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JP2012111841A - 非晶化セルロースの製造方法 - Google Patents

非晶化セルロースの製造方法 Download PDF

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JP2012111841A JP2010261681A JP2010261681A JP2012111841A JP 2012111841 A JP2012111841 A JP 2012111841A JP 2010261681 A JP2010261681 A JP 2010261681A JP 2010261681 A JP2010261681 A JP 2010261681A JP 2012111841 A JP2012111841 A JP 2012111841A
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Shiyou Cho
ショウ 張
Takashi Uematsu
隆史 植松
Kazutomo Osaki
和友 大崎
Naoki Nojiri
尚材 野尻
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Kao Corp
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Abstract

【課題】セルロース含有原料を振動ミルで処理して非晶化セルロースを製造する方法において、用いる粉砕媒体由来の摩耗粉の混入が少ない非晶化セルロースを効率的に得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であり、下記計算式(1)で示されるセルロースのセルロースI型結晶化指数が33%を超え、かつ水分含量が3.5質量%以下であるセルロース含有原料を、Fe含有率50質量%以上、外径5〜60mmのロッドを充填した振動ミルを用いて、下記計算式(2)を満たす条件下で処理することで、該セルロースI型結晶化指数を33%以下に低減する非晶化セルロースの製造方法。
セルロースI型結晶化指数(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
0.45≦αω(m・rad/sec) (2)
〔αは、片振幅(m)、ωは、角速度(rad/sec)を示す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、非晶化セルロースの製造方法に関する。
パルプ等のセルロース含有原料を粉砕して得られるセルロースは、セルロースエーテルの原料、化粧品、食品、バイオマス材料等の工業原料に用いられる。これらの工業原料としては、セルロース結晶構造が非晶化されたセルロースが特に有用である。
セルロース結晶構造を非晶化する方法、すなわち、セルロースの結晶化指数を低減する方法として、木材やパルプを粉砕機で機械的に処理する方法が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特許文献1には、木材の含有水分を3〜6%に調節した後、振動ボールミルで粉砕処理することによって、木材中のセルロースミクロフィブリルを破壊する木材の前処理方法が開示され、特許文献2には、木質材料を振動ボールミルで粉砕処理するに際して、まず木質材料を粗粉砕し、次いで得られた木質材料の含有水分を2〜7%に調整しつつ、更に微粉砕する振動ボールミルによる木質材料の多段粉砕処理方法が開示されている。
特許文献3には、木質の粒状原料をハンマーミル等で所定の大きさまで粉砕して、更にボールを充填した振動ミル等で粉砕したものを原料として、ボールを充填した旋回式粉砕装置で更に粉砕する方法が開示されている。
特許文献4及び5には、嵩密度が100〜500kg/m3、水分含量4.1質量%以上のセルロース含有原料を、粉砕媒体としてボール又はロッドを充填した粉砕機で処理して、セルロースI型結晶化度が33%以下の非晶化セルロースを製造する方法が開示されている。
特開昭62−126999号公報 特開昭62−127000号公報 特開2008−290025号公報 特許第4160108号公報 特許第4160109号公報
振動ミルを用いて被粉砕物であるセルロース含有原料を粉砕することは知られているが、セルロースの結晶化指数を更に効率的に低減させる方法の開発が望まれている。また、振動ミルを用いる際は、被粉砕物の粉砕のみならず、粉砕媒体同士の衝突や摩擦が原因で、被粉砕物中への粉砕媒体由来の摩耗粉が混入し、被粉砕物を化粧品や食品として利用する際に問題となることがある。
本発明は、セルロース含有原料から、振動ミルの粉砕媒体由来の摩耗粉の混入が少ない非晶化セルロースを効率的に得ることができる製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、水分含量が3.5質量%以下であるセルロース含有原料を、Fe含有率50質量%以上、外径5〜60mmのロッドを充填した振動ミルを用いて、特定条件下で処理することにより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であり、下記計算式(1)で示されるセルロースのセルロースI型結晶化指数が33%を超え、かつ水分含量が3.5質量%以下であるセルロース含有原料を、Fe含有率50質量%以上、外径5〜60mmのロッドを充填した振動ミルを用いて、下記計算式(2)を満たす条件下で処理することで、該セルロースI型結晶化指数を33%以下に低減する非晶化セルロースの製造方法である。
