JP2012193090A - ガラス板、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】化学強化後に切断してなるものであって、他部材への組み付け時の品質に優れたガラス板を提供すること。
【解決手段】化学強化後に切断してなり、圧縮応力が残留する表面層21および裏面層22と、表面層21と裏面層22との間に形成され、引張応力が残留する中間層23とを有し、切断面である側端面13に、圧縮応力が残留する領域31、32と、引張応力が残留する領域33とを有するガラス板10において、切断面である側端面13と表面11との境界線40は直線状部分41を含み、直線状部分41は、直線状部分41上の点と、直線状部分41の両端を結ぶ仮想直線51との間の最大距離をd(mm)とし、仮想直線51の長さをL(mm)とすると、d/L≦2.0×10−3の式を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】化学強化後に切断してなり、圧縮応力が残留する表面層21および裏面層22と、表面層21と裏面層22との間に形成され、引張応力が残留する中間層23とを有し、切断面である側端面13に、圧縮応力が残留する領域31、32と、引張応力が残留する領域33とを有するガラス板10において、切断面である側端面13と表面11との境界線40は直線状部分41を含み、直線状部分41は、直線状部分41上の点と、直線状部分41の両端を結ぶ仮想直線51との間の最大距離をd(mm)とし、仮想直線51の長さをL(mm)とすると、d/L≦2.0×10−3の式を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、化学強化後に切断してなるガラス板、およびその製造方法に関する。
近年、携帯電話やPDAなどの携帯機器において、ディスプレイ(タッチパネルを含む)の保護や美観などを高めるため、カバーガラス(保護ガラス)を用いることが多くなっている。また、ディスプレイの基板として、ガラス基板が広く用いられている。
一方、携帯機器の薄型化・軽量化が進行しており、携帯機器に用いられるガラス板の薄板化が進行している。ガラス板が薄くなると強度が低くなるので、ガラス板の強度不足を補うため、ガラス板を化学強化する技術が開発されている。
化学強化は、ガラスの表面および裏面などをイオン交換して、圧縮応力が残留する表面層および裏面層などを形成する方法である。その反作用として、表面層と裏面層との間には、引張応力が残留する中間層が形成される。
化学強化ガラス板を大量生産する場合、製品サイズのガラス板を1枚ずつ化学強化するよりも、製品サイズよりも大型のガラス板を化学強化した後、切断して多面取りすることが効率的である。
そこで、化学強化ガラス板を切断する方法として、化学強化ガラス板の表面上の所定領域にレーザ光を照射し、表面上の切断予定線に沿って所定領域を移動させることで、熱応力でクラックを形成して切断を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記の特許文献1では、レーザ光の光源として、炭酸ガスレーザが用いられるので、レーザ光の大部分が化学強化ガラス板の表面近傍で熱として吸収され、表面上の所定領域(レーザ照射領域)の直下に、残留引張応力よりも大きい引張応力が生じる。その結果、切断時に形成されるクラックが、所定領域を越えて、意図しない方向に急激に伸展しやすい。
そのため、従来、切断面である側端面と表面との境界線が直線状部分を含む場合に、直線状部分は、直線状部分の両端を結ぶ仮想直線と完全には重ならず、直線状部分上の点と、仮想直線との間の最大距離をd(mm)とし、仮想直線の長さをL(mm)としたとき、d/Lが2.0×10−3を超えていた。
d/Lが2.0×10−3を超えると、直線状部分の直線性が十分でなく、他部材への組み付け時に様々な不具合が生じる。例えば、枠体(例えば、携帯機器の筐体)の開口部への嵌め込み時に、ガラス板が局所的に変形し、明瞭な透視歪みや反射歪みが生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、化学強化後に切断してなるものであって、他部材への組み付け時の品質に優れたガラス板を提供することを目的とする。
上記目的を解決するため、本発明は、
化学強化後に切断してなり、圧縮応力が残留する表面層および裏面層と、該表面層と該裏面層との間に形成され、引張応力が残留する中間層とを有し、切断面である側端面に、圧縮応力が残留する領域と、引張応力が残留する領域とを有するガラス板において、
前記切断面である側端面と表面との境界線は直線状部分を含み、
該直線状部分は、該直線状部分上の点と、該直線状部分の両端を結ぶ仮想直線との間の最大距離をd(mm)とし、前記仮想直線の長さをL(mm)とすると、d/L≦2.0×10−3の式を満たすことを特徴とするガラス板を提供する。
化学強化後に切断してなり、圧縮応力が残留する表面層および裏面層と、該表面層と該裏面層との間に形成され、引張応力が残留する中間層とを有し、切断面である側端面に、圧縮応力が残留する領域と、引張応力が残留する領域とを有するガラス板において、
前記切断面である側端面と表面との境界線は直線状部分を含み、
該直線状部分は、該直線状部分上の点と、該直線状部分の両端を結ぶ仮想直線との間の最大距離をd(mm)とし、前記仮想直線の長さをL(mm)とすると、d/L≦2.0×10−3の式を満たすことを特徴とするガラス板を提供する。
本発明によれば、化学強化後に切断してなるものであって、他部材への組み付け時の品質に優れたガラス板を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、後述の実施形態に制限されない。本発明は、本発明の範囲を逸脱することなく、後述の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、化学強化後に切断してなるガラス板に関する。
