白色ポリオレフィンゴム系膜材を用いた比較例3とを比較した。それぞれの電流値は、電流変換器LEM LTS 6―NP(LEM社製)をメインコンポーネントとして構成された測定ボックスを用いて測定した。得られた総配電量の比較結果を表4に示す。
Figure 2012134464
表4から分かるように、比較対照区である光反射性白色ポリオレフィンゴム系膜材を用いた比較例3に対し、光反射顔料含有水分散型フッ素樹脂塗料を用いて塗布されたビチュメン基材の実施例2は、約9.3%の配電量の向上が認められた。
ii)
太陽電池の発電効率のひとつの指標である出力電圧は、一般に、温度の影響を受けやすい。すなわちモジュール自体の温度が低い値に維持されているほうが、より高い出力電圧を得やすい。そこで、実施例2と比較例3それぞれの太陽電池モジュール(前記のSolyndra社製モジュール)にThermasgard ATM―1―Uセンサー(S+S Regeltechnik Gmbh社製)を接続し、モジュール近傍温度を計測した。ここで、モジュール近傍温度は、太陽電池の太陽光に曝されている側の表面近傍の空気温度として測定した。6月13日〜6月19日の1週間において、比較例3(対照区)の温度に対する実施例2の場合の温度低下度(摂氏度の差)を表5に示す。具体的には、8:00〜18:00までにおける平均温度差と最大温度差を観察した。
Figure 2012134464
表5から分かるように、実施例2では、比較例3に対して、週間平均で4.5度、最大で10.2度の低下が確認されており、実施例2では、比較例3に対して顕著なモジュール温度の低下効果を得ることができる点が確認された。この結果から、本発明記載のシステムは、モジュール温度の観点でも発電効率助長にきわめて有利であることが示唆される。
反射光も活用する太陽電池システムとして極めて有用である。同時に、光反射層による建物への熱侵入量抑制によって、人間の活動空間の環境改善や空調負荷の低減にも寄与できる。本発明においては、従来用いられてきた炭化水素系樹脂ではなく、フッ素樹脂を必須の成膜成分とした光反射層を適用することで、該反射層への総合的な耐久性(耐候性、防汚性、耐薬品性、耐水性、光反射能保持性等)を付与しうる。それは、より高い発電効率の発現およびその長期維持、さらには、遮熱性の長期維持の観点でも極めて有利に作用しうる。このことから、このような発電システムの設置が可能で、かつ、遮熱性が必要な種々の用途への適用が考えられる。具体的には、例えば、近年、世界規模での環境保全・再生への取り組みの高まりから、建築および環境設備市場においては、ネットゼロエナジービル(別名 ゼロエミッションビル、エココマーシャルビル等とも呼ばれている)、即ち、太陽電池で所要電力の大部分を賄い、基本的にはビル外部からの電力を使わないコンセプトをもつビルの鋭意検討が急速に進められている。本発明システムは、前記したとおり、耐久性、および高発電効率とその長期保持性に優れることから、この分野への大きな有用性が考えられる。
なお、その他の適用用途としては、住宅、ビル(上記ネットゼロエナジービル以外の一般ビル)、ホテル、工場、化学プラント、店舗、倉庫、病院、学校、空港施設、港湾施設、貯蔵施設(例えば、石油、一般物品、飲食料品等)、農畜産業分野(例えば、畜舎、鶏舎、食品製造・加工建屋等)、運輸分野(例えば、船舶、航空機、自動車、鉄道車両、駅舎等)などが挙げられる。以上、諸用途を列挙したが、これらのみには限定されない。
1 表面保護層
2 封止層
3、203 発電素子
4、304 裏面保護層
5 発電素子
10、210、310、410、510、610、710 太陽電池
20 反射板
21 塗膜(反射層)
22 基材
30 屋根
100、200、300、400、500、600、700 太陽電池システム
420 反射板
620 塗膜
720 塗膜層
特開2007−35694号公報

Claims (7)

  1. 太陽電池と、
    前記太陽電池に対して太陽光入射側とは反対側に配置されており、フッ素樹脂と、光反射性顔料とを含んでいる反射層と、
    を備えた太陽電池システム。
  2. 前記太陽電池は、前記太陽光入射側で受光する第1受光部と、前記太陽光入射側とは反対側で受光する第2受光部と、を有する発電素子を有している、
    請求項1に記載の太陽電池システム。
  3. 前記フッ素樹脂は、常温塗工性または溶融成形性を有するフルオロオレフィン系重合体である、
    請求項1または2に記載の太陽電池システム。
  4. 前記反射層は、JIS K5602(2008)で求められる波長範囲780〜2500nmでの日射反射率が50%以上である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池システム。
  5. 前記反射層は、前記太陽電池とは離れて配置されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池システム。
  6. 基材をさらに備え、
    前記反射層は、前記基材の表面に対して形成された塗膜である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池システム。
  7. 前記反射層は、
    前記光反射顔料が配合された熱可塑性フッ素樹脂を溶融加工することによって形成された樹脂成形体であるか、もしくは、
    無機織布を有しており、前記光反射顔料が配合された熱可塑性フッ素樹脂が溶融加工されて前記無機織布に担持されることで構成されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池システム。
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