JP2012182461A - 接着剤組成物、半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置において、接続部を封止するための接続信頼性及び絶縁信頼性に優れた接着剤組成物、それを用いた半導体装置の製造方法、及び半導体装置の提供。
【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、ビニル系表面処理フィラーとを含有する接着剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、ビニル系表面処理フィラーとを含有する接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、接着剤組成物、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
近年、半導体チップを基板に実装し接続するには、金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く用いられている。一方、半導体装置に対する小型化、薄型化、高機能、高集積化、高速化等の要求に対応するため、半導体チップ及び基板間にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板と接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
例えば、半導体チップ及び基板間の接続に関して、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もFC接続方式に該当する。また、FC接続方式は、半導体チップ上に接続部(バンプや配線)を形成して、半導体チップ間を接続するCOC(Chip On Chip)型の接続方式にも広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、更なる小型化、薄型化、高機能化の要求に対応するため、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージやPOP(Package On Package)、TSV(Through−Silicon Via)等も広く普及し始めている。このような積層・多段化技術は、半導体チップ等を三次元的に配置することから、二次元的に配置する手法と比較してパッケージを小さくできる。特に、TSV技術は、半導体の性能向上、ノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であり、次世代の半導体配線技術として注目されている。
ところで、上記接続部(バンプや配線)に用いられる主な金属としては、ハンダ、スズ、金、銀、銅、ニッケル等があり、これらの複数種を含んだ導電材料も用いられている。接続部に用いられる金属は、表面が酸化して酸化膜が生成してしまうことや、表面に酸化物等の不純物が付着してしまうことにより、接続部の接続面に不純物が生じる場合がある。このような不純物が残存すると、半導体チップ及び基板間や2つの半導体チップ間における接続性・絶縁信頼性が低下し、上述した接続方式を採用するメリットが損なわれてしまうことが懸念される。
これらの不純物の発生を抑制すると共に接続性を向上させる方法としては、接続前に基板や半導体チップの表面に前処理を施す方法が挙げられ、OSP(Organic Solderbility Preservatives)処理に用いられるプリフラックスや防錆処理剤を施す方法が挙げられる。しかし、前処理後にプリフラックスや防錆処理剤が残存し劣化することで、接続性が低下する場合もある。
一方、半導体チップ及び基板間等の接続部を半導体封止材料(半導体封止用接着剤)で封止する方法によれば、半導体チップ及び基板や半導体チップ同士の接続と同時に接続部を封止することが可能となる。そのため、接続部に用いられる金属の酸化や、接続部への不純物の付着を抑制し、接続部を外部環境から保護することができる。したがって、効果的に接続性・絶縁信頼性、作業性、生産性を向上させることができる。
また、フリップチップ接続方式で製造された半導体装置では、半導体チップと基板との熱膨張係数差や半導体チップ同士の熱膨張係数差に由来する熱応力が接続部に集中して接続不良を起こさないようにするために、半導体チップ及び基板間等の空隙を半導体封止材料で封止する必要がある。特に、半導体チップと基板とでは熱膨張係数の異なる成分が用いられることが多く、半導体封止材料により封止して耐熱衝撃性を向上させることが求められる。
上述した半導体封止材料による封止方式には大きく分けて、Capillary−Flow方式とPre−applied方式とが挙げられる(例えば、特許文献2〜6参照)。Capillary−Flow方式とは、半導体チップ及び基板の接続後に、半導体チップ及び基板間の空隙に液状の半導体封止材料を毛細管現象によって注入する方式である。Pre−applied方式とは、半導体チップ及び基板の接続前に、半導体チップ又は基板にペースト状やフィルム状の半導体封止材料を供給した後、半導体チップと基板とを接続する方式である。これらの封止方式について、近年の半導体装置の小型化の進展に伴って、半導体チップ及び基板間等の空隙が狭くなっており、Capillary−Flow方式では注入に長時間必要で生産性が低下する場合や、注入できない場合、また、注入できても未充填部分が存在しボイドの原因となる場合がある。そのため、作業性・生産性・信頼性の観点からPre−applied方式が高機能・高集積・高速化可能なパッケージの作製方法として主流となっている。
上述したPre−applied方式では、加熱加圧による接続と同時に、半導体チップ及び基板間の空隙が半導体封止材料により封止されるため、半導体封止材料の含有成分は接続条件を考慮して選択する必要がある。一般に接続部同士の接続には、接続性・絶縁信頼性を十分に確保する観点から、金属接合が用いられている。金属接合は高温(例えば200℃以上)を用いた接続方式であるため、半導体封止材料中に残存する揮発成分や、半導体封止材料の含有成分の分解により新たに生じる揮発成分に起因して半導体封止材料が発泡してしまう場合がある。これにより、ボイドと呼ばれる気泡が発生し、半導体封止材料が半導体チップや基板から剥離してしまう。また、加熱加圧時・圧力開放時に、上記ボイドや半導体チップ等のスプリングバックが発生すると、接続部同士を接続する接続バンプの引きちぎれによる接続部の破壊等の接続不良が生じてしまう。これらに起因して、従来の半導体封止材料では、接続性・絶縁信頼性が低下することが懸念される。
また、半導体封止材料が十分にフラックス活性(金属表面の酸化膜や不純物の除去効果)を有していない場合、金属表面の酸化膜や不純物を除去できず、良好な金属−金属接合が形成されず、導通が確保できない場合がある。更に、半導体封止材料の絶縁信頼性が低いと、接続部の狭ピッチ化に対応することが困難であり、絶縁不良が生じる。これらにも起因して、従来の半導体封止材料では、接続性・絶縁信頼性が低下することが懸念される。
半導体封止材料を用いて製造される半導体装置は、高い接続信頼性を達成することが求められる。接続信頼性は、例えばTCT(Thermal Cycle Test)評価により評価することができる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、接続信頼性及び絶縁信頼性に優れる半導体装置の作製を可能とする接着剤組成物(半導体封止用接着剤)、その接着剤組成物を用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置において接続部を封止する接着剤組成物であって、エポキシ樹脂と、硬化剤と、下記一般式(1)で表される基を有する化合物で表面処理されたビニル系表面処理フィラーとを含有する接着剤組成物を提供する。
式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R4は炭素数1〜30のアルキレン基を示す。
本発明はまた、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置において接続部を封止する接着剤組成物であって、エポキシ樹脂と、硬化剤と、下記一般式(1)で表される基を有するフィラーとを含有する接着剤組成物を提供する。
式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R4は炭素数1〜30のアルキレン基を示す。
上記本発明の接着剤組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有した上で、更にビニル系表面処理フィラー又は上記一般式(1)で表される基を有するフィラーを含有することにより、半導体封止用接着剤として適用した場合であっても、半導体装置の高い接続信頼性及び高い絶縁信頼性を実現することができる。
ここで、シランカップリング剤等を表面処理をしていないフィラーと共に樹脂中に含有させると、フィラーの表面がシランカップリング処理されてシランカップリング剤の置換基によって様々な表面状態のフィラーを合成することができることが知られている。しかし、シランカップリング剤の揮発性は高く、高温接続を必要とする金属接合等の高温でのプロセスを有する半導体装置の製造工程ではボイドが発生する原因となる。同様に、従来から用いられているフィラーを表面処理する場合、メタノール等の揮発性の高い有機物が発生する場合があり、ボイドが発生する原因となる。