第1の実施形態は、化学強化後に切断してなるガラス板に関する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガラス板の斜視図である。図2は、ガラス板10の要部の側面図である。
ガラス板10は、化学強化後に切断してなる。このガラス板10は、切断後に化学強化してなるものに比べて、生産効率が高いので、製造コストが低い。なお、切断方法は、第2および第3の実施形態で説明する。
化学強化は、ガラスの表面および裏面などをイオン交換し、圧縮応力が残留する表面層および裏面層などを形成する方法である。化学強化では、ガラスに含まれる小さなイオン半径のイオン(例えば、Liイオン、Naイオン)が、大きなイオン半径のイオン(例えば、Kイオン)に置換される。イオン交換用の処理液としては、特に限定されないが、例えばKNO3溶融塩などが用いられる。
化学強化では、圧縮応力が残留する表面層および裏面層などを形成する反作用として、表面層と裏面層との間には、引張応力が残留する中間層が形成される。
従って、化学強化後に切断してなるガラス板10は、圧縮応力が残留する表面層21および裏面層22と、該表面層21と該裏面層22との間に形成され、引張応力が残留する中間層23とを有する。
図3は、ガラス板10の残留応力の厚さ方向分布を示す模式図である。図3に示すように、表面層21や裏面層22に残留する圧縮応力は、表面11および裏面12から内部に向けて徐々に小さくなる傾向にある。また、中間層23に残留する引張応力は、ほぼ一定である。
図3において、S1は表面層21の最大残留圧縮応力、S2は裏面層22の最大残留圧縮応力、D1は表面層21の厚さ、D2は裏面層22の厚さ、Dはガラス板10の厚さ、Tは中間層23の平均残留引張応力をそれぞれ示す。S1、S2(S2=S1)、D1、D2(D2=D1)、Tは、強化処理条件で調節可能であり、化学強化用の処理液の濃度や温度、化学強化用のガラスを処理液に浸漬する時間などにて調節可能である。また、S1、S2、D1、D2は市販の表面応力計などで測定可能であり、その測定結果およびDを下記の式(1)に代入して、Tは算出可能である。
T=(S1×D1/2+S2×D2/2)/(D−D1−D2)・・・(1)
Dはマイクロゲージなどで測定したデータを用いる。
T=(S1×D1/2+S2×D2/2)/(D−D1−D2)・・・(1)
Dはマイクロゲージなどで測定したデータを用いる。
なお、本実施形態の表面層21と裏面層22は、同じ最大残留圧縮応力、同じ厚さを有するが、異なる最大残留引張応力、異なる厚さを有しても良い。
ガラス板10は、例えば図1に示すように、表面11と、裏面12と、切断面である側端面13〜16とを有する。
表面11および裏面12は、それぞれ、平坦面であって、化学強化用の処理液に浸漬された面である。表面11および裏面12は、それぞれ、例えば、矩形状に形成されている。ここで、「矩形状」とは、正方形状や長方形状をいい、コーナ部分が丸みを帯びた形状を含む。
なお、表面11および裏面12の形状に制限はなく、例えば三角形状などの多角形状であっても良い。
側端面13〜16は、表面11および裏面12に対して略垂直に形成されている。そのため、側端面13〜16と表面11との境界線40と、側端面13〜16と裏面12との境界線とは、略同じ寸法形状を有する。
側端面13〜16は平坦面であって良い。なお、本実施形態では、側端面13〜16の全てが切断面であるが、側端面13〜16の少なくとも1つが切断面であれば良い。
次に、図1に基づいて、側端面13の構成について説明する。残りの側端面14〜16の構成は、側端面13の構成と同様であるので、説明を省略する。
側端面13は、図1に示すように、圧縮応力が残留する領域31、32と、引張応力が残留する領域33とを有する。
圧縮応力が残留する領域31は表面層21の側端面で構成され、圧縮応力が残留する領域32は裏面層22の側端面で構成され、引張応力が残留する領域33は中間層23の側端面で構成されている。そのため、引張応力が残留する領域33は、圧縮応力が残留する2つの領域31、32の間に形成されている。
なお、側端面13の構成は、これに限定されない。例えば、側端面13に隣接する側端面14、16が切断面ではなく、化学強化用の処理液に浸漬された面である場合、側端面13において、引張応力が残留する領域は、圧縮応力が残留する領域によって四方を囲まれる。
切断面である側端面13〜16と表面11との境界線(切断線)40は、4本の直線状部分41〜44を含んでいる。なお、境界線40は、1本以上の直線状部分を含んでいれば良く、曲線状部分をさらに含んでいても良い。
次に、図1および図2に基づいて、直線状部分41の構成について説明する。残りの直線状部分42〜44の構成は、直線状部分41の構成と同様であるので、説明を省略する。
直線状部分41は、切断面である側端面13と表面11との境界線部分であって、矩形状の表面11の外周の一辺を構成している。
直線状部分41は、直線状部分41の両端を結ぶ仮想直線51と完全に重なることが望ましいが、両端を除き、仮想直線51から左側または右側に僅かにずれていても良いし、仮想直線51を横切っていても良い。
直線状部分41は、直線状部分41上の点と、仮想直線51との間の最大距離をd(mm)とし、仮想直線51の長さをL(mm)とすると、d/L≦2.0×10−3の式を満たす。ここで、「距離」とは、仮想直線51と直交する方向における距離のことである。「最大距離」は、直線状部分41上の仮想直線51から最も遠い点と、仮想直線51との間の距離を測定して求められる。
d/Lの上限値を2.0×10−3とすることで、良好な直線性が得られ、他部材への組み付け時に、良好な品質が得られる。例えば、枠体(例えば、携帯機器の筐体)の開口部への嵌め込み時に、ガラス板10の透視歪みや反射歪みを視認困難な程度に抑制することができる。d/Lの上限値は、好ましくは1.5×10−3、より好ましくは1.0×10−3である。
