以下、本発明の基板処理装置について図面を参照して説明する。この基板処理装置は、露光、現像されてパターンマスクが形成された基板に対して、前記パターンマスクの荒れを改善する表面処理を行うための装置であり、図1は前記基板処理装置の第1の実施の形態を示す縦断断面図、図2はその平面図である。図中1は処理雰囲気を形成するための処理チャンバであり、この処理チャンバ1は、上部側が開口する基体11と、この基体11の上面開口部を覆うように設けられた蓋体12と、により上下に分割可能に構成され、開閉自在な処理容器をなすものである。前記処理チャンバ1は例えば円筒形状に形成され、前記基体11と蓋体12とは例えばステンレス(SUS)により構成されている。
前記基体11は側壁部11aと底板11bとにより、その内部に平面形状が円形状の凹部を形成するように構成されている。一方、前記蓋体12は側壁部12aと天板12bとにより、その内部に下方側が開口する凹部を形成するように構成されている。そして、基体11と蓋体12とは、基体11の側壁部11aの上に、蓋体12の側壁部12aの周縁領域が載置されて互いに接合されるようになっている。また、この例では蓋体12は昇降機構13により、蓋体12が基体11の上面開口部を塞いで表面処理を行うときの処理位置と、蓋体12が基体11の上方側にあって、ウエハWや後述する溶剤保持具を搬送するときの搬送位置との間で昇降自在に構成されている。前記昇降機構13は、前記処理チャンバ1を開閉するための開閉機構をなすものである。
前記基体11は、その内部にウエハWを載置するためのステージ21を備えている。このステージ21の内部には加熱部をなす加熱ヒータ22が設けられており、ステージ21に載置されるウエハWが、後述する溶剤の露点温度よりも高く、前記溶剤の沸点よりも低い温度に加熱されるようになっている。また、このステージ21に対しては、昇降機構23により昇降自在に設けられた突き上げピン24により、後述する外部の搬送機構との間でウエハWの受け渡しが行われるようになっている。この例では、加熱ヒータ22はステージ21に内蔵されているが、ステージ21に載置されるウエハWが加熱される構成であれば、どのような構成であってもよい。
前記蓋体12の裏面には、ステージ21に載置されたウエハWの表面全体と対向するように天井部材25が配置されている。この天井部材25は例えばステンレスにより構成され、ウエハWと対向する面が前記ステージ21上のウエハWの温度よりも低い温度に維持されるように構成されている。この例では、天井部材25の内部には、例えば加熱ヒータや温調流路等により構成された温度調整機構26が設けられており、天井部材25の温度調整が行われるようになっている。
さらに、前記蓋体12の側壁部12aの下面は、既述のように、その周縁領域が基体11の側壁部11aに載置される接合面として構成され、この周縁領域(接合領域)の内側は一段上がった段部14として構成されている。そして、この段部14に溶剤保持具3が着脱自在に設けられている。
この溶剤保持具3は、処理チャンバ1を閉じたときに、ウエハWとの間の雰囲気を溶剤の飽和蒸気雰囲気とするための溶剤の蒸発源となる蒸発源形成部材をなすものである。この溶剤保持具3は、例えば図2に示すように、平面形状が円形状に構成され、ウエハWよりも直径が大きい円形の吸収体31の周囲を、環状の枠体32により保持するように構成されている。前記吸収体31は溶剤を吸収して保持するものであり、例えばスポンジや多孔質セラミックス等の多孔質体や、セラミックスや金属の繊維の集合体により構成されている。また、枠体32は例えばステンレス等により構成されている。その大きさの一例を挙げると、吸収体31の直径L1は320mm程度、枠体の直径L2は380mm程度、吸収体31の厚さは5mm程度に夫々設定されている。
この溶剤保持具3は、処理チャンバ1において、蓋体12に形成された段部14の下面に枠体32が吸着されることにより保持される。前記蓋体12の側壁部12aには、段部14における前記枠体32の保持領域に開口するように吸引孔15が形成され、この吸引孔15の他端側は、バルブV1を備えた吸引路16を介して排気機構17に接続されている。こうして、枠体32が吸引孔15と対応するように溶剤保持具3を蓋体12の下面に接触させ、排気機構17により排気することにより、溶剤保持具3が蓋体12に吸着保持されることになる。
このように、蓋体12に溶剤保持具3が保持された状態で、当該蓋体12により基体11の開口部を閉じると、処理チャンバ1内では、ステージ21に載置されたウエハWの表面全体と対向するように溶剤保持具3が設けられた状態となる。また、処理チャンバ1内には、溶剤保持具3と天井部材25との間の上方空間S1と、溶剤保持具3とステージ21との間の下方空間S2とからなる密閉された処理空間が構成される。この例では、上方空間S1及び下方空間S2共に、溶剤の飽和蒸気雰囲気を形成しやすくするために、狭い空間として形成されている。例えば前記上方空間S1は、吸収体31の上面と天井部材25の下面との距離が例えば2mmに設定され、前記下方空間S2は、吸収体31の下面とステージ21上のウエハW表面との距離が例えば3mmに設定される。また、ウエハW外縁と処理チャンバ1の側壁の内面との距離は例えば10mmに設定される。
この例の基板処理装置には、処理チャンバ1に隣接するように、溶剤保持具3を保持するための保持部をなす格納部4が設けられており、この格納部4は、複数例えば2枚の溶剤保持具3を棚状に保持するように構成されている。前記格納部4は例えば角型の格納室41を備えており、この格納室41は処理チャンバ1と図1及び図2中X方向に並ぶように設けられている。以降、図2中X方向を格納室41の長さ方向、Y方向を幅方向、当格納室41の処理チャンバ1側を前方側として説明を進める。
前記格納室41における前方側の側壁部41aから側方側の側壁部41b、41dに亘っては、溶剤保持具3を格納室41に対して搬入出するための開口部42が形成され、当該開口部42は昇降自在に設けられたシャッタ43により開閉自在に構成されている。また、前記格納室41の内部には溶剤保持具3の保持部材44が設けられている。この保持部材44は、例えば格納室41の後方側の側壁部41cから前方側に向って長さ方向(X方向)に伸びるように設けられた一対の棒状部材44a,44bからなり、溶剤保持具3はこれら棒状部材44a,44bの上に載置される。
さらに、前記格納室41の内部には、溶剤保持具3に対して溶剤を供給するための溶剤供給部をなす供給ノズル5が、その吐出領域51が上方側を向くように設けられている。前記供給ノズル5は、前記吐出領域51が例えば吸収体31の直径L1よりも長くなるように長尺状に構成され、その長さ方向が幅方向(Y方向)に沿うように配置されている。この供給ノズル5は、格納室41の底板41e上に設置された長さ方向に伸びるノズル用ガイドレール53に沿って、ノズル駆動機構52により、格納室41の内部を長さ方向に移動自在に構成されている。前記ノズル駆動機構52をノズル用ガイドレール53に沿って移動させる機構としては、例えばボールネジ機構等が用いられる。
前記供給ノズル5は、バルブV2を備えた供給路54aを介して溶剤の供給源54に接続されている。この溶剤としては、レジスト膜を溶解する溶剤が用いられ、その一例を挙げると、アセトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、γブチルラクトン、ピリジン、キシレン、Nメチル2ピロリジノン(NMP)、ブタノール、乳酸エチル、エタノール、2−へプタノン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、アニソール等が用いられる。溶剤は、液体状態で供給ノズル5に供給され、供給ノズル5の吐出領域51からはミスト状又は液体状の溶剤が吐出されるようになっている。
