JP2012180557A - 加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊および亜鉛合金鋳造塊の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧延等による加工時に素材に割れが発生することがない加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊およびその亜鉛合金鋳造塊の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】Alを3.5〜18質量%含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であって、共晶組織の平均結晶粒径が40μm以下である。更に、Cuを1〜3.5質量%含有していても良い。また更に、Siを含有し、前記CuとSiの合計含有量が1.8〜4.3質量%であっても良い。
【選択図】 なし
【解決手段】Alを3.5〜18質量%含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であって、共晶組織の平均結晶粒径が40μm以下である。更に、Cuを1〜3.5質量%含有していても良い。また更に、Siを含有し、前記CuとSiの合計含有量が1.8〜4.3質量%であっても良い。
【選択図】 なし
Description
本発明は、圧延時等の加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊およびその亜鉛合金鋳造塊の製造方法に関するものである。
亜鉛にアルミニウム等の合金元素を添加した亜鉛合金は、ラジエーターグリルや気化器、或いは燃料ポンプなどの自動車部品、電気機械部品、建築金物、事務器具、玩具などに従来から広く用いられている。
また、この亜鉛合金は、SiC(次世代パワーデバイス)とアルミニウム材、或いは、アルミニウム・セラミックス複合体とアルミニウム材のように熱膨張率が異なる部材同士を接合する際に、低温接合が可能で疲労特性に優れるという特長を有する。そのため、それらの接合材は、高温はんだ或いは低温ろう材としての適用が期待されており、特に、整流ダイオード、パワートランジスタ、サイリスタ等のパワーデバイスに用いられるアルミニウム・セラミックス複合体とアルミニウム材を接合する際の接合材として有望視されている。
しかしながら、亜鉛にアルミニウム等の少量の合金元素を添加した亜鉛合金は、多結晶化しており金属組織が複雑で、Zn相、α相の複相で構成されているため、亜鉛合金鋳造塊から圧延により、例えば0.01〜0.2mm程度の箔に加工すると、素材側面に耳割れと呼ばれる割れが生じる現象が多発する。
このような製造工程における圧延、或いは伸線時の割れの発生を抑制するために、マグネシウムを添加したZn−Mg−Al合金が特許文献1として提案されている。しかしながら、亜鉛合金へのマグネシウムの添加は加工性が劣化するため好ましいものではない。
また、Al又はAl合金同士の接合、AlとAl合金との接合、及びAl又はAl合金と異種金属材料との接合を好適に行うことができるろう材の製造方法として特許文献2に記載の製造方法が提案されている。しかしながら、このろう材の製造方法は、圧延によるろう材の製造を回避する方法で、確実に均一な0.01〜0.2mm程度の箔に加工することは困難であると考えられる。
本発明は、上記従来の問題を解決せんとしてなされたもので、圧延等による加工時に素材に割れが発生することがない加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊およびその亜鉛合金鋳造塊の製造方法を提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、Alを3.5〜18質量%含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であって、共晶組織の平均結晶粒径が40μm以下であることを特徴とする加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊である。
請求項2記載の発明は、更に、Cuを1〜3.5質量%含有することを特徴とする請求項1記載の加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊である。