上記の効果を十分に得るため、上記最大距離は200μm以下であることが好ましい。上記最大距離は、仮想直線51の長さなどに応じて設定され、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。
直線状部分41上の任意の点において、切断面である側端面13と表面11とのなす角θは、例えば82〜98°、好ましくは84〜96°、より好ましくは87〜93°である。なす角θを82〜98°とすることで、他部材に対して精度良く組み付けることができる。
ガラス板10の厚さは、ガラス板10の用途などに応じて適宜設定される。例えば、ガラス板10の厚さは、0.4〜1.8mmである。ガラス板10の厚さを0.4mm以上とすることで、ガラス板10の剛性を十分に高めることができる。一方で、ガラス板10の厚さを1.8mm以下とすることで、ガラス板10を十分に薄板化・軽量化することができる。ガラス板10の厚さは、好ましくは0.6〜1.2mm、より好ましくは0.7〜1.1mmである。
ガラス板10の組成は、ガラス板10の用途に応じて選定される。例えば、化学強化前のガラス板10は、酸化物基準で、以下のような各成分の含有率が例示される。
(組成1:モル百分率表示)SiO2を50〜74%、Al2O3を1〜10%、Na2Oを6〜14%、K2Oを3〜15%、MgOを2〜15%、CaOを0〜10%、ZrO2を0〜5%含有し、SiO2およびAl2O3の含有量の合計が75%以下、Na2OおよびK2Oの含有量の合計Na2O+K2Oが12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計MgO+CaOが7〜15%。
(組成2:モル百分率表示)SiO2を61〜66%、Al2O3を6〜12%、MgOを7〜13%、Na2Oを9〜17%、K2Oを0〜7%含有し、ZrO2を含有する場合その含有量が0.8%以下。
(組成3:質量百分率表示)SiO2を75.5〜85.5%、MgOを1〜8%、CaOを0〜7%、Al2O3を0〜5%、Na2Oを10〜22.5%を含有し、MgOの含有量がCaOの含有量より多く、MgOおよびCaOの含有量の合計(MgO+CaO)が8%以下、MgO、CaOおよびNa2Oの含有量の合計が24.5%以下、MgOおよびCaOの含有量(MgO+CaO)をNa2Oの含有量で除して得られた比が0.45以下。
化学強化用のガラスは、フロート法、フュージョンダウンドロー法、スリットダウンドロー法、リドロー法などで作製される。
(組成1:モル百分率表示)SiO2を50〜74%、Al2O3を1〜10%、Na2Oを6〜14%、K2Oを3〜15%、MgOを2〜15%、CaOを0〜10%、ZrO2を0〜5%含有し、SiO2およびAl2O3の含有量の合計が75%以下、Na2OおよびK2Oの含有量の合計Na2O+K2Oが12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計MgO+CaOが7〜15%。
(組成2:モル百分率表示)SiO2を61〜66%、Al2O3を6〜12%、MgOを7〜13%、Na2Oを9〜17%、K2Oを0〜7%含有し、ZrO2を含有する場合その含有量が0.8%以下。
(組成3:質量百分率表示)SiO2を75.5〜85.5%、MgOを1〜8%、CaOを0〜7%、Al2O3を0〜5%、Na2Oを10〜22.5%を含有し、MgOの含有量がCaOの含有量より多く、MgOおよびCaOの含有量の合計(MgO+CaO)が8%以下、MgO、CaOおよびNa2Oの含有量の合計が24.5%以下、MgOおよびCaOの含有量(MgO+CaO)をNa2Oの含有量で除して得られた比が0.45以下。
化学強化用のガラスは、フロート法、フュージョンダウンドロー法、スリットダウンドロー法、リドロー法などで作製される。
ガラス板10の用途は、特に限定されないが、例えば、携帯機器に組み込まれるディスプレイ用のカバーガラス、基板などであって良い。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、上記のガラス板10を製造する方法に関し、特に、化学強化されたガラス板(以下、「化学強化ガラス板」という)を切断する方法に関する。
第2の実施形態は、上記のガラス板10を製造する方法に関し、特に、化学強化されたガラス板(以下、「化学強化ガラス板」という)を切断する方法に関する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るガラス板の製造方法の説明図である。
ガラス板の製造方法は、化学強化ガラス板110の所定領域130に交番電界を印加することによって、所定領域130を徐冷点以下の温度で誘電加熱する工程を有する。加熱温度を徐冷点以下の温度としたのは、ガラスは徐冷点を超える温度に加熱されると、熱応力を緩和するように、粘性流動するからである。
該工程において、化学強化ガラス板110の表面111上の切断予定線113に沿って所定領域130を移動させることで、化学強化ガラス板110を切断する。
切断予定線113は、切断箇所となる予定の仮想線である。切断予定線113は、目的に応じた形状を有し、1つ以上の直線状部分を含んでおり、曲線状部分をさらに含んでいても良い。例えば、切断予定線113は、図4に示すように、1つの直線状部分を有する。
切断予定線113の全体には、スクライブ線(溝線)が予め形成されていない。スクライブ線を予め形成しても良いが、この場合、工程数が増えるので、作業が繁雑である。また、スクライブ線を予め形成すると、ガラスが欠けることがある。
切断予定線113の始端は、化学強化ガラス板110の表面111の外周と交わっている。切断予定線113の始端およびその近傍には、切断の起点となる初期クラックが予め形成されている。初期クラックの形成方法は、一般的な方法であって良く、例えばカッタやヤスリ、レーザで形成される。工程数を削減するため、初期クラックは無くても良い。