こうして、供給ノズル5は格納室41内を長さ方向に移動しながら、保持部材44上に載置された溶剤保持具3に対して、下方側からミスト状又は液体状の溶剤を供給する。さらに、格納室41の底板41eには、後方側の側壁部41cに寄った位置に排気孔45が形成され、当該排気孔45はバルブV3を備えた排気路46を介して排気機構47に接続されている。図3は、前記格納部4を供給ノズル5よりも処理チャンバ1側に寄った位置から見た断面図である。前記格納部4では、後述するように溶剤保持具3に対して溶剤の供給を行うが、格納部4の内部を露点温度以下に温度調整するようにしてもよい。
前記溶剤保持具3は保持具搬送機構6により、処理チャンバ1と格部4との間で搬送されるように構成されている。この保持具搬送機構6は、図2に示すように、一対の保持部材61,62を備えており、この保持部材61,62により、幅方向の両側から枠体32の下方側を保持するように構成されている。図中60は、枠体32の裏面側周縁部を保持する保持部であり、この保持部60は、保持具搬送機構6が後述するように格納部4内に移動したときに、保持部材44と互いに干渉しないように設けられている。
前記保持部材61,62は、処理チャンバ1の側方から格納部4の側方に亘って、長さ方向に夫々伸びるアーム用ガイドレール63,64に沿って、夫々アーム駆動機構65,66により、処理チャンバ1側の位置と、格納部4側の位置との間で移動自在に構成されている。前記アーム駆動機構65,66をアーム用ガイドレール63,64に沿って移動させる機構としては、例えばボールネジ機構等が用いられる。図中61a及び62aは、前記保持部材61,62とアーム駆動機構65,66とを接続するための接続アームであり、前記アーム駆動機構65,66は、これら接続アーム61a,62aを介して保持部材61,62を昇降するように構成されている。
前記保持部材61,62は、図1及び図3に示すように、通常は格納部4の下方側の待機位置にて待機しており、溶剤保持具3の搬送を行うときには、一旦処理チャンバ1の基体11の上方側にスライド移動して、高さ位置を調整してから、蓋体12に対して溶剤保持具3を受け渡す位置と、格納室41内の保持部材44に対して溶剤保持具3を受け渡す位置との間で移動するようになっている。このため、処理チャンバ1の基体11の上面と、格納部4の下面との間に、保持部材61,62の搬送領域が形成されるように、処理チャンバ1と格納部4の高さ位置が夫々設定されると共に、蓋体12の前記搬送位置は、格納部4との間での溶剤保持具3の搬送を妨げない位置に設定される。
この例では、図2に示すように、前記処理チャンバ1と格納部4は共通の処理室18の内部に設けられており、処理室18における処理チャンバ1側の側面には、図示しない外部の搬送機構と処理チャンバ1との間でウエハWの受け渡しを行うための搬送口19が形成されている。
前記基板処理装置は制御部100により制御されるように構成されている。この制御部100は例えばコンピュータからなり、プログラム、メモリ、CPUを備えている。前記プログラムには制御部100から基板処理装置の各部に制御信号を送り、所定の表面処理を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。このプログラムは、コンピュータ記憶媒体例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)等の記憶部に格納されて制御部100にインストールされる。
ここで前記プログラムには、蓋体12の昇降機構13、排気機構17,47のバルブV1,V2、加熱ヒータ22、温調機構26、突き上げピン24の昇降機構23、ノズル駆動機構52、供給路54aのバルブV3、アーム駆動機構65,66を制御するためのプログラムも含まれており、制御部100のメモリに予め記憶されたプロセスレシピに応じて、前記各部が制御されるようになっている。
続いて、本発明の表面処理方法について説明する。先ず、格納部4では、搬送予定の溶剤保持具3、この例では下段側の溶剤保持具3に溶剤であるPGMEAのミストを供給する。つまり、例えば図4(a)に示すように、供給ノズル5から下段側の溶剤保持具3に対して溶剤のミストを吹き付けながら、供給ノズル5を吸収体31の一端側(前方の側壁側41a)から他端側(後方の側壁側41c)まで移動させる。このとき、吸収体31における保持部材44と接触する領域には溶剤ミストは直接吹き付けられないが、吸収体31は多孔質体または繊維の集合体により形成されており、前記溶剤は吸収体31内を毛細管現象により広がっていく。これにより、吸収体31の当該保持部材44と接触する領域にも溶剤が広がり、吸収体31の全面に溶剤が吸収される状態となる。この際、溶剤の供給量としては、吸収体31から滴り落ちない程度に、吸収体31に溶剤が浸透している状態であればよく、例えば吸収体31が上述の大きさであれば、1ml〜50ml程度の溶剤が吸収される。
一方、処理チャンバ1では、図4に示すように、蓋体12を前記搬送位置まで上昇させ、こうして形成された開口部からウエハWを搬入し、図示しない外部の搬送機構と突き上げピン24との協働作業により、ステージ21上に載置する。そして、加熱ヒータ22により、ステージ21上のウエハWを溶剤の露点温度より高く、溶剤の沸点よりも低い温度例えば50℃に加熱すると共に、温度調整部26により、天井部材25の下面をステージ上のウエハWよりも低い温度例えば40℃に加熱する。
そして、保持部材61,62を前記待機位置から基体11の上方側へスライド移動させる。なお、図4〜図6では保持部材61,62の移動機構65,66、突き上げピン24は省略して描いている。続いて、アーム駆動機構65,66により保持部材61,62の高さを、搬送予定の溶剤保持具3の直ぐ下方側に進入できる高さ位置まで上昇させる。そして、格納部4ではシャッタ43を上昇させて、開口部42を開くと共に、シャッタ43の上昇開始のタイミングに合わせて、バルブV3を開き、排気機構47により格納部4内の排気を開始する。そして、保持部材61,62を下段側の溶剤保持具3の下方側に向けて移動させる。
この後、図5に示すように、保持部材61,62を上昇させて保持部材44から溶剤保持具3を受け取り、当該溶剤保持具3を蓋体12の下方側まで移動させる。次いで、図6に示すように、蓋体12を下降して、枠体32と段部14とを接触させた後、バルブV1を開いて排気機構17により排気孔15を排気し、こうして、蓋体12に溶剤保持具3を吸着保持させる。
然る後、ステージ21に載置されたウエハWが溶剤の露点温度よりも高い温度まで加熱されてから、蓋体12を前記処理位置まで下降させ、蓋体12により基体11の開口部を閉じる(図1参照)。本発明では、格納部4から溶剤保持具3を処理チャンバ1の蓋体12に移載して装着する移載機構は、保持具搬送機構6と昇降機構13と吸引孔15及び排気機構17とにより構成されている。
処理チャンバ1を閉じると、溶剤保持具3は既述のように天井部材25及びステージ21に接近して設けられているので、これらからの熱により例えば40℃に加熱される。こうして、図7に示すように、吸収体31に吸収されている溶剤が蒸発し、溶剤保持具3の上方空間S1及び下方空間S2に充満する。このため、溶剤保持具3の上方空間S1及び下方空間S2では、夫々飽和蒸気雰囲気が形成され、この際、吸収体31により平衡状態が維持される。従って、下方空間S2では、ウエハWに結露することなく、溶剤の飽和蒸気雰囲気が形成され、安定した高濃度の溶剤蒸気が充満した状態となる。
