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JP2012110949A - 鋼管の冷間引抜き方法 - Google Patents

鋼管の冷間引抜き方法 Download PDF

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JP2012110949A JP2010263458A JP2010263458A JP2012110949A JP 2012110949 A JP2012110949 A JP 2012110949A JP 2010263458 A JP2010263458 A JP 2010263458A JP 2010263458 A JP2010263458 A JP 2010263458A JP 2012110949 A JP2012110949 A JP 2012110949A
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Kazuhiro Uchida
和宏 内田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

【課題】冷間引抜き後の偏肉を抑制し、外径精度、肉厚精度を向上させることができる鋼管の冷間引抜き方法を提供する。
【解決手段】冷間引抜きを実施する際における外径の加工度をRD(%)、厚肉側肉厚の加工度をRT(%)としたとき、下記(1)式および(2)式を満たす条件で冷間引抜きを実施する。ここで、RD=100(D0−D)/D0、RT=100(T0−T)/T0、D0またはD:冷間引抜き前または後の外径(mm)、T0またはT:冷間引抜き前または後の肉厚(mm)である。
20(%)≦RD≦35(%) ・・・(1)
5(%)≦RT≦25(%) ・・・(2)
(1)式、(2)式に加え、RT/RD≦0.5を満たす条件での引抜き加工が望ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋼管の冷間引抜き方法に関し、詳しくは、鋼管の偏肉を改善し、引抜き後の外径精度、肉厚精度を向上させることができる鋼管の冷間引抜き方法に関する。
別に記載がない限り、本明細書における用語の定義は次のとおりである。
「偏肉量」:鋼管の任意の断面における肉厚の最大値と最小値の差をいう(後述する図1参照)。
「偏肉改善量」:冷間引抜き前の素管の偏肉量と引抜き後の管の偏肉量の差である。
機械構造用部品に用いられる鋼管としては、冷間引抜きを実施することにより内外面に加工を施した鋼管が適用される場合が多い。また、例えばドライブシャフトなどの自動車用部品等において、軽量化を目的として、棒鋼に替えて鋼管を使用する場合にも、冷間引抜きを行った鋼管が用いられることが多い。
冷間引抜きを実施する場合、引抜き後の偏肉量が多いと、最低肉厚を確保して強度ならびに安全率を確保するために、加工代を増加して全体の肉厚を厚くしなければならず、軽量化を目的とする場合であれば、軽量化の効果が減殺されることとなる。
金属管における偏肉を抑制し、寸法精度を向上させるために、従来、様々な方法が提案されてきた。例えば、特許文献1では、加熱炉において所定温度に所定時間均熱した低合金鋼のビレットに穿孔圧延および延伸圧延を行って素管とし、この素管を再加熱炉において所定温度に所定時間均熱した後に定径圧延を行い、望ましくは、さらに肉厚加工度を6%以上30%以下とする冷間引抜きを行う継目無鋼管の製造方法が提案されている。この方法によれば、肉厚が4mm以下の薄肉管における偏肉の発生を効果的に抑制できるとしている。しかしながら、この提案の方法では、後述する本発明の冷間引抜きにおいて採用している外径加工については何も記載されておらず、外形加工度を増大させることによる効果が見過ごされている。
特許文献2には、高周波溶接管を、内面ビードが所定高さ以下になるように切削した後、管外径減少率が10%以上でかつ肉厚減少率が5%以上になるように芯引加工する内外径精度の良好な溶接管の製造方法が開示されている。しかし、この開示の方法では、肉厚精度の向上(つまり、偏肉抑制)についての記載がなく、偏肉量が多い場合に、前記芯引加工によりこの偏肉を改善できるという保証はない。