切断予定線113の終端は、化学強化ガラス板110の表面111の外周と交わっている。なお、切断予定線の終端は、切断予定線の途中と交わっていても良く、この場合、切断予定線は例えばP字状に設定される。
化学強化ガラス板110の所定領域130に交番電界を印加するため、化学強化ガラス板110を介して、第1および第2の電極131、132が対向配置されている。
第1および第2の電極131、132は、それぞれ、針状に形成されて良く、化学強化ガラス板110に向けて先細りの先端部を有して良い。これによって、交番電界を印加する所定領域130が狭窄され、切断精度が高くなる。
第1および第2の電極131、132は、短くなるほど、リーク電流を低減でき、電力損失を低減できるが、一方で、ハンドリング性を悪化させる。第1および第2の電極131、132の長さは、電力損失とハンドリング性を考慮して決定され、例えば1〜300mmであり、好ましくは2〜100mm、より好ましくは3〜50mmである。
第1および第2の電極131、132は、長さや電力に応じた平均直径を有する。平均直径は、例えば0.1〜20mmであり、好ましくは0.2〜10mm、より好ましくは0.4〜4mmである。
第1および第2の電極131、132は、化学強化ガラス板110から離間して配置されて良い。これによって、接触による損傷を防止することができる。また、これによって、第1および第2の電極131、132と、化学強化ガラス板110との間に放電が生じるので、加熱効率が向上する。
放電の安定化のため、第1および第2の電極131、132の周辺雰囲気は、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気などの不活性雰囲気であることが好ましく、減圧雰囲気であることがより好ましい。
第1および第2の電極131、132は、回路133を介して、電気的に接続されている。第2の電極132は、アースされていることが望ましい。
回路133は、第1の電極131に交流電流を印加する高周波電源134、第1の電極131に印加される交流電流の周波数やデューティ比、電圧を変調する変調器135などで構成される。
高周波電源134は、第1の電極131に交流電流を印加することによって、第1の電極131と、第2の電極132との間に交番電界を形成し、ひいては、所定領域130に交番電界を形成する。所定領域130は、交番電界によって誘電加熱される。
所定領域130の単位体積当たりの誘電加熱量Pは、P=ε0×εr×tanδ×2π×f×(V/t)2の式で表される。式中、ε0は真空の誘電率、εrは化学強化ガラス板110の比誘電率、δは誘電損失角、fは第1の電極131に印加される交流電流の周波数、Vは第1の電極131に印加される交流電圧、tは化学強化ガラス板110の厚さを示す。上記の式から明らかなように、誘電加熱量Pは、周波数fや交流電圧Vなどにて調節可能である。
周波数fや交流電圧Vは、化学強化ガラス板110の切断速度などに応じて適宜設定される。周波数fは、例えば103〜1010Hzであって、好ましくは104〜109Hz、より好ましくは105〜108Hzである。交流電圧Vは、例えば10〜107Vであって、好ましくは102〜106V、より好ましくは102〜105Vである。
本実施形態では、化学強化ガラス板110を誘電加熱するので、化学強化ガラス板110の表面層や裏面層だけでなく中間層を加熱することができる。そのため、化学強化ガラス板110の応力は、後述の図5に示す状態から、後述の図6や図7に示す状態に変化する。
図5は、誘電加熱前の化学強化ガラス板110の断面における応力分布の説明図である。図5において、矢印の方向は、応力の作用方向を示し、矢印の長さは、応力の大きさを示す。
化学強化ガラス板110は、上記のガラス板10と同様に、圧縮応力が残留する表面層121および裏面層122を有し、表面層121と裏面層122との間には、引張応力が残留する中間層123が形成されている。表面層121や裏面層122の最大残留圧縮応力、厚さ、中間層123の平均残留引張応力、化学強化ガラス板110の厚さは、上記のガラス板10と略同じである。
図6は、図4のA−A線に沿った断面図であって、所定領域130を含む断面図である。図7は、図4のB−B線に沿った断面図であって、図6に示す断面よりも後方の断面である。ここで、「後方」とは、所定領域130の移動方向後方を意味する。図6および図7において、矢印の方向は、応力の作用方向を示し、矢印の長さは、応力の大きさを示す。
図6に示すように、所定領域130における中間層123では、誘電加熱によって温度が周辺に比べて高くなるので、図5に示す残留引張応力よりも小さい引張応力、または、圧縮応力が生じる。そのため、クラック140の伸展が阻害されている。クラック140の伸展を確実に防止するため、図6に示すように、圧縮応力が生じていることが好ましい。
また、図6に示すように、所定領域130における表面層121や裏面層122では、誘電加熱によって温度が周辺に比べて高くなるので、図5に示す残留圧縮応力よりも大きい圧縮応力が生じている。そのため、クラック140の伸展が阻害されている。
図6に示す応力との釣り合いのため、図6に示す断面よりも後方の断面では、図7に示すように、中間層123に引張応力が生じる。この引張応力は、図5に示す残留引張応力よりも大きく、引張応力が所定値に達している部分に、クラック140が形成される。このクラック140は、化学強化ガラス板110を表面111から裏面112まで貫通しており、本実施形態の切断は所謂フルカット切断である。
図6および図7に示す状態で、化学強化ガラス板110の表面111上の切断予定線113に沿って、所定領域130を移動させると、所定領域130に追従するようにクラック140が伸展する。クラック140の先端は、所定領域130を追い越さない。
なお、クラック140の先端は、所定領域130を追従するのでなく、所定領域130と重なるように移動してもよい。クラック140の先端が所定領域130に近いほど、切断精度が向上する。
