JP2012112020A - 自動車排気系部品用のフェライト系ステンレス鋼板およびフェライト系ステンレス鋼管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、Cr:10〜20%、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:1.5%以下、S:0.06%以下、およびMn:(5×〔%S〕)〜(5×〔%S〕+0.3)%を含有し、さらに、Ti:7×(〔%C〕+〔%N〕)〜0.50%およびNb:14×(〔%C〕+〔%N〕)〜0.80%(但し〔%M〕は鋼中の元素Mの含有量を示す)のうちから選んだ少なくとも1種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼板とする。
【選択図】図2
Description
また、本発明は、上記のフェライト系ステンレス鋼板を素材として成形したフェライト系ステンレス鋼管に関するものである。
また、上記したような鋼材の特性の観点からばかりでなく、その価格の点でも、主要成分としてNiを含有するオーステナイト系ステンレス鋼より、Niの含有が少ないフェライト系ステンレス鋼の方が安価であり、有利である。
この点に対し、たとえば、特許文献1、2に示されるように、鋼中の炭窒化物を少なくするなど、相応の改善策がすでに施されている。
(1)質量%で、Cr:10〜20%、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:1.5%以下、S:0.06%以下、およびMn:(5×〔%S〕)〜(5×〔%S〕+0.3)%を含有し、さらに、Ti:7×(〔%C〕+〔%N〕)〜0.50%およびNb:14×(〔%C〕+〔%N〕)〜0.80%(但し〔%M〕は鋼中の元素Mの含有量を示す)のうちから選んだ少なくとも1種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする自動車排気系部品用のフェライト系ステンレス鋼板。
発明者らは、フェライト系ステンレス鋼のパイプとしての加工性を改善すべく、材料特性とパイプ加工性の関係を調べた。
その結果、拡管、バルジなどのパイプ加工において、オーステナイト系ステンレス鋼に比べてn値の低いフェライト系ステンレス鋼では加工時に歪が局所的に集中しやすく、このために割れを生じることがパイプ加工を困難にしていることがわかった。
フェライト系ステンレス鋼に限らず、一般に鉄鋼材料の引張試験においては、試験片を破断するまで引張り、所定の標点問距離が試験前と比べてどれだけ変化したかを材料の伸び値として評価する。例えばJIS Z2201に規定されるJIS5号引張試験片を例にとると、その標点間距離は50mmと規定しているが、材料の伸び値はその標点間距離が変わることにより、変わることが知られている。
式:εL=−(εT+εW)
これは試験片のうち、まさに破断した部分(=破断面)の伸び歪みを表している。言い換えると、評価に供した材料が、局所的にどのような伸び歪みを付与されると破断するかを示したものといえる。
Crは、フェライト系ステンレス鋼としての耐食性を得るために重要な基本元素である。10%に満たない少量では、ステンレス鋼としての耐食性を発揮する不動態皮膜の形成が不十分となる。一方、20%を超えて多く含有すると、原料費が高くなるばかりでなく、溶製時の脱炭、脱窒が困難になり、製造性および製造コストにも大きく影響するため、その上限は20%とした。
CおよびNは、不可避的に残留する不純物元素であるが、多く残留すると、鋼材の伸びを低下させ加工性に悪影響するばかりでなく、Cr炭窒化物を形成して、その周囲にCr欠乏層を生じることで耐食性をも劣化させるため、少ない方が好ましい。しかし、本発明では後述するTi,Nb等の炭窒化物形成元素を添加して、C,Nを固定するので、それぞれ0.01%以下であれば問題はない。
Siは、脱酸剤として溶製時に添加され鋼中に残留する元素であるが、製品においては高温での耐酸化性を高める作用もあるので、必要に応じて含有することができるが、過剰に含有させると、強度上昇により加工性を劣化させるので、その上限は1.5%とした。