請求項3記載の発明は、更に、Siを含有し、前記CuとSiの合計含有量が、1.8〜4.3質量%であることを特徴とする請求項2記載の加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の成分組成の亜鉛合金を融点以上に加熱した後、融点〜融点+50℃の温度で1分以上保持した上で鋳造を開始し、鋳造後の亜鉛合金鋳造塊を20秒以内に250℃以下にまで冷却することを特徴とする加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊の製造方法である。
本発明に係る亜鉛合金鋳造塊および亜鉛合金鋳造塊の製造方法によると、圧延等の加工によって素材に割れが発生することがない、或いは抑制された加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊を得ることができる。
亜鉛(Zn)は六方晶金属であるため、鉄やアルミニウムと比較すると、塑性変形による異方性を生じやすい。一般に、厚み方向の変形を伴う金属素材の圧延ではその厚み方向の塑性変形に応じて、素材は長手方向および幅方向に夫々伸張されていくが、Znの場合、長手方向、幅方向への伸張量が異なることとなる。特に亜鉛単結晶ではその傾向が顕著に現れ、圧延等による加工時には一定の方向だけに素材が伸張することが知られている。
一方、Al、Cu、Siといった合金元素を添加した亜鉛合金の場合は、多結晶化しており、金属組織がZn相、α相の複相で複雑に構成されているため、圧延等による加工時の変形挙動は複雑となる。そのため、圧延等による加工時に側面に割れが発生しやすくなる。このように、亜鉛合金は圧延等による加工時に側面に割れが発生しやすいという欠点を有するが、その理由は十分に解明されていないのが現状である。
本発明者らは、このような亜鉛合金の現状に鑑み、圧延等による加工時に素材に割れが発生することがない、或いは抑制された加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊を見出すため、鋭意研究を重ねた。
その結果、本発明者らは、圧延等による加工時に亜鉛合金素材に発生する割れと、亜鉛合金の金属組織として存在する共晶組織の大きさに相関関係があることを知見し、亜鉛に添加する合金元素の種類並びにその含有量を規定した上で、前記共晶組織の平均結晶粒径を適切に制御することで、圧延等による加工時に亜鉛合金素材に割れが発生することを抑制できることを見出し、本発明の完成に至った。
以下、本発明を実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
本発明では、亜鉛に添加する合金元素の種類並びにその含有量と、共晶組織の平均結晶粒径を規定するが、まず、亜鉛合金の成分組成について説明する。尚、以下の説明で用いる%は全て質量%を示す。
(成分組成)
亜鉛に添加する合金元素としては、Al、Cu、Siといった合金元素があるが、その中でも本発明の亜鉛合金鋳造塊は、Alを必須の合金元素とする。
亜鉛に添加する合金元素としては、Al、Cu、Siといった合金元素があるが、その中でも本発明の亜鉛合金鋳造塊は、Alを必須の合金元素とする。
Al:3.5〜18%
Alは、本発明の亜鉛合金鋳造塊の主成分であるZnに添加することで、亜鉛合金鋳造塊を用いて製造するろう材のろう付け温度を引き下げることができる元素である。その添加量が3.5%のときに特に多くの共晶組織が得られ最も融点が低くなる。一方、その添加量が18%を超えると疲労特性が低下してしまう。従って、Alの添加量は3.5〜18%の範囲とする。尚、Alの添加量の好ましい下限は5%、好ましい上限は13%である。以下のCuを添加した場合の説明で述べるが、Cuを添加すると疲労特性を向上できるため、Alの添加量は減少させることができる。その場合、Alの添加量の上限は18%でなくても良く、3.5〜13%の範囲であれば良い。
Alは、本発明の亜鉛合金鋳造塊の主成分であるZnに添加することで、亜鉛合金鋳造塊を用いて製造するろう材のろう付け温度を引き下げることができる元素である。その添加量が3.5%のときに特に多くの共晶組織が得られ最も融点が低くなる。一方、その添加量が18%を超えると疲労特性が低下してしまう。従って、Alの添加量は3.5〜18%の範囲とする。尚、Alの添加量の好ましい下限は5%、好ましい上限は13%である。以下のCuを添加した場合の説明で述べるが、Cuを添加すると疲労特性を向上できるため、Alの添加量は減少させることができる。その場合、Alの添加量の上限は18%でなくても良く、3.5〜13%の範囲であれば良い。
