従来から、図11および図12に示す構成の有機EL装置101が提案されている(特許文献1)。この有機EL装置101は、アクティブマトリクス型のカラー有機EL装置であって、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を出力する3個のサブ画素領域110A、110B、110Cで1つの画素領域110を構成する有機ELパネルである。この有機EL装置101は、マトリクス状に配列された画素領域110によって画像表示領域A0が形成されている。
上述の有機EL装置101は、平面視でほぼ矩形をなす素子基板111と、封止基板112と、素子基板111および封止基板112を接着する接着剤113と、素子基板111および封止基板112の間であって接着剤113で囲まれる領域に配置された充填材114とを備えている。
素子基板111は、例えばガラスなどの透光性材料で構成された基板本体121と、基板本体121上に積層された素子形成層122、陽極層123、発光層124、陰極層125および陰極保護膜126とを備えている。素子基板111は、これら陽極層123、発光層124および陰極層25によって有機EL素子127が構成されている。
ここで、陽極層123は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透光性の導電材料で形成されている。また、発光層124は、低分子の有機発光色素や高分子発光体のような各種の蛍光物質や燐光物質などの発光物質で形成されている。そして、発光層124は、電圧の印加により白色に発光するように形成されている。また、陰極層125は、発光層124側から順にフッ化リチウム膜およびアルミニウム膜を積層した構成となっている。
封止基板112は、基板本体131と、基板本体131の素子基板111と対向する一面に形成されたカラーフィルタ層132および遮光層133とを備えている。
カラーフィルタ層132は、例えばアクリルなどで形成されて各サブ画素領域110A、110B、110Cの表示色に対応する色材を含有している。
接着剤113は、例えば紫外線硬化樹脂で構成されており、画像表示領域A0の外周を閉じた状態で囲むほぼ矩形をなしている。そして、接着剤113は、接着剤113が塗布される始点113Aから終点113Bに向けて反時計回りで連続して順次形成された第1〜第4部分141〜144を有している。
第1部分141は、始点113Aから画像表示領域A0の長軸方向にほぼ沿って延在している。また、第1部分141の基端である始点113Aは、ほぼ楕円状に拡大している。そして、第1部分141における始点113Aを含む始端部141Aは、始点113Aから前端に向かうにしたがって画像表示領域A0から離間するように、画像表示領域A0の長軸方向に対して傾いている。また、第1部分141は、始端部141Aの先端から画像表示領域A0の長軸方向に沿って延在している。
第2部分142は、第1部分141の先端から画像表示領域A0の短軸方向に沿って延在している。
第3部分143は、第2部分142の先端から画像表示領域A0の長軸方向に沿って延在している。
第4部分144は、第3部分143の先端から画像表示領域A0の短軸方向に沿って延在しており、その先端部である終端部144Aが画像表示領域A0の長軸方向に向けて折り曲げられている。終端部144Aは、終点113Bに向かうにしたがって素子基板111の端縁から画像表示領域A0に向けて近接するように、画像表示領域A0の長軸方向に対して傾いている。そして、終端部144Aの先端である終点113Bは、ほぼ楕円状に拡大している。
ここで、始点113Aおよび終点113Bの縁部は、互いに接続されている。これにより、接着剤113は、画像表示領域A0の外周を、閉じた状態で囲んでいる。
充填材114は、外気の水分や酸素が有機EL素子127に到達することを防止するガスバリア性を有している。
以下、特許文献1に開示された有機EL装置101の製造方法について説明する。
まず、素子基板111を製造する。ここでは、基板本体121上に素子形成層122を形成し、そして、素子形成層122上に陽極層123、発光層124および陰極層125を形成する。その後、陰極層125上に陰極保護膜126を形成する。ここで、素子基板111には、平面状に配置された複数の有機EL素子127によって、有機EL装置101を製造した際に画像表示領域A0となる予定領域A1(図13参照)が形成される。
そして、基板本体131上にカラーフィルタ層132および遮光層133を形成することにより、封止基板112を製造する。
続いて、接着剤113を塗布する塗布工程を行う。ここでは、例えばディスペンサなどの塗布装置を用いて予定領域A1の外周を囲むように接着剤113を塗布する。
具体的には、図13に示すように、平面視矩形をなす予定領域A1の外側であって予定領域A1の第1角部の近傍に始点113Aを設ける。そして、この始点113Aから反時計回りに進むにしたがって予定領域A1から離間するように予定領域A1の長軸方向に対して傾けて接着剤113を塗布して始端部141Aを形成する。さらに、始端部141Aの先端から予定領域の第2角部の近傍まで予定領域A1の長軸方向に沿って接着剤113を塗布して第1部分141を形成する。ここで、始点113Aは、始点113Aにおける接着剤113が後述する貼合工程において潰れた際に画像表示領域A0に掛からない程度に離間した位置に設けられている。
次に、第2角部の近傍から第3角部の近傍まで予定領域A1の短軸方向に沿って接着剤113を塗布して第2部分142を形成し、さらに第3角部の近傍から第4角部の近傍まで予定領域A1の長軸方向に沿って接着剤113を塗布して第3部分143を形成する。