このように、本実施形態では、所定領域130における中間層123の残留引張応力が熱応力によって緩和されるので、クラック140が所定領域130を越えて伸展するのを防止できる。また、本実施形態では、所定領域130の後方近傍に残留引張応力よりも大きい引張応力が生じるので、クラック140が所定領域130の軌跡から外れるのを防止できる。従って、切断精度を向上することができ、所望の寸法形状のガラス板10(図1参照)を得ることができる。
所定領域130の移動は、化学強化ガラス板110に対する、第1および第2の電極131、132の相対的な移動によって行われる。所定領域130の移動は、化学強化ガラス板110の移動、または、第1および第2の電極131、132の移動によって実現され、これらの組合せで実現されても良い。
ところで、本発明者の知見によると、中間層123の平均残留引張応力が30MPa以上であると、中間層123の残留引張応力のみで、中間層123に形成されたクラックが自然に伸展する(自走する)。
切断に使用される引張応力が、誘電加熱により生じる引張応力よりも、中間層123の残留引張応力に支配されるように、中間層123の平均残留引張応力が15MPa以上であることが好ましい。これによって、引張応力が所定値に達する位置、即ち、クラック140の先端位置と、所定領域130との間の距離が十分に短くなるので、良好な切断精度が得られる。
中間層123の平均残留引張応力は、より好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは40MPa以上である。平均残留引張応力が30MPa以上であると、切断に使用される引張応力は中間層123の残留引張応力のみとなり、より良好な切断精度が得られる。
ガラス板の製造方法は、図8に示すように、化学強化ガラス板110の表面111に、ノズル150から冷媒を吹き付ける工程を有しても良い。冷媒としては、冷却空気などのガス、冷水などの液体が用いられる。ガスと液体を組み合わせて用いても良い。
冷媒を吹き付ける領域160は、表面111において、上記の所定領域130の後方近傍に配され、上記の所定領域130に追従させる。これによって、所定領域130の後方近傍において、高い温度勾配が生じ、高い圧力勾配が生じるので、引張応力が所定値に達する位置、即ち、クラック140の先端位置と、所定領域130との間の距離が短くなる。よって、クラック140の位置制御性が高くなる。
なお、本実施形態では、交番電界の形成のため、第1および第2の電極131、132が用いられるとしたが、第2の電極132の代わりに、化学強化ガラス板110自身を用いても良い。この場合、化学強化ガラス板110と、第1の電極131とが回路133を介して電気的に接続される。この場合、化学強化ガラス板110はアースされていることが望ましい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、上記のガラス板10を製造する方法に関し、特に、化学強化ガラス板を切断する方法に関する。
第3の実施形態は、上記のガラス板10を製造する方法に関し、特に、化学強化ガラス板を切断する方法に関する。
図9は、本発明の第3の実施形態に係るガラス板の製造方法の説明図である。
ガラス板の製造方法は、化学強化ガラス板210の所定領域230にレーザ光232を照射することによって、所定領域230を徐冷点以下の温度で加熱する工程を有する。加熱温度を徐冷点以下の温度としたのは、ガラスは徐冷点を超える温度に加熱されると、熱応力を緩和するように、粘性流動するからである。
該工程において、化学強化ガラス板210の表面211上の切断予定線213に沿って所定領域230を移動させることで、化学強化ガラス板210を切断する。
切断予定線213は、切断箇所となる予定の仮想線であって、上記の第3の実施形態と同様に構成される。切断予定線213の全体には、スクライブ線(溝線)が予め形成されていなくて良い。切断予定線213の始端およびその近傍には、切断の起点となる初期クラックが予め形成されていて良い。
レーザ光232の光源としては、特に限定されないが、例えば、UVレーザ(波長:355nm)、グレーンレーザ(波長:532nm)、半導体レーザ(波長:808nm、940nm、975nm)、ファイバーレーザ(波長:1060〜1100nm)、YAGレーザ(波長:1064nm、2080nm、2940nm)などが挙げられる。光源の発振方式に制限はなく、レーザ光を連続発振するCWレーザ、レーザ光を断続発振するパルスレーザのいずれも使用可能である。また、レーザ光232の強度分布に制限はなく、ガウシアン型であっても、トップハット型であっても良い。
光源から出射されたレーザ光232は、集光レンズなどで集光され、化学強化ガラス板210の表面211に照射される。
レーザ光232の集光位置は、表面211を基準として、レーザ光232の光源側であっても良いし、裏面212側であっても良い。また、レーザ光232の集光位置は、化学強化ガラス板210の外部であっても良いし、内部であっても良い。
レーザ光232の光軸は、表面211において、例えば図9に示すように表面211と直交していても良いし、表面211と斜めに交わっていても良い。
本実施形態では、化学強化ガラス板210とレーザ光232とが、レーザ光232に対する化学強化ガラス板210の吸収係数をα(cm−1)とし、化学強化ガラス板210の厚さをt(cm)として、0<α×t≦3.0の式を満たす。
化学強化ガラス板210に入射する前のレーザ光232の強度をI0とし、化学強化ガラス板210中を距離w(cm)だけ移動したときのレーザ光232の強度をIとすると、I=I0×exp(−α×w)の式が成立する。
α×tを0より大きく3.0以下とすることで、化学強化ガラス板210内でのレーザ光232の強度が十分に高くなり、レーザ光232が化学強化ガラス板210の表面層だけでなく、中間層や裏面層を十分に加熱できる。その結果、化学強化ガラス板210に生じる応力は、後述の図10に示す状態から、後述の図11や図12に示す状態に変化する。
