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JP2012115742A - チタン含有珪素酸化物触媒の製造方法及びオキシラン化合物の製造方法 - Google Patents

チタン含有珪素酸化物触媒の製造方法及びオキシラン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高収率及び高選択的に、オレフィンと有機ハイドロパーオキサイドからオキシラン化合物を製造することができるチタン含有珪素酸化物触媒の製造方法及びオキシラン化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記第一工程および下記第二工程を有するチタン含有珪素酸化物触媒の製造方法。
第一工程:トリアルキルシラン化合物と酸とを含む溶液中で、チタン含有ゼオライト層状前駆体を含む固体を処理することによりトリアルキルシリル化を行い、トリアルキルシリル化された固体を得る工程
第二工程:第一工程で得られたトリアルキルシリル化された固体を、焼成に付すること無くシリル化剤で処理することによりチタン含有珪素酸化物触媒を得る工程
【選択図】なし

Description

本発明は、高収率及び高選択的に、オレフィンと有機ハイドロパーオキサイドからオキシラン化合物を製造することができるチタン含有珪素酸化物触媒の製造方法及びオキシラン化合物の製造方法に関するものである。
TS−1に代表されるチタノシリケート触媒はゼオライト構造を有し、過酸化水素を用いたオレフィンのエポキシ化に高活性を示すことが知られている。しかしながら、これらのチタノシリケート触媒は細孔径が小さいので、大きいサイズのオレフィンや有機ハイドロパーオキサイドを用いた場合、エポキシ化活性は非常に低いという問題があった。より大きな分子を反応させるためのアプローチとして、例えば、特許文献1には、MWW型ゼオライトに代表される層状ゼオライトの層間をジアルコキシジアルキルシランを用いたシリル化により拡大する方法が挙げられる。
特開2008−162846号公報
しかしながら、オレフィンと有機ハイドロパーオキサイドからオキシラン化合物を製造するためには収率および選択率の観点で更なる改良が求められていた。
かかる現状において本発明が解決しようとする課題は、高収率及び高選択的に、オレフィンと有機ハイドロパーオキサイドからオキシラン化合物を製造することができるチタン含有珪素酸化物触媒の製造方法及びオキシラン化合物の製造方法を提供する点に存するものである。
すなわち、本発明は、下記第一工程および下記第二工程を有するチタン含有珪素酸化物触媒の製造方法に係るものである。
第一工程:トリアルキルシラン化合物と酸とを含む溶液中で、チタン含有ゼオライト層状前駆体を含む固体を処理することによりトリアルキルシリル化を行い、トリアルキルシリル化された固体を得る工程
第二工程:第一工程で得られたトリアルキルシリル化された固体を、焼成に付すること無くシリル化剤で処理することによりチタン含有珪素酸化物触媒を得る工程
また、本発明は、上記の製造方法で得られた触媒の存在下に、オレフィンと有機ハイドロパーオキサイドとを反応させるオキシラン化合物の製造方法に係るものである。
本発明によれば、高収率及び高選択的にオレフィンとハイドロパーオキサイドからオキシラン化合物を製造することができる。
本発明のチタン含有珪素酸化物触媒の製造方法は、下記第一工程および下記第二工程を有する。
第一工程:トリアルキルシラン化合物と酸とを含む溶液中で、チタン含有ゼオライト層状前駆体を含む固体を処理することによりトリアルキルシリル化を行い、トリアルキルシリル化された固体を得る工程
第二工程:第一工程で得られたトリアルキルシリル化された固体を、焼成に付すること無くシリル化剤で処理することによりチタン含有珪素酸化物触媒を得る工程
上記第一工程で原料として用いられるチタン含有ゼオライト層状前駆体とは、チタン原子が導入されたゼオライト層状前駆体のことであり、ゼオライト層状前駆体としては、Structure Commission of the International Zeolite Association (IZA-SC)により規定されているMWW型、FER型、RRO型、CDO型などが挙げられる。なかでも、MWW型ゼオライト層状前駆体が好ましい。ゼオライト層状前駆体の製造方法としては、例えば、特開2008−162846号公報に記載の方法によって製造することができる。
ゼオライト層状前駆体へのチタン原子の導入は、ゼオライト構造を水熱合成等で形成させる際にチタン源を共存させて導入する直接導入法、チタン原子を含まないゼオライト層状前駆体を合成した後、イオン交換、同形置換、アトムプランティング等の方法によりチタン原子を導入するポスト導入法のいずれを用いてもよく、直接導入法で行うことが好ましい。
ゼオライト層状前駆体の構造はX線回折法(XRD)、ゼオライト層状前駆体へのチタン原子の導入は紫外可視分光法(UV−Vis)等により観察することが出来る。