セルロースI型結晶化指数(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
0.45≦αω(m・rad/sec) (2)
〔αは、片振幅(m)、ωは、角速度(rad/sec)を示す。〕
本発明の非晶化セルロースの製造方法によれば、セルロース含有原料から、振動ミルの粉砕媒体由来の摩耗粉の混入が少ない、セルロースI型結晶化指数を低減した非晶化セルロースを効率良く得ることができる。
セルロース含有原料の水分含量と、得られた非晶化セルロースの結晶化指数及びFe含有量との関係を示した図である。 粉砕媒体の種類と、得られた非晶化セルロース中のFe含有量との関係を示した図である。 振動ミルにおける処理条件αω〔αは、片振幅(m)、ωは、角速度(rad/sec)を示す。〕と、処理時間20分後の非晶化セルロースの結晶化指数との関係を示した図である。
本発明は、セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であり、下記計算式(1)で示されるセルロースのセルロースI型結晶化指数が33%を超え、かつ水分含量が3.5質量%以下であるセルロース含有原料を、Fe含有率50質量%以上、外径5〜60mmのロッドを充填した振動ミルを用いて、下記計算式(2)を満たす条件下で処理することで、該セルロースI型結晶化指数を33%以下に低減する非晶化セルロースの製造方法である。
セルロースI型結晶化指数(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
0.45≦αω(m・rad/sec) (2)
〔αは、片振幅(m)、ωは、角速度(rad/sec)を示す。〕
以下、本明細書において、セルロースのセルロースI型結晶化指数を単に「結晶化指数」ということがある。また、本明細書における「非晶化セルロース」とは、セルロースI型結晶化指数が33%以下の低結晶性セルロース、及び結晶化指数が0%以下の非晶性セルロースを含む。
〔セルロース含有原料〕
本発明に用いられるセルロース含有原料は、該原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上のものである。
本発明におけるセルロース含有量とは、セルロース量及びヘミセルロース量の合計量を意味する。
前記セルロース含有原料には特に制限はなく、各種木材チップ、各種樹木の剪定枝材、間伐材、枝木材、建築廃材、工場廃材等の木材類;木材から製造されるウッドパルプ、綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等のパルプ類;新聞紙、段ボール、雑誌、上質紙等の紙類;稲わら、とうもろこし茎等の植物茎・葉類;籾殻、パーム殻、ココナッツ殻等の植物殻類等が挙げられる。これらの中では、パルプ類や木材類が好ましい。
市販のパルプの場合、水を除いた残余の成分中のセルロース含有量は、通常75〜99質量%であり、他の成分としてリグニン等を含む。また市販のパルプのセルロースI型結晶化指数は、通常60%以上である。
〔セルロースI型結晶化指数〕
本発明に用いられるセルロース含有原料は、セルロースI型結晶化指数が33%を超えるものであり、本発明により製造される非晶化セルロースは、そのセルロースI型結晶化指数を33%以下に低減したものである。結晶化指数は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したもので、下記計算式(1)により定義される。
セルロースI型結晶化指数(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
結晶化指数が33%以下であれば、セルロースの化学反応性が向上し、例えば、セルロースエーテルの製造において、アルカリを加えた際にアルカリセルロース化が容易に進行し、結果としてセルロースエーテル化反応の反応転化率を向上させることができる。この観点から、本発明により製造される非晶化セルロースの結晶化指数は、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下が更に好ましく、分析でI型結晶が検出されない0%以下が特に好ましい。
ここで、セルロースI型結晶化指数とは、セルロースの結晶領域量の全量に対する割合のことである。また、セルロースI型とは、天然セルロースの結晶形のことである。結晶化度は、セルロースの物理的、化学的性質とも関係し、その値が大きいほど、セルロースの結晶性が高く、非結晶部分が少ないため、硬度、密度等は増すが、伸び、柔軟性、水や溶媒に対する溶解性、化学反応性は低下する。
〔セルロース含有原料中の水分含量〕