また、本発明の亜鉛合金鋳造塊には、更にCu、Siを合金元素として積極的に含有させることも有効であり、含有されるこれら合金元素の種類によって亜鉛合金鋳造塊の特性が更に改善される。
Cu:1〜3.5%
Cuは、疲労特性の向上に寄与する元素である。Cuの添加量が1%以上であれば、疲労特性を向上させる効果を発現することができる。しかしながら、3.5%を超えて添加した場合、疲労特性を向上させる効果が飽和してしまう。従って、Cuの添加量は1〜3.5%とする。
Cuは、疲労特性の向上に寄与する元素である。Cuの添加量が1%以上であれば、疲労特性を向上させる効果を発現することができる。しかしながら、3.5%を超えて添加した場合、疲労特性を向上させる効果が飽和してしまう。従って、Cuの添加量は1〜3.5%とする。
Si:1.8%≦(Cu+Si)≦4.3%
SiもCuと同様に疲労特性の向上に寄与する元素である。このSiはCuと同時に添加することで疲労特性を向上させる効果を発現し、SiとCuを合計で1.8〜4.3%添加することで疲労特性を向上させる効果を発現する。尚、CuとSiの合計添加量の好ましい範囲は、2.2〜4.3%である。
SiもCuと同様に疲労特性の向上に寄与する元素である。このSiはCuと同時に添加することで疲労特性を向上させる効果を発現し、SiとCuを合計で1.8〜4.3%添加することで疲労特性を向上させる効果を発現する。尚、CuとSiの合計添加量の好ましい範囲は、2.2〜4.3%である。
(共晶組織の平均結晶粒径)
本発明では亜鉛合金の成分組成に加えて、共晶組織の平均結晶粒径を規定する。この共晶組織の平均結晶粒径が亜鉛合金鋳造塊の圧延等の加工性を左右し、本発明の最大の要件となる。共晶組織の平均結晶粒径が40μmを超えると亜鉛合金鋳造塊の圧延等による変形能が低下し、例えば、1パスでの圧下率を上げると素材の側面に大きな耳割れを発生することになる。従って、共晶組織の平均結晶粒径は40μm以下とする。尚、本発明では共晶組織の平均結晶粒径の下限値は特に限定しないが、実際の下限値は、急冷凝固のような特殊方法に頼らずに達成できる結晶粒微細化限界である10μm程度であると想定される。
本発明では亜鉛合金の成分組成に加えて、共晶組織の平均結晶粒径を規定する。この共晶組織の平均結晶粒径が亜鉛合金鋳造塊の圧延等の加工性を左右し、本発明の最大の要件となる。共晶組織の平均結晶粒径が40μmを超えると亜鉛合金鋳造塊の圧延等による変形能が低下し、例えば、1パスでの圧下率を上げると素材の側面に大きな耳割れを発生することになる。従って、共晶組織の平均結晶粒径は40μm以下とする。尚、本発明では共晶組織の平均結晶粒径の下限値は特に限定しないが、実際の下限値は、急冷凝固のような特殊方法に頼らずに達成できる結晶粒微細化限界である10μm程度であると想定される。
尚、共晶とは、合金溶湯を凝固するとき2種類以上の固相が同時に同じ温度で生成する反応を意味し、本発明組成ではAlを主成分とするfcc(面心立方)相とZnを主成分とする六方晶相を意味する。共晶組織はfcc相と六方晶相がミクロ構造的に混合、分散している組織を意味するが、詳細は透過型電子顕微鏡などより微細な分析解析装置で確認することが必要である。本発明では簡便に共晶組織を定義すべく、組成に応じてコントラストがつくSEM反射電子像にて灰色に認識される結晶粒を“共晶組織”と定義する。
この共晶組織の結晶粒は亜鉛相の結晶配向が揃う最小組織単位である。ひとつの共晶組織では亜鉛結晶構造の塑性変形異方性を解消することはできないが、共晶組織単位を微細化することで、圧延素材全体としての塑性変形異方性を相殺解消することが可能となり、圧延での割れ発生抑制が可能となる。
(亜鉛合金鋳造塊の厚さ)
亜鉛合金鋳造塊の厚さは特に本発明の要件ではないが、圧延により低温ろう材を製造する場合は、加工後の最終製品である箔(ろう材)の厚さは、0.01〜0.2mm程度であるので、加工性を考えると圧延前の亜鉛合金鋳造塊の厚さは極力薄い方が望ましい。しかしながら、圧延前の亜鉛合金鋳造塊の厚さを切断等により1mmより薄くすることは困難である。従って、その亜鉛合金鋳造塊の厚さは1mmと以上し、出来る限り1mmに近付けることが好ましい。尚、亜鉛合金鋳造塊の厚さの上限は30cm程度であると考えられる。これ以上の厚さの亜鉛合金鋳造塊を用いた場合、加工性が低下してしまい、圧延に多大な所要時間を要することとなる。