また、TCT評価では−55〜125℃の温度変化を半導体パッケージに加えるが、ハンダの濡れ性が不足していた場合や接続部の金属接合が不完全であった場合、半導体チップと基板間の熱膨張率の差による接続部へのストレスの蓄積等によって接続部が破壊される。ここで、半導体封止材料の熱膨張率が低ければ、接続部へのストレスを軽減できるため、半導体装置の接続信頼性(耐TCT性)を向上させることができると考えられる。
発明者らは、接着剤組成物に上記ビニル系表面処理フィラー又は上記一般式(1)で表される基を有するフィラーを含有させることにより、接着剤組成物を半導体封止用接着剤として適用した場合に、半導体装置の高い接続信頼性を実現できることを見出した。本発明の接着剤組成物では、予め表面処理されたビニル系表面処理フィラー又は上記一般式(1)で表される基を有するフィラーを用いることで、揮発性の高い物質の発生を抑制することができる。これに加えて、フィラー表面のビニル基が他の構成成分と反応して強固な硬化物を形成することにより、硬化物の熱膨張率を低減でき、高い接続信頼性を示すものと、本発明者らは推測している。また、ビニル系表面処理フィラー又は上記一般式(1)で表される基を有するフィラーは、接続部の絶縁信頼性を低下させ難いため、接続信頼性を向上することができるものと、本発明者らは推測している。
上記一般式(1)で表される基を有する化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
式(2)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R4は炭素数1〜30のアルキレン基を示し、R5は炭素数1〜30のアルキル基を示す。
本発明の接着剤組成物は、上記一般式(2)で表される化合物で表面処理されたフィラーを含有することにより、接続信頼性及び絶縁信頼性を更に向上させることができる。
本発明の接着剤組成物には、接着剤組成物のフィルム形成性を向上する観点から、重量平均分子量が10000以上の高分子成分を更に含有することができる。
接着剤組成物の貼付性やフィルム形成性を更に向上する観点から、上記の高分子成分は、重量平均分子量が30000以上であり、ガラス転移温度が100℃以下であることが好ましい。
本発明の接着剤組成物は、フラックス活性剤を更に含有することで、フラックス活性を高め、接続部の金属表面の酸化膜や不純物を除去して、良好な金属−金属接合を形成することができる。
Pre−applied方式で半導体チップと配線回路基板の空隙又は複数の半導体チップ間の空隙を封止する場合の作業性を向上させることができることから、本発明の接着剤組成物は、形状がフィルム状であることが好ましい。
本発明はまた、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、接続部を上記の接着剤組成物を用いて封止する工程を備える、半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、上記接着剤組成物を用いることにより、半導体装置の接続信頼性及び絶縁信頼性を向上させることができる。
上記接続部が、主成分として金、銀、銅、ニッケル、スズ及び鉛からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含有すると、接続部の電気伝導性、熱伝導性、接続信頼性を更に向上することができる。
本発明はまた、上記半導体装置の製造方法によって得られる半導体装置を提供する。
本発明の半導体装置は、上記半導体装置の製造方法を用いて作製されるため、接続信頼性及び絶縁信頼性が十分に優れるものとなる。
本発明によれば、接続信頼性及び絶縁信頼性に優れる半導体装置の作製を可能とする接着剤組成物、その接着剤組成物を用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<接着剤組成物>
本実施形態の接着剤組成物(半導体封止用接着剤)は、半導体チップ及び配線回路基板(以下、場合により単に「基板」という。)のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置において接続部を封止する接着剤組成物であって、エポキシ樹脂(以下、場合により「(a)成分」という。)と、硬化剤(以下、場合により「(b)成分」という。)と、ビニル系表面処理フィラー又は上記一般式(1)で表される基を有するフィラー(以下、場合により「(c)成分」という。)とを含有する。また、接着剤組成物は、必要に応じて、重量平均分子量10000以上の高分子成分(以下、場合により「(d)成分」という。)又はフラックス活性剤(以下、場合により「(e)成分」という。)を含有する。以下、本実施形態の接着剤組成物を構成する各成分について説明する。
本実施形態の接着剤組成物(半導体封止用接着剤)は、半導体チップ及び配線回路基板(以下、場合により単に「基板」という。)のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置において接続部を封止する接着剤組成物であって、エポキシ樹脂(以下、場合により「(a)成分」という。)と、硬化剤(以下、場合により「(b)成分」という。)と、ビニル系表面処理フィラー又は上記一般式(1)で表される基を有するフィラー(以下、場合により「(c)成分」という。)とを含有する。また、接着剤組成物は、必要に応じて、重量平均分子量10000以上の高分子成分(以下、場合により「(d)成分」という。)又はフラックス活性剤(以下、場合により「(e)成分」という。)を含有する。以下、本実施形態の接着剤組成物を構成する各成分について説明する。
(a)成分:エポキシ樹脂
エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく用いることができる。(a)成分として、具体的には、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型及び各種多官能エポキシ樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく用いることができる。(a)成分として、具体的には、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型及び各種多官能エポキシ樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
(a)成分は、高温での接続時に分解して揮発成分が発生することを抑制する観点から、接続時の温度が250℃の場合は、250℃における熱重量減少量率が5%以下のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、300℃の場合は、300℃における熱重量減少量率が5%以下のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、ビスフェノールA型やビスフェノールF型の液状エポキシ樹脂は、1%熱重量減少温度が250℃以下であるため、高温加熱時に分解して揮発成分が発生する恐れがある。このため、室温(1気圧、25℃)で固形のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
(b)成分:硬化剤
(b)成分としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤が挙げられる。(b)成分がフェノール性水酸基、酸無水物、アミン類又はイミダゾール類を含むと、接続部に酸化膜が生じることを抑制するフラックス活性を示し、接続信頼性・絶縁信頼性を向上させることができる。以下、各硬化剤について説明する。
(b)成分としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤が挙げられる。(b)成分がフェノール性水酸基、酸無水物、アミン類又はイミダゾール類を含むと、接続部に酸化膜が生じることを抑制するフラックス活性を示し、接続信頼性・絶縁信頼性を向上させることができる。以下、各硬化剤について説明する。
(i)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール及び各種多官能フェノール樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
フェノール樹脂系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール及び各種多官能フェノール樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(ii)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物基/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iii)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドを使用することができる。
アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドを使用することができる。
上記(a)成分に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性、保存安定性等の観点から0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iv)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール及びエポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、優れた硬化性、保存安定性及び接続信頼性の観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤としてもよい。
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール及びエポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、優れた硬化性、保存安定性及び接続信頼性の観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤としてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。イミダゾール系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、20質量部以下であると金属接合が形成される前に接着剤組成物が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
(v)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。ホスフィン系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、10質量部以下であると金属接合が形成される前に接着剤組成物が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミン系硬化剤は、それぞれ1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤と共に用いてもよい。
接着剤組成物が(b)成分として、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤を含む場合、酸化膜を除去するフラックス活性を示し、接続信頼性をより向上することができる。
(c)成分:ビニル系表面処理フィラー又は上記一般式(1)で表される基を有するフィラー
(c)成分としては、上記一般式(1)で表される基を有する化合物で表面処理されたフィラーであれば特に制限はなく、例えば、絶縁性無機フィラー、ウィスカー及び樹脂フィラーを表面処理したものを用いることができる。すなわち、(c)成分としては、上記一般式(1)で表される基を有するフィラーを用いることができる。ここで、式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を示し、比較的嵩高くない基である方が反応性が高いことから、水素原子又はメチル基であることが好ましく、R1及びR2が水素原子であり、R3が水素原子又はメチル基であることがより好ましい。R4は炭素数1〜30のアルキレン基を示し、揮発しにくいことから分子量が大きい方が好ましい。また、R1、R2、R3及びR4は、表面処理の容易さにより適宜選定することができる。
(c)成分としては、上記一般式(1)で表される基を有する化合物で表面処理されたフィラーであれば特に制限はなく、例えば、絶縁性無機フィラー、ウィスカー及び樹脂フィラーを表面処理したものを用いることができる。すなわち、(c)成分としては、上記一般式(1)で表される基を有するフィラーを用いることができる。ここで、式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を示し、比較的嵩高くない基である方が反応性が高いことから、水素原子又はメチル基であることが好ましく、R1及びR2が水素原子であり、R3が水素原子又はメチル基であることがより好ましい。R4は炭素数1〜30のアルキレン基を示し、揮発しにくいことから分子量が大きい方が好ましい。また、R1、R2、R3及びR4は、表面処理の容易さにより適宜選定することができる。
絶縁性無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ及び窒化ホウ素が挙げられ、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素がより好ましい。ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び窒化ホウ素が挙げられる。樹脂フィラーとしては、ポリウレタン、ポリイミドが挙げられる。これらのフィラー及びウィスカーは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。フィラーの形状、粒径及び配合量は、特に制限されない。これらのフィラーの中でも、表面処理の簡易さや樹脂成分との相溶性が比較的よいことからシリカフィラーが好ましい。
ビニル系表面処理フィラーとしては、上記一般式(2)で表される化合物で表面処理されたフィラーを用いることが好ましい。式(2)中、R1、R2、R3及びR4は上記式(1)と同様の観点から選択することができる。また、R5は炭素数1〜30のアルキル基を示し、表面処理の容易さにより適宜選定することができ、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
(c)成分の形状、粒径は、接着剤組成物の用途に応じて適宜設定すればよく、特に制限されない。
(c)成分の配合量は、接着剤組成物の固形分全体を基準として、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%が更に好ましい。5質量%以上であると硬化後の接着剤組成物の熱膨張率の低減効果が十分に発揮され易い傾向があり、60質量%以下であると粘度を調整しやすく、接着剤組成物の流動性の低下や接続部へのフィラーの噛み込み(トラッピング)が生じにくく、接続信頼性が向上する傾向がある。
フリップチップ接続における高温接続等の高温プロセスでのボイドの発生原因は種々考えられるが、主なものとして、接着剤組成物の構成成分の揮発が考えられる。そのため、構成成分は液状より固形成分であることが好ましい。
また、シランカップリング剤を予めフィラーと表面処理せず、接着剤組成物の構成成分として添加し、系中で表面処理を行うと、メタノール等が発生し、高温プロセス時に発泡の原因となる。
(d)成分:重量平均分子量10000以上の高分子成分
(d)成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムが挙げられる。これらの中でも耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂及びポリカルボジイミド樹脂が好ましく、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びアクリルゴムがより好ましい。これらの(d)成分は単独で又は2種以上の混合物や共重合体として使用することもできる。但し、(d)成分には、(a)成分であるエポキシ樹脂が含まれない。
(d)成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムが挙げられる。これらの中でも耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂及びポリカルボジイミド樹脂が好ましく、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びアクリルゴムがより好ましい。これらの(d)成分は単独で又は2種以上の混合物や共重合体として使用することもできる。但し、(d)成分には、(a)成分であるエポキシ樹脂が含まれない。
上述したフェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の高分子成分は市販品を用いてもよいし、合成したものを用いてもよい。
上記ポリイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを公知の方法で縮合反応させて得ることができる。より具体的には、有機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを等モル又はほぼ等モル混合し(各成分の添加順序は任意)、反応温度を80℃以下、好ましくは0〜60℃に設定して付加反応させるとよい。なお、接着剤組成物の諸特性の低下を抑えるため、上記のテトラカルボン酸二無水物は無水酢酸で再結晶精製処理されていることが好ましい。