こうして、ウエハW表面に形成されたパターンマスクは、その全面がほぼ同時に飽和蒸気雰囲気に曝される。従って、ウエハWに対して高い面内均一性を確保した状態で安定した高濃度の溶剤蒸気が供給されることになる。この際、ウエハWが溶剤の露点温度よりも高く、溶剤の沸点よりも低い温度に調整されているため、前記パターンマスク表面では、溶剤分子がレジストパターンに衝突し、パターン表面が溶剤により膨潤するものの、ウエハWの熱により再び溶剤が揮発していく現象が繰り返し生じている。このため、前記パターンマスクでは、図8に示すように、溶剤によりパターン9の表層部91のみが溶剤を吸収して膨潤し、この溶剤により当該部位ではレジスト膜が軟化して溶解するものの、パターンマスクの内部には浸透していかず、パターン形状の溶解や変形は抑えられる。この結果、パターンマスク表面の微細な凹凸のみが平坦化され、パターンの表面の荒れが改善し、パターン線幅のばらつきが低減する。
一方、処理チャンバ1にて表面処理を行っている間、例えば格納部4では、上方側の溶剤保持具3に対して、供給ノズル5から溶剤ミストを吹き付け、当該溶剤保持具3の吸収体31に溶剤を吸収させる処理が行われる(図6参照)。こうして表面処理を終了した後は、先ず蓋体12を上昇させ、ウエハWを外部の搬送機構に受け渡し、搬送口19を介して処理室18の外部へ搬送する。次いで、保持部材61,62を待機位置から蓋体12の直ぐ下方側に移動させてから、排気機構17による排気を停止し、蓋体12による溶剤保持具3の吸着保持を解除して、溶剤保持具3を保持部材61,62に受け渡す。続いて、保持部材61,62の高さ位置を調整して、保持部材61,62を当該溶剤保持具3が載置される保持部材44の直ぐ上方側に向けてスライド移動させた後、下降させて当該保持部材44に溶剤保持具3を受け渡す。そして、保持部材61,62を再び処理チャンバ1側にスライド移動させ、高さ位置を調整してから、前記待機位置までスライド移動させる。
以上において、上述の実施の形態では、溶剤蒸気が、ウエハWに対して面内均一性が高い状態で供給される。つまり、溶剤保持具3を保持した蓋体12により処理チャンバ1を閉じると、既述のように、ステージ21及び天井部材25からの熱により溶剤保持具3の吸収体31に吸収されている溶剤の蒸発が起こる。この吸収体31は、その平面形状がウエハWよりも大きく、ウエハWと対向するように設けられているので、ステージ21上のウエハWから見ると、ウエハWの対向面全体から溶剤蒸気が供給される状態になる。
また、処理チャンバ1内では、既述のように、溶剤蒸気の飽和蒸気雰囲気が形成され、安定した高濃度の溶剤蒸気が充満している。このため、ウエハWに対しては、その全面に亘ってほぼ均一に安定した高濃度の溶剤蒸気が供給されることになり、ウエハW表面のパターンマスクの表層部では、面内均一性が高い状態で表面処理が進行する。
さらに、天井部材25がウエハWの温度よりも低い温度に調整され、吸収体31により平衡状態が保たれるので、ウエハWが設けられた下方空間S2では、ウエハWへの結露が抑えられ、飽和蒸気雰囲気が維持される。また、処理チャンバ1はステージ21からの伝熱により加熱されるが、溶剤の種類によっては、天井部材25の下面のみならず処理チャンバ1の側壁に結露する場合もある。しかしながら、ウエハWの間近に溶剤が吸収された溶剤保持具3が存在し、当該溶剤保持具3に吸収されている溶剤の量は、前記側壁の結露量に比べてはるかに多い。また、側壁はウエハWから離れているので、側壁に結露した溶剤が蒸発しても、溶剤保持具3から蒸発した溶剤蒸気に紛れてしまうため、ウエハWへの均一な溶剤蒸気の供給を妨げるおそれはない。
このように、本発明の表面処理によりレジストパターンの表面の荒れが改善され、パターン形状が修正されるので、後の工程において、精度の高いパターン形状を用いてエッチング処理を行うことができる。このため、パターン線幅のばらつきの発生が抑えられ、LWRを改善することができる。
さらに、既述のようにウエハWに対して高濃度の溶剤蒸気を供給できるため、表面処理に要する時間を短縮することができる。また、ウエハWが加熱されていることから、パターンマスクの表層部の膨潤と熱との組み合わせにより、レジストポリマーの流動性が高まるため、この点からも改善処理に要する時間を短縮できる。
続いて、第1の実施の形態の基板処理装置の他の例について図9〜図13を用いて説明する。なお、図9〜図13中、第1の実施の形態の構成と同じ構成の部位には同様の符号を付し、説明を省略する。また、保持具搬送機構6や突き上げピン24については記載を省略している場合もある。
図9に示す例は、溶剤供給部をなす供給ノズル5を、格納室41内における前方側側壁部41aの近傍に固定して設けるものである。この構成では、供給ノズル5は移動しないため、溶剤保持具3が格納部4から処理チャンバ1側へ移動する際に、供給ノズル5から当該溶剤保持具3に溶剤ミストの吹き付けを行うことにより、吸収体31への溶剤の供給が行われる。
この際、例えば保持具搬送機構6が格納部4内にて溶剤保持具3を保持したタイミングで、供給ノズル5からの溶剤ミストの吹き付けを開始すると共に、溶剤保持具3が処理チャンバ1の蓋体12の下方側への移動を終了したタイミングで前記溶剤ミストの吹き付けを停止するように、制御部100によりバルブV2へ制御信号を出力するように構成されている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施の形態と同様である。
また、図10及び図11に示す構成は、溶剤保持具3への溶剤の供給を処理チャンバ1側で行う例である。この例の溶剤供給部をなす供給ノズル55は、図1に示す供給ノズル5と同様に構成されており、その上部には、吸収体31の直径L1よりも長い吐出領域55aが形成されている。そして、この供給ノズル55は、その長さ方向が処理室18の幅方向(Y方向)に伸びるように配置されている。また、基体11の上方側において、ノズル駆動機構56により、処理室18の長さ方向(X方向)に伸びるノズルガイドレール56aに沿って移動できるように構成されている。この例では、図10に示すように、処理チャンバ1外部の格納部4と反対側の領域が供給ノズル55の待機位置に設定されており、ノズルガイドレール56aはアームガイドレール63、64と干渉しないように設置されている。
前記格納部4は、供給ノズル5や駆動機構52、ガイドレール53、排気孔45が設けられていない以外は、図1に示す格納部4と同様に構成されており、処理チャンバ1等、その他の構成は上述の第1の実施の形態と同様である。なお、図11では、突き上げピン24及び昇降機構23については図示を省略している。
この例では、格納部4にて溶剤保持具3に溶剤ミストの供給を行わない以外は、第1の実施の形態と同様の動作で、溶剤保持具3を蓋体12に吸着保持させる。次いで、図11に示すように、蓋体12を供給ノズル55の移動領域の上方側に位置させた状態で、供給ノズル55から溶剤保持具3に向けて溶剤ミストを吹き付けながら、供給ノズル55を吸収体31の一端側(待機領域側)から他端側(格納部4側)まで移動させる。こうして、吸収体31全面に溶剤ミストを吸収させた後、蓋体12を下降させて基体11の開口部を塞ぎ、処理チャンバ1内にて上述と同様に表面処理を行う。
さらに、図12に示す例は、溶剤保持具3への溶剤ミストの供給を処理チャンバ1の蓋体12に設けられた溶剤供給部をなす溶剤ノズル57により行う構成である。この例の溶剤ノズル57は例えば管状体よりなり、溶剤保持具3が蓋体12に吸着保持されたときに、溶剤ノズル57の一端側が吸収体31の上面に接触するように設けられている。溶剤ノズル57の他端側は、バルブV4を備えた供給路58aを介して溶剤の供給源58に接続されている。前記格納部4は、供給ノズル5や駆動機構52、ガイドレール53、排気孔45が設けられていない以外は、図1に示す格納部4と同様に構成されており、処理チャンバ1等、その他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様である。