また、特許文献3には、最終工程において、肉厚加工度/外径加工度を1.5以下にして冷間仕上げする鋼管の製造方法が開示されている。同文献に記載の方法は、冷間加工仕上げして得られた油井管のL方向の圧縮強度が引張強度の80%以上の鋼管を得るための方法で、後述する本発明の冷間引抜きにおいてパラメータとして採用している肉厚加工度/外径加工度が規定に含まれるのであるが、偏肉抑制については何ら言及されていない。
特開2006−150452号公報 特開平9−239433号公報 特開平10−80715号公報
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、その目的は、冷間引抜き後の偏肉を抑制し、外径精度、肉厚精度を向上させることができる鋼管の冷間引抜き方法を提供することである。
本発明の要旨は、次のとおりである:
(1)冷間引抜きを実施する際における外径の加工度をRD(%)、厚肉側肉厚の加工度をRT(%)としたとき、下記(1)式および(2)式を満たす条件で冷間引抜きを実施することを特徴とする鋼管の冷間引抜き方法。
20(%)≦RD≦35(%) ・・・(1)
5(%)≦RT≦25(%) ・・・(2)
ここで、RD=100(D0−D)/D0
T=100(T0−T)/T0
ただし、D0:冷間引抜き前の外径(mm)
D :冷間引抜き後の外径(mm)
0:冷間引抜き前の厚肉側肉厚(mm)
T :冷間引抜き後の厚肉側肉厚(mm)
(2)前記(1)式および(2)式を満たし、かつ、下記(3)式を満たす条件で冷間引抜きを実施することを特徴とする前記(1)に記載の鋼管の冷間引抜き方法。
T/RD≦0.5 ・・・(3)
(3)前記(1)式〜(3)式を満たし、かつ、冷間引抜きを実施する際における管の断面積減少率をSP(%)としたとき、下記(4)式を満たす条件で冷間引抜きを実施することを特徴とする前記(2)に記載の鋼管の冷間引抜き方法。
P≦50(%) ・・・(4)
ここで、SP=100(S0−S)/S0
ただし、S0:冷間引抜き前の管の断面積(mm)
S :冷間引抜き後の管の断面積(mm)
本発明の鋼管の冷間引抜き方法によれば、機械構造用部品や自動車用部品等に用いられる鋼管を対象として、素管の偏肉を改善し、冷間引抜き後の偏肉を抑制するとともに、外径および肉厚の精度を向上させることができる。
加工度による偏肉改善量の変化の調査で使用した偏芯偏肉素管の断面形状を模式的に示す図である。 外径加工度が21.1%の場合における途中止め材の肉厚測定結果を示す図であり、(a)は加工中の肉厚変化を示す図、(b)はダイスおよびプラグと材料の位置関係を示す図である。 外径加工度が10.0%の場合における途中止め材の肉厚測定結果を示す図であり、(a)は加工中の肉厚変化を示す図、(b)はダイスおよびプラグと材料の位置関係を示す図である。 外径加工度を一定としたときの肉厚加工度と偏肉改善量の関係を示す図である。 肉厚加工度を一定としたときの外径加工度と偏肉改善量の関係を示す図である。 肉厚加工度/外径加工度と偏肉改善量の関係を示す図である。
本発明者は、上記の課題、すなわち冷間引抜き後の偏肉を抑制するためには、厚肉側肉厚の加工度RT(以下、単に「肉厚加工度RT」という)だけではなく外径加工度RDを適正化することが必要であると考え、特に、外径加工度と、肉厚加工度/外径加工度の比(RT/RD)が偏肉の抑制に及ぼす影響に着目し、調査を行った。具体的には、機械加工により偏芯、偏肉を付与した素管を用いて、加工度(外径加工度および肉厚加工度)を広範囲にわたって変化させたときの偏肉改善量の変化を調査した。
図1は、加工度による偏肉改善量の変化の調査で使用した偏芯偏肉素管の断面形状を模式的に例示する図である。この素管の寸法は、外径38.1mm、肉厚4.0mmであり、同図に示すように、偏肉量は0.6mm(偏肉率:15%)である。
調査結果の詳細は後述する実施例に示すが、図1に示した偏芯偏肉素管を冷間引抜きして偏肉を改善するために最適な外径加工度RDおよび肉厚加工度RTは、下記(1)式および(2)式を満たすものであることが判明した。
20(%)≦RD≦35(%) ・・・(1)
5(%)≦RT≦25(%) ・・・(2)
さらに、下記(3)式、さらには管の断面積減少率SPが下記(4)式満たすのが望ましいことも判明した。
T/RD≦0.5 ・・・(3)
P≦50(%) ・・・(4)
本発明の鋼管の冷間引抜き方法において、外径加工度RDが前記の(1)式を満たすこととするのは、後述する実施例から明らかなように、外径加工度RDを20%以上とすることにより凡そ50%以上の大きな偏肉改善効果が得られるからである。一方、外径加工度RDを35%以下とするのは、35%を超えると引抜き時に管が破断する可能性が高くなり、安定した製造ができないからである。
