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JP2012192341A - ホウフッ化物含有液の処理方法 - Google Patents

ホウフッ化物含有液の処理方法 Download PDF

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JP2012192341A
JP2012192341A JP2011058323A JP2011058323A JP2012192341A JP 2012192341 A JP2012192341 A JP 2012192341A JP 2011058323 A JP2011058323 A JP 2011058323A JP 2011058323 A JP2011058323 A JP 2011058323A JP 2012192341 A JP2012192341 A JP 2012192341A
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borofluoride
anion exchange
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potassium
regeneration
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Toru Masaoka
融 正岡
Nobuhiro Oda
信博 織田
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

【課題】 ホウフッ化物を含有する液から、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させ、簡単な構成と操作により効率よくホウフッ化物を分離してアニオン交換樹脂を再生し、ホウフッ化物を除去することができるホウフッ化物含有廃液の処理方法を提案する。
【解決手段】 吸着塔1に被処理液を導入し、樹脂層6に通液してホウフッ化物を樹脂層6のアニオン交換樹脂に吸着させ、再生工程では吸着塔1のアニオン交換樹脂を再生塔2へ移送し、再生塔2に樹脂層11を形成し、再生剤槽3からカリウム化合物を含む再生剤を供給し再生を行う。ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂に、カリウム化合物を含む再生剤を接触させることにより、アニオン交換樹脂に吸着したホウフッ化物イオンを溶離させ、再生剤のカリウムと反応させ、難溶性のホウフッ化カリウムが析出させ、気泡発生部9から気泡を発生させ、樹脂の流動化と析出物の剥離を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホウフッ化物を含有する液から、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させ、再生によりホウフッ化物を分離するホウフッ化物含有液の処理方法に関し、さらに詳細にはホウフッ化物およびフッ化水素酸、その他の酸を含有する液から、アニオン交換樹脂にホウフッ化物を吸着させ、再生によりホウフッ化物を析出させて効率よく分離回収する処理方法に関するものである。
半導体製造工業、めっき工業等の工場では、表面洗浄剤由来のホウ素やフッ素を含有する廃水が発生する。また火力発電所から排出される排煙脱硫廃水は石炭由来のホウ素やフッ素を含む。このようなホウ素とフッ素を含有する廃水中では、ホウ素とフッ素の大部分はホウフッ化物(BF )を形成し、フッ化水素酸(HF)、硝酸(HNO)、ケイフッ化水素酸(HSiF)、その他の酸と共に存在することが多い。ホウ素、フッ素は人体への健康被害を防ぐことを目的に、排水基準がホウ素:10mg/L以下、フッ素:8mg/L以下に規制されていることから、ホウフッ化物含有廃水は適切な処理を行う必要がある。しかしながらホウフッ化物は結合力が強く、また一般的な中和剤である水酸化ナトリウムでは凝集沈殿しないため、何らかの方法で分解する必要がある。
特許文献1(特公平3−68757号)には、ホウフッ化物およびホウ酸を含む廃液に硫酸アルミニウムを加え、高温酸性下にホウフッ化物をホウ酸とフッ化アルミニウムに分解して沈殿分離し、残留するホウフッ化物とホウ酸を異なる塩基度のアニオン交換樹脂に吸着させ、水酸化ナトリウムで再生する方法が示されている。しかしこの方法では、ホウフッ化物を高温酸性下に分解する沈殿分離と、アニオン交換樹脂による吸着の2段階にわたって前処理する必要があり、また再生も水酸化ナトリウムで別のアニオン交換樹脂を再生した廃液を、ホウ酸を吸着したアニオン交換樹脂に通液して再生するなど、複雑な処理をする必要があるという問題点があった。