亜鉛合金鋳造塊の厚さは特に本発明の要件ではないが、圧延により低温ろう材を製造する場合は、加工後の最終製品である箔(ろう材)の厚さは、0.01〜0.2mm程度であるので、加工性を考えると圧延前の亜鉛合金鋳造塊の厚さは極力薄い方が望ましい。しかしながら、圧延前の亜鉛合金鋳造塊の厚さを切断等により1mmより薄くすることは困難である。従って、その亜鉛合金鋳造塊の厚さは1mmと以上し、出来る限り1mmに近付けることが好ましい。尚、亜鉛合金鋳造塊の厚さの上限は30cm程度であると考えられる。これ以上の厚さの亜鉛合金鋳造塊を用いた場合、加工性が低下してしまい、圧延に多大な所要時間を要することとなる。
(製造方法)
次に、本発明の亜鉛合金鋳造塊の製造方法について説明する。本発明で規定する成分組成を有し、共晶組織の平均結晶粒径が40μm以下の亜鉛合金鋳造塊を確実に製造するには、所要の成分組成の亜鉛合金を融点以上に加熱した後、その亜鉛合金の融点〜融点+50℃の温度で1分以上保持した上で鋳造を開始し、鋳造後の亜鉛合金鋳造塊を20秒以内に250℃以下にまで冷却すれば良い。その理由は以下に説明するとおりである。
次に、本発明の亜鉛合金鋳造塊の製造方法について説明する。本発明で規定する成分組成を有し、共晶組織の平均結晶粒径が40μm以下の亜鉛合金鋳造塊を確実に製造するには、所要の成分組成の亜鉛合金を融点以上に加熱した後、その亜鉛合金の融点〜融点+50℃の温度で1分以上保持した上で鋳造を開始し、鋳造後の亜鉛合金鋳造塊を20秒以内に250℃以下にまで冷却すれば良い。その理由は以下に説明するとおりである。
・融点以上に加熱
共晶組織を得るためには、亜鉛合金を溶融する必要がある。
共晶組織を得るためには、亜鉛合金を溶融する必要がある。
・融点〜融点+50℃の温度で1分以上保持
共晶組織の平均結晶粒径を40μm以下とするためには、加熱後250℃までの冷却を速やかに行う必要がある。そのためには、亜鉛合金を融点〜融点+50℃の温度で保持する必要がある。融点+50℃を超える温度で保持した場合、その後の250℃までの冷却を速やかに行うことができなくなる。また、亜鉛合金を融点〜融点+50℃の温度で保持する時間が1分未満である場合は、亜鉛合金が十分に溶融しない場合がある。尚、保持時間の上限は特に設定しないが、長時間保持すると工場設備内で蒸気が発生、充満して作業に支障を生じることがあるので30分以内とすることが好ましい。
共晶組織の平均結晶粒径を40μm以下とするためには、加熱後250℃までの冷却を速やかに行う必要がある。そのためには、亜鉛合金を融点〜融点+50℃の温度で保持する必要がある。融点+50℃を超える温度で保持した場合、その後の250℃までの冷却を速やかに行うことができなくなる。また、亜鉛合金を融点〜融点+50℃の温度で保持する時間が1分未満である場合は、亜鉛合金が十分に溶融しない場合がある。尚、保持時間の上限は特に設定しないが、長時間保持すると工場設備内で蒸気が発生、充満して作業に支障を生じることがあるので30分以内とすることが好ましい。
・20秒以内に250℃以下まで冷却
この冷却工程は、共晶組織の平均結晶粒径を微細にするために必要不可欠な工程である。250℃以下にまで冷却する理由は、250℃まで冷却すれば本発明で規定する成分組成の亜鉛合金の共晶組織粒の成長が停止できるからである。また、冷却を20秒以内とした理由は、冷却時間が20秒を超えた場合、冷却中に粒成長が過剰に進行し、共晶組織の平均結晶粒径が40μmを超えてしまうためである。
この冷却工程は、共晶組織の平均結晶粒径を微細にするために必要不可欠な工程である。250℃以下にまで冷却する理由は、250℃まで冷却すれば本発明で規定する成分組成の亜鉛合金の共晶組織粒の成長が停止できるからである。また、冷却を20秒以内とした理由は、冷却時間が20秒を超えた場合、冷却中に粒成長が過剰に進行し、共晶組織の平均結晶粒径が40μmを超えてしまうためである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施例では、まず、大気溶融により、表1に示す各成分組成(残部はZnおよび不可避的不純物)の亜鉛合金(Zn−Al系合金、Zn−Al−Cu系合金、Zn−Al−Cu−Si系合金)を、幅350mm×厚み200mmの水冷銅鋳型を用いて夫々溶解鋳造した。
その製造条件は表1に示すとおりである。融点は熱力学的計算により求めたもので、液相の分率が100%になる温度、すなわち該当の成分組成の亜鉛合金が完全に溶解する温度であり、また、鋳造温度は、鋳造を開始する前に5分間保持した温度である。本実施例では、熱電対を、水冷銅鋳型の内壁面に接する状態で、水冷銅鋳型の底面から50mmの位置に設置して亜鉛合金鋳造塊の温度変化を記録し、その温度が250℃に達するまでの所要時間を測定した。尚、冷却所要時間の調整は、水冷銅鋳型に流す冷却水の量や温度を適宜調整することにより行った。