本発明に用いられるセルロース含有原料中の水分含量は3.5質量%以下であり、2.5質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましく、1.8質量%以下が更に好ましく、1.5%質量以下が更により好ましく、1.0質量%以下が特に好ましい。この水分含量が3.5質量%以下であれば、セルロース含有原料を容易に粉砕できるとともに、粉砕処理によるセルロースの非晶化速度を向上させることができるので、短時間で効率的に結晶化指数を低減し、かつ、平均粒径を小さくすることができる。なお、セルロースの平均粒径が小さいと、重量あたりのセルロース粒子数が多くなるので、粉砕処理中にセルロース粒子が緩衝材として働き、粉砕媒体同士の衝突や摩擦による摩耗を防ぐことができる。これにより、非晶化セルロース中への振動ミルの粉砕媒体由来の摩耗粉の混入を低減させることができる。一方、この水分含量の下限としては、生産性及び乾燥効率の観点から、0.2質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上が更に好ましい。
以上の観点から、本発明に用いられるセルロース含有原料中の水分含量は、3.5質量%以下であり、0.2〜2.5質量%が好ましく、0.3〜2.0質量%以下がより好ましく、0.3〜1.8質量%以下が更に好ましく、0.4〜1.5%質量以下が更により好ましく、0.4〜1.0質量%以下が特に好ましい。
〔セルロース含有原料の前処理〕
本発明に用いられるセルロース含有原料は、セルロースI型結晶化指数が33%を超え、かつ水分含量が3.5質量%以下のものが使用されるが、後述する裁断処理、粗砕処理を行うことにより、嵩密度が好ましくは50〜600kg/m3、比表面積が好ましくは0.2〜750m2/kgの範囲としたものを用いることが好ましい。また、後述する乾燥処理を行うことにより、セルロース含有原料の水分含量を3.5質量%以下にすることが好ましい。
本発明に用いられるセルロース含有原料の嵩密度は、非晶化及び小粒径化をより効率的に行う観点から、好ましくは50kg/m3以上、より好ましくは65kg/m3以上、更に好ましくは100kg/m3以上である。この嵩密度が50kg/m3以上であれば、セルロース含有原料が適度な容積を有するために取り扱い性が向上する。また、振動ミルへの原料仕込み量を多くすることができるので、処理能力が向上する。一方、この嵩密度の上限は、取り扱い性及び生産性の観点から、好ましくは600kg/m3以下、より好ましくは500kg/m3以下、更に好ましくは400kg/m3以下である。これらの観点から、この嵩密度は、好ましくは50〜600kg/m3、より好ましくは65〜500kg/m3、更に好ましくは100〜400kg/m3である。なお、上記の嵩密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明に用いられるセルロース含有原料の比表面積は、粉砕機中に粉砕原料を効率的に分散させる観点から、好ましくは0.2m2/kg以上、より好ましくは0.65m2/kg以上、更に好ましくは0.8m2/kg以上である。一方、この比表面積の上限は、生産性の観点から、好ましくは750m2/kg以下、より好ましくは200m2/kg以下、更に好ましくは50m2/kg以下である。これらの観点から、この比表面積は、好ましくは0.2〜750m2/kg、より好ましくは0.65〜200m2/kg、更に好ましくは0.8〜50m2/kgである。なお、上記の比表面積は、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔裁断処理〕
本発明に用いられるセルロース含有原料は、その形状や大きさによっては、予め裁断処理を行うことが好ましい。
セルロース含有原料を裁断する方法は、セルロース含有原料の種類や形状により適宜選択することができるが、例えば、シュレッダー、スリッターカッター及びロータリーカッターから選ばれる1種以上の裁断機を使用する方法が挙げられる。
シート状のセルロース含有原料を用いる場合、裁断機としてシュレッダー又はスリッターカッターを使用することが好ましく、生産性の観点から、スリッターカッターを使用することがより好ましい。
スリッターカッターは、シートの長手方向に沿った縦方向にロールカッターで縦切りして、細長い短冊状とし、次に、固定刃と回転刃でシートの幅方向に沿って短く横切りすることにより、さいの目形状のセルロース含有原料を容易に得ることができる。スリッターカッターとしては、株式会社ホーライ製のシートペレタイザ、株式会社荻野精機製作所製のスーパーカッターを好ましく使用でき、この装置を使用すると、シート状のセルロース含有原料を約1〜20mm角に裁断することができる。
間伐材、剪定枝材、建築廃材等の木材類、あるいはシート状以外のセルロース含有原料を裁断する場合には、ロータリーカッターを使用することが好ましい。ロータリーカッターは、回転刃とスクリーンから構成され、回転刃によりスクリーンの目開き以下に裁断されたセルロース含有原料を容易に得ることができる。なお、必要に応じて固定刃を設け、回転刃と固定刃により裁断することもできる。
ロータリーカッターを使用する場合、得られる粗粉砕物の大きさは、スクリーンの目開きを変えることにより、制御することができる。スクリーンの目開きは、1〜70mmが好ましく、2〜50mmがより好ましく、3〜40mmが更に好ましい。スクリーンの目開きが1mm以上であれば、適度な嵩高さを有する粗粉砕物が得られ取り扱い性が向上する。スクリーンの目開きが70mm以下であれば、後の粉砕処理において、粉砕原料として適度な大きさを有するために、粉砕に要する負荷を軽減することができる。