以下、本発明の好適な実施形態の一例であるチタン原子が直接導入されたMWW型ゼオライト層状前駆体を原料として用いるケースについて詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により何ら限定されるものではない。
チタン含有MWW型ゼオライト層状前駆体は、ケイ素化合物、チタン化合物、ホウ素化合物、水及び構造規定剤を混合後、水熱合成反応に付すことで得ることができる。
前記ケイ素化合物としては、例えば、アルコキシシラン、アモルファスシリカ等が挙げられ、アルコキシシランとしては、例えば、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトラプロピルオルトシリケート等が挙げられ、アモルファスシリカとしては、例えば、ヒュームドシリカ等が挙げられる。
前記チタン化合物としては、例えば、アルコキシチタン、ペルオキシチタン酸塩、ハロゲン化チタン、酢酸チタン、硝酸チタン、硫酸チタン、リン酸チタン等が挙げられ、アルコキシチタンとしては、例えば、テトラ−n−プロピルオルソチタネート、テトラ−イソプロピルオルソチタネート、テトラ−n−ブチルオルソチタネート等が挙げられ、ペルオキシチタン酸塩としては、例えば、ペルオキシチタン酸テトラ−n−ブチルアンモニウム等が挙げられ、ハロゲン化チタンとしては、例えば、四塩化チタン、四臭化チタン、四沃化チタン等が挙げられる。
前記ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸、無水ホウ酸等が挙げられる。
前記構造規定剤としては、例えば、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、トリメチルアダマンタアンモニウムヒドロキシドが挙げられ、単独あるいは所望の割合で混合して用いることができる。なかでもピペリジンを単独で用いることが好ましい。
前記各原料(ケイ素化合物、チタン化合物、ホウ素化合物、水及び構造規定剤)の使用割合は、ケイ素化合物中のケイ素原子を基準にして、チタン化合物はチタン原子として0.01〜0.2モル倍であり、ホウ素化合物はホウ素原子として0.1〜3モル倍であり、水は3〜50モル倍であり、構造規定剤は0.1〜3モル倍であることが好ましい。
前記各原料の混合は、好ましくは、0〜60℃、さらに好ましくは10〜50℃の温度で混合するのがよい。
前記各原料の混合方法は、例えば、全ての原材料を一括して混合してもよいし、各原材料を順次混合していってもよい。特に、液体である原材料を先に混合した後に固体である原材料を混合することが、均一に攪拌でき、ひいては得られたチタン含有MWW型ゼオライト層状前駆体中のチタン原子の偏在を抑制できる点で好ましい。
前記各原料の混合物はチタン含有MWW型ゼオライト層状前駆体を得るために水熱合成反応に付される。ここで、チタン含有MWW型ゼオライト層状前駆体とはMWW型のトポロジーを有するチタン含有シリケート層とそのシリケート層内および層間に構造規定剤が包含されているものを示す。
一般に、水熱合成とは、高温高圧の水の存在の下に行われる物質の合成および結晶成長法をいい(「岩波 理化学辞典」、第4版、株式会社岩波書店、1987年、p.647参照)をいい、具体的には、前記各原料を混合し、オートクレーブ中、自圧下に100〜200℃程度の温度で加熱して、数時間〜数日間、攪拌あるいは静置することにより行われる。
水熱合成で生成したチタン含有MWW型ゼオライト層状前駆体を含む固体は通常、濾過、必要に応じて水やメタノール等の有機溶媒で洗浄後、乾燥することで得ることができる。
乾燥方法は、例えば、減圧雰囲気下あるいは非還元性気体、たとえば窒素、アルゴン又は二酸化炭素もしくは酸素含有気体、たとえば減圧雰囲気下で、10〜200℃で加熱されるのが好ましく、50〜100℃が更に好ましい。
上記操作によって得られたチタン含有MWW型ゼオライト層状前駆体を含む固体は、本発明の第一工程においてトリアルキルシラン化合物と酸とを含む溶液中で処理されることでトリアルキルシリル化された固体を得ることができる。なお、酸を含む溶液で処理されることでチタン含有MWW型ゼオライト層状前駆体中から構造規定剤の除去が同時に行われる。
第一工程で用いられるトリアルキルシラン化合物としては、チタン含有シリケート層の表面水酸基と反応できる反応性官能基をもつものであればよく、例えば、トリアルキルアルコキシシラン、トリアルキルハロゲノシラン、トリアルキルシリルアミン、トリアルキルシリルアミド等が挙げられ、好ましくは、トリアルキルアルコキシシランである。
また、トリアルキルシラン化合物のアルキル基の炭素数として、好ましくは、1〜3であり、より好ましくは、1〜2であり、更に好ましくは、1である。
トリアルキルシラン化合物としては、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン等が挙げられる。