Sは、本発明において、極限変形能の向上のために、後述するMn量と共にその含有量が抑制される元素である。すなわち、Sは鋼を脆化させて熱間割れを誘発する元素であるが、本発明においては、Mnと結合してMnS析出物を形成することで無害化されるため、0.06%までは許容される。しかし、S量が0.06%を超えた場合には、Mnの必要量も多くなってコストアップにつながるだけでなく、MnSの析出物の総量が増えることにより耐食性の劣化の弊害も招来する。従って、S量の上限を0.06%とする。
一方、S含有量が少なく鋼中のMnS析出物が少ない場合には、結晶粒が粗大化し、組織の不均一化による伸びの低下をもたらすため、S量の下限としては0.001%程度が好ましい。
Mnは、本発明において、熱間での脆化割れの改善に効果を示し、上記した極限変形能の向上のために重要な元素である。この熱間での脆化割れの改善のためには、5×〔%S〕%以上の添加が必要である。しかし、あまり多く添加されると、パイプ等の加工性に重要な因子である極限変形能を低下させるため、その上限は(5×〔%S〕+0.3)%とした。
TiおよびNbは、鋼中に不可避的に残留するCやNをTi炭窒化物、Nb炭窒化物の析出物として固定し、鋼材の伸びや耐食性を改善するために添加される。しかし、添加量が少ないとその効果が十分でなく、特に本発明の目的を考えると、造管時の溶接の熱影響で、析出物として固定されていたCやNが解離したり、部品の組付け工程で、溶接相手の部品、溶接ワイヤー、シールドガスおよび付着油脂などからのCやNの混入が起こりうるため、溶接部も含めた鋼材の加工性や耐食性を良好に保つには、いずれか一方の添加でよいが、それぞれの下限はTiで7×(〔%C〕+〔%N〕)%、Nbで14×(〔%C〕+〔%N〕)%とする必要がある。
また、過剰に添加されたTiおよびNbは、鋼材のマトリックス上に固溶した状態で存在し、固溶強化を起こすため加工性を阻害する。そのため、上限はそれぞれTiを0.50%、Nbを0.80%とした。
Mo、CuおよびNiは、耐食性を改善するために必要に応じて添加される元素であり、特に、その下限は限定されるものではない。また、いずれも高価な元素であり過剰に添加してもその効果は飽和するため、その上限はそれぞれ、Moを2.0%、Cuを1.5%、Niを1.5%とすることが好ましい。
これは、元素等量的な面から見れば、MnSの析出量はSの添加量と連動し、またMnSの析出温度はMnの添加量と関係があり、その析出粒径もMnの添加量と関係があると考えることができる。つまり、このようなフェライト系ステンレス鋼中のMnSの析出量と、それに伴う析出物の形態の変化とによって、鋼の延性破壊の限界点が向上するものと推定される。
その結果を表1に併記する。また、同表には、これらの鋼を熱間圧延した際の熱間割れ発生の有無について調査した結果も併せて示す。
また、図2に、MnとSの含有量と極限変形能と熱間割れの関係について調べた結果を示すが、同図に示したとおり、Mnの含有量が5×〔%S〕%に満たないと、熱間割れが発生し、一方、(5×〔%S〕+0.3)%を超えると、極限変形能εLが1.4に満たないことが分かる。
その結果を表2に併記する。
Claims (3)
- 質量%で、Cr:10〜20%、C:0.01%以下、N:0.01%以下、Si:1.5%以下、S:0.06%以下、およびMn:(5×〔%S〕)〜(5×〔%S〕+0.3)%を含有し、さらに、Ti:7×(〔%C〕+〔%N〕)〜0.50%およびNb:14×(〔%C〕+〔%N〕)〜0.80%(但し〔%M〕は鋼中の元素Mの含有量を示す)のうちから選んだ少なくとも1種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする自動車排気系部品用のフェライト系ステンレス鋼板。
- 前記フェライト系ステンレス鋼板が、さらに、質量%で、Mo:2.0%以下、Cu:1.5%以下およびNi:1.5%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の自動車排気系部品用のフェライト系ステンレス鋼板。
- 請求項1または2に記載の自動車排気系部品用のフェライト系ステンレス鋼板の、板厚が0.2〜2.0mmで、該鋼板を直径:20〜150mmの鋼管としたことを特徴とする自動車排気系部品用のフェライト系ステンレス鋼管。
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