この構成では、格納部4にて溶剤保持具3に溶剤ミストの供給を行わない以外は、第1の実施の形態と同様の動作で、溶剤保持具3を蓋体12に吸着保持させ、図13に示すように、溶剤ノズル57の一端側を吸収体31の上面に接触させる。この状態で、バルブV4を開き、1cc/min程度の流量で液体状の溶剤を吸収体31に供給する。吸収体31内では、毛細管現象により溶剤が供給位置から徐々に拡散していき、所定時間経過後に吸収体31の全面に行き渡る。こうして予め設定された時間が経過した後、バルブV4を閉じると共に、ウエハWを搬入し、ステージ21に載置する。そして、蓋体12を下降させて、基体11の開口部を塞ぎ、処理チャンバ1内にて上述と同様に表面処理を行う。
これら図9〜図13に示す基板処理装置においても、第1の実施の形態と同様に、面内均一性の高い状態で溶剤蒸気を供給することができ、パターンマスクの溶解を抑えながら、パターン表層部の凹凸を平坦化することができる。これにより、ラフネスを低減し、LWRを改善することができる。
以上において、図1、図9、図10に示す基板処理装置では、処理チャンバ1の内部において、溶剤保持具3とウエハWとの間の雰囲気を溶剤の飽和蒸気雰囲気とする工程の前に、前記飽和蒸気雰囲気における溶剤の露点温度よりも高い温度にウエハWが加熱されていればよく、処理チャンバ1への溶剤保持具3の搬入とウエハWの搬入とは、ほぼ同時に行うようにしてもよいし、溶剤保持具3を搬入してからウエハWを搬入してもよいし、ウエハWを搬入してから溶剤保持具3を搬入してもよい。
続いて、前記基板処理装置を組み込んだ塗布、現像装置に、露光部(露光装置)を接続したレジストパターン形成システムの一例について簡単に説明する。図14は前記システムの平面図であり、図15は同システムの縦断面図である。この装置には、キャリアブロックS1が設けられており、このブロックS1では、載置台101上に載置された密閉型のキャリア102から受け渡しアームCがウエハWを取り出して、当該ブロックS1に隣接された処理ブロックS2に受け渡すと共に、前記受け渡しアームCが、処理ブロックS2にて処理された処理済みのウエハWを受け取って前記キャリア102に戻すように構成されている。
前記処理ブロックS2は、図15に示すように、この例では現像処理を行うための第1のブロック(DEV層)B1、レジスト膜の下層側に形成される反射防止膜の形成処理を行なうための第2のブロック(BCT層)B2、レジスト液の塗布処理を行うための第3のブロック(COT層)B3、レジスト膜の上層側に形成される反射防止膜の形成処理を行なうための第4のブロック(TCT層)B4を下から順に積層して構成されている。
前記第2のブロック(BCT層)B2と第4のブロック(TCT層)B4とは、各々反射防止膜を形成するための薬液をスピンコーティングにより塗布する塗布モジュールと、この塗布モジュールにて行われる処理の前処理及び後処理を行うための加熱・冷却系の処理モジュール群U1と、前記塗布モジュールと処理モジュール群U1との間に設けられ、これらの間でウエハWの受け渡しを行なう搬送アームA2,A4とを備えている。第3のブロック(COT層)B3においては、前記薬液がレジスト液であることを除けば同様の構成である。
一方、第1の処理ブロック(DEV層)B1については、例えば一つのDEV層B1内に現像モジュール103が2段に積層されている。そして当該DEV層B1内には、これら2段の現像モジュール103にウエハWを搬送するための共通の搬送アームA1が設けられている。また、第1の処理ブロック(DEV層)B1の処理モジュール群U1に組み込まれる処理モジュールとして、本発明の基板処理装置104が割り当てられている。この基板処理装置104は処理チャンバ1が搬送アームA1側に位置するように設けられ、この搬送アームA1により処理チャンバ1に対してウエハWの受け渡しが行われる。さらに、処理ブロックS2には棚ユニットU2が設けられ、この棚ユニットU2の各部同士の間では、前記棚ユニットU2の近傍に設けられた昇降自在な受け渡しアームDによってウエハWが搬送される。
このようなレジストパターン形成装置では、キャリアブロックS1からのウエハWは前記棚ユニットU1の一つの受け渡しモジュール、例えば第2のブロック(BCT層)B2の対応する受け渡しモジュールCPL2に受け渡しアームCによって順次搬送され、搬送アームA2を介して第2のブロック(BCT層)B2に搬入され、反射防止膜が形成される。次いで、ウエハWは、搬送アームA2により、棚ユニットU1の受け渡しモジュールBF2に受け渡される。ここからウエハWは、受け渡しモジュールCPL3及び搬送アームA3を介して第3のブロック(COT層)B3に搬入され、レジスト膜が形成される。レジスト膜形成後のウエハWは、搬送アームA3により、棚ユニットU1の受け渡しモジュールBF3に受け渡される。
その後、例えばウエハWは受け渡しモジュールBF3→受け渡しアームD→受け渡しモジュールCPL4を介して搬送アームA4に受け渡され、レジスト膜の上に反射防止膜が形成された後、搬送アームA4により受け渡しモジュールTRS4に受け渡される。なおレジスト膜の上の反射防止膜を形成しない場合や、レジスト膜の下の反射防止膜を形成する代わりに、ウエハWに対して疎水化処理を行う場合もある。
一方、DEV層B1内の上部には、棚ユニットU2に設けられた受け渡しモジュールCPL11から棚ユニットU3に設けられた受け渡しモジュールCPL12にウエハWを直接搬送するための専用の搬送手段であるシャトルアームEが設けられている。レジスト膜やさらに反射防止膜が形成されたウエハWは、受け渡しアームDにより受け渡しモジュールBF3、TRS4を介して受け渡しモジュールCPL11に受け渡され、ここからシャトルアームEにより棚ユニットU3の受け渡しモジュールCPL12に直接搬送され、インターフェイスブロックS3に取り込まれることになる。なお図15中のCPLが付されている受け渡しモジュールは、温調用の冷却モジュールを兼ねており、BFが付されている受け渡しモジュールは、複数枚のウエハWを載置可能なバッファモジュールを兼ねている。
次いで、ウエハWはインターフェイスアームFにより露光装置S4に搬送され、ここで所定の露光処理が行われた後、棚ユニットU3の受け渡しモジュールTRS6に載置されて処理ブロックS2に戻される。戻されたウエハWは、第1のブロック(DEV層)B1にて現像処理が行われた後、基板処理装置104に搬送され、ここで既述の表面処理が行われる。次いで、当該ブロックB1内において、処理モジュール群U1に設けられた加熱モジュールに搬送され、ここで所定温度例えば100℃に加熱されて、レジストパターンに残存する溶剤が除去される。この後、例えば搬送アームA1により処理モジュール群U1に設けられた冷却モジュールに搬送され、ここで所定温度例えば23℃に冷却された後、棚ユニットU2における受け渡しアームCのアクセス範囲の受け渡し台に搬送され、受け渡しアームCを介してキャリア100に戻される。
また、上述の基板処理装置に設けられた処理チャンバ1及び格納部4は、図16及び図17に示す表面処理専用の処理装置に組み込むようにしてもよい。図16は前記処理装置の平面図であり、図17は同装置の縦断面図であり、図14及び図15に示すレジストパターン形成装置と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。図中S11は、キャリアブロックであり、このブロックS11では、載置台101上のキャリア102と、当該ブロックS11に設けられた受け渡しモジュール105との間で、受け渡しアームC1によりウエハWの搬送が行われる。前記受け渡しアームC1は、進退自在、回転自在、昇降自在及び図16中Y方向に移動自在に構成されている。なお、受け渡しモジュール105は、キャリアブロックS11に隣接して設けられた処理ブロックS21に設けるようにしてもよい。