図10は、レーザ加熱前の化学強化ガラス板210の断面における応力分布の説明図である。図10において、矢印の方向は、応力の作用方向を示し、矢印の長さは、応力の大きさを示す。
図10に示すように、レーザ加熱前の化学強化ガラス板210は、上記のガラス板10と同様に、圧縮応力が残留する表面層221および裏面層222を有し、表面層221と裏面層222との間には、引張応力が残留する中間層223が形成されている。表面層221や裏面層222の最大残留圧縮応力、厚さ、中間層223の平均残留引張応力、化学強化ガラス板210の厚さは、上記のガラス板10と略同じである。
図11は、図9のA−A線に沿った断面図であって、所定領域230を含む断面図である。図12は、図9のB−B線に沿った断面図であって、図10に示す断面よりも後方の断面である。ここで、「後方」とは、所定領域230の移動方向後方を意味する。図11および図12において、矢印の方向は、応力の作用方向を示し、矢印の長さは、応力の大きさを示す。
図11に示すように、所定領域230における中間層223では、レーザ光232によって温度が周辺に比べて高くなるので、図10に示す残留引張応力よりも小さい引張応力、または、圧縮応力が生じる。そのため、クラック240の伸展が阻害されている。クラック240の伸展を確実に防止するため、図11に示すように、圧縮応力が生じていることが好ましい。
また、図11に示すように、所定領域230における表面層221や裏面層222では、レーザ加熱によって温度が周辺に比べて高くなるので、図10に示す残留圧縮応力よりも大きい圧縮応力が生じている。そのため、クラック240の伸展が阻害されている。
図11に示す応力との釣り合いのため、図11に示す断面よりも後方の断面では、図12に示すように、中間層223に引張応力が生じる。この引張応力は、図10に示す残留引張応力よりも大きく、引張応力が所定値に達している部分に、クラック240が形成される。このクラック240は、化学強化ガラス板210を表面211から裏面212まで貫通しており、本実施形態の切断は所謂フルカット切断である。
図11および図12に示す状態で、化学強化ガラス板210の表面211上の切断予定線213に沿って、所定領域230を移動させると、所定領域230に追従するようにクラック240が伸展する。クラック240の先端は、所定領域230を追い越さない。
なお、クラック240の先端は、所定領域230を追従するのでなく、所定領域230と重なるように移動してもよい。クラック240の先端が所定領域230に近いほど、切断精度が向上する。
このように、本実施形態では、所定領域230における中間層223の残留引張応力が熱応力によって緩和されるので、クラック240が所定領域230を越えて伸展するのを防止できる。また、本実施形態では、所定領域230の後方近傍に残留引張応力よりも大きい引張応力が生じるので、クラック240が所定領域230の軌跡から外れるのを防止できる。従って、切断精度を向上することができ、所望の寸法形状のガラス板10(図1参照)を得ることができる。
所定領域230の移動は、化学強化ガラス板210に対する、レーザ光232の相対的な移動によって行われる。所定領域230の移動は、化学強化ガラス板210の移動、レーザ光232の光源の移動、またはレーザ光232の光路の途中に設けられるミラーの回転によって実現され、これらの組合せで実現されても良い。
ところで、本発明者の知見によると、中間層223の平均残留引張応力が30MPa以上であると、中間層223の残留引張応力のみで、中間層223に形成されたクラックが自然に伸展する(自走する)。
切断に使用される引張応力が、誘電加熱により生じる引張応力よりも、中間層223の残留引張応力に支配されるように、中間層223の平均残留引張応力が15MPa以上であることが好ましい。これによって、引張応力が所定値に達する位置、即ち、クラック240の先端位置と、所定領域230との間の距離が十分に短くなるので、良好な切断精度が得られる。
中間層223の平均残留引張応力は、より好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは40MPa以上である。平均残留引張応力が30MPa以上であると、切断に使用される引張応力は中間層223の残留引張応力のみとなり、より良好な切断精度が得られる。
ガラスは、用途によっては、高い透明度が要求されるので、使用レーザ波長が可視光の波長領域に近い場合はα×tは0に近いほど良い。しかし、α×tは、小さすぎると吸収効率が悪くなるので、好ましくは0.0005以上(レーザ光吸収率0.05%以上)、より好ましくは0.002以上(レーザ光吸収率0.2%以上)、さらに好ましくは0.004以上(レーザ光吸収率0.4%以上)である。
ガラスは、用途によっては、逆に低い透明度が要求されるので、使用レーザ波長が可視光の波長領域に近い場合はα×tは大きいほど良い。しかし、α×tが大きすぎると表面吸収が大きくなるのでクラック伸展を制御できなくなる。このため、α×tは、好ましくは3.0以下(レーザ光吸収率95%以下)、より好ましくは0.1以下(レーザ光吸収率10%以下)、さらに好ましくは0.02以下(レーザ光吸収率2%以下)である。
吸収係数αは、レーザ光232の波長、化学強化ガラス板210のガラス組成などで定まる。例えば、化学強化ガラス板210中の酸化鉄(FeO、Fe2O3、Fe3O4を含む)の含有量、酸化コバルト(CoO、Co2O3、Co3O4を含む)の含有量、酸化銅(CuO、Cu2Oを含む)の含有量が多くなるほど、1000nm付近の近赤外線波長領域での吸収係数αが大きくなる。さらに、化学強化ガラス板210中の希土類元素(例えばYb)の酸化物の含有量が多くなるほど、希土類原子の吸収波長付近で吸収係数αが大きくなる。