(共晶組織の平均結晶粒径の測定)
鋳造した亜鉛合金鋳造塊を水冷銅鋳型から取り出し、その底面から50mmの位置で水平に切断し、切断面の鋳造組織を観察した。具体的には熱電対測定部に接する位置、すなわち表層から厚み方向60mmの位置を中心に、光学顕微鏡により倍率100倍で共晶組織の結晶粒を観察した。この観察により結晶組織粒界をトレースした後、切片法にて平均粒切片を求めた。具体的には一つの試験片あたり全長5000μm以上の線を引いて、「平均粒切片=測定線全長/測定線を横切る結晶粒界数」という計算式より平均粒切片を求め、これを共晶組織の平均結晶粒径と定義した。
鋳造した亜鉛合金鋳造塊を水冷銅鋳型から取り出し、その底面から50mmの位置で水平に切断し、切断面の鋳造組織を観察した。具体的には熱電対測定部に接する位置、すなわち表層から厚み方向60mmの位置を中心に、光学顕微鏡により倍率100倍で共晶組織の結晶粒を観察した。この観察により結晶組織粒界をトレースした後、切片法にて平均粒切片を求めた。具体的には一つの試験片あたり全長5000μm以上の線を引いて、「平均粒切片=測定線全長/測定線を横切る結晶粒界数」という計算式より平均粒切片を求め、これを共晶組織の平均結晶粒径と定義した。
(加工性の評価)
亜鉛合金鋳造塊の加工性は、鋳造した亜鉛合金鋳造塊を水冷銅鋳型から取り出し、熱間圧延を行うことで評価した。まず、亜鉛合金鋳造塊を切断して長さ300mm×幅150mm×厚さ90mmの圧延用素材を得た。その圧延用素材を大気加熱炉で280℃に4時間再加熱した後、ロール径550mmの圧延ロールを用い、ロール回転速度15m/min、1パス圧下量2.7mmの条件で熱間圧延を行った。1パス圧延終了後、1分以内に連続して5パスの圧延を行い、圧延用素材の側面に耳割れと呼ばれる割れが発生しなかったものを合格(○)、割れが発生したものを不合格(×)とした。
亜鉛合金鋳造塊の加工性は、鋳造した亜鉛合金鋳造塊を水冷銅鋳型から取り出し、熱間圧延を行うことで評価した。まず、亜鉛合金鋳造塊を切断して長さ300mm×幅150mm×厚さ90mmの圧延用素材を得た。その圧延用素材を大気加熱炉で280℃に4時間再加熱した後、ロール径550mmの圧延ロールを用い、ロール回転速度15m/min、1パス圧下量2.7mmの条件で熱間圧延を行った。1パス圧延終了後、1分以内に連続して5パスの圧延を行い、圧延用素材の側面に耳割れと呼ばれる割れが発生しなかったものを合格(○)、割れが発生したものを不合格(×)とした。
表1に示す試験結果によると、No.1〜20は、本発明の要件を満たす成分組成の亜鉛合金から、本発明で規定した製造方法で製造した亜鉛合金鋳造塊であるため、共晶組織の平均結晶粒径は全て40μm以下であった。その結果、熱間圧延を行った圧延用素材の側面には割れが発生せず、加工性は合格(○)であった。
一方、No.21〜28は、本発明の要件を満たす成分組成の亜鉛合金から製造した亜鉛合金鋳造塊であるものの、製造条件が本発明で規定した要件を満たさなかったため、共晶組織の平均結晶粒径が全て40μmを超えてしまった。その結果、熱間圧延を行った圧延用素材の側面に割れが発生し、加工性は不合格(×)であった。
Claims (4)
- Alを3.5〜18質量%含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であって、共晶組織の平均結晶粒径が40μm以下であることを特徴とする加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊。
- 更に、Cuを1〜3.5質量%含有することを特徴とする請求項1記載の加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊。
- 更に、Siを含有し、前記CuとSiの合計含有量が、1.8〜4.3質量%であることを特徴とする請求項2記載の加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の成分組成の亜鉛合金を融点以上に加熱した後、融点〜融点+50℃の温度で1分以上保持した上で鋳造を開始し、鋳造後の亜鉛合金鋳造塊を20秒以内に250℃以下にまで冷却することを特徴とする加工性に優れる亜鉛合金鋳造塊の製造方法。
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