ここで、「後の粉砕処理」とは、後述する粗砕処理、及び非晶化処理における粉砕処理を意味する。
裁断処理後に得られるセルロース含有原料の大きさは、好ましくは1〜70mm角、より好ましくは2〜50mm角である。1〜70mm角に裁断することにより、後の乾燥処理を効率良く容易に行うことができ、また後の粉砕処理における粉砕に要する負荷を軽減することができる。
〔粗砕処理〕
次に、セルロース含有原料、好ましくは前記裁断処理で得られたセルロース含有原料を必要に応じて更に粗砕処理することができる。
粗砕処理は、圧縮せん断力を作用させて機械的に粉砕する方法として従来よく用いられる衝撃式の粉砕機、例えば、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル等を用いても行うことができるが、粉砕物が綿状化して嵩高くなるため、粉砕物の取り扱い性、質量ベースの処理能力の観点から、押出機による処理が好ましい。押出機処理により、圧縮せん断力を作用させ、セルロースの結晶構造を破壊して、セルロース含有原料を粉末化させ、嵩密度を更に高めることができる。
押出機は、単軸、二軸のどちらの形式でもよいが、搬送能力を高める等の観点から、二軸押出機が好ましい。
二軸押出機は、シリンダの内部に2本のスクリューが回転自在に挿入された押出機であり、従来から公知のものが使用できる。2本のスクリューの回転方向は、同一でも逆方向でもよいが、搬送能力を高める観点から、同一方向の回転が好ましい。
また、スクリューの噛み合い条件としては、完全噛み合い、部分噛み合い、非噛み合いの各形式の押出機のいずれでもよいが、処理能力を向上させる観点から、完全噛み合い型、部分噛み合い型が好ましい。
押出機は、強い圧縮せん断力を加える観点から、スクリューのいずれかの部分に、いわゆるニーディングディスク部を備えることが好ましい。
ニーディングディスク部とは、複数のニーディングディスクで構成され、これらを連続して、一定の位相で、例えば90°ずつずらしながら組み合わせたものであり、スクリューの回転にともなって、ニーディングディスク間あるいはニーディングディスクとシリンダの間の狭い隙間にセルロース含有原料を強制的に通過させることで極めて強いせん断力を付与することができる。スクリューの構成は、ニーディングディスク部と複数のスクリューセグメントとが交互に配置されることが好ましい。二軸押出機の場合、2本のスクリューが、同一の構成を有することが好ましい。
粗砕処理の方法は、前記セルロース含有原料、好ましくは前記裁断処理して得られたセルロース含有原料を押出機に投入し、連続的に処理する方法が好ましい。せん断速度は、10sec-1以上が好ましく、20〜30000sec-1がより好ましく、50〜3000sec-1が更に好ましく、500〜3000sec-1が特に好ましい。せん断速度が10sec-1以上であれば、有効に粉砕が進行する。その他の処理条件は、特に制限はないが、処理温度は5〜200℃が好ましい。
また、押出機によるパス回数は、1パスでも十分効果を得ることができるが、セルロースの結晶化指数及び重合度を低下させる観点から、1パスで不十分な場合は、2パス以上行うことが好ましい。また、生産性の観点からは、1〜10パスが好ましい。パスを繰り返すことにより、粗大粒子が粉砕され、粒径のばらつきが少ない粉末状セルロース含有原料を得ることができる。2パス以上行う場合、生産能力を考慮し、複数の押出機を直列に並べて処理を行ってもよい。
粗砕処理後に得られるセルロース含有原料の平均粒径は、振動ミル中にセルロース含有原料を効率的に分散させる観点から、0.01〜1mmの範囲が好ましく、0.01〜0.7mmがより好ましく、0.05〜0.5mmが更に好ましい。平均粒径が1mm以下であれば、振動ミル中にセルロース含有原料を効率的に分散させることができ、長時間を要することなく所定の粒径に到達することができる。一方、この平均粒径の下限は、生産性の観点から、0.01mm以上が好ましい。なお、上記の平均粒径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔乾燥処理〕
本発明において、セルロース含有原料、好ましくは上記裁断処理及び/又は粗砕処理して得られたセルロース含有原料を乾燥処理することが好ましい。
一般に、市販のパルプ類、バイオマス資源として利用される紙類、木材類、植物茎・葉類、植物殻類等の一般に利用可能なセルロース含有原料は、5質量%を超える水分を含有しており、通常5〜30質量%程度の水分を含有している。
したがって、本発明では、乾燥処理を行うことによって、セルロース含有原料の水分含量を3.5質量%以下に調整する。
乾燥方法は、公知の乾燥手段を適宜選択すればよく、例えば、熱風受熱乾燥法、伝導受熱乾燥法、除湿空気乾燥法、冷風乾燥法、マイクロ波乾燥法、赤外線乾燥法、天日乾燥法、真空乾燥法、凍結乾燥法等が挙げられる。
上記の乾燥方法において、公知の乾燥機を適宜選択して使用することができ、例えば、「粉体工学概論」(社団法人日本粉体工業技術会編集 粉体工学情報センター1995年発行)176頁に記載の乾燥機等が挙げられる。