化学強化ガラス板210中の酸化鉄の含有量は、化学強化ガラス板210を構成するガラスの種類によるが、ソーダライムガラスの場合、例えば0.02〜1.0質量%である。この範囲で、酸化鉄の含有量を調節することで、1000nm付近の近赤外線波長領域でのα×tを所望の範囲に調節可能である。酸化鉄の含有量を調節する代わりに、酸化コバルトや酸化銅、希土類元素の酸化物の含有量を調節しても良い。
1000nm付近の近赤外線波長領域での吸収係数αは、用途に応じて設定され、例えば自動車用窓ガラスの場合、3cm−1以下、建築用窓ガラスの場合、0.6cm−1以下、ディスプレイ用ガラスの場合、0.2cm−1以下であることが好ましい。
レーザ光232の波長は、250〜3000nmであることが好ましい。レーザ光232の波長を250〜3000nmとすることで、レーザ光232の透過率と、レーザ光232による加熱効率とを両立できる。レーザ光232の波長は、より好ましくは300〜2000nm、さらに好ましくは800〜1500nmである。
所定領域230は、表面(レーザ光入射面)211において、直径Φの円形状に形成されて良く、この場合、直径Φは、切断精度やレーザパワーを考慮して決定される。直径Φが小さくなるほど、切断予定線213の始端や終端付近での切断精度が高くなるが、一方で、レーザ光のパワー密度が高くなり、切断面が荒れて微細な亀裂が形成されることがある。直径Φは、例えば、0.18mmよりも大きく、1.03mmよりも小さく設定される。切断予定線213の全体に亘る切断精度を高めるため、直径Φは、0.5mm以下であることが好ましい。
なお、所定領域230は、表面211上において、矩形状、楕円状などに形成されても良く、その形状に制限はない。
ガラス板の製造方法は、図13に示すように、化学強化ガラス板210の表面211に、ノズル250から冷媒を吹き付ける工程を有しても良い。冷媒としては、冷却空気などのガス、冷水などの液体が用いられる。ガスと液体を組み合わせて用いても良い。
冷媒を吹き付ける領域260は、表面211において、所定領域230の後方近傍に配され、所定領域230に追従させる。これによって、所定領域230の後方近傍において、高い温度勾配が生じ、高い圧力勾配が生じるので、引張応力が所定値に達する位置、即ち、クラック240の先端位置と、所定領域230との間の距離が短くなる。よって、クラック240の位置制御性が高くなる。
以下に、実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[例1]
(化学強化ガラス板の作製)
化学強化用のガラスとしては、縦100mm×横120mm×厚さ0.7mmの平板ガラスを用意した。平板ガラスは、質量%表示で、SiO2:64.5%、Al2O3:6.0%、MgO:11.0%、Na2O:12.0%、K2O:4%、ZrO2:2.5%を含有していた。
(化学強化ガラス板の作製)
化学強化用のガラスとしては、縦100mm×横120mm×厚さ0.7mmの平板ガラスを用意した。平板ガラスは、質量%表示で、SiO2:64.5%、Al2O3:6.0%、MgO:11.0%、Na2O:12.0%、K2O:4%、ZrO2:2.5%を含有していた。
化学強化ガラス板は、用意した平板ガラスを、KNO3溶融塩に浸漬し、イオン交換処理した後、室温付近まで冷却することにより作製した。KNO3溶融塩の温度は400℃とし、浸漬時間は2.5時間とした。
化学強化された表面層の最大残留圧縮応力および厚さ、ならびに化学強化された裏面層の最大残留圧縮応力および厚さは、表面応力計(折原製作所製、FSM−6000LE)によって測定した。また、中間層の平均残留引張応力は、表面応力計の測定結果などを上記の式(1)に代入して算出した。
測定の結果、化学強化された表面層と裏面層とは、同じ最大残留圧縮応力(788MPa)、同じ厚さ(25μm)を有していた。また、中間層の平均残留引張応力は、30MPaであった。
(化学強化ガラス板の切断)
化学強化ガラス板の切断は、図4に示す切断方法で行った。
化学強化ガラス板の切断は、図4に示す切断方法で行った。
化学強化ガラス板の表面上の切断予定線は、1つの直線状部分で構成した。直線状部分は、表面の外周の一辺と平行であって、該一辺との間の距離は10mmとした。
切断前に、切断予定線の全体に亘るスクライブ線は形成されず、切断予定線の始端およびその近傍には、切断の基点となる初期クラックがヤスリで形成された。
化学強化ガラス板の所定領域に交番電界を印加するため、第1の電極に印加する電力は20W、周波数は15MHzとした。上記所定領域は、切断予定線の始端から終端まで40mm/secの速度で移動させた。
(切断後のガラス板の評価)
切断の結果、所望の寸法形状(縦100mm×横60mm×厚さ0.7mm)のガラス板を得ることができた。切断面である側端面と表面との境界線は、切断予定線と同一寸法形状であって、直線状部分のみを有していた。得られたガラス板について下記の評価を行った。
切断の結果、所望の寸法形状(縦100mm×横60mm×厚さ0.7mm)のガラス板を得ることができた。切断面である側端面と表面との境界線は、切断予定線と同一寸法形状であって、直線状部分のみを有していた。得られたガラス板について下記の評価を行った。
切断後の表面層の最大残留圧縮応力および厚さ、ならびに切断後の裏面層の最大残留圧縮応力および厚さは、上記の方法で測定した。また、中間層の平均残留引張応力は、上記の式(1)に基づいて算出した。
切断面である側端面と表面との境界線の直線性は、(1)境界線上の点と、境界線の両端を結ぶ仮想直線との間の最大距離(μm)、(2)最大距離d(mm)と、仮想直線の長さL(mm)との比(d/L)で評価した。
切断面である側端面と、表面とのなす角θは、顕微鏡写真を拡大して実測した。測定は、境界線の一端から所定間隔(10mm)毎に行って、最小値および最大値をそれぞれ求めた。