上記付加反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が生成する。ポリイミド樹脂は、上記ポリアミド酸を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は、加熱処理する熱閉環法や、脱水剤を使用する化学閉環法で行うことができる。上記ポリアミド酸は、50〜80℃で加熱して解重合させることによって、その分子量を調整することができる。
ポリイミド樹脂の原料として用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、特に制限はなく、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’、3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ−〔2,2,2〕−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、下記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物及び下記式(II)で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
式(I)中、aは2〜20の整数を示す。
上記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、無水トリメリット酸モノクロライド及び対応するジオールから合成することができ、具体的には、1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)及び1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、優れた耐湿信頼性を付与できる点で、上記式(II)で表されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。上記テトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記式(II)で表されるテトラカルボン酸二無水物の含有量は、全テトラカルボン酸二無水物に対して40モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、70モル%以上が更に好ましい。含有量が40モル%以上であると、上記式(II)で表されるテトラカルボン酸二無水物を使用したことによる耐湿信頼性の効果を充分に確保し易い傾向がある。
上記ポリイミド樹脂の原料として用いられるジアミンとしては、特に制限はなく、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルメタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルホン、3,5−ジアミノ安息香酸等の芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、下記一般式(III)又は(IV)で表される脂肪族エーテルジアミン、下記一般式(V)で表される脂肪族ジアミン及び下記一般式(VI)で表されるシロキサンジアミンが挙げられる。
式(III)中、Q1、Q2及びQ3はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、bは1〜80の整数を示す。
式(IV)中、Q4、Q5、Q6及びQ7はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、c、d及びeはそれぞれ独立に1〜50の整数を示す。
式(V)中、fは5〜20の整数を示す。
式(VI)中、Q8及びQ13はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、Q9、Q10、Q11及びQ12はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、gは1〜5の整数を示す。
これらの中でも、低応力性、低温ラミネート性及び低温接着性を付与できる点で、上記一般式(III)、(IV)又は(V)で表されるジアミンが好ましく、低吸水性及び低吸湿性を付与できる点で、上記一般式(VI)で表されるジアミンが好ましい。これらのジアミンは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記一般式(III)又は(IV)で表される脂肪族エーテルジアミンの含有量は、全ジアミンの1〜50モル%であることが好ましく、上記一般式(V)で表される脂肪族ジアミンの含有量は、全ジアミンの20〜80モル%であることが好ましく、上記一般式(VI)で表されるシロキサンジアミンの含有量は、全ジアミンの20〜80モル%であることが好ましい。上記含有量の範囲内であると、低温ラミネート性及び低吸水性の付与の効果が大きくなる傾向がある。
また、上記一般式(III)で表される脂肪族エーテルジアミンとしては、具体的には、下記式(III−1)〜(III−5)の脂肪族エーテルジアミンが挙げられる。なお、一般式(III−4)及び(III−5)中、nは1以上の整数を表す。
上記一般式(III−4)で表される脂肪族エーテルジアミンの重量平均分子量は、例えば、350、750、1100又は2100であることが好ましい。また、上記一般式(III−5)で表される脂肪族エーテルジアミンの重量平均分子量は、例えば230、400又は2000であることが好ましい。
上記脂肪族エーテルジアミンのうち、低温ラミネート性と有機レジスト付き基板に対する良好な接着性とを確保できる点で、上記一般式(IV)、下記一般式(VII)、(VIII)又は(IX)でそれぞれ表される脂肪族エーテルジアミンがより好ましい。
式(VII)中、hは2〜80の整数を示し、2〜70であることがより好ましい。
式(VIII)中、c、d及びeは1〜50の整数を示し、2〜40であることがより好ましい。
式(IX)中、j及びkはそれぞれ独立に1〜70の整数を示す。
上記一般式(VII)で表される脂肪族エーテルジアミンとしては、具体的には、サンテクノケミカル(株)製のジェファーミンD−230,D−400,D−2000及びD−4000、BASF製のポリエーテルアミンD−230,D−400及びD−2000が挙げられ、上記一般式(VIII)で表される脂肪族エーテルジアミンとしては、具体的には、サンテクノケミカル(株)製のジェファーミンED−600,ED−900,ED−2001が挙げられ、上記式(IX)で表される脂肪族エーテルジアミンとしては、具体的には、サンテクノケミカル(株)製のジェファーミンEDR−148が挙げられる。
上記一般式(V)で表される脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン及び1,2−ジアミノシクロヘキサンが挙げられる。これらの中でも、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン及び1,12−ジアミノドデカンが好ましい。
上記一般式(VI)で表されるシロキサンジアミンとしては、一般式(VI)中のgが1の場合には、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノブチル)ジシロキサン及び1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサンが挙げられる。gが2の場合には、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン及び1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサンが挙げられる。
上記ポリイミド樹脂は、単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
(d)成分のガラス転移温度(Tg)は、接着剤組成物の基板やチップへの貼付性に優れる観点から、100℃以下が好ましく、75℃以下がより好ましい。Tgが100℃以下である場合には、半導体チップに形成されたバンプや、基板に形成された電極や配線パターン等の凹凸を接着剤組成物により埋め込み易くなり、気泡が残存することがなくボイドが発生しにくい傾向がある。なお、上記Tgとは、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度5℃/分、測定雰囲気:空気の条件で測定したときのTgである。
(d)成分の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で10000以上であるが、単独で良好なフィルム形成性を示すために、30000以上が好ましく、40000以上がより好ましく、50000以上が更に好ましい。重量平均分子量が10000以上である場合にはフィルム形成性が向上する傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(例えば、島津製作所製、製品名「C−R4A」)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。