そして、第4角部の近傍から予定領域A1の短軸方向に沿って第1角部の近傍まで接着剤113を塗布する。さらに、第1角部の近傍で折り曲げて第1部分141に向かうにしたがって予定領域A1に近接するように予定領域A1の長軸方向から傾斜するように接着剤113を塗布して終端部144Aを形成する。これにより、第4部分144を形成する。このとき、第4部分144は、第1部分141と交差しないように塗布される。また、終点113Bは、始点113Aから離間していると共に始点113Aよりも予定領域A1の外側に位置している。ここで、始点113Aと終点113Bとの距離は、始点113Aにおける接着剤113と終点113Bにおける接着剤113とが後述する貼合工程において互いに接触してつながる程度となっている。
このようにして、始点113Aから終点113Bまで反時計回りで予定領域A1の外周を囲むように接着剤113をほぼ矩形に塗布する。
その後、素子基板111上であって接着剤113が塗布された領域の内側に充填材114を塗布する。ここで、接着剤113は、塗布工程において第1部分141の始端部141Aが予定領域A1の第1角部の近傍において第4部分144に近接すると共に、第4部分144の終端部144Aが第1部分141に向けて折り曲げられるように塗布されている。
続いて、素子基板111と封止基板112とを貼り合わせる貼合工程を行う。ここでは、塗布された接着剤113に紫外線を照射して接着剤113の粘度を上昇させ、真空プレスを用いて素子基板111と封止基板112とを接着剤113および充填材114を介して貼り合わせる。このとき、始点113Aおよび終点113Bそれぞれにおける接着剤113は、他の位置における接着剤113よりも多量に塗布されているため、貼り合わせる際に潰れて広がった際に互いに接続される。これにより、素子基板111および封止基板112と接着剤113とによって閉じた空間が形成され、充填材114が外部に漏洩しなくなる。ここで、始点113Aおよび終点113Bそれぞれにおける接着剤113は、潰れるが、接着剤113の他の部分よりも予定領域A1の外側に張り出さない。
次に、貼り合わされた素子基板111および封止基板112にスクライブ線151(図13参照)を形成するスクライブ工程を行う。ここでは、接着剤113の外周を囲むようにスクライブ線151を形成する。その後、スクライブ線151に沿って素子基板111および封止基板112を切断する。
以下、本実施形態の面状発光装置について図1〜図3に基づいて説明する。
面状発光装置Aは、透光性基板1および透光性基板1の一表面側に形成された有機EL素子2を有する素子基板(有機EL素子モジュール)3と、透光性基板1の上記一表面側に対向配置され接合部4を介して素子基板3に接合されたカバー基板5とを備えている。また、面状発光装置Aは、カバー基板5における有機EL素子2側とは反対側に配置された均熱板6(図2、図3参照)を備えている。ここにおいて、カバー基板5は、素子基板3との対向面に凹所51が形成されており、上記対向面における凹所51の周部を全周に亘って素子基板3と接合してある。これにより、面状発光装置Aは、有機EL素子2の発光部20が、透光性基板1とカバー基板5と接合部4とで囲まれた気密空間内に収納されている。また、面状発光装置Aは、カバー基板5における凹所51の内底面に、水分を吸着する吸湿材7を貼り付けてある。
有機EL素子2は、透光性基板1の上記一表面側に配置され透明導電膜からなる第1電極21と、第1電極21における透光性基板1側とは反対側に配置され有機材料からなる発光層を含む有機EL層22と、有機EL層22における第1電極21側とは反対側に配置され金属膜からなる第2電極23とを備えている。
また、有機EL素子2は、第1電極21と有機EL層22と第2電極23とが重なる発光部20の側方に配置され第1電極21に電気的に接続された第1端子部T1と、発光部20の側方に配置され第2電極23に電気的に接続された第2端子部T2とを備えている。ここで、第2電極23は、第2電極23から延設された引出配線23bを介して、第2端子部T2と電気的に接続されている。
また、有機EL素子2は、第1電極21よりも比抵抗の小さな材料からなり第1電極21における透光性基板1側とは反対側の表面の周部に沿って形成され第1電極21に電気的に接続された補助電極26を備えている。また、有機EL素子2は、透光性基板1の上記一表面側において補助電極26および第1電極21の側縁を覆う絶縁膜29を備えている。有機EL素子2は、この絶縁膜29により、補助電極26および第1電極21と第2電極23との短絡が防止されるようになっている。なお、補助電極26は、第1電極21における透光性基板1側とは反対側の表面の周部の全周に沿った矩形枠状に形成されているが、必ずしも矩形枠状である必要はなく、第1電極21に電気的に接続されていれば、一部が開放された形状(例えば、C字状やU字状など)や、複数個に分断されていてもよい。
有機EL素子2は、透光性基板1の厚み方向において透光性基板1と第1電極21と発光層と第2電極23とが重なる領域が、上述の発光部20を構成しており、発光部20以外の領域が、非発光部となる。ここで、有機EL素子2は、第1電極21、有機EL層22および第2電極23それぞれの平面視形状を、透光性基板1よりも小さな矩形状(図示例では、正方形状)としてある。したがって、発光部20の平面視形状は、透光性基板1よりも小さな矩形状(図示例では、正方形状)となる。また、補助電極26は、平面視形状を矩形枠状(図示例では、正方枠状)としてある。また、絶縁膜29は、平面視形状を矩形枠状(図示例では、正方枠状)としてある。