前記処理ブロックS21は、ウエハWを処理するためのモジュールが多段に設けられた棚ユニットU4が設けられている。この棚ユニットU4は、例えばキャリア102の配列方向(図16中Y方向)に沿ってモジュールが配列され、例えば図17に示すように、既述の表面処理を行う処理チャンバ1を備えた処理モジュール106と、既述の格納部4を備えた格納モジュール107と、表面処理後のウエハWに対して加熱処理を行う加熱モジュール108と、加熱処理後のウエハWに対して冷却処理を行う冷却モジュール109とを、多段に備えている。
また、処理ブロックS21には、棚ユニットU4の各モジュールと受け渡しモジュール105との間でウエハWの搬送を行うための搬送アームA6が設けられている。この例の搬送アームA6は、例えば溶剤保持具3を搬送するためのアーム66Aと、ウエハWを搬送するためのアーム66Bとを上下に配列して構成され、夫々のアーム66A,66Bは互いに独立して基台67上を進退自在に構成されている。前記アーム66Aは、例えば溶剤保持具3の枠体32の周縁部の一部を裏面から支持するように構成され、前記アーム66Bは、例えばウエハWの周縁部の一部を裏面から支持するように構成されている。また、前記基台67は、第1の駆動機構67Aにより昇降自在及び鉛直軸周りに回転自在に構成されると共に、第2の駆動機構67Bにより図16中Y方向に伸びるガイドレールに沿って移動自在に構成されている。さらに、搬送アームA6は、前記溶剤保持具3用のアーム66Aの周囲を囲むように囲み部材68を備えている。この囲み部材68は、例えば支持部68Aにより基台67に固定されており、その内部において、アーム66Aが進退できるように構成されている。また、囲み部材68の先端側にはアーム66Aが通過するための開口部68Bが形成され、溶剤保持具3を保持したアーム66Aが当該開口部68Bを介して、囲み部材68の外側と内側との間で進退できるようになっている。図中68Cは、アーム66Aが進退移動するために囲み部材68に形成される切欠部である。
このような装置では、キャリアブロックS11からのウエハWは受け渡しアームC1により受け渡しモジュール105に搬送され、ここから搬送アームA6のアーム66Bにより受け渡し取られて、処理モジュール106のステージ21に対して搬送される。なお、このウエハWは前工程で現像処理が行われたウエハである。一方、搬送アームA6のアーム66Aにより、格納モジュール107内にて溶剤が吸収された溶剤保持具3を当該処理モジュール106に搬送し、処理チャンバ1の蓋体12に受け渡しておく。こうして、当該処理モジュール106では既述の表面処理が行われる。この際、アーム66Aの周囲は囲み部材68により覆われているので、溶剤の揮発が抑えられ、溶剤保持具3の乾燥及び処理装置内への溶剤の放出が防止される。
次いで、処理後のウエハWはアーム66Bにより加熱モジュール108に搬送され、レジストパターンに残存する溶剤が揮発されて除去される。続いて、ウエハWはアーム66Bにより冷却モジュール109に搬送され、所定温度まで冷却された後、アーム66Bにより受け渡しモジュール105に搬送され、受け渡しアームC1により例えば元のキャリア102内に戻される。
続いて、本発明の第2の実施の形態について、図18〜図22を参照しながら説明する。図中第1の実施の形態と同様の構成には、同様の符号を付し、説明を省略する。図中1Aは処理室70に設けられた処理容器をなす処理チャンバであり、蓋体121に溶剤保持具3を保持するための機構、つまり吸引路15や段部14が形成されていない以外は、上述の第1の実施の形態の処理チャンバ1と同様に構成されている。前記蓋体121は、昇降機構13により、基体11の上面開口部を塞いで表面処理を行うときの処理位置と、蓋体12が基体11の上方側にあって、ウエハWや後述する蒸気発生室を搬送するときの搬送位置との間で昇降自在に構成されている。この例においても昇降機構13が処理チャンバ1を開閉する機構に相当する。
この例では天井部材25が、ステージ21上のウエハWの表面全体と対向するように蓋体121に配置され、処理チャンバ1Aを閉じたときに、ウエハWとの間の雰囲気を溶剤の飽和蒸気雰囲気とするための溶剤の蒸発源となる蒸発源形成部材として構成されている。
また、前記処理チャンバ1A内に形成された処理空間は飽和蒸気雰囲気を形成しやすいように極めて狭い空間として構成され、下面とステージ21上のウエハW表面とは接近して設けられており、その距離は3mm程度に設定される。また、ウエハW外縁と処理チャンバ1Aの側壁の内面との距離は例えば10mmに設定される。
前記蒸気発生室7は、処理チャンバ1Aと処理室70の長さ方向(X方向)に並ぶように設けられており、この蒸気発生室7は、上面が開放され、溶剤を貯留している液溜め部71と、液溜め部71の開口部を塞ぐ蓋体72とにより構成されている。この液溜め部71は、蒸発源形成部材をなす天井部材25に溶剤を供給する溶剤供給部をなすものである。また液溜め部71は後述するように処理チャンバ1A側へ移動自在に設けられており、処理チャンバ1A側へ移動したときには、基体11の上方側に液溜め部71が位置するように夫々設けられている。
さらに、液溜め部71は、処理チャンバ1Aの蓋体121により上面開口部を塞ぐことができるように構成されている。このため、処理チャンバ1の基体11と同様に、平面形状が円形に構成され、底板71aと円筒状の側壁部71bとによりその内部に凹部を形成するように構成されている。そして、前記側壁部71bの上面が処理チャンバ1Aの蓋体121の側壁部122の下面と接合して、液溜め部71と蓋体121とにより、その内部に密閉された処理空間を形成するようになっている。この蒸気発生室7の蓋体72は、昇降機構73により、液溜め部71の上面開口部を塞ぐ位置と、液溜め部71を移動させる位置との間で昇降自在に構成されている。
また、液溜め部71の底板71aの上部には加熱ヒータ74aにより加熱される加熱プレート74が設けられており、この加熱プレート74の上部側は溶剤の貯留領域として構成されている。図中75は、蓋体72に設けられた溶剤の供給ノズルであり、その一端側はバルブV5を備えた供給路76aを介して溶剤の貯留部76に接続されている。そして、液溜め部71が蓋体72により塞がれているときに、前記貯留部76から供給路76a及び供給ノズル75を介して液溜め部71に所定量例えば100cc程度の液体状の溶剤が供給されるようになっている。
さらに、前記液溜め部71は、処理室70の幅方向(図中Y方向)の両側部に設けられた支持部材77a,77bを介して夫々駆動機構78a,78bに接続されている。この駆動機構78a,78bは、処理チャンバ1Aの側方から蒸気発生室7の側方に亘って、長さ方向に夫々伸びるガイドレール79a,79bに沿って移動自在に構成されている。こうして、液溜め部71は、処理チャンバ1側の位置と、蒸気発生室7側の位置との間で移動自在に構成されることになる。この例では、前記支持部材77a,77b、駆動機構78a,78b、ガイドレール79a,79bにより、蒸発源形成部材である天井部材25に溶剤を結露させるために、蓋体121に下方側から装着する位置と、処理チャンバ1Aの外部位置との間で前記液溜め部71を移動させるための機構が構成されている。前記駆動機構78a,78bをガイドレール79a,79bに沿って移動させる機構としては、例えばボールネジ機構等が用いられる。
この実施の形態では、処理チャンバ1Aと処理室70外部の搬送機構(図示せず)との間でウエハWの搬送を行なうための加熱アーム機構8が設けられている。この加熱アーム機構8は、ウエハWを載置するための加熱アーム81が基台82に沿って進退自在に構成されている。この加熱アーム81は、蒸気発生室7の下方側に、液溜め部71の移動を妨げず、かつ処理チャンバ1Aの基体11の上方側にて進退移動できるように設けられている。前記加熱アーム81は、例えばウエハWよりも大きい載置面80を備えており、この載置面80には突き上げピン24の昇降動作を妨げない状態で当該加熱アーム81を進退させるための切欠部80aが形成されている。また、この加熱アーム81は、例えばその内部に加熱ヒータ81aを備えており、前記載置面80は例えば100℃に加熱されている。図20中83は、加熱アーム81が蒸気発生室7の下方側の待機位置(図18及び図19に示す位置)にあるときに、当該加熱アーム81と外部の搬送機構との間でウエハWの受け渡しを行うための突き上げピンであり、83aはその昇降機構、82aは基台82に設けられた突き上げピン83の移動領域を形成するための貫通孔である。また、図19に示すように、この例では、処理室70は蒸気発生室7側に、外部の搬送機構によりアクセスされる搬送口70aが形成されている。