第一工程で用いられる酸としては、例えば、無機酸、有機酸等が挙げられ、無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられ、有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸等が挙げられ、好ましくは、無機酸であり、より好ましくは、硝酸である。酸の濃度は0.5〜10規定であることが好ましい。溶媒はアルコールやケトンなどの有機溶媒も使用でき、水がより好ましい。
第一工程は通常40〜120℃で行われ、60〜100℃で行われることがより好ましい。処理時間は構造規定剤の除去やトリメチルシリル化の程度の観点から適宜決めることができる。
第一工程で得られたトリアルキルシリル化された固体は通常、濾過、必要に応じて水やメタノール等の有機溶媒で洗浄後、乾燥することで得ることができる。ここで肝要であるのは焼成を行わずに続く第二工程を実施するという点である。
焼成は400〜700℃で有機物を除去する目的で行われるが、第一工程で得られた固体を焼成するとトリアルキルシリル基が離脱あるいは燃焼し、また触媒の細孔容量が低下してしまい、高性能な触媒を得るという観点で不十分なものとなってしまう。
本発明の第二工程では、第一工程で得られたトリアルキルシリル化された固体を、上述の通り焼成に付すること無くシリル化剤で処理することによりチタン含有珪素酸化物触媒を得る。
シリル化剤としては、例えば、有機シラン、有機シリルアミン、有機シリルアミドとその誘導体、有機シラザン、その他のシリル化剤が挙げられる。
有機シランとしては、例えば、クロロトリメチルシラン、ニトロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジメチル−n−プロピルクロロシラン、ジメチルイソプロピルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、ジメチルオクチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、ジメチルエチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、n−ブチルジメチルクロロシラン、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジフェニルビニルクロロシラン、トリベンジルクロロシラン、3−シアノプロピルジメチルクロロシランが挙げられる。
有機シリルアミンとしては、例えば、N−トリメチルシリルイミダゾール、N−t−ブチルジメチルシリルイミダゾール、N−ジメチルエチルシリルイミダゾール、N−ジメチル−n−プロピルシリルイミダゾール、N−ジメチルイソプロピルシリルイミダゾール、N−トリメチルシリルジメチルアミン、N−トリメチルシリルジエチルアミン、N−トリメチルシリルピロール、N−トリメチルシリルピロリジン、N−トリメチルシリルピペリジン、1−シアノエチル(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルシリルアミンが挙げられる。
有機シリルアミド及び誘導体としては、例えば、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド、N,O−ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N−トリメチルシリルアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、N−(t−ブチルジメチルシリル)−N−トリフルオロアセトアミド、N,O−ビス(ジエチルハイドロシリル)トリフルオロアセトアミドが挙げられる。
有機シラザンとしては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(クロロメチル)テトラメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザンが挙げられる。
その他のシリル化剤としては、例えば、N−メトキシ−N,O−ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N−メトキシ−N,O−ビストリメチルシリルカーバメート、N,O−ビストリメチルシリルスルファメートメート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート、N,N’−ビストリメチルシリル尿素が挙げられる。
好ましいシリル化剤はヘキサメチルジシラザンである。
シリル化処理は気相あるいは液相のどちらでも行うことが出来る。液相で行う場合は通常、シリル化剤と本質的に反応しない溶媒中で行い、溶媒としては炭化水素が好適に用いられる。炭化水素溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられ、脂肪族炭化水素としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。処理温度は0〜300℃、好ましくは50〜150℃である。
第二工程で得られたチタン含有珪素酸化物触媒は通常、濾過、必要に応じて有機溶媒などで洗浄後、乾燥することで得ることができる。