有機EL素子2は、矩形状の発光部20の所定の平行な2辺の各々に沿ってm個(図1の例では、m=2)の第2端子部T2と〔m+1〕個(図1の例では、3個)の第1端子部T1とが、第2端子部T2の幅方向の両側に第1端子部T1が位置するように配置されている。したがって、図1に示した例では、透光性基板1の長手方向の両端部の各々に、第1端子部T1と第2端子部T2とを備えている。具体的には、有機EL素子2は、透光性基板1の長手方向の両端部の各々において、3つの第1端子部T1が透光性基板1の短手方向に離間して配置されており、透光性基板1の短手方向において隣り合う第1端子部T1間に第2端子部T2が配置されている。本実施形態では、透光性基板1の上記一表面において長手方向を規定方向としており、素子基板3は、透光性基板1の上記一表面において規定方向の両端部の各々に第1端子部T1および第2端子部T2が配置されている。
ここで、第1端子部T1は、透明導電性酸化物層24(以下、第1透明導電性酸化物層24とも称する)と金属層27(以下、第1金属層27とも称する)との積層構造を有している。また、第2端子部T2は、透明導電性酸化物層25(以下、第2透明導電性酸化物層25とも称する)と金属層28(以下、第2金属層28とも称する)との積層構造を有している。
また、均熱板6の平面形状は、カバー基板5よりも小さく且つ発光部20よりも大きな矩形状(図示例では、正方形状)としてある。
以下、面状発光装置Aの各構成要素について詳細に説明する。
面状発光装置Aは、透光性基板1の他表面を光出射面(発光面)として用いるものである。したがって、面状発光装置Aでは、透光性基板1の上記他表面のうち、第1電極21、有機EL層22、第2電極23の3つが重複して投影される領域が発光面となる。透光性基板1は、平面視形状を長方形状としてあるが、これに限らず、例えば、正方形状としてもよい。
透光性基板1としては、ガラス基板を用いているが、これに限らず、例えば、プラスチック基板を用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板などを用いることができる。また、プラスチック基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)基板、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエーテルサルフォン(PES)基板、ポリカーボネート(PC)基板などを用いてもよい。プラスチック基板を用いる場合は、プラスチック基板の表面にSiON膜、SiN膜などを成膜して水分の透過を抑えるようにしてもよい。
透光性基板1としてガラス基板を用いる場合には、透光性基板1の上記一表面の凹凸が有機EL素子2のリーク電流などの発生原因となることがある(有機EL素子2の劣化原因となることがある)。このため、透光性基板1としてガラス基板を用いる場合には、上記一表面の表面粗さが小さくなるように高精度に研磨された素子形成用のガラス基板を用意することが好ましい。透光性基板1の上記一表面の表面粗さについては、JIS B 0601−2001(ISO 4287−1997)で規定されている算術平均粗さRaを、数nm以下にすることが好ましい。これに対して、透光性基板1としてプラスチック基板を用いる場合には、特に高精度な研磨を行わなくても、上記一表面の算術平均粗さRaが数nm以下のものを低コストで得ることが可能である。
有機EL素子2は、第1電極21が陽極、第2電極23が陰極を構成している。そして、有機EL素子2は、第1電極21と第2電極23との間に介在する有機EL層22が、第1電極21側から順に、ホール輸送層、上述の発光層、電子輸送層、電子注入層を備えている。
上述の有機EL層22の積層構造は、上述の例に限らず、例えば、発光層の単層構造や、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造や、ホール輸送層と発光層との積層構造や、発光層と電子輸送層との積層構造などでもよい。また、第1電極21とホール輸送層との間にホール注入層を介在させてもよい。また、発光層は、単層構造でも多層構造でもよい。例えば、所望の発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3種類のドーパント色素をドーピングするようにしてもよいし、青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよいし、青色電子輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよい。また、第1電極21と第2電極23とで挟んで電圧を印加すれば発光する機能を有する有機EL層22を1つの発光ユニットとして、複数の発光ユニットを光透過性および導電性を有する中間層を介して積層して電気的に直列接続したマルチユニット構造(つまり、1つの第1電極21と1つの第2電極23との間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造)を採用してもよい。
陽極を構成する第1電極21は、発光層中にホールを注入するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が4eV以上6eV以下のものを用いるのが好ましい。第1電極21の電極材料としては、例えば、ITO、酸化錫、酸化亜鉛、IZO(Indium Zinc Oxide)、ヨウ化銅など、PEDOT、ポリアニリンなどの導電性高分子および任意のアクセプタなどでドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料を挙げることができる。ここにおいて、第1電極21は、透光性基板1の上記一表面側に、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、塗布法などによって薄膜として形成すればよい。
なお、第1電極21のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下がよい。ここで、第1電極21の膜厚は、第1電極21の光透過率、シート抵抗などにより異なるが、500nm以下、好ましくは10nm〜200nmの範囲で設定するのがよい。