(d)成分の含有量は特に制限されないが、フィルム状を良好に保持するため、(a)成分100質量部に対して、1〜500質量部であることが好ましく、5〜300質量部であることがより好ましく、10〜200質量部が更に好ましい。(d)成分の含有量が1質量部以上では、フィルム形成性の向上効果が得られ易い傾向があり、500質量部以下であると、接着剤組成物の硬化性が向上し、接着力が向上する傾向がある。
(e)成分:フラックス活性剤
本発明の接着剤組成物には(e)成分、すなわち、フラックス活性(酸化物や不純物を除去する活性)を示す化合物であるフラックス活性剤を含有することができる。フラックス活性剤としては、イミダゾール類やアミン類のように非共有電子対を有する含窒素化合物、カルボン酸類、フェノール類及びアルコール類が挙げられる。
本発明の接着剤組成物には(e)成分、すなわち、フラックス活性(酸化物や不純物を除去する活性)を示す化合物であるフラックス活性剤を含有することができる。フラックス活性剤としては、イミダゾール類やアミン類のように非共有電子対を有する含窒素化合物、カルボン酸類、フェノール類及びアルコール類が挙げられる。
これらの中でも、カルボン酸類はフラックス活性が強く、(a)成分であるエポキシ樹脂と容易に反応し、接着剤組成物の硬化物中に遊離した状態で存在しないため、絶縁信頼性の低下を防ぐことができる。
カルボン酸類としては、例えば、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸等の脂式飽和カルボン酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等の脂式不飽和カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の脂式ジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するカルボン酸としては、例えば、乳酸、りんご酸、クエン酸及びサリチル酸が挙げられる。
さらに、上記芳香族カルボン酸に電子吸引性又は電子供与性の置換基があり、置換基によって芳香族上のカルボン酸の酸性度を変化させた芳香族系カルボン酸を用いることもできる。カルボン酸の酸性度が高いほどフラックス活性が向上する傾向にあるが、酸性度が高すぎると絶縁信頼性が低下する場合がある。カルボン酸の酸性度を高くする電子吸引性置換基としては、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン基及びフェニル基が挙げられる。カルボン酸の酸性度を弱くする電子供与性の置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、タ−シャルブチル基、ジメチルアミノ基及びトリメチルアミノ基が挙げられる。なお、上記置換基の数や位置は、フラックス活性や絶縁信頼性が低下しなければ特に制限されない。
カルボン酸類は、高温加熱時に分解して揮発成分が発生しないよう室温で液状のものより、固形のものを用いることが好ましい。
(その他の成分)
本実施形態の接着剤組成物には、粘度や硬化物の物性を制御するため、及び、半導体チップ及び基板を接続した際のボイドの発生や吸湿率の上昇を抑制するために、(c)成分の他に更にフィラーを配合してもよい。
本実施形態の接着剤組成物には、粘度や硬化物の物性を制御するため、及び、半導体チップ及び基板を接続した際のボイドの発生や吸湿率の上昇を抑制するために、(c)成分の他に更にフィラーを配合してもよい。
フィラーとしては、絶縁性無機フィラー、ウィスカー又は樹脂フィラーを用いることができる。絶縁性無機フィラー、ウィスカー又は樹脂フィラーとしては、上記(c)成分と同様の物質を使用することができる。これらのフィラー、ウィスカー及び樹脂フィラーは1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。フィラーの形状、平均粒径及び含有量は特に制限されない。
さらに、本実施形態の接着剤組成物には、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、イオントラップ剤等の添加剤を配合してもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの配合量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
本実施形態の接着剤組成物は、フィルム状に形成することができる。本実施形態の接着剤組成物を用いたフィルム状接着剤の作製方法を以下に示す。まず、(a)成分、(b)成分及び(c)成分、並びに必要に応じて添加される(d)成分又は(e)成分等を有機溶媒中に加え、攪拌混合、混錬等により、溶解又は分散させて、樹脂ワニスを調製する。その後、離型処理を施した基材フィルム上に、樹脂ワニスをナイフコーター、ロールコーターやアプリケーターを用いて塗布した後、加熱により有機溶媒を除去することにより、基材フィルム上にフィルム状接着剤が得られる。なお、(d)成分を配合する場合、(d)成分を合成した後に単離することなく、合成後に得られるワニス中に各成分を加えて上記樹脂ワニスを調製してもよい。
樹脂ワニスの調製に用いる有機溶媒としては、各成分を均一に溶解又は分散し得る特性を有するものが好ましく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン及び酢酸エチルが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂ワニス調製の際の攪拌混合や混錬は、例えば、攪拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル及びホモディスパーを用いて行うことができる。
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム及びポリエーテルイミドフィルムを例示できる。基材フィルムは、これらのフィルムからなる単層のものに限られず、2種以上の材料からなる多層フィルムであってもよい。
基材フィルムへ塗布した樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させる際の乾燥条件は、有機溶媒が十分に揮発する条件とすることが好ましく、具体的には、50〜200℃、0.1〜90分間の加熱を行うことが好ましい。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置について、図1及び2を用いて以下説明する。図1は、本発明の半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図1(a)に示すように、半導体装置100は、互いに対向する半導体チップ10及び基板(回路配線基板)20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置された配線15と、半導体チップ10及び基板20の配線15を互いに接続する接続バンプ30と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着剤組成物40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15及び接続バンプ30は、接着剤組成物40により封止されており外部環境から遮断されている。
本実施形態の半導体装置について、図1及び2を用いて以下説明する。図1は、本発明の半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図1(a)に示すように、半導体装置100は、互いに対向する半導体チップ10及び基板(回路配線基板)20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置された配線15と、半導体チップ10及び基板20の配線15を互いに接続する接続バンプ30と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着剤組成物40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15及び接続バンプ30は、接着剤組成物40により封止されており外部環境から遮断されている。
図1(b)に示すように、半導体装置200は、互いに対向する半導体チップ10及び基板20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置されたバンプ32と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着剤組成物40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、対向するバンプ32が互いに接続されることによりフリップチップ接続されている。バンプ32は、接着剤組成物40により封止されており外部環境から遮断されている。
図2は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。図2(a)に示すように、半導体装置300は、2つの半導体チップ10が配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図2(b)に示すように、半導体装置400は、2つの半導体チップ10がバンプ32によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。