また、本発明で得られるチタン含有珪素酸化物触媒は、必要に応じて成型することが出来る。この成型は本発明の第一工程の前、第一工程と第二工程の間、第二工程の後のいずれの段階で行ってもよい。
成型方法はロールプレス成型(ブリケッティング、コンパクティング)、油圧プレス成型、打錠成型などに代表される圧縮成型、また押し出し成型などのいずれの方法を用いてもよいが圧縮成型がより好ましい。押し出し成型においては一般的に用いられる有機および無機バインダーを用いることができる。本発明においては、バインダーを用いないのが好ましい。
圧縮の圧力は通常0.1〜10トン/cm2であり、好ましくは0.2〜5トン/cm2であり、更に好しくは0.5〜2トン/cm2である。
成型体の形状は錠剤、球、リングなどいずれの形状であってもよい。そのままの形状で反応などに用いてもよいし、適当な大きさに破砕して用いてもよい。
本発明の触媒は特にオレフィンと有機ハイドロパーオキサイドを反応させるオキシラン化合物の製造方法に最適に使用され得る。
オレフィンは、非環式、単環式、二環式又は多環式化合物であってよく、モノオレフィン、ジオレフィン又はポリオレフィンのものであってよい。オレフィン結合が2以上ある場合には、これは共役結合又は非共役結合であってよい。炭素原子2〜60個のオレフィンが一般に好ましい。置換基を有していてもよく、置換基は比較的安定な基であることが好ましい。モノオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、イソブチレン、ヘキセン−1、ヘキセン−2、ヘキセン−3、オクテン−1、デセン−1、スチレン、シクロヘキセン等が挙げられ、プロピレンが好ましい。ジオレフィンのとしては、例えば、ブタジエン、イソプレンが挙げられる。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、酸素、硫黄、窒素原子を、水素及び/又は炭素原子と共に含有する種々の置換基等が挙げられ、置換基を有するオレフィンとしては、例えば、不飽和アルコール、ハロゲン原子で置換されたオレフィン等が挙げられ、不飽和アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、クロチルアルコール等が挙げられ、ハロゲン原子で置換されたオレフィンとしては、例えば、塩化アリル等が挙げられる。
有機ハイドロパーオキサイドは、一般式
R−O−O−H
(ここにRは1価のヒドロカルビル基である。)
を有する化合物であって、これはオレフィンと反応して、オキシラン化合物及び化合物R−OHを生成する。Rとして、好ましくは、炭素数3〜20のヒドロカルビル基であり、より好ましくは、炭素数3〜10のヒドロカルビル基であり、更に好ましくは、炭素数3〜10の第2級若しくは第3級アルキル基または炭素数8〜10の第2級若しくは第3級アラルキル基であり、特に好ましくは、炭素数3〜10の第3級アルキル基または炭素数8〜10の第2級若しくは第3級アラルキル基である。炭素数3〜10の第3級アルキル基としては、例えば、第3ブチル基、第3ペンチル基等が挙げられ、炭素数3〜10の第2級アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基等が挙げられ、炭素数8〜10の第第3級アラルキル基としては、例えば、2−フェニルプロピル−2基等が挙げられる。更にまた、テトラリン分子の脂肪族側鎖から水素原子を除去することによって生じる種々のテトラニリル基も挙げられる。
有機ハイドロパーオキサイドはクメンハイドロパーオキサイドであることが好ましく、その場合は特開2008−266304公報に記載のプロピレンオキサイド単産プロセスの一部として好適に利用できる。
オキシラン化合物の製造は、溶媒及び/又は希釈剤を用いて液相中で実施できる。溶媒及び希釈剤は、反応時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ、反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものであることが好ましい。溶媒は使用される有機ハイドロパーオキサイド溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえばクメンハイドロパーオキサイド溶液がクメンハイドロパーオキサイドとその原料であるクメンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。
反応温度は一般に0〜200℃であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。一般に圧力は100〜10000kPaであることが有利である。
反応の終了後にオキシラン化合物を含有する液状混合物が触媒から容易に分離できる。次いで液状混合物を適当な方法によって精製できる。精製は分別蒸留、選択抽出、濾過、洗浄等を含む。溶媒、触媒、未反応オレフィン、未反応有機ハイドロパーオキサイドは再循環して再び使用することもできる。
オキシラン化合物の製造は、スラリー、固定床の形で行うことが出来、大規模な工業的操作の場合には固定床を用いることが好ましい。