また、肉厚加工度RTが前記の(2)式を満たすこととするのは、肉厚加工度RTが5%未満の場合には、外径、肉厚の寸法精度が低下し、25%を超えると引抜き時に管が破断する可能性が高くなるからである。
本発明の冷間引抜き方法において、さらに、前記の(3)式を満たす条件で冷間引抜きを実施することとすれば、より大きい偏肉改善効果が得られるので望ましい。
さらに、本発明の冷間引抜き方法において、前記の(3)式を満たし、かつ前記の(4)式を満たす条件で冷間引抜きを実施することとすれば、大きな偏肉改善効果が得られることに加え、引抜き時に管が破断するおそれがなくなるので望ましい。
前述のように、本発明の鋼管の冷間引抜き方法においては、外径加工度RDを20%以上と大きくすることにより大きな偏肉改善効果が得られる。そのメカニズムを解明するため、肉厚加工度を一定(10.0%)とし、外径加工度が本発明の規定を満たす21.1%の場合と、本発明の規定から外れる10.0%の場合について、途中止め材の厚肉側および薄肉側の肉厚測定を行った。「途中止め材」とは、引抜きの際に材料(素管)がダイスアプローチ部に接触した位置からダイスストレート部終了位置までの間の途中で引抜きを止めた材料である。
偏芯偏肉がある素管を引抜き加工した場合、ダイスを通過中の素管は、素管と工具の接触状態により次の図2、図3に示すように3つの区間(領域)に分けられるが、調査の結果、以下に述べるように、外径縮径領域と厚肉側肉厚加工領域の延長(つまり、これら両領域が長くなるような状態)が偏肉の改善に有効であることが判明した。
図2および図3は、それぞれ外径加工度が21.1%および10.0%の場合における途中止め材の肉厚測定結果を示す図である。両図において、(a)は加工中の肉厚変化を示す図、(b)は素管とダイスおよびプラグの位置関係を示す図である。
図2および図3の(b)に示すように、区間(i)はダイス2により素管1の外径が絞られる外径縮径領域で、素管1の厚肉側の外面がダイス2と接触する位置から厚肉側の内面がプラグ3と接触する位置までの区間である。区間(ii)はダイス2とプラグ3により素管1の厚肉側が加工を受ける肉厚加工領域で、前記厚肉側の内面がプラグ3と接触する位置から薄肉側の内面がプラグ3と接触する位置までの区間である。区間(iii)は薄肉側の内面がプラグ3と接触する位置からダイス2のストレート部の終了位置までの区間である。また、図2および図3の(a)において、横軸は、ダイスストレート部の開始位置を基準(0mm)として表した軸方向位置である。
図2(a)と図3(a)を比較すると、外径加工度が21.1%の場合(図2(a))は、外径加工度が10.0%の場合(図3(a))に比べて、区間(i)の外径縮径領域と区間(ii)の厚肉側肉厚加工領域が長いのが特徴である。そのため、厚肉側から薄肉側へのメタルフローが起こりやすく、素管が(i)と(ii)の区間を通過する間に偏肉量が減少する。
すなわち、図2(a)において、区間(i)では、加工度が大きく内面側が拘束されていないため素管1の厚肉側も若干増肉するが、区間(i)が長いので、薄肉側へのメタルフローにより薄肉側が大きく増肉して偏肉量が減少する。次の区間(ii)では、内面側がプラグ3で拘束されているので厚肉側の肉厚加工により厚肉側の肉厚が大きく減肉し、薄肉側ではメタルフローが続いて増肉する。その結果、偏肉量が大きく減少する(図2(a)中に楕円で囲んだ部分)。そのため、ダイスセンターとプラグセンターのずれが少なくなり、引抜き後の偏肉が抑制されると考えられる。
これに対し、図3(a)においては、加工度が小さく、区間(i)と区間(ii)が短いため、薄肉側へのメタルフローが起こりにくく、偏肉量の変化はほとんど起こらない。そのため、ダイスセンターとプラグセンターのずれが大きく、素管の偏肉は改善されない。
表1は、図2(a)に示した肉厚変化を、区間(i)の外径縮径および区間(ii)の厚肉側肉厚加工別に整理したものである。
Figure 2012110949
以上述べたように、偏芯偏肉素管を引抜き加工した場合における偏肉改善効果は、外径縮径や厚肉側肉厚加工により発生した厚肉側から薄肉側への円周方向のメタルフローにより肉厚が均一化され、偏肉量が減少することによるものと考えられる。