また、陰極を構成する第2電極23は、発光層中に電子を注入するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が1.9eV以上5eV以下のものを用いるのが好ましい。第2電極23の電極材料としては、例えば、アルミニウム、銀、マグネシウム、金、銅、クロム、モリブデン、パラジウム、錫など、およびこれらと他の金属との合金、例えばマグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金を例として挙げることができる。また、金属、金属酸化物など、およびこれらと他の金属との混合物、例えば、酸化アルミニウムからなる極薄膜(ここでは、トンネル注入により電子を流すことが可能な1nm以下の薄膜)とアルミニウムからなる薄膜との積層膜なども使用可能である。第2電極23の電極材料としては、発光層から放射された光に対する反射率が高く、且つ、抵抗率の低い金属が好ましく、アルミニウムや銀が好ましい。
発光層の材料としては、有機EL素子用の材料として知られる任意の材料が使用可能である。例えばアントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体および各種蛍光色素など、上述の材料系およびその誘導体を始めとするものが挙げられるが、これらに限定するものではない。また、これらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いることも好ましい。また、上記化合物に代表される蛍光発光を生じる化合物のみならず、スピン多重項からの発光を示す材料系、例えば燐光発光を生じる燐光発光材料、およびそれらからなる部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。また、これらの材料からなる発光層は、蒸着法、転写法などの乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法など、湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
上述のホール注入層に用いられる材料は、ホール注入性の有機材料、金属酸化物、いわゆるアクセプタ系の有機材料あるいは無機材料、p−ドープ層などを用いて形成することができる。ホール注入性の有機材料とは、ホール輸送性を有し、また仕事関数が5.0〜6.0eV程度であり、第1電極21との強固な密着性を示す材料などがその例であり、例えば、CuPc、スターバーストアミンなどがその例である。また、ホール注入性の金属酸化物とは、例えば、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、亜鉛、インジウム、スズ、ガリウム、チタン、アルミニウムのいずれかを含有する金属酸化物である。また、1種の金属のみの酸化物ではなく、例えばインジウムとスズ、インジウムと亜鉛、アルミニウムとガリウム、ガリウムと亜鉛、チタンとニオブなど、上記のいずれかの金属を含有する複数の金属の酸化物であっても良い。また、これらの材料からなるホール注入層は、蒸着法、転写法などの乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法などの湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
また、ホール輸送層に用いる材料は、例えば、ホール輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNBなどを代表例とする、アリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物などを挙げることができるが、一般に知られる任意のホール輸送材料を用いることが可能である。
また、電子輸送層に用いる材料は、電子輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、Alq3等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体などのヘテロ環を有する化合物などが挙げられるが、この限りではなく、一般に知られる任意の電子輸送材料を用いることが可能である。
また、電子注入層の材料は、例えば、フッ化リチウムやフッ化マグネシウムなどの金属フッ化物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどに代表される金属塩化物などの金属ハロゲン化物や、アルミニウム、コバルト、ジルコニウム、チタン、バナジウム、ニオブ、クロム、タンタル、タングステン、マンガン、モリブデン、ルテニウム、鉄、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、シリコンなどの各種金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物など、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、窒化アルミニウム、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化シリコン、窒化ホウ素などの絶縁物となるものや、SiO2やSiOなどをはじめとする珪素化合物、炭素化合物などから任意に選択して用いることができる。これらの材料は、真空蒸着法やスパッタ法などにより形成することで薄膜状に形成することができる。