これらの乾燥方法及び乾燥機は1種でも又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。乾燥処理はバッチ処理、連続処理のいずれでも可能であるが、生産性の観点から連続処理が望ましい。
連続乾燥機は、伝熱効率の観点から伝導受熱型の横型攪拌乾燥機が好ましい。更に、微粉が発生しにくく、連続排出の安定性の観点から2軸の横型攪拌乾燥機が好ましい。2軸の横型攪拌乾燥機としては、株式会社奈良機械製作所製の2軸パドルドライヤーを好ましく使用できる。
乾燥処理における温度は、乾燥手段、乾燥時間等により一概には決定できないが、10〜250℃が好ましく、25〜180℃がより好ましく、50〜150℃が更に好ましい。処理時間は0.01〜2時間が好ましく、0.02〜1時間がより好ましい。必要に応じて減圧下で乾燥処理を行ってもよく、圧力は、1〜120kPaが好ましく、50〜105kPaがより好ましい。
[非晶化セルロースの製造]
本発明では、セルロース含有原料、好ましくは上記の裁断処理、粗砕処理及び/又は乾燥処理を行ったセルロース含有原料を、Fe含有率が50質量%以上、外径5〜60mmのロッドを充填した振動ミルを用いて、前記計算式(2)を満たす条件下で処理することで、セルロースI型結晶化指数を33%以下に低減した非晶化セルロースを製造する(以下、該処理を「非晶化処理」と称する場合がある)。
〔振動ミル〕
本発明では、セルロース含有原料を、粉砕媒体である外径5〜60mmのロッドを充填した振動ミルを用いて特定条件下で処理することにより、セルロース含有原料中のセルロースを効率的に非晶化することができ、かつ、得られた非晶化セルロースへの粉砕媒体由来の摩耗粉の混入を低減することができる。
振動ミルとしては、ユーラステクノ株式会社製のバイブロミル、中央化工機株式会社製の振動ミル、株式会社吉田製作所製の小型振動ロッドミル1045型、ドイツのフリッチュ社製の振動カップミルP−9型、日陶科学株式会社製の小型振動ミルNB−O型等を用いることができる。処理方法は、バッチ処理及び連続処理のどちらでもよいが、生産性の観点から連続処理が好ましい。
〔ロッド〕
振動ミルの粉砕媒体として用いるロッドとは棒状の粉砕媒体であり、ロッドの断面が四角形、六角形等の多角形、円形、楕円形等のものを用いることができる。粉砕媒体にボールを用いる際に比べ、ロッドを用いた方が振動ミル中の粉砕媒体の充填率を高くすることができ、効率的にセルロース含有原料の結晶化指数を低減することができる。
〔ロッドのFe含有率〕
ロッドの材質としては、例えば、鉄、ステンレス等が挙げられ、Feの含有率が50質量%以上のものを用いる。ステンレスとしては、オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、析出硬化系が挙げられ、いずれも用いることができるが、オーステナイト系のステンレスであることが好ましい。オーステナイト系のステンレスとしては、SUS304、SUS304N2、SUS316、SUS316L、SUS201等が挙げられ、マルテンサイト系のステンレスとしては、SUS403、SUS410J1、SUS440C、SUS420J2、SUS431等が挙げられ、フェライト系のステンレスとしてはSUS430、SUS447J1等が挙げられ、析出硬化系のステンレスとしてはSUS630、SUS631等が挙げられる。
粉砕性や媒体コストの観点から、Fe含有率が高いロッドを用いる方が好ましい。ロッドのFe含有率は、55質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、65質量%以上が更に好ましい。
ロッドの外径は、5〜60mmであり、好ましくは10〜50mm、より好ましくは20〜45mmの範囲である。ロッドの大きさが上記の範囲であれば、所望の粉砕力が得られ、効率的にセルロースを非晶化させることができるとともに、得られる非晶化セルロース中のFe含有量を低減することができると考えられる。
ロッドの長さは、振動ミルの容器の長さよりも短いものであれば特に限定されないが、例えば、好ましくは50mm〜5m、より好ましくは75mm〜2m、更に好ましくは100mm〜1mのものを使用することができる。
ロッドの充填率は、振動ミルの機種により好適な範囲が異なるが、好ましくは10〜97%、より好ましくは20〜95%、更に好ましくは30〜95%、更により好ましくは40〜95%、特に好ましくは50〜95%の範囲である。充填率がこの範囲内であれば、セルロース含有原料と粉砕媒体であるロッドとの接触頻度が向上するとともに、ロッドの動きを妨げずに、粉砕効率を向上させることができる。
また、ロッドの充填率が高いと、同一時間処理した場合に得られる非晶化セルロース中のFe含有量が増加する傾向にあるが、短時間で効率よくセルロースを非晶化できるので、結果としてFe含有量の増加を抑えることができる。
なお、ロッドの充填率とは、振動ミルの容積に対する、ロッドの見かけの体積が占める割合をいう。
〔振動ミルの処理条件〕
振動ミルは、下記計算式(2)を満たす条件下で処理する。
0.45≦αω(m・rad/sec) (2)
〔αは、片振幅(m)、ωは、角速度(rad/sec)を示す。〕
角速度ω=2πf/60で表され、fは回転数(r/min)を示す。