特許文献2(特公平4−68983号)には、金属のホウフッ化物含有廃水をカチオン交換樹脂に通液して金属を吸着させた後、アニオン交換樹脂に通液してホウフッ化物を吸着させ、アニオン交換樹脂の再生は塩酸および水酸化ナトリウムを順次高温で通液することにより、析出を防止して再生する方法が記載されている。しかしこの方法は、再生に高温の酸およびアルカリを用いる必要があり、また操作も複雑であるなどの問題点がある。
特許文献3(特開2002−035747号)には、フッ素およびホウ素を含み、かつフッ素およびホウ素の一部がホウフッ化物を形成しているホウフッ化物含有廃水を強酸性カチオン交換樹脂→弱塩基性アニオン交換樹脂→強塩基性アニオン交換樹脂に順次通水して処理する方法が開示されている。この方法では、強酸性カチオン交換樹脂でカチオン、弱塩基性アニオン交換樹脂でホウフッ化物を含む解離したアニオン、強塩基性アニオン交換樹脂で残留するアニオンが吸着されることが示されている。しかし特許文献3には再生に関する記載はないので、従来と同様に複雑な操作が必要となるという問題点がある。
特許文献4(特開2005−52738号(特許第4406916号))には、上向流室と下向流室に区分した反応槽で、カルシウムイオンを捕捉したカチオン交換樹脂を再生用硫酸と接触させて、硫酸カルシウムを懸濁状態で生成させながら再生用硫酸を上向流室の上向流とした流動状態で再生することを特徴とするカチオン交換樹脂の再生方法が記載されている。しかし特許文献4には、ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂の再生への適用については記載されていない。
特許文献5(特開平7−328645号)には、ホウフッ化物イオンを含有する廃水が、フッ素濃度が1%以上でホウ素濃度が500ppm以上の高濃度廃水の場合に、カリウム塩を添加して、フッ素及びホウ素をホウフッ化カリウムとして分離除去することが記載されている。しかし特許文献5には、ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂の再生への適用については記載されていない。
特公平3−68757号 特公平4−68983号 特開2002−035747号 特開2005−52738号(特許第4406916号) 特開平7−328645号
本発明の課題は、前記のような従来の問題点を解決するため、ホウフッ化物を含有する液から、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させ、簡単な構成と操作により効率よくホウフッ化物を分離してアニオン交換樹脂を再生し、ホウフッ化物を除去することができるホウフッ化物含有廃液の処理方法を提案することである。
本発明は次のホウフッ化物含有液の処理方法である。
(1) ホウフッ化物を含有する液から、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させる吸着工程と、
ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂を、カリウム化合物を含む再生剤と接触させて、ホウフッ化カリウムを析出させ、アニオン交換樹脂を再生する再生工程と
再生排液中に析出したホウフッ化カリウムを分離する分離工程と
を含むことを特徴とするホウフッ化物含有液の処理方法。
(2) 吸着工程は、ホウフッ化物のほかにフッ化水素酸および他の酸を含有する液をアニオン交換樹脂と接触させ、アニオン交換樹脂に吸着したフッ化水素酸および他の酸を追出しながら、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させるものである上記(1)記載の方法。
(3) ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂を、カリウム化合物を含む再生剤と接触させて、ホウフッ化カリウムを析出させ、アニオン交換樹脂を再生する再生工程と、
析出したホウフッ化カリウムを分離する分離工程と
を含むことを特徴とするホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂の再生方法。
(4) 再生工程は、アニオン交換樹脂の流動状態で再生剤と接触させるものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 分離工程でホウフッ化カリウムを分離した再生排液にカリウム化合物を添加して再生剤とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
(6) アニオン交換樹脂が弱塩基性アニオン交換樹脂である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の方法。