また、引出配線23bの材料は、第2電極23と同じ材料を採用している。ここで、引出配線23bの厚さは、第2電極23と同じ厚さに設定してある。そして、引出配線23bは、第2電極23と連続して形成されている。したがって、本実施形態の面状発光装置Aは、製造時に、引出配線23bと第2電極23とを同時に形成することができる。また、引出配線23bは、第2端子部T2の第2透明導電性酸化物層25における接合部4との接合用領域25aよりも内側に形成されている部位上まで延設されている。引出配線23bの幅(配線幅)寸法は、第1端子部T1との短絡を防止し、且つ、第1端子部T1との間に所定の絶縁距離を確保できるように、第2端子部T2の幅寸法よりもやや小さい値に設定してある。引出配線23bの幅寸法は、第2端子部T2の幅以下であることが好ましいが、エレクトロマイグレーション耐性を高めるために、できるだけ大きな値が好ましい。
また、第1透明導電性酸化物層24および第2透明導電性酸化物層25の材料は、透明導電性酸化物(Transparent Conducting Oxide:TCO)であり、例えば、ITO、AZO、GZO、IZOなどを採用することができる。また、第1透明導電性酸化物層24および第2透明導電性酸化物層25の材料を、第1電極21と同じ材料とし、第1電極21と第1透明導電性酸化物層24と第2透明導電性酸化物層25とを同じ厚さに設定してある。
また、第1金属層27および第2金属層28の材料は、例えば、アルミニウム、銀、金、銅、クロム、モリブデン、アルミニウム、パラジウム、スズ、鉛、マグネシウムなどの金属や、これら金属の少なくとも1種を含む合金などが好ましい。また、第1金属層27および第2金属層28は、単層構造に限らず、多層構造を採用してもよい。例えば、第1金属層27および第2金属層28は、MoNb層/AlNd層/MoNb層の3層構造を採用することができる。この3層構造において、下層のMoNb層は、下地との密着層として設け、上層のMoNb層は、AlNd層の保護層として設けることが好ましい。また、本実施形態では、第1金属層27の材料と第2金属層28の材料とを同じとし、第1金属層27と第2金属層28とを同じ厚さに設定してある。なお、第1金属層27および第2金属層28は、第2電極23と同じ材料を採用してもよい。
また、補助電極26の材料としては、例えば、アルミニウム、銀、金、銅、クロム、モリブデン、アルミニウム、パラジウム、スズ、鉛、マグネシウムなどの金属や、これら金属の少なくとも1種を含む合金などが好ましい。また、補助電極26は、単層構造に限らず、多層構造を採用してもよい。例えば、補助電極26は、MoNb層/AlNd層/MoNb層の3層構造を採用することができる。この3層構造において、下層のMoNb層は、下地との密着層として設け、上層のMoNb層は、AlNd層の保護層として設けることが好ましい。本実施形態の面状発光装置Aでは、補助電極26の材料と第1金属層27および第2金属層28の材料とを同じにしてある。これにより、本実施形態の面状発光装置Aでは、製造時に、補助電極26と第1金属層27および第2金属層28とを同時に形成することが可能となり、低コスト化を図れる。
また、絶縁膜29の材料としては、例えば、ポリイミドを採用しているが、これに限らず、例えば、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂などを採用することができる。
上述の有機EL素子2では、第1電極21と第2電極23との間に有機EL層22のみが介在する領域が上述の発光部20を構成しており、発光部20の平面形状が絶縁膜29の内周縁の形状と同じ矩形状(図示例では、正方形状)になっている。ここで、面状発光装置Aは、平面視において有機EL素子2の発光部20以外の部分が非発光部となる。
また、カバー基板5としては、ガラス基板を用いているが、これに限らず、例えば、プラスチック基板を用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板などを用いることができる。また、プラスチック基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)基板、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエーテルサルフォン(PES)基板、ポリカーボネート(PC)基板などを用いてもよい。プラスチック基板を用いる場合は、プラスチック基板の表面にSiON膜、SiN膜などを成膜して水分の透過を抑えるようにしてもよい。カバー基板5の材料としては、透光性基板1の材料との線膨張率差の小さな材料が好ましく、カバー基板5と透光性基板1との線膨張率差に起因して発生する応力を低減する観点からは線膨張率差が等しい材料がより好ましい。
カバー基板5は、上述のように、接合部4を介して素子基板3と接合されている。ここで、接合部4と素子基板3との界面は、接合部4と第1端子部T1との第1界面と、接合部4と第2端子部T2との第2界面と、接合部4と透光性基板1との第3界面とがある。
接合部4の材料としては、エポキシ樹脂を用いているが、これに限らず、例えば、アクリル樹脂、フリットガラスなどを採用してもよい。エポキシ樹脂やアクリル樹脂としては、紫外線硬化型のものでもよいし、熱硬化型のものでもよい。また、接合部4の材料として、エポキシ樹脂にフィラー(例えば、シリカ、アルミナなど)を含有させたものを用いてもよい。
吸湿材7としては、例えば、酸化カルシウム系の乾燥剤(酸化カルシウムを練り込んだゲッタ)などを用いることができる。
均熱板6の材料としては、各種の金属の中で熱伝導率が高い金属が好ましく、銅を採用している。均熱板6の材料は、銅に限らず、例えば、アルミニウム、金などでもよい。なお、均熱板6としては、金属箔(例えば、銅箔、アルミニウム箔、金箔など)を用いてもよい。