このαωは、0.45m・rad/sec以上であり、非晶化セルロースの生産効率を向上させる観点から、0.51m・rad/sec以上が好ましく、0.55m・rad/sec以上がより好ましく、0.60m・rad/sec以上が更に好ましい。αωの上限値は特に制限されず、振動ミルの能力限界まで上げることができる。
片振幅αは、粉砕効率向上と機器保護の観点から、2mm〜15mmが好ましく、4mm〜10mmがより好ましく、4mm〜8mmが更に好ましい。また、回転数fは、同様の観点から、200rpm〜2000rpmが好ましく、600rpm〜1500rpmがより好ましく、800rpm〜1500rpmが更に好ましい。
振動ミルの処理時間は、振動ミルの種類、ロッドの種類、大きさ及び充填率等により一概に決定できないが、セルロース含有原料の結晶化指数を効率的に低減する観点から、好ましくは0.5分〜24時間、より好ましくは2分〜12時間、更に好ましくは3分〜6時間、更により好ましくは、4分〜1時間、特に好ましくは5〜40分である。
処理温度は、特に制限はないが、熱によるセルロースの劣化を防ぐ観点から、好ましくは5〜250℃、より好ましくは10〜200℃、更に好ましくは15〜150℃である。
〔セルロース含有原料の充填率〕
セルロース含有原料の充填率は、振動ミルの機種により好適な範囲が異なるが、好ましくは1.4〜150g/L、より好ましくは5.0〜100g/L、更に好ましくは10〜80g/L、更により好ましくは15〜50g/L、特に好ましくは20〜40g/Lの範囲である。充填率がこの範囲内であれば、粉砕媒体であるロッド同士の空打ちを防ぐことができ、セルロース含有原料とロッドとの接触頻度が向上するとともに、ロッドの動きを妨げずに、粉砕効率を向上させることができる。なお、セルロース含有原料の充填率とは、振動ミルの容積に対する、セルロース含有原料の仕込み量をいう。
〔非晶化セルロース中のFe含有量〕
本発明の製造方法により得られた非晶化セルロース中のFe含有量は、45ppm以下であることが好ましい。本発明のように、金属製の粉砕媒体を用いてセルロース含有原料を非晶化させる場合、粉砕媒体同士の衝突や摩擦が原因で、得られる非晶化セルロース中にその摩耗粉が混入してしまうという問題があるが、本発明の製造方法を用いることで、得られる非晶化セルロースへの摩耗粉の混入を低減することができる。
非晶化セルロース中のFe含有量は、より好ましくは40ppm以下、更に好ましくは37ppm以下、特に好ましくは35ppm以下である。
得られた非晶化セルロースにおいて、ロッド由来の磨耗粉の成分のうちFeの混入量が最も多くなるため、非晶化セルロース中のFe含有量を測定することで、ロッド由来の摩耗粉の混入度合いを評価することができる。Fe含有量は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔平均粒径〕
本発明により製造される非晶化セルロースは、平均粒径が、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、更に好ましくは80μm以下のものである。平均粒径は実施例に記載の方法により測定することができる。
セルロース含有原料及び非晶化セルロースの嵩密度、比表面積、平均粒径、結晶化指数、水分含量、セルロース含有量(セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中の含有量、以下同じ)及び粉砕媒体由来の摩耗粉の混入量の測定は、下記に記載の方法で行った。
(1)嵩密度の測定
嵩密度は、パウダーテスター〔ホソカワミクロン株式会社製〕を用いて測定した。測定は、ふるいを振動させて、サンプルをシュートを通じ落下させ、規定の容器(容量100mL)に受け、該容器中のサンプルの質量を測定することにより算出した。ただし綿状化したサンプルについては、ふるいを通さずにシュートを通じ落下させ、規定の容器(容量100mL)に受け、該容器中のサンプルの質量を測定することにより算出した。
(2)比表面積の測定
比表面積は、セルロース含有原料の長径が1mm以上の形状である場合、電子画像あるいは物差しを用いてセルロース含有原料1個あたりの表面積A1(m2)と体積V1(m3)を求め、セルロース結晶の真比重(ρ=1600kg/m3)を用いて、A1/(V1×ρ)より算出した。セルロース含有原料が1mm角以下の形状である場合、電子画像よりセルロース含有原料1個あたりの円相当径を求め、円相当径より表面積A1(m2)と体積V1(m3)を求め、A1/(V1×ρ)より算出した。セルロース含有原料100個についてこれらの値を求め、その平均値を代表値とした。
(3)平均粒径の測定
平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置〔株式会社堀場製作所製「LA−920」〕を用いて測定した。測定条件は、粒径測定前に超音波で1分間処理し、測定時の分散媒体としてエタノールを用い、体積基準のメジアン径を、温度25℃にて測定した。
(4)結晶化指数の算出
セルロースI型結晶化指数は、サンプルのX線回折強度を、X線回折装置〔株式会社リガク製「Rigaku RINT 2500VC X−RAY diffractometer」〕を用いて以下の条件で測定し、下記計算式(1)に基づいて算出した。
セルロースI型結晶化指数(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