本発明の冷間引抜き方法において、引抜きの対象鋼種としては、例えば、JIS G 3441に規定される機械構造用合金鋼鋼管、その他機械構造用部品に用いられる低合金鋼管があげられる。
前記図1に示した形状、寸法を有する偏芯偏肉素材(外径:38.1mm、肉厚:4.0mm、偏肉量:0.6mm(偏肉率:15%))を使用し、外径加工度および肉厚加工度を広範囲にわたり変更して偏肉改善量に及ぼす影響を調査した。用いた素管は、1Cr−0.8Mo材で、冷間引抜き(抽伸)を1回行った後、管の外側に機械加工を施して偏芯偏肉素管としたものである。なお、「偏肉改善量」とは、前記のとおり、引抜きの前後における偏肉量の差である。
表2に冷間引抜きスケジュールおよび調査結果(偏肉改善量)を示す。引抜きはすべてテーパ(25°)ダイスおよび円筒プラグを用いて行った。
Figure 2012110949
表2において、試験No.1〜6は、外径加工度RDを一定(21.1%)にして肉厚加工度RTが偏肉改善量に及ぼす影響を調査するための試験であり、試験No.7〜10は、肉厚加工度を一定(10.0%)にして外径加工度が偏肉改善量に及ぼす影響を調査するための試験である。
図4および図5は表2に示した結果を図示したものである。図4は、外径加工度を一定としたときの肉厚加工度と偏肉改善量の関係を示す図であり、図5は、肉厚加工度を一定としたときの外径加工度と偏肉改善量の関係を示す図である。
表2および図4に示したように、外径加工度を一定として肉厚加工度を変化させた場合、肉厚加工度の増大とともに偏肉改善量も増大する。特に、肉厚加工度が10%以上で偏肉改善量が大きく、素管の偏肉量は0.6mmであるから、肉厚加工度が10%で、30%を上回る改善効果が得られている。
肉厚加工度が小さく、5%未満になると、外径、肉厚の寸法精度が低下した。一方、肉厚加工度が25%を超えると引抜き時に管が破断する可能性が高くなる。したがって、肉厚加工度は5〜25%の範囲内とすることが必要である。
また、表2および図5に示したように、肉厚加工度を一定として外径加工度を変化させた場合、外径加工度の増大とともに偏肉改善量は急激に増大した。この場合は、外径加工度がある程度大きく、20%程度以上で偏肉の改善効果が大きくなることが判明した。一方、外径加工度が35%を超えると引抜き時に管が破断する可能性が高くなり、安定した製造ができなくなる。したがって、外径加工度は20〜35%の範囲内とすることが必要である。
図6は、表2に示した、偏肉改善量の増大比率が大きかった試験No.7〜9および試験No.3の結果を図示したもので、肉厚加工度/外径加工度(RT/RD)と偏肉改善量の関係を示す図である。図6から、RT/RDが0.5以下のとき、大きな偏肉改善効果が得られることがわかる。
断面積減少率SPは、50%を超えると、引抜き時に管が破断するおそれがある。
本発明の鋼管の冷間引抜き方法は、機械構造用部品に用いられる鋼管の冷間引抜き方法として好適であり、関連産業分野において有効に利用できる。
1:素管、 2:ダイス、 3:プラグ

Claims (3)

  1. 冷間引抜きを実施する際における外径の加工度をRD(%)、厚肉側肉厚の加工度をRT(%)としたとき、下記(1)式および(2)式を満たす条件で冷間引抜きを実施することを特徴とする鋼管の冷間引抜き方法。
    20(%)≦RD≦35(%) ・・・(1)
    5(%)≦RT≦25(%) ・・・(2)
    ここで、RD=100(D0−D)/D0
    T=100(T0−T)/T0
    ただし、D0:冷間引抜き前の外径(mm)
    D :冷間引抜き後の外径(mm)
    0:冷間引抜き前の厚肉側肉厚(mm)
    T :冷間引抜き後の厚肉側肉厚(mm)
  2. 前記(1)式および(2)式を満たし、かつ、下記(3)式を満たす条件で冷間引抜きを実施することを特徴とする請求項1に記載の鋼管の冷間引抜き方法。
    T/RD≦0.5 ・・・(3)
  3. 前記(1)式〜(3)式を満たし、かつ、冷間引抜きを実施する際における管の断面積減少率をSP(%)としたとき、下記(4)式を満たす条件で冷間引抜きを実施することを特徴とする請求項2に記載の鋼管の冷間引抜き方法。
    P≦50(%) ・・・(4)
    ここで、SP=100(S0−S)/S0
    ただし、S0:冷間引抜き前の管の断面積(mm)
    S :冷間引抜き後の管の断面積(mm)
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