また、本実施形態の面状発光装置Aでは、カバー基板5における凹所51の開口サイズを絶縁膜29の外周形状のサイズよりも大きく設定してあり、カバー基板5の周部が接合部4を介して素子基板3に接合されている。これにより、面状発光装置Aは、第1電極21および第2電極23が外部に露出しないので、耐湿性を高めることが可能となる。ここで、有機EL素子2のうち外部に露出するのは、第1端子部T1および第2端子部T2の各々の一部である。
ここにおいて、第1端子部T1は、上述のように第1透明導電性酸化物層24と第1金属層27との積層構造を有しているが、第1透明導電性酸化物層24のみにより構成される接合用領域24aを、接合部4の周方向に沿って第1端子部T1の幅方向の全長に亘って設けてある。また、第2端子部T2は、上述のように第2透明導電性酸化物層25と第2金属層28との積層構造を有しているが、第2透明導電性酸化物層25のみにより構成される接合用領域25aを、接合部4の周方向に沿って第2端子部T2の幅方向の全長に亘って設けてある。したがって、接合部4と第1端子部T1との第1界面は、接合部4と第1透明導電性酸化物層24との界面により構成され、接合部4と第2端子部T2との第2界面は、接合部4と第2透明導電性酸化物層25との界面により構成されている。これにより、本実施形態の面状発光装置Aは、接合部4と第1端子部T1および第2端子部T2との接合強度を向上させることが可能となり、しかも、第1金属層27および第2金属層28の経時変化で酸化が生じて第1界面および第2界面の状態が変化することを防止することが可能となり、信頼性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置Aでは、均熱板6を備えていることにより、有機EL素子2の発光部20の温度の均熱化を図ることが可能となって発光部20の温度の面内ばらつきを低減することが可能となり、しかも、放熱性を向上させることが可能となる。しかして、面状発光装置Aでは、有機EL素子2の温度上昇を抑制することができ、入力電力を大きくして高輝度化を図った場合の長寿命化を図れる。
本実施形態の面状発光装置Aでは、発光部20の平面サイズを80mm□に設定してあるが、これに限らず、例えば、30〜300mm□程度の範囲で適宜設定すればよい。また、第2端子部T2の幅方向の両側に配置される2つの第1端子部T1、T1の中心間距離を30mmに設定してあるが、この値は一例であり、特に限定するものではない。また、第1電極21の厚さを110nm〜300nm程度の範囲、有機EL層22の厚さを150nm〜300nm程度の範囲、第2電極23の厚さを70nm〜300nm程度の範囲、絶縁膜29の厚さを0.7μm〜1μm程度の範囲、補助電極26、第1金属膜27および第2金属膜28の厚さを300nm〜600nm程度の範囲で適宜設定してあるが、これらの値は特に限定するものではない。
また、補助電極26の幅については、幅が広くなるほど、補助電極26のインピーダンスが低下し、発光部20の輝度の面内ばらつきは低減されるが、非発光部の面積が増加して光束が低下するので、0.3mm〜3mm程度の範囲で設定することが好ましい。本実施形態の面状発光装置Aを複数個並べて光源とする照明器具では、補助電極26の幅を狭くするほど、隣り合う発光部20間の距離を小さくでき、見栄えが良くなる。また、第1端子部T1および第2端子部T2と透光性基板1の周縁との距離は、0.2mmに設定してあるが、この値は特に限定するものではなく、例えば、0.1〜2mm程度の範囲で適宜設定することが好ましい。面状発光装置Aの非発光部の面積を小さくするには、第1端子部T1および第2端子部T2と透光性基板1の周縁との距離を短くすることが好ましいが、第1端子部T1および第2端子部T2と他の金属部材(例えば、照明器具の金属製の器具本体など)との間に所定の沿面距離を確保する必要がある場合には、この沿面距離よりも長い値に設定することが好ましい。
以下、本実施形態の面状発光装置Aの製造方法について図4〜図10を参照しながら説明する。
まず、ガラス基板からなる透光性基板1の上記一表面側に、同一の透明導電性酸化物(例えば、ITO、AZO、GZO、IZOなど)からなる、第1電極21、第1透明導電性酸化物層24および第2透明導電性酸化物層25を蒸着法やスパッタ法などを利用して同時に形成することによって、図4に示す構造を得る。
次に、透光性基板1の上記一表面側に、例えば、同一の金属材料などからなる、補助電極26、第1金属層27および第2金属層28を蒸着法やスパッタ法などを利用して同時に形成することによって、図5に示す構造を得る。
続いて、透光性基板1の上記一表面側に、樹脂材料(例えば、ポリイミド、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂など)からなる絶縁膜29を形成することによって、図6に示す構造を得る。
その後、透光性基板1の上記一表面側に、有機EL層22を例えば蒸着法などにより形成することによって、図7に示す構造を得る。なお、有機EL層22の形成方法は蒸着法に限らず、例えば、塗布法などでもよく、有機EL層22の材料に応じて適宜選択すればよい。
続いて、透光性基板1の上記一表面側に、同一の金属材料(例えば、アルミニウム、銀など)からなる第2電極23および引出配線23bを蒸着法やスパッタ法などを利用して形成することによって、図8に示す構造の素子基板3を得る。ここまでが、透光性基板1の上記一表面側に有機EL素子2を形成する素子基板形成工程である。
その後、例えば、素子基板3に、接合部4の材料である接着剤(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ガラスフリットなど)4aをディスペンサなどにより塗布することによって、図9に示す構造を得る。ここにおいて、接着剤4aを塗布する塗布工程では、素子基板3の周部に接着剤4aを矩形枠状に塗布しているが、素子基板3ではなく、カバー基板5における凹所51の周部に接着剤4aを矩形枠状に塗布するようにしてもよい。