測定条件は、X線源:Cu/Kα−radiation,管電圧:40kv,管電流:120mA,測定範囲:回折角2θ=5〜45°、X線のスキャンスピードは10°/minで測定した。測定用サンプルは面積320mm2×厚さ1mmのペレットを圧縮し作製した。
(5)水分含量の測定
水分含量は、赤外線水分計(株式会社島津製作所製、「MOC−120H」)を使用し、秤量皿に試料5gを載せ、乾燥温度120℃、自動停止モード(30秒間の水分変化量が0.05%以下になったら測定終了)の条件下で水分蒸発量を求めて算出した。
(6)セルロース含有量の測定
セルロース含有量は、社団法人日本分析化学会編、分析化学便覧(改訂四版、平成3年11月30日、丸善株式会社発行)の1081頁〜1082頁に記載のホロセルロース定量法により測定した。
(7)粉砕媒体由来の摩耗粉の混入量(Fe含有量)の測定
材質がステンレス(SUS304)の粉砕媒体を用いたため、粉砕媒体由来の摩耗粉の混入量は、粉砕終了時点の非晶化セルロース中のFe含有量を測定して評価した。Fe含有量は、湿式分解/ICP発光分析により算出した。
(湿式分解)
試料1gを分解容器に採取し、硫酸、硝酸及び過酸化水素で湿式分解を行い、純水で25mlにメスアップした液を試料溶液とした。検量線用標準試料は原子吸光用Fe1000ppm(mg/kg)標準水溶液を試料と同濃度になるように硫酸を加え純水で希釈して0−0.1−2ppmのもの及び0−2−20ppmのものを調製した。
(ICP発光分析)
上記で調製したサンプルをICP発光分析装置〔PerkinElmer製「Optima5300DV」〕を用いて以下の条件で測定し、定量分析を行った。
測定条件は、高周波電源周波数:40MHz,プラズマ出力:1300W,プラズマガス:15L/min,キャリーガス:0.7L/min,補助ガス:0.2L/min,測定波長238.204nmで測定した。
実施例1
〔裁断処理〕
セルロース含有原料として、シート状木材パルプ〔テンベック製「HV+」、800mm×600mm×1.0mm、結晶化指数80%、セルロース含有量96質量%、水分含量8.0質量%〕を、シートペレタイザ〔株式会社ホーライ製「SG(E)−220」〕にかけ、約3mm×1.5mm×1.0mmの大きさ(比表面積2.5m2/kg)に裁断した。
〔乾燥処理〕
裁断処理により得られたパルプを、2軸横型攪拌乾燥機〔株式会社奈良機械製作所製、2軸パドルドライヤー「NPD−1.6W(1/2)」〕を用いて乾燥した。乾燥温度は140℃とし、あらかじめパルプを8kg仕込み、60分間バッチ処理で乾燥して、パルプの水分含量を0.8質量%とした。その後、装置を2°傾け、連続処理にてパルプを乾燥した。このときパルプの供給速度は18kg/hとした。連続処理で得られた乾燥パルプの水分量も0.8質量%であった。得られた乾燥パルプは、保管中の吸湿を防ぐため、次工程の非晶化処理の直前までアルミ製の袋で保管した。X線回折強度から算出した乾燥処理後のパルプの結晶化指数は81%であった。乾燥処理後のパルプの嵩密度は200kg/m3であった。
〔非晶化処理〕
乾燥処理により得られたパルプを、振動ミル〔中央化工機製「MB−1」、容器全容量3.58L〕に100g投入し、ロッドとして、外径30mm、長さ211mm、材質ステンレス(SUS304:Fe含有率66〜74質量%)、断面形状が円形のロッド13本を振動ミルに充填(充填率58%)して、片振幅4mm、回転数1200rpm(αω=0.50)の条件で、30分間処理した。
処理終了後、振動ミル内の壁面や底部にパルプの固着物等は見られなかった。非晶化セルロースを前記振動ミルから取り出し、得られた非晶化セルロースのX線回折強度から結晶化指数を算出し、更に平均粒径及びFe含有量を測定した。結果を表1に示す。
実施例2〜3
乾燥処理において、裁断処理して得られたパルプを、乾燥後のパルプの水分含量が2.3質量%(実施例2)及び3.1質量%(実施例3)になるように乾燥したこと以外は、実施例1と同様の方法で非晶化セルロースを得た。得られた非晶化セルロースのX線回折強度から結晶化指数を算出し、更に平均粒径及びFe含有量を測定した。結果を表1に示す。
実施例4
非晶化処理において、振動ミル〔中央化工機製「MB−1」、容器全容量3.58L〕に100g投入し、ロッドとして、外径30mm、長さ211mm、材質ステンレス(SUS304:Fe含有率66〜74質量%)、断面形状が円形のロッド11本を振動ミルに充填(充填率49%)したこと以外は、実施例1と同様の方法で非晶化セルロースを得た。得られた非晶化セルロースをX線回折強度から結晶化指数を算出し、更に平均粒径及びFe含有量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2012111841
実施例5
非晶化処理において、乾燥処理により得られたパルプを、バイブロミル〔ユーラステクノ製「YAMT−20」、容器全容量21L〕に293g投入し、ロッドとして、外径30mm、長さ582mm、材質ステンレス(SUS304:Fe含有率66〜74質量%)、断面形状が円形のロッド15本を振動ミルに充填(充填率61%)して、片振幅4mm、回転数1200rpm(αω=0.50)の条件で、20分間処理したこと以外は、実施例1と同様の方法で非晶化セルロースを得た。得られた非晶化セルロースの平均粒径及び結晶化指数を測定した。結果を表2に示す。