(7) カリウム化合物が水酸化カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウムまたは硫酸カリウムである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の方法。
本発明において、処理の対象となるホウフッ化物含有液は、ホウフッ化水素酸(HBF)のようなホウフッ化物イオン(BF )を含有する液であり、ホウフッ化物のほかに他の成分を含んでいてもよい。ホウフッ化物のほかに含まれる他の成分として、フッ化
水素酸(HF)、硝酸(HNO)、ケイフッ化水素酸(HSiF)、その他の酸が含まれる酸性液である場合が多い。このようなホウフッ化物含有液としては、半導体製造工業、めっき工業等の工場で発生する表面洗浄剤由来のホウ素やフッ素を含有する廃水、または火力発電所から排出される石炭由来のホウ素やフッ素を含む排煙脱硫廃水などがあげられる。これらのホウフッ化物含有液では、ホウ素とフッ素を含有し、ホウ素とフッ素の大部分はホウフッ化物(BF )を形成し、フッ化水素酸(HF)、硝酸(HNO)、ケイフッ化水素酸(HSiF)、その他の酸と共に存在する酸性液であることが多い。これらのホウフッ化物含有液中のホウフッ化物(BF )の濃度は0.001〜10w/v%、特に0.01〜5w/v%、フッ化水素酸の濃度は0.01〜30w/v%、特に0.1〜20w/v%の液が本発明の処理に適している。本発明において、「w/v%」は「g/100mL」を意味する。
本発明では、このようなホウフッ化物含有液である被処理液から、吸着工程においてアニオン交換樹脂と接触させて、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させる。ホウフッ化物含有液としては、ホウフッ化物のほかにフッ化水素酸および他の酸を含有する液をアニオン交換樹脂と接触させ、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させるのが好ましい。ホウフッ化物含有液として、ホウフッ化物のほかにフッ化水素酸および他の酸などのその他の成分を含有する液の場合、従来法と同様に前処理で他の成分を除去してから、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させてもよいが、本発明者の知見では、吸着工程は、ホウフッ化物のほかにフッ化水素酸および他の酸を含有する液をアニオン交換樹脂と接触させ、アニオン交換樹脂に吸着したフッ化水素酸および他の酸を追出しながら、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させることができる。
吸着工程で用いるアニオン交換樹脂としては、一般に水処理で用いられているアニオン交換樹脂が使用でき、強塩基性アニオン交換樹脂でも弱塩基性アニオン交換樹脂でもよいが、ホウフッ化物がホウフッ化水素酸として含まれる酸性液である場合、あるいはさらにフッ化水素酸や硝酸などの他の酸成分を含む酸性液である場合には、弱塩基性アニオン交換樹脂を用いるのが好ましい。好ましいアニオン交換樹脂としては、ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレン系アニオン交換樹脂で、アルキルまたはアルカノールアミン型のアニオン交換基を有するものがあげられ、強塩基性アニオン交換樹脂の場合は第4アンモニウム型のアニオン交換基を有するが、弱塩基性アニオン交換樹脂の場合は3級アミン型のアニオン交換基を有するものがあげられる。
被処理液とアニオン交換樹脂との接触は単なる浸漬でもよいが、一般的にはアニオン交換樹脂をカラム(塔)に充填してアニオン交換樹脂層を形成し、これに被処理液を通液してホウフッ化物を吸着させ、吸着後は再生剤を通液して再生するのが好ましい。樹脂層は固定床として上向流または下向流、好ましくは下向流通液する場合と、流動床として通液する場合とがあるが、吸着工程では固定床として通液し、再生工程では流動床として通液するのが好ましい。
吸着工程において被処理液からホウフッ化物を吸着させる場合、前処理で他の成分を除去している場合には、前処理したホウフッ化物含有液をアニオン交換樹脂層の固定床に上向流または下向流、好ましくは下向流で通液して、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させることができる。前処理していない場合、あるいは前処理してもなお他の成分が残留する場合は、ホウフッ化物含有液をアニオン交換樹脂層に上記と同様に通液すると、ホウフッ化物とともにフッ化水素酸、他の酸およびその他の成分がアニオン交換樹脂に吸着し、これらが除去された処理液が得られる。吸着工程における被処理液の通液速度はSV100以下が好ましく、SV1〜10が特に好ましい。