以下に実施例により本発明を説明する。
〔実施例1〕
(1)チタン含有ゼオライト層状前駆体の調製
3リットルのセパラブルフラスコに342gのイオン交換水と119gのピペリジンを入れて攪拌し、ここに室温で28gのテトラ−n−ブチルオルソチタネートを滴下して加えた。0.5時間撹拌した後、84gのホウ酸を加え更に0.5時間攪拌した。続いて60gのCab−O−Sil M−7D(キャボット社製ヒュームドシリカ)を加えた後、1時間攪拌した。その後342gのイオン交換水を加え、攪拌し均一にしたものを8分割して200mlポリテトラフルオロエチレン内筒オートクレーブ8本に仕込み、攪拌下、170℃で7日間水熱合成を行った。生じた固体を濾取し少量のイオン交換水で水洗後、10mmHg、70℃で5時間乾燥を行った。得られた固体50gを1リットルのフラスコに入れ、500mlのメタノールを加えた。攪拌しながらリフラックス温度で1.5時間加熱し、放冷後、デカンテーションにより溶液を除去した。500mlのメタノールを用いて同様の操作をもう一度繰り返した。最後に、濾取した固体を少量のメタノールで洗浄後、70℃、10mmHgで7時間乾燥させたところ13gのチタン含有ゼオライト層状前駆体を含む固体が得られた。
(2)トリアルキルシリル化と構造規定剤(ピペリジン)の除去(第一工程)
上記の方法で得られたチタン含有ゼオライト層状前駆体を含む固体3gをフラスコに入れ、100mlの6N硝酸水と3gのトリメチルエトキシシランを加えた。攪拌しながら80℃で5時間加熱した。放冷後、固体を濾取し、イオン交換水1リットルで洗浄した後、70℃、10mmHgで6時間乾燥させたところ2.6gのトリアルキルシリル化された固体が得られた。
(3)シリル化(第二工程)
第一工程で得られたトリアルキルシリル化された固体1g、ヘキサメチルジシラザン1g、トルエン20gを混合し、リフラックス下1.5時間加熱した。放冷後、固体を濾取し、120℃、10mmHgで1.5時間乾燥することにより、1gのチタン含有珪素酸化物触媒を得た。
(4)プロピレンキサイド(PO)合成
上記の方法で得られた触媒0.5g、60gの25%クメンハイドロパーオキサイド(CHPO)/クメン溶液および33gのプロピレン(C3’)をオートクレーブに仕込み、自生圧力下、100℃で1.5時間(昇温時間込み)反応を行った。冷却、C3’パージ後、オートクレーブを開封し、反応後液のサンプリングおよび分析を行った。反応成績を表1に示す。
〔実施例2〕
チタン含有ゼオライト層状前駆体調製時に水熱合成後で得られた固体の減圧乾燥を行わずにメタノールでの処理を行ったこと、第一工程の処理温度を88℃、PO合成時の触媒使用量を0.25gとしたこと以外は実施例1と同様に行った。反応成績を表1に示す。
〔実施例3〕
第一工程の処理温度を97℃、PO合成時の触媒使用量を0.25gとしたこと以外は実施例1と同様に行った。反応成績を表1に示す。
〔比較例1〕
第一工程でトリメチルエトキシシランを用いずに100mlの6N硝酸水のみで処理したこと以外は実施例1と同様に行った。反応成績を表1に示す。
〔比較例2〕
チタン含有ゼオライト層状前駆体調製時に水熱合成後で得られた固体の減圧乾燥を行わずにメタノールでの処理を行ったこと、第一工程でトリメチルエトキシシランの代わりにジメチルジエトキシシランを用い処理温度を97℃としたこと以外は実施例1と同様に行った。反応成績を表1に示す。
Figure 2012115742
*1:TMSOEt=トリメチルエトキシシラン
*2:DMS(OEt)=ジメチルジエトキシシラン
*3:PO/C3’選択率=生成POモル/反応C3’モル*100

Claims (7)

  1. 下記第一工程および下記第二工程を有するチタン含有珪素酸化物触媒の製造方法。
    第一工程:トリアルキルシラン化合物と酸とを含む溶液中で、チタン含有ゼオライト層状前駆体を含む固体を処理することによりトリアルキルシリル化を行い、トリアルキルシリル化された固体を得る工程
    第二工程:第一工程で得られたトリアルキルシリル化された固体を、焼成に付すること無くシリル化剤で処理することによりチタン含有珪素酸化物触媒を得る工程
  2. チタン含有ゼオライト層状前駆体がチタン含有MWW型ゼオライト層状前駆体である請求項1に記載の製造方法。
  3. トリアルキルシラン化合物がトリアルキルアルコキシシランである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 酸が硝酸である請求項1〜3いずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1に記載の製造方法で得られた触媒の存在下に、オレフィンと有機ハイドロパーオキサイドとを反応させるオキシラン化合物の製造方法。
  6. オレフィンがプロピレンである請求項5に記載の製造方法。
  7. 有機ハイドロパーオキサイドがクメンハイドロパーオキサイドである請求項5または6に記載の製造方法。
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