半導体チップ10としては、特に限定はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体を用いることができる。
基板20としては、回路基板であれば特に制限はなく、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板の表面に、金属膜の不要な個所をエッチング除去して形成された配線(配線パターン)15を有する回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線15が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線15が形成された回路基板を用いることができる。
配線15やバンプ32等の接続部は、主成分として、金、銀、銅、ハンダ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、ニッケル、スズ、鉛等を含有しており、複数の金属を含有していてもよい。
上記金属の中でも、接続部の電気伝導性・熱伝導性に優れたパッケージとする観点から、金、銀及び銅が好ましく、銀及び銅がより好ましく、銀が更に好ましい。コストが低減されたパッケージとする観点から、安価であることに基づき銀、銅及びハンダが好ましく、銅及びハンダがより好ましく、ハンダが更に好ましい。室温において金属の表面に酸化膜が形成すると生産性が低下する場合やコストが増加する場合があるため、酸化膜の形成を抑制する観点から、金、銀、銅及びハンダが好ましく、金、銀、ハンダがより好ましく、金、銀が更に好ましい。
上記配線15及びバンプ32の表面には、金、銀、銅、ハンダ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を主な成分とする金属層が、例えばメッキにより形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、上記金属層は、単層又は複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。
また、本実施形態の半導体装置は、半導体装置100〜400に示すような構造(パッケージ)が複数積層されていてもよい。この場合、半導体装置100〜400は、金、銀、銅、ハンダ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を含むバンプや配線で互いに電気的に接続されていてもよい。
半導体装置を複数積層する手法としては、図3に示すように、例えばTSV(Through−Silicon Via)技術が挙げられる。図3は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図であり、TSV技術を用いた半導体装置である。図3に示す半導体装置500では、インターポーザ50上に形成された配線15が半導体チップ10の配線15と接続バンプ30を介して接続されることにより、半導体チップ10とインターポーザ50とはフリップチップ接続されている。半導体チップ10とインターポーザ50との間の空隙には接着剤組成物40が隙間なく充填されている。上記半導体チップ10におけるインターポーザ50と反対側の表面上には、配線15、接続バンプ30及び接着剤組成物40を介して半導体チップ10が繰り返し積層されている。半導体チップ10の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。なお、貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することが可能となる。さらには、半導体チップ10内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ10間や半導体チップ10及びインターポーザ50間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態の接着剤組成物は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ10間や、半導体チップ10及びインターポーザ50間の半導体封止用接着剤として適用することができる。
また、エリヤバンプチップ技術等の自由度の高いバンプ形成方法では、インターポーザを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードに直接実装できる。本実施形態の接着剤組成物は、このような半導体チップをマザーボードに直接実装する場合にも適用することができる。なお、本実施形態の接着剤組成物は、2つの配線回路基板を積層する場合に、基板間の空隙を封止する際にも適用することができる。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態の半導体装置の製造方法について、図4を用いて以下説明する。図4は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程断面図である。
本実施形態の半導体装置の製造方法について、図4を用いて以下説明する。図4は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程断面図である。
まず、図4(a)に示すように、配線(例えば、金バンプ)15を有する基板20上に、接続バンプ30を形成する位置に開口を有するソルダーレジスト60を形成する。このソルダーレジスト60は必ずしも設ける必要はない。しかしながら、基板20上にソルダーレジストを設けることにより、配線15間のブリッジの発生を抑制し、接続信頼性・絶縁信頼性を向上させることができる。ソルダーレジスト60は、例えば、市販のパッケージ用ソルダーレジスト用インキを用いて形成することができる。市販のパッケージ用ソルダーレジスト用インキとしては、具体的には、SRシリーズ(日立化成工業株式会社製、商品名)及びPSR4000−AUSシリーズ(太陽インキ製造(株)製、商品名)が挙げられる。
次に、図4(a)に示すように、ソルダーレジスト60の開口に接続バンプ(例えば、ハンダバンプ)30を形成する。そして、図4(b)に示すように、接続バンプ30及びソルダーレジスト60が形成された基板20上に、フィルム状の接着剤組成物(以下、場合により「フィルム状接着剤」という。)40を貼付する。フィルム状接着剤40の貼付は、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって行うことができる。フィルム状接着剤40の供給面積や厚みは、半導体チップ10及び基板20のサイズや、接続バンプ30の高さによって適宜設定される。
上記のとおりフィルム状接着剤40を基板20に貼り付けた後、半導体チップ10の配線15と接続バンプ30とをフリップチップボンダー等の接続装置を用いて、位置合わせする。続いて、半導体チップ10と基板20とを接続バンプ30の融点以上の温度で加熱しながら圧着し、図4(c)に示すように、半導体チップ10と基板20とを接続すると共に、フィルム状接着剤40によって半導体チップ10及び基板20間の空隙を封止充填する。以上により、半導体装置600が得られる。
本実施形態の半導体装置の製造方法では、位置合わせをした後に仮固定し、リフロー炉で加熱処理することによって、接続バンプ30を溶融させて半導体チップ10と基板20とを接続してもよい。仮固定の段階では、金属接合を形成することが必ずしも必要ではないため、上記の加熱しながら圧着する方法に比べて低荷重、短時間、低温度による圧着でよく、生産性が向上すると共に接続部の劣化を抑制することができる。
また、半導体チップ10と基板20とを接続した後、オーブン等で加熱処理を行って、更に接続信頼性・絶縁信頼性を高めてもよい。加熱温度は、フィルム状接着剤の硬化が進行する温度が好ましく、完全に硬化する温度がより好ましい。加熱温度、加熱時間は適宜設定される。
本実施形態の半導体装置の製造方法では、フィルム状接着剤40を半導体チップ10に貼付した後に基板20を接続してもよい。また、半導体チップ10及び基板20を配線15及び接続バンプ30により接続した後、半導体チップ10及び基板20間の空隙にペースト状の接着剤組成物を充填してもよい。
生産性が向上する観点から、複数の半導体チップ10が連結した半導体ウェハに接着剤組成物を供給した後、ダイシングして個片化することによって、半導体チップ10上に接着剤組成物が供給された構造体を得てもよい。また、接着剤組成物がペースト状の場合は、特に制限されるものではないが、スピンコート等の塗布方法により、半導体チップ10上の配線やバンプを埋め込み、厚みを均一化させればよい。この場合、樹脂の供給量が一定となるため生産性が向上すると共に、埋め込み不足によるボイドの発生及びダイシング性の低下を抑制することができる。一方、接着剤組成物がフィルム状の場合は、特に制限されるものではないが、加熱プレス、ロールラミネート及び真空ラミネート等の貼付方式により半導体チップ10上の配線やバンプを埋め込むようにフィルム状の樹脂組成物を供給すればよい。この場合、樹脂の供給量が一定となるため生産性が向上し、埋め込み不足によるボイドの発生及びダイシング性の低下を抑制することができる。