続いて、この実施の形態の作用について説明する。先ず、蒸気発生室7では、蓋体72を閉じた状態で、バルブV5を開き、供給ノズル75から所定量の液体状の溶剤92を供給した後、バルブV5を閉じ、蓋体72を上昇させる。続いて、処理チャンバ1Aの蓋体121を搬送位置に位置させ、液溜め部71を蓋体121の下方側までスライド移動させてから、蓋体121を下降させて液溜め部71の上面開口部を蓋体121により塞いで蓋体121に下方側から装着し、これらの間に密閉された処理空間S3を形成する(図21参照)。
そして、液溜め部71の加熱プレート74の表面を加熱ヒータ74aにより例えば70℃に加熱する一方、蓋体121の天井部材25の下面を温度調整部26により溶剤の露点温度以下の温度例えば40℃になるように温度調整する。これにより、液溜め部71内に貯留されていた液体状態の溶剤92は、加熱プレート74からの熱により蒸発し、前記処理空間S3内に充満していく。そして、飽和状態を越えると、天井部材25が前記露温度点以下の温度であるため、天井部材25の下面に溶剤の結露が生じる。また蓋体121の側壁部にも結露が生じるが、天井部材25の下面の方が温度が低いため、天井部材25の結露量の方が多くなる。
こうして、天井部材25に溶剤の結露が生じた状態で、蓋体121を搬送位置まで上昇させてから、液溜め部71を蒸気発生室7の蓋体72側へスライド移動させ、液溜め部71の開口部70を蓋体72により塞ぐ。ここで、天井部材25への溶剤の結露量が、後述する理チャンバ1A内に飽和蒸気雰囲気を形成するために必要な量となるように、予め実験により加熱プレート74の加熱温度や加熱時間等を決定しておく。
一方、処理チャンバ1Aでは、例えば液溜め部71と蓋体121により処理空間S3が形成されている状態のときに、図示しない外部の搬送機構により加熱アーム機構8を介してステージ21上にウエハWを受け渡しておく。このステージ21へのウエハWの搬送は、次のようにして行う。先ず、加熱アーム機構8の加熱アーム81を待機位置に位置させ、外部の搬送機構と突き上げピン83との協働作業により加熱アーム81に処理対象のウエハWを受け渡す。次いで、この加熱アーム81を処理チャンバ1A側へスライド移動させてから、突き上げピン24を上昇させることにより、当該突き上げピン24へウエハWを受け渡す。そして、加熱アーム81を待機位置へ退行させてから、突き上げピン24を下降させてウエハWをステージ21上に載置させる。そして、ステージ21上のウエハWは溶剤の露点温度より高く、沸点よりも低い温度例えば50℃に加熱する。
続いて、基体11を蓋体121により塞ぎ、処理チャンバ1A内に密閉された処理空間S4を形成する(図18参照)。そして、温調機構26により天井部材25の下面を、ステージ21上のウエハWよりも低い温度例えば40℃に温調する。処理チャンバ1A内が密閉されると、天井部材25の下面に結露していた溶剤が天井部材25及びステージ21の熱により蒸発して、処理空間S4に充満する。この際、処理チャンバ1A内は、天井部材25とステージ21上のウエハWとが接近していて狭いため、天井部材25の下面に結露していた溶剤の蒸発により、処理チャンバ1A内には溶剤の飽和蒸気雰囲気が形成される。これにより、ステージ21上のウエハWは安定した高濃度の溶剤蒸気に曝される状態になる。この際、ウエハWは溶剤の露点温度より高く、沸点よりも低い温度に加熱されているため、パターンマスクの表層部には、溶剤分子が衝突して、パターン表面が溶剤により膨潤するが、その内部深くには浸透せず、再び揮発していく。このように、前記パターンマスクでは、表層部のみが溶剤により膨潤して、パターン表面の微細な凹凸が平坦化され、パターンマスクの表面の荒れが改善される。
こうして、処理チャンバ1A内において所定時間表面処理を行った後、蓋体121を上昇させ、図22に示すように、突き上げピン24との協働作業によりステージ21から加熱アーム81へウエハWを受け渡す。そして、加熱アーム81を待機位置までスライド位置させてから、突き上げピン83との協働作業により外部の搬送機構にウエハWを受け渡し、搬送口70aを介してウエハWを搬出する。
また、表面処理が行われたウエハWを加熱アーム81に保持させた状態で、前記待機位置に位置させる工程と、処理チャンバ1A内にて表面処理を行う工程と、繰り返して行うようにしてもよい。この場合、ウエハWを加熱アーム81上に待機させた状態で、溶剤が供給された液溜め部71を再度処理チャンバ1A側へ移動させて、天井部材25の下面に溶剤の結露を生じさせる。そして、ウエハWを再び処理チャンバ1Aに搬入してウエハWの表面処理が行われる。このような、加熱アーム81上でのウエハWの待機と、処理チャンバ1A内への液溜め部71による溶剤の供給と、処理チャンバ1A内でのウエハWの表面処理とを複数回繰り返して行うようにしてもよい。
この実施の形態によれば、処理チャンバ1Aの天井部材25(蒸発源形成部材)に溶剤を結露させることにより、処理チャンバ1A内へ溶剤を供給しているので、ウエハWに対して、溶剤蒸気が面内均一性が高い状態で供給される。つまり、天井部材25の下面にはその全体に亘って結露が生じているので、溶剤の蒸発は天井部材25の全面からほぼ均一に起こる。このため、ウエハWの全面に対してほぼ同時に上方側から溶剤蒸気が供給されるので、面内均一性の高い状態で溶剤蒸気が供給されることになる。これにより、ウエハWの面内において、均一性が高い状態で表面処理が進行し、パターンマスクの表面の荒さが改善され、パターン形状が修正される。このようにパターン形状が修正されることから、後の工程においてエッチング処理を行うにあたり、パターン線幅のばらつきの発生が抑えられて、LWRを改善することができる。
この際、処理チャンバ1Aの蓋体121の側壁部にも、既述のように溶剤の結露が生じているが、天井部材25の結露量の方が側壁の結露量に比べてはるかに多い。また、側壁はウエハWから離れているので、側壁に結露した溶剤が蒸発しても、天井部材25下面の結露から蒸発した溶剤蒸気に紛れてしまうため、ウエハWへの均一な溶剤蒸気の供給を妨げるおそれはない。
また、ウエハWが露点温度よりも高く、沸点よりも低い温度に調整されていることから、パターンマスクの表層部の膨潤と熱との組み合わせにより、レジストポリマーの流動性が高まるため、改善処理に要する時間を短縮できる。
さらに、加熱アーム81により表面処理後のウエハWを搬送しており、この加熱アーム81は載置面80が溶剤の露点より高い温度に加熱されているので、この搬送中にレジストパターンに吸収された溶剤が揮発していく。これにより、パターン内部への溶剤の浸透が抑えられ、さらにレジストの不要な溶解を抑えることができる。
さらにまた、加熱アーム81上での待機と、処理チャンバ1A内での表面処理とを交互に繰り返して行うことにより、パターンマスクの表面に僅かに溶剤を吸収させ、不要な溶剤を直ちに揮発させるといったことを繰り返して行うことができる。これにより徐々にパターンマスクの表面の荒れを改善することができるので、パターンの不要な溶解を抑えた表面処理を行うことができる。また、レジストパターンに応じて、1回の処理チャンバ1A内での溶剤蒸気の発生量が表面荒れの改善に十分な量とは言えない場合にも、繰り返してパターンマスクの表面処理を行うことにより、トータルで表面処理に十分な量の溶剤蒸気の発生量を確保することができる。