その後、予め吸湿材7および均熱板6を貼り付けたカバー基板5と素子基板3とを重ね合わせる重ね合わせ工程を行い、続いて、接着剤4aを硬化させることで接合部4を形成する硬化工程を行うことによって、図1に示す構造の面状発光装置Aを得る。重ね合わせ工程では、素子基板3とカバー基板5とを重ね合わせて、プレスすることにより接着剤4aを押し潰して広げる。硬化工程では、接着剤4aが紫外線硬化型の場合には紫外線を照射して接着剤4aを硬化させる。また、接着剤4aが熱硬化型の場合には接着剤4aを加熱することにより接着剤4aを硬化させる。ここで、カバー基板5への吸湿材7の貼付工程、素子基板3もしくはカバー基板5に接着剤4aを塗布する塗布工程、素子基板3とカバー基板5とを重ね合わせる重ね合わせ工程、接合部4の材料を硬化させる硬化工程は、例えば、露点−65℃の窒素雰囲気中で行うようにしている。なお、均熱板6は、接合部4の接着剤4aを硬化させた後で、カバー基板5に貼り付けるようにしてもよい。
ところで、面状発光装置Aの製造方法について更に説明すれば、例えば、素子基板3を2×2のアレイ状に並べることが可能な矩形板状であり後で個々の素子基板3に分断される第1基板30(図10(a)参照)、もしくは、カバー基板5を2×2のアレイ状に並べることが可能な矩形板状であり後で個々のカバー基板5に分断される第2基板50(図10(a)参照)に対して接着剤4aを塗布する塗布工程を行う。ここにおいて、第1基板30は、素子基板3を2×i(iは1以上の整数)のアレイ状に並べることが可能な矩形板状であればよい。また、第2基板50は、カバー基板5を2×j(j=i)のアレイ状に並べることが可能な矩形板状であればよい。
塗布工程の後、第2基板50と第1基板30とを重ね合わせる重ね合わせ工程を行い、続いて、接着剤4aを硬化させることで接合部4を形成する硬化工程を行う。その後、第1基板30を個々の素子基板3に分断するとともに第2基板50を個々のカバー基板5に分断する分断工程を行う。
ここで、塗布工程では、ディスペンサにより接着剤4aを矩形枠状に塗布する際に塗布を開始する始点と塗布を終了する終点とを幅広部41の形成予定領域に設定する。
また、分断工程において第1基板30を分断するにあたっては、第1基板30における第2基板50側とは反対側の表面に、例えばスクライバによってスクライブラインSC1を引いて、第2基板50側から例えばブレークマシンによって圧力を加えることで第1基板30を切断すればよい。また、分断工程において第2基板50を分断するにあたっては、第2基板50における第1基板30側とは反対側の表面に、例えばスクライバによってスクライブラインSC2を引いて、第1基板30側から例えばブレークマシンによって圧力を加えることで第2基板50を切断すればよい。図1が図10(a)における左上の面状発光装置Aであるとすれば、図1における透光性基板1に関しては、右側の側面が切断面1a(図3(c)参照)、下側の側面が切断面1a(図2(c)参照)、左側の側面が非切断面1b(図3(a),(b)参照)、上側の側面が非切断面1b(図2(a),(b)参照)となる。また、図1におけるカバー基板5に関しては、右側の側面が切断面5a(図3(c)参照)、下側の側面が切断面5a(図2(c)参照)、左側の側面が非切断面5b(図3(a),(b)参照)、上側の側面が切断面5a(図2(a),(b)参照)となる。なお、切断面1a,5aについては、切断後に面取りの研磨が施されている場合なども含む。また、第1基板30として、素子基板3を2×i(iは1以上の整数)のアレイ状に並べることが可能な矩形板状に限らず、予め規定した第1単位寸法の素子基板3よりも大きな矩形板状のものとして、第1単位寸法あるいは第1基板30よりも小さな所望の外形寸法の素子基板3に分断するようにしてもよい。この場合は、第2基板50も、カバー基板5を2×j(j=i)のアレイ状に並べることが可能な矩形板状に限らず、予め規定した第2単位寸法のカバー基板5よりも大きな矩形板状のものとして、第2単位寸法あるいは第2基板50よりも小さな所望の外形寸法のカバー基板5に分断するようにしてもよい。
以上説明した本実施形態の面状発光装置Aの製造方法によれば、塗布工程では、ディスペンサにより接着剤4aを矩形枠状に塗布する際に塗布を開始する始点と塗布を終了する終点とを幅広部41の形成予定領域に設定するので、接着剤4aを塗布するときに始点と終点とで接着剤4aの塗布量を増やすことが可能となるから、より確実に、接着剤4aを閉ループの矩形枠状に形成することができ、信頼性を向上させることが可能となる。また、本実施形態の面状発光装置Aの製造方法によれば、透光性基板1の4つの側面のうち切断面1aではない非切断面1bに沿った部分に他の部位に比べて幅広の幅広部41を設けるので、非発光部の面積の低減を図ることが可能となる。また、この面状発光装置Aの製造方法によれば、分断工程で第1基板30および第2基板50を分断する際に幅広部41が障害とならないようにすることが可能となるので、製造歩留まりの向上を図れ、低コスト化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置Aの製造方法では、塗布工程において第1基板30の素子基板3ではなく、第2基板50のカバー基板5における凹所51の周部に接着剤4aを矩形枠状に塗布するようにすることが好ましい。これにより、接着剤4aにおいて幅広部41に対応する箇所の幅方向への広がりが第2基板50の非切断面1bおよび凹所51により規制される(図3(b)および図10(b)参照)ので、接合部4の幅広部41の幅が大きくなりすぎるのを抑制することが可能となる。要するに、本実施形態の面状発光装置Aの製造方法では、凹所51の位置精度により、接合部4の幅広部41の最大幅の精度を決めることが可能となる。なお、第2基板50としてガラス基板を用いる場合、凹所51は、例えば、サンドブラスト法やエッチング法、プレス成型法などにより形成することができる。