接続荷重は、接続バンプ30の数や高さのばらつき、加圧による接続バンプ30、又は接続部のバンプを受ける配線の変形量を考慮して設定される。接続温度は、接続部の温度が接続バンプ30の融点以上であることが好ましいが、それぞれの接続部(バンプや配線)の金属接合が形成される温度であればよい。接続バンプ30がハンダバンプである場合は、約240℃以上であればよい。
接続時の接続時間は、接続部の構成金属により異なるが、生産性が向上する観点から短時間であるほど好ましい。接続バンプ30がハンダバンプである場合、接続時間は20秒以下が好ましく、10秒以下がより好ましく、5秒以下が更に好ましい。銅−銅又は銅−金の金属接続の場合は、接続時間は60秒以下が好ましい。
上述した様々なパッケージ構造のフリップチップ接続部においても、本発明の接着剤組成物は、優れた接続信頼性及び絶縁信頼性を示す。
以下、実施例、比較例を用いて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
(ポリイミド合成)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた300mLフラスコに、1,12−ジアミノドデカン2.10g(0.035モル)、ポリエーテルジアミン(BASF製、商品名「ED2000」、分子量:1923)17.31g(0.03モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(信越化学製、商品名「LP−7100」)2.61g(0.035モル)及びN−メチル−2−ピロリドン(関東化学製、以下「NMP」という)150gを仕込み攪拌した。上記ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、無水酢酸で再結晶精製した4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)(ALDRICH製、商品名「BPADA」)15.62g(0.10モル)を少量ずつ添加した。室温で8時間反応させたのち、キシレン100gを加え、窒素ガスを吹き込みながら180℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去し、ポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂から溶媒(NMP)を除去し、トルエン及び酢酸エチルの混合溶媒(質量比1:1)に固形分50質量%となるように溶解したものを「ポリイミドA」とした。ポリイミドAのTgは30℃、重量平均分子量は50000、SP値(溶解度パラメーター)は10.2であった。
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた300mLフラスコに、1,12−ジアミノドデカン2.10g(0.035モル)、ポリエーテルジアミン(BASF製、商品名「ED2000」、分子量:1923)17.31g(0.03モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(信越化学製、商品名「LP−7100」)2.61g(0.035モル)及びN−メチル−2−ピロリドン(関東化学製、以下「NMP」という)150gを仕込み攪拌した。上記ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、無水酢酸で再結晶精製した4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)(ALDRICH製、商品名「BPADA」)15.62g(0.10モル)を少量ずつ添加した。室温で8時間反応させたのち、キシレン100gを加え、窒素ガスを吹き込みながら180℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去し、ポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂から溶媒(NMP)を除去し、トルエン及び酢酸エチルの混合溶媒(質量比1:1)に固形分50質量%となるように溶解したものを「ポリイミドA」とした。ポリイミドAのTgは30℃、重量平均分子量は50000、SP値(溶解度パラメーター)は10.2であった。
各実施例及び比較例で使用した化合物は以下の通りである。
(a)エポキシ樹脂
・トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「EP1032H60」、以下「EP1032」という。)
(b)硬化剤
・2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PHZ−PW」、以下「2PHZ」という。)
(c)ビニル系表面処理フィラー又は上記一般式(1)で表される基を有するフィラー
・ビニル表面処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SVJ」、平均粒径0.5μm、以下「SVシリカ」という。)
(c’)その他のフィラー
・未処理のシリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050」、平均粒径0.5μm、以下、「未処理シリカ」という。)
・アミノシラン処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SXJ」、平均粒径0.5μm、以下「SXシリカ」という。)
・エポキシシラン処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SEJ」、平均粒径0.5μm、以下「SEシリカ」という。)
・フェニルシラン処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SPJ」、平均粒径0.5μm、以下「SPシリカ」という。)
・メタブレン型有機フィラー(三菱レイヨン製、商品名「W5500」、以下「W5500」という。)
(d)分子量10000以上の高分子成分
・上述の通り合成したポリイミドA
(e)フラックス活性剤
・ジフェノール酸(東京化成株式会社製)
(a)エポキシ樹脂
・トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「EP1032H60」、以下「EP1032」という。)
(b)硬化剤
・2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PHZ−PW」、以下「2PHZ」という。)
(c)ビニル系表面処理フィラー又は上記一般式(1)で表される基を有するフィラー
・ビニル表面処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SVJ」、平均粒径0.5μm、以下「SVシリカ」という。)
(c’)その他のフィラー
・未処理のシリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050」、平均粒径0.5μm、以下、「未処理シリカ」という。)
・アミノシラン処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SXJ」、平均粒径0.5μm、以下「SXシリカ」という。)
・エポキシシラン処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SEJ」、平均粒径0.5μm、以下「SEシリカ」という。)
・フェニルシラン処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SPJ」、平均粒径0.5μm、以下「SPシリカ」という。)
・メタブレン型有機フィラー(三菱レイヨン製、商品名「W5500」、以下「W5500」という。)
(d)分子量10000以上の高分子成分
・上述の通り合成したポリイミドA
(e)フラックス活性剤
・ジフェノール酸(東京化成株式会社製)
<半導体封止用フィルム状接着剤の作製>
(実施例1)
エポキシ樹脂(EP1032)100質量部、硬化剤(2PHZ)7.5質量部、フィラー(SVシリカ)175質量部、フラックス活性剤(ジフェノール酸)25質量部並びにトルエン及び酢酸エチルの混合溶媒(質量比1:1)を固形分が60質量%になるように仕込み、直径0.8mmのビーズ及び直径2.0mmのビーズを固形分と同量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社、遊星型微粉砕機「P−7」)で30分間撹拌した。次いで、ポリイミドAを100質量部(固形分換算)加え、再度ビーズミルで30分間撹拌した後、撹拌に用いたビーズをろ過によって除去し、樹脂ワニスを得た。
(実施例1)