続いて、第2の実施の形態の他の例について、図23〜図25を参照して説明するが、当該他の例についても、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同じ構成には、同じ符号を付し、説明を省略する。この例は、第2の実施の形態の加熱アーム機構8の代わりに、加熱機構を備えた載置台85を設けた構成である。処理チャンバ1A、蒸気発生室7については、図24及び図25に示すように、液溜め部71が片側に設けられた支持部材77bを介して駆動機構78bによりガイドレール79bに沿って処理室70の長さ方向(X方向)に移動すること以外には、図18〜図23に示す第2の実施の形態の装置と同様に構成されている。
前記載置台85は、収納容器85aの内部にウエハWを載置して加熱するための加熱プレート86を備えて構成されている。この加熱プレート86は、ウエハWよりも大きく、例えばその内部に設けられた加熱ヒータ86aにより、加熱プレート86の表面が溶剤の露点温度よりも高い温度例えば100℃に加熱されている。この載置台85は、例えば処理チャンバ1Aと処理室70の長さ方向に並ぶように設けられ、処理チャンバ1A側への液溜め部71の移動を妨げないように、例えば処理チャンバ1Aのステージ21の上面と載置台85の加熱プレート86の上面の高さ位置が揃うように設けられている。この載置台85には、突き上げピン83により、外部の搬送機構(図示せず)との間でウエハWの受け渡しが行われる。
処理チャンバ1Aのステージ21と、載置台85の加熱プレート86との間では、ウエハ搬送機構87によりウエハWの受け渡しが行われる。このウエハ搬送機構87は、ウエハWの裏面側中央部を保持する細長い板状の保持アーム88を備えている。この保持アーム88は、ウエハWが突き上げピン24,83により突き上げられたときに、複数の突き上げピン24,83同士の間に側方から入り込めるように、その形状が設定されている。また、この保持アーム88は基台88aに沿って、処理室70の幅方向(Y方向)に進退自在に構成されると共に、前記基台88aは処理室70の長さ方向に設けられたガイドレール88bに沿って駆動機構88cにより移動自在に構成されている。この駆動機構88cをガイドレール88bに沿って移動させる機構としては、例えばボールネジ機構等が用いられる。
前記保持アーム88は、その上面に吸引孔89を備えており、ウエハWを保持するときには、バルブV5を備えた排気路89bを介して排気機構89aにより排気され、ウエハWの裏面側が吸引保持されるように構成されている。ここで保持アーム88は前進したときには、ウエハWの裏面側中央部近傍に吸引孔89が対応し、後退したときには保持アーム88の先端が突き上げピン23,83の外側(基台88a側)に位置して突き上げピン23,83の昇降動作を妨げないように構成されている。
前記ウエハ搬送機構87は、図23及び図24に示すように、通常は処理チャンバ1Aと載置台85との間の待機位置に位置している。そして、保持アーム88は、処理チャンバ1Aのステージ21及び載置台85の加熱プレート86の上方側を移動するように構成されている(図25参照)。その他の構成は、第2の実施の形態の装置と同様である。
この例では、ウエハWは外部の搬送機構により搬送口70aを介して処理室70の内部に搬送され、突き上げピン83との協働作業で載置台85の加熱プレート86上に載置される。そして、載置台85から処理チャンバ1Aのステージ21にウエハWを受け渡すときには、先ず、突き上げピン83を昇降させて、ウエハWを加熱プレート86から浮上させる一方、保持アーム88を基台88aに沿って後退させた状態で待機位置から突き上げピン83の間に保持アーム88が進入できる位置までスライド移動させる。
次いで、突き上げピン83の間に保持アーム88を進入させてから突き上げピン83を下降させることにより、保持アーム88上にウエハWを受け渡す。こうして、保持アーム88によりウエハWを吸着保持させた状態で、保持アーム88を処理チャンバ1Aのステージ21の上方側に移動させる。この位置は、突き上げピン24を上昇させたときに、突き上げピン24の間に保持アーム88が入る位置である。この後、突き上げピン24を上昇させることにより、保持アーム88から突き上げピン24にウエハWを受け渡し、次いで、突き上げピン24を下降させてステージ21にウエハWを受け渡す。保持アーム88の移動中は、バルブV6を開いて排気機構89aからの排気を継続するが、保持アーム88が停止したときには、バルブV6を閉じて排気機構89aによる排気を停止し、ウエハWの吸着を解除しておく。
一方、ウエハWの搬入に合わせて、液溜め部71を処理チャンバ1A側に移動させて、既述のように処理チャンバ1Aの天井部材25に溶剤を結露させる処理を実行しておく。そして、既述のように、処理チャンバ1A内にてウエハWに対して表面処理を行う。
この後、表面処理が行われたウエハWは、図26に示すように、保持アーム88によりステージ21から載置台85へ搬送され、載置台85に加熱されることにより、レジストパターン中の不要な溶剤が揮発して除去される。次いで載置台85上のウエハWは、外部の搬送機構により処理室70の外部へ搬送されるか、再度処理チャンバ1A内に搬入され、表面処理が繰り返して行われる。
この例においても、上述の第2の実施の形態と同様に、面内均一性の高い処理を行うことができ、レジストパターンの溶解を抑えてレジストパターンの表層部のみに溶剤を吸収させることができる。これにより、レジストパターンのラフネスを低減させ、LWRを改善することができる。
以上において、図18、図23に示す基板処理装置では、処理チャンバ1Aの内部を溶剤の飽和蒸気雰囲気とする工程の前に、前記飽和蒸気雰囲気における溶剤の露点温度よりも高い温度にウエハWが加熱されていればよく、処理チャンバ1Aの蓋体121への溶剤の供給と、処理チャンバ1Aのステージ21上へのウエハWの載置とは、ほぼ同時に行うようにしてもよいし、蓋体121へ溶剤を供給してからウエハWを載置してもよいし、ウエハWを載置してから溶剤を供給してもよい。
これら第2の実施の形態の基板処理装置も、図14及び図15に示すレジストパターン形成装置の棚ユニットU1に組み込むことができる。また、第2の実施の形態の基板処理装置は、図27及び図28に示す表面処理専用の処理装置に組み込むようにしてもよい。図27は前記処理装置の平面図であり、図28は同処理装置の縦断面図であって、上述のレジストパターン形成装置と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略している。図中S12はキャリアブロックであり、載置台101上のキャリア102と、当該ブロックS13又は処理ブロックS23に設けられた受け渡しモジュール202との間で、受け渡しアームC2によりウエハWの搬送が行われるように構成されている。前記受け渡しアームC2は、進退自在、回転自在、昇降自在及び図27中Y方向に移動自在に構成されている。
キャリアブロックS12に隣接して設けられた処理ブロックS22には、ウエハWを表面処理するための処理モジュール203が多段に設けられた棚ユニットU5と、表面処理後のウエハWに対して加熱処理を行う加熱モジュール204と、加熱処理後のウエハWに対して冷却処理を行う冷却モジュール205とが多段に設けられた棚ユニットU6とを、備えている。この棚ユニットU6には、例えばキャリア102の配列方向(図27中Y方向)に沿ってモジュールが配列されている。前記処理モジュール203としては、既述の図18に示す基板処理装置や、図23に示す基板処理装置が組み込まれる。