他部材への組み付け時の品質は、枠体の開口部に嵌め込んだときのガラス板の透視歪みおよび反射歪みの発生状態で評価した。目視検査で、透視歪みおよび反射歪みが全くないものを「A」とし、透視歪み、または反射歪みがある(視認困難である)ものを「B」とした。枠体はABS樹脂製であって、枠体の開口部は略矩形状(縦100mm、横60mm)とした。
評価結果を表1に示す。なお、表面層と裏面層とは、同じ最大残留圧縮応力、同じ厚さを示したので、表1には、表面層のデータのみ示す。
[例2]
化学強化ガラス板の作製は、例1と同様にして行った。
化学強化ガラス板の作製は、例1と同様にして行った。
化学強化ガラス板の切断は、図4に示す切断方法の代わりに、図9に示す切断方法を用いた他は、例1と同様にして行った。
化学強化ガラス板の所定領域に照射されるレーザ光の光源としては、ファイバーレーザ(波長帯:1075〜1095nm)を用いた。レーザ光に対する化学強化ガラス板の吸収係数αは、紫外可視近赤外分光光度計Lambda950によって測定したところ、0.48cm−1であり、化学強化ガラス板の厚さt(cm)との積α×tが0.0672であった。
所定領域は、化学強化ガラス板の表面上において、直径0.3mmの円形状に形成され、切断予定線の始端(初期クラック)から終端まで10mm/secの速度で移動させた。
切断の結果、所望の寸法形状のガラス板を得ることができた。切断面である側端面と表面との境界線は、切断予定線と同一寸法形状であって、直線状部分のみを有していた。
得られたガラス板の評価結果を表1に示す。なお、表面層と裏面層とは、同じ最大残留圧縮応力、同じ厚さを示したので、表1には、表面層のデータのみ示す。
[例3]
化学強化ガラス板の作製は、例1と同様にして行った。
化学強化ガラス板の作製は、例1と同様にして行った。
化学強化ガラス板の切断は、レーザ光の光源として、ファイバーレーザ(波長帯:1075〜1095nm)の代わりに、炭酸ガスレーザ(波長:10600nm)を用いた他は、例2と同様にして行った。
レーザ光に対する化学強化ガラス板の吸収係数αは、紫外可視近赤外分光光度計Lambda950によって予め測定したところ、1000cm−1を超えており、化学強化ガラス板の厚さt(cm)との積α×tが50を超えていた。
所定領域は、化学強化ガラス板の表面上において、移動方向に長い楕円状(長さ12mm、幅3mm)に形成され、切断予定線の始端(初期クラック)から終端まで10mm/secの速度で移動させた。移動方向に長い楕円状としたのは、同じ場所を長時間加熱することで、表面が瞬間的に過熱されるのを抑制すると共に、表面から内部への熱伝達を促し、内部を加熱するためである。
切断の結果、所望の寸法形状のガラス板を得ることができた。切断面である側端面と表面との境界線は、切断予定線と同一寸法形状であって、直線状部分のみを有していた。
得られたガラス板の評価結果を表1に示す。なお、表面層と裏面層とは、同じ最大残留圧縮応力、同じ厚さを示したので、表1には、表面層のデータのみ示す。
10 ガラス板
11 表面
12 裏面
13 側端面
21 表面層
22 裏面層
23 中間層
31 圧縮応力が残留する領域
32 圧縮応力が残留する領域
33 引張応力が残留する領域
40 境界線
41 直線状部分
51 仮想直線
110 化学強化ガラス板
111 表面
113 切断予定線
130 所定領域
210 化学強化ガラス板
211 表面
213 切断予定線
230 所定領域
232 レーザ光
11 表面
12 裏面
13 側端面
21 表面層
22 裏面層
23 中間層
31 圧縮応力が残留する領域
32 圧縮応力が残留する領域
33 引張応力が残留する領域
40 境界線
41 直線状部分
51 仮想直線
110 化学強化ガラス板
111 表面
113 切断予定線
130 所定領域
210 化学強化ガラス板
211 表面
213 切断予定線
230 所定領域
232 レーザ光
Claims (6)
- 化学強化後に切断してなり、圧縮応力が残留する表面層および裏面層と、該表面層と該裏面層との間に形成され、引張応力が残留する中間層とを有し、切断面である側端面に、圧縮応力が残留する領域と、引張応力が残留する領域とを有するガラス板において、
前記切断面である側端面と表面との境界線は直線状部分を含み、
該直線状部分は、該直線状部分上の点と、該直線状部分の両端を結ぶ仮想直線との間の最大距離をd(mm)とし、前記仮想直線の長さをL(mm)とすると、d/L≦2.0×10−3の式を満たすことを特徴とするガラス板。 - 前記最大距離が200μm以下である請求項1に記載のガラス板。
- 前記直線状部分上の任意の点において、前記切断面である側端面と前記表面とのなす角が82〜98°である請求項1または2に記載のガラス板。
- 前記表面は、矩形状に形成され、
前記直線状部分は、前記表面の外周の一辺を構成する請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板を製造する方法であって、
化学強化ガラス板の所定領域に交番電界を印加することによって、前記所定領域を徐冷点以下の温度で誘電加熱する工程を有し、
該工程において、前記化学強化ガラス板の表面上の切断予定線に沿って前記所定領域を移動させることで、前記化学強化ガラス板を切断するガラス板の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板を製造する方法であって、
前記化学強化ガラス板の所定領域にレーザ光を照射することによって、前記所定領域を徐冷点以下の温度で加熱する工程を有し、
該工程において、前記化学強化ガラス板の表面上の切断予定線に沿って前記所定領域を移動させることで、前記化学強化ガラス板を切断し、
前記化学強化ガラス板と前記レーザ光は、前記レーザ光に対する前記化学強化ガラス板の吸収係数をα(cm−1)とし、前記化学強化ガラス板の厚さをt(cm)とすると、0<α×t≦3の式を満たすガラス板の製造方法。
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