エポキシ樹脂(EP1032)100質量部、硬化剤(2PHZ)7.5質量部、フィラー(SVシリカ)175質量部、フラックス活性剤(ジフェノール酸)25質量部並びにトルエン及び酢酸エチルの混合溶媒(質量比1:1)を固形分が60質量%になるように仕込み、直径0.8mmのビーズ及び直径2.0mmのビーズを固形分と同量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社、遊星型微粉砕機「P−7」)で30分間撹拌した。次いで、ポリイミドAを100質量部(固形分換算)加え、再度ビーズミルで30分間撹拌した後、撹拌に用いたビーズをろ過によって除去し、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを、基材フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA53」)に、小型精密塗工装置(廉井精機製)で塗工し、クリーンオーブン(エスペック株式会社製)中、110℃で10分間乾燥して、フィルム状接着剤を作製した。
(実施例2及び比較例1〜5)
使用した原材料の組成を下記の表1の通りに変更したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1〜5のフィルム状接着剤を作製した。
使用した原材料の組成を下記の表1の通りに変更したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1〜5のフィルム状接着剤を作製した。
以下に、実施例及び比較例で得られたフィルム状接着剤の評価方法を示す。
<初期接続性の評価>
作製したフィルム状接着剤を所定のサイズ(縦8mm×横8mm×厚さ0.025mm)に切り抜いて、ガラスエポキシ基板(ガラスエポキシ基材:420μm厚、銅配線:9μm厚)上に貼付し、ハンダバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:縦7mm×横7mm×高さ0.15mm、バンプ高さ:銅ピラー及びハンダの合計約40μm、バンプ数328)をフリップチップ実装装置「FCB3」(パナソニック製、商品名)で実装した(実装条件:フィルム状接着剤の到達温度180℃、10秒間、0.5MPa。次いで、フィルム状接着剤の到達温度245℃、10秒間、0.5MPa)。これにより、図4と同様に上記ガラスエポキシ基板と、ハンダバンプ付き半導体チップとがデイジーチェーン接続された半導体装置を得た。
作製したフィルム状接着剤を所定のサイズ(縦8mm×横8mm×厚さ0.025mm)に切り抜いて、ガラスエポキシ基板(ガラスエポキシ基材:420μm厚、銅配線:9μm厚)上に貼付し、ハンダバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:縦7mm×横7mm×高さ0.15mm、バンプ高さ:銅ピラー及びハンダの合計約40μm、バンプ数328)をフリップチップ実装装置「FCB3」(パナソニック製、商品名)で実装した(実装条件:フィルム状接着剤の到達温度180℃、10秒間、0.5MPa。次いで、フィルム状接着剤の到達温度245℃、10秒間、0.5MPa)。これにより、図4と同様に上記ガラスエポキシ基板と、ハンダバンプ付き半導体チップとがデイジーチェーン接続された半導体装置を得た。
得られた半導体装置の接続抵抗値をマルチメータ(ADVANTEST製、商品名「R6871E」)を用いて測定することにより、実装後の初期導通の可否を評価した。接続抵抗値が11〜14Ωの場合を接続性良好「A」とし、それ以外の接続抵抗値の場合又は接続不良(Open)が生じて抵抗値が表示されなかった場合を「B」として評価した。
<熱膨張率の測定>
フィルム状接着剤を所定のサイズ(縦37mm×横4mm×厚さ0.025mmに切り
抜き、クリーンオーブン(エスペック株式会社製)中、180℃で3時間保持して硬化した。硬化後、熱膨張率測定装置(セイコーインスツル株式会社製、熱分析システムTMASS6000)を用いて、温度範囲20〜270℃、昇温速度5℃/分、荷重0.5MPaの条件下で熱膨張を測定した。熱膨張率は25〜125℃までの平均熱膨張率(ppm/℃)とした。
フィルム状接着剤を所定のサイズ(縦37mm×横4mm×厚さ0.025mmに切り
抜き、クリーンオーブン(エスペック株式会社製)中、180℃で3時間保持して硬化した。硬化後、熱膨張率測定装置(セイコーインスツル株式会社製、熱分析システムTMASS6000)を用いて、温度範囲20〜270℃、昇温速度5℃/分、荷重0.5MPaの条件下で熱膨張を測定した。熱膨張率は25〜125℃までの平均熱膨張率(ppm/℃)とした。
<接続信頼性の評価(耐TCT評価)>
上述の半導体装置をクリーンオーブン(エスペック株式会社製)中でアフターキュアした(180℃/3時間)。その後、冷熱サイクル試験機(ETAC製、THERMAL SHOCK CHAMBER NT1200)内に放置し、1mAの電流を流し、25℃2分間/−55℃15分間/25℃2分間/125℃で15分間/25℃2分間を1サイクルとして接続抵抗を測定した。初期の抵抗値波形と比べて300サイクル後も大きな変化がなかった場合を「A」、1Ω以上の差が100サイクル以上300サイクル未満で生じた場合を「B」、1Ω以上の差が100サイクル未満で生じた場合を「C」とした。
上述の半導体装置をクリーンオーブン(エスペック株式会社製)中でアフターキュアした(180℃/3時間)。その後、冷熱サイクル試験機(ETAC製、THERMAL SHOCK CHAMBER NT1200)内に放置し、1mAの電流を流し、25℃2分間/−55℃15分間/25℃2分間/125℃で15分間/25℃2分間を1サイクルとして接続抵抗を測定した。初期の抵抗値波形と比べて300サイクル後も大きな変化がなかった場合を「A」、1Ω以上の差が100サイクル以上300サイクル未満で生じた場合を「B」、1Ω以上の差が100サイクル未満で生じた場合を「C」とした。
<絶縁信頼性の評価(耐HAST評価)>
作製したフィルム状接着剤を所定のサイズ(縦10mm×横5mm×厚さ25μm)に切り抜き、ポリイミド基板上に配線銅配線を形成した、くし型電極基板(配線ピッチ:0.05mm)に貼付け、図5に示すように、くし型電極90が形成された基板20上にフィルム状接着剤40が積層されたサンプルを作製した。なお、図5では、便宜上フィルム状接着剤の図示を省略した。続いて、サンプルをクリーンオーブン(エスペック株式会社製)中、185℃で3時間保持して硬化した。硬化後、各サンプルを取り出し、加速寿命試験装置(HIRAYAMA社製、商品名「PL−422R8」、条件:130℃/相対湿度85%/200時間/5V印加)に設置し、絶縁抵抗を測定した。200時間を通して、絶縁抵抗が108Ω以上である場合を「A」、108Ω未満である場合を「B」として評価した。
作製したフィルム状接着剤を所定のサイズ(縦10mm×横5mm×厚さ25μm)に切り抜き、ポリイミド基板上に配線銅配線を形成した、くし型電極基板(配線ピッチ:0.05mm)に貼付け、図5に示すように、くし型電極90が形成された基板20上にフィルム状接着剤40が積層されたサンプルを作製した。なお、図5では、便宜上フィルム状接着剤の図示を省略した。続いて、サンプルをクリーンオーブン(エスペック株式会社製)中、185℃で3時間保持して硬化した。硬化後、各サンプルを取り出し、加速寿命試験装置(HIRAYAMA社製、商品名「PL−422R8」、条件:130℃/相対湿度85%/200時間/5V印加)に設置し、絶縁抵抗を測定した。200時間を通して、絶縁抵抗が108Ω以上である場合を「A」、108Ω未満である場合を「B」として評価した。
各実施例及び比較例の接着剤組成物の原材料の組成(単位:質量部)及び各試験の結果を表1に示す。
ビニル系表面処理フィラーを用いた実施例1及び2は、熱膨張率が低く、接続信頼性(耐TCT性)及び絶縁信頼性(耐HAST性)のいずれの特性も優れていることが確認された。
10…半導体チップ、15…配線(接続部)、20…基板(配線回路基板)、30…接続バンプ、32…バンプ(接続部)、34…貫通電極、40…接着剤組成物(フィルム状接着剤)、50…インターポーザ、60…ソルダーレジスト、90…くし型電極、100,200,300,400,500,600…半導体装置。
Claims (10)
- 重量平均分子量が10000以上の高分子成分を更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- 前記高分子成分は、重量平均分子量が30000以上であり、ガラス転移温度が100℃以下である、請求項4に記載の接着剤組成物。
- フラックス活性剤を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- 形状がフィルム状である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- 半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、
前記接続部を、請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて封止する工程を備える、半導体装置の製造方法。 - 前記接続部が主成分として金、銀、銅、ニッケル、スズ及び鉛からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含有する、請求項8記載の製造方法。
- 請求項8又は9に記載の製造方法によって得られる、半導体装置。
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