また、処理ブロックS22には、棚ユニットU5,U6の各モジュールと受け渡しモジュール202との間でウエハWの搬送を行うための搬送アームA7が設けられている。この例の搬送アームA7は、例えばウエハWの周縁領域の一部を保持するアーム206が基台207に沿って進退自在に構成されると共に、前記基台207が昇降自在、鉛直軸周りに回転自在及び図示しないガイドレールに沿って、Y方向に沿って移動自在に構成されている。なお、この例では処理モジュール203の処理チャンバ1AがキャリアブロックS12側に配置されるように構成され、加熱アーム機構8や、載置台85に対して搬送アームA7によりウエハWの受け渡しが行われる。
このような装置では、キャリアブロックS12からのウエハWは受け渡しアームC2により、受け渡しモジュール202に搬送され、ここから搬送アームA7により受け取られて、処理モジュール203に対して搬送される。なお、このウエハWは前工程で現像処理が行われたウエハである。当該処理モジュール203にて既述の表面処理が行われ、加熱アーム機構8又は載置台85に載置されたウエハWは、搬送アームA7により加熱モジュール204に搬送され、レジストパターンに残存する溶剤が揮発されて除去される。この後、ウエハWは搬送アームA7により冷却モジュール205に搬送され、所定温度例えば室温程度まで冷却される。そして、搬送アームA7により受け渡しモジュール202に搬送され、受け渡しアームC2を介して例えば元のキャリア102に戻される。
さらに、図29に示す表面処理専用の処理装置は、1つの蒸気発生室7の両側に処理チャンバ1Aを設けた構成の基板処理装置210を組み込む例である。図中S13はキャリアブロックであり、このブロックS13では、載置台101上のキャリア102と、当該ブロックS13又は処理ブロックS23に設けられた受け渡しモジュール211との間で、受け渡しアームC3によりウエハWの搬送が行われる。前記受け渡しアームC3は、進退自在、回転自在、昇降自在及び図29中Y方向に移動自在に構成されている。
キャリアブロックS13に隣接して設けられた処理ブロックS23には、ウエハWを表面処理するための処理モジュール210と、表面処理後のウエハWに対して加熱処理を行う加熱モジュールと、加熱処理後のウエハWに対して冷却処理を行う冷却モジュールとが多段に設けられた棚ユニットU7を備えている。
この例の処理モジュール210は、2個の処理チャンバ1Aと1個の蒸気発生室7を備えており、これらは蒸気発生室7を間にして、キャリアの配列方向(図29中Y方向)に並ぶように配列されている。そして、蒸気発生室7の液溜め部71は、前記Y方向に伸びるガイドレール211,212に沿って2つの処理チャンバ1Aの蓋体121の下方側領域に移動自在に構成されている。
また、処理ブロックS23には、棚ユニットU7の各モジュールと受け渡しモジュール211との間でウエハWの搬送を行うための搬送アームA8が設けられている。この例の搬送アームA8は、例えばウエハWの周縁領域の一部を保持するアーム213が基台214に沿って進退自在に構成されると共に、前記基台2214が昇降自在、鉛直軸周りに回転自在及び図示しないガイドレールに沿って、Y方向に沿って移動自在に構成されている。なお、この例では蒸気発生室7の下方側の加熱アーム機構8や、載置台85に対して搬送アームA8によりウエハWの受け渡しが行われる。また、棚ユニットU7には、処理モジュール210が多段に配設されると共に、複数個の加熱モジュールや冷却モジュールが設けられている。
このような装置では、キャリアブロックS13からのウエハWは受け渡しアームC3により、受け渡しモジュール211に搬送送され、ここから搬送アームA8により受け渡し取られて、処理モジュール210に対して搬送される。当該処理モジュール210にて既述の表面処理が行われ、加熱アーム機構8又は載置台85に載置されたウエハWは、搬送アームA8により加熱モジュールに搬送され、レジストパターンに残存する溶剤が揮発されて除去される。この後、ウエハWは搬送アームA8により冷却モジュールに搬送され、所定温度例えば室温程度まで冷却される。そして、搬送アームA8により受け渡しモジュール211に搬送され、受け渡しアームC3を介して例えば元のキャリア102に戻される。
以上において、第1の実施の形態の装置における処理チャンバ1では、溶剤保持具3を保持した蓋体12により処理チャンバ1を閉じ、ステージ21上のウエハWが溶剤の露点温度よりも高い温度に加熱すれば、この熱により溶剤保持具3に吸収されている溶剤が蒸発し、飽和蒸気雰囲気が形成される。このため、必ずしも蓋体12に設けられた天井部材25に温調機構を設ける必要はない。
また、第2の実施の形態の装置における処理チャンバ1Aでは、液溜め部71により天井部材25の下面に溶剤を結露させる際、天井部材25の温度を露点以下の温度に温度調整すれば、より結露しやすい状態となるが、天井部材25の温度が加熱プレート74の温度よりも低ければ結露が生じるため、必ずしも天井部材25を露点温度以下に温度調整する必要はない。また、蓋体121により処理チャンバ1Aを閉じ、ステージ21上のウエハWが溶剤の露点温度よりも高い温度に加熱すれば、この熱により天井部材25に吸収されている溶剤が蒸発して、飽和蒸気雰囲気が形成される。従って、この点からも必ずしも天井部材25に温調機構を設ける必要はない。また、本発明の表面処理は、半導体ウエハW以外のFPD(Flat Panel Display)用ガラス基板やリソグラフィ用マスク基板等の基板に対して適用することができる。
ところで、ウエハW表面に形成されたパターンマスクは処理が進むにつれて次第に膨潤し、柔らかさが増すことになる。過度に膨潤するとパターンが溶解したり倒れやすくなるので、より確実にそのような不具合を防ぐ処理について説明する。図30はこの処理を行う処理チャンバ10である。処理チャンバ10は処理チャンバ1と略同様の構成であり、差異点としては、蓋体12の周縁部が下方に突出して環状部27を構成し、昇降機構13により処理チャンバ10が閉じられたときに、環状部27に基体11の上部周縁が囲まれることが上げられる。この環状部27は、後述するように蓋体12が上昇したときであっても処理チャンバ10を密閉してその内部に溶剤の飽和蒸気雰囲気が維持されるように、処理チャンバ10を外部から区画する役割を有する。
処理チャンバ10を用いた処理について説明すると、各実施形態で説明したように蓋体12が上昇位置に位置するときにウエハWをステージ21に載置した後、図30に示すように例えば溶剤保持具3の枠体32が基体11の側壁部11aに接する位置に蓋体12を下降させて、下方空間S2に溶剤の飽和蒸気雰囲気を形成してウエハWに処理を行う。蓋体12の下降後、予め設定された時間が経過すると、例えば図31に示すように昇降機構13により蓋体12は次第に上昇される。それによって下方空間S2の高さが大きくなり、ウエハW及びステージ21から溶剤保持具3への輻射熱が低下し、溶剤保持具3からの溶剤の蒸発量が次第に低下する結果、ウエハWに供給される溶剤の量が低下する。蓋体12が上昇を続けると、下方空間S2が外部(処理室18内の空間)に開放されて処理が終了する。
このような処理によって、処理の後半では前半に比べてウエハWへの溶剤供給量を低下させることができ、それによって上記のパターン倒れやパターンの溶解のリスクをより確実に低減させて、パターン表面の荒れやその荒れによる寸法(CD)のばらつきを改善することができる。また、この手法は処理チャンバ11からウエハWを取り出すために蓋体12を開く動作と兼用されるため、処理時間が長くなることを抑えることができるという利点もある。上記の各実施形態にこの手法を適用することができる。
この手法では、処理の後半において、処理の前半よりも蓋体12がヒータ22により加熱されるステージ21及びウエハWから離れればよいので、蓋体12については図30に示す位置で一旦静止させてから上昇させてもよいし、静止させずに上昇を続けるようにしてもよい。また、蓋体12を上昇中に一旦静止させた後、再度上昇させてもよい。また、このように蓋体12を昇降させる代わりに、基体11に昇降機構13を接続して基体11を昇降させてもよい。