この状態でそのまま通液を続けると、ホウフッ化物イオンのアニオン交換樹脂に対する
吸着性が他の成分より大きいので、すでに吸着したフッ化水素酸、他の酸およびその他の成分を追出しながら、流入するホウフッ化物イオンがアニオン交換樹脂に吸着する。このためフッ化水素酸、他の酸およびその他の成分がリークする点、すなわちこれらの他の成分の貫流点が検出された後もさらに通液を続けて、吸着を行わせる。このように通液を続けると、最終的にはアニオン交換樹脂全体にホウフッ化物イオンが吸着して飽和した状態になる。この状態になるとホウフッ化物イオンがリークするので、この点をホウフッ化物の貫流点として、これをICP/MSによるホウ素(B)の分析等により検出し、再生工程に移ることができる。
再生工程では、ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂を、カリウム化合物を含む再生剤と接触させて、ホウフッ化カリウムを析出させ、アニオン交換樹脂を再生する。カリウム化合物としては水酸化カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウムまたは硫酸カリウムなど、カリウムとアニオンが解離する解離性の化合物があげられる。これらのカリウム化合物を再生剤として用いる場合、アニオン交換樹脂の種類、特性等に応じて、再生可能なものを選ぶ。強塩基性アニオン交換樹脂の場合は中性塩分解能を有するので、硝酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム等の中性塩を再生剤とすることができるが、弱塩基性アニオン交換樹脂の場合は中性塩分解能を有しないので、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ水溶液を再生剤とするのが好ましい。再生剤に含まれるカリウム化合物の濃度は高濃度ほど再生効率が高いので、0.1mol/L以上が望ましく、1〜5mol/Lが特に望ましい。
ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂を、カリウム化合物を含む再生剤と接触させると、アニオン交換樹脂に吸着したホウフッ化物イオンが再生剤のアニオンと交換して溶離する。そして溶離したホウフッ化物イオンが再生剤のカリウムと反応して、難溶性のホウフッ化カリウムが析出し、アニオン交換樹脂は再生される。このときの反応は次の〔I〕式によるものと推測される。
R−BF+KA→R−A+KBF↓・・・・〔I〕
(〔I〕式中、Rはアニオン交換樹脂を表し、AはOH、Clなどカリウム化合物のアニオンを表す。)
アニオン交換樹脂の再生時のホウフッ化カリウムの析出は、アニオン交換樹脂の表面で起こり、新しい再生剤の樹脂との接触を妨げるので、ホウフッ化カリウムの析出物を速やかに除去することが好ましい。このため再生工程は、アニオン交換樹脂の流動状態で再生剤と接触させるのが望ましい。アニオン交換樹脂層を流動状態にするには、再生剤を上向流で通液することにより可能であるが、再生剤の流速が低い場合には、気泡を発生させることにより、流動化とともに析出物の剥離を同時に行えるので好ましい。このような再生に用いる再生装置としては、塔に上向流により流動状態で上昇する上向流部を設けるとともに、上昇した樹脂を下向流により循環させる下向流部を設け、上向流部の下部に気泡発生部を設け、上向流部の上部に固液気樹脂分離部を設けるものが好ましい。
分離工程は、再生工程において析出したホウフッ化カリウムを、樹脂および再生排液から分離する工程である。析出した直後のホウフッ化カリウムは、微細で軽いので、比重差により水流で容易に樹脂から分離する。このような分離工程は、上記再生装置の固液気樹脂分離部に再生排液を含む樹脂流を供給することにより、再生排液を含む樹脂流からホウフッ化カリウムを容易に分離することができる。分離工程でホウフッ化カリウムを分離した再生排液は、低濃度ながらカリウム化合物を含んでいるので、この分離した再生排液に、新しいカリウム化合物を添加して新しい再生剤とし、これを再生工程において再利用することができる。再生が終わったアニオン交換樹脂は吸着工程に戻り、ホウフッ化物の吸着に用いられる。
上記のホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂の再生方法では、カリウム化合物を含む再生剤と接触させて、難溶性のホウフッ化カリウムを析出させて分離し、アニオン交換樹脂を再生するので、簡単な構成と操作により効率よく再生を行うことができる。またアニオン交換樹脂はホウフッ化物の吸着性が高いので、ホウフッ化物のほかにフッ化水素酸、他の酸およびその他の成分を含有する液を通液しても、他の成分を順次追出してホウフッ化物を選択的に吸着させることができる。これにより前処理で他の成分を除去しなくても、アニオン交換樹脂全体にホウフッ化物イオンが吸着して飽和した状態になるので、この状態でカリウム化合物を含む再生剤で再生することにより、ホウフッ化物を効率よく除去することができる。