実施例6
非晶化処理において、片振幅4.6mm、回転数1200rpm(αω=0.58)の条件で処理したこと以外は、実施例5と同様の方法で非晶化セルロースを得た。得られた非晶化セルロースの平均粒径及び結晶化指数を測定した。結果を表2に示す。
実施例7
非晶化処理において、片振幅6.7mm、回転数1000rpm(αω=0.70)の条件で処理したこと以外は、実施例5と同様の方法で非晶化セルロースを得た。得られた非晶化セルロースの平均粒径及び結晶化指数を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2012111841
比較例1〜2
乾燥処理において、裁断処理して得られたパルプを、乾燥後のパルプの水分含量が4.2質量%(比較例1)及び8.0質量%(比較例2)になるように乾燥したこと以外は、実施例1と同様の方法で非晶化セルロースを得た。得られた非晶化セルロースのX線回折強度から結晶化指数を算出し、更に平均粒径及びFe含有量を測定した。結果を表3に示す。
比較例3
非晶化処理において、乾燥処理により得られたパルプを、振動ミル〔中央化工機製「MB−1」、容器全容量3.58L〕に100g投入し、粉砕媒体として、外径30mm、材質ステンレス(SUS304:Fe含有率66〜74質量%)のボール115個を振動ミルに充填(充填率48%)したこと以外は、実施例1と同様の方法で非晶化セルロースを得た。得られた非晶化セルロースのX線回折強度から結晶化指数を算出し、更に平均粒径及びFe含有量を測定した。結果を表3に示す。
実施例4と比較例3との比較から、充填率が同等であっても、粉砕媒体としてボールよりもロッドを用いた方が効率的にセルロース含有原料の非晶化を行うことができ、また、得られる非晶化セルロース中のFe含有量を低減できることがわかる。
Figure 2012111841
図1には、セルロース含有原料の水分含量と、振動ミルで30分非晶化処理を行った後に得られた非晶化セルロースの結晶化指数及びFe含有量との関係を示した(実施例1〜3及び比較例1〜2)。非晶化処理前のセルロース含有原料の水分含量が少ないと、得られた非晶化セルロースは、結晶化指数及びFe含有量が低いことがわかる。また、セルロース含有原料の水分含量が3.5質量%以下においては、水分含量の増加に伴うFe含有量の増加率が低いことがわかる。
図2には、振動ミルに充填した粉砕媒体の形状と、得られた非晶化セルロースのFe含有量との関係を示した(実施例4及び比較例3)。粉砕媒体にボールを用いるよりロッドを用いた方が、得られた非晶化セルロースの結晶化指数も低くなり、更にFe含有量も大幅に低下することがわかる。
図3には、振動ミルの処理条件(αω)と、セルロース含有原料を振動ミルにより20分間処理した後に得られた非晶化セルロースの結晶化指数との関係を示した(実施例5〜7)。図3より、得られた非晶化セルロースの結晶化指数はαωに依存し、αωの値が大きい方が、結晶化指数を低減した非晶化セルロースを短時間で効率的に得ることができ、生産性に優れることがわかる。
本発明の非晶化セルロースの製造方法は、粉砕媒体由来の摩耗粉の混入が少なく、セルロースI型結晶化指数を33%以下に低減した非晶化セルロースを効率的に得ることができ、工業的製法として有用である。得られた非晶化セルロースは、セルロースエーテルの原料、化粧品、食品、バイオマス材料、樹脂の補強剤等の工業原料に特に有用である。

Claims (5)

  1. セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であり、下記計算式(1)で示されるセルロースのセルロースI型結晶化指数が33%を超え、かつ水分含量が3.5質量%以下であるセルロース含有原料を、Fe含有率50質量%以上、外径5〜60mmのロッドを充填した振動ミルを用いて、下記計算式(2)を満たす条件下で処理することで、該セルロースI型結晶化指数を33%以下に低減する非晶化セルロースの製造方法。
    セルロースI型結晶化指数(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
    〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
    0.45≦αω(m・rad/sec) (2)
    〔αは、片振幅(m)、ωは、角速度(rad/sec)を示す。〕
  2. 非晶化セルロース中のFe含有量が45ppm以下である、請求項1に記載の非晶化セルロースの製造方法。
  3. セルロース含有原料が、シュレッダー、スリッターカッター及びロータリーカッターから選ばれる1種以上の裁断機を使用する裁断処理により得られたものである、請求項1又は2に記載の非晶化セルロースの製造方法。
  4. セルロース含有原料が、乾燥処理により水分含量を3.5質量%以下に低減したものである、請求項1〜3のいずれかに記載の非晶化セルロースの製造方法。
  5. セルロース含有原料がパルプである請求項1〜4のいずれかに記載の非晶化セルロースの製造方法。
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