以上説明した本実施形態の面状発光装置Aでは、矩形板状の透光性基板1および透光性基板1の上記一表面側に形成された有機EL素子2を有する素子基板3と、矩形板状のカバー基板5と、透光性基板1の上記一表面側において有機EL素子2の発光部20を囲む矩形枠状に形成され素子基板3とカバー基板5とを接合した接着剤からなる接合部4とを備え、接合部4には、透光性基板1の4つの側面のうち切断面1aではない非切断面1bに沿った部分に他の部位に比べて幅広の幅広部41がある。しかして、本実施形態の面状発光装置Aにおいては、非発光部の面積の低減および信頼性の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置Aでは、上述のように、有機EL素子2が、第1電極21、有機EL層22、第2電極23、第1端子部T1、第2端子部T2および補助電極26を備え、透光性基板1の上記一表面において上記規定方向の両端部の各々に第1端子部T1および第2端子部T2が配置され、接合部4の幅広部41が、上記規定方向に直交する方向が幅方向となる位置に形成されていることが好ましい。これにより、本実施形態の面状発光装置Aでは、高輝度化および輝度の面内均一性の向上を図ることが可能となり、しかも、非発光部の面積を低減することが可能となる。また、本実施形態の面状発光装置Aを上記規定方向に直交する方向に複数個並べて光源とする照明器具では、隣り合う発光部20間の距離を小さくでき、見栄えが良くなる。
また、本実施形態の面状発光装置Aでは、上述のように、第1端子部T1および第2端子部T2が、各々、透明導電性酸化物層24,25と金属層27,28との積層構造を有し、透明導電性酸化物層24,25のみが接合部4と接していることが好ましい。これにより、本実施形態の面状発光装置Aでは、高輝度化および輝度の面内均一性の向上を図れ、そのうえ、接合部4と第1端子部T1および第2端子部T2との接合強度を向上させることが可能となる。しかも、第1金属層27および第2金属層28の経時変化で酸化が生じて第1界面および第2界面の状態が変化することを防止することが可能となり、信頼性を向上させることが可能となる。本実施形態の面状発光装置Aと、第1端子部T1および第2端子部T2で金属層27,28を接合部4と接するようにした比較例とで、発光部20において発光しないエリア(ダークエリア)が、発光部20のエッジから規定距離だけ進行するのにかかる時間を比較したところ、本実施形態の面状発光装置Aの方が、より長い時間を要することが確認された。したがって、本実施形態の面状発光装置Aでは、水分や酸素を遮断する性能であるガスバリア性の向上を図れ、長寿命化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置Aでは、第1端子部T1の幅の合計寸法と第2端子部T2の幅の合計寸法とを同じ値に設定することにより、有機EL素子2へ流す電流を大きくすることが可能となり、また、発光効率の向上を図れる。また、本実施形態の面状発光装置Aでは、引出配線23bの引出配線23bに臨界電流密度(金属がアルミニウムの場合には1×105A/cm2)以上の電流が長時間にわたって流れると、エレクトロマイグレーションが起こり、断線が起こりやすくなってしまう懸念がある。これに対して、ITOなどのTCOにより形成され第1電極21に連続した第1透明導電性酸化物層24は、引出配線23bに比べて、臨界電流密度が大きく、臨界電流密度に対するマージンが大きい。したがって、本実施形態の面状発光装置Aでは、第2端子部T2の幅の合計寸法を第1端子部T1の幅の合計寸法よりも大きくすることでエレクトロマイグレーション耐性(以下、EM耐性と略称する)を向上させることが可能となる。なお、図1について見れば、第2端子部T2の幅の合計寸法とは、4個の第2端子部T2の幅(図1における上下方向の寸法)の合計寸法であり、第1端子部T1の幅の合計寸法とは、6個の第1端子部T1の幅(図1における上下方向の寸法)の合計寸法である。
また、本実施形態の面状発光装置Aは、平面視形状が矩形状の発光部20の所定の平行な2辺の各々に沿ってm個(m≧1)の第2端子部T2と〔m+1〕個の第1端子部T1とが、第2端子部T2の幅方向の両側に第1端子部T1が位置するように配置されており、第1透明導電性酸化物層24と第2透明導電性酸化物層とが同じ厚さに設定されている。これにより、本実施形態の面状発光装置Aでは、接合部4の第1端子部T1および第2端子部T2に対する接合強度や密着性を揃えることが可能となり、信頼性をより向上させることが可能となる。
ところで、透光性基板1の平面視形状は、矩形状の場合、長方形状に限らず、正方形状でもよい。透光性基板1の平面視形状が正方形状の場合は、発光部20の平面形状を長方形状とし、当該長方形状の発光部20における2つの短辺を上記所定の2辺とすればよい。また、透光性基板1の平面視形状を長方形状として、発光部20の平面視形状を透光性基板1とは非相似の長方形状として、当該長方形状の発光部20における2つの長辺を上記所定の2辺としてもよい。
上述の有機EL素子2では、透明導電膜からなる第1電極21が陽極を構成し、第1電極21よりもシート抵抗が小さな第2電極23が陰極を構成しているが、第1電極21が陰極を構成し、第2電極23が陽極を構成してもよく、いずれにしても、透明導電膜からなる第1電極21を通して光を取り出すことが可能であればよい。
また、実施形態で説明した面状発光装置Aは、例えば、照明用の光源として好適に用いることができるが、照明用に限らず、他の用途に用いることも可能である。