以上の通り本発明によれば、ホウフッ化物を含有する液から、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させ、ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂を、カリウム化合物を含む再生剤と接触させて、ホウフッ化カリウムを析出させ、アニオン交換樹脂を再生し、再生排液中に析出したホウフッ化カリウムを分離するようにしたので、ホウフッ化物を含有する液から、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させ、簡単な構成と操作により効率よくホウフッ化物を分離してアニオン交換樹脂を再生し、ホウフッ化物を除去することができるなどの効果がある。
実施形態のホウフッ化水素酸含有廃液の処理に用いる処理装置を示すフロー図である。 実施例の結果を示すグラフである。
図1において、1は吸着塔、2は再生塔、3は再生剤槽、4は固液分離槽、5は脱水装置である。吸着塔1は中空状に形成され、内部に弱塩基性アニオン交換樹脂が充填されて、樹脂層6が形成されている。再生塔2は上向流部7と下向流部8が上下で連通するように並べて設けられ、上向流部7の下部に気泡発生部9が設けられ、上向流部7および下向流部8の上部に固液気樹脂分離部10が設けられている。
上記の処理装置において、吸着工程においてホウフッ化物を含有する液から、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させる場合、吸着塔1の樹脂層6を固定床として、ラインL1から被処理液を導入し、樹脂層6に下向流で通液して、ホウフッ化物を樹脂層6のアニオン交換樹脂に吸着させる。吸着塔1の樹脂層6を通過し、吸着によりホウフッ化物を除去した液は、処理液としてラインL2から系外へ排出される。
被処理液が前処理していない場合、あるいは前処理後も他の成分が残留する場合は、樹脂層6への通液により、ホウフッ化物とともにフッ化水素酸、他の酸およびその他の成分がアニオン交換樹脂に吸着する。この状態でそのまま通液を続けると、ホウフッ化物イオンのアニオン交換樹脂に対する吸着性が他の成分より大きいので、すでに吸着したフッ化水素酸、他の酸およびその他の成分を追出しながら、新たに流入する被処理液のホウフッ化物イオンがアニオン交換樹脂に交換吸着する。最終的には樹脂層6のアニオン交換樹脂全体にホウフッ化物イオンが吸着して飽和した状態になる。この状態になるとホウフッ化物イオンがリークするので、これをICP/MSによるホウ素(B)の分析等により検出し、再生工程に移る。
再生工程に移るには、吸着塔1の樹脂層6を構成するアニオン交換樹脂を、ラインL3から再生塔2へ移送する。このとき吸着塔1では、上向流通水することにより樹脂層6を
流動化させ、樹脂スラリーとして再生塔2へ移送することができる。再生塔2は上向流部7と下向流部8が上下で連通するように並べて設けられており、全体が循環するので、任意の部分に樹脂スラリーを移送することができるが、上向流部7へ移送し、上向流部7に樹脂層11を形成するのが好ましい。
再生工程では、再生塔2の上向流部7に樹脂層11を形成し、再生剤槽3からラインL4を通して上向流部7の下部にカリウム化合物を含む再生剤を供給し、再生を行う。このときホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂に、カリウム化合物を含む再生剤を接触させることにより、アニオン交換樹脂に吸着したホウフッ化物イオンが再生剤のアニオンと交換して溶離する。そして溶離したホウフッ化物イオンが再生剤のカリウムと反応して、前記〔I〕式により難溶性のホウフッ化カリウムが析出し、アニオン交換樹脂は再生される。
このとき再生剤槽3からラインL4を通して上向流部7の下部に再生剤を供給し、上向流で樹脂層11を通過させることによりアニオン交換樹脂を流動化させる。同時に上向流部7の下部に設けられた気泡発生部9から気泡を発生させることにより、樹脂の流動化とともに析出物の剥離を同時に行う。これにより樹脂層11のアニオン交換樹脂は、析出物が剥離された状態で、新しく流入する再生剤と接触するため、常に効率のよい再生が行われる。
再生が行われたアニオン交換樹脂、析出したホウフッ化カリウム析出物、未使用の再生剤、再生排液および気泡の混合物は再生塔2の上向流部7を上昇し、上向流部7および下向流部8の上部に設けられた固液気樹脂分離部10に至り、ここで分離工程としてそれぞれに分離される。すなわち固液気樹脂分離部10では、まず気体が分離してラインL5から系外へ排出される。気体を分離した樹脂スラリーは上向流部7の上部から下向流部8へ流入し、ここで樹脂が下向流で沈降する。ホウフッ化カリウム析出物および未使用の再生剤を含む再生排液は取出溝12に至り、ラインL6から固液分離槽4へ送られる。
このように再生塔2の固液気樹脂分離部10に再生排液を含む樹脂流を供給することにより、再生排液を含む樹脂流からホウフッ化カリウム析出物を容易に分離することができる。再生工程において析出した直後のホウフッ化カリウムは微細で軽いので、比重差により水流で容易に樹脂から分離する。このためホウフッ化カリウム析出物は、樹脂を分離した再生排液に分散した状態で取出溝12に至り、ラインL6から固液分離槽4へ送られる。一部のホウフッ化カリウム析出物は樹脂スラリーに同伴して下向流部8から上向流部7へ循環するが、循環を繰返す間に次第に取出溝12から固液分離槽4へ送られる。
樹脂の再生が終了しない間、すなわち樹脂にホウフッ化物イオンが残留している間は、再生剤との接触によりホウフッ化カリウムが析出する。樹脂の循環により再生を継続し、ホウフッ化カリウムが析出しなくなった時点が再生の完了点である。ホウフッ化カリウムが析出しなくなった時点を直接検出するのは困難であるが、樹脂の循環により再生を継続していると、ホウフッ化カリウム析出物が順次排出されて、液が透明になるので、取出溝12から固液分離槽4へ送られる再生排液の濁度が検出されなくなる時点を再生の完了点とすることができる。
固液分離槽4では、ホウフッ化カリウム析出物および未使用の再生剤を含む再生排液の固液分離が行われる。ここで分離した分離液はラインL7から再生剤槽3へ送られる。また分離汚泥はホウフッ化カリウム析出物の濃縮物であり、ラインL8から脱水装置5へ送られ、ここで脱水され、脱水ケーキはラインL9から系外へ排出され、分離液はラインL10から再生剤槽3へ送られる。分離工程でホウフッ化カリウムを分離した再生排液は、未使用の再生剤として低濃度ながらカリウム化合物を含んでいるので、この分離した再生
排液をラインL7およびL10から再生剤槽3へ送り、ここにラインL11からカリウム化合物を添加して再生剤として再利用する。
再生を終わったアニオン交換樹脂は、再生塔2からラインL12を通して吸着塔1に送られ、樹脂層6が形成されてホウフッ化物の吸着に用いられる。この場合、樹脂層6の形成後再び吸着工程に戻り、ラインL1から被処理液を導入し、樹脂層6に下向流で通液して、ホウフッ化物を樹脂層6のアニオン交換樹脂に吸着させ、上記の操作が繰返される。
上記吸着塔1においてアニオン交換樹脂にホウフッ化物を吸着させる場合、アニオン交換樹脂はホウフッ化物の吸着性が高いので、ホウフッ化物のほかにフッ化水素酸、他の酸およびその他の成分を含有する液を通液しても、他の成分を順次追出してホウフッ化物を選択的に吸着させることができる。これによりアニオン交換樹脂全体にホウフッ化物イオンが吸着して飽和した状態になるので、前処理によりホウフッ化物以外の成分を除去しなくても、ホウフッ化物を効率よく吸着させることができる。
そして吸着塔1においてホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂の再生方法では、再生塔2においてアニオン交換樹脂とカリウム化合物を含む再生剤とを接触させて、難溶性のホウフッ化カリウムを析出させてこれを分離し、これによりアニオン交換樹脂を再生するので、簡単な構成と操作により効率よく再生を行うことができる。この場合吸着塔1においてアニオン交換樹脂全体にホウフッ化物イオンが吸着して飽和した状態でカリウム化合物を含む再生剤で再生することにより、ホウフッ化物を効率よく除去することができる。
上記の実施形態では、吸着塔1と再生塔2を別に設けたが、どちらか一方を吸着工程と再生工程に兼用することができる。この場合、状況によって吸着工程と再生工程で上向流と下向流を使い分けたり、あるいは両工程とも上向流または下向流とすることもできる。
以下、本発明の実施例、比較例について説明する。
〔実施例1〕:
被処理液としてBF を含む合成廃液のアニオン交換樹脂処理による吸着工程と、この処理によりBF を吸着したアニオン交換樹脂の再生工程と、再生排液からKBFを回収する回収工程を行った。被処理液の廃水組成は、HBF:1.0w/v%、HNO:5w/v%、HF:2.0w/v%である。BF の吸着に使用したアニオン交換樹脂は、三菱化学(株)製の弱塩基性アニオン交換樹脂ダイヤイオンWA−30(商標)である。
〔吸着工程〕:
図1の装置において、上記アニオン交換樹脂3Lを入れた容積4.5Lの吸着塔1の上部より上記合成廃液をSV5で2時間通水し、底部より処理水を排出した。処理水にリークするアニオンの検出として、イオンクロマトグラフィによりFおよびNO を検出し、ICP/MSによるホウ素(B)の分析によりBF を検出した。その分析結果より算出されたアニオン交換樹脂ヘの各アニオン吸着量を図2に示す。
図2よりBF 吸着量は通水量6L/L−Rで飽和に達する一方、6L/L−RまでにF、NO は押し出されており、BF のみがアニオン交換樹脂に約500mmol/L−R吸着した状態となっていることが分かる。このため通水量6L/L−Rの時点をBF の貫流点として吸着工程を終わり、再生工程に移った。
〔再生工程〕:
吸着塔1から廃液を排出し、2mol/LのKOH水溶液からなる再生剤5Lを再生塔2へ供給した。次に再生塔2下部からラインL12を通して吸着塔1下部へ再生剤を循環供給しながら、アニオン交換樹脂をラインL3を通して再生塔2の上向流部7へ移送した。アニオン交換樹脂の移送完了時、再生塔2にはアニオン交換樹脂3Lと再生剤5Lが入った状態となった。
次に再生塔2の下部より10L/minでエア供給を行いながら、再生剤を上向流で10分間循環通水した。循環ラインに設けられた固液分離槽4および脱水装置5により、析出したKBFを回収した。その結果、回収物の乾物重量は170.5g、回収物中のKBF純度は98w%であった。
吸着に使用したアニオン交換樹脂は3L、アニオン交換樹脂に吸着したBF は約500mmol/L−Rであり、KBFの理論回収量は188.8gである。上記回収物の重量と純度から算出したKBFの実回収量は167.1gである。このことから吸着したBF の88.5%が回収されたことが分かる。
本発明は、ホウフッ化物を含有する液から、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させ、再生によりホウフッ化物を分離するホウフッ化物含有液の処理方法に関し、さらに詳細にはホウフッ化物およびフッ化水素酸、その他の酸を含有する液から、アニオン交換樹脂にホウフッ化物を吸着させ、再生によりホウフッ化物を析出させて効率よく分離回収する処理方法に利用可能である。
1: 吸着塔、2: 再生塔、3: 再生剤槽、4: 固液分離槽、5: 脱水装置、6,11: 樹脂層、7: 上向流部、8: 下向流部、9: 気泡発生部、10:固液気樹脂分離部、12: 取出溝。

Claims (7)

  1. ホウフッ化物を含有する液から、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させる吸着工程と、
    ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂を、カリウム化合物を含む再生剤と接触させて、ホウフッ化カリウムを析出させ、アニオン交換樹脂を再生する再生工程と
    再生排液中に析出したホウフッ化カリウムを分離する分離工程と
    を含むことを特徴とするホウフッ化物含有液の処理方法。
  2. 吸着工程は、ホウフッ化物のほかにフッ化水素酸および他の酸を含有する液をアニオン交換樹脂と接触させ、アニオン交換樹脂に吸着したフッ化水素酸および他の酸を追出しながら、ホウフッ化物をアニオン交換樹脂に吸着させるものである請求項1記載の方法。
  3. ホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂を、カリウム化合物を含む再生剤と接触させて、ホウフッ化カリウムを析出させ、アニオン交換樹脂を再生する再生工程と、
    析出したホウフッ化カリウムを分離する分離工程と
    を含むことを特徴とするホウフッ化物を吸着したアニオン交換樹脂の再生方法。
  4. 再生工程は、アニオン交換樹脂の流動状態で再生剤と接触させるものである請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 分離工程でホウフッ化カリウムを分離した再生排液にカリウム化合物を添加して再生剤とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. アニオン交換樹脂が弱塩基性アニオン交換樹脂である請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. カリウム化合物が水酸化カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウムまたは硫酸カリウムである請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
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